平成9年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇24番(久保田晴弘君) 社会民主党の久保田晴弘です。
 通告をしております6項目につきまして順次数点にわたって質問してまいります。昨日、質疑が交わされましたが、その内容に一部重複する点がありますことを御了承いただきたいと存じます。
 まず第1に、国の新年度予算概算要求に係る本県の要望事項がいかに反映されているのか、その状況についてお伺いいたし、あわせて本県の新年度予算編成方針及び県人事委員会勧告への対応についてもお尋ねします。
 本県の国に対する要望事項につきましては、例年、執行部、議会が一体となって夏、冬の2回にわたり統一陳情を行っているところであり、都度、執行部においては知事を先頭に精力的に関係省庁に折衝を続けられているところでありまして、その労を多とするものであり、その御労苦に敬意を表する次第であります。
 その成果としまして、懸案の花巻空港2、500メートル滑走路延長整備が概算要求に盛り込まれました。これにつきましては、当面、大蔵原案で予算化されるのを待ち望むのでありますが、公共事業削減が既成事実となっていることが懸念されますことからお尋ねします。
 空港ほか本県の主要事業に関しまして、概算要求にいかほどの事業が盛り込まれておりますか、まず、お伺いいたします。
 第2点は、公共事業費削減のことによって生ずるであろう後期実施計画への影響はどうかという点であります。
 建設省は、98年度概算要求を財政再建を見据え過去最大の削減率5%とし、農水省も公共事業費6・2%減をもって概算要求したことが報じられています。本県など社会資本整備がおくれている地域への傾斜配分を要望していたといたしましても、それに多くを期待することは難しい情勢にあります。こうした厳しい財政状況下にあっては、当然計画の後退は避けられないことであり、後期実施計画は見直しが生じてくるものと思われますし、加えて、次期総合発展計画策定の手法に加え発想の転換が要求されてくるものと考えます。その検討課題についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。
 第3点は、本県の新年度予算編成をするに当たっての基本的な考え方についてお尋ねいたします。
 このことにつきましては、地方財政計画がまだ示されていない時期にありますから明確にできないことも理解できますが、国の財政改革、いわゆる公共事業費削減の方針が確たるものでありますから、必然的影響を受けざるを得ません。こうした新たな財政環境にあっては、公共事業優先の配分シェアを見直したり、総花的事業配分方式を改めて、重点的かつ緊急度と事業効果を総合的に分析した上で予算編成すべきと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
 この項の終わりに、人事院勧告及び県人事委員会の勧告に対する対応について所見を伺います。
 人事院は、さきに1・02%、平均3、632円の引き上げを勧告しました。これに対し、財政構造改革の折、引き上げを凍結すべしとか、実施時期の引き延ばしやむなしとかの議論がないわけではございません。人事院勧告は公務員の労働基本権を制約している代償措置であり、基本賃金の引き上げに関しては、まさにこれを尊重していくべきが当然であります。本県人事委員会は近く知事に対し勧告をなすものと承知していますが、勧告に対する知事の基本認識をお伺いします。
 また、これを受け、早期支給の措置を構ずべきものと思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。
 次に、政府の行政改革会議が公表した中間報告に対する所見をお伺いいたします。
 政府の行政改革会議は、9月3日、行革理念と目標、内閣の機能強化、省庁の再編等を盛り込んだ中間報告を公表しました。報告は、すなわち肥大化、硬直化し、制度疲労のおびただしい戦後型行政システムを根本的に改め、自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい簡素、効率的、透明な政府を実現すると述べています。私は、大筋この理念と目標を了と受けとめておりますが、もっと明確にしてほしいことは、国の行政改革は地方分権と不離一体であり、改革の実現は地方分権型社会の創造と不可欠の関係にあることを明記すべきであると考えるのであります。地方分権推進委員会は、本年7月8日、第2次勧告を内閣総理大臣に提出しています。報告書は、その中で次のように述べております。今次勧告までに地方分権型行政システムへの変革を進める上で、我々が不可欠と考える多くの重要な課題に関する具体的な指針が示されているものと考えている。政府においては、この勧告を尊重し、さきの第1次勧告とあわせて速やかに地方分権推進計画の作成に着手し、法制的な検討も深めて早期に実施に移されるよう強く要請するものであると政府に進言しています。
 そこでお伺いします。知事は、地方分権推進の観点から見て、行政改革会議の中間報告をどう評価されますか、その所見をお尋ねいたします。
 第2点は、省庁再編のことに関し所見をお伺いします。
