平成9年6月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇43番(佐藤正春君) 私は、県政にむだはないか、県政の今日的課題と、この2点についてお伺いをいたします。
 平成9年2月県議会は、総額8、764億6、500万円の一般会計当初予算を可決して終了し、私はその間、予算特別委員会を通じて問いただしてまいりましたが、ここに藤原予算特別委員長の附帯意見を改めて見直し、県政のあり方にむだはないのか、将来の見通しに間違いはないのか、検証を加えるものでございます。その附帯意見とは、平成9年度における本県財政は一段と厳しいことから、むだ遣いはするなということでございます。
 一方、政府与党の財政構造改革会議は、去る3日の総会で財政構造改革の推進方策を最終決定し、その目標は、2003年度までに財政赤字を対国内総生産3%以内とする財政再建であり、橋本内閣の火だまる改革が始まろうとしているところでございます。中でも、本県の地場産業であるところの農業と建設関連産業に関するウルグァイ・ラウンド農業対策費の本年度分は、補正予算で措置されるとの見通しでございますが、さらに、公共事業費は3年間で15%削減、そして新幹線の実質凍結と、平成9年度の増田県政の大型プロジェクトである県立大学、美術館、ダム、道路等の整備に影を落とすことが予想され、県民は先行きに不安材料を感じているものと思われます。このため、国の予算との関連で、当然3県総の見直しを迫られると思いますが、知事はいかなる御見解をお持ちでしょうか。
 また、こうした厳しい環境の中で、7月上旬に予定されている統一要望は、まさに本県政治家の力量が問われるところでございます。新年度の予算の概算要求に向けた本県の対応について、そのお考えを部長からお聞かせ願いたいと思います。
 知事は、去る4月1日の新採用職員の辞令交付式に次のように述べられました。仕事を進める上でテクニックも大事だが、最後に決めるのは自分の判断。大きな組織に入ると、ややもすれば正しいと思いがちだが、自分を映し出す鏡を持ち、間違っているところがあればそれを正す気持ちを持ってほしいと。全くその通りでございます。間違っていても、前例、慣例を重んじ、組織を守ることが大事である今までの役人にとって、このことは一層心すべきことであります。なぜ官官接待が当然とされ、カラ出張がまかり通ってきたのか、まだまだ大きなむだが県政推進の名のもとに行われていないでしょうか。
 そこで、カラ出張、官官接待についてお尋ねをいたします。
 いわゆるカラ出張は、定期監査の結果発表された分は、平成7年度分で3件、返納額56万3、627円のほか、住民監査請求による監査の結果、返納を必要とした分8件、約10万円でございます。私はここで、自主的な内部調査を高く評価するわけでございます。旅費については、自宅等のある場所への出張旅費は、実費弁償を建前として支給されている以上、自宅、親類、友人宅へ泊まった場合は宿泊料はかかっておらず、公費負担としていることに問題はありませんか。また、出張の確認が事務的であり、慣行的にルーズになっていませんか。確認は、用務の目的が達成されたのか、変更によって旅費に過不足がないかの確認がなされるべきではないでしょうか。
 本県の現行の旅費制度は、標準的な実費額を基礎として計算し、旅行前に定額を支給することを基本としております。したがって、旅行命令どおりの旅行を行えば、定額主義の原則により精算額はゼロとなるわけでございますが、これは事実上無理な話であり、私は今回のカラ出張の疑惑をもとに、災いを転じて福となすよう、宿泊が有料か無料かの確認をして精算する等の制度の見直しを行うべきと思いますが、いかがでしょうか、御見解を求めるものでございます。
 次に、先般県が作成しましたいわての行政改革なるパンフレットに注目をいたしたいと思います。それには、地方振興局でできるだけ用事が済むようにしますと、こう書いてございます。県民にとって大変ありがたい増田知事の善政なりと思いきや、なぜか地方振興局職員の金曜日の出張や休暇が多いのでございます。去る5月2日の金曜日の出張と休暇は次のとおりでございます。出張者、大船渡2人、釜石3人、宮古1人、久慈3人の計9人に対して、休暇取得者は、盛岡41人、花巻20人、北上16人、水沢12人、一関26人、千厩22人、大船渡14人、遠野17人、釜石19人、宮古35人、久慈19人、二戸28人、合計269人になっているんです。269人。もとより、県庁職員も人の子でございますから、連休に1日足して4連休は休みたいのは人情でございますが、県民にとってはどうでしょうか。4日間用足しができないということは、まことに不便きわまりないのでございます。カラ出張の後でございますから、さすが出張者は9人でございますが、休暇取得者の269人は、このパンフレットが全くそらぞらしい限りでございまして、パンフレットの内容と実態は大分かけ離れているわけでございます。このことについて当局の見解を求めるものでございます。
 次に、食糧費についてお尋ねいたします。
 いわゆる官官接待が悪いと決めつけられ、食糧費が問題になったわけでございますが、私は本会議で申し上げてまいりました、すべてが悪ではなく、慣行に流されて、他県がやっているから我が県でもと、意味のない接待ではなくて、本県のような中央の予算を必要とするからには大いにやりなさい。大いにやりなさい。食糧費などと後ろめたい予算でなくて、堂々と県民が納得する接待費、交際費を設けてやったらどうでしょうかと申し上げてきたわけでございますが、食糧費の予算は平成8年度2億2、233万1、000円、平成9年度2億298万6、000円。なぜ減額をしたのでしょうか、知事さん。今までむだが多かったのですか、それとも、他県でも減らしたから減らしたというのでしょうか。北海道や福岡県、東北でも秋田や宮城と本県とは全く内容が違うわけでございますから、なぜ本県までが減額をしたのか。本当の意味のむだ遣いとは、本県の発展にとって意味のない経費こそむだ遣いと、こう言うのでございます。
 去る5月21日、県東京事務所の食糧費支出にかかわる公文書の全面開示を求めて、市民団体が県を相手取って盛岡地裁に提訴いたしました。本県にもいろいろと事情があるにせよ、問題がないと胸を張って言えることは、全面開示をすることでございます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)県民からすれば、何かあるから隠しているのではないかと、素朴な疑問が残るわけでございます。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)裁判となれば敗訴することは確実であり、仙台地裁、浦和地裁、大阪地裁などでは、県が敗訴し、全面公開を命じる判決が出ていることは御承知のとおりでございます。裁判に余計時間がかかるだけで、岩手も同じ結果が出ることは予想されるのに、なぜ裁判をしなきゃならないのでしょうか。この間の裁判費用こそむだな出費と言わざるを得ませんが、この費用はだれが支払うのですか、当局の見解を伺っておきます。
