平成8年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成8年3月21日(木)

1開会    午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長        渡邊勉
  議事課長        小国平二
  議事課長補佐      西田幸男
  主任議事管理主査    駿河勉
  議事管理主査      吉田徹
  議事管理主査      小原敏文
  議事管理主査      中澤悟
  議事管理主査      木村稔

1説明員        
  土木部長        帷子幸彦
  土木部次長兼調整室長  佐藤克郎
  土木部次長       藤本保
  土木部次長兼技術管理室長技術参事兼  大石幸
  技術参事兼都市計画課長        佐藤重光
  総務課長        鈴木清紀
  用地高速道課長     砂子沢勝男
  道路建設課長      竹内重徳
  道路維持課長      北栃啓輔
  下水道課長       鈴木惠藏
  河川課長        吉田直博
  河川開発課長      栃内吉征
  港湾課長        吉田健
  砂防課長        笠原光雄
  建築住宅課長      柴田好之
  建設振興課長      北田節男
  調整監         阿部丕顕
  技術管理監       坂東守
  
  企業局長        千葉克
  企業局次長       鈴木一夫
  総務課長        小野寺文治郎
  経営管理課長      伊東隆臣
  業務課長        及川二千朗
  財政課長        佐藤勝

〇那須川委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第27号から議案第33号まで、議案第40号及び議案第41号、以上31件を一括議題とする。
 本日は、土木部及び企業局関係の質疑を行い、その後、議案31件について意見の取りまとめをしたいと思うので、御了承願う。
 なお、説明、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議会運営委員会の申し合わせにより、効率的に審査が進行するよう御協力をお願いする。
 最初に、土木部長から土木部関係の説明を求める。

〇帷子土木部長 平成8年度土木部関係の予算について御説明申し上げる。
 最初に、平成8年度の土木行政推進に当たっての基本的な考え方について申し上げる。 まず、交通基盤の整備についてである。
 国においては、目下、21世紀初頭に向けた望ましい国土構造を構築するため、北東国土軸の形成を含む新しい全国総合開発計画の検討を行っているところである。新たな時代に向け、質の高い自立的な地域社会を形成していくためには、こうした動向を視野に入れながら、交通網の整備など多様な連携、交流を支える基盤の整備が重要となってきておる。
 このため、新しい国土構造の実現のための基礎的条件となる高規格幹線道路や、地域間の交流や連携を強化する地域高規格道路の整備を促進するほか、広域生活圏相互を連絡する幹線道路などの体系的な整備を進めるとともに、隘路区間の解消についても積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。特に、平成8年度からは、従来の交流ネットワーク道路整備事業を見直し、新たに地域高規格道路などを組み入れ、21世紀初頭に向けて県都と県内主要都市間を90分で結ぶ、いわゆる90分構想の実現を目指す新交流ネットワーク道路整備事業に取り組むこととしたところである。
 また、内外との交流の活発化に対応するため、花巻空港の機能の強化を目指すほか、沿岸地域の振興や内陸部を含めた背後圏の物流拠点として、港湾の整備を進めてまいる。
 次は安全な県土づくりについてである。
 昨年の阪神・淡路大震災を契機に、改めて安全の大切さが認識され、国土の安全性の向上に対する要請が高まっておる。県土が地形、気象など厳しい自然条件に置かれていることを考えると、いつの時代においても、災害に強い県土づくり、まちづくりを進めていくことが基礎的課題である。
 このため、洪水、土石流、がけ崩れ、高潮、津波などの発生に備え、治水、砂防、海岸保全など、災害の未然防止対策の充実を図ってまいる。特に、地震や津波など大規模な自然災害に備え、橋梁や堤防、岸壁等の耐震性の向上に取り組んでまいる。
 また、冬期間の円滑な交通を確保するため、路面管理の充実や消融雪施設等の整備を推進するとともに、幅の広い歩道づくりや電線類の地中化を進めるなど、だれしもが利用しやすい施設づくりに努めてまいる。
 次は、快適な生活環境づくりについてである。
 生活重視の時代を迎え、快適な環境の中でゆとりや潤いを持って暮らしたいというニーズが一段と高まっており、これからは日常生活に密着に関連した社会資本の充実がますます大切になってくるものと考える。
 このため、快適な生活環境の創出に向けて、盛岡南新都市地区などの区画整理や街路、公園、下水道などの都市基盤施設の計画的な整備を進めるとともに、良質な公営住宅の供給や都市部における交通渋滞の緩和に努めてまいる。
 また、道路、河川、住宅などの施設の整備に当たっては、環境との調和はもとより、景観、歴史、文化など地域の個性に十分配慮し、良好な環境の保全と創造に一層努めてまいりたいと考えておる。
 次に、議案第1号平成8年度岩手県一般会計予算について御説明申し上げる。お手元の議案その1の8ページをお開き願う。
 土木部関係予算は、8款土木費の1項土木管理費から、6項住宅費までの1、502億7、177万円余と、次のページに参って、11款災害復旧費のうち、2項土木施設災害復旧費100億1、641万円余の合わせて1、602億8、818万円余である。この規模は、前年度当初予算に比較して187億7、770万円余、率にして13・3%の増となっておる。
 また、一般会計予算の総額に対し、土木部関係予算の占める割合は19・9%である。 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるので、予算に関する説明書の213ページをお開き願う。金額の読み上げは省略させていただいて、主な事項について御説明申し上げるので、御了承願う。
 8款土木費についてである。1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など、管理運営に要する経費等のほか、港湾整備事業特別会計等の建設事業などに対する繰出金等である。214ページをお開き願う。2目建設業指導監督費は、建設業振興対策等に要する経費である。3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査等に要する経費及び建築確認事務等に要する経費である。次のページの4目空港費は、花巻空港の管理運営に要する経費のほか、中型機就航等に対応し、空港周辺民家等の防音工事に対する助成等である。
 216ページをお開き願う。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、市町村が行う道路事業の指導監督のほか、第53回冬季国体に関連する町道の整備を促進するため、整備費の一部を助成する冬季国体関連道路整備事業費補助及び県立大学へ接続する関連村道の整備を促進するため、整備費の一部を助成する県立大学関連道路整備事業費補助に要する経費等である。2目道路維持費は、除雪に要する経費、歩行者等の安全を確保するための歩道等交通安全施設の整備費、道路施設の維持管理費等に要する経費のほか、視覚障害者等誘導用のブロックの設置や段差の切り下げによる歩道の改善に要する経費、及び駐車場、トイレ、休憩施設等の整備に要する経費等である。次のページの3目道路新設改良費は、218ページにかかるが、道路交通の円滑化を図るため、道路の改良、特殊改良、舗装等の工事を実施しようとするものである。主なものとしては、東北横断自動車道遠野秋田線の早期整備を図るため予備設計等を実施する経費、沿岸部と内陸部を結ぶ道路の高速化を図る新交流ネットワーク事業、そして補助事業と県単独事業を効果的に組み合わせて、県道及び市町村道を早急に整備する地方特定道路整備事業に要する経費等である。4目橋りょう維持費は、橋梁の維持修繕に要する経費、5目橋りょう新設改良費は、橋梁の新設、かけかえ、拡幅等に要する経費のほか、震災対策として幹線ルート上の橋梁について、落橋防止対策を緊急に実施する経費等である。次のページの6目高速道路対策費は、日本道路公団からの委託を受けて行う東北横断自動車道遠野秋田線のうち、東和-花巻間の用地取得事務等に要する経費である。
 220ページをお開き願う。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川の管理等に要する経費等である。直轄ダム管理費負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金である。2目河川改良費は、次のページにかかるが、中小河川改修事業や三陸高潮対策事業等に要する経費のほか、潤いと安らぎのある水辺環境の整備を行う水辺空間創造事業及び河川改良事業に合わせ、県単独により公園や緑地等の整備を一体的に実施する地方特定河川等河川整備事業に要する経費等である。3目砂防費は、通常の砂防事業、火山地域における土石流等の災害を防止するため、堰堤工等の工事を実施する火山砂防事業のほか、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業及び生態系の保全を図るための砂防施設に魚道を新設設置する魚にやさしい溪流整備事業に要する経費等である。222ページをお開き願う。4目海岸保全費は、高潮災害防止のための海岸高潮対策事業、海浜利用の増進を図る海岸環境整備事業などに要する経費等である。次のページの5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集・伝達するための施設整備に要する経費等である。6目河川総合開発費は、日向ダム、早池峰ダム及び鷹生ダム等の建設に要する経費等である。直轄ダム事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業費の県負担金である。
 225ページをお開き願う。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか4港の港湾施設の維持管理に要する経費のほか、港湾施設の液状化対策等に係る諸調査等に要する経費等である。2目港湾建設費は、重要港湾4港及び地方港湾2港の港湾改修工事等に要する経費のほか、港湾環境整備及び水質浄化に要する経費等である。また、直轄港湾事業費の負担金は、国が実施する港湾施設整備事業費の県負担金である。
 227ページをお開き願う。5項都市計画費1目都市計画総務費は、都市計画に関する諸調査に要する経費、御所湖及び花巻広域公園等の管理に要する経費及び市町村が行う景観形成基本方針の策定費に対する助成など景観形成の推進に要する経費等である。2目街路事業費は、次の228ページにかかるが、市街地における県道の拡幅、改良等に要する経費や、都市基盤施設と宅地の一体的な整備を行う土地区画整理事業のほか、円滑な都市交通の確保を図るため、都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業に要する経費等である。3目下水道事業費は、市町村が行う下水道整備計画策定費及び下水道事業債償還基金に対する助成など、下水道の整備促進に要する経費のほか、下水道の根幹的施設の建設を、県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業に要する経費等である。
 230ページをお開き願う。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅の維持管理に要する経費、岩手県住宅供給公社に対する宅地造成資金の貸付金及び震災対策として、被災建築物の危険度を判定する応急危険度判定士の育成や既存建築物の耐震診断を行うのに要する経費等である。2目住宅建設費は、次のぺージにかかるが、県営住宅の建設、中堅所得者等の居住の用に供するため、居住環境が良好な賃貸住宅の建設に要する経費のほか、既設の県営住宅を高齢者向けに改善する経費等である。
 少し飛んで、263ページをお開き願う。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費は、過年災及び現年災の災害復旧工事の実施に要する経費等を見込んだものである。2目港湾災害復旧費は、次の264ページにかかるが、現年災の災害復旧工事の実施に要する経費等を見込んだものである。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。恐れ入るが議案その1に戻って14ページをお開き願う。土木部関係は、事項欄の46市中金融機関から岩手県住宅供給公社に融通した宅地開発事業資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から、次のページの63県営住宅リフレッシュ事業までの18件である。これらは市中金融機関が岩手県住宅供給公社に融通した宅地開発事業資金の元利償還に係る損失補償、簗川ダム代替地取得資金の融通に伴う利子補給、地域優良分譲住宅制度による資金の融通に伴う利子補給補助及び平成8年度から翌年度以降にわたって施工する工事等について、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 以上で議案第1号の説明を終わる。
 次に、36ページをお開き願う。議案第8号平成8年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてであるが、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ12億501万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 次のページに参って、まず歳入であるが、1款財産収入は、先行取得した公共用地の売り払い収入等であり、4款県債は、用地取得事業費に充当するものである。
 38ページをお開き願う。次に歳出であるが、1款管理事務費は、土地開発基金の管理等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 3款土地取得事業費は、簗川ダム建設事業に伴う用地取得等に要する経費である。
 次に、第2表地方債であるが、これは補助事業用地取得事業費に充当するものである。 次に、41ページをお開き願う。議案第10号平成8年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてであるが、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ104億6、221万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 42ページをお開き願う。まず、歳入であるが、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村から管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業費に対する補助金である。
 4款繰入金は、建設事業費及び県債の元利償還等に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものである。
 次のページに参って、歳出についてであるが、1款流域下水道事業費は、流域下水道管理運営、各浄化センターの施設及び幹線の管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に第2表債務負担行為であるが、これは、都南浄化センターの焼却炉設備工事等について、期間、限度額を定めて、債務を負担しようとするものである。
 次に、第3表地方債であるが、これは、流域下水道建設費に充当するものである。
 次に、44ページをお開き願う。議案第11号平成8年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてであるが、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ28億9、740万円である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 次のページに参って、まず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料等である。
 3款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。
 6款県債は、港湾施設整備事業費に充当するものである。
 46ページをお開き願う。次に、歳出であるが、1款事業費は、久慈港ほか2港の港湾施設整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。次に、第2表地方債であるが、これは、港湾施設整備事業費に充当するものである。
 次に、47ページの議案第12号平成8年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計予算についてであるが、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ2億5、999万円である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 48ページをお開き願う。まず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、ゴルフ場の使用料であり、2款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。
 次に、歳出であるが、1款県民ゴルフ場事業費は、県民ゴルフ場の管理運営に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。
 ずっと飛んで86ページをお開き願う。議案第20号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、平成8年度において実施しようとする建設事業費の一部を、受益市町村に負担させようとするものである。
 次に、98ページをお開き願う。議案第21号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、平成8年度において実施しようとする都南処理区等の管理運営費及び建設事業費の一部を、受益市町村に負担させようとするものである。
 以上をもって土木部関係議案の説明を終わる。よろしく御審議のほど、お願いする。

〇那須川委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇藤倉委員 今、車の事故が各所で発生しておる。二、三日前も1人死亡を含めてたくさんの被害があったところである。そこで、ある箇所の例を1つ申し上げながら質問してまいりたいと思う。
 この例は3月2日の夕方の5時、大変滑りやすい交通の難所、急カーブの難所で、1台の車が前を確認しながらおりてきた。そうしたら3台の車がとまっておった。十分通れる間隔を見ておりたところ、その反対側に上る車が2台とまっておった。ブレーキをかけたけれどもそのままずるずると滑って事故に遭った。確認された3台の車は2時間も前から下倉スキー場に行くための他県ナンバーの車であった。それで、反対側の2台の車はそれを押し上げようとして車がとまっておった。こういう難所の例を申し上げた。そこで、この付近は昨年度は2カ所で11件と12件、計23件物損事故だけで報告されておる。大変な難所である。樹海ラインの下の方であるからかなり他県ナンバーの車がたくさん参っているところである。その場所は県道の雫石東八幡平線であるので、この線は昭和31年に十和田八幡平国立公園として指定を受けた八幡平地区は、春秋ともにわたって多様な車が観光ということで参っておる。レジャー地区として多くの観光客を受け入れているところである。殊にも樹海ラインの開通に伴って交通量が著しく増大しておるところである。この樹海ラインにつながる県道雫石八幡平線の松尾側についてはカーブが連続してあり、冬期にはスリップによる事故が多発しておると伺っておる。そこで、お尋ねするが、この県道雫石東八幡平線の現在の整備状況と今後の見通しについてをお伺いする。

〇帷子土木部長 お尋ねの路線については、お話のあったように国立公園を通っているというようなことで、観光客も多く利用されているわけであるが、このお尋ねの、多分松川温泉から柏台までだと思うけれども、8・3キロあって、2車線で一応は改良扱いになってはおる。ただ、お話があったように樹海ラインが完成して年々交通量も多くなっておるので、一部局部的な改良を進めてきたわけであるけれども、それではとても増大する交通には間に合わないというようなことで、平成5年から県単独の改良費を投入して事業を進めているところであるけれども、あの地域は御承知のように谷と山に囲まれたというか、幅の狭いところに急勾配で上っていくような道路であるので、それと国立公園内というようなこともあって慎重に工事を進めておるので、若干時間がかかっているけれども、今後、鋭意整備に努めてまいりたいと思うので、御理解願いたいと思う。

〇菅原委員 先般の総括質疑で積み残した分あったので、その一部をるるお尋ねしたいと思う。
 まず、感謝申し上げたいと思うけれども、実はきょうの質問通告をしておらなかった。夕べ実はしたんであるが、8時ころ池田主幹のところに電話した。そうしたら奥さんが出てまいって、きょうは県庁の方に出勤しておると、こういうことで県庁の方に電話した。夕べの夜の8時であった。遅くまで頑張っているんだなあと感じたわけである。なお、池田主幹の奥さんの電話の応対非常に感じがよくて、本当に夕べは何と申すか、すがすがしい感じであった。こういうことであって、感謝申し上げる次第である。
 まず、第1点は、先般、北海道の豊浜トンネルにおいての事故があったわけである。大きな事故が発生し、そして多くの犠牲者が出たわけであるが、これは記憶に新しいところであるわけである。報道によれば、この事故の原因究明のために北海道開発局が独自の事故調査委員会を設置した。そのようにあるわけであるが、この内容は、どういうことで起きたかということもさることながら、近い将来責任問題が発生する。それの対応もあるのだ。そういうことが言われているようである。恐らく最終的には裁判という形で補償が解決するんではないかと思う。一方、同時に建設省も独自の事故調査委員会を設置した。そのようにあるわけである。この目的は将来の事故防止が目的だ。そういうふうに報道されているわけである。このような事故が起きた場合、国の道路管理責任者としての国道においての事故が発生した場合には、国の責任であるからこれは国家賠償法で賠償されるわけであるけれども、一方、地方自治体は国家賠償法が適用されないわけである。したがって、こういう事故が発生すると損害賠償、慰謝料とかいろんなそういう問題が出てくるわけなんであるが、かつて、年月は忘れたけれども、福井県においてこのような事故が発生して、この場合は長くかかったけれども責任賠償保険に加入しておったので、その保険金でその賠償金が支払われた。そのように報道になっているわけである。本県の場合、急峻な山間部に道路があったり、トンネルもたくさん実はあるわけであるが、不幸にしてこういうような事故あった場合、その責任賠償はどのような方法でこれやるのかということなんである。福井県のように責任賠償保険に加入しておるのかどうか、お伺いをしたい。
 それから、あわせて損害賠償責任保険なるものの内容を、どういうものであるか、あわせてお尋ねをしたいと思う。