 改革の理念と目標について述べている要点は、要するに中央集権型行政システムの制度疲労を是正すること、東京一極集中を是正すること、変動する国際社会への対応を機敏にやること、個性豊かな地域社会形成を図ること、高齢社会、少子化社会への対応に取り組むことをうたっていると私は解しています。私たち地方自治体が望む政府の行政改革への期待は、中央集権型システムを是正し、分権型社会を創造することであります。そして、中央省庁から事業と財源と権限を地方に分配し、介入を排除させることにあります。省庁再編は地方分権を展望して行うべきと考えますが、知事の見解をお聞かせください。
 第3点は、省庁再編案のうち、ここでは農水省が改編されることについて見解をお伺いいたします。
 省庁再編案に関しては、郵政事業の民営化問題や建設省の河川と道路の分離問題等がクローズアップされていますが、私は、農水省の改編こそが問題だと考えるものであります。1885年に我が国の省が設置され、このとき農商務省が置かれ、9省が行政組織に編成されました。これが我が国の行政機構の始まりであります。以来、行政機構が数次にわたって変遷を見るのでありますが、1978年、現在の農林水産省に改編されるまでの間に、1925年に農林省に、1943年に農商省に、1945年に再び農林省にという変遷がありました。また、現通商産業省は農商省からの分離改編によって設置され、運輸、郵政の各省は逓信省を母体として改編されました。1947年、内務省解体によって自治、建設省が設置されるなどの組織再編があるのでありますが、農水省は、法務、外務、大蔵、文部とともに国の行政機構の重要なポストとして存在してきたのであります。それは紛れもなく農は国のもととする政府の基本姿勢がありました。しかるにこのたびの再編案は、農は国のもととする考えを根本から放棄した姿勢ではないかと疑問を抱きます。重大な問題を惹起していると思うのであります。知事の見解をお伺いします。
 あわせて、郵政事業民営化論に対する見解もお聞かせ願います。
 次に、花巻空港整備に係る事業展開と、関連する事業の促進について質問いたします。
 報じられておりますところ、花巻空港2、500メートル滑走路整備について、運輸省は平成10年度概算要求に組み込んでいるとのこと。成り行きを注目していた者としては、懸案の高いハードルの第一歩を乗り越えできたものとして安堵し、次のステップに向け確かな歩調を整え、準備しなければと思うところであります。この間、当局においては精力的に関係省庁に粘り強く折衝され、諸条件の環境づくりに尽くされてきたこと、また、地元花巻市の全面的な協力及び関係地権者の合意形成が図られてきた結果によってこのことが生じたものと思います。関係各位のこれまでの熱意と努力に対して敬意を表する次第であります。
 さて、質問の第1点であります。当面、来年度事業着手に向けて一層の取り組みが要求されるのでありますが、大蔵内示確定までにいかような取り組みと行動が配置され、実行されようとしておられるのかをお伺いいたします。
 第2点として、大蔵内示に前後して空港整備計画の策定作業が始まるものと思います。そのスケジュールをお伺いします。
 環境影響評価が行われるのでありますか。あるとすればいかなる項目が対象となり、どの時点から作業が始まりますか。また、飛行場施設変更許可申請を提出する時期及び公聴会はいつごろになりますか、見通しをお知らせいただきたいと思います。
 第3点は、地方空港整備特別事業にかかわる質問であります。
 平成9年度から新規に創設された事業に花巻空港整備が採択されたのでありますが、事業費の確定はいつごろになりますか。公共事業費削減の影響をどのようにとらえておりますか。また、用地買収の交渉はいつから具体になりますか、お尋ねいたします。
 この項の終わりに、花巻空港拡張計画と密接不可分の関係にある関連事業の総合的、一体的推進についてお伺いいたします。
 御承知のように、空港周辺には東北横断自動車道東和-花巻間の路線ルート、国道4号花巻東バイパス路線、流通業務団地、関連アクセス道路等が軌を一にして計画が事業化されようとしています。これら一連の事業は、空港拡張整備と整合を図り一体的に推進される必要があります。関係の花巻市と緊密な連携のもとに県のしかるべき対応が望まれるのでありますが、県としての取り組む姿勢をお伺いいたします。
 次に、産業集積活性化対策事業の展開について質問いたします。
 本事業は、本年3月31日に公布されました特定産業集積の活性化に関する臨時措置法に基づき、本県が承認申請していた地域、すなわち花巻市、北上市、水沢市、江刺市及び金ヶ崎町が指定地域として承認されたものと承知しております。承認された地域は全国で10地域、北海道、東北通商産業局管内では本県の北上川流域地域の4市1町をエリアとした地域だけが指定されたと聞き及んでいます。本県の申請が承認された背景には、地域指定を受けるにふさわしい条件が整っていたこともあったでありましょうが、私がなるほどと感心したことは、本県が以前から制度の創設を要望し、当時、臨時措置法の制定についての働きかけをしてきたこと、また、平成8年3月に北上川流域高度技術産業集積計画を策定し、当制度の制定に先駆けて運動を展開してきたことが功を奏した結果であろうと推察するのであります。評価すべきは、時代の動きや経済動向に機敏に対応し、情報を的確にキャッチし、積極的に国に折衝してきた努力の経過があったことであり、関係当局の取り組みの労に感謝し、敬意を表したいと思います。
