平成9年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成9年9月29日(月曜日)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 筒井則裕

1説明員
医療局長 渡辺 勲
医療局次長 佐藤 勝
参事兼職員課長 伊藤勝也
参事兼経営指導室長 吉川達男
参事兼医師対策監 高橋隆治
管理課長長 澤忠雄
業務課長 大川正裕
システム管理室長 佐藤 巌
 
監査委員 源新義弘
監査委員 橋本光男
監査委員事務局長 飛澤重嘉
総務課長 山瀬宗光
監査課長 青木 拓
 
財政課長 千葉 弘
   

〇村上議会事務局長 御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、委員会条例第7条第2項の規定により、年長の委員が委員長の職務を行うことになっておるので、年長の委員を御紹介申し上げる。
 出席委員中、藤原哲夫委員が年長の委員であるので、御紹介申し上げる。藤原哲夫委員、どうぞ委員長席に御着席願う。
   〔年長委員藤原哲夫君委員長席に着く〕

〇藤原年長委員 ただいま紹介された藤原哲夫である。何とぞ、よろしくお願いを申し上げる。
 それでは、ただいまから決算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開く。
 これより委員長の互選を行う。委員会条例第7条第2項の規定により、委員長互選の職務を行う。
 お諮りする。委員長の互選の方法については、指名推選の方法によりたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、互選の方法は、指名推選によることに決定いたした。
 お諮りする。指名推選の方法については、当職において指名することにいたしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、当職において指名することに決定いたした。
 決算特別委員長に、三河喜美男君を指名する。
 お諮りする。ただいま当職において指名した三河喜美男君を、決算特別委員長の当選人と定めることに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、ただいま指名した三河喜美男君が決算特別委員長に当選された。
 ただいま当選された三河喜美男君が委員会室におられるので、本席から当選の告知をする。
 三河委員長、委員長席にお着き願う。
   〔決算特別委員長三河喜美男君委員長席に着く〕
   (拍手)

〇三河委員長 ただいま各位の御推挙により、決算特別委員会の委員長に指名いただいて、大変光栄に存じておる次第である。委員各位の御協力により、責任を全うしたいと考えておるので、どうかよろしくお願い申し上げる。(拍手)
 引き続いて副委員長の互選を行いたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認め、さよう決定する。
 これより副委員長の互選を行う。
 お諮りする。副委員長の互選の方法については、指名推選の方法によりたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認める。よって、互選の方法は指名推選によることに決定した。
 お諮りする。指名推選の方法については、当職において指名することにしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認める。よって、当職において指名することに決定した。
 決算特別副委員長に、菊池勲君を指名する。
 お諮りする。ただいま当職において指名をした菊池勲君を、決算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認める。よって、ただいま指名した菊池勲君が決算特別副委員長に当選をされた。
 ただいま当選された菊池勲君が委員会室におられるので、本席から当選の告知をする。
 菊池副委員長、ごあいさつを願う。

〇菊池副委員長 ただいま委員各位の御推挙により、決算特別委員会副委員長に指名をいただいて大変光栄に存じておる。委員長を補佐し、各位の御協力によって委員会を円滑に運営できるよう、皆様の御協力をお願い申し上げてごあいさつとする。(拍手)

〇三河委員長 お諮りする。当決算特別委員会に付託された決算3件についての審査の方法であるが、本日は医療局関係について、9月30日は企業局関係についての説明を求め、質疑を行うこととし、決算3件に対する意見の取りまとめと採決については、9月30日の企業局関係の質疑が終わった後、各会派の意見調整を経た上で行いたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認め、さよう決定する。
 これより議事に入る。認定第1号、平成8年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成8年度岩手県工業用水道事業会計決算までの3件を一括議題とする。
 引き続き認定第1号平成8年度岩手県立病院等事業会計決算について、医療局長の説明を求める。

〇渡辺医療局長 認定第1号平成8年度岩手県立病院等事業会計決算について御説明を申し上げる。
 県立病院事業の運営に当たっては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見、県営医療審議会及び監査委員の御意見の趣旨等を踏まえ、まことに厳しい医療環境ではあるが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところである。
 事業の概要としては、良質で効率的な医療供給体制とこれを支える安定した経営基盤の確立のため、県立病院ヒューマニティー21計画に掲げる目標の実現に向けて、多様な取り組みを展開してまいったところである。
 まず、診療活動の面においては、前年度に比較して20万7、000人を上回る年間延べ655万4、000人余に及ぶ患者さんの診断、治療に当たってきたほか、県民の健康の保持増進のため、関係機関との連携のもとに、健康診断や予防接種、健康指導あるいは疾病予防等の保健衛生活動についても積極的に推進してまいったところである。
 次に、診療体制及び施設等の整備についてであるが、医師については、岩手医科大学を初め東北大学、その他関連大学との連携を密にしながらその確保に努めてきたところであり、今後においても、なお一層の努力をしてまいりたいと考えておる。また、医師以外の看護部門等の職員についても、新看護体制への移行などに対応するため、所要の増員を行ったところである。
 施設の整備については、増大かつ複雑・多様化する医療需要と医学、医術の進歩等に的確に対応するため、胆沢病院新築移転工事及び江刺病院増改築工事を完了したほか、高田病院増改築工事及び花巻厚生病院増改築工事に着手し、また、前年度に引き続き久慈病院移転新築工事を施工しているところである。
 医療器械については、超電導式磁気共鳴画像診断装置、医用リニアアクセラレータ等の放射線設備及び各種検査機器等の整備を行ったところである。
 以上、業務の概要を申し上げたが、御案内のとおり、人口の高齢化の進展や社会経済情勢が急速に変化する中で、我が国の医療は大きな転換期を迎えようとしており、医療をめぐる環境は、今後、一段と厳しさを増すものと受けとめているところである。医療局としては、こうした時代の変化と要請に的確に対応しながら、今後とも、県下にあまねく良質な医療の均てんをという創業の精神を事業運営の基本に据え、公的医療機関として県民医療の確保のため、強い使命感と高い倫理観のもとに患者さんへのサービス向上に努め、県民の皆様から、より信頼され愛される病院づくりに、職員一丸となって全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるので、県議会並びに関係各位の一層の御指導をお願い申し上げる次第である。
 それでは、お手元の決算書に基づいてその概要を申し上げるが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税相当額を含めた金額で作成するものであるが、損益計算書、その他の財務諸表は消費税抜きの金額で作成することとなっておることから、金額に相違があるのであらかじめ御了承願う。
 決算書の1ページをお開き願う。
 まず、決算報告書の収益的収入及び支出であるが、収入の第1款病院事業収益は、予算額1、042億7、900余万円に対し、決算額は1、043億1、800余万円である。
 次に、支出であるが、第1款病院事業費用は、予算額1、041億4、800余万円に対し、決算額は1、036億6、800余万円である。
 2ページをお開き願う。
 資本的収入及び支出についてであるが、収入の第1款資本的収入は、予算額222億6、200余万円に対し、決算額は192億1、100余万円である。その主なものは、第1項企業債164億5、700万円、第2項出資金6、000余万円、第3項負担金23億1、900余万円などである。
 次に、3ページであるが、第1款資本的支出は、予算額267億1、700余万円に対し決算額は239億2、200余万円で、その主なものは、第1項建設改良費が194億1、800余万円で、胆沢病院新築移転工事、久慈病院移転新築工事、江刺病院増改築工事及び医療機器等の整備に要した費用である。
 第2項企業債償還金42億9、600余万円は、施設等の整備のために借り入れした企業債の償還金である。
 なお、資本的収入が資本的支出に不足する額76億9、800余万円については、前年度からの過年度分損益勘定留保資金38億6、400余万円等で補てんし、残りの38億2、500万円は当年度許可済未発行企業債で措置するものである。
 次に、損益計算書について御説明申し上げる。4ページをお開き願う。
 医業収益は923億7、000余万円で、前年度に比較して31億2、800余万円、3・5%の増加となっておる。医業収益の主なものは、入院収益515億9、600余万円と外来収益359億3、000余万円である。
 次に、医業費用は968億9、800余万円で、前年度に比較して31億6、300余万円、3・4%の増加となっておる。医業費用の主なものは、給与費515億1、500余万円、薬品を主な内容とする材料費が327億8、300余万円、光熱水費、修繕費、賃借料、委託料等の経費が87億6、800余万円、減価償却費が30億7、100余万円である。また、医業外収益は115億1、700余万円で、前年度に比較して7億6、200余万円、7・1%の増加となっておる。医業外収益の主なものは、一般会計負担金のうち、医業外収益として繰り入れした負担金交付金107億5、700余万円などである。
 次に、5ページに参るが、医業外費用は61億4、000余万円で、前年度に比較して3億4、600余万円、6・0%の増加となっておる。医業外費用の主なものは、支払い利息及び企業債取扱諸費43億3、300余万円と、仕入れ控除できない消費税12億2、500余万円を含む雑損失13億6、700余万円などである。また、特別利益3億7、200余万円は、中央病院用地の一部を道路用地として売却した利益及び旧千厩病院用地を売却した利益であるし、特別損失5億8、200余万円は、旧千厩病院の建物取り壊し等の費用及び胆沢病院の移転等に要した費用である。
 この結果、平成8年度の病院等事業会計の損益は、診療報酬の改定があったものの、同時に行われた薬価基準の引き下げなどにより、診療報酬の改定による収入の増加が微増にとどまったが、各病院において、より信頼され、愛される病院づくりに取り組んだことにより患者さんの増加があったこと、医療器械の導入による医療の高度化を進め、患者さんへの医療サービスの充実を図ったこと、さらには、経費等の節減に努めるなどの経営努力を行ったところ、6ページの剰余金計算書に記載のとおりの6億3、900余万円の純利益が生じ、平成7年度に引き続き2年連続の黒字決算となったところである。この結果、当年度未処理欠損金、いわゆる累積欠損金は80億6、000余万円となるものである。
 以上、事業の概要、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げたが、剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項については説明を省略させていただきたいと存ずる。
 以上で説明を終わるが、よろしく御審議を賜るようにお願い申し上げる。

〇三河委員長 これより質疑に入るわけであるが、世話人会の申し合わせにより、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、また、先例により、質疑に当たっては、項目が複数ある場合一問一答で行わず、質疑事項の全部について一括して質疑を行うよう、議事進行に御協力をお願い申し上げる。
 また、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先をして発言を認めているものであるので、その性格上、関連性のあるもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願い申し上げる。
 なお、過去の特別委員会において、関連質疑ということで発言し要望のみで終わる例があったので、そういうことがないよう御協力をお願い申し上げる。
 ただいまの渡辺医療局長の説明に対し、質疑ないか。

〇渡辺委員 それでは、私の質問に入らせていただく。
 まず、平成8年度決算の特徴と黒字決算の要因についてお伺いする。
 ただいま医療局長の説明にもあったように、平成8年度決算は、平成7年度の決算額に比較して4億3、400万円余収支が好転し、平成7年度決算に引き続き2年連続の6億3、900万円余の黒字決算となったところであるが、決算書の内容を拝見すると、総収入については前年度比で40億500万円余増加している一方、総費用は35億7、100万円余の増加にとどまっており、県立病院職員の皆様が一体となって経営に努力された結果であるものと高く評価するものである。
 そこで医療局では、平成8年度1年間の事業運営を通じて、決算の特徴と黒字となった要因をどのようにとらえておられるのか、まず伺う。

〇渡辺医療局長 平成8年度決算の特徴と黒字決算の要因についてであるが、まず、患者動向から見ると、入院患者数は年間延べで198万4、957人であり、前年度に比較して2、525人、0・1%の減少となっておるが、これは診療日数が1日減となったこと。つまり、平成7年度は366日だったわけであるが、平成8年度は365日で1日減であるので、そういうことによるものであり、これを1日平均患者数で見ると、8人、0・1%の増加となっておる。
 なお、入院患者数はここ数年、病床利用率が比較的高いこともあり横ばいの状況にある。一方、外来患者数であるが、年間延べで456万9、481人であり、前年度に比較して20万9、579人、4・8%の増加となり、この点は過去最高の患者数となっておる。また、病床利用率であるが、一般病床の利用率は前年度より0・2ポイント増加して89%となっておるが、これは男女別の利用であることや重症患者への対応、さらには救急への対応等を考慮すると、かなり高い利用率となっているものと思われる。
 次に、収支面から見ると、収益については、各病院が医療の高度化あるいは新看護体制への移行などの努力をし、また、患者の確保に努めた結果、入院で患者1人当たりの単価がアップし、さらに外来では患者数が増加したことにより、入院・外来収益をあわせた料金収入が前年度と比較して27億3、700万円余、3・2%の増加となった。一方、費用の面で申し上げると、給与費は前年度に比べ14億151万5、000円、2・8%増加したが、これは、給与改定が低率であったために4億1、717万円の増加で済んだものの、定期昇給の所要額が8億7、371万8、000円、臨時職員の雇用日数の増加や日額の改定によって、3億5、519万9、000円などが増加したことによるものである。また、材料費であるが、先ほどお話ししたように、患者数の増加によって材料費が増額しているほか、薬価基準の引き下げに伴って、薬価差益の減少による影響があったこと、さらには、医療の高度化による診療材料費の増額などがあり、前年度に比較して14億8、765万6、000円、4・8%の増加となっておる。
 次に、一般会計の負担金であるが、新たにリハビリ医療に対応するものとして2億3、980万9、000円が繰り入れられたほか、繰入金算定の基礎となる企業債利息の増加や救急医療等の計算の基礎となる治材単価の引き上げなどにより、前年度に比較して10億1、808万7、000円、8・4%の増加となっておる。その結果、差し引き損益では医業収支においては赤字となっているものの、一般会計などの繰り入れにより、総収支では6億3、949万1、000円の黒字決算となったものである。また、このことから、累積欠損金は80億6、470万2、000円に減少したところである。

〇三河委員長 渡辺委員にお願いを申し上げる。
 質問項目が複数にわたる場合は、一括御質問をいただく。議事進行に御協力願う。

〇渡辺委員 それでは一括して。
 次に、平成9年度の経営収支の見通しについてお伺いする。
 県立病院事業の平成9年度の経営収支の見通しについては、さきの2月議会の予算特別委員会の際に、平成9年度当初予算は大変厳しいものがあり、消費税率の引き上げなどにより7億5、300万円余の赤字予算を組まざるを得なかったと述べておられるが、私としてはここ2年間黒字決算が続き、ようやく経営も安定してきており、80億円余の累積欠損金の解消に向けてさらに御努力いただけるものと期待しておったが、こういう事態になることは大変残念に思っておる。
 そこで、この4月以来およそ半年間が経過したが、医療局では、この半年間の実績を踏まえた平成9年度の経営収支の見通しをどうとられておられるのかお伺いする。
 次に、健康保険法の一部改正が事業に与える影響であるが、国においては、今月9月1日から健康保険法の一部を改正し、健康保険の本人の一部負担の率を1割から2割に引き上げ、老人保健法では、入院の1日当たりの負担額の引き上げと外来の1カ月の定額制を通院回数に応じて支払う方法に変更し、さらには、すべての外来患者から、調剤された薬剤の種類に応じた1日当たりの負担額を新設するなど、患者の一部負担について大幅な改正を行ったところである。この改正が県立病院においても、来院する患者の数などに影響があるのではないかと思われるが、まだ施行されて1カ月に満たない時点であるが、この法改正が与える影響をどう考えておられるのかお伺いする。
 あわせて、前から言われておった薬漬け、検査漬け医療というものを防止する意味で新設された外来薬剤費の一部負担金制度により、県立病院の診療内容等にも何らかの影響があるのではないかと思われるが、この点についてもお考えをお聞きしたいと思う。
 次に、職員定数の運用についてお伺いする。
 県立病院職員の定数については、久慈病院、大船渡病院に接する救命救急センターの要員分を含めて、本年4月1日から260人定数増をしたところである。昨今、国及び地方自治体においては行財政改革の推進が喫緊の課題として取り上げられており、職員の定数についても、減少はあっても増員は考えられないというような情勢から見ると、いかに医療局が事業を担当していると言いながら、極めて異例のことだと考えるものである。年々医療に対する需要が多様化し、医療の質の向上が叫ばれている中で県民の医療を確保するためには、人員の増加で対応しなければならない部分があることはやむを得ないと思われるが、平成9年度の収支見通しが大変厳しい中で、今後の定数の運用について基本的にどういう観点で運用していこうとされているのか、4月1日からの実際の配置数も含めてお伺いする。
 次に、県立病院等事業会計経営計画と新岩手県総合発展計画との関係についてお伺いする。
 県においては、平成11年度を初年度とする新岩手県総合発展計画の策定に向けて、本年度から計画の策定事務に入っているものと伺っている。一方、県立病院においては、現在平成3年度を初年度とし、昨年中間見直しを行った岩手県立病院等事業経営計画に沿って着実に経営を進めているところである。この岩手県立病院等事業経営計画の最終年度は平成12年度となっておるが、新岩手県総合発展計画が平成11年度からスタートすることになれば、およそ2年間ほど整合性のとれない期間が生ずるものと考えられる。この2年間について、医療局はどのように配慮されるおつもりなのかお伺いする。

〇渡辺医療局長 それでは、私からは平成9年度の経営収支の見通しについてお話を申し上げて、その他のお尋ねについては関係課長、室長からお答えさせるので御了解を賜る。
 平成9年度の経営収支見通しであるが、平成9年度当初予算編成時点における収支見通しである。これについてちょっと触れさせていただくが、平成9年度の当初予算においては、9年4月からの消費税率の引き上げの影響等によって、ただいまお話しのとおり7億5、300万円余の赤字を見込んだところであり、この当初予算においては4月からの診療報酬改定と薬価基準の改正、あるいは9月からの医療保険制度の改正、そして8月の人事院勧告に伴う給与改定の影響等は見込んでいなかったものである。その後の8月までの実績を踏まえ、さらにはその後の状況の変化等にのっとって現時点での平成9年度の決算収支を見通してみると、まず、収益の面であるが、患者数は、入院においては前年度をちょっと下回っている傾向にあるし、また、外来においても伸び悩んでいる状況にある。また、患者1人当たり収益は、診療報酬改定の影響からその伸びは入院、外来ともに小幅にとどまっている状況にある。一方、人事院勧告に伴う給与改定の所要額は5億4、200万円余と見込まれておるし、また、賃金、修繕費等の費用は、一層の患者サービスの向上や建物の劣化等への対応などから、当初予算計上額を上回ることが見込まれておる。それから、9月からの医療保険制度の改正に伴う患者自己負担割合の引き上げによる影響であるとか、あるいは旧病院の跡地売却等については、現時点ではいまだ不確定な部分が多いところである。こういった事情から、平成9年度の決算収支の現時点での見通しは、今年度当初予算編成時点でも相当厳しいものがあったわけであるが、なお一層、さらに厳しいものになると存じておる。こういう状況にかんがみて、私ども職員一丸となって、今後とも一層、収支の改善に努力していかなければならないと存じておる。

〇大川業務課長 本年9月1日から施行された健康保険法の一部改正が事業に及ぼす影響についてであるが、お話あった外来患者数の動向を見てみると、9月1日から19日までの患者数は、昨年同期に比較して7・4%ほど減少いたしておるが、第3週に入ってほぼ前年度並みに回復していることなどもあって、もう少し様子を見ないと何とも予測がつきかねる状況にあるので、何とぞ御了解賜りたいと思う。
 なお、ほとんどの患者さんに一部負担金をお支払いいただくことになったわけであり、若干会計窓口での待ち時間がふえている状況にあるし、また、窓口での一部負担にかかわる患者さんとのトラブルは一切なかったところである。
 次に、外来薬剤の一部負担が診療に与える影響についてであるが、健康保険法の一部改正において薬剤の一部負担金制度が改正になったわけであるが、これは、薬剤使用の適正化などを目的として新設されたものであり、県立病院としても従前から薬剤の適正使用に努めてきたところである。しかし、患者あるいはまた医師サイドからは、薬剤実費負担を念頭に置いた対応も一部出てくるのではないかと、こんなことが考えられるわけであるけれども、いずれ、診療内容にまで影響を及ぼすような事態にはならないだろうと、こんなふうに考えておる。

