平成9年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇6番(小野寺好君) 新進・公明の小野寺好でございます。
 さきに通告しておりました事項について、知事、関係部長、教育長に順に質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、県民の健康保持について、5点ほどお伺いいたします。
 最初に、史上最強の猛毒と言われる化学物質、ダイオキシン類の対策についてお伺いいたします。
 ダイオキシンという言葉を毎日見たり聞いたりして、なれてしまって鈍感になっているということであれば、大変問題であります。専門家が連日のようにダイオキシン類の危険性をるる訴えているのでありますが、まだまだよそごとのようにしか認識されていなく、依然として野原や庭先でもビニールやプラスチック類を燃やし、ダイオキシンを発生させている様子が絶えません。ごみ処理場の大型焼却炉だけの問題ではないのですが、これが現状であります。主要先進国の焼却炉のおよそ71%が日本に集中していると言われていますが、資料によりますと、日本のごみ焼却施設は1、854カ所で、発生したごみの74%が焼却され、直接埋立率はわずか15%にすぎません。つまり日本人にとって、ごみを燃やすということは常識なのでありますが、先進国の常識は逆であります。ことし5月、私は岩手県自治体訪豪団の一員として、豪州のごみ処理場の視察と処理システムを勉強してまいりましたが、確かに焼却は例外で埋設や堆肥化、リサイクルという仕組みであり、大変な驚きを覚え、日本は現在のような焼却に頼る方法でいいのか、疑問を感じたところであります。
 環境庁は、焼却施設からのダイオキシン排出量は年間約5キログラムと推定していますが、ダイオキシンは80グラムで100万人を殺傷できるとされているので、日本では毎年国民の半分を殺傷してしまうダイオキシンを排出しているという見方もできないわけではありません。米軍がベトナムで使ったダイオキシンは、発がん性、催奇形性、生殖毒性を持つ猛毒であることはよく知られておりますが、それが公的な焼却炉や一般家庭の庭先といった身近なところで生成、排出されているのであります。ことし5月、厚生省はいわゆる地域内処理の原則を転換し、広域化計画策定を年度内にせよと都道府県に通知いたしました。しかし、1日100トン以上のごみを24時間連続で燃焼させ、しかもダイオキシンの排出を抑える設備をとなると、建設地や費用負担で大変な問題が起きてまいります。現在、県内26カ所のごみ焼却施設では、毎日約1、800トンが焼却処理されておりますが、それらの建設年度、規模、設備内容などはさまざまであり、改築には大きな難題が予想されます。岩手県の場合、今後どのように計画策定していくのでしょうか、お伺いいたします。
 また、大気汚染防止法と廃棄物処理法の政令が先月改正され、ダイオキシン対策は12月1日から実施されることになりましたが、具体的にどう変化するのか、お伺いいたします。
 次に、焼却することによってダイオキシン類を発生させる廃プラスチック類の処理についてお伺いいたします。
 本日も久保田議員からも御案内がありましたが、文部省は2カ月ほど前に、原則として学校の小型焼却炉の使用を中止するよう求める通知を道府県教育委員会に出しました。以後、県内でも学校でのごみ焼却をやめる動きが出ております。要はダイオキシン類発生の原因となっている塩化ビニールやプラスチック類の焼却を回避すればいいのでありますから、全面休止というのは極端にすぎると思います。市町村における一般廃棄物の処理も同様であり、住民の協力を得て廃プラスチック類を分別回収するよう指導すべきかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 便利な資材としてのプラスチック類がごみとなった場合、かさばる、腐らない、燃やすと高温になる、しかも有毒ガスが発生する等、非常に厄介なものになります。このため、国内のごみ処理において先進的自治体と言われるところでは、一般廃棄物系の廃プラ対策として、中小企業事業団や企業、研究所等の協力を得て、プラスチックを油化還元したり、加熱などによる減容固化処理をするなどして、焼却以外の方法をとったりしてきているようでありますが、県内の場合はいかがでしょうか。今後とも焼却が唯一最善の方法とお考えなのかどうか、お伺いいたします。
 栃木県のペットボトル処理工場、島根県や埼玉県にある油化プラントはかなり前から知られておりますし、新潟県にも昨年油化プラントが完成したと伺っております。最近の報道によりますと、東北電力株式会社でもプラスチックの油化実験に着手するとのことでありますし、あるいは廃プラスチックで建築資材をつくろうという隣県の会社もあるようであります。私は、5年前に埼玉県桶川市にある油化プラントを視察し、建設費とか分別の苦労をお聞きいたしましたが、自治体のふえ続けるごみを何とかしよう、廃プラスチック類を有効利用しようとの熱意を何よりも強く感じてまいりました。廃プラスチック類の資源化については猶予期間が設けられておりますが、本県のこれまでの取り組みと平成12年4月までの間の対応についてお伺いいたします。
 また、プラスチック類を小型焼却炉や野焼きによる方法で処理することの危険性の周知徹底をどのように進めるのかについても、あわせてお伺いいたします。
 次に、脳ドック検診についてお伺いいたします。
 予防医学の観点から、各種検診が個別にあるいは集団的に行われており、成果も上がっていると伺っております。最近では、脳疾患で寝たきりにならないようにと、脳ドック検診に期待が寄せられております。いわゆる人間ドックの場合は、かなり一般化し知られておりますが、脳ドックについては新しい検診であり、費用もかなりかかるらしいという程度で、余りよく知られていませんので、確かな内容と見通しをお聞きしたいと思います。
 県内の在宅の寝たきり老人は4、000人以上に達しているとのことですが、そのうち脳疾患が原因となっている割合はどの程度になっているのか、その脳疾患による寝たきり老人等は脳ドックで予見できるものかどうか、お伺いいたします。
