平成9年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号96年度岩手県一般会計補正予算並びに第3号から第4号について、反対の討論を行います。
 反対の第1の理由は、本補正予算に4月からの消費税増税を前提とした税制改革関連費、いわゆる臨時福祉特別給付金が盛り込まれているからであります。消費税増税中止は、総選挙後の短期間に810万を超す請願署名が国会に寄せられていることに示されているように、国民、県民の圧倒的多数の願いであります。消費税増税の是非をめぐって、国会で本格的な論議がなされているさなかに、県民多数の願いを踏みにじり、しかも97年度予算を先取りして消費税増税対策費を先行実施することは断じて容認できるものではありません。
 臨時福祉特別給付金は、消費税増税の影響を緩和する弱者対策であると言われますが、その中身は、限られた低所得者、高齢者に対し、1万円を1回限り給付するものであります。橋本自民党内閣は、社民党、さきがけの協力のもとに、消費税5%増税、特別減税の廃止、医療保険の改悪によって、9兆円という史上空前の国民負担を押しつけようとしています。それは、国民1人当たり7万5、000円、4人家族で30万円の負担増であります。1万円の給付では、涙金にもなりません。消費税の5%増加を中止することこそ、本当の弱者対策ではないでしょうか。
 第2の理由は、国の悪政に追随して、補正予算として計上する緊急性も必要性も認められない従来型の公共事業ばらまき予算だということであります。補正予算の約7割を占めるガット・ウルグァイ・ラウンド対策は、約200億円にもなる大型の補正であります。その中身は、農家が切実に求める農産物の価格保証対策には背を向けた、土建業者を潤す農業土木事業のばらまきであります。さらに、実情を無視した大規模農家育成で、結局、農家に新たな負担と借金を押しつけかねないものであります。土木部関係の73億円余の公共事業も、防災事業を名目にしながら、当面、工事の不可能な雪崩対策事業など、来年度事業を実質膨らませるものでしかありません。林業水産部関係の林道工事なども、その緊急性、必要性が問われるものであります。
 第3の理由は、こうした公共事業の増大が88億円余の新たな県債の発行、県民への借金によって行われることであります。96年度末の県債残高は、現時点で7、984億円余となる深刻な状況であります。こうした借金増大型県政の転換が強く求められています。そのためには、従来型の公共事業の総点検を行い、真に県民にとって必要、緊急なものに精選、優先して取り組むことが必要であります。また、従来型の公共事業の継続では、6年目を迎えた深刻な不況に見るように、景気対策にもなり得ないのは明らかであります。不況打開の最大の課題は、政府の国民生活白書も指摘している国民の消費購買力の拡大と中小企業対策の強化であります。
 最後に、債務負担行為分を含めて424億円余の大型補正予算を提案した当日に採決するというやり方は、議会の慎重審議を軽視するものであり改善を求めるものであります。
 議案第3号から第5号までは、建設事業に要する経費の一部を市町村に負担させるものであり、反対するものであります。
 以上、反対理由を明らかにし、私の反対討論といたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号及び議案第3号から議案第5号までを採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第1号及び議案第3号から議案第5号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号平成8年度岩手県流域下水道事業特別会計補正予算(第2号)を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第2号平成8年度岩手県流域下水道事業特別会計補正予算(第2号)は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後3時50分 散 会

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