平成7年9月定例会 決算特別委員会(企業会計)会議録

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平成7年10月3日(火曜日)
   

1開会 午前10時3分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長         渡邊勉
議事課長         小国平二
議事課長補佐       西田幸男
主任議事管理主査     駿河勉
議事管理主査       吉田徹
議事管理主査       小原敏文
議事管理主査       木村稔

1説明員
企業局長         千葉克
企業局次長        鈴木一夫
総務課長         小野寺文治郎
経営管理課長       伊東隆臣
業務課長         及川二千朗
 
監査委員         源新義弘
監査委員         橋本光男
監査委員事務局長     川村禎佑
総務課長         小野寺禎夫
監査課長         米本清一
 
財政課長         佐藤勝
   

〇渡辺委員長 これより本日の会議を開く。
 これより議事に入る。
 認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算までの3件を、一括議題とする。
 認定第2号平成6年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算の2件について、企業局長から説明を求める。

〇千葉企業局長 それでは、企業局の所管に係る認定第2号電気事業会計及び第3号工業用水道事業会計の決算について御説明申し上げる。
 まず、決算書の説明に入る前に、企業局が所管する電気事業と工業用水道事業の平成6年度における経営の概況について若干御説明を申し上げる。
 御案内のとおり、地方公営企業における経営の基本原則は、常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉の増進を目的として運営されているところである。
 企業局は、昭和30年に電力局として発足以来、今日まで40年間、安定した電力の供給あるいは企業の生産活動に必要な工業用水の供給等を通じて、県勢の発展に大きな役割を果たしてきたと認識しておる。これら事業の経営に当たっては、採算性に配意し、堅実で健全な経営を基本としながら、経済、社会情勢の変化や地域住民のニーズに応じ、新規事業への取り組みや事業の拡大を行う一方、所期の目的を達成した事業については廃止するなど、常に経営の基本原則にのっとり運営してまいったところである。
 それでは、最初に電気事業についてであるが、昭和32年に胆沢第二発電所の運転を開始して以来、県内の適地に発電施設の整備を進めてきた結果、現在、10カ所の発電所を運転しているところである。その最大出力は約13万4、000キロワットで、公営電気事業としては全国でも有数の規模を誇るまでに発展してきておる。しかしながら、本県の電力自給率は極めて低い状況にあること、また、水力発電は二酸化炭素を発生しないクリーンで無限な純国産エネルギーとして、その開発に一層の期待が高まっており、今後においても計画的かつ積極的な開発を求められておる。したがって、平成6年度においても、平成8年度の運転開始を目指して松川発電所の建設工事を鋭意進める一方、新規の電源開発を推進するため、湯田町の南本内地点など、水力発電の可能な地点について引き続き調査を実施したところである。
 平成6年度の営業状況であるが、県営10発電所の総供給電力量は4億1、600万キロワットアワー余であり、目標電力量に対する達成率は、記録的な渇水の影響を受けて77・4%となったところである。事業収支においては、供給電力量が目標を下回ったため前年度より営業収益が減少し、さらには金利の低下による財務収益の減少もあるなど厳しい状況であったが、9億8、700万円余の純利益を計上することができた。
 次に、工業用水道事業であるが、昭和53年度に北上中部工業用水道の給水を開始して以来、その後、第二及び第三北上中部工業用水道並びに2カ所のろ過施設を整備し、平成6年度においては、誘致企業18社に対し給水をいたしているところである。
 平成6年度の営業の状況であるが、契約水量は残念ながら対前年度比で増量に至らず、前年度と同量で推移したわけであるが、年間給水量は1、413万6、000立方メートル余で、事業収支においては5、900万円余の純損失を計上し、当年度の未処理欠損金、いわゆる累積欠損金は12億7、600万円余となるものである。
 なお、この工業用水道事業については、平成3年12月に、自治省から経営健全化対策実施団体の指定を受け、経営健全化計画を策定し、この計画に沿いながら鋭意経営改善に努めているところである。特に、平成6年度においては、関係機関の特段の御理解、御協力を得て、11億7、000万円余の高利率企業債の繰り上げ償還を実施し、経営改善に大きな効果を上げることができたところである。今後においても、一層、関係部との連携を密にし、水需要の拡大を図るとともに経費の節減に努め、安定した経営の確立に努力してまいる所存である。
 以上、2つの会計の主な内容について申し述べてまいったが、企業局としては、県行政の一翼を担っているということを強く自覚し、今後とも職員一丸となって事業の健全経営に努めるとともに、高度化、多様化する住民ニーズに的確に対応しつつ、公共の福祉の増進と地域づくりに積極的な役割を果たしてまいる考えであるので、県議会及び関係各位の一層の御指導をお願い申し上げる次第である。
 それでは、お手元の決算書に基づいてその概要を御説明申し上げる。
 まず、認定第2号岩手県電気事業会計決算であるが、決算書1ページをお開き願う。
 1ページの収益的収入及び支出であるが、収入の決算総額は49億7、300万円余、支出の決算総額は39億2、000万円余である。
 その収入の内訳であるが、第1項営業収益46億5、400万円余は電力料がその主なものであり、第2項財務収益3億1、600万円余は株式配当金及び預金利息等であり、第3項事業外収益200万円余は、固定資産売却等による雑収益である。
 次に、支出の内訳であるが、第1項営業費用33億1、800万円余は、発電所10カ所の運転業務及び管理運営に要した費用であり、第2項財務費用5億5、900万円余は企業債の支払い利息であり、第3項事業外費用4、200万円余は消費税納付額及び固定資産売却等による雑損失である。
 次に、2ページをお開き願う。
 2ページの資本的収入及び支出であるが、収入の決算総額は12億5、700万円余、支出の決算総額は29億2、700万円余である。
 その収入の内訳であるが、第1項企業債9億7、800万円は松川発電所建設に係る企業債であり、第2項負担金200万円余は共有施設の改良に係る負担金で、第3項固定資産売却代金1、100万円余は、不要となった資産の譲渡代金である。第4項長期貸付金償還金2億6、100万円余は、一般会計及び工業用水道事業会計からの償還金である。
 次に、支出の内訳であるが、第1項建設費13億9、600万円余は現在工事中の松川発電所の建設費であり、第2項改良費8億3、000万円余は、各発電所の設備及び業務用設備の改良や更新等に要した経費である。第3項電源開発費5、400万円余は、今後の水力発電開発可能性調査等に要した経費であり、第4項企業債償還金4億4、600万円余は、発電所の建設に要した企業債の償還金で、第5項長期貸付金2億円は、自治振興基金の原資として一般会計に貸し付けしたものである。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額16億7、000万円余は、2ページの下段欄外に記載してあるとおり、当年度消費税資本的収支調整額及び減債積立金等をもって補てんしておる。
 次に、3ページの損益計算書であるが、営業利益は、渇水準備引当金から1億600万円余を取り崩し12億3、200万円余となっており、この営業利益から財務収支及び事業外収支の損失2億4、500万円余を差し引いた当年度純利益は9億8、700万円余となっておる。
 次に、4ページをお開き願う。
 4ページの剰余金計算書の利益剰余金の部についてであるが、減債積立金から5ページの中小水力発電開発改良積立金までの年度末の積立金合計額は37億5、200万円余となっており、また、当年度の未処分利益剰余金は9億8、700万円余となっておる。
 次に、6ページをお開き願う。
 6ページの資本剰余金の部であるが、国庫補助金以下3科目の合計額は5億8、400万円余となっておる。
 次に、7ページの剰余金処分計算書(案)であるが、当年度の未処分利益剰余金9億8、700万円余のうち、翌年度以降の企業債償還金に充当するための減債積立金として4億6、800万円、発電所の改良工事等に充当するための建設改良積立金に1億7、100万円、中小水力発電開発改良積立金に3億4、800万円をそれぞれ積み立てし、残額の49万4、000円余は翌年度に繰り越ししようとするものである。
 次に、8ページをお開き願う。
 8ページから11ページまでの貸借対照表であるが、資産合計と負債、資本合計は、それぞれ303億5、100万円余となっておる。
 以上で、電気事業会計の説明を終わらせていただく。
 次に、認定第3号岩手県工業用水道事業会計決算について御説明申し上げる。
 決算書1ページをお開き願う。
 1ページの収益的収入及び支出についてであるが、収入の決算総額は12億6、200万円余で、支出の決算総額は13億1、700万円余である。
 その収入の内訳であるが、第1項営業収益10億9、500万円余は、一般水及びろ過水の給水料金が主なものであり、第2項財務収益200万円余は預金利息で、第3項事業外収益1億6、500万円余は、主に経営健全化対策に基づく一般会計からの補助金である。
 次に、支出の内訳であるが、第1項営業費用7億8、000万円余は、各工業用水の給水業務及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用5億1、900万円余は企業債と他会計からの借入金の支払い利息で、第3項事業外費用1、700万円余は消費税納付額である。
 次に、2ページをお開き願う。
 2ページの資本的収入及び支出であるが、収入の決算総額は18億2、100万円余、支出の決算総額は20億9、300万円余である。
 その収入の内訳であるが、第1項企業債1億7、400万円については、経営健全化のための借換債の発行及び第三北上中部工業用水道建設事業に係る起債であり、第2項出資金2億4、500万円余は、経営健全化対策に基づく一般会計からの出資金である。また、第3項補助金2億2、500万円余は、第三北上中部工業用水道建設事業及び特定資金公共事業債の繰り上げ償還に対する国庫補助金であり、第4項他会計からの長期借入金11億7、600万円余は、経営健全化を促進するため一般会計からの企業債繰り上げ償還資金を借り入れしたものである。
 次に、支出の内訳であるが、第1項建設費2億7、000万円余は、第二北上中部工業用水道及び第三北上中部工業用水道の建設事業に要した経費であり、第2項改良費3、800万円余は、北上中部工業用水道及び第二北上中部工業用水道の設備改良等の経費である。また、第3項企業債償還金17億1、000万円余は、施設整備のため借り入れした企業債の償還金であり、第4項他会計からの長期借入金償還金7、400万円余は、一般会計及び電気事業会計への償還金である。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額2億7、900万円については、2ページの下段欄外に記載しておるとおり、繰越工事資金、当年度消費税資本的収支調整額及び損益勘定留保資金で補てんしておる。
 次に、3ページの損益計算書であるが、営業利益は2億9、300万円余となっておるが、この営業利益から財務収支及び事業外収支の損失3億5、200万円余を差し引いた当年度純損失は5、900万円余となっておる。
 次に、4ページをお開き願う。
 4ページの剰余金計算書であるが、当年度の未処理欠損金は、前年度の未処理欠損金12億1、600万円余に当年度純損失5、900万円余を加えて12億7、600万円余となったものである。また、資本剰余金35億6、900万円余は国庫補助金が主たるものである。
 次に、5ページの欠損金処理計算書であるが、当年度の未処理欠損金12億7、600万円余は、翌年度へ繰り越しをするものである。
 次に、6ページをお開き願う。
 6ページから8ページまでの貸借対照表であるが、資産合計と負債、資本合計はそれぞれ136億1、600万円余となっておる。
 以上で、企業局関係2会計の平成6年度の決算の説明を終わる。よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。

〇渡辺委員長 これより質疑に入るわけであるが、世話人会の申し合わせにより、また、本日は当特別委員会終了後の予定もあるので、質疑及び答弁についてはできる限り内容の重複は避け、簡潔明瞭に行い、議事進行に特段の御協力を賜るようお願い申し上げる。
 なお、関連質問については、質疑冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性のあるもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願いする。
 ただいまの千葉企業局長の説明に対し、質疑ないか。

〇村田委員 企業局におかれては、ただいまの千葉企業局長の説明にあったように、昭和30年に電力局として発足した。ことしでちょうど40周年という節目を迎えたことは、まことに御同慶にたえないところである。
 企業局は、経済性の発揮と公共の福祉の増進という経営の原則を持ちながらも、県勢発展の一翼を担ってきておるところである。特に、公営企業法という1つの枠内において、一般会計とはおのずから異なった御苦労がおありだったろうと考えておる。企業局長を初めとして、関係職員の不断の御努力を多とするところであるが、まずもって、40周年を迎えたことに対するお祝いを申し上げたいと存じる。この間、全国でも屈指の発電量を誇る電気事業また工業用水道事業、そして既に廃止されてはおるものの、その間の観光施設の事業や有料道路事業の経営を通じて県勢の発展に大きく寄与してきたと存ずる。今後とも、企業経営のメリットを生かしながら、さらなる御努力を切にお願いしてやまない。
 さて、平成6年度の2つの会計の決算を踏まえて、順次質問をする。
 まず、電気事業会計についてであるが、平成6年度の経営収支は純利益を9億8、717万円余計上し、引き続き黒字基調にはあるものの、年間供給電力量においては4億1、651万7、276キロワットアワーであり、前年度と比べると29・3%の減、目標電力量の5億3、833万8、000キロワットアワーに対しても22・6%の減少となっておる。このことは、当然昨年の夏の異常な猛暑、渇水の影響があったものと考えられるが、このような中で、電気事業の経営については特にどのように意を用いて当たられてきたのか、また、この決算をどのように評価されておられるのかまずお伺いをする。