 この際、脳ドック検診を行っている県内の医療機関やその費用、成果など把握しておりましたら、お知らせいただければと思います。
 次に、肝炎対策について、検査や治療、治療費補助等についてお伺いいたします。
 お酒を飲み過ぎると肝臓を悪くすることは常識ですが、肝硬変、肝臓がんの原因のほとんどは肝炎ウイルスによるもので、アルコール性肝炎は12%程度にすぎないというデータがあります。このウイルスの遺伝子が発見されたのは平成元年と比較的新しく、それまで余り注意を払われないできたように思います。感染原因の半数は輸血と血液製剤の使用で、あとの半数は不明とされておりますが、実際は20年以上前までの消毒が不十分な器具による注射や手術といった医療行為が原因と考えられます。ウイルス性肝炎にはAからGまでの7タイプがあるそうですが、日本の推定感染者数は、B型が250万人から300万人、C型も合わせると約400万人であろうと言われております。終戦前後から昭和40年代までに輸血その他で感染したケースが多く、早くて20年、遅くて30年という歳月を経て、慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進み、放置すれば必ずこのように進行する病気であるとされています。そんなにお酒を飲む人ではなかったのに肝硬変あるいは肝臓がんで亡くなった。そういう方を見たり聞いたりいたします。本県では、慢性肝疾患が原因で死亡する方が毎年150人前後、このうちウイルス性肝炎で亡くなる方は約30人と聞きますが、現在の県内のB型、C型肝炎の感染者数はどのくらいでしょうか、実態と対策をお伺いいたします。
 次に、臍帯血移植についての県の取り組みをお伺いいたします。
 出産後、胎児の命をはぐくんだ胎盤と臍帯、通称へその緒と言われているものは捨てられていますが、これらの中にある血液、臍帯血には骨髄と比べて数も多く、またパワーも5倍から10倍という良質な造血幹細胞が含まれているそうであります。白血病や再生不良性貧血の治療には骨髄移植が有効であるとされていますが、無為に捨てられていた臍帯血がこの治療に大いに役立つのであります。近年、神奈川臍帯血バンク、近畿臍帯血バンク、そして東京臍帯血バンクなど幾つかの地域バンクが発足し、一部の大学病院、医療機関が臍帯血を採取、保存し、ボランティア団体の協力によって運営されています。平成3年、国支援の公的骨髄バンクが結成になり、医療保険が適用になる骨髄移植治療がなされています。しかし、最適な骨髄提供者にめぐり会う確率はまだ低く、公的骨髄バンクの一層の充実が期待されています。
 こうした中、臍帯血には良質な造血幹細胞が含まれていることから、臍帯血移植治療が大きな注目を浴びるようになったようであります。臍帯血移植治療は2年ほど前から主に家族内の間だけで行われていたらしいのですが、他の成人への移植も可能と見られています。しかし、医療保険が適用されないため数百万円の患者負担が生じます。先月、厚生省は臍帯血移植治療に対し、保険適用に前向きの方針であることを発表したと報道されました。今後、医療保険適用のほか公的臍帯血バンクの設置及び臍帯血の採取、検査、保存、輸送のためのシステムづくりと血液事業法の制定などが必要であると言われております。今、政府及び国会に対し公的臍帯血バンクの設置その他を国に求める署名活動が展開されており、先月公明岩手県本部でも2、000人ほど御協力申し上げたところであります。骨髄移植のための公的骨髄バンクが認められている以上、これを補完する公的臍帯血バンクも非常に重要かと思いますが、本県での胎盤、臍帯血の扱いはどのような状況になっているのか、及び臍帯血活用のための動きを支援していくお考えがあるかどうか等について、今後の県の方針をお伺いいたします。
 次に、健康増進のためのサイクリングロードについてお伺いいたします。
 県内には、大規模自転車道路として既に整備された2路線のサイクリングロードがあり、さらに、事業中のところも1路線あるとお聞きしております。整備された路線の中で、平成3年に供用開始された盛岡市繋から矢巾町徳田までの29・8キロメートルの一般県道盛岡矢巾自転車道線があります。資料によりますと、9年間で約48億円投資したようであります。私は、過日、カメラを持ってこのサイクリングロードの始点から終点まで回りましたが、一般道の車の通行量とはまるで違い、サイクリングしている人はほとんど見かけませんでした。ただ、所によっては、朝夕、生活用道路として通勤通学の用に供されているようであります。多額の費用を投じた健康増進のためのサイクリングロードですから、本来の目的にかなった利用状況の把握、日常の生活用道路としての通行量調査等に基づき、適正に維持管理をし、利用の積極性を期待したいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 また、生活用道路としても役立っているのであれば、街路灯も必要であるとの地域住民の声があることから、日没後に現地調査の上これにこたえるべきであると考えますが、いかがでしょうか。仮に夜間照明がないことに起因した事故等が発生した場合、責任の所在はどうなるのか、お伺いいたします。
 次に、市町村合併についてお尋ねいたします。
 広域合併について、当議会では多数の議員によって、それぞれの観点から論じられてきております。県当局は一貫して、住民の間で論議が深められ、合併の機運が高まっていくことが肝要であり、県としてはその自主的な意向に対しては、積極的に対応してまいりたいと答弁してきております。また、政府は、地方分権を推進するには市町村合併によって行財政基盤を強化しなければならないとの考えを再三訴えているようですが、全国的にはなかなか進まず、ここ10年で18県、12団体となっています。その中には、平成3年4月新設合併で発足した本県の新北上市と、平成4年4月編入合併で誕生した新盛岡市も含まれていて、合併効果がよく発揮されている先進事例と言えると思います。
