平成8年6月定例会 第6回岩手県議会定例会 会議録

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〇17番(佐藤一男君)伊藤勢至議員の河川に対する質問に関連して質問させていただきます。
 さすが我が新進党のホープであります伊藤議員、繩文時代の再認識について質問されまして、格調高い質問に対し、私も感銘を受けたところでございます。
 さて、私たちの住む地球は、水があるから生命が誕生し、水があるから大自然が形成されたと言われています。生命の1つとして人間が存在し、人間は大自然の恵みのもとで生きることができ、また、発展してまいりました。川は時として大きな災害をもたらし、人々は自然の脅威と戦いながら生きてきたことも事実であります。国づくりの基本として自然を治めることは最も大事なことであり、何を置いても優先してまいりました。しかし、私たち人間は科学技術の発展に伴い経済効率のみを優先させ、ただただ自分たちのためにだけ都合よく発展してきたのであります。それは地球を汚し、大気を汚してなし得た発展であり、生命体のリーダーとしては決して褒められたものではなかったではないでしょうか。経済発展をなし遂げ、生活水準も最先進国となった今、物の豊かさから心の豊かさが求められるようになり、開発優先から自然との共生の時代に突入したと言われています。地球の水資源のサイクルを正常なものとしながら、治水や利水の確立が急務と考えます。後世にすばらしい県土を引き継ぐためにも、今までの単なる技術のみの思想からの脱却のもと、河川整備のあり方を見直し、自然との共生のための川づくりが必要ではないでしょうか。そこで、私は猿ケ石川の整備についてお伺いをいたします。
 岩手の母なる川、北上川の支流であり、遠野盆地の中央を流れる猿ケ石川は、現在、50年に1度の大雨を予想して、治水の面からの堤防工事を優先して川幅の拡幅を進めておりますが、河川敷地内の整備がおくれているのが現状であります。民話のふるさと遠野市の景観上からも、水との触れ合いの親水面からも、また、観光客や住民からも整備の早期完成が望まれております。先ほど伊藤勢至議員から言われたいわての川へ3つの提言に基づいた整備が進められると思いますが、具体的にどのような整備がなされ、また、いつごろまでに完成されるのか、お伺いをいたします。
 また、大変すばらしい河川ができますことを大変に期待しておりますので、よろしくお願いを申し上げまして、質問にかえさせていただきます。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君)猿ケ石川の河川改修は昭和53年度から中小河川改修事業による整備に着手いたしまして、県営圃場整備事業と調整を図りながら、河道掘削、築堤、橋梁などの整備を進めてきたところでありまして、これまで、下流早瀬川合流点付近から松崎地区までの約8キロメートル間について、築堤を概成させているところであります。今年度は、河川断面の確保のための河道掘削や、それに伴い支障となる、農業用水の取水施設である角鼻頭首工の改築に着手することとしております。
 河川の整備に当たっては、いわての川づくりプラン懇談会からの提言の趣旨に沿った、生態系に配慮した多自然型川づくりを行うこととしておりまして、6月中旬には、第1回の猿ケ石川河川整備懇談会を開催するなど、地域の皆様方の声をできるだけ反映した整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、改修事業は、全体計画延長が12・2キロメートルと長く、また、多くの事業費を要することから、整備に時間を要しておりますが、今後とも、予算の増額につきまして国に要望しながら、事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
   〔「議長、進行についてお聞きしたい。進行について。休憩してもどっちでも構わ   ないです。」と呼ぶ者あり〕

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