平成19年12月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇21番(高橋比奈子君) 自由民主クラブの高橋比奈子でございます。
 県議にさせていただき、3度目の質問に当たり、お力添えをくださいましたすべての皆様に、心からの感謝の気持ちを込めて質問に入らせていただきます。
 なお、手話通訳の方が入っていると伺っておりますので、少しゆっくり目に話し、質問をさせていただきます。
 初めに、人優先のまちづくりについてお伺いします。
 今定例会には、ひとにやさしいまちづくり条例の全部改正が提案されています。その内容を見ますと、これまで以上にユニバーサルデザインの考え方を明確にし、広く浸透させようという意欲があらわれており、その姿勢を大いに評価するものです。今後、策定予定と聞いています推進指針に基づき、さまざまな施策が展開され、ユニバーサルデザインの考えが県民に広く浸透し理解されるよう、県の努力に大いに期待しています。
 そこで、2点質問させていただきます。
 まず、人優先のまちづくりについてです。
 10月20日の日本経済新聞に、有楽町駅前の様子が一変したという記事が掲載されました。その内容は、これまでの車道を廃止・縮小し、大きな歩行者専用広場が新設され、傍らを走る車におびえることなく散策を楽しめるようになった。欧州では、まちの中心に車の入らない広場がある。中国でも、北京の大通りが歩行者専用道へ改装された。歩く人を中心に据えたまちづくりは、世界の共通の流れであるとのこと。最近、このような報道がふえ、大変うれしく思っております。
 一方、本県では、例えば盛岡駅前で、駅から中心市街地へ向かう場合、一たん地下道におりるか、大きく迂回しなければ開運橋を通れません。このように、県内のほとんどが、これまで車優先の考え方でまちづくりが進められてきました。これからは、人に優しいまちづくりから考え方を一歩進めて、人優先のまちづくりを視野に、車優先から歩行者優先、人優先のまちづくりを進めるべきと考えます。知事の御所見を伺います。
 次に、パーキングパーミット制の導入について伺います。
 だれもが暮らしやすいまちづくりの中で、移動手段は大切です。あわせて、専用駐車場の確保も大切。これまで、車いすの方専用の駐車場はたくさん整備されてきましたが、障害のない方がとめることも多く、高齢者や妊産婦の方、障害が外からわかりにくい方は遠慮したりなどの課題も出てきました。これに対し、ほかの県で新たな取り組みが始まっています。身体に障害のある方はもちろん、高齢者や妊産婦の方、一時的な疾病の方、そして歩行が困難な方々などに対し、県が、県内共通の利用証を交付するのです。そして、利用できる方を明らかにした上で、本当に必要な方が利用するようパーキングパーミット制─身体障害者駐車利用証制を設け、既に4県が対応、検討に入っている県も出始めています。
 そこでお伺いしますが、メリットが多いと思われるこのパーキングパーミット制を本県でも導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせ願います。
 次に、医療連携について伺います。
 来年の4月から、後期高齢者医療制度がスタートします。医療の面において、医科、歯科、薬剤も含めた医療関係の連携が重要です。歯科の口腔ケアを進めることによって、発熱、誤嚥性の肺炎などの気道感染予防にもつながり、しっかりと口でかむことによって、低栄養の改善もできることが既に実証されております。この口腔の維持管理の重要性は、厚生労働省社会保障審議会の特別部会にもしっかり記載されています。このような事情を踏まえ、高齢者の健康を考えた場合、医科、歯科、薬剤を含めた医療連携の必要性が、今、問われています。
 そこで、県としての医療連携に関する具体的な取り組みについて、何点か伺います。
 初めに、医者任せ、歯科医師任せ、薬剤師任せというところから医療連携が大事だと言われてきたことを踏まえ、県はこの点に関し、どのように考え、どのように取り組んでいくおつもりか、知事の御所見を伺います。
 次に、医療計画について伺います。
 国では、都道府県が国が定めた指針に基づき、がん等4疾患などのほかに、地域の独自性も盛り込んだ医療計画を作成するよう指導しています。岩手県歯科医師会では、子供の虫歯と虐待の関係、スポーツ歯学などに取り組み、先ほど県立病院と歯科医師との連携による入院患者の劇的な回復事例を発表し、全国から注目されています。実際に歯周病と心疾患、糖尿病などなど、歯科との連携で予防に効果があるということが公表されています。このことなどを踏まえ、県の医療連携体制の中で歯科の役割をどう考えていくのか。全国でも評価されている岩手県の歯科医師の取り組みを踏まえて、県は、歯科との連携をどのように進めようとしているのか、お伺いします。
 次に、医療にとって欠かすことのできない看護職員の確保について伺います。
 平成20年から、医療保険に、被保険者への検診、保健指導が義務づけられ、保健師などの確保も重要な施策となります。看護職員、保健師の確保について県のお考えと、どのような施策を考えているかお知らせください。あわせて、看護職員の子育てと仕事との両立支援について、どのように県がバックアップなさるお考えか、お示しください。
 次に、救急救命体制について伺います。
 救急医療分野の一翼を担っているヘリコプターを使った救急搬送につきましては、ドクターヘリ法が成立し、本県でもその研究が始められていると思います。実現までは一定の時間がかかるでしょう。それまでの間、防災ヘリコプターによる救急搬送がメーンとなり、これをいかに効率よく運航するかが重要です。
 広い県土を有する本県では、救急車に比べヘリコプターを用いるほうが時間的に有利であることから、防災ヘリコプターも運航基準を定めて、交通遠隔地からの傷病者や転院などの救急搬送を行っており、ここ数年、毎年20件程度で、ことしは例年を上回る救急業務を行っています。本県には、防災ヘリコプターが1機。山火事などほかの活動に従事していたり、機体点検の場合、運航を1カ月休止し救急搬送ができないことも多いのです。そこで、あらゆる機関と連携し、救急搬送による人命救助を常に行えるよう、活用促進を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 時間を可能な限り短縮するため、これまでの実情を踏まえ、さらなる工夫を重ねることも重要です。例えば、盛岡東警察署の屋上ヘリポートを使用して傷病者を搬送する場合、建物の構造上、ヘリポートまでの直通エレベーターの設置が不可能なことは承知していますが、途中の階での乗りかえや、多量の医療機器を載せエレベーターを何度も往復することもあるとお聞きしました。こうした場合には、近くの河川敷のヘリポートを利用するなど、離発着の場所を時々の状況に応じて使い分ける必要もあります。医療機関との連携で、実態に応じた対応を考え、より効率的な救急搬送を可能にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、子供を取り巻く環境について伺います。
