平成8年9月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(工藤篤君) 自由民主党の工藤篤でございます。
 質問に先立ち、さきに御逝去されました元岩手県知事中村直先生の自由民主党知事として、12年の長期にわたり県民の幸せと開かれた県政の推進に御尽力されたことに対し、心から敬意と感謝を申し上げますとともに、御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、質問させていただきます。
 まず、通称奥産道と呼ばれている県道雫石東八幡平線と国見開発問題についてであります。
 この県道雫石東八幡平線は、その名のとおり、全国有数の観光地である八幡平を雫石町側からと松尾村側からとで結ぶ全長約16キロの観光開発道路であります。昭和40年の着工以来、地元自治体と地域住民が熱い期待を込めてその完成を待っているのであります。工事は残り約3・5キロと伺っておりますが、そこで今回の自然破壊事件が発生したのであります。幸い、県土木初め、関係者の懸命の復旧工事が進んでおり、一日も早い復旧を目指していただきたいと思いますが、復旧工事の進捗状況をお示しいただきたいと存じます。 また、一部報道によりますと、今回の事件により知事は、道路建設工事の中止を含めて計画を見直しするとの考えを示したとありますが、この道路は、県が平成6年に策定した道路環境計画の中の道路緑化推進計画において、生態系に配慮し、環境への影響を極力減らすよう設計されたエコロードとして整備されている道路であります。したがって、今回の計画も三ツ石湿原などの自然環境への影響をできるだけ避けるため、トンネルをくりぬいて道路を新設することとしていたものであり、その環境影響調査を請け負った業者が作業の過程で原生林を破壊してしまったというものであります。この事件は、自然保護の観点から起きてはならない事件であり、二度とこのようなことのないよう、業者の手落ちと県の監督不行き届きに対する責任は明らかにされなければなりませんが、この事件をもって道路の整備計画そのものを中止にすることがあれば、それは本末転倒であると言わざるを得ません。すぐれた八幡平の自然景観は、一部の自然愛好家が自分たちだけが堪能すればよいというものではないと思います。道路があればこそ、お年寄りも身体に障害がある人も皆が楽しめるのであります。今回のような不幸な事件が起きたときは、道路工事そのものを中止すべきであるという声を大にする個人、団体の意見が多く取り上げられがちですが、道路を通してほしいと考えているたくさんの地方自治体、地域住民の声なき声があることを認識していただきたいと思います。
 奥産道の早期完成を求める人々は、なぜ県に対し声高に要求しないのでしょうか。それは、行政を信頼しているからであります。行政には継続性という大原則があります。この継続性の原則と知事初め県が、地域住民の幸せを願う気持ちを無視することはないという行政への信頼があるからであります。盛岡市を初め、松尾村や雫石町の首長さんたちが、地域住民の生活や観光振興などの地域開発にとって不可欠な道路だから早く完成させてほしいと言っているではありませんか。この声こそが県人口の約3分の1を占める地域周辺住民の声を代弁しているものであります。国見開発を中止に追い込んだ県が、今回もまた地域住民の願いを踏みにじるような誤りを繰り返してほしくないから申し上げているのであります。県においては、今回の事件と道路の早期完成とは問題が別であることを御理解の上、地域住民のため事件の早期の事後処理と一刻も早い道路工事再開を願うものであります。県道雫石東八幡平線に対する今後の取り組み方針を含め、知事のお考えをお尋ねします。
 また、国見開発中止の問題についてでありますが、第3セクターである雫石国見開発が4億円に上る赤字を抱えて解散するようであります。開発中止に追い込んだ県に責任はないのですか。また、国見開発にかかわる地域振興策についても、県は雫石町が計画をつくって相談してきたら対応するような姿勢に見えますが、もっと積極的に取り組んでいくべきものではありませんか、あわせてお答え願います。
 次に、最近における県行政の運営についてであります。
 まず第1点は、先月実施される予定であった県立大学の新築工事の一般競争入札についてであります。
 延期の理由は、中小業者の参入機会の拡大のためとのことですが、県建設業協会の陳情を受けての素早い対応であり、県民からは知事の支持団体からの陳情であったから、参加条件を緩和したのではないかとの声も出ております。
 そこで伺いますが、県建設業協会の岡崎専務は新聞報道のコメントで、そこまではお願いしていなかった旨の発言をしております。知事は、県建設業協会のだれから、いつ、どのような内容の陳情を受けたのか、明らかにしていただきたいのであります。また、一度決定したことを翻してまで入札を変更したその理由と、今後、平成10年4月の開学に工事が間に合うのかについてもあわせてお伺いいたします。
 第2点は、岩手海区漁業調整委員会の知事選任委員の選任方法についてであります。
 御案内のとおり、同委員会は、漁場計画の策定や漁業権の取り消しなどを知事に答申、建議するほか、水産物の採捕や漁場利用の制限などを指示する権限を有する機関であります。このような強大な権限を有することから委員の選任に当たっては、水産庁が知事選任委員の選考に際しては、公選の資格があるものは避ける、また、長期留任のものは避けるという2つの点を指導しているのであります。こうしたことから、県では平成4年に、当時4期16年会長を務めていた県漁連の鈴木甚左衛門会長を次期知事選任委員として推薦しない旨通告したところ、鈴木氏は任期途中で辞任したものであります。さらに本年4月、水産庁からの通達があったにもかかわらず、知事が再び選任したことに対し、県民はさきの県立大学新築工事の一般競争入札の急な延期とともに、驚きをもって受けとめているのであります。
