平成7年6月定例会 第2回岩手県議会定例会 会議録

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〇43番(佐藤正春君) 自民党の佐藤正春でございます。
 増田新知事には御就任おめでとうございます。
 あなたは、去る4月9日執行の岩手県知事選挙において、36万1、471票を獲得、次点の佐々木浩氏に9万票の大差をもって御当選されました。これは、あなたの若さと行動力に県政の変革を求めて県民が期待した結果と確信し、敬意を払うものでございます。
 私は、自民党員として佐々木氏を支援した1人でございますが、佐々木、小野、浅沼各氏の票を合計しますと、43万9、935票となり、増田反対票が上回ることを決して忘れることのないように留意してほしいものでございます。あなたはこのことに関して当選後の岩手日報紙上において、私に反対票を投じた人にも結果的にはよかったなと思われる県政にしたいと述べておられますが、ぜひそのような県政を期待するものでございます。
 私は、まず、新知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 知事が立候補された際の選挙公報の一番には、父増田盛の志を継ぎ、政治家の道を歩む決意をいたしましたとあります。故増田盛先生を慕い、知る者にとっては感無量なるものがあるわけでありますが、不肖私も増田盛先生の旧一関中学の後輩に当たり、知事選挙、参議院選挙の選挙には、御一緒に選車に乗って連戦をいたしました。知事選には敗れはしましたが、参議院選挙では先生は足をはらし、靴をナイフで切り開きながら、一言の愚痴もこぼさずに戦い抜いたのでございます。そのときの熱き思いは今も心に残るものでございます。
 当選後は、しばしば参議院の議員会館にまいり、政治家として御指導を受け、薫陶をいただいた1人でございますが、増田盛の政治信条は、一貫して権力におもねらず、権力者にこびない姿勢を貫き、実に骨太の政治家でございました。知る人ぞ知る農林省振興局長時代、ときの農林大臣は実力者河野一郎氏でございましたが、意見が合わず、みずからの正論を曲げることなく、間もなく退任したと聞いております。また、第2次大平内閣の官房長官は親友でございました伊東正義氏であります。その伊東正義氏より内閣入りのお話があったそうですが、みずから進んで入閣されなかったと聞き、後日、私は先生に、なぜ入閣しなかったのですか、もったいないではないですか、こうお尋ねしたところ、みずから売り込んでまで大臣になりたいと思わないよと、大きな体を揺すりながら笑い飛ばしたお姿は今でも忘れることはできません。そして、常に国会図書館に足を運び、幾多の重要法案を手がけられたことは意外と知られておらず、残念でございます。
 その増田盛の志は、私なりに継承いたしているつもりでございますが、知事は父増田盛の志をどのように継承され、いかなる政治家を目指しておられるのか、御見解を承りたいと存じます。
 もとより、議会は、執行部と車の両輪であると同時に、常にチェック機能を果たす役割を持っております。私ども岩手県自民党県会議員は、与党にあってもかつては売上税に反対し、さきの工藤知事に対してもみずからの健康に御留意され、おやめなさいよと率直に申し上げてきた経緯がございます。これからも与野党にかかわらず、岩手県発展のために若き知事を助け、是は是、非は非として御支援をいたしますので、県民にわかりやすい県政を期待するものでございます。
 増田県政スタートにあわせまして、県内紙では早速県勢発展へ新知事に望むコーナーというものを設けたところ、72通の投稿があったと伺っておりますが、そのうち約3割が特定の政党に左右されてはならない、中には、だれかのロボットと言われないようにしなさいよと、御指摘もあったと報じております。5月30日、このことは知事自身もこの夕刊に投稿されました県民の声として十分にこれから取り入れていきたい、こういうふうに投書しているようでございますが、その中にあっては、また、官僚出身とあって地方分権に消極的ではないかというような疑問や公約の中で、特に過疎地に働く場と生活の場を確保し格差を是正するとあるが、具体案を示しなさいというような投書もございます。
 そこで、知事の記者会見でコメントをしているように、まず、重要なことはこの足元を固めることでございます。5月22日の記者会見でも副知事は2人制を堅持し、1人は庁内起用ということでございますが、何ゆえに今さら2人制を堅持しなければならないのか、このことは、今まで代表質問等にもあり御答弁を伺ったわけでございますが、私は、私なりにこの点についてお尋ねをいたします。
 私は、かねてから議会を通じ、いわゆる国からの天下り人事を減らしなさいよと申し上げてまいりました。県内、庁内にも優秀な人材はたくさんおりますよと進言してまいったわけでございます。そうしませんと霞ヶ関の岩手出張所になってしまいますよと、こう申し上げてまいりました。本年3月議会の予算特別委員会の際には、上田総務部長に本省から出向している県幹部は何人いるかとただしたところ、部長は胸を張って16人いると、副知事、部長以上は5人いると、こう胸を張って答弁されております。このような人事について、知事自身はいかなる見解を持っておられるのか、参考のためにひとつお尋ねするものでございます。
 また、知事は、政務担当秘書として佐々木順一氏を起用したと仄聞をいたしておりますが、これまた、たまげた人事、たまげたってわかりますか。知事さん、東京の人だからおわかりにならないと。たまげたっていうのはびっくりしたということ、たまげた人事でございます。佐々木氏は大変有能な人材でございまして、長年自民党の県連職員として裏表に精通し、また、新進党県議とも相通じ、このような人材が知事室の入り口におって執務することはあらゆる情報をキャッチすることができ、知事室にベールするところの利権政治家、悪徳ゼネコン業者を監視するにまことにふさわしい人材である、私は天高く評価するものでございます。
 重ねて、知事はマスコミのインタビューの中で、選挙結果を見ると過半数は批判票である、ゼネコンなど企業ぐるみの選挙との批判もあるがどう受けとめるか、この質問に対しまして、自分に投票しない人も大勢いた、今後4年間で納得してもらうしかない。企業選挙と言われるようなことは意識していない。選挙が激しいほどしこりが残るが、何とかなくしたい。特定の人につながっているとか、人脈もない。白紙で物を見て県民によいことを取り上げていくと、こう答えておられます。知事が、コメントしている。
 知事、あなたが建設省出身というだけでゼネコン選挙であるとか、ゼネコン業者と何らかの関係があるのではないか、こう言われることは本人も心外でありましょうし、まことに残念なことでございますが、この背景には、実は、宮城県の知事選挙あるいは仙台市長初め、地方首長とゼネコン業者との癒着、スキャンダルが相次ぎ、本県においてもいろいろと公共工事との疑惑が取りざたされた経過があったことは御承知のとおりだと思います。