 私は、かつて本会議において、このような不祥事を防止するためにも外部監査制度の導入を提言してきたところであり、執行部は、時期尚早との見解でございましたが、去る5月28日、都道府県や政令で定める市に外部監査制度の導入を義務づけた改正地方自治法が成立し、遅くとも来年中に新制度をスタートさせることとなりました。また、監査委員については県庁OBの選任制限も強化されたところであります。既に宮城県では、公認会計士と地裁の裁判官のOBを監査委員に起用し、県庁OBはゼロとなりました。さらに、福岡県、静岡県でも外部導入をいち早く決めております。本県増田知事は、何事も新しい感覚で県政を担当している実績を持っておりますので、岩手のクリーン性を示すためにも外部導入を図るべきと思いますが、知事さんどうでしょうか。
 次に、奥地産業開発道路についてお尋ねをいたします。
 この道路につきましては、沿線の市町村住民の要望を受けて、松川工区が昭和41年度、網張工区が昭和40年度着工したところでございますが、自然環境保全の問題が起こり、昭和46年10月より昭和58年12月まで、約12年間の凍結期間を置きまして十分に調査検討し、昭和46年10月には、環境庁から第一種特別指定地域内の道路の通過方法及びルートについて再検討するように指示があり、58年12月には環境庁から、ルート変更協議に対しおおむね妥当である旨の回答があり、その結果、昭和59年9月に再開したと承知をいたしております。
 昨年、業者の乱開発が起こり、多くの批判があり、平成9年度は予算も凍結となり今日に至っております。先般、奥産道の道路検討委員会が設置され、その対象となるのは、地域の将来像、道路の役割と整備効果、自然環境の評価、自然との共生の方向性、今後の道路整備の方向性となっております。ルートを変更した上で建設を進めたことは、12年間の凍結期間内に十分に検討されたものでございまして、環境庁からの指示回答を受けたものではなかったのでしょうか。しかも、この期間内にあってもルート変更にかかわらない箇所ののり面保護等の工事を継続しております。前者の検討と今回の検討委員会の検討、どこが違うんでしょうか。どこが違うんですか。また、どちらを信用していいのか、この際県民にお示しを願いたいと思います。
 さらに、道路建設の是非が最終結論となり、中止の場合は環境庁の回答指示と相反することになりますが、それでいいのでしょうか。また、藤本土木部長は、年度内にも補正予算を組み再開もあり得ると、さきの土木委員会で私の質問に答弁しておりますが、2月までの結論に間に合うのでしょうか。これも重ねてお尋ねをいたします。
 いずれにいたしましても、この事業は今日まで20年の歳月と46億6、500万円かかっております。この大きな投資を捨ててしまうことは、県民の血税をむだにすることになりませんか。これはだれの責任になるのでしょうか、県民にはっきりお示しを願いたいと思います。
 次に、花巻空港についてお尋ねをいたします。
 昨年末、7次空整により地方空港整備特別事業が新設されたことにより、花巻空港の2、500メートルの滑走路延長が組み込まれたことはまさに朗報であり、県民の夢に弾みをつけたものと思われます。と同時に、この花巻空港が県民にとって価値ある空港、利用度の高い空港となることを期待するものでございます。施設の立派な金のかかった空港と県民が高度に利用できる空港とは、おのずから違うのでございます。私は、本県空港整備が他県に対して追いつけ、追い越せの大合唱にとらわれてそのあり方を見失うならば、本県の将来にとって財政的な圧迫はもちろん、閑古鳥の鳴く空港になるのではないかと、こう危惧しているものでございます。
 私は再三再四、本会議においても質問してまいりましたが、花巻空港の将来の見通しと位置づけについてでございます。吉永副知事は、さきの予算特別委員会で私の質問に対して、花巻空港は国際空港やローカル空港等の表現にはよらず、むしろハード、ソフト両面にわたる空港機能の充実強化を図る観点から、将来における位置づけを浮き彫りにさせていく必要があると考えていると答弁しております。あなたはそう答弁した。まだはっきりした見通しや位置づけが決まっていないということでございます。これからの利用客や国際空港の推移、他県の空港などの状況を見ながら浮き彫りにさせるとのことでございましょうか。それでは遅くありませんか。空港設備の工事は、途中で状況により増設や縮小するというのでございましょうか。また当局は、2、500メートルの滑走路が実現すると、米国東海岸、西欧、アフリカを除く世界各地への直行便、さらには、将来的には花巻空港が国際定期便の就航も可能な空港という考えで環境整備を進めていきたいと、こう答弁されております。何とすばらしいことでございましょう。
 私が前段で申し上げましたとおり、金のかかったすばらしい施設さえつくれば、航空機はどこまでも、どこからでも飛べるのでございます。しかし、それと県民が高度に利用するということは違うのでございます。私も何十回となく航空機に乗り、空港を利用してまいりました。空港までの距離が近く、利用者のニーズに合った、乗りたい日程とフライトの時間が合わないと利用しないのでございます。国内便の利用状況を見ておわかりのとおりと思いますが、ちなみに東北運輸局の昨年発表による花巻空港利用者の居住地は、盛岡地区32・6%、花北地区27・3%、県北の久慈地区は1%、県南の両磐地区3・1%となっております。平成8年の花巻空港年間出入国者は3、447人、隣接の仙台空港は42万9、132人、青森空港は5万4、884人となっており、国際線は仙台が、ホノルル週3、シンガポール週4、ソウル週5、釜山週2、北京、大連週6、香港週6、グアム毎日1、サイパン経由グアム週4となっており、青森は、ハバロフスク週2、ソウル週3となっております。
 仙台空港はA滑走路1、200メートル、B滑走路2、500メートルで、現在B滑走路が3、000メートルに延長工事中であり、9年度末完成の予定でございます。青森空港は第7次空整で3、000メートルが組み入れられます。吉永副知事、あなたは2、500メートル延長整備後の花巻空港の優位性に関する私の質問に対して、仙台、青森の既に国際定期便を有する空港と比較しても基本的に遜色はないと、こうあなたは答弁された。本当でしょうか。私のただいまの説明を踏まえて、あなたの言っておられる答弁の真意と花巻空港のあり方について、ひとつきちんとした見解を示してほしいと思っております。
 次に、花巻空港の整備スケジュール及び事業費について伺っておきます。
 まず、平成10年度着手、16年度供用開始とあり、一部の地権者の反対も予想され、騒音対策を含めて予定どおり進捗しなければ、またまたおくれることになりませんか。その点いかがでございましょうか。空港拡張整備にかかわる全体事業として約270億円見込んでおるようでございますが、用地費、騒音対策施設、周辺整備、また一大航空都市構想まで含めるならば500億は優に超えるものと空港関係者は試算をしております。本当に270億円で上がるんでしょうか。盛岡競馬場みたいにならないように。
 さらに、国の補助も5割から今回は4割補助となり、財政的に影響を及ぼさないような方法を工夫しながらこの事業を進めたいとありますが、どのような方法があるんでしょうか。また、2、500メートル滑走路完成後の着陸料はどのくらい見込んでいるのでしょうか。これからこの空港維持に県民の税金が年間どのくらい注ぎ込まれますか、県民にこの際明らかにしていただきたいと思います。
