令和5年6月定例会 第26回岩手県議会定例会会議録

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第 26 回 岩 手 県 議 会 定 例 会 会 議 録(第6号)
 
 
令和5年7月7日(金曜日)
   
議事日程 第6号
 令和5年7月7日(金曜日)午後1時開議
第1 議案第1号 令和5年度岩手県一般会計補正予算(第2号)
第2 議案第2号 岩手県の事務を市町村が処理することとする事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第3 議案第3号 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第4 議案第4号 岩手県県税条例の一部を改正する条例
第5 議案第5号 地域経済牽引事業の促進区域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例
第6 議案第6号 特定復興産業集積区域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例
第7 議案第7号 岩手県手数料条例の一部を改正する条例
第8 議案第8号 岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例
第9 議案第9号 高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要な信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
第10 議案第10号 一般国道397号小谷木橋旧橋撤去(下部工)(第3工区)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
第11 議案第11号 岩手県立不来方高等学校校舎大規模改造(建築)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
第12 議案第12号 岩手県立不来方高等学校校舎大規模改造(電気設備)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
第13 議案第13号 岩手県立不来方高等学校校舎大規模改造(機械設備)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
第14 議案第14号 岩手県立学校共同実習船建造の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
第15 議案第15号 あっせんの申立てに関し議決を求めることについて
第16 議案第16号 損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについて
第17 議案第17号 損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについて
第18 議案第18号 損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについて
第19 議案第19号 いわて男女共同参画プランの変更に関し議決を求めることについて
第20 請願陳情
第21 東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件
第22 新型コロナウイルス感染症対策に関する調査の件
第23 デジタル社会及びDXの推進に関する調査の件
第24 地球温暖化に関する調査、エネルギーに関する調査の件
第25 教育に関する調査、子育て環境に関する調査の件
第26 新産業創出に関する調査、働き方改革に関する調査の件
第27 発議案第1号 計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書
第28 発議案第2号 健康保険証廃止の中止等を求める意見書
第29 発議案第3号 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律の改正を求める意見書
第30 発議案第4号 選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書
第31 発議案第5号 社会保障制度の整備、子育て施策、ふるさと振興の推進等のための地方財政の充実、強化を求める意見書
第32 発議案第6号 特定商取引法の平成28年改正における5年後見直し規定に基づく抜本的改正を求める意見書
第33 発議案第7号 認定職業訓練振興のための施策の推進を求める意見書
第34 発議案第8号 岩手県議会会議規則の一部を改正する規則
第35 発議案第9号 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の廃止及び教職員の働き方改革の促進を求める意見書
第36 発議案第10号 多文化共生のための社会基盤整備を求める意見書
第37 発議案第11号 新型コロナウイルス感染症に対する適切な対応を求める意見書
第38 発議案第12号 認知症の人やその家族が安心して暮らすことのできる社会の構築を求める意見書
第39 発議案第13号 食料安全保障の強化を求める意見書
第40 発議案第14号 漁業生産力の発展に向けた支援の充実・強化を求める意見書
第41 発議案第15号 ローカル鉄道の維持・確保に向けた支援の強化を求める意見書
日程第1から日程第20まで 委員長報告、質疑、討論、採決
   
本日の会議に付した事件
1 日程第1 議案第1号から日程第20 請願陳情まで(委員長報告、討論、採決)
1 日程第21 東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件から日程第26 新産業創出に関する調査、働き方改革に関する調査の件まで(委員長報告、採決)
1 日程第27 発議案第1号(提案理由の説明、採決)
1 日程第28 発議案第2号及び日程第29 発議案第3号(提案理由の説明、採決)
1 日程第30 発議案第4号(提案理由の説明、質疑、討論、採決)
