平成12年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇11番(及川幸子君) 自由党の及川幸子でございます。
 当選間もなく、初県議会に一般質問の機会を与えていただきましてから、早いもので8カ月の月日が流れ、県民の代表としての自覚の中、私なりに一日一日を大切に歩んでいるところでございます。
 今まで、県政に対して、また地域行政に対してさまざまな意見を持ちながら、どうせ届かぬ声とあきらめていた人々の代弁者として、再び登壇する機会を持ち得たことは、私にとり大変意義深いものがございます。
 このたびは、先輩議員、同僚議員の皆様の御高配を賜り、本年度2度目の登壇の機会をいただきましたことに対しまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 それでは、県政の諸課題について順次質問させていただきます。
 まず、平成12年度当初予算についてお伺いします。
 平成12年度当初予算は、県税収入が伸び悩み、一方で県債の償還費が大幅に増加するなど、これまでになく大変に厳しい中での編成をされたと伺っております。
 しかしながら、限られた貴重な財源につきましては、県総合計画に盛り込んでいる、新しい岩手づくりに向けたいろいろな施策について随所に芽出しをされたものと受けとめております。サラリーマンの家計に例えるとすれば、給与などの収入が低迷する中で、住宅ローンの支払いもふえ大変な状況ではありますが、親の介護などの福祉費用や子供の教育費用など、必要なところはしっかりと見たほか、貯金も相応にため込むなど、まさしく生活優先の堅実型予算と言えるのではないのでしょうか。そこで、お伺いしますが、予算編成に当たって、財源の確保対策や歳出の抑制策など、あらゆる手だてを講じたことと思うのでありますが、特にどのような点に留意なされたのか、知事の御所見を賜りたいと存じます。
 次に、地方分権の推進についてお伺いします。
 申すまでもなく地方分権は、経済、社会の急激な変化に的確に対応していくため、国と地方の役割分担を明確にし、国に集中している権限と財源を地方にゆだねて、中央主導の縦割り行政から地域住民本位の暮らしの豊かさを実感できる社会の実現を目指しております。増田知事も知事演述の中で、県を初め各市町村は自己決定、自己責任の原則のもとに、分権の担い手としてまさに主役としての活動が求められており、地域や組織の関係も階層型から水平型へと変化していかなければならないと訴えておられました。
 また、地方分権一括法が施行されるこの時期に、石原東京都知事は、平成12年度から法人事業税に大手銀行を対象とした外形標準課税を導入する条例案を提示し、日本全国に反響を巻き起こしており、都民の多くは嵐を呼ぶ男として高く評価しているようでございます。この問題については、賛否両論あるようですが、地方の責任と独自性を示していこうという姿勢は、意義があるとともに、反面、課題の所在も示しているものと思います。
 そこで、伺いますが、東京都の外形標準課税構想に対する知事の考えを含め、目前に迫った地方分権時代の幕あけに当たり、積み残された課題もあると思いますが、今後の地方分権の推進について、知事の所感を賜りたいと思います。
 また、地方分権の時代にあっては、それぞれの市町村が創意工夫を凝らし、地域の実情に応じた経営を進めていくことが必要ですが、その基盤となる市町村の財政状況について、県はどのように現状をとらえ、指導、助言していこうとしておられるのか、基本的な考えをお示し願いたいと存じます。
 次に、本県のごみ問題についてお伺いします。
 先般報道されたNHKテレビの環境番組で、ある人がスーパーで買い物をする際、包装されていないリンゴやホウレンソウなどをばらで買い、レジ袋も断って自分のスカーフを買い物袋にかえて持ち帰るという行動が紹介されておりました。ごみの量も努力次第ではかなり減らせると興味深く拝見いたしたところでございます。
 知事は、自然と共生し、循環を基調とする社会を主要施策に掲げておりますが、環境にできるだけ負担を与えない、自然に優しい買い物の仕方や商品の過剰包装の見直しなど、県民に働きかける必要があると考えますが、県民の啓発運動を含め、県としてごみの減量化やリサイクルに向けての取り組みについてお示しいただきます。
 次に、廃棄物の不法投棄の問題についてお伺いいたします。
 昨年末から本年1月にかけて、県南、県北の県境に産業廃棄物の不法投棄があったという報道がありました。このような廃棄物の不法投棄、特に県外から持ち込まれた廃棄物によって、本県の環境が汚染されることを防止するためには、監視、指導を徹底し、不正な業者は厳重に処分することが重要と考えております。
 また、不正な処理が行われている場合には、その情報を県として早期に把握し、速やかに対処することが求められるわけでございますが、広い県土をカバーするためには、県が行う監視に加えて、県民の協力を得ての監視も有効と考えます。ついては、不正な処理をできるだけ早く把握するために、県民の協力を得られるような監視体制を検討しているのでしょうか。また、不正な処理を行った業者に対してどのような処分を行っていくのか、今後の方針についてお伺いします。
 次に、すこやか子どもランドの整備についてお伺いします。
 私は、昨年の10月、環境福祉委員会の県外調査で大阪府立大型児童館ビッグバンを調査してまいりました。
 この施設は、宇宙を想像させるような4階建ての近代的な円筒の建物で、設備もコンピューターを駆使したものが多く、ゲームセンターにでも行っているような感じがして、まさにつくられた施設という感じを抱いたところでございます。今の子供たちは、学校から帰ると自分の部屋にこもり、テレビゲームなどに熱中し、友達が遊びに来ていても皆それぞれ勝手に時間を過ごしており、仲間同士で一つの遊びを行うことがなくなっております。私が子供のころは、日が暮れるまで山や川、雲や風の自然を遊び場としていろいろな遊びを工夫したものでした。また、ポケットの中にはいつも風があり、子供は風の子と言われ、たくましい子供が多かったように感ずるのです。