〇伊藤参事兼職員課長 職員定数の運用であるが、職員配置の基本的な考え方としては、一つには、医療法に定める医師、看護婦等の配置基準、二つ目には、健康保険法に定める新看護、基準看護の必要数、三つ目には、看護職員の3交代の夜勤体制を維持するために必要な人員などを基本として、さらには各病院の業務の状況等を勘案の上、人員を配置しているところである。本年度は、さらに久慈病院の移転新築、同病院に開設される救命救急センターの要員等を含めて、前年度より65人多い4、824人を配置しているところである。
 今後とも、医療需要の動向を勘案しながら、良質で安定した医療を提供できるような、弾力的かつ適正な定数運用に努めてまいりたいと考えておる。

〇吉川参事兼経営指導室長 県立病院事業経営計画と新しい総合計画についてお答えする。
 新しい総合計画は、計画の期間を平成11年度を初年度として、平成22年度を目標年次とする12カ年計画として進められている。スケジュールであるが、9年の7月28日に県の総合計画審議会に諮問されておる10年の10月ころに中間答申、11年の7月ころに答申される運びと承知しておる。県総合計画の部門別計画である医療法に基づく医療計画でもある保健医療計画、これは法律で5年ごとの見直しが義務づけられておることや、また、現在、国会で継続審議となっておる医療法の改正で医療計画の必要的記載事項が追加されることなどの事情もあり、現在、担当部で検討中であると聞いておる。現在、国においては、構造的財政改革の取り組みの中で、平成12年度の実施を目途とする医療保健及び医療提供体制の抜本的改革についての検討が進められておる。そこで、県立病院の次期経営計画の策定については、新しい総合計画とそれから保健医療計画との整合性をとることを基本として、医療保険制度の改革が県立病院事業の運営にも大きく影響することも考えられるので、その改革の内容を十分に踏まえながら取り組んでいきたいというふうに考えておる。よろしくお願いする。

〇佐藤(正)委員 自民党の議会対策委員である佐藤正春である。
 去る7月のテレビ番組、那須川新議長に聞くの中で、アナウンサーは、どうも今の県議会は白熱した政策論議もないし、形骸化しているのではないかとの問いに対して、議長は、議長として公平中立を旨としているが、議員は一層勉強を深めて政策論争をすれば、活性化につながると語っておられる。まさにそのとおり。官僚の独走が、中央、地方でも懸念されておる。今日、我々も議会のチェック機能を十分に発揮し、オンブズマンや市民団体の追及に議会がおくれをとるようなことがあっては、県民から厳しく批判を受けるわけである。特に、医療局、企業局の決算は低調と言われておるので、しっかりとやりたいと私は思っておる。
 岩手県の県立病院は、県民医療の提供のために長い歴史と伝統を持ち、全国でも高く評価をされているところである。私はかねてより、元来、県病についてはあらゆる機会を通じて、また、監査委員として、一貫して赤字でよろしいと、県病は赤字でよろしいと。ただし、むだ遣いはだめ。不必要な医療器械、過大なる薬品提供などはいけないと、こう申し上げてきた。そうであったろう、源新監査委員。
 ただいまの局長の報告によると、私の意に反して、2年連続の黒字決算となったようであるが、みんなで一生懸命やってしかも黒字になったということについては敬意を表し、その努力について心からねぎらうものである。
 そこで、まず、診療報酬の改定について伺う。
 県病の平成8年度の決算が黒字になった要因の一つに、診療報酬の改定の影響が考えられるが、国民医療費の抑制下においては、経営上、診療報酬の改定に多くを望むことは難しいものと考えられるが、医療局としては、平成8年4月1日の診療報酬改定が事業に与えた影響がどの程度あったものかお伺いをする。
 次に、保険診療のほかに自由診療を患者が求めるシステムがあるが、その状況と県病における自由診療は平成8年度はどれくらいあったのか、また、今後の推移についてはどうなのかをお伺いする。

〇渡辺医療局長 平成8年4月1日の診療報酬改定が事業に与えた影響はどうかということであるが、平成8年度の診療報酬の改定は4点あり、急性期医療と長期療養の適正な評価、医療機関の機能分担と連携の積極的な推進、医薬品の適正使用や適正な医薬分業の推進、そして急性期医療及び小児医療等のニーズの高い分野の評価、この4点についての改定が、こういう面からの改定がなされたところである。その影響として、厚生省では医療費のアップ、これが3・6%、それから薬価基準の引き下げ、これは医療費ベースで2・6%の減により、差し引き実質1%の改定と公表しておるが、これを県立病院に置きかえてその影響率を推計すると、入院では1・2%の増であるが、外来では0・3%の減となったために全体では0・6%であり、公表数値を0・4ポイント下回るという結果になっておる。
 なお、改定の効果額は4億9、400万円であり、この数値で4億9、400万円ということになっておる。
 なお、診療報酬の改定については、経営の実態を反映して適正な改定がなされるよう、全国の団体等を通じて厚生省へ要望しているところである。

〇大川業務課長 保険診療以外の自由診療についてのお尋ねについてお答えする。
 県立病院は、保険医療機関として保険適用外の診療を行ってはならないこととされておるわけであるが、今日の医学、医術の進歩、革新などに伴って、ごく例外的に保険適用外の医薬品の使用であるとか検査、治療が行われることがある。これはあくまでも医師が診療上、有効、適切と認められたものに限られるものであるし、また、患者さんの要望あるいはまた患者さんの納得と同意を得て、医師の慎重な管理のもとに行われているところである。また、保険医療機関であっても、保険適用外の治療が認められているものに、御承知の丸山ワクチンなどがある。これは患者さんがあるいはその家族がみずからワクチンなどを購入して治療を希望した場合で、かつ、担当医師が認めた場合に限り病院の責任のもとにおいて治療しているものである。
 なお、これら治療は、患者さん個々に対する一連の診療行為の中で行われるものであるし、これら一治療行為ごとにどれだけ行われているのかということについては把握できかねるのが実情であるので、どうか御了承賜りたいと存ずる。

〇佐藤(正)委員 わかった。そうすると、どうなんであろうか、自由診療は元来県病では違法であるが、患者のせつない気持ちによって、患者が何としてもこの薬を使いたいと、あるいはこの検査をしてくれと、あるいはこの手術をしてくれという場合には、医師の判断でやるということである。そうなると、これはいわゆる違法をあえて医師の診断というか独断というか配慮でやるということは、医療局としてはどうこれは考えているのであろか。認めるということであろうか、どういうことであろうか。

〇大川業務課長 先ほど申し上げたように、例外的な扱いということであり、委員おっしゃったような大きな手術であるとかあるいはまた治療ということになると、これは先例であるが、例えば体外衝撃波による腎尿管結石破砕であるとか、それからまたがん等の悪性腫瘍の電磁波温熱療法あるいは前立腺高温度治療などというのがあったけれども、これは保険適用外のものであったが、利用料規則で定めて御要望があった場合実施していたものである。
 それから、細かなと申そうか検査であるとかあるいはまた先ほど申し上げた丸山ワクチンみたいな薬であるとか注射、ああいったものについては、日常の診療行為の範囲の中であるいはまた患者さんからのたっての御要望があった場合、必要と認めた場合に実施しているというのが現状である。

〇佐藤(正)委員 これは非常に難しい。余りこれ以上言っても気の毒だし、しかし、県病のあり方とそれから患者の願い、あるいは患者の家族の願いと矛盾する場合がある。であるから、やはりこれはある程度一つの県病として基準を設けていて、それの中でやっていかないと、今度患者同士で、丸々さんの場合してくれたけれども、私のときはしてくれなかったという不公平感が出てくるんじゃないかと思う。そこらあたりはちょっと、これ以上は言わないけれども、やはり医療局内で基準をある程度決めておいたらいいのではないか。
 次に、新聞の投書欄などを見ると、時々医療の信頼を生むレセプトの開示が目につくが、本県の状況はどうなっているのであろうか。いずれにせよ、食糧費といわず県民は知る権利があり、医療といえども聖域ではない。今後において、このレセプトの公開制度をおとりになるつもりがあるかどうか、この点を伺っておく。
 次に、県病で平成8年度に医療事故は何件あったのであろうか。また、裁判中のものがあったらあわせてお示しを願いたいと思う。

〇大川業務課長 レセプトの開示についてであるが、患者家族に対する適切な情報の提供は、委員お話しのとおり、まさに社会的な要請でもある。厚生省は、本年6月、レセプトを開示することとしてその取り扱いについて通知したところである。レセプトの開示に当たっては、まず、患者さんが健康保険組合であるとか市町村など、保険者に対して開示請求を行うというもの、そして開示請求を受けた保険者は担当医の同意を得てレセプトを開示することとなっておるので、県立病院としては患者さんから開示請求があった場合、担当医の判断により病名の告知など、診療上支障がない限り、開示について同意を与えることといたしておるところである。

〇高橋参事兼医師対策監 8年度の医療事故の件数について御報告申し上げる。
 医療事故として患者家族から申し入れのあったものは、8年度は5件あった。それから、それ以前のものであるが、7年度以前というか現在裁判中のものは、平成5年に提起された釜石病院の事件、これは平成4年の3月に患者さんが亡くなったということであるが、それからもう1件、平成6年の5月に亡くなった患者さんの遠野病院の事件の2件である。

〇佐藤(正)委員 このレセプトの公開というのはやはり今まで--患者というのは医者の前ではなかなか弱い。委員長のせがれも医者をやっているから、委員長よくおわかりだと思うけれども、医者の前で患者というのは非常に弱い立場にある。どうしてもこれ聞こう、あれ聞こうと思っても聞かれない。そういう意味においては、いわゆる積極的にレセプトを公開するということは必要である。もう、今の時代は、医者の言うことは何でもそのとおりだという時代ではない。であるから、私は医療局としてもこれは公開して、そしてお互いにそこで医師と患者というものが本当の意味の理解を深めるということが必要ではないかと、こう思っておる。
 それから医療事故5件、裁判というものがあるが、この5件のうちの内容、なお、この5件は事故であってその後裁判あるいは告訴等に入っているかどうか、その点はどうであろうか。

〇高橋参事兼医師対策監 いずれの事件というか申し入れについてもまだ裁判には至っていないものであり、話し合いはしておる。

〇佐藤(正)委員 今までの経過の中で申し上げるが、今後の医療対策の一つとして、今まで問題にされなかった医師の誤診や病院の治療ミスなどの医療を専門的にチェックする機関が必要だと、私はこう思う。そのための医療チェック機関を担当部局に設置するように御提案をいたしたいわけであるが、医療局の見解はいかがであろうか。

〇高橋参事兼医師対策監 御提案の医療チェック機関設置については担当部局ということであるので医療局としての立場から申し上げると、事件になった場合には事が訴訟にまで進むと、こういう場合は、当事者間の問題であるということで、最終的には司法の判断を仰ぐしかないというように考えておる。また、内部的には医者が医者をチェックするということであるので、なかなかこういう面では難しいんじゃないかということであるが、そういう意味で私どもとして、医療局としては医事紛争あるいは事故の予防対策のために内部的には研修会等で徹底を図り、あるいは平成7年に新たに医療事故予防対策委員会というのを設置して、その中で徹底を図ってまいったところである。仮に事故とかクレームが出た場合には、最近苦情等も含めて多くなってきておるが、直ちに事後対策として弁護士とかあるいは専門の機関と連携をとって検討、協議はしておる。いずれ、事故の防止対策を図るというところで、今申し上げたように、他の機関ということについては私どもとしてはコメントは差し控えさせていただく。

〇佐藤(正)委員 これも非常に難しい。というのは、医者は専門的な立場で言うが、患者とすれば体で今度は感じるわけである。どうもあの薬が合わないとかこの診断はこうだという患者がいる。しかし、医者は医者で専門的に、いや、そうじゃないんだという問題が出てくるわけである。であるから、今おっしゃったように、御答弁のあったように、司法機関で問題、例えば告発、告訴で問題になったなら別であるが、それ以前にやはりチェックしておけば問題が大きくならないんじゃないかと思う。であるから、そういう点については今後、前段で申し上げたとおりやはり医療をチェックする機関として初期の段階でこれを是正していくと、あるいは大きく問題にならない前にそういう機関でもって処理するということが必要であろうと思う。その点は今答弁できないだろうと思うからいいが、これやっぱり局長、担当部局といろいろ考えてやっていかないと、そういうクレームが来るわけである、我々。私だけじゃないと思う、県議会議員皆に、いや、あそこの病院に行ったらこうだとかと来るわけである。患者のただ単なる意見と医者とはまた別であるから、こういう点ひとつ御配慮願いたいと思っておる。
 次に、黒字決算の裏に職員の犠牲というものはないのか。
 私の知る某県立病院では、ドクターの昼食時間は大体2時過ぎである。先般の県内国立療養所、これは一関、花巻であるが、看護婦のアンケートによると、2病院とも、夜間の実働時間が15時間なのに仮眠の時間がなく体の不調を訴えているが、県病の状況はどうであろうか。

〇伊藤参事兼職員課長 職員の労働時間についてであるが、御案内のとおり、県立病院においては現在すべての病棟において看護職員は8時間勤務の3交代制を実施しておるので、その点2交代制を導入しておる国立療養所の一部の病棟とは状況が異なっているところであるが、病院の特性上、医師を中心に各職員が一体となって、勤務時間の内外を問わず業務に従事しなければならない場合があるので、今後とも職員の健康管理及び勤務時間の適正な管理に努めてまいりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 はい、わかった。例えば、どこということを申し上げられないが、仮眠の仮眠室、僕らならどこだって寝られるから構わないけれども、看護婦さんが仮眠をするといったってなかなか楽でないようなところが多い、県病を回ってみると。昔はよく共産党だの社会党が文句言っていたんだけれども、このごろは言わなくなったから、これは今、自民党しかこういうことは言わないんだ。だから、仮眠室なんかやっぱり本当に仮眠できるようなところをつくってもらわないとこれは困る。
 それから、平成8年度に適正な看護婦の配置基準を満たさないなどの理由で診療報酬の返還を指摘された県内の医療、薬剤機関は41機関ある。返還総額は約8、800万円になると言われておる。県病で指摘を受けたところはあるか。また、それに対する御見解はどうであろうか、伺っておく。

〇大川業務課長 ただいまお話しあった平成8年度、県内の41医療施設、返還を指摘されたところであるが、県立病院については指摘はなかったものである。県立病院としては、常日ごろから診療報酬の適正算定に努めているところであるが、なお一層努力してまいりたいと、かように考えておる。

〇佐藤(正)委員 さすが県立病院だ。
 次に、平成8年度の県立病院の医療廃棄物の処理はどうなっているのかお尋ねする。
 それぞれ委託した処理業者はいかなるルート、方法で処理されておるか。
 また、処理業者の投棄先を調べたことがあるか。
 今問題になっている焼却施設、この煙にはダイオキシンが含まれているが、県病の焼却施設ではその含有量をはかったことがあるか。安全基準は0・1ナノグラムと言われておるが、この基準を下回っておるか。
 廃棄物は排出する企業の責任と言われておるが、将来は排出する県立病院の責任ということになるのか。その対策はどうなっているのか、お尋ねをする。

〇大川業務課長 廃棄物の処理についてお答え申し上げる。
 まず、県立病院における医療廃棄物については、一つには、紙くず類などの一般廃棄物があるし、それから二つ目には、注射針やアンプルなどの産業廃棄物、それから三つ目が検査のために使用した放射性同位元素医薬品などの容器がある。これら放射性廃棄物、この三つに分類されるわけである。これら廃棄物の処理に当たっては、まず可燃性のものと不燃性のものなどに分別を行って、自己処理可能な可燃物については病院の焼却炉で焼却しておる。これは半分ほどであるが。それから、残る可燃物と不燃性のものはいわてクリーンセンターに9病院、それから市町村に8病院、その他11病院については民間の処理業者に処分を委託しておるところである。
 なお、放射性廃棄物については、日本アイソトープ協会に委託して処理をしておるところである。
 それから次に、廃棄物の処理委託に当たっては、知事の許可を得た収集運搬業者、あるいはまた処理業者を相手として運搬の方法、あるいはまた処分の方法、最終処分場などについてこの許可証により確認を行い、契約しておるところである。
 また、産業廃棄物の処理の流れについてであるが、まず廃棄物を処理施設に運搬する場合、病院は廃棄物の種類、数量などを記載した複写式の集荷目録を廃棄物に添えて収集運搬業者に引き渡しする。処理業者においてはこの集荷目録に運搬された廃棄物を受領したことを記載するし、さらに、処理が終わった時点で集荷目録に処理が完了したことを記載し病院に報告する仕組みになっておる。
 なお、処理業者は燃え殻であるとか不燃物の処分に当たっては、契約書に示してある遮断型の最終処分場において埋立処分をしているものである。
 それから、3点目のダイオキシンに関するお尋ねについてであるけれども、県立28病院中、敷地の条件などから5病院が全面の委託をしておる。それから、焼却炉の構造上問題ある3病院については委託処理することとしておる。残る20病院の焼却炉であるが、燃焼温度が800度以上、あるいはまた、補助バーナー、空気調節装置、さらには、集じん装置などが設備された無公害型の焼却炉となっておるが、なお万全を期すためダイオキシンの含有量について測定をすることとしておる。
 さらには、本年12月1日からそのダイオキシン等の排出規制のための関係法令が施行されることになったわけであるが、県立病院における焼却炉は対象とはならないけれども、これら関係法令の趣旨を踏まえながら、適正な処理を行うため、先般、各病院長あてに分別収集の励行、それから焼却の方法、燃焼温度の確認、あるいはまた、構造上適用しない施設にあっては、委託処理することなどについて周知徹底を図ったところである。
 それから、廃棄物を排出する排出者の責任についてであるけれども、いずれ廃棄物の排出に当たっては、当然のことながら排出責任があるわけである。私どもとしては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を踏まえ、特にも医療廃棄物という性質上、それぞれの病院に特別管理産業廃棄物管理責任者というものを置いて万全を期しているところであるが、いずれ今後においても従前にも増して適正な処理に努めてまいりたいと、このように考えているところである。

〇佐藤(正)委員 今の答弁であるとなかなか万全を期してやっておられるようであるが、安心じゃないかと思うんであるが、一つ聞き漏らしたんであるが、処理業者の投棄先まで責任者が追跡調査したことあるか。それちょっと。

〇大川業務課長 現場までの確認はしておらないが、契約に当たって最終処分場を明示することになっておる。当然のことながら、クリーンセンターのように自前で最終処分場を持ち合わせている業者と持ち合わせていない業者、二通りある。であるから持ち合わせていない業者については、契約書にどこどこを最終処分場とすると、それからまた、最終処分の証明であるか、そういったものでもって確認しているというのが現状である。

〇佐藤(正)委員 間違いないと思うけれども、なかなか知事の許可証あるといったって中には悪いのもいるから、だからやっぱりたまには最終処分場にも行って見て、適正に行われているかどうか見る必要もあるんじゃないか。
 次に、初診時負担額の導入、実績についてお伺いをする。
 国においては大病院と診療所等との機能分担を促進する目的で、200床以上の病院に初診時負担額を徴収できる制度を設け、県立病院においても昨年8月からこの制度を導入したと承知をしておる。私は昨年6月の一般質問でこの制度の導入のことに触れ、医療機関の少ない地域の患者や社会的弱者などに対する配慮についてお尋ねし、適切な配慮をしてまいりたいと、こういう答弁をいただいたところであるが、この制度の導入から1年を経過した実績と、実際そういう配慮がなされているのかどうか、実際に1年たってみて。それについてお尋ねをする。

