平成9年6月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(大久保豊君) 新進・公明の大久保豊でございます。
 増田知事におかれましては、就任以来2年余を経過し、その行動力、実行力に敬意を表しながら、通告に従いまして質問させていただきます。
 まず、行政機構の再編整備についてお伺いします。
 県においては、直面している高齢化や少子化、さらには、来るべき地方分権の時代に積極的に対応するため、本年4月から本庁機構の部の再編と地方振興局における保健所との連携や土木事務所等の統合などによる機能強化を図ったところであります。まだその成果を問うのは時期尚早とは思いますが、現段階で十分にその機能が発揮されているかどうか、知事の御所見をお聞かせ願います。
 次に、県政懇談会における意見、提言に対する取り組みについてお伺いします。
 知事は、就任以来全市町村で県政懇談会を開催し、県政に対する要望や地域課題など多くの意見、提言をお聞きになったことと思いますが、これら意見等を今後の県政にどのように反映されていくおつもりなのでしょうか。
 また、21世紀の岩手を語る会、特定課題を語る会を各地で開催しているところでありますが、先般、大槌町で小学校児童との懇談会を開催したと伺っておりますが、これからの岩手を支える子供たちとひざを交えてお話しされたことは大変有意義と思い、高く評価するものであります。こうした子供たちと直接対話されることは、子供たちにとって県政が身近なものと感じられるとともに、ふるさと岩手に対する関心を深め、ひいては地元定住促進の一助となるのではないかと考えられます。
 そこで、今後、こうした懇談会の機会を中・高校生まで拡大する考えがおありなのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、農業問題についてお伺いします。
 私は、昨年の9月定例会において農業の担い手確保に関する質問をいたしましたが、これに対して知事から、本県の農業は、労働条件や所得の面において他の産業と遜色のない産業となるように、多くの青年たちから選択され得る魅力ある農業、農村を築く考えである旨の答弁をいただいたところでありますが、先般、あるマスコミによりますと、農業に就職する若者がふえているとの見出しで、千葉県の農業法人協会が就職情報誌に求人広告を出したところ、34人の募集に対して約100人の応募があり、二、三十代の男性が多いが、四、五十代の転職組もあったとの報道がありました。私は、千葉県という地域環境からのあらわれと思いますが、我が岩手県では社会基盤の整備等のおくれから、後継者確保は極めて重要に考えていかなければならないと思いますが、最近、公共事業のコスト縮減あるいは見直しが論じられている中で、整備が進んでいる平野部と中山間地域が同様にとらえられるということは、生産者が意欲を持ち、安心して営農できないものと私は思いますし、新規就農者も入ってこないのではないかと危惧するものであります。
 そこでお尋ねしますが、本県は中山間地域を多く抱えているだけに、これら地域を対象として新規就農者対策を強力に推進する必要があると思うのですが、県はどのような考えをお持ちか、また、どのように対処していくのかお伺いします。
 次に、農山漁村でゆとりある休暇を楽しむ活動、いわゆるグリーン・ツーリズムの取り組みについてお尋ねいたします。
 県内では、産直、都市消費者との交流、都会の小・中・高校生の農作業体験やホームステイなどを通じてグリーン・ツーリズムに対する関心が高まっており、本格的に取り組もうとしている市町村も出てきております。これからは余暇活動の増大で観光地を駆け足で回る物見遊山的な旅行も見直され、かわって農山漁村でゆったりと休暇を過ごす滞在型の旅行がふえると予想されており、グリーン・ツーリズムはこうしたタイプの旅行の登場を意味するものであります。
 グリーン・ツーリズムは、70年代からフランスやドイツなどを中心とした西欧諸国で発達し、低価格の民宿と都会人のバカンスがうまくかみ合い、過疎に悩む農村の活性化に成功している例が多いと聞いております。本県は県土の3分2が中山間地域であり、これら地域では高齢化や人口の減少で活力が低下してきている状況にあり、こうした中でグリーン・ツーリズムの取り組みは地域活性化の一つの大きな手段として期待されております。グリーン・ツーリズムの普及定着には、休暇制度の違いなど西欧諸国とは条件が異なり時間がかかるものと思いますが、本県においてはこれに積極的に取り組み、早期に定着させることが重要であると考えます。
 そこでお尋ねしますが、去る6月11日に市町村や農林漁業団体などによる岩手県グリーン・ツーリズム推進協議会が発足したところでありますが、この協議会が市町村や地域のグリーン・ツーリズムの取り組みに対してどのような支援をしようとしているのか、その具体的な取り組みについてお示し願います。