 そこで、本県が計画しているすこやか子どもランドは岩手の自然を生かし、自然との共存を主眼に置いた、子供のよさをどんどん引き出せるような施設にしてほしいと願うものです。そこで、伺いますが、この施設の概要と現在の進捗状況はどうなっておるのでしょうか。
 また、大阪の大型児童館建設に当たっては子ども協議会を組織し、子供の意見を反映されたということでありましたが、本県の子どもランドには子供の声をどのように取り入れようとしておられるのか、あわせてお知らせ願います。
 次に、子育て支援のための対策についてお伺いします。
 少子化傾向が一段と強まる中で、安心して子供を産み育てられる環境づくりは、ますます重要な課題となってきております。以前にも取り上げている問題ですが、子育て家庭を地域で支えていく場としての子育て支援センターの本県の設置状況と活動状況はどうなっているのでしょうか。
 また、我が国の合計特殊出生率は年々急速に低下し、このまま続きますと80年後には今の人口の約半分になり、学校も統廃合が推し進められ、子供会もなくなり、子供向けの会社も倒産するなど、大変深刻な社会を迎えることになります。
 そこで、我が国の経済の立て直しを図るためにも、少子化の急速な進行に歯どめをかけなければなりません。平成10年度の県の調査によりますと、出生率の低下の原因として、1番が子育てや教育にお金がかかり過ぎる、2番が仕事と子育てを両立させる社会的仕組みが整っていないとする考えが大半を占めております。
 地域において住民が進んで子育て支援をしている地域がありました。それは沖縄県の伊是名島、人口1、900人のその地域は、合計特殊出生率が全国1.38であるのに対して、その約3倍であります。ほとんどの家庭が子供を5人から6人持っております。島は元気があり、あちこちから元気な子供の声が聞こえてくるのです。この島で子供を6人持つ母親は、毎日近所の人が野菜や魚を持ってきてくれ子育ては簡単ですと、また、ある母親は、自分が子育てをしているのではない、地域の人たちがしているのですと、さらには埼玉県からわざわざ子育てのため引っ越してきたお母さんは、子育てが楽になった、子供たちが洗濯の手伝いをし、兄弟の面倒もよく見るので、日中は老人ホームでボランティアの仕事をしていますと、生き生きと話しておりました。そこで伺いますが、県内において、このように地域ぐるみで子育てを支援してる事例などがあればお知らせ願います。
 次に、活力と元気のあるまちづくりについてであります。
 県内では、車社会の進展に伴い郊外の住宅地開発が進むとともに、郊外への大型店の出店増加などにより、都市の中心部から郊外へと人の流れが変化してきております。その結果、中心市街地においては、購買力が流出し、商店街の中心商店の空き店舗が増加しているほか、水沢、一関、北上などでは駅前の大型店さえも閉店を余儀なくされるなど、空洞化が大変に深刻化している状況です。このような中で、今後、中心市街地が郊外へ流出している人たちを引きつけるためには、どのような点に留意しながら取り組む必要があるのでしょうか。また、各市町村の中心市街地活性化対策をどのように支援していくおつもりなのかお伺いいたします。
 また、県内における商店街活性化の取り組み事例として、釜石商工会議所では緊急地域雇用特別基金事業による助成金で、空き店舗を活用した高齢者向け宅配サービスを行い、消費者の好評を博しているとのことでありますが、この事業の概要をお示しいただくとともに、ほかに県内で空き店舗を利用した商店街活性化事業を展開している事例があればあわせて御紹介願います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、農業問題についてお伺いします。
 まず、大区画圃場整備の実施状況についてでございます。
 昨年9月に岩手県農業・農村基本計画を発表されましたが、それによりますと、県は体質の強い水田農業の確立と主業型農業への農地の利用集積を促進するため、大区画圃場の整備を推進することとしております。
 私の周りでもそうした圃場の大区画化の工事が方々で行われ、また整備された圃場での農作業を目にしております。大型コンバインが効率よく収穫を行い、新しいカントリーエレベーターに運ばれていきます。道路もよくなり目をみはるばかりでございます。
 しかしながら、水田の3分の1が減反で米の生産ができない上、米価が急激に低下しているなど厳しい農業情勢の中で、農家の方々がさらに圃場整備事業の負担や新たな農業機械への投資など、将来の農業に向け、願いを込めて懸命な努力を行っていると私は感じております。圃場整備後には、若い意欲のある農業後継者が育ち、農村地域が次の時代にも引き続き発展していくことが極めて重要であると考えます。
 そこで、お尋ねしますが、これまで大区画圃場整備事業が各地域で実施されておりますが、その目的、効果が十分発揮されているのでしょうか。また、中には老夫婦の方々で、圃場の大区画は行わず、少しの田んぼでも自分の手でこのまま営農を続けたいと強く望んでおられる方もおりますが、老後の生きがいとしても、この整備事業の中で希望をかなえていただきたいと思うのでありますがいかがでしょうか。
 次に、新規就農者の確保対策について、これまでの取り組みと県外からの受け入れ状況についてお伺いします。