〇大川業務課長 初診時負担額の導入実績についてであるが、紹介以外の初診時負担額を徴収している200床以上の病院、14病院あるが、その病院とそれからそれ以外の徴収していない病院を比較すると、200床以下の病院は前年に比べて新患者数が1・0%増加しておるけれども、制度を導入した200床以上の病院については、新患者数が3・7%ほど減少しておる。ちなみに、中央病院における1日平均の状況を見ると、新患者数は13・2%の減少である。反面、紹介患者は4・8%増と、こういうことなどを見ると所期の目的が達成されたのではないかなと、こんなふうに思っているところである。
 それから、委員からお話しあった医療機関の少ない地域の患者さんや社会的な弱者に対する配慮についてであるけれども、200床以上の県立病院の所在する市町村の区域に眼科、耳鼻科という特定診療科の医療機関が少ない場合は対象外と、こうしておるし、それから生活保護であるとか身体障害者、あるいはまた、児童福祉法など国の公費負担制度の受給対象者、これも対象外としておるところである。さらには、母子家庭あるいはまた乳幼児、重度心身障害者などの県単の助成事業の受給対象者、これも対象外としておる。それからまた、子供さんの場合、小児であるけれども、たびたびよくなったり悪くなったりするケースが多い。そういったことなどから月1回だけ算定と、こういうことなど一定の配慮をしておるところである。

〇佐藤(正)委員 よくやっている。たまには褒めないと。
 次に、一関市の県立磐井病院では外来患者のいらいらを和らげるために大型のオルゴールを外来ホールに設置して大変好評を博しておる。これは県内で1カ所であるが、これは聞いたことがあるか、ちょっと手を挙げてもらいたい、だれも聞いていない……、1人、今、赤トンボを演奏している、だれも聞いていないの、たまに行って聞かなきゃだめだね、そういうことじゃね。ちょっとしたアイデアで大きな効果を上げておるが、このことについてどう思っておるか。患者サービスはいろいろあるが、新しい病院はその新しいというだけでサービスに値する。古い病院は病室のカーテン、ふろの器具など、汚いという表現をした方が適切なわけであるが、黒字の割合に対してこれらの営繕費というものはどうなっているのであろうか。これは細かいことであるが、患者にとっては非常に、病人であるから病人にとっては非常に気分的に影響が大きいんである。しみのついたカーテンだとか、ふろへ行くとふろの腰かけなどにカビが生えている。そういうのとか、いろんなのがある。物干し場がぶっ壊れてごみだらけだとか、こういうのは細かいけれども患者にとっては非常に影響力がある。そういう点はどうなっているか、お伺いをする。

〇長澤管理課長 まず、外来患者さんの待ち時間の改善についてであるけれども、これには二つあって、まず一つは待たせない工夫ということでいろいろ取り組んでおる。それから、委員もお話しのあった待ち時間のいらいらを和らげるということであるが、いかに心地よくいらいらしないで待ってもらえるかという取り組みとして、これまで各病院で、例えば病気の予防、薬の服用の留意点、これをビデオで放送したり、あるいはBGMの放送、あるいは絵画、写真展の展示、それから最近新聞で報道されたけれども、9月に宮古病院でピアノの演奏会をやるとかというような形で、いろいろ創意工夫を凝らしながら改善に取り組んできているところである。
 ちなみに、磐井病院のオルゴールについてであるが、平成7年度自治体病院優良病院として自治大臣賞を受賞し、その際に交付金を受け記念として購入したものということであって、私、聞いておらないけれども、委員お話しのとおり好評を博しているということを聞いておる。
 今後においても、診察順番の表示装置などのシステムの活用も含め、待ち時間の改善に取り組むとともに、職員の創意工夫によって患者さんの立場に立った待ち時間の改善、これに引き続き努力してまいりたいと考えておる。
 それから、営繕費についてであるけれども、病院は患者さんにとっては心身の状態の不安を持ちながら訪れるところであり、また、入院患者にとっても診断、治療の場以外に生活の場としての機能もなければならないということで、病院施設の管理、整備に当たっては快適な環境と患者さんの利便性を確保すると、そのために施設整備に毎年一定額を確保するなどし、病院内外の環境整備に努めているところである。
 営繕費についてであるけれども、建物などの維持修繕費であるが、8年度8億7、300万円、それから、病室のカーテンやベッドあるいは車いすの更新というような、消耗品あるいは備品の整備分として5億7、300万円、収益的収支で合わせて14億4、600万円、それから資本的支出もあるが、病院の案内板の設置や玄関の自動ドア化、これら等総額17億5、900万円を執行しておる。いずれこのような営繕費については、患者サービスに直結することから、今後とも毎年一定額を確保しながら、施設の改善に努めてまいりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 恐らく各病院回っているんだろうけれども、行って院長室で院長に会って、事務局長に会って話しして帰ってくるようじゃだめなんだ。オルゴール一つとっても、宮古病院はピアノの演奏なんかやっているんだけれども、薬の待ち時間、支払いの待ち時間、長い長いと言っても、それは長く感じるわけだ。そこにいらいらが解消できるようなものがあればそう長く感じない。病院だって県病は野戦病院じゃないんだから。行って見たか、あなた方。見てなくて、予算が医療局でもって本年度は営繕費、予算が幾らで何に使ったか、実際どこにどういうふうになっているか、あなた方は、病室なりどこへ行って見たことがあるか。それじゃだめだよ、そんなことじゃ。そのことを言っているんである。
 次に、医療局の医師確保の現状についてお伺いする。
 医療局の医師確保については、今議会でも一般質問で取り上げたように、議会のたびに問題になっており、努力している割合に進んでいないなという実感を持っておる。また、大病院には来るが地方の病院、小さい病院にはなかなか来てくれないという医師の偏在の問題もあるやに聞いておるが、県立病院の医師確保が進まないのはなぜであろうか。医師の偏在も含めたその現状と問題点についてお伺いする。
 また、大東病院では県内でも有数のリハビリ施設があるにもかかわらず医師が定着しない。ここは院長はずっと定着しているんであるが。何らかの対策はないんであろうか、これも含めてお伺いをする。

〇渡辺医療局長 まず、県立病院の医師確保の現状についてであるが、最近の県立病院の医師確保数であるが、大体毎年度14人から15人程度、これは数だけで申し上げると確実に増加しているところであるが、一方、特に外来患者数の増加があって、医師充足が追いついていないと、こういう状況である。御指摘あったとおり、当面厳しい状態が続くのではないかと存じておる。
 それから、医師確保の問題点ということで、ただいま委員からお話しあったとおり、医師の都市部への偏在であるとか、あるいはまた、大病院への偏在であるとか、そういうような問題があるわけである。本県で医師確保が進まない理由ということでお話をさせていただくと、医学部の学生等に聞いてみると、まず都市的な生活をもともと志向していると、そういう場で生活したいということを言っておられるということと、それから、医学研究のために大学の施設等を活用するというようなことで、そういう意味でやっぱり大学のあるところでいろいろと研究を行いたいということを言っておるし、また、家庭を持った医師等になると、配偶者の意向等もあるし、子弟の教育の問題、そういった点も考えてどうしてもやっぱり都市部で生活したい。こういうことのようである。このことは本県においてもJR東北線沿いの一関から盛岡まで、ここは大体、ちょっと厳しいんであるがまず大体いいとしても、ほかの地方の部分では大変厳しい状態になっておる。特にも県北、沿岸部の病院、あるいは小規模病院の医師の確保は極めて困難な状況になっておる。こういうことが言えようかと思う。
 そういった状況に照らして私どもの医師確保のやり方としては、岩手医科大学を初めとする関係大学に対して、本県のよさと申すか、そういうようなこととか、いろいろとその連携を密にしながら対応しておるし、それから実は本県出身の医学部の学生、全国に散らばっておるわけであるが、これが大体380名ちょっとぐらい、こういう学生に対して働きかけをやっておる。一つは、各大学の医学部に県人会をつくってくれということで、これは三つほど実はできておるんであるが、そのほかの大学に対しても県人会をつくっていただくように、そしてそういう会に私どもできるだけ出席しながら、岩手県のよさ、そして県立病院28というネットワークがあるので、そういうスケールメリットをPRして大いにこれ進めてまいりたいと存じておる。
 それから、委員お話しの小規模病院あるいは県北、沿岸部等の医師に対しても、これは給与上の措置等を考えるほか、医師住宅の整備であるとか、あるいは研修機会をいろいろと設けてまいるとか、そういった医師を定着させるための措置等もいろいろと考えておる。さらに、この間も議会等でお話ししたが、奨学金制度の充実等もやっておる。いずれ今後とも医師の確保については一生懸命頑張っていかざるを得ないので、よろしく御了解を賜る。
 それから、大東病院の医師の件であるが、大東病院は県南部では有数のリハビリテーション施設として機能しておって、診療体制としては現在、内科、神経科及び整形外科各2名の医師をすべて常勤医師として配置しておる。ただ、地域病院としての大東病院の機能ということを考えるときに、医師の充足はより一層必要であるので、当面は外科の常勤医師の確保、これを何とかして頑張ってまいりたいと考えておるので、よろしく御了解賜る。

〇佐藤(正)委員 県病が県民の高度な医療を目指すと同時に患者が集中し開業医が破産、閉院するところが目立つようになってきた。平成8年の開業医の新規開業と閉院はどのくらいあるか。また、ほとんどの開業医は入院患者を扱わなくなったと聞いておる。開業医で入院扱いをやめたところはどのくらいあるのか、あわせてお伺いをする。
 開業医が入院患者を入れないとその分県立病院に入院することになるわけであるが、当然入院ベッドが空いていないが、今後、県病のベッド数をふやす計画はあるか、この点についてお伺いをする。

〇吉川参事兼経営指導室長 開業医の新規開業と閉院、それから県病の病床計画についてお答えをする。
 所管部局の調査資料によると、平成8年度の本県における新規開業の数であるが40件であり、閉院の数は25件となっておる。それから、8年度に開業医で入院扱いをやめた数については把握しておらないので、御了解お願いしたいと思う。
 それから、増床についてであるが、これは病床規制という問題もあるが、病院の病床数については医療法の30条の規定に基づいて、県の医療計画で2次保健医療圏における必要病床数が定められておる。公的な病院の開設とかあるいは変更の許可に当たっては、この医療計画に定める必要病床数を超えることとなる新たな病床の設置については、原則として認められないとされておる。そこで、保健医療計画であるが、これは9年の3月に改定されたのを見ると、一般病床においては県全体で1、738・5床の過剰となっているとされておる。これを2次保健医療圏別にちょっと見ると、病床数が不足している地域というのが胆江保健医療圏と両磐保健医療圏、それから気仙保健医療圏の3保健医療圏である。したがって、そのほかはいずれも病床過剰地域となっておる。そこで、県立病院においては、病床が不足している胆江地域の胆沢病院とか、気仙地域の大船渡病院では増床をもう既に行っておるし、現在、救命救急センター用として大船渡病院は必要病床数の枠内で、それから久慈病院については特例許可を受けたいと、こういうことで20床を増床する方向で現在取り組んでいるところである。
 今後においては、不足地域については、地域の実情や病床の必要度に応じて、また、地元医師会の関係もあるので、いろいろ協議をしながら対応する。それから、増床が法的に規制されている、そういう過剰地域においては、医療の質の向上による入院期間の短縮化、あるいは既存病床の効率的な運用を図って、また、地域的あるいは一時的、あるいは季節的に入院を必要とする患者さんがふえてまいるので、そういう場合には他の医療機関との連携も図りながら需要に応じてまいりたいと、このように考えておる。よろしくお願いする。

〇佐藤(正)委員 わかった。課長も御存じのとおり、今、個人の開業医の入院施設はどのくらいか把握できないと言ったんだけれども、ほとんどやめた。なぜかというと、県病を含めた総合病院が、特に高度医療ということで非常に高価な器械も入れたし、総合的に見るとほとんど患者がそっちへ行くわけである。一般の個人的な開業医というのはもう2人や3人の入院患者ではやっていかれない。それはなぜかというと、看護婦の問題あるいは給食の係の人たち、採算が合わないわけである。だから、病院によってはほか弁とって食べさせたりする病院も今、出てきているわけだ。だから、ほとんどやめている。であるからその分が入院ができないから、その地域地域の今まで開業医に行って入院していた患者が県病に入ってくるわけである。県病は満員なものだから、恐らくここにおられる県議会議員の委員方も皆頼まれるわけである。いや、さっぱり入院できないんだがどうしたらいいかと。であるから、一般の開業医が入院をやめた分が全部しわ寄せが県病にきているわけである。これは大変なことなんだ。今言われるときに、法的にそのベッド数をふやすということはできないが、将来このようなことが続くとほとんど開業医は入院をやめる。それをどのようにして県民の医療というものを確保するという意味から、これから考えていかなきゃいけないと思う。今から考えなきゃいけない。
 年間の連休、正月、5月、盆休みとあるが、去る7月19、20、21日は連休で、地域の当番医はあるが入院を含む救急患者は県病がほとんど受け持っておる。某県立病院では、昼間、事務員1名から2名、ドクター1名、看護婦、昼間2名、夜1名、薬剤師1名の体制で対応しておるようであるが、患者は昼40人、夜10人救急車で運ばれるわけである。大変に御苦労さんである。この際、救急車以外には直接診療には行けないのか、この場合は一般診療ということになるのか、緊急の患者と一般患者の区分はどうなっているのか、お伺いをする。

〇大川業務課長 救急車以外には診療に行けないのか、救急患者と一般患者の区分はどうなっているのかとのお尋ねであるが、県立病院における平成8年度の日曜、祝祭日などの休日や夜間における救急患者数であるが13万3、000人ほどとなっておる。このうち救急車でおいでになった患者さんは1割、残る9割は直接何らかの形で病院にお見えになった患者さんである。県立病院としては、何らかの症状を訴えて直接来院された患者さんについても、救急患者としていつでも分け隔てなく診療に当たっているところである。

〇佐藤(正)委員 そういうありがたいことを言っても、一般の人、県民はわからない。だから、県立病院に行くのにはとにかく110番に電話をかけて、救急車が来てそれでみんなわざわざ乗っていく。土曜、日曜、祭日は休みということになっているから。ところが、開業医の当番医があることはあるんであるが、自分の行きつけじゃないし、科目が違うとなかなか行かれない。たまに行くと当番医から県病に回されるということがあるんであるが、そういうことは県民わかっているかと言うんだ。わからないでここだけで言ったって、それはわからない。あなたの方ではどうか知らぬが私はちゃんと直接行って調べてくるんだから。僕が聞いているのは自分で調べたことを聞いているんで、あなたたちの作文じゃないんだから。だから、そういう点をきちんとPRするならPRしないと、一般の患者はそんなことわからない。
 県病のドクター、職員の質は高く、最新の医療機器をそろえた県病の利用度が高くなるにつけ、新しい診療科目が県民から要求されておる。監査委員--きょうは監査委員がここに来ているから--、監査委員の監査の審査意見を見ると、今後の経営に当たっては、公的病院及び地域医療の中核施設としての機能や特性を踏まえ、多様化する県民のニーズに対応するため、とこうあるんである。間違いないね、監査委員。これは監査委員の意見だ。
 私は前にも取り上げたことがあるが、中国で大変な効果を上げている漢方、鍼灸科あるいは口腔外科などは今後の新設の県病、特に県南の中核病院となる磐井病院の中に取り入れるお考えがあるか、この際お伺いしておく。

〇高橋参事兼医師対策監 磐井病院に漢方あるいは鍼灸科あるいは口腔外科を取り入れる考えがないかという御質問だと思うが、漢方薬については厚生省が認可して薬価基準に収載されているものは県立病院としても使っておって、全部ではないと思うけれども一部取り入れておる。
 それから、鍼灸治療についてであるが、治療というか科の設置という意味だと思うが、ことしの3月の予算特別委員会でも委員の方からそういうお話があって、直ちに取り入れることは困難だけれども、先例として調査研究する必要があるんじゃないかと、そのようなお答えをしておった。その考え方に変わりはないが、現時点で鍼灸治療について考えると、二つの理由からなかなか難しいというのが結論であって、一つは、御承知かと思うけれども、鍼灸そのものの治療が保険の適用外になっている。例外はあるけれども、原則的には診療報酬制度で認められていない。したがって、私ども県立病院の場合には保険機関であるので、そういう専門的に鍼灸をやる科というのを設置はできないというのが一つある。それから、仮にであるが、そういうものが出てきたとした場合に、と言っても今やっているドクター、専門の医者がいないというか、少ないということが挙げられて、非常にそういう面では難しいんじゃないかと、したがって鍼灸が必要な場合については鍼灸師というのであろうか、そういう針灸をやるところに紹介状を書いて現在は対応しているというのが実情である。
 それから、口腔外科の設置については、現在、高度なものは岩手医科大学でやっておるし、それから県立病院としては中央病院では歯科の標榜ではあるけれども、そういう歯科の中で口腔外科の役割も担っているところがある。その2次歯科医療の整備として、今言った設置ということになると、患者数の動向とか、委員の方から余り採算を考えなくてもいいんじゃないかと言われたけれども、採算も考えながら検討してまいりたいと思っておる。

〇佐藤(正)委員 まず、鍼灸であるが、大病院へ行って見ると、大病院へ行って帰りに鍼灸科に行くというケースがかなり多いんである。私も腰が痛くて村上恵三委員と同じでこの鍼灸に非常に関心がある。これは一般的な西洋医学でわからないところがあって、これはなってみなきゃわからないんだ。だんだん年をとるとなると思うんだけれども、この鍼灸というのは非常に何というか、痛みをほぐすにはこれは非常に効果があるわけであって、いわゆる診療科目としてはなかなか設けることはできないわけであって、これは保険もあるし、であるから、例えば大病院の中には理容室とか食堂とか、あるいは売店とかいうようなものがあるわけであるから、そういうところにひとつコーナーとして設けられないものだろうか。そうすれば、3階の病院に行った帰りに1階の鍼灸室に寄ってはりをやってもらって帰ると、こういうことになると非常にこれは患者にとってはいいんじゃないかなと、こう思っているわけである。
 それから、口腔外科は高次歯科の患者が仙台、盛岡に現在開業医の紹介で通院、入院しているというような現状であって、ぜひこれは必要だと、こう思うわけである。中央病院にも医師も診療科も設置されているということを考えれば、今度新設の磐井病院、いつも磐井病院が出てくるんであるが、私の家のすぐ裏なものだからまず御了解いただいたんであるが、磐井病院にもぜひこれらを設置されたい、こうお願いするわけである。
 以上をもって私の質問は終わるが、決算に当たり黒字決算を高く評価し、さらに内容のある県民の医療機関であることを目指し、私の質問は終わる。御清聴ありがたかった。

〇高橋参事兼医師対策監 先ほどの質問と同じようなことを申し上げて恐縮であるが、いずれ病院の情報誌等を見ると、確かに委員がおっしゃるとおり全国的にきゅうをやっているところはなかったんであるけれども、はりをやっているところはあるようであるが、ほとんどが民間病院ということであって、公的病院の何カ所かあるところの主なところにも照会してみたんであるが、中身的には、今、全国的にそういう東洋医学に興味を持っている方々は北里大学とか東京女子医大、あるいは千葉大学とか京都大学とかというのは研究なさっているそうであるが、そういうところにお医者さん方も通ってそこに入って研究なさっていると聞いておる。その内容を聞くと、公的病院の場合には理学療法の一部としてやる部分、あるいは麻酔の部分で、いわゆる普通でかける麻酔でなく、はりで麻酔をかけるというようなことから、いわゆる近代医療にミックスさせてやるというような形での研究のように伺っておる。今後こういうはりについては、需要というか、ニーズが高くなってくるんじゃないかなという気もするけれども、現在の段階ではもう少し国の動向なり、あるいは制度的な全国的な動きとか国の動向などを見ながら、将来的に考えていくべきことかなという程度であって、御理解いただきたいと思う。
 それから、口腔外科については、先ほど申し上げたが、いずれ関係部局と協議しながら、あるいは関係機関と協議しながら検討してまいりたいと思っておる。