 私自身は決して空港に反対するものではございません。むだ遣いに反対するものでございます。県民の声は、岩手弁で語ると何と言うかと、つま立てしないで、我れかばねに合ったものをつくれと、こういうことになるんですよ。つま立てしないで、我れかばねに合ったものをつくれと、こういうことになるんですよ、岩手弁で。身分相応なものをつくりなさいと、わかりますか。そういうことでございます。
 次に、去る4月17日、沖繩の米軍用地継続使用のための米軍用地特別措置法改正が圧倒的多数で成立いたしました。これは、自民党党首でございます橋本総理と、新進党党首でございます小沢党首の会談により決定されたと評価をされております。仄聞するところによりますと、本県出身の小沢新進党党首は4月9日、当選1回の参議院議員と会った際、沖繩の基地は本土に移す。岩手に移せというなら積極的にやる、こう発言したと言われております。私は自民党でございますが、この小沢発言に対して心から大賛成でございます。戦後、日本国全体で担わなければならない基地の問題、沖繩の痛みをこの際是正し、日本人全員で分かち合うべきであると思います。
 また、沖繩は岩手にとって米が取り持つ命の恩人でございます。このことについて私は、平成7年12月定例会で取り上げております。でありますから、今までの友情をもって本県に沖繩の米軍基地を受け入れるべきでございます。幸い本県は、知事さん以下、県議会の圧倒的多数--きのうもそうでございましたね--を新進党で占めておりますから、地元出身の小沢議員が言われる、沖繩の基地を全国に先駆けて移されたらいかがですか、知事さん。いわゆる保保連合のよい前例を先駆けてやるべきじゃないでしょうか、私は期待しております。知事の思い切った御見解をこの際承っておきます。
 次に、私は現在本県に在住している外国人の親睦団体、日韓親善協会、日中交心会に関与をいたしており、平成2年3月5日の本会議、平成3年12月3日の決算特別委員会において、本県在住の外国籍の人たちの教員採用について伺っております。平成2年の本会議の答弁は、日本国籍を有することを条件として取り扱ってまいりたいとの答弁でございました。平成3年度には、文部省の方針が変化し、在日韓国人、外国籍の人を期限を付さない常勤講師として公立の小中高校の教員に採用できるとのことで、本県も国際化、国際親善の今日、外国に広く門戸を開いたらどうかと再度質問したことに対しまして、高橋教育長は、そのとおりでございます。今年度の実績を申し上げると、中学校に1名、外国籍の受験者がございました。残念ながら1次試験を通るに至らなかった。また、今後とも積極的に進めてまいりたい。現に、非常勤であるが、韓国と西ドイツの方がいると答弁がございました。
 知事は、2月の県議会の知事演述の中で、我が郷土の先覚者・新渡戸稲造博士という、広い視野と深い見識によって将来を担う人材の育成や国際平和への貢献など、博士の精神を引き継ぎたいと述べておられます。事実その精神にのっとり昨年の8月には、本県にて戦時中強制労働により亡くなった韓国人、朝鮮人の霊をなぐさめるため、慰霊塔の題字を揮毫し手厚くなぐさめたのでございます。どうもありがとうございました。また2月の記者会見で、できるだけ国籍条項を問わない職種を拡大する形で検討したいと前向きに発言しておられます。
 しかるに人事委員会の某幹部、何と言ってるか。今後の方針は慎重に検討中だが、県民から撤廃を求める要望も声もない、外国人も少ないと発言し、さらに、川崎、大阪と違い県内は在日外国人が少ない。現状で優秀な人材を確保できている。そんな中で膨大な作業をするのは税金のむだ遣い--税金のむだ遣いだ、大変な県幹部がいたもので、こう言い切っているのでございます。知事の積極的な国際化のイメージを逆なでし、県民を代表する議員の発言を軽視する発言でございます。この県幹部は、議会の議事録を読まないのですか。こんなことに膨大な作業をするのは税金のむだ遣いとは、人種差別につながりませんか。厳重に抗議するとともに、人事委員会委員長に監督責任を求めるものでございます。
 県内の外国人は3、000人余り、ことしも6月末より職員の採用試験が始まりますが、高知県人事委員会は、来年度採用分から国籍条項を全面撤廃いたしました。昨年の川崎市に続いて、ことしは横浜、大阪、神戸、神奈川と、一部消防職などを除いて国籍条項撤廃が広がっていくわけでございますが、今後国籍条項を問わない職種を拡大する方向で検討するとなれば、川崎市の先例に従い、外国人がどうしてもだめな職種や人事面の判断基準の明示が必要となってまいりますが、この点についてはいかがでしょうか、お示しを願いたいと思います。
 次に、緑と太陽、自然がそのままの岩手のキャッチフレーズはいいのですが、どこに行ってもトイレが汚くて臭い岩手県と、こう言われてきたんです、今までは。それは、下水道が不備であり、水洗便所がないからでございます。まさに文化のバロメーターは下水道にありと言っても過言ではございません。下水道の普及率は、東京23区が100%、岩手県は全国平均の半分以下の24%でございます。県内各地、いつでも道路が掘られておりますが、県内の下水道普及率はどこまでいったんでしょうか。汚水処理の状況を見ますと、流域下水道と公共下水道は建設省、農業集落排水事業と漁業集落排水事業は農水省、合併処理浄化槽は厚生省、こうなっております。同じ汚水を処理するのに、各地域では各省の制度を取り入れてやっておりまして、補助体系もまちまちで、私どもは地域住民に説明するのに全く苦労するわけでございます。今後一元化を図り、知事の言われるわかりやすい行政にすべきかと思いますが、見解はどうでしょうか。
 生活環境の整備の中で急を要する課題は汚水処理でございます。今各自治体も一生懸命取り組んでおられますが、県内の下水道料金はその地域間格差が大きいのでございます。例えば、公共下水道は標準世帯4人、月平均20立方メートルとして、一番安いのは盛岡、1、637円ですよ、盛岡の人、一番安い。一番高いのは花泉、2、900円。須藤さん、2、900円。平泉町は2、987円であり、農業集落排水処理は、同じく標準世帯で、安いのは盛岡の2、266円に対し、野田村の2、678円となっております。同じサービスを受けながら料金に格差のあることは、公平の原則、または住民感情からしても納得できないことでございます。この下水道料金こそ地域格差の一番大きい問題でございます。県としては何らかの財政的支援をして、知事のおっしゃっておられる格差是正を図らなければ、いつまでたっても料金格差は残るのではないでしょうか。担当の部長の御所見と今後の対応についてひとつお尋ねをいたします。
