平成7年12月定例会 第4回岩手県議会定例会 会議録

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〇43番(佐藤正春君) ただいままた、船越議員の大変に熱のあふれた一般質問でございまして、私どもは傾聴に値する質問でございました。
 さて、私は自民党の御配慮によりまして、ことしは2回目の出番を与えていただきました佐藤正春でございます。
 去る8月15日は、戦後50回目の終戦記念日でありました。正確に申し上げますと、大東亜戦争敗戦後の50年目でございます。国民1人1人に万感の思いがあり、最愛の家族を戦争で亡くされた方、家を焼かれ、原爆で一家が全滅された方々、1億総悲しみの日でもございました。私は、朝鮮半島にて敗戦を迎え、引き揚げ難民としてやっとの思いで祖国にたどり着いた1人でございます。村山総理は、さきに国民を代表して、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジアの国の人々に対して多大なる損害と苦痛を与えたと述べ、改めて痛切な反省の意と心からのおわびの気持ちを表明すると発表されました。このような村山総理の歴史認識に対しまして、知事はいかなる御見解をお持ちでおられるか、私からも改めてお伺いする次第です。
 また、知事自身の歴史観と、あわせて戦後50年を振り返り、岩手県が歩んできた道に間違いはなかったか、検証を加えるとともに、これからの歩むべき道についてお示しを願いたいと思います。
 平成7年3月現在、本県残留の全外国人登録者数は3、050人、うち中国人は726人、韓国朝鮮人は1、163人でございます。この中には、戦前より本県に在住する人もあり、戦時中いわゆる強制連行をされ、日本製鉄釜石鉱山外県内で強制労働させられた人たちがいるわけでございます。戦時中本県に強制連行された中国人、朝鮮人──当時朝鮮人でございますが──、何人ぐらいいたのでしょうか、また、その中で亡くなられた人たちは何人で、どこに葬られているのか、お知らせを願いたいと思います。
 このことに関連しまして、かつての韓国人徴用工の遺族が国と新日鉄を相手取り、未払い賃金や慰謝料を求める裁判を起こしており、それを支援するメンバーが、10月10日、11日の両日、本県を訪れ、調査の上、釜石市に対して戦災死者名簿資料公開、遺骨についての情報提供を申し入れたと報道されております。私は、この件に関しまして、平成3年7月2日の本会議一般質問で、本県において国際親善、国際交流の事業が進められている中で、まずもって国と国との信頼関係、民族と民族との友好関係は、過去の不幸な出来事をきちんと清算することから始めなきゃならないと申し上げ、釜石鉱山の朝鮮人強制連行問題、あわせてソ連の日本人抑留者問題を取り上げてまいりました。当時、答弁に立たれました商工労働部長は、6万6、990人であり、本県分の人員や死亡者はわからないし、釜石鉱山の当時の資料がないから実態は把握できないと、こういう答弁でございました。全く誠意も反省も感じられない、岩手県とは関係がないがごとき答弁と私は受けとめたのですが、知事、岩手県と釜石鉱山の朝鮮人強制労働者とは全く関係がないのでしょうか、県の最高責任者としての知事に確認をしておきたいと思っております。
 最近も、政府閣僚の中にも旧植民地への歴史的認識の欠如から問題を起こす人が多いわけでございますが、同様の事例では、秋田県で中国人、朝鮮人の強制連行による花岡事件というものがございました。昭和61年度発行の大館市史によりますと、花岡鉱山では、中国人、朝鮮人の労働者によって生産増強を図っておりましたが、昭和19年には落盤事故があり、日本人11名、朝鮮人11名が死亡しております。このための関連改修工事を鹿島組が請け負ったのでございますが、余りに苛酷な労働を強いられ、中国人労働者が暴動を起こし、補導員4人を殺害するに至り、それら犯人への厳しい取り調べと拷問によって約150名が死亡された。このように記録されております。この花岡事件については、戦後から現在まで調査、究明がなされ、殉難中国人の慰霊はもとより、大館市でも慰霊碑を建立、花岡には日中不再戦友好碑をつくり、毎年慰霊祭を行い、新しい日中友好のきずなを深めているのでございます。私は、同じ東北でも、岩手と秋田ではこうも強制連行者に対する認識と対応が違うものか、まさに本県の県民性が問われる問題であると思うのでございます。知事、せめてこれからの国々との将来の友好親善のためにも、死亡者の確認と慰霊の心だけは示していただきたいと思うのでありますが、この点について知事の良識ある答弁を期待したいものでございます。
 韓国の金泳三大統領は、過去の歴史をうそで美化したり、不問にしたりするのは日本自身にとってためにならない。こう言っております。中国の江沢民主席は、日本は過去を忘れずに将来の戒めにすることを実行してほしい。このように述べております。本県の岩手山西会は、日中友好の翼を花巻から飛ばして10年になります。日韓親善議員連盟は、議員、先生方のお世話によりまして議長が会長となり、毎年、知事と駐仙台韓国総領事をお招きしまして、友好親善を深めているわけでございます。せっかくのこれらの地道な活動がむだにならないように私は祈念するものでございます。
 次に、中国残留孤児についてお尋ねをいたします。
 昭和47年の岩手県戦後処理史によると、本県の満州開拓団及び青年義勇隊員の数は4、069人となっております。新天地を求めて勇躍と大陸に渡った若者たちも、祖国の敗戦を迎え、結果、戦火にまみれ、ある者はシベリアに送られ、家族と生き別れとなるなど、ついに帰れなかった方々は1、795名になります。そして、その残された子供たちが中国の養父母に育てられ、今、50年目を迎えた中国残留孤児でございます。一関の日中交心会が中心となりまして特別身元引受人となって、県援護課の御支援のもとに、現在一関、北上、花巻に13世帯、48人が定住しております。この4月からは、盛岡と一関に中国帰国者自立研修センターを設置していただきまして、日本語の勉強と生活相談を行っているわけでございます。関係者はまさにボランティアでございまして、小さくても国にかわって何か1つの償いを果たしたという気持ちでやっております。今回も残留孤児一行67人が訪日し、先日帰国いたしました。身元が判明しましたのはわずか5人でございます。本県は、こうした残留孤児訪日の際どのような受け入れ態勢をとっておられるのか。さらに、新しい運動として定着しました家族の2世の結婚問題がございます。現在、県南を中心といたしまして、2世を含めて本県農村青年と中国婦人との国際結婚を考える有志の市町村議員連盟があるのでございますが、この運動についてどのように把握しておられ、県として対応を考えておられるのかをお尋ねいたす次第でございます。