 そこで、御提言を含めお尋ねいたしますが、宮城県では先般、知事交際費開示を求めている仙台市内の市民団体に、これまで非開示だった交際相手名を一部を除きまして開示したと聞いております。また、仙台市でも去る26日開示したと伺っております。このことは、さきの神奈川県に次ぐものであり、本県では昨年10月にスタートした県公文書公開条例に基づいて、盛岡市内の市民グループに対して平成5年度県支出の食糧費のうち、東京事務所、秘書課、財政課分が先日開示されたということでございますが、まことにこれは大英断でございます。
 どこの国でも、どんな方々でも、食卓を囲みながらじっくりと物事を進め解決することは、大変有意義なことでございました。とりわけ、財政基盤の弱い本県が、県政を大きく進展するための情報収集を図り、懇談を重ねることは最重要課題であると同時に、私は賛意を表するものでございます。知事もこの際、知事交際費をこの先例に倣い開示し、その中で相手の費用、場所などをガラス張りにしてこそ開かれた県政となり、おのずと利権を防ぎ、いらぬ疑惑を受けぬようになると思いますが、清廉潔白な知事のひとつ御所見も伺っておきたいと思っております。
 次に、県政の基本であるところの総合計画に関してお尋ねをいたします。
 今年度は、計画期間中の第三次岩手県総合発展計画に基づけば、平成8年度から12年度までの計画期間とする後期計画を策定すべき年となります。
 そこで、この後期計画の策定について、私は、昨年12月の定例会におきましても、平成3年にこの3県総が策定されて以来、極めて重要な経済社会情勢の変化、つまり、円高の急激な進行やガット・ウルグァイ・ラウンドの交渉によるところの米の部分開放など、産業社会のあり方の根幹にかかわるような変化にどう対応するつもりなのか、当局の考えをただしたところでございます。
 これに対する答弁は、3県総策定後の新たな課題に積極的に対応すると、ありきたりの答弁でございました。また、先般のさきの知事演述においても同様な言い方でございまして、まことに残念でございますが、なかなか進歩していない。県は、本県の発展方向に重大な影響を及ぼすような、3県総策定後の内外の経済社会情勢の変化をどうとらえておられるのか、まずこの点についてお伺いをいたします。
 そして、その条件変化の下、どのような方針を持って後期計画の策定に望もうとされているのか。この問題につきましては、一般質問あるいは代表質問等でも取り上げてまいったわけでございますが、前の答弁にあわせまして、ひとつお聞かせを願いたい。積極的な答弁をお願いしたいと思っております。
 次に、格差の是正についてでございます。
 知事は、その選挙公約に格差の是正を掲げておりますが、県土の均衡ある発展と地域格差の解消を図ることは、これまでの本県の最重要課題であり、行政投資や施策の展開に当たっては、常に地域バランスに配慮されてきたと認識をいたしております。また、各種の基盤整備を推進するとともに、優良企業や国家的プロジェクトを積極的に導入し、全国との格差解消に執行部、県議会ともども一丸となって努力してまいる。しかし、県内の分配所得の推移を見ますと、盛岡圏と県北、沿岸圏との格差は一向に縮小されていないのでございます。また、県民所得につきましても、全国平均の8割、8割ですよ、8割ほどの水準でございます。
 工藤前知事は、所得の向上と格差の是正に関する私の昨年12月議会の質問に答え、経済的豊かさのみならず、心の豊かさも享受できるような地域社会の形成を図ることが県土の均衡の発展となると、このように述べておられましたが、それはまさにそのとおりであろうと思っております。
 こうした観点は、30年前に行政法の権威であり、最高裁の判事までやられました田中二郎博士が広域総合行政の途と、こう本の中で書いておるわけでございますが、今後の地域開発の目標は、経済の開発と並んで、社会、文化の開発を図ること、すなわち、住宅その他生活環境を整備することはもちろん、教育文化厚生施設や公園緑地道路等の公共施設を整備し、文化的な雰囲気に包まれた魅力ある地域として、開発発展を図ることでなければならないと、こう述べられております。そうでなければ、大都市圏への人口及び産業の一極集中は是正されないとの指摘の中に既にありました。我が国における地域開発に関しては、早い時期から心の豊かさも重要であると考えがあったのですが、肝心なのは、いずれも経済開発と社会、文化面の環境整備とが双方相まって、真に豊かな地域社会が形成されるとされていることでございます。私も、やはり経済開発と並んで、社会、文化的な環境整備がなされるものであり、まず、基礎的な課題として所得水準の向上に全力を挙げて取り組むことが変わらぬ県政の中心的な課題であと確信し、いまだ本県は開発途上県と、開発途上県であると言い続けて位置づけておりますが、県の所得水準、地域の所得水準の現状を踏まえ、これらの向上のために、新知事のもと、どのように取り組んでいかれるのか伺っておきたいと思います。
 また、格差是正に関連してでございますが、私は、これからの地域振興を考えた場合、1次産業の振興もさることながら、科学技術の力によるところの新しい産業分野、独創的な企業の育成が鍵になってこようと思っております。そうした観点から、先ごろ、国立一関高専を中心に、県、地域の市町村、企業等が一体となって一関市に設立された県南技術研究センター、これは私も力を入れてきたわけでございますが、この地域技術振興の核として、大いに期待しているところでございます。
 さらに申し上げますと、一例を挙げますと、岡山県が本年度から実施しようとしているヤング・エジソン育成支援事業、これは6月予算でやっているようでございますが、これは研究者支援、起業家支援のための事業に、これからの新しい産業分野、新しい企業の育成のために、行政として取り組むべき方向性を示すものと注目をしております。それは、独創的な企業の立ち上げのためにはリスクを冒そうとしない、いわゆる間接金融に頼ることは困難である、そういうすき間を行政こそが埋めていくべきであろうと考えているからでございます。
 念のため申し上げておきますと、対象は35歳未満の能力を有する個人、グループが岡山県内で研究、開発を行い、会社設立から5年間は県内に本社をおくことが条件でございます。研究段階では、最高年間1、200万円を2年間補助金を支給する、あるいは同県の研究施設や器具類は無料で貸す、会社設立の際は、最高1、000万円を融資し、年率1・5%の低利で担保や保証もいらない、このようなこの新しい事業でございます。
 そこで、この画期的な施設であり、ネットワークである県南技術研究センターの成果を、新しい産業興し、企業化へとつなげ、この地域の振興に寄与するものとなるよう、県には積極的な取り組みを期待したいのでありますが、県は、県下の新しい産業分野の育成あるいは企業化支援のため、どのような施策を展開しようとされているのかお尋ねをしておきたいと思います。
 次に、本県の空港整備の問題についてお尋ねいたします。
 これまで、私は、議会で議論を通じ、花巻空港の位置づけを、まず、明確にすべきであると申し上げてまいりました。すなわち、花巻空港を国際空港とするのか、それとも乗り継ぎを前提としたローカル空港のままでいくのか、そこをしっかりと固めなければ、本県の空港整備計画、ひいては国際交流計画なども定めようがないのではないかという気持ちで申し上げてきたわけでございます。
