平成9年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成9年3月19日(水)
   

1開会  午前10時20分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 西田幸男
主任議事管理主査 駿河 勉
議事管理主査 中澤 悟
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸

1説明員
土木部長 藤本 保
土木部次長兼調整室長 佐藤克郎
土木部次長兼技術管理室長 大石 幸
土木部次長 佐藤重光
総務課長 鈴木清紀
用地高速道課長 砂子沢 勝 男
道路建設課長 今野正春
道路維持課長 北田節男
都市計画課長 北栃啓輔
下水道課長 鈴木惠藏
河川課長 吉田直博
河川開発課長 佐々木 康 勝
港湾課長 吉田 健
砂防課長 笠原光雄
建築住宅課長 柴田好之
建設振興課長 千葉仁市
調整監 阿部丕顕
技術管理監 坂東 守
 
企業局長 千葉 克
企業局次長 鈴木一夫
企業局技師長 藤原伸彦
総務課長 小野寺 文治郎
経営管理課長 伊東隆臣
業務課長 武蔵繁明
 
財政課長佐藤 勝
   

〇藤原委員長 これより本日の会議を開き直ちに議事に入る。
 議案第6号から議案第25号まで、議案第27号、議案第32号から議案第49号まで、議案第51号から議案第68号まで、議案第70号から議案第72号まで、議案第74号から議案第84号まで、及び議案第86号、以上72件を一括議題とする。
 本日は、土木部及び企業局関係の質疑を行い、その後に議案72件について意見の取りまとめを行いたいと思うので、御了承願いたいと思う。
 なお、説明、質疑及び答弁については、今までどおり簡潔明瞭に行い、議会運営委員会の申し合わせにより効率的に審査が行われるよう御協力をお願い申し上げる。
 昨日の予算特別委員会における菊池勲委員及び千葉浩委員の発言に対する取り扱いについてであるが、本日、世話人会を開き協議をしたので御報告をする。
 予算特別委員会は付託された案件の審査の場であるので、県議会として何らかの処置をするということであれば、議会運営委員会で協議されるべきものとの結論に達した。この旨を同委員会に伝えることとされたところであるので、御了承願いたいと思う。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原委員長 ありがたい。
 それでは、最初に土木部長から土木部関係の説明を求める。

〇藤本土木部長 平成9年度土木関係の予算について御説明申し上げる。
 最初に、平成9年度の土木行政推進に当たっての基本的な考え方について申し上げる。
 第1に、交通基盤の整備についてである。
 国においては、21世紀にふさわしい国土構造の構築を目指し新しい全国総合開発計画の策定を進めており、昨年12月の中間報告の中で、地域整備の基本的方向として新国土軸の形成を展望しながら、各地域の多様な連携と交流を深め、広域的な地域間の結びつきを強化していくことが重要であると方向づけているところである。
 まず、道路網の整備に当たっては、このような新たな動向を視野に入れながら新しい国土構造の実現のための基礎的条件となる高規格幹線道路や地域間の交流や連携を強化する地域高規格道路の整備を促進するほか、広域生活圏相互を連絡する幹線道路などの体系的な整備を進めるとともに、隘路区間の解消についても積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。特に、21世紀初頭に向けて、県都と県内主要都市間を90分で結ぶ、いわゆる90分構想の実現を目指す新交流ネットワーク道路整備事業については、県土の均衡ある発展を図る観点から、引き続き積極的に推進してまいる。
 また、花巻空港については、国内外との活発な交流を目指し、平成10年度の滑走路延長工事の着手に向けて関連道路の調査設計等に取り組むとともに、港湾については、内陸部を含む背後圏の物流の拠点として、それぞれの港湾の整備を進めてまいる。
 第2は、安全な県土づくりについてである。
 近年、阪神・淡路大震災を初め土砂災害等の教訓を踏まえ、災害に強い国土づくりに対する要請が高まってきておる。県土が地形、気象など厳しい自然状況に置かれていることを考えると、県民の暮らしの安全を守るためには、災害に強い県土づくり、まちづくりを進めていくことが重要である。このため、洪水、土石流、がけ崩れ、高潮、津波等の発生に備え、治水、砂防、海岸保全など、災害の未然防止対策の充実を図ってまいる。特に、地震や津波など大規模な自然災害に備え、橋梁等の耐震性の向上に取り組んでまいる。
 また、冬期間の円滑な交通を確保するため、路面管理の充実や消融雪施設等の整備を推進するとともに、幅の広い歩道づくりや電線類の地中化を進めるなど、だれしもが利用しやすい施設づくりに努めてまいる。
 第3は、快適な生活環境づくりについてである。
 快適な環境の中でゆとりや潤いを持って暮らしたいという住民の意識の高まりに伴い、生活環境に対するニーズが高度化、多様化してきており、これからは日常生活に密接に関連した社会資本の充実がますます大切になってくるものと考える。このため、快適な生活環境の創設に向けて、街路、公園、下水道などの都市基盤施設や土地区画整理の計画的な整備を進めるとともに、良質な公営住宅等の供給や都市部における交通渋滞の緩和に努めてまいる。特に下水道については、市町村が実施する公共下水道管渠整備に対して助成の拡充を図るなど、下水道普及率の向上に努めてまいる。
 また、道路、河川、住宅などの施設の整備に当たっては、環境との調和はもとより、景観、歴史、文化など地域の個性に十分配慮し、良好な環境の保全と創造に一層努めてまいりたいと考えておる。
 次に、予算の詳細について御説明申し上げる。まず、議案第6号平成9年度岩手県一般会計予算についてであるが、お手元の議案その2の8ページをお開き願う。
 土木部関係予算は、8款土木費の1項土木管理費から6項住宅費までの1、518億3、689万円余と、次のページに参って、11款災害復旧費のうち2項土木施設災害復旧費100億4、195万円余の合わせて1、618億7、885万円余である。この予算規模は、前年度当初予算に比較して15億9、066万円余、率にして1%の増となっておる。
 また、一般会計予算の総額に対し土木関係予算の占める割合は18・5%である。
 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるので、予算に関する説明書の218ページをお開き願う。金額の読み上げは省略させていただいて、主な事項について御説明申し上げるので御了承願う。
 8款土木費についてであるが、1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費等のほか、港湾整備事業特別会計等の建設事業などに対する繰出金等である。次のページの3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査等に要する経費及び建築確認事務等に要する経費である。220ページをお開き願う。4目空港費は、花巻空港の滑走路延長整備に向けて、生活道路つけかえ等の調査設計等に要する経費のほか、中型機就航等に対応し、空港周辺民家等の防音工事に対する助成等である。
 次のページの2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、第53回冬季国体に関連する町道の整備を促進するため整備費の一部を助成する冬季国体関連道路整備事業費補助や、県立大学へ接続する関連村道の整備を促進するため整備費の一部を助成する県立大学関連道路整備事業費補助に要する経費等である。2目道路維持費は、除雪に要する経費、歩行者等の安全を確保するための歩道等、交通安全施設の整備費、道路施設の維持管理等に要する経費のほか、視覚障害者等誘導用ブロックの設置や段差の切り下げによる歩道の改善に要する経費及び駐車場やトイレ等を備えた休憩施設としての道の駅整備に要する経費等である。222ページをお開き願う。3目道路新設改良費は、次のページにかかるが、道路交通の円滑化や災害に強い道路の整備を図るため、道路の改築、道路防災等の工事を実施しようとするものである。
 主なものとしては、道路災害の発生を未然に防止するための道路災害防除事業、安全で快適な通行空間の確保や都市景観の向上を図る電線共同溝整備事業、沿岸部と内陸部を結ぶ道路の高速化を図る新交流ネットワーク事業、そして補助事業と県単独事業を効果的に組み合わせて県道及び市町村道を早急に整備する地方特定道路整備事業に要する経費等である。5目橋りょう新設改良費は、橋梁の新設、かけかえ、拡幅等に要する経費のほか、震災対策として、幹線ルート上の橋梁について落橋防止策を緊急に実施する経費等である。224ページをお開き願う。6目高速道路対策費は、日本道路公団からの委託を受けて行う東北横断自動車道釜石秋田線のうち、東和-花巻間の用地取得事務等に要する経費である。
 次のページの、3項河川海岸費1目河川総務費は、河川の管理等に要する経費等であり、直轄ダム管理負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金である。2目河川改良費は、次の226ページにかかるが、中小河川改修事業や三陸高潮対策事業等に要する経費のほか、河川改修事業にあわせ県単独により親水性に配慮した公園や緑地等の整備を一体的に実施する地方特定河川等環境整備事業、及び県産間伐材を有効利用し河川整備を行う県産間伐材利用川づくり推進事業に要する経費等である。3目砂防費は、通常の砂防事業や火山地域における土砂流出等からの災害を防止する火山砂防事業のほか、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業に要する経費等である。次のページの、4目海岸保全費は、高潮災害防止のための海岸高潮対策事業のほか、海浜利用の増進を図る海岸環境整備事業などに要する経費等である。228ページをお開き願う。5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集・伝達するための施設整備に要する経費等である。6目河川総合開発費は、次のページにかかるが、早池峰ダム、鷹生ダム、及び簗川ダム等の建設に要する経費等であり、直轄ダム建設事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業費の県負担金である。
 230ページをお開き願う。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の維持管理等に要する経費のほか、臨港道路の落石等による災害を未然に防止するための港湾施設防災対策事業に要する経費等である。2目港湾建設費は、次のページにかかるが、重要港湾4港及び地方港湾2港の港湾改修工事等に要する経費のほか、港湾環境整備及び水質浄化に要する経費等であり、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する港湾施設整備事業費の県負担金である。
 232ページをお開き願う。5項都市計画費1目都市計画総務費は、御所湖及び花巻広域公園等の管理に要する経費及び市町村が行う景観づくり運動推進費に対する助成などの経費等である。2目街路事業費は、次のページにかかるが、市街地における県道の拡幅、改良等に要する経費や都市基盤施設と宅地との一体的な整備を行う土地区画整理事業のほか、円滑な都市交通の確保を図るため都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業に要する経費等である。3目下水道事業費は、下水道の根幹的施設の建設を県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業に要する経費のほか、市町村が行う下水道整備計画策定費や下水道事業債償還基金に対する助成などである。
 235ページをお開き願う。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅の維持管理に要する経費のほか、岩手県住宅供給公社に対する宅地造成資金の貸し付け及び震災対策として被災建築物の危険度を判定する応急危険度判定士の育成や既存建築物の耐震診断を行うのに要する経費等である。2目住宅建設費は、次の236ページにかかるが、県営住宅の建設事業や既設の狭小な3戸の住宅を2戸に改造し居住水準の向上を図る県営住宅ライフアップ事業に要する経費等である。
 少し飛んで268ページをお開き願う。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び2目港湾災害復旧費は、次のページにかかるが、過年災及び現年災の災害復旧工事の実施に要する経費等を見込んだものである。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。恐れ入るが、議案その2に戻って14ページをお開き願う。
 土木部関係は事項欄の41市中金融機関が岩手県住宅供給公社に融通した宅地開発事業資金について、元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から、次のページの56県営住宅リフレッシュ事業までの16件である。これらは、市中金融機関が岩手県住宅供給公社に融通した宅地開発事業資金の元利償還に係る損失補償、地域優良分譲住宅制度による資金の融通に伴う利子補給補助及び平成9年度から翌年度以降にわたって施行する工事等について、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 以上で議案第6号の説明を終わる。
 次に、特別会計4件について御説明申し上げる。37ページをお開き願う。
 議案第13号平成9年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ42億5、106万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。38ページをお開き願う。
 まず、歳入についてであるが、1款財産収入は、先行取得した公共用地の売り払い収入等であり、4款県債は、用地取得事業費に充当するものである。
 次のページに参って、歳出であるが、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であり、3款土地取得事業費は、簗川ダムや仙人峠関連道路整備事業に伴う用地取得等に要する経費である。
 次に、第2表地方債であるが、これは補助事業用地取得事業費や公共用地等先行取得事業費に充当するものである。
 次に42ページをお開き願う。議案第15号平成9年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、それぞれ105億1、900万円である。
 主なものについて御説明申し上げる。次のページに参って、まず歳入であるが、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村からの管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業費に対する補助金である。4款繰入金は、建設事業費及び県債の元利償還等に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものである。
 次に、44ページをお開き願う。歳出であるが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、各終末処理場の施設及び幹線の管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、第2表債務負担行為であるが、これは石鳥谷幹線等の管渠工事及び北上処理場の汚泥焼却炉設備工事等について、期間、限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 次に、第3表地方債であるが、これは流域下水道建設事業費に充当するものである。
 次に、45ページに参って、議案第16号平成9年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、それぞれ77億8、614万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。46ページをお開き願う。
 まず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料等であり、3款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。6款県債は、港湾施設整備事業費に充当するものである。
 次のページに参って、歳出であるが、1款事業費は、久慈港ほか3港の港湾施設整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、第2表地方債であるが、これは港湾施設整備事業費や工業用地造成事業費に充当するものである。
 次に、48ページをお開き願う。議案第17号平成9年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ2億5、187万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。次のページに参って、まず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、ゴルフ場の使用料であり、2款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。
 次に、歳出であるが、1款県民ゴルフ場事業費は、県民ゴルフ場の管理運営に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。ずうっと飛んで82ページをお開き願う。議案第24号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、平成9年度において実施しようとする建設事業費の一部を、93ページまでの表に定めるとおり受益市町村に負担させようとするものである。
 次に、94ページをお開き願う。議案第25号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは平成9年度において実施しようとする都南処理区等の管理運営費及び建設事業費の一部を、98ページまでの表に定めるとおり受益市町村に負担させようとするものである。
 次に、条例関係議案について御説明申し上げる。議案その3の22ページをお開き願う。議案第40号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例についてであるが、これは、道路法施行令の一部改正に基づいて、国の例に準じて道路占用料の額を改正するとともに、あわせて所要の整備をしようとするものである。
 次に、76ページをお開き願う。議案第66号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてであるが、これは、岩手県立御所湖広域公園のレクリエーション広場を新たに有料公園施設として加え、その使用料の額を定めるほか、岩手県営運動公園、岩手県立花巻広域公園及び岩手県立御所湖広域公園の有料公園施設などの使用料の額を増額するなど、所要の整備をしようとするものである。
 次に、82ページをお開き願う。議案第67号岩手県港湾施設管理条例の一部を改正する条例についてであるが、これは、港湾施設の使用料等の額を改正するとともに、あわせて所要の整備をしようとするものである。
 次に、85ページをお開き願う。議案第68号花巻空港管理条例の一部を改正する条例についてであるが、これは空港施設の着陸料等の額を増額しようとするものである。
 次に、106ページをお開き願う。議案第70号県立駐車場条例の一部を改正する条例についてであるが、これは県立駐車場の駐車料金の額を増額するなど、所要の整備をしようとするものである。
 以上で説明を終わらせていただく。よろしく御審議賜るようお願い申し上げる。

〇藤原委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。--一括をして質疑をお願い申し上げる。

〇伊藤(勢)委員 わかった。では、一括をしてお伺いをする。
 土木部にあっては、県内各河川において河川環境管理基本計画の策定を急いでいるところであり、宮古市においては、昨年より津軽石川において委員会を設立し鋭意検討しており、その成果が待たれるところである。けさの新聞にも載っておったが、3回目の検討委員会を開いていただいたようである。
 一方、企画調整部においては、本年から岩手ウォータープラン推進費として2、400万余を予算化して、水の大切さを改めて考察しようとする思いだと思ってこれも評価できるものである。さらに、公害防止及び水の品質管理としては、環境保健部が担当しており、今般、厚生省の水質管理の指針が、地下水にあっても上水道並みの水質基準を定めようという方向になってきているようである。これらはいずれも、空気と水と安全はただとされてきた部分の水について、積極的に守っていこうとする姿勢であるとも思うのであるが、同じ目的を持ちながら、企画調整部、環境保健部及び土木部、あるいは松尾鉱山の鉱毒水の中和処理を商工労働部がやっているなど考えると、この際、四つの部が協議をし合いながら、それぞれ総体的により有効的な方向を目指すべきと思うのであるが、これについてのお考えがどうであるかお伺いをする。
 次に、226ページの魚にやさしい溪流整備事業費3、000万円が盛られておるが、これについて説明をいただきながら質問してまいりたいと思う。
 宮古の閉伊川は全国でも名高いアユの川であって、小山田橋から牛伏橋までの10キロぐらいの間に約8カ所の堰堤がある。どうしてこの短い間に8カ所もの堰堤があるのか。それから、土木部として魚に優しい溪流整備を考える時代に、これは魚に優しくないことではないか。八つの堰堤にそれぞれ魚道はあるようであるが、いずれも昭和50年代に昔の石垣の堰堤からコンクリート製に変わったもののようである。90センチぐらいの落差のところに階段状のいわゆる魚道があるようであるが、アユは天敵のカモメを気にして、背中を出してまでそういうところを上がらないと聞いておる。現在、たびたびの増水時に決壊をしたところを魚が上がっている状況にある。大船渡の盛川では、河川改修の際に大きな石を入れて、要するにコケを確保するとか、あるいは魚をすみやすくするとか、そういうことをやってきているわけであるが、そういうこともお考えになっていくべきではないのか。
 それから、建設省の諮問機関の河川審議会は、昨年の12月4日、これまで治水と利水の視点しか盛り込まれていなかった河川法の目的に、良好な河川環境の形成と保全を新たな柱として追加するなどの提言をしており、今回の魚にやさしい溪流整備云々も、やはりここから来ている発想ではないのかと思う。だとしたら、閉伊川を初め県内の堰堤という部分をこの際見直していくべきではないかと思うので、それに関してのお考えを伺う。
 さらに、これは通告しておらないが、本年はカザリン台風から50年、そして来年がアイオン台風から50年の節目の年である。私、再々質問をお願いしてきておるのであるが、50年を経過した今日、河川の状況がどうなっているかということを考えると、著しく土砂が堆積をして断面が相当少なくなってきている感がする。どんどん山の木が伐採をされている状況にあり、少量の雨が降っても、例えば閉伊川はすぐ濁る、こういう状況になっておるので、いつ集中豪雨があったときアイオン台風並みのものが来ないとも限らない、そういう部分に備えて、やはり断面確保という部分に意を用いていくべきと思うがいかがか、お伺いをする。
 それから、これは要望も含めてであるが、環境に優しい融雪剤ということでお伺いをする。
 今年度はあまり積雪がなくて御同慶の部分もあるかもしれないが、融雪剤については、今までは塩カルという部分、塩と言っていいようなものを使っていたわけであるが、このごろ大理石を原料とする、保温効果も高く、そしてまた融雪効果も高い融雪剤が出ていると聞いておる。県内各土木事務所でも試験的に採用、あるいは市町村でも使っているところもあると聞いておるが、公害を未然に図っていくと、こういう部分もお考えをいただいて、できれば全県的に取り入れていくべきではないのかなと、お伺いをする。
 それから、国道106号に係ってであるが、この106号は45年の国体開催のときに開通をした。以来三十数年経過をして、河川敷の樹木が繁茂しており、並走しておる106号の追い越し可能な地域の視界を相当妨げておる。これは道路運転者の気持ちとして、しばらく追い越し禁止のところを走ってまいると、白いラインに出るとどうしてもつい追い越しをしたくなるわけであるが、樹木のために視界が悪い、大変危険なところもあろうと思う。この際、こういう部分を警察と協力をして伐採をしていただいて視界確保に努めていただきたい。お願いであるが、予算の関係云々ということで、この白いセンターラインを黄色いセンターラインに変えて終わるようなことのないようにお願いをしたいのであるが、これについての御感想を伺う。

〇吉田河川課長 それでは、1点目の庁内の調整というお話であるが、今現在、土木部では河川の治水及び利水機能を確保しつつ河川環境の管理に関する施策を総合的かつ計画的に行うための基本的な事項を定めた河川環境管理基本計画を策定しておる。この計画は、河川空間環境管理と水環境管理、この2つに分かれておるが、今年度は、この津軽石川水系の河川空間環境管理計画について、津軽石川の恵まれた自然環境を生かした河川空間の保全を重視するとともに、サケにちなんだ祭りあるいは文化の育成の場としても利用していくこととして、そういう観点から、今学識経験者、有識者による委員会で過日審議いただいているところである。年度内にはこれを策定する予定にしておるところである。今後、水環境管理基本計画の策定に当たっては、他部局の水に関する計画等と十分調整を図りながら取り組んでまいりたいと考えておる。
 それから、閉伊川の堰堤というお話である。この閉伊川の流域については、過去にカザリン、アイオン台風等により死者92名、あるいは家屋流出81戸、浸水家屋2、300等、多くの河岸決壊等甚大な被害をこうむっておる。そのため閉伊川では、洪水から住民の生命、財産を守るため、これまで堤防や護沼湖、護岸等の河川整備を行ってきた経緯がある。閉伊川に設置されておるこれら河川横断工作物である床どめについては、河道の安定を図り洪水による河床の低下や堤防の決壊を防止するためのものである。また、これら施設の魚道は、魚の遡上に配慮し、林業水産部とも協議の上設置してきたものである。今後とも魚道等の整備に当たっては、地元の閉伊川漁業協同組合や、あるいは専門家等の意見もお聞きしながら適切に対応してまいりたいと考えておる。
 それから、河道の土砂堆積というお話である。これは、かつても一度お話し申し上げたところであるが、確かに河道の堆積あるいは流木等が障害になるような、そういう箇所についてはできるだけ早期に除去するという方向で今取り組んでおるところである。そういうことで御了承いただきたいと思う。

〇笠原砂防課長 2点目の魚にやさしい溪流整備事業であるが、土砂災害から人命、財産を守るための砂防事業を実施する溪流には、景観や生態系が非常にすぐれた地域も大変多い。人と自然の共生に配慮した施設整備が社会の要請となってきているわけである。国庫補助事業で最近、平成6年度から、砂防ダムへの魚道設置が可能になったことから、本県においても18基の砂防ダムに魚道を設置する計画を立て、現在鋭意工事を実施しておる。魚にやさしい溪流整備事業は平成7年度の新規事業としてスタートしたものであるが、補助事業で設置できない既設の砂防ダム及び落差工へ県単砂防事業として魚道を設置し、補助、県単あわせて水系一環とした整備により生態系に対する効果をより高めようとするものである。現在、金ヶ崎の長沢川というところの砂防ダムへ7、000万円、これは平成7年に2、000万円、平成8年に5、000万円であるが、これらを投入して魚道設置を進めており、平成8年度、いわゆる今年度1基完成する。また、新たに上流砂防ダムに着手しているところである。また、平成9年度は事業費3、000万円で上流砂防ダムの魚道を完成させる予定である。本事業については、自然との共生の推進のためにこれからなお一層努力してまいりたい、こう考えておる。

〇北田道路維持課長 環境に優しい融雪剤の使用についてという御要望であるが、本県で使用しておる融雪剤は速効性というか、解けて速く効果が出るという速効性、あるいは持続性、あるいはまた経済性などの観点から、お話のとおり塩化カルシウムあるいは塩化ナトリウムがその主流を占めておる。最近、速効性にさらにすぐれるということだとか、あるいはさび、あるいは防食を抑えて環境に優しいと言われるようなものとして、マグネシウム、あるいは委員御指摘があった大理石を原材料とするというような融雪剤の開発がなされており、各土木事務所において試験的にその使用をしているところである。その言われるところの速効性なり持続性などについて現在追跡調査しているので、それらとの検証とあわせて、さらにまた単価、経済性を勘案しながら、今後その使用について検討してまいりたいと考えておる。
 次に、106号と並行する河川敷の伐採ということであったが、樹木が繁茂しその枝葉が見通しを阻害して交通の支障になっている箇所については、今までもその除去なり、あるいは刈り払いに努めてきたところであるけれども、今後も御要望の趣旨に沿って、道路に並行する河川敷の樹木で安全に支障を来す箇所については、道路の沿道の環境整備というような観点からも、樹木を持っている所有者、地権者、あるいはものによっては渡り鳥の飛来地みたいなこともあるようであるので、そういう関係者の方々とも御理解、御協力いただきながら御要望の趣旨に沿ったようなことで安全性の確保に努めてまいりたいと思っておる。
 以上である。