 増田知事、鈴木氏は昨年の統一地方選挙で、あなたの選挙の総括責任者を務めた人ではありませんか。国の指導を無視してまでも鈴木氏を知事選任委員としたことに対し、報道によれば、知事選挙での論功行賞ではないかなどとやゆされています。鈴木甚左衛門氏は公選の資格あり、公選で選ばれる方法をなぜ知事は鈴木氏に進言しなかったのか、その理由をお聞かせください。また、公選で選ばれて委員になる資格があるのに、知事が県民の批判を受けてまでも知事選任委員として鈴木氏を委員にしなければならなかったのか、その理由も明確にしていただきたいと思います。
 過日、同委員会の会長互選は、投票の結果、委員の意見がわかれ、8対7の僅差で会長に選ばれたようでありますが、これも県民の目には異様に映っているようであります。このような不透明な県政運営が今後も続くことのないよう、公正で開かれた県政を担っていただきたいと願うものでありますが、あわせてその決意のほどをお聞かせください。
 次に、少子化対策についてであります。
 さきに厚生省の発表した1995年の人口動態統計の概数によりますと、この年に生まれた赤ちゃんの数は118万7、000人ほどであり、これまでの最低であった1993年の118万7、000人余を下回り、人口動態統計を取り始めた1899年--明治32年--以降、最低を記録したとのことであります。また、1人の女性が生涯に生む子供の数を推計した合計特殊出生率も昨年は過去最低の1・43人となり、さらに、人口千人当たりの出生率も9・5人と、これまた過去最低を記録したのであります。一方、女性の初婚年齢も26・3歳と過去最高となり、女性の社会進出などに伴う晩婚化が一層進んでいるものと思われます。この傾向は本県にも当てはまるものでありまして、本県の出生数は1万3、021人で、前年より651人減少し、昭和31年以降で最低となっているところであります。合計特殊出生率は1・68人で、全国第11位とのことであります。この傾向は、今後も引き続き推移するものと思われますが、申し上げるまでもなく、出生率の低下は人口の高齢化を早めることとなりますので、県としても子供を生みやすい、育てやすい環境を早急に整備していく必要があるものと考えるものであります。
 そこで、少子化対策について2点お尋ねいたします。
 第1点は、私は、少子化対策については、まずもって母子ともに健康に育つよう、妊産婦の健康管理や乳児の生後の育児管理などを充実していくことが重要であると考えますが、県では出生率の向上や乳児死亡を少なくするため、母子保健対策をどのように推進していくおつもりなのかお尋ねいたします。
 また、私は、本年2月の本会議の代表質問において少子・高齢化対策の切り札として、また、不妊症に悩む夫婦への手助けになるよう高度不妊治療センターの設置や、当面の措置として不妊治療が可能と思われる岩手医大や県立中央病院の施設整備の拡充を提案したところであります。この提案に対し知事は、国が不妊で悩む方々と一般医療機関に適切な情報を提供するため、新たに都道府県に不妊専門相談センターを設置することとしたこと、体外受精などの高度な不妊治療については、多くの課題が指摘されていることなどを述べられ、県としてこれらの実態や動向を踏まえて、相談治療体制について行政として対応すべき範囲や施設面のあり方などを含め、本年度専門家や関係医療機関などによる検討会を設置して、鋭意検討を進めていくとの力強い御答弁をいただきました。他県でできていることが本県でできないことはないのでありまして、ましてや国も新たに、都道府県に不妊専門相談センターを設置することとしていることでもあります。本県でも少子化対策として、ぜひ不妊治療体制を整備していただきたいと要望するのでありますが、知事答弁から半年ほどたちましたので、検討会での検討内容、今後の進め方など、お聞かせいただきたいと存じます。
 次に、教育についてであります。
 ある広報誌に、自分の人生をどのように生きたいかという、青少年を対象とした意識調査が掲載されておりました。それによると、自分の人生は自分の好きなように暮らすと答えた青少年が43%に対し、社会のために何か尽くしたいと答えた青少年は、わずか3ないし4%しかなかったとのことであります。また、いじめや不登校の子供がふえているとも報道されております。私は、これらを防ぐためには、何といっても教育現場と家庭、そして、地域が互いの信頼の中で連携をとり合って地道に指導、教育していくことが大切であろうと考えますが、学校における社会性をはぐくむ教育はどのように行われているのか。また、最近のいじめや不登校の状況と教育委員会の取り組みについてお答えいただきたいと存じます。
 また一方、最近学校の福祉教育の一環として、いわゆるキャップハンディを体験したり、福祉施設を訪問したりしながらノーマライゼーションへの理解を深めているようでありますが、私は、まず教員がこのノーマライゼーションを理解する必要があると考えるものであります。ことしの県職員の初任者研修では、キャップハンディの体験が研修に組まれたということですが、これは大変よいことだと評価したいと思います。21世紀を担う子供たちを優しく思いやりのある子供に育てるためにも、教員こそが福祉の研修をする必要があると考えますがいかがでしょうか。
 また、総務庁の行政監察によれば、中学校、高等学校の教員に採用されている障害者の率が法定雇用率をはるかに下回っているとの結果があり、文部省に対し教員採用方法の改善を勧告したとのことであります。この勧告では、学校にスロープをつくったりトイレを改修するなど、障害のある教員が勤務しやすい環境をつくることも求めております。