 次に、稲作についてでありますが、農林水産省盛岡食糧事務所は、今月の1日に9年産の品種別作付面積の見込みを公表しました。これを見ますと、食味評価の高いひとめぼれが前年より約900ヘクタール増加し、2万9、000ヘクタールと4年連続でトップとなっており、次いであきたこまちが約100ヘクタール増の1万7、500ヘクタール、逆に需要が低下しているササニシキは約1、000ヘクタール減少して6、200ヘクタールとなるなど、ササニシキからひとめぼれへの作付転換が一層進んでおります。一方、本県オリジナル品種ゆめさんさが200ヘクタール、かけはしが約700ヘクタール増加してともに2、700ヘクタールと、農家に徐々に浸透してきております。特にかけはしは前年に比べて35%増加し、昨年の落ち込みを相当盛り返しております。これは、何と申しましても7年のいもち病大発生を教訓として、昨年県単独でいもち病の防除に対する補助を行い、その結果この病気がほとんど発生しなかったことによるものと思っており、県は本年度もこの助成事業を継続して実施することとしておりますので、来年度はさらに作付が拡大するのではないかと大いに期待をしており、こうした技術が定着し、かけはしが県北地帯の主力品種として一日も早く育つことを願うものであります。
 そこでお伺いしますが、県は、今後かけはしの生産振興にどのように取り組み、将来の作付面積をどの程度まで拡大する考えなのかお示し願います。
 次に、農協問題についてお尋ねします。
 金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律、いわゆる金融健全化法の施行に伴い、平成10年4月に発動される金融業務取扱機関の自己資本比率4%未満に対する措置に該当する農協は本県にもあり、殊に県北に多いと伺っております。中には、再建10カ年計画を策定し、組合員や役職員が一丸となって血と汗を流し、再建に向かって努力をしている農協もあるようです。自己資本比率4%を達成するためには相当の努力を要する農協があると思われますが、県として、これに対しどのように指導する考えなのか、まずお伺いします。
 住専処理から端を発した一連の金融業界の不祥事件により農林系統の損失負担は多額になっており、県信連や県共済連もその多額な損失を背負いながらも末端組合員には迷惑をかけないとしておりますが、それほど体力があるならば、単協独自の努力だけでは到底再建が困難で存亡が憂慮される農協に対し、系統として是正措置に伴う支援など、どのような対策を講じられようとしているのか、県として把握しているところをお聞かせ願います。
 また、本県は四国4県に匹敵するほどの面積を有し、広大なる農地を持った農業県でありますが、特に県北部の農家は農業所得の割合が高く、最も典型的な中山間農業地域であり、それを支える単位農協の使命と役割はまことに大きいものがあります。金融健全化法の施行を目前にして、お隣の青森県の施策を耳にするなど、全国的に農業を守るための農協に係る支援策を打ち出しておりますが、本県の対策をどのように考えているか、もし考えがあればその内容をお示し願います。
 次に、水資源対策についてお伺いします。
 水は、私たちの生活や活動にとって欠くことのできない基本的な資源であるとともに、私たちが共有する貴重な財産でもあります。しかしながら、世界的には人口増や生活水準の向上に伴う水需要量の増加、さらには、近年、地球温暖化等に伴う大規模洪水、異常渇水等が地球規模で多発しており、水資源を取り巻く環境は厳しさを増しております。今日、世界の人口の40%を占めている八十数カ国において、飲み水のみならず農業用水の水などが不足していると言われております。我が国においても、最近では関東地方で冬季に渇水が発生するなど、渇水は夏場だけのものではなくなってきており、国民生活や経済社会活動に多大な影響を与えています。本県においては、平成6年度の全国的な渇水においても比較的その影響が少なく、恵まれた水利を行ってまいりましたが、平成8年の沿岸部の簡易水道においては渇水に伴う塩水化が発生し、さらには今年春先の少雨の影響による農業用水の不足が県南部の両磐地方で発生しました。
 一方、総理府の人と水のかかわりに関する意識調査の結果では、おいしい水や美しい水辺空間へのニーズや節水意識の高まり、水の再利用、水源地等における森林整備に対する要望等の高まりが見られるところであります。
 このようなことから、本県においても安定的に水資源を確保するとともに、多様化する水資源へのニーズに対し総合的に対応していくことが重要な課題と思われます。つきましては、県としての総合的な水資源対策への取り組みについてお伺いします。
 次に、防災対策についてお尋ねします。
 阪神・淡路大震災を契機に県内の市町村でも地域防災計画の見直しが行われており、現に盛岡、大船渡市など30の市町村では見直しを終え、雫石、軽米町など6町村が県との協議を開始し、残る23市町村も9年度中には見直しを終える予定で、すべての市町村で足並みがそろうことになります。こうした計画の見直しに当たっては、過去の津波災害を教訓に沿岸市町村は自主的防災組織の強化に力を入れているほか、花巻や一関は洪水対策を想定するなど地域性を加味したものとなっており、その取り組みは大いに評価されるものであります。しかし、先般、秋田県鹿角市で発生した土砂崩れでは、幸い人命に対する被害はなかったものの、観光関係者等に少なからず影響を及ぼしていると伺っており、災害現場と背中合わせの本県では決して他人事ではなく、同様な危険箇所があるのではないかと危惧するものであります。