 これに対して当局は、花巻空港が将来に海外と定期便で結ばれるのは望ましいが、まず、大型機の運航が可能となるよう、滑走路の2、500メートルの延長整備を目指すと、こう答弁されております。この望ましい、望ましい、企画部長、これ望ましいだよ。望ましいという答弁はもうひとつの意味が定かでございませんけれども、これは花巻空港、将来の国際空港と位置づけ、本県の海外へのゲートウエイとして整備したいとしたものと理解していいのか。工藤知事は、この点もどうもはっきりしなかったんですが、知事は、さきの統一要望に対して、次期空港整備計画への採択を運輸省に要望され、航空局長とは直接やりとりされたと伺っております。その結果を含めて、改めて県のお考えをお尋ねしたいと思います。
 加えて、第2空港問題についてもお伺いいたします。
 この問題につきましては、沿岸地域を中心とした高速交通空白地域の解消をねらいとして、総合交通体系を策定する中で検討していくと、こういう考えを私の質問に対して答弁しているわけでございますが、私は、かねがね、これからは空の時代であり、特に、本県のような広大な地域では、空路によるネットワークの活用がどこよりも重要ではないか、こう申し上げてまいりました。近県を見ましても、大館能代空港が完成しました。青森、秋田、山形はすべて複数の空港を持つことになります。北海道には、新たに4つの空港整備を図る構想があるやに聞いております。総合交通体系の策定は、今年度中との予定と聞いておりますが、これらの状況も踏まえて、第2空港に対してどのようなお考えをお持ちか、お聞かせを願いたいと思います。
 次に、本県は御承知のとおり、農業県であり、食糧の供給基地として自負してまいったわけでございます。さきのガット・ウルグァイ・ラウンド農業交渉の結果、3回にわたる米の自由化反対の国会決議をあっさり破られ、細川内閣は米の自由化に踏み切ったのでございます。県議会においても、平成3年7月、同12月、平成4年3月、同7月、平成5年7月、同12月、6回にわたり米の自由化反対の決議を挙げてまいりました。国会も県議会も、国民、県民にうそをついたことになるわけでございます。
 工藤前知事は、本会において米の自由化は絶対阻止すると答弁を繰り返してまいりました。しかし、自由化が決まると一転して、私は、不安を払拭するためにも、これらの影響を極力緩和するとともに、新たな国際環境のもとでいささかも揺るぐことのない力強い農業を構築するための対策を万全に期してまいりたいと、こう答弁しております。この工藤前知事の答弁で、岩手の農民は納得するでございましょうか。私は県会議員として、いささか自責の念が今も消えないのでございます。青島東京都知事が、大きな、あれだけの犠牲を払ってまで公約を守ったことは、私は、高く評価し、私自身肝に銘じたいと思っております。私は、この県議会の決議には反対決議か、あるいは取り下げの決議がとられない以上、今も生きているものと承知をいたしております。
 知事、あなたは先般、生まれて初めて田植えをして、農業県岩手の知事として貴重な体験をなされたようでございますが、あのように苦労して1年間かけてつくる米のありがたさ、農民の汗の結晶である米の自由化に対して、どのような御見解を持っておられるのか。また、過去県議会の決議をどのように評価しておられるのか、お尋ねをいたします。
 さらに、知事、あなたの選挙公報には、米の部分開放を含めて、国際競争に打ちかつために農林水産業をリストラするとありますが、足腰の強い農業づくりのために、この問題については、さきの吉田、千葉両議員、あるいは昨日の議員さん方から質問があったわけでございますが、私は、この質問については省略をいたしますが、ひとつしっかりと、しっかりと取り組んでいただくように重ねてお願い申し上げる次第でございます。
 特に、議会においても毎回議論を重ねてまいりましたところの、大規模農家の育成により取り残されたところの小規模農家群の将来、特にも、中山間部の対策については、明確な方法が今も示されていないのでございます。米の自由化は、稲作農家、岩手の農業に壊滅的打撃を与えるとともに、農業県岩手を滅亡に追い込むのではないかと危惧をするものでございます。新知事の思い切った政策に期待し、ぜひ農業県知事の栄誉を与えてあげたい、私は、こう思っているわけでございます。
 次に、公共工事発注をめぐる問題点についてでございます。
 質問の冒頭にも申し上げました平成5年度は、いわゆる大手ゼネコンが関係する不祥事件が続出したことなどから、県議会においても土木常任委員会に私が大手ゼネコン検討小委員会を設置し、1年間調査、審議の徹底を期したところでございます。その結果、本県においては、政治力の介入や談合があったとの訴えはあったものの確たる物証もなく、本県公共工事はおおむね適正に執行されていると、こういう結論で実は結んだわけでございました。当議会としても、今後とも適正化を堅持されるよう知事に対して意見書を提出、関係大臣に対しても意見書を提出したという経過でございます。その後も契約議案をめぐっては、談合情報は切れることなく、徹底した議論を重ねざるを得なかったのでございます。私は、新しい構成によるこの議会においても、公共工事の発注をめぐって以前のような議論をせざるを得ないとしたならば、まことに本県にとって不幸であり、不名誉なことだと思うのでございます。
 本県公共工事の役割は極めて重要であり、景気浮揚対策上はもちろん、良好な社会資本の整備のため、今回、今世紀残された貴重な時間と財源は、わずかたりとも浪費することはなりません。
 談合問題につきましては工藤前知事は、この問題に関しては、一貫して基本的に業者の倫理のものであると、こう答弁しておられます。規制する法や制度が整備されても悪事は消滅するものでなく、最終的には倫理上の問題だと、こういうことでございました。私は、このような禅問答は言い逃れに過ぎないんじゃないか、こう思っております。不祥事件の防止のために最善の制度が整備されるよう努力される必要があります。これまでも新しい入札契約方式の試行を実施するなどの対応を講じてこられたことは、もちろん承知をしております。万全の制度というものは、また、ないのでございます。しかし、より公正で透明度の高い制度の導入にぜひ期待をいたしたいと思っております。しかし、本県の場合は設計予定額24億3、000万円以上が対象となる制限つき一般競争入札は、平成6年ではたった1件しかない、たった1件しかない。土木部長、たった1件しかございません。5億円以上24億3、000万円未満対象の公募型指名競争入札は、たったの3件でございます。県発注の大方が第3勢力の介入による指名競争入札となっているが、これでは大きく改善されたと言えないのじゃないでしょうか。もっと公募型の枠を広げるべきだと思います。
 そこで、改めてお伺いしますが、県はいわゆる不祥事件、談合問題について、いかなる認識に立ち、今後、公共工事の適正かつ円滑な執行の確保のために入札契約制度の整備の方向を含め、どのような施策を実施されるおつもりかお示しを願いたいと思っております。
 以上で、私の質問を終わりますが、答弁漏れ、不明の点については必ず再質問をいたしますので、明快な答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐藤正春議員の御質問にお答えいたします。
