平成18年12月定例会 第22回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案に対する質疑を行います。
 議案第1号は、平成18年度岩手県一般会計補正予算(第3号)であります。
 給与関係で13億4、600万円の減額となっていますが、減額とする具体的理由を示されたい。
 超過勤務手当が各項目で減額となっていますが、その理由は何でしょうか。一部では増額されているところもあります。増額されている理由は何でしょうか。
 超過勤務手当の支給に当たって、サービス残業が疑われます。厚生労働省のサービス残業の根絶を目指す通知では、管理者が、労働者の始業時間と終業時間を把握するように徹底されていますが、県庁の勤務時間の把握はどうなっているでしょうか。残業したが申告できない、残業として認められないという事態があるのではないでしょうか。
 県警本部長に質問します。
 県警本部でも超過勤務手当が減額となっています。幾ら減額し、その具体的理由は何でしょうか。
 決算審査で指摘したように、昨年度の超過勤務手当支給実績は、1人当たり平均年363.5時間の残業に対して、わずかに55%しか支給されていませんでした。今年度の超過勤務と手当の支給状況はどうなっているでしょうか。県警本部の場合は、超過勤務手当を減額する理由は全くなく、超過勤務手当の全額支給を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 台風12号と低気圧による定置網被害対策として、定置網復旧支援資金貸付金が2億2、300万円計上されています。融資枠は8億9、000万円であります。被害を受けた漁民・漁協からの要望にこたえられるのでしょうか。
 今回、特に定置網に被害が集中した理由は何でしょうか。
 また、今回の低気圧は、大船渡市で観測史上2番目となる風速40.2メートルを記録し、田野畑村島越漁港観測所では、波の高さが最大12.6メートルを観測するなど、台風・津波の規模だったと指摘されています。気象情報の提供に問題がなかったかと指摘されていますが、どう受けとめているでしょうか。
 定置漁業は沿岸漁業振興の柱であります。今年度の現状と今後の対策についてあわせて示していただきたい。
 議案第9号と第18号は、都南の園の名称を変更し、県立療育センターとして社会福祉法人岩手県社会福祉事業団に指定管理者を指定しようとするものであります。
 第1に、指定管理者の募集には医療活動の実績がない社会福祉事業団しか応募がなかったようですが、応募できなかった団体からは、どのような質問が出されていたのでしょうか。
 第2に、県立療育センターとして相談支援機能、地域支援機能、在宅支援機能、医療を必要とする超重症児への支援機能、児童精神科などが必要とされていますが、実際にどれだけの機能が、どれだけ実施されることになるのでしょうか。
 第3に、県立療育センターは、新たな機能を拡大することになっていますが、それに見合った人員の配置と委託料など財源措置はどうなっているでしょうか。現状とあわせて示していただきたい。社会福祉事業団の収支計画書を見れば、5年間全く同じ計画書となっていますが、工夫も努力も見られない計画ではないでしょうか。
 第4に、重い障害を持った障害児や医療活動が求められています。医師、看護師、児童相談員、PT、OT、STなどの専門家の配置はどうなるのでしょうか。現在の県職員の派遣も必要と考えますが、その際の期間と待遇、人件費はどちらが持つのでしょうか。それは委託料に組み込まれているのでしょうか。
 第5に、県立としての県の責任と果たすべき役割はどうなるのでしょうか。
 議案第11号は、県立大迫病院と県立伊保内病院を診療所化しようとする県立病院等事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例であります。
 第1に、大迫病院の診療所化に対し、地域住民は、地域の人口を超える8、000人余の署名を寄せて病院の存続を求める請願を提出しています。一昨日の4日には、この請願の採択を求める4、947人の署名を県議会議長に提出しました。花巻市議会も12月4日の開会日冒頭に、県立大迫病院の存続を求める意見書を採択しています。九戸村でも県立伊保内病院の存続を求め5、700人余の存続を求める署名が集められています。
 医療局長は、こうした地域住民の切実な声と花巻市議会の意見書をどう受けとめているでしょうか。住民の声、地域の声を無視して、ごり押しをすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、大迫病院は、岩手中部医療圏にありながら、突然、当面県立中央病院附属診療所とされようとしています。何が何でも診療所化を進めようとする異常なものであります。これは、北上と花巻厚生病院が平成20年に統合するためですが、あわてて診療所化することなく、統合病院が落ちつくまで大迫病院として存続すべきではないでしょうか。