 そこで土木部長にお伺いしますが、本県の土石流危険溪流等の危険箇所はどのように分布し、その対策はどのように講じておられるのかお示し願います。
 次に、公共工事のコスト縮減対策についてお伺いします。
 公共工事を取り巻く環境は、地方の実態とはかけ離れて年々厳しさを増しているように思われます。近年、日本全体の高コスト構造も一因となって、我が国の公共工事は欧米より約3割も高いとされ、その実施方法や経済効果等についてもさまざまな議論や指摘がなされるところであり、厳しい財政事情のもとで、着実に社会資本整備を推進するためには、こうした公共工事のコスト縮減対策は避けて通れない喫緊の重要な課題であると考えるものであります。このため、国においては全省庁を挙げて公共工事のコスト縮減に取り組むこととし、本年4月に公共工事コスト縮減対策に関する行動指針を発表しました。この指針によりますと、コスト縮減目標を10%以上とし、計画、設計から施工まで各段階で具体策を検討し、平成9年度から11年度までの3年間にすべての施策を講ずることとされております。建設省ほか関係省庁は、この国の行動指針を受けてそれぞれ行動計画を策定し、自治省は各地方公共団体にも公共工事のコスト縮減の協力を要請したと聞いております。広大な県土を有し、豊富な資源に恵まれた本県において、来るべき21世紀にさらなる発展を持続させるためには、おくれている社会資本の整備、特に道路、河川や下水道等の住民が待望する公共施設を重点的に推進する必要があるものと認識しており、そのためには、まず、早急に県版の行動計画を策定して公共工事コスト縮減対策を推進し、コスト縮減による余剰については、予算の削減に連動することなく、公共工事の整備促進に向けていただきたいと考えるものであります。
 そこで、本県における公共工事コスト縮減対策の取り組みの現状についてお伺いします。
 次に、林業公社について伺います。
 今さら申し上げるまでもなく、本県は全国第2位の広大な森林面積と木材生産量を誇る森林・林業県であり、この緑豊かな森林は、木材の供給を初め、土砂崩れ、洪水などの災害の防止、水資源の涵養など多くの役割を果たしており、安全で快適な県民の生活環境の保全に大きく貢献していると言っても過言ではありません。しかも、戦後荒廃していた森林の復旧と森林資源の整備充実を図るため進められた造林事業は、今では50万ヘクタールに及ぶ人工林が造成され、21世紀の初頭には主伐期を迎えようとしています。この豊かな森林資源を基盤として、今後、本県の林業、林産業の振興を図ることにより、本県は、我が国の木材供給基地としての地位を確保できるものと期待しております。
 こうした中で、県行造林、公社造林など、いわゆる機関造林は、森林所有者にかわって造林事業を進め、民有林の人工林の約3割を占める分収林を造成しており、本県の森林資源の質的充実を図るとともに、農山村の就労の場を提供するなど、地域林業の振興と農山村の活性化に大きな役割を果たしてきたところであり、特に林業公社は、造林のおくれていた県北地域、豪雪地帯の森林整備の促進に大きな役割を果たしてきたところであります。林業の経営環境が厳しい今、林業公社は本県唯一の森林整備法人としてその果たす役割は大きく期待されており、他県の公社の例を見ても、森林の整備のみならず、林業の担い手の相談窓口、緑化活動の中心的役割を果たすなど、幅広い分野で森林、林業の振興に大きく寄与しているところであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 本県においても、今年度から林業公社が県有林の現場の仕事を引き受けることにより業務の拡大が図られるとお聞きしておりますが、今後の林業公社の発展にとってまことに時宜を得たものと考えております。
 そこでお伺いしますが、これまでの林業公社は、主として県北地域及び豪雪地帯の14市町村の区域を対象に造林事業を展開してきており、組織体制もそれに応じた規模のものと認識しているところであります。しかし、今後、県有林事業を受託することにより業務量もふえ、それなりの組織体制が必要と思われますが、県はどのように対応しようとしているのか、また、それに対する支援をどのようにとろうとしているのかお伺いします。
 次に、間伐の促進対策について伺います。
 本県の森林は、戦後の復興資材として利用するため多くの森林が切られた結果、洪水や山崩れ等の災害が発生し、多くの貴重な人命、財産を失ったところであります。この状況を見た我々の諸先輩は山づくりの必要性を痛切に感じ、多くの苦労を重ねながら現在ある緑豊かな森林を造成されたことは皆様御承知のとおりであります。森林は造成されましたが、まだ若い林が多く、今後間伐を初めとする各種の手入れが必要であると考えておりますが、県内の現状を見ますと、長引く木材価格の低迷等により、森林所有者の意欲の減退や林業労働力の減少等から、県内各地において間伐のおくれが見受けられます。私の地元である九戸村においては、切ってそのまま山に放置される間伐材がありましたが、幸いにも九戸村森林組合の小径木加工施設である九戸パイン工場が昭和63年度に本格的に稼働するようになってからは、アカマツ、カラマツの間伐材を台形集成材の原料として有効に活用することが可能になり、その結果、山に放置される間伐材も少なくなり、おくれていた間伐が近隣市町村も含めて進み、第1回目の間伐の大半を終了いたしました。しかしながら、県北地方の主要な樹種であるアカマツ、カラマツは、50年前後の伐期では木材価格の安さに加え、樹種特有の長所も生じないことから80年以上の長い伐期にする必要があり、そのためには2回以上の間伐を行い、良質で価格のよい木材を供給する必要があると考えております。