 さて、東アジア地域の急速な経済発展に伴い、国内製造業の生産拠点の海外移転や部品調達の海外シフトなどにより産業の空洞化が進み、我が国の基幹産業を支えてきた部品、金型、試作品等を製造する基盤的技術産業集積の崩壊が懸念されるのでありますが、企業の海外進出など、本県における産業の空洞化の状況をどのようにとらえているのかお知らせ願います。
 第2点として、活性化のための具体的な支援措置について伺います。
 新法関連の予算総額は225億円とも言われておりますが、本県の場合、どのような事業に対し直接的受益が見込まれますか。その結果、北上川流域高度技術産業集積計画の進行がどのように期待されますか、お伺いいたします。この事業の成果は他の地域に波及効果が及び、県内の産業振興の新たなきっかけをつくり出すものと期待するものでありますが、見解をあわせてお伺いします。
 この事業の有利な側面として、産業インフラ等の整備、ソフト支援の事業のほか、広域連携、地域間交流を促す道路の整備及び産業集積の活性化を支える道路網の整備も計画されていると聞き及んでおりますが、具体的にお知らせを願います。
 次は、ダイオキシン発生に対する当面の抑制策について質問いたします。
 まず、本県の小、中、高校、特殊教育諸学校への対応について伺います。
 県内811校のうち、ごみ回収に依存している17校を除く794校は、小規模であるとはいえ、可燃ごみの焼却を行っていると伺っております。平成9年7月23日付文部省体育局及び同大臣官房名による学校におけるごみの処理等についての通知文書によれば、ごみについては分別収集を徹底し、資源ごみのリサイクル、両面印刷、両面コピー等による用紙類の使用量の削減、生ごみの堆肥化を進めるなど、ごみの減量化に努めること。また、可燃ごみについても一層の減量化の促進や、地域の実情に応じ、可能な限りごみ回収にゆだねるなど、校内における焼却処理の抑制、廃止に努めることと述べ、ほか4項目の内容を管下の市町村教育委員会及び学校に対し周知徹底するよう指示しています。
 教育長にお伺いします。文部省通達文書の趣旨が県内各市町村教育委員会に徹底したと判断しておりますか。県内で焼却処理の廃止を決めた市町村と学校は幾らになりますか。すべての学校において焼却処理をやめるよう指導すべきと考えますが、いかがですか、御所見をお伺いいたします。
 以下、生活環境部長及び農政部長にお伺いします。
 県は、ダイオキシン発生の抑制について、事業所に対し、いかなる内容をもってどういう体制のもとに指導を行っているのでしょうか。市町村の指導と連携をとり、一体になって事業所の指導を行うべきと考えます。事業所の処理状況の現状と指導方針についてお伺いします。
 本年7月29日、東京都内でアメリカにおけるダイオキシン対策の最近技術情報と題し、ダイオキシン問題講演会がありました。講師はアメリカ、ベコエンジニアリング・カンパニー、ラーナー博士であります。これは、ソルブ式焼却炉排ガス管理システムによるダイオキシン生成を防止するダイオックスブロック吸着剤を開発した内容であります。この講演内容を翻訳したレポートを読み、ダイオキシンを発生させない新技術による吸着剤が開発されたことを知りました。しかし、日本ではまだ活用されていないこと、すべての焼却炉に取りつける余裕がないことから、直ちに問題が解決することができるとは思いません。現状でできることは、一般廃棄物、産業廃棄物を問わず、塩化ビニール類、プラスチック類を原則として焼却しない方法で減容処理をすることが肝要だと思いますが、いかがでしょうか。そのためには、分別収集の徹底と溶融施設の導入を進め、当面の対策に当たる必要が考えられます。また、産業廃棄物処理にかかわることでありますが、塩化ビニール等を大量に排出する農業等の業界において、適正処理を行う産業廃棄物処理施設を広域的に設置する必要がありますが、設置について研究、検討されていると思いますが、その対応策をお伺いいたします。
 この項の最後であります。県内の国有林野に埋設されているダイオキシンが微量に含まれていると言われている2、4、5-T系除草剤の保全管理と安全性は確保されておるでしょうか。今後どのように取り組もうとしておられるのか御所見をお伺いします。
 質問の最後に、当面する農政課題についてお伺いします。
 台風19号、20号の襲来を心配しましたが、本県に被害がなくほっとしました。九州など、被害に遭遇された地域の皆さんの心情をお察しし、お見舞い申し上げるところであります。
 本県は今のところ農作物に大きな被害もなく、8月15日現在の水稲の作況指数は102の豊作が見込まれており、米以外の作物についても順調な生育で、まさに実りのある出来秋を迎えようとしております。このことは、農家の皆さんを初め、農業団体、関係機関の皆さんの御労苦のたまものであり、また、本県農業の実力を示しているものと力強く思っているところであります。しかし、この豊かな実りを率直に喜べないのが農家の方々の実感ではなかろうかと案ずるのであります。なぜならば、米価が大幅に下落する状況にあるからであります。ことしの豊作予想が引き金となり、来年の米の減反面積がさらに大幅に上乗せさせられると報道され、加えて輸入農産物が恒常的に増加するなど、農業を取り巻く情勢は一段と厳しさを増しているからであります。今、農家がどんなに頑張っても、どんなに努力し我慢しても報われない現実、あすの農業が見えない先行き不安をいっぱい抱いている心情に私は心を痛めるのであります。一生懸命働けば報われる農業、将来に希望と夢が描ける農業を私どもがつくり上げなければならないと考えるのであります。