〇千葉企業局長 まず電気事業会計の経営にどのように意を用いたか、あるいは決算をどう評価しているかというお尋ねであるが、電気事業経営に当たっては、地方公営企業の経営の基本原則というのは、企業の経済性を発揮するとともに公共の福祉の増進を目的とすると、そういう前提があるわけであり、それを念頭に置きながら、昨年度においても、例えば建設中の発電所については工事が事故もなく計画どおり推進するように努めてまいったし、また、水力発電開発というものを積極的に推進するため、開発可能な地点については引き続き調査を行ってまいったところである。さらには、既存の発電所についても、発電所をつくってから経過というかかなり老朽化しているものであるから、そういう面についても計画的に改良、修繕を行って、さらには経費の節減にも意を用いながら堅実な経営に努めてまいったつもりである。特に平成6年度においては、昨年は特に猛暑あるいは異常渇水という、天候的な形でも発電事業をやっている者にとっては非常に厳しい1年あるいは昨年であったが、そういう中においても、とにかく各発電所の発電施設等の能力を常時十分発揮できるように、運転、保守管理に万全を期すとともに、さらに平成6年度の電気料金の東北電力の更改において、渇水による料金収入への影響を極力少なくするために、従来の定額と従量の割合について、従来、定額7、従量は3であったものを、定額を8、従量を2ということでそういう改定を行って、その定額の8については、いずれ目標に対して、とにかく発電量なくても、そのくらいの定額の料金をいただけるという制度に、昨年度からそういう改正をいたした結果、目標に対して電気料金については95・5%の達成を見たということである。いずれ、昨年度の異常渇水によってかなり水の取水率が過去に比べて3番目に非常に低いという結果の中において、ある程度料金収入においては95・5%であったが、そういう渇水の中においてはまずまずの成果を上げたんではないかと思っておる。

〇村田委員 そこで伺うが、渇水準備引当金についてお伺いする。
 決算書によると、平成6年度の営業収益の中で電力量が43億270万円余、渇水準備金の取り崩しが1億660万円余となっておる。この渇水準備引当金は、その年度の気象条件により発電量の増減があることから、年度間の収支の平準化を図るために引き当てまたは取り崩しを行うものであると伺っておる。6年度末の渇水準備引当金は3億1、316万円余となっていることから、仮に6年度並みの取り崩しを続ければ、3年で使い果たすこととなる。現実にはあり得ないこととは思うが、ここ5年間の引き当て、取り崩しの状況とその基本的な考え方についてお伺いをする。

〇伊東経営管理課長 渇水準備引当金の引き当て、取り崩しの状況とその考え方についてであるが、委員がおっしゃるとおり、水力発電は気象の影響により発電量が著しく増減するものである。そうした増減による年度間の極端な損益の変動を防ぐために収支の平準化を図るということで、電気事業法の第36条であるが、電気事業法が平成7年4月21日に改正になっており、旧38条である。渇水準備金として引き当てまたは取り崩す制度が定められておるわけである。
 平成元年度からの引き当て、取り崩しの状況であるが、取り崩しが元年度の4、900万円余、それから4年度の1、200万円余、引き当てが2年度の1億6、300万円余、3年度の1億2、800万円余と、それから5年度の8、500万円余となっておる。平成6年度については、梅雨明けの連続真夏日が38日間続くという猛暑であり渇水であった。年間出水率が過去3番目に低い79・2%ということで、目標電力量に対する達成率が77・4%となった。電力料収入が著しく減少したために、1億600万円余の取り崩しを行ったわけである。
 東北電力からの支払いを受ける電力料金の構成というものは、先ほど局長が申し述べたところであるが、定額の基本料金部分が8割、それから残り2割が、電力供給量に応じて支払いを受ける従量分ということになっておる。したがって、渇水準備金は2割の従量部分について通産省が定めておる算式により、収入予定額が実績を上回った場合は引き当てする、下回った場合は取り崩すという仕組みになっておる。過去の状況から見て、引き当てたり取り崩したりしている波があるが、渇水準備金の仕組み等から見て、現在の渇水準備引当金累計額で、極端な事態にならない限り不足はないものと考えておるところである。

〇村田委員 渇水準備金の引き当てが渇水しないように願っておる。
 それに関連して、目標値の77・9%しか供給できなかったということであるが、せっかく発電した量、発電量というものがパーフェクトに供給して買ってもらわなきゃならないと思うが、その間にこの決算書の19ページを見ていると、ロスの分を見込んでおる。所内消費という部分とそれからロスの部分である。エーデルワインで言えば欠減である。自然に、物差しを当てると黙っていても空気で蒸発してしまう部分である。電力の場合には、それはどのようなものなのであろうか。ロス、損失の計上されておる部分、よろしくお願いする。

〇及川業務課長 発電所が発電して所内分のロスを除き、そのほか全部送電して料金にかえているわけであるが、そのロスというのは発電所の場合、所内のいろいろな排水ポンプとかそれから照明とかヒーターとか、いろんなものに所内として使われておる。
 それから岩洞の場合は、これはロスということではないけれども、所内電力として逆川揚水場という大きいポンプを抱えておるので、あの電力は発電から差っ引かれるロス的な感じになるので、送り出しがその分少なくなると、こういうことである。

〇村田委員 それは機械がちょっと故障しておるとか、そういう何か途中で発電された部分と、それから今度東北電力に渡るまでの間の損失というのが避けられないものかどうかということである。何%になっているであろうか、そこは、大体。

〇及川業務課長 今はっきりした数字をつかんでおらないが、発電したのに対して送り出しが、たしか95%か96%ぐらいだったと思う。

〇村田委員 それは電力というものの発電とそれから供給する部分の中で避けられないものであって、会計決算の1つの処理の中ではずっと経常的に各発電所、10発電所であろうか、必ずそこの部分が所内消費と、それから損失部分と計上されておるようである。これはやむを得ない経常費的に見なければならない、通常のこれは経費であると考えていいのだろうか。

〇及川業務課長 そうである。これは通常のロスというか所内の消費電力である。

〇村田委員 それでは次に、早池峰発電所の建設計画についてお伺いする。
 企業局は現在、平成8年の運用開始に向けて松川発電所を建設中である。さらに松川発電所のほかに電源開発調整審議会において決定されておる早池峰発電所、胆沢第三発電所、北本内発電所についても順次着工していくものと聞いておる。このうち早池峰発電所についてはダム本体工事が順調に進んでおるが、早期に建設が行われるものと私ども期待しておるところである。されば、この発電所の具体的な建設のスケジュール、これを承りたい。

〇及川業務課長 早池峰発電所の具体的な建設スケジュールについてお答え申し上げる。 早池峰発電所は、土木部が建設中の早池峰ダムに参画した出力が最大1、300キロワットの発電所である。また、平成7年3月に電気事業法41条の工事認可をいただき着工したわけである。平成7年5月に岩盤の掘削が終了し、ただいまコンクリートの打設中である。土木部によると、ダムの工程は順調に推移しており、予定どおり平成12年の完成の見込みである。したがって、当局としてもダムの工程に合わせながら工事を進める必要がある。そのことから、平成9年度には発電所の基礎、放水路等の本体工事、それから水圧管路の工事、それから平成10年度に水車発電機の据えつけ工事、それから平成11年度に発電機建屋工事を発注の予定である。順次工事を進め、ダムの完成に合わせて平成12年度末の運転開始を予定しておる。

〇村田委員 次に、ごみ発電についてお聞きしたいと思う。
 ことしの5月、自治省の地域エネルギー事業推進に関する調査研究会が、ごみ固形燃料発電システムの導入を提言して報告書をまとめておるわけである。このシステムは、市町村のゴミ処理施設でごみから固形燃料を製造し、これを県などが1カ所に集めて燃焼させ、その蒸気を利用して発電する仕組みであり、エネルギー活用までは至らなかった小規模なごみ処理施設からもエネルギーの効率的な回収が可能となるものと聞いておる。本県企業局においても、ごみ固形燃料を利用した発電について鋭意検討を進めておられるようであるが、ごみの絶対量あるいは各市町村の焼却施設の更新の時期との関係もあるであろう。いろいろな困難な課題があろうかと思う。
 そこでお伺いするが、現在までの検討の中身、それについてお聞かせをいただければと思う。

〇千葉企業局長 ごみ固形燃料発電の検討状況と今後の見通しについてであるが、私ども企業局としては、何とかこれは導入したいというのが私どもの気持ちである。ごみ固形燃料、これはRDFと言っておるが、これは可燃性のごみに石灰を加え、直系1センチほどのペレット状況のものをつくって、圧縮形成したものをつくってそれをいろいろ利用するわけであるが、言うなれば、貯蔵性あるいは輸送性に非常にすぐれているという特徴がある。また、現在、各市町村ではごみの処理に非常に苦労しているわけであるが、そういう中において、そういうごみを固形化燃料をつくることによって、そういう市町村の悩みであるごみの処理について、これをつくることによってそれを別な面に利用できるというメリットもあるわけである。また、言うなれば、ごみの持つエネルギーというものを発電で回収した分だけ化石燃料の使用が削減できるということもあるし、これはひいては地球の温暖化の1つの要因である二酸化炭素の排出量を削減できるというメリットもあるし、そういうことで、有害ガスの発生の面でかなり有用な方式ではないかと私ども考えておる。また、これは市町村においても、従来の焼却方式からこういう固形化燃料方式に切りかえることにより、ごみの焼却による煙の排出がなくなるわけであるから、新たに立地する場合においても、焼却方式よりも地域住民に受け入れられやすい方式ではないかと考えておるところである。現在、こういう方式を検討しておるのが都道府県では三重県であり、まだ都道府県でそれを実際に稼働している県はまだない。三重県においては、その稼働に向けて今さまざまな検討を進めておるけれども、いずれ私どもも三重県に倣ってというわけではないが、そういう1つの資源エネルギーの流れの中で何とかごみの焼却と地球に優しいというか、そういう面での対応をぜひやってみたいという気持ちで今検討をしているところである。
 先ほどお話しあった自治省においても、その面における調査研究会を設けてさまざまな研究がなされておる。そういう中で、特にこういうごみ発電、特に固形化燃料については環境面とか廃棄物処理からかなり有効な1つの手だてであるということから、今後とも国においてもその面での積極的な取り組みをやろうという方向に今なっておる。
 そういうことで、現在、私ども企業局においても、このRDF発電システムというものを何とか本県に導入して、いろいろとその面での取り組みを実用化に向けて何とか実現したいということで、調査検討を今進めているところである。ただ、進めるに当たっていろんな課題があり、1つには、本当にRDFをつくるためのごみの量というのは確保できるのかと。普通の生ごみが仮に100とした場合に、RDFはその半分が必要であるということであるから、まずもって生ごみをいかに確保するかということが1つの課題であるし、また、輸送費をどうするかと。1カ所に集めてくるわけであるから、それをどういうふうに負担するかという問題もあるし、また、市町村においても現在ごみを焼却しているわけであるからその更新時期がある。その更新時期とRDFの施設に切りかえる時期、各市町村みんなまちまちであるから、それとの調整をどうするかという問題もあるし、また、ごみについてはもともとは一般廃棄物であるので、いわゆる環境保健部門とのいろんな面での調整、検討、そういう面も必要である。そういうことでいろんな課題があるが、いずれ私どもとしては、とにかく地球環境あるいは廃棄物のリサイクルの面から、何とかこれを実用化に向けて導入したいという方向で今検討をしているところである。