〇伊藤(勢)委員 1点だけ要望しておきたいと思う。
 今の魚にやさしい溪流整備事業については、砂防課の方からのお答えであった。ということは、ずうっとこの溪流というか、川の上流の部分が溪流である。したがって、そこの溪流では魚に優しい受け入れとしての魚道を幾ら整備しても、そこまで行く間に堰堤等で引っかかっていれば行かないわけであるので、どうぞこれからはそういう観点をお持ちになって、この堰堤という部分についても根本の部分として、魚を上げてやる部分としての御検討を漁政課なり林業水産部等と十分に打ち合わせをしながら図っていただきたいと要望して終わる。

〇谷藤委員 地元の問題でちょっと恐縮であるが、何点か質問させていただきたいと思う。
 盛岡市では、盛岡駅の西口開発地内に今度複合交通センターというのを計画をしているわけであるけれども、ここに、9年度には事業計画案を募集して、11年、12年で建設、供用を開始する予定と伺っておるわけであるけれども、建物はそれなりに進んでいるかと思うけれども、これにかかわって、特にも交通センターということであるから、それまでの間に道路網が整備されていなければ、建物だけ建ってもその役割を果たしていけないであろうと思うわけである。そういうことで、特にも盛岡駅旭橋線とかそこにかかわる道路がいろいろある、盛南大橋からのかかわっていく問題とかいろいろあるわけであるけれども、これらの進捗状況というか、どういうテンポで進んでいくのか、この辺をちょっとお聞かせをいただきたいと思うわけである。
 それから、先ほど県内の90分構想という話が出てまいったけれども、これも盛岡の今の渋滞対策ともこれかかわっていくのかなと思う。というのは、この90分という時間の想定したものの起点というのは、大体どこから90分というとらえ方が出てきたのかと。県庁前から90分という考え方なのか、どこから90分という時間のものを出したのかちょっとわからないが、いずれ、恐らく盛岡を起点として90分とおおよそ出したのかなとは私なりに勝手に解釈しているのであるが、ところが盛岡の端までは何とか90分近くで来るかもしれないけれども、中に来て、そこからまたあの渋滞で30分だ1時間かかったのでは、とても90分構想の実効性というのはなかなか上がらないだろうと思うわけである。その辺の、大体起点というか考え方というのはどの辺から来たのかということ、それから、実際にこれ渋滞対策にどう取り組んでいこうとするのかということについてお伺いをしたいと思う。
 それから、都市景観の向上の観点から極めて有効だと思っているのが、電柱類の地中化事業である。これらは可能な限り進めていただきたいと思うのであるけれども、実績と今後の計画がどうなっているのかというところをお聞かせいただきたいと思う。
 それから、同じように今、快適な歩道空間を創出していくという観点から、消融雪施設というか、非常に歩道が雪がなくて歩きやすい状態が随分多く見られるようになってきたなと思っているけれども、これらについても今後どのような計画で進められていくのかお知らせをいただきたいなと思う。
 それからもう1点、これも盛岡駅の西口開発に関連するわけであるけれども、土木部で平成8年から取り組んでいる特定公共賃貸住宅、これについてお伺いしたいと思う。
 まず、今の進捗状況、それからこの家賃の設定、超一等地であるからどういう設定をしようとされておるのか、それから、入居の見通しというのはどういうふうに見ておられるのか、その辺についてお伺いしたいと思う。ただ、この特定公共賃貸住宅の建つ場所というのは、西口の開発状況にもよるであろうけれども、当面は恐らく何もないようなところにぽつんとできるのではないかなと、ちょっと心配しているのである。そういうことで、騒音がなくて当面は静かでいいかもしれないが、その辺、環境が不便を感じるような状況にもなるのかなと思ってちょっと心配しているのであるが、その西口開発の進みぐあいとこれ、かかわっていくかなと思っているが、その辺のことも含めてお聞かせをいただきたいと思っている。
 以上である。

〇北栃都市計画課長 2点お答えしたいと思う。
 まず最初の、複合交通センターへのアクセス道路の見通しということであるけれども、複合センターについてはどういう施設を導入するとか、規模をどうするかという基本構想が市の方でまとめられていると聞いている。この構想を踏まえて、採算性とか、どうするかという具体的な構想を進めるために、平成9年にはプロポーザル方式によって検討をさらに進めると盛岡市からお聞きしておる。複合交通センターの前に、平成9年10月にはマリオスが完成するわけであるけれども、マリオスとか交通センター、あの辺を含めた全部西口内の道路整備の状況は、マリオスの供用時に、完成時に合わせて大体地区内の整備は順調に進んでおる。
 問題は、西口にアクセスする道路についてであるけれども、一つには、市街地からというか、旭橋方向からマリオスに向かっていくところのアクセス道路があるわけであるが、この都市計画道路については、JR東日本との協議が済んで、現在跨線橋の工事にかかっておる。鋭意、盛岡市が整備を進めておるけれども、平成10年に完成することになっておる。したがって、この間1年間は既存の市道である盛岡駅北通り中川町線、通称北跨線橋と言っておるけれども、それと、それから市道中川町10号線と言ってアルペンのときに整備した道路がある。それを1年間は利用していただきたいと思っておる。それから、盛南方向からのアクセス道路としては、雫石川に盛岡市が建設を進めておる盛南大橋が、今年度5月に暫定に供用されることになっておる。それから中央大橋についても、平成8年度から県施行の事業として着手したところである。そういうことで、アクセス道路は順調に整備が進んでおるかと思う。
 そういうことで、県としても市の進めておる事業が円滑に進むように支援するとともに、県事業である中央大橋の早期完成に向けて積極的に取り組んでいきたいと思っておる。
 もう1点であるけれども、先ほど90分構想ということで、90分はどこかということであるけれども、実際には、私どもがイメージしているのは、ちょうど盛岡の市役所までということではない。90分構想で目指しているのは、沿岸の中心都市から県都市圏、盛岡の市街地に入るところまでというところである。市内に入るとどうしても時間によっては、ラッシュ時になると30分もかかるところもあるし、ラッシュ時を外すと10分で来れるということもあるので、そこのところはなかなか区別のしにくいところということになっている。
 盛岡市内の渋滞対策ということについては、道路整備には非常に長い時間がかかるということもあり、計画的に整備を進めておるわけであるけれども、渋滞対策としては、渋滞の著しいところを選び、その箇所を中心に道路管理者である国、県、市、それから公安管理者等も一緒になって対策を組んで取り組んでおる。その中で整備がある程度済んで目に見えた効果があらわれているところを御紹介すると、国道4号の南大橋交差点で信号サイクルの見直しをして、かなり具体的に成果が上がっている。それから、国道46号の館坂橋交差点の右折レーンの整備により、これも交差点の流れがスムーズになってきておる。そのほか、長期的な道路ネットワークの観点からいくと、盛岡駅と盛岡南地区の新市街地を結ぶ盛南大橋の供用が間もなくであるということで、それが供用になると、今渋滞の激しい明治橋たもとの交差点の交通渋滞が大きく緩和されるのではないかと思っておる。
 そのほか、県の単独事業で緊急を要する箇所について緊急渋滞対策街路事業という事業で実施しておって、その中では、仙北町の小鷹橋付近の右折レーンの整備とか、バスの停車場の整備を進めて、一定の効果が出てきていると思っておる。
 以上である。

〇今野道路建設課長 電線類の地中化についてであるけれども、安全で快適な歩行者空間の創出、また都市景観の向上のために、国においては重点的にこの事業について整備を進めているところである。これを受けて、本県においても、昭和61年度から始まった国の5カ年計画--これは2次にわたっておるけれども--によって、盛岡駅前から市役所までの2・2キロ間 を整備して、その後引き続き盛岡市の106号中ノ橋通り、それから盛岡以外では花巻市、北上市、一関市等で駅前地区の中心部を中心として2・7キロメーターの整備を行っていて、計平成6年度末までに約5キロ整備を行っているところである。さらに、平成7年度から新しい平成7年度を初年度とする第3期5カ年計画で、盛岡駅西口にかかる市道を初めとして、盛南開発の区域に係る国道46号、さらに、国道455号の盛岡市の本町通りのところ、それから北上市の県道北上停車場線の駅前通り等、16カ所を新たに11キロの区間で地中化を5カ年で整備する計画となっておる。
 このうち、平成7年度については、盛岡駅西口の600メーター余りを地中化して、平成8年度は国道455号、あとその他の地区も含めて約1キロ間について現在工事が進められているところである。今後は、残る約9キロメートルについて、地元商店街や市町村の御協力を得ながら、目的どおり何とか11キロの目標達成まで図られるように取り組んでまいりたいと、このように考えておる。

〇北田道路維持課長 消融雪施設の整備状況あるいは今後の取り組みはいかにというお尋ねであったが、消融雪施設には、無散水消雪というのと散水消雪というようなことで二色あるけれども、その中で無散水消雪はさらに、地下水を利用する方法あるいは加熱熱水を利用する方法、あるいは熱源を利用したロードヒーティングというようないろいろな方法があるわけであるけれども、本県においては、地下水を利用した無散水の消雪施設を多く採用しているところである。これらの施設の整備状況であるけれども、車道部については平成8年度まで、花巻市の花巻駅前停車場線を初めとした6市町で9カ所、約1・3キロが整備済みである。また歩道については、平成8年度まで、本年度まで、盛岡市の国道455号、県庁前通り等を初め4市町で約19カ所、7・9キロほど整備しておる。御指摘のあったとおり、この整備については最近の高齢者あるいは身障者の社会参加の進展、あるいは先ほど申し上げたとおり、本格的な脱スパイク社会への移行というようなことから、非常に要望がたくさんあることから、私どもとしても今後積極的に取り組んでまいりたいということで考えておる。
 以上である。

〇柴田建築住宅課長 盛岡駅西特定公共賃貸住宅についてのお尋ねであるが、初めに進捗状況である。
 駅西の特定公共賃貸住宅であるが、建物としては高層8階建て公共賃貸住宅24戸、それに県立大学の職員住宅の24戸を合わせて延べ床面積4、500平米程度の建物となっていて、工事は昨年の12月13日に着手して、平成10年3月に完成する予定である。現在、くい工事を完了して、基礎の工事とともに一部1階部分の柱を立て込み中である。今年度末における進捗率は約7%となる見込みである。
 次に、家賃についてであるが、この駅西の特定公共賃貸住宅については、入居を平成10年4月予定してあり、それまでに家賃を初めとして管理に係る条例を制定する必要があるが、その家賃については、県営住宅の収入超過者の受け皿としての役割もあるので、県営住宅の家賃決定方法との整合性などに配慮しながら今後検討を進めてまいりたいと考えている。
 また、入居の見通しについてであるが、盛岡地区における県営住宅の収入超過者の受け皿としての役割も期待しているところであるし、また、駅周辺の既存商業集積、あるいは駅至近であること、またアクセス道路の整備等も進むということで、交通の利便性も有しているので、家賃の関係もあるが、相応の住宅需要が見込めるものと考えている。

〇谷藤委員 いずれこれらのアクセス道路を整備して、西口に関しては特に道路網の整備を予定どおりおくれることなくぜひ進めていただきたいと思う。
 それから、90分構想、どの辺が起点かなと思ったら、盛岡の端っこが大体そうだということがわかったのであるが、そういうことであればほぼ完成に近いのではないかと。これからまだまだ横断道を整備していくが、かなり構想が実現近しというような感じがしたが、本来の街の中に入った渋滞対策とあわせて、さらに中心部へ90分で来れるようにできるだけ頑張っていただきたいと思う。
 それから、この西口の特定公共賃貸住宅であるけれども、今建設して来年の4月からの入居ということであるが、非常に場所もいいわけであるし、これに入るとなると高所得者の方々が対象になるのかなと思っているのであるけれども、県営だという位置づけもあるけれども、周りにも随分民間の賃貸関係もあるわけである。その辺とのバランスというのもいろいろ出てくるのかなと思ったりもする。その辺のことで、よく周りの状況等も踏まえた中でぜひ考えていただきたいと思っておる。地元でそういうふうな形で取り組んでいる方の中からも、やはり非常に西口開発の進むのはいいけれども、そういう中で民間を圧迫するような事業にはならないのかなというような声もちょっと出ている部分もあるのであるから、その辺のバランスというか、その辺も十分加味した上でひとつ検討していただければと思っておる。ありがたかった。

〇藤原委員長 要望であろうか。

〇谷藤委員 はい。

〇藤原委員長 関連。

〇菅原委員 関連してお伺いするけれども、まず盛岡市内の交通状況、渋滞の関係であるが、いつかの新聞に、盛岡市の議会あるいは議会議員の方ですか、盛岡市内の交通渋滞の原因は県庁にあると、そういうような発言の記事が載ったことがある。私はおかしいのではないかと、そのように考えておったわけである。むしろ原因は市役所にあるのではないか、そんな感じがするわけである。そしてまた、県庁どこかに移れ、そうしたら市役所がそこへ入るというようなこともあったとかという話もあるが、これは他力本願で、みずから盛岡市が努力するという姿勢が見えないわけである。それはおかしいのではないかと、そんな感じがするのである。
 そこで、そういう経過の中で、盛岡市と、あるいはまた岩手県、土木部でもいいが、何かそういうような協議をした経緯があるのかないのか、まずその点をお尋ねをしたいと思うわけである。

〇藤本土木部長 盛岡市内の渋滞対策については、盛岡市が現在それに関する委員会を、渋滞対策解消のための委員会を設置しておって、当然私ども土木部も、たしか都市計画課長が委員になって一緒に取り組んでいるところである。
 渋滞の原因というのは、県庁か市役所かという問題ではないと私どもは考えておるが、いずれにしても、一定の時間に車が集中するから渋滞が起きるということだと、このように理解しておるところである。

〇菅原委員 都市計画課長が参画しているというから、内容を教えていただきたい。

〇北栃都市計画課長 都市内の交通対策の第一線ということで、盛岡市が中心になって渋滞対策を進めておるが、その中にはハードの面の施設整備もあるし、それからソフト面というか、例えばバス等の公共交通機関になるべく転換してもらおうとか、それから、フレックスというのか、込む時間を変えて出勤時間を変えるとか、そいうことも全体として取り組んでいくべきではないかという取り組みの協議会を盛岡市が中心になってやっておる。県庁の中でも各担当の機関が参画させていただいて、一緒に協議を進めているところである。

〇菅原委員 それはいいが、盛岡市議会あるいはまた議員の方の個人的な発言かわからないけれども、自分たちが努力しないで県庁が原因だと発言するようなことは、私はよくないことだと。やっぱり県議会議員としては、あの記事を見て、何言っているんだ、ふざけるなと、そういう気持ちになったのである。これはどうかひとつマスコミの方、こういうふうに議会で話があったということを書いていただきたい。そうしないと我々の腹の虫がおさまらないのである。いずれそういうことで、他力本願、県庁に責任を転嫁する、そういう盛岡の姿勢はよろしくないと、このように思うから、そういう協議会、協議の中に入った場合も、そういう声があるということを強くひとつお話をしていただくようにお願い申し上げるわけである。

〇山内委員 先ほどの北栃課長の御答弁の中で、90分構想にかかわって終点、起点のお答えがあった。しかし、本当にそういった認識でよろしいのであろうか。市町村境を90分で結ぶという考え方で本当にいいのであろうか。
 実は、以前に県単独事業であった高速関連道路整備事業、このときもいろいろな時間を積算をして、大体何分で結ぶということをやっているのである。そのときは、例えば沿岸の、久慈市であるから久慈市役所から県庁あるいは盛岡市役所、まあ、県庁だと思うが、そういったとらえ方で時間を積算してきたわけである。それがいつの間にか市町村境と、こういうことになると、先ほど谷藤委員がいみじくも言われたとおり、もうほぼ完成に近いのではないか。例えば私、久慈市内のやや盛岡寄り、いわゆる市内の西側の方に自宅がある。私の自宅から九戸インターまで約35キロ、大体40分で来るのである。これが市町村境ということになると、私の自宅からさらに山形村を経由するものであるから、山形境まで10分かかる。そして、高速道に乗る。約90キロある、インター間が。これは平均速度、80キロ規制のところもあれば100キロ規制のところもあるから、約90キロと平均しても1時間。そうすると、私の自宅から少なくとも1時間40分で来られる。ただ、境ということになると1時間半で来てしまう。もう完成しているのである、久慈市については。それからもう1つ、宮古出身の元同僚議員、この方は自宅から議員宿舎まで90分で来たという実績を持っている。106号についてももう整備しなくてもいいと、そういうことにならないか。この終点、起点の問題は、私は非常に重要な問題だと思う。

〇藤本土木部長 この90分構想については、道路整備を進めるという観点で、わかりやすい目標を定めるということで象徴的に90分と、こう申し上げておるわけであるので、その辺、どこからどこまで、例えば確かにルールどおりいって何時間とか、ルールを無視すれば、まあ、議会の場で不穏当であるので訂正させていただくが、実態何分かかるとか、もちろんそういったことはあろうかと思うが、いずれにしても、円滑に、スムーズに盛岡--県都圏まで来られるような道路整備を進めていくという趣旨で私どもやっておるので、御理解をいただきたいと存ずる。

〇山内委員 そういったお答え、答弁に想定されるわけであるけれども、ただ、終点、起点の考え方だけはきっちりと定めておかないと、かけ声はいいけれども実態が伴わないということになりかねないと私は思う。終点、起点というのは今までの考え方に沿って、やはり県庁所在地の県庁の場所だと。それから、他の市町村は市役所の場所だと。ここを何とか結んでいこうということで努力をするというのであればわかるのであるけれども、それを市町村境だということになれば、これは問題だと、こういうことを御指摘申し上げる。
 ちなみに、私は先ほど自分のことを申し上げた場合には、これはしっかりと交通規制を守りながら来たその計算であるので、念のため申し上げておく。

〇北栃都市計画課長 先ほどちょっと言葉足らずの面があったと思うけれども、市町村境というつもりでなくて、盛岡市の市役所ではなくて、市街地というか、人家密集地に入るところまでという意味であるので、ちょっと言葉足らずで申しわけなかった。

〇佐藤(啓)委員 1点だけお伺いする。
 県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道についてお伺いする。
 この問題については、過日の本会議でうちの久保田委員が代表質問で取り上げた問題である。この件については、知事からようやく次のような答弁をいただいているところである。念のために申し上げたいと思うわけであるが、知事は、答弁の中で、奥産道の事業については県民の方々にさまざまな意見があるので、今後の事業のあり方について、自然環境等に関する有識者から成る検討委員会を設置してさまざまな角度から検討していただきたいという考えを示した上で、また、私としては、奥産道を考える視点としては、自然との共生ができるかどうかが重要な問題と考えておる。検討委員会の結論を十分踏まえて判断してまいりたい、こういう答弁をいただいているところである。昨年、奥産道の建設にかかわってまことに痛ましい自然破壊という事件が発生して、その後、復旧工事を初め、土木部が中心になって懸命の努力をされてきた、私はこう思っているわけである。知事のおっしゃる自然との共生、大変これは意味深長な部分がある、また、内容的にもいろいろな内容を含んでいることだと思うわけであるが、具体的にこの事業を進める土木部とすれば大変な課題だと思うわけであるが、こうした知事の姿勢に対しては県民の一人一人が共感を持ち、また、その実現に大きな期待を寄せているところだと思うわけである。それだけに、県の土木行政のあり方、そのことに県民の関心が寄せられている、こういうふうに私は考えるわけである。
 ところで、自然環境を保護する、あるいは生態系を維持するというそのこと自体がどういうことなのか。生態系は永続的に安定したもののように考えられ、また、扱われがちなのであるが、それで誤りはないのか、こういった課題も私はあると思うわけである。そういう意味からも、自然環境等に関する有識者から成る検討委員会に私は大きな期待を寄せているところである。
 こういう前提で、先ほどの部長の説明に関連して、どうも明確でなかったのでお伺いをしたいと思うわけである。
 まず、この検討委員会の経費というのは、どこにどれだけ組み込まれているのか明らかにしていただきたいと思う。
 ちょっと順序は逆になるけれども、ここで第2点として、検討委員会の構成はどの程度の規模で考えておられるのか。また、どんな分野の方々で構成されるものか、お考えを伺いたいと思う。
 また、検討委員会の審議の進め方についてであるが、委員会の結論を得る時期という点について、どんな想定をされておられるのか。何回ぐらい持って、どの時期までに結論を得たいと土木部は考えておられるのかお伺いしたいと思う。
 最後であるが、知事のおっしゃる自然との共生、特に、この奥産道については特別地区の中での工事を進める、こういうことになるわけであるから、知事のおっしゃる自然との共生ということについてどうとらえておられるのか、この際部長の見解をお伺いしたい。

〇藤本土木部長 最後に御質問の知事の言う自然との共生についてお答えいたしたいと思うが、自然との共生というのは極めて難しい概念であると私は思っておるところである。共生というのは、決して自然をあるがまま受け入れるということではないと、こう思っておるし、仮にあるがまま受け入れるとすれば、例えば川のはんらんであるとか、津波であるとか、がけ崩れに対しては何もせず、被害をそのまま受け入れるということになってしまうわけである。したがって、自然との共生というのは、自然のまま、自然をあるがまま受け入れるということではないと、このように思っておるところである。現に、例えば三内丸山遺跡、5、000年ぐらい前からかなり自然に手をつけて住みやすくした痕跡がちゃんと残っておるわけであるし、自然に全く手をつけないということではなくて、うまくおつき合いをしていくことだろうと、こう思っておるところである。
 自然との共生、先ほど非常に難しい概念と、こう申し上げたが、県としては、自然との共生という概念を具体化すべく、現在、環境保健部を中心に自然環境保全指針というものを作成しようとしているわけである。当然土木部としても、広大な土地と多くの自然に恵まれた本県において、安全で快適な生活を支えるための各種基盤施設の整備を土木部が担当するわけであるので、自然と人間生活の営みとの調和が重要であると私どもは理解しておるところである。道路整備に当たっても、恵まれた自然環境と共生を図りつつ、地域振興に資する整備に努めてまいりたいと、このように考えておる。
 その他のお尋ねについては道路建設課長から答えさせるので、よろしくお願いする。

〇今野道路建設課長 検討委員会の運営等についてであるけれども、まず第1に、それに要する経費は、平成9年度の道路新設改良費の中での対応として考えておる。
 また、検討委員会の構成についての件であるけれども、構成する方々は大体有識者10名程度を考えておって、また、各界よりいろいろな意見を承る場もあわせて設けたいと考えておる。なお、専門分野の方々についてであるけれども、動植物とか環境工学、自然保護、また、景観工学とか交通計画の識者の方から成る構成を現在のところ考えておって、これから具体的に詰めてまいりたいと、このように思っておる。
 また、最後の委員会の結論を得る時期についてのお話であるけれども、私ども委員会の委員の先生方の議論の進展によって、どのような運営方法、どういう形でいつまでというのは、そちらの方の進展によることが大事だと思っておって、現段階では明確には申し上げられない、このように考えておる。