 平成10年度の農業白書によりますと、全国の農業労働者のうち60歳以上の高齢者が占める割合は6割を超えているとのことであり、昭和35年度の4倍の水準になるとのことであります。このまま農業労働力の減少や高齢化が進みますと、農業生産構造の脆弱化による生産力の低下はもとより、過疎化などによる地域社会の活力低下などが懸念される極めて厳しい状況になることが推察されます。
 農政の重要課題である担い手確保は、小学生、中学生のころから農業のすばらしさを体験させることが必要ではないかと思うのです。高校に入り進路を決定する段階では遅過ぎるのではないのでしょうか。私も、小さいころから押しつけではなく、田畑に働く両親の姿を目にし、小学のときから田畑に足を運んだものであります。親となった今、昔のように子供たちが農繁期には一緒に汗を流してくれます。家族間のいたわりが育つ貴重なひとときです。児童生徒が老人クラブや地域の人たちと農業体験学習などを通じて世代間交流を行う世代間交流促進事業として、平成11年度新規事業に二つの小学校が導入されることを知りましたが、これはお年寄りに接する子供たちにいたわりや優しさを教えることにもなり、とてもすばらしい取り組みであると考えます。そこで、伺いますが、県外からの新規就農者の受け入れの状況も含め、その取り組み状況をお示しいただきたいと思います。
 次に、女性農業委員の登用についてお伺いいたします。
 農村社会の近代化が言われて久しくなっておりますが、今もって不十分で、改善されなければならない重要な事項として、農村女性の社会進出及び地位向上促進があります。日本の農山漁村の女性の地位は、国際的に見て極めて低い現状であります。また、政策や方針決定の場への参画も不十分であります。約4万5、000人のJA役員の中で、女性はたったの129人の0.29%にすぎません。しかしながら、日本の農業は女性に支えられているところが大きく、農業就業人口の60%を占めております。単に農業のパートナーとしての女性だったときから、農村女性の社会進出によって農業、農村を振興する義務と責任を担うこの女性のパワーが着実に農業振興の活力と農村を豊かで清らかな里によみがえらせてくれるのではないのでしょうか。農村女性の社会進出及び地位向上のため、いろいろな手段があるとは思いますが、私は女性農業委員を大幅に増員することが各分野での女性進出を波及させる大きな役割を果たすとの認識のもとで、この女性農業委員登用に焦点を当てるものでございます。そこで、全国で最も多くの女性農業委員を登用している長野県の実態と取り組み状況についてお伺いするとともに、本県での女性農業委員の実態と今後の増員に向けた取り組み及び目標についてお伺いします。
 次に、教育問題についてお伺いします。
 まず、子供のしつけについてであります。今の家庭には、まだまだ成績向上が人生のすべてと考え、しつけは二の次と思っている親が多いように思われます。お受験事件もその例であります。また、親子関係を見ても、親が我慢をし子供の思うままに動いているように思われるのです。しかることは重要な教育の一要素だと思います。なのに最近の親はかわいさの余りしかれない、それが家庭崩壊の原因にもなっているようにも思います。昔の人は、他人の子供でも悪いことをしていればどんどんしかったものです。しかられることは子供の成長過程の中において、善悪の判断を勉強する絶好の機会でもあると思うのです。
 国会では今、道徳理念を含めた戦後教育の見直しについて熱心に論議しているようです。そこで、教育長に伺いますが、家庭におけるしつけのあり方についての認識と、学校現場での基本的生活習慣についての指導をどのように行っているのか、あわせてお示しいただきたいと思います。
 子供たちを取り巻く問題、特にも青少年の問題が後を絶たない状況にありますが、先日、福岡県での中学生の兄弟により母親が命を落とすという、何ともやり場のない事件がありました。学校、家庭、地域の連携は常に口にしている耳なれた言葉ですが、この事件を知るに及び、それは全くこの三者連携がとれていなかった結果だと思わざるを得ません。最近増加傾向にある登校拒否についても、私はこの三者が連携して対応することにより、解決が図られるのではないかと考えております。そこで、お伺いしますが、県内の小中高で登校拒否をしている児童生徒を学校側はどこまで把握し、どのように家庭と連絡をとり、対処しておられるのでしょうか。また、その結果、学校に復帰した児童生徒は何人ぐらいいるのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 私は、昨年の4月に沖縄県にできた日本にたった一つしかない小・中・高一貫校を、教育問題対策特別委員会の委員として、ことしの1月調査してまいりました。この学校は、花や木が茂り、雄大な海が望めるところにあり、今まで学校に不信感を抱いていた子供たち、また、登校拒否を続けていた子供たちが集まっていました。強制的な学習ではなく、点数や資格にこだわらない真の教育を求めている子供たちを入学させる、そんな夢が実現した学校です。家庭教育を初め、登校拒否問題さらには非行問題など、今の学校現場はもろもろの問題を抱えているように思われるのです。世の中がこんなに変わってきているのだから、学校も変わっていくことが求められるのではないかと思います。
 そこでお伺いしますが、これまでのように型にはまった画一的な教育ばかりでなく、子供たち一人一人の個性やよい面を伸ばすような、ある程度自由な学校教育も必要ではないかと考えますが、この点について教育長の御所見をお聞かせ願います。
 次に、重症心身障害児施設整備についてお伺いします。
 長い間、重症心身障害児を持つ家族の念願であった施設が、本県に平成13年度開設予定となり、今まで保護や指導などを必要とする児童については、近隣県または県内の国立療養所での療養を余儀なくされていただけに、一日も早い開設が望まれるところであります。
