平成8年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号並びに第3号について反対の討論を行います。
 議案第1号岩手県部設置条例の一部を改正する等の条例案は、本年1月に策定した行政改革大綱に基づくものであります。行政改革とは、本来、地方自治法第2条、地方自治の目的にも明記されているとおり、住民の安全、健康、福祉を保持するという地方自治体の本旨に基づいて、効率的で民主的な行政を推進することが一番大切なことであります。そのためには、ゼネコン奉仕や自然環境を破壊する公共事業などを総点検し、文字どおりむだを省き、県民が切実に求めている福祉、暮らし、教育など、住民サービスを強化することが必要であります。ところが、行政改革大綱にも、今回の部設置条例の一部改正案にもこうした見地、立場が完全に欠落をしています。それどころか、15の保健所を10に統廃合し、公衆衛生の第一線機関である保健所活動の縮小、住民サービスの切り捨てを強行しようとしています。盛岡市内の小学校でのO-157による集団感染が発生し、保健所の役割が一層大切になっている中での統廃合は、県民の願いに背を向けるものと言わなければなりません。特に、岩手保健所の一方的な廃止については、これまで管内5町村、約1、700平方キロメートルの中で、年間4、000件を超える検診、訪問、相談活動などの保健衛生活動を縮小、切り捨てるものであり、本議会でも厳しい批判が相次ぎました。県環境保健部長は、一昨日の保健商工常任委員会で、住民の利便性を損なわないため、一定期間に限り緩和措置として二、三人程度を岩手町に駐在させることを検討すると述べたと言われます。この措置は、保健所の統廃合が住民サービスの大幅な低下、切り捨てとなることを認めたものであります。同時に、一定期間、二、三人程度を常駐させる緩和措置は、あくまで小手先の一時的対応にすぎません。保健所の統廃合は撤回して、保健所の充実、強化こそを図るべきであります。食品衛生監視員など、専門技術者を増員し、学校給食などへの監視、指導を抜本的に強化するべきであります。また、条例改正案では、地方振興局に保健所を統合するとしていますが、保健福祉部と保健所の区別と関連が不明確であり、保健所長の位置づけもあいまいであります。さらに、各部の再編もなされていますが、小規模な室を減らしたものの、業務の改善、住民サービス強化の方向は全く示されておりません。名称変更だけで中身が変わらないのでは、何のための行政改革かと言われても仕方がありません。特に、行政情報室は、総務学事課に統合されますが、今でさえ官官接待や旅行命令票などの非開示がなされている不十分な中での統合は、情報公開を軽視し、県民の監視を弱めるものと危惧されるものであります。
 議案第3号岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例案は、中学校卒業生の減少を最大の理由に、県立学校の学科の改編を行おうとするものであります。問題の第1は、本来、中長期的な立場と観点で検討されるべき学科の改編が、毎年実施されることに見られるように、極めて場当たり的対応が見られることであります。
 第2に、学科が改編される当該校での十分な論議もなく、12月に決められ、来年4月には新入生が入ってくるという、十分な論議と対策がとられていないことであります。
 第3に、専門高校においては、機械科や電気科、農学科など、基本的学科を重視し、基礎、基本の習得にもっと力を入れるべきであります。
 第4に、生徒急減期の対策の最大の問題は、欧米では当たり前となっている30人学級の実現で、希望者全員の入学と教育条件の抜本的改善を図ることであります。生徒の減少が教育と教員の合理化の要因となっては、まさに時代の流れに逆らうものと言わなければなりません。私は、学科の改編に当たっては、教育的観点から民主的に検討されるべきであり、現場の声を生かした検討のシステムこそ変わるべきと考えます。
 最後に、請願陳情受理番号18号消費税をなくす岩手の会による消費税についての請願が不採択となったことは、極めて不当であります。既に9月県議会において、請願審査を受けて消費税率の引き上げに反対する意見書が採択されています。今議会でも、商団連による請願は採択されることになっていますが、だとするなら、消費税の税率引き下げを求める項目は、採択されるべきであります。そもそも、さきの総選挙で、消費税の増税問題は最大の争点となり、当選した自民党の国会議員を含め、500人中約300人の衆議院議員は、消費税の税率据え置き、凍結、行革なしの増税に反対と公約していたのであります。こうしたみずからの公約を守るかどうかが、今するどく問われています。
 日本共産党は、公約実現のため、消費税の5%増税中止に全力を挙げて奮闘しています。消費税の5%増税の中止を求める国会請願署名は、昨日までに、短期間に644万人分が国会に寄せられているのであります。県議会も、この国民、県民の声に真摯に耳を傾けることを強く求め、反対の討論といたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号、議案第3号及び請願陳情中、受理番号第18号消費税について請願を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第3号及び請願陳情中、受理番号第18号消費税について請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第8号及び受理番号第11号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第8号及び受理番号第11号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号、議案第4号から議案第19号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告とおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第2号、議案第4号から議案第19号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第21 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第21、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 科学技術振興について
福祉文教委員会
受理
番号
件  名
21学童保育に対する助成策を実現・拡充し、「岩手県
すこやか保育等プラン」を実効あるものにすることを
求めることについて請願
22岩手県立釜石養護学校の高等部早期設置について
請願
23増田知事の私学振興公約の早期実施を要望すること
について請願
25岩手県新総合運動公園建設について請願
26国立大学学部別授業料計画の撤回と国立大学学費
値下げ、私学助成増額を求めることについて請願

保健商工委員会
 県立中央病院の現状と課題について
農林水産委員会
受理
番号
件  名
24野田村下安家、安家川河口に設置されたウライ施設の
運用に係る関係者間の調整を求めることについて請願

土木委員会
 冬期の道路交通の確保について
   
〇議長(堀口治五右衛門君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
   日程第22 認定第1号平成7年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第33 認定第12号平成7年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第22、認定第1号から日程第33、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。吉田決算特別委員長。
   〔決算特別委員長吉田洋治君登壇〕(拍手)

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