 そこでお伺いしますが、本県では障害者の教員の占める割合が低いと聞いているところでありますが、今後どのような対応をとられるのでしょうか。また、現在勤務している障害者の教員と今後採用されるであろう教員、さらには、そこで学ぶ障害者を持つ子供たちのためにも、既存の学校を障害者が利用しやすいように改善していく必要があると考えます。特にも、少子化に伴い学校開放が進んでくるにつれ、学校も高齢者の方々や障害者の方など、いろいろな人が使用するようになってきましたので、教育委員会としても積極的に取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 次に、青少年の健全育成についてであります。
 青少年の健全育成は、学校教育のみならず社会全体としてこれを推進していかなければならないと思いますが、とりわけ県下の青少年の健全育成を図ることを目的として設立された青少年育成県民会議の活動に負うところが大きいと思うのであります。県でも職員を派遣しているようでありますが、県と民間が一体となって取り組んでいってこそ、青少年の健全育成はなし得るのであります。しかるに、この青少年育成県民会議が健全育成事業を長期にわたって積極的に推進するために設置している基金は、本年3月現在でわずかに118万円余であります。県はこのような例もあり、財政支援を含め、積極的に取り組みをする必要があろうと考えますがいかがでしょうか。
 また、青少年健全育成は、県民全体の願いであり、育成事業も積極的に実施する必要がありますが、そのためにもかねてから要望のある青少年相談事業や、青少年団体の育成、研修機能、情報提供機能などを備えた県民会議の活動拠点となる青少年育成センターを早期に整備する必要があると考えます。県では、青少年育成センター運営委員会に関係職員が参加しているので、どのような課題があるのか情報を収集すると本会議で答弁しておられますが、その調査結果をお示しいただきたいと同時に、今後の整備見通しについてお伺いいたします。
 次に、葉たばこ生産の振興策についてお伺いいたします。
 本県の農業粗生産額は、平年作で約3、500億円ぐらいでありますが、その粗生産額の中身は米を筆頭にブロイラー、肉用牛、生乳、豚の順であり、それらで全体の約7割強を占めております。その次に位置するのが葉たばこであります。本県の葉たばこの平成7年度実績を見ますと、耕作人員は4、800人、生産量は7、065トンで、いずれも全国第1位であります。耕作面積は2、339ヘクタールで全国第2位、販売代金は約125億円で全国第3位となっており、本県は全国有数の葉たばこ生産県であります。しかしながら、平成8年度は人員で200名以上、耕作面積で45ヘクタール程度の減となっているところであります。県は、平成12年度目標を2、720ヘクタールと計画しておりますが、今後この目標達成にどのような取り組みをされるのか、その具体策についてお伺いいたします。
 また、葉たばこ生産振興対策について、先進地であります鹿児島県の場合を例にとりますと、かなり具体的でその成果が期待されております。鹿児島県では、平成3年度に策定した県農業、農村のビジョンにおいて、平成13年を目標に耕作面積3、000ヘクタール構想を示し、平成4年度には、この目標達成に向けた県葉たばこ生産振興基本方針を策定、翌5年度には推進方針を検討する県農政部長を会長にした県葉たばこ生産振興対策協議会を発足させ、この協議会のもとに実践活動部隊として、県、地区、市町村指導班を設置し、県における葉たばこ生産の振興を県を中心にした体制として整備しました。特に、注目するところは、県、地区、市町村ごとに役割分担がきちんと決められており、地区ごとの重点事項、課題などが地域の実情を十分に把握した上できめ細かく設定され、さらに、具体的な対策まで明確に示されている点であります。産地の顔が見える振興対策として、産地も農家も、そして耕作組合も大きく変わろうとしている鹿児島県の取り組みが注目されていますが、本県では、今後どのような方策で葉たばこ生産の振興を図るのか、その具体的な将来展望をお示しいただきたいと存じます。
 次に、地域課題についてであります。
 まず第1は、二戸駅周辺地区の土地区画整理事業の推進についてであります。
 二戸市は、東北新幹線盛岡以北の開業時における停車駅の設置が決定しておりますが、新幹線開業の暁には岩手県北や青森県南、さらには、秋田県北東部などの広域的な利用が見込まれております。これらの人的、物的流通の拡大に対応するため、土地区画整理事業による駅前広場、駐車場、アクセス道路などの都市基盤施設や、公園などの生活環境施設の整備と広域拠点機能の充実が急務となっておりますが、土地区画整理事業の推進状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
 第2は、県の合同庁舎についてでありますが、この土地区画整理事業を進めております荷渡地区は、国道4号バイパスや主要地方道二戸九戸線に近く、また新幹線二戸駅に近いなどの交通条件に恵まれており、同地区はカシオペア連邦の中心地区として位置づけられているところであります。県の合同庁舎も地方振興局の機能強化に伴い手狭になってきておりますし、建設されてから大分たっておりますので、この際、荷渡地区土地区画整理事業の区域内に移転新築した方が、二戸広域地区住民への行政サービスの向上が図られるものと考えるものであります。既に、国の合同庁舎は同地区へ移転することは固まっているようでありますが、県と市は二戸地区合同庁舎の移転整備について、どのように取り組もうとしているのかお伺いします。
 第3は、国民保養地金田一温泉のふれあい・やすらぎ温泉地整備事業についてであります。
