平成10年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成10年3月16日(月)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕

1説明員
生活環境部長 吉田敏彦
生活環境部次長 小笠原 佑 一
総務生活課長 千田雅嗣
交通安全対策監 坂林則夫
文化国際課長 瀬脇 一
青少年女性課長 千葉和子
環境整備課長 中村一夫
環境保全課長 名須川 定 男
自然保護課長 中村世紀
 
保健福祉部長 緒方 剛
保健福祉部次長 菅原哲夫
保健福祉部次長 高橋洋子
保健福祉課長 長山 洋
地域福祉課長 今井 明
長寿社会課長 千葉清夫
障害保健福祉課長 祝田 敬三郎
児童家庭課長 舘 満弘
保健衛生課長 宇佐美智
国保援護課長 佐藤国洋
保険課長 山下賢二
国民年金課長 男鹿敏昭
 
財政課長 千葉 弘
   

〇折居委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第4号から議案第24号まで、議案第32号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号、議案第49号、議案第50号及び議案第53号、以上34件を一括議題とする。
 本日は、生活環境部、保健福祉部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いする。
 最初に、生活環境部長から生活環境部関係の説明を求める。

〇吉田生活環境部長 生活環境部関係の平成10年度当初予算等について御説明申し上げる。
 まず、議案第4号平成10年度岩手県一般会計予算についてである。議案その2の6ページをお開き願う。
 生活環境部が所管する予算は、3款民生費のうち、2項生活文化費の14億7、419万8、000円と、7ページの4款衛生費2項環境衛生費52億7、354万9、000円のうち48億5、203万8、000円で、総額63億2、623万6、000円である。これを前年度当初予算額に比較すると、6億9、300万円余、12・3%の増となっておる。
 県全体の一般会計予算額が3・8%のマイナスという厳しい状況の中でこのような伸びとなったのは、環境の保全と創造、文化振興や国際交流の推進、ボランティア活動の支援などについて積極的に措置したところで、特に環境部門に重点的に取り組んだところである。
 以下、予算の内容について、予算に関する説明書により御説明申し上げる。お手元の予算に関する説明書の123ページをお開き願う。
 なお、金額の読み上げは省略し、新規事業など主な事業を中心に説明させていただくので、御了承お願いする。
 3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費は、職員の人件費等の管理運営費、消費生活協同組合の育成、指導等を行う消費生活協同組合等育成事業費、文化振興の基本方向を示す文化振興指針策定費、ボランティア活動を側面から支援するボランティア活動支援事業費等である。2目交通安全対策費は、市町村が交通指導員を設置する経費に対する補助を行う交通安全指導費、124ページに参って、交通安全意識の高揚を図るため、新たに、啓発手段として効果が高いとされるテレビ等を活用したキャンペーンを実施する交通安全キャンペーン推進費が主なものである。3目国際交流推進費は、国際化の進展に対応し、本県の国際交流の推進を図る国際交流推進費、海外移住者への援護や技術研修員の受け入れなどを促進する国際協力推進費などである。125ページに参って、4目青少年女性対策費は、青少年を取り巻く環境の浄化等を図る青少年のための環境浄化対策費、男女共同参画社会の形成に向けた意識啓発を推進するいわて女性さわやかプラン推進事業費、いわて青年海外セミナー、女性洋上セミナー、少年洋上セミナーの3セミナー事業、また、いわてユースボランティア促進事業費は、平成9年度に開催した国際青年の村'97で培われた県内青年や在住外国人の交流等を深めることにより、ネットワークの拡大等を図ろうとする事業である。
 ページを飛んでいただいて、139ページである。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費は、環境関係の職員の人件費等の管理運営費、本県における資源循環型社会の構築を目指すため、国連大学が提唱しておるゼロ・エミッション全国ネットワークへの加入及び廃棄物再生利用のための調査等を実施するゼロ・エミッション構想推進費、総合的な環境施策を推進するための環境基本計画策定費等が主なものである。140ページをお開き願う。3目環境衛生指導費は、141ページに参って、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金の貸し付け、液状産業廃棄物である酸、アルカリ及び廃油を処理するための設備に対する補助等を行う産業廃棄物処理モデル事業推進費、廃棄物の焼却に伴うダイオキシン類の発生を抑制するための排出実態調査、廃ビニール類の再生利用に関する可能性調査等に新たに取り組むごみ処理適正化推進特別事業費、市町村が国庫補助を受けて実施する簡易水道等の施設設備に対し、県費のかさ上げ補助を行う簡易水道等施設整備費補助、生活排水による水質汚濁を防止し、生活環境の保全を図るため、県内全市町村を対象として補助を行う合併処理浄化槽整備費補助が主なものである。4目環境保全費は、公害防止施設の整備資金として中小事業者に資金提供を行う公害防止施設整備資金貸付金、142ページに参って、環境アセスメントの制度化を図るための環境影響評価制度推進費、環境中におけるダイオキシン類等の化学物質の実態調査、地球温暖化を防止するため、フロン回収等を推進する化学物質環境対策費が主なものである。5目自然保護費は、陸中海岸国立公園内における自然歩道の案内標識等を整備するシーサイドウォーキングロード整備事業費、十和田八幡平国立公園、栗駒及び早池峰の両国定公園並びに県立自然公園内の登山道、案内標識等を整備するふれあいトレッキングロード整備事業費、岩手山8合目の避難小屋等の整備を行う自然公園山岳施設リフレッシュ整備事業費が主なものである。143ページに参って、6目鳥獣保護費は、鳥獣保護員の設置、狩猟免許試験等、狩猟の適正化を図るための鳥獣行政運営費、絶滅が危惧されるイヌワシの保護、ツキノワグマの適切な保護管理を行うための野生生物保護管理特別対策事業費が主なものである。なお、括弧書きの公害対策費は整理科目である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。議案その2に戻っていただいて、11ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為のうち、5及び6が生活環境部所管に係るものである。環境事業団が財団法人クリーンいわて事業団に融通した資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償については、財団法人クリーンいわて事業団が廃液処理設備を整備するために環境事業団から借り入れる資金についての損失補償を行うものであり、また、公害防止施設整備資金の融通に伴う利子補給は、中小事業者が国民金融公庫等から融資を受けた場合に利子補給を行うもので、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 引き続き、予算に関連した議案について御説明申し上げる。議案その3の27ページをお開き願う。
 議案第40号浄化槽の保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例である。これは、浄化槽保守点検業者の登録申請に係る手数料の額について、人件費及び諸経費の増加などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 以上で生活環境部関係の説明を終わらせていただく。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇村田委員 冒頭の御指名をちょうだいして恐縮しておるが、まず、早池峰の自然環境保全の対策については、このたびの議会の冒頭、一般質問で私からもいろいろとただしたところであるけれども、各論の部分について若干承りたいと思っておるわけである。
 早池峰の持っている自然環境というのは、御承知のように4億2、000万年のシルル紀、あるいはまた2億7、000万年にわたる白亜紀と、我が国にも珍しい、ほとんど日本国土の根源と言ってもいい存在である。そしてまた、隣接して、小田越道路をまたいで花崗岩台地である、丘陵地である薬師岳があるということで、植物生態あるいはまた動物生態学的に見ても非常に特異な存在であると。両様相まって昭和57年に国定公園になった。国定公園にはなったが、その前に既に特別天然記念物の指定あるいはその他の各種網がかかっておるということで、非常に規制の厳しい、我が国においては突出する珍しい、国民の一つの守るべき、保全すべきあらゆる義務がかぶさっておるということであるが、その早池峰の現状としては、登山客の流入が大変激しい。一方、主要地方道盛岡紫波川井線という存在があって、一般公共道路としての機能からいうと流入する観光客を規制するという手だては、今、見当たらないという状況の中で、県当局は、今までも駐車場の新設、また、それに伴う交通規制あるいは道路管理上のいろいろなことにも取り組んでおられたところであるが、いまだに不安感が残っておるという状況である。お聞きすると、このたび、登山客の便を図る、そしてマイカーに遠慮してもらうという前提として、シャトルバスを導入して道路規制に一歩踏み込もうということを計画しているのだということをおっしゃっておるわけであるが、その具体的な手だてとしてはいかがな状況に置かれておるのか。
 一つは、公道をすべて遮断するということにはちょっと問題があるのではないかと思うが、その辺の御見解をお聞きしたい。
 それから、公共の道路であるから通過をさせることはやむを得ないのではないかと思うが、その場合行政指導はどういうふうになるのか。
 それから、シャトルバスを導入する場合に、発着点、これをどのように考えておられるのかということである。
 そして、マイカーを行政指導によって乗り捨てるということになると駐車場が問題になると思うが、その駐車場の状況は、最近落合ダムの関連でできた岳の起点の部分については若干広い駐車場の確保ができたようであるが、車両を入れるスペースとしてはそこだけでは大変困難である。この点について、どの程度の駐車場の確保が可能であるか、台数はいくらであるかということなどもお聞きしたいと思う。
 それから、早池峰は、私が町長時代、昭和38年だったと思うけれども、私の提唱で早池峰をみんなで守ろうではないか、早池峰を観光的な立場で何とかもう少し宣伝しようではないかという考え方から、早池峰観光協議会というものを設置した。それが今日までいろいろな役割を果たしてまいったわけであるが、遠野市と川井、大迫、この3市町村によってスクラムを組んできたということであるが、事務局は遠野市に置かれておって、すべて遠野市の采配の中で今日まで協調してやってきたけれども、この道路規制ということを導入すると、当然三つのルート、川井口、そして荒川出口、川井の方はタイマグラとかそういうところになると思うけれども、あとは遠野側から参って附馬牛、大出から入ってきて又一の滝、あるいはまた荒川の高原を経て主要地方道につなぐ、こういうルートがあるわけである。そのうちの大迫口が大体登山者からいうと80%ぐらいなのかと思うが、川井と遠野と大迫の三つが協調して取り組まないと効果が出てこないのではないか。その観光協議会を通じて地元の市町村の対応はどのようなことになっておるのか、県はどのように踏み込んで指導しておられるのかということである。
 それから、早池峰に関係して、冒頭申し上げたように、国定公園を初めとする各種規制の網がかぶさっておるわけであるが、どういう条例あるいは法律等の規制が入っておるのか、この機会に改めてお聞きしておきたい。あわせて、薬師岳についてもお聞きしておきたいと思うわけである。
 最後に、し尿処理の関係については昨年から論議のあったところで、各委員からも強く御指摘のあった事項であるが、お聞きすると、まず、岩手山から始めようと、こういう新年度の対応のようであるが、早池峰はいつ、どのようなことになるのか。いずれこれらの問題は大変困難な条件を伴うことではあろうが、取り組みの方向についてこの機会に承っておきたいと思うわけである。
 以上、まとめて申し上げたので、逐次お答えをいただきたいと思う。

〇吉田生活環境部長 早池峰の登山者のマイカーによる交通混雑の問題であるが、やはりシーズンにおいては相当ひどい状況になっているということで、鋭意取り組んでいるところである。ことしの登山シーズンまでには何とか解決したいという方向で取り組んでおって、見通しはある程度ついているということである。おおむね大枠はまとまっている。
 交通遮断をするということについては、主要地方道であるので、これを遮断するということはやっぱりやるべきではないと考えておって、ただいま関係部と調整しておって、遮断はしない方向で取り組んでいるところである。いずれにしてもシーズン開始前までには解決を見るように取り組んでまいりたいと存じておる。
 具体的事項については中村自然保護課長から答弁させる。

〇中村自然保護課長 まず、早池峰の峰越えの主要地方道紫波川井線の取り扱いであるけれども、ただいま部長からお答え申し上げたように、全部遮断することはしないということで考えておって、バスによる代行輸送を考えておるが、早池峰山あるいは薬師岳への登山を目的とする方の車両のみを対象にしたいと考えているところである。
 次に、シャトルバス−−代行バスの発着点として考えておるところは、一つは大迫側であるけれども、岳地区、それから早池峰ダムの地区を考えておる。おおむね400台程度の規模の駐車場が必要ではないかと思っておるが、1カ所にまとめて400台を収容できる駐車場が現在ないので、分散した形にはなるけれども、両地区で400台ベースの駐車スペースを確保したいと考えておる。それから、遠野、川井側であるが、現時点では早池峰山の東側、これは川井村内に馬止地区というところがあるが、そちらの方を確保したいということで現在折衝をしているところである。こちらの方については、おおむね50台規模の駐車スペースが必要であろうと考えておる。
 次に、早池峰観光協議会を初めとする地元市町村との関係についてであるけれども、市町村との連携については、三つの市町村、それから、これらを所管する地方振興局あるいは警察署、それから、国の機関だと営林署等もあるが、これらの機関、さらにはこれらの本庁に当たる庁内の関係部と昨年の秋以来いろいろ個別に意見交換を行ってきておる。最近では本年の2月、それから今月も関係者による検討会を開催して、具体的な実施方法の検討を行っているところである。今後も必要に応じて関係者による連絡会議を開催して、一体となった実施に努めてまいりたい、このように考えているところである。
 それから、早池峰山及び薬師岳についての関係法令の規制についての御質問があったが、まず、自然公園法による国定公園の特別地域ということで指定をされておる。それから、鳥獣保護及び狩猟に関する法律の鳥獣保護区の特別保護区という指定もされておる。さらにそのほかに、御指摘のあった文化財保護法によるところの国指定の特別天然記念物としても指定をされておる。さらには、林野庁の指定であるけれども、森林生態系の保護地域という形にも指定をされておって、このようないろいろな規制というか、指定がなされておるところである。
 このようないろいろな規制がなされている地域であるので、これらも踏まえて関係機関による検討会議を行っておるわけであるけれども、この検討会議には関係3地域の営林署、さらには県の本庁の土木部、警察本部の関係課にも参画していただいて、交通緩和策に一体として取り組んでいくように意見交換を行っているところである。
 次に、トイレのし尿処理についてのお尋ねであるが、早池峰の山頂トイレについては、やはり早期に整備したいと考えておるけれども、国庫補助の導入を目指しておることから、現在のところ、平成10年度については岩手山8合目の避難小屋を国庫で整備をしたいと思って国に要望しておる。それとの関係があって、平成11年度に国庫補助を導入して整備をするように努めてまいりたい、このように考えているところである。