〇帷子土木部長 道路損害賠償保険についてであるけれども、本県のように山が急峻な地域におると、風が吹いても上から石ころが落ちてくるというような状況にある。それで、ロックネットというか、ポケット式のロックネット等を張っておるわけであるけれども、あの高いところから転げ落ちて、それを上を乗り越えて落ちてくるというような事例も多々あって、県としてもいろいろ裁判事例を見たら、道路敷地以外から落ちてきても道路管理者の責任だというような事例等も見受けられたので、この保険に入っておる。この保険は対人賠償が1名につき3、000万円を限度として、1事故につき3億円まで、それから対物は1事故につき1、000万円というようなことでその保険に入っておって、毎年何件かこの保険の御厄介になっている現状である。事故発生があった場合は事故──事故というのは道路の管理疵の問題があって、運転者と道路管理者との因果関係等いろいろ詰めて、それらをきちっとした上で保険金を支払っているようなことになっておる。支払いに当たっては専決処分でお願いして、保険料は保険会社から直接被害者の方に支払われることになっておる。

〇菅原委員 わかった。
 次に、住宅等々の地下室についてお尋ねするが、平成5年に私、吉田、藤原委員ともどもヨーロッパの福祉施設の自主研修に実は行ってきたわけであるけれども、スイスへ参って老人ホームを視察した。地下室を拝見させていただいたわけであるが、そこには広大な地下室であるが、食料、水、7日間とにかく生活ができるというようなそういうものを備蓄しておくんだ。こういう話であった。7日間という意味はどうだと言ったら、戦争が起きても災害が起きても7日あれば大体処理ができると、解決をするんだという思想なんだそうである。いいことだなと、我が国もこういうものがあればいいんだなというような話をした記憶があるわけであるけれども、このごろ日本の一般民間住宅においても地下室をつくって、それを非常に活用しているというようなことを聞いているわけなんである。土地の有効利用が図られるというような利点もあるわけであるけれども、利点としてはもっとあるようである。まず、冬暖かく夏涼しい。燃費が10分の1で済むんだそうである。したがって、快適であるから夫婦の寝室に利用する方も多いんだそうである。音が外に漏れないから。それから、いわゆる子供のピアノのレッスンとかカラオケ練習とか、あるいはまた、お父さんのゴルフの練習とか、お母さんは除湿機を使って洗濯物の乾燥とか、いろいろな利点あるんだそうである。我々議員はバッジをつけて生活をして、あるいはまた議会活動をしているんであるが、はたから見れば格好いいなと思われると思うんであるけれども、そうでもないんである。外へ出れば選挙民を意識して神経を使って、議会に来れば言いたいことの半分も遠慮して発言しない。そういう神経も使うんである。家へ帰れば粗大ごみ扱いされるし、私は貝になりたいと、孤独になりたいと、そう思うときも実はあるんである。そういう場合にこの地下室は非常にいいんだそうであるが、ところで、この地下室をつくる場合の建築基準法とかの関係どうなっているか。あるいはまた、こういう土地を有効利用できる地下室をやっぱり一般の民家の住宅にも普及させる必要があるんではないか。そんな感じをするんであるが、その辺の見解をお伺いする。

〇柴田建築住宅課長 住宅の居室を地階に設けることについては、建築基準法の規定によって居室の全面に採光あるいは換気を確保するためのいわゆる空掘りがある場合、その他衛生上支障がない場合に認められておる。また、平成6年6月の建築基準法の改正においては、既製市街地等の土地の有効活用等を図るため、住宅の地下室の床面積は住宅の用途に供する部分の3分の1を限度として延べ面積に算入しない。すなわち容積率に算入しないという改正が行われておる。実際の設置条件について統計はないけれども、相当のコストがかかるにもかかわらず、すぐれた断熱性、遮音性に着目して、主として敷地に制約のある大都市圏において積極的に活用する傾向が見られるということを聞いておる。御指摘のさまざまな利点、活用方法あるいはコスト面、こういった面で適正な情報提供がなされるように留意していきたいと、このように考えておる。

〇菅原委員 大きな災害はどうであるか、災害にも強いと、そういうような評価が実はあるわけである。ただ、火災にはちょっとというような意見もあるようであるが、災害に対する効力と申すか、そういうものはおわかりであるか。それは後で調べて検討していただければ結構である。終わる。

〇久保田委員 3点にわたっての質問になるが、1つは、2項2目さわやか岩手イメージアップ大作戦県単独道の駅整備事業についてであるし、あと1つは、3項6目河川総合開発費に関連して御質問する。3つ目は、花巻空港の騒音対策についてである。
 まず、さわやか岩手イメージアップ大作戦県単独道の駅整備事業についてであるが、この整備事業の基本的な構想と考え方についてお伺いをする。
 平成8年度の実施予定地はどこであるか。
 建設省設置の道の駅もあるが、それぞれの役割分担があるのかどうかということで、整備の内容に相違点があるのか、施設の内容はどのようなものかをお尋ねする。
 あわせ、設置に当たって当該市町村の負担はあるのかどうか。設置についての事前協議がどのように行われていくものであるか。
 まず、以上の点についてお伺いをする。

〇北栃道路維持課長 イメージアップ大作戦県単道の駅事業について御説明申し上げる。 まず、1番目の基本的な考え方についてであるけれども、道の駅の整備に当たっては、これまでの道路整備は円滑な交通、いわば流れに重点を置いて整備を進めてきたわけであるけれども、近年、長距離交通が増大するとか、それから女性や高齢者ドライバーも増加するという中で、駐車とか休憩といったようなたまり空間の整備によって、安全で快適な道路環境の創造が求められるような社会情勢になってまいった。道の駅はこのような要請にこたえるため、駐車場とか24時間利用できる清潔なトイレあるいは休憩施設、それから道路情報提供施設等を道路管理者が設置する。それにあわせて地方公共団体等──市町村が中心なんであるけれど──が創意工夫を凝らした郷土資料館とか物産館というような地域振興施設を計画する。それを一体的に整備することによって道路利用者へのサービスの向上を図る。それとあわせて地域振興の拠点なり地域交流の場としようとするようなものである。こういう考え方に基づいて県単道の駅事業が行われているわけであるけれども、平成8年度の事業箇所としては国道107号の湯田町の杉名畑地区、それから395号の大野村の大野地区、それから281号の葛巻町の葛巻地区、それから283号の遠野市寒風地区の4カ所で事業を予定しておる。それぞれ進行状態に違いがあるけれども、工事を進めている箇所、あるいは調査設計を進める。それから、用地買収を進めている箇所もある。
 それから次に、建設省の道の駅との役割分担はということであるけれども、建設省と県の役割分担については、道の駅は道路管理者が行うということで、建設省が直接管理している国道4号、46号、45号、いわゆる直轄国道と言われるところは建設省が直接担当する。それから、県が担当するのは県管理の国道及び県道を担当して持ち分を整備することにしておる。それから、整備の方針とか施設の内容については、国、県とも基本的に相違はなく、地元自治体として整備を行うことについても変わりはない。
 それから、3点目の市町村の負担、それから事前協議はどうなっているかということであるけれども、道の駅の整備事業に当たっては、先ほど申し上げたとおり、道路管理者と地元の自治体がそれぞれ役割を分担しながら一体的にその整備をするということである。そういうことで地方の特色を生かした地域振興施策に対する費用については市町村が負担していただくということになっておる。それから、計画に当たっては市町村からの要望を受けて道の駅を計画するわけであるけれども、市町村が立てる地域振興計画というものをもとにして、県と市町村が連絡協調を十分しながらおのおの役割分担に基づいて施設整備を立案して、円滑に整備が図られるように努力しているものである。

〇久保田委員 お答えありがたかった。内容はわかったが、新たな整備事業であるので、要望の市町村に対する指導援助についてはよろしく取り組みをしていただきたいと思う。 次に、河川総合開発費に関連するわけであるが、県内にはダムがたくさんあるわけであるが、この場所では県内5大ダム等の土石堆積の状況はどうであろうか。ダムの寿命にかかわる問題なわけであるが、維持管理において土石堆積のデータを的確にとらえておられるものであろうか。現在の貯水能力や貯水率はどういう変化をもたらしておるのかについてお伺いをする。
 建設後のダムの耐用年数というのは大体100年とか言われるわけであるが、一般的に言われる耐用年数はどう見られておるのかについてお伺いをする。

〇栃内河川開発課長 県内ダムの土砂堆積状況について御説明する。
 平成6年度における建設省管理の5大ダムの堆砂率は石淵ダム71%、田瀬ダム6%、湯田ダム29%、四十四田ダム80%、御所ダム11%となっておる。また、土木部所管の各ダムの状況であるけれども、綱取ダムは3%、滝ダム14%、入畑ダム10%、遠野ダム76%となっておる。ダムの堆積物については、毎年洪水期後に音響測深儀によって堆砂量の調査を行っておる。そして、堆積状況を常に把握しておる。また、ダムの使用計画上では、治水、利水容量とは別途に堆砂容量というものを計画しておって、現在の貯水能力は100%確保されておる。
 建設後の耐用年数ということであるが、ダムの堆砂容量は先ほど申されたように一般的には100年分の土石の堆砂を見込んで計画しておる。

〇久保田委員 堆砂量を御報告いただいたわけであるが、例えば四十四田ダムについて言えば、あと寿命は何年あることになるか。具体的にお尋ねしたいわけである。この堆砂されたものを排出をして寿命を長くさせるという対策も考えられるわけであるが、こうした堆砂させたものに対する処理、処分の方法というものが考えられておるものであろうか。

〇栃内河川開発課長 四十四田ダムの堆砂の状況ということであるが、以前は流出量が非常に多かったわけであって、年間約20万トンぐらい流出しておったという状況であるが、最近、上流部に砂防ダムが建設されて、それの抑止効果によって最近は9万9、000トンぐらいということで、半分以下に落ちておるという状況であって、この今の状況を踏まえると約23年ぐらいはまだ余裕があるのではないかと聞いておる。除去の状況ということであるけれども、これについては今、管理者である建設省の方でいろいろ検討中と聞いておる。それから、現在のダムの堆積しておる土砂の排除というものについては、国の方でも堆砂対策としてダム堆砂排除事業というものを創設しておる。現在うちの方では県管理のダムとしてはそういうものはないけれども、そういう必要性が出てきた場合にはこういう事業を導入して、そして対処してまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 最近、山の管理が悪い状況もあってかなりの土砂が流れ込む状況が多いわけである。今お話があったように上流に砂防ダムをつくって、その状況を緩和しようという考え方があるようであるが、そうした砂防ダムの建設というものも十分考えられるべきことと思うが、このことについてどのような御見解を持っておるであろうか。
 次の質問に入るが、花巻空港の騒音対策についてである。現在それぞれ対策を講じていただいておるわけであるが、騒音対策の対象戸数の現状についてお伺いするし、対策の内容がどういう内容で進められておるのであろうか。
 また、2、500メートルに滑走路が延長になった場合の新たな騒音対策というものが講じられるものと思うのであるが、これらの対応策についてこの機会に伺っておく。

〇吉田港湾課長 花巻空港の騒音対策については、昨年4月に中型ジェット機の就航に伴って、事前に騒音予測調査を実施して、地元の説明会あるいは地元の方々の御理解を得ながら、平成6年度から予定戸数215戸を対象にして実施してきておる。その内容については、家屋の開口部には防音サッシを取りかえるとか、あるいは空調機器等を設置するなどの工事を行ってきておって、これまでに160戸を実施しておる。平成8年度までに完了する予定でおる。
 また、将来滑走が2、500メートルに延長になった場合の騒音対策についてであるけれども、今回の中型ジェット機と同様に事前に騒音予測調査を行って、必要な区域の民家等を対象に防音工事を実施していくものと考えておる。

〇久保田委員 先ほどのダムの関係について御見解を伺いたいと思う。

〇笠原砂防課長 先ほどの四十四田ダム絡みで砂防ダムのお話あったが、砂防事業は土砂の流出が大変著しい場所で、治水の存在の有無にとらわれず、河道埋塞等につながるためそのような場所に手当てを講じてきておる。もちろん今お話のダムなど水の貯溜する場所への土砂流出をフォローすることも重要な役割となっておる。ちなみに今までお話あった直轄ダム、5大ダムの上流域には県全体で122基の砂防ダムを設置しておって、有害土砂流出防止を図っておる。今後もこれらの状況を見ながら対応していきたいと、こう考えておる。

〇久保田委員 騒音対策についてはそれぞれ適切な方策を考えていただいているわけであるが、地域住民にとっては道を1本隔てただけで対象にならない人たちもあるわけである。そういう境目のところにある方の苦情があるわけであって、そういう意味ではこの対策はかなり柔軟に整備の対応に尽くしていただきたいものだと思うわけである。そういう意味で今後とも騒音対策については十分な対応をしていただくことになるわけであるが、地域住民の意向を十分に尊重していただいて、対策に万全を期していただきたいことの要望を申し上げて私の質問は終わる。

〇船越委員 私は土木費については3点にわたり質問を申し上げたいと思う。
 冒頭に部長から海岸保全問題にも最重要課題として意見が述べられて非常に心強いわけであるが、220ページ、河川改良費として多項目にわたってきめ細かに配慮されておるが、宮古市の企業誘致ナンバーワンともいうべき優良企業であるホクヨープライウッド工場があって、そのわきを流れる県管理の2級河川八木沢川があって、上流には宮古短大があるが、今まで田んぼが貯水池の役割を果たしてきたところであるが、いずこでもであるが都市化のために非常にそれらがみんな埋まってしまってから、毎年のように洪水に見舞われて、ホクヨープライウッド工場では雨のたびごとにあの川があふれて、田んぼのところにさっと土を盛って建てた工場であるので、川がたちまちはんらんするというと200台ものモーターが全部冠水するんだそうである。大変だねということを私が申したら、もうなれてしまって200台の予備を用意しているんだと、そしてすぐ取りかえてやるんだ。例えば、取りかえるのは簡単であろうから仕事を休まなくとも済むであろうが、半日か何ぼであろうが、200台のモーターを巻きかえるといったら、またそれも金であるねということを私申し上げたんであるが、我慢しているようであるけれども、その他のことで民家の人たちも随分監視して戦々恐々としておるようなわけであるけれども、いろいろと地元で管理して改良していただいておるけれども、10メートルか15メートルぐらいで進捗度が短い、わずかである。だから、非常に気がもめるので、何とか三、四十メートルぐらいずつもはかどるものであれば非常にいいんだがなと常に思って通っておるわけであるが、その進捗の度合いについて御意見をいただきたいと思う。

〇吉田河川課長 2級河川八木沢川の河川改修についてであるが、これについては、昭和57年から河川局部改良事業により整備を進めているところである。整備計画延長については、河口部から上流約1、350メートルの区間で、これまでおよそ500メートルの護岸港の整備や橋梁のかけかえ工事を進めてきたところである。
 工事の進捗についてであるが、当河川の工事区間は非常に土質が悪く、基礎地盤が脆弱であるということに加え、工場や家屋が隣接している。そのために工事現場が非常に狭隘なことから、本工事のための仮設備工事やつけかえ橋梁の基礎工事等に多額の費用を要し、整備区間の延伸に時間を要したということである。今後は、背後地の条件が緩和されることもあることから、これまで以上に整備が進むものと見込んでいるところである。さらに早期完成を図るよう、事業の推進に努力してまいりたいと考えておる。

〇船越委員 非常に心強い限りである。よろしくお願いする。
 第2点目としては222ページ、海岸保全についても数項目の施策をいただいており大変ありがたいわけであるが、最近とみに、阪神災害以来防災問題について内外から非常に議論が出ておるわけであるが、宮古湾においても御承知のとおり、45号は海岸端をずっと通っておるわけであるので、それが重要幹線として1本であるから、一度津波災害等が起きると大変な状態になる。皆さん御承知のとおり、堤防というのは平均にやっていただいて大丈夫だと思うわけであるけれども、平均の高さでいくからどうしたって波長が長いから、まかるところがなければ、収容するところがなければどこかに行って盛り上がるということであるから、膨大な波長でもって来る津波の波であるから、水量であるから、普通の背と違ってどこかに必ずあふれるはずだと大体我々はわかるわけであるが、そういったようなことで、これが一たん津波になると大変である。それからまた1本だけであるので、ちょっとした沿線の火事あるいは交通事故等によると、たちまち大渋滞を起こすということである。
 そこで、私は、今土木の方から手がけていただいているところのラントノ沢線というのが宮古短大を含めてその方から50メートル、100メートル手をつけていただいておるが、なかなかこれもはかどらない。幸いにして小山田トンネルというのが開通して、宮古市街地あるいは盛岡に来る道路も非常に便利になったわけであるが、これにつながるものとして45号の予備道路として災害道路的な色彩も持つし、この道路ができるのを待ちかねて、50メートルできる100メートルできるということを待ちかねて、どんどん宅地開発がなされておるという現状であるので、あの辺の開発は災害もさることながら、平野地帯が非常に開発を待ちこがれているというのがよくわかるわけであるので、この点についても非常に早期完成を強く望まれるというような地域住民、宮古市長たちも非常に頭を悩ませておることであるから、何とかこの辺も力を入れていただけないかと、こう思うわけであるが、今後の見通しについてお伺いする。

〇北栃道路維持課長 宮古市道岸前ラントノ沢線の整備について御説明申し上げる。
 お尋ねの路線は、国道45号の代替道路としても重要な道路であると認識しておる。市では、国の緊急地方道路整備事業等により道路改良工事に努めているところである。この道路の延長は約2、300メートルほどであるが、平成7年度までに約900メートルほど終了しておる。残りの1、400メートルについても早期に完成できるよう、県としても事業費の確保を図るなど、市を支援してまいりたいと考えておる。