 以上で私の質問を終わりますが、答弁漏れのある場合は、議長に御配慮を願いましてただしてまいりますので、答弁漏れのないように、簡潔に御答弁をお願いします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也) 佐藤正春議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、3県総の見直しについてお尋ねがございましたが、先般、国におきましては、少子・高齢化の進展、冷戦構造の崩壊、そしてキャッチアップ経済の終えん、大競争時代の到来、生産年齢人口の減少など、我が国の財政を取り巻く環境が大きく変容いたしまして、国、地方を通じて極めて厳しい財政状況にあることなどを踏まえまして、財政構造改革の推進について、これを閣議決定いたしました。公共事業に係る各種長期計画の計画期間を延長することなどによりまして、各年度の公共事業費を大幅に縮減することとしたところでございます。したがいまして、本県におきましても、公共事業を中心に各種事業の実施につきまして相当の影響が生じることも懸念されるところでございますが、国におきまして、今後この閣議決定を踏まえ、見直しあるいは策定される予定のこれら各種長期計画などによる本県への具体の影響を的確に見きわめながら、個々の事業の推進について、可能な限り支障が生ずることのないよう万全を期していく必要があるものと、このように考えております。
 3県総との関連につきましては、公共事業に係る各種長期計画の期間の延長などとの関連で、各部局においてそれぞれの事業推進について今後見直しが必要となることも想定されるわけでございますが、その時期が新しい総合計画の策定期間と重複いたしますことや、今回の財政構造改革は2003年までをその目標期間としているということがございますので、新しい総合計画の策定作業の中で適切に対応していく考えでございます。
 次に、監査委員の選任についてのお尋ねでございますが、公費の適切な執行を確保いたしまして、不正を防止し、県民の地方自治に対する信頼性を維持する上で、この監査委員制度に期待するところはまことに大きいものがあると、このように認識をいたしております。
 監査委員につきましては、その独立性や専門性の確保といった観点から、近年、この指揮権を有する者につきましては、退職職員以外の者を起用する地方公共団体が徐々にふえてきているところでございます。また、このたびの地方自治法の一部改正におきましては、監査機能の充実を図りますために、新たに外部監査制度の導入が図られるとともに、現行の監査委員制度につきましても、監査委員のうち、指揮権を有する者への退職職員の選任を制限する改正がなされたところでございます。したがいまして、今後、改正自治法の趣旨を十分に踏まえまして、外部監査制度の適切な導入に努めるとともに、監査委員の選任についても見直しを進めていく考えでございます。
 次に、沖繩の米軍基地移転問題についてのお尋ねでございますが、これまで沖繩県民の皆様方が米軍基地問題などでさまざまな御苦労をなされてきておりまして、その心情につきましては十分に理解をしているところでございます。また、本県と沖繩県とは、近年、種もみ増殖などのさまざまな出来事を契機といたしまして多様な分野での交流が進められておりまして、今後ともこうした交流をより一層深めていく考えでございます。
 ただいまお尋ねの沖繩の米軍基地の移転問題、この問題につきましては、国の防衛上、また、さらに外交上の事柄でございまして、国政レベルで議論をされるべきものと、このように考えておりますので、この件に関しましては見解を申し述べることは差し控えたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、吉永副知事及び関係部長に答弁をさせますので、御了承お願い申し上げます。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 花巻空港の将来の見通しと位置づけについてでございますが、花巻空港は、広い県土を有する本県の空の玄関として、国内外の多くの都市と十分な輸送力を持つ航空機によって結ばれる空港、具体的には、将来的に国際定期便の就航も可能な空港として、全国レベルで見ても大都市圏の空港を除く多くの空港とおおむね肩を並べる空港として位置づけていきたいと考えております。
 そのためには、ハード、ソフトの両面から花巻空港の機能を強化していくことが重要であります。ハード面におきましては、第7次空港整備5カ年計画に組み入れられた滑走路の2、500メートル延長等の整備を実現させる必要があります。これが計画どおりに実施されれば、近年における航空機の性能向上と相まって、ボーイング747等の大型機の発着が可能になります。また、西ヨーロッパ、アメリカ東海岸等一部の地域への直行便を除きまして、世界各地への直行便の運航がハード的、技術的には可能となります。また、冬季の降雪時等でも確実に発着できることになります。ハード的な能力の面では、成田、関空等大都市空港を除けば、全国の多くの空港と同様の水準を確保することができるものと考えております。
 一方、ソフトやアクセスの面につきましては、空港を利用するかどうかは利便性次第であるという議員の御指摘はまさにそのとおりでございます。花巻空港におきましては、従来にも増して利用者のニーズに合った路線、便数やダイヤ、さらにはアクセス時間の短縮が求められているところであります。県におきましては、現行の滑走路のもとにおきましても路線数及び便数を増加し、使いやすいダイヤでより多くの利用機会を提供すべく努力をしているところでございます。空港へのアクセスに関しましては、滑走路の延長が供用開始になりますころには空港にインターチェンジが直結いたします東北横断道が一部供用開始されていると思われますし、国道281号や107号の改良と相まって、沿岸地域も含めた県内各地からの空港へのアクセスの利便性は向上するものと考えられます。
 なお、御指摘の仙台空港や青森空港との現状における違いは、滑走路の長さ等のハード面に加えまして、こうした利便性のというか、そういうソフト面の格差によっても生じていると受けとめております。ただ、仙台、青森両空港の例を見ますと、2、500メートル延長を契機にその路線数や便数が大幅に増加したという事実もございます。こうした実態を踏まえながら、花巻空港においても、滑走路延長等の事業が県勢発展に向けた真に効果的な投資となるように、国内定期路線や便数あるいは国際チャーター便の充実を目指した取り組みを今から一層強化してまいりたいと考えております。
 国際チャーター便に関連いたしましては、平成7年の統計で見ますと、成田等を経由いたしましたハワイ、シンガポール、香港への出国者数が本県は青森県や秋田県よりも多いという事実がございます。花巻からこれらの地域への国際チャーター便をふやしていける潜在的な可能性は十分にあると考えております。チャーター便の実績を十分に積み重ねていけば、将来国際定期便の開設につなげることも決して不可能ではないと認識しております。