〇村田委員 今、12年とおっしゃったか、平成11年であるか。

〇中村自然保護課長 早池峰については平成11年度に国庫補助を導入して整備をしたい、このように努めてまいりたいと思っておる。

〇村田委員 後で結構であるが、こういう施設のし尿の処理に対して国庫補助という制度が実際あるわけなのであろうが、それは後で説明をしていただきたいと思う。
 今の御答弁の中身で、非常に積極的に、今度こそ実現しようという意気込みが感じられて大変力強いわけであるが、ゲートが川井側にもあるし大迫側にもある。そのゲートを冬場には閉めて車の入ってくるのを規制しておるわけであるけれども、冬期間スノーモービルなどがどんどん入り込んで木の肌を荒らしておったりして、あのゲートが全然役に立たない。冬期間、行政指導の中で何らかの規制も必要かと思うが、御所見を承っておきたいと思う。
 それから、魅力のあるオートキャンプ地として知る人ぞ知るということで入ってくるおそれがある。今までも入っておる傾向があるが、まだはやっていないようであるからそう大きな問題ではないが、今度、インターハイで笠詰園地を県の御指導で整備されるわけで、その辺にオートキャンプ地としてどんどん入って利用されるおそれもまた、おそれと言うべきか歓迎すべきか、その辺を思い悩むわけであるけれども、これは県の観光行政としての考え方にもなるかと思うが、そういう現実であるということについても御所見を承っておきたいと思うわけである。
 今の自然保護課長の御答弁を聞くと、国、県、市町村それぞれの厳しい規制のあるところなので、それらの規制を担当する部局、あるいはまた営林署等々もあるわけであるし、市町村もあるわけであるが、その調整ということが大変問われてくるわけである。したがって、その調整の窓口は自然保護課が担当なさるということなので、その責任が非常に重いわけであるが、それらの検討会というものをどんどんなさっておられるようであるけれども、現実的に、例えば道路を通すという場合は運輸省の関係、陸運の関係、道路構造の問題がよければ自由に観光バスでもどんどん入っていいと許可することになるだろうと思うけれども、しかし一方、行政的にそれを指導して入らないようにしなければならないということでもあるわけで、駐車禁止させなければいけない。今度はこれを取り締まらなければならないということになると公安の方の意見もあるだろうと思う。その辺については、自然保護課が窓口であるとなった場合には厳しい姿勢で御協力を願うように、なお一層の指導力を発揮していただかなければならないと思うが、そのお考えをお聞きしておきたいと思う。
 例えば立山黒部アルペンルートのように、一定の契約しておる公共的な交通手段、そういうものしか許可しない。一定のバス、それからトロリーバス、それからロープウエーというものしかあそこは交通機関がないわけである。一般のマイカーはシャットアウト、こういうことになっておる。また、南アルプスの方の北上高地の方は入山料というものを取って、そして規制をしておる。マイカーからは入山料を取る、そういったようなことを聞いておるけれども、八幡平有料道路、それから浄土ケ浜の有料道路、平成6年だったか7年だったか、企業局の有料道路を廃止した。そして、無料にした。その時点で早池峰と八幡平等の有料化ということが話題になったわけであるが、一部八幡平方面の入山規制というか、有料化がなされておるわけであるが、いまだに早池峰は有料化というものがなされておらないわけで、有料化も視野に入れて入山規制というものをしないと根本的解決には至らないのではないか。前向きに検討するというお言葉はその当時あったけれども、それは実現しておらないということであるから、これもあわせてお聞きしたいと思う。

〇中村自然保護課長 まず、国庫補助の中身についてという御質問であるが、今、導入したいと思っておるのは、環境庁が所管をする自然公園等施設整備事業費補助という補助金があるが、これを導入したいと考えているものである。現在、補助率は2分の1ということになっているものである。
 それから、冬場に閉めるゲート、これを無視してというか、破ってスノーモービルが入り込むということについてのお尋ねがあったけれども、これについては決して好ましいことだとは思っておらない。ただ、自然公園保護管理員が公園の管理を行っているわけであるけれども、夏場主体の配置になっておることから、冬場については手が回らない部分も正直申し上げてある。それらも含めて、今後、御指摘のようなことのないように、いろいろ検討をして手だてを講じてまいりたいと考えておる。
 次に、いろいろな法的規制に係る現実的な調整の問題についていろいろあった。決して自然保護課が調整の担当ということに定まっているものではないけれども、自然公園の管理、国定公園の管理という事務を所掌しておる関係上、関係課と連携をとって対応していくという考え方で進めているものである。
 バスの問題であるが、確かに委員御指摘のとおり、例えば道路構造の関係で、線形的に狭い部分があって大型バスでは陸運局の路線運行の免許が取れない区間も一部あるようである。そうすると、当然その前提となる警察の運行の承認も取れないという形になるけれども、先ほど部長から申し上げたように、今年夏のシーズンから何とか交通緩和に積極的に対応したいという考えである。道路の拡幅も一朝一夕にはできない問題もある。規制の問題もあるし、物理的な時間的な問題もある。それやこれやがあるものであるから、現在、関係者の連絡会議で調整を図っておるけれども、通れるバスにしようと。バスにもいろいろあって、大型のものは幅員の関係で許可にならないけれども、許可になる程度の中型というか、路線バスでも中型のものがある。そういうものを使ったらいいのではないかというような方向で、今、関係者で話が進んでいる、そういう方向で検討がされているという状況である。
 それから、駐車場の有料化の問題があった。それから、オートキャンプ場の整備のお話もあったわけである。御指摘のように、現在、美化管理財団というところが八幡平山頂の駐車場を管理して有料パーキングをつくっておる。よって得たところの収入で八幡平地区の公園の美化活動を推進する、植生復元等をやるというようなことをしておるわけである。これを早池峰あるいは浄土ケ浜地区にもというお話がかつてあったわけであるけれども、これについては、やはり地元の方々の御理解をいただいた上で進めるべきものだと考えておって、地域の皆様の合意が得られない段階で、例えば県なり、あるいは環境庁なりが押し切るような形で進めるというのは適切なやり方ではないと考えているものである。

〇折居委員長 村田委員に申し上げる。質疑は簡潔に、ひとつよろしくお願い申し上げる。

〇村田委員 有料化については確かに懸案になっている事項だと思うので、これはどうしても不可能であるということであればやむを得ないことであるが、しかし、今おっしゃったように地元住民の合意とか、いろいろなコンセンサスが得られれば、これは非常にいい方法だと私は思う。有料化というのは、道路とか駐車場の有料化ではなくて、入山をして、みんなで手入れをして管理している地元の、あるいは県も含めて、そういう不特定多数の国民が入ってきてその景観を見る、そして登山を楽しむということであるから、それに対する共通の負担、共通の管理負担という考え方の精神でいけば、これは国民の税金の二重取りにはならないのではないか、こういう理論も成り立つと思うので、御検討いただきたいと思う。
 最後であるけれども、道路交通法上あるいは道路構造上、大型バスは乗り入れられない構造であるとするならば、現実に入ってきている大型観光バス、非常に巨大な観光バスがどんどん入ってきておる。そして回転できないで困難しておるということもあるので、そういう大型バスというものについては、やはり交通法上入っていけないとするならば、それを周知させる手だても必要ではないかと思うので、その点についてもJRあるいはまた観光業者、その他については徹底していただくようにお願いをしたいと思うものである。
 以上、要望して終わる。

〇菊池(雄)委員 二つお尋ねをするが、一つは、フロンガスの処理について、国の補助事業として民間業者が今行っているわけであるけれども、この補助事業は今年度で終わりになるわけである。平成10年度以降はどうするのかというのが第1点である。
 第2点、現在、東北では福島に2カ所、秋田に1カ所フロンガスの破壊処理業者があるけれども、処理能力が小さくて、市町村は回収したフロンガスを専用の保存容器で保管をして待機している、こういったようなことが二、三年前に言われておったが、現状はどうなっているのか。
 関連するけれども、昨年11月に岩手県はフロン回収等推進協議会を設置しておるようであるけれども、これは何をやろうとしているのか。
 第2に、予算書の142ページに来年度予算環境保全費に化学物質環境対策費2、100余万円を計上しておる。これはフロンガス問題と関連していると思うけれども、これは具体的に何をやろうとしているのか、このことをまずお尋ねする。

〇名須川環境保全課長 フロンガスの処理についてであるが、破壊に伴う実証試験を東北では福島、それから秋田、2県の処理場でやってきておる。今、補助事業でやっておるが、これについては今年度で一応終わるということである。
 それから、昨年の11月に設置した岩手県フロン回収等推進協議会、この目的である。この協議会でやろうとしていることは、一つは、フロン回収協力店制度導入というか、協力している店、こういったところにステッカー等をつくって店頭に張ったり、そういう積極的な協力を求めていくということが一つある。それから、県民の方々への啓発普及ということも行いたいと思っている。それから、スクラップを扱っている業者の方、こういったところにフロン回収設備を整備していただくための補助をしたい。それから、今、フロンは他県、福島とか秋田とか、そっちの方に持っていって破壊しておる。こういったものを本県でできないのかということが一つあって、釜石の溶融破壊というか、そういった市の清掃施設がある。そういったところで破壊処理の実証試験をやりたい、そのように思っておる。
 それから、化学物質環境対策費の内容であるが、一つは、委員がおっしゃったフロン回収等システムの確立を推進するということがある。それから、ダイオキシン類の環境モニタリング事業ということを考えておる。これは、県内都市とか、それからダイオキシンを発生する発生源、そういう地域、それから汚染されていない地域、この三つの地域それぞれ2点、計6地点、こういうところでダイオキシンの環境残留の実態調査を行いたいということである。
 それからもう一つは、化学物質環境汚染防止対策ということで、県内の事業所においていろいろな化学物質を使用しているわけであるが、そういった使用状況調査、そういうこともやりながら県内のいろいろ化学物質に対しての今後の対策、そういうものを考えてまいりたい、そのように思っておる。

〇菊池(雄)委員 釜石の溶融炉で試験をするということについて、私は特に誘致しようなどという意図で申し上げているつもりはないが、やっぱり今、我々も溶融炉というのはゼロ・エミッションのステップではないかと、そんな考え方をしているので、ぜひ実りのある実験をするようにしていただきたいと思う。
 それから回収について、一般家庭は市町村がやっている。それから民間事業者は事業者がやることになっているが、特に民間事業者は完全に回収をやっているのかどうかとかいろいろな疑問が持たれている。不法投棄も時々問題になっている、こういったようなことであるが、県の状態はどうか。

〇名須川環境保全課長 先ほど御説明した設置した協議会であるが、この協議会の中に参画されている業界の方々、カーエアコン関係業界、業務用冷凍、空調業界、それから、消費者団体、市町村はもちろん入っておる。こういった協議会の中で、会員としてその辺の理解をお互いに十分しながらフロン回収を進めていくというのが協議会設置の大きな目的である。そういったものを通じながら、不法投棄、そういったものを防止してまいりたい、そのように思う。

〇菊池(雄)委員 県の方で出した平成8年度フロン回収等に関する調査結果についてという資料を見ると、県では各自治体の実態については把握しておるが、各事業者、カーエアコンや業務用冷凍庫、空冷等については、フロン回収への取り組みを要請しているが、回収量等の実態は把握していない、こう書いてある。今、お話あったように、実態を把握していないと私も思うけれども、しかし、今、ダイオキシンの問題があってフロンガスというのは隠れているけれども、やっぱり地球の温室効果とか、あるいはオゾン層の破壊という地球的規模の環境破壊にフロンガスというのは非常に有害な物質であるということは世界的にも明らかになって国際的な条約も結ばれていると、こういうことであるから、もっと厳しい態度でフロンガスの問題については臨んでいただきたいということを要望しておく。
 それから、廃棄物の最終処分場の寿命が全国的に、それから本県でも余命幾ばくもなくなってきている、こういうことがこの間も報告されているわけである。この問題を解決するにはゼロ・エミッションだと。これは非常に難しい問題であるけれども、追求していかなければならない大きな課題であると、こう思う。ゼロ・エミッションの前に、そのステップとしてまず当面やるべき課題はリサイクルの追求、そして焼却炉から出る集じん灰を少なくする、そして最終処分場の寿命を長くしていくということを考えないと、新しい処分場を金をかけてつくろうとしてもいろいろ反対があってできなかったりして、やっぱり大きな問題になってくると私は思う。だから、この問題を念頭に置いて最終処分場の問題に取り組んでもらいたい。
 前にも話があったが、ことし、我々環境・エネルギー対策特別委員会の県外調査があって、兵庫県に揖斐というところがあるが、そこの事務組合のクリーンセンター、つまり焼却炉を見たけれども、特徴としては、多様なごみを一括処理する。つまり、粗大ごみも破壊して溶融する。その前に、ごみの再資源、再利用を図るために資源ごみの分別収集を徹底してやって、これを再利用する。スラグ、鉄分、これも出るわけであるけれども、これは建設材とか、鉄は鉄鋼の再利用を図る。特徴の最大のものは、最終処分場の大幅な延命化、つまり集じん灰というのは他方式に比較すると極めて少ない、こういう特徴を持っている。これは溶融炉であるけれども、私は、今、いろいろな炉の形式があって、何の炉を県が採用すべきだとか市町村が採用すべきだということを言うつもりはないが、いずれ最終処分場の問題、その他、今の一般的な社会情勢を見ると、そういう問題意識を持って最終処分場の建設問題に対応すべきではないかと、このように私は考えるが、部長、いかがであろうか。