 第3に、大迫病院の昨年度の入院患者は平均29人、救急患者は1、031人でありました。伊保内病院の入院患者は24人、救急患者は1、194人であります。診療所化となれば激減して、患者追い出しということになるのではないでしょうか。今年度の紫波、花泉の現状を含めて示していただきたい。
 第4に、県立病院全体では決して医師が減っているわけではありません。県下にあまねく医療の均てんをという県立病院の創業の精神に立ち返って、地域の医療と病院を守るべきではないでしょうか。地域から病院をなくすということは、地域住民の医療を受ける機会、入院の機会を奪うものであります。地域によって医療に格差があってはなりません。命の重さに格差があってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
 議案第12号は、県立病院における70歳以上の療養病床患者負担を増大させようとするものであります。対象となる病院と病床数、入院患者数、患者負担増は具体的にどうなるでしょうか。このやり方は、負担増を通じて病院から患者を追い出しかねないものであります。医療難民、療養難民が大量に出かねませんが、県立病院として今後どう対応しようとしているでしょうか。
 議案第16号は、県営住宅入居者の滞納者に対し住宅の明け渡しの訴えを提起するものであります。10人の方々が対象となっていますが、この中には、生活保護受給者や母子家庭で無職の方々も見受けられます。もし滞納を理由に住宅を追い出されたら、ホームレスになりかねない事態であります。憲法第25条の生存権を保障する立場から、盛岡市の福祉事務所など福祉関係部門と連携して解決を図るべきではないでしょうか。
 以上でありますが、答弁次第で再質問いたします。
〇総務部長(川窪俊広君) まず、給与費の減額についてでございますが、当初予算における給与費は、予算計上時点におけます新年度の各部局の定数見込みをもとに算定しているところでございまして、今回12月の給与費の補正は、その後の実人員の配置状況の結果といたしまして、当初予算計上額との間に過不足が生じた金額を調整するものでございます。
 その過不足の発生原因としては、当初予算編成時点の見込みと比べまして、実際に配置された、あるいは年度の途中で異動になった人員が増減したこと、また、年齢構成が見込みと違う結果となったことなどによるものでございます。この結果として、全体では減額の補正となりまして、また、科目ごとに見ると一部に増額が生じているという結果でございました。
 また超過勤務手当につきましても、給与費全体と同様に、実人員の配置状況に伴う過不足調整を行っておりまして、これは、超過勤務手当支給対象職員の給料の過不足調整に連動した補正となっているものでございます。
 次に、勤務時間の把握等でございますが、職員の始業時刻につきましては、管理・監督の立場にある職員が出勤簿により確認する、また、終業時刻につきましては、管理職員がみずから直接確認できる場合はその確認によりますが、それ以外の場合には、超過勤務を命じた場合になりますが、当該職員が超過勤務等命令・記録簿に終業時刻を記録し、翌日、これらによって確認するという取り扱いになっております。
 超過勤務の扱いにつきましては、管理・監督の立場にある職員が、業務の平準化等の形で所定の勤務時間内で業務遂行がなされるよう努めることを基本としつつ、やむを得ず超過勤務が発生する場合には、事前の超過勤務命令、そして事後の確認という形で執行しておりまして、このような形で行った超過勤務につきましては、その実績に応じまして適正な超過勤務手当を支給するということで対応しているものでございます。
 それから、定置網被害との関係で、気象情報の提供に問題がなかったかという点でございますが、10月6日から8日にかけての低気圧に関します気象情報等につきましては、盛岡地方気象台におきまして、発表基準に基づいて、波浪警報、暴風警報、高潮警報が発表されております。
 また、盛岡地方気象台からは、この低気圧に関する気象情報も、その前日の10月5日の時点から14回にわたりまして発表されております。
 こうした気象情報等の提供につきましては、気象台から適時適切に行われたと考えておりますし、また、提供を受けました県におきましても、総合防災情報ネットワーク等によりまして、直ちに各市町村等に自動配信し、情報の共有を図ったところでございます。
〇農林水産部長(高前田寿幸君) まず、定置網復旧支援資金貸付金についてでございますが、本資金は、県漁連や信漁連などの漁協系統組織との緊密な連携のもと、被害の状況や資金需要を把握し創設しようとするものでございまして、今回の定置網被害に対しては、十分に対応できるものと考えております。
 次に、定置網に被害が集中した理由についてでございますが、今回の低気圧では、周期が長い破壊力の大きな波が長時間継続したことや、定置網は外洋に設置されておりまして波浪の影響を受けやすいことなどから、定置網に被害が集中したものと考えております。