 まず、父増田盛の志をどのように継承し、いかなる政治家を目指しているのかということについてであります。この点につきましては、不肖、息子であります私の口からなかなか申し上げにくい面もございますが、父はリュックを背負いながら、県内各地の農家を泊まり歩いたことからもおわかりのとおり、増田盛は県民とひざを交えた対話を重視しながら、実際に現場に足を運ぶという、いわゆる現場主義に徹し、県民の幸せを実現する努力をしてきたものと理解をしております。私は、こうした姿を念頭に置いて県内各地をくまなく歩き、県民の幸せや悩み、苦しみをともにしながら、県政の発展方向を一緒になって考えるとともに、みずからを厳しく律し、揺るぎない信念、情熱、使命感を持ってあらゆる困難に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、副知事2人制についてでありますが、この制度は昭和42年以来採用しており、この間、県勢は着実に発展を遂げておりますが、これは県民のたゆまぬ努力のたまものでありますとともに、副知事2人制を含む執行体制の強化に努め、各種施策の積極的な推進を図ってきたところによるものと考えております。本県は今、21世紀に向けた県土づくりを目指し重要な時期を迎えておりますが、激しく変動する経済社会情勢に的確に対応しながら、県民1人1人が安全で豊かさを実感できる生活の実現に向けて、数多くの県政課題に積極的に取り組んでいく必要があるものと考えております。このためには、今後とも厳しい状況が続くと予想される行財政環境の中で、基盤の整備、産業の振興、福祉の充実、人材の育成など、各般にわたる施策を強力に展開していくことが必要であり、このような現状にかんがみ、引き続き副知事2人制を採用することが適当であると考えております。
 次に、中央省庁からの出向人事についてでありますが、職員の人事については適材適所を基本に、そのときの状況に応じ最も適切な人材を配置し、もって県民の負託にこたえていくべきものであると考えております。このためには、地元の有能な職員の登用と適正な配置を原則としながらも、国からの出向人事についても同様の観点に立って、必要な職員を任用するべきであると認識しております。
 現在、国から派遣を受けている職員は、国などでの豊富な経験や情報力等を生かしながら、本県の行政施策の推進に積極的に取り組んでおり、それぞれの職域において新しい知識を投入し、いわゆる生え抜きの県職員と一体となって県行政の推進に大いに寄与しているものと考えております。
 次に、知事交際費についてでありますが、交際費は、知事などが行政執行のために外部との交際上必要とする祝儀、香典、見舞金などの経費でありまして、いずれの場合においても、会計規則にのっとって支出しているものでございます。本県におきましては、公文書公開条例を昨年10月から施行しておりますことから、県民から開示請求があった場合におきましては、この条例の定めるところに従って対処することになろうかと存じます。いずれにいたしましても、私としては、当然のことながら交際費の支出に当たっては厳正を期してまいりたいと考えております。
 次に、3県総の後期実施計画の策定についてでありますが、3県総策定後の経済社会情勢を見ますと、議員御指摘のとおり、急激な円高の進行やウルグァイ・ラウンド合意の実施による地域経済への影響、あるいは安全な県土づくりなど、新たな課題が生じてきているところであります。このため、県におきましては、県内中小企業に対する総合的、機動的な円高対策を推進するため、庁内関係課及び関係団体で構成する中小企業円高対策連絡会議において、国の緊急円高・経済対策と呼応しながら、当面の中小企業円高対策を取りまとめたところであります。また、ウルグァイ・ラウンド合意の実施に伴う本県への影響を極力緩和し、新たな国際環境のもとで力強い農林水産業の展開を図るため、庁内関係部長を委員とする岩手県ガット対策委員会を設置して、岩手県ウルグァイ・ラウンド合意関連対策推進方針を策定し、各般の施策を強力に推進することとしているところであります。さらに、阪神・淡路大震災を契機として、安全な県土づくりを進めるため、国の防災基本計画の見直しの動向等を見定めながら、地域防災計画の見直しの検討などを行っているほか、緊急に措置すべき既存橋梁の強化策として、新たに県単独の震災対策緊急橋梁整備事業を創設し、落橋防止装置の整備などを進めることとしております。
 後期実施計画につきましては、こうした緊急かつ重大な課題に対応する施策を積極的に反映させるとともに、前期実施計画の進捗状況を踏まえ、また、国際化、少子・高齢化、高度情報化、さらには環境保全への要請の高まりなど、経済社会情勢の変化に適切に対応するほか、我が国の新しい経済計画、新しい交流圏の形成と一体感の持てる国土の構築等を基本方向とする全国総合開発計画の策定など、国の動向をも十分見きわめながら策定してまいりたいと考えております。
 次に、米の輸入自由化に対する見解についてでありますが、米の国内自給方針の堅持につきましては、県議会の皆様方ともども、あらゆる機会をとらえて強力に訴えてこられたにもかかわらず、関税化は免れたものの、いわゆるミニマムアクセスの合意により、毎年一定の数量が輸入されることとなりましたことは、私としてもまことに残念な結果であったと考えております。申し上げるまでもなく、本県の稲作は農家の約9割が栽培に取り組む基幹作目であり、農家経営のみならず、地域経済を支える重要な部門であります。また、世界における食料需給の逼迫が予想される中で、米のような国民の基礎的食料は、可能な限り国内で自給することが基本であると認識しており、米の主産県である本県としては、消費者への安定的な供給を確保するという重要な役割を担っていくべきものと存じております。したがいまして、このほど策定いたしました岩手県ウルグァイ・ラウンド合意関連対策推進方針、この方針に基づきまして、今後ともでき得る限りの対策を緊急的かつ総合的に展開しながら、農業者の生産意欲の高揚と経営の安定化に向けた支援を行い、21世紀に向けて足腰の強い稲作農業を早急に構築してまいりたいと考えております。また、県議会における米の輸入自由化反対の一連の決議は、広く県民の声を反映するものとして極めて重い意味を持つものであり、米の関税化を回避するとともに、その後の大幅な関連対策を引き出す上で大きな力になったものと認識をしているところであります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長に答弁をさせますので御了承願います。
   〔企画調整部長小野寺英二君登壇〕
〇企画調整部長(小野寺英二君) まず、所得水準の向上についてでありますが、本県の1人当たりの分配所得の推移を見ますと、5年前の昭和62年度には国の水準に比べまして80・7%で、全国の順位も41位でございましたが、平成4年度には82・1%まで向上し、全国の順位も過去最高の37位になったところであります。所得水準は、このように向上してきておりますけれども、全国との比較ではなお低位にありますし、また、県内におきましても地域間に格差が見られるところであります。一方、本県におきましては、緑豊かな美しい自然、ゆとりある生活空間の中で県民生活が営まれておりまして、経済企画庁が作成しました平成7年度の新国民生活指標によりますと、これは豊かさの指標とも言われておりますけれども、まず、育てるという指標におきましては全国第2位、住むという指標では第8位、総合の指標では第16位と位置づけられておりまして、本県の生活環境が高く評価されているところであります。