 毎日のように、殺人、虐待、いじめなど、目を覆いたくなるような事件が報道されています。これは、当事者たちだけの問題なのでしょうか。子供のいじめや不登校、子供や学校だけの問題なんでしょうか。私は、子供のころ、親のことについてよくからかわれました。現在に至っても、周りにはびっくりするようなうわさや文章も。すべての根っこは大人にあると感じているのは、私だけではないと思います。今、大人がどう襟を正し手本を見せるのか、やれることからほんの一歩でもやっていきたいと思っています。
 そこで伺います。
 初めに、食育、そしてそれを進めるための親育についてです。
 簡単、便利を求める世の中で、親など子供とともにいる方々が、愛情とともに、季節のもの、地元のもので食事をつくり、テレビを消しての団らんはとても大切なことです。手料理により、子供たちにぬくもり、思いやり、命の大切さなどとともに愛情も伝わります。また、添加物、農薬、砂糖のとり過ぎがカルシウム不足を引き起こし、キレる、暴力に影響すると言われており、非行、犯罪と、食生活との関連もあちこちで発表されています。
 このような中、家庭での食育が重要であり、それを進めるための親育が特に重要と考えます。そこに、行政が食育、親育にどうかかわっていくのか難しい問題と存じますが、ぜひ知事のお考えをお聞かせ願います。
 次に、学校でも親身な取り組みが行われていることに感謝しながら、不登校に関し質問させていただきます。
 県内公立小・中学校の不登校児童生徒は、1、196人いると伺いました。ある学校現場の方が、カウンセラーの対応や教室以外の別室に通うなどの措置が、不登校をなくすることに有効。子供たちが、不登校の子に学校へ来るよう引っ張る姿勢も大事だと話をしていらっしゃいました。大人たちと児童、生徒たちが一緒になって、さまざまな理由で不登校になっている子供をなくしていくのがキーポイントにもなると思います。不登校の児童生徒で、カウンセラーや相談員など、専門の機関の対応を受けていない子供たちの割合は、どの程度となっているのでしょうか。また、その子供たちの不登校の解消に向けた今後の取り組みをお知らせください。
 続いて、テレビゲーム、テレビについて伺います。
 最近、いじめなどを題材とした授業がふえてきており、学校では、適切な学習をしていただいていると思っています。
 先日、リアルないじめの劇を見せたくないと友人から話があり、最近、女性たちの話題に、まねてはいけない映像が視覚から入ってしまうことは、絶対阻止したいという話が多くなってきました。このことについては、私は、これまで御案内のとおり、さまざまな場で主張してまいりました。子供は、冒険心や、やってみようという思いを持つのが普通ですよね。テレビ番組では、殺人や暴力を初め、バラエティーの中で配慮が必要と思われるシーンも多く見られます。テレビゲームでは、人を殺す、倒すというものも多いのです。見せたくないし、やるべきではない。でも、どこに働きかけたらいいのかわからない。テレビ番組について、PTAで活動し、スポンサーを動かした地域もありました。また、自民党女性局でも、子供たちにとって有害となる情報の規制については、今後の取り組みとして検討が始まっています。
 そこでお伺いしますが、このような内容の改善について、県としてできるところで働きかけをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせ願います。
 次に、有害サイトでの犯罪被害も、毎年、県内で発生しています。接続することをできなくするフィルタリング機能の導入については、既に2月議会で青少年環境浄化条例を改正したところですが、この点に関しては、特に、子供はもちろんのこと、親の意識が肝心と感じています。これまでの取り組み状況と今後の考え方をお聞かせください。
 また、私の子供の中学校では、学校へは携帯電話を持ち込まないよう、徹底指導しています。携帯電話の電磁波の害もWHOが研究に入り、ヨーロッパでは、子供の脳の発育などに影響が出るとのデータも発表されています。携帯電話がいじめに使われるケースもあり、今後、小・中学校において、親育も含め、子供に対し携帯電話の持ち込みについてどう指導するのか、お考えをお示しください。
 次に、免疫応答の異常を来している方への対応について伺います。
 初めに、化学物質過敏症について伺います。
 県内には、さまざまな化学物質で起こされるシックハウス症候群や、化学物質過敏症により新しく建てた家に住めないという話や、学校でのワックスで子供が体調を崩したなどという話も聞こえてきます。また、雫石町で、近隣に計画中の木材加工場の立地について住民が不安を抱き、町と県に要望が出ています。雫石町からは、これを契機に、将来的に、県と連携しながら、化学物質過敏症の方々に対するあるべき姿を考えていきたいとの思いを承っています。このような方の悩みを解消し、安心して暮らすことができるよう、早急に取り組みを始めるべきと思います。それには、まず、化学物質による人体へのさまざまな影響や化学物質過敏症の方の生活環境を守るための研究会を立ち上げ、対応策の検討に入っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 また、化学物質過敏症の方々からは、県へのお願いを承っています。
 事例を二つ挙げます。
 吐き気がするので病院へ行った方が、初めに消化器科へ通され、次に脳外科へ。結局、精神的なものではないかと、うつ病の薬を出されたケース。吐き気がするのでシックハウス症ではないかと病院を訪ねたが、それに答えることのできる医師はいない。結局、うつ病としか診断されなかったケースなどなど。このようなケースはほかにもあるのではないでしょうか。病状が出て、早ければ早いほど治るケースが多いでしょうし、うつ病に関しては、化学物質過敏症も視野に入れるなど、この過敏症への早急な対応を望みます。県立病院や保健センターで、化学物質過敏症の勉強会を開き、医師への情報提供を含め、対応を考えていただきたいと思います。いかがでしょうか。
 なお、幸い、化学物質過敏症やシックハウスの診断をすることができる先生が、東北で唯一、盛岡の国立病院にいらっしゃいます。また、もし、実際の体験のお話が必要であれば、病状を持つ方がお話しくださることも可能と聞いておりますことを申し添えます。
 次に、食物アレルギーについて伺います。
 皆様の周りに、アレルギーなどの症状を持っている人がふえていると感じませんか。実は、私もアレルギーを持っています。これには、自然や命より、簡単、便利、利益やもうけなどを重視しがちな衣食住が影響していると私は思っています。あわせて、日本人の特質。
 例を挙げますと、乳糖不耐症は消化酵素の欠損症で黄色人種に多く見られ、牛乳推進も一律にはできないと思っています。ことしから東京都足立区が、食べ残しや、米飯と牛乳は合わないなどの理由により、給食から牛乳を外す取り組みも始まっています。私は、平成元年から、食物アレルギー児などの対応を県や市町村にたくさんの方々と働きかけてまいりましたが、今、市町村での温度差が出ています。
 先日、日本アレルギー学会専門医千葉友幸先生の学会発表などの最新情報を伺いました。食品添加物を初め、食物摂取プラス食後の運動により、アレルギーが出てしまうこともわかってきたなど、ぜひ、県や市町村の関係者にお聞き願いたいと思う内容でした。口幅ったい言い方で恐れ入りますが、知らないというのは恐ろしいこと。ぜひ、関係者、県、市町村と連携して勉強会を開いていただきたいのですが、いかがでしょうか。幸い、日本アレルギー学会専門医千葉先生は、アレルギーの子供を持つ親の会がお願いし、月に1度、岩手の子供たちのため、一関病院で診察してくださっています。