1 日程第31 発議案第5号から日程第41 発議案第15号まで(採決)
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 小 林 正 信 君
3  番 千 葉   盛 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 岩 城   元 君
6  番 上 原 康 樹 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
知事 達増 拓也 君
副知事 菊池 哲 君
副知事 八重樫 幸治 君
企画理事兼保健福祉部長 野原 勝 君
政策企画部長 小野 博 君
総務部長 千葉 幸也 君
復興防災部長 佐藤 隆浩 君
ふるさと振興部長 熊谷 泰樹 君
文化スポーツ部長 小原 勝 君
環境生活部長 福田 直 君
商工労働観光部長 岩渕 伸也 君
農林水産部長 藤代 克彦 君
県土整備部長 加藤 智博 君
ILC推進局長 箱石 知義 君
会計管理者 木村 久 君
医療局長 小原 重幸 君
企業局長 中里 裕美 君
財政課総括課長 佐藤 直樹 君
教育長 佐藤 一男 君
教育局長 菊池 芳彦 君
警察本部長 高水 紀美彦 君
   
職務のため議場に出席した事務局職員
事務局長 小畑 真
議事調査課総括課長 昆野 岳晴
議事管理担当課長 藤平 貴一
主任主査 佐藤 博晃
主任主査 増澤 綾子
主査 阿部 真人
   
午後1時2分開議
〇議長(五日市王君) これより本日の会議を開きます。
   
諸般の報告
〇議長(五日市王君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
 発議案15件が提出になっております。お手元に配付いたしてありますから、御了承願います。
   
発議案第1号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
文教委員会委員長 佐々木 宣 和 
   計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書
 子供たちの豊かな学びを保障するため、その条件整備は不可欠であることから、令和6年度の政府の予算編成において、中学校、高等学校の35人学級の早期実現と計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度の拡充を図るよう強く要望する。
 理由
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律の施行により、公立小学校の学級編制の標準が小学校2年生から35人に段階的に引き下げられたが、中学校、高等学校での早期引下げも必要である。
 学校現場においては、子どもたちの多様化が一層進展するなどの状況下において、貧困、いじめ、不登校、教職員の長時間労働や未配置など、解決すべき問題が山積している。本年4月28日公表の文部科学省による教員勤務実態調査(令和4年度)集計(速報値)では、6年前より在校等時間は短縮されたものの、依然として、長時間勤務が行われている状況にあり、子どもたちに向き合うための時間を十分に確保することが困難な状況となっている。学校における豊かな学びや働き方改革の実現を図るためには、さらなる学級編制の標準の引下げ、少人数学級を実現するとともに、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善が不可欠である。
 教育予算は、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の負担割合が2分の1から3分の1に引き下げられたが、子供たちが全国どこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法の要請するところであり、定数改善に向けた財源を確保し、義務教育を保障するための条件整備は不可欠である。厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている地方自治体もあるが、自治体間の教育格差が生じることは大きな問題であり、国庫負担割合の拡充が必要である。
 よって、国においては、令和6年度の政府の予算編成において、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 中学校、高等学校での35人学級を早急に実施すること。また、更なる少人数学級について検討すること。
2 学校の働き方改革、長時間労働是正を実現するため、教職員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。
3 自治体で国の標準を下回る学級編制基準の弾力的運用の実施ができるよう加配定数の削減は行わないこと。
4 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度の負担割合を引き上げること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第2号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
環境福祉委員会委員長 佐々木 朋 和
   健康保険証廃止の中止等を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
デジタル大臣
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   健康保険証廃止の中止等を求める意見書
 健康保険証の廃止により健康保険証を持てず、保険診療を受けられない人が生じないよう、健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化について、中止を含め見直すことを強く要望する。
 理由
 マイナンバーカードをめぐる問題が続出するなか、マイナンバーカードと健康保険証の一体化などを盛り込んだ、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案が、令和5年6月2日の参議院本会議で可決、成立した。