 次に、定置漁業の現状と今後の対策についてでございますが、本年度の定置漁業の現状について申し上げますと、被災後、漁業者の懸命の努力により98%の定置網が復旧いたしておりまして、11月30日現在、漁獲量は前年比107%の4万9、000トン、金額で申し上げますと前年比129%の84億円となってございまして、現在のところ、低気圧による漁獲への影響は最小限にとどまったものと考えております。
 今後につきましては、今議会に提案させていただいております定置網復旧支援資金を活用いたしまして、災害に備えた替え網の整備等を促進するとともに、漁業共済への加入促進も含めた今後の対策について、県漁連など関係団体と連携を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 都南の園の関係でございますが、応募できなかった団体からの質問事項についてでございますが、指定管理者応募期間中に設けた9月11日から25日までの質問受付期間には、事業団以外からの質問書の提出はなかったところでございます。ただ、9月13日に現地説明会を行いましたが、その際には3法人の参加――これは事業団も含んででございますが――がございまして、質問というよりも要望という形で、収支見込みを立てるのがなかなか困難なので、モデルを示してほしいとか、あるいは医師確保に対処してほしいといったようなお話があったと伺っております。
 それから、療育センターで実施される機能についてでございますが、御質問にもございましたけれども、児童精神科外来の開設、それから、全県を対象とするネットワーク形成等と専門的な相談・支援の拡充、発達障害者支援センターの運営・実施、県内療育関係者への研修機能といったことを行っていきたいと思っております。
 どれだけやるのかといったことは、なかなか表現が難しいわけでございますけれども、具体的な事業の計画の詳細につきましては、今後、県あるいは都南の園のスタッフと指定管理者で詰めてまいりたいと考えておりますが、できる限り、これらの機能が早期に発揮されるように努めていきたいと考えております。
 また、重症児の対応も含めまして、これまでさまざま検討に参画していただいた方々が県内にたくさんいらっしゃるわけですけれども、そういった方々のお知恵もおかりしながら、できるだけその機能が発揮されるように努力していきたいと考えております。
 それから、3点目、療育センターの人員配置及び委託料についてでございますが、発達障害者支援センターなど、機能の拡充をしていくわけでございますが、現在の常勤換算で83人の体制から、常勤換算で10人程度増加させたいと考えております。単年度の運営費は、今年度の9月現計で9億8、500万円ほどでございましたけれども、事業団の積算であります運営費は、来年度は9億7、300万円程度を見込んでいるところでございます。
 事業団が運営する場合の運営財源でございますけれども、指定管理者の収入とする自立支援給付に関する利用料の収入でありますとか、医療費の収入、それと指定管理料が主なものとなってまいります。指定管理料につきましては、療育センターの機能が発揮されるよう、県としても精査して積算してまいりたいと考えております。
 事業団の収支計画書は5年間同一の金額となっておりますが、現行運営費のうちの一般財源分を下回りながらも機能の充実を実現しようとする収支予算の計画となっておりまして、一定の努力が認められる計画と評価しております。
 なお、今議会で事業団が指定管理者としてお認めいただいた場合には、実際に療育センターを運営する中で、医療費収入等の増大でありますとか経費の節減、あるいは費用対効果を最大限高めるように、県としても指導してまいりたいと考えております。
 それから、専門家の配置と県職員の派遣についてでございますが、医療スタッフ等の専門職につきましては、当面、現在のスタッフを中心としていきたいと考えておりますが、処遇の継続性といったことに十分配慮してまいりたいと考えております。
 職員の派遣につきましては、原則として3年を期間としているところでございますが、これまでの事業団への派遣の例では、状況に応じて延長している事例もございます。派遣職員の待遇は、当然のことながら、県職員としてのものでございますし、人件費は、基本的に県が負担し支給するということになります。
 それから、県の責任と役割についてでございますが、昨今のさまざまな改革の中で、障害者の福祉サービスにつきましては、民間の事業者の活用も含め、相談とか給付決定でありますとか利用まで、基本的には市町村に担っていただく方向になってきているのではないかと考えております。ただし、市町村が担うことが困難な分野につきましては、療育センターもそうした事例と考えておりますが、県単位での対応ということになろうかと思っております。
 岩手県障害児療育のあり方検討会の中では、こうした考え方のもと、県全体をカバーする機能を持つ都南の園を療育センターとするということになったわけでございますが、この検討の過程において、療育センターが十分に機能を発揮するためには、現下の状況では民間では運営が困難ではないか、また医療スタッフの確保にも民間ではなかなか困難があるのではないかといった意見も出されたところでございまして、こういった意見を踏まえまして、今回の療育センターへの移行に当たっては、県立として維持することとしたところでございます。