〇吉田生活環境部長 お尋ねのあった最終処分場の問題に絡んで、リサイクルとか、あるいはリユースということで、ごみを出さない、あるいは資源にするという基本的な考え方で、今後はやはりゼロ・エミッションの考え方のもとに循環型社会を構築するという考え方で進んでいかなければならないと考えておる。その場合に、今、お話のあったように、溶融して、埋め立ての方に持っていかないような仕組みをできるだけ考える、そういう方向で考えていかなければならないと存じておる。
 なお、現時点においてはいろいろな問題があって実用化していない、あるいは実証段階のものもあるわけであるが、できるだけそういった先進的なものをとらえて県としてもそういったものに取り組んでいきたいと考えているところである。

〇千葉(浩)委員 1点だけお尋ねする。
 ダイオキシンの消減対策あるいは公共事業のコスト削減、熱エネルギーの発電等への有効利用と今後の適正なごみの処理ということを推進するために広域化がぜひ必要だと、こういうふうに私も思っておる。県では、さきに全県を六つのブロックに分けて、ごみ処理広域化ということで試案を出して各市町村に説明したと、こう聞いているわけである。この試案について、各市町村に説明に歩いたと思うが、市町村はこの案に対してどういう考えだったのか。そして、具体的に説明の中でどういう話がなされてきたのか、そういう各市町村の具体的な例があったら、ひとつお聞かせを願いたいと思う。
 また、この広域化計画、今後進めていくだろうと思うが、県ではこの問題をどういう考えで推し進めようとしておるのか、その辺の考えをお聞かせ願いたいと思う。

〇吉田生活環境部長 岩手県のごみ処理の広域化計画についてであるが、これ20年間かけての話であるが、3段階に分けて最終的には6ブロックにまとめたいという試案を出しているところである。この計画を出す過程では、その前段階として13市全部であるが、それから町村のうち13町村の助役でもって構成する検討会でいろいろ論議をし、四つの試案を出して、そのうち論議を経て最終的に6ブロックになるような試案をお示ししたということである。
 それでどのような反応かということであるが、全体として見るならば、大体方向としてはいいのではなかろうかということである。ただ、一部の圏域と申そうか区域と申そうか、何せ地方振興局を超える単位のものとか、あるいは機能分担、役割分担ということもあり、完全にはまだ一致はいたしておらないが、大筋では大体そんな方向でいいのではなかろうか。ただ、一部の区域においてはまだ調整がなされておらない。現在、調整が図られるべく関係市町村あるいは地方振興局の局長、あるいは関係部長等区域を越えながら、あるいは関係市町村と話し合いをして調整を進めている。できれば年度内、遅くても来年度初めにはこの計画を取りまとめたいと考えているところである。

〇佐々木(一)委員 今の千葉浩委員に関連して簡潔に伺う。
 今回の計画については、具体的にいつごろから振興局を通じて各市町村に説明をなされてきたのか、時期的な問題を伺いたいと思う。
 突然の話ということで計画どおり進めると、ここ1年で計画ある衛生組合はここ数年の計画をこのまま進めるということであるが、この辺の調整をどうなさるのか。
 それから、この広域化の計画が出されてから単独または広域計画にのるとあるわけであるが、衛生組合が単独でやるメリット、デメリットをお伺いしたいと思う。
 それから先週、東磐の衛生組合の建設について反対の申し入れがあったわけであるが、あれは計画前ということでダイオキシン問題が大分問題になって、前年度恐らくもう許可がおりていて、今回の計画には単独でやって将来広域化ということになっておるけれども、こういう反対の申し入れ等があって仮に建設時期等が延びてきた場合、県の広域化計画とどういうような形で調整をされていくのかということである。
 実は具体的に言うと、私の地元の西磐井衛生組合も平成10年度から計画になっており、若干地元の用地交渉の問題があるが、この辺等もあるので県としての考え方をお伺いしたいと思う。

〇吉田生活環境部長 単独で焼却施設などを実施した場合のメリット、デメリットのお話と、それからいつころから市町村とか地方振興局を通じて行ったかということについてであるが、これは昨年の11月から、そのあたりから試案をお示しして先ほど申した検討会を設けて13市、それから13町村の助役方で検討会をやってきたということであり、具体的には試案を一つに、変形したものもあるが、基本的には一つにして地方振興局あるいは関係市町村に、あるいは事務組合にお示ししたということである。で、今その調整過程にあるということである。
 それから、メリット、デメリットということであるが、過般、一般質問であったが、厚生省では処理の量は100トン以上でなければならないということになっており、この100トン未満のものは県内にもまだ結構あるわけであるが、でなければ補助対象にしないということになっているわけである。メリットは、やはり広域化しなければ国庫補助事業が出ないということである。ただ、一方において、100トン未満でも特別の事情、例えば長崎県みたいな離島の多いところ、ああいった特殊な事情のところで、しかも都道府県の広域化計画にのっかった場合には交付税措置を認めるということに相なっているところである。ということもあるし、もう一つは、広域化することによって24時間の連続運転ができるということになるので、そうするとダイオキシンが出ないということになるわけである。常に800度以上の高温で処理できることになるので、これはそういったメリットがあると。財政上のメリットあるいはダイオキシンとか有害物質の排出の防止というメリットがあるということになるわけである。
 それから、東磐の衛生処理組合の関係であるが、あれは公害審査会の方に苦情の申し立てがあったわけであるが、あるいは審査会の方で審査をして、どういう結論になるかこれは不明であるが、国庫補助事業としては既に国の方で採択して東磐衛生処理組合の方に通知しておるので、その分についての影響はないと。ただ、実際問題としてどのようにやっていくか、これは東磐衛生処理組合あるいは県の指導も考えていかなければならないことになろうかと思うが、国庫補助そのものには影響はないということになるわけである。審査会の審査の決定がどのようになるか、決定というか答申があるわけであるが、その答申を参考にして県として判断するということになろうかと思う。その間の事業については、特段規制されるものではないということである。ただ、これは地元の皆さんといろいろと話し合いをしながらやっていかなければならないと考えておる。

〇佐々木(一)委員 そうすると、東磐については、答申の出方によっては県の計画に早まって広域化の−−例えば、今の計画どおりいけば単独でとりあえず将来的な広域化ということになるが、公害の方の答申の内容によっては、着手がずれ込むことによって、県の広域化の計画に一緒になり得るという可能性もあるということを示唆されているのであろうか。
 それともう1点、最後であるのでお伺いするが、この調整をされていく場合に、当然最終的に焼却の方を担当する市町村が出てくるわけであるが、その灰、この処分について、例えばこれだけの広域化になるわけであるが、最終処分場はそれでは焼却部分はうちの市で持つと、最終処分場はうちの町で持つというようなあたりの決定まで見て今まで提案されている中で計画をまとめていかれるのか、それについてお伺いする。

〇吉田生活環境部長 東磐衛生処理組合の場合は苦情審査が公害審査会の方に出ておるけれども、公害審査会の方ではあっせんとか調停とか、そういったことになるわけである。それがあっせんが受けられないあるいは調停結果がまとまらないということになると、それはその段階でとどまるということになるが、先ほど申したように国庫補助そのものは有効であり、9年度事業として国庫補助が入っておるので、そのまま継続する形になろうかと存じておる。したがって、広域化計画は今私どもはお示ししているような形で進むことも考えられるということであり、あとは地元でどのように考えるかということが一つあろうかと思う。
 それから、調整で灰の処理と処分場との関係をどう考えるのかと、機能分担の問題だと思うが、御案内のとおり、一般廃棄物は市町村の事務になっているものであるので、県として補助金を出しているのではなく国から直接市町村とか事務組合に出ており、県にこうしてもらいたい、ああしてもらいたいという強制力がない。ただ、広域化計画は県でまとめてもらいたいということになっており、その場合に焼却の役割はこっち、あるいは処分場の計画はこっちということは、具体的な例はともかくとして一般的には考えられるところであり、私どもとすれば、そういったこともあり得るのかと考えているところである。ただ、県からこうしてもらいたい、ああしてもらいたいということは法的には無理なところがあると考えておるところである。

〇伊藤委員 1点だけお伺いをする。
 環境保全という立場あるいは水質保全、水源保全というか、そういった観点から、今県内で問題になっておるダイオキシンのいわゆる2、4、5−T系の農薬を埋設している、それが水源に影響しているのではないかという、この部分についてひとつお伺いをしたいと思うが、青森営林局、つまり国とのいろいろ交渉ごとがあったと思うが、今現在どの辺までどうなっておるのか、まずその部分をお知らせいただきたいと思う。

〇名須川環境保全課長 ただいま営林局の間というか、現状をお話し申し上げると、今度の調査は水質調査と土壤調査と二つやるということになっておる。それで、まず水質の方は2月24日までに採水を終わり、今分析をやっている最中である。それから、土壤調査については条件のいいという時期を考え、雪解け早々に土壤調査にはかかりたいと、そういうことで今進めておる。

〇伊藤委員 不勉強な部分でちょっと失礼があるかもしれないけれども、いずれこれを埋設したのは二十四、五年前だったと。つまり、当時はこういった新しくこの世の中に人間がつくり出してきた化学物質を分解処理をする部分がまだ至っていなかった、こういうことで、結局、コンクリートの空練りの状態にして埋設をしたのだと、こういうことだと思う。今、住民が不安に思っているということは、このコンクリートの緊迫力というかとどめ置く力がだんだんに弱ってきて、地下水等にしみ出ていかないのかと、こういう部分の心配だと思う。こういった部分の不安を取り除くために、土壤の検査をされるあるいは水質の検査をされる、これはこれで応急の一番先の処置だと思うから、これは進めなければならないことだと思うが、今やっと、そういった人間がつくり出してきた化学物質を人間の手で化学処理をしていこうという技術が高まってきたのだと思う。いろんな部分もあると思うが、実はこれは総括の自由質疑のときにも千葉副知事にお伺いをしたが、資料をお上げをしておるけれども、新しい技術がどんどん出てきているのは承知をしている、そして注目をしていきたいと、こうおっしゃっておられた。しかし、注目をするだけでは根本的な改革にならないだろうと思う。したがって、埋設をしてあるこの化学物質ダイオキシンの分解処理をできる技術が出てきたというのだったら掘り起こして、そういう技術を使ってつまりなくしてしまう、このことに一番の原因あるいは県民の要望があるのだと思う。つまり、盲腸が痛くなったという人にサロンパスを幾ら張ったって、それは気持ちがいいだけの部分であるから、やはり盲腸にならない前に盲腸を切り取らなければならない、こういうことだと思うが、私が思うには、今資料をお上げをしておるけれども、超臨界水の酸化処理という部分を使うと99・99%以上であるから、ほとんど100%に近い状態で分解ができると。しかも、もう稼働して実証実験、名目1日1トン、実質同2トンの連続処理ができる施設を稼働していると、こういう部分があるから、少なくても一歩踏み込んでこの部分の根本的解決を目指すためならば、埋設をした部分を取り出してこういった施設で処理をするのだと、そういう見積もりぐらいはしてみたいと、こういう部分までいかなければ、せっかく増田知事がおっしゃっておる環境元年、環境創造元年、こういう部分に合っていかないのではないかと思うが、この辺についてのお考えをお示しいただきたい。

〇吉田生活環境部長 2、4、5−T系の埋設の関係を掘り起こして処理をするという問題であるが、今お話しのように、超臨界水による廃棄物処理技術というものは確かに実証試験の段階にあるということであり、私どもこれは注目しているわけであるが、ただ、これとかあるいは高温の溶融固化処理とか、あるいは加熱脱塩素化処理という技術もあるわけである。超臨界水については今実証試験段階、それから今申し上げた高温溶融固化とかあるいは加熱脱塩素化、これらはコストが極めて高い。やっている例が極めて少数であるが、コストがたくさんかかり、その割には処理する量が少ないということで、確かに環境元年であるが、こういったものに取り組んでいかなければならない、いずれは取り組まなければならないと思っておるけれども、この2、4、5−T系の問題については、基本的に私ども原因者は営林局が埋めたものであって、そしてまた管理しているのも現に営林局、林野庁であると考えており、こういった最新技術の調査研究、検討、これは私どもやってまいるが、従来から営林局に対して、営林局の責任において、国の責任において恒久対策、土壤とか水質の緊急対策はもちろんであるが、恒久対策を、検討をぜひやって、そして実施してもらいたいと申し上げているわけである。この考え方について従前と変わりないし、その場合には国で処理する場合には最新の技術をもってやるようにということは当然お願いしなければならない。私どもも国にお願いするばかりではなくて、こういった委員御指摘のような最新技術を調査研究し、実用化するような形のめどがつくような形で私ども勉強しながら国に要望してまいりたい。基本的にはそう考えているところである。また、現段階では、掘り出した場合の処理手続、掘り出した場合の影響、それから砕く場合の問題とかいろんな技術的な問題があるようであり、それらの状況も今後検討、研究していかなければならないと考えているところである。