〇村田委員 第3のリサイクル資源といおうか、リサイクルエネルギーということの表現もいいと思うが、いずれこれは視野に入れて研究するに値する事業であるとお話があったし私ども同感しておるが、これはぜひアプローチ、そこへ行くのは非常に理想なんだけれども、いつまでも研究ばかりしていないで各施設、市町村で持っている固有の焼却施設というものの更新の時期をどのような形で整合させていくかということから言うと、大体目標年次というのはずっとわかってくるような気もするが、いずれそこまで取りかかる輸送費の問題とかアプローチが大変難しい問題だと思う。要望であるが、ぜひこれを視野に入れてテーブルの上で十分な御検討を願っておきたいと存ずるので、よろしくお願いする。 次に、工業用水の水道事業について伺うが、工業用水の水道事業については平成3年度から10年度までの経営健全化計画にのっとり、水需要の拡大、料金の適正化、あるいは一般会計からの財政支援等によりさまざまな経営努力をなされてきておられる。しかしながら、平成6年度の決算を見ると、1日平均給水量が5年度の実績3万8、876立方メートルに対し、6年度3万8、729立方メートルとむしろ減少しておる。経営の収支は5、942万円余の純損失を生じ、この結果、6年度末の未処理欠損は12億7、630万円余となっておる。水需要の拡大については、今後も北上南部工業団地への企業進出に期待するところが大ではあるが、果たして経営健全化の計画は達成できるのか懸念される部分もある。この計画の進捗状況と今後の見通しについてお伺いする。
 聞くところによると、バブルの崩壊の1つのショックということも過年度にはあったが、また持ち直してきておる部分も相当最近見受けられてきておるようである。その辺のここ3年以前からの大体の足取り、それから平成7年度以降の見通し等もあわせて、観察をどうしているかということについて御意見を承りたいと思う。

〇千葉企業局長 工業用水道事業の経営健全化計画の達成状況あるいは今後の見通しということであるが、御案内のとおり、工業用水道については非常に経営が苦しいということもあり、平成3年度に自治省の指定を受けて経営健全化計画を定めて、その計画に基づき現在経営改善に努めているところである。昨年度の工業水道事業の契約水量等のお話があったが、昨年度は残念ながら一昨年と全く契約水量は同量と、全く増量を見込めないという非常に残念な結果に相なった。ただ、1年間の供水の量が若干減ったのは、契約水量は同じであるけれども、超過水量というのがあり、契約水量よりも余計使った場合に超過水量ということになるわけであるが、1年前に比べて昨年度はそれが若干減ったということで、超過水量減がその結果になったということである。そういうことで、非常に厳しい平成6年度の経営であったと認識いたしておる。
 達成状況ということであるが、契約水量については、計画の最終年度の計画水量に対して6年度の実績は70・7%になっており、これは6年度の最終年度に対する計画よりもかなり下回っているという結果になっており、私ども非常に厳しい状況下にあると思っておる。いずれ、今後ともその達成に向けて誘致活動を展開しなければならないと思っているところである。
 また、経営化においては給水料金についても適正な料金、収入を図ってもらいたいということになっており、これについては平成4年度に1トン当たり36円というものを45円に改定し、さらに平成9年にはこれを50%、これは通産省が定めておる基準料金まで引き上げたいという計画で今進めているものである。
 また、一般会計からの支援についても、これは経営健全化計画に基づく自治省の繰り出し基準があり、それに基づいて企業債利息に対する一般会計からの補助金、さらには企業債元金の償還に要する経費について一般会計から出資金という形で一般会計の支援を受けているところである。また、昨年度は企業債、高利率の企業債というものも繰り上げ償還、これは額でいくと11億7、600万円を繰り上げ償還をいたしておる。それによって、かなり今後の経営にプラス要素になるものであると考えておる。さらに計画をつくった後に、ここで固有名詞を出すのはどうかと思うが、岩手中部工業団地に立地しておるある企業からろ過水の施設をつけてほしいという話があり、その施設をつくった。それに要する経費については、その企業の特段の御協力をいただき、元金利息に相当する額について長期的に分割して負担金をちょうだいするということになっており、その面でもかなり経営にいい結果を下せるという結果になっておる。そういう中で、平成6年度においては、工業用水道事業会計の欠損金は5、900万円余の赤字、これについては計画からいくとかなり下回った結果になっており、利率的にいっても経営健全化計画の累積欠損金よりは下回った結果になっていると。順調にいっていると言えばあれであるけれども、今のところは何とか計画に沿って推移しているという結果である。

〇村田委員 うかうかしておるともっともっと赤字がふえておると、しかしここまでとどまったのは大変努力をしたいろいろな結果であると、こういうことで敬意を表する次第であるが、今後なかなか緩くない事業であると、こう思うが、さらに一層の努力をお願いいたしたいと思う。
 1つだけ伺うが、経営健全化計画の指定を受けたということにより、その優遇されるであろう中身、何か特典というかメリットというか、そういうことの指定を受けたことによって繰り上げ償還をした、そこへ今度は補助金が入ってくるというような部分の、例えば補助率だとかそれから融資をする場合のメリットだとか、そういうことが伴っているものであろうか、そういう性格のものであろうか、それをちょっとお聞きする。

〇千葉企業局長 これは会計間の1つの仕組みの問題になるわけであり、一般会計から特別会計に対して、あるいは企業局会計に対して、繰り出しの方途が地方公営企業法上にも設置されておる。ただ、補助金についてはあくまでも企業会計というのは独立採算が原則であるから、したがって、特別の理由がない限り補助金は出せないというのが実態である。ただ、今回経営健全化計画あるいはそういう制度を国が設けることによって、そういう繰り出し基準の中に工業用水道事業がかなり厳しい団体に対して、指定を受けられる要件に該当するものについては国が指定をし、指定した場合においては一定の基準に沿って一般会計から補助金を繰り入れするのを認めると。ただ、認めただけではなくて、一般会計に対してはその財源措置を補てんすると。現実に一般会計の繰り出した補助金に対しては2分の1の交付税の措置があるし、出資金に対しても一般会計に対して出資債、これ100%の出資債であるが一般会計にそういう制度があり、そしてその出資債の半分は交付税で措置すると。財源手当をつくりながら、一般会計から企業会計に繰り出しをするという基準をつくられて、初めてそういう制度が成り立っているものである。したがって、もしそれがなければ、あとは補助金というのはなかなか我々が一般会計に求めても、一般会計の財政負担を圧迫するだけであるからなかなか厳しいと、やはりそういう国の1つの繰出金というものがなければ、なかなかそういう手だては難しいなという感じを持っておる。

〇谷藤委員 まず、電気事業についてお伺いをする。
 電気事業決算は、当年度純利益については非常に善戦をしているのかと見受けられるけれども、平成4年度が10億8、820余万円、それから5年度が11億1、462万円余、そして6年度が若干減ったようであるけれども、9億8、717万円余ということを計上しておるようで順調な経営と見受けられるけれども、ただ、いずれ先ほど村田委員の方からもあったけれども、非常に電気の方はいいんであろうけれども、企業局の工業用水の方は厳しいなという感じもさっきは受けた。ただ、電気事業という分野については非常に善戦しているなと思っておる。
 こういうことで、民間の企業サイドから見ると、貸借対照表の剰余合計金が53億余になっているということを考えれば、かなりの優良企業だなと思われるわけである。これらの純利益が相当出ているわけであるけれども、毎年、毎年利益が出るわけであるけれども、この活用である。今のところは減債積立金とか建設改良積立金、中小水力発電開発改良積立金などに留保されているようであるけれども、それぞれ毎年これだけの金額を1会計が持っているということはちょっと問題があるのではないかと思ったりもする。例えば、附帯事業、新規事業への展開を図る必要があるんじゃないか。そういうことで、黒字の活用策を何らか検討しているかお聞かせいただきたい。

〇千葉企業局長 電気事業会計の黒字の活用であるが、おかげさまで電気事業は発足40年、企業局は40年であるが、これはもともとは電気事業から発足したものである。最初から黒字経営でやってきておって、そういうことで、かなり経営的には安定していると思っておる。ただ、この電気事業の剰余金については、1つには減債積立金、これは法律で決まっておって、ある一定の額を毎年積み立てしろと、こうなっている。さらに、建設改良積立金、中小水力発電開発改良積立金、これについてもそれぞれの各電気事業の経営主体において所要の積み立てをしろとなっておって、現在それぞれ所要の額を積み立てをしているものである。
 ただ、特に建設改良積立金、中小水力発電開発改良積立金、これについては、何でもかんでも使っていいというわけではなくて、建設改良については将来の発電所の建設改良に要する経費に使え、それから、中小水力発電については新しい発電の電源開発に使えという使途が決まっておるものであるから、これをそのときにあるからといって別なところに勝手に使うわけにいかない性格のものである。
 ただ、そういうことではあるけれども、電気事業の経営に密接に関連する事業というか、附帯事業の開発あるいは電気事業というのは、私ども直接住民へ電気を供給する立場ではない。東北電力を通して間接的に地域住民に貢献しているというものであるから、余り地域住民に対するメリットが直接的にはないわけであるから、そういう面で、何とか地域還元、地域振興に向けた使途がないかということで、そういう要請もあるし、私どもも何とかそういう要請にこたえたいと考えておる。現在、その地域還元策として、一般会計を通して、例えば自治振興基金あるいは環境保全基金、さらには環境保全対策の原資として一般会計に貸し付けをし、間接的ながら地域振興の役割の一翼を担っているというように思っておる。
 またさらに、水力発電だけではなくて、新エネルギーに向けて、例えば風力発電の開発にもこの資金を活用しながら、今、検討しているところで、今後とも地域振興を図る観点から、この剰余金の活用については前向きに検討してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 そういうことで、地域振興というような形、県土の均衡ある発展というような中で、特にそういう発電所関係というのはそれぞれ山間部を中心としたところ、そういうところに随分設けられてあるわけであるし、それぞれの地元の方々のいろいろな協力のもとになされている場面もあるだろうと思うので、そういう地域への還元策というものも取り入れて今後やっていただければなと思うわけである。
 次に、電気事業の効率的な経営についてお伺いする。
 公営企業に常に求められていることは、サービスの水準と、それから維持、向上、効率的な経営の推進である。特に電気事業については、安定的な電力供給を行うため、適時適切な改良、改善、修繕あるいは技術力の向上などを図りながら効率的な経営を行うことが求められているわけであるけれども、この点について、これまでどのようなことに気をつけながらやってこられたのかということをお聞きしたい。

〇千葉企業局長 電気事業の効率的な経営というお尋ねであるが、電力を安定的に供給するためには、電気関係の機器の遵守なり点検なり、あるいは適時適切な改良、修繕あるいはそれに従事する職員の技術力の向上が極めて大切である。現在、企業局の電気工作物保安規程というのがあって、それに基づいて日常的に点検、検査を行っているところで、その検査の結果等によって計画的に改良、修繕を行っているということである。
 例えば今年度においては、胆沢の第二発電所の屋外変電所、ちょっと専門的な話になるが、ガス絶縁を用いた新しい方式に更新するといったようなことをやりながら、新しい技術改良に向けた機器を導入しながら安定的な電力の供給に努めているところである。
 また、集中管理による施設総合管理所というものを設置して、そこで集中的に各発電所の発電の集中制御をやっているということで、効率的な運営に努めているわけである。
 また、最近の技術革新によって、電気設備なりあるいは土木設備というのは非常に目覚ましい発展あるいは改良をされてきておるので、やはりそれに従事する職員の技術力の向上が極めて大切であるので、所要の研修会等に職員を積極的に参加させて、あるいは他県の施設等も視察しながら職員の技術力の向上に努めてまいっているわけである。いずれ電気事業の効率的な運営というのは極めて大切であるから、今後とも積極的にこれに努めてまいるつもりである。

〇谷藤委員 今後とも御努力をお願いしたいと思う。
 次に、県内の電力自給率と新規電源開発についてお伺いする。
 企業局は、現在、10発電所を運転しているわけであるけれども、平成8年には松川発電所が加わって、さらに早池峰発電所など3発電所の着工に向けて準備を進めていると伺っておるところである。全国有数の公営電気事業者として、クリーンエネルギーである水力発電に対する当局の開発意欲に対して大いに期待をしておるところである。しかしながら、県内における電力自給率は、企業局の卸供給を含めて平成5年度の実績で24%、また、過去数年の実績でも20%台半ばを推移するなど、非常に低位にあるわけである。平成6年度の企業局決算においては、目標電力量に対し販売電力量が77・4%にとどまったということで、電力自給率に対する影響を懸念しておるわけである。
 そこでお伺いするけれども、平成6年度の県内の電力自給率はどの程度になったのかお尋ねをする。
 そしてまた、公営電気事業者は、石油代替エネルギーの開発及び導入に関する法律及び水力新世紀計画で中小水力の開発が期待されておるところであるけれども、これらに対応して、今後どのような計画で開発を続けていく考えなのかお聞かせいただきたいと思う。既に手をつけている段階のものもあろうし、これから有望と思われる地点、それぞれ研究されておると思う。具体的にお伺いしたいと思う。
 あわせて、当局の開発が計画どおり進んだ場合の総発電出力、さらに、その時点で予想される県内の自給率はどのようになるのかお伺いしたいと思う。