 次に、観光振興について伺います。
 初めに、高齢者、障害者などの方々へ配慮した観光施設の推進についてお伺いします。
 平成20年には、平泉の文化遺産の世界遺産登録を目指しており、これまで以上に、高齢者、障害者、外国人などの方々も岩手に訪れるものと思われます。だれでも自由に、どこにでも楽しんで観光ができるよう、このような方々に配慮した観光施設等の整備が重要です。公共施設では、ユニバーサルデザインの考えに基づき、車いす対応のエレベーターやトイレ、オストメイト対応トイレの設置、外国人観光客用の中国語、英語を併記した観光案内版の設置など、限られた予算の中で対応を行ってきているとは感じています。今後は、ホテルや旅館、店舗など、民間の施設への導入も必要です。民間がハートビル法の基準にとらわれず、できるところから積極的にユニバーサルデザインの導入に取り組めるよう促していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、龍泉洞などを活用した観光振興について伺います。
 岩手の観光に、平泉の世界遺産に加え明るい話題が全国報道されました。龍泉洞に七つ目の地底湖が発見され、皇太子殿下からも本県の方が声をかけられ、注目度が非常に高いと感じています。早坂トンネルの開通もあり、県北・沿岸地域のみならず、県の観光振興の大きなチャンスです。龍泉洞、安家洞、氷渡洞、そしてそこに行くとき、玉山の地域も通ります。この近辺一帯などを活用いたしました観光振興、観光産業の振興について、県の考えを伺いたいと思います。
 次に、いわての森林づくり県民税について伺います。
 日本有数の酸素発生量を保持する岩手県の森林は、私たちが生きていく上での命の源。県民の共有財産として守り育て、次の世代に引き継いでいかなければなりません。県では、平成18年4月から、いわての森林づくり県民税を導入、森林整備活動の支援を行ってきていますが、現在の取り組みは森林整備に関する活動に限定されています。森林は、イヌワシなどの野生生物の生息の場や、豊かな漁場形成にも寄与するなど重要な働きを有しており、今後、野生生物との共生に向けた取り組みや、県民が森林とのかかわりや意義を学んでいくことも必要と考えます。次の世代を担う子供たちや一般県民に、もっと森林への理解を深めてもらう活動など、取り組みを拡大していくべきと考えますが、今後どのように取り組もうと考えているのか、知事のお考えをお聞きかせください。
 次に、岩手の温泉資源について伺います。
 古来からある温泉資源を絶やすことのないよう、次世代に確実に引き継いでいくことが、今に生きる私たちの大きな使命とも感じているところです。この温泉資源を引き継ぐため、新規の温泉掘削への対応も含めた保護策を具体的にどう取り組むのか、伺います。
 次に、県政課題に対する県の取り組み姿勢について伺います。
 初めに、障害者の雇用促進についてです。
 昨日の本会議で、小西議員の質問に、知事が、強力に取り組まなければいけないと答弁され、力強く思っています。障害者の雇用促進については、民間企業をリードするためにも、県みずからがしっかりと取り組むべきと私はこれまでも述べてまいりました。県職員採用やさまざまな就労支援策に合わせ、法定雇用率を達成する企業などを入札資格や物品調達で優遇する制度も、さらにバックアップを進めるべきと思っています。残念ながら、岩手県教育委員会は、法定雇用率を達成していない38都道府県教育委員会の一つとして勧告を受けました。また、昨日の総務部長答弁では、障害者雇用と免許が必要な職種についてのお話もありましたが、免許が必要でない方も含めて、今後この勧告を受け、県教育委員会がどう対応していくのか、お示しください。
 また、障害者の福祉的就労として、県内各地の授産施設や小規模作業所ではその製品の販売促進に努力しており、県として積極的なバックアップが必要です。今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。
 次に、県産品の販路拡大について伺います。
 県では、大都市圏や海外への販路拡大に取り組んでいますが、県内で積極的に愛用していく機運も重要と考えます。このような中、本日もそうですが、達増知事や担当職員が地元のネクタイを愛用している、みずから県産品を愛用していることに、大変敬意を表しているものです。これを県の全職員に広めていただきたい。まず、自分たちから一丸となって取り組むべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 結びに、リサイクル製品の利用促進について伺います。
 資源循環推進の視点から、リサイクル製品について、県、市町村がみずから率先して利用していかなければ、県民による利用促進も図られないと考えます。集めたものが焼却されるなどの事実もあり、リサイクル製品を使うことの重要性も問われています。下水汚泥、農業集落排水汚泥なども含めた県認定の再利用製品やリサイクル製品を、みずからどう利用促進を図るのか、お知らせ願います。
 以上、たくさんの思いで、たくさんの質問をさせていただきましたので、前向きで簡潔な御答弁に終始いただくよう期待をさせていただき、質問を終わらせていただきます。
 お聞き取りいただきまして大変ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋比奈子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、人優先のまちづくりについてでありますが、これまでのまちづくりは、都市部の急激な人口増加やモータリゼーションの進展に的確に対応することを主な目的としていたため、拡大・成長が基調となっていたところであります。しかし、人口減少や超高齢社会を迎えていることから、過度に自動車に依存することなく、公共交通機関を積極的に活用し、自然環境への負荷を低減すること、既に整備済みの施設等を有効に活用して、都市の無秩序な拡散に伴う新たな公共投資を抑制すること、さらには、学校、病院などの都市機能を町なかに集積することによって、にぎわいの創出や利便性を確保するとともに、コミュニティや歴史、文化等を保全することによって、岩手らしさを生かした個性豊かで持続可能な都市構造へと転換を図ることが必要であります。
 今後のまちづくりにおきましては、高齢者や障害者を含めて幅広く意見を取り入れるなど、県民と協働しながら、人を中心としたまちづくりをどう進めるべきかについてしっかりと議論して、まちづくりの基本方針となる都市計画マスタープランを策定するとともに、公共交通機関、建築物、道路等のバリアフリー化等の一層の推進を図ることによって、人優先のまちづくりを進めていくことが重要と認識しております。
 次に、医療連携の取り組みについてでありますが、患者と医師、歯科医師、薬剤師などの医療関係者の間においては、医療の専門性から、医療機関の選択や治療方法等の情報共有について難しい面があり、いわゆる情報の非対称性─情報格差があると指摘されているところであります。
 患者が医療に関する情報を得ることができ、適切な医療を選択して、安心して医療を受けられるよう支援することも、現在策定作業中の新しい医療計画における重要な課題と認識しております。
