平成8年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第12号から18号に反対の討論を行います。
 議案第1号1996年度岩手県一般会計補正予算は、地震調査研究費など、防災対策の強化、身体障害者療護施設の整備など、福祉施設の整備、県単融資制度の拡大など、県民の要望にこたえるものが多々あることを評価するものであります。しかし、補正予算には食糧費が計上され、3、040万円余の減額とされたものの、増田県政が引き続き官官接待を継続、実行しようとしていることは重大であります。全国的には、国民、マスコミの厳しい批判の前に、昨年度、官官接待は大幅に減少しているのが実態であります。しかるに岩手県では、増田知事の適正な予算執行の名のもとに官官接待が容認され、95年度も東京事務所だけで163件の懇談会が開催をされ、うち35件が昼からビールつきの懇談、13件が2次会まで行った懇談でありました。さらに、懇談相手も場所も非公開とする態度をかたくなにとり続けていることも重大であります。政府自身が接待を受けないと改めて明らかにしている現在、官官接待はきっぱりと廃止すべきであります。仙台地方裁判所、東京地方裁判所の判決に見られるように、情報の全面的公開はもはや時代の流れであります。岩手県が最後まで公開に背を向けることのないよう強く求めるものであります。
 補正予算の主なものは、相変わらずのゼネコン、土木事業偏重の公共事業であります。従来型の公共事業の積み上げでは景気回復の力にならないというのがこの間の教訓であります。農政では、農民が強く求める農産物の価格保証や小規模の土地改良など、農家が求める施策への転換を図るべきであります。減反のための予算が新たに6億2、800万円計上されましたが、世界が食糧危機に直面し、既に穀物の価格が急上昇しています。米の自由化を容認しながら農家に減反を強制するやり方は、世界に例のない農業の荒廃と、農民から希望を奪うものであります。土木部にかかわる公共事業も、生活基盤重視、県内中小業者に役立つものに転換を求めるものであります。この点で、県立大学の整備に当たっては、県内企業と地域経済に大きく寄与するものとなるように求めるものであります。
 今議会の最中に病原性大腸菌O-157による食中毒事件が起こったことは極めて残念なことであります。現在、県、盛岡市、学校など、関係者によって日夜を分かたぬ懸命な対策をとられていることに敬意を表するものであります。私は、知事を先頭に、盛岡市との連携を強め、一日も早い原因の究明と2次感染の防止、生徒、県民の不安解消に万全の対策をとるよう強く求めるものであります。
 O-157対策では、今回、当初予算の予備費で対応され、学校、県立病院などの検食用の冷凍庫などが整備されてきました。しかし、今回の盛岡市内の小学校におけるO-157事件は、県民、児童生徒の安全を守る上で全面的、抜本的な対策を求めています。
 その第1は、O-157問題がどこでも起こり得る深刻な状況のもとで、公衆衛生の第一義的機関である保健所の活動と役割を強化することが大切です。保健所の統廃合は見直し、拡充強化こそすべきではないでしょうか。
 第2に、学校給食のあり方が根本から問われています。学校給食は、歴代自民党政治、それを引き継いだ連立政治のもとで行革の対象とされ、調理員の削減、パート化、民間委託、センター方式などが進められてきました。安全を無視した安上り、効率第一主義の学校給食が進められてきたことが今回の学校給食におけるO-157事件の背景にあるのであります。学校給食調理員の配置基準は、1960年、36年前に定められたものであります。今回の盛岡市内の小学校の場合でも、自校方式ではありましたが、調理員が足りず、非常勤職員が3校を回って援助する体制になっていたのであります。わずか2時間で6、000人分の給食をつくるというセンター方式も根本から見直すべきではないでしょうか。未来を担う子供たちに安全で新鮮なおいしい学校給食の実現へ、また、全校への栄養職員の配置、調理員の増員、センター方式から自校方式への転換、地場農産物による産直給食の拡充、施設の改善など、教育の目的を実現するための学校給食に抜本的な改善がなされるよう強く求めるものであります。
 議案第12号から17号までは、県営事業にかかわる経費の一部を関係市町村に負担をさせるものであり、反対するものであります。
 議案第18号地方拠点都市地域における県税の不均一課税に関する条例は、東京23区からの移転など、極めて限定的なものであり、結局大企業誘致のための減税となるものであり、反対するものであります。
 議案第21号産業技術短期大学条例は、設置に賛成するものでありますが、職業訓練ではこれまで無料だったものが年額24万8、000円、高額の授業料を徴収することには反対を表明するものであります。
 議案第23号のテレクラ条例については、営業の規制は当然必要です。同時に、執行に当たっては、青少年の人権と言論表現の自由を侵害することのないよう強く求めるものであります。青少年の健全育成のためには、テレクラ等の規制だけでは解決できません。青少年がテレクラ被害に遭わないような判断力、洞察力、いわゆる性的自己決定能力を育てる総合的な対策が必要であり、その具体化を求めるものであります。
 最後に、受理番号9号院内保育所に係る県単事業を求める請願が不採択になったことは、岩手県の医療を支える関係者の願いに背を向けるものであり、反対をするものであります。
 受理番号13号道路関係予算の確保についての請願は、地方の道路整備の予算の増額は当然でありますが、産業道路、モータリゼーション偏重の要因となっている道路特定財源に反対の立場から反対するものであります。
 以上、反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(堀口治五右衛門君) これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第1号、議案第12号から議案第18号まで、及び請願陳情中、受理番号第9号、受理番号第13号を一括して採決いたします。
 各案件は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第12号から議案第18号まで、及び請願陳情中、受理番号第9号、受理番号第13号は委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第11号まで、議案第19号から議案第38号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第11号まで、議案第19号から議案第38号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第41 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第41、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
福祉文教委員会
 県立博物館について
保健商工委員会
 産業技術短期大学校の整備状況について
農林水産委員会
 公共施設に対する県産材の活用について
土木委員会
 盛岡駅西口地区都市開発整備事業について
   
〇議長(堀口治五右衛門君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第42 認定第1号平成7年度岩手県立病院等事業会計決算から日程第44 認定第3号平成7年度岩手県工業用水道事業会計決算まで
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第42、認定第1号から日程第44、認定第3号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。藤倉決算特別委員長。
   〔決算特別委員長藤倉正巳君登壇〕(拍手)

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