〇千葉企業局長 県内の電力自給率と今後の新規電源開発等についてのお尋ねであるが、まず、県内の電力自給率であるが、平成6年度の県内の総供給電力量は、数字を申し上げると74億1、000万キロワットアワーで、これに対して企業局を含めた県内で発電し、供給した電力量、これは県内であると水力がほとんどであるが、それが13億1、400万キロワットアワー、総供給量74億に対して県内の供給は13億ということで、ここ数年23%から24%あった自給率であったが、残念ながら昨年度は17・7%に落ち込んだという結果に相なった。昨年度は、御案内のとおり、夏場の猛暑によって県内の電力消費量が非常に多かった。ところが、逆に異常渇水によって、本県の大宗を占める水力発電の供給量が非常に少なくなったということが相重なって非常に低い自給率になったという結果に相なった。非常に残念な結果であるが、異常気象に影響されるのが水力発電であるということを痛感したわけである。
 そういう中で、今後の水力開発計画あるいは新規電源開発であるが、水力発電については純国産のクリーンエネルギーであるということで、国においても長期エネルギー需給見通しの中においても、今後とも一般水力については加速的に開発を進めるという数値を考えておる。それを受けて、資源エネルギー庁においても水力新世紀計画というものを策定して、とにかく水力発電については開発可能な地点については今後とも積極的に開発を進めていこうという方向を国は打ち出しておる。そういう中で、本県においてもこの国の趣旨に沿いながら、積極的に未開発地点の調査を行い、あるいは新しい技術の導入等によってコストダウンを図りながら、環境との調和にも配慮しながら、そういう経済性のすぐれた地点から順次開発をしていきたいということで取り組んでいるものである。
 具体的な計画であるが、現在、松川発電所については平成8年の秋の運転開始を目途に、現在、工事を進めておる。また、電源開発調整審議会、これを通らないと発電が着工を認められないので、この審議会を通ったのが3件あって、これについても順次、今後--ほとんどダムに乗っかっている発電所であるが--、ダムの構造に合わせながら工事を進めるという段取りで進めておる。
 そのほか、現在6カ所ばかり将来の開発に向けて調査を進めておる。その中で簗川については--これはダムに乗る発電所であるが--できるならば今年度中には電源開発調整審議会に上程をしたいということで、現在、作業を進めておる。いずれ、このほかにも県内全般にわたって発電の可能性調査を行いながら、新たな地点の観測等を進めながら積極的に発電に努めてまいりたいと考えておる。
 それから、開発後の総発電出力であるが、現在の水力発電所の発電出力は13万4、150キロワットであるが、現在、電調審を通ったもの等を含めると、将来完成すると16万4、000何がしになるものである。
 それから、開発後の県内の電力自給率の見通しであるが、これについては、電気、電力の消費量というものは毎年県民の生活水準の向上等によって、特に民生の電気が非常に毎年伸びておって、したがって、私ども開発してもまた需要が伸びるものであるから、将来どういう結果になるのかは今の時点ではなかなか予想することは難しい。また、天候の要因もあるので難しいなというふうに思っておる。

〇谷藤委員 いずれにしても、かなり将来的にも需要というのは相当伸びていくと想定すれば、まだまだ岩手県の場合、そういう調査、検討していける場所がたくさんあるんじゃないかと思うので、その辺有力な候補地を選定されて、今後とも努力をお願いしたいと思うわけである。
 次に、工業用水事業についてお伺いする。
 先ほど村田委員の方からもいろいろ質問等もあって、かなりダブるところがあるのでちょっと省かせていただくところもあるけれども、非常に厳しい環境、これは景気動向にも左右されるのかなと思うところもあるけれども、工業団地に大量の水を使う企業を誘致してこなければならないということがあるわけであるけれども、その企業がなかなか出てきにくい環境にあるのかなと思ったりもするけれども、ただ、だからといってあきらめてじっとしているわけにもいかないだろうと思う。かなり努力されている姿には敬意を表するけれども、今後とも大量に水を使っていただけるような企業に来ていただく努力も頑張ってやっていただきたいと。せっかくパイプラインなりを引いて、それなりに工業団地の中に設置してあって、いつ企業が来てくれるのかなと待っているパイプもあるんじゃないかと思っているので、何とか頑張って利用していただけるようにお願いしたいと思うわけである。
 非常に厳しいわけであるが、特に第二北上中部工業団地、工業用水の事業であるけれども、水源を入畑ダムに求めたということで、約52億ものダムの負担金の70%を起債により支払ったということ、この元金償還が多額に上ることが大きな厳しい状況になっているんじゃないかと考えられるわけである。ただ、これらの事業は、本県の生産高の増加や県民所得の向上を図る意味からも政策的な観点で工業用水事業を創設されたのであろうから、一概に中身をどうこうと、数字だけを言うわけにもいかないかと思うけれども、いずれ水をたくさん使っていただく企業を誘致してこなきゃないという現実は間違いなくあるんだろうと思う。そういうことで、知事部局や市町村との連携が今までどうであったのかということをお伺いしたいと思う。
 また、経営健全化計画の達成の見通し、これは先ほど村田委員のお尋ねになった点とダブるわけであるけれども、非常に厳しいのではないかと思っている。先ほど一般会計からの補助金の話もあったけれども、条件が整えば補助金の増額要請は考えられないのかということもあわせてお伺いをいたしたいと思う。

〇千葉企業局長 工業用水道事業関係についてのお尋ねであるが、まず、企業誘致については、これは本県における1つの大きな工業振興あるいは県民所得の向上なり雇用の創出なり若年層の県内定着という大きな命題のもとに進めているわけで、私ども工業用水の供給もその一翼を担う立場で現在この事業に取り組んでいるわけである。そのために、知事部局とか市町村との連携であるが、県においては、企業誘致については知事部局本庁あるいは東京事務所に専門の担当課を設けて、また、所要の職員を配置し、また、関係市町村においても所要の体制を整備して積極的に本県への誘致を展開しているわけである。私ども企業局においても、工業用水というのは企業誘致の立地条件の1つであって、水、上水、工水、土地、労働等をセールスポイントにしながら誘致を進めているわけである。そういう立場で、私どもも県あるいは市が実施するいろいろな各地域での企業立地フェアなり、あるいは工業団地の分譲を進める会等にも参加しながら、私どもの工業用水の実態を申し上げ、関係者ともども企業誘致に向けて相携えて事業を展開しているというのが実態である。
 そういう中で、経営健全化計画達成の見通しであるが、これはおかげさまで自治省の指定を受けて計画を策定して、それに向けて、現在、積極的に取り組んでいるわけであるが、これを達成させるためには、何といっても未売水を少しでも解消するというのが一番の命題で、それを私どもだけでなく、県を挙げて取り組んでいるわけであるが、今のところ計画の達成見通しについては、一般会計の繰り入れとか、あるいはある企業の建設負担金の協力であるとか、あるいは経費の節減であるとか、あるいは水需要拡大についても平成3年度に比べて増量は幾らか見ておるので、そういう面で努力をしながら今までやってきているわけで、あるいは繰り上げ償還金というもの、高率の企業債を償還するとか、あるいは高率の起債というものを借換債でまた低い起債に置きかえるとかということもやっておって、今のところは平成6年においては計画の数字に対して下回っているという形で推移しているという傾向である。ただ、何回も言うけれども、やっぱり水を売らない限りにおいてはどうしてもこれは改善されないので、今後とも企業誘致担当部局と連携を図りながら、何とか水需要の拡大に努めてまいりたいというふうに考えておる。
 それから、一般会計からの補助金の増額は考えられないのかということであるが、現在、経営健全化計画に基づいて一般会計から企業債の利息について不足に対する補助金を繰り入れしているわけであるが、これは、いずれ自治省の定めた基準に沿って繰り上げをいただいているわけで、まずもってこの期間中に何とか今の仕組みの中で計画を達成したいということで努力しておるので、今後、増額要請については、今のところは今の計画を何とか達成したいという気持ちでやっておるので、御理解いただきたいと思う。

〇谷藤委員 そういうことで、いずれ基本的には水を使っていただく企業を頑張って引っ張ってくるということしかないんだろうと思う。ただ、先ほども出ていたけれども、高い利率で借りているものを低いものに変えていくということ、繰り上げ償還をしていくということ、これらのことも昨年度に続いて今後も積み重ねていくという努力が必要だろうと思うわけであるが、そのようにお願いをしたいと思う。
 次に、新たな事業への取り組みということでお伺いするけれども、地方公営企業の事業は、全国的に見れば平成5年度末で事業数にして1万35、種類も相当数に上っていると伺っておる。水道、工業用水、鉄道、電気事業など、いわゆる法定7事業のほかに工業団地造成、休養宿泊施設、ゴルフ場、スキー場、キャンプ場など、レクリエーション・スポーツ施設、水族館、博物館などの教育文化施設、さらには留学生向けの宿泊整備など、住民のニーズの多様化、高質化を背景として経営形態が多様化する傾向にあると伺っておる。したがって、今後とも地域住民の福祉の増進を図るためにも地方公営企業の積極的な活用が求められていると思うわけである。先ほどからいろいろ制約等はあるやのお話もあったけれども、可能な範囲のところで積極的にいろいろな事業を手がけていく必要があるんじゃないかと私は考えておるわけである。そういうことで、ぜひいろいろな事業を今後も検討していただきたいということを要望しておく。
 そこで、以前から盛岡駅の西口に企業局会館の予定というものがあったわけである。ところが、なかなか前に進まない。私は何度も予算委員会なりいろいろな機会、予算とか決算とかでやってきたけれども、もう随分たつなと思っている。平成4年に取得しているわけである。その段階からいろいろ計画もあって内部的には検討されてきたのだと思うけれども、最近のマスコミというか、新聞を見ると、何か強烈な表現が最近出てきているなと。一等地活用霧の中、会館断念後の策なし、模様眺めに終始とか、表現が時間がたつにつれてだんだん厳しい表現を使うようになってきたんじゃないかなと思っているけれども、私もどちらかというと駅の西口に近い方に住んでおって、地域の方々からあそこに随分広い土地を企業局では取得したけれども、何を考えているんだろうとよく聞かれる。聞かれるけれども、私も一生懸命聞いているんだけれども、さっぱりまとまった話が出てこない、こういうことで、その方々にも答えようがなくて実際困っているわけであるけれども、今までいろいろ検討されてきた部分があると思う。それらをひとつお知らせいただきたい。実際には一生懸命頑張って考えているんだろうと思うけれども、それがなかなか表に出てこないということで、地元の方々にすると何にするのかなと。あのままずっとぶん投げておくわけじゃないだろうなというような声も随分上がってきている。盛岡市としても、西口の開発については地域交流センターが平成9年のオープンということであるし、交通広場とかアーバンモールの整備もかなり具体的になってきている。そういうことで、北東北の拠点都市を標榜する盛岡市の玄関口にふさわしい新都心づくりをしていかなきゃならないわけである。西口開発の中に企業局が用地を求めたのは、別に西口開発を意識してどうこうということではなかったかもしれないけれども、これはあくまでも清算事業団との、国鉄の方との関係があって取得したのかもしれないけれども、9、000平方メートル、減歩された後それぐらい残るのである。当初は1万7、600平方メートルということで大体14億で購入して、その後大体半分ぐらいに減歩されて換地されるわけであるけれども、それなりの超一等地である。その活用をぜひ取り組んでいただきたいが、今までどういう取り組みをしてきたか、まずお伺いをしたいと思う。

