平成8年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 認定第1号、第3号に反対の討論を行います。
 認定第1号1995年度岩手県立病院等事業会計決算は、医療局職員の努力で2億円余の黒字となりました。このこと自身は評価すべきものであります。しかしながら、県民の生命と健康を守る医療局職員の労働条件は依然として厳しいものがあり、十分改善されているとは言えません。1週間に40時間を超えるなどの超過勤務は、岩手労働基準監督署から改善を求める指示も出されています。2人夜勤体制も94病棟中約半分の45病棟に上っており、重症患者がいればナースステーションは空っぽになるという深刻な状況となっています。中央病院の手術室では、手術が長引くと、日勤、準夜、深夜と働き、1日だけ休んでも疲労が募るばかりとの訴えも出されています。医療局は、長期経営計画と週40時間体制に基づき494名の定員増を決めましたが、昨年度末で72名の不補充となっていることは重大であります。年休の消化は平均でわずか9・5日、半分もとれず、看護婦さんなどの生理休暇は、3、177人の看護婦さんの数に比して1日わずか1・4人であります。休みたくても年休がとれない、生理休暇は申請もできない状況を直ちに改善すべきであります。当面、不補充の72名の増員を直ちに実現し、後期計画で示された医師、看護婦の各155人の増員計画は前倒しで実現するよう強く求めるものであります。
 入院給食費の有料化は、新進党の羽田連立内閣のもとで自民、社会、さきがけも賛成して導入された悪政でありますが、県立病院の患者負担は昨年1年間で実に9億2、000万円にも及んでいます。菅厚生大臣のもとで10月1日から一方的に1日760円に引き上げられましたが、これによる負担は年間11億6、500万円余と予想されるものであります。県医療局は、ことし8月1日から全国8番目に200床以上の14の県立病院において初診料の特別料金を徴収しております。これは、8月1カ月分だけでも1、300万円余、年間では1億5、000万円を超える新たな県民負担を押しつけるものであります。実際に機能分担とは名ばかりで、外来患者はふえ続け、患者は知らずに取られているのが実態であります。重大なことは、200床以上のすべての病院で徴収するために、県医療局がみずから定めた県立病院の類型、センター病院、広域中核病院、地域総合病院、地域病院、精神病院、この類型を無視し、県立病院の新たな差別化を進めることになったことであります。28の県立病院は、ベッド数、病院の大小の違いはあっても、それぞれ地域と密着をした住民に身近で頼りになる病院として信頼を高めてきたのであります。私は、県下にあまねく良質な医療の均てんを、より信頼される愛される病院づくりという基本理念、心の通う患者中心の医療の展開、働きがいのある人間尊重の運営という県立病院の基本方針に文字どおり立ち返って、28の県立病院のそれぞれの充実を図るよう強く求めるものであります。
 県立病院の累積赤字の重要な要因に消費税の負担があることは重大であります。昨年1年間で14億円の負担、診療報酬による補てんは約8億円、それを差し引いても6億円の純粋な負担増となりました。消費税導入後7年間で転嫁できない消費税は累積29億円となっており、それは、累積赤字87億円の33%、3分の1を占めているのであります。消費税の5%増税は県民の暮らしを破壊すると同時に、県立病院の経営を脅かす悪政と言わなければなりません。
 ヒューマニティー21計画では、メディカルサポートの育成強化がうたわれていますが、これは県立病院と一部の業者の癒着を強めるものであり、見直すべきであります。医療機器の購入に当たっても、一部の業者に偏ることなく、公正な入札を強化するよう強く求めるものであります。
 認定第3号岩手県工業用水道事業会計決算は、95年度も2、628万円余の赤字、累積13億円余の赤字となりました。これは、大企業奉仕の工業団地造成に伴う過大な計画と投資によるツケであり、昨年、ことしと企業債の繰り上げ償還で約14億円の節約の措置をとっていますが、赤字構造の是正と改善を強く求めるものであります。
 以上、反対討論といたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより認定第1号及び認定第3号を一括して採決いたします。
 各決算は委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、認定第1号及び認定第3号は委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号平成7年度岩手県電気事業会計決算を採決いたします。
 本決算は委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、認定第2号平成7年度岩手県電気事業会計決算は委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
   
日程第45 発議案第1号自然災害に対する国民的保障制度の創設についてから日程第50 発議案第6号平成9年度道路関係予算の確保についてまで
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第45発議案第1号から日程第50、発議案第6号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は各派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより発議案第6号平成9年度道路関係予算の確保についてを採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、発議案第6号平成9年度道路関係予算の確保については原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第1号から発議案第5号までを一括して採決いたします。
 各案件は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第5号までは原案のとおり可決されました。
   
日程第51 発議案第7号消費税率5%引き上げの反対について
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第51、発議案第7号消費税率5%引き上げの反対についてを議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。長谷川忠久君。
   〔26番長谷川忠久君登壇〕(拍手)

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