〇谷藤委員 間もなく12時であるので12時に間に合う範囲で関連質疑する。
 佐藤正春委員の質問に関連して、いろいろそれぞれの病院の質の問題、サービスの問題等にも触れられた。そこで、日経の記事でちょっとおもしろいなあと思って見たのが、病院の質の評価というもの、これについて第三者機関でそれぞれの病院の状況を調査して、それを5段階に評価するというような機関ができたようなんである。これは4月から始まったようであるけれども、財団法人日本医療機能評価機構というのができた。厚生省、それから日本医師会と病院協会とか、そういう方々が集まってそういう評価をしていくという機構ができたということなんである。今まで県病も一生懸命頑張ってやってきたわけであるけれども、これらのまず医療の質というものについての県病を担当している医療局としてはどのように、ほかの病院と比較した場合にどういうふうにとらえているのか。
 それから、こういう評価をする機構ができたと、ただ、これはただでやってくれるわけじゃないようであるけれども、四百数十項目のチェックポイントがいろいろあるようであるけれども、さっき佐藤正春委員の方からも質問が出たけれども、カーテンを初めいろんな細かく、恐らくいろいろ調べるんだろうと思うんである。そういうものを第三者機関に調査をしてもらうというようなつもりはないであろうか。そういう中でやはり岩手県の県病はすばらしいという評価を得ながら、何か認定書みたいなものがまた出るんだそうであるけれども、そういうものに1回網をかけてチェックしてもらうというようなことも検討してみたらいかがかなと思うけれども、その辺の御所見をお伺いする。

〇渡辺医療局長 病院の機能評価ということについてであるが、お話しの財団法人日本医療機能評価機構、これはただいまお話しあったように、医療機関が質の高い医療サービスを提供していくための支援ということを目的にして、厚生省、日本医師会などの出資のもとに設立された団体であって、そして平成9年4月からお話しのように医療機能評価についての本格的な活動を開始したところである。その仕組みはただいまお話しあったように、病院長クラスの人、それから看護部長、総看護婦長、そういったクラスの人、それから病院事務局長クラスの人、こういった中で各評価調査員というものを1人ずつ選んで3人1組、あるいは2人ずつ選んで6人1組ということでその評価をいろいろと行ってまいると、そして5段階評価をすると伺っておる。今年の4月から25病院について評価を実施して、うち8病院が、25のうち8が合格認定されたと伺っておる。私ども県立病院においても自己評価、これは常にやっておるが、さらに効果的なものとするためには、第三者評価というものも極めて重要であると考えておる。現在、県立病院については県立病院運営協議会とか、あるいは県営医療審議会などで広く県民の皆様の御意見、御要望を受ける機会を設けて改善に取り組んでおるが、ただいまお話しの日本医療機能評価機構、これについては、ここで策定しておる事業調査実施マニュアル、こういうものがある。そういうものを参考として私どももその改善に取り組んでおるし、さらに、この評価機構へは職員も派遣して、自分自身でできるような職員の養成に努めているところである。
 なお、本県の地域の事情等もありいろいろと検討すべき課題も多いので、具体にここを活用するかどうかについては、今後検討させていただきたいと存ずる。

〇谷藤委員 そういうことで内部でもいろいろ調査しながら、チェックポイント等もそれぞれマニュアルがあるんだろうと思うけれども、内部でやることであるからどうしてもわきが甘くなるということになろうかと思うので、ちょっと経費も、何か200床以上だと180万円とかかかるとか何かと書いているけれども、そういう経費的なものもあるであろうけれども、いずれ質の高い医療というものを今後とも目指して頑張っていただきたいわけであるし、それからやはり今までの治療に関する成績等なんかもいろいろ公表されていく中で、やはり高く評価されていく場面も逆に出てくるだろうと思う。そういうことでこれから競争原理がいろいろ働く時代だろうと思うけれども、そこの中でぜひ機会があればそういう外部からの厳しい目を一度通して見るということもいいんじゃないかなと思ってお話をさせていただいた。まずいろいろ頑張っておられるようであるので、今後とも御健闘をお祈りしたい。

〇三河委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時53分 休 憩
 
   午後1時4分 再 開

〇菊池副委員長 午前に引き続き会議を開く。
 医療局関係の説明に対する質疑を続行する。

〇水上委員 県民クラブの水上である。
 県北の県立病院の院長さんや医師の方々の中には、地元の皆さんの中に溶け込んでボランティア精神で、地域の医療はもちろんのこと、予防活動に日夜を問わず御尽力くださっていることにまずもって敬意を表し、このようなことが少しでも広がることを期待しながら質問に入らせていただく。
 3点、一括して質問させていただく。
 1点目は、累積欠損金が事業に及ぼす影響についてお伺いする。
 平成8年度の県立病院決算は先ほど来御説明になり、同僚委員からの質問にあったように6億3、900万円余の黒字、2年連続の黒字決算となったところである。しかしながら、累積欠損金については、平成8年度末でいまだ80億6、400万円余残っておるが、この状態では2年連続の黒字決算と言っても手放しで喜んでばかりはいられないかと思う。さらには、平成9年度の収支見通しでは、赤字に転落するかもしれないとのことで、累積欠損金がまたもや増加に転じるということになるわけである。私は、いかに公営事業であるといいながらも、企業である以上は資金運用面のことなどを考え合わせた場合、単年度の黒字はもとより、累積欠損金もないという状態になって初めて、企業経営が健全であると言えるのではないかと思うのである。
 そこで、現在抱えているこの80億余万円の累積欠損金が県立病院事業にどのような影響を及ぼしているのか、また、今後この累積欠損金をどのように解消していくおつもりなのかお伺いする。
 次に、東北6県の県立病院との経営状況の比較についてお伺いする。
 岩手県が28の県立病院を有しているということは、御存じのように、その数においては全国一を誇っているところであるが、経営状況についても良好な実績を上げているものと承知しておる。私は、病院事業が経営の基本理念に掲げておられる、県下にあまねく良質な医療の均てんをという創業の精神を守られて、県民に頼りにされる病院づくりに努力され、さらには、その経営についても優秀な成績を上げているとするならば、岩手県民としてこれを大いに誇りに思ってよいと思うのである。県はこの事業を後退させることなく、我々の大きな遺産として次の世代に引き継いでいかなければならないと思うのである。
 そこでお伺いするが、黒字となった平成8年度の県立病院の決算は全国、特にも東北6県の県立病院と比較してどうであったかをお示し願いたいと思う。
 最後に、県立病院における情報処理の現状と今後の取り組みについてお伺いする。
 現代は情報化の時代と言われ、街はテレビやラジオなどのマスメディアからの情報であふれ、知りたくない情報までもがいや応なしに我々の耳に届いてくるといったことも日常茶飯事となっておる。また、企業経営においても、情報を制した者が企業間競争を制するとまで言われておる。さらには、県においても岩手行政情報推進計画の策定など、行政面からの情報処理に力を入れて取り組んでおられることも伺っておる。こういう時代の中にあって、いかに医師や看護婦などの人手による業務を基本とする医療の分野であっても、業務の効率化や患者サービスの向上のために情報技術を取り入れていくことが重要なことであると考えるところである。医療局においては、現在どのような情報処理をやっておられ、今後さらにどのような情報処理に取り組んでいかれるつもりなのかお伺いする。

〇渡辺医療局長 3点のお尋ねと承ったが、第1点の累積欠損金が事業に及ぼす影響については私から、そしてその他2点については、関係の課長、室長から答弁いたさせるので御了解を賜る。
 累積欠損金が事業運営に及ぼす影響についてであるが、本日の会議冒頭に御説明申し上げたとおり、8年度決算においては6億円余の黒字を計上することができたわけであるが、その結果、8年度末の累積欠損金はその分の、黒字分の解消がなされたが、なお依然として80億6、000余万円の累積欠損金となっているわけである。しかしながら、これを料金収入に対する累積欠損金の割合で見ると、事業規模が次第に年々拡大しておるので、ピーク時の昭和57年度の21・9%に対して、8年度末現在では半分以下の9・2%となっておる。事業規模から見ると、総体的に縮減してきておる。
 この平成8年度の80億6、400万円の累積欠損金が県立病院事業に及ぼす影響ということであるが、減価償却費等の非現金支出の発生による内部留保資金が資本収支の財源補てん後において平成8年度末現在高で91億円余あるし、また、病院建物等の整備に際しては、建設改良費の2分の1及び企業債元利償還金の3分の2について一般会計からの繰り出しがなされておる。そういったことから、事業運営上、直ちに支障を来すものではないと存じておる。しかしながら、今後においては、消費税率の引き上げや医療保険制度の改正に伴って、従前にも増して厳しい経営環境が続くことと思われるし、また、ただいま整備を進めておる一戸・北陽そして伊保内の病院の施設整備、さらにはこれから予定される沼宮内、福岡、磐井病院等の新築、老朽施設の改築等の整備、それから高度医療器械の整備等に伴って、長期にわたる後年度負担が発生することなどを考えると、累積欠損金の解消は極めて困難ではなかろうかと存じておる。
 累積欠損金についての考え方、その対応のあり方については、ただいま委員お話しのとおりと存じておるが、そういった考え方から、今後とも、私どもより一層効率的な事業運営に努め単年度収支の均衡を図るとともに、既存の施設設備、医療器械等の有効利用と設備投資の適正化等を期すことにより、後年度負担の軽減に一層努めてまいりたいと、かように存じておる。

〇長澤管理課長 本県の県立病院と東北6県の県立病院の経営状況の比較についてであるが、病院の数など全体の事業規模あるいは個々の病院の病床規模やその病床の性格、それから立地条件が異なるため一概に比較することはできないけれども、8年度実績に基づいて、東北各県とそれから15の病院を擁しておる新潟県を含め比較してお答えしたいと思う。
 まず、8年度の単年度損益であるけれども、岩手県と秋田県が黒字である。ほかが損失になっておるが、いずれ、各県とも平成7年度と比べるとそれぞれ収支はよくなっているようである。しかし、累積欠損金総額、これを見ると、新潟県が179億円ということで一番多いが、岩手県は80億6、400万円と少ない方から2番目である。1床当たりこの累積欠損金を見ると、岩手県が130万2、000円で一番少なくなっておるが、同じような経営をやられておる新潟県と比べると、新潟県が450万円ほどである。
 それから、医業収益対医業費用の比率を見ると、本県の場合は医業費用の95・3%、これを医業収益で補っているところである。これは、東北各県、新潟県と比較して率が一番高いところである。ちなみに、秋田県が一番低いわけであるけれども、51・3%ということになっておる。
 それから、企業債の元利償還と料金収入、この比率で見ると、岩手県は9・8%ということで高い方から3番目ということになるが、福島、新潟のそれぞれ7・5%、7・6%と比べて若干高目であるけれども、8年度末の企業債の現在高を見ると、本県が962億円、新潟が618億円、福島が116億円というように、この企業債の額から見ると率はむしろ良好というか他県に比べて低いというか、そういう評価をしておる。
 それから、病院のサービスは人的サービスに負うところが多いわけであるけれども、職員給与費と料金収入に対する比率を見ると、一番高い秋田県が98・6%ということで、料金のほとんどが人件費に充てられているという状況であるが、一番低いのが新潟県、57・8%、次いで岩手県が58・9%となっているところである。
 それから、病床利用率で申し上げると、結核病床等を除いて一般病床で申し上げるが、岩手県は89%ということである。大体、本県の場合は90%前後で推移しておるが、秋田県が93%、新潟が91・8%と高目になっておる。いずれ、この利用率から見るとほぼ他県並みと思っておるが、本県の場合、病院によってまだ差がある。いずれ、老朽化のためにやむを得ない病院があるけれども、これらの整備が進むにつれてあるいは病床率も上がってくるものと思っておる。
 それから、職員1人1日当たりの患者数、これを医師で見ると、入院で本県が10・1人、多い方から3番目である。一番多いのが福島県の11・5人となっておるが、外来では本県が23・3人と2番目の新潟県の19・5人、これを大きく引き離しておる。いずれ、医師1人当たりの患者数については本県が一番多いということになる。
 それからまた、1人当たりの収入を医師で見ると、収入においても44万5、000円ほどであり、山形県に次いで2番目、これを看護部門で見ても同じように2番になっておる。
 それから、財政当局と協議して一般会計からの繰入金をルール化しておるけれども、総額については確かに東北7県というか、含めて一番多いけれども、1床当たりで見ると3番目ということで平均化していると、他県並みということになっておる。
 いずれ、このように各数値、指標で見たけれども、各県の病院の規模、病床数の規模によっていろいろでこぼこがあるので一概に言えないが、いずれ8年度においては各病院において患者の確保に努めたこと、あるいは医療器械の導入による、医療の高度化による診察単価の増、あるいは10病院において新看護体制に移行したこと。それから、普段、事務の合理化、改善に取り組んでいるということで、経費等の節減に努めたということで、総じて良好な経営内容になっているというような分析をしておる。

〇佐藤システム管理室長 県立病院における情報処理の現状と今後の取り組みである。
 県立病院の情報システム化は、患者サービスの質の向上を基本に、業務の効率化、迅速化など、経済性の向上を主眼に構築しているところである。現在、患者の待ち時間の改善など患者サービスの向上を図るため、窓口の料金会計等を行う医事ネットワークシステムを28の全病院で、また、医師が処方の内容をコンピューターに入力すると薬局に処方せんを出力し、会計にデータを流す処方オーダリングシステムを13の病院で導入しておる。また、事務処理の省力化、効率化を図るため、レセプトの作成、薬品管理、試算表作成、職員の給与計算など、19の業務にコンピューターを活用しておる。さらに、診療面においては、画像伝送システムを県立病院6施設間のほか、県立病院と町村立の診療所、あるいは関連大学との間であわせて10施設間で実施しているところである。このシステムは、CTやMRIの画像、病理組織画像などの医用画像を伝送し、専門医等による診療支援や専門的な知識の提供などを行うシステムである。平成9年度は国の補助事業であるが、県立中央病院と国立がんセンターとの間で遠隔放射線診断システム、遠隔病理診断支援システム、あるいはテレビカンファランス等の導入を進めているところである。
 今後の取り組みについては、医事ネットワークシステムを根幹として処方、注射、検査などの各種オーダリングシステムや画像伝送システムの拡充、その他情報技術の進展等に即応したシステムの導入が必要であると考えておるが、システムの開発には多くの経費もかかることから投資と効果を見きわめ、患者サービスの向上や業務の省力化など、より効率的な病院運営のために計画的に取り進めてまいりたいと、このように考えておるところである。

〇水上委員 質問の中でも申し上げたように、県立病院事業が全国に誇れる立派な事業であることと、この事業を維持し経営している職員の皆様の御努力に敬意を表するものであるが、今後とも、県民の健康を守るという立場に立って御努力を重ね、さらに充実した県立病院とされるよう、要望して私の質問を終わる。

〇千葉(浩)委員 4点ほど一括して質問させていただく。
 まず、国の財政構造改革の影響について第1点お伺いをする。
 国においては、国家財政構造が主要先進国中最悪の危機的状況に陥っており、早急に財政構造の改革が必要なものとして平成10年度予算においても、政策的経費である一般歳出を対9年度マイナスとすることや、さらに各種補助金の整理、合理化や地方債の発行規模を抑制することなどを掲げておるわけである。特にも、各地方団体においては、公共工事のコストの縮減、いわゆる箱物建設の抑制などの徹底した行財政改革に取り組む要請をしているところである。県立病院においても、昨年策定した県立病院等長期経営計画に盛り込んだ施設整備計画に沿って、老朽、狭隘化した病院の移転新築、今後引き続き病院の整備を行っていく必要があるものと考えるが、国の財政構造改革による少なからぬ影響があるのではないかと私は非常に危惧しているわけであるが、医療局では、国の財政構造改革による影響というものをどのようにとらえて、また、それによって今後の病院整備に当たってどのように対応していくおつもりなのか、まずお聞かせを願いたいと思う。
 2点目は、県立病院相互間の診療応援の状況についてである。
 県立病院の医師確保については、午前中論議をされて大変厳しいというようなお話もあったわけであるが、特にも小規模病院、基本になる内科、外科の医師でさえ十分に配置できないというような話も聞いたわけである。私は、地方において何かあった際、すぐ県立病院に駆けつけて診察してもらえるんだと、こういう県民としては安心感があると思うが、そういう体制を早期に整備していかなければならないと、そういう意味では医師の確保は大変厳しいが、なお一層ひとつ努力していただきたいと思うが、こういう中で、小規模病院の医師の確保がセンター病院あるいは中核病院、大病院から勤務するお医者さんが週何回か病院に応援に来ていただくと、こういうことで、診療応援と申そうか、地元の住民にとっては大変重宝であり感謝されていると思っておる。地域のお年寄りが診療を受けるために不自由な体でバスや電車を使って通っているわけであるが、都市部まで行くわけであるが、週何回かの診療応援で幾らかは解消されるのではなかろうかという気がするが、この診察の必要な患者さんにとっては非常にありがたいということであろうと思う。
 そこで、県立病院では、平成8年度中にこの診療応援の実績というものがどれほどあったのか、また、今後この診療応援をどのようにとらえてこれから進めようとしているのかお伺いをする。
 3点目は、患者サービスのための処方オーダリングシステムの導入についてお伺いをする。
 本年3月に移転新築した県立胆沢病院、佐藤正春議員は磐井病院を、私、胆沢病院ということで申し上げたいと思うが、単にハード面で建物が新しくなったという、これはそれでまことにありがたいが、非常によいが、ソフト面においても処方、注射、検査、エックス線などの各種オーダリングシステム、また、会計の自動機、入金機であろうか、こういう導入をして非常に患者サービスを向上するための機能と申そうか、いろいろ取り組んで取り入れたわけである。利用していただいている患者さんに私も直接いろいろ聞いてみたが、非常に待ち時間が予想以上に短縮になったと、大変助かったと、ありがたいというようなお話も聞いて大変好評のようであるが、このような患者サービス向上に大いに貢献するのではないかと、こう思うが、このシステムの導入について、私はもっと積極的に医療局として進めるべきじゃないかと思ってもおるが、現在の導入の状況、どれぐらい県立病院で導入してそして今後どういう計画で進めようとしておるか、その辺をお伺いしたいと思う。
 次に、ボランティアの導入について第4点目であるがお伺いをしたいと思う。
 最近の新聞、テレビを見ておると、さまざまな分野でボランティアというものが活動しておる。報道もされておるわけである。私は病院においてもボランティアを受け入れる土壤を醸成して、職員による患者サービスの向上のほかにも、このボランティアによる別の形の患者サービスというものがあるのじゃなかろうかと、そして向上を進めることができるのではないかという考えを持ったわけである。本年3月に、先ほど申したとおり胆沢病院ができたわけであるが、胆沢病院ではあのときから50名を私は超えていると思うが、ボランティアの人たちがあの開業と同時に合わせて大変な活動をされておられた。私もその状況をつぶさに見て、大変新しくなり、患者さんはどこがどこだかわからないということもある。お金の支払いの機械にしても、私も行ってわからないわけである。やっぱりボランティアの人たちが全部そばにおり、いろいろ皆さんへ教えていただく、こういう状況を私はつぶさに見たわけであるが、非常にそういう意味では、今後、医療局としてもこのボランティアという問題についてやはり真剣に考えていくべきではなかろうかというような気もする。したがって、現在、県立病院においてボランティアというものを受け入れている、実際にやっておる病院というものがどれぐらいあってどういう状況であるか、また、今後、医療局としてどうボランティアに対して対応していこうとしているのかお聞かせを願いたい。