 そこで、県においては、平成9年度から県単事業を創設するなど間伐を一層推進しようとしておりますが、今後の間伐の促進をどのような方針のもとに進めようとしているのかお示し願います。
 次に、日本一の炭の里づくりについてお尋ねします。
 木炭産業は、地域の資源をみずからの伝統技術で生かす自然に優しい産業であり、本県は、ナラなどを初めとする豊富な広葉樹資源を背景に全国第1位の木炭生産県となっております。また、木炭の生産量は、本物志向の流れの中で近年そのよさが見直されるとともに、レジャー用のほか、土壤改良や水質浄化、床下調湿など、新たな分野での活用が注目され、消費の拡大が期待されるところであります。
 このような中で、本県では木炭を核とした地域振興を図るため、平成5年に九戸村や山形村など九戸高原地域の6市町村を対象に日本一の炭の里づくりが構想され、県を初めとする関係者の御努力によってその実現に向けて着実に推進していると伺っております。しかしながら、木炭の生産環境をめぐる情勢は、最近価格が若干持ち直しているとはいえ、安価な輸入木炭の増加に加え、後継者不足や高齢化の進行などによりますます厳しさを増しているのではないかと思います。
 そこで、木炭生産施設の近代化などを進め、経営の安定化を図っていくことが重要な課題であると思いますが、県ではどのように取り組んでいかれようとしているのかお伺いいたします。
 最後に、児童福祉法の改正に伴う対応についてお尋ねいたします。
 児童福祉法は戦後間もない昭和22年に制定されておりますが、この間50年が経過し、社会は大きく変貌を遂げております。特にも、法制定当時、全国の年間約270万人の出生数が現在は半数以下の120万人に激減し、合計特殊出生率も4・3から1・4となるなど、少子化が進んでおります。また、既婚女性の雇用者は、昭和30年当時約170万人だったものが平成7年には約1、170万人になるなど、夫婦共稼ぎ世帯が一般化しております。一方、家庭や地域の子育て機能の低下が叫ばれている中で、いじめや不登校、児童虐待など、児童と家庭を取り巻く環境は大きく変化しております。国においては、このような状況を踏まえ、児童福祉法制定50年の節目に当たる本年、児童福祉法の抜本改正に及んだものと伺っております。改正後の児童福祉法には、保育所の入所の仕組みと保育料の負担方式の改正や児童福祉施設の見直しなどが盛り込まれており、県民や関係者に大きな影響が及ぶものと考えております。
 そこで、県として、このたびの法改正をどのように受けとめ、どのように対応しようとしているのかお伺いします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴まこにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 大久保豊議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、行政機構の再編整備についてでございますけれども、急速な高齢化・少子化の進行などの社会経済情勢の変化に伴う新たな行政課題や県の総合発展計画などに基づく県政の推進方向に適切に対応するとともに、県民サービスの充実向上を図るために、本年の4月から本庁、そして出先機関を通じた大規模な行政機構の再編整備を行ったところでございます。本庁におきましては、新たに生活環境部、保健福祉部を設置いたしましたほか、企画調整部を企画振興部に、そして、商工労働部を商工労働観光部にそれぞれ改め、また、出先機関、とりわけ地方振興局におきましては、土木事務所を土木部といたしましてこれをその中に統合いたしますとともに、保健医療部門と福祉部門の組織的連携の強化を図りましたほか、本庁の有している権限の大幅な委譲などを通じて総合性、自己完結性を高めまして、地域振興の拠点としての振興局の機能強化を図ったところでございます。これらの行政機構につきましては、再編整備後まだ間もないところでございますけれども、各市町村や県民の皆様の御理解、御協力、そして職員の創意工夫と努力によりましてその運営は着実に軌道に乗ってきておりまして、おおむね所期の目的を達成しつつあるものと、このように認識をいたしております。
 今後におきましても、ドリームランド岩手の創造に向けまして、地方分権の時代を展望した施策展開にこたえ得る機動的かつ効率的な組織体制となるように、不断に見直しを行いまして、この整備充実を図っていきたいと考えております。