 さらに、盛岡広域圏について見ますと、日常生活では滝沢村、矢巾町は既に盛岡市と一体化しており、次なる合併が必然となっており、そのような民間の意識調査の結果も発表されております。毎年の相互の住民異動もかなりの数で、よその自治体に引っ越したというのではなく、地域内で少し異動したという感覚であります。ちなみに、昨年は盛岡から滝沢に1、745人、矢巾に907人、逆に滝沢から盛岡に800人、矢巾から盛岡に349人といったぐあいで、他と比べて特殊な関係にあることが数字の上から明らかであります。その他合併についての一般論として、スケールメリット、少子・高齢社会に対応するための行財政力の充実、地方分権による権限委譲の受け皿としての体制強化といったことも理解されてはいますが、あとはだれが汗を流して行動するかであります。盛岡市長はたびたび、盛岡広域圏構成町村それぞれの機能分担を助長しながら、新しい中核都市の形成を目指した関係町村との連携強化に努めてまいりたいと述べていますが、滝沢村や矢巾町への転出に歯どめがかからない盛岡市にとって、中核市を目指した場合、合併しか道はないと思われます。
   〔副議長退席、議長着席〕
 時事通信社の調査によりますと、19の県においては合併の研究や住民の意識調査などに着手しているとか、あるいは茨城県など9県では合併に関する調査研究や催しなどに取り組む市町村や民間団体への財政的な助成制度を創設しているとかの動きがあると報じられております。
 去る6月県議会で、県はパンフレットを作成することと、合併に向けた機運の醸成のための助成には、地方振興局の判断で地域活性化事業調整費を活用できると答弁しています。このたびそのパンフレットが作成され拝見いたしましたが、理解しやすい内容と表現で、県の積極的な姿勢がうかがえます。本県では、その後どのような動きがあったか、お伺いいたします。
 また、今後、それぞれの市町村において合併の機運が醸成されるために、どのような方針で臨まれるのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 次に、サテライト型デイサービス事業の普及についてお伺いいたします。
 日本人の平均寿命がまだ延び続けている旨、先ごろ発表されました。元気で長生きできることは大変ありがたいことでありますが、思うように動き回ることの困難な高齢者がふえているというのも事実で、在宅福祉がさらに重要視されております。しかし、在宅福祉の地域格差という問題が生じてきており、県内の利用度格差は約7倍もあり、総合病院などの社会基盤の整備が整っていなくて、高齢化率の高い地域ほど在宅福祉サービスがよく利用されているようであります。県内の整備目標に対し、約半分と思うように整備が進まないデイサービスセンターですが、この不足を補うため、厚生省がことしからスタートさせたサテライト型デイサービス事業が注目されておりますが、普及状況について、県内の現状と課題をお伺いいたします。
 また、デイサービスセンターの土日、祭日の活用状況はどのようになっているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 次に、在宅介護の関係で、在宅重度障害者及び寝たきり老人等介護手当についてお伺いいたします。
 重度障害者あるいは寝たきり老人等と一緒に暮らし、常にそのお世話をしている方に対し、政府は何の措置も講じていないため、地方自治体では独自に介護手当を支給しております。勤めに出ないでずっとお世話をしている方にとっては、貴重な直接の収入だと思います。岩手県は、昭和48年度からの県単独事業と伺っております。現在支給される月額3、500円を県と市町村とで2分の1ずつ負担しているわけですが、県内の半数近くの自治体では、これにさらに上乗せして支給しており、最高のところでは月額1万円という町村が5カ所あると聞いております。県の月額3、500円というのは約20年ほど前の昭和53年度からとのことで、増額の方向で協議すべき時期ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、乳幼児、妊産婦医療費の公費による助成についてでありますが、これに関し、昨日、保護者の負担軽減のため年齢を引き上げる考えがあるかとの吉田洋治議員から質問があり、知事からは、国の医療保険制度の改革の動きを見ながら、年齢、要件など総合的に検討したい旨の答弁がありました。確かに平成7年の改正で、2歳未満の乳幼児になり所得制限も少し緩和になりましたが、原則償還払いというのは余り評判がよくありません。また、県内外を見ますと、3歳までというのは別に珍しくなく、所得制限なしとか就学前までとか、極端なところでは中学を終わるまでというのもあります。今年度県は2億7、000万円の予算を充てているとの御答弁でしたが、子供たちへの投資と考えれば、もっと積極的でいいと考えます。国の動きを見ながら検討したいとの、どちらともとれる御答弁には若干失望いたしました。明確なお考えがあればお伺いいたします。
 最後に、来春の県立高校入試についてお伺いいたします。
 かつての業者テスト、偏差値による入れる高校へのいわゆる輪切り進路指導は非常に単純で明快でありました。教育の成果を獲得点数あるいは合格者数であらわそうとしたわけでありますが、世論が業者テスト、偏差値を追放した形になり、破綻を来してしまいました。過当競争を回避するため、本県でも学区制や推薦入学制度を導入してまいりましたが、さらに来春からは傾斜配点を実施するとともに、国の提唱する中高一貫教育の試験的導入を計画していると伺っております。生徒が激減し高校進学率が97%という現状は、希望すればほぼ全員が高校に入れるということであり、多数の中から選抜して特に入学を許可するという時代ではなく、多様な生徒をいかに漏れなく教育するかという、難しい時代に入っていると思います。本県では3月中ごろの学力検査、いわゆる入試ですが、これに先駆けて1月末には推薦合格者が発表されております。一度きりの学力検査にかえて、3年間の学習及び生活態度で評価するということだったと思いますが、導入からかなりの年月が経過し状況がさまざまに変化した現在でも、この推薦入学制度が果たして有効なものかどうか、お伺いいたします。
 次に、傾斜配点でありますが、昨年度は34の県で実施されているとの報道も目にしましたが、理数、国際関連の学科に限定とはいえ、果たして本県での必要性はどのような点にあるのか、お伺いいたします。