〇佐藤(啓)委員 私も、部長が考えるように大変難しい問題だと、このように思う。一方、今も申し上げたが、特別地区の中での、特にも自然に配慮した工事を進めなければならない。こういう点では、私は検討委員会の十分な論議を出していただいて、それを踏まえて、工事を進めるにしても配慮すべきではないのか。ただ、おっしゃるとおり、自然は放置していいのかと、これはまた問題のある点だと思うのであるが、私も冒頭に申し上げたように、現在の生態系というのは永久にそのまま保持されるというか、そういうものではなかろうと思うので、生態系の維持ということを考える場合にも、やはり一部を手直ししたからそれでいいのだと。端的に申し上げると、特にも松川工区の場合には多分に崩壊地を抱えながら、だから、そこを安全に工事を進めて乗り切ればいいのだと、そういう簡単なことではなかろう。必ず一部の工事というのはまた全体にも影響を及ぼすわけであるから、この辺の問題は専門家である検討委員会の委員の方々の真摯な審議の結果をまちながら対応していただく、こういうふうに私は強く配慮を求めたい、こう考えるわけである。
 いずれにしても、私は1年の経緯を踏まえながら、本当に県民が関心を寄せておられる問題だと思うので、期待にこたえて一層の御努力をお願い申し上げたい。

〇田村委員 今の佐藤委員に関連してお尋ね申し上げる。
 非常に面倒な自然との共生の問題が出ているが、非常にすばらしい前例があるわけで、この奥産道路とは比較にならない規模で八幡平のアスピーテラインという工事があったわけであるけれども、八幡平アスピーテラインは、自然との共生ができているとお考えになっているのか。アスピーテラインは、もう本当に貴重な、例えば黒谷地湿原のそばを通っているとか、いろいろな貴重な自然の中を通っているわけであるが、現在、自然との共生が保たれているという認識をお持ちなのか、まずお尋ねする。

〇藤本土木部長 非常に難しい御質問であるので、今、どう答えようか、いろいろ頭の中をぐるぐる回っているところであるが、いずれにしても、現在のアスピーテラインはそれなりの機能を果たしているし、観光においても非常に重要な意味を持っておるし、また、先ほどの黒谷地湿原等々にもアスピーテラインを使って行けるというような、自然を楽しむという意味でも役立っているわけである。もちろん自然との共生の概念というのは非常に難しいので、少なくとも今、自然と道路は共生しているわけであるので、そういった意味では共生しているのではないかと思うが、では、その道路が自然にどういう影響を与えたかということになると、これはまた別の問題かなと、こう思っておる。あれができて10年ぐらいたつのか、それなりに道路と自然とのかかわりの結果現在あるものだと、このように認識しているところである。

〇田村委員 私の認識からすれば、自然との共生ができたすばらしい道路だと。自然と人間と、そして道路ということでは、私はもう個人的には共生のできたすばらしい道路で、あれを利用している年間何十万人、そういった人たちが自然を満喫してお帰りになっているという意味では、私は共生されたすばらしい道路だという認識を持っているのであるが、そこで、先ほどの検討委員会の話もあった。奥産道を計画するにはそれなりの理由があったと思うが、やはり地元、周辺市町村の強い要望もあったろうと思う。検討するにしても、やはり地域の声というものを十分に参酌しながら検討していただきたいと思う。

〇船越委員 私からは2点について御質問申し上げたいと思う。
 第1点目は、やっぱり90分の話である。
 先ほど同僚の伊藤委員からも106号の時間短縮ということについてお話があった。私も何とかこれが時間短縮にならないかと思う者の一人であるが、達曽部トンネルに手がついて、なかなか反対側の方に抜けてこない。大抵抜けてきてもいいころだがと思っているのだが、器具、機材がいなくなって、やめたのかなと思ったような感じ。それから、簗川のダムのつけかえで、そっちの方でも工事が始まると新聞等ではにぎやかに書くから今か今かと思って待っておるのであるが、さっぱりぱっとしないということである。幸い建設官僚であった県知事が西高東低の日本の公共事業は直さなければならないということで岩手県に堂々と乗り込んできていただいたので非常に期待をしておったわけである。ところが、今度は公共事業に金をかけ過ぎるから公共事業は減らさなければならないということで、むちゃくちゃバブル時代に中央の方では金を食って、今になって東北の端っこの方に仕事をやろうと思えば削らなければならないと、全く割を食っているような気がするが、この点にもっと力を入れて、90分は85分構想でもいいし78分構想でもいいが、とにかく早くやってもらいたいということが一つ。
 それから、2点目は、今、人に優しいとか、あるいは奥産道とかというように、非常に自然に対して皆さんが関心を持ってきた。ところが、バブル経済発展の時代には、そんなものはくそでも食らえといったようなことで、宮古湾の砂浜は全部なくなった。白砂青松も老松も全部吹っ飛ばされてしまって岸壁になってしまったということで、津軽石川河口の東側の赤前須賀というものがたちまち自然のあれでなくなってしまったと。それを再現できるのではないか、できそうだということで私は1回目に提案申し上げたところ、調査費がついて、一生懸命調査しているというのだが、その後どうなったのか。調査で終わりなのか、これから鋭意頑張るのかということと、それから、津軽石川にことしも18万本という断トツのサケの遡上を見たのであるが、それがそういう影響でもって赤前須賀の方から砂が西堤に送られてくるために津軽石河口が埋まるわけである。だから、いろいろなカクメキの小船が非常に通行に困る、あるいはサケの遡上に困るということで、漁業協同組合で毎年金をかけて砂をさらって、そして工事をやっているのであるが、あれが恒久的に砂浜造成とコンクリート化した海底の浄化と砂浜の浄化作用と、これを兼ねるものである。また、大きな砂浜が再現するならば、後ろとも連動して非常にあそこは海上レジャーの基地にもなるといったようなことだから、この浜を調査したで終わりでなく、ぜひ実現すべく努力していただきたいと思うが、この2点についてお伺いする。

〇今野道路建設課長 国道106号の整備促進についての件であるけれども、御存じのように、平成6年12月に宮古盛岡横断道路として国より地域高規格道路の指定を受けたところで、県管理道路としては唯一の道路である。今後は、規格の高い道路として整備を進めることとして、現在、2次改築として達曽部道路や簗川道路で事業化を図っているところである。このうち、達曽部道路については延長が約1・3キロあって、ほぼ全区間にわたって工事を進めることとしておって、現在の平成8年度末での事業費ベースでの進捗率は80%に近い進捗率、このようになっておる。
 また、簗川道路については、一級河川の簗川の左岸側に新たに約7キロにわたってルートをつけかえるものであるけれども、地形が急峻なことから、トンネルや橋梁等が大規模に計画されるなど、7キロにわたってかなり大規模な工事が展開していく、このように考えておって、現在、平成9年度から本格的に用地買収に入る予定になっておる。総事業費が200億円とも言われる事業計画であるので、当面用地買収等に努めていって、工事着手をなるべく早期に図ってまいる考えである。
 また、このほか、盛岡市内の円滑な交通流動を図るために、さきの政府予算統一要望において平成9年度の新規事業箇所として要望してまいった都南川目道路については、国の直轄代行事業として新規採択が認められたところで、現在、建設省において工事着手に向けた各種調査を実施していると伺っているところである。県としては、当面、現在進めているこれら達曽部道路、また、多くの事業量が見込まれる簗川道路や都南道路を円滑に事業推進を図っていくことがまず何よりも大事なのかなと。そのような観点で努力することが必要だと考えておるところである。
 委員御指摘のように、昨今、公共事業を取り巻く環境は非常に厳しい。そのような中でも、県としては、この路線の重要性にかんがみて、引き続き国と連携を密にしながら、事業促進が図られるように積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えておる。

〇吉田河川課長 赤前海岸についてであるが、今現在、宮古市赤前地区の海浜侵食を防止し、また、砂浜を復元する、それから海浜利用を図るということを目的として、平成8年度海岸事業として新規採択されたところである。今年度においては、深浅測量により海浜地形の把握、あるいは宮古湾の既往データによる波浪あるいは潮位の特性の整理、さらに、砂の採取によって底質特性の分析等を行って、侵食の原因究明あるいはその対策工法の比較検討等、調査を進めておる。
 また、引き続いて平成9年度には、特に湾内での波浪の高い時期における波高の調査あるいは沿岸域における潮流の観測等、また、螢光砂、螢光塗料を塗った砂であるが、それらによる砂の移動範囲というものを調査して、海底地形の変化あるいは沿岸表砂の動きを把握する予定としておる。そして、これらのデータをもとに、土木研究所等の専門家の意見も踏まえて、どのような工法がよいかということで、あるいは工法としては突堤あるいは養浜あるいは離岸堤というような対策工法が考えられるが、これらについて検討してまいりたい。さらに、地元の方々あるいは漁業関係者の方々の御意見もお聞きしながら採用する工法を決め、早期に工事着手に向けて取り組んでまいりたいと考えておる。

〇船越委員 やっぱりまだ調査であるのか。去年調査して、ことしあたりから50メートルでも100メートルでも出てくるのかなと思ったら、今、調査なので、本当に106号が先か宮古港湾が先かということでひところ非常に論争を巻き起こしたのである。それで、まず最初に宮古港湾をつくらせてくれと、そうしたら自然に道路はできるのだと、こういったことでやったのだが、それの犠牲でそういうふうに砂浜が全部なくなったということで、つくってしまえば後はもう調査だとか何だとかでずっとずらすということで、やっぱり当時我々は県からだまされたのというのがまだ抜けない。そういう関係で、私も老骨を打ち下げてここに出されたんだと思う。本当は出てくるべき年ではなかったのであるが、そういうことで、今後は努力して頑張るように、調査はことしだけにして、来年から着手するということでやっていただきたい。

〇藤原委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時55分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇久保田副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇佐々木(大)委員 さきの11日の総括質疑の際に、間伐の一層の促進を図るためには、間伐材を多様な用途により多く活用することが必要との観点から、県としての今後の取り組みについて伺ったところであるけれども、その際吉永副知事から、土木部において今年度から土木用資材として積極的な活用を図ることとしていると、このような答弁をいただいておる。この答弁にかかわってお伺いしたいわけであるけれども、近年土木工事等においても、自然環境や地域の景観等に配慮した施行が強く求められているところであるが、こうした工事において木材などの自然系の材料をできるだけ使用することが時代の要請にこたえるものだと考えておる。そこで、土木工事等に間伐材を活用する意義、この意義についてどのように考えておられるか、また、具体的にどのような活用を予定しておられるのかお伺いをする。

〇藤本土木部長 公共土木事業への間伐材の利用促進についてであるが、河川、ダム等の施設というのは、これまでの森林の状況を前提として計画され、整備を進めているものである。こうした中で、もし森林が荒廃するようなことがあれば、治水、利水等の面から見てもこれは大きな問題であり、間伐材等の促進により森林の健全な育成を図るということは、そういう意味でも土木部にとっても大きなかかわりを持つものと、こう認識しているところである。したがって、間伐材の公共土木事業への活用というのは、間伐材需要の拡大を通して間伐を促進し、森林の適正な保全と良質な木材を生産をする上での側面的な支援になるものであり、本県の林業振興にも役立つものと考えているところである。
 また、間伐材を含め木材は再生可能な天然資源であり、その廃棄処理に当たっても、焼却処理が容易であるなど、いわゆる環境に優しい資源として今後の社会資本整備においては有効かつ積極的に活用していくべきものと考えているところである。このような観点から、昨年の11月に公共事業等への間伐材等の活用に関する方針を定めて、土木部及び関係の出先機関に対し、間伐材等の活用にかかわる取り組みを積極的に行うよう通知したところである。
 さらに、平成9年度予算においては、一層の具体化を図るため、河川整備に関して県産間伐材利用川づくり推進事業を創設したほか、スノーポール等、道路附属施設への間伐材の利用を研究するため、道路附属施設間伐材等活用実証調査事業を実施するための予算を計上したところである。
 具体的な活動方法等については調整監に答弁させるので、よろしくお願いする。

〇阿部調整監 間伐材の具体的な活用方策についてであるけれども、昨年11月に土木部として定めた方針の中で、使い方として、素材を利用するもの、あるいは製材して使用するもの、それから加工製品を開発して利用するものなど、多様な方法で、かつできるだけ幅広い分野で活用を試みることとしている。
 主な具体例としては、まず素材を利用するものであるが、河川関係で多自然型川づくりの一環として既に実績もある木工沈床工、これは丸太を井桁に組んで、その中に玉石とか砕石等を詰めて行う床固め工の一種であるけれども、このようなものを積極的に採用していくことのほかに、道路関係では、林道等で実施例もある木製ののり枠工、あるいは丸太積みの土どめ工などについて、道路で採用できるかどうか研究を進めていくことにしている。また、製材して使用するものとしては、公園などのトイレとか、あるいはあずまや等について、できるだけ地場産材を使用することとしておる。加工製品としては、新たに開発するものが大部分であり、例えば道路関係では、スノーポールとか視線誘導標--デリニエーターと私ども申しておるが、これらについて一部試作し、実証試験を開始しているほか、これから案内標識とか里程標その他についても順次開発研究に取り組んでまいりたいと考えておる。また公園関係でも転落防止柵とか階段工など、活用を検討することにいたしておる。
 いずれ、木材は環境に優しい自然の材料ではあるけれども、ほかの材料に比べて強度や耐久性に劣る面も否定できないので、これらの特性を踏まえながら可能な範囲で間伐材の利用を検討してまいりたいと考えておる。

〇佐々木(大)委員 大変積極的な取り組みをしていただきありがたい。今、間伐材の場合も、やはり16センチ程度までが製材用とか合板用で使われており、それ以下になった部分の使用というのが難しくて、採算性で大変間伐材は困っているわけであるので、ぜひその点を、小径木を利用していただくことがまさに本県の森林を育てていくことにつながってくると思う。
 そこでちょっと重ねてお伺いするけれども、今後、今スノーポールとかデリニエーターとかいろいろ出てまいったけれども、今後さらに本県の工事の中で継続的にこの間伐材を利用しようとするときに、土木部の方で見た場合の問題点等あったらば、ちょっと御提言いただければと思う。

〇阿部調整監 間伐材を使用する上での問題点についてであるけれども、現時点では私ども3点ほど挙げられると思っておる。一つは、間伐材の供給が不安定であること、二つ目としては、工事現場での作業に熟練を要するということから工事日数もかかるということ、三つ目としては、製品開発していかなければならない、それとコストの問題が挙げられると思っておる。
 まず、間伐材の安定供給についてであるけれども、これについてはあらかじめ需要量等を把握して、生産者団体等と計画的に調整することなどによりかなり改善できるのではないかと考えておるので、その調整の方法等については、林業水産部と相談していくこととしておる。
 また、あわせて設計面においても、使用材料の規格について幅を持たせるなどの工夫や検討も必要であると今考えているところである。
 次に、現場作業に日数を要することについてであるけれども、間伐材を利用する工法のほとんどは、機械力の導入が難しい、かつ手作業であるというところから、しかも熟練工が少ない、そういう点で工期の短縮は難しいと考えておる。したがって当面は、あらかじめ適正な工期が設定できるような現場を選定して試験的な導入を図っていくようにしたい、そのように考えておる。
 3点目の製品開発とコストの問題についてであるけれども、製品開発については、既に一部着手しておるけれども、スノーポールとか視線誘導標などであるけれども、これらのほかにも幅広くアイデアを凝らしながら研究開発を推し進めていく必要があると考えておる。これらについては、デザインとか視認性、安全性、耐久性、あるいは作業効率性等についても実証試験を行いながら進める必要があり、製品化までには時間がかかるなど難しい面もあるけれども、粘り強く取り組んで参りたいと考えておる。
 また、コスト低減の方策についてであるけれども、主として問題になっているのは、塗装などの仕上げ工程が鍵となっておる。したがって、今後さらに技術的な検討を加えていくとともに、量産効果が出るような需要量の確保も課題となるので、試作品のできばえがよければというか、試作品に自信の持てるようなものが開発できれば、需要拡大の方策についても検討してまいりたいと考えている。
 なお、これまでの製品開発に当たっては、林業水産部並びに林業技術センターの特段の協力をいただいているわけであるけれども、今後も関係機関との連携を密にして研究に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇佐々木(大)委員 いろんな方面に計画を立てていただいており大変ありがたい。昭和30年代からもう三十数年植林を進めてまいって、いよいよこの間伐を進め、岩手県がまさに森林県として次の時代の国産材時代に活躍できるということになるわけであるけれども、その前段の間伐が本当に大きな鍵になっておる。そういう中で大いに期待を申し上げたいと思う。
 また、今のお話の中で、特に需要量の確保というところが大きなこれからの課題になると思うが、製材工場とか、あるいは共販所等でこういうものを設けるにしても、仮に3人ぐらいがこの間伐の加工の仕事をしてもらうとなれば、人件費として1、000万ぐらい見なければならないであろう。そうなれば人件費率を1割に見れば1億ぐらいの需要を見込まなければ継続的にはできないという大きな問題がある。今後、ぜひそういうところを考慮していただいて、これらを本格的な事業に取り上げていただくようにお願い申し上げたい。要望である。

〇小原委員 2点お伺いをする。
 一つは、国道4号の和賀大橋から金ヶ崎町にかけての4車線拡幅についてである。この点は大変御努力をいただいているところであるが、現状、どのような進捗状況であり、今後の見通しを含めてお知らせをいただきたい、こう思う。
 次に、湯田ダムの上流に景観保全等を目的として第2ダムの建設の要望、これは湯田町、そしてまた地元住民から強くあったものであるが、これの建設について現状どうなっておるかお知らせをいただきたい。
 2点お伺いをする。

〇今野道路建設課長 国道4号の4車線化の拡幅についてである。
 国において、現在北上拡幅として全体計画12・2キロメートルについて4車線の拡幅工事を進められているところであり、平成7年度には和賀川の左岸側--北側であるけれども、約6、200メートルについては4車線化の整備がなされたのに続いて、和賀大橋以南約6キロ、6、000メートルについて、交通量の増大や沿道地域の開発等に対処するため、平成8年度より拡幅工事に着手されたところである。本年度は、8年度であるけれども、一部用地買収を行っており、平成9年度よりやはり工事に一部着手する予定と伺っておる。
 なお、事業量が非常に膨大なこともあり、この間の整備の全体の整備見通しというものについてはまだ明らかにされておらないが、平成11年度に開催されるインターハイの主会場への交差部付近については、先行的に大会に間に合わせるべく整備する予定であると伺っているところである。県としても、インターハイや工業団地整備、さらには北上金ヶ崎インターチェンジへのアクセスになる利便性向上のために非常に重要な道路の拡幅工事だと、このように認識していることから、工事促進を積極的に国に対して要望してまいりたい、このように考えておる。

〇佐々木河川開発課長 湯田第2ダム建設の見通しについて申し上げる。
 湯田ダムは国の直轄事業として昭和32年に着工して昭和39年に完成した多目的ダムである。委員御指摘のとおり、洪水調節の容量の確保と、潅漑用水の使用により夏場には水位が低下することから、これによりさまざまな環境問題が生じているわけである。湯田町は、国に対してその対策を強く要望してきたところである。建設省では、湯田町の要望を踏まえて平成9年度から貯水池保全事業として、貯水池の保全や貯水池周辺の親水性を向上させるということで事業に着手すると伺っておる。県としても、湯田町とともにその事業の促進を図るため、国に対して積極的に働きかけてまいりたいと思っておる。

〇田村委員 私、当初予定した質問事項については、先ほど佐々木大和委員の答弁ですべて了解したので取り下げる。

〇菅原(温)委員 県営住宅についてお尋ねをしたいと思うわけである。
 まず、県営住宅あるいはまた公営住宅の意義は、いわゆる戦後の住宅の不足とか、あるいはまた雇用促進とか、いろいろなそういう観点から公的な対応をしなければいけないと、そういうのが原点であったと思うわけである。しかし、今経済が成長して事態が変わっているのではないかと。いわゆる県営住宅、公営住宅の使命が大方終わったのではないかと、こんな感じをしているわけである。したがって、県営住宅をつくる意義、一体どこにあるのか、こういうことである。そして、県民の要望が一体どれほどこれがあったのか、あったから建てるのだと思うわけであるけれども、そんなに要望があるのか、その点をお伺いしたいと思うわけである。
 もう県営の時代ではなく、やっぱり公営住宅でなければいけないとするならば、それぞれの市町村が対応すべきである。例えば盛岡市の場合であると、盛岡市営住宅、これが対応しなければいけないと、そのように思うわけであるが、盛岡市内の盛岡市営住宅の数と県営住宅の数を比較すると、いつかの土木委員会で現地を調査したことがあるが、県営住宅の方が多いというではないか。これにもひとつ問題点があるのではないかと、そんな感じをするわけである。
 それから、先ほど谷藤委員が質問しておったが、西口に県営住宅を建てるとか、こういうことのようであるが、どういう内容のものかわからないが、確たる答弁がなかったようであるが、何か聞くところによると、高級の県営住宅を建てて岩手県立大学の教職員を入れるのではないかというような話があるが、そういう方々は所得も高いわけであるから、県で対応しなくても民間で間に合うのではないかと、こんな感じがするのである。これ入居基準が変わって、上限が20万円になったわけであろう。もう20万円以上の方々ではないか、そういう大学の先生とかいろいろな--例えばである、内容はわからないが。おかしいのではないかと、そんな感じがするのである。したがって民業圧迫になると、これは浅井委員も一般質問で指摘しておる。それに対する答弁がないのである。おかしいのではないかと。その必要性があるのかないのかということをまず論議をしたいと、そう思うわけである。

〇柴田建築住宅課長 県営住宅に対するニーズがどうかというお尋ねであるが、現在、県営住宅については建てかえ等に備えて計画的に空き家としているものを除いて約9割の入居率となっているところである。それに、さらに今回の公営住宅法の改正によって、入居資格の拡大、種別区分の廃止、さらには収入に応じた家賃制度の導入も図られていて、民間の賃貸住宅市場と必ずしもうまくマッチしていない所得の低い方、あるいは高齢者、障害者などにとってはこれまでより入居しやすくなる、このように考えていて、こういった方々の県営住宅への入居需要が高まるものと考えている。
 なお、市営住宅との関係についてお触れであったが、県としても第1種と第2種の区分の廃止ということで、関係する市や町との役割分担については大きな課題だと考えている。権限委譲等との関係もあり、関係の市や町と十分にこれについては検討を進めていきたい、このように考えている。

〇菅原(温)委員 聞いていることと答弁は、余り要らない答弁を今お聞かせ願ったわけであるが、そんなことはわかっている。まず、だとすれば、盛岡市内にある盛岡市営住宅、それから県営住宅、この割合 はどうなっているか。戸数の割合。--なければいい。

〇柴田建築住宅課長 恐縮であるが、市営分についてはただいま手元にないので、後ほど答えさせていただく。

〇菅原(温)委員 土木委員会で県営住宅を調査した、建築中のときに。そのときに今の市長、助役が参った。そこで私は聞いたのである、おたくの戸数は幾らあるか、県は幾らあるかと。圧倒的に県営住宅の方が戸数が多いのである。こういうものはそれぞれの市町村、自治体が対応すべきものであり、それに対する支援の体制を県は組むと、これでいいのではないかと思うのである。今ここにもあるが、住宅建設費31億4、200万円であろう。こういう膨大な予算を計上する緊急性があるのかないのかと、これを聞きたいのである。

〇柴田建築住宅課長 建築課としては、特に盛岡市内について、戦後住宅不足時代から経過して、圧倒的に現在管理している戸数が多いというのは事実である。その際に、現在特に県の方で仕事を進めているのは、新たな団地をどんどんつくっていくということではなくて、現在管理している老朽化した住宅の建てかえ、あるいは部屋が狭い、あるいは設備が古い、こういった住戸の改善ということに重点を置いて現在事業を進めているところである。そういうことで、現在の管理している住宅に対する投資が多いということで御理解を賜りたいと思う。