 このため、新しい医療計画においては、がん、脳卒中、救急医療など、主要な疾病事業に関する医療連携体制の基本的なモデルを提供、提示するとともに、急性期や維持期などを担う医療機関を明示する予定であります。これに加え、県として、医療機関に関する情報などをこれまで以上にきめ細かく県民に提供することとしており、こうした取り組みを進めていくことなどにより、患者の視点に立った、質の高い医療が受けられる医療連携体制の構築を目指していくこととしております。
 次に、食育についてでありますが、食べることの大切さを理解し、望ましい食生活が営めるよう、食育の推進に積極的に取り組んでいく必要がありますが、特に家庭は、食育の原点として、家族団らんを通じて正しい食習慣などを身につける場であり、その中で親の果たす役割は大きなものがあると考えております。
 このため、県においては、食育推進計画を通じて、家庭に対して、早寝、早起きなど基本的な生活習慣の体得や家族一緒の朝御飯、地域食材を生かした献立などに取り組むとともに、それを学校や地域が連携して支えるよう求め、その普及啓発に努めているところであります。
 こうした中で、県内各地においても、学校給食の献立表を使った親へのアドバイスや、公民館や子供会を通じた親子対象の郷土食を伝承する取り組み等がなされてきております。
 食育の推進が、よりすそ野の広い取り組みとなり親の食に対する意識の向上につながるよう、県民運動組織である岩手県食育推進ネットワーク会議の活動を支援しながら、県としても普及啓発などに努めていく考えであります。
 次に、岩手の森林づくり県民税についてでありますが、この県民税は、多様な公益的機能を有する森林環境を維持、保全し、良好な状態で次の世代に引き継ぐことを目的に昨年度創設されたものでございますが、当面その使途を、特に緊急性が高く、事業実施の効果がわかりやすい森林整備に重点化して進めることでスタートしたものでありますが、その実施に当たっては、外部有識者等で構成する事業評価委員会において、その成果を検証しながら進めることとしたところであります。
 今年度は、事業着手後2年目となりますことから、これまで県民の皆様や県議会などからいただいた意見も踏まえ、この委員会において事業の成果等を検証していただいたところ、事業評価委員会からは、県が森林所有者にかわって森林整備を行ういわて環境の森整備事業については、地域の森林に精通した市町村等が主体的に取り組むことができる仕組みに見直すべき、地域住民による森林づくり活動を支援する県民参加の森林づくり促進事業については、森林環境学習や森林の利活用等、地域のニーズに応じた活動を支援すべき、そして、森林環境の保全について、次代を担う子供たちを初め、県民全体の理解醸成を促進すべき、といった提言をいただいたところでございます。
 県としては、このような提言をもとに、平成20年度からの実施に向けて事業の見直しを行い、県民総参加で岩手の森林を守っていくという趣旨にかなうような施策のさらなる充実・強化を進めてまいりたいと思います。
 次に、県産品の販路拡大についてでありますが、私は、県産品について、本県の伝統産業などクオリティーの高い技術とともに、岩手県民のまじめさ、勤勉さをベースに、さらにブランド力を高めながら、買うなら岩手の物という定評を確立させたいと考えております。
 そのため、県産品の愛用に向けて7月と12月の県産品愛用月間を中心に、キャラバンの実施やマスメディアの活用等により県産品の利用促進に努めるとともに、私自身も、県産のネクタイなどを愛用し、岩手の物を積極的にPRしているところでございます。
 県職員に対しては、これまでも県産品愛用について奨励してきたところでありますが、なお一層の利用促進を図るため、年内に、県庁生協において職員向けに県産品の展示販売を行うこととしておりまして、今後においても、県職員が率先して県産品を愛用する機運の醸成に努めてまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) まず、パーキングパーミット制についてでございますが、この制度の本県への導入につきましては、先行して実施しております佐賀県などの状況を、今後注視してまいりたいと考えておりますが、関係者の中にも、制度的規制よりも県民の理解促進とマナー向上にまず取り組むべき、あるいは本県としても導入すべきといった多様な御意見もあるところでございます。
 こうしたことから、今議会に提案させていただいております、ひとにやさしいまちづくり条例が成立した場合において、新たに設置が想定されております、ひとにやさしいまちづくり推進協議会等の場において、実態の把握も含め、専用の駐車スペースを必要とする方が安心して利用できるようなあり方について、十分な検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、医療計画についてでございますが、新しい医療計画におきましては、医療連携体制の構築を重要なテーマに位置づけていることから、岩手県医療審議会医療計画部会における検討のほか、脳卒中やがんなどの主要な疾病・事業について、外部の専門家による検討会などを設置し検討を進めており、今後、これらの検討をもとに、基本的な医療連携モデルを作成する予定としております。
 このモデルにおきましては、例えば、脳卒中にありましては、摂食嚥下リハビリテーションへの関与を位置づけるなど、歯科医療の役割や医科等との連携を明確にしていくこととしております。
 なお、口と歯の健康につきましては、糖尿病等の全身疾患のほか、介護予防等との関連も認められるところでございまして、今後とも、県歯科医師会を初め、関係者の御意見を伺いながら、個々の患者の健康状態に応じた切れ目のない保健・医療・介護サービス等を提供する観点で、医療連携体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、看護職員、保健師の確保についてでございますが、特定健診・保健指導に従事する看護師、保健師等が必要になってまいりますが、県では、平成20年度からの特定健診・保健指導の義務化を踏まえ、まず、市町村国民健康保険事業での体制整備を支援する目的で、平成18年度から、本県独自事業として、特定健診等に従事する保健師等の充実を図るための経費に対し、県調整交付金を交付するなど必要な支援を行ってきたところでございます。
 これまでのところ、平成20年度までに、県内26市町村において、正規、非正規を含めて、保健師または管理栄養士の増員に向けた検討が進められていると伺っております。
 県では、特定健診等の円滑な実施に向け、国の示す研修ガイドラインに基づき、地域ごとに保健師等への研修会を開催するなど、従事職員の資質向上に努めているところでございます。
 また、国保以外の被用者保険に対しましても、都道府県ごとに設置されております各保険者の代表により構成される保険者協議会、本県の場合は平成17年3月に設置されておりますが、こうした場を通じて、必要な情報提供のほか、研修会の合同開催などにより体制整備の促進に努めております。
 今後とも、こうした取り組みを通じまして、実施体制の整備に向け必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、看護職員の子育てと仕事の両立支援についてでございますが、国では、病院及び診療所に従事する看護師の離職防止及び再就業の促進を図るため、病院内保育施設の運営経費に対して補助を実施しており、本県では昭和49年度から導入し、看護職員の育児支援を行っているところでございます。