 次に、最も頼りにしている吉永副知事にお尋ねいたします。
 さきの9月議会において、在沖繩米兵による女子小学生暴行事件に抗議し、日米地位協定の見直しを求めることについての意見書を全員一致で可決いたしました。これは本県にとって大変意義深いことでございます。なぜならば、沖繩県は岩手にとって命の恩人であるからです。平成5年、本県は未曾有の大冷害に見舞われ、米の主産地でありながら緊急輸入米で食料をしのいだ経過があり、さらに、次年の種もみの不足に関して、岩手34号、36号を沖繩で増殖してもらい、今日の米産地岩手が救われたことは、副知事、御承知のとおりでございます。また、沖繩の岩手の塔には本県人3万4、800柱の英霊が埋骨され、沖繩の県民によって毎年慰霊されているのでございます。このような深い関係にある沖繩県の緊急事態に際して、副知事は県民を代表して沖繩に飛び、大田沖繩県知事に会って激励をして、そしてその実情を確認すべきと思われますが、副知事、行かれましたか。10月21日には沖繩県民の総決起大会があり、関係する多くの代議士、知事、県議会議員が出席しましたが、あなたは出席いたしましたか。
 また、全国知事会議等を通じて、この沖繩の実情と心情を披瀝し応援するべき立場にあると思いますが、御見解を承っておきます。
 あわせて、意見書の中にあるように、日米地位協定の見直しと事件再発防止に対して、県としてはいかなる御見解を持っておられるか、あわせて伺う次第でございます。
 次に、いわゆる日の丸、君が代問題について、教育委員長、教育長にお尋ねをいたします。
 民族の象徴として、世界じゅういかなる国においても国旗と国歌は存在するのですが、我が国において、戦後50年間、国旗と国歌について論議が繰り返されてきたことは、世界でも類を見ない、奇異なことでございます。それは、一時的にアメリカの支配下にあって禁じられはしましたが、アメリカに押しつけられた日の丸でもないし、強制された君が代でもございません。特に海外で生活する者にとって、祖国の国旗の庇護のもとに、生命財産が保証されるのでございます。昭和25年10月17日、天野文部大臣の談話に対して日教組、岩教組は君が代反対、新国歌制定運動推進を決定しました。その理由は、日の丸については学習指導要領などで学校教育に強制することは反対であり、君が代については歴史的役割と、歌詞が国民主権の憲法に反するから反対、そういうことでございました。その後、昭和33年には、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することとして、同52年には君が代を国歌と表現しております。さらに、平成元年には、国旗を掲揚し、国歌を歌うことが望ましいから指導せよと、明確に指導要領では示しておりますが、こうした変遷をたどったことは、振り返ってみて間違いであったかどうか、本県の場合どうであったか。まず、第1に教育委員長の御所感を伺いたいと思います。
 平成6年7月20日の衆議院本会議で、村山総理は質問に答えて、国歌、国旗については、長年の慣習により、日の丸が国旗、君が代が国歌であるとの認識が国民の間にも定着しており、私自身もそのことは尊重してまいりたい、こう述べております。従来の社会党の方針を公的に大転換をいたしました。このことについて、私は敬意を表し、賛成するものでございます。先般の日教組定期大会では、岩教組は日の丸、君が代の強制反対明記の修正案を提案し、高教組は強制反対は変更しないとの執行部の説明が得られたとし、最終的には賛成に回ったと、このように仄聞をいたしております。県教委では、公立小中高校では100%実施されていると、このようにコメントをしているようでございますが、事実でしょうか。
 10月18日付の岩手日報論壇で、山田町飯岡在住の現職の福士先生は、君が代をまじめに歌う生徒はほとんどいない、職員会議で話題にするのはタブー的風潮さえある、君が代に不満を抱きながら、言いたいことも言えない現状は極めて憂うべき事態である、こう論壇で述べておられます。これは事実ですか。事実だとすれば県教委の言っておられることと正反対であるし、生徒に与える影響が大きいと思いますが、教育長のはっきりした御見解を示してほしいと思います。
 次に、いわゆる官官接待についてお伺いいたします。
 中央集権の下で行われ、半ば慣行化されてきた官官接待も、戦後50年の歴史を経て、地方分権が声高に叫ばれる中で当然けじめをつけるときでございます。仄聞するところによりますと高知、徳島が接待全廃、宮城、茨城、滋賀、鹿児島、原則廃止を決めたと聞いております。本県では、増田知事が9月28日の県議会で、下半期の食糧費を2割減らすと、こう表明されました。知事の御英断でございます。まことに敬意を表するものでございます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 削減額は2、800万円余となり、食糧費全額は3億1、586万7、000円でございますから、比率では1割にもなりませんけれども、この2割とはいかなる根拠に基づくものか。さらに、その結果がこれから始まるところの年末の陳情に際しまして、中央官庁との情報交換、懇談に支障を来すことがないものか、重ねて心配でございますから伺うものでございます。
 私は、本年6月の議会では、官官接待必要である。私は必要である。県民の納得いく方法でその効果を大いに上げてください。こう申し上げてきたわけでございますが、来年度は30%、1億4、000万円を縮小するということでございますが、それに至った経過と今後の効果についてお示しを願いたい。
 私は現在、監査委員としての、地方自治法第198条の3の服務規程による守秘義務が課せられているわけでございますが、この義務規定もまことにあいまいでございまして、県民の代表としての監査委員は、県民の利益を守る立場にありますことから、県執行部の不明朗な部分を明らかにすることによって、守秘義務に反するような場合があるように思います。この場合の守秘義務と県民の利益の関係はどう考えるべきか、任命権者の知事にお示しを願いたいと、こう思っております。私は根は小心者でございますから。