〇菅原(温)委員 わかった、ここにあるから。ライフアップとかリフレッシュ事業とか、それはある。
 そこで、先ほど谷藤委員が質問した盛岡西口に建設を予定しているのであるか、県営アパートであるか、県営住宅であるか、これはどういう内容でどういう家賃になっているか。それからもう一つ、ここに236ページに特定優良賃貸住宅供給促進事業補助、これは民間に対する補助であるか。その2点をひとつお伺いする。

〇柴田建築住宅課長 まず、西口の県の特定公共賃貸住宅であるが、これについては平成5年に新しい法律ができて、公営住宅の運営ということになるが、収入で公営住宅にちょっと収入基準を超えて入れないというような方を主な対象としてアパートをつくっていくということで、その後で、おっしゃった特定優良賃貸住宅、これと同時に法律に定義されたものである。基本的には、この特定優良賃貸住宅の民間で建設するもの、これについて優先的に供給されるということが一番望ましいものと考えているが、現在のところまだ県内で実績が出ておらない状況であり、そういうことで、県の住宅供給公社、それとあと県営住宅の先ほど申し上げた収入超過者に移っていただく受け皿としての役割ということを考えて、直接の西口への供給というものを図っているところである。
 なお、県立大学の職員の方の住宅は、建物は一緒であるが全く別の扱いということであるので、よろしくお願いする。

〇菅原(温)委員 いずれにしても、この県営住宅というものの考え方の使命は終わったのではないかと。いわゆるこういうものは、民業、民間に任せていいのではないかと、そういう時代ではないかと思うのである。やっぱり県の方々はそれぞれ自分の仕事の関係上、住宅をつくるとか、いろいろそういう発想があると思うが、発想の転換も必要ではないかと、そんな感じがするわけである。特に、きょうの新聞にも大きく載っていたが、財政再建の厳然たる目標を2年前倒しする、2003年までに目標を達成すると。その中で歳出の削減であろう、いっぱいあるのである。公共投資基本計画か、630億円、あるいはまたウルグアイ・ラウンド農業対策費6兆100億円、中期防衛、いろいろある。その中に、財政建て直しを地方に迫ると、こういう大きな見出しも実はあるわけである。これからそれぞれの自治体も財政的に非常に逼迫、困難な状態になってくることは容易に想定できるわけである。そういう中にあって、やっぱり総合的に財政というものを考えて、民間でできるものは民間に任せると、こういう方向でいいのではないか。これは私は重要な県政課題だと思う。仕事だから住宅をつくる、つくれば入るのだと。つくったのに6、000万も未納があるのであろう。果たして県営住宅をつくる意義があるのかどうかということを問われる時期ではないかと、そんな感じがするが、この点について部長から明快な前向きの答弁をしていただきたい。
 それからもう一つ、民営は一生懸命働いて、国税も県税も市町村税も納めているのである。それを圧迫しないのか。その点もあわせてひとつ御答弁を願う。

〇藤本土木部長 県営住宅の問題であるが、県営住宅にしろ何にしろ、私ども仕事のために仕事をしているというつもりは全くない。必要があってやっているものと、こういうふうに考えて事業を行っているところであるし、当然その必要性については、その都度その都度吟味しつつ事業を進めてまいってきておるし、今後ともそういう考えで進めてまいりたい、このように思っておる。

〇菅原(温)委員 まず、それでは県民から県営住宅をつくってもらいたいというような、そういう要望がどれぐらいあるのか。何を基準にして計画を立てるのか。

〇柴田建築住宅課長 今の御質問にお答えする前に、先ほどの数について、先ほどの戸数についてまずお答え申し上げる。
 盛岡市内において県営住宅が3、100戸、市営住宅が2、232戸である。
 次に、県民からの要望があるかということであるが、個別に県民の方からそういう声はない。場所がいいところについては、空き家が出たときに募集したときに応募の倍率が戸数を超えるということもあるが、個々に新たにという要望については今のところ聞いていない。それはそれとして、先ほど申したように、現在持っている県営住宅、これについて、古くて老朽化しているものについては、これはこれで手当てをしていかなければいけないわけであるし、また設備の古いもの、あるいは地震等に備えての耐震性の問題とか、これらで劣っているものについてはやはりお金をかけていかなければいけないだろう、そのように考えているところであり、そういった今持っているものの維持管理にお金を費やしているということで御理解をいただきたいと思う。
 また、県の役割ということで、これが一番の御指摘の点かと思う。おっしゃるとおり、民間の賃貸住宅についても大分性能も向上してきておる。そういうことで、今回の公営住宅法の改正については、あくまで公営住宅は民間市場の補完に徹するというのが理念であり、そういう前提の中で、公営住宅についてはどういった所得階層を対象としていくかということが十分に国の段階で検討された、このように考えている。
 あとは、同じ公営住宅を扱う県と市がどういう役割分担をするかということであり、今県が持っている戸数、これについて手を加えていくというのは当分の間は県の仕事だと考えている。新たな供給については、あるいは今後県営住宅の管理をどうしていくか、これについては地元の関係市町とこれから大いに議論すべきだと、このように考えている。

〇菅原(温)委員 丁寧な御答弁ありがたい。改修とかリフレッシュ、いろいろなそういうものは、今は昔と違ってやっぱり快適な生活をする、それが原則であるから、そういうものはいいと思うが、先ほどの答弁の中で、県民から県営住宅の要望というものはないという話があるが、この問題は十分に検討していただいて将来課題にしていただきたい、そのように思うわけである。
 終わる。

〇菊池(勲)委員 町村であれば、例えば補助事業を導入して町村の公営住宅をつくるわけであるけれども、耐用年数が来たときにそこに住んでいる住民に払い下げる場合もあるわけである。今課長の答弁では、古くなったから新しくつくりかえるという話、少なくとも、私も横浜に10年おった経験があるものであるから、家賃を払って、それは家賃は払いっ放しであろう。今の制度であれば、多少蓄えがあって、あとは公庫の資金を借りて持ち家をつくった方が、家賃を払うよりは、借りた金を払う計算で自分の持ち家をつくる計算もできるわけである。であるから、公営住宅でも一応使命を果たしたものがあるとするならば、大きな何階建てというのは話は別だけれども、一戸建てのような場合、土地もついているわけであるから、そこにその時点で住んでいる住民に、例えば新しくつくりかえるよりは払い下げて、その方が将来そこに自分の資金と、また新しい資金を導入しながら持ち家をつくるという制度も私は必要だと思う。何でもかんでも古くなれば新しくして、また金を投じてやらなければいけないという使命ではなくして、一応耐用年数の使命を果たしたところはそういう方法は考えられるか。

〇柴田建築住宅課長 払い下げについては、従来の法律上も位置づけはあったわけであるが、基本的に戸数が足りないという前提で来ておったものであるから、払い下げについては非常に要件が厳しかったということでずうっと推移してきたわけであるが、今回の法改正に当たり、需要のかなり少ないところにおいて、特に戸建てを中心として払い下げについても従前より要件が緩和されておるので、そのあたりについては既に市町村には連絡してあるが、そういった運用が図られるように県としても考えていきたい、このように考えている。

〇菊池(勲)委員 過去にはそういう例はないわけであろうか。今の答弁であると、ないわけであるか。

〇柴田建築住宅課長 いや、ある。

〇菊池(勲)委員 そうか。例えば、どういう方が住んでいるかはわかるであろう。例えば単身赴任で来た人とか転勤で来た人もあるであろうけれども、長く住むと、住めば都で、環境もいいわけであるし慣れると。そうすると、そこに永久に住み続けてくれるとなれば、当然そこの町の住民になるわけであるし県民になるわけであるから、私は大変いい政策だと思う。そしてまた、必要であれば新しい土地を見つけて、そしてまたそこに大きなものをつくってやるというような状態で--5年や3年の期間ではない、30年から35年ぐらいのサイクルであるはずであるから、私は同じ資金を投入するならばそういう方式をとってあげるべきがいいのではないかという気がするけれども、もう一度答弁をお願いする。

〇柴田建築住宅課長 今までに県内でも払い下げの実例はある。そういった状況を見て、期待して住んでいる方も確かにいる。そういうことで、御質問の趣旨に沿って可能な範囲でそういった要望にもこたえられるような形でぜひ運用を考る必要がある、このように考えている。

〇斉藤委員 今の県営住宅問題に関連してお聞きする。
 私は県営住宅の役割はますます重要になっていると。例えば、イギリスでは公営住宅の比率は24%である。日本は全国で9・5%である。今、住まいは人権と言われている。文字どおり住まいを保証することは生存権の憲法上の重要な仕事だと私は思っている。そういう点で、大いに私は県営住宅がもっともっと快適でよりよいものにすべきだと、こういう立場から質問する。
 一つは、今回県営住宅条例の改正が出されている。この目的、主な内容を示していただきたい。二つ目に、私が見るところ、入居者の締め出し、追い出しの危険がある。収入分位が33%から25%に引き下げられるが、これによって対象外となる県民の世帯数は幾らか。収入分位が25%、これも恐らく月収20万で年収510万程度だと思うけれども、この所得水準、階層は県民のどの程度の水準か。三つ目に、現在の入居者のうち25%を超える収入超過者、50%を超える高額所得者はどうなっているか、どのぐらいあるか。
 次に、応益法の家賃制度が導入される。家賃が引き上げられる世帯はどのぐらいになるのか。収入に応じて毎年値上げとなると思うけれども、どうであるか。毎年所得を報告するとあるが、入居者にも行政にも多大な負担となると思うけれども、この業務量の増大にどう対応するのか。公営住宅建設に対する国庫補助が2種の場合、主には市町村だと思うけれども、3分の2から2分の1に引き下げられる。この削減額は全県的にはどのぐらい予想されるのか。県営住宅の入居状況は、先ほど9割と言った。収入分位を引き下げる理由は岩手の場合ないと思うけれども、どうなのであろうか。

〇久保田副委員長 斉藤委員、関連質問であるから簡潔に。

〇斉藤委員 以上である。

〇柴田建築住宅課長 初めに、県営住宅条例改正の目的と内容であるが、公営住宅制度が住宅に困窮する低額所得者の居住の安定、それと居住水準の向上のために大きな役割を果たしてきたということであるが、急速な高齢化などの経済社会情勢の変化に対応して、特に高齢者や障害者などの真に住宅に困窮する者に対して良好な居住環境を備えた住宅の適法な供給を図るということで、昨年の5月に公営住宅法が改正されて、同年8月に施行されている。県としては、今回の法改正を踏まえて県営住宅条例を全面的に見直し、高齢者や障害者などについての入居収入基準を事業主体の裁量の上限まで引き上げるとともに、県営住宅の社会福祉事業などへの活用に関する規定を設けるなどの改正を行おうとするものである。
 次に、収入分位の見直しに関係して御質問があったが、入居収入基準については公営住宅法施行令に定められていて、収入分位33%から25%までという変更になっているわけであるが、現在入居している世帯の入居費用に関して言えば、月額が19万8、000円から20万円へと上方に変更されるものであり、この変更で入居者の追い出しなどにつながるものではないと、このように考えている。
 次に、25%の所得水準が県民のどの程度の水準かということであるが、仮に夫婦と子供1人の世帯ということで推計すると、年収が約450万円になる。住宅統計調査で夫婦を含む世帯人数が3以上の世帯の中で年収450万円以下の世帯がどのぐらいあるかということでいくと、全国では29%、岩手県では47%ということになり、岩手県において入居基準を満たす世帯の割合は全国に比べてはかなり高いと推測されるものである。
 次に、収入超過者の状況であるが、入居世帯4、173世帯のうちで月額所得20万円を超える収入超過者は、昨年の10月末現在で1、010世帯、そのうちで高額所得者が51世帯、このようになっている。
 次に、応能応益家賃制度についてである。
 初めに、家賃が引き上げになる世帯数についてであるが、現在、新制度移行となった場合の家賃について、これは既存住宅は来年の4月から適用になるわけであるが、その場合の利便性計数等規則で定める事項について作業を進めるところであり、現段階では何とも申し上げられないという状況である。
 また、収入に応じて家賃が毎年変わるのではないかということであるが、住居収入基準の見直しも毎年行われると聞いていて、入居者の収入増が直ちに家賃の上昇につながるとは考えていない。
 また、収入の報告についてのお尋ねがあったが、入居者の収入調査については、従来から毎年7月に、3年以上入居する世帯を対象として実施していて、業務量の増加等につながるものではないと、このように考えている。
 次に、国庫補助率が一本化されたことに伴っての削減がどうかということであるが、公営住宅について、法律の改正により平成8年度の建設分から既に第1種と2種の区分が廃止されて、補助率2分の1で実施されてきている。そういうことで、平成9年度の補助金の額には影響ないものと考えている。
 入居状況に関係して収入分位を引き下げる理由はということであるが、これについては、平成5年度に創設された特定優良賃貸住宅制度との整合性を図るということで、国において収入分位の25%までと定められたということである。

〇斉藤委員 大事なところが答弁がない。家賃が引き上げられる世帯数の推計はわかるはずである。圧倒的にみんな値上げになる。そして、収入超過者、これが今答弁あったように1、010戸で、これは県営住宅の24・4%である。4世帯に1世帯は収入超過者になってしまって、そして近傍家賃、4段階にわたってこの近傍家賃に近づけられる。近傍家賃というのが、いわゆる民間の家賃相当ということであろう。私は、調べてもらったけれども、近傍家賃はどのぐらいになっているかというと、例えば加賀野地区だと現行家賃の倍以上である。松園の場合は、これは2倍弱、湯沢の場合は、これも2倍弱、境田町の場合は、これは2倍以上、みたけの場合は、これも2倍以上、いわば民間住宅家賃と言えば家賃が倍になってしまう。私は4分の1の今県営住宅入居者が、収入超過者といってこういう高い家賃を押しつけられたら大変なことになると思う。
 それで、今度25%というふうに収入分位が下げられるのであるけれども、33%と25%でどのぐらい世帯数が締め出されるか、北海道はちゃんと出しているのである、12万世帯と。それで岩手県が出せないことはないであろう。33%ならどういう所得水準になるのか、25%ならどういう所得水準になるのか。私は、今なら収入超過者でなくて入れるのであるけれども、今度の条例改正だと最初から収入超過者で対象外になるということがかなり出てくる。私はそういう点で、今度の県営住宅の改正というのは、残念ながら改悪で、国際的に日本はもっともおくれた住宅政策である。そういう中で、さらに入居者を締め出す、入りにくくなる、家賃は高くなる、私はこれは時代逆行で、そういう点で先ほどの意見とかみ合うとすれば、私はもっともっと県営住宅の--こういう要望を私は聞いている、職住接近、働く職場に近いところに建ててほしいと、これは切実な要望である。そういう点で、松園とか湯沢とか--湯沢のような遠いところでも9割以上入っているというわけであるから、もっと職住接近の住宅を建てたら、これは混雑解消にもなるし商店街の活性化にもなると、こういう具体的な提言も来ていたけれども、もう一度そういう点をお聞きしたい。
 それと最後に、最低居住水準以下の世帯は幾らあるか。

〇柴田建築住宅課長 最低居住水準未満の世帯であるが、今手元に民間賃貸住宅にお住まいの方のものがあって、県内で9、500世帯である。
 あと、33%から25%についてのお話が重ねてあったが、実態として、改正前33%と言っておったが、19万8、000円で数年据え置かれてきた結果として、実態としては19万8、000円から20万円に上がったということであり、前の年に比べて入りにくくなる、あるいは追い出しにつながることはない、このように考えておる。(斉藤委員「答弁になっていない。もういい。」と呼ぶ)

〇伊沢委員 斉藤委員のように慣れていなかったものであるから、関連で立てばよかったのであろうかと思っている。伊藤勢至委員が一番最初に河川法に関連してお話をしていた部分があったが、私、河川法の改正についてお伺いをしたいということで質問させていただきたいと思う。
 昨年の12月4日に河川審議会が河川法の改正をしたらどうかと、こういう中に、環境に配慮した部分も河川法の中に設けるべきだと、こういうことで答申をされているやに聞いているわけである。今国会に出されたのかということを私確認をしていないわけであるが、この答申が改正される河川法の中にどのように生かされてきているのか、もし把握をしていれば教えていただきたいということである。それが第1点である。
 もう1点目として、先ほど来環境問題についてるるお話があった。道路をつくれ、橋をつくれ、ダムをつくれ、そんな中で県民生活を向上させよう、こういうことで土木部の皆さん大変御努力をしてきたわけである。しかし、道路1本つくるにしても、本県の場合、河川等を無視して道路もつくれないと思うわけである。急流地帯はそれなりの河川のつくり方、改良の仕方があると思うし、緩やかな流れのところはそれなりのつくり方と、こういうふうにあると思うのであるが、部長さんの最初の御答弁の中でも、これからは河川についても環境に配慮した形で、水と緑、そしていろいろな樹木との調和、こういう問題がいっぱい出てくるのかなと思うわけである。そういった意味では、本県でもこの河川審議会の答申に先立っていろいろと環境に配慮したような河川の改良に向かって御努力をされてきていると思うわけである。こういった部分についてお示しをいただきたいわけであるけれども、今後の方針も含めて改めてお伺いをしたいと思う。
 以上2点についてお願いする。

〇吉田河川課長 まず最初に、河川法の改正の動きというか、今現在、今国会に河川法の改正が提案されているということで聞いておる。今この河川審議会からの答申を受けて、新たな河川法改正の動きがあるということは、今現在の河川法が昭和39年に制定されており、その後、いろいろ河川整備の状況あるいは渇水の状況等、あと環境の整備あるいは保全、こういうものに関していろいろ国民のニーズも高まってきたということから、今回、従来の河川法にある目的の中に、従来治水、それと利水という大きな柱があったわけであるが、それに新たに環境という項目も入れた抜本的な河川法の改正になろうかと聞いておるところである。今回の改正の中身としては、今言いましたように、河川環境というものについての位置づけ、あるいはいろいろな河川整備等を進めていく際のいろいろな手続等について取り組むという話である。その中で、できるだけ地域の方々の意見を聞きながら、そういう河川整備の基本方針を定めていく等の内容であるということである。現在、国会の方で審議されると聞いておるので、一応河川法の改正については以上の状況にさせていただきたいと思う。
 それから、今取り組んでおる我々の河川改修というか整備に当たっては、洪水対策を基本として河川空間の有効利用、生物の多様な生息、生育環境にも配慮した多自然型の川づくりということで整備を進めているところである。具体的には、今現在取り組んでおる中では、例えば河川環境整備事業等によって、例えば久慈川あるいは和賀川、閉伊川などにおいては、河川敷が広い箇所においては、地域住民が水辺に親しみながら多目的に利用できる緑地あるいは広場、そういうものの整備を行っておる。また、簗川とか馬淵川、盛川などでは、水辺に下りやすいような階段護岸の整備とか、あるいは雫石川、宿内川など、用地が広く確保できる箇所においては、できるだけ緩やかな堤防にするとか、あるいは親水性に配慮した工事を行っているところである。
 また、実際河川工事に当たっては、従前のように河床を平らにしてしまうということではなくて、できるだけ流れに変化を持たせるような、あるいは水際線に木ぐいあるいは石等を置いて空隙を確保して魚がすみやすいような、そういうようなことにも配慮するというような、また落差工等についても、全断面の緩やかな自然石を配置するというような、そういう配慮もしながら整備をしているところである。また、今後においても、基本としては洪水対策としての堤防や護岸などの整備は当然であるが、それとあわせながら、水辺空間が地域の環境に果たす役割を考慮して、親水性や生態系に配慮した多自然型川づくりを積極的に導入した河川事業を推進していきたいと思っておる。

〇伊沢委員 河川法の国会審議の部分が残ってくると思うが、本県がやってきたものが先取りになるように願うものである。
 また、新聞等にこの間、都市河川の改修に関して多くの投書があるわけである。私、議席をいただいた最初のときにも、河川含めて土木行政が環境にどれだけ配慮するのかと、こういうことを前の部長にお聞きした経緯があるわけであるけれども、例えば3面舗装して全部洪水対策でやってきた、もしくは2面舗装で、2面ブロックで組んでしまって人が入れる状況がない。昔は川に入って遊んだと、そういう状況もなくなる、螢も魚もすめない、そういう河川をつくってきたという部分があって、多分いろいろな反省のもとにこのよな答申が出されたのかなと思うわけである。
 そういった意味では、できる場所とできない場所があると思う。今課長お話あったように、馬淵川だとか雫石川だとか、大きな河川敷があるところは、そこの河川敷を使っていろいろな水辺空間がつくれる。また、堤防があって、中に河川敷があって水が流れるところがある、そういうところには、例えば生きた柳の木を護岸に植えることによって、護岸工事をしながら一定程度の木と水が河川敷からろ過をされて川に入っていく、そういうこともつくれると思う。ただ、盛岡を流れている木賊川のような洪水の頻繁に起きるようなところをそういう形をつくれと、これも難しい話だと思うわけである。そういった意味で、それぞれの場所でいろいろなことを対応していくということをぜひこれはお願いをしたいと思うわけであるし、北上川のような広いところでブロックで全部つくられるようなことに対して、市民の間からやっぱり批判の声が上がっているわけである。今私が申し上げたように、例えば木のくいでとめていくとか、生きた柳のものを植えてそれで護岸をやって芽吹くような、そういう工事を含めて取り上げていくこともこれから必要ではないかなというふうに私思っているわけであるが、これについての御見解をぜひ承りたいと思う。

〇藤本土木部長 確かに、最近新聞等々でいろいろな御意見をいただいているところである。先般も、和賀地方かどこか、ちょっと具体の場所は忘れたが、3面張りにしておるというような記事が出ておった。それについて調べたところ、私どもの土木部が所管している事業ではないということがわかったが、河川に限らず、道路にしても土木部がすべてやっているわけではないが、どうしても常に悪者になるのが土木部であり、何か悪いことをすると全部土木部ではないかと、こういうような風潮もあるが、議員方にはぜひ誤解をなさらないようにお願いをしたいと、こう思っておる。
 河川改修については、昔はそれなりの必要性があって、その時点その時点では正しい選択でやられてきたのであろうと、こう思っておる。とにかく、早く、安く基盤整備をしなければいけないという観点で、現在というか、これまでのような改修方式がとられてきた。ただ、ここまで日本が豊かになってくると、当然、もっと豊かさ、心の豊かさとかそういったものを求める声が強い。そういったことに対応して、私ども河川改修においても当然そういったことを踏まえて改修方式を種々検討してまいりたい、こう思っておる。当然そのときには、土地の制約であるとか、その河川の持っている外力というのであろうか、洪水の大きさであるとか、そういったものを勘案しながら、できる限り多自然型の工法を取り入れてまいりたい、このように考えておる。

〇伊沢委員 人類の歴史の中で治山治水というのは国を治める基本であったという部分で、これまで河川法があった、これに新たな考えが入ったということで大変歓迎をするわけである。ただこれから先、本当の意味で自然との共生を考えるときに、いろいろなところでの広報を含めて、これからの研究を含めて、土木部の皆さんの御奮闘を御期待申し上げて質問を終わらせていただく。ありがたかった。