 変化に富む15歳の子供たちに対しては、特にすぐれた専門分野というより、すべての教科に広く興味と関心を抱くよう仕向けるべきであると考えます。県教委の意図する目的と効果をお伺いいたします。
 最後は、中高一貫教育の試験的導入についてであります。
 来年度の文部省の中高一貫教育の試験的導入は、都道府県ごとに行うと聞いておりますが、県教委においては、どのように進めようとしているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
 以上、登壇しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、臍帯血移植についてのお尋ねでございますが、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患で、通常の化学療法での効果が期待できない場合に、現在は骨髄提供者--いわゆるドナーでございますが--、骨髄提供者から造血幹細胞を含む骨髄を採取し、血液疾患患者に移植をいたします骨髄移植が、骨髄バンク制度のもとで実施をされているところでございます。
 一方、臍帯血移植は、分娩後にへその緒から胎盤の血液、すなわち臍帯血を50から150cm3ほど採取をいたしまして冷凍保存をしておき、必要な患者に移植をする方法でございます。このような臍帯血は、骨髄より質のよい造血幹細胞が豊富に含まれておりますけれども、1人の提供者から採取できる幹細胞数が少ないために、主に小児の血液疾患患者の治療に用いられておりまして、現在まで、国内での移植例といたしまして、兄弟間では17例ほど、そして非血縁者間で1例が報告をされていると、こういうことでございます。
 臍帯血移植の利点といたしましては、骨髄移植に比べまして提供者の負担が少ないと、患者においても移植後の拒絶反応を起こす危険性が少ない。また、非血縁者間での白血球の型が完全に一致をしていなくても、移植が可能な場合があるといったようなことなどが注目をされているところでございます。非血縁者間の臍帯血移植を実施するためには、臍帯血バンクを利用することとなるわけでございますが、現在、民間のバンクが全国におおよそ8カ所ほど設置をされていると、このような状況でございます。しかし、こうしたバンク事業を推進する上では、臍帯血の品質管理をどう保つのか、感染症のチェックなどの検査項目をどの範囲にするのか、また、臍帯血の保管に係る費用の負担をどうするかなど、これから解決をしなければならない問題もまだ多く残されているところでございます。
 このため、国におきましては、平成7年度からでございますが、免疫・アレルギー等研究事業というこの事業の中で、臍帯血移植の医学的な安全性、有効性などを研究しているという、こういう状況でございます。
 本県におきましては、年間の出生数が1万3、000人前後でございまして、分娩後のへその緒や胎盤の扱いにつきましては、院内や、あるいは公営施設での焼却、または専門業者への委託処分というのがこれまでの主流でございまして、これまでには臍帯血を活用している事例はないと、このように聞いているところでございます。
 今後は、県といたしましても、臍帯血移植に関する研究の推移というものを注視していく必要がある、こういうふうに考えておりますし、臍帯血バンク事業につきましても国のいろいろな研究が、今、進んでいるところでございますので、こうした国の動向を見きわめながら、当面は臍帯血採取及び移植にかかわる関係者による連携や、この問題に関する意見交換の場づくりといったようなところから始めまして、そうしたことを支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、市町村合併についてでございますが、近年、住民の日常生活圏や経済活動の拡大に伴いまして、市町村の区域を越える広域的な行政需要がますます増大して行政サービスや地域整備の面で広域的な取り組みが必要になっていることに加えまして、価値観の多様化などにより、行政サービスも非常に多様で高度な内容が求められておりまして、特にも少子・高齢化の進展に伴う福祉サービスの充実、こういったことが市町村におきます重要な課題となってきているところでございます。住民に最も身近な市町村がこのような状況や地方分権の動向に適切に対処していく、こういうことのためには行財政基盤の強化を図っていくことが何よりも重要でございまして、これに対応する有効な方策として、合併を当然含むわけですが、合併を含む広域行政の促進ということが何よりも必要となってまいるわけでございます。
 こうした観点から、県におきましては、6月の先般の県議会以降も青年会議所などが主催する広域行政をテーマとするまちづくりフォーラムの開催を支援いたしまして、また、9月2日には全国知事会など、地方6団体との共催になりますが、東北ブロックにおける地方分権推進フォーラムを盛岡で開催いたしまして、多数の県内市町村関係者、1、000人ほどでございますが、市町村関係者の参加を得て、分権型社会のあり方や市町村合併についての議論を深めていただいたところでございます。
 さらに、今月中旬には合併や広域連合に関するパンフレットを作成いたしまして、今後、これを各地域における話し合いの契機になるよう、市町村を初め、地域づくり団体などにも広く提供いたしまして、合併を初めとする広域行政の機運の醸成に努めていくこととしているところでございます。
 市町村合併につきましては、行政機関はもとより、広く住民の方々の間で話し合いが深められることが何よりも大切だと考えておりまして、今後、地方振興局を中心として、行政のみならず、住民を対象とした広域行政シンポジウムを順次開催していくことといたしますほか、地域活性化事業調整費の活用によりまして、市町村や民間団体の広域行政の推進に向けたさまざまな取り組みが考えられるわけでございますが、こうしたものについても積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