〇千葉企業局長 企業局の取得した土地の活用方法についてであるが、この問題については、私でちょうど3人目の局長ということに相なるわけであるが、いずれこの件については県議会においてもさまざま議論をちょうだいした。また、今、お話あった新聞紙上においてもいろいろと取り上げられたということは承知しておる。経過はともかくとして、いずれ当初の構想というのは、非常に採算性とか競合性等が問題になって見直しをするということで現在まで至っているわけであるが、この検討については、私ども、あそこの西口というのはとにかく駅のすぐそばであるから、新聞では一等地という言葉、まさしくそのとおりで、余りに立地条件がよ過ぎるというか、そういう条件下にあるので、何でもかんでも施設をつくればいいというものではないなということが一番頭に置くことである。しかもまた、当然のことながら、県は公共性なり採算性というのは必要条件であるし、さらに周辺の民間施設との類似、競合を避けるということも大前提であるから、どうしても検討の間口というのは非常に狭まってくるということもある。そういうこともあって、今、さまざま県政課題を含めて検討しているわけであるが、ただ、検討するに当たっては、例えば県内にとらわれないで広く交流できるような施設がいいのかなということも、今、考えておるし、あるいは新しい情報媒体であると言われているイベント、これも1つの情報媒体というとらえ方があるようであるが、そういうイベントの開催をできるような施設を何とか取り入れてみたいなと。また、駅前であるから、にぎわいを持った、新しい魅力となるような施設、それを何とか取り入れてみたい。さらには、駅前であるから、駐車場の問題が出てくる。あそこの駐車場について、私どもとしてもそういう面での対応を考えてみたいなということ等々を含めながら、今、検討しておる。
 また、他県等もいろいろ検討をし、調査をし、やっておるが、駅前における1つのにぎやかさの中には、百貨店なりあるいはホテルなり、さまざまあるが、中には市民の集まる市場というものを駅前につくっているところもある。そういう面の取り組みもまた非常にいいのかなという気持ちを持っておるし、また、例えば盛岡駅新幹線、次は終着盛岡駅だといった場合、両側に川が見える。駅のそばに川があると、よく私も聞くことがあるが、であれば、川をおりて緑があってもいいのかなという感じがしないわけではないが、それぞれもろもろのことがあって、なかなか絞り込めない実態である。また、他県のJRの土地を買った跡地の利用についても、駅前の民間を含めた複合施設を計画したけれども、民間が全部撤退したということで、計画が宙に浮いたというところもあるし、そういうこともあって、あとは県政課題の中で何がいいかということになるわけであるが、これはそれぞれ関係部局とも個別に協議しながら、今、やっておるし、ちょうど今、後期の実施計画を策定しておるから、何とかその面での部局との連携を深めながら、あそこで一番いい、ふさわしい、後で後悔することのないような施設をつくっていきたいということで、今、誠心誠意努力している段階である。

〇渡辺委員長 議事進行に御協力を願うよう、簡潔明瞭に、質疑、答弁ともお願いする。

〇谷藤委員 大分時間も経過した。
 要するに清算事業団から取得して、平成9年3月までに具体的に利用計画を出さなければならないというような約束事のもとで購入した経緯があるわけである。平成9年の3月までに具体的にしていくという期日が大分迫ってきているわけである。そういうことを考えると、企業局自体で単独でできる場合は内部検討で結構であろうけれども、なかなかこれだけのものは厳しいということになれば、知事部局との連携を相当深めて、早期に成案を得るように頑張っていただかなきゃない段階にもう入ってきているんだろうと思っておるわけである。そういうことで、先ほど3県総の後期実施計画の中にどういうふうに位置づけていけばいいのかという話も出たけれども、その辺も含めて、いつまでに大体企業局でやれるのかやれないのか、知事部局との中でやっていかなきゃないという、どっちかにはっきりしなきゃない時期が来るんじゃないのかなと思うけれども、その辺の決意、もう3代目の企業局長であるから、そろそろ決める段階だろうと思うけれども、いつぐらいをめどに頑張ってやっていくつもりか最後にお聞かせいただきたい。

〇千葉企業局長 成案を得る時期はいつごろかと、その決意ということであるが、私は、とにかくできるだけ早い時期に何とか成案を得たいというような気持ちである。当該地区の土地区画整理事業による街路整備事業を初め、交流センター等の主要な施設については平成9年から10年にかけて順次完成するということになっておるし、できるならばそういう期間内には何とか成案を得、施設を建てたいという気持ちでおる。
 ただ、先ほど清算事業団との話があったが、清算事業団においては、私どもが土地を買った後にかなり土地売買の条件を緩和しておる。ということは、清算事業団は土地が売れないものだから、売買条件をかなり緩和して、したがって、まず土地を買うのは自由であると。土地を買った後に、土地購入後10年以内に計画を策定すればいいと。私どもの場合は計画をつくって、土地を買って5年以内につくれと。ところが、そういうことでかなり事業団も焦っている面があって、したがって、その面で事業団との今後の変更協議については恐らく弾力的に対応してくれるものというふうに思っておる。実態はそうであるということで、私どもは、いずれ何とかほかの事業の進捗に合わせて、何とかそれと合わせるような形で推進していきたいという気持ちである。

〇谷藤委員 柔軟に対応するようになった、それはゆっくり計画を立ててもいいよというようなとらえ方で、のんびり構えてこれからやろうということでは、西口の開発も今後急速に進んでいくだろうと思うけれども、なかなか民間の活力を地域に導入しようとしても、野っ原みたいなところに地域交流センターはぽんとできるけれども、そのほかに公の施設のある程度のものがあって、そこに民間がまちづくりの中に入ってくるという形がどうしても必要なわけである。その先導的役割も相当期待されているわけである。周りの環境ができた後にのんびり私らもそこに出ていこうという発想では、ちょっと県として期待されているものにこたえていないんじゃないか。県民はいち早く構想を立てて着工してほしいという思いがあるわけである。それにこたえていく努力を今後とも積極的にやってほしいと思う。

〇菊池(雄)委員 ただいま、特に村田委員からお話があったが、電気事業会計については平成6年度、渇水のために目標電力量に対し達成率が77・4%と、22・6%も下回った。監査委員会の財務分析でも総収益対総費用の比率が前年度に比べて3・9%も下向したということになっている。しかし、財務の内容は依然として健全であると思う。しかし、これからの企業局は、ある意味において非常に重要な役割を果たさなければならない時代に直面していると思うので、したがって、可能な限り内部留保をふやして新しい事業の開拓に備える必要があるんじゃないか。そのためには、まず、売電単価を引き上げるべきである、こういうふうに思う。先ほど電力会社からいろいろな配慮があったという当局のお話があったけれども、今の売電単価は、私は率直に言って安いと思う。計算のルール上、新しい発電所の電力が高い、そして古い発電所の電力が安い。これは発電所の減価償却費用等によると思うが、東北電力でも福島が20円31銭、秋田が10円14銭、岩手が8円37銭、安い、アンバランスである。他の電力会社でも、8電力のうち4電力は平均10円以上である。今、私ども普通の家庭でも、電力料金はいろいろ段階があるけれども、約25円から27円ぐらい。中小工場の電力料金も20円ぐらいではないだろうか。それに売電する卸売の立場では、少なくとも小売値段の半分ぐらいの値段でも市場の独占力を持っている電力会社は十分採算がとれるんじゃないか、こういうように思うが、現在の算定ルールを含めて、卸売単価を引き上げることを関係自治体ないし卸売事業者が連携して実現を図るべきではないか、こういうふうに思うが、いかがであろうか。

〇千葉企業局長 電力会社に対する売電単価についてのお尋ねであるが、売電単価については、現在、公営電気事業者電気料金算定要領、これは通産省の内規であるが、これに基づいて、原価としては減価償却費あるいは人件費等の営業費あるいは固定資産等所在市町村交付金、さらに、事業報酬としての減債積立金等を加えた金額を総括原価ということにしておって、これを供給電力量で割ったものが売電単価ということになるものである。
 本年4月1日現在、岩手県の売電単価はキロワットアワー当たり8円37銭と。これは全国の公営電気の中でも安い部類に入るということである。ただ、他県比較で、単価が安い、高いという比較論になるわけであるが、これはいろいろな発電のコスト等の相違があって、発電規模が出力が大きい、小さいによってコストが違ってくるし、あるいは発電所の建設時期、古いもの、新しいものによっても減価償却等の関連で違ってくるし、人件費等の要素もあるので、そういう形で各県の売電単価が異なっているというふうに見ているものである。ただ、他県の単価というか、電気事業の経営の中身を見ていくと、単価が高い事業者が経営的に安定しているとは決して限っていない。むしろ本県のように発電の規模が大きくて、経営が安定している事業者の方は全国平均よりも単価が安いというのが実態である。
 そこで、売電単価の引き上げについてであるが、これについては従来から料金算定要領の中で実情に合わないものが多々あって、例えば退職給与引当金の織り込み率が非常に低い、これをもう少し上げてほしいとか、あるいは修繕費の織り込みの率が非常に低いのでこれを上げてほしいとか、そういうことがあって、全国の34事業者でつくっておる公営電気事業経営者会議というものを通じて電気事業連合会に申し入れをしてきた経緯がある。ただ、これもなかなか電気事業連合会もシビアな対応であって、まだまだ実現しない向きがあるけれども、いずれそういう形で要請をしてきたというのが実態である。ただ、最近になって公正取引委員会から、事業者団体が価格等を団体交渉決定することは独占禁止法に抵触するおそれがあるという見解が示されて、したがって、私どもの組織である公営電気事業経営者会議を通じての電気事業連合会に対する各面の交渉は非常に問題があるのかなという感じを持っておって、いずれ今後とも、しかし、原価に合わないようなものについては全国の公営電気事業者会議の中で十分議論をしながら、場合によっては直接の指導官庁である通産省へ申し入れをするという形で対応していきたいというふうに考えておる。

〇菊池(雄)委員 電力料金というものの算定について、通産省、その他のいろいろな算定ルールについてお話あったけれども、今まで総括原価主義というのが電力料金の算定基準の根本的な概念だと、こういうように言われてきたが、しかし私は、総括原価主義というのは、これは長くなるけれども、短くすると、経済用語とかそういうものの中で、能率的な経営を前提とした原価に適正な予定利潤を加えたものを総括原価と呼び、それをもって運賃、料金の基礎とする方法を総括原価主義というと、こういうふうになっているわけである。このポイントは、要するにかかった経費に8%なりあるいは20%なりの利潤を追加して、そして料金を決めるというのが総括原価主義なのである。卸売、特に水力発電所の卸売業者としての値段というのは、私は別だと思う。御承知のとおり、水力発電をさせる多目的ダムというのは、県民の貴重な山林とか農地あるいは居住財産の犠牲の上につくられたものだと。そのときは金をもらったからいいんじゃないかと、こういうことになるであろうけれども、そんな金はもうなくなっている。昔、さらば湖底の我が村よなどという歌があったけれども、そういう悲哀が込められているわけである、水力発電所をつくっているダムというものには。全部が全部というわけではないと思うけれども。古くなったから安くしてもいいんだというのでは、私は理屈が合わないんじゃないかと。局長、今、いろいろ交渉していると。そういう考え方の中に、そういう水力発電の歴史的というか、民俗的というか、そういうものも入れて交渉してもらいたいということを特に強く要望したいと思うが、いかがであろうか。

〇千葉企業局長 ダム等による犠牲の対価について電力単価に反映したらどうかということの御趣旨のようであるが、これは、心情的にはわからないことはないが、当初のダム建設費、ダムをつくる際に補償費というのが計上されておって、したがって、それに基づいて既に支払いが済んでいるわけであるので、新たにこれを今後、原価に織り込むということはなかなか難しいのではないかというように思っておるので、御理解いただきたい。

〇菊池(雄)委員 そういう個別の問題じゃなくて、今はそうでもないが、戦争中なんかは無理無理安い値段で追っ払って、そしてダムをつくったという歴史もあるわけだから、そういう悲哀が込められているんだということも念頭に置いてやってもらいたい。その根底にあるのは、要するに私は、電気事業はもうかると。もうかるといっても、これは当然なのである。既にそういうものがつくられて、そして電力が、古い発電所だからといって悪い電気ができるわけではない、電力はみんな同じなんだから。
 委員長、時間が迫ってきたので、申しわけないが、どうせまだ10分か20分あるから、ここらで区切ってお昼にしていただきたい。

〇渡辺委員長 菊池委員の質疑中であるが、この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時56分 休 憩
 
   午後1時4分 再 開

〇浅井副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 企業局関係の説明に対する質疑を続行する。
 質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力を願う。

〇菊池(雄)委員 先ほど来、企業局の新規事業についていろいろ御質問があった。私も質問を申し上げるが、しかし、これはなかなか企業局だけでは、やるとかやらないとかという決断を下すわけにはいかない問題もあると思う。知事とか知事部局、そういったところにも我々も機会を見て申し上げたいと思うが、やっぱり電力であるけれども、電力はまず2次エネルギーとしてそのシェアが増大をしてきておる。ハードエネルギー、石油とか原子力とかそういう化石燃料や原子力というものは、資源的にも、また、地球的規模の環境の上でも限界に来ていると思う。したがって、企業局は水力だけでなく、多面的にソフトエネルギーの開発に先進的な努力を傾注していくべきではないかと、こう思うがいかがであろうか。