〇瀬川委員 当該委員であるので、委員長席では発言する機会がないものであるから、花巻空港についてお伺いする。
 花巻空港については、第7次空整に組み込んでもらうために土木部の皆様に御尽力をいただいた。また、前後して、地元の地権者会においては職員の皆様が日曜日を返上して地区民の方々と意思の疎通を図っていただいておる。心より敬意を表する。
 今回、空港費の中に整備事業ということで空港環境アセスメントの調査を行う予算とか、また、関連道路のつけかえを要する場所の調査設計を県の単独予算で実施して、早期に事業の採択をしていただくという、そういう前向きな取り組みをしていただいているわけである。この採択が順調に推移するものと仮定して質問させていただく。
 花巻空港の延長のためにはかなりの盛り土が必要だと聞いておる。盛り土の量と、それから土取り場、それの運搬方法を教えていただきたいと思う。
 あわせて、東和と花巻間の東北横断道が地権者の調印がなされたというニュースも聞いておる。そうすると、おのずと花巻地域の地権者との交渉、そして、工事も始まるものと考える。私、推測するに、空港の土の運搬と、それから横断道の工事の運搬の時期が一緒になるのではないかという感じがするわけである。そうしたときに、あの道路は市街地から新花巻に行く道路と、それから、石鳥谷の方から国道4号に出る道路とか、交通量の頻繁なところでもあるし、また、通学路としても使われているところである。そういう点をかんがみて、さきに述べたような質問にお答えしていただければと思う次第である。

〇藤本土木部長 花巻空港についての御質問であるが、空港の整備に当たっては、滑走路、ターミナル地域を含めた全体の盛り土量は約300万立方メートルを見込んでおる。その土取り場については、平成7年度より数カ所の候補地--大体10キロ以内であるが--を調査しておって、平成9年度内には絞り込みをしてまいりたい、このように考えておる。
 また、運搬経路については、土取り場がまだ決定しておらないのでルートは確定していないが、大体は県道の利用を中心に考えてまいりたい、このように思っておる。大量の土砂を運ぶわけであるので、交通安全対策には、地元地域あるいは道路管理者等とも協議しながら万全を期してまいりたいと、こう思っておるが、必要に応じて部分的な工事用道路の設置も含め、いろいろと検討してまいりたいと考えておる。
 なお、この地域は、空港整備あるいは横断道、それから流通業務団地等々が予定されておって、確かに事業がいろいろ錯綜するであろうところである。そのためにも、平成9年度、振興局の花巻土木部において新たに建設調整主幹というポストをつくって、こういったもろもろの調整を主体に仕事をさせたい、このように思っておるので、できるだけ調整主幹を中心にその事業が円滑に進むように頑張ってまいりたい、このように思っておる。

〇瀬川委員 300万立方メートル、この量をダンプカーに換算すると何台になるとか、そうすると4年間の中で計算していって1時間当たり何台通るとか、推測するとかなりの量の台数になると思う。そうすると、今でも交通量の多いところに大型のトラックが通るということである。今、幸い工事用の道路、連捻地域とか、通学路とか、そういう危険な場所にはそういうような考えがあるということだと思うけれども、ぜひ工事用道路の部分を長くとっていただいて、既存の交通安全と両立していただけるようお願いして質問を終わる。

〇佐藤(正)委員 それでは、奥産道問題。自然との共生ということであるが、自然というものは人間生活のためにあるわけで、自然のために人間があるわけではないので、人間を第一に考えていただきたいと思っておる。
 次に、奥産道については検討委員会を設置するということである。メンバーは有識者10名、各界の意見を聞く、これの時期というのはわからないと、こういうことで先ほど佐藤啓二委員に答弁をされているわけであるが、かねて自然保護に関しては10年間かかっている。実はこれを調査検討した結果、再開したということである。であるから、有識者10名といっても、県外から連れてくるのなら別であるが、県内では動植物の学者あるいは関係者というのは恐らく同じメンバーである。そういうメンバーでさらに検討するのか。なれば、かつて自然保護に関して調査検討したのはどういう意味があったのであろうか、この点についてお伺いする。
 それから、部長は、かつて土木常任委員会において、この奥産道については補正についても検討もあり得ると、こういう答弁をしているのであるが、その考えは今でも変わらないか。
 次に、確認をしておきたいわけであるが、建築確認をとるときに、場所によっては地元の水利組合の同意が必要であるということになっているわけで、中には同意書をとるために、建築確認の市町村あるいは担当者が同意書を持ってきたかというような場面もあったということである。この同意書の受領をめぐって、大阪府下では約何百万あるいは何十万の金品を要求されたという事例があって問題になったわけであるが、建設省では、このような弊害をなくすために同意書は必要ないと、こういうことであり、また、場合によってはこれは違法であるという見解を示しておる。本県ではこのような状況はどうなっているのであろうか。あるいは現場において指導はどのようにしているかお示し願いたい。
 それから、先般関西において、談合の元締めであるところの西松建設の平島相談役なるものが、佐伯建設工業の社長を談合を破ったとして全国の工事から締め出してやるぞとおどかして社長を退任に追い込んだとの報道を拝見した。土木部も承知していると思う。全国の工事ということになると岩手県も含むと思われるが、この西松建設だかおそまつ建設なるものは本県に参入しているのかどうか。
 本県では、そのほかに談合の通報、通称垂れ込みというのであるが、これが絶えない。今も私の手元に岩手県建設業浄化委員会なるものから投書が来ておる。また、1月末から2月にかけて公取の手入れがあったとのうわさがあり、一部では書類の焼却も行われたと仄聞しておる。事前防止のためには、疑わしきは罰せずでなく、疑わしきは指名しないぐらいの対応が必要かと思われるが、どうであろうか。
 また、長崎の県議会議員が談合共犯で取り調べを受けたということであるが、県議会議員の関与というのはどのような状況を言うのか。また、過去に本県にそのような事例があったらお示しいただきたい。

〇藤本土木部長 まず、検討委員会、奥地産業開発道路の検討委員会についてお答えする。
 当時もいろいろと議論があったわけで、それが不幸にも調査事業によって自然破壊を起こしたということを契機にまた再燃したものだと、こう認識しているところである。何でもかんでもこういった検討委員会を設けて、事業についてどうかということをやるつもりは私どもないが、こういった火種というか、ずっと残っていたものについては、やはり改めてこういったことを契機にやるべきではないか、このように考えているところである。
 結論は一緒ではないかと、こういうこともあろうかと思うが、時代の違い、当時はかなり先鋭的というか、お互いに先鋭的な時代ではなかったかと、このように思っておる。現在はまさに私どもも自然との共生をうたっておるし、当然自然保護団体の方々もそういった観点でいろいろ考えておられるので、必ずしも同じ結論になるかどうかわからない、こういうところだと思っておる。
 それから、補正についてのお尋ねがあったが、当然理論的にあり得ると、こういうつもりでお答えしたもので、理論的にはあり得るのではないかと、このように思っておる。
 その他のお尋ねについては関係課長から答弁させるので、よろしくお願いする。

〇柴田建築住宅課長 2点目の浄化槽の設置に関する放流の同意についてであるが、昭和63年10月に建設省から通達が出されておって、建築確認の際にいわゆる放流同意書を添付することは義務づけられていないことを浄化槽設置者に明らかにするようにということで、本県においても、建築確認申請に際して同意書の添付を義務づけしないものとして取り扱ってきておる。
 なお、申請者の利便を考えて、確認の通知の際に、水路管理者等と打ち合わせの上、所要の手続をとるように指導をしているところである。

〇千葉建設振興課長 関西で起きた談合問題に関連してお答え申し上げる。
 この件に関しては報道以上のことは申しわけないがお答えできないのであるけれども、私どももこれは承知しておって、報道に載っているところが本県の工事に参入しているか、こういうことである。これについては、過去5年間の調査によると、毎年度ということではないが、参入しておる。
 それからもう一つ、談合のことで、疑わしきは指名しないと、こういうお話である。これであるが、これはかなり難しくて、いろいろその都度お話があったたびにそのとおりやっていくのもこれもまたかなり混乱を招くのではなかろうか、こういうことで、これはよく確かめてからというふうに考えておる。
 それからもう一つ、長崎県の談合問題である。これは、長崎空港連絡道路工事に絡んで県議会の関係の方が競争入札の妨害の疑いで逮捕された。これは私どもも新聞紙上で存じ上げておって、これについては、報道されているような事例は本県では承知していない。

〇佐藤(正)委員 そうすると、検討委員会というのは、自然保護団体あるいは学者と同じメンバーになるのであろう、結局は。そうすると、この前出した結果とまた同じことになるのではないか。
 もう一つ、部長は、今はっきりと補正ではあり得ると。奥産道の問題については、補正でもまた着工なり、何なりのことがあり得るという答弁であるが、先ほど佐藤啓二委員に対する答弁では、検討委員会の終了時期というのははっきりしていないわけである。補正というのはこの1年間である。どうもそこが合わないのではないか、計算が。だから、10年度の補正ならどうか知らないけれども、9年度の補正というのはちょっとあり得ない。あるいは、いわゆる検討委員会というのは9年度中に終わるのかどうか、そこらあたり確認しておかないと。
 それから、例の建築確認の問題であるが、確かに本県では、建築確認を受ける場合に役所に行って、役所の人が水利組合の同意書を持ってこいという事例は余り聞いたことがない。聞いたことはないけれども、水利組合の同意がないと、実際に建築確認を受けて家を建てても水が流せないわけである。そこで、そういうものの指導をするとあなたは今おっしゃっているわけであるが、今、合併浄化槽というのは割合進歩してほとんど害のない水が出るが、家庭用の雑排水の方がかえって問題なわけである。洗剤であるとか、雑排水というのは。だから、やはりそこらあたりをきちんと担当者に指示をして、水利組合との関係、あるいは実際にそういう〇〇何とか堰というところに排水する場合の問題等をよく指導をしないとならないと思う。関西みたいに水利組合が何十万だか何百万だか権利金をよこせなんて言っているところはないと思うが、一部では、金ではないけれども、幾らか何か持っていかないと余りいい顔をしないということは聞いている。いい顔をしないというのはどの程度かわからないけれども。そういうことがあるので、その点はどうか、もう1回。
 それから、そうすると、この西松なるものは今後も指名するということなのか。今後も指名すると、こういうことなのか。
 それから、私が聞いたのは、県議会議員が談合に関与して調査を受けた。その関与の状況というのはどうなのかと聞いているのである。本県には事例がない、前例がないということではなく、県議会議員の関与というのは一体どういうものなのか。電話をかけて、私の親しいA社がいいからあそこに仕事をやってくれとか、いろいろなことがあると思うけれども、県議会議員の関与というのはどの程度なのか、そこをちょっと教えていただきたい。

〇藤本土木部長 1点だけ、補正の話であるが、あくまでも理論的にと申し上げたわけである。いろいろなケースが考えられるわけである。例えば1年かかってノーとなるか、1年かかってイエスとなるか、あるいは半年でやっぱりやれということになるか、いろいろなケースがあるから、そういったケースには補正も考えられると言ったつもりであるので、そういった意味で理論的にはと、こう申し上げたのである。

〇今野道路建設課長 検討委員会の件について、過去にも同じく検討委員会を開いたのではないかという御質問だと思うけれども、昭和57年に奥産道に係る道路環境調査を実施しておる。その際は、事業計画に基づいて、環境影響要因の把握とか地域環境に係る基礎的項目に関して調査を行って、最適のルートはどれかと、その時点で調査検討したところであって、特に委員会等は設けていないと承知しておる。その上で、その調査結果等に基づいて、県では環境庁等との協議調整を行って工事を行ったところである。

〇柴田建築住宅課長 放流の同意に関してであるが、同意書の添付は義務づけではないこと、また、確認の手続と並行して水路管理者等と手続を進めることの指導、これについて、出先あるいは特定行政庁との連絡会議等の場を十分活用して改めて徹底してまいりたいと思う。

〇千葉建設振興課長 西松建設のことであるが、これから指名するのかと、こういうことであるが、これについても、今いろいろ新聞等でもあるし、公正取引委員会、あの辺でも動いているようである。そのところで、書類送検された段階、そういう刑が確定した段階、こういうところにおいて私どもの方では指名停止もあるし、あとは建設業法上の営業停止とか、そういう措置もある。それは厳正に行ってまいりたい、こう思っておる。
 それから、県議会議員の関与はどういうことかと、こういうことであるが、これは、入札契約にかかわることは関与というふうに私理解しておるところで、そういうことに関しては関連がある。こういうのがあれば関連があると、こういうふうになるが、そういうところについては私どもの方では承知していない。

〇藤本土木部長 若干補足させていただくが、3月3日付の読売新聞によれば、どのような関与かというと、新聞を読み上げさせていただくが、同県議会--これは長崎であるが--副議長小林何がしが、同市内の業者が落札できるよう他の指名業者数社に指示した疑いが強まり、競争入札妨害の疑いで逮捕したと、このように記載されておる。

〇田村委員 関連でお尋ねする。
 建築確認のことであるけれども、水利組合というのは土地改良区も含むという解釈でいいのであろうか。

〇柴田建築住宅課長 当然含まれるものと考えておる。

〇田村委員 そうであれば、一般的には、通常役場に建築確認をとる際には、地元の改良区の同意書をつけろと、こういう指導がある、現実に。それはそれとして、これは指導で直していくにしても、その後の、それでは改良区の関与している水路に浄化槽から流れ出る水を拒否される、あるいは流させるか、そこのところまで指導していかなければ、これは行政として不手際になるのではないか。

〇柴田建築住宅課長 私どもとしては、先ほど申し上げたように、建築確認の関係で同意書の添付を義務づけることは違法だということであって、それ以上のことができないわけであるが、先ほどもあったように、実際に建てた方が放流できないということでは困るので、並行して水路管理者等との手続を進めるようにということをお伝えしているということである。

〇田村委員 あくまでも建築確認の義務づけはないと。ただ、そこだけが我々の分野である。そこから先は建築者と管理者で話し合ってくれと、こういうことだと思う。ただ、なかなかそこのところがうまくいってないというのが現実ではないのか。そこのところをもうちょっと、その辺までの指導を、部局は違うかもしれないけれども、連携をとりながら指導していかないと現場では混乱するということなのである。

〇藤本土木部長 いつだったかの決算特別委員会だか予算特別委員会でも合併浄化槽と道路側溝の議論が大分あったが、それはそれで大体決着がついたわけである。それと多分同様のことなのだろうと、こう思っておる。そういった意味で、合併浄化槽を所管しておる環境保健部に対して、最近の合併浄化槽は非常によくなっているということも含めて、PRというのか、そういった認識をするよう土木部としても働きかけてまいって、スムーズにいくようにしてまいりたい、このように考えておる。

〇水上委員 大先輩の佐藤正春委員に関連してまことに申しわけないが、ちょっと間違って解釈していたら指導していただきたいと思うが、普通法律というものは、昔の法律を適用して仕事をしていければそれが大体継続すると認識していると思う。それは奥産道についてであるが、四十何年ごろ最初取りかかったと思うが、57年に見直して、それで工事を続行していたら57年時点の法律が適用し、今改めていろいろ調査しなくても続行できるような感じがするが、その点についてお聞きする。

〇藤本土木部長 先ほど佐藤委員にもお答えしたように、当時いろいろな議論があった中で、一応トンネル案ということで環境庁とも合意を見たわけであるが、やはりその背景にはまだいろいろくすぶっていた問題があったのではないか。それが昨年の調査による環境破壊で吹き出した、こう認識しているところである。そういった意味で、改めて県民の皆様方はどういうお考えでどういう方向に進めばいいのかということを行政として知る意味でも、この検討委員会を設置していろいろな御意見を拝聴して判断してまいりたい、こういうことである。

〇水上委員 戸籍の問題でも何でも、前の法律に適用してずっと継続していったとき、そうでなかったら、途中で変わったら普通、これは公共工事だからいいけれども、個人の損害とか、そういうのはどうやるのか、もしこういうのが個人だったら。やっぱり前の法律でずっと継続していき、そのときよくてずっとやっていくのだから、どうも後退というより、全然違っているような感じがするけれども、そのときよくて、やって継続している。そして、今度は土木部の不祥事を工事の推進に理由づけするのはどうしても納得できないような気がする。

〇藤本土木部長 法律論というわけではない、これは。例えば私ども設計をして、道路の改良なり何なり出すわけであるが、当然その現場に合わせ設計変更もするわけであるので、当初設計がそのままずっといくわけではないということと同じではないかと、このように考えておる。

〇水上委員 今、部長が話しているのはへ理屈である、間違いなく。やっぱりそういうことは個人だったらもう大変な損害なのである。これは公共工事だからこういう議論で終わっているのであるけれども、ずっとそれを勘定に入れてどんどん仕事をしていくとき、今度はまた途中からこういう法律になったからとまれといったらどうやるのか、そういうとき。これは間違いなく部長のへ理屈だと思うし、それから、こういうことを話せば陳情がきかなくなるかもわからないけれども、佐藤啓二委員の答えにも、1年生議員に対しての答えだったらまだしも、佐藤啓二委員のようなキャリアのある人に、自然との共生というとき、はんらんしたようなものを例に取り上げて話をする。はんらんしたら自然と共生も何もないであろう。はんらんしたのは直さなければならないというのは、これは幼稚園でもわかることであるから、大先輩にそういうふうな答弁をすること、多々紋切り型に答弁しているから、十分気をつけてもらわなければだめだと思う。

〇藤本土木部長 法律論では、例えば法律が改正されると当然経過措置というものがある。今後の奥産道の進め方についても、今までやったものの取り扱い、そういったものも一つの判断材料になるものだと。その上でどうするかということを検討していただくということになろうかと思うので、当然これまでやったものの取り扱いを含めて検討していただくようにしていただきたい、このように考えておる。

〇斉藤委員 それでは、最初にまとめて聞くけれども、奥産道安ケ沢線の環境調査について。奥産道安ケ沢線の自然環境に対する影響調査をどのように進めるのかお聞きする。
 それと、先ほど土木部長が今の佐藤啓二委員の質問に答えて、自然との共生の問題でこういうふうに答弁をされた。自然との共生とは自然をあるがままに受け入れることではないと。私は、自然というのは原生的な自然そのままに保全すべきもの、ほとんど手をつけてはならないものがやっぱりあると思うので、こういう割り切り方というのは部長としては正確ではない。あそこは国立公園の第1種特別地域であるから、その点を改めてつけ加えて聞いておく。
 次に第2点、大船渡港湾整備計画について。総事業費420億円の県負担分は幾らになるか。起債、利子負担をあわせると幾らになるか。
 工業用地の造成が予算計上されているが、活用される具体的見通しはあるのか。
 近隣宅地の評価額と工業用地の予定価格はどうなるか。
 現在の県内の港湾の使用料と維持管理費はそれぞれどうなるか。
 第3点、新幹線二戸駅周辺地区土地区画整理事業について。この間の取り組みの経過、事業計画の内容について、主な点について示されたい。そして、今後の予定はどうなっているか。
 事業計画に対して130人から意見書が出ていると聞くが、どういう内容か。
 保留地予定価格が約7・4ヘクタール、このうち新幹線用地として6・5ヘクタールを売却する計画と聞くが、新幹線のための区画整理とならないか。
 新幹線建設に伴い移転を求められる戸数は幾らあるか。なぜ移転対象住民まで区画整理事業の対象となるのか。移転予定地住民の意向はどうなっているか。
 商店街、住宅地であり、小宅地住民が多いと思うが、減歩緩和対象の基準と数を示されたい。駅前商店街で75坪で減歩緩和となる場合、その清算金はおよそ幾らになるか。
 いずれにしても、792名対象の256億円の大規模な計画である。既に130人の意見書が出されている。私は、住民の合意と納得を重視して慎重に進めるべきと思うが、いかがであろうか。
 盛岡土木事務所の贈収賄事件について。砂防工事に絡む贈収賄事件で1月24日有罪判決が下され、その後有罪が確定した。判決理由を見ると、業者が安易に中元や歳暮を贈る職場環境の中、T被告との癒着を深め、県民の信頼を踏みにじった刑事責任は重いと指摘されている。こうした業者が安易に中元や歳暮を贈る職場環境、この実態をどう調査し、把握しているか。その具体的改善策はどうなっているか。

〇久保田副委員長 答弁はできるだけ簡潔に願う。

〇藤本土木部長 先ほど佐藤啓二委員の質問にお答えしたのを再度繰り返させていただくが、自然との共生というのは非常に難しい概念であると。そのため、県としては、自然との共生という概念を具体化すべく、現在、環境保健部を中心に自然環境保全指針を作成しようとしているわけである。土木部としても、広大な土地と多くの自然に恵まれた本県において、安全で快適な生活を支えるための各種基盤施設の整備を担当しているわけであるので、当然自然と人間生活の営みとの調和が重要であると理解しておるところである、こう答弁させていただいた。

〇北田道路維持課長 第1番目の県代行事業でやっておる沢内村の村道安ケ沢線の自然環境に対する影響調査の進め方についてであるが、平成9年度から本路線周辺の植物について、植生調査や植物から見た環境特性調査及びイヌワシ、クマゲラ、オオタカの猛禽類等について生息環境特性調査を実施することにしておる。その進め方としては、まず、生態学あるいは造林学の専門知識を有する方及び自然保護に造Xの深い方の参画を得て調査委員会を設置して、その助言を得て調査の計画立案を立てたいと思っておる。これに基づいて現況調査を行い、さらにこの調査の結果を受けて課題を摘出して、その対策等について調査委員会から意見、提言をいただいて具体的な設計に反映させるなど、本路線整備のあり方について検討してまいりたいと思っておる。

〇吉田港湾課長 大船渡港港湾整備計画の総事業費420億円の県負担分についてであるけれども、この総事業費420億円のうち、係留施設等の直轄及び補助事業に要する費用は330億円で、それに対する県負担は約130億円の見込みである。また、埠頭用地や工業用地の起債事業に要する費用は約90億円となっておる。
 そのほか、起債利息については、償還期間を工業用地では10年、埠頭用地については20年として、およそ30億円と見込んでおる。
 次に、工業用地の活用の見通しについてであるけれども、今後、工業用地を造成していく中で、地元大船渡市や関係機関と連携をとって、工業用地の目的や利便性をPRし、個々の地元企業や港湾利用型企業と折衝し、立地へと働きかけてまいりたいと考えておる。
 近隣の宅地の評価額については、平成8年7月の岩手県地価調査書による赤崎町山口地区で1平米当たり2万4、300円となっておる。これから造成しようとする大船渡港永浜、山口地区であるけれども、現時点での工業用地の造成単価を試算してみると、造成に要する費用を造成面積で単純に割った場合には、1平米当たり約2万1、700円となっておる。この工業用地の分譲価格については、分譲は適正な地価で行うこととされておって、その価格は、造成に要する費用、いわゆる先ほど申し上げた造成原価、これとか、近傍の売買事例、また、不動産鑑定評価額等を勘案しながら決定しておる。
 なお、この大船渡港の造成には相当年数を要するし、その間に造成費や土地価格の変動が予想されるので、工業用地が完成する時期には適正な分譲価格を決めることで取り組んでまいりたいと考えておる。
 それから、県内の港湾の使用料と維持管理費についてであるけれども、平成9年度当初予算における岸壁、野積み場等の港湾施設に関する使用料は3億3、525万7、000円を見込んでおる。また、港湾の管理及び維持修繕に要する経費は9、084万2、000円を見込んでおる。