 議員御指摘のとおり、真に豊かな県民生活を確保するためには、所得水準の向上と並んで社会・文化的な環境の整備が必要であるものと存じております。したがいまして、今後におきましても、本県の恵まれた環境や生活空間を大事にしながら、県内各地域が持つ発展可能性を最大限に引き出し、経済活動の活発化と生活環境の整備充実を図ることによりまして、地域の個性や特色を生かした活力に満ちた地域づくりを進めることが極めて重要であると、このように考えております。このため、県土の均衡ある発展、これに十分に留意しながら、経済活動や県民生活の基礎となります社会資本の整備を進めますとともに、本県の基幹産業であります農林水産業を一層活性化し、また、商工業等の振興を図るなど、県民所得の向上に懸命に努めてまいりたいと考えております。
 次に、花巻空港の将来における位置づけについてでありますが、花巻空港が現在置かれております地勢、土地利用及び勢力圏における産業集積などの状況、並びに将来の見通しを総合的に勘案いたしますと、県といたしましては、国内各地との航空ネットワークの拡充を図ることはもとより、国際チャーター便が制限なしに就航でき、かつ、少なくとも国際定期便が就航できるような県民にとって利便性の高い空港を目指してまいりたい、このように考えております。そのためには、輸送力が大きく、航続距離も長い大型機の就航が不可欠でありますことから、滑走路の2、500メートル延長整備を目下の最重要課題の1つとして位置づけ、その早期実現に向けて取り組んでいるところであります。
 先般の平成8年度の政府予算統一要望に際しましても、知事が航空局長に、平成8年度から始まる第7次空港整備5カ年計画への組み入れを直接要請いたしましたが、航空需要の面等から楽観を許さない状況にあると認識いたしております。したがいまして、県といたしましては、滑走路延長整備を空港整備計画に組み込むべく、今年度を正念場として、岩手県空港利用促進協議会ともども官民一体となって利用促進運動の積極的な展開を図るとともに、国に対して全力を挙げて要請してまいりたいと存じております。
 次に、第2空港問題についてでありますが、県におきましては、航空機の高速性を生かした交通ネットワークの形成を図ることが、高速交通空白地域を解消するための有力な手段の1つであると、このように考えまして、平成5年度に、沿岸地域を対象として新空港の立地可能性について調査を行ったところであります。その結果は、久慈地域において、物理的には7カ所の空港適地が選出されたものの、航空需要の面から、現行制度のもとでは2、000メートル滑走路の空港の2001年から始まる第8次空港整備5カ年計画への組み入れ、そして2010年開港、このことは困難であるとの報告を得たところであります。一方、県北地域におきまして、市町村等で構成されます同盟会においても調査がなされまして、ことし1月に県に提出された報告書によりますと、2、500メートル滑走路の空港立地が可能な航空需要が存在するとの結果が示されたところであります。県といたしましては、両者の調査結果の間に航空需要の面で大きな乖離がありますことから、現在、その内容について専門機関に精査を依頼し、また、事務的な詰めを行っているところであります。そして、あわせて、高速交通空白地域におけるコミュター航空のための空港の設置の可能性についても、事前の調査をするなど検討を進めているところであります。
 御案内のとおり、現在、総合交通体系に関する基本計画の策定作業を進めておりまして、高速交通の空白地域の解消、県内90分交通の実現、全国日帰り圏の拡大などの諸問題について検討を重ねているところであります。新空港につきましても、この一環といたしまして、ただいま申し上げました検討結果を踏まえ、東北新幹線盛岡以北や高規格道路などの交通網の整備動向を十分に考慮しながら、その方向性を定めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働部長古館敏男君登壇〕
〇商工労働部長(古館敏男君) 本県における新しい産業分野の育成と企業化支援のための施策の展開についてでございますが、本県では、工業出荷額や企業立地件数の伸び悩みなど、本県工業を取り巻く経済環境はまことに厳しいものがあり、これに積極的に対応するため、企業誘致や地場産業の育成を柱とした工業振興策に加え、地域における独創的な研究開発の推進や技術力と研究開発力を持った企業の育成、集積が重要であると考えております。このためには、昨年4月に開所した工業技術センターにおける国際共同研究など、産学官共同研究をより一層強化していくとともに、岩手県南技術研究センターにおけるすぐれた研究シーズを生かした共同研究なども強力に促進してまいりたいと考えております。あわせて、盛岡西リサーチパークや研究開発型工業団地等を生かした研究開発機関の立地の促進により、本県における研究開発力の強化とその成果の技術移転を積極的に進めていく考えであります。また、国においては、本年4月に中小企業創造活動促進法を施行し、研究開発とその事業化に取り組む企業に対する技術開発助成を初め、金融、税制面にわたる幅広い支援策を行うこととしているところであります。県といたしましても、中小企業の技術開発助成を行う技術改善費補助金を大幅に拡充するなど、この法律の積極的な活用を初め、事業意欲の高い企業の育成に取り組んでまいる考えであります。
 さらに、新しい産業の育成のためには、新規創業を活発化させる必要があることから、独立起業家の発掘、育成に取り組む考えであり、本年度におきまして、この施策の一環として型インキュベータ推進事業を推進することとしているとこ創業者育成を目的とするいわてろでございます。このような基本方針に基づきまして、本県工業の将来を担う意欲的な企業群の育成方針について、一層充実強化してまいりたいと考えております
   〔土木部長帷子幸彦君登壇〕
〇土木部長(帷子幸彦君) 公共工事の執行についてでありますが、公共事業は本県経済にとりまして極めて大きな役割を有しておりますので、今後とも積極的に推進を図るべきものと考えているところであります。したがいまして、県営工事の発注に当たりましては、これまでも厳正かつ公正な業務執行に努めてきたところであり、昨年は中央建設業審議会の答申を踏まえ、入札契約事務の透明性、客観性、競争性を高めるため、一般競争入札及び公募型指名競争入札の試行を行ったところでございます。これら、新しい入札方式の試行においても談合情報がもたらされましたが、談合は言うまでもなく、独占禁止法等で厳しく規制されているところであり、あってはならない行為であります。したがいまして、業界に対し関係法令を遵守し、適正な事業活動を行うよう指導してまいったところでありますが、今後ともその徹底を図ってまいる考えであります。また、発注者としても、談合防止の観点から、工事完成保証人の相指名業者からの選定を原則禁止すること、新しい入札方式については、工事内訳書の提出を義務づけること及び入札前は指名業者名を公表しないこと、また、特定共同企業体への発注工事に係る予備指名を廃止することなどの改善を行ってきたところでございます。しかし、引き続きまして手続の面の改善に取り組んでまいるほか、本年度は、昨年実施いたしましたトンネル工事以外の各種工事についても、一般競争入札や公募型指名競争入札の試行を行ってまいりたいと考えております。さらに、入札契約事務の透明性を一層高めるため、建設工事に係る設計資材単価を公表することとし、その準備を進めているほか、中小企業対策としてランク別発注標準の遵守、工事の態様に応じた分離発注などに努めるとともに、経常建設共同企業体の活用などの改善を図りながら、公共工事の適切かつ円滑な執行が確保されるよう、鋭意努力してまいりたいと考えているところであります。