〇医療局長(法貴敬君) 県立大迫病院と県立伊保内病院の診療所化についてでございますけれども、まず、県立病院の診療所化に関して、地域の皆様から請願がなされていること、地元市議会から意見書が提出されたことについては、重く受けとめております。
 診療所化の計画については、県民への公表や意見募集、地域への説明などに努めて、当初は無床であったものを有床に見直すなど対応してきたところでありますけれども、地域のすべての皆さんから納得をいただくことはなかなか難しいと感じております。
 今、国の医療制度改革が進む中で、県立病院には、医師の勤務環境を改善しながら、経営基盤の安定を一刻も早く図り、さらには、県民への良質な医療の提供を維持していくということが求められており、こうした中で、病院改革の一環である診療所化も避けられない状況にあります。したがいまして、診療所化した後に、これまでの説明どおりの診療機能を維持していくことで、地域の皆さんの不安を解消しながら円滑に移行していきたいと考えております。
 次に、統合病院が落ちつくまで病院として存続すべきではないかということでありますが、国の医療制度改革が進む中で、県立病院は、経営基盤の安定を図りながら良質な医療を提供していくために、一刻も早く病院改革を着実に実行していくことが必要であり、その一環である大迫病院の診療所化については、地域での説明会などにおける住民の御意見、勤務医のモチベーションの維持、関連する大学医局との調整、あるいは十分な診療体制が確保できるのかとか、磐井病院の移転新築と重なった花泉病院の例から、本院に負担がかからないようにすべきではないかなどの県議会におけるさまざまな御議論を十分しんしゃくし、熟慮を重ねた結果、診療機能にかかわる住民の不安を解消していくためには、移行後の診療体制を安定的に確保することが最も重要であると考えたところであります。そのために、県立病院全体のセンター病院でもあり、現在、大迫病院に診療応援を多く実施している中央病院の附属診療所としたところであります。
 なお、将来的には花巻厚生病院と北上病院の統合病院が開院し、診療体制が充実、運営が安定した時点で、御指摘のように、地域における医療の一体性を考慮しながら、当該病院の附属診療所とすることも検討してまいりたいと考えています。
 次に、診療所化によって患者さんを追い出すのではないかという御指摘についてでございますが、対象病院の入院患者さんの状況から、通常は19床の病床で対応できるものと考えております。また、機能分担と連携の推進によって、病状に応じた最適な医療機関を紹介・搬送することはあっても、診療が必要な患者さんを追い出すことはないものであります。
 なお、先行した紫波病院及び花泉病院の本年10月までの1日平均患者数は、外来はいずれも100人余、入院は紫波で13人、花泉で11人、救急患者は、紫波で2.5人、花泉で1.9人となっております。
 次に、地域医療に格差が生ずるのではないかという懸念でありますけれども、県立病院改革においては、当初、無床の診療所への移行を計画しておりましたが、県民や地域の意見を踏まえて有床の診療所に見直したことによって、初期救急や外来機能のほか、入院需要にも対応できることで、診療機能の低下にはならず、診療所化になったとしても、直ちに医療格差が生じるものではないと考えています。
 それから、入院時の生活療養費の関係でございますけれども、対象となる病院と病床数、入院患者数、患者負担額の増についてでございますが、療養病床を有する県立病院は、久慈病院43床、一戸病院48床、軽米病院45床及び大東病院41床で、4病院合計で177床あります。また、入院時生活療養費の算定状況は、10月の状況で久慈病院では対象となる患者さんがおりませんでしたので、その他3病院の合計で延べ2、166人となっています。
 なお、患者負担額の増については、所得や患者の状況により負担額が異なりますが、最高負担額となる一般患者の食費3食分で比較しますと、1日910円の増加となります。
 県立病院としての今後の対応についてでありますけれども、この療養費については健康保険法の一部改正によるものでありますが、県立病院としては、病状に応じた適正な医療の提供を行ってまいりたいと考えています。
〇県土整備部長(西畑雅司君) 県営住宅の明け渡しについてでございますが、家賃を滞納している入居者については、専門の納入指導員や職員が、電話や訪問による指導を初め、失業などによる収入減により家賃の支払いが困難な方には、減免を勧めたり、保健福祉部と連携し生活保護申請の助言を行うとともに、生活相談に応じているところであります。
 今回訴えの提起をしようとする10名の方は、このような助言や指導にもかかわらず、支払いを行わず、滞納額を増加させたものであります。例えば、家賃決定の前提となる収入申告をしなかったり、減免の手続をしなかったり、面談を拒否したりし、納入に誠意を示さない方々であります。県としては、他の入居者との公平性を保つ観点から、やむを得ず訴えの提起を行うものであります。