 次に、県政懇談会の意見・提言に対する取り組みについてのお尋ねでございますけれども、私は、県政推進の基本姿勢といたしまして、県民に開かれた、わかりやすい県政を掲げまして、あらゆる機会をとらえて、多くの県民の皆様方から県政に対するさまざまな御意見や御提言を直接お聞きをし県政に反映をさせてまいりたいと考えまして、まずその一環といたしまして、県内59市町村で県政懇談会を開催をしたところでございます。
 この懇談会におきましては、県議会議員の皆様方にも貴重な時間を割いて御出席をいただいたところでございましたけれども、8、000名を超える大変多くの県民の皆様方の御参加をいただきまして、2、300件にも及ぶ意見・提言をいただいたところでございます。これら貴重な意見・提言につきましては、可能な限り県政に反映させるよう努めてきたところでございますが、平成9年度の当初予算までの段階で、その全体のうちの約5割について、提言などの趣旨に沿って県政に反映をしたところでございます。また、3割弱の意見・提言につきましても、現在実現に向けて努力しているところでございますが、意見・提言のいずれも、県民の皆様の大切な声として真摯に受けとめ、新しい総合計画の策定に当たりましてもこれを十分に参考にさせていただきまして、可能な限りこれらを反映させてまいりたいというふうに考えております。
 なお、これらの意見・提言の県政への反映状況につきましては、このいただきました意見のすべての項目を冊子に取りまとめまして、各地方振興局や市町村に備えつけをいたしました。県民の皆様がいつでも閲覧できるようにするとともに、夏ごろをめどにインターネットにも掲載をする予定としているところでございます。
 また、今お話のございました中学生や高校生との懇談についてでございますが、子供たちが岩手の新しい時代を担っていくことに自信と誇りを持って、子供たちみずからが意欲的に岩手の未来を切り開いていけるような環境を整備していくことが、私どもに課せられた大きな責務であると考えております。このため、これまでにも海づくり少年団や伝統芸能の継承活動に取り組む子供たちと懇談会を実施をしてきたところでございますが、今後におきましても、子供たちとの懇談の機会を積極的に設けまして、こうした子供たちがさまざまな活動を通じて感じたことや岩手の将来について率直に語り合い、豊かな感性による子供たちの夢や希望がかなえられるような、21世紀の新たな岩手の創造に向けて努力をしていく考えでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) まず、中山間地域における新規就農者対策についてでありますが、中山間地域は本県農業生産の6割を占めるなど、重要な役割を担っておりますが、近年当地域では、農業労働力の減少、高齢化の進行により農業生産構造が脆弱化してきており、このまま推移すれば農業生産力の停滞はもとより、地域社会の活力低下が懸念されているところであります。
 このようなことから、当地域の農業生産の原動力となる新規就農者の育成確保が不可欠でありますので、就農から経営がある程度安定するまでのそれぞれの段階に応じた支援を行い、新規就農者にとって、就農してよかったと思われるような魅力ある地域農業を築いていくことが重要であると考えております。したがいまして、県といたしましては、新規就農者の育成確保を図るため、就農研修に必要な資金の貸し付けやその償還免除措置を初め、農業大学校における実践研修や地域農業改良普及センターによる営農相談などの就農支援対策を実施してきたところでありますが、さらに、今年度から新規参入者の掘り起こしをする岩手農業入門塾を開設することとしております。この入門塾につきましては、50名の募集に対し、きょうまでで四十数名の申し込みがあるところでございます。
 こうしたいわて農業入門塾を開設いたしますとともに、新規に就農した方々の経営安定とその定着化を図るため、県単事業として、新規就農者経営確立支援事業を創設し、充実強化したところであります。今後とも、県内の有識者や農業者などの方々から幅広く意見・提言をいただきながら、就農希望者に対してきめ細かな支援をしてまいる考えであります。
 次に、岩手県グリーン・ツーリズム推進協議会の取り組みについてでありますが、グリーン・ツーリズムは、農村と都市の多様な交流を通じて、農村地域における就業機会の拡大や経済的利益による効果が期待されますことから、その普及・定着を図っていくことが重要であると考えております。このためその推進母体として、市町村、農林漁業団体、旅行業者など70団体の賛同を得て、過般本協議会が設立されたところであります。
 グリーン・ツーリズムの推進に当たりましては、本県の変化に富んだ自然や豊かな食文化、伝統行事・芸能、心地よいもてなしなどの魅力ある受け入れ体制を整備するとともに、都市住民に対して、地域の持つイメージや、そば打ち、ワイン仕込みなどの地域資源を生かした季節感あふれる体験メニューなどを的確に情報発信することが必要であると考えております。したがいまして、本事業におきましては、地域特産を生かした企画や農林漁業等の体験を指導する人材の育成、都市住民への広報宣伝や地域住民に対する啓発・普及などを重点的に取り組むほか、市町村の推進構想の策定支援や農林漁業体験民宿の登録拡大、旅行業者と提携した体験ツアーに取り組んで参る考えであります。