〇千葉企業局長 ソフトエネルギーに対しての企業局の取り組みであるが、今委員の御指摘のとおり、石油代替エネルギーの導入については、私どもも環境面を配慮しながら積極的に導入を図るべきであると考えており、地域に密着したエネルギーであるがために、私どもも今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇菊池(雄)委員 今局長からもお話しあったように、ソフトエネルギーは単にエネルギーとしての使命だけではなくて、別名ローカルエネルギーとも呼ばれておるように、地方とか都市そのものを変えるということにもなると。今の過密過疎、こういったものを変えて特に岩手県のような過疎地を活性化させる1つの方法ではないかと、こう考えるわけである。それで、何といっても第1に水力発電の問題であるけれども、これは谷藤委員から質問があったので省略する。
 第2に、風力とか波力、潮力、バイオマスなど、今すぐ採算がとれなくても積極的に取り上げて実現を図るべきではないかと、こう思うがいかがであろうか。

〇千葉企業局長 風力発電など、採算がとれなくても積極的に取り組めということであるが、ちょっと私どもの立場でいくと、採算がとれないというのはちょっと気になるところがあるが、いずれ新しいエネルギーについては国の動向もそういう方向にあるし、私どもも地域の活性化なり地域に立脚したエネルギーであるので、積極的に取り組んでまいりたいと思っておる。
 風力発電については、昨年度以来、県内の3カ所においていろいろ調査をやっており、現在、その調査をもとに今後の方向づけを検討しておる。それから、ごみ発電についても、特にごみ固形化燃料についてはごみ資源の再生利用あるいは環境にすぐれた特性があるので、今後とも積極的に導入すべく、現在、調査検討を進めている段階である。

〇菊池(雄)委員 すぐ採算がとれないというのは、永久に採算がとれないということじゃなくて、すぐ採算がとれなくてもだんだんに採算がとれるようになると、それを先行的に投資してやるべきではないかと、こういうことであるので、よろしくお願いを申し上げたいと思う。
 それで、次に工業用水道の健全化計画についてお尋ねをする。
 これは既に前の方も質問いたしておるので、私からは一般会計の繰り入れに関する事項として、企業局の自助努力だけでは経営の健全化ができないその部分について一般会計から繰り入れを求めると、これ、具体的にどうなっているのかということについてである。 平成6年度、一般会計から補助金として1億5、000万円、出資金として2億4、000万円、約4億の繰り入れがある。これは企業債の元利支払いに充当されているものであるが、もしこの措置がなければその分赤字が上乗せをされると、こういうことになるわけである、当然。約4億5、000万の赤字になると。累計では、平成3年から平成6年までの繰入金の累計額が約14億であるから、今の累積赤字が約13億を加えると約27億の赤字になると、こういうこと、私の計算であるがいかがであろうか。

〇千葉企業局長 一般会計の繰り入れの問題については総務課長から、ただいまの赤字の額については経営管理課長から答弁をさせる。

〇小野寺総務課長 一般会計の繰り入れの内容についてお答え申し上げる。
 工業用水道事業の経営健全化対策として、一般会計からの繰入金については、施設の建設費に係る企業債の元利償還金の支払いに要する経費については、水需要の開拓等による収益の増加、または経費の節減を内容とする経営の合理化、さらには料金の規制化等の措置を講じても、それでもなお不良債務が生じるというその額を限度として、企業債元金の償還金及び企業債利息に対して、それぞれ出資金あるいは補助金として一定のルールに基づいて繰り入れしているものである。
 なお、先ほど来局長からも申し上げているように、一般会計の繰出金については、財源措置としてそれぞれ2分の1の特別交付税の処理がなされているものである。

〇伊東経営管理課長 赤字の額であるが、欠損金については、収益的収支において、総費用に対し総収益が不足する場合に生じるものである。仮に平成3年度から6年度までの補助金5億4、700万円余であるが、それがないものと仮定すると、平成6年度末未処理欠損金12億7、600万円余に当該補助金相当額を加えた18億2、300万円余が累積欠損金となるものと考えておる。

〇菊池(雄)委員 私の方が計算がちょっと少ない、もっと高くなると、こういうことである。
 今、企業局の工業用水道の経営にとって一番厄介な問題は、水源費の中で北上川等から取水をする場合、その量に応じて新規用水の確保と新たな水源確保が必要であり、そのため第二北上中部工業用水の取水のために入畑ダムを建設し、そのアロケーションとして52億余円を負担したと。国庫補助を除いて起債をもって建設省に支払って、今その企業債を償還しているわけである。早池峰ダムは第三北上中部工業用水道に対応するため、同じく20億のアロケーションを負担しなければならない。これらの元利償還も、一般会計から繰り入れによって賄われると思うが、いかがであろうか。

〇千葉企業局長 ただいまのダム負担金に係る元利償還についてのお尋ねであるが、元利償還については経営健全化計画の自治省の定めた繰り上げ基準に従って、それぞれの経営の実態に応じて毎年度財政当局との協議によって、一般会計からの繰り入れを受けているものである。

〇菊池(雄)委員 古い話を申し上げて大変恐縮であるけれども、昭和52年12月の一般会計を審査する決算特別委員会、それから昭和53年3月の予算特別委員会、いずれも七、八年前の話であるけれども、(「十七、八年前。」と呼ぶ者あり)失礼した、十七、八年前の話であるが、入畑ダムの工業用水のための水源費の負担金、つまりアロケーションの支出をめぐってかなり激しい議論をした。ここに議事録があるけれども、結論的に言うと、県はこのアロケーションを当初一般会計の企業総務費から支出すると、こう予算措置をしておった。これに対して私は、この措置は、地方財政法第3条にある合理的基準によってその経費を算定し、これを予算に計上しなければならないという条項、つまり合理的基準というのは、第6条にある公営企業の経費負担の原則、この法令の説明の中に、住民に対して提供する財貨またはサービスが特定の個人に帰属する場合、その経費は受益者が負担すると。つまり、一般会計から負担をするような予算措置をしてはならないと、これが地方財政法にあると。したがって、この支払いを一般会計から負担をするというのはおかしいんじゃないかと、こういう主張をした。そして入畑ダムそのものが治水ダムとして発想されたと、こう言っておるけれども、それは工業用水を北上川から取水するためには建設省の許可が必要であると、その許可を受ける条件として新たな水源確保の措置、つまり治水ダムの建設が必要であるためにこれを建設したんじゃないかと、こういうことをただし、そうなると治水ダムは県営ダムであるから、その建設費の負担も工業用水のために負担をするということになるんじゃないかと。これに対して当時の議事録にもあるが、青木副知事は、治水のために必要なダムとして発想したと最初は言っておった。しかし、いろんなやりとりの中で、最終的には、当初は実は北上川からの取水が簡単にできると思っていたが、なかなか難しいということで工業用水道取水のために始めたと、こう答弁をしているわけである。また、予算措置については、当時総務部長の高橋盛吉氏、それから企画調整部長の田沢文雄氏は、一般会計で措置するか工業用水道事業会計で措置するかは、情勢を見て考えるとかあるいはこれからの検討課題であると。最後に杉山副知事は、将来、企業会計に移すという答弁をした。こういうふうに食い違いがあったわけである。これほどこの事業は最初から問題があったわけである。その後、この負担金は工業用水道事業会計に移ったわけであるが、その後、後始末は結局一般会計で、いわゆる健全化計画の一般会計からの繰出金と、企業にとっては繰入金であるが、これがポイントじゃないかと、この健全化計画の、そう私は思うがいかがであろうか。

〇千葉企業局長 工業用水道事業の経営健全化計画のポイント等についてお話があったが、ただいまは、以前、県議会等において菊池雄光委員が熱心にこの件について議論されたということは私も承知しておる。また、ただいま過去のいろんな経緯を踏まえて御質問をちょうだいしたが、答弁が簡単になって恐縮であるが、いずれ工業用水道事業というのは、地方公営企業法上の法令適用事業とされておることから、工業用水道事業設置条例を制定して企業局で特別会計により、企業会計により事業を行っているものである。そういう中で、なかなか経営が思わしくないということから、自治省の指導に基づいて経営健全化計画を策定して、現在、経営の健全化に努めているところである。

〇菊池(雄)委員 私、この問題は例の岩手開発の進めようとしている工業団地造成があの当時、今で言うとバブルの崩壊であろうか、日本列島改造の失敗によって三井、三菱、住友という第3セクターの相手方が逃げてしまったと。その後始末をしなければならないという状況の中でこの問題が出てきたわけであるから、それを追求する中でこの問題を追求していったわけである。今おられる皆さんは全く関係ない、あの当時の方々ではないが、いずれそういう非常に私から申し上げると、あの当時、違法な予算措置などもしようとした経過があるということだけはぜひ御記憶をしてもらいたいと。結局、そういう--しかし違法な予算措置ができないから工業用水道会計に移したと、移した会計が莫大な借金を背負ったと。つまり、一般会計から予算措置できないから、結局、工業用水道は企業債を借りて払ったと。その企業債の借金を今度は一般会計から繰り入れると、こういうことであろう。ちょっと回りくどいけれども、結論は同じである。そういうことじゃないかと私は思う。私は最初から、このアロケーションを工業用水道事業会計で負担するということは困難であると考えてきたものであるが、平成10年以降、健全化計画が終わってもこの借金はまだかなり残るわけである。大体平成31年までだそうであるが、このアロケーションの借金というのは。そうすると、20年間以上残るということになるわけである。それに早池峰が加わるということになると、この事業計画の上に大きな負担になるんじゃないかと。つまり、10年で健全化計画が終わるわけであろう。終わると、一般会計から負担が入ってこなくなるわけである。要するに、今まで企業債を払っておった原資がなくなるわけであろう。そうなってきた場合に、一体、工業用水道会計はどうなるのであろうか。

〇千葉企業局長 経営健全化計画の終了後の企業債の償還金等の負担等についてお尋ねであるが、最終年度が平成10年度ということであり、その時点におけるダム負担金、それから私どもの発電所の建設に要する建設費の企業債残高については、平成10年度末で企業債残高は約75億円、それから、その利息については残高は約41億円という見込みを持っておる。いずれにしても今後の残り3年間あるので、3年間で極力未売水の解消に努めてまいる考えであるが、経営健全化計画終了後においては、これらの元利相当額については料金収入で賄うということになるものであるから、仮に水需要の伸びがないと資金不足を生ずるということが予想されるので、資金不足解消のために--現時点でこういうことを言うのはちょっと早計かもしれないけれども、その際には、現在の経営健全化計画期間の延長あるいは制度の延伸等について、場合によっては国に要望しなければならなくなるのではないかと考えておる。

〇菊池(雄)委員 私こう思う。平成10年になってとてもこの工業用水道会計は私は改善できないと思う。であるから、私、これサジェスチョンというんであろうか、私の考え方を申し述べておくが、1つとしては改善計画を延長すると、これは自治省の認可が必要だと。時限法か何かでやるのか要綱でやるのか私はわからないが、いずれにしても、改善計画を延長するということで自治省の認可を受けるというのが1つある。それから、これは財政再建であるから、財政再建というのは自主再建もあり得るはずである。例えば、今借り入れをしている、さっき御説明があったような膨大な借金があるが、しかしこれは一般会計から見ると、大したと言っちゃ何であるけれどもそれほど大きい借金ではないと。これをある時期繰り上げ償還をすると、こういったような措置をとるということが私は可能じゃないかと。そうしないと、私はこの工業用水道会計というものの借金は大きな負担として残っていくということにしかならないと、こう思うがいかがであろうか。

〇千葉企業局長 経営健全化計画との絡みでのお話であったが、いずれにしても、現在、補助金等の出資金を一般会計から繰り入れをしてもらっているわけであるが、自主的にやるということになると、出資金については地方公営企業法上問題ないわけであるが、補助金ということになると基本的には企業会計は独立採算性という観点から、ある程度縛りがあるわけである。したがって、一般会計を求めることは結構であるけれども、それに対しての一般会計の負担、つまり、負担をかけないで国の一般会計に対する財政措置があれば、一般会計も対応しやすいという条件がつくれるわけであり、現在の経営健全化計画においては、そういう国の財政措置もなされているということである。したがって、この10年以降においては、できるだけ一般会計のこれまた厳しい財政の中にあるので、できるだけ国の財政措置を導入しながら、そして私どものこの会計の経営安定に資するように、必要な場合に国に要望してまいりたいと考えておる。
 それから繰り上げ償還については、昨年度これは公営企業金融公庫の高利率について、約11億円ばかりの額について繰り上げ償還をいたしたわけである。今後は、公営公庫債だけではなくて、政府債についてもできるならばそういう道を開いてほしいということで、現在大蔵省とも協議をいたしている段階である。