 マイナンバーカードの取得は任意とされてきたにもかかわらず、健康保険証と一体化させることによって、マイナンバーカードの利用を国民に強制することにつながる重大な方針転換であるが、法案の可決後も個人情報に関わる問題などが次々と明らかになっており、充分な審議が尽くされたとは到底思えない。
 健康保険証の廃止に対する反対の世論が高まるなか、共同通信社が実施した全国電話世論調査によると、現在の健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一体化する政府方針に関し、延期や撤回を求める声が計72.1%に上ったと報道されている。また、岩手県保険医協会が行った健康保険証の廃止に伴う高齢者施設等への影響調査によると、9割以上の施設で利用者のマイナンバーカードの管理ができないと回答している。
 健康保険証の廃止は、国民皆保険制度の根幹を破壊する重大問題に発展しかねず、政府の冷静な判断が求められる。
 よって、国においては、健康保険証の廃止により健康保険証を持てず、保険診療を受けられない人が生じないよう、健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化について、中止を含め見直すことを強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第3号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
環境福祉委員会委員長 佐々木 朋 和
   性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律の改正を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律の改正を求める意見書
 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(以下、「LGBT理解増進法」という。)が性的指向や性自認に関する取り組みを阻害する動きに使われることなく、同法第3条の基本理念に則った取り組みが進められるよう法改正を行うことを強く要望する。
 理由
 令和5年6月16日、参議院本会議において、LGBT理解増進法が成立し、同年6月23日に公布、即日施行されることが決定された。
 しかし、LGBT理解増進法案は令和3年に「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」との文言を盛り込んだ超党派の議員連盟で合意に至ったにもかかわらず、その内容は理解増進とはかけ離れ、理解を阻害する内容になっている。
 同法案中「差別は許されない」が「不当な差別はあってはならない」と書き換えられ、国に義務付けた調査研究が学術研究に置き換えられ、「民間団体の自発的な活動の促進」も削除されるなど、法案は大きく後退させられ、とりわけ、同法第12条に「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」と、LGBTQ+当事者の尊厳を踏みにじるかのような文言が入り、政府が具体的な指針を策定するものと規定されたことは重大である。
 そもそも差別は不当であるにもかかわらず、不当でない差別が存在する余地を法的に残し、すべての国民の安心のために、いじめや差別の原因となる無理解を擁護、温存することにつながり、LGBTQ+当事者の人権が抑制、侵害されかねない。
 同法を根拠に、民間団体の活動が国民に不安を与えているというような理由付けをされ、活動を規制される可能性もある。同法第3条の「全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」という基本理念と明らかに矛盾し、法の効果を真逆に転じさせるものであり、LGBTQ+当事者が直面している生きづらさ、差別、孤独は命に関わる問題である。
 よって、国においては、今後、LGBT理解増進法が性的指向や性自認に関する取り組みを阻害する動きに使われることなく、真に基本理念に則った取り組みが進むよう同法について次の改正を行うよう強く要望する。
1 同法第3条中「不当な差別はあってはならない」との文言を「差別はあってはならない」と改め、差別禁止規定を明記すること。
2 同法第12条の留意規定を始め、同法第10条第3項中「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」など理解促進を制限、阻害しうる文言を削除すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第4号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
提出者議員  佐 藤 ケイ子
賛成者議員  木 村 幸 弘
佐々木 朋 和
ハクセル美穂子
高 田 一 郎
   選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書
 岩手県議会会議規則第14条第1項の規定により、標記の議案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書
 選択的夫婦別姓制度を導入するよう強く要望する。
 理由
 近年、夫婦が望む場合には結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の氏を称することを認める制度、いわゆる選択的夫婦別姓制度についての議論がある。
 昨年3月に公表された内閣府の家族の法制に関する世論調査の結果では、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい」が27.0%であったが、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」が42.2%、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」が28.9%となっており、夫婦がそれぞれ結婚前の姓を名乗ることを希望する意見が一定程度ある。