〇43番(佐藤正春君) それぞれに丁寧な御答弁を賜りましてありがとうございます。
 そこで、知事に伺うというよりぜひこうしてもらいたいと思うのは、今いわゆる3県総の後期見直し、これは各議員から質問があったわけでございます。その中で、いわゆる防災計画あるいは中小企業対策、大変御熱心に今御答弁を賜ったんですが、どうも知事がおっしゃる大胆なとか積極的なという言葉は大変いいんですが、この大胆な、積極的ないわゆる増田政策、増田カラーというのはまだ見えない、残念ながら。これは県民が期待していると思うんです。せっかく若いこんなすばらしい知事が当選されたのだから、何かやってくれるんじゃないかと思って。知事、あなた、今岩手県の知事というより、世界、日本的にも日本一恵まれている知事なんです。新進党の幹事長の小沢幹事長でしょう、玉沢大臣、鈴木代議士あるいは村山総理の側近と言われる沢藤衆議院議員もおいでなんだから、みんなで一緒になってやれば大したものができるんですよ、今。あなた非常に今恵まれている。私は思い切ったことをやってもらいたい。例えば、今企画調整部長が空港問題が何かあやふやなことを言っているようですが、空港ならば北日本の国際空港をつくろうと、関西空港だの成田空港より以上の大きいのをつくろうじゃないかと。日本で一番大きい空港をつくったらいいじゃないかと、北上山系の上をぶった切って。そのぐらいの大きなことをやらないと、せっかくこうして期待されている知事ですから、どうですか、ぜひひとつやってもらいたい。あなたのいわゆる増田政策というのはこれだと、増田が知事になったらこういうことをやるんだよということをひとつぜひやってほしい、そういう意欲があったら御答弁ひとつお願いしたい。
 それから、知事の副知事2人制、ここに行政改革にされている報告書、3月13日、岩手県行政改革推進部、これはごらんになりましたか……、ごらんになった。この中に何と書いてある。この中には、職員管理の適正化、定員管理の適正化と、こういう項目がございます。特に昭和61年度当初においては、条例定数の3%、162人も削減しているんですよ。末端、一番大事なところですよ。県民で一番接触のある末端が非常に苦労されている、そこを減らしている。きょう吉田議員がお休みですが、休みのとき言っちゃ悪いか、悪いけれども、吉田議員、新進党の代表質問で何と言っているか。行政改革こそ我が党がやっているんですよと、こう言っている、新進党の代表質問で。末端だけがやって上の方はやらない。どうもこれおかしいんじゃないですか。やっぱり、一番私は県民に接触がある開かれた県政、あなたのおっしゃるところの開かれた県政というのは、末端が一番大事だ。ここを減らしておいて、上の方の副知事は2人必要ですよと、必要な根拠は何もない。大きなひとつプロジェクトをやるというなら、これは副知事3人でもいい、私は賛成する。北上山系をぶち抜いて大空港でもつくるんだと、エア・カーゴを含めて、そうなら副知事3人でもいいですよ、賛成しますよ。今の状況の中で、副知事は1人でたくさん、これは。県民がそう言っている。ふやすんならば、末端をふやしてください、減らさないで。こういう、ひとつの行政改革とあわせまして、副知事2人制についての見解をもう一回お伺いしたい。
 土木部長の公共工事のあり方、今伺いました。さすがやっぱり地元の土木部長は違う。ぜひこれから地元から──知事も言っているんだから、県内の人材をますます登用したいと、こう言っているんだから。あなた地元から初めてなった土木部長だから、頑張ってもらいたい、少し。特に、今初めて聞いたんですが、透明性を高めるために、今後、設計資材単価の公表、これは非常にいいね。こういうことをぜひやってだね、これからの談合というものが防止されるということを積極的にひとつ努力してほしいと、こう思っております。
 それから、上田総務部長、行政改革に関連してちょっと聞きたいんですがね。
 知事は、さきの知事演述の中でこう述べているんですよ、こうおっしゃっている。私は、住民の最も身近なところで行政を担っているところの市町村の果たす機能が極めて重要であると考えております、こう言っているんですね、知事演述。知事は、末端の県民と同時に開かれた県政、そして、最も重要なのは、県政を推進するところの末端の市町村、この機能というものは大事だと、こう言っている。ところがですよ、先般の県内の市町村長の陳情があった、知事陳情、知事姿勢、知事姿勢ね。そのときに、政務秘書のこの扱いのあり方、これ非常に問題があった。佐々木政務秘書がどういうわけだか知りませんが、この陳情した市町村長、非常に差別待遇した。この県議会議員も堂々としているわけですから、わかっている。複数の県議会議員、市町村から私は文句を言われている。知事がああいうことを言っているのに何だと。秘書が、知事のおっしゃることと全く反対のことをやっているじゃないか、これが開かれた県政か、非常に問題があると。こういうことを言われておりまして、非常にこの一緒に行きました県議会議員が、どなたと申し上げませんが、非常に不快感を持っている、不快感を。これから、こういう政務秘書のもとに、知事のもとに行くのはいやだなと、不快感を持っている。これは、総務部長知っていますか。そういうことを承知していますか……。まだ報告がきていない。怖がってきてないのかな、じゃ。
 ちなみに、佐々木政務秘書は、この県費、すなわち県民の税金から幾らもらっているかと。月額48万3、000円、年額579万6、000円、寒冷地手当22万4、000円、期末手当232万円、県議会議員より多いね、これはね。年間支給額834万円が支払われているんですね、これは。これは県民のためにやるなら、これでも安いぐらいだ。今のような事実がある。いわばこの給与というものはね、部長さん。どんな基準算定でもって支給になっているのか。また、ほかの県職員、県職員との比較においてどうなっているか。あるいは、この知事室のこの秘書係の、秘書課長と政務担当秘書の仕事の分担というのはどうなっているのか、ひとつこれをお伺いしたい。