 さて、国は現在、現行の農業基本法を見直し、新たな基本法を制定するため食糧・農業・農村基本問題調査会を設置するとともに、国民各界各層の意見を聞くなど、見直し作業を本格化させていると伺っております。私は、我が国の食糧供給基地を目指す本県として、この機会をとらえ、農家が将来に希望を持って営農にいそしみ、県全体の農業が発展できるような農業基本法の実現を国に働きかけていくことが重要であり、その観点から意見、提言を積極的に行うべきと考えるのであります。県は、新基本法の制定に向け、どのような取り組み方で本県の意見、提言を基本法に反映させていく考えでしょうか、このことをまずお伺いいたします。
 次に、自主流通米の価格下落の対策について伺います。
 4年続きの豊作とふえ続けた在庫が反映し、自主流通米価格の下落が続いております。その中で、岩手県産銘柄米の下落率が9%を超えるなど、深刻な状態になっています。米価の最低基準の目安になる政府買い入れ価格を割り込み、この結果、仮に5ヘクタール規模の専業農家で60キロ2、000円の下落になったとすれば約90万円の減収になると推定されます。この状況では生産者の挫折感のみが拡大し、担い手農家の育成はおぼつかず、米専業農家から崩壊していくのではと、危機感が募ります。県は、米価下落の実態をどのように把握し、対処されようとしておりますか。私は、国に対し、所得補償制度の創設を強力に働きかける必要があると考えるのでありますが、御所見をお伺いいたします。
 これで私の質問を終わるのでありますが、どうぞ率直な御答弁をいただきたいと存じます。答弁の経過によっては再質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございます。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 久保田晴弘議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、人事委員会勧告に対する基本認識についてお尋ねがございましたけれども、人事委員会の給与勧告は、公務員の労働基本権が制約をされていることに伴います代償措置といたしまして、職員に対して、社会一般の情勢に適応した給与を確保する機能を果たしているものでございまして、その制度、設置の趣旨からいたしまして、基本的に尊重されるべきものと、このように考えております。
 また、本年について、給与改定に関する人事委員会の勧告があった場合におきましては--これはまだ現在のところ勧告なされておりませんが--、こうした勧告があった場合におきましては、地方公務員法に定める給与決定の諸原則にのっとりまして、さらには、本県の財政事情などを総合的に勘案いたしまして、対処してまいりたいと考えております。
 次に、内閣総理大臣を会長とする行政改革会議が去る9月3日に取りまとめました中間報告に対するお尋ねがございましたが、今回の行政改革の要点は、徹底的な規制の撤廃と緩和を断行して、民間にゆだねるべきはゆだね、また、地方公共団体の行う地方自治への国の関与を減らすことを大前提として、肥大化、硬直化し、制度疲労を来している戦後型のこの現在の行政システムを根本的に改め、自由かつ公正な社会を形成して、そのための重要な国家機能を有効かつ適切に遂行するにふさわしい、簡素で効率的かつ透明な政府を実現することにあると、このようにしているところでございます。したがいまして、行政改革会議におきましては、地方分権推進はもとよりのこと、幅広い観点から審議が行われてきたものと、このように認識をしているところでございます。
 中央省庁の再編整備につきましては、行政改革委員会及び地方分権推進委員会のこの両方の委員会の審議結果を前提とすることと、このようにされておりますけれども、私は、地方自治は、我が国の基本構造の重要な一環をなす、また憲法上の制度でもございますことから、地方自治の本旨に基づいた地方行財政制度の企画立案と、その円滑な運営のための国と地方公共団体との間の調整等、こうしたことは国の重要な責務でございまして、地方分権が進展し、地方公共団体の果たすべき役割が大きくなるとともに、この責務はより重要になるものと、このように認識をしております。今後、具体的な省庁再編を行うに当たりましては、これらの点に十分意を用いながら審議されるよう期待をしているところでございます。
 この中間報告において、現在の農林水産省は、国土保全省として再編をされることとなっておるわけでございますが、この国土保全省には、国土保全機能や食料の安定供給機能、こうした機能が含まれると、このようにされているところでございまして、これまで行われてきた農業の振興に関する諸施策は従来どおり推進されるものと、このように理解をしているところでございます。いずれにいたしましても、新しい体制と視点によりまして、農業政策の一層の充実強化を図っていくことが何よりも重要であると、このように認識をしております。
 郵政事業につきましては、その改革に当たりまして、郵政事業がこれまで中山間地域などにおいて担ってまいりましたサービス機能を低下させることのないよう、国に対して強く要望してまいりたいと、このように考えているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願い申し上げます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕

〇企画振興部長(武居丈二君) まず、国の概算要求における本県の要望事項の反映状況についてでありますが、統一要望項目--これは72項目、夏の場合ございましたが--から、制度改正などの予算外の要望を除いた61項目のうち、花巻空港の滑走路2、500メートル延長整備に係る滑走路延長実施設計調査やかんがい排水事業など4項目につきまして、箇所、額が明示されたほか、全国枠で要求されているものが36項目、要望内容の一部または要望の趣旨が反映されたものが14項目となっております。しかしながら、国におきましては、平成10年度の公共投資予算を対9年度比7%以上削減することとしており、本県関係につきましても、関連する公共事業を中心に、概算要求額の全国枠が押しなべてマイナスの状況が見られるなど、極めて厳しい内容となっております。今後、国において予算編成作業が本格化してまいりますが、本県の要望項目が政府予算に盛り込まれるかどうか、全く予断を許さない状況にありますことから、県議会の御支援、御協力もいただきながら、引き続きあらゆる機会をとらえて関係方面に強く働きかけ、要望の実現を目指してまいりたいと考えております。
 次に、3県総後期実施計画の見直しについてでありますが、国の公共事業に係る各種長期計画の期間の延長などとの関連で、各部局において、重点事業として位置づけられた個々の事業の一部について、計画期間などの見直しが必要となることも想定されますが、その時期が新しい総合計画の策定期間と重複することや、今回の財政構造改革の目標期間が2003年までとされておりまして、3県総後期実施計画の目標年次である平成12年度--これは西暦2000年度になりますが--を超えて行われるものでありますことから、新しい総合計画の策定作業の中で適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、新しい総合計画につきましては、議員御指摘のとおり、現在、国、地方を通じて厳しい財政環境にあり、また、今後、本格的な少子・高齢社会の到来により、経済の潜在的な活力の低下が見込まれますことから、従来の発想を転換し、このような社会に対応した新しい経済社会システムの構築を目指していくことが重要な課題であると考えております。このため、計画の策定に当たりましては、行財政システムの改革はもとより、行政と民間の役割分担や、県民、市町村とのパートナーシップを強く意識していくほか、大規模なアンケート調査など、従来にない手法を取り入れた県民提案型、県民参加型の計画づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、花巻空港の平成10年度事業着手に向けた取り組みについてであります。
 運輸省の来年度概算要求におきましては、御案内のように、新たに創設された地方空港整備特別事業の対象といたしまして、花巻空港の事業に係る実施設計調査費が計上されたところであります。しかしながら、政府の財政構造改革においては、拠点空港の整備を優先する方針が既に打ち出されていることから、平成10年度政府予算への最終的な組み入れは全く予断を許さない状況にあります。今後、関係省庁間の折衝が本格化していく中で、むしろ国の財政当局の査定作業は、前例やこれまでのやり方を踏襲することなく、場合によりましては画一的同一基準で切り捨てるといった事態も懸念され、年末の大蔵原案の内示--これは昨年の場合12月20日でございましたが--、それから復活折衝、そして最終的な予算案の決定に至るまで大変厳しい局面が続くものと認識しております。
 このため、県といたしましては、県議会と一体となりまして実施する政府予算統一要望を初め、今後あらゆる機会をとらえ、沖繩、新潟両線の開設等の明るい有力な材料もございますことから、こういった材料も使い、早期着工の必要性、地域の熱意を最後まで強力に訴えてまいりますとともに、国際チャーター便の運航拡充など、地方空港整備特別事業の趣旨に即した環境の整備にも全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕

〇総務部長(大隅英喜君) 来年度の予算編成についてでありますが、歳入面では、現下の経済動向や国の財政構造改革の影響などを勘案しますと、自主財源の大宗をなす県税の伸びに多くを期待できないほか、国庫支出金については、公共事業など地方に対する補助金の削減、合理化が見込まれ、また、地方交付税や県債についても縮減が見込まれております。
 一方、歳出面では、公債費の増嵩に加え、花巻空港の整備や東北新幹線盛岡以北の整備促進、県立美術館の建設など、3県総の後期実施計画に掲げる大規模な事業を計画的に推進する必要があるなど、取り組むべき課題が数多くあり、本県の予算編成を取り巻く環境は、これまでになく厳しいものとなっております。このような状況は、今後とも引き続くものと見込まれており、本県が、自主性、自立性を発揮し、個性豊かで活力に満ちた地域社会づくりを進めていくためには、現行の行財政システムを見直し、地方分権の時代にふさわしい、機動的で効率的なものに改革していくことが不可欠であり、こうした観点から、現在、行財政システム改革のための指針を策定しているところであります。