 県内の院内保育施設は、この補助制度を利用している17施設のほか、国立病院機構などを含めますと26施設が院内保育所を運営しているところでございます。
 なお、近年、子供さんの就学も視野に地域の保育所を御利用される傾向にもございまして、院内保育所の利用者は減少傾向にあります。
 また、県では、出産、育児等により退職した未就業の看護職員の再就職を支援するため、岩手県ナースセンター事業を、昭和51年から岩手県看護協会に委託し実施しているところでございます。
 今後とも、看護職員の子育てと仕事の両立支援を図る観点から、引き続き、院内保育所運営事業の補助やナースセンター事業の実施による支援を行うとともに、一般保育所の利用が増加しておりますことから、延長保育や休日保育等の保育サービスを充実するよう、市町村を支援してまいりたいと考えております。
 次に、化学物質過敏症の勉強会についてでございますが、化学物質過敏症につきましては、平成16年2月27日に発表されました厚生労働省が設置した研究会の報告書によりますと、原因の詳細な把握と治療法、予防法確立のためのさらなる研究が必要とされておりますほか、合意を得た診断基準の策定の必要性などが報告されているところでございます。近年、注目され始めた症状と考えております。
 こうした症状について、今後、専門医の意見を伺いながら、医療関係者を対象とした研修の必要性の有無、あるいは保健関係者への情報提供の必要性の有無などについて、県として検討してまいりたいと考えております。
 次に、食物アレルギーについてでございますが、県では、施設給食担当職員や保育所給食担当職員を対象に、食物アレルギーを含めた研修会を開催するとともに、母子保健指導者研修会で、食物アレルギーの専門医を講師に、医師、保健師、看護師、助産師等を対象に、乳幼児アレルギーについての研修会を実施するなど、関係者への普及・啓発を進めております。
 また、現在、各保健所に管理栄養士を配置しておりまして、一般相談として、窓口での相談対応、食物アレルギーに係る研修会の実施、特定給食施設立入検査による適切な栄養管理指導及びアレルギー対策相談の対応などを行っているところでございます。
 さらに、岩手県栄養士会では、専門医を講師に食物アレルギーについての研修会を実施し、県内栄養士の専門知識の向上を図るとともに、住民ボランティア団体であります岩手県食生活改善推進員団体連絡協議会では、活動の一環として、二戸支部で、食物アレルギーのリスクの高い食品を除去し、雑穀などを活用した郷土料理レシピ等の提供を行っているところでございます。
 県では、今後も、県栄養士会や市町村など関係機関と連携しながら、各種研修会や相談を実施し、食の安全とバランスのよい食生活により、県民が健康に暮らせるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、授産施設等製品の販路拡大についてでございますが、授産施設等の製品の販路拡大のため、県では、今年度から財団法人いわて産業振興センターの協力をいただき、希望する授産施設等に経営アドバイザーを派遣し、企業経営の視点から、授産内容の見直しや改善の助言、授産製品の販路拡大など、障害者の工賃引き上げに向けた支援を行うこととしております。
 また、県南広域振興局では、地域の授産施設など34団体で、あべじゃネット─一緒に行きましょうネットという意味でしょうか、こうした組織をつくりまして、11月28日には、専門のアドバイザーから商品開発や販路拡大のアドバイスを受けるミニ笑(商)談会を開催するなど、地域の行政と授産施設等事業者の連携による工賃引き上げの取り組みがなされているところでございます。
 現在、県では、行政、福祉施設、産業界がそれぞれの役割を担いながら、相互に協力・連携し、民間企業のノウハウも活用しながら、福祉施設が経営改善や商品開発、市場開拓等を通じて、働く障害者の工賃引き上げを図るため、来年2月をめどに工賃倍増5か年計画の策定に取り組んでおります。
 こうした計画の策定を機に、製品の販売促進と工賃引き上げに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 防災ヘリコプターの救急・救命活動への活用促進等についてでございますが、県におきましては、平成12年10月に、県医師会や消防機関等と協議の上、岩手県防災ヘリコプターによる交通遠隔地の救助活動基準を策定いたしまして、ヘリコプターで対応すべき救急事案の症例や有効な活動範囲等を定めますとともに、救急ヘリコプターとして必要な装備品等を備えまして救急活動を行っているところでございます。
 こうした基準の考え方や活動状況等を確認し、また利用の拡大を図りますため、毎年、消防機関と医療関係者から成る岩手県救急業務高度化推進協議会でありますとか、また県医師会との定例協議会等を開催いたしまして、徹底に努めているところでございます。
 また、防災航空隊、医療関係機関や消防機関が共同で合同訓練を定期的に実施しているところでもございまして、今後におきましても、さらに消防機関と医療関係者との連携を深めてまいりたいと存じます。
 次に、防災ヘリコプターの離発着場所についてでございますが、県におきましては、現在、航空法上の公共用の飛行場としての花巻空港、また非公共用の飛行場としての県警盛岡ヘリポートの2カ所がございますほかに、国土交通大臣から許可を受け、常に利用できます飛行場外離着陸場が27カ所、また、ふだんは使用しませんけれども、災害時や救急搬送などの場合に緊急時に使用できる飛行場外離着陸場として196カ所、合計で225カ所の離着陸場を確保しているところでございます。
 防災ヘリコプターによる救急活動を行う際には、地上で活動する消防本部が、医療機関と緊密な連携のもと、搬送患者の容体や搬送する医療資機材に応じまして、最も適した離着陸場を選定の上、活用することとしておりまして、例えば、本年度におきまして、盛岡市内の救急病院への搬送につきまして、盛岡南大橋下流の場外着陸場を使用したという事案もございまして、今後とも、引き続き、消防機関と医療機関との連携が円滑に促進されるよう努めてまいりたいと存じます。
   〔環境生活部長菊池秀一君登壇〕
〇環境生活部長(菊池秀一君) まず、テレビゲーム、テレビの内容についてでありますが、青少年の健全育成上好ましくないものの規制につきましては、テレビ業界では、放送基準による自主規制や視聴者の声を反映させる第三者機関を通じた改善、テレビゲーム業界では、独自の審査機関を通じた自主的規制などを行っております。
 県といたしましては、ゲームソフトにつきましては、青少年環境浄化条例の規制対象としておりまして、知事が指定した場合には、青少年への販売等が禁止されますが、これまで検討した事例はあるものの、指定した例はございません。
 テレビ番組につきましては、規制対象とはしておりませんが、これは他県も同様でありまして、法令による規制や自主規制を前提としていることなどによるものでございます。
 しかしながら、テレビの子供に与える影響についてのさまざまな意見があり、国においても規制に向けた検討の動きもあると聞いておりますので、県といたしましては、こうした動向や県民の意見等を踏まえながら、状況に応じて、国との協議の場などを通じて国に働きかけるとともに、ゲームソフトにつきましては、他県における規制の動きをとらえながら、審議会の意見を聞くなどして対応してまいりたいと考えております。