〇小原委員 自然環境保全指針策定費約1、000万円ほど計上になっておるが、これに関連をしてお伺いをしたいと思う。
 この自然環境保全指針の策定状況はどうなっているであろうか。これは自然環境に関する基礎データの収集と評価、分析について今作業が行われていると思うわけであるが、その進捗状況そして今後の作業の内容についてお伺いをしたいと思う。
 なおまた、この作業に関連をして、市町村との連携である。この事業効果を高めていくという点からもあるいはまた身近な自然の保全、活用という面からも市町村との連携、あるいはまた市町村の役割ということも大変大事かと思うので、これら作業に当たって市町村との連携をどのように図っておられるであろうか。
 それから、この指針の策定、これは完成、完了の段階かと思うけれども、現時点で県民あるいは事業者に対して理解と協力を得る必要があろうかと思うが、その手だてはどのように考えておられるであろうか。

〇中村自然保護課長 まず、自然環境保全指針の策定状況についてであるけれども、この事業は平成8年度から平成10年度までの3カ年計画で実施をするということで進めてまいってきているものである。現在、平成9年度は2年目であるので、すぐれた自然、これを抽出してそれを評価するという作業を実施しようというのが平成9年度までのスケジュールである。来年度の平成10年度であるけれども、平成8年度に実施をした身近な自然の調査、それから9年度に行っておるすぐれた自然の調査、これらを総合したものをベースにして、自然環境に対する総合的な評価等を加えて自然環境マップをつくる、さらにはマップをベースにしてそれぞれの保全指針の策定を行うというようなことを予定しているものである。
 市町村との連携についてであるけれども、現在いろいろな専門家からなる検討委員会を行っておるけれども、これらの原案をつくっていただいた後に、原案を市町村にお示しをして御意見をお伺いすると、こういう形で作業を進めてまいりたいと考えているものである。
 県民の方々それから事業者の方々に対する公表というかデータの発表、公表であるけれども、これについても当然公表をして積極的に保全指針に適合したような保全策を講じていただくような形で御理解をお願いしたいと、このように考えているものである。

〇小原委員 そこで具体的なスケジュールであるけれども、平成10年度で完了ということであると、具体的に今お話しあったように市町村に示していくと。示した中でなおまた意見を受けると、こういう作業があるということであるから、それらは具体的にことし何月ごろをめどにしながらそれら市町村に対する意見を求めていくかということである。最終的にこの事業、成果品というかこれができ上がるのはいつごろか、そしてそれは一発で公表という形になるのか。私は中間的にでも公表の機会があっていいのではないかと、そういう中で広く意見を伺うということがあってもいいのではないかと、あるいは私どもに対して中間的な公表もあっていいのではないかという感じを持っておるが、その点のお考えはいかがであろうか。

〇中村自然保護課長 まず、市町村に対する意見照会の時期はいつかということであるけれども、これについては平成10年度のいつごろになるかまだはっきりと決めておらない。いずれ平成10年度中にこの自然環境保全指針の策定にこぎつけたいというか、それを策定したいということで、それができるようなスケジュールで市町村の御意見もお伺いをしてまいりたいということである。
 次に、基礎データはいつごろできるのかということであるけれども、身近な自然に関するデータは現在取りまとめてある。これは平成8年度事業であった。
 それから、すぐれた自然に関するデータについては、現在データをいろいろ収集しておる段階で、今月の末に専門家の方々の委員会でそれを集積したデータを検討していただくという作業スケジュールになっておる。そういう形で本年度作業を進めていくところである。
 これについて中間発表というか、そういうような形での公表を考えてはどうかという御指摘をいただいたわけであるけれども、これについては専門委員の検討委員会として外に出してもいいというか、そのぐらいある程度議論を尽くしてまとまったのだということがあれば、そういうことも検討をしてみたいと。いずれ、専門家からなる検討会議にただいまの御提言もお諮りをした上で対応してまいりたいと考えておる。

〇小原委員 そこで、この事業の効果を高めるという点では、これは何といっても県民の皆さんあるいは事業者の皆さん、我々も含めてであるが、こうした本県のすぐれた自然あるいは身近な自然に親しむという、そういうものの意識というものが一番大事である。決して罰則規定をもってどうこうするという性格のものではこの指針はないわけであるから、やはり県民の皆さんの意識というものが、自然に対する意識というものが一番この事業効果の根底をなすものだと思うので、そういう観点からできるだけ早くそれぞれ公表しながら、でき上がる前の意見というものも広く可能な限り県民の皆さんの、あるいは関係する皆さんの意見を聞いていくということが、この事業のある意味では目的に迫るものではないだろうかと思っておるので、ぜひそこは、部長、その点の部分でお考えがあれば、今課長からお聞きしてわかったけれども、平成10年度、来年度で完了すると、これは大事な事業だと私は思っておるし、全国の都道府県の中でもここまでこぎつけたところというのは数は少ないのではないかという感じもするので、ぜひこれらは十分に内容を吟味いただけるような機会を県民の皆さんあるいは関係者の皆さんにお示しをいただきながら、十分なものをつくっていくということに努力をいただきたいと思うが、いかがであろうか。

〇吉田生活環境部長 自然環境保全指針の策定の手続の問題であるが、やはり御質問にあったとおり、本県におけるすぐれた自然環境、これを後世までいろんな形で大事に保全あるいは創造していくということは大事なことだと思っておる。これは行政のみだけでできるものではなくて、県民の皆さんすべて相こぞって守っていかなければならないものだと考えておる。そういう意味において、手続が大事だと私も同様に考えており、指針を作成する段階においては、課長が申し上げたとおり自然環境保全審議会等専門家の先生方の御意見は伺うが、これは当然であるけれども、その過程において県民の皆様に公表をしながら、御意見とかをちょうだいしてこの指針に反映させていかなければならないものと、そういう性格のものであろうと考えているところである。

〇田村委員 簡潔に2点だけお尋ねする。
 これは平成7年の決算委員会でも私質問したわけであるけれども、交通指導員の設置補助に関してであるけれども、交通指導員の設置の一つの法的な裏づけというのは非常に希薄であると、裏づけというものを国に対して求めていくべきではないのかと質問をしておった。それに対しての答弁は、今後、国に対してそういう働きかけをしていくという御答弁をいただいておるわけであるが、その後の経過についてお尋ねする。
 もう1点が、ふれあいトレッキングロード整備事業、この事業の内容、特に登山道の整備がこれ含まれているわけであるけれども、登山道整備の整備内容、それをお知らせいただきたいと思う。

〇吉田生活環境部長 交通指導員の設置の根拠の問題、確かに田村委員から従前にも御質問があって、当時の担当部長が国に求めていくと、要請していくとお答えしているわけであるが、私どもも今年度、県警と協議しながら国に会議等で要望したわけである。道交法を改正する際に、それが関係省庁で、総理府であるが、問題認識は持っていたようである。ただ、実際問題として、各都道府県において交通指導員のありようというか、身分とかあるいは報酬とかあるいは勤務の対応、勤務というかボランティアもあるし、あるいは非常勤の職務とか、全国、東と西とか、いろいろ違いがあるようであり、法律の制定の過程でそこまで取り入れるに至らなかったということであった。私どもとすれば、交通指導員の方々が大変な御苦労をなされて重要な役割をなされているということであるので、この会議で要請したわけであるが、今後、引き続き道交法の改正がある場合には、この法律の改正に反映されていくように取り組んでまいりたいと考えておる。

〇中村自然保護課長 ふれあいトレッキングロード整備事業についてのお尋ねであるが、平成10年度において歩道整備等の計画を考えておるところは、現在、八幡平のヒナザクラコースと称するものであるけれども、国立公園の十和田八幡平の八幡平地区を一つ考えておる。それから栗駒国定公園の栗駒地区というか須川地区をもう一つ考えておる。それから、十和田八幡平国立公園の裏岩手の縦走コース、それから松川温泉のコース等を整備したいと考えておる。そのほかに、岩手山周辺それから早池峰山、それから栗駒国定公園の焼石岳等については標識、案内板の整備を行いたいと考えているものである。ただ、この事業は県単独費と国庫補助事業と組み合わせて実施を考えているものであるので、国庫については現在要望している段階であるので、このような形でできればということで国に対して要望をしているものである。

〇田村委員 交通指導員に関しては国でも問題意識を持っているということであるけれども、私、法改正まではいかなくても、少なくても通達、あれの出し直しというか新たな通達はぜひ私は必要ではないのかと思う。前回出ている通達というのは、もう御承知のとおり、交通指導員というのは警察官と紛らわしい格好をしては絶対だめなんだと、簡単に言えばそうである。警察官と紛らわしい行動をとってはだめだし、服装をしてもだめだと、こう通達にあるわけであるから、せめてそれぐらいはできないことではないのではないかと。現実と全くギャップがあるわけであるから、その辺のところを特に要望しておく。それに対しての御見解をお尋ねする。
 それから登山道の整備であるが、内容をお聞きしたのは若干答弁と食い違う、すれ違いがあるけれども、実は登山道の整備に関しては、自然保護に造Xが深くあるいは山を非常に愛されている識者の方からちょっとお聞きしたことがあったが、今の登山道、確かに整備はしているけれども、自然保護という名のもとで逆に放置されているのではないか。自然を守るという観点で、逆に手を入れないで放置されているがために自然破壊が逆に起きているのではないかと、そういう指摘も受けた。と申すのは、例えば具体的に言えば登山道が掘れている、それを自然保護という観点から手を加えないがために、それがどんどん拡大して周辺の樹木を倒し、例えば岩手山で言えば土砂崩れ、ああいったものの原因にもなっている。そういった意味で手を加えるのが本当に自然破壊になるのか、逆に自然保護になるのか、そういったところをじっくり検討いただいて、例えば土砂崩れの周辺の自然を破壊するような、掘れているような道路は一部でもいいからコンクリートにして防ぐとか、そういったきめ細かな整備というのが今後求められるのではないか、自然保護の観点に立って、その辺のところの御見解もあわせてお尋ねする。

〇吉田生活環境部長 交通指導員の制服に関する警察庁の通達の改正の問題であるが、平成5年に出ているわけであるが、いわゆる類似したものにならないようにというか、いわゆる警察官と全く同じはもちろんだめであるし、それからほとんど同じという、これもだめという通達なわけである。意図するところは、これは推測であるが、いわゆる権限を有する警察官と交通指導員とでは司法の問題があり、余り似通っていたのではまずいということがあろうかと思う。本県の実情の場合は、委員御指摘のように、大体御存じのような格好のものになっており、あれは県警と協議をして制服をつくっているものである。あの程度のものは了とされているものと私どもは理解しており、そういった関係でこの通達が、平成5年の通達が改正するべきものなのかどうなのか、ここに書いておるが、類似したものを交通安全協会における交通安全指導隊員の制服とすることについては厳に慎むように指導を徹底しておると、こういうことであるが、これで私どもは今の指導隊員の制服がだめだと指導を受けておらないので、これは許されているものと感じており、改正はもう少し県警と協議させていただきたいと存ずる。

〇中村自然保護課長 登山道の整備についてお答えを申し上る。
 例えば登山道が掘れたり崩れたりしているものについても、自然保護だから何も手を加えないでおくのが自然保護だというような考えを持っているものではない。必要な整備は、当然実施をしていくべきものと考えているものである。このふれあいトレッキングロード整備事業においても、例えば洗掘というか登山道が流れて掘られて歩きにくくなっているあるいは崩れ方が拡大してきているというようなところについては、階段工法的な形で洗掘を防止すると、あわせて登山道の整備にも役立つというような形でもっていきたい。傾斜地でなく平場のところであれば、木歩道というような整備方法も考えられると思うわけであり、そういうような形で登山者に快く利用していただくということと、それから土砂崩壊等のあるいは洗掘等の防止も図るというような形で対応をしていきたいと考えておる。ただ、余り整備をし過ぎると、せっかく山登りに来たのに全然おもしろくないと、まち中を歩いているようだという別の御意見をいただくようなこともある。そのあたり、十分バランスをとって整備をしてまいりたいと考えているものである。

〇佐々木(博)委員 環境問題について何点かお伺いしたいと思う。
 産業廃棄物の不法投棄だとか不適正な処理による環境汚染の問題というのは全国的にいろいろ発生しておるし、また、昨年は廃棄物の焼却炉から排出されるダイオキシン、これが非常に大きな問題になった。また、最近ではそれとは別に環境ホルモン、これによる生態系にいろいろな影響を与えているのではないかというようなことも大きな問題になっているわけであるけれども、いずれこういった有害な化学物質による環境汚染というのが広がる前に適切に対処していかなければ、将来に重大な影響を与えるのではないかということを非常に心配しているわけである。
 それで、私、今度の一般質問でも環境問題については3点ほど質問させていただいたが、いずれ来年度環境創造元年ということで、来年度予算を見ても環境問題については6・4%ぐらい予算枠も非常に増額で確保されたということで、まずこの取り組みについて高く評価しているところなわけであるが、何点かお伺いするけれども、第1点は、国ではダイオキシン対策として関係法令についていろいろ改正をして、新たな基準を設けるなどの規制の強化を行っているわけであるけれども、これを受けて県としてはどのような対応をとられるお考えなのか、そのことについてお伺いしたいと思う。
 それからあわせて、市町村等の一般廃棄物の焼却については、いろいろダイオキシン等の調査もされているようであるけれども、産業廃棄物の焼却炉があるけれども、これについてはダイオキシン類の排出の実態がどうも余り十分ではないのではないかということも言われていると聞いているが、今後どのようにこういった関係者を指導されていくお考えなのか、あわせてまずお伺いしたいと思う。