〇船越委員 非常に御理解をいただきありがたい。忘れないようにお願いする。
 3点目の最後の質問であるが、海岸浸食対策費についてもたくさんの項目で上がっておるが、北栃道路維持課長には非常に私も借りがあるので、あなたは土木部長のときに、マリーナがすぱっと決まる日であったが、はみ出すものが出てきて、何だかんだということで1年半か何ぼか延びたわけであり、せっかくあなたのときにちゃんちゃんと決まるはずだったのが壊れて、私、非常に漁民代表として申しわけないと常日ごろ思っているわけであるが、それもまた要するに彼らが出てきたのは、決まったのを決まったとおりやってくれないからというのが理由になるわけなんであるが、そういうわけでもないが、ひとつお願いを申し上げるが、宮古湾奥にサケ川が──有名な津軽石川の左岸の方にかつて鯨の大群が乗り上げて、そして藩の分だあるいは地元のものだということで非常に争いをしたという伝説の、伝説ではない、本物の話であるが、こういう話があって、赤前は昼前だという言葉が出た。午前中とったものは、処理したものは藩のものだと、午後のは地元のものだと、こう言ったところが、3時ごろまで頑張ったと。何だということになったら、なに、3時になっても、4時までも赤前は昼前だということの話があるわけであるが、そういう1、000メートルにわたるすばらしい砂浜があったわけであるけれども、チリ津波のために堤防を築いた。そしてその反射波によってそれだけの巨大な砂浜が跡形もなくなってしまったという事実がある。今、皆さん方、あれが三十何年、40年にもなるが、堤防の築き方も進歩して、もとは船の船首のように水をはね返すような形であって、だからはね返りぎわに砂をみんな沖に払い出すというような悪弊があった。ところが今は階段式に、観覧席のようにやるものだから、それが静かに引き波がおりていくということで、砂浜を崩さないということで今非常に工法が変わったようであるが、赤前は昔のとおりの大型船の船首みたいな返すようになっているわけであるが、そういうことで非常に、ああ、しまったなということになっているわけである。
 そこで、私、海岸保全のために50メートルか100メートル沖合に、テトラポット等を静めて波をそぐということによって砂浜がどんどんできるんだということが、堆積するんだということが全国の例で、非常に簡単にできるというようなことが立証されておるわけである。そういうことで、ぜひこの点に注目してもらいたい。今、ようやく皆さん方が大船渡湾の赤崎の海岸を埋め立てに成功したのは、やはり地元民の漁民の人たちは海水の浄化というのが一番先に条件に出たはずである。そのことに非常に納得させるような項目を述べて皆様方成功したようである。宮古湾の埋め立てのときも、かつてはやっぱり一番先に要求されたのはそのわけであるので、当時の市長が、宮古湾を1メートルぐらいずつ掘ってあげるといったようなことをしゃべったが、とてもとてもそういう物理的にできるものではないが、いかにして堆積するヘドロを除去できるか、あるいは海水を浄化できるかということは、砂浜の効用というものが非常に絶大だということは私より専門家の皆さんがよくわかっておるわけである。砂浜の中にはいろんなあれが、性質が含んでおりそして水を浄化すると。また、ぶち上げられた堆積物はみんなヘドロにならないで、天日によって紫外線で消毒されてしまうといったようなことで、砂浜は非常に効用がある。かてて加えて、あの地帯は今防災と関係する防災ヘリ用のヘリ発着地が裏にある。それから、宮古市の運動公園野球場、陸上競技場等たくさんある、児童公園等。あれに砂浜が再現するならば、レジャーとしてもあるいはそういう海岸の海底の保全のためにも二重、三重の効果があろうと思うので、ぜひぜひこの点を取り上げて、そして重要課題として今後の海岸保全ということに莫大な項目と莫大な金がついておるから、このことを着目して鋭意努力していただきたいと、こう思うが御意見をお伺いしたいと思う。

〇帷子土木部長 砂浜については海洋性レクリエーション、それから今委員からお話のあったように海水の浄化機能というのもあるので、我々もその整備を大いに図る必要があると考えておる。この赤前海岸については、ことしの県単の調査費でもって地形測量と予備調査を実施したところであり、国の方に平成8年度から新規の事業として要望しているところである。御了承願う。

〇村田委員 2つのテーマで伺いたいと存ずる。
 道路改良について、それから河川関係についての2点であるが、まず道路改良について質問する。
 ことしの土木部長の御説明によれば、大変積極的な予算を組まれた建設事業費であると、1、602億余、前年比13%の伸びというようなことで、大変な時節柄困難な予算編成作業の中でこれだけの県民の要望にこたえようという意欲に対して敬意を表する次第である。道路改良については、それぞれの立場で広域的な視点から、交通ネットワークの視点から、きめ細やかな計画のもとに推進せられようとしておることはまことに喜びにたえない。私ども花巻広域圏の道路ネットワークについて、特に一般県道石鳥谷大迫線の改良については、歩道の整備等既に着々と進行いたしておるところであるが、大迫、石鳥谷の境の掘割地区の整備が非常に停滞しておるように見受けられるが、新年度に当たって、この対応とそれから三日堀地区等における歩道整備の計画について承りたいと思う。
 それからあわせて、昭和45年ごろから国道予定要望線として陳情いたしてまいったが、その後平成3年であったろうか、4年であったろうか、国道昇格456号と認定に伴ってそこが脱落した大迫-東和間の主要地方道の整備についてであるが、既にこの問題については調査に入ると、また、その予算も平成8年度予算において計上に向かって考慮いたしたいという回答に接しておるところであるが、この点については土木部長から、経過と今後の見通しについて改めてお聞きをいたしたいと思うのである。

〇帷子土木部長 それでは、私から大迫東和線の改良について御説明する。
 多分、古田峠の改修についてだと思うけれども、昨年度基礎調査を行って、本年度、7年度から概略の調査設計を進めてきたところである。それをもって地元におろすというか地元説明会を行ったところであるが、一応了解というようなこともあり、平成8年度は現地の測量調査それから設計までやって、地元が本当にそれでよければ用地買収までこぎつけたいという意気込みでおるので、御了承願う。

〇竹内道路建設課長 県道石鳥谷大迫線の改良計画であるが、御指摘のように石鳥谷町と大迫町の間が急勾配で半径が小さい、曲線半径が小さくてちょっと難渋しておるという状況になっておる。現在、延長600メートルほどの区間についてその解消を図るように整備を行っておるが、これまでは県の単独事業で進めてまいった。今後は、平成8年度から国庫補助事業を導入して、できれば9年度の完成を目指して整備を進めてまいりたいと考えておる。

〇村田委員 よろしく御推進を賜りたいと思う。
 次に、北上川の河川についてであるが、北上川築堤護岸については、国の直轄事業として逐次改善せられておるように思われる。であるが、特に都市連担地域を後背地として控えておる部分については、築堤護岸については必要ではあるがなかなかはかどらないということで、住民の不安も解消せられておらないのが実態であると思う。石鳥谷地区の薬師堂川-耳取川間については、特にその必要性の高い箇所であると認識しておる。さらにまた、好地地区を後背地としておる上口川、石鳥谷好地のど真ん中であるが、そこにある水門についてもその機能を十分に果たせないままに残っておるということであるが、地元住民の要請も非常に強い問題であるが、この2点についてどうなっておるか。

〇吉田河川課長 北上川の治水対策については、県にとっても重要な課題の1つであると考えており、これまでも国に対していろいろ対策について要望してきたところであるが、今後とも機会あるごとに強く要望してまいりたいと考えておる。建設省の方によると、お話しの石鳥谷堤防については、現在実施している他の箇所の進捗状況を見ながら、早期に着手するよう努めたいと聞いておる。
 また、水門等にかかわる内水排除対策等についても、今下流の方から順次進めてきているということで、これについても早期着工を強く働きかけていきたいと考えておる。

〇村田委員 よろしくお願いする。
 それでは最後であるが、早池峰ダムの整備についてであるが、昭和55年に予備調査が始まった。そして昭和62年、たしか本格的な着工予算がついた年次であると思っておるが、考えてみると、予備調査の時点で、反対運動等も含めて7年間という時間を検見いたしておるが、着工予算がついてからもう既に8年、合計15年という歴史がここへ刻まれておる。本年、ようようこの定礎の儀式を迎えるとお聞きしておるところであるが、その間の歴代のダム関係の担当の皆様方に、会うが同じき理想の光り、人は変われどと、こういう感じをしており、大変敬意を表する次第である。
 そこで、その間明記いたすべきところは、残土の処理等についても周辺地域の圃場の整備を行うことなど、あるいは道路の改良の事業についても、非常に多面的な予算執行をせられておるし築堤事業を行っておられるということは、私どもは高く評価しておるところである。しかしながら、ちょっと心配になっておる問題がある。その点は、岩手県の特に北上山地、早池峰の南面、この集水地域を予定しておる早池峰ダムの湛水能力、湛水能力はあるけれども、雨量というかそういう水の問題としては1、200ミリという年間雨量の統計から言って、大変時間がかかるのではないだろうか。そのことによって、工業用水の供給あるいは平成12年を予定されておる完成時において、電源の開発等について十分なほどの湛水が期待されるのであるか、どのように計算されておられるのであろうか、その辺の見通しを承りたい。
 それからもう1つは、ダム完成後の水温の問題、それから年間流量の変化によって既に協定書が結ばれておるはずであるが、漁業権の問題、内水面漁業に対する影響度、そういうことをどの程度にとらえておられるのか、その諸点について承りたい。

〇栃内河川開発課長 早池峰ダムの整備について御説明する。
 早池峰ダムについては、地元の皆様方のおかげをもって順調に推移しており、平成12年度の完成を目指して本格的に現在コンクリートの打設を行っておる。委員お話しあったように、ことしの6月には定礎式ということで、ダムにとっては最大の行事を実施できるというところまでこぎつけてまいった。この心配されておる貯水それから水質等いろいろあるけれども、これらの関係についてはそれぞれの要件をチェックしていろいろ検討しておる。それで、稗貫川の河川の流況であるけれども、この流況は県内の渇水日流量等で申すと、内陸の各河川、松川、葛根田、簗川、稗貫、猿ケ石、北本内、和賀、磐井とあるが、北上川流域においては平均が0・8トン──100平方キロ当たりの渇水日流量であるが──0・8トンというものに対して稗貫川自体も0・8トンということで、これは北上川流域のほぼ平均ということで流況的には悪くないと、平均的な流況があるととっておる。ちなみに2級河川、沿岸の方である2級河川であると、おおよそ平均が0・5トンぐらいということであるので、内陸部は沿岸に比べてそういう点では余裕があるということで、心配される利水の用量がたまるだろうかということについては私どもも心配しておらないし、その試験湛水はどうであろうかということで、湛水計画のシミュレーションを行っても、試験湛水は長期化しないですぐためられる計画ができるということで、予定どおり貯水できると考えておる。

〇工藤委員 217ページ8款土木費2項道路橋梁費3目道路新設改良費に関連して帷子土木部長にお尋ねする。
 まず第1点は、新幹線関連道路整備事業についてである。
 県はこれまで、新幹線アクセス道路と位置づけ、県北の道路網の整備に積極的に取り組んでまいった。おかげさまで工事も目に見えて進んできたように思う。
 そこでお伺いするが、これまでの進捗状況と平成8年度かなりの事業費を計上しておるようであるが、その事業の取り組みについてお尋ねする。

〇帷子土木部長 新幹線関連道路整備事業についてであるが、御案内のように、久慈、種市、十和田、安代の4ルートを定めて、平成6年度から鋭意事業に取り組んでいるところであるけれども、このうち久慈ルートの県道二戸九戸線織詰地区については、この地域が地すべり地帯ということで非常に地質が悪い。それと、長大なトンネルが予測されることから、地質調査あるいはより経済的なルートを比較検討を行ってきたところであるが、ルートについては地元の了解を得たことから、平成8年度はトンネル橋梁の詳細設計と用地測量を行って、できれば用地買収にも入りたいと考えているところである。
 それから、この路線に中村地区とか川又地区というのがあるけれども、それは街路事業で今鋭意整備を進めているところである。また、同じ久慈ルートであるけれども、戸呂町軽米線の宮沢地区、ここについては規格の高いルートとして計画しておるので、これまで数ルート検討したがおおむねのルートが決まったので、地元に説明会でおろしたところである。平成8年度はトンネル橋梁の詳細設計と用地測量を行って、これもできれば用地買収までこぎつけたいというところである。
 それから種市ルート、これは395号の猿越峠をやっているけれども、これは平成9年度の供用を目指しておる。それから、同じルートの軽米バイパスと軽米種市線のノソウケ峠、これについては現在登坂車線の工事を実施しており、これも平成9年度の完成を目指しておる。
 それから十和田ルートである。二戸田子線の下斗米バイパスを今取り組んでおるけれども、これについては橋梁の下部工を今行っておるけれども、これの完成を図りたいということでやっておる。
 それから安代ルートであるけれども、この二戸安代線の似鳥地区については、平成8年度は用地買収と橋梁の下部工事に着手することとしており、川井地区については詳細設計を行って工事にも着手したいということにしておる。
 それから、直接新幹線関連ということではないが、浄法寺バイパスがあるわけであるけれども、これについても平成8年度から調査を行うことにしておるけれども、この浄法寺地区については、過去に地元の反対でルート決定が流れたことがあるので、今後、地元と十分調整を図りながら計画をしてまいりたいということで、いずれ4ルート、この浄法寺バイパス以外は何とか新幹線までに間に合うよう努力してまいりたいと考えておる。

〇工藤委員 ただいま大変積極的な御答弁をちょうだいしたわけであるが、今もお話があったように浄法寺地区であるけれども、これらも新幹線関連道路という考え方ではないようであるけれども、いずれこの道路も整備をされると新幹線の開業時には非常に効果的に道路利用が図られるわけであり、ぜひひとつ頑張っていただいて、平成13年度の新幹線の開通時までに見通しをつけていただくようにぜひお願いを申し上げたいと思う。
 それから、もう1点は国道4号のバイパスの問題であるが、二戸市内の金田一バイパスもおかげさまでかなりいい線になってきたと思っておるが、それと同時に、一戸町内の小鳥谷地区にも実はバイパスの計画があるやに伺っておるが、これらの整備状況あるいは今後の見通し等々についてもお聞かせいただければと思う。

〇竹内道路建設課長 国道4号についてお答えする。
 金田一バイパスであるが、御案内のとおり全体3・2キロあり、このうち金田一温泉までの1・7キロが既に供用されておる。現在整備を進めておる区間については、本年度改良舗装工事を現在やっておるが、来年度、平成8年度の完成供用を目指していると建設省から聞いているところである。
 それから小鳥谷バイパスについては、これまで調査測量などをずっと進めてまいっておったが、今年度から一部用地買収に着手したところである。平成8年度も引き続き用地買収を促進すると建設省から聞いておる。県としても、国道4号の円滑な交通の確保と特に県北地域の振興に資するために、この国道4号のなお一層の整備促進について国に要望してまいりたいと考えておる。

〇工藤委員 ただいまは県北の重要な道路の整備の課題について、積極的な事業の取り組みについて御答弁をいただいた。ありがたい。帷子土木部長初め、土木部の職員の皆さんには大変日ごろ御努力をいただいており、感謝を申し上げておるところである。
 ところで、帷子土木部長は、日ごろみずから現場に足を運び、自身の目で確かめ仕事に取り組むそうである。足を運ぶあるいは足で稼ぐ、これはすべての仕事に通じることだと思う。
 仄聞すると、帷子土木部長はこの春御勇退と伺っておる。土木行政、特に道路行政一筋に取り組まれた部長は、まさにこの道一筋という言葉が一番似合うと私は思っておる。部長の仕事に対する姿勢、足を運ぶ、足で稼ぐ、この考え方を部下にぜひ伝えていただきたいと思うわけである。そのことによって、本県の道路整備がますます図られるように思うわけであり、どうかひとつ御勇退に当たっては、重ねてお願い申し上げるが、その考え方を部下に伝えていただくように要望して質問を終わる。

〇田村委員 2点ほどお尋ね申し上げる。
 10億3、000万弱予算計上されておる除雪費に関してであるが、御承知のとおり、スパイクタイヤが廃止になってからスタッドレスタイヤということで、非常に路線の凍結が予想よりかなりな凍結状況になってきておる。そこで、県ではかなりな予算をつぎ込んで融雪剤によって対策を講じておられると聞いておるが、融雪剤の使用の状況、過去に比べてどのようにふえているのか、そしてまた融雪剤、我々実際走っていてそう感じるわけであるが、解けた後に道路が真っ白になるという状況も見受けられる。融雪剤の環境に対する影響はどのような影響があると認識しておられるのか。例えばコンクリートなんかがぼろぼろになるといったことの事例も聞いておるし、また、道路周辺の畑地、水田等も被害があるのじゃないかという不安をお持ちの方も中にはおられるようである。そういった面で、どのようなお考えを持っておられるのかということである。
 もう1点は、通告していないので大変失礼なんであるけれども、先ほどの久保田委員の御論議の中に出てまいったので関連という意味でもお尋ね申し上げたいと思うが、四十四田ダムの関係である。
 先ほどの御答弁をお伺いすると、もう二十四、五年が限界であろうという御答弁があったわけであるけれども、前段でダム建設に当たっては100年程度を見越しているんだというようなことであるが、そうすると、四十四田ダムというのは予想以上の堆積率というか、予想以上に堆積が進んでいるのじゃないかと私個人では考えておる。その予想を超すような堆積率になった原因はどの辺にあるのか、どのように認識しておられるのか、まずお尋ね申し上げたいと思う。

〇帷子土木部長 私からは、融雪剤の弊害についてちょっとお答えをさせていただく。
 スタッドレスタイヤ時代になって、当然融雪剤をまく量が多くなったわけであるけれども、融雪剤としては塩化ナトリウムあるいは塩化カルシウムを主に使用しておる。平成3年度には県下で、県内の県管理、910トン散布したわけであるけれども、平成6年度は3、240トンという実績を持っており大幅に増加している実情にある。こういうことから環境に対する影響を心配する声が確かにあり、県としても、従来から環境公害課それから道路管理者である土木といろいろと道路周辺の河川の水質や植物、土壤に与える影響について調査を実施してまいったけれども、現時点では環境の影響はまだ確認されていない。ただ、大量に塩化ナトリウムを使用している北欧それからアメリカ、カナダでは、本県の20倍から30倍の散布がなされている。岩塩そのものをまいているという状況の国もあるようであり、そういったところでは若干環境への影響が確認されているという報告もあるので、今後、使用に際してはいろいろそういった多方面の研究を重ねながら、バランスをとりながら散布してまいりたいと考えておる。