 申し上げるまでもなく、市町村合併や広域連合など、いわゆる広域行政につきましては、関係市町村の自主的取り組みが前提にはなりますけれども、今後、具体的に合併や広域連合の機運が地域において盛り上がりまして、県の個別的な助言、指導を必要とする市町村に対して、県としましても積極的に対応してまいりたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承お願いいたします。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕

〇生活環境部長(吉田敏彦君) まず、ごみ処理の広域化計画の策定についてでありますが、県といたしましては、今後、市町村が広域化を進めていくに当たって指針となる計画を策定することとしており、財政負担やリサイクルの見通し、また、施設の更新時期、改善効果などの客観的なデータに基づき、市町村等の意向を踏まえて、調整を図りながら計画を策定することといたしております。
 次に、8月に公布された大気汚染防止法及び廃棄物処理法の政省令の改正の内容についてでありますが、大気汚染防止法では、ダイオキシン類が大気中への排出または飛散を早急に防止しなければならない指定物質とされ、一定規模以上の廃棄物焼却炉と製鋼用電気炉が指定物質排出施設として指定されるとともに、これらの施設に対して排ガス中のダイオキシン類濃度に係る抑制基準が定められたところであります。
 廃棄物処理法におきましては、施設設置の許可の対象となる規模が1日の処理量で5トン以上から1時間当たり200キログラム以上の施設に拡大されており、県内で約100基ほどの施設が新たに対象になると見込まれているところでございます。
 また、構造基準や維持管理基準が定められ、ダイオキシン類の排出については、新設の施設で0・1ナノグラムから5ナノグラム以下に、既設の施設につきましては、平成10年11月末までに80ナノグラム以下を達成し、さらに平成14年11月末までに1ないし10ナノグラム以下とするよう定められております。さらに、許可の対象とならない小規模な焼却施設についても、燃焼に必要な量の空気の通風が行われる構造であることや、焼却の際に煙突の先端以外から燃焼ガスが出ないように焼却すること、煙突の先端から火炎または黒煙を出さないように焼却することなどの基準が明確にされたところであります。このように、ダイオキシン類の排出規制に関する法規定が整備されたことから、これらの規定に基づき、該当施設の設置者等に対する指導を進めてまいります。
 次に、廃プラスチック類の分別収集の指導についてでありますが、この4月に容器包装リサイクル法が施行され、プラスチック類についてもペットボトルをリサイクルする仕組みができたところであり、今後、リサイクルを推進するという趣旨に沿って市町村等の指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に、廃プラスチック類の処理につきましては、プラスチックから油を再生する油化や再生原料として再利用するほか、高炉のコークスの代替燃料としての利用などが一定の条件のもとにおいてではありますが技術的には可能とされ、全国では御案内のような事例はありますが、県として具体的にどのような対応がとり得るのか、関係者と連携をとって研究を進めていきたいと考えております。
 次に、容器包装リサイクル法が全面的に施行されるまでの間の対応でありますが、昨年度、県において分別収集促進計画を定めたところであり、今年度はこのリサイクルの実施状況や課題などを調査分析することとしております。今後、この結果を市町村等に周知し、できるだけ廃プラスチック類の分別収集が円滑に実施されるように指導に努めてまいります。
 次に、小型焼却炉による処理や野焼きについてでありますが、今般の政省令の改正で1時間当たりの焼却能力が200キログラム未満の小型焼却炉につきましても処理基準が明示されたところであり、今後、事業者や処理業者を対象とした説明会を開催して周知徹底を図るほか、市町村や関係機関等を通じた数字、また、機会をとらえて野焼きの禁止、適正な焼却処理の啓発に努めてまいる考えであります。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕

〇保健福祉部長(緒方剛君) まず、脳ドック検診についてでありますが、寝たきり老人のうち、その原因が脳疾患によるものの割合を直接調査した資料はございませんが、平成4年度に行いました本人、家族に対する高齢者保健福祉ニーズ調査では、介助が必要となるに至った原因の約40%が脳卒中との結果になっております。これをもとにいたしますと、平成8年現在の在宅の寝たきりの高齢者のうち、脳疾患によるものの数は1、700人を超えるものと推計されます。
 脳ドックは、一般にMRI、すなわち核磁気共鳴映像法及びMRA、すなわち核磁気共鳴血管造影法などによる画像診断を主とし、血液、心電図等の検査により脳や脳血管の疾患の危険因子を発見し、それらの発症や進行を防止しようとするものであり、脳卒中の一因となる脳動脈瘤や脳梗塞の早期発見などの点からも期待がかけられております。
 一方、この脳ドックにつきましては、従来、個々の病院で検査内容が異なり、検査結果に対する判断や対処法が確立されていないことなどの問題点もあることから、本年、日本脳ドック学会により、脳ドックの検査項目、検査の内容、代表的な異常所見に対する対応などについての脳ドックのガイドラインの案が示されたところであります。今後、脳ドックを実施する病院等が増加するとともに、このようなガイドラインが評価を受けてさらに確立し、これに沿った検診が実施されていくことにより脳ドック検診の有効性が向上していくものと、このように考えております。
 なお、県内におきましては、現在、岩手医科大学附属病院、県立胆沢病院等10カ所程度の医療機関で実施されていると聞いているところでありますが、その費用は医療機関によって検査項目等により異なっておりますが、おおむね5万円から17万円程度となっております。
 また、脳ドック検診による検査結果につきましては、全体の状況を把握しておりませんが、例えば県立花巻厚生病院においては、平成8年度の受診者431人のうち、何らかの異常が認められた者の割合は約43%であったというふうに聞いております。