 この事業は、平成7年度から平成9年度までの3カ年事業で実施されているものであり、事業も順調に進んでおり、県の御高配に感謝するものであります。金田一温泉は県北有数の温泉地であり、住民はもとより遠方からも多くの利用客が訪れ、広く保養の場として親しまれておりますが、県の広域観光ルートの県北地区の拠点として、さらに一層その整備、充実が求められているところであります。つきましては、温泉センターの規模拡大によるふれあい・やすらぎ温泉地整備事業の推進について御配慮をいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 以上をもちまして私の質問を終えさせていただきます。答弁によっては再質問することもあろうかと思いますので、明快な答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 工藤篤議員の御質問にお答えを申し上げます。
 一般県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道でございますが、この奥産道に係る自然破壊問題についてでございます。自然環境を守るために行われました道路調査委託事業によりまして、逆に自然に対する多大な被害、損傷を与えましたことは、大変重大な事態で極めて遺憾なことでありまして、県民並びに関係機関に対しまして深くおわびするところでございます。現在、損なわれました自然環境の復旧に全力を挙げることが何より重要と考えまして、植生や地形損壊にかかります応急対策を実施するとともに、専門家の方々にお願いいたしまして委員会をつくっていただきまして、復旧計画の策定に取り組んでいるところでございます。復旧工事につきましては、技術検討委員会から計画書の提出をいただきまして、国との協議が整い次第、植生基盤の整備や植生の復旧対策などの作業に入ることといたしております。したがいまして、今年度の事業につきましては、まず、復旧工事を最優先と、このように考えまして、見送るべきと判断したところでございます。今後につきましては、目下復旧に全力を挙げることが先決でございまして、また、そのことで精いっぱいでございますのでまだ成案はございませんけれども、今後慎重に検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、県立大学の建設工事に係る一般競争入札についてでございますが、県立大学関係工事は、本県で初めてのWTO政府調達協定適用対象工事でございまして、入札参加資格についてはWTO政府調達協定の趣旨や、特に入札公告時点で判明しておりました国及び他県の運用状況などを検討いたしまして、県内企業を含みます中小建設業の参入機会の確保についても意を用いまして設定をしたものでございます。これに関連する県建設業協会の陳情につきましては、会長以下の役員の方が担当の土木部に対しまして、地元建設業の参入機会の拡大ということにつきましてさらに配慮してほしいという要請があったということは承知いたしておりますが、私自身が直接要請を受けたことはございません。
 なお、今回の入札公告の見直しにつきましては、8月の県議会土木常任委員会で県内企業を含みます中小建設業の参入機会に配慮するように要請もございましたし、また、本県の入札公告後に行われました他県の入札公告では、参入機会を広げているものが見受けられましたことから、私といたしましては、こうした状況を踏まえまして、かつ県立大学の整備は本県としてはこれまでに例のない大規模工事でございますので、この際、WTO政府調達協定の趣旨に留意しながら、中小建設業の参入機会を一層拡大する方向で入札参加資格を見直しすることが適切と判断をいたしまして、改めて入札公告を行ったところでございます。
 次に、岩手海区漁業調整委員会委員の知事選任についてでございますが、御承知のように、本委員会は、漁業法に基づきまして海面の総合的な利用を図り、漁業生産を発展させるために、漁業調整に関し知事に意見を述べるなどの機関でございまして、委員は、漁業者が選挙によって選出をいたします公選委員、これが9名、知事が選任をいたします学識経験、そして公益代表の委員6名、あわせまして15名から成っているところでございます。今回の知事選任委員の人選に当たりましては、我が国漁業、中でも本県漁業を取り巻く環境がますます厳しくなっているということをまず第1に考慮いたしたところでございまして、すなわち、本年の7月に国連のいわゆる海洋法条約の締結に伴いまして、来年1月からは主要魚種ごとに漁獲枠が設定されまして、また、サケを初め、輸入水産物の急激な増加に伴い魚価が低迷をするといった、本県漁業にとりまして極めて厳しい状況下にあるところでございます。これらに対処するためには、魚類栽培漁業の展開や資源管理型漁業の一層の推進などを図るということで、県と漁業団体が従来にも増してより一層協調して新たな方策を推進することが求められているところでございます。このような状況変化の中で、長年にわたりまして本県漁業界をリードし、かつ全国の漁業団体の役員も経験をするなど、漁業に関し豊富な経験と高い識見を有する方を初めといたしまして、いずれも今後の本県漁業の振興に理解を有する方々を知事選任の委員として選任をしたところでございます。
 なお、公選委員の立候補の進言という件につきましては、本来、立候補は個人の意思に基づいて行われるものと、このように理解いたしております。
 また、公正で開かれた県政の運営を願うというお話でございましたけれども、私は、今後におきましても、公正で、県民に開かれましたわかりやすい県政の推進を基本姿勢といたしまして、県勢の発展と県民生活の向上に取り組むことといたしております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) このたびの十和田八幡平国立公園内での道路調査委託事業により植生等に多大な被害を与えましたことは重大な事態でありまして、県民並びに関係機関に対しまして深くおわび申し上げます。