 また、最高裁判所は、平成27年12月の判決に続き、令和3年6月の決定において、夫婦同姓制度が憲法に違反していないと判断し、夫婦の氏に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ判断されるべきであると指摘している。
 家族の多様化が進む中、旧姓を通称使用する人や事実婚を選択するカップルも少なくなく、また、改姓によってこれまで築き上げたキャリアに分断が生じる例や、結婚を諦める例など、不利益を被る例があることから、適切な法的選択肢を用意する必要がある。
 よって、国においては、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正を行うよう強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第5号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
総務委員会委員長 菅野 ひろのり
環境福祉委員会委員長 佐々木 朋 和
   社会保障制度の整備、子育て施策、ふるさと振興の推進等のための地方財政の充実、強化を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
復興大臣
内閣府特命担当大臣
(地方創生)
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   社会保障制度の整備、子育て施策、ふるさと振興の推進等のための地方財政の充実、強化を求める意見書
 急激な少子高齢化に伴う医療、介護など社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下でのふるさと振興をはじめ、デジタル化、脱炭素化、物価高騰対策などの施策における地方公共団体の確実な行政運営の推進に向けて、地方財政の充実、強化を図るよう強く要望する。
 理由
 新型コロナウイルス感染症は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症になったものの、ワクチン接種や保健所も含めた医療提供体制など、国からの財政支援が不可欠な状況にある。
 また、東日本大震災津波をはじめ、相次ぐ自然災害に対し、地方公共団体では住民の安全確保施策の充実が求められており、安定した財源措置が必要である。
 さらに、社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下でのふるさと振興、DXやGXなどの政策推進が国から要請されている中、諸課題へ適切に対応するため、人材と財源の確保が極めて重要である。
 加えて、令和2年度から会計年度任用職員制度が導入され、令和6年度からは会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給が可能となるが、財源措置が不透明な中で常勤職員との格差の課題もあり、常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持しつつ、会計年度任用職員の適正な勤務条件の確保に必要となる財政需要の増加に対応する地方財政措置が必要である。
 よって、国においては、令和6年度の政府予算と地方財政計画の検討に当たり、急激な少子高齢化に伴う医療、介護など社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下でのふるさと振興をはじめ、デジタル化、脱炭素化、物価高騰対策などの施策における地方公共団体の確実な行政運営の推進に向けて、地方財政の充実、強化を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 令和6年度地方財政計画の策定に当たり、少子高齢化に伴う医療、介護など社会保障制度の整備、子育て施策、ふるさと振興をはじめ、デジタル化や脱炭素化、地域公共交通の再構築など地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、それを支える人件費を重視し、十分な地方一般財源総額の確保を図ること。また、介護、児童虐待防止、児童の安心・安全を保障する保育施設等の人的環境整備、生活困窮者自立支援など、急増する社会保障ニーズへの対応と、これらに必要な人材を確保するための社会保障予算の確保及び地方財政措置を的確に行うこと。
2 新型コロナウイルス感染症対策として、5類感染症移行後におけるワクチン接種体制や保健所も含めた医療提供体制について、自治体での混乱が生じることのないよう、十分な財政措置やより速やかな情報提供などを行うこと。
3 東日本大震災津波からの復興に当たり、切れ目のない被災者支援と産業・生業の再生に係る支援措置の継続、強化に力点を置き、引き続き地方公共団体が施策を進めるために必要な復興事業費総額の確保を図ること。
4 地方交付税の財源保障機能・財源調整機能の強化を図り、各地方公共団体における新たな財政需要の把握、小規模地方公共団体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。併せて、地方交付税原資の確保のため、地方交付税法第6条第1項に定める対象国税4税(所得税、法人税、酒税、消費税)の法定率引き上げ、臨時財政対策債に頼らない、より自律的な地方財政の確立を進めること。また、特別交付税の配分に当たり、諸手当等の支給水準が国の基準を超えている自治体に対して、その取扱いを理由とした特別交付税の減額措置を行わないこと。
5 森林環境譲与税の譲与基準について、森林面積や林業従事者数の多い地方公共団体への譲与額を増大させるよう、人口による配分を3割とする現行の譲与基準を見直すこと。
6 会計年度任用職員の処遇改善に向けて、令和6年度から可能となる勤勉手当の支給も含め、引き続き所要額の調査を行い、必要な財源確保を図り、処遇改善額が明確となるよう配慮すること。併せて、地方公共団体の公務運営に当たり、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持するとともに、行政需要に応じた常勤の地方公務員の確保に係る地方財政措置の拡充を図ること。