〇北栃都市計画課長 新幹線二戸駅周辺土地区画整理事業について、項目がいっぱいなもので、一つ一つ手短にお答えしたいと思う。
 まず、これまでの経緯ということであるけれども、二戸市においては、昭和61年に土地区画整理事業の調査を始めておる。それ以来、地域の方々と話し合いをずっと積極的に積み重ねてきておる。また、平成8年度の第3次二戸市の総合発展開発計画においても最も重要な事業と位置づけられておる。そういうことも踏まえて、努力を積み重ねた結果を踏まえて、土地区画整理事業の施行区域を平成8年2月に都市計画決定をしておる。それから、事業計画を同じく8年12月に策定したという経緯になっておる。
 事業内容についてであるけれども、本事業は、東北新幹線盛岡以北の建設を契機として、新幹線二戸駅を中心とした地区について幹線道路網や生活基盤等の整備を一体的に行って、同時に広域的な地域交流、地域連携の核として、商業地域の振興、それから利便性を生かした工業用地、さらには快適な環境の住居等を形成して地域の発展を図るという、二戸市で最も大事な事業として位置づけられているものである。
 施行面積は約80ヘクタール、総事業費は256円ぐらいを見込んでおって、事業計画としては平成8年から平成22年までという予定になっておる。
 今後の見通しであるけれども、現在、本年2月に設立された土地区画整理審議会に諮りながら換地設計を進めているところで、今後は、住民の方々との合意形成を得た上で仮換地指定を行って事業の推進に努めていく予定になっておる。
 次に、事業計画に対する意見書の内容はいかにということであったけれども、百数十名の方から意見書を提出いただいておる。その中を整理すると、一つには、区画整理事業そのものに絶対反対であるという方もおられる。その内容としては、やはり今のままでいい。便利にならなくてもいいし、道路も要らないという意見もある。そういうので、ともかく反対と。それから、事業が行政の一方的な計画であるために反対ということで、住民の声が十分反映されていないということであるけれども、市としてはかなり努力はしておるけれども、まだ足りないのかと思っておる。それからもう一つは、生活の基盤が失われることに対して不安がある方がやはり反対をされているということで、特に農業をやられている方で、面積が減ることによって農業の生計が成り立たなくなるのではないか。それに対しては、やはり市の方で新しいあり方とかを相談に乗っているようであるけれども、これについてもなかなか難しい実態である。あともう一つ、誤解とか、理解が不十分というか、説明不足のための反対もある。例えば土地の無償提供に反対。これは、土地の無償提供というのはない。それから、減歩が何割だとか決まっていると言っているけれども、それもまだ確定をしているものではない。これから設計を進めていく中でということで、そういうことでいろいろ努力はしているけれども、説明不足がまだあるということで、努力が足りない面があるかと思う。
 それから、先ほどの計画の説明のところで、総事業費256億円であった。失礼した。
 次に、新幹線のための区画整理ではないかということであったけれども、本事業は、二戸駅の西側というか、ちょうどあの地区は今まで非常に開発がおくれていたところということで、道路とか公園がほとんどない。それから、公共施設がほとんど整備されていないし、土地利用も非常に非効率ということで、安全で良好な市街地を整備しようとすることで、地域の住民の方からもそういう生活面の向上について市に対して強い要望が前々から出されていた地域である。また、現在、新幹線の建設が進められておるが、新幹線予定地内の地権者の多くの方々が近傍に移転先を希望されておられることから、土地区画整理事業によって新幹線敷地の確保を図る、それから、新幹線の建設によって移転をされる方の受け皿となる宅地の整備を図ることも必要だと。それから、面的にその地区の良好な市街地を整備するということで、決して新幹線のためということではない。
 それから、新幹線に伴う移転戸数はどのくらいかということであったけれども、新幹線予定地内の地権者は全部で116名ある。そのうち移転戸数が92戸というように市から伺っておる。
 それから、移転対象の住民も区画整理事業の対象になるかということであるけれども、新幹線予定地内の地権者の多くがやはり住みなれた地区内に住みたいということで、そういうことであれば、やはり面的に整備をする手法で、いわゆる土地区画整理事業によって新幹線の確保もできるし、それから、住民の方の移転先も一緒にできるということで、新幹線用地以外も全部土地区画整理事業の中に含めて面的に整備するものである。
 それから、移転予定者の住民の意向はどうかということであるけれども、新幹線予定者116名のうちの大多数の方から、全部ではないけれども、大多数の方から土地区画整理事業に対して理解をいただいておる。
 次に、減歩の緩和の基準と数をということであったけれども、二戸市の土地区画整理審議会で審議いただいて、基準を75坪と定めておる。これに満たない宅地については減歩の緩和を行うこととしておって、その対象地権者が270名と聞いておる。
 それからもう一つ、緩和になった場合の清算金はどうなるかというお話であったけれども、減歩の緩和の場合の清算金については、換地処分時点における整備後の土地の評価、つまり工事が、整備が終わってその後の土地の評価ということで、かなり先のことであるし、現在、確定はできないということで、清算金の確定は現在はできないと思う。

〇久保田副委員長 簡潔に願う。

〇北栃都市計画課長(続) それから、住民合意を納得できるように慎重に進めるべきではないかということであるが、もとより権利者の理解と協力がぜひとも必要であるということは当然である。地権者の数が800名と非常に多いということで、二戸市においては地権者の説明会等を開いて精力的に進めておって、都市計画決定の手続を済ませて事業計画の認可まで進んできたわけであるけれども、県としても、従来から十分な住民合意の形成に努めるよう、二戸市に対して指導、助言を行ってきたところであるけれども、今後とも一層事業が円滑に推進できるよう市を指導してまいりたいと思っておる。

〇鈴木総務課長 贈収賄事件に絡む職場環境についてである。
 かねてから盆暮れ等の贈答は受け取らないよう指導してきているところであるが、かつて盆暮れの時期に社会的儀礼の範囲内で職場としてビール券を受け取った例はあったやに聞いておる。件数等、事情聴取してはみたが、確たることはわからなかった。
 昨年12月、副知事依命通知が出て、その中で、職務に関する業者等から名目のいかんを問わず金品を受領することはないようにという通知を受けて、これを土木部としても真摯に受けとめ、本庁各課長、それから各土木事務所長の申し合わせということで、毎年度中元、歳暮の時期に、それぞれ所管する地域の各関係業界支部に対して、中元、歳暮は自粛してほしい、絶対に贈らないでほしい、もちろん職員としても受けとらない、こういう申し合わせを行い、昨年12月実施した。今後これを引き続きこういう時期に同様にやってまいって、こういうことは二度とないように職場ぐるみで取り組んでまいる考えである。

〇斉藤委員 大船渡港湾で、工業用地、近隣の宅地が2万4、300円で工業用地の原価が2万1、700円である。私は、最初から宅地のような工業用地の造成というのはかなり難しいのではないかという気がする。既に港湾特別会計は平成9年度で214億円の企業債残高、これからもっと膨れ上がるであろう。私は、これは大変深刻な事態じゃないか。年数がたてばたつほど工業用地の原価は上がっていくと思うから、そういう点で、これは指摘だけにとどめておく。
 二戸市の区画整理事業、私聞いたけれども、792名のうち130名が意見書を出している。これは16・4%である。区画整理事業というのはどこでも大変な年数がかかって、住民合意で一番苦労している。ところが、事業計画書が出た段階でこれだけ出ているというのは異例なのである。普通は換地設計が出されて、自分がどこに行くか、どのぐらい減歩されるかと出たときに意見が噴出するのである。今、換地設計の前だから、換地設計の前の全体計画に対して130名も今既に出ている。私はそこに大変大きな問題を抱えていて、例えば盛岡の盛南開発なんかの場合、事業計画を出すまでに住民に7年も8年もかかっているわけである。ところが、二戸の場合は、もう新幹線の建設というのがあるから、わっと事業計画を立ててしまった。そこにこういうさまざまな意見が出ているというところを私は重視していただきたい。
 特に私は複雑だと思うのは、この新幹線の問題である。結局7・4ヘクタールの保留地を大部分新幹線用地に売るのである。これは行政から見れば、今、保留地を売るのが一番大変であるから、確実に買ってもらえる、そういう最初からの計画になっている。本来、新幹線用地に当たる住民というのは鉄建公団にあってちゃんと補償される人たちなのである。それが116人いるわけである。それも一緒にくるんで、そして保留地を新幹線鉄建公団に売る、こういう構図があるから、極めて区画整理事業というのは複雑になっていると思う。そういう点で本当に大変な事態になっていると思うので、慎重にやると課長は言っているから、二戸市にも特別に県の職員を出向させている。本当にそういう事態をよく見て、住民の要望をよく聞いて、私は、新幹線の問題というのはもっと違った対応ができるのではないかと思うけれども、その点について一言だけお聞きする。
 盛岡土木事務所の問題で、かつてはという話があった。しかし、今度の贈収賄事件にかかわって裁判官はこういう職場環境だったと言っているのである。かつての話をしているわけではない。私は、それは不正確だと思う。私、実は年末に業者から電話をいただいた。ことしの暮れぐらい楽なときはなかったと。今までは何を歳暮にやるかだけでうんと頭を悩めたというのである。今回はそれがないわけだから、本当に楽だったと本当にリアルな電話をいただいた。だから、改善はされたと思うけれども、去年の暮れまではそうだったということである。だから、かつてということでごまかさないで、本当にこれを機会に、そういう職場環境にならないように、そして、私よく土木事務所に行くのだけれども、やっぱりまだ業者は中に入っている。名刺を机の上に置いている状況もあるから、やっぱりこういうものになれないで、きちっとやっていただきたい。ちゃんと答弁いただきたい。
 最後に、私は、引き続きカラ出張の問題についてお聞きしたい。
 私は、本会議で具体的に釜石土木事務所の幹部職員の出張問題、さらには花巻土木事務所の幹部職員の温泉出張の問題を取り上げた。具体的な日時も事例も示して取り上げた。土木部長の答弁は、実態の把握に努めるということであった。実態の把握はどうなっているのであろうか。

〇北栃都市計画課長 二戸市においては過去に何度もそういう計画をして新しいまちづくりをやるという機会があったかと思うけれども、その都度やはり全体の合意形成がなかなか難しいということで失敗した経緯もある。今度は、新幹線のせいではないけれども、やはりものにはチャンスが必要である。新幹線の機会に、新幹線に当たる地権者の数だけではなくて、みんなが新しい環境で新しい生活環境をつくれるようにという機会だと思う。そういうことで市の方でも努力しているわけであるけれども、まだ足りない部分もあるかと思うので、今後とも市とよく相談して一層の指導に努めていきたいと思っておる。

〇鈴木総務課長 かつてということは適切ではないかもしれない。当時ということで結構だと思う。とにかく、こういった本庁各課長、それから土木事務所長で申し合わせした先ほどの事項は今後とも継続してまいりたいと思う。
 それから、釜石土木事務所、花巻土木事務所等の出張旅費の実態調査についてであるが、目下、一連の調査を行っているところである。年度末を控えての時期で、現地に出向いての調査、先週釜石に参った。そういった現地に出向いての調査とか、あるいは事実を確認しながらの1件1件の調査であるので、相応の日数を要しておる。できるだけ早く調査結果をまとめたいと、そういうふうに考えておる。

〇斉藤委員 あれからどのくらいかかっているのであろうか。私は、極めて限定した資料を情報公開でいただいて、私が見たのは1日、2日である。1日、2日で見てもそういう異常な事態がわかる。私は、この議会を何とか乗り越えようじゃないかという、そういう残念な姿勢が見えるので、具体的に指摘したい。
 12月決算で取り上げた県議会開会中の神戸出張2人おったが、これは、実際はどうだったのであろうか。実際に行ったという具体的な物証があるのであろうか。

〇久保田副委員長 斉藤委員にお尋ねするが、まだ質問はあるか。
   〔斉藤委員「いや、この関係で終わる。」と呼ぶ〕

〇鈴木総務課長 当時の神戸の出張であるが、あれは平成7年3月のことであるが、当時2人から口頭による復命があったということである。ことしに入って、2人からさらに詳細に行程を聞いた。それで、当時の課長補佐は、予算特別委員会もあって、命令より1日ずつおくれた行程で大阪、神戸に行ってきたと。大阪-神戸間はシャトルバスで行ったと。命令も、車での命令になっておる。復路は、時間の都合によって、命令どおりの飛行機利用ではなく、新幹線を利用したということであった。それから、主任は命令どおり出発し、大阪まで行ったけれども、大阪から神戸までのシャトルバスが非常に混雑してなかなか乗りにくかったということで、神戸までは行けなかったと。ただ、復路は時間の都合によって、これも航空機利用ではなく、新幹線利用で帰ったということが判明した。これに伴って、行程の変更であるので、旅費の差額3、000円及び5、000円余、それぞれであるが、これは返納手続をしたところである。行程の変更等について認識が不足しておった。今後、行程等の変更があった場合は所要の手続をとるよう徹底してまいりたい、そういうふうに考えておる。

〇久保田副委員長 世話人会の申し合わせにより、おおむね3時から10分間休憩することとなっておるが、質問者の項目は残りわずかだと思うので、このまま続行する。

〇斉藤委員 今の報告で、当時の課長補佐が議会の日程1日ずれて行ったというのは私も確認をした。ところが、予定どおり行ったというもう1人の職員の場合には物証はなかった。そして、神戸にも行ってなかった。それで、私は神戸出張というのは問題があると思う。大体あれだけの時期に神戸に行って、復命書もない、写真も撮ってこない、ちょっと考えられない。
 それで、私は花巻土木事務所の件もちょっと調べてみた。こういう例がある。平成8年2月26日から29日にかけて阪神大震災現地視察、神戸に行ったという旅行命令票がある。花巻土木事務所の技術主幹、副主幹、2人で行っている。ところが、28、29日行っているんだけれども、これは新幹線で行っているということになっている、帰りが新花巻であるから。ところが、29日、公用車の運行管理記録を見ると、この技術主幹は29日1時から4時20分まで公用車を使っている。新幹線で昼までに帰ってこれるのか。これは大変重大なことではないのか、どうか。

〇鈴木総務課長 宿泊先から当日に帰庁して午後から管内調査のため公用車を使用するということはよくあるケースである。ただ、神戸からということになると、早朝に神戸を立ったとしても新花巻駅だと1時半ぐらいだと思う。ただ、その辺となると、今度公用車運行管理記録簿も、これは利用実態を記載しているものであるが、複数の職員で公用車を利用した場合に、これは一般的に言ってであるが、用務で途中で乗りおりしたということで、詳細なところまでよくわからない面もあるわけである。今のは一般論である。いずれ、これは具体には目下実態調査を行っているところであるので、今の件も含めて調査してまいりたいと思う。

〇斉藤委員 具体的に聞いているのに一般論で答える、とんでもない話である。神戸から帰ってくる予定になっているのだから。
 それで、私はあわせて、花巻土木事務所の幹部職員の温泉出張の実態についてリアルに話して、本当にこういうのが必要なのか、あるのかということを聞きたいのだけれども、例えば、これは平成7年の花巻土木事務所の幹部職員の出張9件のうち7件が花巻温泉。その理由を見ると、2月15、16、17日と2件の花巻温泉出張、連チャンである。その会議の名称は、土木部課長地方公所会議、これを15、16日やって、17日には花巻温泉郷現地調査、ここでまた温泉に泊まっている、調査をやって。調査をやったら終わったらいいではないか。2泊3日である、花巻温泉。
 花巻市長、花巻大曲線の同盟会が県土木部へ建設促進陳情に行った。それに随行してその日は繋温泉泊まり、花巻からである。そして、3月20、21日、この土木陳情を受けて、花巻大曲線、花巻温泉郷線促進協議会と打ち合わせのために花巻温泉にまた泊まっている。いいか、土木部に陳情して繋温泉に泊まって、その報告だといって花巻温泉に泊まっている。そういうことである。9件中7件。近くに温泉があるといっても、何事もこういうやり方でいいのかと。これは本当に接待出張ではないか。こういう点で、こういうのもきっちり調べて、改善をしていただきたい。
 こういうことがなぜわかったかというと、この幹部職員は全部復命書を書いていた。だからわかるのである、こういう実態が。釜石は四つしか書いてなかった。こういう点で功罪あるんだけれども、書いてないで異常な出張をしている人もいるし、書いてこういう温泉出張をやっている人もいる。ぜひ徹底調査をして、その妥当性をきっちり報告していただきたい。
 以上で終わる。

〇久保田副委員長 ほかに質疑ないか。

〇藤原(泰)委員 委員長、議事進行であるが、3時であるが、私は前から申し入れして五つ、六つあるので、休憩してからではいかがであろうか。

〇久保田副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩する。
   午後3時11分 休 憩
 
   午後3時24分 再 開

〇藤原委員長 休憩前に引き続き会議を開いて質疑を続行する。

〇藤原(泰)委員 午前中からの質疑で大変皆さんお疲れのところ恐縮であるが、またさらには、先ほどは斉藤委員の非常に厳しい中にもユーモアのある、恩情のある質問ということで、非常に敬意を表するわけである。
 まず私から、前段は省略して項目だけ申し上げさせていただく。まず一つは、住宅の関係について三つほどお伺いする。
 一つには、現在の住宅需要の状況はどうなのかということと、もう一つは、現在どの程度満たされておるのかということが第1点である。それから第2点は、先ほども菅原委員、あるいはまた斉藤委員からもそれぞれあったわけであるが、この住宅の中でも公営住宅と民間住宅の関係についてそれぞれあったので、その前段は省略するが、それぞれの公営、民間住宅の長所、短所あるわけであるが、今後施策の中でこのバランスをどう持っていくかという関係についてお伺いする。次に、第3点である。いわゆる公営住宅法の改正がなされたわけであるが、この法はいわば長寿社会到来に対応するためにとしておるが、そのようなことで、この法の特徴あるいはメリットとはどういうものかお聞かせ願いたいということである。
 次に二つ目である。道路管理についてお伺いする。
 道路が鉄道と交差しアンダーになっている場所は、排水設備を設け、くみ上げて排水されるわけであるが、特にも集中豪雨の場合にはアンダーの周辺の排水路が、これは県という意味ではなく、市町村に関係するところ、あるいは圃場整備の関係があるわけであるが、そうした周辺の排水路が整備されない関係から、せっかく排水したものがまたそのアンダーに逆流して冠水するということが非常にあるわけである。その際に、道路に進入禁止標識をまずとりあえず立てる。何せそっちこっち冠水するわけであるので、一気にバリケードとかということにいかないわけであり、前段はその禁止標識を立てる。そしてまた、必要に応じてはバリケードを立てると、普通はそういう2段階でやられている場合があるわけであるが、この関係については、県あるいは市町村でもお互いに連絡をし合いながら連携をとってやっておるわけである。ただ、その際に一番問題になるのは、これは交通安全のいわゆるモラルの問題ではあるけれども、やはり職員が時によってはそのバリケード等、あるいは通行どめを知っておりながら、それを抜けて、そして事故を起こすという場面も見られるわけである。そういう道路管理の責任を問われるということは、常日ごろ土木部の部長初め、あるいは関係するそうした道路管理者の御労苦には非常に敬意を表するものである。ただ、このことは県のみならず市町村にも同じことが言えるのであるが。
 そこでお伺いしたいのは、そういったような場合に、バリケード等をくぐった場合に、道路管理者の責任はどのようになるものか、その辺をお示しいただきたいと思う。これはもちろん、ものがこじれれば裁判の関係にもなるわけであるけれども、通常の管理の中での責任のあり方はどうなるかということである。
 それからまた、集中豪雨によって冠水される箇所というのは、これは非常に把握しにくい面もある。それぞれの場所によって、あるいはその豪雨の状況によって違うけれども、県内にはそういったような箇所がどの程度あるのかお聞かせ願いたいと思う。
 次に、ダムの関係である。
 ダムの関係については、管理及び建設の関係ということでお伺いするが、まず一つは、四十四田ダムのことである。御案内のとおり、北上川の本流で取水区域が非常に広いわけであり、流水量も多いということであるが、このダムは国の管理であり直接県にはかかわりはないわけであるけれども、関連ある部門もあるわけである。ただ、こうした関係で、ダム下流の住民が土砂の堆積によって水の調整が果たして完全に行えるのかという心配をされている向きもあるわけである。そこで、このダムのかかわりについての現在の土砂の堆積、いわゆる管理の状況というものの今後の見通しというものについて、県ではどのように把握されているかお伺いするものである。
 次に二つ目である。これは8款の3項6目の河川総合開発のうちの簗川ダム建設事業に関連することでお伺いするが、このダムは多目的に利用されるということで、非常に各方面から期待され早期完成が望まれているところである。本ダムの上流部には、地元で恐縮であるけれども、紫波町に関係する一定の区域があるわけであるが、この区域はダムの取水区域からは外れておるわけである。ただ、それについては住民も実は十分周知していない面もあるわけである。このダムについては、やはり何と言っても町とのかかわり、地元の現在の利用というのは、やはり昔から、藩政時代から利用されているということであり、今建築されようとしている簗川ダムの上流には、現在ため池やら水路等があり、それらによって農業用水を取っているわけである。この区域には将来一番心配されるのは、用水のための施設などをつくる場合何らかの制約を受けるのかということが、今一番懸念されているところである。地域農家にとっては、やはり既存の藩政時代からの既得権というものについては十分わかっておるわけであるし、特にもその地域は水不足ということもあるわけであるので、例えばため池の汚泥をさらうとか、あるいはまた何らかのそうした施設を簗川ダムに影響しない流域という中での施設についての制約があるのか、その辺をお示しいただきたいと思う。
 以上である。

〇柴田建築住宅課長 初めに、住宅の需要状況であるが、県内の住宅数は住宅統計調査によれば、43年以降、住宅の戸数の方が世帯数を上回っている。平成5年の調査では、1世帯当たりの住宅戸数は1・1ということで、戸数面での充足は進展してきたものと考えておる。しかしながら、平成5年の需要実態調査を見ると、住宅に対して不満がある世帯が49%もあり、住みかえ等、住宅に対する需要はまだまだ高いものがあると、このように考えている。特に民間賃貸住宅については、広さ、設備等において水準が低いものが多数存在しており、居住水準の向上を図るための施策が必要と考えている。
 2点目の、公営住宅と民間住宅のバランスについてであるが、先ほど述べたように、公営住宅については民間住宅市場の足りないところを補完するという一つの意義があり、民間賃貸住宅について居住水準の低いものが多い、あるいは高齢者、障害者にとって必ずしも入居しやすい状況にないという現状を踏まえると、住宅に困窮する所得の低い方、あるいは高齢者、障害者の居住の安定、居住水準の向上を図るためには、公営住宅の役割も依然として重要なものがあると考えている。今後であるが、公営住宅に対する需要と動向、あるいは社会経済情勢の変化に対応して、良好な居住環境を備えた公営住宅の整備に努めていきたいと考えておる。
 3点目の、公営住宅法改正の特徴とメリットであるが、今回の法改正の特徴としては、高齢者、身体障害者などについて、一般の入居者に比較して高い所得でも入居することができるものとされたこと、家賃の決定方式について、毎年度、入居者からの申告に基づく収入、あるいは住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数等に応じて家賃を定める、いわゆる応能応益家賃制度とすること、供給方式についても、従来の建設方式に加えて、民間住宅等の買い取り、借り上げについても認めることとされたこと、公営住宅を知的障害者等グループホーム事業として使用できるものとされたこと等が特徴である。
 今回の法改正のメリットとしては、入居資格の拡大、あるいは収入に応じた家賃制度の導入というものが図られたことから、所得の低い方、あるいは高齢者、障害者にとりましてはこれまでより入居しやすくなるものと考えておる。

〇北田道路維持課長 道路管理疵の責任についてというお尋ねであるけれども、道路管理者が道路法の関係規定に基づいて交通の危険があると認めて遅滞なく通行を制限あるいは禁止し、その区間あるいは理由等を明確に記載した道路標識や、必要に応じて容易に進入できない程度バリケードを設置するなど、通常必要とされる処置をとったにもかかわらず、あえてこれを侵して事故を起こしたというような場合については、一般的に道路管理疵責任はないという判例がある。しかしながら、道路管理の疵については、いろいろケース・バイ・ケースということもあるやに聞いておるので、いずれにしても今後とも道路管理にあっては慎重に対応してまいりたいと思っておる。
 それから、道路が鉄道などをくぐるというか、アンダーしている箇所について把握しているかということであるけれども、県が管理しておる国県道については、鉄道をアンダーし、かつ冠水対策等を必要とする箇所については、主要地方道の盛岡環状線盛岡市西仙北地区など11路線11カ所ある。これらの箇所については、冠水対策としてその施設を整備しており、毎年電気あるいはポンプ等の点検をしている。
 なお、お話の中にあった市町村道あるいは農道については、恐縮であるが把握していない。
 以上である。