〇菊池(雄)委員 いずれにしても、この改善計画が終了する10年以降のことを今の段階で考えておかないと、私はかなり行き詰まると思うので、これはぜひお考えになっていただきたいと思う。
 最後に申し上げるが、電気事業のように利益を出している会計、これは出資を行った会計に対して、株式の配当金に相当する納付金を納付しなければならないわけである。しかし、この場合の出資は一般会計から電気事業に対して純粋な出資というのは約500万であるから、わずかな全く納付金を納付する必要がないと言っても過言ではないと。したがって、その利益金が内部留保として固定負債の引当金、利益剰余金の積立金、当年度末未処理利益剰余金、損益勘定留保資金などで約65億ある、電気会計で。先ほど申し上げたように、これらの資金を新しいエネルギーの技術改革などに投資すべきであると私は思う。ただ、それは先ほど申し上げたように、企業局だけの決断では私は難しいと判断をするけれども、私が浪人時代、選挙途中で落選するから浪人時代、企業局ではいろんなトラブルやバブルに乗じた投資などが行われて批判をされたようであるが、いつまでもそのようなことで幹部や職員が萎縮していてはならないんじゃないかと、こう思う。企業局は、県の他の行政機関にない民間企業のような弾力的な発想と行動を持って時代の要請にこたえて、新しい事業や開発を行うことのできるセクションであると、こう考える。大いに元気を出して、新しい分野を開拓していただくように要請して質問を終わる。

〇菅原委員 企業局の売電単価について菊池委員の質問に関して質問するけれども、単純な質問になるけれども、この売電単価についてはいろんな今までも論議があったところであるわけである。減価償却の有無あるいは管理費、これらも関係するそうであるが、それらの状況によって決定をされると、こういうことのようであるけれども、一般企業では目的によって資本投下する。この目的に従って企業努力をして、利益を出して減価償却していくんだと、こういうことである。当然、減価償却期間が終われば、その設備が稼働していれば企業の利益が出てくるわけである。そんなことは当然で、企業なんというのはこれの繰り返しである。ところが、売電単価の方式はどういう制約かわからないが、先ほど話あったが、いろんな慣例とか行政指導があるんであろうか、そういうものによって制約をされるというのは納得できない、これ本当は。一般企業から見れば納得ができないと、こういうことである。であるから、これをやっぱり改正する方向に全力を投球していかないと、あなたの会社は、減価償却が終わったから利益出なくてもいいよという、そういう制約はおかしいと思う。目的はやっぱり企業努力によって利益を出すと、こういうことである。電力というのは我々生活で欠くことのできない、公共料金という中で決定されるということはわかっておるけれども、いずれ売電単価においてはそういう制約がなくなるような方向で努力しないと企業努力をする必要がないと、こういうことになってくるんではないかと、こんな感じがする。その辺に関して局長の所見をもう1回お聞かせを願いたいと思う。

〇千葉企業局長 今のお尋ねであるが、直接消費者に対する電気の供給は一般電気事業者、いわゆる電力会社であり、したがって、電力会社が極力自分たちの原価コスト、あるいは効率的な運営をやることによって、消費者に対する電気の供給単価との、できれば私も消費者の1人であるから安い値段で卸していただくと、これは私どもの願いである。ただ、私どもの立場から申し上げると、私は卸供給事業者、電力会社に電気を売って買ってもらう立場であるから、そうなると、私どもも当然に効率的な経営はやってはおるが、その中でかかるコストについては当然に売電単価に含めてもらわないと、その後の経営が非常に不安定になるものであるから、したがって、私どもの効率的な運営の中においても、かかったコストについては十分に電力会社に対する売電単価に反映させなければ、経営上、非常に将来に支障を来す問題があるので、そういうことで卸売の立場から申し上げると、私どもはとにかくかかったコストについては極力売電単価に織り込んでほしいという立場で、電力会社なり通産省なりにいろいろと要望なりをしているわけであるので、御理解をちょうだいしたいと思う。

〇菅原委員 そういう岩手県であれば企業局の要望、要請、要求によって改善をされてきたことはあるであろうか、単価の面で。

〇千葉企業局長 これについては先ほど申し上げた34の公営電気事業の事業主体があり、各事業体においても同じような共通の悩みがある。その中で1つには退職給与引当金、これについては織り込み率が非常に低い問題があり、やっぱり極力退職金を支払うに見合うような電気料金に織り込んでほしいということを常日ごろから要求しており、かなり前であるが、若干の改善は見られたところである。ただ、そうは言っても現時点においてはまだまだ乖離があるので、その点についてはいろいろと電気事業連合会あるいは国に対して要請している段階である。
 それから、維持費、修繕費については、かなり発電所が老朽化してきており、維持、改良に要する経費が非常にかかっておる。ただ、その織り込みのその中身を見ていくと、これまた非常に実態と合わないような基準になっており、これも非常に大きな問題であるので、これも国に対していろいろとあるいは電気事業連合会に対して要請をしており、これも以前にはある面では改善されたが、まだまだ実態の乖離があるので、現時点においても機会を見てそれぞれ電気事業連合会に要請をしている段階である。

〇菅原委員 わかった。いずれ頑張ってひとつやっていただくように要望して終わる。

〇船越委員 私は企業局決算については2点について御質問を申し上げたいと思う。
 まず第1点目は、電気事業の地域還元策についてお伺いする。
 そもそも電気事業は、直接的に住民にサービスを提供するものではないので、本県企業局としては自治振興基金や環境保全基金などの原資を一般会計に貸し付けるなどして間接的であるにしても、地域の振興や公共の福祉の増進のため努力なされているものと理解しておる。ただ、国の指導は、電気事業の利益は原則として発電所の新設や改良などに使用すべきものであり、現に他の事業への流失に歯どめをかけているのが現状であることから、なかなか地域還元の拡大については困難が伴うものと伺っておる。しかしながら、今後の水力発電の開発はますます地域住民の理解と協力を得ることが重要となってくることを考えるときに、地域還元についてより一層の工夫が必要ではないかと考えるのであるが、地域還元策の現状と今後の取り組みについてまずお伺いする。

〇千葉企業局長 電気事業会計の地域還元の現状と今後の取り組みについてであるが、電気事業は他の公営企業とちょっと違う面があり、地域住民に直接サービスを提供するものではないと。言うなれば卸供給という立場があるので、その利益を何らかの形で地域住民に還元することが求められている状況である。このような観点から、現在まで地域振興や環境保全のため、一般会計に対して自治振興基金あるいは環境保全基金の原資として、さらには環境保全対策の原資を一般会計に貸し付けることによって、間接的ではあるが地域還元を実施してきたところである。今後、水力発電を推進するためには何といっても地元の協力、理解というか、それが非常に大切である。したがって、地域と発電所の共生というか、地域共生型発電を実現することが極めて大切であろうというふうに考えておる。ちょうど本年度は私どもの企業局発足40周年という節目であるので、これを1つの記念にする意味合いからも、発電所所在の市町村が実施する環境緑化事業に対して、額は余り多くはないが、環境緑化事業に対して助成を行って、発電所周辺の自然環境保全あるいは自然環境の保護、あるいは地域住民の憩いの場の創生の一助にしたいということで今計画しておる。今後においても、県民の福祉の向上を図る観点から、時代の要請あるいは各県等の状況等も参考にしながら、地域還元策については積極的に対応してまいりたいと考えておる。

〇船越委員 よくわかった。
 2点目として、松川発電所建設事業についてお伺いする。
 私も2度ほど訪れたことがあるが、松川発電所は本県企業局の第11番目の発電所として平成4年度に着手、来年の秋には最大出力4、600キロワットアワーで運用開始の予定であると聞いておる。しかしながら、決算書の資本的支出の継続費逓次繰越額が6、356万円余となっているので、いささか工事の進捗のおくれが懸念されるのであるが、この要因と発電所の完成の見込みについてお伺い申し上げる。

〇及川業務課長 松川発電所の建設事業について、平成6年度の継続費の繰り越しの理由と今後の工程に影響がないかということであるが、先ほど委員がおっしゃったとおり、建設工事は平成4年度に工区を2つに、松川工区と焼切川工区に分けて発注し工事を行ってきたところである。それが昨年の9月30日に台風26号の集中豪雨により、焼切川工区で工事をしていた取水堰等が災害を受け工事がおくれたと。これにより、当工区で予定していた水槽工事の工事費が繰り越されたということである。繰り越された部分については、今年の7月に完成しておる。
 それから、これによって工程がおくれないかという御質問であるが、この部分の工事は、これができないと他の工事に進めないということではなくて、これはこれで単独でできたので、今年度の施工する部分は関係なくできるということで、発電所全体の工程は影響が与えられないということで、計画どおり平成8年の秋には運開の予定である。

〇船越委員 よくわかった。
 石油資源は有限であるということで世の中言われており、石油資源の繁栄はしかしながら最近言われているようにオゾン層を破壊しておると言われておる。本県は山また山の立地条件であるので、無害の、害を及ぼさないエネルギーが得られる立地条件を持っているわけであるので、今後ともに、水力発電所の今後の開発運営については特段の努力をしていただきたいことを申し上げて終わる。

〇折居委員 3点お伺いする。
 電気事業法の改定について、まず関連してお伺いしたいと思う。
 本年4月に、電気事業法の一部改正案が成立し、本年12月から施行されるとのことであるが、これは規制緩和の一環として発電市場に競争原理を導入し、コストの低減や効率化を推進することを目的としており、具体的には卸発電事業に係る許可を原則として撤廃、あるいは電力購入に関する入札制度の導入等により、卸発電事業の自由化などを図る内容であると伺っておる。電気料金の内外価格差が問題となっている今日、これによって電気料金の引き下げが実現するのであれば、消費者の立場からは大いに歓迎すべきものと思う。しかしながら、中小水力発電を担う地方公営企業の立場から見れば、改正前の電気事業法で許可されていた卸電気事業者としての立場がなくなるなど、企業局の経営にも少なからず影響が出るのではないかと思われるが、まずこの点について御所見をお伺いする。

〇千葉企業局長 電気事業法の改正による経営の影響についてであるが、今回の電気事業法の改正の大きなポイントとしては、競争原理の導入あるいは保安設備等における自己責任原則の明確化等となっており、また卸電気事業の許可を原則廃止すると。私どもも卸電気事業者になっており、これは許可をもらってやっているわけであるが、今後は卸電気の許可も原則廃止すると。つまり、卸供給に自由に参入できる道を開こうと、これは規制緩和の一環として改正されたようであるが、そういうことで、特に電力会社においては、入札制度を通じて自由に電力を購入できる仕組みを構築したというのが大きなポイントではないかと考えておる。
 こういう中で、公営電気事業者に与える影響であるが、従前は公営電気事業者は卸電気事業者と、一般電気事業者というのは電力会社、私どもは卸電気事業者、そういうことで許可を受けておったわけであるが、それが新しい法律では撤廃されるわけであり、したがって、新しい制度で卸供給事業者と、電気という言葉はなくなる、卸供給事業者ということになり、特に問題としたのは、電気事業法に規定されておる電気事業者に公益特権として与えられておる土地等への立ち入りであるとか、あるいは道路法に規定する道路占用の特例等のいわゆる公益特権、これがなくなるということで非常に私ども危惧をいたしたわけである。これについては、公営電気事業連絡会議等を通じて国にいろいろ要請した結果、その特例として附則で経過措置がとられ、既設発電所等については、本年12月に予定されておる法律の施行前に電力会社との電力需給に関する基本契約を締結すれば、今後15年間は卸電気事業者としての取り扱いを受けることができると、つまり、従来どおりの公益特権が保持できるということになったものである。したがって、今後早期に基本契約の締結を進め、卸電気事業者としての位置づけを得ることによって制度の活用を図ってまいりたいと考えておる。
 なお、今回の改正に伴う入札制度等が導入された水力発電等については、従来どおり総括原価主義に基づく料金の認可制度が引き続き提供されるということになっておる。

〇折居委員 次に、電気料金の改定についてお伺いする。
 現在、東北電力に卸売している電力料金は、1キロワットアワー当たり8円37銭であるが、来年4月には2年に1度の料金改定があると聞いておる。次回の料金改定交渉は電気事業法の改正後初めてのことでもあり、東北電力からは今まで以上に厳しい対応を迫られるのではないかとも考えられるが、料金改定に当たってどのように取り組んでいくおつもりなのかお伺いする。