7 デジタル化における地方公共団体情報システムの標準化について、引き続き地域デジタル社会推進費に相当する財源を確保するなど、十分な財源を保障すること。特に戸籍等への記載事項における氏名の振り仮名の追加については、自治体において相当な業務負荷が予想されることから、現場における意見を十分に勘案しながら、必要な経費を国の責任において確保すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第6号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
環境福祉委員会委員長 佐々木 朋 和
   特定商取引法の平成28年改正における5年後見直し規定に基づく抜本的改正を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
内閣府特命担当大臣
(消費者及び食品安全)
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   特定商取引法の平成28年改正における5年後見直し規定に基づく抜本的改正を求める意見書
 幅広い世代の消費者被害防止、救済に向けて、特定商取引に関する法律(以下、「特商法」という。)の抜本的改正を図るよう強く要望する。
 理由
 特商法の平成28年改正法の附則に定められた、いわゆる5年後見直し規定に基づく見直しの時期が、令和4年12月に経過した。
 令和4年版消費者白書によると、令和3年度に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談は85.2万件で、特商法の対象分野の相談は全体の約55%という高い比率を占めている。とりわけ訪問販売、電話勧誘販売の割合は、認知症等の高齢者の消費者トラブルの中で48.6%と多数を占めている。このことから、超高齢社会において判断力の衰えた高齢者が悪質商法のターゲットにされていることがうかがわれ、早急な対応が必要である。
 世代全体で見ると、インターネット通販に関する相談が27.4%と最多となっており、デジタル社会の進展、さらにはコロナ禍の影響もあって、インターネット通販におけるトラブルが増加していることが見て取れる。この傾向はデジタル社会の更なる進展とともに、今後更に強まると思われる。
 また、マルチ取引(連鎖販売取引)に関する消費生活相談件数は毎年約9、000〜10、000件程度と無視できない件数で推移しているが、その半数近くが20歳代となっている。今後は、2022年4月の成年年齢引下げに伴い、18歳から19歳を狙ったマルチ取引被害の増加が予想される。
 これらの被害に対処するためには、特商法の改正を早急に検討することが必要である。
 よって、国においては、幅広い世代の消費者被害防止、救済を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 訪問販売や電話勧誘販売について、事前拒否者に対する勧誘を禁止する制度を導入すること。
2 SNS等を通じた勧誘を伴うインターネット通販について、クーリング・オフや勧誘規制等の電話勧誘販売と同レベルの規制を導入するとともに、SNS事業者等に対し、消費者トラブル発生時における通信販売業者・勧誘者に関する情報の開示を義務付けること。
3 マルチ取引(連鎖販売取引)について、国による登録・確認等の開業規制を導入するとともに、被害の予防・救済のための規制を強化すること。
4 特商法の改正について、消費者庁に検討会を設置し、早急に検討を進めること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第7号
令和5年7月5日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
商工建設委員会委員長 佐 藤 ケイ子
   認定職業訓練振興のための施策の推進を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   認定職業訓練振興のための施策の推進を求める意見書
 本県のものづくり産業の振興に大きく寄与してきた認定職業訓練の維持発展のため、認定職業訓練助成事業費(以下「認定補助金」という。)の充実を図るよう強く要望する。
 理由
 近年、技能労働者の高齢化が進む一方、少子化や若者の技能離れの影響もあり、高等職業訓練校の訓練生も年々減少しているほか、訓練に供する原材料、燃料の高騰などにより運営状況は逼迫している。
 また、中小企業事業主や家族従事者であって、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第33条の規定に基づく労働者災害補償保険の特別加入者は、現行の認定補助金の交付基準を満たさず、将来的な経営者としての職業訓練指導員の減少や職業訓練協会及び事業主の経費負担の増加につながり、協会運営や有為な人材の育成に支障をきたしている。
 本県において認定職業訓練は、東日本大震災津波からの復興10年間において長期訓練生1、300人余、短期訓練生延べ1万9千人余の実績を有しており、認定職業訓練の維持継続は、地域の職業能力開発の拠点とともに、地域を支える中小企業における技能者の育成、承継に不可欠である。
 よって、国においては、認定職業訓練の維持発展のため、認定補助金について、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 認定補助金の補助対象基準額を引き上げること。
2 中小企業事業主や家族従事者の労働者災害補償保険の特別加入者も補助対象とすること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第8号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   岩手県議会会議規則の一部を改正する規則
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記議案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
   岩手県議会会議規則の一部を改正する規則
 岩手県議会会議規則(昭和31年岩手県議会規則第1号)の一部を次のように改正する。