 このように、ソフト面の充実強化に向けた努力を適切に講じていくことにより、花巻空港は国際定期便の就航も可能な本格的な空の玄関になり得るものと考えており、その意味におきまして、2、500メートル延長等の事業を来年度予算で事業化することが喫緊の課題であると考えております。しかしながら、さきに閣議決定された財政構造改革の推進計画において、空港整備も大都市の拠点空港を中心に進めるとされておりまして、地方の新規事業である本事業の採択は非常に厳しい状況にあります。このような状況下にありますが、県といたしましては、花巻空港滑走路延長の重要性にかんがみ、県議会の皆様方と一体となって粘り強く要望活動を続け、平成10年度に事業化できるよう努力してまいりたいと考えている次第でございます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) 新年度予算の概算要求に向けた本県の対応についてでありますが、新規18項目を含む県政推進上重要な72項目について、制度改正や本県への事業導入が図られるよう、政府及び関係機関に対し要望することとしております。去る6月3日に閣議決定された財政構造改革の推進についての中で公共事業費等の大幅な削減が明示されるなど、平成10年度の国の予算編成につきましては議員御指摘のように大変厳しい状況が想定されますことから、要望項目については内容を十二分に吟味し厳選するとともに、県議会と一体となって行う7月11日の統一要望を初め、あらゆる機会をとらえ、本県の実情及び要望の趣旨等について関係省庁に対して強く訴えてまいりたいと考えており、特にも、県議会の皆様方や県選出国会議員の先生方の御支援、お力添えをいただきながら全力を傾注してまいりたいと考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、旅費制度の見直し等についてでありますが、制度そのものについては、その時々の実情に適合したものかどうかについて不断に見直しを行っていかなければならないものと考えております。現行の定額制を基本とする旅費制度は、最も経済的な通常の経路及び方法を想定して旅費を支給しているところであり、支給された旅費をいかに使用するかは職員の裁量にゆだねられているものであります。これは、旅費支給事務の簡素、効率化の観点、さらには、国や他の都道府県との均衡という面から見れば妥当な方法であると考えているところであります。しかし、例えば出張の確認において、その本来の趣旨に沿った適切な運用がなされていなかったことなどが今回の一連の不適切な事務の執行を招いた原因であったと考えているところであり、まことに遺憾に存じております。今後は、こうしたことのないよう指導の徹底を図るとともに、さらに、運用面において改善すべき点があれば、実情に沿うように改めてまいりたいと考えております。
 次に、地方振興局の職員の休暇取得等についてでありますが、職員の年次休暇の取得については、職員が年次休暇を有効に活用することにより、活力を養い、能率的で創造的な業務運営に資するという観点から、お盆の時期やゴールデンウイークの期間等における計画的な年次休暇の取得を促してきているところでありますが、休暇の取得等に当たっては、必要に応じて業務計画や交代要員の調整等を行い、業務運営や公務サービスに支障が生じないよう指導しているところであります。今後におきましても、御指摘の点に十分留意しながら、よりよいサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、食糧費の減額についてでありますが、食糧費は、その支出が公費をもって賄われることにかんがみ、簡素かつ公正を旨として、節度ある対応と適正な予算執行を図る必要があるものと存じております。
 お尋ねの中央省庁等との懇談につきましては、情報収集や情報交換の場として、節度ある範囲内で行うことはございますが、各省庁の自粛やその必要性を十分吟味することなどにより懇談の機会が減少している状況にあります。このようなことから、平成9年度の当初予算におきましてその所要額を調整した結果、総額が前年度よりも減少したものであります。
 次に、県東京事務所の食糧費支出に係る公文書の相手方所属、職、氏名の開示の訴訟についてでありますが、本県の条例において、個人に関する情報についてはみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならないものとされております。懇談の相手方にとって、懇談への出席については公的な立場で出席義務を負っているものではなく、県側の要請に応じ、その事実が将来においても公表されることの認識を持たずに任意に対応したものと推定されることから非開示としたものであります。県といたしましては、今回の再開示に当たっては公文書公開審査会の答申を最大限に尊重して決定したものであり、裁判においてこのような考え方を主張してまいりたいと考えております。
 訴訟費用につきましては、県が被告として提訴されていることから、公費の負担となるものであります。
 次に、花巻空港整備の財政への影響についてでありますが、本県の財政を取り巻く環境は、財政構造改革の推進に向けた国の厳しい方針が示されたことを受けて今後一層厳しさを増していくものと見込まれることから、今後の財政運営はこれまで以上に将来を見据えた適切な対応が求められるものと存じております。このような中にありまして、花巻空港の滑走路延長整備は、来年度の事業採択を最重要課題と位置づけて国に要望することとしており、同時に中期的な大規模重点事業として推進していくことが必要であると考えております。したがいまして、県といたしましては、将来の県財政の見通しと健全化の方向を見据えながら、毎年度の予算編成作業を通じて、優先度と緊急度の高い施策を重点的、効率的に推進するなど、創意と工夫を凝らし、限られた財源の効果的な活用を図って事業の実現に努めていく考えであります。
 次に、国籍条項を問わない職種の拡大についてでありますが、本県におきましては、現在、医師、看護婦等の一部の専門的、技術的な職種につきましては国籍条項を設けていないところであります。一方、公権力の行使または公の意思の形成に参画する蓋然性の高い一般事務職等の職種については、その受験資格として国籍条項を設けているところであります。公権力の行使等に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするとの原則を踏まえ、一般事務職等の職種について国籍条項を設けないこととするためには、職種別にその職務内容や人事管理の実態等を十分に勘案しながら、国籍条項が今後とも必要な職種かどうか、また、国籍条項が必要とされる場合においても、人事管理面での運用等により国籍条項の撤廃が可能かどうか、あるいは将来の転任や昇任に支障を生じないかどうかといった課題について、個別具体的に、かつ多角的に検討していく必要があるものと考えております。しかしながら、職位によっては業務の内容が公権力の行使等に当たるようなことがある場合であっても、一般的にその職種としての本来的業務を行っている限り、必ずしも日本国籍を有することを必要としない専門的、技術的な職種については外国人に門戸を広げるように努めてまいりたいと考えております。
 なお、一般事務職等の試験職種の取り扱いにつきましては、基本的には人事委員会の所管するところでありますが、他の地方公共団体の先例等も十分参考としながら、人事委員会とともに調査研究を進めてまいりたいと考えております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) まず、一般県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道についてでありますが、凍結期間内の検討と今回の道路検討委員会での検討との違いにつきましては、本路線は、御案内のとおり昭和40年3月に奥地産業開発道路の指定を受けるとともに、同年10月、当時の厚生省が十和田八幡平国立公園計画及び同公園事業を決定し、その中で公園車道として位置づけられ、事業に着手したものであります。