〇佐々木河川開発課長 まず、四十四田ダムの堆砂についてであるが、四十四田ダムは国直轄事業として昭和43年に完成した多目的ダムである。四十四田ダムの平成7年度末の堆砂状況は、計画堆砂量の81・6%と伺っている。したがって、堆砂量が100%にならない限り取水上の問題はないという認識をしておる。
 また次に、洪水時における土砂の流出の可能性についてであるが、建設省の北上川ダム統合管理事務所は、多量に流出する可能性はないと言っておる。
 それから次に、簗川ダムの上流における取水についてであるが、簗川ダムは多目的ダムとして平成4年度から建設を進めており、昨年の11月に損失補償協定の調印が行われたところである。簗川ダムの利水計画の策定に当たっては、委員御指摘の地区への流域を変更しての藩政時代からの利水量について、既得権として私ども取り扱っておるので、従来どおりの取水することで支障はないと考えておる。
 以上である。

〇藤原(泰)委員 先ほどの第2点の中で、私がバランスと言ったのは、おおよそ、例えば2対9とか、あるいは20%対90%とか、そういう将来の公営と民間住宅の比率が、難しいかもしれないが、政策上ではどのようにお考えになっているかという意味のことである。
 次には、この簗川ダムの上流の関係であるが、これについては今御答弁あったわけであるが、特にもこの上流については、ダムが完成するというといろいろな施設ということが当然制約されるわけである。であるから、上流の関係する部分の、いわゆる今までの既得権にかかわるところの取水地域に将来設備される場合はということでいろいろ心配されているわけであるが、これは企画調整部にかかわりのある部分であるが、いわゆる渇水時の水源の確保という中で、特にもダムの堆砂容量は100年分ということを見込んだ上でのいろいろな検討がなされているということは資料にあるわけであるが、そうしたかかわりの中で、そうした施設、仮に今現在はまだ話の程度であるので、そういったような砂防ダム的なというか、そういうものの施設があるいは出てきた場合にはという心配もあるわけである。心配というのは、そういったようなものについての制約ができやしないかということが地元にあるわけである。もちろん、これは県当局としてはまだ検討を進めるということで確定的なものではないわけであるが、そうした構築物というものはいろいろ制限されはしないかということで非常に心配しているわけである。その点はいかがなものか、再度お伺いする。
 以上である。

〇柴田建築住宅課長 公営住宅等と民間との比率というお尋ねであるが、御指摘あったように算定がなかなか難しいわけであるが、現状としては、全住宅に対して公共住宅--公営住宅だけではないわけであるが、公共の賃貸住宅率が約5%という現状である。一方民間の賃貸住宅が18%程度というようなことであり、借家における公共住宅の率というものは18%程度ということで、今後のことであるが、あくまで公共賃貸住宅については、先ほど申し上げた最低居住水準未満の解消とか、そういったことから推計していて、ちょうど今年度から新しい5カ年計画に入ったわけであるが、今後の5年間では、賃貸住宅だけではないわけであるが、全住宅の中で公営住宅2、100戸程度を見込んでいるということである。もちろんこの見込みについても、ほとんどが建てかえというようなことでの計画となっている。

〇佐々木河川開発課長 施設の改良に伴う制約がないかという御質問であるが、この地域は普通河川になっており、二つのため池があり、そのため池と水路等についての修繕については協議は必要ないが、現在取っている取水量からさらに増量する場合については、例えばため池のかさ上げ等の増量を伴う場合には、その計画内容について事前に御協議いただきたいと思っておる。
 以上である。

〇藤原(泰)委員 手前みそみたいなことで恐縮であるが、これからの検討の部分があるかもしれないが、いわば現在の取水量に差し支えない、いわゆる許容されている範囲であれば、その施設も、協議ということにはなるわけであるけれども、不可能ではないということに理解してよろしいか。わかった。

〇藤原委員長 そのほか質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原委員長 ないようなので、これをもって土木部関係の質疑を終わる。御苦労さまであった。
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求める。

〇千葉企業局長 それでは、企業局関係の議案について御説明申し上げる。
 まず、議案の説明に入る前に、平成9年度の事業運営に当たっての基本的な考え方を申し上げたいと存ずる。
 地方公営企業を取り巻く経営環境は、国際化の進展に伴う規制緩和や内外価格差などをめぐって激しく変化しており、年々厳しさを増し一層の経営効率化が求められておる。したがって、平成9年度の事業運営に当たっても、引き続き地方公営企業が本来の目的としておる公共の福祉の増進を念頭に、電気事業及び工業用水道事業の適切な推進並びに効率的、合理的な業務の運営により、各事業の経済性が十分に発揮されるよう経営に取り組んでまいる所存である。
 まず、電気事業であるが、平成7年12月1日に改正電気事業法が施行され、電力市場にも競争原理が導入されたことに伴って、公営電気の卸供給料金や新規の水力開発についても一層の経営努力が求められてきておるが、一方、電力需要は、ライフスタイルの多様化などにより年々増加してきており、地球に優しいクリーンなエネルギーとしての水力発電の開発に高い期待が寄せられているところである。このような中で、企業局としては、安定した収入を確保するため、安全かつ効率的な運転と施設の適切な維持管理に努めるとともに、施設設備の改良、改善を計画的に進めてまいる考えである。
 また、県内の電力自給率の向上に貢献するため、本県が有する豊富な水力資源を最大限に活用して新たな開発を計画的かつ積極的に進めてまいる。
 平成9年度においては、早池峰発電所建設事務所を設置し、いよいよ本体工事に着工するとともに、松尾村に計画しておる柏台発電所の平成10年度からの着工に向けて調査事務所を開設するほか、既に開発計画が決定されている胆沢第三、北本内の2発電所について、ダム工事の工程に合わせながら着工に向けた作業を進めるとともに、新規開発の調査を継続している南本内など8地点の流量調査等を実施してまいりたいと考えておる。
 次に、工業用水道事業であるが、本県の産業経済の発展に資するため、昭和53年度から工業用水を供給してきておるが、企業の立地動向などから厳しい経営状況が続き、平成3年度に国の経営健全化団体の指定を受け、経営健全化計画を策定して鋭意その改善に努めているところである。最近の供給先企業の需要見通しで見ると、若干の水量の増加が見込まれるものの、長期的には水のリサイクル技術の進展や景気の動向などにより給水量が左右されることから、依然として厳しい経営状況が続くものと予測されるところである。したがって、平成9年度においても引き続き関係部局との連携を密にしながら、水需要の拡大や経費の節減を図ることなどにより着実に経営改善を進めてまいる考えである。
 また、多様化する住民ニーズに対応した新しい事業への取り組みについては、環境との調和や自然エネルギーの有効利用を図る観点から、廃棄物や風力を活用した発電の可能性などについて、これまでに企業局が蓄積してまいった有形・無形の財産を生かすとともに、関係部局との連携を密にしながら、公共の福祉と企業経営の両面から調査研究を進めてまいりたいと考えておる。
 それでは、議案について御説明申し上げる。
 まず、予算についてであるが、平成9年度の予算は、先ほど申し上げた事業運営の方針により計上したものである。
 議案その2の54ページをお開き願う。議案第19号平成9年度岩手県電気事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は、業務の予定量であるが、第1号の年間販売目標電力量は、各発電所ごとの目標電力量の合計を5億5、383万キロワットアワーと定めようとするものである。
 第2号主要建設事業の早池峰発電所建設事業は、平成12年中の運転開始に向けて、発電所本体工事のうち、取水口工事及び水圧管路工事等を実施しようとするものである。
 次に、55ページに参って、第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。
 まず、収入の第1款電気事業収益は55億490万5、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業収益51億4、586万4、000円は、東北電力からの電力料収入等であり、第2項の財務収益2億3、920万9、000円は、株式配当金や預金利息等である。
 次に、支出の第1款電気事業費用は43億6、993万円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用36億3、776万5、000円は、発電所の運転、維持管理に要する職員給与費及び修繕費等である。第2項の財務費用5億8、636万円は、発電所の建設に要した企業債の支払利息であり、第3項の事業外費用1億4、080万5、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額13億1、503万3、000円を過年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は1億8、933万円で、その主な内訳であるが、第1項の企業債1億4、400万円は、早池峰発電所の建設資金を借り入れしようとするものである。第2項の負担金133万円は、仙人発電所の共有施設の改良工事負担金であり、第3項の長期貸付金償還金4、400万円は、工業用水道事業会計からの貸付金償還金である。
 次に、56ページをお開き願う。支出の第1款資本的支出は15億436万3、000円である。
 その主な内訳であるが、第1項の建設費1億8、961万円は、早池峰発電所の建設費であり、第2項の改良費5億9、208万1、000円は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費である。第3項の電源開発費2億6、461万5、000円は、新規の開発地点の調査等に要する経費であり、また第4項の企業債償還金4億5、305万7、000円は、発電所の建設に要した企業債の償還金である。
 次に、第5条の継続費についてであるが、これは早池峰発電所建設事業の事業費の総額及び平成9年度から平成10年度までの年割額を定めようとするものである。
 第6条の企業債は、早池峰発電所建設事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものである。
 次に、57ページの第7条は、一時借入金の借入限度額を1億4、400万円と定めようとするものである。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を、職員給与費について13億4、341万9、000円、交際費について228万円と定めようとするものである。
 次の第9条は、たな卸資産の購入限度額を1億円と定めようとするものである。
 以上で電気事業会計の予算の説明を終わる。
 次に、58ページをお開き願う。議案第20号平成9年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は、業務の予定量であるが、第1号は、北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する19事業所に対する給水量を年間総給水量で1、511万120立方メートルに、1日平均給水量で4万1、397立方メートルにそれぞれ定めようとするものである。第2号の主要建設事業は、第三北上中部工業用水道建設事業のうち、貯水施設となる早池峰ダムの建設費に対し、前年度に引き続き共同施設工事費を負担しようとするものである。
 次に、第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。
 まず、収入の第1款工業用水道事業収益は11億6、313万4、000円で、その主な内訳であるが、59ページの第1項営業収益の11億6、293万9、000円は、給水収益等であり、第2項の財務収益19万5、000円は、預金利息である。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は11億5、022万2、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用8億4、322万3、000円は、工業用水道施設の運転、維持管理に要する職員給与費、業務委託費及び動力費等である。第2項の財務費用2億8、173万8、000円は、施設の建設に要した企業債の支払利息等であり、第3項の事業外費用2、476万1、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額、3億1、939万8、000円を当年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は4億7、332万3、000円で、その主な内訳であるが、第1項の企業債2億3、800万円は、第三北上中部工業用水道の建設資金を借り入れしようとするものである。第2項の出資金1億3、302万3、000円は、経営健全化計画に基づき一般会計から出資を受けようとするものであり、第3項の補助金1億230万円は、第三北上中部工業用水道の建設事業に対する国庫補助金である。
 次に、支出の第1款資本的支出は7億9、272万1、000円で、その主な内訳であるが、第1項の建設費4億2、135万2、000円は、第三北上中部工業用水道の建設費であり、第2項の改良費819万4、000円は、各施設の改良及び更新に要する経費である。第3項の企業債償還金3億245万3、000円は、施設の建設に要した企業債の償還金であり、第4項の他会計からの長期借入金償還金6、072万2、000円は、一般会計及び電気事業会計への償還金である。
 次に、60ページをお開き願う。第5条の企業債についてであるが、これは第三北上中部工業用水道の建設事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものである。
 第6条は、一時借入金の借入限度額を3億5、000万円と定めようとするものである。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を、職員給与費について1億224万4、000円、交際費について9万円と定めようとするものである。
 第8条は、たな卸資産の購入限度額を100万円と定めようとするものである。
 以上が、工業用水道事業会計の予算であるが、工業用水道事業は、これまで一般会計からの財政支援や水需要の開拓などによる経営改善を進めてきた結果、平成9年度は、支払利息などの費用の低減が図られるほか、8年度後半から9年度にかけて、既存企業からの増量や新規の給水契約にめどが立ったことから、単年度収支が経営健全化計画の目標年次どおり黒字になると見込んでいるところである。
 以上で予算関係議案の御説明を終わる。
 なお、これらの予算に係る実施計画、資金計画、給与費明細書、継続費に関する調書及び財務諸表については、予算に関する説明書の482ページから533ページに記載しておるが、説明は省略させていただく。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。議案その3の110ページをお開き願う。
 議案第74号県営工業用水道料金徴収条例の一部を改正する条例についてであるが、これは平成9年4月1日からの消費税率の引き上げ及び地方消費税の導入に伴い、県営工業用水道の料金の額を増額しようとするものである。
 以上で企業部関係の議案の説明を終わる。よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇藤原委員長 ただいまの説明に対して質疑ないか。一括して御質問お願いする。

〇中屋敷委員 それでは、私の方から電気事業の平成8年度の発電状況、それに中小水力発電の開発、それから今話題になっておる廃棄物発電の関係の3点お伺いする。
 まず、予算書を見ると、平成9年度も11億円程度の利益が確保されているようである。電気事業会計であるけれども。企業が成長していくために、一定の利益が継続的に安定して確保されることは肝要と考えるところではあるが、そのような観点から、まず平成8年度の発電状況という点についてお伺いする。
 平成8年度の気象状況という点を振り返ってみると、上期においては、春先の雪解けによる潤沢な出水や梅雨期の降水に恵まれたことによって、農業も発電も順調に推移したといった感じをしておる。しかし、8月から9月にかけて好天が続き、平年に比べて降雨量が少なかった。それに加えて、10月の台風期にも極端に雨が少なくて、農業に関してはよかったのであろうけれども、この時期、盛岡地方気象台の記録では、気象台始まって以来の最低降水量であったとされておる。これから見ると、年間を通した気象状況というと、発電事業においてはやはり渇水年と言っても過言ではないのかなということで、目標の電力量及び料金収入は確保できるのであろうかという点を、今年度の実績見通しをお伺いしたいと存ずる。
 次に、渇水により生じた減収を渇水準備引当金で補てんされるということになっておるが、その補てん額の見込みと、この補てんが平成9年度はもとより、将来的に経営にどのような影響を及ぼしてくるかという点についてお伺いしたいと思う。
 次に、第2点目、中小水力の今後の開発についてお伺いする。
 我が国、これまでも2度にわたるオイルショックを通じて、エネルギーの量的制約や価格の高騰が電力の安定供給や料金に大きな影響を及ぼすという貴重な経験をしておる。このため、石油代替エネルギー、いわゆる電源の多様化が進められてきたと認識しておるけれども、地球の温暖化対策の観点から水力の重要性を再認識するべき、これが重要であると考えているところである。このような考えから、国においても平成5年6月に水力新世紀計画を策定して、水力発電を積極的に進めることとしておるけれども、とりわけ中小水力を受け持つ公営電気への期待が大きいものといった点で認識しておるけれども、今期においても、このような国の方針を受けて積極的に水力発電に取り組んでおり、昨年10月には松川発電所の運転を開始して、平成9年度には早池峰発電所建設事務所を設置して発電所本体工事に着工し、さらにその他の開発施設についても着々と調査を進めていく計画があると聞いておるところで、積極的な姿勢が示されたが、早池峰に続く新規開発は今後どのように進めているのかという点についてお伺いする。
 最後、3点目であるけれども、廃棄物発電についてお伺いする。
 本県ではごみ固形化燃料発電の事業化の可能性について調査検討を進めているところであるが、将来のエネルギー問題や地球規模での環境問題を考えるときに、クリーンで地域分散型の新エネルギーの一つとして、今後廃棄物発電が積極的に取り組むべき課題であると考えておる。ただ、事業化の検討に当たり、廃棄物処理部門と役割分担やさまざまな課題もあると伺っておるが、仮に公営企業として事業化をするとした場合、果たして採算性が確保されるのかという点が大きな問題になるわけであり、特に唯一の収入源である売電料金の単価がどの程度の水準に設定されるかが非常に大きな問題になると思うところである。この点に関しては、新聞報道等で先日、電気事業審議会における検討結果が出されたと報じられておったけれども、その具体的な内容をお聞かせ願いたい。特に、昨年から実施されておる入札制との関係はどうか、その点についてもあわせてお伺いしたいと思う。
 以上である。

〇千葉企業局長 渇水準備引当金については、伊東経営管理課長から答弁させる。
 まず、平成8年度の電気事業の発電状況であるが、今お話あったとおり、今年度の確保については、春先の融雪出水あるいは梅雨には恵まれたが、8月、9月が非常に雨が少ないという時期があり、河川の水の出ぐあいをあらわす出水率、これが平年対比で96・7%と、上期はまあまあいい形で推移したわけであるが、ところが下期に入って、10月の例年台風による雨を期待する時期であるが、ことしは台風がなかったということもあって極端に雨が少ないということで、先ほどお話あったとおり、10月は盛岡の気象台始まって以来の最低降水量という結果になった。10月だけ見てみると出水率が35・5%という低い数字になっている。したがって、発電実態についても目標電力に対する売電電力量がかなり下回るという結果になり、まだ3月が終わっていないが、見通しでは5億3、970万8、000キロワットアワーの目標に対して、実績見通しは86・6%の4億6、760万キロワットアワーになるものと予想をしておる。いずれ86・6%程度になると。また、料金収入については46億1、385万2、000円の目標に対して、実績では97・3%の約44億9、000万円になるものと予想をしている。
 次に、中小水力発電の今後どのように進めていくかということであるが、近年、二酸化炭素の排出による地球環境問題への関心が高まっており、特に非化石エネルギーに対する開発が強く求められておる。そういう中で、純国産で再生可能なクリーンエネルギーである水力発電の開発を進めることが強く要請をされておる。このことから、国においては水力新世紀計画を策定して、今後水力の開発を加速度的に進めることになっているところである。その中で、私ども地方公営企業においては、中小水力開発を担当しているわけであるが、本県ではこれまで積極的にその開発に取り組んできた結果、昨年10月に松川発電所が運転開始、合計で11発電所を持っておるが、最大出力で13万8、750キロワットと全国でも有数の規模に至っておる。
 しかし、最近の電気事業の動向については、一つには、電気事業法の改正による入札制度の導入による卸供給需要の自由化という動きがあるし、また昨年12月に閣議決定された経済構造の変革と創造型のプログラムというものが閣議決定されたが、その中で電気料金については2001年度までに国際的に遜色のない数字にすることを目的とすると。今の料金の2割まで引き下げるということが出されており、その中で特に電源調達にかかわる入札制度の活用を今後とも進めるという状況下になっており、言うなれば大きな変動の時期にあると。したがって、私ども公営企業にとっても厳しい局面を迎えているというのが実態である。
 しかし、水力の特性というものがあるわけであるので、私どもは今後とも水の開発については、経済性に優れた地点から順次開発を進めていきたいと思っておる。具体的には、早池峰発電所建設事務所については、平成9年4月1日に開設して、平成12年度完成を目指して今後発電所の建設を進めることにしておるし、柏台発電所についても、今後関係機関との協議あるいはいろいろな調査を行うために、平成9年4月1日に松尾村に調査事務所を付設することにしておる。このほか、開発決定された胆沢第三、北本内については、今後はダムの工程に合わせながら順次着工をしていきたい。さらに、その他8カ所ばかりであるが、開発調査継続地点があるが、これについては今後とも流量観測等の調査を引き続き実施していきたいと考えておる。
 次に、廃棄物発電の料金ということで、さきの電気事業審議会における検討結果の中身はどうかということであったが、廃棄物発電については、現在さまざまな角度から検討を進めているところであるけれども、その事業化に当たっては、今御指摘があったとおりいろいろな課題がたくさん包含されており、特にも採算性が一番のネックになっている。現在、廃棄物発電に係る電力会社への売電方式については、水力発電に用いられている総括原価方式ではなくて、入札方式、あるいは余剰電力購入メニューで行うことになっておる。こういう現状であるので、公営企業としては、これ全国の公営電気事業連絡会議があるが、その中で廃棄物発電については地球規模での環境保全、あるいは未利用エネルギーの有効活用という国家的な課題を解決するために、今後重点的に導入を図るべき資源エネルギーの一つとされているわけであるので、言うなれば競争原理の導入による入札方式には元来なじまないものであるという考え方を持っておるし、またこの廃棄物発電については、ごみの量によって発電器具が決定される。したがって、電源としてのスケールは比較的小規模とならざるを得ないということがあるので、競争原理の導入による市場競争力から見て、恐らく入札に参加しても落札は非常に難しいだろうという考え方を持っている。
 そういう動きの中で、電気事業審議会においては、このことを一つの検討課題として調査、審議をされたと伺っておる。この検討の過程においては、電力会社側からは、あらかじめ発電にウエイトを置いたものについては火力発電と同様に入札を対象とすべきであるという主張がなされて、いわゆる公営電気側と電力側との意見に大きな隔たりがあったということもあって、最終的には電気事業審議会、これはまだ中間答申であるが、地方公営企業が卸供給として廃棄物発電事業を行う場合の取り扱いについては引き続き検討することが必要である、いわば結論は出さないで引き続き審議会で検討するということになっている。現在、資源エネルギー庁においては、この点で本格的な検討を開始していると伺っておるが、いずれそういう動向を見ながら事業化の可能性等について見きわめていきたいと考えておる。

〇藤原委員長 この際お願いを申し上げるが、審議の進行上に御協力をしていただくことをよろしくお願いを申し上げたいと思う。それぞれ、質疑答弁については簡潔明瞭によろしくお願い申し上げたいと思う。

〇伊東経営管理課長 渇水準備引当金の補てん額の見込み、それから将来の経営見通しというお尋ねであったが、渇水準備引当金という制度は、水力発電事業が、気象条件等により発電量が著しく左右されるという、年度間の収益の増減が大きいといったようなことから、収支の平準化を図るために、電気事業法第36条の規定により、収益が目標を上回った場合は積み立て、下回った場合は取り崩すということにしているものである。8年度の見込みであるが、料金収入が目標を下回ることが予想されており、取り崩しして補てんする見込みであるが、その額については実績見通し等から算定すると5、840万5、000円と推計しておるところである。これは減収分の47・7%に当たると推計しておる。
 なお、渇水準備引当金の現在高であるが、3億1、316万8、000円となっておるので、この補てん額を差し引いても積み立ての適正な水準と考えておる限度額2億1、762万3、000円を上回ることになるので、9年度以降、電力料金の減収が生じたとしても経営上は十分対応できると考えているものである。

〇中屋敷委員 いずれ、幾ら優良な電気事業会計と言っても、先ほど御答弁になったようにいつ不測の事態が生じることもあるわけであるので、引き続き健全な経営化、特に新規電源の開発ということについてもっと積極的に取り組まれるよう御要望申し上げて質問を終わる。