〇栃内河川開発課長 四十四田ダムに堆積する原因は何かというお話であるけれども、私の方も直接管理してなくて、余り資料がなく申し上げにくいことであるけれども、一般的に考えると、やはり上流域からの土石の流出が当初想定したものよりかなり大きかったということがあるのではないかと思う。
 それから、そういう考えができるものの1つとして、先ほど申し上げたように砂防ダムを建設することによってかなり抑止されてきておるという実態から、そういう荒廃している地域の整備が必要なのではないかと考えておる。

〇田村委員 この四十四田ダムの土石対策であるけれども、確かに砂防事業によって積極的にやったことによっての流入というのが確かに減少はしておると思う。もう一方の原因として、私は上流部分の河川改修、船田橋から上流、北上川本流と申そうかあるいは松川、ここから洪水のごとに護岸の土砂の流出というのがかなりの量あるんじゃないかと私は思っておる。特に松川と北上川の合流地点、この辺の水害常襲地帯なわけであるけれども、この辺の護岸工事も全く進んでいないというのが現状じゃないのかと思っておる。ぜひとも流入を防ぐ意味でも、松川あるいは北上川の護岸の改修工事というのは急がれることではないのかと思うが、いかがお考えになっているかお尋ね申し上げる。

〇帷子土木部長 確かに委員おっしゃるとおり、そういった原因も多々あると思う。したがって、今後河川改修に当たってはそういったものも考慮しながら、めり張りのある河川改修をしていかなければならないと考えておる。

〇谷藤委員 大分昼飯の時間にも近づいているから簡単に聞く。
 まず道路管理の充実をしていく必要があるんじゃないかという観点からお聞きをするが、最近道路の損傷等に起因する事故に対する管理責任が追及されるということが結構あるんじゃないかと思っておるわけである。そのために、多岐にわたって日ごろから維持、修繕に対する業務をやっていただいておるので心から敬意を表するわけであるけれども、ほとんどが道路が損傷した後に対応策をするという形が多いんじゃないかと思っているけれども、本県の実態はどうなっているのか。特に北海道のトンネル事故を教訓に、今後の点検等の管理業務という内容が変更された部分があるのかどうかということをお聞かせいただきたい。

〇帷子土木部長 本県の点検要領については県の中身は特に変わっておらないけれども、北海道のトンネル事故によって、若干ああいったことを予測しておらなかったということもあり、国からの点検要領が示され、それによって過日点検を行ったところである。

〇谷藤委員 かなり広範な地域であるので大変な仕事になるわけであるけれども、ぜひ事故に結びつかないような形での点検を今後ともよろしくお願いをしたいと思う。
 次に、これも震災また防災ともかかわるわけであるが、橋梁関係の地震に対する補強事業、これらはどのように実施されてきているのかお聞きしたいと思う。
 それから、関連して河川堤防についても、阪神・淡路大震災では高速道とか鉄道等が崩壊したことがあったけれども、一般的に何となく河川堤防というのは崩壊しないというか安全だという感じでずっととらえられておるけれども、その辺どうなってきているのか。これは地震という観点からである。
 それからもう1つは、防災の中でも水害の方に関する堤防のとらえ方そして管理というか、その辺についてどのようにお考えになっているかをお聞きしたいけれども、特に11月25日の日経の記事に出ているが、土木学会の方では欧州の方で大変な大水害が起きた。世界的にも地球規模で見ればかなりいろんなところで大洪水が発生をしてきている異常気象というか、そういう場面がふえてきているんじゃないかと。日本では余りそういうことがないんじゃないかと思っておるけれども、気象状況の変化等でこれから国内においてもいろんな状況が生まれてくる可能性があるんじゃないかと思っておるわけである。そういうことで、技術至上主義というか、そういうことではある程度のことをやっているんであろうけれども、それを防災の観点から管理をしていく、そして地域住民にそういう堤防が決壊したというときにはどのように対応するのかということもこれから必要じゃないのかと思ったりするけれども、その辺についての考え方をお示しいただきたい。

〇北栃道路維持課長 橋梁の地震対策としての補強工事ということに関して御説明申し上げたいと思う。
 既設橋梁は非常に数が多くて、県管理で15メートル以上の橋梁というのは大体1、000橋ほどある。そのうち、橋梁の補強工事が必要と考えているのは大体270橋ほどある。どういう補強工事かというと、橋脚の弱いのを補強するのが1つ、もう1つは、地震のときに揺れて橋げたが落ちないようにするために落橋防止をつけるというのが2つ目になっておる。こういうことが必要なのが今270橋ほどあり、国の指導に基づいて県としては防災計画上特に重要と考えられる路線から、橋梁補修事業や震災対策緊急橋梁整備事業等により順次震災対策に取り組んでいるところであり、これらの対策を平成9年度までに概成できるように努力しているところである。

〇吉田河川課長 河川堤防についてであるが、河川堤防の設計に当たっては、河川管理施設構造令等に基づいて、計画高水位以下の流水の作用に対して安全な構造とするよう定められておる。一般的に、地震時における堤防の安定性については、地震と洪水が同時に発生する可能性が少なく、また、他の多くの土木構造物と異なり、歴史的、段階的に建造されてきた。その大部分が土でできているということから、地震によっての被害を受けた場合についてもその復旧が容易であるというようなことから、地震等については直接考慮しておらない。ただ、今回大きな被害をもたらした阪神・淡路大震災後において淀川等では沈下等が起こったが、それについては出水期前には仮復旧が完了しているということで、早急な対応が可能だということである。
 また、洪水対策、洪水の決壊等が発生した場合ということで、これについては地域市町村と県が一緒になって、水防法に基づく水防活動等により対処しているところである。特にこれは地域の方々の啓発という意味で、水防に対する取り組みは非常に大切なわけであるが、ことし5月31日に盛岡地区の北上川で水防演習、これも予定しておる。こういうことによって、いろいろ啓発していくことも大事かと考えておる。
 また、今後とも堤防等の管理については定期的な巡視等を行って、安定性の高い堤防として機能が発揮されるよう適正な管理に努めていきたいと考えておる。

〇那須川委員長 谷藤委員の質疑中であるが、この際昼食のため午後1時まで休憩する。御了承願う。
   午前11時54分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇那須川委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 土木部関係の質疑を続行する。

〇谷藤委員 治水、危機管理というあたりまで触れたったかなと思うけれども、これは今世紀最大の洪水と言われるぐらい欧州の方、大変だったということで、徐々にこっちにも来たりするとえらいことだなと思っていて、そういうことでその今世紀最悪の状況だったにもかかわらず避難体制とか、そういうのが災害者が少なかったということが土木学会の調査とかその辺で発表された。やっぱり日ごろからのそういう体制がつくられていると、マニュアル化されているというようなことがそういう被災者が余り多く出なかったということにつながっているようであるので、ぜひその辺も含めて堤防を、定期検診もそうであるけれども、そういう体制を構築されるようにお願いを申し上げたいと思う。
 次に、ことしは大変雪がたくさん降って除雪対策大変だったろうと思う。そういうことでその辺のことしの状況どうだったのか。そしてまた、これはちょっと来年というか、ことしの冬どういう状況に入っていくのかちょっと気象庁じゃないとわからないところもあるけれども、それなりの計画を目算立てて除雪費というのを設定されているんだろうと、ことしのものを踏まえて考えておられると思うけれども、その辺のこと。
 それから、国道、県道、市町村道それぞれあると思うけれども、それぞれの役割、その道路に応じての除雪作業が行われていると思う。ただ、交差点近辺に来たときに県道とちょうど市道が交差して、こっちは県の方で除雪、こっちは市の方だろうとかいうことで、交差点近辺、この辺が非常に除雪のうまく連携がとれないままになっていたりして渋滞の問題につながったりする場面があるんじゃないかなと、そういう声もちょっと聞いたりする。そういうことでその辺の実態、それからどういうふうに対応していくのがいいのかなというお考え、その辺、何かお示しいただければと思う。
 それと、特に県庁から中央通り方面の通りの歩道のところであるけれども、あれは融雪工事と言うんであろうか、歩道のところもやったりしているんだろうと思うけれども、その前も何を工事しているんだかよくわからないんであるが、年じゅう何か掘ったり埋めたりしてやっている。そして、住民の人たちが何をやっているのかさっぱりわからないということで、本来であれば雪が降る前にその工事が完了して、雪が降ったときに歩きやすい状態になっていればいいんであるが、冬場になって一生懸命これまたやっているということなものであるから、その辺どういう関連で、どうせなら一緒に掘ってやってしまったらいいじゃないかなと、一般的には思っているようなんである。その辺がどういう取り組みでなっていっているのか、その辺お知らせをいただきたいと思う。特に冬場に工事が入ると、あそこかなりの渋滞の原因に今回なっていたんじゃないのかなと感じた。その辺どういうふうになっているのか。

〇帷子土木部長 まず、交差点の除雪についてであるけれど、県に限らず市町村もであるけれども、公共交通機関であるバスの一番に間に合うようなことで早朝除雪を実施しているわけであるけれども、したがって一、二の三で出るので、その交差点にどこの道路管理者が先に着くかわからないというような状況であるので、先に着いた道路管理者がその交差点は責任を持ってやるというルールを暗黙のうちにつくっておって、そういうことでやっておるので御了解願いたいと思う。ただ、主な交差点ということで、実際の幹道から出てくる交差点等については、あるいは十分行われていないかもしれないけれども、今後十分そういうものを徹底してまいりたいと思う。
それから、中央通りの掘り返しの問題である。あれは消雪装置が入る工事であるので、何とかこの冬に間に合わせるようにということで、私からも叱咤激励した経緯あるけれども、実はあの中に電気、ガス、電話線、それから上下水道が埋設されておって、消融雪装置をつくれば今後掘り返し、修繕もなかなかきかなくなるよということで、占用者にお話ししたところが、この際ぜひ取りかえるところは取りかえたいということで、それではこの際だからやってもらいたいということで進めたんであるけれども、それぞれの電気、電話、それからいろいろあるけれども、一、二の三でやるのは非常に難しくて、段階的にやられてしまったというのが実情である。ああいう占用している人に対しては私も余り叱咤激励できないので、ちょっと遅くなったけれども、来年度以降はそういうことのないように十分配慮するようにする。

〇谷藤委員 ようやく住民の方々に説明ができるなと思っておる。そういうことで、なかなか年じゅう掘っくり返しているところを見ると、住民の方々、何をやっているのかさっぱりわからないという場面もよくあるようであるので、できるだけ効率よくそれぞれの、県の直接じゃない部分もあるかもしれないけれども、その辺との連携をとりながらひとつよろしくお願いしたいと思う。
 それから、どうしても何か冬場に工事が押されてくるというような感じが岩手県の場合大変多いのかなと思っているが、今回50日の暫定予算等も組まれているようであるが、どうしてもまた後半戦の方に押されてくるのかなと心配もするけれども、その辺の考え、どのようにとらえているか。

〇帷子土木部長 工事の平準化については常日ごろ議会等でも言われておって、それに努めているところであるけれども、1つは、冬場にも仕事が欲しいというのがあって、ある程度冬場に仕事するのもつくる必要はあるのかなという、これは業界とも再度いろいろ議論してみたいと思うけれども、そういうことで全く冬場、春先だけやって冬場ないというのも、これもいかがな、沿岸の方はよろしいけれども、特に内陸部はどうするのかなというのが課題であるので、今後検討してまいりたいと思う。

〇佐々木(俊)委員 今の谷藤委員の質問にちょっと関連して。
 今の工事、私もそう思っておったんであるが、今の説明で谷藤委員は説明ができるなと、こうおっしゃっていたけれども、接触できる方は限られているわけである。地方に行くといろんな土木工事、いろんな工事でも物すごく大きな看板がかかって、発注者は県知事増田寛也、あるいは何々市長何々、物すごくでかい看板が目につくんである。そして、これはいついつまでの工事である。こういうふうに自動車で通ってもわかるようになっている。そこで、今ひょっと感じたんであるが、県庁前もしょっちゅうやっているから物すごく人通りがあるから、どこかにこの仕事はこういうことをやっていると、いついつまでに終わるとか終わらないとか、そういうのをちょっと、大したことないんだからそういう看板をかけたらどうであろう。そうすると相当の方も、ああ、そうかと、じゃもう少し我慢するかなというような理解者も出てくるんじゃないのかな。県庁も一生懸命努力しているなとか、評価も出てくるんじゃないであろうか。ちょっと思いついて言った。

〇帷子土木部長 一応工事名とそれから発注者、それから工期については掲示することとなっておって、内丸のところにもあることはあるけれども、ちょっと目にとまらないのかなと考えておる。

〇那須川委員長 この際、柴田建築住宅課長から発言を求められておるので、発言を許す。

〇柴田建築住宅課長 先ほどの菅原委員の御質問でお答え申し上げておらなかった住宅の地階部分の災害に対する効力について申し上げたいと思う。
 建築基準法においては、地階部分と地上部分、これを一体の建築物とみなして公道等の基準への適合状況を確認するものとなっておって、地階部分について特別の性能を求めているものではないので、災害に対してどうかという点については一概に判断できるものではないと、このように考えておる。

〇吉田(秀)委員 高速道に関連してお聞きしたいと思う。
 岩手県に高速道、一関-盛岡間入ってきたのは昭和52年だったと思うんであるが、これは大雨の竣工式であったが、そういう意味で帷子部長は何十年ぶりで、それこそ、言葉が適当かどうかわからないが、地場の部長として頑張ってこられたわけであるから、そういう意味で横断道、北上-横手間は平成9年度で終わる。まことに結構なことである。そこで、釜石-花巻間の問題であるが、これは追加路線であるわけであるが、追加路線としては大変に早い進行をしているということは、御同慶にたえないところである。そこで、東和-花巻間11・8何ぼというものは、何か予定よりも早く8年度には用地買収まで入っていこうというところで進めていただいておるということである。そこで、その東和から遠野間、そして遠野から釜石間というものの今後の方向である。遠野-東和間というものについては40キロ余のようであるが、特に県としては、これは今、基本計画であるから整備計画に昇格をさせなければならない。こういうことであって、全国的に、うちの県だけでないわけであるから、それに持っていくための努力というものは当然されておられるわけであって、そこで具体的に県としては今度、本来なら国でやるべきところを予備設計費をここに設けて、そして先駆けて調査をすると、こういう施策をされるということで大変にこれについては敬意を表するところである。そういう点において国の理解も高まるであろうし、今度の国の道路審議会においては大いに評価されて絶対に基本計画から整備計画に昇格させていただけると、こう思うわけであるが、そこでこの道路審議会は来年度あたり大体じゃないかという声も聞くんであるが、その辺はどうつかまえておるか。そして、その後、遠野から釜石というものはまだ予定線であるわけであるから、これをまず基本計画線にのせなければならないわけである。そういう意味で仙人峠については今、県そして国の直轄としてトンネルづくりをしていただいておる。これについても大変に長い間の努力で国でやってもらえるという努力を県としてはなされたわけであって、そういう面に携わってきた部長としては大変に御努力をされたものと敬意を表するところである。そこで、先ほど言った東和-遠野間の整備計画昇格に対する道路審議会の開催時期、これいつごろになるのか。
 あと仙人峠の今の着工しているトンネルは高速道と併用するということで、前もって今、着々と努力をされておるわけであるが、これらの事業の現状、そして見通し、いつごろ。
 そして、釜石-遠野間の予定線から基本計画に昇格をさせる見通し、多分、長いが、この仙人峠のトンネルの完成時をにらみながら昇格という問題が進められるのではないかという気もするが、一応現状においての見通し、その他お願いしたいと思う。

〇帷子土木部長 国幹審の開催時期であるけれども、はっきりしたことはわからないけれども、8年中と聞いておるので、8年度であれば来年に届くけれども、8年中となると11月か12月と認識しているところである。したがって、それまでに何とか東和-遠野間をその国幹審に上げていただきたいということで、いろいろ国の方と接触したけれども、その国幹審に整備計画として上げるためには環境評価がなされておらなければならないということを言われておる。したがって、環境評価をやるために今、これは東北地建が中心になって調査しておるわけであるけれども、東北地方建設局でどの程度行くのかということを聞いたらば、とてもそこまでの予算もないしやれないという話の中から、何とか今回逃がすとまたしばらく国幹審開かれるのいつかわからないので、我々が手伝ってやれるものであればということで、今回の予算案に計上させていただいて御審議を賜っているところであるので、よろしくお願いする。それで何とか環境アセスメントまで終えらせて国幹審に上げたいというのが我々の今たっての願いである。
 それから、仙人の部分については大分用地の方も進んで、今、取りつけ道路の工事等に入っておるので、間もなく本格的な工事に着手すると思っておる。
 それから、仙人峠と釜石までの間まだ残っているわけであるけれども、これについてはまだ手法が決まっておらない。いわゆる仙人峠と同じように直轄代行なのか、それとも補助でやるのか、それともいわゆる高速でやるのかというのがまだ決まっておらないので、それを早く煮詰めながら対応してまいりたいと考えておる。

〇吉田(秀)委員 大変に前向きな施策を施したということで、心から敬意を表するところである。どうぞことしに行われる国幹審にぜひ昇格できるように御努力を期待する。

〇佐々木(博)委員 1点だけ中央大橋についてお伺いをする。
 今、盛岡駅の西口の開発が大分工事も順調に進捗をしておるようであるが、盛岡駅の西口とそれからいわゆる盛南開発区域とは、片方だけとって考えるわけにはいかない、両方の非常に連携が必要な地域だろうと考えておるわけである。そういったことで西口から中央公園を通って盛南区域に通る、いわゆる仮称中央大橋については、県事業として架橋していただくように陳情しておって、昨年も知事も大変積極的な発言をいただいておるし、また、今定例会中の本会議においても県道昇格に向けて今、関係機関と協議中であるという旨、帷子土木部長からも答弁があったわけであるが、今後、県道の昇格に向けてどういった手続で進んでいくのか。
 それから、その事業実施のスケジュールがどのようになっていくものなのか、その点についてちょっと御所見を伺いたいと思う。