 しかし、この事業は、道路が国立公園内を通過することから、開発か自然保護かをめぐり県民の間でさまざまな議論がなされたものであります。特に、大松倉山及び三ツ石山の峰越し部分については第一種特別地域を通ることから、昭和46年、この区間の通過方法及びルートについては環境庁から事前に協議するよう指導があり、県では、この区間について、複数のルート案から環境保全上最も影響の少ないトンネル案を選定したところであります。このように、当時は主として峰越し部分の通過方法などについて環境調査を行いつつ技術的な検討を行ったものであります。
 これに対して今回は、過去にも事業執行の是非をめぐりさまざまな議論がなされた経緯があり、また、このたびの事態発生を契機として県民の間にいろいろな意見が出ていることや、近年の環境問題に対する意識の高まりに伴い、自然との共生の観点からの検討が求められていることにかんがみ、このたび有識者から成る道路検討委員会を設置したものであります。この委員会では、各界からの意見を承るなど、県民世論を的確に把握するとともに、本路線の自然環境との共生のあり方や今後の道路整備の方向性等について専門的見地から検討していただくこととしたものであります。
 次に、今回の結論が中止となった場合の環境庁の回答との整合性についてでありますが、本路線は、道路が全通することを前提に昭和40年に環境庁から執行承認を受け、以後、順次承認を得ながらその整備を進めてきたものであります。問題となった峰越し部分については、昭和58年の協議により、トンネル案でおおむね妥当であり、実施に当たってはその都度協議を行うこととの回答を得ております。したがいまして、仮に中止となった場合には、環境庁が決定した公園事業及び公園計画にもかかわることから、環境庁に対し所要の報告を行うなど、各種の協議、調整が必要になるものと考えております。
 次に、年度内の補正予算への計上についてでありますが、当時私が申し上げましたのは、道路検討委員会がまだ設立されていない段階だったため、その可能性の一つとして、事業継続の結論が早く出れば補正も可能と申し上げたものであります。しかし、第1回道路検討委員会におきまして、今後、委員会の果たす役割の重要性にかんがみ、より慎重に十分な検討をすべきとの御意見や前回の環境調査を補足する調査等が求められていることを考えますと、現段階では本年度の補正予算への計上は物理的に難しい状況にあると考えております。
 次に、仮に中止となった場合の責任についてでありますが、現在はまだ道路検討委員会の結論が出ていない段階にありますので、当面はこの委員会での検討をできるだけ早期にお願いして、その提言も踏まえ、今後の奥産道の方向性を慎重に検討していくことが課せられた責務であると考えております。
 次に、花巻空港拡張整備のスケジュールについてでありますが、第7次空港整備5カ年計画の組み入れを受け、平成10年度の事業採択に向け、現在、国と協議を重ねているところであります。また、地元対応におきましては、これまで地権者会や地域住民で組織する地域振興協議会と緊密な連携を図るとともに、騒音対策におきましても、地元説明会を開催するなどして、地元関係者の御理解、御協力をいただいてきているところであります。今後の空港拡張整備に当たりましても、地権者の方々や周辺地域住民の方々とこれまで築いてきた信頼関係をもとに、今後とも十分な対応を行い、それを尊重して御理解と御協力をいただきながら事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、花巻空港拡張整備の事業費についてでありますが、現在、平成10年度の事業採択に向け国と協議を重ねている事業の内容は、滑走路、誘導路、エプロン等の基本施設や駐車場、照明施設等の附帯施設及び無線施設等の国直轄で整備する施設のほか、用地補償費となっており、これらの空港施設の整備事業費につきましては、平成7年度及び8年度に実施いたしました空港基本設計の成果をもとに積算した結果、おおむね270億円を見込んでいるところであります。そのほか、空港アクセス道路や空港ターミナルビルの整備等が必要となりますが、空港アクセス道路につきましては今年度より調査設計を進め、また、空港ターミナルビルにつきましても、今後、施設規模等について検討することとしております。
 次に、滑走路2、500メートル延長後の着陸料収入についてでありますが、就航する航空機の種類、便数によって異なりますが、平成16年時点での就航状況の予測から試算いたしますと、おおよそ年間6億円が見込まれるところであります。
 また、滑走路延長後における空港の維持管理に要する経費についてでありますが、現在の試算によりますと、空港面積の拡大等に伴いおおよそ年間5億円が見込まれ、着陸料等の収入の範囲内におさまるものと考えております。
 次に、下水道問題についてでありますが、まず、県内の平成8年度末の下水道普及率は公共下水道が26・4%で、前年度と比較いたしまして2%の伸びとなっております。なお、公共下水道以外の汚水処理事業を含めますと約31%となっております。
 次に、汚水処理の一元化につきましては、御指摘のとおり、それぞれの目的に応じた国の補助制度がありますことから本県の場合もそれぞれ担当部局で事業を実施している現状にありますが、県として一体的な汚水処理整備を進めるため、地域の実情に即した整備手法を選択し、計画的かつ効率的な整備促進を図ることを目的といたしまして平成6年度に全県域汚水適正処理構想を策定いたしまして、関係部局並びに市町村と連携をとりながら事業を推進しているところであります。
 この構想では、市街地を公共下水道事業、農業振興地域内の集落を農業集落排水事業、漁港の背後集落を漁業集落排水事業、これらの区域以外を合併浄化槽事業で整備することを基本としております。さらに、本年度中に総合的見地からこの構想の見直しを行った上、なお一層計画的かつ効率的な事業を促進し、効果的な普及拡大を図ってまいりたいと考えております。
 次に、下水道料金に対する市町村への財政支援についてでありますが、下水道事業の経営は、上水道などと同様に公営企業として独立採算性により行われ、その料金の算定の基本的な考え方としては、起債元利償還費と維持管理費の合計額を利用者に負担していただくものでありまして、それぞれの市町村条例で定めているところであります。この償還費と維持管理費は、市街地や集落の規模、地形、汚水処理方法などの条件で市町村によって異なりますことから、下水道経営の仕組み上、料金の差が生じているものであります。
 県といたしましては下水道料金に対して助成するものではありませんが、市町村への財政支援として、これまで公共下水道事業、農業集落排水事業、農業集落排水緊急整備事業及び漁業集落排水事業に対して県単独費による下水道事業債償還基金費補助を行っており、さらに平成9年度からはその対象を広げ、新たに公共下水道の緊急下水道整備特定事業に対して県費補助を行うこととしたところであります。また、公共下水道につきましては、財政力の弱い過疎町村を対象として県代行制度を導入し、現在5町村において事業を進めておるところであります。これらの財政支援により市町村の起債元利償還費等が軽減され、結果として下水道料金も低減が図られるものと考えております。