 あわせて、県といたしましても滞在型の体験交流を促進するため、今後ともその中核となる体験農園施設や総合交流ターミナル施設等の整備を支援してまいる考えであります。
 次に、かけはしの生産振興についてでありますが、本県のオリジナル水稲品種・かけはしは、低温のもとでも初期生育がよく、安定した収量が期待できる耐冷性の強い品種であり、また、わせ品種としては特に食味が良好なことから、県北や標高の高い地帯を中心に、たかねみのりにかえて作付拡大を図っているところであります。
 しかしながら、平成7年のいもち病の大発生により、残念ながら昨年の作付面積は大幅に減少したところであります。このため県といたしましては、平成8年度におきまして、いもち病の予防粒剤の購入に対する助成措置を講ずるとともに、農家にダイレクトメールを送付し適期防除を呼びかけた結果、好成績を得ましたので、生産者の皆さんには今後とも防除を徹底していただくよう、引き続き指導を強化してまいることとしております。
 また、昨年のかけはしの一等米比率は61・4%と低い状況にありますので、土壤診断、生育診断に基づいた肥培管理を初め、メッシュ気象情報システムを活用した適期刈り取りや適切な乾燥調製の実施を徹底するほか、今年度から新たに品質・食味計を農業改良普及センターに導入し、分析データに基づいたきめ細かな栽培管理指導の強化を図ることとしております。
 近年、米の需給が大幅に緩和し販売競争が熾烈化する中にあって、米の流通業者は、作柄の安定や品質・食味を重視して産地を選択するようになってきております。幸いかけはしは、食味のよさと値ごろ感から、首都圏の生協などのプライベートブランドとして引き合いが強まってきておりますので、今後とも従前にも増して適切な栽培管理により、品質・食味の向上による売れる米づくりを一層推進してまいりたいと考えております。
 なお、かけはしは本格的な栽培を始めてから本年で3年目を迎えており、栽培面積は3、000ヘクタールと増加してきておりますので、この品種のすぐれた特性について生産者の一層の御理解をいただきながら、特にも標高の高い地帯の安定生産を確保する観点に立って、当面5、000ヘクタール程度を目標に拡大したいと考えております。
 次に、経営の改善を要する農協に対する指導及び対策についてでありますが、御案内のとおり、いわゆる金融健全化法の施行に伴い、平成10年4月より、金融機関の経営の健全性を確保していくための新しい監督手法である早期是正措置制度が導入されることとなったところであります。この早期是正措置の具体化につきましては関係省令によることとなっておりますが、その内容を検討している大蔵省の検討会の中間取りまとめによりますと、自己資本比率、これは貸出金や固定資産などの総資産に対する出資金などの自己資本の割合を指すものでありますが、この比率が4%未満の場合には経営改善計画の作成及びその実施命令が、また2%未満の場合には配当支払いの禁止などの措置が発動され、さらに、0%未満、いわゆるマイナスの場合には業務の停止命令が発動されることになるものであります。このようなことから、自己資本比率が4%を下回る農協に対しまして指導してまいらなければならないものでありますが、県といたしましては現在、国の通知に基づき、これらの農協に経営改善計画を提出させ、平成10年3月を目途に不健全資産の回収、組合員による増資、財産の処分など、自己資本比率の向上に向けたできる限りの努力を行うよう指導しているところであります。
 また、農協に対する農協中央会などの系統としての対策についてでありますが、各農協の自己資本比率を的確に把握するため、すべての農協に対する平成8事業年度決算による財務自主点検の指導とあわせ、特に自己資本比率が低い農協について、財務改善指導や経営再建計画の前倒しの指導を行うなど、早期是正措置の導入に向けた所要の対策を検討していると聞いているところであります。
 次に、自己資本比率が低いため早期是正の発動対象となると思われる農協への県としての対策についてでありますが、農協の経営改善は、まずもって役職員や組合員などによる自助努力によって行われるべきものであると考えており、この観点から、自己資本比率の向上に向けた早期の経営改善を鋭意指導しているところであります。
 なお、あわせまして、系統が農協の広域合併を前提として早期是正措置にどう取り組んでいくか、そういった状況につきましても注目してまいりたいと思っております。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) 本県における総合的な水資源対策でありますが、平成8年3月に策定いたしました新岩手県水需給計画におきまして、21世紀半ばを見通しながら、豊かで清らかな水の郷いわての創造を基本目標といたしまして、総合的水資源対策の推進、安定的な水資源の開発、良好な水資源の創造と保全及び豊かな社会をつくる水の活用の4項目を施策の基本方向としているところであります。この計画の具体的内容は、平成22年を目標年次とする水需給の見通し及び河川総合開発事業や造林事業など、水に関連する四十数項目にわたる事業、並びにこれらの事業を基本方向に沿って総合的に推進するためのいわてウォータープラン21推進事業等からなっているところであります。