 したがいまして、来年度の予算は、この指針に基づく改革を確実に実行することを基本とし、事務事業の評価制度の導入による徹底した見直しや行政と民間の分担すべき役割の明確化などにより歳出の縮減と合理化を図りながら、優先度と緊急度の高い施策については重点的に推進するなど、限られた財源を効果的に活用し、創意と工夫を凝らした予算となるよう努めてまいりたいと考えております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕

〇土木部長(藤本保君) まず、花巻空港拡張整備事業が、厳しい状況の中で平成10年度の国の予算に盛り込まれた場合の空港整備計画の策定スケジュールについてでありますが、平成10年度に空港拡張整備事業を実施するためには、航空法に基づく飛行場施設変更許可を受ける必要があり、そのため、今年度中に空港整備計画の細部についての協議を運輸省と行うこととしております。飛行場施設変更許可の申請の時期でありますが、運輸大臣への環境影響評価書の送付が前提になることから、変更許可申請は、平成10年10月ごろを予定しておるところでございます。この飛行場施設変更許可申請に係る公聴会の開催につきましては、国の所管であり実施時期につきましては現在不明でございますが、他空港の事例を見ますと、おおむね申請から2カ月程度で開催されているようであります。
 次に、空港整備についての環境影響評価についてでありますが、運輸大臣の通達により、滑走路を500メートル以上延長する事業であって、かつ延長後の滑走路長が2、500メートル以上になる場合に環境影響評価を実施することとされております。したがいまして、花巻空港拡張整備事業はこの対象事業に該当しておりますことから、環境影響評価を行うこととしております。評価の項目でありますが、具体的には、騒音や大気汚染、水質汚濁等の公害の防止に関する評価や、地形、地質、動植物等の自然環境の保全に関する評価となっております。この環境影響評価に関する作業につきましては、空港整備事業の早期実施を目指し、平成7年度から現地調査に取り組んできたところであり、平成10年度に環境影響評価準備書の公告縦覧等の手続を行い、その後、環境影響評価書を作成することとしております。
 次に、地方空港整備特別事業についてでありますが、事業費につきましては、大蔵省の平成10年度予算内示で決まるものと認識しております。
 また、公共事業費削減の影響でありますが、平成10年度に向けた国の整備方針は、拠点空港の整備を優先することとし、地方空港の整備は縮減の方向にあることから、花巻空港拡張整備事業が国の予算に盛り込まれるかどうかにつきましては大変厳しく、いまだ予断を許さない状況であると考えており、今後なお一層の努力が必要であると考えております。
 次に、用地買収の具体の交渉の時期でありますが、大蔵省の予算内示があった場合、それ以降に地元花巻市と協議の上、関係地権者の方々の御意見を伺いながら、本格的に取り組みたいと考えております。
 次に、花巻空港拡張計画と関連事業の取り組みでありますが、議員の御提言のとおり、関連事業は関係自治体等と緊密な連携のもとに一体的に推進すべきものと考えております。そのため、土木部内に空港に関する事業との連絡調整を目的とする会議を設置したところでありまして、今後、この会議を軸として調整を図り、各事業の円滑な推進を図ってまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕

〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) 産業集積活性化対策事業の展開についてでありますが、まず本県における産業の空洞化の状況につきましては、工業統計調査結果等によりますと、ここ数年、工業出荷額や企業立地件数の伸び悩みなどが見受けられ、間接的な影響を受けているものと考えております。
 また、本年6月に岩手県中小企業振興公社が実施した県内下請企業を対象としたリストラ関連調査によりますと、親企業によるリストラの影響として、発注量の減少、コストダウンの要請、多品種少量生産の要請などが挙げられているところであり、下請企業を取り巻く環境は厳しさを増してきているところであります。
 次に、地域産業集積活性化対策の具体的な支援措置につきましては、去る9月5日に承認された北上川流域基盤的技術産業集積の活性化に関する計画では、国の支援施策の積極的な導入を図りながら、県工業技術センター、財団法人岩手県南技術研究センターの研究開発機能の強化を初め、花巻市起業化支援センターの貸し工場の増設など、産業基盤の整備とともに、新製品、新技術に係る研究開発や産学官の交流、連携などを推進することとしております。
 また、企業活動の円滑化を図るための道路整備もあわせて促進していくこととしており、本地域の骨格道路であります国道4号の花巻東バイパス、水沢東バイパスなどの整備促進とともに、本地域の産業集積と釜石港等を結ぶ国道283号や、東北横断自動車道釜石秋田線の仮称花巻東インターチェンジと花巻空港を結ぶ県道であります仮称花巻空港線等の調査や事業の促進を図ることとしております。
 県といたしましては、このたびの地域産業集積活性化対策の導入を契機といたしまして、企業誘致活動の積極的な展開はもとより、地域技術を活用した研究開発の推進や新規産業の創出を図りながら、本地域に集積している電気機械、精密機械、さらには、輸送用機械を中心とする物づくりの基盤を確立していくとともに、こうした北上川流域地域の工業集積の効果を広く県北、沿岸地域など、全県に波及させてまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕

〇生活環境部長(吉田敏彦君) まず、事業所の廃棄物処理の現状と指導方針についてでありますが、商店や事務所などに係る事業者の一般廃棄物については、主として市町村のごみ処理計画に沿って収集され、市町村の焼却施設で処理されているほか、一部は小型の焼却炉などにより自家処理されております。
 また、工場などに係る事業所の産業廃棄物につきましては、事業者がみずから、または委託によりその処理を行っております。このような事業者が設置している許可施設に対しましては、保健所において立入検査等により指導を行っておりますが、本年度においては、これまで特に完全燃焼できるよう施設の維持管理指導を行っているところであります。今後は、8月に改正されました大気汚染防止法及び廃棄物処理法施行令等に基づき、ダイオキシンの排出をできるだけ早期に抑制するよう指導してまいります。
 次に、一般廃棄物の廃プラスチック類の分別収集の徹底についてでありますが、廃プラスチック類のうちのペットボトルにつきましては、本年4月にリサイクルできる仕組みが整ったところであり、平成12年からはその他の廃プラスチック類についてもリサイクルの仕組みが整うことになっておりますので、分別収集計画の策定等、事前の取り組みについて市町村を指導してまいる考えであります。
 さらに、産業廃棄物の廃プラスチック類の処理については、現在リサイクルの仕組みはありませんが、一般廃棄物と同様リサイクルが望まれます。一方、熔融するとした場合、搬入量や採算性の確保に課題があり、減容処理について、県としてどのような対応が望ましいか、関係者と連携をとって研究を進めていきたいと考えております。
 次に、2、4、5-T系除草剤の埋設処分についてでありますが、昭和59年から61年にかけて、青森営林局や地元市町村などとともに、県内の20カ所の埋設処分地を調査し、林野庁の通達に従った処分であったことを確認した経緯があります。その後、青森営林局から管理状況について定期的に報告を受けていたところでありますが、相当の年数が経過したことなどから、県としては、去る9月11日に、御所湖に近い4カ所の処分地について、改めて保全状況を調査したところであります。その結果、いずれの処分地も外観上は当時と変わらない状況にあることを確認いたしており、引き続き、10月中をめどに残りの16カ所を調査することとしております。
 なお、外観調査のみでは不十分との指摘もあり、県民の不安を解消するため、埋設処分地等のダイオキシン調査の実施も含め、青森営林局に口頭で要請しているところであり、今後は営林局と連携をとりつつ、その対応状況を踏まえ、適切に対処してまいる考えであります。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕

〇農政部長(中村盛一君) まず、農業用廃プラスチックの適正処理対策についてでありますが、県は、農業用廃プラスチックの増加に適切に対処するため、農業団体、農業フィルム商業会、産業廃棄物協会などと県農業用廃プラスチック適正処理協議会を設立し、先進事例や処理技術の調査研究などを実施するとともに、指導指針を策定し、圃場などでの焼却や不法投棄を行わないよう、意識啓発に努めてきたところであります。
 お尋ねの広域処理施設につきましては、資源の再利用や環境保全の観点から対策の一つと考えられますが、回収システム、再利用の方法、採算性など課題も多いことから、引き続き適正処理協議会等の場で検討を重ねていく必要があると考えております。したがいまして、当面は、農家における廃棄物処理法に基づく適正な処理や専門業者への委託処理について、一層の指導、徹底を図ってまいる考えであります。
 次に、新基本法の制定に向けた県の取り組みについてでありますが、国におきましては、食糧・農業・農村基本問題調査会の最終答申を経て、10年秋の国会に法案を提出すると伺っております。
 県といたしましては、これまでも政府予算要望を通じ、農業、農村政策の目標を明らかにした新基本法を早期に制定するよう、国に要望しているところであります。平成9年度に入り、基本問題調査会の具体的検討が開始されましたことから、本県としての要望事項等について検討するため、4月に新基本法に向けた岩手県農業・農村対策検討会議を農政部内に設置し、国民への食料確保と安定供給対策、経営体の育成と地域農業の振興対策、中山間地域を含む農村地域の活性化対策等について検討を進めているところであります。今後、岩手県農政審議会など、県内各界各層の意見を伺いながら、本年度末までには報告書として取りまとめ、これらを踏まえ、本県が将来にわたって我が国の総合食糧供給基地として発展していけるよう、あらゆる機会をとらえて国に働きかけてまいる考えであります。
 次に、自主流通米の価格低落対策についてでありますが、この自主流通米価格の動向を県産米について見ますと、昨年は7%の下限に張りついたところであり、先般の入札でも、全国と同様、基準価格を9・3から9・4%下回る水準で取引され、この2年間で16%を超える値下がりとなったところでありまして、極めて残念に思っているところであります。こうした価格低落は、370万トンもの大幅な在庫が要因と考えられますので、まずもって、現在の在庫につきまして、飼料用や加工用に仕向けるほか、できるだけ海外援助に回すなど、国においてその縮減対策を講じ、供給過剰状態の解消を図ることが緊要であります。また、稲作農家の経営安定を図るため、生産者に価格差補てん金が交付されるような制度を創設していただく必要がありますので、これらのことについて、国に強く要望しているところであります。