 なお、県といたしましては、今後とも下水道の普及拡大に向け、市町村の支援に努めてまいる考えであります。
   〔人事委員会委員長大沢三郎君登壇〕
〇人事委員会委員長(大沢三郎君) 県職員の採用に係る国籍条項の撤廃問題についてお答えいたします。
 公務員の国籍条項の撤廃問題につきましては全国的に種々論議がなされており、当委員会といたしましてもその動向に重大な関心を持って臨んでいるところでありますが、多くの課題があり、現在なお綿密かつ慎重な検討を進めているところであります。
 今後におきましては、各任命権者の意向にも配意しながら、これまでの岩手県のすぐれた人事管理方式を維持する中で、さらなる展開が図られるような方策を見出したいと考えております。
 なお、この件に関し、取材時における説明の趣旨と異なった報道がなされたことは遺憾に存じており、今後、当委員会の意図が十分に伝わるよう努めてまいりたいと考えております。
〇43番(佐藤正春君) それぞれに大変に難しい質問だったと思うんですが、誠意をもって御答弁いただきましてありがとうございます。
 まず、知事が新採用職員におっしゃったとおり、やはり今までのことにとらわれないでおやりになる、その中でも監査委員の外部導入をやりたいと、こういうことは非常に高く評価したいと思います。やはりそういうことから始めて、いわゆる県におけるスキャンダル等におけるものを明らかにしていくということが大事だろうと、こう思っております。
 それから、沖繩の米軍基地の岩手県への移転でございますが、これはもうぜひ、全国に先駆けてやるんですから、恐らくこの後新進党の県議団の方から、岩手に移す発議案でも出るんじゃないかと思って私は期待しているわけでございますから、ぜひ県民挙げてひとつ全国に先駆けてやっていただきたい、こう思っております。
 それから統一陳情でございますが、大変御苦労さまでございます。きのうの折居議員からもございましたが、この公共事業費、これは岩手県では一つの地場産業でございますから、何としてもこれやっていかなきゃならないわけでございます。吉永副知事さん、あなた昨年大した頑張ったんだ。今度もひとつ頑張ってください。どうでしょうか、決意のほどをひとつ。
 武居部長、あなたはこの間自民党の県連に来て、県連の幹部--私は幹部じゃないから、私以外があそこにいる--に対して、何とか大臣に会えるように御協力願いたいと要請しておったようですが、何人ぐらい会えるようになりましたか。特にこの新しい那須川議長さんは、自民党にもかなり太いパイプを持っておられる方でございますから、議長さんを通じてもひとつ頑張ってほしいと思います。
 それから一つ、カラ出張でございますが、カラ出張、カラ宿泊は、これは悪いんですよ。確かに悪いんですが、どうですか、残業手当を出してない。例えば5時半から計算されるわけでございますが、本来はこれは命令制度になっておりますが、間に合わないときは当事者の判断で翌日の申告となっているわけですね。ところが、この残業がみんなばらばらだ。例えば、現場の寒いところでうんと稼いでいる土木部などは5割しか出ない。あるいは商工、福祉、私の調べたところでは3割、2割。ところが、あなたのところの総務部のある課では満額懐に入っている、こういうところもある。これは、それは事業によって事務費がそれぞれ違うんですよね。違うから、そういうこともあり得るけれど、県職員全体から見ればこんな不公平なことないでしょう、どうですか。やはりそういう意味では、先ほど来私が申し上げましたけれど、旅費の問題でいろいろ、カラ出張だ、カラ泊まりだって騒がれているんですから、やはりそういうところを見てやらないと、私は、職員にとってもこれは勤労意欲がそがれるんじゃないかと思うんですね。新潟とか秋田ではもうやっているんですよ、改正して。どうですか、今後支給しますか、本県ではどうでしょうか、この点についてお伺いします。
 それから、東京事務所の食糧費の問題ですが、これ何ですか、負けるのがわかっていてもやるんですか。大抵、負けるのがわかっていればやらないですよ、これは。しかも今御答弁のとおり、裁判費用は県費でしょう、こんなむだなことしてどうするんですか。前例はみんなそうですから、みんな負けてるんですから、東京だの大阪はね。岩手県だけ勝つなんてことあり得ない、そんなこと。同じことですけど、ぜひそこいらあたりを考えて。要するに私は、むだをなくせと言っているんです。むだなことはしない方がいいですよということです。
 それから空港問題でございますが、吉永副知事さん、先ほど私はるる、仙台空港や青森空港の事例を挙げて申し上げた。問題は、乗るお客さんのことなんですよ。あなた、先ほどこう言ってる。何て言いますかね、お客さんも将来国際空港になるからと言ったって、乗る人が乗らなきゃどうにもならないんですな、そういう意味では。あなたの専門は何だかわからないけれども、この交通体系に対する知識というか哲学がない。
 例えば一つのヒントを申し上げると、先ほどあなたが言ったのは、仙台・青森空港は利便性にあると、こうあなたが言ってるんだからね、そう言って答弁してるんだから。仙台や青森がはやるのは利便性にあると、そのとおりなんですよ。花巻空港は、これはいろいろつくるのに問題があったために後発空港なんですよ。負けてるんですよ。いいですか、花巻空港から仙台空港までは189キロ、車で所要時間2時間23分です。それから花巻空港から青森空港までは203・5キロ、所要時間2時間31分。だからちょうど中間ぐらいなんだな、中間ぐらい。そうしますと、県北、県南のお客さんは、仙台、青森、それぞれ1時間コースですから、花巻から乗らないんですよ。しかもフライトがないでしょう、乗るわけないですよ、幾らあなたが頑張ったってね。ですから、本当におやりになるなら、成田だの関空に匹敵するような大空港--東北空港だな、その場合は名前は東北空港となる。それなら賛成ですよ。客観情勢から見て、今私がるる説明したとおり、あなたが幾ら強弁して、国際便も大丈夫、何が大丈夫、何が大丈夫ったって、乗らないことには話にならないんですよ。乗らないことには航空会社も入ってこないし。いいですか、ですからそこらあたりをひとつお考えいただきたい。
 福島空港、天草空港が問題になったことは承知しているでしょう、そういう先例があるんですから。ですから、そこらをよくお考えになって--何か、あなた今度転勤するという話なんで、これは後どうするんですか、だれか来るんだろうか。これは知事さんが決めることですがね。今までの財政的な問題からしても、恐らく次の副知事さんはおいでにならないと思うんですがね。だとすれば、あなたは最後の副知事だから、ひとつきちんとして、飛ぶ鳥は跡を濁さず、飛ぶ副知事は跡を濁さず、きちんとした空港の組み立てをしていただきたいと思っております。