〇渡辺医療局長 4点のお尋ねがあったが、私からは、第1点目の国の財政構造改革の影響についてお答え申し上げ、その他のお尋ねについては、関係の監、室長からお答えさせるので御了解を賜る。
 まず、第1点の国の財政構造改革の影響についてであるが、御案内のとおり、国の財政構造改革においては、集中改革期間を設定し、一切の聖域なしとして歳出の改革と縮減を進めることとし、また、当面の地方交付税の算定や地方債の配分に当たっては、各地方公共団体における歳出の抑制を促すような措置を講ずることとしておる。地方公営企業に対しても、これまで以上の徹底した経営効率化、健全化を促すこととしているところである。国の10年度予算の概算要求においては、地方交付税は3%の減額となっておるし、また、同時に示された地方債計画等においては、地方債は総額の20%の減額となっており、そのうち病院事業債は9年度と同額が計上されたところである。しかしながら、この地方債の採択に当たっては、これまで以上に厳しいものになるものと考えておる。一方、私どもとしては病院施設の老朽化、狭隘化の進行しているものや、あるいは高度医療器械の整備等について計画的に整備を進めていく必要がある。そういったことから、今後、病院の整備、病院事業の展開に当たっては、医療ニーズの動向や投資効果等を総合的に検討するとともに、起債による後年度負担にも十分配慮しながら、常にその事業の必要性と緊急性を吟味しながら、適切な施設整備等を進めてまいらなければならないと存じておる。また、国に対しても、病院事業に係る公営企業債枠の安定的な確保と償還元利金等に係る交付税措置の充実強化、これらについては要望してまいりたいと存じておる。

〇高橋参事兼医師対策監 県立病院相互間の診療応援のことについてお答えする。
 平成8年度の診療応援の状況であるが、県立病院間は4、771件、それから市町村診療所等への応援が223件ということで4、994件、287件ほど昨年度よりふえているが、大体ここ四、五年の間では10%ベース程度で伸びているという実態である。診療応援は、今委員の方からもお話あったけれども、小規模病院、つまり地域のニーズに基づいた対応というか、あるいは専門技術応援、それから人的な体制の不足の部分の労働条件の改善とかそういうものがあって、私どもの方ではこの分類として、具体的には特定診療科の外来応援、例えば眼科とか耳鼻咽喉科、それからあと手術の応援、それから当直応援、それから専門知識、技術の必要とする応援、これは放射線科の画像診断だとか内視鏡だとか神経科の外来とか、そんなものが含まれる。それから休暇、学会出張等の不在時の診療応援というように分類しておるけれども、いずれこの中での応援では、小規模病院の応援が中央病院、あるいは広域中核病院、地域総合病院からの応援であるが全部で2、156件ほどあり、4、771件の中での占める割合が45%になっておる。これはずっと傾向的に小規模病院に応援が多いということをあらわしているのではないかと思う。
 そこで、今後の方策であるけれども、今の長期経営計画の趣旨にのっとり診療応援とか共同研究は進めておるけれども、広域中核病院のドクターをまず複数化して、そういう土壤をつくっていくということが一番肝要ではないかと思っておるので、そういう方向で進めて県立病院の応援数もふやす、さらには市町村の病院、診療所等への診療応援も可能な限り進めてまいりたいと、このように思っておる。

〇佐藤システム管理室長 処方オーダリングシステムの導入についてであるが、これは患者の待ち時間の改善など、患者サービスの向上を図るため導入を推進しておる。現在、中央病院、胆沢病院など13の病院に導入しており、一定の効果を上げているものと認識いたしているところである。このようなことから、平成9年度は11月の中旬に一戸病院に、それから12月の上旬に大槌病院にそれぞれ処方のオーダリングシステムを導入するため、作業を進めているところである。さらに、来年の3月に開業を予定しておる新しい久慈病院については、処方のほか注射、検査、これらのオーダリングシステムを稼働させるため、その準備を進めているところである。
 今後においては、病院規模、患者数の動向、導入経費等を見きわめながら推進してまいりたいと、このように考えているところである。

〇吉川参事兼経営指導室長 ボランティアの導入についてである。
 ボランティア活動は、高齢化社会の到来とか労働時間の短縮等に伴う自由時間の増大あるいはものの豊かさから心の豊かさといった価値観の多様化とともに活発になってきているという状況である。こうした社会的背景を受け、この医療分野においてもボランティアを受け入れる施設がふえてきておる。病院でのボランティア活動を受け入れる効果として、患者さんにとってよりよい療養環境をもたらす、あるいはボランティアに活動の場を提供し自己実現あるいは社会参加に寄与できると、それから地域とのつながりを強化して地域に支えられる病院を築く契機とすると、こういうことが考えられておる。
 県立病院の受け入れ状況であるけれども、これは平成9年、ことしの6月だったが調査したものによると、実際受け入れている、これはいろいろあるけれども、受け入れている病院というのが6病院であった。それから、この時点で今後受け入れを希望しているという病院が18であった。今またとると、もっとふえているだろうと思うけれども、そういう状況である。
 それから、活動内容というのは、委員お話しのとおり、外来案内とかそれから自動受付機等の操作支援、あるいは車いす使用者の支援、衛生材料づくりとか図書貸し出しのほかに生け花とか絵画展の展示等がある。それから、ボランティアを実際にしてくださっている方であるが、病院のOBの方、あるいは婦人会等の地域団体の方、教職員のOBの方、あるいは個人と、こういう状況である。
 県立病院の今後の考え方についてであるが、地域におけるボランティアに対する意識の高まりとともに、受け入れ側である病院での活動内容や目的の明確化、それから病院全体でのコンセンサス、それからボランティアと病院との調整役であるコーディネーターの配置等、受け入れ体制の整備ができた場合には受け入れができるものでないかと考えておる。医療局としても、このボランティアの導入については、受け入れやすいように条件整備の調査研究をいたしておるが、さらに進めていく考えである。よろしくお願いする。

〇千葉(浩)委員 今、ボランティアのお話もいただいたが、それだけ希望する病院が多くなっているという--実際に私も立ち会ってみて、大変なことだなとつくづく、私、実感で思ったわけである。やはりそういうものが県民と患者サービスに絶対つながっていくと、これは絶対今後そういう形で受け入れ体制ができたとおりやってもらいたいとも思うし、それからそういうものがどんどんふえてくると、待遇の問題であるとか対応の問題であるとかいろいろ出てくると思うが、何はともあれ、そういう形で職員のOBの方々であるとかいろんな方々が実際にやって、体験してきた方々が実際にタッチするわけであるから大変ありがたいとも思うし、県としてそういう形のものを広げていっていただきたいということを御要望申し上げる。
 それから局長、国の構造改革、これはそのとおり地方債でいろんなものが必ず抑制があると思う。ただ、私は病院の計画についてそういうことにとらわれないで、これは計画どおりとにかくやってもらうと、こういうことをぜひひとつ岩手県の医療として絶対これは欠かせないわけであるから、ぜひそういうことにとらわれないで、影響されないで、ひとつ計画どおりに病院建設も進めていただくように御要望して終わる。

〇伊藤委員 3点ほどまとめてお伺いをいたしたいと思う。
 決算委員会であるから、まず財政の問題についてひとつお伺いをする。
 今年度の総収益が1、040億円余あったと、そして利益は6億3、900万円余と、こういうことであろうと思う。そういう中で中身を見てみると、企業債の現在高が962億円余、そしてさらには、決算書の3ページの中間にちょっとよくわからない部分が書いてあるが、資本的収入額が資本的支出額に不足する額76億9、800万円余は、消費税資本的収支調整額900万円余及び過年度分損益勘定留保資金38億6、000万円余で補てんし、なお不足する額は当年度許可済未発行企業債、これは38億円余で措置をすると、こういうことだろうと思うが、この意味がちょっとわからないので、数字的な部分を御説明いただきたいと思うし、これは総じて言ってみると、企業債の償還金42億9、600万円余、それから支払い利息43億3、300万円余、あわせて86億円余を毎年払っていかなければならないと。しかも、今言った3ページの中段の部分のピーク時と思われる金額を足すと、企業債の現在高というか借金は1、077億円になってしまうと思う。つまり、1、040億円の売り上げのある企業が借金が1、077億円あって、利益が6億3、900万円しかないと、こういうことになると、これはもう民間の企業、一般企業では全く考えられない部分であり、既にこれは経営が破綻をしている、こう言ってもいいのではないかと思うが、こういう数字の部分について、今後の見通し等も含めて明確に御説明をいただきたいと思う。それが第1点である。
 それから宮古病院について、先ほど佐藤委員からもいろいろ病院運営のソフトの部分でお話があった。宮古病院についても、今まで医療という部分ではなく環境整備という部分で、今伊藤課長が事務局長でおられたときに大分御努力をいただいて、例えば夜間の患者さんたちが入ってこられる下から来るドアが、観音開きのドアでなかなか大変だということで、これは自動ドアにしていただいて大変好評なようである。さらには、病院前のバス停の表示が、こっち側から見ると市内に行く表示になっているが、反対から見ると田老に行く表示になっていて、着くバスは1台ごとに着くが、乗り口が同じでバスがそのたび違うということで、お年寄りたちが田老方面に行くところを間違って市内に乗ったり、あるいは市内に行くお年寄りが田老方面に行ったりといういろんな部分があったが、これについてもバス停をあと一つふやしてというか標識をふやしていただいて、ちょっと離しただけでこれは解決をしていただいた。こういう部分が大変ありがたいと思っておる。そしてまた今は、宮古病院では先生、職員あるいは看護婦さん同士、あるいは患者さん同士、すべてさんづけで呼ぶということを今始めておる。先ほど佐藤委員もおっしゃったけれども、ピアノの演奏等も、これも待ち時間をいらいらさせない、あるいは余裕を持たせる、こういった部分の一つだと思うが、これがまた大変患者さんたちに好評なようであり、こういう好評なものはどんどん28病院に展開をしていっていいのではないのかなと、こう思っており、そういう部分はいかがなようにお考えか、まずこれもお伺いをしたいと思う。
 それからもう一つ、これは直接経営という部分には関係ないが、宮古駅前に旧宮古病院の跡地がある。これは平成4年であったろうか、新しい病院が落成開業して、その後に解体をしたから6年ごろからさら地になって残っておるわけである。今医療局から県の基本財産に移った部分が1、192坪、そして宗教法人が所有している土地が400坪、あわせて1、592坪の言ってみればさら地が宮古駅前の一等地にいまだにこうして残っている。しかもバリケードで囲まれた状態で草がぼうぼう生えてまいるから、今、春先と秋口に2回草刈りをしておるようであるが、こういった部分について実は市民の中から、あそこはどうなっているんだと、跡地の利用がどうなっているんだということをしょっちゅう聞かれる。かつて古い病院がそこにあったときは、平成元年のあたりであるけれども、430人ぐらいの新しい命が生まれて、それから450人ぐらいがお亡くなりになっていった、その病院の中で。あるいは250床近くベッドもあったから、外来患者を含めると二千数百人が1日に出入りをしていたんではないかと、こう言われておる。そういった部分がごっそり抜けた今、周りの経済という部分が大変冷や水をかぶったままの状態であり、それだけに市民の、あそこがどうなんだろうと、こういう要望が強いわけである。一説には、郵政省関係の施設が来るんだとか来そうだとか、そういう話もあるようであるが、実は現在、岩手県とそして国とある方と係争中だと聞いておる。私もことしの2月の何日であったか、地方裁判所の裁判を1回傍聴に行ってまいったけれども、相当時間がかかるのかなとは思った。これはぜひ頑張っていただきたい部分であるけれども、ただ、市民のあるいは県民のさら地がどうなっているのかという部分について、例えばあそこに看板を掲げてこれは岩手県の管理地であるが、現在一部係争中なのでその解決を待って利用したいのだとか、そういった説明があってもいいのではないのかと、そのように思うが、これも含めてひとつお考えをお示しいただきたいと思う。

〇渡辺医療局長 3点のお尋ねがあったと存ずるが、1点、私からは病院のアメニティーと申そうか、待ち時間への工夫とかそういった件について私からお話し申し上げ、あと2点については管理課長から答弁いたさせるので御了解を賜る。
 病院における待ち時間の工夫、先ほどお話あったように、待たせないということと待たせたと感じないように快適に過ごしていただくというような工夫、こういったこと、さらには、病院におけるアメニティー、快適性と申そうか、そういうものの向上ということは、病院という特殊な環境、患者さんが対象であるというようなこと、そういうことで極めて重要なものであると考えておる。
 それから、病院内において職員同士が何々君とか呼び捨てにするということなしに、お互いにさんづけで呼ぼうというようなことが、そういう動きが出ていることも評価できるものと考えておる。そういう観点から、私ども良質で満足度の高い医療サービス、あるいは患者サービスの提供という観点から、各病院等と今後一層話し合いをしながらその向上に努めてまいりたいと存じておる。

〇長澤管理課長 まず、企業債、これが8年度末で962億円ほどある。毎年利息あるいは元金の償還、委員のお話のとおりであるが、建設改良事業については、まず起債対象外の建設費については2分の1、これを一般会計で負担していただくというルール、それから、起債の元利償還については3分の2を一般会計で負担してもらうというようなルールで運用しておる。したがって、残りの部分について内部留保資金ということを使うわけであるけれども、先ほど前に累積欠損金で御説明したとおり、減価償却等現金の支出を伴わないものの累積がある。これが年間30億円ずつほどあるが、これらの使える内部留保資金が8年度末で90億円ある。これらの資金を使いながら、元利償還あるいは建設改良を進めていけるのではないかと考えておる。
 それから資本的収支の関係で、収支不足に対する補てん財源の説明であるけれども、これについてはまず一つ、消費税資本的収支調整額というのが992万5、000円ある。これは消費税の資本的収支調整額、原則的には資本的収支にも工事請負あるいは医療器械を買うことにより消費税の負担をしておる。これの仮払消費税とそれから余りないわけであるけれども仮受消費税、この差が補てん財源となるものである。ただ、この公営企業の会計上、収益的収支とそれからこの資本的収支とあわせて消費税の調整をやっておるので、まず資本的収支の方に調整額992万5、000円、これを充当しそれから過年度損益勘定留保資金ということでこれは留保資金、これを充当しておる。
 それから、今年度の支出の不足する部分であるけれども、前年度に許可は受けたけれどもまだ実際借り入れしていない起債というのがある。これが38億2、500万円、この部分を充当して補てんするということである。
 それから、旧宮古病院跡地についてであるが、委員御指摘のとおり、平成2年に境界確定等に係る訴訟を提起されているところである。医療局としても、このような都市部の中心地に長期間にわたり未利用地として空けておくというような状態になっていることについては、市民の方々に御迷惑をおかけしているわけであるが、いずれこの案件についてはこれまで20回の口頭弁論が実施されてきたところである。それで、大体双方の主張はほぼ出尽くして大詰めを迎えている状況にあると考えておる。特にも、近々また次回公判が予定されており、裁判上、裁判官の心証形成、これの影響などを考えあわせると、御提案の趣旨については今しばらく様子を見たいと考えておる。どうか御理解をいただきたいと存ずる。

〇伊藤委員 今の財政の説明の部分であるが、説明についてはそれぞれ当局側の言葉は大変に優しくそれなりの言葉を使っているわけであろうけれども、私たちが聞くと、1、040億円しか年商を稼げない会社が、借金が962億円あって、しかもピーク時には1、077億円になると。こういうことは、要するに企業債の現在高が962億円、しかも毎年企業債を払っていくのが42億9、600万円、さらに支払い利息が43億3、300万円、そしてこれで足りない場合には、さらにこっちから過年度分の損益云々38億円とか380億円とか、こういった部分もさらにつぎ込んでいくと、こうしか読み取れないわけである。こういうことは、恐らく民間企業ではあり得ないことだと思うが、いずれ医は仁術という部分であろうから、その部分だからといって医は算術という部分もないわけではなく、自己崩壊をしては困るというのが県民の願いなわけであるから、こういった部分を含んで、例えば現在は相当金利が安くなっているから、過去の借入金はどんどん金利の安い部分に借りかえをするとか、あるいは中長期的な計画を立ててこういった部分を処理をしていくというか、こういった部分の視点を持っていただかないと、これは必ずや次の代に負の遺産を残していくことになるのではないかと。しかも固定資産の中の有形固定資産というのを見ると、1、190億円等はこれは償却がついているから1、400、これはだんだん目減りをしていくもの、建物も医療器械もそうであろうから、そういうものがどんどん目減りをしていく、そうするとますます赤字というか借入金の部分がふえてくる、加算をしてくると、こういうことになっては次の世代が困ると、こういうことだと思うので、こういった部分について中長期的な今後の考え方というものをどのようにお持ちになっておられるのか、まずお示しをいただきたいと思う。
 それから、アメニティーの件についてであるけれども、大体普通の患者さんはお医者さんの前に行って、座っただけで血圧が10から15高くなると言われておるので、緊張感とかそういった部分をほぐすという部分が大変に大事なことだろうと思うので、今後もこういった部分にはひとつ努力をしていただきたいと思う。
 それから、病院跡地利用についてであるが、そういう表示をするということが今の係争問題にマイナスに働くようなことであれば私はあえて掲示をしていただきたいとは申さないけれども、ただ、これは法治国家であって法のもとに粛々と進めているわけであり、そういったことがだれに漏れてだれに聞かれても明快に答えが出るということ、あるいは答えれるという部分は、これは県民の知る権利にこたえるという部分でもあると思うので、今は微妙な時期だということであればあえて申さないけれども、今後においてもそういう部分があったら、県民の方からいろんな憶測等が加味されてこないうちに、むしろこちらから教える、知らせると、そういう部分をお持ちをいただきたいと思って、これもお願いをしておく。
 財政の中長期の見通しについては御答弁をいただきたいと思う。

〇渡辺医療局長 今後の財政見通しということであるが、委員お話しのとおり、病院事業も公営企業として処理するわけであるので、一方において公共性、つまり委員いみじくも今お話しされた医は仁術の部分であるが、それを十分に提供をするということは当然必要である。ただ、これを支える経営基盤の確立と申そうか、企業性という点も十分必要なわけである。そういう観点に立って、今後の財政の状況をどう展開していくかということであるが、企業債の償還というような点のみを取り上げると一般会計での負担金等の問題等もあるし、それから内部留保資金等の活用もあるわけであるが、そういうことをやってもなおかつ厳しい状況下にあるので、そうならないように企業性が発揮されて経営基盤が安定されるように、私どもいろんな面で工夫を凝らしながら対応してまいりたいと考えておる。

〇佐々木(一)委員 通告しておらないので申しわけないが、企業債について関連質疑させていただく。
 企業債の明細書であるが、いずれ政府資金であるから高い利率のものもこれは返せない状況かと思うが、2点ほどちょっとお伺いしたいと思う。
 平成9年に年2・8%という定額の利率で借りているわけであるが、これが将来平成39年までこの2・8%でいくということだと思うけれども、先ほど来千葉委員からも国の財政改革の話があったわけであるけれども、金利の動向によって、過去に借りたものでは7%で高いものもあるわけであるが、現在借りたものが将来的にどういう見通しになっていくか、もしこの辺について情報があったらお伺いをしておきたいと思うし、それから次に、第一勧業銀行から3本あるわけであるけれども、この辺の利率の見直し等、これについてはどのように検討をされておられるか、また、市中銀行からの企業債の限度額というか、そういうものが何かの指標があったらそれについてお伺いをしたいと思うので、よろしくお願いする。

