平成7年9月定例会 第3回岩手県議会定例会 会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、議案第25号95年度岩手県一般会計補正予算に反対の討論を行います。
 今議会で厳しく問われた問題に食糧費、いわゆる県民の税金による官官接待の問題がありました。増田知事は、今年度下半期の食糧費の執行を20%保留する態度を明らかにしました。ところが、私が本会議の質疑で20%保留の根拠、実態調査を行ったのか、行う気があるのかただしたのに対し、答弁を回避しました。食糧費の20%保留の態度は、官官接待に対する県民の厳しい批判と世論に押された結果だと考えますが、県政における食糧費と官官接待の実態も調査せず、下半期に20%保留すると言っても、これは小手先の対応だと言わなければなりません。
 お隣の宮城県知事は、実態がどうなっているのか徹底的に調査することが絶対の条件として調査改善委員会を設置し、調査した上で官官接待を原則的に廃止する態度を決めました。高知県の橋本知事は、公務員同士が税金を使って食事や宴会をする官官接待は、今後すべて廃止すると県議会冒頭で堂々と表明しました。今、県政に求められていることは、官官接待の実態をみずから調査し、その上で抜本的な対策をとることではないでしょうか。官官接待の問題の根本には、地方自治が3割自治と言われるように、国の不当な干渉、官僚的統制によって、その権限、財源を侵害されていることがあります。ここから中央官僚のおごりやたかりの体質とそれにこび、従属する地方官僚という関係がつくられ官官接待が行われているのです。地方自治体がこのような接待を続けることは、みずから地方自治を掘り崩すものと言わなければなりません。今回の補正予算には食糧費が708万6、000円新たに計上され、総額は3億4、000万円余となっています。さらに、昨年度から東京事務所の食糧費の単価基準をなくし、事実上、青天井としたことも、官官接待に拍車をかけるものと言わなければなりません。官官接待には、県職員が市町村から接待を受けるという二重構造についても指摘しましたが、この調査と廃止を強く求めるものであります。
 議案第25号412億円を超える追加補正は、その大半が既に事業採択されている事業の前倒し、道路、漁港の改修など、県民、地域の要望にこたえるものであることは評価するものであります。しかし、昨年度の県営工事の県外業者、大手ゼネコンの受注額は309億300万円で、実に総額の17・8%を占めています。不況打開を目指す公共事業が大手ゼネコンの利益を拡大するようなことではなく、地元中小企業優先が貫かれるよう強く求めるものであります。不況打開、景気対策というなら従来型の対策ではなく、GNPの6割を占める個人消費を温める減税、消費税、増税の中止、福祉の充実こそ緊急の課題であることを強調するものであります。
 農政部関係の補正では、129億7、850万円がウルグァイ・ラウンド農業合意関連対策の予算であります。圃場整備事業や農業施設など、農民、地域の要望にこたえる内容のものもありますが、ウルグァイ・ラウンド対策そのものが、米、農産物の全面自由化を認め、農業新政策によって多くの農家を切り捨てる農地の流動化と規模拡大を上から推進するものであります。さらに、11月からは新食糧法が実施され、米の生産と供給を市場原理に任せ、政府の責任を放棄し、米の価格の暴落さえ懸念される状況であります。米の自由化を認めていては、どんな対策も、農業を守り抜く、また発展させることとなりません。米の生産者価格への責任を放棄して規模拡大を推進しては、農家の経営も農村も守れる保証はありません。
 議案第15号古物営業許可等手数料条例は、事実上手数料の引き上げとなるものであり、反対するものであります。
 議案第7号から議案第11号、議案第29号から議案第31号の県単事業の経費の一部を市町村に負担させる、また、変更することは、本県が責任を持つべきであり反対するものであります。
 以上を述べ、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第1号、議案第7号から議案第11号まで、議案第15号、議案第25号及び議案第29号から議案第31号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第7号から議案第11号まで、議案第15号、議案25号及び議案第29号から議案第31号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第6号まで、議案第12号から議案第14号まで、議案第16号から議案第24号まで、議案第26号から議案第28号まで、及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第6号まで、議案第12号から議案第14号まで、議案第16号から議案第24号まで、議案第26号から議案第28号まで、及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第33 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第33、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
総務委員会
受理
番号
件  名
寒冷地手当の支給水準を引き下げる見直しを行わず改善を求める意見書について請願

 地域振興施策について
福祉文教委員会
受理
番号
件  名
県立福岡工業高等学校に建設科を新設することについて請願

 県立盛岡工業高等学校について
保健商工委員会
受理
番号
件  名
大東保健所の存続を求めることについて請願
10ニシキファイナンス問題について請願

農林水産委員会
 魚類栽培の推進について
土木委員会
 流域下水道事業について
〇議長(堀口治五右衛門君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第34 認定第1号平成6年度岩手県立病院等事業会計決算から日程第36 認定第3号平成6年度岩手県工業用水道事業会計決算まで
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第34、認定第1号から日程第36、認定第3号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。渡辺決算特別委員長。
   〔決算特別委員長渡辺幸貫君登壇〕(拍手)

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