 それから、国籍条項ですか。国籍条項、今委員長のお話ですと、新聞記者が悪くて、そんなことを言ったことはないと、こういうお話ですね。それ、事実ですか。だとすれば、その新聞記者はそれは訂正しなきゃならないということですね。私は、本県における外国人の場合は、岩手県に寄与する経済的な効果というのは相当あるんですよ。ちょっと言ってみますか。例えば、岩手県の外国人で一番多いのは、韓国人、朝鮮人です。この中でいわゆる30兆産業と言われるパチンコ、パチンコ産業が大体170店舗ぐらいあるんですよね。これはまた、パチンコをやっている経営者から怒られるかもしれないけれども、大体1店舗1日の売り上げが500万から1、000万と言われているんですよ。でありますから、例えば500万にしても1日8億5、000万ですよ。年間の売り上げ、あるいは税金、雇用、物の納入の物流等々を考えれば、こういう外国人は相当これは岩手県に対しても貢献しているわけです。その外国人に対して、こんなことを調べるのは税金のむだ遣いだなどと、こんなことを言う県幹部がいるとしたら、あの人たちに言わせれば、こんな人を使ってるのは税金のむだ遣いだってかえって言われるんじゃないの。委員長、いかがですか、その真意のほどは。あと5分あるから、まだお答え願います。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 花巻空港の今後につきまして先ほどお話を申し上げましたけれども、そのソフト面といいますか、空港の利便性ということは非常に重要なところでございます。花巻空港と仙台あるいは県北との距離、あるいは現在においてかかる時間というのは、議員御指摘のとおりでございます。また、そうしたかかる距離とともに、現在の花巻空港から飛んでいる、開設されている飛行機の便数あるいはその時間、そういったものから空港の利用度合いが決まってくるというのも、議員のまさに御指摘のとおりでございます。そういうことがございますので、私どもとしては空港を延長するというハード面とともに、そうした面での向上というか、そういった意味の改善も一生懸命やっていこうと考えているわけでございます。
 具体的には、現状におきましても、例えば国内の便においてもその定期便の数をふやすとか、あるいはもっと便利な時間帯に飛ぶようにするとか、そういった面の努力は不断にやっていくことが必要でございます。それから国際線につきましても、私が先ほど申し上げましたのは、例えば岩手県から今ほかの空港を通って海外に行っている人の数は、北東北3県の中で一番多いという、そういう統計的事実もございますので、もしうまくチャーター便をつくることができたら、そういった方々を花巻から飛んでいただくということもできるのではないか。そういったことを繰り返すことによって、国際定期便も将来的には可能ではないかと。そういった方向で、まさに議員御指摘のソフト面と申しますか、空港の利便性をより高く改善していくことで、空港整備の方向でのハード面をそれによって補完することで、花巻空港を岩手県の空の玄関として立派な空港にしていきたい、そういうふうに考えている次第でございます。
 私といたしましては、自分の持てる力を全部尽くしてこの花巻空港その他、岩手県勢の発展の方向には全力を尽くしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(「陳情どうなった、陳情。答弁漏れある」と呼ぶ者あり)
 私は、岩手県のために一生懸命努力できるということをもっとも喜びとしておりまして、この空港を含めて、私の全精力を尽くして最後の一瞬までかけていきたいと考えております。(拍手)
   〔「よし」「勝負あり」と呼ぶ者あり〕
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) 統一要望の関係でございます。
 現在私どもの担当課において鋭意、面談等の時間調整に向けて努力しておりますけれども、佐藤議員を初め県議会の皆様方の力強い御支援あるいはお力添えもいただきまして、このように大変厳しい財政状況でございますので、所期の目的が達成できるよう精いっぱい頑張りたいと思います。何人に会うことができるかというお尋ねもございましたが、現時点ではちょっとまだ未定でございますけれども、特に公共事業、大変厳しい状況にございますので、そういったところを中心に精いっぱい所期の目的が達成できるよう、最後まで面会等につきまして国との調整をさせていただきたいというふうに考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 超過勤務手当の支給についてでありますが、一時的な業務増などにより超過勤務時間数が増加したような場合には、事情をよく把握しまして適切な支給が行われるよう努めてまいりたいと存じます。
   〔「よし」「答弁になってないぞ」と呼ぶ者あり〕
   〔人事委員会委員長大沢三郎君登壇〕
〇人事委員会委員長(大沢三郎君) 新聞報道についてでございますけれども、新聞記者との会見の中でいろいろとお話が出たようでございますが、その中で一部が短絡されて、お話をした本旨とはかなりかけ離れたような記事になったというふうに報告を受けております。したがって、この新聞報道に出ているように、税金のむだ遣いだというふうな決定的なことは言っていないというふうに聞き及んでおります。
〇43番(佐藤正春君) そこで、それぞれ言われたんですが、総務部長、この超過勤務手当、あなたの部下だから、やはり岩手県をどうしようか、よくしようということになれば、県職員がやっぱり頑張らなきゃいけない。頑張るにはやはりそれなりの、一生懸命頑張って残業をしてるんですから、超過勤務手当、残業手当ぐらい出すぐらいじゃないと。あなた部下に信頼されてるんだから、やはり岩手県の職員は働きもする、だから手当ぐらい出してやると、こういうんじゃなきゃだめじゃないですか。
 それから花巻空港問題でございますが、それぞれの部局の責任でございますが、きょうは土木部長の答弁がほとんどでございますが、企画部長--企画調整部長か……(「振興だ、振興」と呼ぶ者あり)そうそう、それだ。あなた本来は、土木部はやっぱり現象面のことをやらなきゃいけないんですよね。もっとあなたが力を入れてこういうのをやらなきゃだめだよ。そうでしょう。あなたもまた、すぐ帰るからというので手抜きしてるんじゃないんだろうね。だめだよ、そういうことじゃ。そうでしょう。特に空港問題はみんな、花の三人組というか、天下り三人組というか知らんけど、副知事、企画、土木なんだから、お互いに助け合っていいものを残してもらわなきゃだめですよ、これ。
 人事委員会の委員長、わかりました。そうすると、これは新聞の誤報というかな。だけど見た人は、特に外国人は、非常に私のもとに電話が来てる、岩手県はひどいところだと。これはやはり、きちんと責任所在を明らかにしないと、これは事実そこに立ち会ったわけじゃないからわからないんですが、十分に今後こういう問題が起きないように委員長の方から注意してください。
 以上、終わります。
〇議長(那須川健一君) 佐藤正春君にお伺いしますが、大隅総務部長の部分については要望でよろしゅうございますか。
〇43番(佐藤正春君) いいです。
〇議長(那須川健一君) ただいまの発言は、すべて要望でよろしゅうございますね。
〇43番(佐藤正春君) はい。
   〔「進行」と呼ぶ者あり〕

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