 計画場所は矢巾町で、約2万平方メートルの敷地に入所定員50人の施設を予定しているようですが、設置経営が予定されている社会福祉法人の当初計画では、80人を予定していたのが30人減となりました。
 そこで伺いますが、県内の在宅している重症心身障害児数は120人くらいと伺っておりますことから、50人定員で受け入れ体制は大丈夫なのでしょうか。また、整備事業費も当初計画よりかなり縮小したようですが、法人の整備計画で十分な設置ができるとお考えでしょうか。
 県内の牧場で、仲間と一緒に豚の飼育をしている青年がおります。彼は、筋ジストロフィーの病と闘いながらも懸命に生き抜いているのです。1文字書くのに2時間を要しながらつくった彼の詩を紹介します。
「いつかくる きっとくる たとえその日が遠くても きっといい日がやってくる」
 このいい日を、私たちは社会全体でつくっていかなければなりません。
 また、重症心身障害児を持つお母さんたちは、口々に、この子を残しては死ねない、私が死んだらこの子をだれが見るの。この子より1日でも長く生きていたいと言います。この叫びを、私たちは社会全体で支えてやりたいと思うのです。
 最後になりますが、福祉という言葉が毎日のように聞かれる昨今、本当に福祉を必要とする人に、きめ細かな福祉行政がなされているのでしょうか。細かいところに目が届く福祉行政を切に期待申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。
 御清聴いただきまして、まことにありがとうございます。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 及川幸子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、平成12年度当初予算編成においての留意点についてお尋ねがございましたが、これについては大きく分けて二つございます。
 第1には、昨年秋改定をいたしました中期財政見通し、この見通しを踏まえて、中長期的な財政運営や健全性の確保に意を用いたところでございます。
 具体的に申し上げますと、中期財政見通しにおいて12年度に達成すべしといたしました財政健全化目標、これ幾つかございますが、これをクリアしながら13年度以降の財政運営を見通して編成をしたということでございます。
 それから第2点目としては、岩手県の総合計画に掲げた施策を初めとして当面の景気対策、それから地方分権に対応した施策、あるいは4月から実施をされます介護保険制度の円滑な導入など重要な政策課題がございますので、こうした課題を着実に推進するということを念頭に置いて編成をしたということでございます。
 このようなことから、歳入面にありましては、県債の発行を極力抑制をするという方針で臨みました。前年度に比較いたしまして約2億5、000万円ほど、0.2%ほどこれを減少させております。それから、未利用地の売却を行うということで8件、約4億円ほどの売却を予定しております。こうしたことなどによりまして、積極的な財源確保策というものを講じたところでございますし、それから、財政調整基金や県債管理基金などにつきましてもこれは取り崩しをいたしますが、適切な残高を確保するということで、取り崩し額は200億円を予定いたしておりますが、その上での平成12年度末残高見込みとして848億円を確保するということでございまして、その有効な活用に努めたということでございます。
 また、歳出面につきましては、事務事業評価などの評価手法に基づきまして徹底した歳出の合理化を図ると、そして効率化を図るということを行いまして、事務事業評価では全体で193件、約24億7、000万円の事務事業を廃止、縮減をいたしました。そして優先度それから緊急度によりまして事業を厳選いたしました。さらに、公共事業につきましては、これは投資効果を早期に発現させるということで、新規の着工箇所を大幅に抑制して継続事業に積むということで、その継続事業の大幅な進捗を図るといったようなことでの歳出の重点化に努めたところでございます。
 さらに、県民の皆様からさまざまな御意見や御要望が寄せられていますが、こうした御要望を踏まえました例えば放課後児童健全育成事業の補助対象を拡大いたしましたり、それから既存制度の拡充や、それから県営プールなどの県施設がございますが、こうした施設の施設利用面での改善を図るなど、県民満足度の向上を目指した予算編成を行ったところでございます。
 次に、今後の地方分権の推進についての所感についてお尋ねがございましたけれども、今回の分権の改革によりまして、地方公共団体が生活者、地域の視点に立ってみずからの責任と判断で物事を決定し実行できる社会の実現に向けて新たな第一歩を踏み出すものと、このように考えております。しかしながら、これから最も重要になってまいりますのは、こうした地方分権を実効あるものにしていくための一層の地方税財源の充実確保や事務権限のさらなる委譲であると、このように考えておりまして、これらにつきましても今後も引き続き粘り強く国に働きかけていく考えでございます。
 そうしたことを行いながら、一方では、やはり地方みずからも変えるべきところは変えていかなければならないというふうに思っていまして、自己決定、自己責任の原則に基づきまして、住民の負託にこたえられるよう行政体制の整備・確立を図るということが必要でありますし、特に地方行政に携わっております私たちの意識の上でも、明治以来の中央集権体制の中でしみついております、中央と地方の上下関係の意識が体にしみついているような、この中央と地方の上下関係の意識を変革していく必要がございます。
 今回の東京都の外形標準課税の導入問題につきましては、さまざまな課題はあるというふうに思いますけれども、課税自主権に関する論議を通じて、地方分権時代における国と地方のあり方に一石を投じたものと、このように私は考えております。