 私は、先般、某新聞社の論説について、地方労働委員長を務めている畑山尚三氏の、監査委員の存在を疑うという論説を拝見しました。監査委員の選出方法を検討し、役人天国を是正せよと論じておりますが、全く同感でございます。県庁OBの監査委員がかつての同僚や部下の監査をするというのは、本人には大変つらい仕事だと思います。8、000億を超える財務監査は、外部の監査制度をつくるべきだと、こう思います。そのための具体策として、一部事務組合方式などの広域外部監査、一部を公認会計士によるところの委託監査、あるいは監査委員を県のOBから選出しない、事務局職員の専従化などを御提言を申し上げる次第でございます。この際、知事の御見解も承っておきます。
 次に、土木事務所の地方振興局への統合についてお伺いをいたします。
 去る20日、県行革推進懇談会において審議されている最終報告案に、土木事務所の地方振興局への統合を提言する方針が盛り込まれた。結局、結論を得るに至らずなお検討すると、このように伺っております。10年前、時の県版行革の目玉として、出先機関の総合事務所制が論議されたところでございますが、私は、昭和60年6月議会の一般質問において、総合事務所制には基本的には賛成であるけれども、土木事務所の統合には大変無理があるという立場から、当局の考えをただした経緯がございます。その無理があるとした理由は、土木事務所は他の事務所と異質である。いわゆる現業をつかさどり、即座に対応する機動性が要求されるということであり、また、基本的な総合調整は本庁段階で行うべきであるなどということを指摘したのでございました。例えば、災害が発生した、あるいは県道において事故が生じた。そういう場合に電話1本ですぐに出動できる態勢は、現在の土木事務所の体制であるから可能なわけでございます。また、私ども議員をいたしておりまして、県民の一番の要望の多いのも土木関係でございますことは、議員皆さん御承知のとおりでございます。これらに対して、当局は、土木事務所にはそれ相応の特殊性もあることから、慎重に検討し対処するとし、結果、土木事務所は単独事務所として存続されることになり、今日に至っているわけでございます。その後、どのような経過と統合への努力がなされてきたのか、お示しを願いたいと思います。
 私は、地方振興局は、この10年を経まして地域のまとめ役として定着してきており、より権限を与え、地域住民に密着した施策を積極的に展開できるよう、その一層の充実強化を図るという方向には賛成でございます。しかし、この10年で、土木事務所の統合によって、そのような体制が実現するような現実に変化をしたでしょうか。縦割りの弊害が指摘され、国においてもさまざまの取り組みがなされておりますが、組織や予算の仕組みは基本的には以前と変わっておりません。したがって、東北各県はいまだに単独事務所の体制となっているのでございます。こうした事情は、10年前の指摘が残念ながら現在も妥当するということになりませんか。だとすれば、現時点で土木事務所の統合は、現場に混乱を生じ、土木行政の円滑な運営に水を差すことになるのではないかと懸念が残るのでございます。したがいまして、私は、この統合はもう少し条件整備がなされた段階で行われるべきものと考えるのでございますが、この統合問題に対する現段階の県の御見解を承っておきたいと思います。
 次に、県立考古学研究機関の整備についてでございます。
 ちょうど1年前、昨年の11月の一般質問の機会に、私は国立博物館誘致の呼び水として、県立の平泉文化財研究所を設置していかがかと、このように御提言を申し上げましたところ、早速この提言を取り上げていただきました。教育長は、考古学研究機関整備事業を実施し、専門家からなるところの調査研究協力者会議において調査検討を進めていると答弁をいただきました。特色ある歴史文化をはぐくみ、また、我が国の成り立ちを考察する上において、重要な歴史的位置にあると考えられる、この地方の文化と歴史を研究する機関を県が設置することは、郷土を愛し、この地に新しい文化をつくり上げようとするところの県民がひとしく期待するところでございます。特に、金色堂を初め、特別史跡でございます中尊寺境内、先般、国の史跡として指定された柳之御所を擁する平泉文化は、我が国の代表的文化でございます。63年から始まりましたところの緊急調査によって明らかになったものの中にも、最近は白山の遺跡から全国的にも例の少ない藤原時代の梵鐘の製造の跡が発見されたりしております。平泉においては、これからも新しい事実が明らかになっていくわけでございます。また、平泉文化は、北方世界との交流や日本列島の北東の文化全体との関連において研究されるべき重要性を持つものでございます。県におかれましては、こうした平泉文化を中心として研究する機関をできる限り早期に設置されるよう、一層の御努力を期待したいものでございますが、先般、協力者会議で基本構想を取りまとめられたと、このように伺っております。その基本構想の概要について、まずお聞かせを願いたいと存じます。
 また、その基本構想に対する教育長のお考えと、設立に向け、今後どのように取り込んでいかれるのか、御所見も伺っておきます。
 なお、昨年の教育長の御答弁では、この施設の名称をさきに申し上げましたとおり、考古学研究機関とされておられました。私は、その方面に詳しいわけじゃございませんが、ただ単に考古学としたのでは、1つの専門分野で限定されるような印象を与えるのでございます。例えば、奈良県が有しておりますのは考古学研究所であることも承知しておりますが、中央公論の6月号に出ておりました。戦後50年・考古学は何をしてきたか。この特集の中で森教授あるいは網野教授の議論を見ましても、歴史学、文献史学、民俗学の多様な学問分野の協力、連携が不可欠であると、こういう感じがいたします。日本列島の歴史文化は、往々にして西からの視点でのみ語られてきたというこれまでの現実に対して、我が国の歴史の全体像を、いわば修復する試みの中心ともなり得るような施設の整備であるならば、国立博物館の呼び水の位置づけであったとしても、歴史文化総体をとらえた内容及び名称が相ふさわしいのでないかと思うのでございますが、教育長はいかがでございましょうか、あわせてお伺いいたす次第でございます。
 参考に申し上げますと、この中で森教授は、考古学は決して国家や県が研究所をつくり、市や町が発掘組織をつくるから発達するのじゃない、本当に学問の好きな人たちが各地で出てこないとまだまだ進まない面がいっぱいあるんですと、こう語っておられます。幸い、平泉、一関周辺には平泉文化、考古学に熱心な市井の文化人がたくさんいることは、まことに頼もしい限りでございます。