〇帷子土木部長 当該道路については、旭橋から盛岡駅の構内を抜けて都南、いわゆる盛南開発に向かう道路であるけれども、いろいろ構造的にも複雑になっておって、現在、途中は市がやることになって工事を進めているわけであるので、これから国と盛岡市、それからJR東日本といろいろな協議を重ねながら、できるだけ早いうちに県道昇格の方向に行きたいというのが、整い次第ということになるけれども、奥の方がいろいろ開発計画もあるので、できるだけ早い時期にということで努力しているところである。

〇佐々木(博)委員 いずれ県道昇格にならないことには県事業として予算づけもできないわけであるので、まず県道昇格についていろいろ複雑な事情があるということは承知をしておるけれども、どうか積極的に取り組んでいただいて、できるだけ早く県道昇格していただけるように要望していただきたいと思う。
 それから、特にあそこの場合、中央公園に美術館が整備されることになっているわけであるが、恐らくあの中央公園に美術館が整備されると盛岡市民あるいは岩手県民だけではなくて、盛岡駅でおりたいろんな旅行客の方々も多分美術館に行かれる方かなり多いんではないかなということが想定されるわけである。その場合に、盛南大橋だとかあるいは太田橋を迂回して行けということになると、何か真っ正面にあるにもかかわらず真っすぐ行けないということで、岩手県の都市計画どうなっているんだろうというようなことを疑問を持たれる方も多分出てくるだろうと思う。そういった観点からいくと、今、美術館は設計の方までいっているはずであるから、同時にはとても無理だとは思うが、できるだけその美術館の開館時期とそごを来さないような形でぜひ進めていただきたいと考えておるわけであるが、再度お伺いするけれども完成の予定時期、いつごろと見込んでおられるであろうか。

〇帷子土木部長 架橋位置は自然環境に配慮しなければならないところであるし、橋の長さが約500メートルである。それから、今お話しになった中央公園に小山をつくっていろいろな修景をするということで、そこにも橋をかけたり道路そのものがトンネルで行くような構造になっておって、非常に工費もかさむというような一大事業であるので、当面2車線でも通そうということで、今の美術館の話も十分承知しておるので、でき得ればそれに間に合わせたいというのが本音のところであるけれども、今言ったようにいろいろな事情があるので、努力するという答えしか返ってこない。

〇伊藤(勢)委員 先ほどの谷藤委員の質問とラップする部分もあるが、視点を変えて橋梁、橋脚の耐用年数というか、そういう部分にかかわってお伺いをしたいと思うのであるが、予算に関する説明書の218ページの震災対策緊急橋梁整備事業費という部分等を使いながら、これからやられるというふうに先ほどの御説明で伺ったが、15メートル以上の橋が県内に1、000あって、その中で補強しなければならないのが280あるとの先ほど御答弁をいただいたわけであるが、このほとんどの橋というのは恐らく戦後の復興期にかけて架橋されてきた部分ではないのかなと思われる。そうすると、その当時の鉄筋とかあるいは骨材等が決して潤沢でなかったろうと思うし、耐震という部分についての規制というか、そういった網も余り今ほどのようにきつくというか、厳しいものではなかったんでないかな。そういう部分が1つあるし、さらには、当時、橋がかかった時点から、今、大きく違うのは、車両が大型化をして大分積載の重量が多くなっている。そういう部分に対する過重というか──過重に対する対応というか、あるいは耐用年数というか、そういう部分から、280の補強が必要だという橋についてもう少し詳しく御説明をいただければと思うんである。

〇北栃道路維持課長 委員御指摘のとおり、先ほど説明申し上げたとおり、戦後、復興期というか、オリンピックあたりまで、それからその前後にもかなり構造物がふえたわけであるけれども、その辺がやはりかなり年数がたってきておるということはそのとおりである。今回、震災対策として取り組むものについては、特に古い橋そのものが必ずしも弱いとは言えない部分もある。阪神大震災等での経験を見ると、やはり古い橋が必ずしも壊れているわけではなくて、地盤にもよると思うけれども1本柱の橋が何か影響を受けた分が多かったようである。門形になっているところは非常に強かったという構造的な特色もあるようである。1つの橋梁の補強については1本柱になっているようなのを少し丈夫にしようかというのが1つである。それから、もう1つは、やはり地震の場合はどんな鉄筋コンクリートの構造物でも揺れるということもある。揺れるとやはり橋げたがずれるということで、それをある程度ずれても地震がおさまって復旧活動が始まるときに交通が円滑に図られるということを目的として、橋げたがずれても落ちないようにつなごうということで落橋防止対策をやる。この2つが今回の緊急対策橋梁整備事業を含めた震災対策の1つの目的になっておる。老朽橋そのものの対策はやはり普通の維持修繕で後の寿命を長く持たせて改築の時期まで頑張ってもらうということと、それからふだん損傷があるのをその都度適切に管理をして寿命を長く持たせて、効率的に使っていくということで進めてまいりたいと思っておる。

〇伊藤(勢)委員 人間で言うと骨粗鬆症のような状況になっている橋梁、橋脚等があろうかと思うので、耐震という観点から、あるいは老朽しているという部分も加味をしてぜひ積極的にこれに取り組んでいただいて、橋が1つ落ちると大変交通が寸断をされるということになろうと思うので、ぜひこの点には力を入れてお取り組みをいただきたいと思う。
 それから、次は宮古病院のアクセス道路、今、北部環状線と申しておるけれども、これについてお伺いをしたいと思う。
 先ほど宮古選出の船越委員は、主に閉伊川以南の方のことについてお話をいただいたので、私は閉伊川以北の方についてお願いをしていきたいと思っておる。この宮古病院はおかげさまで平成4年度に現在地に新築落成をして、宮古広域圏11万5、000人のいわゆる命を預かる病院として大変今、活躍をいただいておるところなわけであるが、実はこれが今の場所に位置をすることが決定をしたときに、宮古、下閉伊の医師会の先生方から出された要望は、現在地でも結構だけれども、アクセスの問題で国道45号1本しかない状況であるので、どうしても開業時までにはできれば市内から通じるあと1本の道路をぜひ開削をしてほしいという条件があったように聞いておって、そういう部分を宮古市も体しながら県当局とも御相談をしながら、いずれ平成5年度からそういう部分に向けて進めてきたようである。もちろんこれについては県当局の御指導をいただきながらのことであるが、まず宮古市が先行しろというようなことが御指導があったように伺っておって、宮古市はこれによって用地取得、それから埋文調査等を鋭意進めてまいって、本年度も1億5、000万ぐらいの予算をもって橋脚に取りつこうかという段取りになっておると聞いておるけれども、いずれこれはこの間に30億とも言われるトンネルを含むまた大きな額の張る道路なようであるので、とてもとても宮古市だけではなかなか立ち行きがいかないという部分があって、どうしてもこれは県の御支援をいただかなければならない。こういう部分が当初からあったわけであるが、宮古市も今、広域圏と一緒になってやっているわけであるが、どうも景気がこのとおりの状況の中で宮古市だけの財政でこれに当たっていくというのは、大変青息吐息の状態であって、そろそろ県当局から支援の手を差し伸べていただきたいと思うわけであるが、これについてお伺いをしたいと思う。これについては私、市議会に議席をいただいておったときから5年間、4回の議会を通じて四四、十六回連続して取り上げてまいって、その間、帷子部長にもいろいろと御指導をいただいてまいったので、この際、ひとつ熱意をじっくりとお聞かせをいただきたいと思う。

〇帷子土木部長 ただいまの宮古病院、いわゆる45号から106号までの道路、この重要路線については私から申すまでもないことだろうと思う。重要だということで市道としてまず着工したわけであるけれども、その後の情勢からいくと例の45号が地域高規格道路に指定されたという背景もあるし、三陸縦貫道路の先端がどこにつくかという問題も新たに出てまいって、そういった絡みからこの道路をどういう位置づけにするかというのがまだきちっと決まっていない段階であるので、例えば県道にして県がかわってやっているというところまではまだ行っていないのが状況である。ただ、あそこの地域からいくと、県代行でやれるということはあの道路に関しては何か可能なようである。ただ、現在の道路の進捗状況が遺跡調査とか、それからまだ用地買収の半ばだとかということで、もう少し市が率先してやって、架橋に入った時点で県が引き取ってもいいんじゃないのかなと考えておる。

〇伊藤(勢)委員 大変アバウトな中にも明かりの見える御返事をいただいたけれども、いずれこの45号1本の状況であって、夏場のあの観光シーズンには大渋滞が起こるし、また、冬場の積雪あるいは凍結等があった場合には道路がやっぱり渋滞をするという状況であって、救急車で救急の患者を運ぼうにも大変立ち往生することも予測されるような状況であって、それなら何でそういうところに病院を持っていったという理論はこれは置かせていただいて、それをしゃべっては始まらないので、そういう状況にあるので、宮古市にももっと熱を持って頑張るようにというふうにしゃべっておくけれども、どうぞひとつ早目に代行の方にお引き取りをいただいてよろしくお願いをしたいと思う。おかげさんで小山田トンネルは三陸博に間に合わせようということで、急遽、両側から開削をしてやっていただいて、宮古市にとってはだるまの片目があいている状況なんであるが、こっちの北部環状線があいて初めて両目がそろうということになるので、ぜひともこれはよろしくお願いをしたいと思う。
 それから、106号について3つほどお願いをしたいことがあるので、続けてお話をさせていただきたいと思う。
 今回この冬、多分初めてじゃないかと思うんであるが、宮古土木事務所管内ということで川井までの間にスリップ防止対策工事というのを2カ所でやっておられたようである。川井の高校からちょっと盛岡寄りのカーブのところが1カ所、それから平津戸の駅のちょっと盛岡寄りのところに1カ所、これはいわゆる道路に溝状にカッターというか、目を入れて早く水分を除去するということで凍結を防ぐというような工事だったんではないかなと思っておるが、私は何回もこれを通らせてもらった中で、大変これは効果があったんでないのかなと思っておる。したがって、これは試験ということだそうであるが、この部分をどのように評価をされて、今後どのようにこの部分を展開をされていくのか、それについてお聞かせをいただきたいと思う。これが1つである。
 それから、同じく川井村なんであるが、シェルターというんであろうか、落石防止のためのトンネルではなくて道路に覆いのかかっている部分がある。宮古市内の土木担当の人たちが、どうもその上にある石というか、転石が崩落しそうなような状況に見えるという声があって、私もけさ通ってきたときに見てきたんであるが、私の目にはちょっとよく定かでないんであるが、専門家の皆さんがもしあれであったらばごらんになっていただいて、そのような状況にあるのであればそれなりに対応していただきたい。これは転ばぬ先のつえでもあるので、北海道の件もあるのでそれも1つお願いをしたいと思う。
 それから、106号の3点であるが、区界のトンネルが大変照明が暗い状況にあって、照明器具がついている中の現在点灯しているのは3分の1ぐらいしかない。したがって、夜間は自分のライトで車で走っておるからいいんであるが、日中に入ってまいると3分の1ぐらいに入った時点で突然、感覚がなれるまでの間に瞬間的に視界が悪くなる状況にある。これはどういうことで3分の1の点灯にしているのか、球が切れているのか、あるいは省エネというような観点から調節をしているのかよくわからないが、いずれ通行している人たちの声として、もうちょっと明るくしてもらいたいという声があったので、これについて3点お伺いをしたいと思う。

〇北栃道路維持課長 3点ほど御説明申し上げる。
 まず、凍結路面に対するスリップ対策としてグルービング舗装というのが1つあって、106号で実験的にやっているのもある。県内では今そのほかに国道455号の盛岡市の三ツ割とか、あとは国道283号の花巻など県下で9カ所ほどグルービングも含めたそういう試験をやっておる。効果の方は最初やった年、もしくは次の年は非常に効果がある。惜しむらくは、夏場にそれが変状してしまったり、そしてしばらくすると効果がなくなるという問題がある。それらに対してどういうふうにしたらいいかというのが全国的にも研究をしているようで、私どももその中で試験研究をしていきたいなと思っているわけであるけれども、問題は、効果が何年ぐらい持続するのか、その効果をどういうふうに持続させめるためにどうしたらいいのかというのが、やはり必要だと思う。試験という段階から早く効果がある方法がきちっと見つかって、それができたならば実効性が上がることということでどんどん整備を進めていきたいなと思っておる。
 それから、2点目のロックシェッドの件であるけれども、これは多分川井村の片巣地区にあるロックシェッドのことかと思うけれども、ロックシェッドはもともと斜面からの石が落ちてくるということを防ぐためにつくって、道路の上に屋根をかけているわけであるけれども、それは石が斜面を転がってきてもそのロックシェッドの屋根に乗って、ロックシェッドの上に砂とか砂利を乗せてクッションになるようにしておるので、それを通して反対側に落ちるというようなことになっておる。ただ、物すごい大きな量の岩石を想定しているわけでないので、御指摘の場所については今の見た段階では土木事務所も調べておるんであるけれども、浮き石なのか、それとも大きな岩盤の表面が出ているのかまだはっきりわからないということで早急に調査をして、もしも大きな石ということであれば早目に対策をとって災害の防止に努めたいと思っておる。
 それから、3点目のトンネルの照明のことであるけれども、国道106号にはトンネルが19カ所ほどある。これらのトンネルはやはり20年ぐらいたっているということもあって、照明がかなり全体的に老朽しておる。私どもとしては随時補修、点検などを行って、後手に回る面もあるけれども改善を図っているところである。区界トンネルも含めてほかのトンネルについても調査をもう少しやり直して、トンネル内の清掃とか、それから灯具の交換など計画的にそれらの改善に努めてまいりたいと思っておる。

〇菊池(勲)委員 この機会を逃すと私の一生には部長に質問する機会ないと思って通告をさせていただいた。よろしくお願いしたいと思う。
 実は何年ほど前であるか、北上にたまたま大きな橋の落成式があって、そのときに部長が忙しくて次長と担当課長がおいでになった。さまざまなお話をし感謝を申し上げておったんであるけれども、その後の2回目の席に行ったときに、ちょっと口が悪くて私はそのものずばり話したところが、担当課長は急に真っ青になって、これはちょっと言い過ぎたかなと思ってその内容を説明した。というのはこういうことである。これは県下の土木事務所はすべてそうだと私は認識をしながらこういう話になるわけであるけれども、特に北上土木事務所管内、私の世話になっているところは出先の所長以下大変すばらしい職員を配置していただいておって、本庁に来て頼むことは多分なかったわけであるからそういう話になったわけである。その担当課長に、おれ、あんたに一向用ないよなという話をしたところが、隣の席に座っておったが急に真っ青になっちゃって、あんたに一向用ないよなということは、おれは県議会議員だったからこれはまずいことを言っちゃったなと思って後で訂正をした。あなたに用がないというのは、あなたの仲間であって部下である土木事務所の所長以下は大変優秀な職員を配置しておったから、私のお願いはすべてそこで120%消化してもらっているから本庁のあなたに一度も頼むことはないという意味だよと言ったら、すっとまた元の顔色に戻った経緯があったんで、言葉というのは大変恐ろしいものだなと思って、感謝の気持ちで言った言葉が相手にかなり一瞬ショックを与えて大変申しわけないと思っている。その方、今ここにおらないから、後でどなたかに聞いてみてもらいたい。多分その方が1人あるはずである。そして、その後に、私が言ったせいかどうかわからないけれども、よその県に出向されていったので大変悪いこと言っちゃったなと思って、だけども栄転であるようであるから余り気にはしておらない。そんなことがあって、帷子部長におかれては、何か話を聞くとこの3月で勇退されるという話もちらっと聞いておるので、きょうこの機会をかりてまず御礼を申し上げたいということをひとつ申し上げておきたいと思う。
 それから、御礼だけでは質問に立った意味がないので、1つ質問をさせていただく。
 過般の定例議会、本会議でどなたかの質問の中に、土木事務所の振興局統合の問題を質問されたところ、部長は、私は賛成ではないというようなニュアンスの答弁をされておったわけであるけれども、その後におかれては行政大綱の中で保健所とか土木事務所が振興局に統合するのが好ましいというような形に出てきたわけである。私も個人的には部長が前に答弁した答弁は大変いいなと思っておるけれども、時代の流れによってはなかなかそういかない場合もあるわけであるので、帷子部長はこの3月で勇退されることを聞いておるので、今もその気持ちには変わりはないかということを一言聞いて終わりたいと思う。

〇帷子土木部長 土木事務所の統合の問題であるけれども、個人的な意見ということで言わせていただくと、統合ありきでは賛成しかねると、こういうお話を申し上げたんで、というのは、過去に何回か統合の話が出て、いろいろ災害時にどうするとか、そういったこと、それから管理の責任をどうするかとか、いろいろ問題を投げかけたわけであるけれども、それをそのままにして統合ありきではそれは賛成できないと、もう少しいろいろそういった過去のデメリットをお互いに議論し合って、それらを解消するならばという前提で申し上げたのであって、今の県当局──県当局と言えばあれであるけれども、そちらにも十分議論を尽くしてから統合の話はしようということで進めておるので、御了承願いたいと思う。特に地方振興局の中でいろいろ、委員おっしゃられたように、いわゆる地域計画とかそういうのも立てるのは大いに私も賛成である。ただ、1つは、そこだけで地域計画立てるのじゃなく、土木の場合は県全体的に道路網というものを持っておるので、格差是正とかそういったことになると、ただ1地域じゃなく県全体の話として取り上げなければならないし、そういったものさまざま問題を抱えているんで、将来の振興局のあり方をもう少し大いに議論を重ねようということで言っておるので、御了解願いたいと思う。

〇菊池(勲)委員 大変ありがたい。勇退される間際でこんな質問はちょっと失礼かと思ったけれども、さっきも申し上げたようにこの機会に言わなければ私の一生にはないということであるので、質問させていただいた。私も全くそのとおり、今おっしゃったとおりで、もちろんこれからの流れであるから、意見は意見としてそういうわけであるけれども、全体の中で処理してもらうような形でひとつ進めてほしい。これは要望である。終わる。