 県では、これまで地方振興局の機能強化など、分権時代を見据えた行政体制の整備を積極的に進めてきたところでありますが、今後はとりわけ、住民に最も身近な行政主体でございます市町村とそしてより広域的な事務を担う県との、この市町村と県との連携がますます重要になってくるものと考えておりまして、県・市町村がそれぞれの果たすべき役割をしっかりと認識をして、住民本位の立場に立って、お互いに支援協力し合いながら一体となって地方分権の推進に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、ごみ減量化とリサイクルに向けての取り組みについてでございますが、先般策定をした県の環境基本計画では、環境の世紀と言われる21世紀における循環型地域社会の構築を目指して、その中でさまざまな施策を展開することとしているところでございますが、その実現に当たっては、ごみの発生抑制やごみ化を予防するための再使用、再生利用を基本とした県民一人一人の生活様式の変革によるごみの減量化やリサイクルへの理解と実践が不可欠であると考えております。
 こうしたことから、まず、県では先月でございますがISO14001を認証取得して、ごみの分別収集によるリサイクルの徹底、さらには環境配慮型商品の優先購入──グリーン購入と言われていますけれども、こうした環境配慮型の商品の優先購入、また、省エネルギーの推進など、県職員一人一人が率先して環境に配慮した行動に、今、取り組んでいるところでございます。まず、みずからが模範を示してこれを広範囲に拡大をしていきたいと、こういう考え方に基づいて、今、こうした行動に取り組んでいるところでございます。
 さらに、古紙など資源化できるごみを町内会がきめ細かく分別をして、減量化に成果を上げている市町村がいろいろございます。花巻市の集団回収システムや、また、家庭から出るごみの3割を占める生ごみがございますが、これを堆肥化する家庭用あるいは団地用の電気生ごみ処理機などがございます。こうした生ごみ処理機などの購入について、市町村の方で補助金を交付するなどして財政支援を行っているところがございます。今年度までに11市町村が行っていまして、来年度にはさらに四つの町村がこれに取り組むということになりますので、12年度には15の市町村でこうしたことに取り組むわけでございますが、こうしたことについて市町村と連携して普及にこれからさらに努めていきたいと考えております。
 また、過剰包装の辞退を初め、買い物袋の持参やリサイクルの仕方など日常生活において容易に取り組むことができる事例、これはさまざまあると思いますが、こうした事例をまとめたごみ減量化・再生利用マニュアルというものを新たにつくりまして、これを全世帯に配布することを考えております。それから、環境美化運動などに幅広く取り組んでおります愛ランドいわて県民運動協議会の組織活動を通じて、消費者団体など関係団体と連携をして、ごみ減量化・リサイクルの啓発運動や実践活動を全県的に展開していきたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願いいたします。
   〔企画振興部長渡辺勲君登壇〕

〇企画振興部長(渡辺勲君) 市町村財政の現状及びこれに対する指導・助言の基本的考え方についてでございます。
 地方税収入等の伸び悩みの一方で、公債費などの義務的経費の増加などにより一段と厳しさを増しております財政状況の中で、市町村におきましては地方分権の推進や少子・高齢化社会への対応などの財政需要の増大が今後ますます見込まれるところでございまして、なお一層、行財政改革の推進や財源の計画的、重点的な配分などによる機動的、効率的な財政運営が強く求められているところでございます。
 本県市町村の平成10年度決算と平成9年度決算を比較いたしますと、財政構造の弾力性をあらわす経常収支比率及び公債費負担比率はそれぞれ1.2ポイント、0.4ポイント上昇しており、また、地方債現在高も7.3%の増と年々増加傾向にあるなど、全体として財政の硬直化の傾向が見られるところでございまして、今後の財政運営には十分な配慮が必要であると認識してございます。
 県といたしましては、地方税財源の充実・確保のための制度改正等を引き続き国に働きかけていくほか、市町村が財政構造の十分な分析と的確な把握を行い、中長期的な見通しのもとに、新たな財政需要に的確に対応しながら健全な財政運営に努めるよう、市町村の自主性、自立性を十分尊重しつつ、必要な助言をしてまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕

〇生活環境部長(村上勝治君) 廃棄物の不法投棄の問題についてお答えします。
 まず、県民の皆さんの御協力を得られるような監視体制の検討についてでありますが、議員御指摘のとおり、保健所職員やいわゆる産廃Gメンが迅速に対応するためには、地域の方々からの関連情報を早期に的確に把握することが極めて大切と考えております。このため、来年度には産廃Gメンを4名から6名に増員いたしまして体制を強化するほか、保健所と所轄警察署との連携をより密にいたしまして、さらに不法投棄等の情報を早期に把握するため、新たに保健所ごとに河川、道路、森林等をパトロールしております関係指導員という方がいらっしゃいますけれども、この方々との連絡会議を設置するほか、各地域の地区衛生担当の方々など広く地域の方々から、例えばファックス110番のような形で情報をお寄せいただくような方法も工夫してまいりたいと考えております。