 次に、地元のビール──地ビールの生産奨励についてお伺いをいたします。
 本県は日本一のホップの一大産地でございます。本県の豊かな自然、風景の中で、本県産のホップで製造されたビールを、地元の産品を生かした料理とともに提供するということは、すばらしいこれは地域おこしでございます。県内では、沢内村村内において、私の出身地一関においてもこの地ビールの生産販売を行う協同組合の設立準備が現在進められております。まさにこのことは、本県ホップ生産の拡大につながり、農業不振に1つの大きな明るさを与えるものと期待されるのでございます。ビール生産に係る規制緩和措置を受けて、全国的にも北海道のほか、新潟、兵庫などいわゆる酒どころでは既に先行して地ビールの製造、提供がなされております。本県での試みもぜひとも成功してもらいたい、こう思うのでございますが、小規模の場合、どうしてもコスト高になるなどのリスクがあることから、立ち上がりには非常に公的な支援も必要でないかと思うのでございます。そこで、お伺いいたしますが、県は、地ビールの製造、販売を行おうとする者に対して助成等の支援策を講じておられますか、講じておられるとすれば、その内容はどのようなものでございましょうか、ひとつお尋ねをしておきたいと思います。
 また、県内で地ビールの生産を企画しているところは何カ所ぐらいあるのでございましょう。県としては今後積極的に支援をし、ホップが違う岩手のビール、これはいい名前でございまして、これを全国的に売り出す意気込みがあるかどうか、ひとつあわせてお伺いをする次第でございます。
 以上で私の質問を終わります。さらに御答弁の後に再質問をいたしたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐藤正春議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、村山総理の歴史認識に対する私の見解についてでございますけれども、村山総理のさきの内閣総理大臣談話につきましては、我が国が過去の対戦の反省とおわびの気持ちを踏まえまして、今後とも国際協調を促進しながら世界平和と民主主義を全世界に広めていくと、このような趣旨と理解をいたしておりまして、一国を代表する総理大臣の立場から表明された御発言ということでございまして、非常に重いものがあると、このように受けとめているところでございます。
 次に、私自身の歴史観とそして本県のこれから歩むべき道などについてどうかと、このようなお尋ねでございます。実は、私自身はまだ歴史観を披瀝するというような者ではないように私自身思っておりますけれども、本県のこの戦後50年、この50年間を振り返った場合には、さきの大戦が終わりを告げてから岩手県民はそれぞれの不幸を乗り越えまして、全身全霊を傾けて県土の復興に努力してその結果が今日のこの本県の発展につながったものと、このように考えております。
 これからの岩手県でございますが、全県民が一体となってこうした先人たちの英知に学びながら、県民の皆様お1人お1人が心から幸せを感じるとともに、夢を抱き生きがいを持って暮らすことのできる生活の実現に向けて努力する必要があると、このように考えるところでございます。
 次に、釜石鉱山に係る朝鮮人、強制労働者につきましてのお尋ねでございますが、当時、岩手県がどのように関係したかどうか及びそうした死亡者の確認につきましては、さまざま調査をし問い合わせをしたところでございますが、現在、県に資料も全くございませんで実態把握は困難でございます。しかし、こうした方々が本県において就労していたという過去の歴史にかんがみますと、異国の地において命を落とされた方々に対して深く哀悼の意を表しますとともに、こうした過去の歴史を直視し、これを後世に伝えながらこれからも一層国際親善、国際交流の推進に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 次に、監査委員の守秘義務についてのお尋ねでございますが、一定の職にある者につきましては、その職責上、一般には知り得ない秘密をも了知し得る立場にあることから、法律上守秘義務が課せられているものと、このよう理解をいたしておりまして、監査委員につきましてもこのような趣旨から、その職務上知り得た秘密を保持する義務が課せられているものと、このように承知をしているところでございます。
 外部監査制度の導入などについてでございますが、御提言のありました外部監査制度につきましては、法律上の対応などが必要であると、このように考えられますけれども、今後、国の地方制度調査会におきまして、監査制度について検討がなされるやに今聞いているところでございます。
 また、監査委員の選任につききまして、平成3年の地方自治法の改正によりまして、当該地方公共団体の職員であった者の選任についての制限規定が新たに設けられたところでございまして、県といたしましては、このような法改正が行われたその趣旨も踏まえまして、今後とも適正に対処してまいる考えでございます。
 なお、監査に当たります職員の任用につきましては、任命権者の判断によるべきものでございますけれども、適材適所の見地から、任命権者の意向を踏まえながら職員の人事交流を行っているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、吉永副知事及び関係部長から答弁をさせますので御了承をお願い申し上げます。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 沖繩県での米兵暴行事件にかかわる対応及び日米地位協定の見直しと事件の再発防止についてでございますが、今回の女子小学生に対する暴行事件は断じて許すことができない痛ましい事件であることは言うまでもございません。沖繩県の皆様には、議員御指摘のとおり、一昨年の大冷害の際にかけはし、ゆめさんさの種もみの増殖事業を通じて一方ならぬお世話をいただいたところであり、岩手県民ひとしく深く感謝の念を持っているところであります。また、これを契機として、沖繩県と本県との間にさまざまな交流が活発に行われてきておりますことは御案内のとおりでございます。このようなことを踏まえ、今回の事件については、私は沖繩県民総決起大会には出席しておりませんけれども、事件について沖繩県民が深く傷つき、また、激しい怒りを覚えているということについては十分にその心情を理解し、かの県民の怒りをみずからの怒りとしているところであります。