〇斉藤委員 まず最初に、この間、議会でも論議をされていることであるが、トンネル、道路の防災、震災対策について伺う。
 2月20日、全国道路防災担当課長会議が開かれたようである。トンネル坑口部等の緊急点検要領案の点検方針が出されたけれども、対象箇所、点検項目、実施要領、点検結果による対応などについて最初にお聞きする。

〇北栃道路維持課長 御説明申し上げる。今回示されたトンネル坑口部の点検要領と申すのは、北海道の豊浜トンネルで大規模な落石事故があったということを教訓にして、トンネルの坑口部、それからロックシェッドの上部ののり面とか斜面のそういうものの中で岩盤が15メートル以上露出している箇所について調査をしよう。そしてその中で岩盤の亀裂状態とかのり面の状態、それから岩盤の高さあるいは凍結融解とか湧水があるかどうか、そういうものについて岩盤工学の有識者の参加を得ながら緊急に点検をしろという指示がなされたところである。私ども県には104カ所のトンネルとそれから14カ所のロックシェッドがあるわけであるけれども、その中でこの基準に該当するのが全県下全部押さえ切っておらない。というのは雪の関係でまだ確認できないのも一部あって、現在まではその中では50カ所ぐらいが対象として取り上げていく必要があるかと思っておる。今後はこの対象箇所について岩盤工学の有識者の参画を得ながら現地調査を実施して、その結果、対策が必要と認められた箇所については補助事業等で採用されるよう国に働きかけなどをして、一層安全な交通確保対策に取り組んでまいりたいと思っておる。

〇斉藤委員 平成2年、平成3年度に道路の防災点検、震災点検がそれぞれ行われているようである。その結果とその後の対応、実績についてお示しいただきたい。
 あわせて、解消率が上がらないということも聞いておるけれども、それはなぜなのか。新たな点検や対応策はどうなっているか、あわせてお聞きする。

〇北栃道路維持課長 平成2年度には道路防災点検、それから平成3年度には震災点検を実施したわけであるけれども、緊急の度合いというか、状況についてはいろいろ差があるものの、道路防災点検には1、800カ所、それから震災点検においては400カ所の対策が必要であるというような結果になっておる。そのうち路線の重要度とか、それから緊急度の高い箇所から優先的に道路防災事業とか、橋梁自主事業によって解消に努めてまいったところであるけれども、今年度の末の見込みであるけれども21%、それから30%というような状態で解消率はなかなか上がっておらない。これについては施設整備に多大の工事費を必要としておって、やはり非常に事業量が膨大だということでなかなか解消率が進まないものである。8年にはまた全国一斉の防災点検や震災点検が行われることになっておって、この点検結果に基づいて新たな対策を施してまいりたいと思っておる。

〇斉藤委員 せっかく防災点検、震災点検してもそれの対応、解消が20%、30%では私これは大変なことだと思う。8年度もそういう点検やられるようだけれども、ぜひ点検をして、問題があれば思い切ってそれを解消すると、この間、地震もあるし豊浜トンネルのああいう崩落事故もあったわけであるから、ぜひ強化をしていただきたいと思う。
 次に、震災対策緊急橋梁整備事業6億円が計上されている。橋梁の耐震度はどうなっているか。64の橋梁の予定になっているけれども、なぜ64なのか、その他の橋梁はどうなのか。

〇北栃道路維持課長 震災対策緊急橋梁整備事業等について御説明申し上げる。
 橋梁の耐震設計は、従来から国の基準に基づいて関東大震災クラスの地震に対しても安全が保たれることを目標に整備を行ってきておる。本県の場合は平成6年度末に震度5の三陸はるか沖地震があったわけであるけれども、そのほか過去にも何回か地震を経験しておるけれども、大きな被害は受けておらない。しかし、阪神大震災ではあのような落橋等のことがあったわけで、その教訓を踏まえて橋脚からけたが外れることがないように、全橋梁に落橋防止装置を整備する必要があるというように考えておる。そのうち15メートル以上の橋梁が1、000橋あって、そのうち落橋防止装置をつける必要があるというのが259橋となっておる。この整備計画を立てて緊急度の高い路線から順次整備を進めることとしておって、平成7年度には震災対策緊急橋梁整備事業だけでなく、そのほかの事業も含めて72橋、それから平成8年には94橋を実施する予定にしておる。そして、来年の平成9年度には概成するように努めてまいりたいと思っておる。

〇斉藤委員 結局、関東大震災を想定してと、実はこれがくせ者なんである。阪神・淡路大震災のときにも関東大震災規模に対応できるということであの高速道路をつくったんである。ところが、持ちこたえられなかった。関東大震災に対応する、実はそれが震度5なんである。関東大震災規模は震度5だという建設省自身の発想が今、問われている。阪神大震災のときには国会でもこれは大論議になって、根拠ないんじゃないかということになった。当面それ並みになっていないところあるだろうけれども、関東大震災規模に対応するというイコール震度5というのは根拠がないと、これは県と論争しても仕方ないであろうから、私は今後の検討課題として率直に指摘をしておきたいと思う。
 次に、渋滞解消対策について、昨年の決算特別委員会でも谷藤委員が大変詳しくこれを取り上げた。私もちょっと関連して、今度の予算を見ると、緊急渋滞対策街路事業で4カ所、地方特定道路整備事業で8カ所渋滞解消ということが触れられておる。この内容、箇所はどうなっているのか。
 特に新交流ネットワーク事業で県内90分の道路網の整備ということが新たに打ち出された。私はこの県内90分の計画を本当に実施するためには、盛岡に来て渋滞にかかっちゃったんでは、ここで30分、1時間かかっちゃうんである。私はそういう点では新交流ネットワーク事業とセットで盛岡市内の渋滞解消されないと、実際には90分ということが実現されないんではないか。この点で渋滞解消の対策、今度の予算と今後の対策と、あわせてお聞きしたい。

〇佐藤技術参事兼都市計画課長 渋滞対策について3点のお尋ねかと思うが、私からは緊急渋滞対策街路整備事業についてと、それから地方特定道路整備事業についてお答え申し上げる。
 まず、緊急対策街路整備事業であるけれども、御案内のとおり、渋滞対策の抜本的な対策としては、従来から環状道路とかあるいはバイパス道路の整備を行って交通容量の拡大を図るべく鋭意努めてまいってきたわけであるけれども、これらの事業についてはかなり費用がかかるというようなこともあって長期間を要するわけである。そんなところから緊急的な対策として局部的に右折レーンとか、あるいはバスの停車帯等、比較的小規模な改良によってスポット的に渋滞を解消しようということで、県の単独事業として平成3年度にこの事業を創設したわけであって、今まで3カ所について整備を終了しておる。平成8年度には盛岡市、西警察署の前であるけれども、青山三丁目地内、それから久慈市の長内橋、それから一関市の山の目地内、これは旧国道であるけれども、それから二戸市の橋場地内の4カ所で右折レーンとか、あるいはバスの停車帯などを予定しておる。このうち平成8年度には久慈市の長内橋については完成させたいと考えておる。残る3カ所についてもできるだけ早い時期に完成させて、渋滞の解消に努めてまいりたいと思っているところである。
 次に、地方特定道路であるけれども、これは区画整理あるいは街路事業で道路改良事業を行うものであるが、この事業は地域の振興を図るために緊急に対応しなければならないというような課題に早急に対応する必要がある特定の区間、それは地方特定道路と言っているわけであるけれども、この区間を補助対象事業とそれから単独事業を効果的に組み合わせて実施するものであって、平成8年度には街路事業としては江刺市の本町下川原線の川原地内ほか2カ所で、それから土地区画整理事業としては北上市において、これは北上西部の土地区画整理事業の区域内であるけれども、ここの箇所ほか4カ所でいずれも改良事業を実施しようとするものである。県としてもこの地方特定道路整備事業の創設は従来2年間の措置として制度化されておったわけであるけれども、御案内のとおり平成8年度からは5カ年間に期間が延長されたことなどを踏まえて、今後、県としても適正にこの制度を活用して道路整備の推進に努めてまいりたいと考えておる。

〇竹内道路建設課長 新交流ネットワーク道路整備事業と渋滞解消への取り組みについてであるが、新交流ネットワーク道路事業は、御案内のように県都圏とそれから県内各都市を90分で結ぶという構想を目標にしておる。この構想の達成効果をより高めるという意味で、御指摘のように盛岡市内の渋滞対策を進めることも重要な施策の1つであると考えておる。県においては平成5年に新渋対策プログラムというのをつくっておって、国道のバイパスとか街路事業、あるいは交差点改良などを計画的にその渋滞対策として現在取り組んでおる。今後ともこのような対策を引き続き推進して、渋滞の解消にあわせて努めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 余り具体策見えなかったけれども、次に建築物の耐震診断と改修について。 私、本会議でもこれをお聞きした。少し立ち入って改めてお聞きする。建築物の耐震改修の促進に関する法律が12月25日施行になった。それによると、多数の人が利用する大規模建物の場合、所有者に耐震改修の努力義務を課すとともに、適切な耐震診断、耐震改修の促進のために地方自治体が指導することを定めている。具体的にどう県として取り組まれているのか、県内の公共建築物は今どうなっているか、今後の対策も含めてお知らせいただきたい。
 もう1つあわせてお聞きする。
 少なくない自治体が耐震診断、耐震改修に対して支援措置を創設しているけれども、把握しているであろうか。

〇柴田建築住宅課長 建築物の耐震改修の促進に関する法律においては、多数の者が利用する建築物で、階数3以上、かつ、延べ面積1、000平方メートル以上のものについて、所管行政庁が耐震診断あるいは耐震改修の実施について必要な指導及び助言が行うことができる。中でも体育館、劇場、病院、ホテル、そういった不特定かつ多数の者が利用する建築物で、延べ面積が2、000平方メートルを超えるもの、これについては必要な指導を行うことができるということとされておる。所管行政庁としては、盛岡市域については盛岡市長が、その他の地域については知事が担当することとなっており、県としては、既存建築物耐震改修促進計画及びその実施計画に基づいて耐震改修促進台帳を作成し、対象建築物の耐震診断実施状況等について把握しながら個別に指導することとしておる。公共建築物についても、用途、規模によって指導の対象となる場合が出てまいる。民間建築物における対応を促進する意味からも、率先して必要な耐震診断、耐震改修が行われるよう働きかけていきたいと考えておる。
 次に、耐震改修等に対する支援措置であるが、他県も含めて自治体による耐震診断、耐震改修に対する支援措置がどうなっているかという状況について把握はしていないが、市町村レベルにおいて建築技術者を派遣し耐震診断を行っている事例はあると承知しておる。

〇斉藤委員 私の調査だと、耐震診断に助成をしているところが3県21区市町ある。耐震改修の助成では東京都を含め5都道県、3区市で実施をして、6府県、17区市町村でこれを検討しているということである。耐震診断も、検討は5府県で検討がされておる。これは耐震診断も、まして改修というのは大変お金がかかることである。だから、これを単なる努力義務にしていては、実際に進まないというのが現状である。この法律は、実は1981年の建築基準法の基準にまで持っていくというやつである。だから、決して震度7を想定した建物にしろということではない。私はそういう点では限界があると思うけれども、しかし阪神大震災の教訓で、新しい建築基準法以前の建物が大変倒壊したということからいけば、私はこの法律に基づいて、個人や民間の住宅も必要な部分を改修すると。例えば横浜市なんかの場合には、耐震診断で診断士を無料で派遣するという制度もある。そういう点で、ぜひ岩手県でもこういう制度を法律の趣旨を徹底するという点で検討をしていただきたいと思う。後から答弁はいただく。
 次に、公営住宅法の改正、その対応についてお聞きをする。
 まさに戦後最悪というべき公営住宅法の改正、改悪がなされようとしておる。私はこの法案の中身について、法律の目的、建設費補助、入居者の収入基準、家賃の決定方式、この点について法律案の概要を示していただきたい。

〇柴田建築住宅課長 公営住宅法の改正の概要である。
 国においては、昭和26年に創設された公営住宅制度について対象階層の的確化、供給様式の多様化、新たな家賃制度の導入等を内容とする抜本的な見直しを行って改正法案が今国会に上程されたところである。主な改正点であるが、長寿社会の到来に対応するため、高齢者世帯との入居者資格を弾力化するとともに、入居者の収入や便益に応じた家賃制度を導入すること、公営住宅の1種、2種の種別区分を廃止するとともに、民間住宅の借り上げや買い取りについても公営住宅として活用できる制度とすること。建設省に対する各種報告義務を廃止する等、地方の自主性を拡大すること等となっておる。今国会で改正法案が成立した場合には、建設等に対する補助の関係は平成8年度から適用となり、家賃制度を含めた管理関係では、平成8年度以降に新たに補助を受けた住宅については平成9年度から、既存の公営住宅については平成10年度からの適用となる見込みとなっておる。

〇斉藤委員 もっとわかりやすく言ってほしいんだけれども、こういうことである。例えば今度の公営住宅法の改正、私は改悪だと思うけれども、法律の目的が根本から変えられる。例えば、公営住宅を今までは建設することが仕事だった。今度は整備である。つくるんじゃなくて整備すればいいと。いわばこれは建てかえ、その他が入ってくる。
 2つ目に、建設費の補助については、今まで2種の場合には3分の2の補助だったんだけれども、1種、2種、これ区別なくして2分の1の補助にする。これは自治体の負担がふえる。
 そして3つ目に、家賃で市場家賃というのが導入をされる。今までは原価家賃で、これも問題点はあったけれども、市場家賃、市場の家賃に合わせていくと、どんどん高くなってまいる。そして入居者の収入基準が、今までは収入分位で33%まで公営住宅に入れた。25%である、今度。すると75%入れなくなる。今、それを超える人が入っている場合には、超過家賃みたいなものが、罰則つきの家賃みたいなものになって大変な追い出しにかかってしまうという大変な内容になっておる。私はそういう点で、住宅は人権と。世界的にも日本の場合には公営住宅の比率がうんと低い。そして低所得者、困った方が入っておられるんだけれども、ますます入る基準を低めてしまうと、私はこれは大変な問題だと思う。この点で、これ法律これから論議されると思うけれども、そしてそれに基づく条例の改正があるので、県の対応については改めて論議をしたいと思うけれども、こういう路線に県が一緒になっていけば、県民を住宅から追い出すことになりかねないということを私は指摘をしておきたいと思う。
 それで、そこに関連して、25%を超えた方々をどこに追い出すかということで特定公共賃貸住宅、いわば家賃の高い住宅が新たにつくられると、こういうことになっておる。この家賃の高い住宅は県内、現在どうなっているか、その家賃の水準はどうかお知らせいただきたい。入居率も含めてお知らせいただきたい。

〇柴田建築住宅課長 家賃の高い住宅ということではないが、特定公共賃貸住宅と特定優良賃貸住宅の状況についてお答え申し上げる。
 初めに、地方公共団体が直接供給をする特定公共賃貸住宅であるが、平成3年度以降平成6年度までに、県内では住田町、陸前高田市及び浄法寺町の3市町において22戸供給されておる。家賃であるが、陸前高田市の鉄筋コンクリート造のもので5万5、000円、その他の木造の住宅で3万8、000円から4万2、000円程度となっておる。入居率は100%となっておる。
 次に、特定優良賃貸住宅であるが、現在、県内では住宅供給公社のハウディ月が丘のみが供給されておる。昨年の7月に28戸入居募集をし、現在18戸入居済みである。家賃は3DKタイプで6万4、300円から7万8、100円、3LDKで6万9、900円から8万4、800円となっておる。

〇斉藤委員 わかっていて聞くのも楽じゃないけれども、実はハウディ月が丘というのがある。これが実は住宅供給公社がつくった最新の特定優良賃貸住宅である。今、課長が言われたように26戸中18戸、入居収入基準と家賃というのがこうなっている。
 イ、ロ、ハと所得階層区分があるけれども、18万1、000円から31万1、000円以下は家賃が12万7、300円、31万から42万は12万7、300円、42万から57万6、000円は12万7、300円という家賃である。余りにも高いので、当初の入居負担額はそれぞれ軽減しているが、毎年5%上がって結局はそこまで持っていくという、これが余りにも高過ぎるので、実は今課長が言ったように新たな募集では下げた。結局、余り高くて入らなかったからである。今度予算で盛岡駅西口にこれを建てるわけである。そうすると、場所がいいから恐らくこの月が丘より高い設定になるだろう。いわば25%から締め出された方々がこういう高い住宅に入れるか。10万を超すような家賃払うなら、家建てた方がいいということになる。私は全国的に、東京あたりではこれでも入る人がいるかもしれないけれども、岩手の実情に合わないやり方なんではないかという感じをする。その点で、家賃の見直しもされているようであるけれども、住宅の性格は実際には締め出して高い家賃に入れるという、こういうことなので、このあり方について問題を指摘しておく。
 次に最後である。
 談合防止と県からの天下りの問題についてお聞きする。
 昨年12月27日入札の綾里川ダム本体工事は、情報どおりの企業体が落札をした。報道では、かつての東建協いわゆる東北建設業協議会、このラインによる談合が完全に復活したと指摘をされている。最近は名称を調査会に変更し、窓口もKゼネコンになっていると言われている。公募型一般競争入札の場合も、申し込みを始まる前に、本命と当て馬の業者10社ないし15社を決めておくというものである。私はこれは大変重大な問題だと思う。それでお聞きする。
 談合を防止する入札制度の改善を、県はどう検討をしているか。
 第2、談合は政官業の癒着によって成立をする。土木部の課長級以上の天下り、再就職状況はこの5年間どうなっているか。公社等、ゼネコン、県内業者、それぞれの内訳を示していただきたい。
 3番目、人事異動の時期であるが、業者から餞別や物品などをもらう状況はないか。県として具体的な対応策はあるのか。