 また、法違反を行った不正な事業者や処理業者に対する処分についてでありますが、これまでも県警察と密接な連携をとりながら、必要に応じて施設等の改善あるいは廃棄物の撤去等の措置を命じているほか、さらに所定の手続を踏まえまして、悪質な処理業者に対しましては収集運搬業や処分業の許可の停止または取り消しの行政処分を行っておりまして、今後とも、廃棄物処理法に違反した事業者、処理業者に対しましては、法に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕

〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、仮称すこやか子どもランドの整備についてでありますが、この施設は、将来の岩手を担う、たくましく、思いやりのある、創造性豊かな岩手っ子を育成するため、障害児を初めとした児童の健全育成、遊びの指導者の養成等、県内の健全育成活動を支援する中核的な施設として、一戸町奥中山地区に整備するものであります。その整備に当たっては、自然環境に十分配慮し、施設のバリアフリー化を進めるとともに、家族単位で楽しめるような施設の整備に配慮することとしております。
 整備概要につきましては、敷地面積は約30ヘクタールで、主な施設は幼児や障害児が遊具で遊べる部屋、創作工房、ボランティアルームなどを整備した屋内施設、自然と触れ合いながらキャンプや炭焼き体験などができる野外体験施設、その他障害児用の宿泊棟などを整備することとしております。現在、平成15年度の開館を目指し実施設計に取り組んでおり、12年度においては土地造成や屋内施設の基礎工事などに着手することとしております。
 また、計画の策定に当たっては、平成7年と8年に、県内の児童館・子供会、小・中学校、養護学校の児童生徒約560名とその保護者約270名など、計約900名から遊びの実態や要望を調査し、その結果も踏まえて計画を取りまとめたものであります。その後におきましても、児童の健全育成にふさわしい施設運営を行うため、昨年11月に設置した保護者や教育・児童健全育成団体等の有識者で構成するすこやか子どもランド運営検討委員会の中において、子供たちの声を反映させながらその整備に当たってまいりたいと考えております。
 次に、子育て支援のための対策についてでありますが、近年、核家族化、共働き家庭の一般化、出生率の低下、地域社会の連帯意識の希薄化など、子供と子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化している中にありまして、地域全体で子育てを支援していくことが一層重要な課題となってきております。
 地域子育て支援センターは、保育所が、地域の子育て家庭等に対する相談指導や子育てに関する情報の提供、子育てサークルへの支援などを行うことにより、保育所が持つ子育てのノウハウを活用しながら、専業主婦家庭も含めた地域の子育て家庭を支援する拠点となることを目的とした事業であり、現在20市町村、22保育所で取り組まれ、全市町村に拡大することとしております。
 地域子育て支援センターの主な活動状況といたしましては、育児不安等についての相談指導、子育てサークル活動の育成・支援、その他高校生の保育体験や保育所外の乳幼児も参加できる行事の開催など、地域の実情に応じた活動が展開されているところであります。
 次に、地域ぐるみで子育てを支援している事例についてでありますが、胆江地区において、わらしゃんどというグループが子育てサークル同士の交流や子育て情報誌の発行など、子育て支援のための広域的なネットワークをつくっているなどの事例があると伺っております。
 県といたしましては、今年度から県独自の事業として、地域全体で子育てを支えるためのネットワークをすべての地方振興局で立ち上げ始めており、これにより、今後、地域子育て支援センターの支援のもとに、子育てサークルの結成やサークル間の交流、さらには地域子育て支援センター同士の連携や子育てボランティア養成など、地域全体で子育てを支え合う体制づくりに努めてまいることとしております。
 次に、重症心身障害児施設の整備についてでありますが、これまで、本県においては重症心身障害児の専門施設がなかったことから、県内や隣接県の国立療養所に委託してまいりましたが、委託先の施設が満床であったこともあって常時入所待機者がおり、施設の整備が長い間の課題となっていたところ、今般、社会福祉法人新生会において整備が行われることとなったものであります。
 施設の定員につきましては、平成10年度及び平成11年度の2度にわたる在宅者を対象とした調査の結果、入所希望者は約100名となっているものの、施設開設後5年以内に入所希望する方は2度とも50名を下回っており、直近の調査で開設時入所希望者は31名となっておりました。また、当該法人においては、重症心身障害児の処遇は初めてであり、適切な処遇の確保等施設運営も考慮し、定員については当面50名とされたものであります。
 また、施設整備につきましては、重症心身障害児への療育が適切に確保されるよう、重症心身障害児の療育に携わっている複数の専門家の意見を聞くとともに、近年整備された他県の同種の施設も参考としつつ、整備計画の策定がなされたものであります。
 なお、この整備計画は当該法人において検討の上、当該法人理事会で承認を得たものでもあります。
 県におきましては、今後とも、必要な重症心身障害児対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長合田武君登壇〕

〇商工労働観光部長(合田武君) 活力と元気のあるまちづくりについてでありますが、中心市街地が人々を引きつけるためには、地域の生活者に配慮したサービスの展開やにぎわいを呼ぶようなさまざまなイベントの開催など、大型店等の郊外型商業施設とは異なる魅力のある商店街を構築していくとともに、まちづくりの観点から街路整備など、より広域的にとらえた基盤整備もあわせて進められることが肝要であると考えております。