〇谷藤委員 大分時間も押しているようであるので、早口になるかもしれないが、きっちりお聞き取りをいただきたいと思っておる。
 電力市場の自由化が水力開発に与える影響についてお伺いをする。
 電力事業法の改正により電力の卸供給が自由化され、電力市場への新規参入が可能になったところである。これを受けて東北電力管内においては、昨年の8月に電源調達に関する入札が実施され、10社が参加し2社が落札したと聞いておる。そのうち1社は、御承知のとおり新日本製鉄釜石製鉄所であるが、公表された発電出力は13万6、000キロワットで、これは県営の水力発電に匹敵する規模となっており、本県の電力自給に大きな貢献をもたらすものと期待されているのである。
 そこで伺うが、これによる県内の電力自給率はどのようなのであるか、お答えを願う。また、今回の新日鉄釜石の電源は石炭火力であり、落札価格は公表されていないのであるが、東北電力が設定しておった上限価格の17円を大幅に下回った模様である。この入札により県営の水力発電と他の電力との価格競争がいよいよ現実化したのであるが、このことにより本県が予定している水力開発がいかなる影響を受けるのであろうか。私は、水力発電が火力との同一市場で、同一条件下において価格競争になることはいかがなものかと存じておる。地球温暖化等の環境保全の観点からは、クリーンな水力開発が環境政策的な配慮のもとにもっとも積極的に推進されるべきものと考えるのであるが、水力開発に熱心に取り組まれている局としては、今後どのような戦略をもって新規の水力開発を進めていくお考えなのか、お伺いをする。
 次に、盛岡駅西口地区企業局所有地の状況についてお伺いをする。
 現在、盛岡駅西口地区ではマリオスの建設が急ピッチに進められておる。隣接する企業局所有地の活用策については、盛岡駅西口地区県有地活用検討委員会において全庁的に検討が進められていると聞いておるが、本県用地に係る売却条件として、平成9年3月までに施設整備を行う契約になっていると記憶しておる。この点に関しては、国鉄清算事業団との協議により弾力的に対応していただけるのではないかとの御説明をさきにいただいておったと思うが、その後、この取り扱いはどのようになっているのかお伺いをする。
 なお、当該用地の現在の利用状況についてもあわせてお聞かせを願いたいと思う。

〇千葉企業局長 新日鉄釜石の電力供給に伴う県の電力自給率については武蔵業務課長から答弁をさせる。
 まず、入札制導入による水力開発への影響であるが、今回の入札の結果、全国では落札価格が電力会社が設定した上限価格を2割、3割下回ったものがあったと伺っておる。一方、私ども取り組んでおる水力発電の料金については、地点ごとに開発コストに差があることから入札制になじまないということで、電気事業法上、総括原価主義によって料金認可制が採用されているわけであるが、今後、卸売先である電力会社の買い得る単価は、火力との比較で恐らく低く設定されることが予測される。したがって、今後の水力開発の推進を図る上から少なからず影響が出てくるものと懸念しておる。しかし、先ほどお話があったとおり、水力開発については環境保全の面からすぐれた特徴があるわけなので、今後とも単に経済性だけで評価するものではないと考えておる。したがって、県としても、今後とも水力開発には積極的に取り組んでまいる計画であるが、その推進に当たっては、経営の効率化を図ることはもちろんであるが、コスト低減のための自己資金の有効活用あるいはコストダウンのための新技術の導入、さらに国に対しては、この純国産の再生可能なエネルギーである水力の利点を考慮した発電原価のガイドラインの策定、これは前からも要望しておったが、まだなされておらないのでその策定について要望するとともに、助成制度の拡充等を引き続き要望していきたい。そういう中で、今後とも水力開発については少しも後退することのないように努めてまいる考えである。
 それから、盛岡駅西口の件であるが、売却条件とされておる期日の延長については、かねてから国鉄清算事業団との間で事前協議を進めてまいった。昨年12月に正式に変更承認申請を行ったところである。その結果、本年1月に同事業団から変更を承認する旨の回答を得ておる。その内容であるけれども、土地売買契約の締結日である平成4年3月7日から10年以内に土地利用計画が提出された時点で改めて指定期日等を定めるというものであるので、いずれ10年であるから、平成14年までに土地利用計画を出せばいいということになっておる。
 それから、現在の土地の利用状況であるが、この土地については、7年度から盛岡市に対して土地区画整理事業に伴う工事用資材置き場として1年更新で使用を許可しておる。さらに、JR跨線橋あるいは高架等の組み立てヤードの適地であることから、おおむね平成10年度末までに引き続き使用したいという意向を盛岡市は持っておって、したがって、その円滑な推進を図る観点から、同市の継続使用については協力をしていきたいと考えておる。

〇武蔵業務課長 新日鉄釜石の電力供給に伴う県内の電力自給率への影響についてであるが、今お話あったとおり、13万6、000キロワットで落札したと言われておる。もう1社は、八戸市の太平洋金属、4万4、000キロワットとなっておる。新日本製鉄釜石製鉄所の発電事業への新規参入ということは、県内における電力の自給率向上には大きく貢献するものと期待しているところである。当県における平成7年度の電力自給実績は、県内全消費電力量が77億500万キロワットアワーで、これに対し、県内施設からの供給電力量が16億8、500万キロワットアワーとなっておる。これによって、電力の自給率は21・9%となっておる。
 今後、新日鉄釜石が供給開始をした場合には、その供給電力量は年間約3億5、700万キロワットアワー程度と予想されておる。当局の平成7年度の供給電力量実績の約6割に匹敵するもので、これにより、県内自給率はおよそ27%程度になるものと推測しておる。

〇谷藤委員 非常に新しい電力の開発、いろいろな課題で進んでいると思うけれども、ただ、岩手県のように、水力発電という自然に優しいというか、環境に優しいという中での取り組みを進めておるわけであるので、それはそれとして大切な役割を持っているだろうと思うので、今後ともひとつ御検討をいただきたいと思っておるところである。
 それから、企業局所有地の活用問題についてであるけれども、この問題は、前局長の代から私、機会あるごとに随分取り上げてまいったわけであるけれども、公営企業という使命の存在で果たしていく観点から、なかなか難しいものがさまざまあったのだろうと思う。今度は企画調整部の方に全庁的な形で取り組むというように移行していったわけであるけれども、企業局として採算性とかいろいろなものを追求していく中で、いろいろ難しかったろうと私なりに感じ取っておるところであるけれども、もともと局長は我が盛岡一高の大先輩であるが、常勝ハンドボール部のエースとして国体に出場するなど、大活躍された積極型の局長だと私は認識しておる。特にも相手陣内に果敢に攻め入っていくというタイプの局長だと思っておるわけであるけれども、置かれている局の中で非常に複雑な心境だったのかなと私なりに思っておる。
 局長は、一昨年の5月のある会報で、読者の広場というもの、これに非常に感銘深い記事を載せているのである。これを見て、まさに局長の心境たるものをうたい上げているというか、書かれておるような記事に接した。これは、ある会報に寄せた中国古典に学ぶと題した巻頭言の中で、後に退く勇気は我が身を生かす。難しいのは後へ退く決断であるという意味の老子の敢えてするに勇なれば則ち殺し、敢えてせざるに勇なれば則ち活くという言葉を引用され、その心境を託しておられるように私なりに察したわけである。しかし、これまでいろいろ局内でやられてきた検討は決してむだではなかったと私は思っておる。その気持ちが、今度全庁的に取り組む中に、今まで取り組んできた考え方、いろいろ努力されてきたものが必ず来るのではないかと思っておるわけであるけれども、ここで局長の心境を、長年この問題に取り組んできた心境を最後に一言いただければと思う。

〇千葉企業局長 ただいまは非常にありがたいというか、非常に身にしみるお言葉をちょうだいして非常に感謝しておるが、私、今度県を去るわけであるが、その中で一番気がかりというか、残念なのは今の西口の開発の問題であった。私で3代目になるわけであるけれども、しかもさんざんお世話になっていながら、結局は成案を得ないで違う部へバトンタッチしたということで、非常にその点が残念である。ただ、いずれ新しい部署、新しい部で今盛んに検討しておるので、必ずやいい、すばらしい姿で西口に姿をあらわすものと、そういう確信をしておる。いろいろおしかりをいただいたが、これも一つの糧として、今後ともいろいろな面で頑張っていきたいと思っておる。

〇谷藤委員 まさにある意味では退く勇気というか、そのことに私は感銘をした次第である。まさにリーダーのとるべき対応というのは、前に行くときもあれば退くとき、これが非常に大切な対応、その時期を見きわめるということ、これがまさに局長の立場だったのかなと思う。
 質問を終わる。

〇藤原(泰)委員 私からは2点ほどお伺いする。
 まず第1点は、発電所の集中管理体制に向けた取り組みについてお伺いする。
 当局では昭和63年、盛岡市に施設総合管理所を設置し、昨年運転開始した松川発電所を含む県北部を中心とした九つの発電所を集中管理し、今日に至っているところである。厳しい経営環境のもと、より効率的な電気事業の展開を推進するなど、それなりに成果を上げてきているものと私は認識しておるが、今後においても、県南部における早池峰発電所や胆沢第二発電所あるいは工業用水道事業も含めた効率的な集中管理体制を整備していく必要があると存ずるが、いかがであろうか、所感をお聞かせ願いたいと思う。
 次に、第2点であるが、新規事業への取り組みについてお伺いする。
 近年、社会経済情勢が変化する中で、企業局においては、高度化かつ多様化する住民ニーズに対応するため、新たな事業の導入に向けてこれまで積極的に検討を行ってきていると伺っておる。一方、公営企業をめぐる環境を見ると、民間部門における企画力、技術力、資金力の向上等に伴い、民間との合理的機能分担や経営形態の多様化などに関する議論も多くなされているところであるし、また、規制緩和や行政改革等の流れの中で、民間の活動分野が拡大することが予想されるところである。したがって、このような状況の中で、新たな事業を検討するに当たっては、民間の企業活動との関係において、地方公営企業の役割なり、受け持ち分野をどのように考えるべきかという観点からの検討も大切であると思うのであるが、この点に関し、どのようにお考えになられておるか御所見をお伺いする。

〇千葉企業局長 発電所の集中管理体制については小野寺総務課長から答弁をさせる。
 新規事業の取り組みであるが、特に民間との役割分担についてということであったが、最近の社会経済情勢が大きく変化する中で、行政に対するニーズもいろいろと多様化、高度化してきておる。これに適切にこたえていくための手法として公営企業に対する新分野への取り組みの期待は大きいものがあると考えておる。
 一方、公営企業と民間とに分かれる分担については、民間は主として経済性あるいは効率性を追求するのがねらいであるのに対して、公営企業の方にとっては、これに加えて公共目的の達成のための行政手法であるということなので、その検討に当たっては、このことを基本に据えながら、一つには、高度の公共性や地域独占性を有するため民間で経営することが適当でないもの、あるいは採算性の確保に長い期間を要するなど民間でやりにくいもの、あるいは適切な民間サービス供給主体が存しないもの等については、その事業化の可能性について検討していくことが適当であると考えておる。
 なお、現在、自治省において、地方分権あるいは規制緩和の流れの中で、現行の地方公営企業制度全般にわたって見直しをしておる。その中で、民間企業分野との関係において、地方公営企業の受け持ち分野はどうあるべきかということも一つの検討課題として現在検討をしている段階である。そういうことで、今後とも自治省の動き等も踏まえながら、公営企業として取り組むことがふさわしい事業の導入に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇小野寺総務課長 発電所等の集中管理体制についての御質問であるけれども、企業局では、現在、電気事業として11の発電所、工業用水道事業として、一般水、それからろ過水をあわせて六つの施設の管理運営を行っているところである。このうち、県北部等の九つの発電所については、勤務環境の改善あるいは経営体制の強化、情報化時代への対応などを目的として、昭和63年に盛岡市に施設総合管理所を設置して管理の集中化を図ってきたものである。健全経営の促進等の面で効果を上げているものと認識しておる。
 現在、集中化されていない施設は、県南部にある胆沢第二発電所、それから仙人発電所、それから工業用水道施設であるが、このうち仙人発電所については、運転開始以来民間との共同運転管理を行ってまいった経緯等があって、また、工業用水道事業についても、その一部を北上市と共同運転管理していること等からこれまで集中化が進まなかったわけである。しかしながら、地方公営企業を取り巻く経営環境が厳しくなる中で、事業の健全な発展を図っていくためにはより効率的な管理体制の整備が求められているところであるし、さらには、早池峰発電所等、県南部の発電所の建設を進める計画もあることから、工業用水道事業を含めた集中管理の具体的な方法あるいは導入時期等について、昨年の4月以来、局内の施設等改善委員会において鋭意検討を重ねているところである。

〇藤原(泰)委員 この発電所の集中管理についてはいろいろ予算も伴うことだろうと思うが、できるだけ早く改善委員会で検討されて、早急に実現するようにお願い申し上げておく。
 それから、二つ目のお願いであるが、やはり情勢というのは非常に目まぐるしく進展する。特にもスピーディーに進展するということから考えると、やはり公営企業の役割というのはそれぞれの分野で検討されなければならないわけであるので、これも時代におくれないように、早急にそれぞれの手だてをしていただきたいという要望を申し上げて終わる。

〇斉藤委員 簡潔に聞く。
 工業用水道について、来年度やっと黒字に転化しそうだと、これは私評価したいと思う。それで、今回提案されている料金改定は、経営健全化計画で予定していた45円から50円の引き上げを断念して消費税増額分のみの改定ということであるけれども、なぜであろうか。平成9年度単年度黒字の見込みであるけれども、累積赤字は13億円余である。料金を据え置いたままでこの累積赤字を解消することができるのであろうか。
 あわせて、消費税の5%転嫁分、2%転嫁分は幾らか。
 黒字になるといっても経営健全化計画を下回ると思うけれども、それもあわせて示していただきたい。

〇千葉企業局長 私から料金据え置きの件と累積赤字の解消について答弁申し上げる。
 経営健全化計画では、この料金については平成4年度に36円から45円に改定するということで、これは計画どおり改定した。さらに、平成9年度から50円に改定する計画になっておる。いろいろ検討してきたわけであるが、改定しなかった理由の一つとしては、これまでの水需要の拡大あるいは経費の節減等の経営改善に向けた取り組みのほか、一般会計からの貸付金を原資にして高利率企業債の繰り上げ償還を行ったということ。それから、平成8年度までの欠損金は計画の数値を下回って推移してきていること。それから、平成9年度からは一般会計からの補助金の繰り入れがなくても計画どおり黒字になる見込みがあったこと。また、既存企業等の水使用計画によると今後とも増量が見込まれるということになっておるし、ただ、若干景気の変動等があると計画がダウンすることも考えられるが、いずれ今後とも増量が見込まれる。さらに、国の定める基準料金、これについては、第二北上工業用水道については50円、北上中部と第三については45円と、それぞれ違う。したがって、第二のみが改定が可能だということになっておる。そうすると、現在、第二については北上南部工業団地の造成が完了して、今、積極的に企業誘致をやっているわけであるが、そういうときに来年度から50円にするということはいかがなものかということもあるし、また、第二については金ヶ崎中部工業団地、第一と第三は北上工業団地に水を出しておるが、それぞれ同じ業種が張りついておるので、したがって、片方を50円、片方を45円ということになると非常に企業誘致政策上好ましくないということもあって、自治省との協議を重ねて今回料金改定を見送ったということである。
 それから、累積欠損金約13億円あるけれども、その解消については、経営健全化計画上では平成19年ごろには解消になると見込んでおるが、今後とも水需要の拡大が最も重要であることから、既存企業への増量要請あるいは新規需要の開拓をより積極的に進めながら、さらには運転管理体制の見直し、あるいは経費の節減などによってコストの低減を図って、できるだけ早い時期までにこれが解消になるように最大の努力をしてまいりたいと考えておる。

〇伊東経営管理課長 消費税率の改正に伴う影響額であるが、工業用水道事業で約960万円余と算出しておる。

〇斉藤委員 私は立つつもりはなかったけれども、答弁がちょっと不十分だから、消費税の5%転嫁分は幾らか、2%増となる転嫁分は幾らか。
 それと、経営健全化計画から見て、私は、黒字になるといっても、経営健全化計画が見込む3、174万円の黒字から見れば89万3、000円の黒字はわずかだから、その点も踏まえてやる必要があるのではないかと思う。

〇伊東経営管理課長 5%の税率で申し上げると、延べ税額は2、476万1、000円、それから、2%の分の影響額であるが、961万6、000円と推計しておる。

〇瀬川委員 千葉企業局長におかれては、この3月をもって御勇退されるとのことである。この機会をおかりして、お礼の言葉を申し述べさせていただく。
 千葉企業局長が県に奉職されたのは昭和38年、東京オリンピックの前年、我が国がまさに豊かさを求めて高度経済成長の道を駆け進んでいるときであり、県政にあっては、阿部知事から革新の千田知事へとかわった年であった。折しも本県開発の指針とも言うべき岩手県総合開発計画の策定に取りかかっている時期であり、情熱に燃えた若き俊英は所管する企画開発局に配置され、いかんなくその才腕を発揮されたのだと聞いておる。
 その後、県勢発展のため、生きとし生ける身柄を燃え尽くすごとくに職務に精励され、人事課、財政課と県政の中枢を駆け上り、昭和58年には地域振興課長に抜擢され、新幹線開業などの高速交通網整備の優位性を掲げ、県外に向け、企業誘致の先兵として積極果敢に取り組まれ、数々の実績を上げられたのである。
 それから、消費生活課、県民生活課、農政企画課の各課長、土木部、生活福祉部の各次長、そして、地方労働委員会事務局長と数々の要職を歴任され、あまたの業績を残してこられたとのことは広く世評に響くところでもある。特にも平成3年の生活福祉部次長時代には、東日本最初の開催となった高齢者の祭典ねんりんピック'91を室長として陣頭指揮をとられ、それまでの記録を大きく上回る参加者をいただき、しかも大盛況を博し、全国の高齢者に夢と希望を与え、大成功裏に幕を閉じることができたが、県民のだれにとっても忘れることなき思い出であり、また、誇りに思っているイベントの一つでもある。
 そして、平成6年4月に現在の企業局長に就任されるや、電気事業については、自然、生活環境に優しいエネルギー、水力の開発に熱心に取り組まれ、松川発電所を竣功、運転開始に導き、さらには早池峰発電所の建設や柏台発電所も手がけられるなど、電気事業の揺るぎない経営基盤の確立に向け御尽力されたことは各位御承知のとおりである。
 一方では、経営健全化計画推進の途上にある工業用水道事業について、厳しい経営環境にありながらも、粘り強い改善努力の積み重ねにより、明年度はいよいよ単年度黒字を計上できるほどまでに改善し得たことは、卓越した才腕によることとはいえ、日夜にわたる御尽力のゆえのことと存ずる次第である。
 また、日常にあっては、辺幅を飾らぬその温厚篤実のお人柄は、部下、職員の方々の信頼も厚く、精神的な支柱として尊敬されてきたともお聞きする。
 以上、千葉局長の34年余にわたる県勢発展に対する功績の一端と人となりを申し述べたが、ここに長年の御尽力に改めて感謝を申し上げる次第である。
 お別れするに当たり、酒をこよなく愛する局長には、君に勧む更に尽くせ1杯の酒という王維の詩句がふさわしいのであるが、恐らく現在の局長は、1杯の酒ではなく、いっぱいの、すなわちたくさんの雨が欲しいというのが本音なのかもしれない。なぜなら、常々電気事業経営のことが頭から離れないであろう局長におかれては、より多くの雨が降って、川の水がふえて発電量がいささかでもふえてほしいと念願され、日夜にわたり御心労されていることが察せられるからである。
 退任後は健康に十分留意されるよう、一層の御発展と御健勝を心からお祈り申し上げて送別の言葉としたいと存ずる。
 御勇退に当たり、千葉企業局長の所感の一端を披瀝していただければ幸いと存ずる。

〇千葉企業局長 ただいまは瀬川委員から大変身に余るお言葉をちょうだいして、まことに恐縮しておる。
 思い起こすと、ただいまお話があったとおり、昭和38年の3月1日、いわば年度末のぎりぎりのときに当時の企画開発局に入った。その年に企画部と組織がえになったが、そこを皮切りに、知事部局を6部、地方労働委員会、最後は企業局長として多くの県庁の部署で仕事をさせていただいた。
 この間、半数近くが総務勤務ということで、毎日残業に追われたことが思い出されるが、いずれ楽しかったこと、苦しかったこと、いろいろなことがあったが、微力ながら何とかここまで来れたのも、職場の上司あるいは同僚初め、委員の先生方の御指導、御鞭撻のたまものであり、この場をおかりして心から御礼を申し上げる。今後は、この経験を私の貴重な財産として、県勢の発展に少しでもお役に立ちたいと思っておる。
 企業局は、現在、優良な事業と、その他全く逆の事業、二つの事業をやっておるが、工業用水道事業については、わずかではあるが9年度には単年度収支が黒字になるという見通しになって、内心ほっとしているところである。ただ、やはり心残りなことは、先ほど申し上げた西口の問題であった。いずれ今盛んに検討しておるので、近い将来立派なものができるものと確信をしておる。
 最後になるが、県勢の限りなき発展と委員の先生方のますますの御活躍を心から祈念申し上げて御礼とする。長い間本当にありがたかった。(拍手)

〇藤原委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原委員長 ないようなので、これをもって企業局関係の質疑を終わる。
 お諮りする。当委員会に付託された議案72件について、その意見の取りまとめの方法であるが、午後5時から議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果を待って午後5時20分から委員会を開き、結論を出すことにしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原委員長 御異議なしと認め、さよう決定をする。
 この際、意見の取りまとめのため午後5時20分まで休憩する。
   午後4時57分 休 憩
 
   午後5時21分 再 開

〇藤原委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 一般会計予算に対する各会派の意見の取りまとめについて、協議をした結果をご報告を申し上げる。
 議案第6号については、次の意見、すなわち、平成9年度における本県財政は、経済動向等から見て、税収や国庫補助金、地方交付税の伸びに多くを期待できず、また、歳出面においては、公債費等の義務的経費の増加や県立大学整備、東北新幹線建設促進など、多様な財政需要の増大が見込まれることなどから、一段と厳しい財政環境下に置かれるものと予想される。このような厳しい財政環境を踏まえ、財政運営に当たっては、経費の節減合理化、財源の効率的活用の徹底、行財政運営を地方分権の時代を展望した機動的、効率的なものに改善するための行政改革に積極的に取り組まれるとともに、第三次岩手県総合発展計画の後期実施計画に基づく諸施策について、より一層積極的に推進し、活力ある地域社会の形成と地域の特性を生かした県土の均衡ある発展にさらに努力せられたい旨の意見を付し、原案を可とすることの意見があった。
 これより、議案第6号について採決する。
 本案は、ただいまの意見を付し原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇藤原委員長 起立多数である。よって、議案第6号は、ただいまの意見を付し原案を可とすることに決定をした。
 次に、議案第16号から議案第18号まで、議案第20号から議案第25号まで、議案第32号から議案第49号まで、議案第51号から議案第55号まで、議案第57号から議案第68号まで、議案第70号から議案第72号まで、及び議案第74号から議案第84号まで、以上58件について一括採決をする。
 各案件は原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇藤原委員長 起立多数である。よって、議案第16号から議案第18号まで、議案第20号から議案第25号まで、議案第32号から議案第49号まで、議案第51号から議案第55号まで、議案第57号から議案第68号まで、議案第70号から議案第72号まで、及び議案第74号から議案第84号までは、原案を可とすることに決定をいたした。
 次に、議案第7号から議案第15号まで、議案第19号、議案第27号、議案第56号及び議案第86号、以上13件について一括採決をする。
 各案件は原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇藤原委員長 起立全員である。よって、議案第7号から議案第15号まで、議案第19号、議案第27号、議案第56号及び議案第86号は、原案を可とすることに決定をした。
 以上をもって当特別委員会に付託された案件の審査は全部終了した。委員各位の御協力に対して深く感謝を申し上げる。
 これをもって予算特別委員会を閉会する。(拍手)
   午後5時25分 閉 会


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