 なお、県営住宅明渡等請求訴訟を提起し、勝訴の判決を受けた後においても、滞納者が転居先を確保するための期間を考慮しながら自主退去を行うよう、十分な指導、催告を行った上で、裁判所へ明け渡しの執行を申し立てているところであります。
 今後とも、滞納者に対しましては、適切な助言や納入の指導を行うとともに、一層福祉関係部局との連携を図ってまいりたいと考えております。
〇警察本部長(山下史雄君) 警察本部の超過勤務手当予算の減額についてお答えいたします。
 平成18年度当初予算における超過勤務手当の予算額は12億2、589万円余であり、12月補正予算において747万5、000円を減額補正するものであります。これは、年度途中における職員数の減などにより減額補正するものであります。
 今年度の超過勤務と手当の支給状況でございますが、今年度上半期における超過勤務手当の支給実績は、職員1人1カ月当たりの平均で約16.5時間であります。超過勤務の実態につきましては、年度途中であることから算定が困難で正確な数字は把握しておりません。おおむね昨年度と同程度かと思われます。
 減額する理由は全くないとの御指摘でございますが、先ほど申し上げましたが、予算を減額する理由は、他の部局と同様に、職員数の減などに伴い、所要の補正をするものでございます。
 一方、第一線の警察業務につきましては、突発的に発生する事件・事故に直ちに対処し、事件・事故の早期解決を図らなければならず、予算の範囲内で調整して超過勤務を命ずることが困難な場合もございます。こうした点につきましては十分踏まえ、実績に見合った支給に努力してまいりたいと考えております。
〇26番(斉藤信君) 超過勤務の問題について、これ、サービス残業というのは犯罪なんですよ。労働基準法違反でね。
 知事に私はお聞きしたい。一つ、今、県警本部長、昨年度も55%しか超過勤務手当は出されなかったんです。これはサービス残業ですよ。いわばサービス残業があるときに、超過勤務手当を削減するということがまともなことなのか。知事はどう考えているか。
 もう一つ、知事部局の場合は、超過勤務時間と超過勤務手当が全く一致しているんです。これは不思議なことなんです。命令を出した分しか超過勤務として認めていないのですよ。IMSとか成果主義賃金で、いわば超過勤務を申告できなくなっているというのは大問題なんです。
 それで、知事にお聞きしたいんだが、厚生労働省がサービス残業根絶の通知を何度も出しています。ここの最大のポイントは、使用者が、始業時間、終業時間を把握しなさい、それを従業員にも明らかにしなさい、そうやってサービス残業を根絶しなさいとなっているんですよ。いわば命令だけじゃないんです、何時まで働いたかということが問題なんです。県庁は、そういう把握をしていないんですよ。私は、そういうことをしないで、IMSだ、成果主義賃金だという形でサービス残業を蔓延させることは許されないと思いますが、これは、知事の見解をお聞きしたい。
 もう一つ知事にお聞きしたいのは、本会議でも知事は、県立大迫病院と伊保内病院の統合問題について、県民の皆さんの御理解と御協力が不可欠だと答えております。私は今、こういう理解、納得が得られていないんだと思うんですよ。そして、岩手中部圏の大迫病院を無理無理中央病院の附属にして診療所化するというのは、私は、やっぱりつじつまが二重三重に合わないのではないか。こういうときには、やっぱりしっかり住民の意見も聞いて、市議会の様子も聞いて、地元の合意を得ながら時間をかけてやっていくというのが民主主義でないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、保健福祉部長にお聞きしますが、都南の園ですけれども、現状で9億8、500万円かかっている。ところが、10人ふやして9億7、300万円の経費だと。これは、結局、県職員派遣の分、県が人件費を持つからそういうことになるのか。それは、医師、看護師、OT、PT、STなどの方々だと思うんですが、私はかなりの、数十人規模になると思うんですが、その規模をちょっと示していただきたい。その負担割合ね。
 そして、県立としては、やっぱり医師の確保、看護師や専門家などの確保に、私は県がしっかり責任を持つべきだと思うが、さっきの答弁はそういうふうに受けとめていいのか。
〇知事(増田寛也君) お答え申し上げますが、まず、超過勤務の関係でございますけれども、知事部局は、IMSの取り組みを今盛んにやっていますが、この目的に、風通しのよい職場をつくるというものがありまして、今、超過勤務の命令と実施後の確認というのはしっかりやらなければいけないので、これは、先ほど総務部長が言いましたような形で今やっておりますが、それにしても、上司がよく部下と対話をする、そして風通しのいい職場をつくるということに今取り組んでいますので、その中で議員御懸念の点も、今後さらに取り組みを進めて払拭させていきたいと考えるわけであります。
 それから、警察本部の関係でありますが、これは、警察本部長が全体を把握していると思いますけれども、今、超過勤務の実態のお話もございましたが、担当は総務部長でございますが、警察本部長などとよく話をさせたいと思っております。