〇帷子土木部長 私からは、入札制度の改善についてお答えする。
 談合は御承知のとおり、業者が話し合いにより落札予定者、落札予定価格を決め、有効な競争が行われないようにする行為であり、法令で厳しく禁止されていることはそのとおりであるが、したがって、談合の防止は、基本的には入札に参加しようとする企業の倫理の問題であり、それぞれの企業が公共工事の受注者として企業倫理を確立し、適正な事業活動を行ってもらうことが何よりも必要なことだと認識しているところである。しかし、入札契約制度においても、談合がしにくくなるような改善措置を講じることが必要であることから、これまで施行してきた一般競争入札及び公募型指名競争入札において、1つは、入札時に工事費内訳書の提出を義務づけること、2つ目は、入札参加資格確認業者または指名業者名を入札が終わるまで公表しないことである。それから現行制度において、1つは、工事完成保証人の相指名業者から指名選定を原則禁止すると。それから第2点は、談合情報対応マニュアルを作成し、迅速かつ的確な対応を図ること。それから第3点目は、指名停止等措置基準を改正し、不公正な行為を行った者に対するペナルティーの強化を図るということで、各般にわたる改善を進めているところである。
 今後においても、工事完成保証人制度の全面廃止あるいは特定共同企業体にかかわる予備指名の廃止、それから設計図書の閲覧方法の改善、それから談合情報対応マニュアルの見直しなどを進め、発注者としてもより一層透明性、客観性、競争性の確保のため、各般にわたり入札契約制度の改善に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇鈴木総務課長 過去5年間の土木部課長以上の再就職であるが、過去5年間の退職者22名である。そのうち再就職した者は公社等に8名、それから民間12名の20名であり、このうち県内業者は1名である。また、いわゆるゼネコンへの再就職者は3名であるが、平成5年度以降の退職者でゼネコンへの再就職した者はない。
 それから、次に餞別の件であるが、人事異動等に際して関係業者から餞別はどうかということであるが、公正、公平を貫く立場にある公務員としては、そのようなものは当然受け取るものではないとしておる。職員の綱紀の保持については、副知事依命通知にのっとり、毎年度職員に対し、土木部長名の通知により、贈答品の授受など県民の疑惑や不審を招くような、そういった行為は厳に慎むよう注意を喚起しているところであり、今後とも会議など機会あるごとに注意を喚起していきたいと考えておる。

〇斉藤委員 談合というのは、これは業界だけでは成立しない。何らかの形で予定価格がサジェストされるとか、そうなって初めて談合というのは成果を上げるわけである。
 最近こういう指摘がある。営業努力しないところが、天の声でトップダウン的に決まるところが多くなったと。業者の声として紹介をされていることはゆゆしきことである。それで、例えば今度問題になった綾里川ダムは、予定価格の積算経過についてどうだったのか。概略設計、詳細設計はどこに委託したのか。
 日向ダムについて。
 日向謝礼1、000万、これがハザマのフロッピーにあったものである。最近、これはハザマ、千崎工業が受注工事をしたわけであるけれども、本当は本命が違ったんだと。しかし、ハザマ、千崎で決まったために、裏ジョイントがあったと。これには福田組が入っていたんじゃないかという指摘があるけれども、どうであろうか。

〇帷子土木部長 日向ダムについてであるが、そのようなことは一切承知していない。
 それから福田組に関しても、以前そういう話があり現地等詳細に調べた結果、そういう事実は見当たらなかったところである。

〇斉藤委員 事実見当たらなかった。しかし、これは実際に福田組の社員が工事事務所で電話に出たというのも事実であるので、その後転勤をして大阪に行ったという話もあるが、これはここで水かけ論争になるので……。
 先ほど天下りの話出たけれども、私の調査だとこの5年間22名の退職者のうち公社等が8名、そして県外業者に11名。そのうちゼネコンが3名である。ゼネコンとそうでないものの内訳をお示しされていないから私はわからないけれども、圧倒的に県外業者に再就職である。私は決算で聞いたときに、平成6年度は県外業者が受注する工事額は17・8%だったと。企業数が少ない割にはたくさんの仕事をとっているということを指摘したけれども、私はこういうところに1つ大きな根拠があるんではないかと思う。国の場合は、5年間は関連企業に就職しないとなっているわけだから、私は土木部の場合もそういう疑惑が持たれないように、そういう再就職のあり方というのは検討する必要があるんじゃないかと、このことを指摘して質問を終わる。

〇瀬川委員 県内各地域で、寒さと雪の悪条件の中で種々の土木事業が進められているわけであるが、その労に感謝を申し上げるところである。
 午前中工藤委員からもお話があったが、帷子土木部長におかれては、この3月をもって勇退をなされると伺っておる。この機会をお借りして一言お礼を申し上げたいと思う。  帷子土木部長は、昭和35年に盛岡建設事務所に勤務されて以来、36年の長きにわたり、土木行政一筋に成長と成熟の時代を通じ、その時々の課題に対応した施策を適切に展開されてこられた。
 この間、地域間を連携する道路網の整備を初め、生命、財産を災害から守る治水、砂防等の安全対策、豊かな生活を支える下水道整備や魅力あるまちづくりなど、良質な社会資本のストック形成に精力的に取り組まれ、数々の業績を上げられたところである。 
 特に、本県の均衡ある発展を図るためには、交通網の整備など多様な連携、交流を支える基盤の整備が重要であるが、昭和55年には、沿岸部から内陸部の高速交通網への時間短縮を目的とした高速交通関連道路整備事業、平成3年からは、広域生活圏相互の交流の促進を図るために交流ネットワーク道路整備事業を創設された。これにより、高速交通の効果を県内に波及させるとともに、県内の主要都市から県都盛岡までをおおむね2時間で結ぶことができるようになり、地域振興に大きく貢献したものと存じておる。そして、部長となられては、これらを集大成する新交流ネットワーク道路整備事業を新年度からの新規事業として草案されたところであるが、今議会で多くの議員がこれを取り上げたことでもわかるとおり、県民のこの事業への期待にはまことに大きいものがある。また、下水道整備の拡大については、本県の清らかな公共用水域の水質保全と多くの県民が快適で豊かな生活を実感できるよう、並々ならぬ熱意を持って取り組まれ、県内で38市町村が下水道事業に着手しているうち、部長、次長、在任期間中に20市町村が着手し、着々と成果が上がってきておる。
 さらに、藤原氏の政庁跡と言われている柳之御所遺跡が発見された一関遊水地建設事業については、帷子土木部長は先頭に立って国との調整に当たられるなど、遺憾なくリーダーシップを発揮され、その結果、遺跡の保存と遊水地事業の両立が図られたことは、まさに歴史的な英断であったと言えよう。
 このほか、盛岡駅西口地区都市開発については、21世紀に向けた拠点整備をスタートさせるとともに、盛岡南新都市地区都市開発についても、24年にわたる開発構想の実現に尽力され、県都盛岡の発展の方向を形づけられたところである。
 以上、帷子土木部長の36年にわたる県勢発展に対する功績の一端を申し述べたが、ここに改めて長年の御尽力に対して敬意を表しねぎらい申し上げるとともに、県民の1人として心から感謝を申し上げる次第である。地元に精通した生え抜きの土木部長として、私どもまさにこれからその敏腕を大いに期待したいところであったが、本当に残念でならない。
 部長におかれては、新たな道に進まれても御健勝の上、県勢の発展のため、なお御助力くださるようお願い申し上げて、簡単ではあるがお礼の言葉とする。
 帷子土木部長から、退任されるに当たっての所感をお聞かせ願えれば幸いである。(拍手)

〇帷子土木部長 ただいまは、土木委員長でもある瀬川委員から身に余るお言葉を賜り、まことに恐縮している次第である。
 私は、お話しのあったように、昭和35年4月に、土木の技術吏員として辞令をいただいた。以来、一時有料道路の建設のために企業局に席を置いたほかは、土木においてひたすら物づくりというか、そういったことをやりその管理も担当させていただき、苦しいときもあったが楽しく仕事をさせていただいたというのが実感である。また、そのような仕事が県民の方々の生活に少しでも役立つことがあったとすれば、この上ない喜びであったと思っておる。また、この間、いろいろ至らない点が多かったわけであるが、委員の皆様方初め上司、同僚の温かい御指導と御支援により、何とか職務を全うさせていただき、心から感謝申し上げる次第である。
 最後になったが、県勢のますますの限りない発展と委員の皆様方の今後ますますの御健勝、御活躍を心から御祈念申し上げて、まことに簡単ではあるが感謝の言葉とさせていただく。本当にありがたかった。(拍手)

〇那須川委員長 これで、土木部関係の質疑を終わる。 
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求める。

〇千葉企業局長 それでは、平成8年度の企業局関係の予算について御説明を申し上げる。 まず、予算の説明に入る前に、平成8年度の事業運営に当たっての基本的な考え方を申し上げたいと存ずる。
 平成8年度は、地方公営企業の本来の目的である公共の福祉の増進を図ることを念頭に、電気事業及び工業用水道事業の適切な推進並びに効率的、合理的な業務の運営により、各事業の経済性を十分に発揮できるよう経営に取り組んでまいる所存である。
 まず、電気事業であるが、近年、県内の電力需要は、ライフスタイルの多様化などにより年々増加してきており、地球に優しいクリーンなエネルギーとしての水力発電の開発に高い期待が寄せられているところである。このような中で、企業局としては、21世紀に向けて県内の電力自給率の向上に貢献できるよう、本県の豊富な水力資源を最大限に活用して、新たな開発を計画的かつ積極的に進めてまいりたいと存じておる。
 平成8年度においては、平成4年度から建設を進めてまいった松川発電所が年内に運転を開始する予定になっておるほか、平成7年に早池峰ダムの堰体掘削工事に合わせて着手した早池峰発電所については、平成9年度からの本体工事の着工に向け、また、胆沢第三、北本内の2発電所については、ダム工事の工程に合わせながら諸作業を進めるとともに、新規の電源開発を推進するため、水力発電の可能な松尾村の柏台など、6支川について流量等の調査を継続して実施するほか、新たに一戸町の馬淵川水系など、3地点について開発可能性調査を実施してまいりたいと考えておる。
 また、経営については、安定した収入を確保するため、安全かつ効率的な運転と施設の適切な維持管理に努めるとともに、施設設備の改良、改善を計画的に進めてまいる考えである。
 次に、工業用水道事業であるが、本県の産業経済の発展に資するため、昭和53年度から工業水を供給してきたところであるが、水源費の増嵩に加え、企業の立地動向等との関係から未売水を多く抱えるなど、経営が極めて厳しいことから、平成3年度に国の経営健全化団体の指定を受け、経営健全化計画を策定して鋭意その改善に努めているところである。平成8年度においても、引き続き関係部局との連携を密にして、水需要の拡大や経費の節減を図ることなどにより、着実に経営改善を進めてまいる考えである。
 また、多様化する住民ニーズに対応した新しい事業への取り組みについては、環境との調和や自然エネルギーの有効利用を図る観点から、ごみ固形燃料や風力を活用した発電の可能性などについて、これまでに企業局が蓄積してまいった有形、無形の財産を生かすとともに、関係部局との連携を密にしながら、公共の福祉と企業経営の両面から調査研究を進めてまいりたいと考えておる。
 平成8年度の予算は、以上申し上げた経営の基本方針により計上したものである。
 それでは、議案について御説明申し上げる。
 議案その1の53ページをお開き願う。議案第14号平成8年度岩手県電気事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は、業務の予定量であるが、第1号の年間販売目標電力量は、各発電所ごとの目標電力量の合計を5億4、355万8、000キロワットアワーと定めようとするものである。
 第2号主要建設事業の松川発電所建設事業は、本年秋口の運転開始に向けて、水車発電機の据えつけ工事等を実施しようとするものである。
 次に、54ページをお開き願う。第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。まず、収入の第1款電気事業収益は50億9、433万1、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業収益48億6、349万3、000円は、東北電力からの電力料収入等であり、第2項の財務収益2億3、037万6、000円は、株式配当金や預金利息等である。 次に、支出の第1款電気事業費用は41億922万6、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用35億5、137万5、000円は、発電所の運転、維持管理に要する職員給与費、修繕費等であり、第2項の財務費用4億6、474万3、000円は、発電所の建設に要した企業債の支払利息であり、第3項の事業外費用8、810万8、000円は、消費税の納付予定額等である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額15億2、452万5、000円を、過年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は10億4、457万円で、その主な内訳であるが、第1項の企業債6億3、500万円は、松川発電所の建設資金を借り入れしようとするものであり、第2項の負担金3、157万円は、仙人発電所の共有施設工事負担金であり、第3項の長期貸付金償還金3億7、800万円は、一般会計及び工業用水道事業会計からの貸付金償還金である。
 次に、55ページに参って、支出の第1款資本的支出は25億6、909万5、000円である。その主な内訳であるが、第1項の建設費9億704万2、000円は、松川発電所の建設費であり、第2項の改良費5億9、549万5、000円は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費であり、第3項の電源開発費2億6、528万3、000円は、新規の発電所開発地点の調査等に要する経費である。また、第4項の企業債償還金4億9、627万5、000円は、発電所の建設に要した企業債の償還金であり、第5項の長期貸付金3億円は、自治振興基金の財源に充てるため、一般会計に貸し付けを行うものである。
 次に、第5条の企業債についてであるが、これは、松川発電所建設事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものである。
 第6条は、一時借入金と限度額を6億3、500万円と定めようとするものである。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を、職員給与費について13億8、823万4、000円、交際費について228万円と定めようとするものである。
 次に、56ページをお開き願う。第8条は、棚卸資産の購入限度額を1億円と定めようとするものである。
 以上で電気事業会計の予算説明を終わる。
 次に、57ページの、議案第15号平成8年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は、業務の予定量であるが、第1号は北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する18事業所に対する給水量を年間総給水量で1、503万7、635立方メートルに、1日平均給水量で4万1、199立方メートルにそれぞれ定めようとするものである。
 第2号主要建設事業の第三北上中部工業用水道建設事業は、貯水施設となる早池峰ダムの建設費に対する共同施設工事費負担金並びに給水量の増量に伴う配水管布設工事である。
 次に、第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。
 まず、収入の第1款工業用水道事業収益は12億3、927万円で、その主な内訳であるが、次の58ページをお開き願う。第1項の営業収益11億3、743万7、000円は給水収益等であり、第2項の財務収益19万5、000円は預金利息であり、第3項の事業外収益1億163万8、000円は、経営健全化計画に基づく一般会計からの補助金等である。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は12億7、780万5、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用8億6、917万3、000円は、施設の維持管理に要する職員給与費、業務委託費及び動力費等であり、第2項の財務費用3億9、183万5、000円は、施設の建設に要した企業債の支払い利息等であり、第3項の事業外費用1、629万7、000円は消費税の納付予定額である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額3億338万1、000円を、当年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は4億7、726万円で、その主な内訳であるが、第1項の企業債1億6、900万円は、第三北上中部工業用水道の建設資金を借り入れしようとするものであり、第2項の出資金2億3、626万円は、経営健全化計画に基づき一般会計から出資を受けようとするものである。また、第3項の補助金7、200万円は、第三北上中部工業用水道の建設事業に対する国庫補助金である。
 次に、支出の第1款資本的支出は7億8、064万1、000円で、その主な内訳であるが、第1項の建設費3億1、959万3、000円は、第三北上中部工業用水道の建設費であり、第2項の改良費1、797万9、000円は、各施設の改良及び更新に要する経費であり、第3項の企業債償還金3億4、962万3、000円は、施設の建設に要した企業債の償還金である。
 次に、59ページの第4項他会計からの長期借入金償還金9、344万6、000円は、一般会計及び電気事業会計への償還金である。
 次に、第5条の企業債についてであるが、これは、第三北上中部工業用水道の建設事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものである。
 第6条は、一時借入金の限度額3億5、000万円と定めようとするものである。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を、職員給与費について1億541万6、000円、交際費について9万円と定めようとするものである。
 第8条は、経営の健全化を図るため、一般会計から補助を受ける金額を1億153万1、000円と定めようとするものである。
 第9条は、棚卸資産の購入限度額を100万円と定めようとするものである。
 以上で、工業用水道事業会計の予算の説明を終わる。
 なお、これらの予算に係る実施計画、資金計画、給与費明細書及び財務諸表については、予算に関する説明書の473ページから524ページに記載しておるが、説明は省略させていただく。
 よろしく御審議を賜るようお願いを申し上げる。

〇那須川委員長 本日は、企業局の審査の後取りまとめがあるので、この際、進行に御協力を願うため質疑、答弁は簡潔にお願いする。
 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇佐々木(博)委員 何点かお伺いする。
 最初に、電気事業会計について伺う。
 平成8年度は、ただいまも企業局長から説明があったとおり松川発電所が完成し、秋からいよいよ運転を開始する予定になっているわけであるが、大変工事が計画どおり順調に進捗していることに対してまず敬意を表するわけである。
 発電所には、水力、原子力、火力いろいろあるが、水力発電については通産省の私的懇談会であろうか、水力新世紀計画策定委員会でも、純国産のエネルギーとして長期的な電力自給の見通しの達成のためにも、水力の開発を加速すべきであるという提言がなされているようであるけれども、松川発電所の運転開始に伴って、県内の電力自給率がどの程度向上するものか、また、電力量及び電力販売量がどの程度増加するものか、あわせて経営の見通しについてお伺いしたいと思う。

〇及川業務課長 松川発電所は最大出力が4、600キロワットである。これが8年の10月に運転の開始予定である。これに伴う東北電力への販売電力量の増加は、年間ベースで1、800万キロワットアワーとなり、これは7年度の目標電力量に対して3・4%の増加である。
 一方、料金収入は、現在仮契約している単価で計算すると、年間ベースで2億2、000万となる。これは7年度の目標電力料金に対して4・9%の増加となる見込みである。また、経営の安定を図るには、何よりも売電単価いかんによることが大きいことから、本契約においても必要なコスト、適正な報酬を織り込むよう、今後東北電力と協議して交渉してまいりたい、こう思っておる。