 まず、一般県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道の復旧工事の進捗状況についてでございますが、早急に対策を講じないと被害が拡大するおそれがありますことから、環境庁、林野庁などの指導を受け、応急的措置を8月に実施したところであります。この応急措置の内容といたしましては、倒れた木やササのうち、再生の可能性のあるものについて、引き起こし等、復元策を行い、また、地形に変化を与えた箇所のうち、取水用の穴の埋め戻しや地表の侵食及び土壤流出防止の観点から、急を要するものにつきまして土どめ工等の対策を行っております。さらに、本格的な復旧工事につきましては、現地が高地でかつ寒冷地であることにかんがみ、森林防災学や植物生態学、造林学の専門家等から成ります技術検討委員会を設置いたしまして、復旧計画の策定や現地の技術指導をお願いすることとして、これまで2回の委員会を開催したところでありまして、9月中には復旧計画書をいただけるものと考えております。
 次に、二戸駅周辺地区土地区画整理事業についてでありますが、二戸市では、東北新幹線盛岡以北の建設を契機に、県北の拠点として一層の発展を図るため、土地区画整理事業により、駅周辺の都市基盤整備を行うこととしております。本事業は、面積約88ヘクタールを対象に、良好な市街地を形成するため、道路や公園等を一体的に整備し、地域の飛躍的発展を目指す大型プロジェクトであり、商工業の発展や観光の拠点として広域的な交流促進に大きな役割を果たすものと期待されております。
 本事業の進捗状況は、本年2月に土地区画整理事業の施行区域と区域内の幹線道路について都市計画決定を行い、現在、二戸市におきましては、道路や公園等の整備の概要、施工期間などを定める事業計画を縦覧したところでありまして、知事の認可申請に向けて所定の手続を行っているところでございます。具体的な事業の推進に当たりましては、関係権利者が約800名と非常に多く、権利者の方々の理解と協力がぜひとも必要であることから、県といたしましては、事業が円滑に推進されるよう二戸市を指導するとともに、補助事業の大幅な導入を図るなど、新幹線整備の進捗を勘案しながら積極的に支援してまいりたいと考えております。
   〔環境保健部長緒方剛君登壇〕
〇環境保健部長(緒方剛君) まず、国見開発計画中止に係る県の責任についてでありますが、県では、雫石町国見地区のスキー場等リゾート開発は、自然環境保全上の見地から開発に慎重を期する必要がある地域が含まれている可能性があり、あらかじめ十分な調査を行う必要があるなどの理由から、自然環境保全特別調査を実施したものであります。調査の結果、この地区のすぐれた自然環境を将来にわたって保全し、後世に残していくことが肝要である旨の調査結果、提言をいただきました。県としては、さらにこれを県自然環境保全審議会に報告し、この地区でのスキー場等のリゾート開発は好ましくなく、特に貴重な自然を有する地域については厳に開発は慎むべきものと思われる旨の御意見をいただきました。県としては、審議会の意見を尊重すべきとの見解を決定し、町などに伝達して公表したものであります。この見解は法的拘束力を持つものではありませんが、県としては、事業主体や町に対して御理解をいただきたいと考えていたものであります。事業主体側が開発を中止したのであれば、それは、このような県の見解を御理解いただいて判断したものと考えております。
 次に、少子化対策についてでありますが、核家族化、女性の社会進出など、環境の著しい変化により出生数が低下している中で、子供が健やかに生まれ育つ環境を整えていくためには、母子保健の果たす役割はこれまで以上に重要であると認識しております。このため、保健所や市町村においては、乳幼児、妊産婦に対する各種健診や、未熟児、障害児に対する専門的指導を行うほか、若い母親の育児不安や悩みに対する相談支援体制の強化、中学、高校生に対する乳幼児との触れ合いを通じた生命の尊厳と父性、母性をはぐくむ体験学習の実施など、子供を安心して生み育てることができる環境の整備に努めているところであります。今後は、さらに市町村に対して、平成9年度から市町村が主体的に実施することとなる健診等の事業の充実や医療機関、関係団体等との連携のもとに策定する市町村母子保健計画の立案について支援を行うとともに、増加傾向にある未熟児や高齢出産に対応する医療を確保するため、周産期医療体制の整備の検討を進めるなど、総合的な母子保健対策を推進することとしております。
 次に、不妊相談治療体制の検討状況についてでありますが、不妊で悩む本県の多くの夫婦が他県において相談や治療を受けている現状を踏まえ、本年7月に不妊相談、高度治療体制のあり方等について検討を行うため、関係医療機関、医師会、法律家、女性など、12名の委員による不妊治療検討委員会を設置したところであります。これまでに開催した2度の検討委員会においては、不妊治療の方法と生殖補助医療のあり方、治療対象の選定、説明等、生命倫理上の問題、不妊治療を実施する医療機関の要件、一般医療機関との連携のあり方等について検討を行ったところであります。今後は、さらに行政の果たすべき役割や不妊専門相談体制のあり方等について検討を行い、年度内には委員会の報告をまとめていただくことといたしております。県としては、この検討委員会の報告を踏まえ、不妊で悩む夫婦が可能な限り県内の医療機関において専門的な相談や治療を受けられるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、二戸市金田一温泉のふれあい・やすらぎ温泉地整備事業についてでありますが、この事業は、温泉を活用した自然との触れ合いのための各種公共施設を整備するため、平成7年度から3カ年間、国、県の補助を得て二戸市が実施するものであります。その内容は、各種浴槽を備えたふれあい温泉センターを中心に、駐車場、遊歩道、案内標識等を整備し、自然との触れ合いのもとに、健康増進、余暇活動の場を提供しようとするものであり、県北振興にとっても重要な事業であると考えております。このようなことから、県としては、さらに事業の推進が図られるよう努めるとともに、国に対しても積極的にそのための要望を行ってまいりたいと考えております。