 このような取り組みに当たりましては、まず、市町村が中心となって、歴史や文化などの地域特有の資源や特色を生かした中心市街地活性化基本計画を作成することが必要であります。県といたしましては、これまで中心市街地活性化連絡会議を設置し、各部の横断的な連携のもとに、市町村において実効性のある計画づくりがなされるよう助言・指導を行いながら、街づくり塾などの開催を通じて地域のリーダーの養成に努めてきたところであり、また、基本計画に盛り込まれた事業の推進に当たりましては、各種の補助事業を活用しながら、きめ細かく支援しているところであります。
 12年度におきましても、江刺市の蔵の整備や遠野市の商店街の店舗外観の統一のほか、水沢商工会議所など各地のタウンマネージメント機関が実施するイベント開催などの各種事業を支援することとし、所要の予算を本定例会に提案し御審議をいただくことにしているところであります。
 なお、お尋ねのありました釜石商工会議所の宅配サービスについてでありますが、市内の空き店舗を活用したまちかど情報館を拠点として市内の高齢者と商店街の25店舗を結び、商品の紹介、受発注、配送、集金などを行っているものであり、電球の取りかえなどのサービスも行うことから、特に高齢消費者から大変好評を博しているところと聞いております。このほか、水沢市の空き店舗を活用したござえんちゃハウスでは、地元の商業高校の生徒たちのアイデアと協力により地場産品販売等が行われているほか、遠野市の駅前の空き店舗を活用した語り部の休み処トオヌップでは、語り部が無料で昔話を聞かせているなど、各地において地域の特色を生かしたさまざまな空き店舗活用が行われているところであります。今後とも県といたしましては、中心市街地の活性化について積極的に支援してまいりたいと考えております。
   〔農政部長佐藤徳兵衛君登壇〕

〇農政部長(佐藤徳兵衛君) まず、大区画圃場整備の実施に係る効果等についてでありますが、これらの実施地域においては、地域の話し合いにより、担い手である生産組織や主業型農家への農地利用集積が積極的に取り組まれており、11年度までに事業実施前の約1.9倍に相当する2、480ヘクタールが担い手に集積されております。また、当該地区では、担い手を中心に大型機械による効率的な稲作経営が展開されており、例えば水沢市の玉ノ木地区では、10アール当たりの労働時間は県平均の3割弱の12.2時間であり、生産コストは8万3、000円と県平均の約6割となるなど、事業の効果が着実に発揮されてきております。
 次に、生きがい農業を希望する小規模農家についてでありますが、地域の合意形成のもと、これら農家の要望に応じて、圃場の一定区域を確保したり、米以外の作物を志向する場合には、畑作に向けた暗渠排水を施工するなど、小規模農家の営農意欲を助長しながら、地域ぐるみ農業の一翼を担っていただけるように対応してまいりたいと考えております。
 次に、新規就農者の確保対策についてでありますが、今後の担い手育成の指針として策定した岩手県農業担い手育成中長期ビジョンに基づき、小・中学生を対象に、農業へのさまざまな触れ合いを通じた体験学習や、農業副読本の配布など、農業、農村への理解の醸成と豊かな人間性をはぐくむ機会の提供に努めております。
 また、幅広く新規就農者の確保を図るため、県内外への就農情報の発信や就農相談会を随時開催し、市町村などと連携して、就農に必要な技術、資金、農地、住居などについての支援に努めているところであります。このような結果、県内では沢内村に入植し花づくりや地域活動に積極的に取り組んでいる事例や、岩泉町で花づくりと畜産物の加工、販売に取り組んでいる事例など、県外からの就農希望者も徐々にふえてきております。今後におきましても、教育委員会と連携し、一学校一農園運動を展開するとともに、就農希望者が安心して就農できる受け皿づくりを一層進めてまいる考えであります。
 次に、女性の農業委員への登用促進についてでありますが、本県においては、全農業委員1、148人おられますけれども、1、148人中、女性委員は6人、全体の0.5%にとどまっております。過般、担当職員を長野県に派遣いたしまして行った調査によりますと、長野におきましては平成元年時点では女性委員はわずか1人でありましたけれども、その後、県、農業会議、農村女性組織など、関係機関、団体が一丸となって、その登用に向け積極的に取り組んだ結果、現在では全農業委員2、184名中、女性委員は147人で、全体の6.7%を占めております。本県の農業、農村の活性化を図るためには、農業生産や地域活動の重要な担い手である農村女性が、地域営農の方針決定の場に参画し、その意見、提言を十分生かしていくことが必要であります。
 このような見地から、現在検討中のいわて農山漁村男女共同参画ビジョンにおきましては、女性農業委員の登用を積極的に促進してまいり、平成22年を目途に、全農業委員の10%以上とすることを目指しております。今後、農業会議を初め関係団体と密接な連携を図りながら、目標の達成に向け、精力的に取り組んでまいる考えであります。
   〔教育長大隅英喜君登壇〕

〇教育長(大隅英喜君) まず、家庭におけるしつけについてでありますが、家庭は、基本的な生活習慣や他人への思いやり、善悪の判断など人間としての基礎的な資質や能力を育成する場であり、家庭でのしつけや教育に関しては、それぞれの家庭で考え実行していく親としての重要な役割であると認識しております。
 しかしながら、核家族化、少子化などの進行に伴い、家庭を取り巻く環境が大きく変化し、子育てへの不安やしつけへの自信の喪失など、家庭の教育力の低下が指摘されております。このような状況を踏まえ、県教育委員会では、子育てに関する学習機会の提供や相談体制の充実に積極的に取り組むとともに、家庭教育手帳などの資料配布やテレビ放映を通じ、家庭教育の支援に努めているところであります。