 いずれにしても、議員がサービス残業のことをお話しになっていましたけれども、むだな残業はできるだけなくす、ただし必要なものはきちっと取り組まなければいけないわけでありますから、それに対しては手当てをする、こういうものが基本だろうと思います。
 それから、あと大迫病院の関係でありますが、これは、いろいろと地域の皆さん方に御心配をおかけいたしております。大変申しわけなく思っておりますが、議員もよく御承知かと思いますが、勤務医というのは今、大変なオーバーワークなんですね。もう本当にぎりぎりの状況で今働いておりまして、これはもう、医療事故にもつながりかねないという大変な事態にも来ております。
 ですから、もちろん医療局としての経営の安定ということもございますが、現場の声としても、そういうことをぜひ改善したいということも一方でありますし、また私どもも、県立病院のそれぞれの機能を強化するということには取り組んでまいります。
 また、この大迫病院も、本来、無床ということで計画いたしましたが、地域の皆さん方の御意見をお聞きして有床ということで切りかえたものでございますので、ぜひ県民の皆さん方の御理解を賜りたい。今までの努力が不足ということのおしかりもいろいろいただいておりますが、その点も大きな反省材料になりますけれども、今後とも、御理解をいただくように努力をしていきたいと思います。ぜひ、その上でも、特に議員には、この点についてはよく御理解を賜りたい、よろしくお願い申し上げたいと思います。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 都南の園の職員派遣の関係でございますが、現在、正確な資料がちょっと手元にございませんので、大変申しわけございませんが、中核的な医師あるいはPT、OT、看護師の方々につきましては、それは人事でございますので、御本人の御希望といったことも当然あると思いますけれども、処遇の継続といった視点、あとは、私も直接職員の方とも何人かとお話ししておりますが、都南の園で障害のある子供たちと取り組むために県職員になったという非常にモチベーションの高い方もいらっしゃるわけです。そうしたことにも配慮しながら運営する組織体制をつくっていきたいと思っております。
 ただ、基本的に指定管理者制度の原則的なお話を申し上げますと、指定管理者となった法人が、そのスタッフを用意することが原則になってくるとは思います。ただ、一方では現下の情勢というものがやっぱりあると思いますので、そうしたことをよく勘案しながら、本来の機能が維持・向上されるということが一番大事だと思っておりますので、そうしたことを指定管理者ともよくお話をしながら、県立ということの意義を踏まえながら、スタッフの体制も検討してまいりたいと考えております。
〇議長(伊藤勢至君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第20号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第22回県議会定例会 平成18年12月6日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款、第2款、第9款
   第2条第2表中
    追加中4
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第7号
7 議案第13号
8 議案第19号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
   第2条第2表中
    追加中1
2 議案第8号
3 議案第9号
4 議案第11号
5 議案第12号
6 議案第14号
7 議案第18号
8 議案第20号
商工文教委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款
2 議案第15号
農林水産委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第1項
第2項
第3項(第2目中県土整備部関係及び第3目中県土整備部関係を除く)
第4項(第6目を除く)
第5項(第11目中県土整備部関係を除く)
   第2条第2表中
    追加中2、3
2 議案第2号
3 議案第10号
県土整備委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款中第3項中第2目中県土整備部関係及び第3目中県土整備部関係
           第4項中第6目
           第5項中第11目中県土整備部関係
       第8款
       第11款
2 議案第16号
3 議案第17号
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 6 時23分 散 会

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