平成18年9月臨時会 第20回岩手県議会臨時会会議録

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〇2番(亀卦川富夫君) 政和・社民クラブの亀卦川富夫でございます。
 委員長報告は今後の経緯を見守りつつ、なお継続して調査を進めるとの報告でありますので、そのような観点で吉田委員長に数点お尋ねいたします。
 第1点目は、臨時会を開いて行う委員長報告の意義についてであります。
 出資法人等改革調査特別委員会が昨年6月設置され、その中で、岩手県競馬組合の経営改善に関する調査は、本年8月2日に第1回目の調査が行われました。本日の臨時会はその内容を中間報告として行ったものでありますが、しかし、現在、改革計画の見直しの内容や常勤副管理者の交代など、調査時点とは事態が大きく変動しております。また、競馬組合議会においても議論中であります。この案件については、県政調査会あるいは全員協議会など、競馬組合の経営についての率直な意見交換や議論の場もあるのでありますが、8月2日に行った1回の調査に基づく経過を中間報告ということであえて本日の臨時会の場を設定し行う意義について、調査の任に当たられた吉田委員長の御見解をお伺いいたします。
 2点目は、競馬組合の仕組みの調査についてであります。
 事は組合の存廃にかかわる重要な事柄でありますので、調査、議論の大前提として、特別地方公共団体である一部事務組合の岩手県競馬組合の根幹についてお尋ねいたします。
 戦前、民間経営であった地方競馬が、いわば接収という形で、戦後、公営競馬に変わりました。岩手においては、岩手県営競馬、水沢市営競馬などであります。昭和39年に、県営、市営の競馬を経営の効率化という国の指導により、県及び市の議会議決を経て、一部事務組合としてそれぞれの経営を引き継ぎ設立されたものであり、翌40年に、盛岡市の参画により今日の組合になりました。したがって、一部言われるような出資あるいは補助を受けるということは、設立以来35年間全くなかったのであります。設備投資も組合独自で行ってきたものであります。この間、組合は、組合規約により岩手県5.5、水沢市2.5、盛岡市2.0の割合で利益の配分金を構成団体に納入してきたものであります。
 一方、経費は、組合の事業から生ずる収入などで支弁し、なお不足のあるときは、関係団体が利益配分の割合でその不足額を分賦するというものでありますが、これまで実行されたことはありません。不足は繰り上げ充用として措置されてまいりました。しかし、2年前、運転資金の不足から融資を受けるに至りました。このような設立過程、経過あるいは競馬組合規約などの調査は、経営改革を進める上で重要なことであると存じますが、この点の調査についての御認識、御見解をお尋ねいたします。
 第3点目は、岩手県における競馬の位置づけであります。
 馬事文化と言われる歴史や風土とのつながりと同時に、岩手の産業、雇用の場としての重要性があると思いますが、この点の調査について委員長の御見解をお伺いいたします。
 第4点目は、経営悪化の要因と対応についてであります。
 我が国の経済事情はいわゆるバブル崩壊後、金融機関の倒産など大変厳しい状況下にありましたが、この間、地方競馬はもとより、中央競馬、競輪、競艇などすべて売り上げが大きく減少しました。岩手競馬もこの間、苦しい経営に陥りました。最大の要因は、1人当たりの売り上げ単価が、ピーク時の5分の1に激減したことであります。当然ながら、盛岡競馬場建設の借入償還にも支障を来すようになりました。このような経済環境のもとでの危機的状況に対する経営改革は、運営コストの削減と発売額向上だけでの手法では成り立たず、構造改革と言うべき競馬の仕組みづくりが基本になければならないことは、国の諮問機関である我が国の競馬のあり方にかかわる有識者懇談会においても指摘されております。この点がこれまでの改革計画になかった最大の反省点であろうと思います。
 岩手競馬は極めて厳しい経営状況にありますが、全国16地方競馬の売り上げを見ますと、大井・浦和・船橋・川崎競馬など、南関東グループは4主催者が連携して中央競馬開催の土曜、日曜を外しての開催など経営改善を行い、今日、売得金額1日平均約7億9、000万円を達成しております。これに次ぐのが岩手であります。1日平均約2億1、500万円と大分差はありますが、他の地方競馬はほとんどが1億円前半、高知・荒尾は四、五千万円台であります。このような全国における岩手競馬の位置づけは、経営の仕組みづくりを過たなければ、正常な経営に転ずる可能性を秘めているものと思います。そのために、競馬事業の構造改革とも言うべき抜本的な方針の転換が必要であると思います。
 過日、競馬組合議会で示された改革の論点や進め方については、昨日の県政調査会においても説明がありました。競馬の仕組みをつくり直すには、まだまだ不十分であり、今後の進め方がまことに重要であるのでありますが、その芽はあると思います。特別委員会での調査あるいは議論を通しての委員長の御見解をお伺いいたします。