 この関連事業のすべてにかかわるいわてウォータープラン21推進事業につきましては、平成8年度から平成12年度にかけまして実施することとしており、平成8年度に、気象、河川流量等の水資源関係資料のデータベース化と検索システムの構築に着手し、さらに、平成9年度からは主要河川流域ごとの実態等を把握するため、モデル河川といたしまして、千厩川流域及び久慈川流域の水循環調査を行っているところであります。
 また、計画期間中の重要事項の調査・審議を行うため、いわてウォータープラン21推進委員会を設置して、これらの調査等をもとに水関連の各種事業についての方向づけを行うとともに、水資源に係る総合調整を図ることとしております。
 県といたしましては、この総合調整等をもとに、庁内関係各課や関係市町村等と連携しながら、先ほど申し上げました4項目の基本方向に沿って総合的な水資源対策を推進し、21世紀においても豊かで清らかな水に恵まれた生活ができる地域社会の形成に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) まず、本県の土石流危険溪流等の危険箇所及びその対策についてでありますが、本県の土石流危険溪流対策につきましては、対象となる溪流は全県下に分布しており、現在1、790となっております。その整備率は、平成8年度末で10・6%と低水準にあることから、重点的に整備することとしており、本年度は、補助事業40カ所、県単独事業12カ所で土石流危険溪流対策事業を実施することとしております。
 次に、急傾斜地崩壊防止対策でありますが、がけの角度、高さ及び保全人家などを基準とした危険箇所は、平成8年度の調査で795カ所になっており、その整備率は24・1%とやはり低水準にあります。本県の急傾斜地危険箇所は、内陸に比較して海と山に挾まれた平坦地の少ない沿岸部に多く、早期の整備が望まれているところであり、本年度は補助事業33カ所、県単独事業28カ所で事業を実施することとしております。
 また国においては、平成10年度から始まる第4次急傾斜地崩壊対策事業5カ年計画を策定中であり、人命に直接影響する事業でありますことから、市町村と連携をとりながら、国に対して同計画の早期策定と財源確保を強力に要望してまいる考えであります。
 一方、土石流災害等による被害を最小限にするためのソフト対策もきわめて重要と考えられることから、毎年6月の全国土砂災害防止月間には、地元市町村や関係機関と合同で危険箇所のパトロールを実施するほか、危険箇所周辺の住民へ防災知識の普及を図るなどの広報活動も行っているところであります。今後とも、人命安全第一の観点から、土砂災害防止対策を推進してまいる所存であります。
 次に、公共工事コスト縮減対策についてでありますが、本県においては、厳しい財政事情のもとにありましても、県勢発展のため、おくれている社会資本整備はきわめて重要であると認識しております。そのためには議員御指摘のとおり、限られた財源を有効に活用し効率的な公共事業の執行に努めるとともに、公共工事コストのより一層の縮減を図っていく必要があると考えております。
 このため、去る5月20日に庁内関係11課で、岩手県公共工事コスト縮減対策連絡調整会議を設置したところであり、この会議におきまして、庁内関係部局相互の連携を図り、国の行動指針、行動計画等を基本にしながら県としてのコスト縮減行動計画を立案すべく作業を進めているところであります。土木部としても、現在所管事業について具体的行動計画案を検討中でありますが、コスト縮減の計画案策定に当たりましては、公共施設として所要の機能・品質の確保を図るとともに、工事受注者に対する不当なしわ寄せの防止などに特に留意することといたしております。
 また、本県は特別豪雪地域を抱える積雪寒冷地であることや、地元建設業界は中小規模の業者が大多数を占める実態等、地域特性を十分に考慮する必要があると考えております。現在検討中の具体的方策としましては、債務契約等の拡大による工事平準化の推進や橋梁等の設計方法の見直し、あるいは掘削土砂やコンクリート殻、アスファルト廃材等の建設副産物の活用促進等が有効と考えております。今後、さらに関係機関等とも調整を図りながら、より効果的な施策を検討し、公共工事コスト縮減に取り組んで参りたいと考えております。
   〔林業水産部長中村陽兒君登壇〕
〇林業水産部長(中村陽兒君) まず、県有林事業の林業公社への委託についてでありますが、林業公社は昭和39年に設立され、県北地域を中心として分収造林事業を展開しており、平成8年度までに約2万4、000ヘクタールの分収造林地を造成したところであります。公社造林と県行造林は、いずれも森林所有者にかわって公的機関が森林を造成・管理する分収造林であり、県におきましては、管理面での効率的な事業の実施という観点からこれらを一本化することについて検討してきたところでありますが、平成7年度、8年度の2カ年間にわたり県有林事業の林業公社への委託を試験的に実施した結果、円滑な事業の推進の見通しが立ちましたことから、今年度から段階的に県有林事業の委託化を進めることとしたところであります。したがいまして、林業公社においては県有林事業の受託に伴う業務量の増大に対応するため、これまでの七つあった現場事務所である駐勤所を6支所3駐勤所体制に改めるなど、受け入れ体制の整備が進められているところであります。