 次に、携帯電話に関する指導についてでありますが、インターネット上の有害情報を遮断するためには、フィルタリング機能の活用が不可欠でありますので、青少年環境浄化条例を改正いたしまして、保護者、学校関係者等に対する日常の注意義務、インターネットカフェ等の端末提供業者に対するフィルタリングの活用、端末販売業者等に対するフィルタリングに関する顧客への情報提供などの努力義務規定を新たに設けたところでございます。
 この規定が実行されるためには、何よりも、親の意識、そして販売業者による親と子等に対する十分な説明が重要でございますので、特に、県PTA連合会の会議の場を活用した説明、周知、あるいは小・中・高すべての学校に対するリーフレットの配布、関係業界を対象とした説明会の開催などを通じて、その周知に努めたところでございます。
 こうした取り組みは、繰り返し行うことが重要でありますことから、今後とも、PTAなどの教育関係者に対する説明を継続するとともに、資料の配布による啓発など、フィルタリング機能の一層の普及に努めていく考えでございます。
 次に、化学物質過敏症に関する研究会の立ち上げについてでございますが、雫石町内で整備が進められている木材加工場の立地に伴い、影響を受けることが懸念されている化学物質過敏症の方々への対応につきましては、事業者と雫石町が協定締結などの検討を行っているという状況にございます。
 県としては、そういう対応を注視しますとともに、大気汚染防止法に基づく基準の遵守の指導と化学物質の排出低減を事業者に求めているほか、県の環境測定技術を通じて周辺地域の化学物質濃度を測定するなど、技術的な面から支援を行っていく考えであります。
 化学物質過敏症につきましては未解明な部分が多いと聞いており、また、支援体制の検討など全国レベルでの課題であると考えておりますので、県単独での対応は難しいと考えておりまして、御提言の研究会の立ち上げについては、現時点では考えていないところでございます。したがいまして、当面、今回の事例のように、関係者間で協議を行い、連携しながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、温泉資源についてでありますが、県における温泉資源の保護のための取り組みとしては、まず、すべての温泉管理者に対して定期や随時の報告を求め、県内の温泉の湧出量や温度の変動を把握することとしております。
 また、新規の温泉掘削の申請があった場合には、温泉法上は、審議会の意見を聴いて、既存源泉に影響を及ぼすような場合を除き、許可しなければならないとされておりますが、県独自に、既存源泉が500メートル以内にあるときは、その所有者の同意を得るように指導するとともに、それでも影響が懸念される場合には、必要な条件を付して許可し、影響の有無を確認することとしております。
 そして、現実にこうした事案が生じた場合には、資源の保護と適正利用の観点から、協議が円滑に行われるよう調整や指導を行っているところでございます。
 なお、仮に既存源泉に影響を及ぼすような事例が生じた場合には、温泉法に基づきまして、許可の取り消しや温泉採取の制限命令などの処分について、審議会の意見を聞きながら検討していくこととしております。
 次に、リサイクル製品の利用促進についてでありますが、県では、リサイクル製品の需要拡大と資源の有効利用を促進するため、平成15年度から、再生資源利用の製品の認定制度を運用し、現在までに、コンクリート2次製品を初め、35社67製品を認定し、その普及に努めております。具体的には、排出事業者に対する法令関係説明会を利用した周知、市町村担当課長会議を通じた呼びかけ、製品紹介のパンフレットの作成、配布などを進めております。
 さらに、県として優先的に使用するため、平成17年度からは、基本方針を策定いたしまして、物品や公共工事用資材への認定製品の使用に率先して取り組んでおりまして、その量は、徐々にふえてきております。
 また、今年度からは、認定製品PRのための市場調査や見本市への出展等のソフト事業に取り組む製造事業者を支援する制度を創設したところでございます。
 今後とも、PRと率先利用などに努めながら、利用の拡大に取り組んでいく考えであります。
   〔商工労働観光部長阿部健君登壇〕
〇商工労働観光部長(阿部健君) まず、高齢者、障害者の方々に配慮した観光施策の推進についてでありますが、観光施設におけるユニバーサルデザインの普及につきましては、これまで、県観光協会が主催する会議等におきまして、宿泊施設等の関係者に対し、その普及促進に向けた協力要請を行ってきたところでありますが、今後におきましては、特にも、来年の平泉文化遺産の世界遺産登録による観光客の増加が見込まれる中、また、バリアフリー新法の施行も踏まえ、高齢者、障害者、外国人等に配慮した観光地づくりが求められることから、観光事業者等に対して、施設整備でのひとにやさしいまちづくり推進資金の活用を促すなど、積極的に協力の要請をしてまいりたいと考えております。
 また、ハード的な対応とともに、接客、施設内での支援などソフト的な対応も重要であり、これらにつきましては、現在認定を進めております、いわて観光おもてなしマイスターの方々の協力も得ながら、その充実を図り、高齢者、障害者の方々に対して、安心して訪れていただく観光地づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、龍泉洞などを活用した観光振興についてでありますが、龍泉洞は、年間約20万人の観光客が訪れ、また、本年4月から10月までの入場者数は前年同期比で12.4%の伸びを示すなど、浄土ケ浜や北山崎と並び、県内観光ルートにおける沿岸地域の主要観光拠点となっております。
 こういった中、龍泉洞や安家洞、氷渡探検洞など、それぞれの趣を異にする洞窟は、今後、平泉の誘客効果を県北・沿岸地域に波及していく上でも重要なポイントであると考えており、県といたしまして、龍泉洞等を含めた広域観光ルートの設定、旅行商品の造成などの取り組みを通じ、観光客の県内周遊に向けて取り組んでまいる考えであります。
 また、これらの洞窟につきましては、天然記念物に指定される貴重な自然環境であることから、地元岩泉町とも連携の上、自然と共生した観光振興としてもアピールをしながら、その活用に努めてまいる考えであります。
   〔教育長相澤徹君登壇〕
〇教育長(相澤徹君) まず、不登校の解消についてお答えをいたします。
 平成18年度の調査によりますと、本県の小・中学校の不登校児童生徒1、196名のうち、学校内外のいずれにおいても、専門的な相談・指導を受けていない児童生徒は約44%、528名であります。各学校では、不登校の改善に向け、教職員によるチームを組織し、児童生徒一人一人の状況を判断しながら取り組んでおります。そのような中で、スクールカウンセラーなどの専門的な相談・指導を受けるようにアドバイスをしているところでありますが、不登校児童生徒の中には、家庭訪問をしても本人と会えない、教師と会うことに緊張しストレスを感じるなど、専門的な相談・指導につなげることができないケースもございます。そうした場合でも、各学校では、保護者の理解と協力のもとに、電話や手紙等による声かけや学校情報の提供、家庭訪問による保護者との面談等を行うことにより、本人とのかかわりを継続し、また、児童相談所や市町村の福祉担当者と案件ごとのケース会議を開催し、家庭への働きかけを依頼するなどといった取り組みを行っているところであります。