改正前 改正後
 (会議録の配布)
第111条  会議録は、印刷して、議員及び関係者に配付する。
   第17章 補則
 (会議録の配布)
第111条  会議録は、議員及び関係者に配布する。
   第17章 補則
 (配布に代わる措置)
第117条  議長は、次に掲げる文書の配布に代えて、議員が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置を講ずることができる。この場合において、議長は、当該文書を配布したものとみなす。
(1)  20条に規定する議事日程
(2)  第36条第3項に規定する委員会の報告書又は少数意見報告書
(3)  第83条第1項に規定する請願文書表
(4)  第111条に規定する会議録
 (会議規則の疑義)
第117条 [略]
 (会議規則の疑義)
第118条 [略]
備考 改正部分は、下線の部分である。
   附 則
 この規則は、公布の日から施行する。
 理由
 議会におけるペーパーレス化の推進のため、議事日程等の配布に代わる措置を定めるとともに、併せて所要の整備をしようとするものである。これが、この規則案を提出する理由である。
発議案第9号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の廃止及び教職員の働き方改革の促進を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の廃止及び教職員の働き方改革の促進を求める意見書
 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法を廃止するとともに、教職員の働き方改革を促進するよう強く要望する。
 理由
 国が令和5年4月に公表した令和4年度の教員勤務実態調査によると、前回の平成28年度の調査と比較して、平日・土日ともに、全ての職種において在校等時間が減少したものの、依然として長時間勤務の教員が多い状況にある。
 昭和46年に制定された公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下「給特法」という。)では、教員の職務と勤務態様に特殊性があるとして、一律に給与月額の4%を教職調整額として支給し、時間外勤務手当を支給しないことが定められているが、実際は調整額相当分を超える超過勤務が行われている実態がある。
 令和5年5月に、文部科学大臣は、中央教育審議会に教員の処遇改善や働き方改革、学校の体制充実について諮問したが、教職調整額の増額にとどまることなく、教職員が一人ひとりの子どもにじっくり向き合うため、給特法の廃止、適正な時間外勤務手当の支給、教職員の業務削減、教職員定数の改善、勤務間インターバルの導入、学校教育を支える専門家・ボランティアの充実などといった働き方改革が必要である。
 よって、国においては、給特法を廃止するとともに、教職員の働き方改革を促進するよう強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第10号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   多文化共生のための社会基盤整備を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
法務大臣
外務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   多文化共生のための社会基盤整備を求める意見書
 多文化共生のための社会基盤整備を行うよう強く要望する。
 理由
 日本に在留する外国人は年々増加傾向にあり、技能実習生を含む外国人労働者は、地域社会に欠かせない存在となっている。
 地域活性化の新たな担い手として、外国人材のさらなる活躍が期待され、在留外国人の国籍や活動内容が多様化している一方で、就労や子どもの教育等において、言葉や習慣の違いなどにより、壁を感じている外国人は少なくない。
 外国人労働者の増加が今後も見込まれる中で、外国人の人権を尊重しつつ、日常生活や職業生活等を国民とともに円滑に営むことができる環境の整備をさらに進める必要がある。
 また、外国人は、地域社会や行政機関との接点を持ちにくい場合もあることから、国や地方公共団体による支援を拡充していくことが人権の保障や共生を実現するために必要不可欠である。
 よって、国においては、多文化共生のための社会基盤整備について、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 多文化共生社会の実現についての基本法を策定すること。
2 多文化共生社会の実現について、国民の関心と理解を深める取組を行うこと。
3 外国人が円滑に日常生活、社会生活、職業生活を営むことができるよう、日本語等の習得機会の確保や情報提供等の必要な措置を講ずること。
4 外国人児童生徒等に対する就学・教育の機会が確保されるよう必要な措置を講ずること。
5 国籍や社会的文化的背景が異なることを理由に不当な差別的取扱いがなされないようにすること。国籍や社会的文化的背景が異なることを理由とする人権侵害や紛争の防止・解決に必要な体制を整備すること。
6 外国人に対し必要な支援を提供するため、自治体内に居住する外国人に関する在留資格等の情報を地方公共団体と共有し、国と地方との有機的連携を促進すること。
7 地方公共団体が取り組む多文化共生社会の実現のための各種事業について、必要な財政措置などの支援を行うこと。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第11号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   新型コロナウイルス感染症に対する適切な対応を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
新型コロナ対策・健康
危機管理担当大臣
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   新型コロナウイルス感染症に対する適切な対応を求める意見書
 新型コロナウイルス感染症に対する適切な対応を図るよう強く要望する。