〇長澤管理課長 企業債のまず将来に及ぼす影響、償還計画であるけれども、9年度末においては当初予算ベースであるけれども1、168億円ほど、それからこのままの状況でくると償還のピークというのが平成11年度、元利合計120億円というようなことがあるけれども、御案内のとおり、公営企業債については現在は政府資金のみである。したがって、利率については政府で決定したレートで借り入れしているわけであるけれども、その資金が年金資金とか郵便貯金資金ということであるので、なかなか繰り上げ償還とかあるいは借りかえというのはまだ制度的にないものである。ただ、第一勧銀から借りている分については、前にも1度繰り上げ償還したことがある。ただ、これについても借りる方と貸す方のそれぞれの利益のぶつかり合いというか、その協議の中で決まってくるものと思っておるが、いずれ縁故資金については今のところ額的にも0・6%という状況であるので、特段交渉しておらないけれども、何らかの機会があればそういうこともまた折衝してみたいと考えておる。

〇佐々木(一)委員 市中銀行のこの3本であるけれども、11億円というのが当初の発行総額だったようであるけれども、この辺の、病院整備という内訳になっておるが、この枠というのは何かあるんであろうか。その市中の銀行からの借り入れの限度額とかそういうのは何か。

〇長澤管理課長 縁故資金については、今現在は資金的にはないものである。前は起債の対象基準外のもの、これについては縁故資金の充当があったものであるけれども、現在はそういう基準もなくなって全部資金運用部資金というような形になっておる。

〇伊沢委員 社会民主党の伊沢である。
 平成8年度の医療局の経常収支は、先ほど来御説明があったように、前年度に引き続いて6億3、900万円余の純利益を生じているわけであるが、もろもろの原因があったにしろ、医療局職員の皆さんの御努力によることが大きいということで、まずもって敬意を表したいと思う。
 8年度の決算審査に当たっては、既に財務関係を含めて多くの質疑が交わされてまいった。重複しないように私は病院の運営面を中心に3点ほどお伺いをしていきたいと思うので、よろしくお願いをしたいと思う。
 まず、良質で満足度の高い患者サービスの提供ということについてお伺いをしていきたいと思う。
 医療局では、岩手県立病院等経営計画、いわゆるヒューマニティ21計画の基本目標の中の大きな項目として、今申し上げた良質で満足度の高い患者サービスの提供についてという項目を掲げているわけである。御存じのように、最近の医療を取り巻く環境は、国において医療保険制度の大改革が検討されている状況にあり、我が国の医療が大きな転換期に来ていると認識をしているところである。また、国の財政改革に伴う医療費抑制策が引き続きとられており、公立、民間を問わずどこの医療機関も過当競争時代に入っており、こうした中で倒産をする民間の病院も出ていると伺っているわけである。私はこの間の国民総医療費の極端な増加を考えれば、国民に負担を求めるだけでなく抜本的な医療制度の改革が今こそ必要であると思っておるが、医療を取り巻く環境が今後ますます厳しくなる中で各病院が生き残っていくためには、これまでにも増して提供する医療の質の向上、つまり医療技術の向上と患者サービスの向上、こういうことに力を入れていく必要があるんではないかと思っているところである。
 また、一方では、患者のニーズというのは天井知らずで限りがない、伸びていくわけであるけれども、これまで議論があったように、これに対して病院側の人や物といった医療資源には限りがあるものと考えられるから、今後、健全な経営を行いながら、県民が満足をする医療サービスを提供していくための方策について医療局として、これまでもやってきていると思うんであるけれども、今後の方策について改めてお示しをいただきたいと思うわけである。
 2点目であるが、病院内の感染防止対策についてお伺いをしたいと思う。
 まず、腸管出血性大腸菌O-157対策についてお伺いをしたいと思う。
 昨年は全国的にこのO-157による患者が多数発生をした。そして、死亡者が出るなど大きな社会問題になったところであり、県内でも学校給食が原因と見られる集団感染が発生をし、衛生管理のあり方、さらには、給食施設の不備などが指摘され、それぞれの関係機関が努力をして改善に向けてきたと承っているわけである。こうした中にあるわけであるが、本年度になってからも散発的にではあるけれども全国的に患者が発生しておる。そして、O-157というのはどこにでも常にあるという、いわゆる常在菌であることを証明しているんではないかなと私は思っているわけである。こんな中にあって、県立病院においても多数の入院患者さんに給食を提供しておる。そして、提供している患者さんは入院をしているわけであるから体力が弱っている方がほとんどであり、病原菌に感染しやすいことを考えれば、一たんこの病原感染症が発生すると取り返しのつかない事態になるのではないかと危惧するものである。幸いなことにこれまでの県立病院の中では発生は見ていないわけであるが、医療局としてこの腸管出血性大腸菌O-157に対する対策としてどのようなことを行ってきたのか、お伺いをしたいと思う。
 関連をして、結核の院内感染対策についてお伺いをしたいと思う。
 最近マスコミで取り上げられたが、たしか宮城県だったと思うんであるが、民間の病院の中で病院において結核が院内感染をした。そして、不幸なことに看護婦さんが亡くなったという報道があったわけである。結核、とりわけ肺結核については一般的には過去の病気と思われがちなわけであるが、実はまだまだ恐ろしい病気で、新たに登録をされる患者さんが出てくるという状況があるわけである。その原因については、結核菌に対する免疫を持っていない成人が多くなったんではないか、こういう指摘があるわけである。陰性になって子供のころに皆さんもBCGをやったと思うわけであるが、このBCGによる陽転の効果というのは年数とともに減少し、15年から20年でなくなるとも言われているわけである。こんな状況があるわけであるが、そしてそれぞれ病院の中で働いている看護婦さん、いろんな方々がいるわけであるけれども、院内における結核の感染対策についてどのようになっているのか、お伺いをしていきたいなと思うわけである。これまでもB型肝炎とかその他の病原菌について内部での院内感染対策はやってきていると思うわけであるけれども、からめる形で今申し上げた結核に対する集団感染防止についてのことをお伺いしたいと思う。
 最後になるけれども、職員の研修体制についてお伺いをしていきたいと思う。
 先ほど医療局職員の定数増について、さらには、医師確保対策についての御質問があった。私も増加する業務に対して対応していくためには職員を増員していくことが必要なことであると考えており、医療局が企業--今も出たわけであるが--、企業という側面もあるわけであるけれども、これを考慮しても計画的に職員を確保していかなければ増大する業務には対応できない。したがって、計画を持っているわけであるから、そのとおりの増員ができることを願っているものである。そうはいっても現状の中で限られた人数の中で県立病院は医師を初めとして、3交代制勤務で働いている看護婦さん、それから待機制によって深夜であっても必要があれば駆けつける放射線技師や臨床検査技師の皆さんなど、どの職種の職員も患者さんのためによく頑張っている、そういう評価は県民のだれしもが持っていると思っているし、私自身もそういうことを承っているわけである。こんな中で増大をしていく業務にきちんと対応していくためには、職員個々の資質の向上が大変大切になってくるんではないかなと思うわけである。職員が経験や研修を重ねることによって今まで以上に能力が発揮できるようになれば、さらに充実した事業展開ができるのではないかと思っているわけである。事業報告書の中を見せていただいた。それぞれの職種ごとに研修の概略が記載をされておる。大変多くの研修をされているなと感心をするわけであるが、この中で勤務時間の関係とか交代制職場の場合、それぞれ大変な時間のやり繰りもあるんじゃないかなと、こういうふうに思うわけであるけれども、具体的にどのような形で、記載をされている以外の研修もあると思うんであるけれども、こういう研修に取り組まれているのか、お示しをいただきたいと思うわけである。長年同じような研修もしてきていると思うんであるけれども、これらの研修を重ねることによってこれまでどのような成果が上がっているという認識をお持ちなのか、あわせてお示しをいただきたいと思う。
 以上3点について、よろしくお願いする。

〇渡辺医療局長 3点のお尋ねがあったが、私からは最初の1点だけお答え申し上げ、その他2点については関係の課長からお答えさせるので、御了解を賜る。
 まず、良質で満足度の高い患者サービスの提供についてであるが、御案内のとおり、最近の診療報酬の低率改定、そして今回の医療保険制度の改正、改革の方向と、病院事業経営は大変厳しい状況にあるが、一方、良質で満足度の高い医療サービス、そして患者サービスの重要性は一層増してくるものととらえておる。このような観点から、これまでも医師を中心としたマンパワーの確保や施設設備の整備を計画的に進めてきたところであるが、また、待ち時間の解消や接遇の改善など、運営面でのサービスの向上にも努めてまいったところである。今後においては、県立病院が良質で最適な満足度の高い医療サービスを安定的かつ継続的に提供していくために、こういうことを目標として薬品等の廉価購入や経費節減等、自助努力による経営改善はもとより、委員ただいまお話しあったように、医師や施設設備など限りある医療資源を効率的に、効果的に配分しながら、それぞれの病院が連携して地域のそれぞれのニーズに対応していく必要があると考えておる。医療局としては、県立病院ネットワーク計画を立てながら、ここを重点に置きながら、その効率的な実施に向けて取り組んでまいりたいと考えておる。
 また、これまでも待ち時間あるいは診察時間、患者さん等への説明、満足度等の改善について努力はしてきたのであるが、さらにもその病院という特殊性、さらには、現今の社会情勢等にかんがみて、さらにこれらの点について一層の創意工夫を重ねながら努力してまいらなければならないと思っている。
 今後とも県立病院の病院事業の経営改善に努めるとともに、患者さんの立場に立った人間性尊重の医療と患者さんやその家族との信頼関係、それを基本に多様な医療ニーズにこたえて、良質で満足度の高い医療サービス、そして患者サービスの提供に一層の努力をしてまいりたいと存じておる。

〇大川業務課長 まず、腸管出血性大腸菌O-157について申し上げたいと思う。
 委員お話しのように、県立病院の給食において食中毒による感染症が集団で発生した場合大変な事態となるので、これまでも衛生面については細心の注意と管理を行ってまいったところであるが、昨年5月下旬から腸管出血性大腸菌O-157に起因する集団食中毒が全国的に発生したことなどに伴って、厚生省及び県の通知、指導なども踏まえ全病院長に対し食中毒の発生防止のため、従来にも増して衛生管理を徹底するよう指示するとともに、新たな防止対策としては、まず一つは、冷凍庫を追加整備し、原材料や調理済み食品の保存を義務づけたところである。第2点としては、給食業務に従事する職員の検便であるけれども、サルモネラ菌あるいはまた腸管出血性大腸菌O-157の検査を加えたところである。それからさらには、厚生省が示しておるが、大量調理施設衛生管理マニュアルというのがあるわけであるが、従来の私どもの衛生管理指針、これを全面見直しして新たに衛生管理マニュアルを作成し、これに沿って衛生管理を行うこととしたところである。
 それから、二つ目の結核の院内感染対策についてであるが、委員お話しのとおり、医療機関で結核の集団感染が発生したとの報道が相次いだところだったわけであるが、本年6月、結核の専門医による院内感染予防対策委員会を開催し、これまでの防止対策の見直しとあわせて、今後における感染対策について検討を行ったところである。まず、職員の健康管理対策であるけれども、職員の採用時の健康診断にツベルクリン反応検査を実施することとしたということである。それから、2点目は、結核病棟に勤務させる場合であるけれども、ツベルクリン反応検査及び陰性の職員についてはBCGワクチンの接種を行うこととしたこと。それから、三つ目としては、30歳未満の職員に対してはツベルクリン反応検査を、これは定期健康診断であるけれども、ツ反の検査を実施することとしたということである。そのほかに、これは当然と言えば当然のことなわけであるが、管理監督にある者、絶えずやはり職員の健康管理を常に把握するなど、職員の健康管理と感染の防止に努めろと、こういう指示も出したわけである。
 それから一方、患者さんに対する防止対策である。まず一つは、結核病棟から出る場合であるが、マスク、ガウンの着用、あるいはまた、履物の履きかえ、出入り時の手洗いの励行、それから外出や外泊の場合にはその排菌患者は許可しない。それから、マスクの着用、持ち出すものの消毒の実施。それから、面会される方に対してであるけれども、病室ではなくて面会室での面会、それから面会される方はマスクやガウンを着用するということ、さらには、面会時間の厳守、あるいはまた、子供さんや風邪を引いておられる方々には面会は御遠慮いただくということなど、従来にも増した対策を図ることとして感染の防止に万全を期すこととしたところである。

〇伊藤参事兼職員課長 職員研修への取り組みと成果についてであるが、職員研修は複雑多様化する医療需要を踏まえ、県民の医療需要に適切にこたえるため、研修体系及び実施計画を定め計画的に職員の資質向上を目的として実施しているものである。
 研修の体系は、一つには、新採用から管理者までなどの段階的に実施する基本研修、二つ目には、医師等の各職域別の専門技術の研修や実務研修などの専門研修、3番目には、先進病院の視察や接遇研修等の特別研修、4番目には、病院内や地区別等における職場研修の四つの柱に編成しておる。
 また、その目標としては、一つには、患者さんとの心の触れ合いを大切にし、患者さん主体のきめ細やかなサービスに努める職員の育成、二つには、県民に信頼される公務員としての自覚を持つ職員の育成、三つ目には、日進月歩の医療に対応する有能な職員の育成、四つ目としては、厳しい経営環境を克服する経営意識を持ち、勤勉で活力ある職員の育成、5番目には、問題解決能力を発揮できる創造性豊かな職員の育成、6番目には、働きがいのある職場づくりに努める職員の育成としておる。
 研修施設での集合研修においては、受講該当者が多い場合には複数回に分けて研修を行うことや、病院の規模または職員数に応じて受講者数を設定すること、また、受講対象者は病院において勤務の調整が必要な場合を考慮して余裕を持って通知するなど、勤務時間や交代制勤務という特性も留意しながら、受講対象者が公平に参加できるように配意をしておる。
 なお、研修成果の評価は非常に困難であるが、県立病院職員としての自覚と役割の認識、及び意識の高揚や各職階における役割の認識と必要な知識、管理監督能力の習得、さらには、日々進歩発展する医療技術、新しい知識の習得などの点において成果があらわれ、良質で満足度の高い医療サービスの提供に寄与しているものと考えておる。今後とも研修を通じて患者さんとの心の触れ合いを大切にし、県民により信頼される病院を目指して職員の資質の向上に努めてまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 それぞれ御努力をされている部分でいいわけであるが、食中毒対策ということで今御答弁をいただいた。それぞれのところでいろんなマニュアルをつくってやったことについては全部やったと、こういうことになると思うんであるが、施設そのものが老朽していてこれから建てかえていくというところがまだ残っていると思うんである。そういうところを中心にぜひその対策をしていく必要があるんじゃないか。いずれ例えばつくりかえるんだから、この部分については例えば現場を見ても、少し後にしようとか、そういうことはこれは許されないものだと思うので、その辺について改めて対策をしているんであれば御答弁をいただきたいわけであるけれども、ぜひお願いを申し上げたいなと思っている。
 それから、研修の部分なんであるが、今いろいろお話しをいただいた。前にも多分斉藤委員だったと思うんであるが、勤務時間を含めて勤務時間外にしか出れないようなもの、それからずっと疲れた時間帯にのみやってしまうと、これは勤務とその研修に出る時間はどうなっているんだということでの議論があったやに私記憶しているわけである。その辺含めて、本当は研修というのは仕事の一環として延長上の中で考えるべきものだと私も思うわけであるけれども、そういう割合、院内でやる研修というのは、時間外にこの時間30分なり1時間〇〇先生を呼ぶから来てくれと、こういうものもあるかと思うんであるが、原則的にはやはりきちんとした職専免なり出張なり含めて対応する中で、代替職員も配置をする中で順番にやるというのが基本であるべきだと私思うわけであるけれども、その辺についての御見解をちょっと重ねてお願いをしたいと思う。

〇大川業務課長 食中毒の関係についてお答えする。
 建物が新しい、古いにかかわらず事食中毒に関することである。問題があれば直ちに改修するようにしておるし、また、毎年度保健所の監査もあるので、それらの指摘なども踏まえながら鋭意解消に努めているところである。

〇伊藤参事兼職員課長 今申し上げたのは大部分がいわゆるNUCにおける集合研修の例であって、すべて出張の扱いになっておる。院内の研修等については具体的には承知しておらないが、時間内における研修もあるし、それから時間外に及ぶものについては一部には参加者の任意による自己研修というか、そういう場を提供しているものも大部分だと認識しておる。

〇伊沢委員 いずれ県立病院、全国に類のない数を誇っているし、きちんとやって、当たり前にやって当然というのが県民の認識だと思うわけである。その点、今、保険の機構を含めて個人負担が多くなってきた中で、やっぱりちょっとしたことで不満という形にあらわれると私も思うわけである。そんな中でこれまで御努力していた部分の延長をぜひ汚さぬように、これまでの努力を無にしないような形で今後やっていただくことを御要望して、終わらせていただく。

〇斉藤委員 質問がたくさんあるから、幾つかに分けて質問させていただく。何よりもまず、県民の命と健康を守る上で28の県立病院を軸に、医療局職員の皆さんが大変奮闘されていることに敬意を表しつつ、同時に、解決すべき問題多々ある。私は今度の議会に向けて県立病院を四つ視察してまいった。北上病院、東和、住田、高田、これまで15県立病院を実際に見てまいって、現場からさまざまな要望など寄せられているから、そうした問題についてきょうはお聞きをしたいと思う。
 第1点、医療制度改悪の影響について。
 一つは、9月1日から医療費値上げに対し、痛切な怒りの声が新聞にも病院にも寄せられている。外来患者も減少していると思うが、県立病院の実態はどうなっているであろうか。1日平均でどのぐらい減少しているか。10%以上減少している病院が幾らあるか、20%以上減少している病院は幾らあるか、リアルにお示しいただきたい。
 二つ目、老人、サラリーマンの負担増の実態は県立病院の場合どうなっているであろうか。
 三つ目、受診抑制で県民の健康、患者の健康にとっても重大と考えられるけれども、医療局長はどう受けとめておられるであろうか。
 4番目、医療制度の改悪は来年度も、さらに2000年に向けて第2弾、第3弾が、与党3党合意や方針などによって計画されているが、どういう内容になっているであろうか。また、県立病院にどういう影響が考えられるであろうか。
 次に、消費税の影響について。
 96年度の消費税の負担額、消費税導入後の影響、負担額はどうなっているであろうか。
 4月から消費税5%となった。今年度の影響額はどうなっているであろうか。
 三つ目、保険外医療費負担、入院給食費、特別初診料について。
 保険外の医療費負担が最近ふえている。全国的には5兆円と言われる。これは医療費総額約30兆円の6分の1に当たる。県立病院の場合はどうなっているであろうか。
 二つ目、入院給食費の患者負担が昨年の10月から600円から760円に引き上げられた。96年度の患者負担額はどうなっているであろうか。97年度の見通しはどうであろうか。
 三つ目、紹介外特別初診料は200床以上の県立病院で昨年8月から強行実施された。初診患者、患者負担数、率、紹介率を示していただきたい。
 特別初診料導入の目的はどう果たされているか。実施された14病院の実績をあわせて示し、97年度の見通しを示していただきたい。
 とりあえずここまで。

〇渡辺医療局長 多くの質問があったが、私からは本年9月1日に施行された健康保険等の改正に伴う影響と、そしてそれに関連する受診抑制に関するお尋ねについてお答え申し上げ、その他のお尋ねについては、関係課長等からお答えさせるので、御了解を賜る。
 本年9月1日から施行された健康保険法等の一部改正に係る外来患者数の動向についてであるが、9月1日から19日までの患者数を押さえてみたんであるが、それによると、昨年同期と比較して全体で7・4%と減少しておる。その段階別の数字は、ちょっと間違いがあるといけないのであれであるが、大体のところを申し上げると、20%以上というのが2カ所ある。それから、10%のところが8カ所……、ちょっとそこはまた調べさせていただくが、大体そんな感じである。したがって、この段階では影響があると思ったんであるが、第3週に入ってほぼ前年並みに回復してきておる。したがって、患者数には大体波があるので、現段階において確たることは申し上げかねる状況にある。もう少し様子を見る必要があるのではないかと存じておる。
 次に、患者負担額の増加に伴う受診抑制ということ、これがどういう影響を与えるかということであるが、お話のとおり、患者負担が増加することによって受診が抑制されることは考えられると存ずるが、しかしながら、事は健康にかかわることでもあるので、私どもとしては患者さんにとって何が最善の医療か。良質で満足度の高い医療サービスが受けられるように何よりも努力することが肝要であると存じておる。