   〔企画調整部長武居丈二君登壇〕
〇企画調整部長(武居丈二君) まず、国見開発にかわる地域振興策についてでありますが、国見地区におけるスキー場等リゾート開発にかわる地域振興策につきましては、現在、地元雫石町において鋭意検討を進めているところでありますが、これについては、従来からの経緯等もあり、単に1町の問題ではなく、県にとりましても重要な課題と考えております。こうした観点に立ちまして、県におきましても、本年5月より当部地域計画課を窓口として、各部局間の連絡調整を図りながら町からの相談を受ける全庁的な体制を整え、雫石町内部における振興策の検討と歩調を合わせて、当該問題に対し取り組んでいるところであります。この中で、町等の基本的な考えや意向も踏まえながら、各部局所管の事業につきまして、国見地区への積極的な事業導入が可能かどうか幅広く検討を行い、可能なものから逐次、事業導入を進めているところであります。県といたしましては、今後とも雫石町との緊密な連携のもとに、町や地域住民の方々の意向を十分に尊重しながら、国見地区の活性化につながるような各般の施策の導入等に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、青少年育成県民会議への支援についてでありますが、同県民会議は、広く県内各界、各層の機関、団体等の参加を得て、行政との密接な連携のもとに昭和41年に結成されて以来、地域に根差した県民運動を積極的に展開され、青少年の健全育成に多くの成果を上げてこられたところであります。県といたしましては、これまで同県民会議に対し事務局職員についての支援を行うとともに、その運営経費や事業経費について毎年度助成を行ってきているところであり、平成8年度においては総事業費1、912万円のうち1、680万円の助成を行うなど、積極的に支援しているところであります。今後におきましても、多様な社会変化の中にあって、青少年の健全育成は極めて重要な課題であるとの認識に立ち、県民会議の活動状況に即して引き続き必要な支援を行ってまいりたいと存じます。
 次に、青少年育成センターの整備についてでありますが、同センターは、青少年活動の促進や青少年の健全育成のため、社団法人岩手県青少年育成県民会議が昭和56年に県民会議内にその事務所を設置し、青少年活動や青少年の生活問題に関する相談事業や情報資料の提供などの事業を行っているものと承知いたしております。御指摘のありました青少年育成センターの整備の件につきましては、本年8月に岩手県青少年育成センター運営委員会が開催され、同センターの今後のあり方等について、施設の整備を含め議論されたとのことでありますが、新たな施設建設に向けた結論には至らなかったとの報告を受けているところであります。青少年育成センターの抱える課題につきましては、引き続き青少年育成センター運営委員会の場等を通じまして情報の収集に努めてまいりたいと存じます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、県立大学の建築工事についてでありますが、工期は18カ月から16カ月程度に短縮されることになりますが、工事計画の全体的な見直しを行い、施行計画上、技術上のさまざまな工夫を積み重ね、開学に間に合うよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、二戸地区合同庁舎の移転整備についてでありますが、地区合同庁舎は、地域振興のための中核的拠点として、これまでその機能の充実とあわせ、計画的に施設の整備を図ってまいったところであります。二戸地区合同庁舎につきましては、建築後34年を経過し、老朽化が著しく、事務室の狭隘化、駐車場の不足などにより、県民サービスの提供が必ずしも十分ではない状況にありますので、今後新たな整備を図る必要があるものと考えているところであります。地区合同庁舎につきましては、それぞれの地域における特色ある振興や地域防災のための拠点として、また、将来の行政需要の動向等にも配慮しながら整備する必要があるものと存じております。二戸地区合同庁舎の整備に当たりましても、このような観点に立ち、また、今後新幹線の開通が予定されていることなども踏まえ、これにふさわしい候補地を、御提言のありました二戸市荷渡地区をも含めて選定してまいる考えであります。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) 葉たばこ生産の振興策についてでございますが、本県の葉たばこ生産は、栽培面積、生産量とも全国最上位にありますが、1戸当たりの栽培面積が小さいことや、傾斜地が多いことなどから省力化が進みがたく、栽培面積が減少しているのは御指摘のとおりであります。しかしながら、県北部を中心に、農地の貸借、作業の機械化や新たな乾燥システムの導入などにより規模拡大が進められており、一方、日本たばこ産業株式会社におきましても、平成元年度に生産者団体と合意した安定面積構想に沿って効率的な栽培や面積の確保に努めているところであります。県といたしましても、第三次新いわて農業確立計画後期推進計画において、葉たばこを中山間地域における基幹作目として位置づけ、栽培面積を拡大するとともに、大規模専作経営や葉たばこを基幹とする複合経営農家を育成することとしております。このための具体策として、大規模経営を早急に普及させるため、昨年度から機械化のための新たな基盤整備事業をスタートさせたところでありますし、さらに、今年度から、同整備地区などにおきまして、大規模機械化栽培や新たな乾燥体系の導入などを内容とする低コスト生産モデル実証圃を県内3カ所に設置するなど、低コスト、高品質生産の推進に努めているところであります。