 県といたしましては、県有林事業の円滑な実行確保を図るため、林業公社の業務執行体制が確立されるまでの間、引き続き県職員による人的支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、間伐の促進対策についてでありますが、本県民有林の人工林の6割に当たる21万ヘクタールが間伐対象森林であり、これは北海道に次ぐ全国第2位の面積となっておりますが、このうち3分の1強は一度も間伐が行われていなく、ここ十数年の間は、これら森林の初回間伐の早急な実施を含め、間伐の促進に全力を挙げなければならない重要な時期であります。
 申すまでもなく、間伐の実施は21世紀の我が国における木材供給基地として、本県の森林資源の整備・充実を図る上からも、また森林の持つ国土の保全、水資源の涵養等、公益的機能の充実により豊かな県土を創造する観点からも、きわめて重要な林業生産活動であります。
 しかしながら、間伐の実施面積は、木材価格の低迷や国の間伐関係予算の制約などから年々減少傾向にあり、他県に比べても低い実施率となっていることから、平成9年度予算においては、新たに県単独事業の間伐総合特別促進対策事業を創設しその推進に努めることといたしております。今後の間伐の実施に当たりましては、国庫補助事業や県単独事業の適切な導入により、初回間伐を優先的に実施することを基本的な方針として推進してまいる考えであります。
 また、平成10年度の政府予算統一要望においても最重点要望項目として、間伐材の利用促進対策を含め国に対し間伐対策の充実強化を強く要望してまいる所存であります。
 次に、日本一の炭の里づくりについでありますが、本県の木炭は約8、000トンと全国生産量の4分の1を占め、その生産額は十数億円となっており、木炭産業の振興は山村地域の活性化にも重要な役割を果たしております。特に、豊かな広葉樹資源に恵まれた県北の九戸高原地域の山形村など6市町村では、木炭を核とした地域活性化を進めるため、平成5年に日本一の炭の里づくり構想を策定し、これまでにチャコール・コア軽米を初めとする大型木炭生産施設のほか、山形村には、安定した価格で木炭を出荷するための製品保管庫や、消費者と直接触れ合いながら木炭のPRを行う展示販売施設・炭々館などの拠点施設を整備してきているところであります。
 本年度は、4年を経過した日本一の炭の里づくり構想をさらに発展させるための行動計画を策定いたすことといたしております。また、10月に東京で開催される銀河系いわてフェスティバルに参加して、消費地との交流を促進し、日本一の炭の里のイメージアップを図ることといたしております。
 さらに、地域活性化事業調整費を活用いたしまして、久慈及び二戸地区で、床下調湿材としての効果実証調査などを行い、新用途への利用促進を図るとともに、平成9年度予算で、新たに木炭産地振興近代化施設整備事業を創設し、協業化や木炭生産施設の近代化を積極的に進めることとしております。
 県といたしましては、このような生産から流通、販売に至る総合的な対策を推進することにより、日本一の炭の里づくり運動を担い得る木炭経営の安定化を図ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) 児童福祉法の改正に伴う対応についてでありますが、児童福祉法は50年前に制定されたものであり、御指摘のとおり、その後、核家族化の進行や女性の社会進出の増大などにより児童と家庭を取り巻く環境は大きく変化し、保育需要の多様化や児童をめぐる問題の複雑化に十分に対応することが困難となってきたことから、国において、こうした変化に的確に対応する制度の整備をすることとしたものであります。
 今回の改正は、子供の最善の利益の確保という観点から、保育所入所について、従前の市町村の措置から利用者が選択する仕組みに改め、児童相談所の措置に関しては、子供の意向を十分に尊重することを明記し、また教護院、養護施設などの児童福祉施設については、児童の自立を一貫して支援するため、その機能や名称の見直しを行うものであり、県としては、21世紀の少子化社会を見据えた基盤整備の一つと受けとめております。
 また、今後の対応につきましては、法改正の内容が市町村や施設関係者に大きな影響を与えることから、これまでも情報提供に努めてきたところですが、今後明らかとなる施設の運営基準等についても、会議開催等を通じて適宜周知を図るとともに、見直しの行われる児童福祉施設については、その自立支援機能の強化が図られるよう関係者による検討の場を設置するなど、平成10年4月1日の円滑な施行に向けて、関係機関と密接な連携を保ちながら適切に対処してまいりたいと考えております。
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時46分 散 会

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