〇大川業務課長 老人、サラリーマンの負担額の実態はどうかというお尋ねである。
 医療局の統計システムにおいては、月途中での一部負担について出力できない状況であるので、何とぞ御理解賜りたい。なお、国においてはサラリーマンが1カ月に払う医療費は平均で約2・4倍と、それから老人は2・5倍と、このように負担増になると試算しているところである。
 それから、今後の医療費制度の中身、県立病院に及ぼす影響についてであるが、先般公表された与党国民医療保険制度改革協議会の医療保険制度改革の指針によると、平成12年度を目途として、一つには国民に開かれた医療提供の実現、二つ目が薬価制度の改革、三つ目が新しい診療報酬制度の構築、四つ目が高齢者医療保険制度の創設、5点目が医療費適正化の推進と、この五つを柱として、大きくは薬価基準にかわる参照価格制度の導入、それから診療報酬に定額払い制を拡大するということ、三つ目が独立した高齢者医療保険制度を創設するという中身になっておるが、いずれ関係団体においても賛否両論ある。最終的にはどのような内容になるものか定かじゃないので、県立病院にどう影響するかについては現時点ではコメントしかねる状況であるので、御了承賜りたいと思う。

〇長澤管理課長 消費税の影響についてお答えする。
 入院外来収益のほとんどが社会保険が適用となっていることから、これについては消費税が非課税ということになっておる。このことから平成8年度に仕入れ控除ができない消費税として、収益収支分、雑損失として計上しておるけれども、12億3、000万円余、それから資本収支分、建設改良費の分であるけれども、これは繰り延べ償却しておる。これが2億5、000万円余となっておる。合わせて14億8、000万円余、約15億円の消費税負担額となっているところである。
 また、平成元年度に消費税3%の導入がされた際に、その見合いで診療報酬の引き上げが図られておる。この分の8年度の増収見込み額を推計すると約8億円となる。したがって、これを差し引いた約7億円が平成8年度の実負担額ととらえておる。
 なお、この実負担額を平成元年度から平成8年度まで累計すると約36億円ほどとなるところである。
 次に、平成9年度の見込みであるけれども、5%に引き上げられたことに伴って、収益収支分で約21億円、それから資本収支分として約3億円、合計で24億円の消費税負担額があるものと見込んでおる。これに対して診療報酬の増収額であるけれども、平成元年度は先ほど申し上げたとおりの推計をしながら、平成9年度が5%になったのでこれの診療報酬の改定もある。これらの合わせた増収額が約12億円と見込んでおる。したがって、これを差し引いた残り約12億円が平成9年度の実負担になるものと見込んでおる。

〇大川業務課長 保険外医療費負担のことなどについて3点ほどお答え申し上げたいと思う。
 県立病院における保険外の医療費である。総額25億1、300万円ほどとなっておる。その主な中身を申し上げると、室料差額、これが3億1、500万円ほど、それから事業所の集団検診がある。これが公衆衛生収益で7億1、700万円ほど、それから個人の検診や人間ドックがある。これらが2億5、600万円ほど、それから分娩介助料、これが4億6、300万円ほどとなっておる。いずれ医業収益に占める割合としては2・7%程度と、こういう状況になっておる。
 それから、二つ目の食事療養費のお尋ねであるが、この食事療養費の一部負担は病院の収益増につながるものではないわけであるけれども、平成8年度の食事療養費の一部負担の額を見るとおよそ11億8、800万円ほどと推計しておる。それからまた、平成9年度どうなるのかと、こういうことであるが、予算ベースの患者数で推計すると、13億3、000万円弱と、こんなふうに見込まれるところである。
 それから、3点目の紹介外特別初診料の関係であるが、制度を導入した8年8月以降における初診患者の数であるが、17万6、384人である。このうち負担した初診の患者さんは9万1、274人、負担率は51・7%、およそ半分の方がお支払いいただいていると、こういうことである。それからまた、他の医療機関から紹介されてきた患者さんであるが、紹介率が5・4%となっておる。
 それから、目的は達せられたかどうかとのお尋ねである。200床以上の病院と、それからいただいていない200床以下の病院、この患者数で比較してみると、200床以上の病院がマイナスの3・7%--3・7%新患者数が減っておる。それから、200床未満の算定していない病院であるが、1・0%増加しておる。いずれも新患者数である。それから、ちなみに最も医療機関が競合しておる盛岡にある中央病院を例にとって申し上げると、1日平均であるが、新患者数は1日21人の減、13・2%である。逆に紹介患者さんは4・8%の増と、こうなっておって、比較的軽症の患者さんなどは200床未満の病院、あるいはまた診療所へ行かれたのではなかろうかなと。さらに、診療所などから紹介されてきた患者さんが若干ふえたものと推測されるところである。
 それから、9年度の見通しはどうかということであるが、先ほど申し上げた17万6、384人、これは8カ月であって、平成9年度の見込みではあるが、14万7、000人ぐらいの方が新患者さんなのかなと、こんなふうに思っておる。負担をいただく新患者さんであるけれども。

〇斉藤委員 医療制度の改悪について、私、少しリアルに、私に寄せられた、また新聞に投書になった切実な声、これは9月12日付の岩手日報の声の欄である。情け容赦ない医療費の改悪、患者負担が何と3・6倍になった。このように医療費も情け容赦なく改悪されては、金のない者は病院に行くなと言わんばかりではないか。月3万3、000円の年金ではとてもやっていけない。こういう声。これ9月17日であるけれども、医療費改悪で悲しむ高齢者、私は、いつも三つの科から薬をもらうのだが、今回は財布が淋しいので内科の薬だけもらった。今までどおりかかっていたら大変な金額になると思う。いわばもらっている薬を減らしている。岩手日報の交差点というところにはこう書いている。新聞の投書欄には連日のように嘆きと恨みの声が寄せられている。これではまるで老人は医者にかかるなと言っているようなものだとか、本当に切実な声であって、私ちょっと聞きたいのは、さっき局長は数を言わなかったけれども、7・4%減少というのは1日当たり1、455人である、患者数。だから7・4%、パーセントで見ると、これだって10%近いから軽視できない数であるけれども、県立病院の外来患者が1日1、455人も平均して減っていたと。私、北上病院に行ったときに、9月9日であったけれども、その時点で150人、だからだんだんおさまっているけれども、おさまっているのは1月に1回ぐらいは行かなくてはならぬというので戻っているのであって、平常どおりに戻るのはなかなか厳しいんじゃないか、こう思う。
 それで、あわせて聞きたいのは、実は医療制度の改悪が与党3党の中身によると極めて深刻なんである。9月1日の値上げにとどまらない。わかりやすく私ちょっと言うと、一つは差別医療の制度化である。300床以上の大病院にかかれば、外来は原則紹介のみである。いわば紹介状がなかったら300床の病院にかかれない。県立病院はどこどこか。中病、大船渡、宮古、胆沢、磐井、久慈、福岡、南光、八つの病院に紹介状なければかかれない。後から私言うけれども、中央病院が紹介ふえたと言うけれども、初診患者のせいぜい15%である。これは八つの病院にはかかれなくなったら、私は県立病院は採算が成り立たないと思う。こういう重大な内容が与党3党合意で出ている。参照薬価制度、いわば薬代を定額にしてしまって、必要な薬は出せなくなってしまう。あとは患者負担ということになる。参照薬価制度というのは。診療報酬も定額制だ。これは厚生省自身が粗診粗療になるんじゃないかと心配しているような中身を与党3党は決めている。
 さらに、一番深刻なのは高齢者保険制度である。今まで取っていなかった高齢者からも保険料を取る。負担は当面1割にする。だから、9月1日の医療費値上げだけで大変な悲鳴出ているのに、これからは保険料も取る、医療費は1割負担させる。これが与党3党で方針として決められたんである。私は、これにいろいろ意見が賛否あるなんて言うけれども、とんでもない話で、自治体病院の協議会ではどういう論議になっているか。私は岩手の県立病院が声を上げてこういう改悪はやめさせなくてはならぬと、そういう運動をしなくてはならぬと思うけれども、どうであろうか。
 また、与党3党の方針には、健康保険は行く行くは3割、大病院の医療費は5割にすると、これが第2弾なんである。そういう点で9月1日の医療費値上げも深刻な影響を与えているけれども、今、与党3党が2000年に向けてやろうとしている医療制度改悪はもっとひどい。私はこういうものを絶対にやめさせないと県立病院がもたない。そのことを医療局長にあわせてお聞きをする。
 それと、初診時負担、紹介外初診料であるけれども、医療局の答弁は都合のいいところだけなんである。中央病院が15・1%と言うけれども、あとの病院は何%か。その次に続くのが胆沢の7・2%、南光の6・4%、大船渡の5・3%である、紹介率。あとはみんな低いんである。いわばほとんど紹介状の率というのはもう取るに足らない数である。私は中央病院の15%というのは、それはこれだけ病院の機関があってセンター病院であるからそういう役割はあると思う。しかし、そのほかの県立病院は文字どおりその地域の頼りになる病院なんである。そういう病院でも紹介がなければ特別初診料を取るというやり方。私、昨年の議会でもこの問題について厳しく指摘したけれども、実態は皆さんが言うとおりのものじゃない。平成8年度は8月から徴収されて、徴収された患者件数は幾らか。9万1、274人がこの特別初診料を取られた。それが9、400万円である。これが1年ベースになったら1億四、五千万円になるであろう。これが県立病院の黒字の一角を占めていると言えばそういうことになるけれども、私は中央病院を除けば率直に言って目的は達していないと、これは見直すべきじゃないか、こう思うけれども、いかがであろうか。

〇渡辺医療局長 医療保険制度の改正等に関連して、ただいまの与党等の考え方等に対する自治体病院開設者協議会、そういった団体があるが、そういった団体においては、常々いろんな機会をとらえて国の制度的な改善のあり方、例えば診療報酬について改定のルールを確立すること、あるいは技術料を中心とした体系とすること、あるいはその役割にかんがみた対応をしていただきたいとか、そういった点について機会を見ながら対応しているところである。

〇大川業務課長 紹介外初診時負担、見直すべきではなかろうかとのお尋ねであるが、いずれ趣旨を踏まえながら円滑に進められるよう、なお一層努力してまいりたいと思う。

〇斉藤委員 今の答弁は実質答弁不能ということである。私が指摘したことに対してまともに答弁できないんだから。中央病院以外は目的を達していないということである。だから、これは真剣に考えてもらいたい。やっぱり今、何でもかんでも患者さんから医療費を取り上げる、吸い上げる、こういうシステムの中で、県立病院がそれに乗っかって、今回は9、000万円、通年ベースでいけば1億数千万円という規模の特別初診料を取っていいのかと、私はこの問題を皆さんが目指した目的から見て、実績、これから見て果たしていないんじゃないかと言っているわけだから、答弁不能ということは、私はそういう実態を認めたということになると思うが、もし答弁があれば後からやってもらいたい。
 次に、看護職員の労働条件の改善についてお聞きをする。
 私、この間、県立病院を訪問して、看護婦さんとも必ず懇談するようにしてまいった。どこに行っても一番の要望は2人夜勤の解消である。2人夜勤を解消してほしいと、どの大規模な病院に行っても小規模な病院に行っても、この2人夜勤の解消というのは一番切実であった。この間、看護婦さんの増員もされていると思うけれども、この数年の間、看護婦の増員と結んで2人夜勤の解消はどうなっているであろうか。久慈の新病院が来年にも開業されようとしているけれども、私はこの新病院で2人夜勤を導入してはならないと思うけれども、古い病院でも現状は2人夜勤がないわけだから、病床数にちょっと違いがあるけれども、新しい病院が胆沢のように新病院になっても2人夜勤がふえたなどということにならないように、私はこの点も具体的に聞いておく。
 二つ目、看護婦さんの労働条件を悪化させている問題に、先ほど伊沢委員も質問したけれども、研修、委員会の問題がある。私これまで取り上げてきて、医療局の答弁は改善すべきは改善すると、こういう答弁だった。ところが、どこに行っても改善されていない。この医療局は改善すべきは改善するという答弁、前もあったけれども、どう実態を掌握して改善の指導をしてきたのか、このことを私は具体的に伺いたい。
 三つ目、看護婦さんの研修の際の復命書、研修受講結果報告書、これがある。これが一番評判悪いんである。研修に行って書かせられる復命書に、書かせ過ぎで、何を学んだか、3カ月後まで何をするか、3カ月後にまたその3カ月間の実勢を踏まえて6カ月後に何をするか。1回研修に行くと3カ月後、6カ月後また点検される。今まで復命書を書かない人が多かったけれども、私はこれは書かせ過ぎだと思う。これは看護婦さんだけそういうふうになっているのか、全職種がそうなっているのか、お聞きをしたい。
 関連して、私は決算書を見たらオーストラリアの海外研修というのがある。オーストラリアに16名が海外研修に行ったとなっておるが、16名で行ったんであろうか。看護婦さんの配置基準は諸外国と比べると日本は大体2分の1なんである。私は、海外の病院を見て何を学んできたか、とりわけ看護婦さんの配置基準、夜勤体制、これがオーストラリアではどうなっていたか、このことをお聞きしたいと思う。
 次に、胆沢病院のPPC看護方式についてお聞きをする。
 PPC看護方式による患者の転棟状況を見ると、これは病棟を移されるということである。1月に100名から140名転棟されている。退院まで三、四回の転棟、転室を強いられた患者も出ている。そのため患者の名前と顔が一致しない。こういう切実な声も出ている。PPC看護方式はうまくいっていないと感じるけれども、実態を医療局はどう見ているのであろうか。

〇菊池副委員長 斉藤信委員にお尋ねをするけれども、世話人会の申し合わせ事項であると3時になると10分ほど休憩をしてまた再開をする予定になっておるが、今のところ通告はあなたが最後の番になっておるわけである。まだまだあれば3時間際であるから答弁も3時までには終わらないということであるので、ここで10分間休憩してその後にまた再開をしたいと思うんであるが、いかがであろうか。(「続行」と呼ぶ者あり)よろしいか、皆さん。多少時間が延長するようであるけれども、今、審議の途中であるから答弁をもらうとこれは3時には終わらないので、答弁もらう前にひとつ休憩をとろうかと思っていたけれども、斉藤信委員の御了解と委員各位の御了解あれば続行させてよろしいか。(「了解」と呼ぶ者あり)では、続けさせていただく。

〇伊藤参事兼職員課長 2人夜勤体制のことからであるが、夜勤体制は全病院において2人体制、月8日以内、いわゆる二・八体制を基本としておる。病棟の患者数の動向、看護度などに応じて2人体制、3人体制、4人体制をとっているものであるが、2人夜勤体制については、全県立病院95病棟ある中で、準夜2人、深夜2人の二・二体制のほかに、準夜2人、深夜3人の二・三体制、それから準夜3人、深夜2人の三・二体制を含めて49病棟あるが、平成6年度と比較すると、二・二体制では4病棟が二・三体制または三・二体制以上に体制を強化しておる。
 それから次に、久慈病院の夜勤体制については、現在検討中であるが、各病棟の病床数及び診療科の編成等を勘案しながら決定してまいりたいと考えておる。
 次に、看護職員の研修委員会の問題であるが、病院においては医療技術の変化に対応するための業務に密着した技術の習得や、複雑多様化する医療需要などに新たな医療情報を共有するために、常に職場内での研修や自己研さんが行われることは必要不可欠であると考えておる。また、看護業務の改善等のため、院内各部門の看護職員が衆知を集めて共通の認識に立ち、患者さんのためのチーム医療を円滑に提供するためにも各種の委員会は必要であるものと考えておる。しかしながら、看護職員は交代勤務等の事情で研修あるいは委員会への参加が難しいこともあることから、総看護婦長等を通じて看護職員の特殊性への配慮と自主性を重んじた対応をとるよう指導しているところである。
 それから次に、研修復命書についてであるが、研修の際の復命書、研修受講結果報告書は医療局職員研修委員会の意見を踏まえて定めたものであって、集合研修等において得た成果を職場に反映させ、ひいては病院事業の円滑かつ効率的な運営に資することを目的に、純粋に学術、学問的なものを除き医療局主催の集合研修や地区別研修、派遣研修を修了した際に作成しているもので、各職種に共通の報告書である。研修受講結果報告書は、研修を受けた職員に改善したいと考えている事柄をより強く自覚してもらい、また、職場内の業務改善の動機づけにするとともに、報告を受けた管理監督者が目標達成に向けて適切な助言や指導、協力を行い、目標実現の環境づくりをしようとするものである。したがって、この趣旨に沿うよう適切な運用について指導してまいりたいと考えておる。
 それから、海外研修のことであるが、シドニーのフォンズビィ・クーリンガイ病院のことを若干例を申し上げるが、この病院は304床の病院であるが、循環器系の病棟が28床の病床がある。日本で言う正看護婦が17人、それから日本で言う准看護婦が7名、それから勤務時間等については3交代制であるが、朝勤というのが7時半から15時30分、昼勤というのが14時30分から23時、それから夜勤が22時45分から7時15分等の勤務を行っているように承知しておる。

〇大川業務課長 胆沢病院が移転新築を機に導入したPPC看護方式は、段階的看護方式とも言われておる。患者さんの症状の度合いに応じて看護婦を配置し適切な看護サービスを提供しようとするものである。当然重症病棟から軽症病棟へと病棟間の移動が多くなるものである。こうしたことから実施後における患者さんの病棟間の移動は以前に比較して1日平均およそ3人から4人ほど増加しておるけれども、いずれこの看護方式、まだ緒についたばかりである。今後さらに研究や検討をしながら所期の目的であるPPC看護方式のメリットが生かされるような、患者さんによりきめ細かな看護を実施してまいれるよう、さらに工夫してまいりたいと、このように考えておる。

〇斉藤委員 看護婦さんの実態について私が直接聞いてきたことを少し紹介をして、私は本当に2人夜勤と研修の問題を改善してほしいと思うんだけれども、例えば北上病院では、朝8時から、早くて夜8時まで、遅いときは夜10時まで、これは12時間労働である。それで、子供が病気になっても年休とれない。迎えにも行けない。であるからここは完全にもうお父さんが子供の面倒を見ているようになっているそうである。そうしないともたない。リポビタンDの愛好者がふえている。
 東和病院では、ここは規模が小さい病院なんだけれども、70人を2人夜勤で深夜見ている。38人が寝たきりで、このおむつ交換に2人1組で2時間半かかるんだそうである。だから、2人1組でおむつ交換に入ってしまうとナースセンターは2時間半、空である。ナースコールが鳴ればおむつ交換の途中でも出かけなくてはならぬ。患者さんがそういう実態を知っているから我慢しているというんだ。本当に介助の必要な患者さんが我慢しているというような深刻な状況が私言われた。
 同時に、研修の問題では高田病院でこういう声が出された。夜勤明けでも出てこなければならない。深夜明けのときに10時半に家に帰って、1時に電話で起こされて研修に出ているんである。前は働きがいがあったが今は早くやめたい。中途退職者が多くなった。こういう声が寄せられた。北上病院でもこの委員会、研修は夜勤明けでも深夜でも参加させられる。だから、大体同じような状況である。であるから、私はこの2人夜勤の問題は、二・八体制ということで今までやってきたけれども、今、看護婦さんの要求は三・六である。夜勤3人体制、そして月6日。こうしないと、定年まで働けないという深刻な状況である。私はそういう点で、本当に2人夜勤の対象のために定数増をやったと思うから、また、看護婦さんはそう受けとめているから、やっぱり定数増が2人夜勤の解消に結びつくようにひとつやっていただきたい。
 私、2人夜勤の解消がどうなったかと聞いて、私がこの間取り上げたときの医療局答弁を引いてみたら、去年の9月の決算のときには45病棟だった。そして、ことし3月の予算委員会で聞いたときは47病棟だと。今聞いたら49病棟になっている、2人夜勤が。おかしいと思う。看護婦さんをふやしながら、2人夜勤の病棟は逆にふえている。成果が出ていない。私は本当に、看護婦さんの定数増を、看護婦さんが一番求めている2人夜勤の解消にどう結びつけるかということでぜひやっていただきたいし、研修の実態は、課長言うようなきれいごとじゃない。やっぱり夜勤明けでも何でも呼ばれて、時間外にやられて、超勤も申請できないというのが多くの状況だから、改善すべきは改善する立場で実態をよく見てやっていただきたい。
 こういう声がある。これは医療局の労働組合のアンケートで、こう言っている。最近は委員会と看護研究があるので、今の仕事をやめたいと思っている。そのくらい苦痛であると。他に医療局の研修や出張の後の復命書の記載事項についても疑問である。とても苦痛である。いわば研修に行くと、後々まで追及されると、さっき私紹介したけれども。私は復命書は復命書にして、感想文が一緒だったらとったらいいと思う。しかし、3カ月後も追及する、6カ月後も追及する、そういう復命書を書かせていたら--であるから、看護婦さんはこう言っている。研修には自費で行きたいと。出張命令でなくて自費で行きたいと、こういう声まで出ているわけであるから、本当に簡素にするところはして、業務だけで今の看護婦さんは目いっぱい働いている。先ほど言った12時間労働のような状況で働いている。そのほかに委員会、研修があり、研修に行けば復命書を書かせられると。ここのリアルな実態をぜひ局長、そして職員課長よく見て、実態を本当に改善するような指導をしていただきたい。改めて答弁を求める。
 答弁を求めつつ、次の質問に入る。
 医師確保対策について。