 いわゆる、日米地位協定につきましては、日本と米国、国と国との間の取り決めの問題でありますので、その見直しについては国政レベルで議論されるべきものであり、県として意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと存じますが、国においては、綱紀粛正等による事件の再発防止について強く米国へ働きかけを行うとともに、地位協定の見直しについては、その運用を改善していくことで両国間で合意が見られ、さらにどのようにすれば実質的な改善が一層図られるかについて真剣な検討が続けられていると伺っております。
   〔商工労働部長古館敏男君登壇〕
〇商工労働部長(古館敏男君) 戦前、戦中における朝鮮人労働者の県内就労者数等についてでございますが、平成3年に議員からお尋ねがあった後でございますが、同年の11月に国の依頼に基づきまして、本県におきましても国内で労働に従事した朝鮮人について、県の関係部及び全市町村に対して調査を行ったところでございますが、その調査の結果では、いずれの調査先におきましても関係資料がないということで、残念ながら実態を把握することはできませんでした。また、死亡者数及び埋葬場所につきましても、県の関係部あるいは釜石及び関係企業に照会をいたしましたが、これも同じく関係資料がないということで把握することはできませんでした。
 なお、平成3年に御答弁申し上げておりますとおり、労働省の保管資料によりますと、朝鮮人労働者は本県を含め16県分で6万6、990人となっておりますが、この県別の内訳は明らかでないとのことであります。また、中国人労働者に関しましては、現在、外交史料館におきまして公開されている外務省の資料でございますが、華人労務者就労事情調査報告書において全国で3万8、935人が就労し、そのうち移動による重複分を含めまして、奥羽地方で4、008人が就労したと記載されているところであります。
   〔生活福祉部長細屋正勝君登壇〕
〇生活福祉部長(細屋正勝君) まず、中国残留孤児が訪日した際の県の受け入れ態勢についてでありますが、毎年実施されております国の訪日調査に際しましては、本県におきましても開拓団の引揚者で事情に精通した方が調査員に任命されており、相互に連絡をとりながら情報の収集に当たり孤児の身元判明に協力しているところであります。また、訪日調査により本県出身であることが判明した孤児がふるさとを訪ねる場合には、県、関係市町村が連携をとりながら肉親との出会いについてのお世話をすることになりますが、特に本県では、これまで通訳を派遣したり知事から慰労金の交付などを行ってきているところであります。
 次に、中国残留孤児二世の結婚についてでありますが、現在のところ、永住帰国者の二世に結婚適齢者が少ないという事情もあり、特に問題が起きたということは聞いてはおりませんが、中国残留孤児の二世が日本で生活する上で障害となる事柄は言葉や生活習慣の違いではないかと存じます。このため、中国残留邦人とその親族の日本語習得のために、県内5カ所に日本語教室を開設しているほか、本年7月から中国帰国者自立研修センターを開設して、日本語や生活習慣の指導に努めているところであります。また、県南部を中心とする農村青年と中国婦人との結婚を考える市町村議員連盟につきましては、農村青年のみならず、広く国際結婚を推進する目的で設立されたと伺っております。
 農業青年の配偶者対策につきまして、県は、市町村、農業団体とともに設立した岩手県農業担い手育成基金を通じて、地域における青年の交流活動に対する支援や結婚相談員の研修会を開催しているところであります。したがいまして、こうした青年の交流活動等に中国二世の方々にも参加することを呼びかけてまいりたいというふうに考えております。
   〔総務部長上田紘士君登壇〕
〇総務部長(上田紘士君) まず、いわゆる官官接待についてでありますが、食糧費の予算執行のあり方につきましては、食糧費の支出が公費をもって賄われていることにかんがみ、簡素かつ公正を旨として節度ある対応と法の定めにのっとった適正な予算執行を図ることが必要であると認識しております。このような観点から、職員に対しましては食糧費の適正な執行について周知徹底を図りますとともに、今年度下半期の食糧費につきましては、厳正な執行を図るための目標として予算の20%を保留することとしたものであります。また、平成8年度の予算編成に当たりましても、より一層厳正な食糧費の執行を図るため、今年度9月現計予算総額の30%減を要求枠とし、さらに査定において精査を加えることといたしております。
 今後の予算執行に当たりましては、今般、平成6年度の決算につきまして監査委員から審査意見を承ったところでもあり、これらを十分に踏まえその適正な執行に努めてまいる考えであります。
 なお、中央官庁との情報交換等につきましては、あらゆる機会を通じ、また、さまざまな方法を講じて効率的かつ効果的に情報収集等を行い、県勢発展のため精いっぱい努力してまいりたいと考えております。
 次に、土木事務所の地方振興局への統合についてでありますが、既に御案内のとおり、地方振興局は地域の特性を生かした地方振興施策を総合的に推進する拠点として設置されたものであります。設置以来10年を経過した今日、地方振興局は事務の現地処理や地域活性化事業調整費を活用した地域づくりへの取り組みなど、実績を通しまして市町村や県民の皆様からもそれなりの評価をいただいているものと認識しているところであります。
 また、土木事務所につきましては、地方振興局の設置の際に、諸般の事情を考慮して単独事務所として存置することとしたものでありますが、地域においては県の総合的な行政機能の発揮が期待されているところから、保健所長や土木事務所長などを構成員とする行政事務連絡会議を地方振興局ごとに設置し、地域課題に取り組んできたところであります。しかしながら、近年、各般の行政を推し進めるに当たっては、環境の保全、人に優しいまちづくり、あるいは地域との適切な連携など、ハードウエアの整備においても県民生活の各局面に一層配慮することが求められてきているものと存じております。したがいまして、土木事務所が行う工事等の実施段階においても、他の行政部門との連携の必要性は増大してきているものと考えておりますが、地方振興局の見直しにつきましては、現在、御審議をお願いしております行政改革推進懇談会の最終的な御意見を踏まえながらよく検討し、適切に対応してまいりたいと考えております。