 県といたしましても、農地の利用集積や機械の効率的利用を促進するとともに、高収益作物や麦、大豆等の土地利用型作物の導入、拡大による転作営農の定着化に向け、一層指導を強化してまいる考えであります。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕

〇教育長(細屋正勝君) 学校におけるごみの処理についてでありますが、教育委員会では、文部省からの通知を受け、去る8月4日に各市町村教育委員会に対し、適切なごみ処理の徹底を図るよう通知したところであり、その趣旨は十分徹底されていると認識しております。現時点で、校内ごみの焼却処理の廃止を決定した市町村は12市町村で、学校数は198校と把握しております。
 次に、学校内におけるごみ焼却処理の廃止についてでありますが、県立学校については、さきの県立学校長会議でごみの適正処理について徹底を図ったところであり、今後、ごみの減量化及び分別収集、リサイクル等の一層の推進を図るとともに、順次、校内における可燃ごみの焼却処理の抑制、廃止に努めてまいりたいと考えております。
 また、市町村立学校につきましても、できるだけ早期にごみの焼却処理の抑制、廃止を実施するよう市町村教育委員会を指導してまいりたいと考えております。

〇24番(久保田晴弘君) それぞれ御答弁をいただきました。理解をできる部分おおむねでありますが、次のことについて改めて御質問いたしますので、農政部長、よろしくお願いします。
 当該委員でありますからしつこくやりませんが、次のことについてお伺いします。
 8月26日に当時の藤本農林大臣は、米の政策の再構築を総合的に進めたいという考えを述べておるわけであります。政府の備蓄制度と減反政策を見直すという趣旨の発言であったという理解をしておるのでありますが、つまり、生産調整や減反の強化、減反助成金の給付基準の見直しをその中で示唆したと私は理解するのでありますが、そのように受けとめていいでしょうか。これ以上の減反は限界だと知事も言っておるわけでありますが、米の在庫がこれ以上膨れ上がっては、そして減反しても価格が低落するという状況では、何としても別な対策を講じないと何ともならないという時期だと思います。結局、減反の強化と悪循環を繰り返すようなことでは、もう農民のやる気を失うことにしかならない。ここに歯どめをかけることが今一番必要なことではないかと思うのであります。したがって、私は、常々言っていることでありますが、主要食糧の自給率を高めるために、米の生産に見合う価格保証をもって麦や大豆をつくるべきだと言っておるのでありますが、そのことについて御所見を伺いたいと思います。
 あわせて、地力増進、有機栽培、基礎的な土づくりが最も大事だと思うのでありますが、それらの助成措置も講ずるべきではないかと思うのでありますので、お伺いいたします。
 最後ですが、過剰在庫の一因となっているのは輸入米の結果ではないかという指摘もあるわけですが、輸入米の状況についてこの際伺っておきます。
 輸入されておるミニマムアクセス米は一体どのように市場に流通をしているというふうに見ておりますか。その処理されている対応についてお伺いし、現状の取り組み状況についてお知らせをいただきたい。
 以上の点で再質問をさせていただきます。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕

〇農政部長(中村盛一君) まず、自給率の低い麦、大豆の作付推進をしてはどうかというお尋ねでございますが、米の潜在生産力が需要を大幅に上回っております中で、転作の定着化によります体質の強い水田農業の確立が急務であると認識しております。したがいまして、転作田の高度利用に向けまして、特にもお話がございました国内自給率の低い麦、大豆等につきまして、これらの作物の導入拡大を図って、転作営農に向けた支援策を講じるということが必要であるというふうに考えております。したがいまして、先般、国に対して新しい米政策の構築に際して要望した際につきましてもこのことを申し上げておりますし、今後におきましても重ねて要望してまいりたいというように考えております。
 それから、ミニマムアクセス輸入米がどのように取り扱われ、あるいは流通しているのかというお話でございます。
 まず、ミニマムアクセスの輸入米につきましては、国産米の需給に影響を及ぼすことがないよう、価格的に国産米で対応が難しいみそ、しょうちゅうなどの加工用や海外援助などに向けられていると伺っているところであります。この輸入米の需給状況について見ますと、平成9米穀年度、これは平成8年の11月からことしの10月までなんですが、8米穀年度からの繰り越しがおよそ31万トン、そして、さらに輸入分が51万トンの、あわせまして82万トン、そのうち、現在のところ加工用としまして28万トン程度、さらに海外援助に10万トン程度が向けられるという見通しでございますので、残り44万トン程度が10米穀年度に繰り越しされるというふうに伺っているところでございます。

〇議長(那須川健一君) 次に、三河喜美男君。
   〔27番三河喜美男君登壇〕(拍手)


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