〇中村環境整備課長 ダイオキシン類の排出抑制を目的として燃焼温度800度以上にすることとか、ことしの12月から排ガス中のダイオキシン類の濃度規制基準が適用されることになったところであるが、県においては新たに規制対象となる産業廃棄物の焼却炉の設置者に対して改正内容を通知し、さらにこれらの設置者を含め、製造業者及び建設業者等の延べ6、500事業所を対象にことし1月から2月にかけて県内10地区で説明会を開催し、ダイオキシン類の排出規制内容等の周知徹底を図り、新たな規制に対する適切な対応について指導を行ったところである。今後は、個別に対象施設の立入検査を行いながら、産業廃棄物焼却炉の構造や維持管理基準の適合状況について把握し、ことし12月からの排出規制値80ナノグラム以下を達成するよう指導していくこととしておる。
 次に、産業廃棄物焼却炉からのダイオキシン類の排出実態と関係者への指導についてであるが、産業廃棄物はこれまで規制がなく、その排出実態についてのデータがほとんどない状況であることから、10年度に焼却施設の種類、能力別に対象施設を抽出し、事業者の協力を得ながら実態を調査することとしておる。この結果を踏まえて、燃焼管理や施設の構造の改善等を指導し、規制基準の施行に適切に対処していきたいと考えておる。

〇佐々木(博)委員 6、500社ほどに今説明会をされたというお話であったけれども、非常に数が多いわけである。それから、焼却炉を改良すると言っても恐らく費用もかかる問題だと思うので、全部が適切に対応してもらえるかどうかということ、ちょっと数も多いし実態の把握等についても非常に困難なところもあるのではないかと思うが、いずれこの環境問題というのは今非常に注目されている問題でもあるので、積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思う。
 それから、あわせてダイオキシンについては本当であれば発生を抑制するためには塩化ビニール、いわゆる廃プラ、これを余り焼却しないで再生利用するということが一番環境を守る上からも、それから資源を大切にするということでも非常に重要な問題ではないかと考えているわけであるけれども、県としてこれらについてどのような取り組みを考えておられるのか、あわせてお伺いしたいと思う。

〇吉田生活環境部長 塩ビとか廃プラスチックの種類の問題であるが、これはいろんな環境保全という点から見た場合には大事な問題であり、特に今年度以降、いろんな政省令の改正があったり規制があるので、これに真剣に取り組んでいかなければならないと考えているところである。ことしのお願いしている予算の中においては、環境部局、具体的には生活環境部それから農政部、商工労働観光部、横断的に機能分担をしながら予算を計上してお願いしているところであり、そしてこれらの塩ビとか廃プラスチックとか、こういったものの収集体制あるいは収集後の焼却体制とか、そういったいろんなことについて総合的に取り組もうということで予算をお願いしているものである。予算をお認めいただいた場合には、県全体としての廃プラスチック、塩ビの処理対策を確立してまいりたいと考えているところである。

〇佐々木(博)委員 それと、この産業廃棄物であるが、他県から県内に入ってくる産業廃棄物というものもあるし、また、反対に本県から他県に行っている産業廃棄物というものもあるわけである。それで県からいただいた資料によると、今、各県とも県外から産業廃棄物を受け入れる場合、指導要綱等をつくって事前協議をやっていると。岩手県でも事前協議をやっているようであるから、そういった産業廃棄物の流れの実態についてはかなり掌握されているのだろうと思うけれども、例えば平成7年度で言うと、岩手県に入ってきている量というのが約21万トン、それで岩手県から出ていっているのが4万8、000トンある。本県に入ってきているものというのはほとんどがセメントの原材料として利用されているようなもので有効利用されているものだと伺っているけれども、反対にお聞きしたいのは、本県から他県に出ていっているものが4万8、000トンぐらいあるけれども、これが一体どういうものが本県から他県に行っているのかと思うわけである。特に、事前協議をやるということになると、恐らく県でもやっているが、他県で多分適正に処理できるものについてはなるべく持ち込まないでくれという、そういった方針で多分各県ともにやっているだろうと思うが、そういった中にあって本県から他県に4万8、000トン出ている。これがどういった中身なのかについて、ちょっとお知らせをいただきたいと思う。

〇中村環境整備課長 県内から県外に排出というか移動して流出している廃棄物についてであるが、主に汚泥とか動植物性残f、鉱滓、廃酸、廃アルカリ、廃油、そういう関係のものが県外に出ていっている状況にある。

〇佐々木(博)委員 今度クリーンセンター、この設備が新しくやるのは廃酸とか廃アルカリに対応した施設であろう。いずれ、そういったことで、本県でも県内でなるべく処理できるということでいろいろ努力をしているわけであるけれども、クリーンセンターの稼働率の問題、最近余り議会でも話題にならなくなって幾らかよくなっているけれども、いずれまだまだ余裕があるということで、やはり本県で処理できるものについては本県でできるだけ処理をするということを周知徹底していただくということも−−本県の環境だけ守ればいいというわけではない。各県、日本全国共通した話題だと思うので、そういったことでなお一層御努力をいただきたいと思う。

〇折居委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時55分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇佐々木副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇黄川田委員 青年海外協力隊についてお尋ねする。
 先般、県青年海外協力協会では県内の高校生をネパールの視察研修に派遣した。そのねらいは、現地で活躍する協力隊員の活動を視察し、開発途上国の現状に触れ、国際協力の重要性を学んでもらおうとのことである。また、視察研修に参加した高校生一人一人の感想は、本当に新鮮な感動体験を得た、改めて自分の生き方を考え、国際協力の大切さを学んだとのことである。
 しかしながら、このように海外協力にかかわろうとする若者が潜在している状況にあって、青年海外協力隊に参加した隊員の帰国後の就職問題がある。本県では、最近の5年間で39人の隊員が派遣されておるが、仕事をやめないで参加したのは9人、退職して参加したのは20人、無職の参加者は10人である。また一方、帰国した隊員は48人おるが、同じ会社に復職した人は15人、別会社に就職した人は21人、未就職は3人などとなっており、帰国隊員の受け皿づくりがおくれているのは明らかである。
 そこで、青年海外協力隊員を支援する意味で、海外派遣に伴う休職制度が必要と思われるが、県内の民間企業でこれを設けているのは何社ぐらいあるのか。
 また、最近の傾向として、この休職制度を取り入れる企業はふえているのか。
 また、国においては、海外派遣に伴う地方公務員の休職制度の法律により、全国の自治体に条例の制定を呼びかけ、県においても条例化しているところであるが、県内の市町村の取り組み状況はどのようになっているのかお伺いする。

〇瀬脇文化国際課長 青年海外協力隊事業についてのお尋ねである。
 まず、県内の民間企業で青年海外協力隊等に派遣される場合、休職制度を設けておる企業はどの程度あるかというお尋ねであるが、ちょっと統計数字等、明確な数字をとっておらないところであるが、現在までのところ、仕事をやめずに現職で参加された方、公務員を除いた民間の方で現在までのところ33名おるところで、大体そのぐらいの数で民間企業の方でも休職等の制度が利用されているのではないかと考えておる。
 それから、県内の条例の制定状況であるけれども、昭和62年に御指摘があった法律の制定がなされて、63年に県の方で条例制定を行っておるところである。県内の市町村では、現在までのところ、北上市で平成3年に条例制定しておるし、平成6年には盛岡市で条例を制定しておるところである。地方公務員については、この法律及び条例の制定によって仕事をやめずに現職で参加できるということになっておるわけであるけれども、県としても、従来より会議等の場で条例制定の要請をしておるところではあるけれども、今後とも青年海外協力隊事業の重要性等の趣旨を御理解いただいて、現職で参加するという希望者が出てくるような環境づくりのために条例制定を市町村にお願いしてまいりたいと考えておるところである。

〇黄川田委員 人数がわかって会社が何社かわからないということであるけれども、その辺もう少しはっきりしていただきたいと思う。
 青年海外協力隊に参加したい地方公務員、職員が出てきて初めて条例を制定するか、条例化して職員に国際協力の重要性を理解してもらうか、卵が先か鶏が先かということになると思うわけであるが、現実に条例化している自治体では、県を含めて、一般職員、専門職員など、これまで何人ぐらいの方が隊員として派遣されているのであろうか。また、職場復帰した職員は将来にわたって何か不利益があるのか、あるいは優秀な人材として一目置かれるのか、人事課に関係する部分もあるが、一般的にどうなのであろうか。
 さらに、国際交流の進展に伴って、また、機構改革によって文化国際課として担当課は新たに出発しているわけであるが、このような古くて新しい問題に今後どのように具体的に対応していかれるのか、あわせてお伺いする。
 それから、ブラジル岩手県人会40周年記念事業費の補助の内容についても、これまた具体的にお知らせいただきたいと思う。

〇瀬脇文化国際課長 条例制定後に現職で参加した県職員あるいは市町村職員が何名いるかというお尋ねであるけれども、昭和63年条例制定後であるが、県職員については12名、現職で青年海外協力隊に参加しているところである。市町村については、盛岡市から1名ということになっておって、あわせて13名ということである。
 青年海外協力隊に参加された県職員等公務員の方が職場復帰後不利益等をこうむることはないのかどうかというお尋ねであるけれども、先ほど申し上げた地方公務員の海外派遣法の第3条あるいは第4条にも、派遣された職員については、派遣される前に有していた職を保有すると規定があるほか、あるいは派遣の必要性がなくなった場合には速やかに職務に復帰させねばならないであるとか、期間が満了した場合には職務に復帰するものとするという規定もあって特段の不利益をこうむることはないと考えておるし、また、海外協力隊に参加された方の語学能力であるとか問題解決能力等は高く評価されているところである。
 続いて、今後の取り組みの方向性ということであるけれども、今申し上げたとおり、公務員については条例の制定等について今後とも一層働きかけを進めてまいりたいと考えておるし、民間企業についても、本年1月から各都道府県ごとに協力隊員重点職業安定所の指定がなされておって、それに基づいて、公共職業安定所から事前に求人情報を入手するであるとか、帰国後も強力な就職相談、就職あっせん等を行えるということになっておる。また、従来より、県では海外青年協力隊を育てる会などの民間支援団体と協力して、さまざまな形で民間企業等に対する働きかけ、お願いをしておるところであるけれども、今後ともそういった民間の支援団体と連携した活動に努めてまいりたいと考えておる。
 なお、本年1月より、従来より県で要望しておった国際協力事業団の就職相談カウンセラーという職があるけれども、それが本県に1名配置されることになっておって、そういった形でも今後ともきめ細かな対応ができるのではないかと考えておるところである。
 続いて、ブラジル岩手県人会創立40周年記念事業の関係であるが、事業内容であるけれども、1998年はブラジル移民90周年であるとか、県人会創立40周年記念という節目の年であって、この節目の年にブラジルの岩手県人会の創立40周年記念式典への知事等の幹部の参加であるとか、記念式典経費等への助成を行うということである。
 助成の具体的な内容であるが、40周年記念式典の経費等の助成であるとか、これに派遣する郷土芸能団の旅費等の助成となっておる。

〇谷藤委員 当該委員であるので、簡単に質問させていただきたいと思う。
 外国人の留学生の受け入れ関係についてちょっとお伺いしたいと思うが、国際協力推進費に関連するわけであるけれども、政府の方で平成12年度を目標にして10万人受け入れ計画を立てておったようであるけれども、なかなか目標どおりに進んでいない。これは10万人を達成するにはなかなか厳しい状況だということであるけれども、本県でもいろいろ受け入れを今までやってこられたと思うわけであるが、今までの受け入れ状況はどういうふうになっておるのか。
 それから、この計画は国際公約みたいなものであるから、さらに各県にも協力要請を含めて来るだろうと思う。そのときの宿舎とか、いろいろな形での受け入れ態勢というものをさらに充実していかなければならないのではないかと思ったりもするが、どういう状態になっているのかお聞かせいただきたい。

〇瀬脇文化国際課長 本県に受け入れた外国人留学生の数についてのお尋ねであるけれども、県内の大学、短大等で受け入れておる外国人留学生の数であるが、統計をとり始めたのが昭和63年ということで、その時点では27名であったところが、現在、平成9年度については166名ということになっておる。過去10年間の累計であるが、延べ965名ということになっておる。
 続いて、留学生10万人計画に関連して、外国人留学生の受け入れ態勢がどのようになっているかということであるけれども、県内の外国人留学生の方に対する支援措置として、昭和63年から県では私費で来られた留学生の方に奨学援助金という形で月1万円の奨学金を出しておるところである。これまで延べ171名の方に支給しておるところである。それから、宿舎等の問題であるけれども、現在岩手大学の方に専用の留学生会館があるわけであるが、収容数の問題等限りがあって、利用できない方もかなりおるところで、本年4月から県営住宅への入居を可能としたところで、比較的民間のアパートよりも安く入居できるのではないかと考えておるところである。その他の支援策としては、県の国際交流協会とも協力して、日本語教室の開設であるとか、外国人の生活相談のためのハンドブックの配布であるとか、日常の生活相談等にも適宜応じておるところである。
 また、本年4月からであるが、中国人を含めた2名の国際交流員を国際交流プラザの方に配置して、適宜留学生の方を含めた相談体制の充実に努めてまいりたいと考えておるところである。

