平成18年9月臨時会 第20回岩手県議会臨時会会議録

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〇出資法人等改革調査特別委員長(吉田昭彦君) 岩手県競馬組合の経営改善の件に係る当特別委員会のこれまでのところの調査の経過と結果につきまして御報告いたします。
 当特別委員会は、平成17年6月定例会において設置されて以来、本日を含めて10回にわたり委員会を開催し、出資法人等の経営健全化に関する調査及び出資法人等の整理合理化に関する調査を行ってきたところでありますが、このうち、岩手県競馬組合の経営改善の件につきましては、去る8月2日に、同組合の柴田副管理者ほか2名の方々に参考人として出席を求め、また、県当局の出席も求めて、岩手県競馬組合の経営改善の取組状況について説明を受け、それをもとに質疑及び意見交換を行ったところであります。
 具体には、岩手県競馬組合からは次の事項、すなわち、平成18年度第1・四半期の発売額は前年比97%、計画比90%と引き続き厳しい状況が続き、インターネット発売は順調に推移し、広域委託発売も拡大しているものの、自場発売額が予想を超えて低下しており、現状では計画の達成が困難な状況にあることから、より実効性が高い計画となるよう、平成17年の2月に策定した改訂実行計画を見直すこととしたこと。策定から2年もせずに見直す状況に至ったことは、経済情勢や顧客動向の見通しに甘さがあったものと言わざるを得ないと認識していること。見直し案は、平成18年度において早急に取り組むことを基本とするものであるが、取り組みの具体的な成果が平成19年度に明らかになるものが多いため、平成19年度を含む2カ年度を内容とする計画としたいこと。計画見直しに当たっては、290億円台の発売額で持続可能な経営体質への転換が不可避であるという考えのもとに取り組んでおられること。しかしながら、現在考えているコスト削減や発売額の見直しを行ったとしても、平成18年度においては赤字が生ずる見込みであり、この損失補てんのため、場外発売所の売却を約17億円資産売却として計画し、また、平成19年度は新たなコスト削減などさまざまな方策を検討する中で、経常損益の収支均衡を図りたいと考えていること。これらを実現した岩手競馬の目指す姿としては、岩手競馬商圏等販路の拡大を図り、県民、市民が広く集う魅力ある場と商品の提供により、活力ある岩手競馬の再生を目指したいと考えていること等々の説明があったところであります。
 これに対し、特別委員会の委員からは、次のような質問や意見、指摘があったところであります。すなわち、今般の計画見直しは、かねてより議会内にあった売り上げを拡大する計画には無理がある、実効性を伴った計画となっていないとの指摘が現実のものとなり、下方修正せざるを得なくなっただけではないか。これまで数度にわたって計画の見直しが行われてきたが、県議会が平成18年度予算に付した附帯意見は、平成18年度を存続するための最後の機会ととらえ、第1・四半期をめどに実態に合った計画に見直すべきとするものであったはずである。今回示された見直し案でも、経常損益で見れば経営実態は赤字に変わりはなく、緊急避難的な資産売却で対応しているだけである。経常損益は平成18年度も大幅な赤字であり、平成19年度にならないと改善しないというのでは県民の理解は得られない。見直し案のさらに見直しが必要ではないか。財産の切り売りでしか見通しが立たないようでは、経営者としての責任観念が薄いのではないか。存続に向けた計画、事業としてやり遂げられるような内容を成案として出すべきである。当初の計画は、ぎりぎりのコスト削減にしっかり取り組んでいくという計画だったと理解していたが、まだ削減できるコストが出てくるということは、組合の体質は依然として変わっていないのではないか。早くからそうした手だてを講じていれば、赤字はふえなかったのではないか。そのほかに潜在化している負債はないのか。専門家を入れて、もう少し緻密に1場体制のあり方を検討すべきではないか。借入金の弁済見合いは新たな借換債を発行したいとしているが、民間銀行が引き受ける見通しは本当にあるのか。賞典費の削減は、ますますレースに魅力がなくなり、売り上げが減少してしまうことにつながらないか。場外発売所の処分に見通しはあるのか。また、街中場外は本場に行く人が減り、本場で商売している方々の売り上げ減少につながることにならないかと。このような経営実態に陥ったことの責任はどこにあるのか。過去の関係者の責任は追及しないのか、等々の質問や意見、指摘があったところであります。また、存続を前提としての議論は必要だが、仮に今廃止した場合、どういう状態になるのか、清算した場合の金額は幾らになるのかということも常に把握し、明確に示せるような状態にせられたい。成案がまとまった段階で、改めて県議会全体に説明する機会を設けられたい等々の強い要望のあったところであります。
 当特別委員会におけるこれまでのところの調査の中間報告とすれば以上のとおりでありますが、当特別委員会としては、改訂実行計画の見直しはいまだ案にとどまっており、また、組合、当局とも今後さらに競馬組合議会での議論等も踏まえ、成案として詰めていくこととされておりますので、今後の経緯を見守りつつ、なお継続して調査を進めてまいりたいと考えているところであります。
 以上をもって報告を終わります。
〇議長(伊藤勢至君) これより、ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので発言を許します。亀卦川富夫君。

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