 次に、肝炎対策についてでありますが、慢性肝炎の大半はウイルス肝炎であり、御指摘のあったB型及びC型肝炎ウイルスの主な感染経路は、B型では母子感染及び血液感染であり、C型では血液感染であります。また、B型、C型肝炎ウイルス感染者数の本県における実態は正確には把握しておりませんが、厚生省肝炎研究班のデータ及び岩手県血液センターの初回献血者の陽性率をもとに推計すると、B型肝炎ウイルスが約1万4、000人、C型肝炎ウイルスが約1万2、000人と推定されております。
 次に、ウイルス肝炎の感染予防対策についてでありますが、輸血血液につきましては、昭和47年からB型肝炎のHBs抗原--これは表面抗原のことですが--検査を、また、平成元年からC型肝炎のHCV抗体検査を開始するとともに、これらの陽性者に対する検査結果の通知と陽性となった血液の廃棄を行っております。一方、B型肝炎の最近の主な感染経路が母子感染であることから、昭和60年6月から妊婦のHBs抗原検査を行うとともに、陽性であるお母さん--妊婦から生まれた子供に対して必要な検査及びワクチン投与の対策を講じております。さらに、C型肝炎の治療体制につきましては、平成4年に関係者が協議を行い、現在、専門医療機関として15病院が相談、治療に当たっております。また、医療機関における病院内感染の予防や、毎年の全国の肝臓週間等においてこの感染防止の啓発活動に努めているところであります。こうした対策によりましてB型及びC型肝炎ウイルスの感染者数は少なくなってきていると考えておりますが、今後もさらにこれらの取り組みを継続し、ウイルス肝炎の感染防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、サテライト型デイサービス事業の普及状況についてでありますが、この事業は、公民館や学校の空き教室など既存の施設を利用して、出前方式によりデイサービス、いわゆる日帰り介護を提供するものでありまして、高齢者にとって、より身近な場所できめ細かなサービスを受けられるなどの効果が期待されております。今年度は、遠野市など3市町村で事業に取り組んでいるところであります。今年度は新規事業であり、また、事業の実施方法などについて十分周知する期間がなかったこと等から3市町村の実施にとどまっておりますが、県といたしましては、今後、市町村との連携を密にしながら、この事業の一層の普及に努めてまいりたいと考えております。
 また、デイサービスセンターの土日、祭日における活用状況についてでありますが、休日などにサービスを提供するいわゆるホリデーサービス事業につきましては、平成8年度は盛岡市など5市町村、5カ所のデイサービスセンターで実施し、その利用者は延べ3、518名となっております。今年度は9市町村、11のセンターでサービスを実施する計画となっており、今後ともその拡充に努めてまいりたいと考えております。
 次に、在宅重度障害者及び寝たきり老人等介護手当についてでありますが、県では、介護世帯の経済的な負担を補完するものとしてこの制度を昭和48年に創設し、市町村と協力して介護手当を支給してきたところであります。この間、国におきましては、昭和61年の年金制度改革によりまして障害基礎年金と特別障害者手当を創設し、常時介護を要する方々の所得保障の一環としてその給付額を大幅に改善したところであります。
 県といたしましては、介護者の精神的、肉体的負担の軽減を図ることは重要な課題であると、このように認識しておりまして、そのためには、まず、ホームヘルプサービス、いわゆる訪問介護やデイサービス、ショートステイサービスなどの在宅福祉サービスを充実していくことが肝要であると考えており、今後一層その拡充に努めるとともに、また、県単独で実施している介護手当のあり方については、その手当額も含め、国における公的介護保険制度創設の動向も見きわめながら検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、乳幼児、妊産婦の医療費助成事業についてでありますが、本県におきましては昭和48年度から乳児の医療費の無料化を実施しており、その際、全国的にも4県しか実施していない妊産婦の医療費助成をも行うなど、子育てに優しい環境づくりに積極的に取り組んできたところであります。
 乳幼児医療費助成事業の対象年齢拡大につきましては、昨日、吉田洋治議員の御質問に対し知事から答弁がありましたとおり、乳幼児が健やかに育つ環境の整備に資するものと考えておりますので、諸般の状況を勘案し、また、対象年齢が拡大している他県の実施状況等を参考にしながら、対象年齢や要件などを含めて総合的に検討していく考えであります。
   〔土木部長藤本保君登壇〕

〇土木部長(藤本保君) まず、サイクリングロード、つまり自転車歩行者専用道路の利用状況についてでありますが、平成6年度の12時間交通量調査によりますと、盛岡矢巾自転車道線の盛岡市仙北一丁目地内においては、平日の自転車は242台、歩行者は113人、休日の自転車は379台、歩行者は93人となっており、平日よりも休日の利用者が多く、健康増進のためのサイクリングにも活用されている状況と考えております。また、この自転車歩行者専用道路はクラブ活動等のトレーニングコースとしても活用されており、また、北上花巻温泉自転車道線ではサイクリングフェスティバル等が開催されるなど、スポーツ、レクリエーションとしての利用も行われているところでありますので、これら道路が今後とも十分活用されますよう期待しているところであります。
 次に、自転車歩行者専用道路の利用者への安全確保のための道路照明施設については、一般道路との主要交差点部等の箇所に交通事故を未然に防止するため設置いたしておりますが、今後、本路線の利用状況や設置の可能性等を勘案し、必要性の高い箇所について整備してまいりたいと考えております。
