平成9年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第9号並びに第10号から第17号に反対の討論を行います。
 議案第1号1997年度岩手県一般会計補正予算は、総額93億2、671万円余になるものであります。この中には、橋本自民党内閣による医療制度の改悪に伴う県単独医療費助成制度の医療費値上げ分を助成する1億2、945万円余の補正、難病患者の医療費値上げ分を助成しようとする5、095万円余の補正など、県民の要求にこたえるものがあることを正しく評価するものであります。しかしながら、補正予算の全体的内容は、農林水産業費31億2、197万円余、土木費15億3、465万円余と補正額が示すように、従来型の公共事業が大半を占めるものであります。今、国政地方政治の共通の最大の問題はゼネコン型公共事業に50兆円、社会保障関係に20兆円投資されていることに示されるように、世界に例のないゼネコン型公共事業が約500兆円と言われる国、地方自治体の借金財政危機の原因であり、社会保障切り捨ての根源となっていることであります。国民の税金を社会保障の2倍半も公共事業に使っている国は、逆立ちしたこのような国は世界に全く例がありません。今必要なことは、国、地方とも、従来型のゼネコン型公共事業のあり方を根本から見直し、県民の生命と健康、安全を守るという地方自治体本来の仕事を取り戻すことであります。今回の県議会で増田知事は、乳幼児医療費助成制度の対象年齢の引き上げについて、他県、市町村の実施状況を踏まえ前向きに検討することを表明しました。本県議会でも請願が採択される見通しですから、これはぜひ来年度予算に具体化されるように強く求めるものであります。
 補正予算では、第1に、中止が決められた明戸ダム建設事業費2、000万円の削減が計上されています。日野沢ダム、北本内ダムの中止、凍結に続き、その他の県営ダムについても、原点に立ち返ってむだと浪費をなくすよう総点検すべきであります。
 第2に、港湾整備事業について、議案第10号とも関連しますが、大船渡港湾整備事業を含め、むだと浪費をなくす立場から総点検が求められている課題であります。貨物取扱量の実績は、計画と比べ久慈港で12・2%、宮古港で29・8%、釜石港で27・7%、大船渡港で74・2%となっており、公営企業債の今年度末見込みは214億円に達しています。
 第3に、今回の補正予算では、全国新幹線鉄道整備法並びに同法施行令に基づいて151億円余の建設事業費負担金が計上され、議案第10号では、二戸市に1億6、410万円、岩手町に2、813万円余の一部負担を求めることが提起をされています。総事業費に占める県、市、町の負担総額は、県で1、075億6、800万円、二戸市で9億4、185万円、岩手町で7億3、396万円と予想されています。財源の見通しがあいまいなまま地方に負担を押しつけるやり方は、自民党政治の悪政そのものと言わなければなりません。
 第4に、今回の補正によって県債が11億7、100万円計上され、97年度末では1、412億円、累積残高で9、127億5、176万円となります。これは、今年度予算額8、861億円を大幅に上回る借金財政であり、県民1人当たり65万円、4人家族なら260万円に及ぶ借金財政であります。こうした従来型の借金財政は、ゼネコン型公共事業と県単独事業の推進によってもたらされたものであり、見直しと改善をすべきものであります。
 第5に、食糧費については169万2、000円の減額補正となっていますが、食糧費問題で問われていることは、県民が納得し得るカラ懇談会、カラ食事券疑惑などの全容を解明することであります。増田知事はみずから、第三者機関による調査委員会を設置しましたが、食糧費調査委員会の内容は、私が議会で取り上げたように、県の行政管理委員会による調査について、助言、提言を行うというものであります。山梨県では、第三者機関の調査で詳細な調査マニュアルとフローの作成、民間委員による実地検証の実施などによって44億円余の不適正支出を明らかにしましたが、岩手県の食糧費調査委員会についても、このような徹底した調査が行われるよう強く求めるものであります。同時に、山梨県などのように、食糧費だけでなく、旅費、タクシー代、雇用、会議など、疑惑が持たれているすべてについて調査するよう求めるものであります。
 議案第10号から第17号については、建設事業に要する経費の一部を関係市町村に負担させるものであり、反対するものであります。
 以上で反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(那須川健一君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号及び議案第9号から議案第17号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第1号及び議案第9号から議案第17号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第8号まで、議案第18号から議案第23号まで、議案第25号から議案第28号まで及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第8号まで、議案第18号から議案第23号まで、議案第25号から議案第28号まで及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第29 議案第24号一般県道相川平泉線高館橋工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて

〇議長(那須川健一君) 日程第29に先立ち、地方自治法第117条の規定により、副議長と交代をさせていただきます。
   〔議長退場、副議長着席〕

〇副議長(吉田秀君) 次に、日程第29、議案第24号一般県道相川平泉線高館橋工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてを議題といたします。
 本件に関し、委員長の報告を求めます。長谷川土木委員長。
   〔土木委員長長谷川忠久君登壇〕


前へ 次へ