 このような形で、種々困難に直面をしていることは事実でありますが、不登校の解消に向けて、地道な取り組みを進めているところであります。
 次に、携帯電話の校内への持ち込みについてでございますけれども、携帯電話の校内への持ち込みについては、教育上の見地から校長が判断をしておりますが、現在、ほとんどの小・中学校では、携帯電話の持ち込みを禁止しております。家庭の事情等により許可をしている場合でも、校内においては、使用を禁止している学校がほとんどであります。しかしながら、中学生の携帯電話の所持率は、平成18年度に実施した県の調査では33.7%となっておりますが、実態はもっと多いものと認識をしており、放課後や休日などに携帯電話を使用している児童生徒も見られるため、各学校においては、持ち込みを禁止する指導と合わせながら、いじめにつながるメールでの誹謗中傷や、不健全サイトへのアクセスなどへの対策に取り組んでいるところであります。
 こうした中、子供に対しても保護者に対しても、早い時期にインターネット使用や情報モラルについてしっかりとした教育を行うことが大切であり、今年度から、県の総合教育センターで開発をした情報モラルソフトを活用した公開授業を、県内10カ所の小・中・高等学校で行い、ネットいじめの予防やインターネットの隠された危険性などについて学ぶことにしております。これを踏まえて、今後、県内の各学校において、保護者への啓発も含め、取り組みを広げるように進めてまいります。
 次に、障害者の雇用促進についてでありますけれども、県教育委員会における障害者の雇用率は、本年6月1日現在で1.19%であります。職種別に見ますと、事務系の職員にありましては3.34%でありますが、職員数のおよそ9割を占める教員については、0.92%となっております。したがいまして、まずは教員の雇用率の向上に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えており、平成18年度からは、新たに教員採用試験において障害者特別選考枠を設けたところであります。昨年度は、志願者2名に対して合格者はゼロでありましたが、今年度は、志願者5名に対して、4名が合格をしたところであります。
 今後、関係機関とも連携をしながら、今年度のような合格の状況について広く周知し、障害者特別枠への意欲ある志願者をふやしてまいりたいと、それが採用増につながっていくものと考えております。
 また、事務職員にあっては、他部局との人事交流をしっかりと行い、教員と事務職員の両面の努力によって、法定雇用率の達成に向けて着実に改善を進めたいと考えております。
〇21番(高橋比奈子君) 大変前向きな答弁が多かったと思い感謝を申し上げますが、大変恐縮ですが、4点再質問をさせていただきます。
 まず、不登校のところで44%ということでしたが、子供さんたちの拒否のお話があったんですが、スクールカウンセラーの方が、もしくは市町村の対応場所とか学校に別室がないという、そういうふうな対応ができない子供たちのパーセンテージなんでしょうか。それとも、本人たちが拒否していて、学校側だけ、学校とそれから家庭だけで対応している子供たちの数字なんでしょうか、これをちょっとお知らせいただきたいと思います。
 私がなぜ質問するかというと、不登校の子供たちの対応にいろいろと違いがないように、できるだけ多くの方に、思いのこもったたくさんの同じ対応をしていただければなという思いから、こういう質問をさせていただいております。
 それから、化学物質過敏症に関してなんですが、今、化学物質過敏症といった場合に、私、どちらが答えるのかなと思ったら、環境生活部もお答えして保健福祉部もお答えしましたし、医療というと、これは医療局も関係してくる問題なんですね。非常に横断的な問題なわけです。この横断的な問題の中でどこが答えるのだろう、どうしていくのだろうということも思いながら質問をさせていただきました。
 その中で、例えば雫石町では、いろいろな方々が住んでいらっしゃるときに、自分たちでは要望に対しておこたえができないので、県の方、何とか国立病院の先生などを交えて勉強会というか研究会というか、そういう情報交換会をやってくれという切なる思いをお伝えしたつもりだったんですが、そういうつもりはないとおっしゃいました。これは、特に横断的な問題でもあるので、一度でもいいので、きちんと集まっていろんな方のお話を聞くと。これは県レベルの問題ではなく、本当に世界的な問題になってきているとも思うんですが、わからないではなく、現状の、岩手県のどういう方々がいらっしゃるのかとか、実際にうつ病と診断をされてしまって本当に苦しんでいる方も実情としていらっしゃるわけですから、これは国の動向を見てではなく、県内として1歩でも進んでいただきたいと思います。この点についてお答えをお願いしたいと思います。
 それから、温泉の資源のところなんですが、仮に、もし新しい掘削によって影響が出た場合は、県のほうがいろいろ温泉部会を通じながら対応していきたいということでしたが、今、盛岡の選挙区の中でつなぎ温泉があって、随分、?のほうでは観光客がふえているんですが、ここで新しい温泉を掘ったところ、周りの方々から、影響が出たというような情報も入っております。県に問い合わせをしたところ、県のほうはまだ把握していないということで、共存共栄ができるように、県がしっかりと温泉部会などでも情報を提供していただき、間に入って、両方それぞれが営業していけるような段取りをとっていただきたいと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
 それから、最後に、医療連携のほうはできるだけやっていきたいという知事答弁、ありがとうございます。一つ心配しているのは、県が主導してやっていただきますよう、広域連合などの場合は、医療費を払う側からの仕組みがメーンだと思うので、ぜひこちらのほうは県が連携を、旗を振って指導していただきたいと、これは要望にしておきます。
 看護職員の件で再質問をさせていただきたいんですが、いろいろとやっていらっしゃる、特に子育て、育児、出産などの支援もしていらっしゃるということもわかるんですが、さらなるお力添えをいただかなければ、医師の不足と一緒に、どうしても医師不足の部分だけ言われておりますが、看護職員の方々がふえていくということは、本当に医療連携の上でも大事なことだと思っております。岩手県の看護連盟のほうから、実際に出産、育児などをいろいろとやっていきたいという場合に、制度はつくってもらっているんですが、活用できない現状もある、場所もあると。それを実現が本当に可能な制度にするように、環境整備をぜひともさらに進めていただきたいということと、それから育児休業代替要員というんですか、結局、今、応援はしますと言ってくださっているんですが、育児休業に入った場合に、その方々のかわりに代替要員の確保、こういう点とか、そういう方に正規採用とか実効のある対策の検討にも入っていただかないと、本当の子育てをしながらの看護職員の支援にならないと思うんですが、この点について伺いたいと思います。
〇環境生活部長(菊池秀一君) まず、化学物質過敏症の関係でございます。