 理由
 令和5年5月8日に、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置づけが2類相当から5類に移行したが、ワクチン接種の努力義務のほか、効果的な場面等や症状のある場合におけるマスクの着用など、国民は引き続き対策を求められている。また、ワクチン接種による副反応や後遺症に苦しんでいる人がいる状況にある。
 よって、国においては、新型コロナウイルス感染症への適切な対応を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 子どもへのワクチン接種は、本人及び保護者が正しい情報を取得した上で判断することができるよう十分に周知すること。
2 厚生労働省のホームページで公表されている副反応疑い事例について、保護者が理解できるよう情報提供を行うとともに、ワクチン接種前の問診において、保護者が副反応について十分に理解していることを確認する体制を整えること。
3 マスクの着用は本人の意思を尊重するものであり、着脱を強いられるものではないことの周知を徹底すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第12号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   認知症の人やその家族が安心して暮らすことのできる社会の構築を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   認知症の人やその家族が安心して暮らすことのできる社会の構築を求める意見書
 認知症の人やその家族が安心して暮らすことのできる社会を構築するよう強く要望する。
 理由
 我が国における認知症の人の数は、推計値で約600万人を超え、高齢化率の上昇により、今後も増加することが見込まれている。
 今日、認知症の人への介護や医療については、知識や経験の蓄積、認知症を進行させる要因の解明など、大きな進展が見られるが、将来を見据えた更なる対応が求められている。
 また、地域においては、家族をはじめ周囲の人々の正しい知識と理解のもと、認知症の人の尊厳と日常を守る、認知症との共生社会への転換が求められている。
 よって、国においては、認知症の人やその家族が安心して暮らすことのできる社会を構築するため、令和5年6月14日に成立した共生社会の実現を推進するための認知症基本法を踏まえ、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 認知症の重症化抑制や認知機能の維持のため、薬や対処法等の研究開発体制を強化すること。
2 認知症のリスク低減につながる生活習慣や栄養補給など、国民の日常をサポートする知識や情報を提供する体制を整備すること。
3 認知症の初期段階から家族や周囲の人々が適切に対応できるよう、認知症サポーター等の育成促進や、身近な薬局や介護施設等への相談窓口の開設を支援すること。
4 認知症グループホームについて、低所得者や圏域外の人々も利用できる仕組みづくりなど、認知症の人とその家族に寄り添う制度を整備すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第13号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   食料安全保障の強化を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   食料安全保障の強化を求める意見書
 食料安全保障の強化に向けた措置を講ずるよう強く要望する。
 理由
 我が国は食料供給の多くを輸入に依存し、先進諸国と比べて食料自給率が低い水準にある中、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による物流の停滞や、農畜産物の輸入価格の高騰などにより、食料安全保障上のリスクが顕在化している。
 また、昨今の円安の進行などの影響により、肥料や飼料などの生産資材の価格が高騰しているにもかかわらず、生産コストの増加分に見合った価格転嫁が難しく、農林漁業者の経営継続が危ぶまれる状況となっている。
 不安定な世界情勢の長期化や、地球温暖化の進行による食料生産への影響など、今後も我が国の食料の安定供給に影響を与えるリスクが存在する中、食料安全保障の強化を図り、将来にわたる食料の安定供給の確保、食料自給率の向上を図っていくことが重要である。
 国は、食料・農業・農村政策審議会基本法検証部会において、食料・農業・農村基本法の検証や見直しを行っているところであるが、食料安全保障に欠かせない持続可能な農林水産業の実現のためには、適正な価格形成に向けた仕組みの構築が不可欠である。
 よって、国においては、食料安全保障の強化に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 将来にわたり、国産食料を安定的に生産・供給していくために、食料安全保障強化の観点から食料・農業・農村基本法を見直すなど、新たな農林水産業基本政策を確立するとともに、その実現に向けた十分な予算を確保すること。
2 農林水産業が果たす役割について、国民の理解醸成を図るとともに、我が国の実情に合った適正な農林水産物の価格形成の仕組みを構築すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第14号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   漁業生産力の発展に向けた支援の充実・強化を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   漁業生産力の発展に向けた支援の充実・強化を求める意見書
 漁業生産力の発展に向けて、漁業を取り巻く自然環境の変化を踏まえ、漁業者の経営の安定化に資する支援の充実・強化を図るよう強く要望する。
 理由
 岩手県の漁業は、全国有数の生産量を誇り、関連する水産加工・流通業とともに沿岸地域の基幹産業として、これまで国民に安全・安心で良質な水産物を提供するなど、我が国の食料システムを支える重要な役割を果たしており、その持続的な発展は、国民生活の安定向上や国民経済の健全な発展に資するものである。