〇谷藤委員 最近は日本の生活費が高いとか、不況でなかなかアルバイト先がないとか、非常に苦労しながら来ている方も多いようであるけれども、いずれ受け入れ態勢、ひとつよろしくお願いしたいと思う。
 せっかくの機会であるから、もう1点だけお聞かせいただく。
 先ほど佐々木博委員がちょっと触れられたが、環境ホルモンというのを見て、私よく知らなかったが、これは大変なものだと思って、化学物質環境対策費、これに関連してお伺いしたいと思う。
 フロンとかダイオキシン類にはいろいろ対応してきたようであるけれども、今問題になっているホルモンを攪乱する有機すず等を環境ホルモンというのであろうか、よくわからないけれども、いずれ大変なものなのだそうである。雌なのに男性器がついているとか、インポセックスというのだそうであるけれども、そういうものが船の底に塗る塗料とかに含まれている有機すずの化合物等によってなっているのではないかとか、いろいろな論があるようであるが、そういうので生態系がかなり変わってきている。それから、帝京大学で調査した資料であるけれども、日本人の健康な若者34人の精液を調べたところ、精子の濃度や運動率がWHOの基準を満たしたのは1人しかいなかったという記事が出ている。これは朝日新聞に掲載されている。ということで、非常に人体にもいろいろな形で影響を及ぼしてきているというような記事が出ているのであるけれども、この辺について、部長、何か。

〇吉田生活環境部長 お尋ねのあった有機すず等による環境ホルモンの問題であるが、化学物質が生体内に取り込まれると内分泌機能を攪乱するということで、この問題は最近大きな問題になりつつあるということである。ただ、この問題はまだ未解明な点が多々あるということで、環境庁においては、平成9年3月に専門家から成る研究班を設置して、これまでの内外の調査研究の資料の整理とか、今後の解明すべき問題点について検討がされて、昨年7月に中間報告がなされたところである。この報告書によると、有機すず化合物、ダイオキシン、ビスフェノールAなどが内分泌を攪乱する疑いがある化学物質ということで、現段階においては、一般生活でこれら化学物質が人体に影響を及ぼしているか否かということは即断することは困難だということに報告書ではなっておる。今後一層の調査研究を推進する必要があると考えているところである。
 本県では、これらを含めた化学物質について、環境庁の委託事業によって、これまで花巻市の豊沢川の水質とか底質、それから魚類中の化学物質環境調査、これを平成元年度から継続してやっているところであるし、それからまた、山田湾における有機すず等の生物モニタリング調査、これは昭和53年度から継続してやっているところである。それから、盛岡市近郊においてDDTとかPCB等、こういったものの生物のモニタリング調査を53年度からやはり継続してやっておる。
 これらの調査結果であるが、全国の数値と比べた場合には、いずれも全国よりも全般に低い濃度のレベルだということで、本県としては、環境庁の事業あるいは県の事業を通じて継続調査を行って、その推移を監視したいと考えておるところである。
 それから、平成10年度のことであるが、今申し上げたように国の事業を導入するが、県独自にダイオキシンの調査とか事業所における化学物質の使用実態調査を行いたいと考えておって、いずれにしても、こういった環境ホルモンに影響のあるものに規制を加えるとか、あるいは抑制するような施策に結びつけていく調査をやっていきたいと考えておる。

〇中屋敷委員 今、谷藤委員から化学物質環境対策というか、環境ホルモン等の話が出たけれども、私は、調査研究といった面で、保健福祉部が中心になってやられている環境保健センターの整備、今度また用地取得等を対応していると思うけれども、そういった調査研究をやる意味で、試験研究機関の中で環境保健センター機能というのが一番大きい問題だろうと思う。一般質問でも前にやったことがあるけれども、試験研究機関の再編の中で、環境、そして衛生部門が再編整備が一番おくれておったという中で、これは2部にまたがるわけであるけれども、環境部門といった面で、新しい環境保健センター−−仮称であろうけれども−−は、調査研究とか自然保護を含めた中でどのような機能を持ってとり行うつもりなのか、今の段階での計画をお示し願えればと思う。

〇吉田生活環境部長 (仮称)環境保健センターであるが、調査研究機能をどのように考えているかということであるが、御指摘のように、環境と健康あるいは人体の機能ということと極めてかかわりが深いと考えているところで、従来の衛生研究所あるいは公害センター、この機能をただ単に合体させるということではなくて、今申し上げたような環境と健康とのかかわりが極めて深いという観点からこの機能を高めてまいりたいと存じているところである。
 特にも調査研究機能については、例えばダイオキシンの濃度測定、こういったものは今はないわけであるが、新しい環保センターではダイオキシンの濃度測定などもやりたいと考えておるし、例えば自然保護の関係、これは環境保全の関係、自然保護環境であるが、これについても新しい環保センターでは機能として取り組んで、一酸化炭素とか二酸化炭素とか、そういったものの調査研究、あるいは野鳥の関係とか、そういったものにも取り組んでいきたいと考えておる。できるだけ先を見越した形での機能を新しい環保センターでは考えていきたいと考えているところである。

〇伊沢委員 当該委員であるので環境ホルモンについて発言を控えていたのであるが、谷藤委員から今お話が出たので、1点お話しさせていただいて御見解を賜りたいと思う。
 今、中屋敷委員の方からも環保センターとの連携ということが出たが、実は、県内のこの環境ホルモンの問題というのは、部長、今、答弁のとおり、他県に比べてまだ低いレベルだと私は思っているわけである。その中で、例えば県にある研究機関、水産技術センターとの連携を含めて、生活環境部がイニシアチブをとりながら、言ってみれば生物に対する影響を含めて警鐘を鳴らすという意味で、国はやっと去年からスタートして、この間の新聞報道等でことしも本格的にこの研究をやろうということになったやに聞いているわけであるが、県としても、持てる力というか、研究機関を含めて総動員する形でやることが必要なのではないかと思っているわけなので、その辺のところを部長から御所見を賜りたいと思っているわけである。

〇吉田生活環境部長 環保センターができたときは当然であるが、まだ若干数年の間があるので、その間においても、県内にある生物工学研究所とか、あるいは場合によっては工業技術センターとか、そういった県の試験研究機関と今ある公害センターあるいは衛生研究所、この試験研究機関との共同した、同じ目的を持った調査研究というか試験研究、こういったものにはやはり今お話があったようなことで取り組んでいかなければならないと。ただ、新しい環境ホルモンとか、こういったたぐいのものは新しい問題であるので、人材育成をしなければならないということもあるので、この人材育成に今から取り組んでいかなければならないと考えているところである。必ずしも環保センターだけではなくて、総合的な面から人材育成をしていかなければならないと考えているところである。

〇伊沢委員 人材を含めて、新たな分野であるので、そういった部分では必要だと思う。
 また、先ほど来お話があった部分で、県内の一般廃棄物の最終処分場、いろいろ厚生省から御指摘をいただいた部分があるわけであるが、いわば通常の汚水排水も含めて処理ができない状態の部分が何カ所かある。こうなると、化学物質の中には、例えば家電製品の中に入っている基盤の可塑剤等も含めて挙げられているわけなので、大変お寒い状況ではないかと、こう思うわけである。県では、各市町村に対して万全を期すように御指導されたという部分があるけれども、市の反応を含めて、これからの廃棄物対策、最終処分場、大変課題が多いと思うけれども、どのような形で進められていこうとしているのか、あわせてお伺いして終わりたいと思う。

〇中村環境整備課長 一般廃棄物の最終処分場からの排出水とこれによる化学物質等の懸念であるけれども、今現在、規制になっている物質についてはもちろん検査等をするように市町村に指導したところである。それ以外に、現在規制になっていないダイオキシン等の化学物質についても、今後、県としてどのような方法で調査を行うのが適当なのか、そういうことも検討してまいりたいと考えておる。
 本来、一般廃棄物の処理は市町村の事務であるということで、施設の維持管理、費用についても交付税措置されておる。国の財政措置が講じられているという面もあるので、その点も御了解いただいて、国の指導も受けて対応してまいりたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 関連の関連の関連みたいな形になるが、最初に谷藤委員から環境ホルモンということで、今、その後に関連のお話があった。私、一言だけお伺いしたいと思うが、いずれこの環境ホルモンというのは、新聞、テレビあるいはいろいろな研究者の発表とか、そういう形でさまざま衝撃的な中身として知らされているものもあるのではないかと思うわけである。いろいろ自然界の中にホルモン用物質というものも、これはあるわけである。その中でも、例えば人間もそうであるが、家畜の段階でも、ふだんいろいろなものを食べている。そういった中では、似たようなホルモン用物質があっていたずらをするというのも、これも知られているものがある。問題になるのは、人間の場合それが同じように影響があるかどうかということで、自然界の中でのものというのは若干研究的には進んでいるものは多いかと思うが、先ほどからの議論の中で出ているのは、自然界にない、化学的につくり出した物質、そういったものが人間のホルモンバランスを変えるということでいろいろ問題になっていると思うわけである。
 私の言いたいのは、そういったいろいろなもの、多分そうではないかという疑いのあるもの、そういったものも数百種類あると言われているわけである。その中で、国の段階では100以下、何十種類かの部分を進めようということになっているわけであるが、そういったものを進める場合に、岩手県だけということではなくて、国の方も含めて基礎的データをきちっとそろえるべきではないか。それで、将来的にこういった状況の中で研究が進めば、このぐらいのデータのところもある、このぐらいのデータもあるということでの比較と、そこの中がどうなっているかということになっていくのではないかと思う。そういった基準づくりとか、また、将来的に出てくる、本来的には全く含まない形のものが望ましいとは思うけれども、そういったことを進める場合に、他県でのこれに対する取り組み状況、それから、先ほど緒についたばかりとは言うが、国のそういったデータベースをそろえるという観点で、県に対していろいろな指導というか、考え方をとるとか、現在そういったことはあるのであろうか。

〇吉田生活環境部長 他県とのこういった化学物質の調査の連携とか、あるいはこういった調査の蓄積をして他県との比較とか、こういったことが必要だということで、国では各都道府県を大体均一的に調査をして、全国比較をしながらデータの蓄積をやっているところである。その蓄積のもとに、また、基礎学問として、それが人体とか生命とか健康とか、そういったものにどんな影響があるのかというようなことを調査研究中だと聞いておる。私どもとすれば、本県の調査地点ができるだけ多くなるように環境庁等に要望しておるし、先ほど申し上げたように導入しているところである。引き続きこの導入に努めてまいりたいと思う。
 それからまた、他県との連携であるが、環保センターをつくった場合には、この環境問題というのは本県だけで解決できる問題ではないと考えておって、やっぱり県域を越えた交流というものが調査研究についても、あるいは試験研究についても必要であろうと考えておって、そういった視点からもとらえていきたいと思っているわけである。
 それから、化学物質の選定をする場合に、国の方から県の意見を聞いているかどうかということについては環境保全課長から答弁させる。

〇名須川環境保全課長 化学物質に対応する場合の国との連携とか、そういったことであるが、私どもは、いろいろ調査するに当たっては、どうしてもデータとかいろいろなものは国の方が収集度が高いという現実があるので、そういった国の指導を得ながらいろいろやってきておる。
 なお、こういう調査に当たっては、先ほど部長の方からも説明があったが、やはりいろいろ資料の集積、そういったものが非常に大事だと、国の方からそういう方向性を出されておるので、そういったものに向けてできるだけ取り組んでまいりたいと思うし、それから、国の方からいろいろ意見を聞かれているかということであるが、私ども、いろいろ文書を通じて国とのつながりというか、そういったものは十分やりながらこれまでやってきていると考えておる。

〇千葉(伝)委員 申し上げたかったのは、いずれそういった環境ホルモンを論ずる場合に、軽々にこれが問題だというちょっとしたあれがどんどん広がっていく。そういったことで、国民がこれもだめ、あれもだめみたいな形もなきにしもあらずというようなこともあろうかと思う。したがって、きっちりとしたデータ、基礎的研究、そういったものの中身として、皆さんにこれはこうだというきちっとしたもので示すようなことが今後とも私は必要だろうと思うので、先ほどの御答弁のとおり、いろいろな取り組みの仕方があろうかと思う。いずれそういった観点でもよろしくお願いしたいと思う

〇斉藤委員 2回ぐらいに分けて質問させていただく。
 予算がふえているだけあって大変意欲的な答弁で、私の質問にもひとつよろしくお願いする。
 第1に、実はこれは総務部長あてに自治省から来ている文書であるが、所管が文化国際課だというのでここで私聞くが、日米防衛協力のための指針について県に自治省から通知があり、生活環境部を通じて市町村にこれを通知したと。この点について、これはどういう内容なのか。なぜ市町村にまで通知される理由があるのか。日米防衛協力の指針というのは、安保条約を事実上改悪をして、いわば周辺有事、これを想定して自治体、民間を全部総動員するという大変重大な内容なのであるが、今回のガイドラインの中身で県、市町村に求められている軍事協力とはどういうものがあるのか、そのことを第1点示していただきたい。
 第2点は、2、4、5−T系除草剤の問題についての対応についてである。
 2月に青森営林局と県、関係市町村との間で2、4、5−T系除草剤埋設地の周辺環境調査についての覚書が締結されていると思うが、その内容を示していただきたい。
 第2に、当面の土壤調査、水質調査の箇所、内容はどうなっているか。
 第3に、関係市町村、各議会は、一つ、国の責任による科学的な継続的調査による安全性の確保、二つ目に、撤去を含む恒久対策、この2点を強く求めているが、どう営林局と交渉し、現状ではどうなっているのであろうか。
 次に、営林局は、現時点においても最も適切な処分方法だったと当時の処分について言っているそうである。県は、この点についてどう考えているのか。テレビなどの報道によると、除草剤の埋設場所にはビニールシートは使わなかった、コンクリートと混合したというが、当時の割合、やり方で実験してみるとぼろぼろになった。極めて不十分な処分方法だと専門家も指摘している。当時の処分の実態、これを私は調査すべきだと思うが、いかがであろうか。
 水源の問題から考えるなら、御所湖の魚類によるダイオキシン類の汚染調査を行うべきだと思うが、いかがであろうか。
 昭和59年6月から61年6月にかけて20カ所で行った土壤調査、水質調査はどういう方法で実施し、どういう結果だったのであろうか。私は、当時、ダイオキシン類の調査はやられてなかったと思うが、いかがであろうか。