 それから、小野寺企画調整部長。どうなんです。あなた、第7次空整にぜひ入れたいと。この間も陳情に行ってきたというけどね、私の12月の質問にも言っているんですよ。50万人の基準をクリアできるんですか、本当に。今年は正念場だ、正念場だと、こう言っている。どういう方法でこの50万クリアできるんですか。クリアしなかったら進まないじゃないですか、これは。そのことはさっぱり言っていない。具体的に、中型機も飛ばす、何も飛ばすと言っているんですが、50万人の基準をクリアするのは、どういう方法でクリアするのか。これを具体的にひとつ教えてほしい。じゃないと、こんなもの吹っ飛んじゃうよ。第7の空整なんか入れませんよ、どなたが責任を取るんですか、これは。ぜひひとつ御答弁を願いたい。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 今、佐藤正春議員の方から私の方に対しまして、2点お尋ねがございました。
 まず第1点は、後期実施計画の策定に当たりまして、いわゆる、私増田カラーをどのように打ち出すのかというお尋ねでございました。この私への期待といいますのは、今議員お話ございましたとおり、若さへの期待、そして大胆、そして情熱を持ってやり遂げると私が申してきました、そうしたことへの期待であろうかと、このように考えておりますが、私は、知事演述の中で、この岩手県を北海道、東北の先導的、中心的役割を果たすような県にしていきたいと、このように述べたところでございまして、後期実施計画の策定につきましては、躍動感のある力強い岩手県を実現していきたい。そして、県土の均衡ある発展、格差の是正と、こうした問題に深く留意をしながら、県民の皆様1人1人が心から幸せを感じるとともに、夢を抱き生きがいを持って暮らすことのできるよう、生活者の視点に立って県民の皆様方の御期待に沿うよう、責任を持って計画を策定してまいりたいと考えております。
 次に、第2点目の副知事2人制のお尋ねでございます。
 この点につきまして、私が組織のあり方、これはその時点、その時点で最善のものとすべく柔軟に考えるべきものでございまして、適材適所、基本を貫くべきと考えております。そして、この現在の県政の山積された課題を考えますと、このさまざまな課題につきましては、何度かこの会議場で申したわけでございますが、こうした現在の山積された課題を考えますと、副知事2人制を維持することが最適であると考えたものでございます。
   〔総務部長上田紘士君登壇〕
〇総務部長(上田紘士君) ただいま政務秘書の給与の基準、これはどうなっておるかというお尋ねでございますが、この政務秘書の給与につきましては、条例の定めるところに従いまして、上限額の範囲内で同様の職務、主として、やはり同じ秘書課でありますので、事務の秘書等の給与との均衡、こういったものを主として念頭において決定をしているところであります。
 それから、秘書課長との事務の分担、仕事の分担という点でありますけれども、これは、先般知事答弁と重なるかもしれませんけれども、知事の政治的な活動の部分、これに類する秘書業務、これを政務の秘書が担当し、その余の一般の行政の事務については、事務の秘書、そして、その上司である秘書課長が責任を持つと、こういう仕組みになっているところでございます。
   〔企画調整部長小野寺英二君登壇〕
〇企画調整部長(小野寺英二君) 花巻空港の第7次空港整備5カ年計画への採用、そのための2、500メートルにするひとつの基準50万人をどのようにして確保するかという御質問と承りました。
 既に、御案内と思いますけれども、この今までの実績を見ますと、平成5年度は15万人でございましたが、平成6年度には9月に関西空港への乗り入れが実現しまして、さらにまた、12月でありますが、4便化が実現したということもございまして、提供する座席数が非常にふえました。つまり、従来の21万から30万3、000というふうにふえたわけです。こういうことで乗降客も非常にふえてまいりました。ところが、目標であります平成6年度の20万人を達成する見込み、それに近いというふうなことで張り切っておった矢先でございましたが、あしくも阪神・淡路大震災というのが勃発しました。その影響もございまして、遺憾ながらその勢いが萎えてしまいまして、結果として、6年度には17万5、000人ということになりました。しかし、この数値も前年度に比較しますと、17%の伸びということでございます。このような実態にありますけれども、先ほど申し上げました50万人達成ということが至上命令というか課題でございます。今後とも、この官民挙げて需要をふやすというふうなことが何にも増して大事だというふうに考えております。
 現実には、事務的な話を申し上げますと、現在、その空整の事務的なヒアリング等を通じまして、本県の需要見込みをいろいろ協議するわけでありますが、必ずしも運輸省の方では本県の見込みをすべてオーケーとしているわけではございません。したがって、実績を積み重ねていく以外にないというふうなことで、先ほど申し上げました、まさに本年度、もう正念場というふうなことで必死になって取り組んでいきたいというのが現状でございます。将来ともまた、おかげさまで今年の4月中型機の就航が可能になりましたし、さらにまた、将来増便をお願いしながら、その50万人達成に向けて取り組んでいきたい、このように考えております。(「議長、議事進行について。まず。もう1回質問ある、議事進行について。」と呼ぶ者あり)
〇議長(堀口治五右衛門君) 佐藤正春君。
〇43番(佐藤正春君) 議事進行だからね。
 今のね、総務部長の答弁なってないじゃない、これはね。なっていない。私はね、この政務秘書、知事が一番大事にしている政務秘書の役割、知事とは反対のことをやっているんじゃないかと。だから、こういうその政務秘書を選ぶところの基準、どういう基準でこれだけの給料を出しているんだと聞いている。これは議事進行だからね、議長から注意してください。それから、もう1回質問する。
 大事なことだ、これは。増田知事をつぶすことになるじゃないか、こういうことじゃ。休憩だ、休憩。
〇議長(堀口治五右衛門君) 佐藤正春君に申し上げます。
 再答弁するか、今聞いております。
(「担当者がどういう基準で出したのか、わからないで困ったもんだな、これは。でたらめに出しているのか、何なんだ。でたらめにお金出しているんじゃないか。県費だよ、県費。」と呼ぶ者あり)
 進行いたします。
〇43番(佐藤正春君) 議長の顔も立てなくちゃならないから……。私も議長のことを推薦したのだから……。
 それでは、再質問いたします。
 いいですか、知事の選任秘書はね、特別職の指定に関する条例に基づいて、これを支給しているようなんですよね。最高支給額は、月額52万円以内とされているんですよね、これは。この決め方はどうするかというと、経験年数、その他を勘案して決めると、こうなっているんですよ。総務部長、こうなっているんだよ。そのぐらいのこと、あなたわかっているでしょう、ね。だから、額がこれだけのものを支給した、妥当であると、それはそれでいいんですよ。ただ、いわゆる、今増田県政が新たに船出をしようとしている、県民から信任されて。しかも、増田知事は知事演述の中で、市町村長は大事にしなければいけないよと、開かれた県政ですよ、県民は大事にしなければいけません、こうおっしゃっているじゃないですか、増田知事が。その足を引っ張るような秘書がいていいのかと言っているんですよ。増田県政の足を引っ張る、陳情に行った方々不快な思いで、みんな不愉快だ、不愉快だと帰って来ている。みんなじゃない、数人だったけど……。こういう差別をしていいのかということを聞いているんですよ。そういう差別をする政務秘書に、県民の税金を払っていいのかということを聞いているんですよ。いいですか、このことについて、総務部長、あなた担当者なんだから、もう1度。これはあなたね、知事を支えてんだから、今後どうするか、あなたの気持ちを示してほしい。県民がみんな聞いている。以上です。