〇千葉企業局長 電気料金の改定に当たっての取り組みであるが、先ほど申し上げたとおり、水力についてはこれは地点ごとの開発コストやリスクに大きな差があり、したがって、火力のような競争入札になじまないということから、従来どおりの原価主義に基づく料金認可を行うとされたものである。そういう中で、電力会社というのは今回の法改正に伴って、以前よりもコスト低減に向けた効率的な経営が求められるということがあるので、公営電気事業者に対しても恐らく今後はシビアな原価要求をしてくるのではないかと、料金交渉に非常に厳しい姿勢で臨んでくるのではないかと予想されるので、私どもとしては効率的な経営に努める観点から、必要なコストについては売電料金に十分反映されるように努めてまいりたいと考えておる。

〇折居委員 次に、風力発電についてお伺いする。
 風力発電については、各地において電力会社を中心に三十数基程度設置されているとのことであるが、経済性の問題などから、ほとんどが実証試験中の段階のようである。高知では、県の企業局が既にこれに取り組んでいるそうである。このような状況の中で、東北電力では92年3月から、青森県の龍飛崎に275キロワットの風力発電施設5基を設置し運転開始しておる。東北地域に適した風力発電システムの構築を目指して、機器の信頼性、経済性、発電特性、環境問題などについての実証試験を行っているとのことであるが、本年9月、さらに5基を増設して風車台数や設置位置の違いによる出力の安定性、風車相互の影響把握、地形や気象条件に合った設備の改良、検証など、あるいはコストの低減策の検討、耐用寿命の把握等と、実用化に向けた試験研究が進められていると報じられておった。風力発電は波力や太陽光などとともに、クリーンな石油代替エネルギーとしてその技術開発の推進が大いに求められておる。本県でも、企業局が風力発電の可能性調査を昨年来実施しているとのことであるが、その状況と今後の見込み等について少し詳しくお話し願いたいと思う。

〇千葉企業局長 風力エネルギーについては、クリーンな純国産のエネルギーということで、国においても積極的にこれを開発、導入しようということで推進方進めているものである。当県においても、その面での取り組みをしようということで、昨年の6月からことしの7月にかけて、県内の3地点において風強等の調査を行ったところである。一般的には、風力発電の適地条件としては、年間平均風速が毎秒約5メートル以上なければ、なかなかこれは発電としては期待できないと言われており、その中で玉山村の日戸地区の通称天峰山と言っておるが、その地点で年間平均4・9メートルという結果が出たわけである。その5メートルという基準からいくと、今の天峰山については可能性があるのかなと考えておるが、いずれ、この風力発電をやる場合においては経済性が何よりも大事である。通常の火力発電の6倍なり10倍ぐらいのコストがかかるということもあるし、また、かなり風車を回すものであるから、土地の面積がかかるということがあるし、さらには騒音の問題、さらに電波障害の問題があるので、さらにその辺を詰めながら今後の経済性とあわせながら、引き続き調査検討をしてまいりたいと考えておる。

〇折居委員 そういう困難な条件がたくさんあると思うが、やはりこれは積極的に前向きに取り組んでいただきたいということをお願いして、質問を終わる。

〇斉藤委員 日本共産党の斉藤信である。
 日ごろの企業局職員の皆さんの御努力に敬意を表する。簡潔に2点まとめてお聞きする。
 企業局会館のその後の問題について2年前に断念となったけれども、その後の経済情勢を見れば、ある意味では先見の明があったと言ってもいい側面があると思うけれども、盛岡駅西口開発を企業局としてどう受けとめているのかお聞きしたいと思う。さきの盛岡市長選挙では、マスコミ各紙も、バブル時代の計画で、バブルが崩壊し深刻な円高、長期不況のもとでは地域交流センターはもとより、駅西口開発計画の見直しが必要と、この論調が多かったわけである。こうした点で、一等地に企業局の用地があるわけであるけれども、現段階で駅西口開発をどう受けとめているのかと、これが第1点である。あわせて、企業局のこの用地活用については、企業局地域活性化事業基本構想策定委員会で論議されていると報道があるけれども、この委員会はこの間、この目的、体制はどうなっているか。これまでどのような検討がされてきたのか、課題、内容などについて御紹介いただきたいと思う。
 谷藤委員の質問と関連するけれども、平成9年3月までに活用する協定があると言われているけれども、どういう条件なのか、どういう協定なのか、その性格についてお示しをいただきたい。
 次に、工業用水道決算について。
 年間総給水量が5万3、707立方メートル減少したのはどういう理由であろうか。給水事業所数は議会資料では19、監査の意見書では18となっておるけれども、この違いはなぜなのか。
 工業用水道事業経営健全化計画に基づいて改善されつつあると思うけれども、具体的状況について、これは大体質問あったのでここは割愛をして、赤字体質の原因、責任についてのみお聞きする。
 計画給水能力に対する契約率は、第三北上中部が24・4%、第二北上中部が32・2%となっている。余りにもこの計画給水能力に対する比率が低く過ぎるのではないか。計画給水能力は何を根拠に決められたのか、そのギャップの具体的理由は何か。
 最後に、第三北上中部工業用水道の場合、工業団地の企業立地状況は完となっているが、早池峰ダムの負担金21億円などこれからの負担を考えると、この赤字体質は一層深刻になるのではないか。第二北上中部の場合、北上南部工業団地の2期分譲、3期造成の見通しを含めてお示しをいただきたい。

〇千葉企業局長 工業用水道事業決算の年間の給水量減少理由は何かと、これは経営管理課長から答弁をさせる。
 まず、企業局会館構想との関係で、盛岡駅西口開発について企業局はどのように受けとめているかということであったが、この盛岡駅西口地区については、北東北の拠点都市を目指す盛岡都市圏において、将来の都市構造の基礎となる都市軸のかなめとしての役割を担うことが期待されている地区であると考えておる。その開発に伴う基本的な考え方については、新しい盛岡のまちにふさわしい都市活動を実現しようとするものであると私ども認識をしておる。企業局としても、当該地区の開発整備の状況を十分把握しながら、地域の活性化に即した事業の展開を進めるなど、地域の開発、発展に貢献できるような取り組みを現在検討しておるし、今後とも積極的にその面での取り組みに努めてまいりたいと考えておる。
 それから、企業局地域活性化事業基本構想策定委員会の目的あるいは体制あるいはこれまで検討された課題等についてのお尋ねであるが、この企業局地域活性化事業基本構想策定委員会の目的については、これは県内各地域において、県または市町村が構想する地域活性化を目指す各種事業について、その事業の成功に寄与していくことを目的として、企業局地域活性化事業の基本構想を作成するために設置したものである。
 この体制であるが、委員長は企業局担当の副知事、それから、委員は企業局長を初め、関係部局長、さらに、関係課長の幹事会でもって構成をしているものである。
 これまでの検討内容あるいは課題であるが、これまでの地域活性化事業の一環として、今、問題になっておる盛岡駅西口地区の開発について、企業局会館構想等について、その内容あるいは事業可能性等について種々検討をしてきたものである。
 次に、工業用水道事業の赤字体質の原因あるいは責任等についてであるが、その中で、特に計画給水量は何を根拠にして決めたのかと、そのギャップの理由は何かということであった。工業用水の計画給水量については、県の工業団地計画の政策の中で、これは知事部局が所管しておる工業振興を所管する部局で、その団地ごとに立地する企業の業種を予測して、それに基づいて工業用水の使用量というものを推計したものである。私どもは、企業会計の立場で、それを当方の事業でもって現在事業を行っているものである。ただ、ギャップについては、なかなか一たん業種を想定してもそのとおりの業種が立地しないということもあるし、あるいは水を使う企業を求めていながら、実際には余り水を使わない企業が立地したというようなケースもあって、なかなか工水と企業立地とマッチしない面もあって、そういう面でのギャップがあるのかなという感じを持っている。
 それから、第三北上中部工業用水道の経営見通しであるが、これについては、北上工業団地に立地しておる企業に対して、これは北上中部工業用水道から工業用水を供給しているわけであるが、立地企業の事業活動の拡張に伴って増加するという見通しがあったものであるから、したがって増加する工業用水に対応するために第三北上工業用水道の事業に着手したものである。今後の経営見通しであるが、実はまだはっきりこの場で申し上げるわけにはいかないわけであるが、今年度の需要量見込みを各企業からとっておって、その中で一部の業種について、今後、工業用水の増量についていい感触を得ているものもある。したがって、何とかそれを契約にこぎつけたいと考えておって、もしこれが実現すればかなり経営にプラスになるものというふうに考えておる。
 それから、北上南部工業団地の分譲あるいは造成見通し等についてであるが、この北上南部工業団地については、現在のところ第2期分については約35ヘクタールの面積に対して6ヘクタール分譲されておって、3社が立地しておる。ただ、残念なことに、工業用水を使う企業は立地してない。また、第3期については、平成6年度から造成工事をやっているわけであるが、平成8年の半ばから約60ヘクタール分譲を開始するというふうに伺っておる。したがって、今後は北上南部工業団地を重点的に企業誘致に向けて関係部局と積極的な企業誘致活動を続けてまいりたいというように思っておる。

〇伊東経営管理課長 国鉄清算事業団との土地の売買契約条件の関係であるが、平成4年3月7日の契約時の主な条件としては、土地利用計画については、総合経済対策関連による条件緩和があって、現在では土地を購入後10年以内に計画を策定して事業団の同意を得ればよいということになっておるし、それから、土地利用については、施設の占有部分の2分の1を公共用に供すれば残部の施設を商業業務施設として賃貸することも可能だということになっておる。土地利用計画を変更する場合の基本的な事項であるが、取得者である岩手県がみずから使用するものであるということ、それから、先ほど言った施設の床面積51%以上を公共、公用、公益用というふうにすること、それから、取得土地を全部使用する計画としてくれということである。
 それから、工業用水道の年間総給水量が5万3、707立方メートル減少したことであるが、これは、浄化水量が減少したためである。
 総事業所数の関係であるが、北上中部工業用水道の給水事業所数は11社、第二北上中部工業用水道は6社、第三が2社で、計19社であるが、岩手東芝が北上中部と第三北上中部の双方から給水しておる関係で、実数は18ということである。

〇浅井副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇浅井副委員長 質疑がないようなので、企業関係の質疑を終わる。
 お諮りする。認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算まで、以上3件についての意見の取りまとめの方法であるが、午後2時15分から議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果をまって午後2時25分から委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇浅井副委員長 御異議なしと認め、さよう決定した。
 この際、意見取りまとめのため、午後2時25分まで休憩する。
   午後2時14分 休 憩
 
   午後2時41分 再 開

〇渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 決算3件に対する各会派の意見の取りまとめについて協議した結果について御報告申し上げる。
 認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、厳しい医療環境にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関としてその使命を果たしてきた努力は評価するところである。しかしながら、県立病院の経営は、施設の整備充実などによる諸経費の増加等により、さらに厳しい環境に置かれるものと予想されるので、引き続き国に対し財政措置の強化などを積極的に要望するほか、経営の効率化、合理化を進め、より一層経営の健全化に努めるとともに、医師の確保を初め、高度医療設備の整備充実等、将来に向けた県立病院等長期経営計画の着実な推進を図り、もって県民医療サービスの充実、向上に努力せられたい。
 なお、医師の資質向上という御意見もあったが、局長に対し、その点も申し上げたいというふうに思っておる。
 認定第2号平成6年度岩手県電気事業会計決算については、今後とも引き続き健全な経営の推進に努めるとともに、新規電源の開発についてもなお一層の努力をせられたい。
 これについても、売電単価のお話もあったが、当職から局長に対し、それについても申し上げる予定にさせていただきたい。
 認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算については、関係機関と密接な連携をとり、積極的に需要の拡大に努めるとともに、経営の健全化にさらに一層の努力をせられたいとの意見を付し、認定することにいたした次第である。
 これより採決する。
 認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算までの2件については、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇渡辺委員長 起立多数と認める。よって、認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算の2件については、ただいまの意見を付し、認定することに決定した。
 次に、認定第2号平成6年度岩手県電気事業会計決算については、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇渡辺委員長 起立全員である。よって、認定第2号平成6年度岩手県電気事業会計決算については、ただいまの意見を付し、認定することに決定した。
 以上をもって当特別委員会に付託された案件の審査は全部終了した。
 委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げ、これをもって決算特別委員会を閉会する。(拍手)
   午後2時47分 閉 会


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