 また、県たばこ耕作組合におきましても、県における後期推進計画と連動して、1戸当たりの販売額や経営規模の目標などを定めた実践計画を策定し、その推進を図っているところであります。こうした計画を実効あるものとして展開していくためには、県はもとより、関係する団体、機関等の密接な連携のもとに地域に密着した推進を図ることが重要でありますので、岩手県葉たばこ生産振興対策協議会と地方段階の推進協議会、そして、さらには市町村段階の葉たばこ振興会が一貫した認識のもとに、着実に実行できるよう推進体制を強化しながら、栽培面積の拡大と魅力ある葉たばこ経営の確立に努めてまいる考えであります。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、学校における社会性をはぐくむ教育についてでありますが、学校では、道徳を初め、各教科や生徒会の諸活動の時間などでの指導のほか、福祉施設との交流活動などを積極的に取り入れ、社会性が培われるよう努めているところであります。
 次に、いじめや不登校の状況についてでありますが、本県における出現状況を見ますと、いずれも全国値をかなり下回ってはいるものの、年々増加傾向にありますことから、その対策として、教員に対するいじめなどの対策講座の実施、地域住民の代表を含めた適応指導推進協議会の開催、さらには、スクールカウンセラーの配置などにより、学校、地域の教育相談体制の充実に努めているところであります。
 次に、教員の福祉に関する研修についてでありますが、教員こそが福祉の研修をすべきとの御指摘のとおりでありまして、本県ではいち早く平成2年度からキャップハンディ体験や福祉施設の介護体験を新採用時の初任者研修に取り入れ、逐次教職5年、10年を経験した教員の研修等においても実施してきたところでありますが、今後ともさらに福祉に関する研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、本県における中学校、高等学校などの障害者の教員の雇用状況についてでありますが、平成8年6月の調査によりますと、法定雇用率には遠く及ばない状況にあります。 なお、採用候補者の選考試験において、障害者の受験にはこれまでも配慮してきたところでありますが、現状では受験者がほとんどいないことから、障害者の採用は困難な状況にあります。今後におきましては、一層積極的に受験者の募集に努めながら、障害者の雇用を図ってまいりたいと考えております。
 次に、障害者等の利用に配慮した学校施設の改善についてでありますが、県立高校については、校舎等の増改築の際はもとより、既存の校舎や体育館についてもスロープや洋式便座を設置するなど、今年度から計画的に整備を進めることといたしております。
 また、小中学校については、今年度から大規模な改修の際に行う障害児に配慮したエレベーター等の設置に対する国庫補助が新たに講じられたところであり、市町村に対してその積極的な活用を奨励してまいりたいと考えております。
 なお、盲、聾、養護学校については、13校すべてにエレベーター、自動ドア、車いす用トイレなどを整備済みであります。
〇33番(工藤篤君) ただいま答弁いろいろちょうだいいたしまして大変ありがとうございました。
 一、二お尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、土木部長にお尋ねしますが、この奥産道問題でありますけれども、先ほども申し上げましたように、業者の今後の責任、これは行政処分等々も含めましてどうなるのか、それをまず第1点お尋ねしたいと思います。
 それから、大変復旧工事に努められておるようでありますが、これらの復旧工事費を含めて、損害というのは一体だれが払うのか、そういうことも含めてお尋ねをいたしたいと思います。
 それから、知事に1点お尋ねしたいと思います。
 実は、平成8年の4月15日付8水振第590号水産庁長官、岩手県知事殿という通達があるわけであります。この内容を読ませていただきますが、海区漁業調整委員会の知事選任委員の選任について--このことについては、海区漁業調整委員会の知事選任委員選任基準(昭和27年7月21日付)27水第5833号水産庁長官通達をもって通達し、その徹底について繰り返し指導してきたところであるが、依然として選挙制による委員の被選挙資格を有する者が知事選任委員になっている例が見られる。選挙制による委員のほか、特に、学識経験委員及び広域代表委員の知事選任委員を置くこととした漁業法の趣旨にかんがみ、本年に予定されている海区漁業調整委員会委員の選挙とあわせて行われる知事選任委員の改選においては、このような事態の是正に積極的に取り組まれたい。また、知事選任委員の人選に当たっては、次の事項についても留意されたい。1、会議によく出席して、十分にその責務を果たし得るよう本人の健康状態及び出席状況に留意し、これに該当しないような高齢者、または兼職の多い、おおむね4を超える者は極力避けること、2、広く意見を漁業調整に反映させるため、委員の長期留任は特別の事由のない限り行わないこと、このような実は通達があるわけであります。