 これにつきましては、議員からもお話がありましたように、世界レベル、国レベルでさまざまな研究が行われている段階というふうに承知しております。そういった意味で、県レベルでの研究会というお尋ねに対しましては、大変難しいなという意味で先ほどのような答弁をさせていただいたわけですけれども、実質的に、今お話のありましたように、医療関係とかの連携・協議をしていくという意味では、関係部が協議・連携していくということは、それは必要なことだろうというふうに私ども思っておりますので、保健福祉部とも協議しながら、どういったことができるか、どこまでできるかということも含めまして、検討していきたいというふうに思っております。
 それから、次に温泉資源の関係でございます。
 つなぎ温泉の関係につきましては私も承知しておりますが、井戸の状況に応じてどういう変動があるかというデータを、今、収集している段階というふうに聞いております。そのデータを今いろいろ、掘った後のデータが出ておりますけれども、以前のデータとの対比とか、そこがまだ十分にできていないという段階というふうに聞いていますので、いずれにしましても、そうした調整については、県としても対応してまいりたいというふうに思っております。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 看護師の方々がさまざまな変則勤務の中で働いていただいているわけでございまして、そうした方々が働きながら安心して子育てもできるというのは、非常に重要なことだと考えております。そうしたこともありまして院内保育の補助も行っているわけですが、先ほども申し上げましたように、最近は一般の保育所を利用される方もふえてきているということでございます。時間外保育でありますとか休日保育でありますとか、いわゆる特別保育対策といったものが必要だというふうに考えておりまして、そうしたサービスをできるだけ各市町村でやっていただくように、県としては支援していかなければならないと考えております。
 今御質問にもありましたとおり、県内のすべての地域で、制度があっても使えるといったような状況になっていないことは確かでございますので、そうした各地域で制度を利用できるような方向で努力してまいりたいと考えております。
 なお、産休代替職員の正規採用化といったことにつきましては、個々の医療機関で一時的な需要に対応して採用するということもありますので、実際上、県としてどういう形で勤務するのかといったことを指導するというのは難しいのではないかなと思っております。ただ、産休代替職員の確保がなかなか困難だといったような場合には、看護協会のナースセンターがいろいろと御相談に乗っているところでございます。
〇教育長(相澤徹君) 不登校の問題でございますけれども、スクールカウンセラー等への相談に至らない要因は、基本的には家族とか御本人がそういうふうに望まないということなんでありますが、ただ一方、調査結果を見ますと、学校の中で、スクールカウンセラーそれから適応支援相談員に大変依存しているといいますか、相談を受けているケースが圧倒的に多いということもありまして、また、私、学校現場に行きますと、もっと充実をしてほしいといった声もありますので、これは国の予算との関連もありまして、そう簡単にいかない面もあるんでありますが、またそういう面でも、もう少しいろいろ調整、努力をさせていただきたいと思っています。
〇21番(高橋比奈子君) 御答弁ありがとうございます。
 やはりスクールカウンセラーの不足によりまして、本当に対応ができない不登校の方がいるというのは大変気の毒なことでもありますし、そういう意味で不登校の方々が同じような措置というんですか、そういうふうにとっていただけるような、そういうお考えを進めていただければと思います。
 さまざまな理由で、本当に皆さん頑張っていらっしゃるのはわかるんですが、対応はぜひ全員に同じように、心温まるようなものをお願いしたいというふうに思います。
 それから、保健福祉部長からも、今、看護職員の方々の子育ての件もありましたけれども、ぜひ医療連携につきまして、関係者の方々の現場の声をお聞きいただきながら、対応をしていただければということを思っております。
 再質問で1点、私、つなぎ温泉のことをお話し申し上げましたのは、以前、これは私、父のほうとか関係者の方から実は調査をさせていただいたんですが、本陣の湯というところで、同じように掘削したためにほかの温泉に大変な影響が出たということで、県が調査依頼をして、県がきちんと間に入って、そしてつなぎ温泉全体の影響がないような措置をとったという事例がありまして、こういうことをちょっと心配しましたので、ぜひこういう事例も考慮に入れながら、共存共栄できるような形での指導をお願いしたいと思うんですが、その点、1点だけ御質問をさせていただきます。
〇環境生活部長(菊池秀一君) まず、どういったような影響が出るかというあたりを、今データを収集して分析しておるところでございますので、その方向に応じて対応していきたいなと思っておりますけれども、過去の事例につきましても、参考にしながら対応してまいりたいと思います。
〇副議長(佐々木大和君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時43分 休憩
出席議員(47名)
1 番 木 村 幸 弘 君
2 番 久 保 孝 喜 君
3 番 小 西 和 子 君
4 番 工 藤 勝 博 君
5 番 岩 渕   誠 君
6 番 郷右近   浩 君
7 番 高 橋   元 君
8 番 喜 多 正 敏 君
9 番 高 橋 昌 造 君
10 番 菅 原 一 敏 君
11 番 小野寺 有 一 君
12 番 熊 谷   泉 君
14 番 高 橋 博 之 君
15 番 亀卦川 富 夫 君
16 番 中 平   均 君
17 番 五日市   王 君
18 番 関 根 敏 伸 君
19 番 三 浦 陽 子 君
20 番 小田島 峰 雄 君
21 番 高 橋 比奈子 君
22 番 高 橋 雪 文 君
23 番 嵯 峨 壱 朗 君
24 番 及 川 あつし 君
25 番 飯 澤   匡 君
26 番 田 村   誠 君
27 番 大 宮 惇 幸 君
28 番 千 葉 康一郎 君
29 番 新居田 弘 文 君
30 番 工 藤 大 輔 君
31 番 佐々木 順 一 君
32 番 佐々木   博 君
33 番 工 藤 勝 子 君
34 番 平 沼   健 君
35 番 樋 下 正 信 君
36 番 柳 村 岩 見 君
37 番 阿 部 富 雄 君
38 番 斉 藤   信 君
39 番 吉 田 洋 治 君
40 番 及 川 幸 子 君
41 番 佐々木 一 榮 君
42 番 伊 藤 勢 至 君
43 番 渡 辺 幸 貫 君
44 番 小野寺 研 一 君
45 番 千 葉   伝 君
46 番 佐々木 大 和 君
47 番 菊 池   勲 君
48 番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時 再開
〇議長(渡辺幸貫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。喜多正敏君。
   〔8番喜多正敏君登壇〕(拍手)

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