   〔総務部長上田紘士君登壇〕
〇総務部長(上田紘士君) 陳情に際しまして、秘書課における対応について、不公平あるいは差別待遇があったのではないかという御指摘でございます。
 正直申し上げまして、ただいま議員のお話にありました事案、あるいは陳情と言いますか、陳情に対する苦情、こういったものは私自身、本日まで聞いておらないというのが実態でありますけれども、いずれ議員御指摘のとおり、市町村を大切にするということは、これは知事の重要な姿勢でありますし、いやしくも県職員がそういうような印象を与えることがないように、我々職員一同で努力してまいりたい。
 実は、特別職の場合は、私自身の部下というラインにはないわけでありますけれども、いやしくも県職員として、市町村あるいは市町村長の皆様方、それから議員も当然皆様方を含めまして、その対応に失礼なことがないように精一杯努力させていただきたいと思っております。
〇34番(菅原温士君) まず、27日の我が自由民主党の山内議員の一般質問、そしてまた、日本社会党の佐藤啓二議員の質問に関連いたします。そしてまた、今、佐藤正春議員の質問に関連いたしますが、まず、この中央省庁からの職員の派遣の問題である点、その1点。
 山内議員の2人制の問題に対する質問の中で、知事はこのように答えてますね。本県は、今まさに21世紀に向けて県土づくりに重要な時期であります。県立大学、県立高等学校総合体育大会、高速交通幹線整備、ウルグァイ・ラウンド合意の実施等々、あるいはまた、少子・高齢化社会到来に控えての福祉の問題等々、こういう重要な課題があるんだと。だから、2人制を採用するんだと、こういう答弁だったわけでございます。非常に内容がですね、薄弱ではないかと、私そのように感じたわけでございます。このぐらいの事業を進めるにはですね、このひな壇にいる部長クラスで十分だと、有能な人材がそろっているんじゃないですか。そのために、わざわざ大蔵省から副知事を招聘するという意味がないんではないか、そのように私は感じているわけでございます。
 大蔵省に行って人事をお願いするときは、まず、官房長に行くわけですね。官房が人事権を握っているわけですね。官房に行ってですね、どういう人材を派遣してくださるか、申し上げるんですか。これはね、長年の慣例になって大蔵省から副知事が1人来るんだという形になっている。まさに、大蔵省の人事の一環ですよ。私、そのように理解しているんですよね。ですから、私は、今の時代このぐらいの事業を展開するにはですね、知事1人でいいのだと。しかも、増田知事が若くて有能な知事、そういう評価ですね、今聞いてますと。あなたは2人分働きますよ。なぜ、今企業がですね、今の経済情勢の中でいろんなリストラを進めてね、経費の節減とか、いろんな血の出るような努力をしているんじゃないですか。そういうことを考えますとね、私は、1人でいいんではないかと、そのように思うわけでございます。
 今、県政の重要課題、花巻空港の問題が出ました、第2空港の問題がでたわけですね。県政の重要課題だとすればですよ、大きなプロジェクトを組んで早期にこれを実現させるという、そういう至上命令があるならばですよ、大蔵省でなくてもいいと、運輸省でいいんじゃないか。運輸省から有能な人材、運輸省に影響力のある方を招聘するという、これなら限定して派遣してもらう。これなら私は承知できるんですよ。大蔵省の人事の一環としてですね、副知事が来るということ、これは有能な人来てますよ、今の濱田さんも優秀です、あなたも。けれども、その辺が問題ではないかと、そのように思うわけでございます。私は、そのように考えておるわけでございます。
 この2人制の問題ですね、そういうその限定して副知事を派遣してもらうという例が実はあるわけですね。熊本県の空港をつくったとき、あるいはまた、佐賀県でしたか、大きな干拓を実施したとき、これは農林省から来てますよ。その事業が完成すれば終わりと、こういう形になっているんですよ、調べてみてください。ですから、岩手県の場合もですね、そういう限定した大きな事業を展開する場合には、限定してそういう現業省庁からの派遣、これは私は賛成できますけれども、現在の、今のような大蔵省の一連の人事には賛成しかねると、そういうことでございます。
 それから、関連しますが、この政務秘書の件でございますけれども、知事、あの、佐々木政務秘書と面識ですね、これはどのぐらいおありなんですか。何年おつき合いして、彼の人物、どのように評価なさったんですか。恐らく、そうつき合いはないのではないか。だとすれば、だれからか推薦があったんではないかという、そういう危惧の念を抱かざるを得ないんですね。一連の今までの動きを見てますと、そういう判断をせざるを得ないんですがね。まず、その2点についてお尋ねをいたしたいわけでございます。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) お答えを申し上げます。
 ただいま、菅原議員から2点についてお尋ねございました。
 まず、副知事2人制、そして、国からの派遣ということのこちらの点でございますが、国から派遣を受ける必要性について、しかも、そのうちの1人を国に求めているわけでございますけれども、これは国の行財政経験豊かで有能な者を配置し、本県の実情について国の十分な理解を得るとともに、この場で私申し述べておりますような、本県の山積する課題に対応して執行体制を強化することが適当であると私が判断したために、そういうような答弁を私申し上げたところでございます。そして、この副知事2人制、私は、あくまでも適材適所の基本を貫きながら考えていくというふうに御答弁を申し上げる次第でございます。
 第2点目の、政務秘書の関係でございます。
 私の政務秘書、佐々木順一。経歴につきましては、佐藤議員、先ほどの演説の中でおっしゃっておったとおり、小沢一郎衆議院議員の秘書であった点、そして、それ以前は自由民主党の県連職員という点は御指摘のとおりでございます。私は、人選につきましては、常に適材適所の考え方で当たるということが基本でありまして、この考えで選任をしたものでございます。
 私が、昨年12月、こちらの岩手に戻りまして、県内各地のあいさつ回りを開始したわけでございますが、以来まさしく佐々木氏と2人で苦楽をともにした間柄でございまして、この間の本人の人柄に触れまして、人物として、私の秘書として間違いないと私自身確信をしまして、私の全責任において人選を行ったものでございます。御理解を賜りますようにお願い申し上げます。(「よし。」と呼ぶ者あり)
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、須藤敏昭君。
   〔13番須藤敏昭君登壇〕(拍手)

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