〇吉田生活環境部長 私からは、日米ガイドライン−−新ガイドラインについて答えさせていただく。
 平成9年に自治省の大臣官房国際室長から各都道府県に通知が事務連絡ということであったわけであるが、その内容は、指針が作成されたということと、それから、日米安全保障協議委員会で公表されたということをお知らせするという文書で、あわせて関係資料を市町村に送付願いたいという内容であった。県としては、市町村長さんにこの事務連絡の写しを送付したものである。
 この中身ということであるが、この指針においては、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用するとされているところであるが、具体的には、後方支援活動として、補給とか輸送あるいは整備、施設、衛生、こういった分野について記載されておるが、具体的な中身については全く記載がないところである。
 その他については環境保全課長から答弁させる。

〇名須川環境保全課長 2、4、5−T系除草剤埋設問題の対応についてである。
 まず、覚書については、2月17日付でダイオキシン拡散等による汚染の有無を調査し、県民の不安の解消に資することを目的に取り交わしたものである。その内容であるが、関係市町村との打ち合わせ会議や青森営林局との協議で合意した河川水及び土壤調査を実施すること、それから、調査結果は、専門家の所見を得た上で取りまとめて公表すること。そして、調査に要する経費の分担方法、こういったものを取り決めたもので、基本的な取り決めである。
 それから、調査の内容である。土壤調査は4月以降の現地の状況のいい時期ということで、積雪状況等を見ながらできるだけ早い時期に実施するということである。そして、調査対象は雫石町の2カ所を予定しておる。
 調査は、埋設地の下流側3地点をボーリングして、それぞれ2メートル、3メートルという深さから土壤を採取して分析する。それから、水質調査は、埋設に関係するすべての河川、それと御所湖から採水するということで、既に2月24日で終了しておる。現在分析中である。それから、土壤調査、水質調査とも、分析はダイオキシン類のほかに2、4、5−Tなどもあわせて行う。それから、埋設地の影響を受けないと考えられる地点、そういった地点からもそれぞれ検体を採取して分析結果を比較できるような、そういった方法をとることにしておる。
 それから、営林局との交渉についてである。これまで青森営林局との交渉に当たっては、関係市町村との打ち合わせ会議を数回開催しながら、県民の不安解消のために早期のダイオキシン調査の実施と恒久対策の検討を文書などによって要請してきたところで、その結果、今回の土壤調査と河川水調査、これを実施するに至ったものである。継続的な調査と撤去、そういったものを含めた恒久対策については、現在行っておる埋設地周辺環境調査の結果を踏まえて、専門家、有識者の指導を得ながら、その必要性等について、予想される問題点、技術的課題なども含めながら調査研究してまいりたいと、そのように考えておる。
 それから、2、4、5−T系除草剤の処分方法についてであるが、ダイオキシンは非常に水に溶けにくいということが言われておる。それから、土壤への吸着性が非常に強いということで、下流域の環境に影響を及ぼすおそれはないのではないかと推測されるわけであるが、現状における埋設処分の安全性についてダイオキシン調査を実施する必要があると考え、関係市町村とも協議の上、埋設地の周辺環境調査等を営林局に要請して今回の調査が実施されることとなったということである。
 当時の埋設処分の実態調査や御所湖の魚類調査の必要性等については、今回の調査結果をもとに、専門家の指導を得ながら検討してまいりたいと考えておる。
 それから、昭和59年当時の調査方法と結果についてである。県は、埋設地周辺環境への影響の有無を確認するため、青森営林局に協力して、昭和59年6月から11月にかけて周辺土壤及び関係河川水を採取して分析したわけであるが、2、4、5−Tはすべて不検出であるという結果であった。それから、昭和60年、61年の営林局による土壤、それから関係河川水の調査でも2、4、5−Tは全く検出されなかったということである。当時はダイオキシンについては分析対象としておらなかったわけである。しかし、2、4、5−Tは分析して、これが検出されなかったということで、ダイオキシンは拡散していないという判断をされたものである。

〇佐々木副委員長 魚類調査についても答弁していただきたい。

〇名須川環境保全課長 御所湖の魚類によるダイオキシン汚染調査、これについては、今回の調査結果をもとにして、そして専門家の指導を得ながらそういったものの必要性について検討してまいりたい、そのように考えておる。

〇斉藤委員 ガイドラインの問題については、これから国会に有事立法などの関連法案が出る。だから、そういう関連法案がまだ出ないうちから防衛文書が市町村まで徹底されるというのは全く異例のことで、私は、今度の新ガイドラインというのが本当に安保条約の事実上の改悪で、自治体から民間施設まで動員する危険なものだということを、これは指摘だけしておく。
 覚書の問題であるが、私も覚書を見せていただいた。ここには土壤調査の箇所は指定していない。私は、今度の調査を2カ所に絞ったというのは、恐らく営林局はうんと抵抗したということだと思うけれども、関連市町村は全部のところでやっていただきたいと強い要望である。今度はあくまでも第1次の調査で、本当に全箇所で、全箇所といっても1カ所はまだ不明で箇所自身わからないという重大な問題があるけれども、私は、そういう点では今度の調査を徹底しながら、これにとどめることなくやるようにしていただきたいと思う。
 今、埋設処分方法について専門家の話を聞いてという話であったが、例えばドイツなんかと比べるとこの埋設処分がどれほどいいかげんなものかはっきりするわけである。ドイツでは、ダイオキシン類、こういうものは岩塩の地帯に隔離して、処分方法がわかったときにそれを処理するというやり方を徹底している。日本の場合には、ああいう山の中に穴を掘って、ビニールシートを敷いたか敷かないかもわからないような状況で処分されている。実際にテレビ報道で、専門家もそこに加わって、ビニールシートがなかったとか、ぼろぼろになるようなコンクリート化をしたとかということを指摘されているわけだから、私は、この埋設処分のあり方も調査したらいいと思う。当時、林野庁の指示どおりにやったのかどうかも疑われる事態ではないか。その点で、雫石町内には当時の関係者がいるようだから、きちんと聞き取り調査をやればどういう埋設をしたかわかるのではないか、そのことを改めてお聞きする。
 あわせて、次の質問に入る。
 一般廃棄物最終処分場問題について、3月6日発表の厚生省初の全国調査によると、県内32施設のうち14施設が不適切となってるが、どういう実態だったのか、どう改善される見通しか。
 対応策として、浸出水の調査等を行って処分場の管理を徹底するよう指導するとしているが、ダイオキシン等の土壤、水質の調査も行うようになっているであろうか。
 調査を行う場合の県としての助成措置はあるのか。
 焼却灰、ばいじんの処理、処分はどうなっていたのか。
 次に、ごみダイオキシン問題の根本的解決のために、私は一番重要なことは、ごみを減量して出さない、燃やす量を大幅に減らす、このことだと思う。県は、来年度の予算にゼロ・エミッション構想推進費として1、416万円余の予算を計上している。ところが、平成6年3月に策定した岩手県ごみ減量化再生利用推進行動指針、これは平成12年度目標で、このときのごみ量は41万2、000トン。私は、この計画は抜本的に見直すべきではないかと思う。結局ごみの量は平成元年度で固定する。微減である。ゼロ・エミッションというごみを出さないという抜本的な対策に岩手県が今取り組もうというときにごみの量を大幅に減らすという計画がなかったら、私はこの精神は生かされないと思う。そういう点で、このごみ減量化計画、これを本当に20%、30%、それ以上大幅に減らすという計画を県自身が持って、それに必要な対策を講じる、このことが求められていると思うが、いかがであろうか。
 ごみの減量の有効策として徹底した分別回収がある。外国には、今、ごみという言葉がなくなって、資源をどう回収するかという、こういう発想だと聞いている。東京都の立川市では、13分別にして年間2、000トン減量したそうである。さらに、資源化のルートを確立して、トイレットペーパーやノートなどを里帰りというブランドにして販売ルートを確保し、行政や企業が率先して使うようにしているそうである。いわば資源として回収するだけではない。その資源を使って販売、使用するところまで自治体が面倒を見ているのである。北海道富良野市では、罐、瓶などの資源ごみ回収や生ごみの堆肥化などを徹底して、焼却するごみの量を当初見込みの10分の1以下に減量した。これは日本一の資源化率だと言われている。ここでは100トンの焼却場建設を予定していたが、6トンまで減量して、結局5トンの焼却炉2基だけを建設し、市財政も大幅に節約した、こういう実例があるわけである。県内市町村の分別回収の状況、資源化率はどうなっているのか具体的に示していただきたい。
 そして、県として分別回収を徹底させる方策はどうなっているのか。紫波町の35・3%というのが平成7年度の資源化率の最高だと思うが、この水準まですべての市町村を引き上げたら、私は大幅な減量、資源化率を達成することになると思う。
 ダイオキシン対策の一つとして、塩化ビニール類、プラスチック類の分別が有効である。どれだけの市町村、焼却場でこの塩ビ、プラスチック類の分別、分離がされているであろうか。
 昨年4月から容器包装リサイクル法の再資源化義務に関する規定が施行されてきたが、実施状況はどうなっているであろうか。ペットボトルに限っていえば、回収費用が一般廃棄物の10倍以上で、実際には再生利用されないのではないかと危惧されている。リターナブル、いわゆる再利用、ガラス瓶などのように繰り返して使う、こういうリターナブルの推進こそ必要ではないかと考えるが、いかがであろうか。
 環境保健センター整備の具体的計画について聞くが、私、昨年の決算委員会で、ぜひ県としてダイオキシンの検査体制を確立してほしいと。これに対して千田課長は、新しい環境保健センターの整備のときに検討したい、こういう前向き答弁であったが、この具体的な整備の計画はどうなっているか。同時に、そのためには専門技術者の養成が必要である。これは早くから専門技術者を養成すべきだと思うが、いかがであろうか。
 最後であるが、県は、ごみ処理広域化計画策定で県内6ブロックの広域化を検討していると報じられている。その具体的根拠は何であろうか。先ほども紹介したように、徹底した減量、リサイクル、リユース、こういうことを行えばかなりの程度ごみの量を減らし、同時に大規模な焼却場は必要なくなる。減量やリサイクル、リユースの計画なしの大規模化というのは、結局ごみを大量に集めることにしかならない。そういう点では、この6ブロックに広域化するというのは実際のごみの減量には逆行するのではないか、このように思う。ごみの減量、リサイクル、リユース、リターナブルの計画と結んで検討されているかどうかお聞きする。

〇名須川環境保全課長 2、4、5−T系除草剤の処分方法についてである。
 昭和59年に現地で調査を行ったわけである。このときに、営林局、関係市町村、それから県、一緒になって埋設箇所を掘削して、そして、確認したわけである。そのときは林野庁の指示どおりに埋設処分されているということを一応確認していたわけである。(斉藤委員「20カ所全部か。」と呼ぶ)そうである。
 そういう状況であるので、現時点で改めて処分方法の調査、それは、今回の水、土壤、そういった調査結果をあわせて、専門家の指導を得て検討してまいりたいと考えておる。