 第5点目は、今後の展望であります。
 昨年度から農林水産大臣により、競馬連携計画に認定を受けた地方競馬主催者は、改正競馬法に基づき、地方全国競馬協会から支援を受けることができるようになりましたが、さらに、現在、国においては、昨年12月、閣議決定した行政改革の重要方針に基づき、地方競馬の開催日程、番組編成の調整、競争の受託事務や共同利用施設の整備など、地方競馬の事業改善に資する事業を新たに実施する組織として、地方競馬全国協会を地方共同法人として改組する立法化を進めていると聞いております。私は、このような国の動向を十分踏まえ、なおかつ、岩手の現状から、むしろ積極的にアプローチするような経営改革の進め方が大切であると思いますが、特別委員会における調査のあり方としていかなるものか、委員長の御見解をお伺いいたします。
 以上です。
〇出資法人等改革調査特別委員長(吉田昭彦君) 何点か質問がありましたが、通告は受けていませんし、今質問を受けたので十分な答えになるか、その点については御了承いただきたいと、そのよう思います。
 まずもって第1点、臨時会を招集し、委員会の中間報告をする意義はどこにあるのかという点でございますが、御案内のように、出資法人等改革調査特別委員会、これは特別委員会でございまして、まさに特定課題についてその委員会で調査・研究を深めるということに意義があるわけでありまして、今回の臨時会の招集は、当特別委員会が求めたものではありません。臨時会が招集されて、その中で特別委員会としての中間報告を求めるということなので、8月2日の当委員会での競馬組合から、あるいは執行部からの説明を受けての質疑、意見交換、その内容を報告いたしたところであります。そういうことで御了承いただきたいと思います。
 それから、競馬組合の仕組み、第2点目ありましたが、設立の経過それから財政貢献のためにということで、設立した経過は皆さんと共有をするものでありますが、それを今後どのようにするかということについては、私の特別委員会の委員長としてお答えする質問ではないのではないかなと、そのように思いますので、御了承いただきたいと思います。
 以下、競馬組合の位置づけ、それから経済環境の危機下での運営、経営、それから地方競馬の今後のあり方、いずれも私、8月2日に調査・研究した結果をもとにしてお答えできる内容ではないと、そのように承知しておりますので、御了承いただきたいと思います。このことにつきましては、それぞれ常任委員会、あるいは県政調査会あるいは決算、予算それぞれの特別委員会、その場で執行部なり関係機関に対して質問していただくのが本筋ではないかなと、そのように思いますので、御了承をいただきたいと思います。
〇 2 番(亀卦川富夫君) 以上、私は数点にわたり特別委員会の調査に関し委員長の御見解を求めたところであります。私は、岩手競馬の再生と健全な経営を図る上で、これまでの経営に対する批判と同時に、建設的な観点での議論が構成団体あるいはその議会で行われることが大切であると思っております。その意味で、今回取り上げました質問項目は、改訂計画策定に必要な調査内容の一端であると思います。調査特別委員会の参考になれば幸いでありますが、委員長のこれからの調査の姿勢をお伺いいたしたいと思います。
〇出資法人等改革調査特別委員長(吉田昭彦君) 先ほどの委員長報告の中でも申し上げたつもりでありますが、今後とも競馬組合のさらなる発展のために、また、存廃をどうするかという議論は今後も続けられると思いますが、それら競馬組合の改訂計画の見直し、それらについてはさらに調査を深めていきたいと。大変厳しい状況にあるということは、これは議員の皆さん方と同じ認識を持っておるわけでありますが、さらに競馬組合の改革に向けて当局なりそれから競馬組合が真剣に取り組まれることが必要ではないか、そういう観点で調査を深めていきたいと、そのように思っているところであります。
〇議長(伊藤勢至君) ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) これをもって質疑を終結いたします。
   
   緊急質問
〇議長(伊藤勢至君) この際、お諮りいたします。岩手県競馬組合の経営改善の件について、川村農夫君、及川幸子さん、千葉伝君、斉藤信君、小野寺好君、阿部富雄君及び高橋博之君から、緊急質問の通告があります。これらの諸君の緊急質問に同意の上、この際、日程に追加し、発言を許すことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、川村農夫君、及川幸子さん、千葉伝君、斉藤信君、小野寺好君、阿部富雄君及び高橋博之君の緊急質問に同意の上、この際、日程に追加し、発言を許すことに決定いたしました。川村農夫君。
   〔29番川村農夫君登壇〕

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