   〔農政部長佐藤昭美君登壇〕
〇農政部長(佐藤昭美君) 地ビールの生産奨励についてのお尋ねにお答えします。
 平成6年4月に酒税法が改正されて以来、いわゆる地ビールの醸造が県内においても関心が持たれてきております。このことから、県といたしましては、本年4月に関係市町村や食品関連団体などで構成する岩手県地ビール研究会を設立し、関連する情報の収集や提供、研修会の開催などを行っているところであります。この地ビール醸造施設に対する助成調査としましては、フードシステム高度化推進事業が創設されたところであり、本年度一関市内の地元食品関係業者グループの取り組みに対してこの事業導入を予定しているところであります。
 次に、県内における地ビールへの取り組みの状況等についてでありますが、この一関市のほか沢内村におきまして民間企業の取り組みが具体化しており、さらに3市町村において企業や団体などが中心となり検討していると伺っております。地ビールは、通常、小規模で醸造するため生産コスト、品質管理の面で地域内消費が基本となりますことから、関係施設の導入に当たりましては販売施設と一体的に配置するとか、品質のすぐれた本県産ホップを使用し、また、地域内農畜産物を素材とした特色ある料理や食品をビールとあわせて提供するといった総合的に付加価値の向上を図っていくことが重要であると存じます。こうした考え方で取り組むことによりまして、地ビールが地域住民はもとより、県内外の観光客等に対し関心を持っていただき、このことが農業の振興ひいては地域の活性化にも資するものであると期待されますので、今後ともこうした取り組みに対して積極的に支援してまいりたいと存じております。
   〔教育委員会委員長三浦三千男君登壇〕
〇教育委員会委員長(三浦三千男君) いわゆる日の丸、君が代についてでありますが、御指摘のとおり、国旗、国歌の扱いについては、学習指導要領に規定されているところであり、学習指導要領は、戦後、日本の社会の変化に対応しおおむね10年ごとに改訂されてきているものであります。今回の改訂においては、国際化の進展等を考慮し、児童生徒に国際社会に生きる日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、すべての国の国旗及び国歌に対し、ひとしく敬意を表する態度を育てるとの観点に立って国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとすると明確に示されたところであります。これまでも、本県においては、適時適切に学習指導要領の趣旨に基づき指導の徹底に努めてきたところであり、今後も適正な学校運営が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
   〔教育長橋田純一君登壇〕
〇教育長(橋田純一君) 日の丸、君が代に係る実施の状況についてでありますが、学校において国旗を掲揚し国歌を斉唱することは、日本人としての自覚を持ち国を愛する心を育てるとともに、国際社会において信頼される日本人を育成する上からも大切なことであると考えております。御指摘のありました点につきましては、これまで指導要領を改訂のたびに教育課程講習会などでその趣旨の徹底を図り、学校において円滑に実施されるよう指導をしてきたところであり、現在、本県における公立の小学校、中学校、高等学校では、入学式や卒業式などにおいて国旗を掲揚し、国歌を斉唱しているところであります。
 次に、考古学研究機関の整備についてでありますが、御指摘のとおり、平泉文化は全国的にも類例のない貴重なものであり、現在も次々に新たな発見が続いておりますことから、これを総合的に調査研究するための体制整備が喫緊の課題となっていると考えております。このような認識に立ち、昨年度から有識者による協力者会議において考古学研究機関の整備について検討を進めてまいりましたが、本年7月に取りまとめられました基本構想におきましては、改めて平泉文化をこの研究機関の主要な研究テーマとして位置づけるとともに、国際的、学際的な総合研究が必要であること、研究の成果を広く県民に提供、活用すべきであることなどを内容とする御提言をいただいたところであります。県教育委員会といたしましては、この基本構想を尊重し新たな研究機関の整備に向けてさらに検討を進めてまいりたいと考えており、目下、引き続き有識者による会議におきまして、事業内容など、より、具体的な事柄について御協議いただいておりますが、できるだけ早期に基本計画として取りまとめたいと考えております。
 なお、研究機関の名称についてでありますが、この基本構想におきまして、岩手県立平泉文化研究所という名称で御提言をいただいておりますが、このことを踏まえ、平泉の歴史文化の総体を解明するという目的にふさわしい名称にしてまいりたいと考えております。
〇43番(佐藤正春君) それぞれに御誠意のある御答弁をいただきましてありがとうございます。特に、知事答弁は自信にあふれて非常に今議会などは私は感服いたしました。かつての増田盛先生をほうふつさせるような御答弁でございまして、本当に力強い限りでございます。
 そこで、監査委員制度の問題でございますが、知事が答弁されましたとおり、総理の諮問機関でございますところの地方制度調査会、これは監査制度の強化について検討中でございまして、9月26日に地方制度調査会の小委員会が開かれまして、知事がおっしゃったような内容について提言したということを伺っております。
 そこで、任命権者である知事でできることがあるんですよ。それはどういうことかというと、知事がいわば県庁のOBを監査委員に選任しないと、これはできるんです、知事で。それから今の事務局員、これは他の部局との交流があるんですが、全部じゃなくてもいいんですが、半分ぐらいずつ交代させると、こういうことは今でも知事の権限でできるわけですから、この点いかがですか。
 それからヨシミツ副知事、あなたは、(「吉永。」と呼ぶ者あり)──失礼しました。吉永副知事、あなたは、岩手県のために大変就任のときに一生懸命やるということなんですが、今御答弁を聞いていると、心情的にはけしからぬと、こう言っているんだけれども、沖繩県と知事でもどなたでもいいんですが接触をした経過はないんですね、今。なぜ接触しないんですか、これだけ大事な岩手と沖繩の関係なのに。1回も大会にも何にも行っていないというんですが、沖繩県と知事あるいは沖繩県の担当者と何かのことで接触というのはないですか。本県の県議会の意見書の決議というのは大変重要ですよ。あなたはこの決議に対してどう思っていますか、ひとつ答弁願いたい。