 一方で、近年の海洋環境の変化に伴い、本県の主要魚種であるサケ、サンマ、スルメイカの水揚げ量は大きく減少し、極端な不漁に見舞われているほか、コンブ等大型海藻類などの藻場の減少が深刻である。
 令和3年6月に水産庁が公表した不漁問題に関する検討会とりまとめでは、我が国の水産業が直面している問題を過去経験したことがない変化と指摘し、国、都道府県、漁業者、研究者等関係者が力を合わせて対策に当たることを求めている。
 よって、国においては、漁業生産力の発展に向けて、漁業を取り巻く自然環境の変化を踏まえ、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 サケの資源回復のため、不漁原因の解明や海洋環境の変化等に適応する稚魚生産技術の高度化など、国の調査研究の充実を図ること。
 また、厳しい状況が続いているサケふ化放流事業が持続可能となるよう、強力な支援を行うこと。
2 サンマ、スルメイカ等の資源回復のため、調査研究や資源管理の充実を図ること。
3 海洋環境の変化等により、本県沿岸にクロマグロの来遊が増加していることから、漁獲可能量の配分方法の速やかな見直しと本県の漁獲可能量への反映を図ること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
発議案第15号
令和5年7月7日
 岩手県議会議長 五日市   王 様
議会運営委員会委員長 軽 石 義 則
   ローカル鉄道の維持・確保に向けた支援の強化を求める意見書
 地方自治法第109条第6項及び岩手県議会会議規則第14条第2項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
   
〔参照〕
令和5年7月7日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策)
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王
   ローカル鉄道の維持・確保に向けた支援の強化を求める意見書
 ローカル鉄道の維持・確保に向けた支援の強化を図るよう強く要望する。
 理由
 過疎化や少子高齢化の進む中山間地域を抱える本県において、ローカル鉄道は、コロナ禍の長期化等の影響により、輸送量及び運賃収入が減少し、維持・確保が困難になっている。
 昨年7月に、JR東日本は利用者の少ない地方路線の区間別収支を初めて公表し、本県でも大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田線の6路線10区間が大幅な赤字であることが明らかになった。また、三陸鉄道及びIGRいわて銀河鉄道も厳しい経営状況にある。
 国は本年4月、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律などの一部を改正し、ローカル鉄道の再構築に関する仕組みとして、再構築協議会を創設し、協議が整うよう国が積極的に関与することとした。また、鉄道事業再構築事業を拡充したほか、今年度から社会資本整備総合交付金のメニューに「地域公共交通再構築」を追加するなど、これまでにない取組を行うこととした。
 一方で、本県のような地方においては、地域公共交通の再構築を模索するとしても、各公共交通事業者は、経営的にも人材的にも余裕のない状況にあり、バス運転手の不足等、ローカル鉄道の代替え手段確保も困難な状況にある。
 また、地方自治体においても老朽化した社会インフラを多く抱えており、地域公共交通への予算を確保するためには、社会資本整備総合交付金のメニュー追加のみならず、財政支援措置の拡充が求められている。
 ローカル鉄道を含む全国的な鉄道ネットワークは、地域生活のみならず観光客の広域的移動手段等の経済活動を支える役割を果たすとともに、災害時の代替ルートの確保、国土強靱化、地方創生、国土の均衡ある発展等にも不可欠であることから、国がローカル鉄道を重要な社会インフラとして明確に位置づけ、国の交通政策の根幹として、国の責任において維持すべきである。
 よって、国においては、ローカル鉄道の維持・確保を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 地域住民の移動手段としてのみならず、さまざまな役割を有するローカル鉄道の維持・確保、活性化を図るための確実な予算確保及び財政支援措置を拡充すること。
2 鉄道ネットワークは全体として維持されるべきものであり、路線ごとに採算を合わせる必要はないことから、黒字路線の収益を赤字路線に配分するための仕組みを創設すること。
3 JR各路線だけでなく、それに接続している第三セクター鉄道などの路線への影響なども視野に入れた支援を行うこと。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
〇議長(五日市王君) 次に、各常任委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
 次に、東日本大震災津波復興特別委員長、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員長、デジタル社会・DX推進調査特別委員長、地球温暖化・エネルギー対策調査特別委員長、教育・子ども政策調査特別委員長及び新産業創出・働き方改革調査特別委員長から、それぞれ調査報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   
   日程第1 議案第1号令和5年度岩手県一般会計補正予算(第2号)から日程第20 請願陳情まで
〇議長(五日市王君) これより本日の議事日程に入ります。
 日程第1、議案第1号から日程第20、請願陳情までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。菅野総務委員長。
   〔総務委員長菅野ひろのり君登壇〕

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