 また、学校における基本的な生活習慣の指導につきましては、生命の尊重や健康、安全に関すること、規則正しく決まりよい生活に関すること、礼儀作法に関することなどについて、道徳の時間や学校教育全体を通して計画的に指導しております。指導に当たりましては、家庭や地域との連携を図るとともに、一人一人の児童生徒の実態に応じながら、継続的に繰り返して指導することによって効果が高められるよう取り組んでいるところでございます。
 次に、不登校の児童生徒についてでありますが、本県における平成10年度の不登校の児童生徒数は、小学校では224人、中学校では1、032人、高校では864人、小・中・高合わせまして2、120人となっております。
 その原因としては、小・中・高とも本人にかかわる問題というのが多く、次に小学校では親子関係をめぐる問題、中学校、高校では友人関係の問題が挙げられます。不登校の児童生徒に対しましては、家庭訪問の実施や面談を繰り返し行いながらその原因を探り、信頼関係のある教師を中心に校内指導体制づくりやプロジェクトチームを編成するとともに、医療機関との連携を図りながら、個々に応じた指導をしているところであります。また、不登校から学校に復帰した児童生徒は、平成10年度において、小学校では107人で再登校率48%、中学校では465人で45%、高校では360人で42%、小中高合わせますと932人で再登校率は44%となっております。今後とも、各学校における個別指導を重視し、児童生徒が意欲を持って活動のできる場面づくりをする一方、スクールカウンセラー、心の教室相談員等の配置、教育相談体制の充実、研修会、事例研究会の開催などによりまして取り組みの向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、一人一人の個性を伸ばす学校教育についてでありますが、このことは現在進められている教育改革の重要な視点の一つであり、学習指導要領の改訂の趣旨の一つとなっているところであります。今日の教育改革では、教育が急速な社会の変化に対応するために、学校における教育内容、方法の改善にとどまらず、教育制度全体が多様で、かつ柔軟な対応をしていくことが求められております。このため、本県においては、子供たちの一人一人が、ゆとりの中でみずから学び、みずから考える力を育成する教育を目指し、ボランティア活動や自然体験活動を生かした学習を充実するなど、問題解決的な学習を積極的に授業に取り入れていくこととしております。
 また、中高一貫教育の導入についての検討、高等学校入学者選抜制度改善のための総合的な検討、あるいは総合学科高校への改編等を推進しているところでありまして、特色ある学校づくりの推進等とあわせまして、生徒一人一人の個性が一層伸長される教育の実現に努めてまいりたいと考えております。
   

〇副議長(吉田洋治君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時15分 休 憩
   

出席議員(49名)
1  番  及 川   敦 君
2  番  飯 沢   匡 君
3  番  樋 下 正 信 君
4  番  照 井 昭 二 君
5  番  柳 村 岩 見 君
6  番  小野寺 研 一 君
7  番  工 藤 大 輔 君
8  番  川 村 農 夫 君
9  番  佐々木 順 一 君
10  番  佐 藤 力 男 君
11  番  及 川 幸 子 君
12  番  阿 部 静 子 君
13  番  阿 部 富 雄 君
14  番  田 村   誠 君
15  番  岩 城   明 君
16  番  中屋敷   十 君
17  番  千 葉   伝 君
18  番  佐々木 大 和 君
19  番  水 上 信 宏 君
20  番  阿 部 敏 雄 君
21  番  川 口 民 一 君
22  番  小野寺   好 君
23  番  斉 藤   信 君
24  番  伊 沢 昌 弘 君
25  番  田 村 正 彦 君
26  番  上 澤 義 主 君
27  番  瀬 川   滋 君
28  番  藤 原 泰次郎 君
29  番  船 越 賢太郎 君
30  番  谷 藤 裕 明 君
31  番  菊 池   勲 君
33  番  黄川田   徹 君
32  番  佐々木 一 榮 君
34  番  伊 藤 勢 至 君
35  番  高 橋 賢 輔 君
36  番  小 原 宣 良 君
37  番  長谷川 忠 久 君
38  番  千 葉   浩 君
39  番  吉 田 洋 治 君
40  番  工 藤   篤 君
41  番  菅 原 温 士 君
43  番  山 内 隆 文 君
44  番  折 居 明 広 君
45  番  村 上 惠 三 君
46  番  藤 原 良 信 君
47  番  及 川 幸 郎 君
48  番  菊 池 雄 光 君
49  番  佐々木 俊 夫 君
51  番  吉 田   秀 君

欠席議員(2名)
42  番  佐 藤 正 春 君
50  番  那須川 健 一 君
   

説明のため出席した者
休憩前に同じ
   

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   

午後3時34分 再 開

〇副議長(吉田洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。菊池雄光君。
   〔48番菊池雄光君登壇〕(拍手)


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