 それから、11月20日、外務省の林貞行さん、この事務次官が記者会見で、沖繩の施設区域に関する特別行動委員会の議論の中で、沖繩の駐留米軍の一部の本州移転が検討課題に含まれているとの見通しを示しております。たまたま20日から本県において日米合同演習が始まっておりまして、本県に来ましたハワイの部隊というものは、岩手県に参加したハワイの部隊というものは司令部が沖繩にあると、こういうふうに私は伺っております。そこで、テレビなんかを見ても、付近の住民が非常に沖繩から部隊が岩手県に移転してくるんじゃないかと、移転してきてまた問題が起きるんじゃないかということを心配しているようなテレビを拝見いたしました。
 副知事、あなたに伺いますが、これは大事なことですよ。沖繩の基地が今縮小しようとしているんですね。ですから、まだ全然沖繩とも接触していないというんですが、この沖繩との関係でもって沖繩がどうしても基地を縮小するんだと、じゃ、岩手県は今までの友情をもって沖繩の米軍部隊を受け入れようというような用意があるかどうか。あなた個人的な見解として沖繩は気の毒だと、よし、じゃ、岩手県でそれを受け入れようと、そういうお考えありますか。この点について伺っておきます。
 それから古館商工労働部長、あなたは資料が全然ないと。平成3年に私、質問しているんですよ。あれから4年、もう5年近くですね。全然ないんですか。私のところにあるんですよ、これ。朝鮮人労務者関係、勤労課、簡単です、これ。日本製鉄株式会社釜石製鉄所、朝鮮出身労務者未給金の貯金の明細書。これは昭和二十何年かな、ここに書いているんです。これは日本製鉄株式会社釜石製鉄所の勤労課でまとめたんです。昭和21年12月11日、盛岡供託局に供託した明細書。これによりますと、業務上の戦災死──戦争で死んだ戦災死、公傷──仕事の上で死んだ。合わせて、死亡者分だけで32名はっきりわかっている。ここに書いてある。何しろ全然わからないんですか。これは認めますか、認めませんか。あなたの手元にあるわけでしょう。1944年、日鉱釜石鉱業所には朝鮮人が1、000人、中国人が265人、連合軍捕虜が180人が強制労働させられていたんですよ。このほかにも松尾鉱山、ラサ工業、土畑鉱山、こういうところにもいたんですがね、はっきりこれわからないんですが、釜石だけははっきりしている。それお答えください。その後もう1回聞きます。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) ただいま監査委員の任命につきましてお尋ねがあったわけでございます。
 それで、この監査委員の任命につきましては、平成3年に地方自治法が改正されたその趣旨と申しますのが、やはり今、議員がお話しになったように、かつて同じような職場で勤務しておった人間が、やはりそうしたことを監査を行うということで、いろいろな御指摘のような御懸念があってはいけないということで、1人の監査委員については、昔の職場から離れた後5年間監査委員につくのを禁ずるということ、やはりその間、違うところにいてそうした人間を監査委員に任命するようにと、こういうような規定でございます。こうした改正の趣旨から考えましても、やはり私はこうした監査委員の任命につきましても、こうした趣旨を踏まえながらこれからやっていく必要もあると思いますし、いずれにいたしましても人格、識見、それぞれそうした監査をする上にふさわしい方を適材適所の考え方で任命していくことが必要だろうと思っております。これからの監査委員の任命のあり方については、十分にこれから検討していきたいと、このように考えております。
 それから、その事務を助ける意味での職員の関係でございます。こうした監査の職に当たる者については、こうした昨今の状況を見るに、より専門性の高い職員がそうした事務に当たることが重要であろうというふうに考えておりますし、また一方、任命権者の方のまたそうしたことへのお考えもあろうかと思っておりますが、こうした監査の実が十分に上がるように人事交流のやり方などについて十分検討を踏まえて、適材適所という形でやらせていただきたいと、このように考えておるところでございます。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 県議会の意見書についてでございますが、その意見書に掲げておりますことにつきましては、県としては重く受けとめているところでございます。ただ、そこに書いてございます日米地位協定の見直しと再発防止に向けた対策を講ずるよう国に求めるという事柄につきましては、日米地位協定そのものは、先ほど私が申しましたとおり、国と国との間の取り決めの問題であり、その見直しについては国政レベルで議論されるべきものと考えておりますので、県としては意見を述べる立場にはないということでございます。ただ、沖繩県の希望でもございます事件の再発防止と地位協定の見直しにつきましては、その再発防止についてどうしたらその協定の運用を改善すればいいかということについて、いろんな進展が図られているということは聞いておりまして、その中でどういうふうに沖繩県の希望、その他が実現されていくかについては、ずっと見守っていきたいと考えている次第でございますし、その他基地の縮小の問題については、私といたしましては現在答える立場にないというほかないことを御了承いただきたいと思います。
   〔商工労働部長古館敏男君登壇〕
〇商工労働部長(古館敏男君) 先ほど議員から提示されました資料につきましては、当方では入手しておりませんので、その内容についてはわかりません。平成3年の議員の質問に対して答弁しております、岩手県と大阪府の製鉄所が調査した朝鮮人労働者に対する未払い金の報告、これによりますと、今申し上げましたように岩手県と大阪府、これは恐らく富士鉄だろうと思いますけれども、4、620人が不払いになっているということはわかっておるわけでございますが、その中身につきましては労働省においても不明だということで、内容は知ることができませんでした。
 以上でございます。