〇佐々木(博)委員 時間が迫っておるのであと1点のみの質問にさせていただくが、今東北電力と交渉されるということであったが、その電力料金の改定の時期になっているのではないかと思う。
 伺っているところによると、電力料金の改定は2年ごとにしているということであり、この4月から新しく改定になると伺っているわけであるが、昨年の暮れの決算委員会でも、この売電単価についていろいろ議論があったところであり、岩手県の売電単価というのは例えば福島とか秋田と比較しても、1キロワットアワー当たりの単価であるが、福島が20円31銭、秋田は10円14銭となっているところ、本県は8円37銭、非常に低いようである。この単価については、伺うところによると通産省に内規があり、いわゆる総括原価方式という仕方で単価を決定するためになかなか思いどおりに、他県との比較だけでは思うとおり改定ができないという事情があると伺っておるけれども、しかしながらその子細を見ると、退職給与引当金の織り込み率が非常に低いとか、そういった問題もあると伺っているところである。
 そこで伺うが、今回の電気料金の改定について、どのような方針で東北電力と交渉していらっしゃるのか、また売電単価のアップの見込みについてはどうなのか、この点についてお伺いする。

〇千葉企業局長 電気料金の改定についてのお尋ねであるが、平成8年度、9年度の2カ年度にわたる電気料金については、現在電力会社と交渉中である。御案内のとおり、ことしの1月1日から各電力会社が料金を値下げしておる。これは、それぞれみずから定めた経営効率化計画に基づいて値下げ申請をしたわけであるが、さらにそれ以上に国の減額査定を受けたということがあり、各電力会社にとっては、これまで以上に効率的な経営が求められているという状況下にある。そういう中で、私ども今いろいろと電力会社と交渉しているわけであるが、こういう背景があり、電力会社からはそのはね返り等も含めていろいろと厳しい対応が求められており、従来よりも非常に厳しい査定になるのかという感じを持っておるが、いずれ電気料金については減価償却費なり営業費、あるいは市町村に対する交付金等の必要なコストと適正な事業報酬からなる総括原価方式が基本になっておるので、料金にこれらが適切に織り込まれるよう強く今主張いたしておる。いずれ、現在キロワットアワー8円37銭であるけれども、できるだけそれ以上にアップになるように努力をしているところである。

〇佐々木(博)委員 今局長もおっしゃったが、東京電力であっただろうか、通産省に電力料金の改定を申請したところ、申請したよりも低く認可を受けたというような事例があって大変厳しい状況のようであるが、ぜひ特段の御努力をお願いして質問を終わる。

〇浅井委員 先ほど新規事業のお話しあったけれども、新規事業への取り組みについて3点ほどお伺いする。
 企業局においては、これまでに電気事業や工業用水道事業等を通じて、県の産業活動の発展に重要な役割を果たしてまいったが、このことについては大変に評価をするとともに敬意を表するものである。しかしながら、我が国の社会経済は、予想を超えるスピードで技術革新や情報化、国際化が進んでおる現況であるが、また、反面、製造業が海外に移転するという産業の空洞化現象や諸外国からの多方面にわたる規制緩和の要請など、新たな問題も生じておる。このような中にあって、例えば規制緩和策の一環としての電気事業法の改正に伴うところの発電事業の自由化などにより、今後、公営企業を取り巻く環境がかなり変わっていくものと予測される。ちなみに、他県企業局においては、遊休資産等を有効に活用した観光、スポーツ施設の運営などの地域振興事業を積極的に取り入れ、地域の活性化に寄与している例が数多く見られるが、本県においても、財源調達面では受益者負担を原則として起債の許可という制約はあるわけであるけれども、厳しい税収を基盤とする一般行政と比べて、より自由に事業を実施できるという公営企業の利点や特徴を生かして、新たな視点に立った事業展開に取り組む必要があると考えられる。
 そこで、企業局は新規事業の導入についてどのように取り組んでおられるのか、あるいはまた取り組もうとしているのかお尋ねする。

〇千葉企業局長 新規事業への取り組みについてのお尋ねであるが、近年、社会経済情勢が大きく変化している中で、住民のニーズも高度化かつ多様化してきておる。これに適切にこたえていく手法として、公営企業に対する新しい分野への取り組みへの期待が非常に高まっていると認識しておる。新規事業の導入に当たっては、このような住民にニーズを最優先としながら、最初に公営企業ありきということではなくて、県が施策を展開していく上で公営企業はどのようなことができるのか、また、公共の福祉や地域振興を図る上で、公営企業としてどのような役割を果たしていくべきかということをまず中心に据えながら検討していくことが大切だと考えておる。このようなことから、従来の工業用水道事業であるとかあるいは観光施設事業という従来の事業にとらわれることなく、新たな視点に立った検討が必要と考えており、特にも今日的なテーマである地球環境問題あるいは高齢化問題、情報化等に着目しながら、現在、未利用エネルギーの有効活用あるいはごみのリサイクルを活用したごみ固形化燃料発電、あるいはクリーンで純国産エネルギーである風力発電などについてその可能性等について検討をしているところである。いずれ、今後においても地域振興なりあるいは地域の活性化を支援するために、公営企業はいかに対応していくべきかという問題意識を常に持ちながら積極的に対応してまいりたいと考えている。

〇浅井委員 ただいま風力発電について触れておられたが、環境等の調和や自然エネルギーの有効利用の観点から、風力を利用した発電可能性の調査研究を進めてまいるということであるが、私も風力発電は波力や太陽光などとともに、クリーンな石油代替エネルギーとしてのその技術開発の推進が求められていると認識しているものであるが、本県の企業局もその実施に向けて大いに努力をしていただきたいと、このように考えておる。既に県内の3地点において風強等の調査を行い、その中で玉山村の日戸地区の通称天蜂山については、年間平均風速が毎秒4・9メートルあり、風力発電をする可能性があると聞いておるところである。
 そこで伺うが、この地点におけるその後の調査検討の状況はどうなっているのか、また、本格的な事業実施の見込みはどうかについてお伺いする。

〇千葉企業局長 風力発電のお尋ねであるが、風力発電については先ほど申し上げたとおり、クリーンな国産エネルギーであるということから、国においてもこれは積極的に導入を進めている段階である。本県としても、この導入に向けて平成6年の7月から1年間かけて、県内3カ所で風強調査を行った。その結果、玉山村の日戸地区が有望地点として選定をしたところである。その後平成7年の10月から12月にかけて、風車を建設した場合の電波障害それから騒音等について調査を行った。その結果、今のところ大きな問題はないだろうという結果を得ておる。ただ、今後の実施見込みについてであるけれども、一番大きな課題は採算性の問題である。現在東北電力においては、青森県の龍飛崎において機器の信頼性あるいは経済性について風力発電の実証試験を行っておるが、その結果、話を聞いておると、コストが他の電源に比べて非常に高いという結果になっておるようである。したがって、今後のコスト低減に向けたいろんな対策、あるいは技術開発に待つことが非常に大きいと考えておるが、いずれ今後とも採算性については十分吟味しながら、さらに東北電力ともいろいろと協議を進めてまいりたいと考えておる。

〇浅井委員 最後であるが、ごみ発電についてである。
 ごみ固形燃料を利用した発電、いわゆるRDF発電については、本県企業局としても鋭意調査検討をされていることを従来から伺っているものであるが、全国的にも自然エネルギーの有効利用、あるいはエネルギー資源の安定的な確保を図る観点から、三重県を初めとして数県がRDF発電の事業化を検討していると聞いておる。一方、国においても、例えば自治省は平成8年度からRDF発電の推進のため一般会計出資債制度を創設して、RDF発電設備の10%を一般会計出資債とするほか、出資債の元利償還金の50%を地方交付税で措置するという政策を講ずることとしておって、事業化へ向けての機は熟しつつあると、このように考えておる。市町村のごみ焼却施設の更新時期との関連でRDF発電施設への切りかえをどうするのか、あるいは一般廃棄物を所管する環境保健部との協力体制をどうするかなど、いろいろと問題点を抱えていることとは承知しておるが、やはりここは地球環境問題の関心の高まりというグローバルな観点から、さらには、リサイクル型エネルギーとしての見地からも積極的な取り組みをぜひお願いしたいものである。そこで、伺うが、現在までの検討状況はどうなっているのか、また、具体的にはいつごろ実現する予定であるのか、お聞かせを願いたいと思う。

〇千葉企業局長 ごみ固形燃料発電の検討状況、今後の見通しであるが、いわゆるRDF発電については、現在他県で三重県などで事業化が検討されておる。先ほどお話があったとおり、自治省では平成8年度からRDF発電事業に対して、これまでの電気事業債措置に加えて一般会計からの出資制度を創設することとしたところである。本県においてもこれまでむだにしておったごみエネルギーというものを資源として有効に活用できることや、ごみを直接燃焼するよりも有害ガスの発生を抑制できるというメリットもあるので、この事業については前向きに調査検討を進めてきたところである。ただ、進めるに当たっていろいろ課題がたくさんあって、1つには、どのような範囲でどの程度のRDF量を確保できるか、あるいは輸送費負担をどうするか、あるいは市町村において現在ごみを焼いているわけであるが、ごみ焼却場をこういうRDF化施設に切りかえるに当たっての市町村の理解、協力の問題もあるし、あるいは関係部局、環境保健部等との連携もこれ非常に大事であるし、また、市町村ごみ焼却施設の更新時期がそれぞれまちまちであるので、したがって、その間タイムラグがあることから、その場合は代替燃料というものをどうするかといったような問題たくさんあるが、いずれ今後ともこの面については国の動向なり他県等の動向も踏まえながら、できるだけ早い時期にこの導入にこぎつけたいと考えておる。

〇久保田委員 簡潔に質問する。
 本県の企業の事業導入については、電気と工業用水、この2つに絞られておるわけであるが、本県の企業活動の内容、業種、事業量などは他県に比べてどういう状況になっているのかについてまずお伺いをしたいと思う。

〇伊東経営管理課長 本県では電気事業とそれから工業用水道事業を行っておるわけであるが、平成7年度現在、地方公営企業法による法定事業、いわゆる法定7事業であるが、全国の企業局が行っている事業を見ると、電気事業については本県を含む33都道府県、工業用水道事業が同じく40都道府県、ガス事業が2県、上水道事業が26都府県、軌動事業が1都、自動車運送事業が2都県で行われている状況である。それから、法定7事業以外であるが、公共下水道事業が東京都1都である。それから、工業用地や宅地などの土地造成事業、これが23道府県、有料道路事業が6県、駐車場事業が8県、ゴルフ場や水族館など観光施設事業が9県で行われておって、このほか資産運用事業であるとか温泉事業であるとか、そういった事業が7県で行われているところである。

〇久保田委員 先ほど浅井東兵衛委員からの質問があって、質問の内容を若干減らすつもりである。
 工業用水をやっているわけであるが、この工業用水道事業のノウハウを十分に生かしていくという立場からすれば、今後、広域的な水道整備事業というのが本県において進められていく方向にあるわけであるが、そういう意味で企業局はこうした広域的な水道整備事業に事業導入を検討していっていいのではないのかと、こう思うのであるが、御見解を伺う。

〇千葉企業局長 広域水道整備事業に対する企業局の取り組み、あるいは検討してみてはどうかということであるが、現在、広域水道整備事業という形で本県で実施しているところは岩手中部広域と胆江広域、これはそれぞれ広域水道企業団というものをつくってそれぞれやっているわけである。その経緯を若干申し上げると、水道法の規定に基づいて知事が市町村からの要請を受けて、県議会の議決を得て定めた広域的水道整備計画に基づいてそれぞれ事業を執行している。あるいは執行する予定と聞き及んでおる。したがって、このような経緯があることから、また新たに事業を導入することについては、まずもって私どもが手を挙げるということではなくて、それぞれ政策担当部局があるので向こうの判断に待つべきものと考えておって、現段階では広域水道整備事業に関与または事業導入することは今のところは考えていないところである。

〇久保田委員 さらりとうっちゃられたが、将来は盛岡地域とか一関地域、そちらの方に広域的にやっていこうという構想はあるわけである。それぞれ現状における広域的水道の整備の状況の中で幾つかの問題点のあることは、私は前の委員会で関係の部局のところで提起をしているわけであるが、新たな視点に立ってこうした事業に、先ほど上水道の関係で申し上げたが、下水道についても進出の余地はあると、こう見るわけである。言うなれば、県内ひとしく公平な状況の中で享受できるような上下水道の体制が整えば好ましい結果になるわけであって、そういう視点で私は問題を取り上げさせていただいているわけであ。そこで、最後、質問であるが、21世紀における企業局の活動分野はどうあればよいとお考えであろうか。先ほど浅井委員の質問にもお答えは一部いただいておるわけであるが、企業局内に研究体制をやはりつくって、21世紀のあるべき方向について検討すべきではないのかと思うわけである。そういう意味で新たな視点に立った企業活動のあり方をじっくり研究する組織体制をつくっていくべきではないかと思うのであるが、いかがであろうか。

〇千葉企業局長 新しい新規事業等に向けた企業局の研究体制というか、そういう御質問であるが、実は平成5年度だったと思うが今後の10カ年計画、企業局の取り組むべき事業計画を定めて、その中で新規事業についてもさまざまな観点から1つの、模索の段階ではあるが、幾つか例を挙げながら今後検討しようということで進めているものである。21世紀に向けての問題については、さまざま住民ニーズも多様化しておるし、またそれに伴って行政需要も非常に動的、質的にふえてくるという段階であるので、従来の税金を投入する手法だけではなかなか対応し切れないだろう。したがって、公営企業としても何らかの形で地域の振興なり、そういう面での対応が必要ではないかと考えておる。そういう中で、例えば地域エネルギーの開発、あるいはシルバーサービス、あるいはスポーツなどの健康増進、さらには、具体的な案はまだないけれども情報通信等の基盤整備、さらには、行政部門とも連携した地域振興等について、今後ともいろんな角度から検討を進めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 1点だけまとめてお聞きする。胆沢ダムの発電について。
 なぜ2つの事業体になったのであろうか。石淵ダムについては当初、岩手県に発電に関する技術やスタッフ、資金が不足していたために電源開発株式会社が発電を行った経過があるようであるけれども、将来的には地元岩手県に事業を移管する。こういう合意があったのではないであろうか。大物政治家がトップダウン式で2つの事業体を決めたという話もあるが、いかがであろうか。

〇及川業務課長 現在、既設の石淵ダムを利用した発電施設には、石淵ダムから取水しトンネルにより水を導いて発電を行う電源開発株式会社の胆沢第1発電所と第1発電所の下流に若柳調整池を設け、同じ水を有効利用する企業局の胆沢第2発電所がある。使用した水は農業用水として使用されておる。今回の胆沢ダムの建設によって、新たに河川の正常な流量を確保するため、一定の量を維持流量として流すこととされておる。この有効活用としてダムの直下に企業局の胆沢第3発電所の建設を計画したところである。既に国の電源開発調整審議会の議を経ているところである。また、電源開発株式会社の胆沢第1発電所については、新しいダムにより水没する取水口等をつくりかえ、現在の支川で引き続き発電を行うことになっておる。したがって、胆沢ダムの発電施設についてはそれぞれ事業体が役割を分担して水の効率的な活用をしようということである。

〇斉藤委員 将来的に地元岩手県に事業を移管するという合意はなかったのか。そして、全国的に2つの事業体が別の場所でそういう発電施設をつくってやっているケースはどのぐらいあるか。

〇及川業務課長 全国の例であるけれども、ただいま資料ないのでわからない。

〇斉藤委員 合意はなかったか。

〇及川業務課長 合意はしておらない。

〇那須川委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇那須川委員長 質疑がないようなので、これで企業局関係の質疑を終わる。
 お諮りする。当委員会に付託された議案31件について、その意見の取りまとめの方法であるが、午後3時20分から議会運営委員会室において、各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果を待って、午後3時30分から委員会を開き、結論を出すことにしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇那須川委員長 御異議なしと認め、さよう決定させていただく。
 この際、意見の取りまとめのため午後3時30分まで休憩する。
   午後3時19分 休 憩
   午後3時52分 再 開

〇那須川委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 一般会計予算に対する各会派の意見の取りまとめについて、協議した結果を御報告申し上げる。
 議案第1号に対する意見の中には、行政改革大綱に対する意見もあったが、協議の結果、次の意見、すなわち、平成8年度における本県財政は、県内経済動向等から見て、自主財源の大宗をなす県税や地方交付税の伸びに期待できず、また、歳出面においては、公債費等の義務的経費の増加や多様な財政需要の増大が見込まれることなどから、一段と厳しい財政環境下に置かれるものと予想される。このような厳しい財政環境を踏まえ、財政運営に当たっては、経費の節減、合理化、財源の効率的活用の徹底、行政改革大綱に基づく行政改革の逐次具体化に取り組まれるとともに、第三次岩手県総合発展計画の後期実施計画のスタートの年として、県民福祉の向上など各般にわたる施策について、より一層積極的に推進し、活力ある地域社会の形成と地域の特性を生かした県土の均衡ある発展にさらに努力せられたい旨の意見を付し、原案を可とするとの意見があった。
 これより議案第1号について採決する。
 本案は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇那須川委員長 起立多数である。よって、議案第1号は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに決定した。
 次に、議案第13号、議案第15号から議案第21号まで、議案第23号及び議案第28号から議案第33号まで、以上15件について一括採決する。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇那須川委員長 起立多数である。よって、議案第13号、議案第15号から議案第21号まで、議案第23号及び議案第28号から議案第33号までは、原案を可とすることに決定した。
 次に、議案第2号から議案第12号まで、議案第14号、議案第27号、議案第40号及び議案第41号、以上15件について一括採決する。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇那須川委員長 起立全員である。よって、議案第2号から議案第12号まで、議案第14号、議案第27号、議案第40号及び議案第41号は、原案を可とすることに決定した。
 以上をもって、当特別委員会に付託された案件の審査は全部終了した。委員各位の御協力に対して深く感謝申し上げる。
 これをもって予算特別委員会を閉会する。(拍手)
   午後3時56分 閉 会

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