〇菊池副委員長 斉藤信委員にお願いしたいけれども、先ほどあと少ししかないというんだけれども、余りにも戒名が長過ぎてずっと悪い話ばかりなので、質問の要点をピタッととめてくれれば、それは解決する答弁が出ると思うんだけれども、すべて答えが出ているから答弁はうまく出てこないと私は思う。であるから、余り悪い例題を取り上げないで、ズバリと質問してもらいたい。お願いする。

〇斉藤委員(続) あと、最後まとめて全部聞くから。
 医師確保対策について。
 医療法上の必要数に対して医師の配置、充足状況はどうなっているであろうか。50%台、60%台、70%台の病院はどこどこであろうか。
 二つ目、標榜診療科については基本的に常勤の医師の配置を目指すべきだと思うが、現状はどうなっているであろうか。
 三つ目、久慈、大船渡の救命救急センターの医師、関係職員の配置の見通しはどうであろうか。
 救命救急センターの問題については、最近中間報告が出た。岩手県救命救急センター推進懇談会中間取りまとめ。ここでは、救急認定医の複数配置というのが提起をされておる。県立病院内で救急認定医はどのぐらいいて、今回複数配置が可能なのであろうか。
 同時に、この中間報告によると、ヘリポートも必要だと書いてある。ヘリの患者輸送である。私、当然だと思う。久慈、大船渡はこのヘリポートの体制はどうなっているか。同時に、センター病院である中央病院、私はここにもヘリポートが必要だと思う。たしかアルペンのときには杜陵高校の校庭をヘリポートにして使ったあれがあるけれども、この中央病院も含めてヘリポートの体制はどうなっているか。
 四つ目、医師確保プロジェクト会議がことし6月設置されているが、現段階で医師確保の検討、努力の内容はどうなっているであろうか。
 次に、結核病棟への一般患者の入院状況と改善問題について。
 中央病院では、結核病棟に11名の一般患者が、そして江刺病院でも7名の一般患者が入院している。結核患者も一緒に。私は、感染対策などに大変心配の声が上がっているが、実態をどう見てどう改善をしようとしているのであろうか。
 最後である。
 メディカルサポート出資法人の問題について。
 医療局の委託業者、委託内容、契約金額はそれぞれどうなっているであろうか。メディカルサポートにだけ出資し育成する理由は何であろうか。メディカルサポートは、いつ、どのような経過と検討でつくられたのであろうか。役員構成は企業を含め妥当と考えているのであろうか。なぜ、今のような役員、企業の構成となったのであろうか。
 食糧費の全庁調査について。
 医療局として、いつまでさかのぼってどのような調査を行っているのであろうか。調査マニュアルはあるのであろうか。現状でカラ懇談会など不正、不適正と思われるものはあるのであろうか。

〇渡辺医療局長 多くの質問があったが、私からは医師の配置と充足状況等についてお答え申し上げ、その他については監あるいは関係の課長、室長からお答え申し上げる。
 まず、医療法上の必要数に対する医師の配置とその充足状況についてであるが、平成8年度末現在で医療法上の医師必要数は713人である。そして、現在配置している常勤の医師は524人で、これに非常勤医師を加えてもなお104人不足しているという状況にある。
 次に、医師の充足率が50%、60%、70%、そういう病院は、その第2の病院はどこかと、そういうクラスの病院はどこかというお尋ねであるが、50%台の病院は紫波病院ほか5病院であるし、60%台の病院は釜石病院ほか4病院である。それから70%台の病院は、大船渡病院ほか5病院ということになっておる。
 なお、全体的な医師の充足率を申すと、85・4%ということになっておる。

〇高橋参事兼医師対策監 私の方からは、標榜診療科の常勤医師の配置が望ましいのではないかということと、それから久慈、大船渡の救命救急センター関連、それから医師確保のプロジェクト関係の3点についてお答え申し上げる。
 初めに、医師配置のことについては、お話があったように常勤医師の配置が望ましいわけであるが、今現在は86%程度だということはお話のとおりだったわけである。
 それから、はしょって恐縮であるが、久慈、大船渡の救命救急センターの医師確保の見通しであるが、先ほど委員の方から話があったように、県主催の救命救急センター推進懇談会の報告では、1センター当たりの医師は7人配置するということで久慈病院は岩手医大から、それから大船渡については岩手医大を中心として確保すると提案されておるので、今後この線に沿って精力的に要請してまいりたいと思う。
 それから、医師以外の職員についても私の方から申し上げるけれども、久慈病院については、平成9年度当初で看護婦等18名を配置したところである。看護婦の残りとその他の部分については、9年度の試験の合格者の中からできるだけ早く採用したいと考えておる。それから大船渡病院については、平成10年度の早い時期に配置できるように準備を進めてまいりたいと考えておる。
 それから、中間取りまとめの中での先ほど委員が申し上げた認定医の関係であるが、県立病院全体として認定医がどのくらいいるかというのは掌握はしていないけれども、答申の中では2名以上と。2名というのは、本来は認定医指定施設というところまでランクというか上げれるところであるけれども、今現在は久慈病院に1人認定医がいるだけで、大船渡には全然いないと。それで、これは将来に向かって申請の時期もあるのでこれから取り組みになると思うけれども、両病院とも認定医はふやしていきたいという意向があるようであるので、できるだけ早い機会にそういう方向でまず名乗りを上げて、その中からどういう方が適切かというような手順を踏んでやっていくと、そのように各病院からは伺っておるので、そういう方向でいこうかと思っておる。
 それからプロジェクトの関係であるが、御案内のとおり、ことしの6月にプロジェクト会議をつくって全病院挙げて組織的にあるいは継続的にやろうということで取り組んできたわけであるが、目的は医師の全体数の確保対策とかあるいは中長期的な医師確保対策、それから県立病院間、市町村診療所への診療応援の対策等についてということで検討することにしておったが、今まで定例会議は2回、それから臨時会議は1回開いており、現在はまさに著についたばかりで基礎的な調査が中心である。ただ、臨時会議では、7月に開催して例の高田病院の小児科医の確保の段階で、どういう診療応援をその間各病院で応援をするかとか、あるいは希望者に対しての採用方法をどうするかということを検討した経過はある。
 今後の進め方については、まず、先ほど申し上げたが、一番、今診療応援ということが期待されてきておるので、中核病院を中心として、まず医者の複数化を図るということが大きな課題である。それから、今まで取り入れておらないけれども、果たして県立病院の場合に公募方式で医者を採用した方がいいのかどうかという問題。この間、高田病院の小児科で初めてやってみたけれども、そういう問題についても掘り下げてみたいと。それから、小規模病院の医師の処遇改善の問題、それから診療応援のあり方、それから大きなホワッとしたものであるけれども医師の定着化対策と、そんなことを今後の検討課題としているということである。

〇大川業務課長 私から結核棟、委託の関係、2点について答弁させていただく。
 委員お話のとおり、中央病院に11名それから江刺に7名の一般患者が結核病棟に入院しておるが、これを調べてみると、一つには、一般病床が満床のため感染の危険のない、かつて結核を患ったことのある患者さんの一時的な入院、それから結核か肺がんかの精密検査を要する期間の入院、それから結核以外の感染症の患者さんで個室管理を必要とする方々など、早急に入院を必要とする患者さんのため結核病棟を利用したものである。これら患者さんに対しては、結核の専門医による科学的な判断、あるいはまた感染に対して十分な管理が行われておるので感染の危険はないものと考えておるが、今後においても、同様のケースがあった場合には感染の防止に万全を期すとともに、できるだけ一般の患者さんは病棟間あるいはまた病室の調整を図るなどして、一般病棟に入院させるよう改善に努めてまいりたいと、このように考えておるところである。
 それから委託であるが、平成8年度における業務委託は、電算による給与計算など事務管理委託あるいはまた清掃業務など施設管理委託など、合計49種類の業務を委託しているところである。給与計算の中の継続的、定型的な事務管理業務であるとか、単発的な業務を除いた主な委託業務について申し上げると、まず、清掃業務である。これは協栄テックスほか8業者で、契約額が5億9、800万円、それから医事業務があるけれどもこれはメディカルサポート、ニチイ学館、それから盛岡医療事務センターの3業者であるが3億7、500万円余、それから警備を含む宿日直業務、これは北上ビルメンほか11業者であるが1億2、900万円余となっており、委託料の総額は32億4、500万円となっておるところである。

〇長澤管理課長 まず、メディカルサポートについてお答えする。
 メディカルサポートが、いつ、どのような経過と検討でつくられたかということであるが、昭和61年の4月に、県内の医療関係者においてそれぞれの専門分野でのノウハウと頭脳を有している企業が参画し、幅広く病院業務を支援する目的で会社を設立し、またその際、医療局に出資要請があったものと聞いておる。また、医療局においてはそれを受けて、医療を取り巻く環境が高齢化の進展あるいは医療経済情勢の変化、あるいは医療ニーズの拡大、多様化などにより、大きな変革にある中で県営医療としてこうした変化を踏まえ、事業運営に機動性と流動性を確保しながら、良質で効率的な医療サービスを提供していくために必要なこととしてメディカルサポート設立の趣旨に賛同し、株式を取得し継続しているものと。実際に、現在4病院において中央監視管理や医事業務等、6業務を委託しているところである。
 それから、メディカルサポートの出資、役員構成であるけれども、出資は民間企業4社、個人4名、それと岩手県医療局である。役員構成は、その会長、社長のほか取締役が5人、監査役が1人の計7名の体制となっておるが、その役員については、それぞれの出資の方々が会社を運営するために必要な人材で構成したものと理解しておる。
 それから食糧費であるけれども、平成8年度については決算額で216万8、000円ほどである。この多くは医療局あるいは病院の諸会議あるいは来客者用の茶菓、そして県内の医療関係団体との懇談のものが多くであり、その執行に当たっては適正に執行されているものと考えておる。また、平成7年度以前については、現在できるだけさかのぼって調査するということで鋭意調査中であるけれども、いずれ古いものについては関係書類の整備とかあるいは実施内容を1件1件確認しておるので、いずれ、現在のところまだ鋭意調査を進めているというところにとどめておく。

〇伊藤参事兼職員課長 2人夜勤体制については、先ほど申し上げたとおり、平成6年度で比較して4病棟の体制強化にしておるので、今後とも体制強化には努力してまいりたいと考えておる。

〇吉沢参事兼経営指導室長 ヘリポートの関係であるけれども、救命救急センターにヘリポートが必要であると、それから、岩手県防災ヘリコプター等の救急搬送あるいは医療上の活用の検討が必要であると、こういう段階になっておる。

〇斉藤委員 医師確保について、私、心配して聞いたのは、本会議の答弁で、地域中核病院に医師を配置してそこから派遣する体制をつくりたいと。それはそれで、中核病院自身がまだ足りないという状況があるからそれは一つの合理性があるのだけれども、一方で私が心配しているのは、地域病院の標榜診療科に常勤医師が配置されないことである。私がずっと病院に行って先生方の意見を聞くと、やっぱり常勤医師が配置されないところは患者が定着しない。中核から来ても、例えば来る曜日ごとに医者が違うとかという形で、本当の効果を発揮していない。であるから私が先ほど聞いたのは、標榜診療科について常勤で配置されていない診療科はどのぐらいあるのかと聞いたけれども、全体の医師確保とあわせて、私はその点では標榜診療科については常勤医師を地域病院も含めて配置すると、そういうことで頑張っていただきたい。そのことを改めてお聞きをする。
 それと結核病棟はひとつ、病棟の看護婦さんが心配しているから、こういう形でいいんだろうかと。であるから、お医者さんは科学的、専門的な診断でやっているかもしれないけれども、看護婦さん自身が心配するような状況をぜひ改善を図っていただきたいと思う。
 ヘリポートの問題で、建築中だから恐らく設計、今の建築の中にこのヘリポートというのが入っていないのかということを私--せっかくこれから開業するわけであるから、そして一定の敷地も確保しているから、そういうことが可能なのかどうか、今の敷地の範囲でそういうヘリポートが可能なのか。北海道なんか聞くと、病院の屋上がヘリポートになっているというつくりにしているそうである。あそこは飛行機が日常の交通機関になっていることもあるであろうけれども。
 それで、私が住田病院に行ったときに、住田の急患を防災ヘリで中央病院まで運んだという話を私聞いた。中央病院も太田のグラウンドがヘリポートである。であるから、そこまでは早く来るが、そこから中央病院に--時間帯では混雑に、ラッシュにぶつかりかねないこともあるので、中央病院の場合にはあの近辺にヘリポートが確保できないのかということもあわせてちょっとお聞きするので、その見通し、あるかないかお示しいただきたい。
 メディカルサポート、私、委託業者を聞いた。32億円の委託のうち、メディカルサポートが委託されているのは6億1、000万円である。そしてたくさん委託業者がある中で、なぜメディカルだけ県は出資しているのかと。今でも出資して支援しているのかと。私は出資する根拠が、もう、なくなっているのではないかと。なぜ、たくさんある委託業者の中でメディカルだけが特別扱いなのか。
 それで私言うけれども、メディカルサポートがどういう形でつくられたか、私は当時の新聞を見てみた。医療関係者には極秘裏でつくられた。できてから新聞ざたになった、あのメディカルサポートというのは。であるから、本当に極秘裏に。県内の医療機器メーカー、販売店のトップと薬会社のトップと中央の設計会社、そして医療機器のメーカー、こういう形で秘密裏につくられた。そこに県が出資している。そのときの医療局長が実は今社長である、メディカルの。自分で天下り機関をつくったんじゃないか、こう言われても仕方のないような状況になっている。私は、現段階でなぜ岩手県が引き続き出資し、役員も配置しなければならないのか。その他の委託業者とメディカルはどういう特別扱いなのか。そこをわかるように答弁していただきたい。
 食糧費の問題については、調査マニュアルがあるのかどうか、これ全庁調査だから、全庁的に同じ調査方法でやられているのかどうかを聞きたい、そしていつまでさかのぼるかというのはまだわからないのかどうか。そのことだけで終わる。

〇高橋参事兼医師対策監 先ほど答弁漏れがあって大変失礼した。常勤医師の関係で、現在の標榜診療科についての常勤医師の関係の話でつけ加えさせていただく。
 今、県立病院では内科、外科を初めとして全部で253の診療科があるが、その中で33の診療科が常勤の医者がいないと。そのところは非常勤の医師でカバーするとかあるいは休診になっているところも3診療科ほどあるけれども、いずれ趣旨を体してできるだけそういう方向にはと思っておるが、3カ月とか6カ月だけで1人だけ医者を置くというのは今はなくなった。なくなったが、常勤までまだ持っていけないためにそういう状態になっていることを御理解いただきたいと思う。

〇石川参事兼経営指導室長 ヘリコプターの件であるけれども、久慈病院それから中央病院、これはいずれも医療局専用ということはできないので、県の防災ヘリコプターの活用をどうできるかというようなことで考えておる。

〇長澤管理課長 まず、メディカルサポートの件であるけれども、昭和61年の4月この当時であるが、いずれ県内の医療関係業界の中においては、先ほど委託状況のことをお話ししたけれども、そういうトータル的な委託をやる業者がいなかったということで、メディカルサポートの設立があったと聞いておる。
 (斉藤委員「今も必要なのかということについて答弁していない。」と呼ぶ)
 失礼した。現在の必要性であるけれども、実際に中央病院ほか4病院が業務委託しておる。また、このメディカルサポートの業務内容については、こういうような人材派遣、いわゆる委託業務以外の医療研修システム、これは業務マニュアルの開発というような業務をうたっておる。このような分野がまだこの会社においては未達成な部分があるというようなこともある。
 それから、食糧費の調査であるけれども、これは県の行政管理委員会、この中の一つに医療局も入っておる。であるから、全庁的な調査の中の一環としてやっておる。ただ、7年度以前についてはいずれできるだけさかのぼって、実際は証拠書類5年間ということになるけれども、それに裏づける関係書類が実際に見つからない場合等もあるが、いずれできるだけさかのぼってやるということになっておる。
 (斉藤委員「調査マニュアルというのはあるのか。」と呼ぶ)
 調査マニュアルはない。

〇斉藤委員 メディカルサポートについて今でも何か必要だという論拠だけれども、私、局長に最後、そういう答弁だから私リアルに言うけれども、このメディカルサポートというのは県内医療機器業者、大手の共立医科器械、医薬品業者小田島、東京の病院設計業者、そして東京の医療機器メーカーサクラ精機、この企業体でつくった。県内の業者だけではない。私はそれで、当初は県立病院の一切の委託を請け負うという壮大な発想でこれはつくられた。しかし、実態は私聞いたように、そうなっていない。たくさん委託業者があるわけだから、いまだに結成時の秘密裏につくられた尾を引いて出資し、これが医療局と癒着しているのではないかという疑惑もその限りで出てくるわけであるから、ぜひ私は実態をよく調査して引き続き出資し、第三セクターでいいのかどうかということをひとつ検討していただきたいと思うけれども、どうであろうか。

〇渡辺医療局長 メディカルサポート出資時点でのお話は先ほどお話ししたとおりであるが、御案内のとおり、医療をめぐる情勢はいろんな面で、医療技術の進歩とかそういった点が非常に動いておる。一方、それに対応して、我々の業務の処理の仕方というものも当然変わってくるわけである。したがって、それから民間の方の業務の処理の業者の対応も当然いろいろと変わってきている。そういう動いている中で、私ども常にどうすれば一番県立病院本来の設立の趣旨である良質で満足度の高い医療を提供できるかという観点に立ちながら、経営基盤の安定という点に配慮しながら、そうしながらどういうやり方をやっていったらいいかということを常々見直さなければならないと感じておる。そういう意味で、同社への出資のあり方、あるいは業務のやり方、そういう点も含めて医療業務全体を見直す中で、これ常々やらなければだめなわけであるが、そういう中で検討しなければならないと考えておる。

〇菊池副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 なければ、医療局関係の質疑を終わる。
 次回は9月30日、午前10時から開会するのでよろしく御協力をお願いする。
 本日はこれをもって散会をする。
   午後3時34分 散 会


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