〇43番(佐藤正春君) 知事、どうも、非常に積極的にこの官官接待、監査委員制度に取り組んでいただきまして、私も気が弱いものだから余り突っ込んで聞けなくて残念ですが、そこで、今、各部長、特に商工労働部長も答弁あったんですが、平成7年11月岩手県発行の慰霊の旅というものがあるんです。これを拝見しましたけれども、この中を見ていると、日本人の部の碑は相当あるんですが、戦争中、強制連行されてきた朝鮮人、韓国人、中国人あるいは戦時捕虜、これらの慰霊碑というのは1つも出ていないんですね。ただ1カ所釜石に日中和平の像というのがあるんですね。ですから、慰霊碑というのは全然、本県において亡くなった外国人、特に強制労働等にて亡くなった、今申し上げましたとおりこれは確実な資料でございますからね。こういう方々がもう確認されているわけですね。本県でもって無念の中に亡くなられた。こういう外国人の霊を慰めて、本県においても秋田のように慰霊碑を建てるお考えがあるかどうか、知事としてね。そういうお心を持っておられるかどうか伺っておきます。
 それから、副知事、あなた、今の答弁聞いたんですが、沖繩県とどうなんですか、知事でもいいし、どなたでも、接触した経緯があるんですか。こんなに大事なことですよ。岩手県と沖繩というのは兄弟分ですよ。向こうはお困りになっているんじゃないですか。なぜお声かけないんですか。あなた副知事でしょう。その役目があなたの役目ですよ。接触したんですか、どうですか。それを伺っておきます。
 それから、商工労働部長、後でこれ見せますから。認めますかということ、果たしてこれ。これ公式文書ですよ。盛岡の、当時は供託局と言うのかな、今も、何と言うのかな。ここへ行けばあるんだから。行かなかったんですか、あなた。あるじゃないですか、ここにちゃんと、こんな厚いの。亡くなったの書いてますよ、名前も全部。これ認めるんですか、どうですか。あともう時間がないから返事できないからね。
 それから、先ほどちょっと、もう1回ちょっと聞きたいと思うんですが、土木事務所の統合について。総務部長からお話があったんですが、当事者の土木部長はどうお考えか。あなたは土木部長として統合に努力されてきたと思うんですが、どういう努力してきたんですか、これ。御答弁願います。
 まだ時間があるけれども、あといいかな。何かもう1つぐらいやるか。いいか。(「いい。」と呼ぶ者あり)もういいか。前の方であとやめろと言うから、以上でございます。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 今お尋ねの慰霊の碑あるいは塔といったような、そうしたものについてのお尋ねでございますけれども、私も県内にどういうものがあり、あるいは当時の県とのかかわり、事実関係を十分に詳細に承知をしておりませんので、そうした事実関係を十分に調査した上で適切に判断をしていきたいと、このように考えております。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 沖繩県と当県との間の交流につきましては、先ほど言いましたように非常に交流があるわけでございますし、私の前任の副知事も種もみの問題その他では石垣島その他に行っております。ただ、今回の沖繩で起きました痛ましい事件に関しまして考えますと、相手が非常に鉄火場のような状況になっているときには、それを温かく見守るということも、その希望が満たされるように見守るというのも1つの立場かと思うわけでございます。私は先ほど申したとおり、県議会の意見書は非常に重いものでございまして、その意見書に書いてある内容がどういうふうに実質的に実現されていくのかということを今、見守っているという段階でございます。行ったか行かないかという御質問に対しましては、私どもは行っておりませんし、県として今回の問題について沖繩県と接触したかという問いについては、そういうふうにはしておりませんというふうにお答えさせていただきます。
   〔商工労働部長古館敏男君登壇〕
〇商工労働部長(古館敏男君) ただいま議員から御提示ありました資料につきましては、できるだけ早い機会に入手して検討してみたいと思います。
   〔土木部長帷子幸彦君登壇〕
〇土木部長(帷子幸彦君) 土木事務所の統合の問題でございますけれども、過去に土木事務所の実態等のことで総合事務所に入らなかったわけでございますけれども、最近は時代も変わりましたし、反対ありきではなく、いろいろ議論しながら対応してまいりたいということでございます。部長としては賛成とは言いかねると、こういうことだけでございます。
〇副議長(及川幸郎君) この際、暫時休憩をいたします。
   午後3時20分 休 憩
出席議員(47名)
1番 斉藤 信  君
2番 黄川田徹  君
3番 佐々木一榮  君
4番 小野寺好  君
5番 佐々木博  君
6番 中屋敷十  君
7番 大久保豊  君
8番 浅井東兵衛  君
9番 佐々木大和  君
10番 藤原泰次郎  君
11番 千葉 伝  君
12番 伊沢昌弘  君
14番 折居明広  君
15番 田村正彦  君
16番 伊藤勢至  君
17番 佐藤一男  君
18番 高橋賢輔  君
19番 瀬川 滋  君
20番 谷藤裕明  君
21番 三河喜美男  君
23番 船越賢太郎  君
24番 久保田晴弘  君
25番 千葉 浩  君
26番 渡辺幸貫  君
27番 長谷川忠久  君
28番 村上恵三  君
29番 村田柴太  君
30番 藤原良信  君
31番 吉田洋治  君
33番 工藤 篤  君
34番 菅原温士  君
35番 菊池 勲  君
36番 小原宣良  君
37番 樋下正光  君
38番 藤倉正巳  君
39番 及川幸郎  君
40番 那須川健一  君
41番 伊藤 孝  君
42番 山内隆文  君
43番 佐藤正春  君
45番 佐々木俊夫  君
46番 山門一郎  君
47番 菊池雄光  君
48番 佐藤啓二  君
49番 堀口治五右衛門  君
50番 吉田 秀  君
51番 藤原哲夫  君
欠席議員(4名)
13番 須藤敏昭  君
22番 水上信宏  君
32番 飯澤忠雄  君
44番 千葉英三  君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   午後3時39分 再 開
〇副議長(及川幸郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。村田柴太君。
   〔29番村田柴太君登壇〕(拍手)

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