 まず、1番の高齢者ということでありますが、鈴木甚左衛門氏は大正12年1月4日生まれでありまして、現在満で75歳になるわけであります。
 そこでお尋ねをしたいわけでありますが、私は、さきほど敬老会がありまして、御案内をいただきまして参加をさせていただきました。その会の参加者の年齢を伺いましたら、75歳以上の方が招待されておるんだそうでありますが、いわゆる私の認識からいたしますと、この高齢者というのはおおむねこういう年齢をいうのではないかというふうに思います。その認識についてお尋ねしたいと思います。
 それから、兼職の点でありますけれども、この水産庁の通達ではおおむね4を超えるもの、こういうふうに言われておりますが、鈴木氏は幾つ公職をされておるのかお尋ねしたいと思います。
 それからもう1点は、委員の長期留任であります。4期16年は、私は長いのではないかというふうに思いますがいかがでしょうか。
 それからもう1点、通達のことでありますが、国からたくさんの通達があると思うわけでありますが、こういうものは県は守らなくてもいいのか。また、その守らない場合に、ペナルティーなどというようなことはないのかどうか、その点もあわせてお尋ねします。   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) ただいま海区漁業調整委員の選任の問題につきましてお尋ねがございまして、それについてお答えを申し上げます。
 今、お読みになられました通達は昭和27年に出ている通達でございまして、それ以降、毎回の海区漁業調整委員の選任の際に、県の方でもそうした趣旨の通達を受けているところでございますが、県の現在の置かれておりますそれぞれの時期の漁業をめぐります状況というものを見ながら、そして、県内の適任者の顔ぶれというものを一方で見て、その中から最適任と思われる人間を選任をしているところでございます。今、具体的に75というお年をもって--これは高齢者に当たるのではないかというようなお話ございましたが--75ということでありますので、大変年齢的には高齢であるということは、そのとおりかというふうに思っております。本県の場合には、各いろいろな団体がございますけれども、ほとんどの団体すべて70歳以上の方々が会長をやっているというような状況が一方でございまして、本人のその仕事に対しますいろいろな気力ですとか、体力とか、そういったものもあわせて考える必要があるかというふうに思っているところでございます。
 それから、兼職の数についてでございますが、これは大変恐縮でございますが、ちょっと手元に資料がございませんで後ほど調べまして、それでお答えをさせていただければというふうに思います。
 それから、長いのではないかと、4期16年ということのようでございますが、原則としてということでございまして、特に、ことしはそうした意味では、国連の海洋法条約の発効という、今まで我が国漁業が全く経験したことのないような極めて環境の厳しい状況に置かれ、それがこれから当分の間、そこをどういうふうに乗り切るかという船出の年だというふうに考えているところでございまして、そうした中では県の行政の関係者のみならず、本県の漁業団体も含めた一体的な取り組みが必要ということで選任をさせていただいたものでございます。
 それから最後に、ペナルティー云々とのお話ございましたが、これは、むしろ水産庁の方でお考えになる話でございまして、私どもの方としてはお答えはちょっといたしかねるところでございます。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) まず、今回の事態を引き起こしました業者の責任に対する措置でございますが、従前から県営建設工事に係る指名停止措置基準等に準じて行っているところでありまして、今回の点に関しても同様に取り扱うことになろうかと思っております。 次に、復旧に関する費用についてでございますが、基本的にその原因を起こした業者が負担するものと、このように考えております。
〇33番(工藤篤君) まず、土木部長にお尋ねしますが、今後、県にも実はこの業者を監督する責任も当然あろうかと思うわけでありますが、その辺は今後どういうふうになっていくのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
 それから、今、知事から答弁をいただきましたが、この公職の4を超える者は適当ではないと、極力避けると、こういうことを通達がいっておるわけであります・・通達の中で示されておるわけでありますが、これを知事は知らなかったと、こういうことですか。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 通達の中で水産庁の方でうたっております要件については十分承知をいたしております。
 それから、特定の方の兼職の数については現在承知をしていないと、こういうことでございますので、そのことにつきましては調査の上で御回答申し上げたいと、こういうことでございます。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) 業者の責任というか、我が方の責任の問題でございますが、その措置につきましては、しかるべき部が行うものと考えておりますが、私ども土木部といたしましては、こういった再発防止策をどのようにするかということが一番肝心だと、このように思っておりまして、監督の問題であるとか、あるいはチェックの問題、こういった問題につきまして再発防止に万全を尽くしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

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