 次に、道路管理者の責任の所在についてでありますが、当該道路につきましては、主要交差部に照明、車両進入防止さくや水辺には転落防止さくなどを設置していることから安全性が確保されているものと認識いたしておりますが、不測の事態により事故が発生した場合は、事故当時の気象条件、通行者の道路利用方法等諸般の事情を総合的にしんしゃくし、その責任の所在を個別、具体的に判断するものと考えております。
   

〇議長(那須川健一君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔教育長細屋正勝君登壇〕

〇教育長(細屋正勝君) まず、来春の県立高校入試についてでありますが、推薦入学制度は、学力テストでは把握し切れない生徒の多様な能力や適性、意欲を多面的、積極的に評価するという観点から、平成4年度からすべての高等学校の全学科で実施いたしております。追跡調査結果によりますと、推薦入学した生徒は目的意識を持って学習やスポーツ、文化等の特別活動に取り組んで活躍するなど、その成果の大きいことが認められておりますことから、今後とも必要な検討を加えながら実施してまいりたいと考えております。
 次に、傾斜配点についてでありますが、5教科すべてを受験する制度の範囲内で特定の教科の配点に重みを持たせることにより特色のある学科に進む生徒の得意な面を生かすことができることから、生徒の多様な個性、能力を一層多面的に評価することができると考えているものであります。傾斜配点は、生徒の個性を一層伸ばしたり、より主体的な学科選択によって生徒の意欲の向上などの効果が期待できることから、来年度から理数科及び国際関連の学科に導入しますが、より効果的な実施に向けて検討してまいりたいと考えております。
 次に、中高一貫教育の試験的導入についてでありますが、現在、文部省においては、中高一貫教育のあり方について調査研究するため、各都道府県に学識経験者などで構成する中高一貫教育研究会議を設置し、その中で実践協力校を指定することなどを内容とする中高一貫教育の推進に係る実践研究事業を平成10年度から実施する意向で概算要求していると聞いております。
 教育委員会としましては、国の動向を注視しながら、この実践研究事業への対応について検討してまいりたいと考えております。

〇6番(小野寺好君) いろいろ御答弁ありがとうございます。
 大体答弁漏れはなかったかと思うんですけれども、もうちょっと聞きたいなと思うところを少々お聞きしたいと思います。
 1番目に、まず、廃プラスチック類なんですけれども、今までどうでしたかということもお聞きしたかったんですが、今後、連携をとって対応したいという抽象的な御答弁だったんですが、もうかなり前からプラスチックというのは非常にいい資源だと。そういうことであちこちで取り組みがなされてましたけれども、県庁の中にもエネルギー担当とかリサイクル担当とかあると思うんですが、そういったところで今までどうプラスチック類の利用のためにお仕事をしてきたかお聞きしたいと思います。
 次に、脳ドックの方ですが、先ほど県内5万円から17万円ぐらいではないかというお話でした。花巻の例をお示しいただきまして、43%という異常が見つかったというお話でした。やっぱりそういうお話を聞きますと、ちょっと心配だなという人は今後かなり受けるようになるかと思うんですが、その場合、ちょっと金額が高いので、こういったことに対し市町村で補助とかを行っている例があるかどうか、もしおわかりでしたらお聞きしたいと思います。
 次に、肝炎の関係ですが、肝炎の中でウイルスによる難治性の劇症肝炎、これはいわゆる難病ですね。特定疾患治療研究事業の対象疾患、いわゆる難病に指定されているわけなんですが、この難病治療費について、現在、国と県で2分の1ずつ負担してやっているということなんですが、先ごろ、来年からは全体の3分の1程度患者の方に負担していただくことになるかもしれないというふうなことが耳に入ってますけれども、その場合、県の姿勢はどうなるのか、もしも決めておりましたらお聞きしたいと思います。
 次に、臍帯血移植の関係で、県として、今後、連携をとりながら意見交換の場をつくって支援していくという非常に前向きなお話をいただきました。臍帯血でありますが、1回当たり平均で約100cc採取できるとすれば、毎年1万3、000の出生があると。そうすると1、300リットル、単純に計算してそうなるかと思います。200ミリリットルとか400ミリリットルの献血と比べれば非常に量が少ないんですが、その中身が非常にいいと。そういうことで、現在まで焼却あるいは業者に委託して処分してもらっていたのを活用するという、そういう方向で御支援いただくということですが、その際、やっぱり費用かと思います。ある産科医の方のお話ですと、1検体について県から1、000円ほど補助をいただければ、全体として年間1、000万円あるいは1、300万円で非常に大きな仕事ができると、そういうお話もお聞きしております。これについて、何か部長、御所見ありましたらお聞きしたいと思います。
 次に、介護手当ですけれども、県内約半数の市町村で上乗せしている。3、500円はやっぱり実態に合わない。障害者の年金等の改正は、それはわかりますけれども、年金は本人が使うためのものですので、やっぱり介護者に直接ということであれば3、500円は速やかに考え直した方がいいかと思います。仮に県で5、000円としたとしても、年間およそ2、000万円ぐらいじゃないかなと。さっきサイクリングロードの金額を言いましたけれども、この2、000万円、勇気を出してやってみてもいいんじゃないかなという気がいたします。これについても再度お伺いしたいと思います。
 以上です。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕

〇生活環境部長(吉田敏彦君) 廃プラスチックの今までの処理の状況はどうかという御質問でございましたんですが、主に廃プラスチックにつきましてはほとんど焼却してきたのが実情でございます。と申しますのは、廃プラスチックはその切断が難しいとか、あるいは再利用する場合には洗浄が必要だとか、そういったいろんな問題がございまして、従前は焼却してきたということであります。ただ、リサイクル法ができまして、これを分別収集することによって、それを減容とかあるいは熔融固化して再利用するとか、そういうふうな方向に現時点では進んでいるということでございます。今後そんな方向で研究し取り組んでいかなければならないというふうに考えているところでございます。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕

〇保健福祉部長(緒方剛君) まず、脳ドックに対する市町村等の公費助成の例があるかというお尋ねでございますが、私どもとしてはそういうものは承知しておりません。あるいは県内の市町村の中にはそういったところがあるかもしれませんが、私どもは聞いておりません。いずれにいたしましても、先ほど43%の異常所見が見つかったというお話もさせていただきましたが、こういったところの中でそれをすべて問題にするのかといったような、例えば検査方法とその評価の問題も、先ほど申し上げましたようにまださらに確立していく必要がありますので、そういった問題とあわせて、そういった公的負担の問題も将来の問題となるかというふうに考えておりまして、現在ではそういったものは承知しておりません。
 続きまして、肝炎対策に関連しまして、劇症肝炎等の特定疾患治療研究事業に対する自己負担の導入のお尋ねでございますが、私どもお聞きしているところでは、国の方で予算要求におきまして、ただいま全額自己負担に対して助成が行われている特定疾患治療研究事業について、重症度等に応じて最高3分の1程度の自己負担を導入するというような予算案が盛り込まれているというふうに聞いております。しかしながら、まだこれは厚生省の案でございまして、今後いろいろ国の方で予算を作成し、さらに国会の方で予算審議が行われていく話でございますので、現段階としては私どもはその動向を見守ってまいりたいと、このように考えております。
 続きまして、臍帯血移植のバンクに対する費用負担の問題でありますが、この臍帯血移植につきましては先ほど申し上げたように、有用性がある一方まだいろいろ解決すべき問題があるということでございまして、また、そのバンクの運営に関してはまだ民間のバンクのみが存在するわけで、公的バンクについてはそういった、今後、臍帯血移植の有効性、安全性の議論のされる中でこういったものは国の方で検討されていくのではないかというふうに考えております。したがいまして、私どもとしましては、とりあえずは先ほど知事からもお答えいたしましたように、まず関係者がこういった自主的にネットワークと申しますか、連携していく場を私どもとして場づくりに御協力していくところから始めたいと考えているわけでございます。
 続きまして、在宅重度障害者及び寝たきり老人等介護手当の補助の増額に対する再度のお尋ねでありますが、現在この支給実人員は平成9年度で約1、300人、これは障害者の1級に相当される方で、一定以下の所得の方でございまして、その県の補助額は2、200万円となっております。私ども先ほど申し上げましたように、この家族の介護の問題は大変家族にとっては御負担となっているので、これに対する取り組みを強化していかなければならないと考えておりますが、とりあえずまずホームヘルプやデイサービスのような在宅福祉サービス等、一方での取り組みを強化しながら、他方で先ほど申し上げましたようにさまざまな、例えば国の公的介護保険制度の議論なども見据えながら、この手当についても今後この増額も含めて検討をしていきたいというふうに考えております。

〇6番(小野寺好君) 教育委員会の方をちょっと聞くのを忘れまして……、済みません。
 一生懸命制度を頭を悩まして取り組んでいるかと思うんですけれども、その制度をいじくる前にやるべきことがあるんではないかと思うんですが、例えば、岩手県の入試の場合に、数学で零点とっても、例えば19人合格すると、理科の零点合格が9人、英語の零点合格が2人と、そういった非常に、学力がもうちょっと頑張ってほしい人たちもいるわけです。合格者の中で2割未満の得点137人と、全体の11・3%、得点力4割未満で合格しているのが3、295人、全体の26%、4分の1ですね。こういった方たちが、高校では40点とらないと赤点ですよと、こう言われるんですが、入った段階でもう得点力が4人に1人はこういう状態ですね。これは考えますと、そういったことも影響しているかもしれませんが、中退してしまうとか、やっぱり高校の勉強がさらに難しくなるわけですから、そういった場合に学校に行っても非常につらいというようなことになるかと思います。あるいは別な理由も絡まってくるかと思うんですが、長いこと休むとか、そういったことで制度以前に中学校、高校連携してもっと取り組むべき部分があるんじゃないかなと思いますが、この点についてお聞きしたいと思います。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕

〇教育長(細屋正勝君) 今お話しありました高校への入学者につきましては、低い得点での合格者も確かに出ております。これらの合格者につきましても、入学動機あるいは意欲、能力、適性など、そういうものを面接、調査書なども含めて総合的に判断した上で、高校での学習の機会を積極的に提供したいというふうに考え、合格と判定しているものであります。
 なお、確かに学校に入ってから大変ではありますけれども、高校におきましては、こういう低い得点での合格者に対しまして、いわゆる習熟度別指導であるとか、学習のおくれがちな生徒への個別指導など、各校で工夫しているところでありまして、おおむね今お話の中の七、八割の生徒は良好な学校生活を送ってはおります。各高校におきましては、こういう多様な生徒の実態を踏まえまして、生徒の能力、適性、進路希望等に応じた多様な指導を展開しているところでありまして、今後とも各学校におきましてきめ細かい指導方法の工夫改善が推進されるように指導していきたいというふうに考えております。
 制度以前の問題として中学、高校でやはり基礎的な学力をつけるべきは当然のことでありますので、入試とは別途、その辺の底上げを図りたいというふうに考えております。
   

〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時10分 散 会


前へ 次へ