〇中村環境整備課長 まず、一般廃棄物最終処分場についてであるが、厚生省が不適切として公表した14施設は昭和52年3月以前に設置されて、その時点においては何ら規制がなく、その後、昭和52年4月以降に設置された施設について定められた遮水構造や浸出水液の処理施設等を設置しなくても経過措置で使用が認められたものであるが、地下水等を汚染するおそれのある廃棄物を埋め立てていたことなどから、処分基準に違反するおそれが強いものとされたものである。
 今回、不適切と公表された14施設については、この3月末までに地下水等を汚染するおそれのある廃棄物の埋め立てを中止して、当該廃棄物を他の市町村等の施設基準に適合した最終処分場で処分するよう指導して、その調整を図っているところである。
 次に、調査についてであるが、市町村に対して、厚生省の通知に基づいて、3月12日付で周辺の地下水の水質及び最終処分場からの排水の水質調査を行うよう指導しているところである。
 なお、ダイオキシンの調査についてであるが、先ほど環境ホルモンに関連してお答えしたところであるけれども、現状ではダイオキシンは規制対象になっておらない。本来、一般廃棄物の最終処分場について処理するのは市町村が主体を持ってやるわけであるけれども、市町村の主体性を尊重しつつも、今後、県としてどのような方向で調査を行うのが適当なのか検討したいと考えておるところである。
 また、一般廃棄物の処理については、先ほど申したとおり、市町村の固有の事務ということで、施設の維持管理費用等についても交付税措置がされているということで国の財政措置が講じられているものであるので、御了承願いたいと考えておる。
 また、ごみ減量化、再生利用推進行動指針についてであるが、まず、県全体のごみの排出量は平成4年度をピークに年々減少してきておって、目標に向けて順調に推移しておる。また、平成9年4月からは容器包装リサイクル法が施行されて、指定7品目について県内市町村が分別収集に取り組んでおって、一般廃棄物の、重さで2割から3割と言われている容器包装廃棄物の減量化が見込まれるところである。さらに、平成12年度から対象となる3品目についても分別収集が実施されると、一層減量化が進むものと考えておる。
 今後は、容器包装リサイクル法の円滑な推進に向けて、市町村が抱える問題を把握して適切な指導を行うとともに、県の指針についても新しい総合計画策定の中で見直しを検討してまいりたいと考えておる。
 次に、分別回収の状況等についてであるが、県内市町村の中で資源ごみの分別回収を実施しているのは、平成9年5月現在で37市町村となっておる。また、一般廃棄物のリサイクル率は、平成7年度の実績で12・1%となっておるが、平成9年4月から容器包装リサイクル法が施行され、分別回収が進んでいることから、さらに上昇しているものと考えておる。
 容器包装リサイクル法に基づく分別収集を中心に、市町村が昨年策定した市町村分別収集計画の円滑な実施に向けて、市町村が抱える課題を把握分析し適切な指導、支援を行うとともに、集団回収など県民の皆さんの理解を得て自主的かつ積極的な活動を促進してまいりたいと考えておる。また、市町村の取り組み強化と住民の理解を得ながら指導してまいりたいと考えておる。
 次に、塩化ビニール、プラスチックの分別についてであるが、県内市町村の廃プラスチック類の分別は、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみの3種類となっておる。分別収集の状況については、全部のプラスチックを可燃ごみとして回収しているのは35市町村であり、一部のプラスチックを不燃ごみとして分別しているのが16市町村、ペットボトルや発泡スチロールを資源ごみとして分別しているのが19市町村となっておる。
 最後に、容器包装リサイクル法の実施状況であるけれども、12月末の実績でガラス瓶が29市町村、ペットボトル19市町村、スチール罐46市町村、アルミ罐が47市町村、飲料用紙パックが17市町村となっておる。さらにこれらについてリターナブルの件についての商品の推進についての話があったが、これについては必要であるが、基本的には社会全体の問題であると考えておる。
 次に、ごみ広域化計画についてであるが、ごみ処理の広域化についてはダイオキシン対策の高度な環境保全対策の必要性、ごみ処理コストの抑制、ごみ焼却による廃熱の有効利用、資源化とかごみの処理効率の向上等、今後のごみ処理の課題に対応するために必要であり、県として広域化計画の策定を目指しているものである。
 今後、広域化計画については、容器包装リサイクル法の施行あるいは生ごみの一部の堆肥化、そういうことによる焼却ごみの減量も考慮して計画の検討を行っているところである。

〇千田総務生活課長 環境保健センターの整備についてであるが、これについては先ほど部長からもお話ししたところである。平成12年度を目標に整備を計画しているところであるが、その整備に当たっては、ダイオキシン類の検査ということも可能な設備のほかに、有害化学物質の環境監視項目の拡大といったことにも対応できるような、そういう機能を整備するという方向で検討しているところである。また、検査に当たる職員の養成であるが、それは当然必要なことであるし、こういったハード面の整備にあわせてその養成に努めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 私は余り気を使ってまとめて質問し過ぎた。
 それで今の答弁に対して、14施設が不適切となってこれは対応すると。実は去年11施設に指導改善があるわけである。あわせて25施設。もう廃止したり対応されている。私はその点でさっきの答弁だと、ダイオキシンの関係は規制対象に入っていないから水質調査の対象にならないと。これでは県民の不安は解消されないと思う。本当にここには何が捨てられているかわからないわけであるから、その点で私は県の助成措置も含めて聞いた。全くやらないというのではなくて、検討の余地があるような答弁であったから、部長、ひとつ私は今、県民が一番心配しているのはやっぱりダイオキシン問題である。そして本当に不適切というような施設が25もある。であるから、私はそういう点では市町村の責任だけれども、県も必要な助成措置もとって、これは全面的に調査すると。安全だったのかどうか、これは数十年にわたって使われてきたところであるから、その点をひとつ部長に答弁をお願いしたい。
 もう一つは、ごみ減量化計画である。若干減っているだけである、この間の推移を見ると。平成4年が42万6、000トン、平成7年が42万トン。確かにふえていないけれども、微減である。私はこれではゼロ・エミッションに参加するといっても余りにも乖離が大き過ぎる。であるから、本当にもう2割、3割、こういうごみの減量ができないかどうか。また、そういう目標を立ててこそ知恵も出てくる。対策も出てくる。私はそういう点でゼロ・エミッションというこういう哲学を出したわけであるから、行政としての、岩手県のごみ問題についてもその哲学にふさわしい政策目標、対策があってしかるべきではないかと思うが、部長、いかがであろうか。
 それと最後であるが、容器包装リサイクルの問題で、確かに実施された。しかし実はあの法律が通ったらミニペットボトルが大はんらんしている、今。いわば再商品化するからということで、あの法律が通った途端にミニペットボトルの大はんらんである。私が質問で言ったように、体積があるから回収費用が10倍かかる。一般ごみの体積の6割は容器包装類である。私は、であるからこの法律が通ったから回収が進むというのはとんでもない話である、これは。そうはならない。例えばペットボトルの4月から12月までの回収実績は今言ったように、19市町村でしかやっていない。ペットボトルは140トンしか回収していない。これは事実である。私はこの法律というのは残念ながら有効な対策になり得ない。なり得ていない。であるから、私はこれは自治体だけの責任ではないと思うけれども、リターナブル、外国では当たり前である。ペットボトル、大量消費しているところなんかどこもない。私はそういうことも含めて対応していかないと、そして行政としてはリターナブルを大いに推進しようと、そういう運動を呼びかけることが必要ではないかと思うが、これを聞いて終わる。どうであろうか。

〇吉田生活環境部長 最終処分場の問題であるが、11の施設についてはもう既にお話しのとおり使用中止いたしておる。それから14について公表になったわけであるが、これについてダイオキシンの問題をどうするかということであるが、これは市町村で判断することではあるが、いわゆるどんな状況になっているか、水質とか土壤の関係でどうなっているか調査をする必要があるかどうかは市町村の自主的な判断によるところだと思うけれども、状況によっては調査をしてもいいケースもあるのかと考えているところである。ただ、財政上の問題があると思うし、これは交付税でさっき課長が答弁したように財政措置がされておるので、市町村の自主的な判断によるところだと考えておる。状況によっては、場合によったら指導する場合もあり得るかと考えておる。
 それから指針の見直しであるが、容器包装リサイクル法の施行等により、現実に20%ないし30%のごみの減量化がされているわけであるので、これは新しい県の総合計画を今見直し中である。その見直しとあわせてこの指針の見直しを進めていきたいと考えているところである。
 それから、ミニペットボトルの問題については、リターナブルというのはこれは行政だけでできる問題ではない。社会全体、製造元とかいわゆるユーザーとか世界全体で考えなければならない問題であり、国とかあるいは地方公共団体もそうであるが、それに加えて民間事業所、その他県民みんなあるいは国民みんなが考えなければならない問題だろうと考えておるところである。

〇佐々木副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木副委員長 質疑がないようなので、これで生活環境部関係の質疑を終わる。
 次に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求める。

〇緒方保健福祉部長 保健福祉部関係の予算について御説明申し上げる。
 議案その2の6ページをお開き願う。保健福祉部関係の一般会計歳出予算額は3款民生費の431億6、762万7、000円のうち、2項生活文化費を除く416億9、342万9、000円と、次のページに進んで、4款衛生費の232億1、184万7、000円のうち、2項環境衛生費の一部を除く183億5、980万9、000円と、9ページに参って、13款諸支出金の1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までの260億740万8、000円のうち、2項公営企業出資金の一部を除く258億2、465万4、000円のあわせて858億7、789万2、000円であり、前年度当初予算に比較して52億6、398万5、000円、率にして5・8%の減となっておる。
 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の114ページをお開き願う。114ページから115ページにかけての3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の40億5、241万円余は、民間社会福祉活動の育成助成を図る民間社会福祉活動推進費、次のページに進んで、民間社会福祉施設の整備助長を図る民間社会福祉施設整備等助成費、すべての県民にやさしいまちづくりを推進するためのひとにやさしいまちづくり推進事業費がその主なものである。115ページから116ページにかけての2目身体障害者福祉費の28億4、512万円余は、身体障害者の社会活動への参加と自立を促進する障害者社会参加促進事業費、次のページに進んで、在宅身体障害者の福祉の増進を図る身体障害者福祉活動推進費、重度心身障害者(児)医療助成費、次のページに進んで、身体障害者の外出時の付き添いを専門に行うヘルパーの養成を行うガイドヘルパー養成研修事業費がその主なものである。117ページ中ほどの3目精神薄弱者福祉費の29億4、032万円余は、入所援護委託料、精神薄弱者福祉工場運営費補助等を行う精神薄弱者更生援護費、精神薄弱者更生施設などの施設整備を行う精神薄弱者援護施設整備費がその主なものである。118ページをお開き願う。118ページから120ページにかけての4目老人福祉費の82億6、356万円余は、老後の生活を健やかで豊かなものとするための老人福祉活動推進費、老人入所施設及び老人利用施設整備のための老人福祉施設整備費、次のページに進んで、高齢者の生きがいと健康づくり総合推進モデル市町村事業費補助等を行う高齢者の生きがいと健康づくり推進事業費、介護保険制度に備え、介護保険事業支援計画の策定等を行う介護保険導入推進事業費、次のページに進んで、ホームヘルパー研修修了者に対してリフレッシュ研修等を行う地域介護マンパワー養成強化事業費がその主なものである。120ページ中ほどの5目遺家族等援護費の4、728万円余は、永久帰国者特別援護対策費及び中国帰国者への日本語指導、生活相談等を行う中国帰国者自立研修センター運営費がその主なものである。120ページから121ページにかけての6目国民健康保険指導費の7億8、062万円余は、国民健康保険診療施設運営費補助及び保険者の財政基盤の安定確保などを図るための国民健康保険事業安定化推進費がその主なものである。121ページ中ほどの7目婦人保護費の1億2、843万円余は、婦人相談所管理運営費及び婦人保護施設入所保護費がその主なものである。121ページから122ページにかけての8目社会福祉施設費の28億4、924万円余は、松風園管理委託料、中山の園管理運営費、次のページに進んで、ふれあいランド岩手管理委託料がその主なものである。122ページ中ほどの9目老人福祉施設費の2億8、155万円余は、養護老人ホーム松寿荘の管理運営に要する経費である。
 126ページをお開き願う。126ページから127ページにかけての3項児童福祉費1目児童福祉総務費の31億1、299万円余は、保育所などの整備を行う児童福祉施設整備費、多様化する保育需要に対応するための特別保育事業費、次のページに進んで、本県の実情に合わせ市町村が行う一時的保育、休日保育及び延長保育料に要する経費を助成するすこやか保育支援事業費、3歳児までの乳幼児及び妊産婦の医療費に対して助成する乳幼児、妊産婦医療助成費及び一戸町奥中山地区に整備予定のすこやか子どもランド−−これは仮称であるが−−の整備事業費がその主なものである。128ページをお開き願う。2目児童措置費の51億4、474万円は、心身障害児などの在宅福祉を推進するための心身障害児援護費及び児童保護措置費がその主なものである。128ページから129ページにかけての3目母子福祉費の34億4、503万円余は、母子家庭医療助成費及び児童扶養手当支給事業費がその主なものである。129ページに参って、4目児童福祉施設費の26億2、798万円余は、杜陵学園などの児童福祉施設の管理運営に要する経費である。
 131ページをお開き願う。4項生活保護費1目生活保護総務費の1億8、189万円は、生活保護給付に係る事務費及び指定医療機関等の指導監査費がその主なものである。2目扶助費の43億6、431万円余は、生活保護世帯に対する生活扶助、医療扶助等の給付に要する経費などである。132ページをお開き願う。3目生活保護施設費の5億9、661万円余は、救護施設好地荘及び松山荘の管理運営に要する経費である。
 133ページに参って、5項災害救助費1目救助費の3、128万円余は、救助及び小災害見舞金、災害救助基金積立金に要する経費などである。
 以上が、民生費のうち保健福祉部関係の歳出予算である。
 134ページをお開き願う。134ページから135ページにかけての4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の14億2、393万円余は、妊婦乳児健診診査費等の補助、女性の生涯を通じた健康の保持増進を図るための生涯を通じた女性の健康支援事業及び総合的な周産期医療の体制を整備する周産期医療対策事業等を行う母子保健対策費、健康づくり施策を総合的に推進するための健康いわて21プラン策定事業等を行う地域保健推進特別事業費、次のページに進んで、環境保健行政の科学的・技術的中核機関として衛生研究所と公害センターの再編整備を行う環境保健センター−−これは仮称であるが−−の整備事業がその主なものである。135ページ中ほどの2目結核対策費の1億917万円余は、結核予防法に基づき医療費の給付等を行う結核健康診断、予防接種及び結核医療費、結核予防の普及啓発及び職種別専門研修等を行う結核対策特別推進事業費がその主なものである。135ページから136ページにかけての3目予防費の8億9、211万円余は、次のページに進んで、狂犬病予防技術員の設置及び市町村事務費の交付等を行う狂犬病予防費、ベーチェット病、パーキンソン病等の特定疾患患者の医療費の給付等を行う特定疾患対策費、重症難病患者に対する入院施設の確保のための難病医療ネットワークの整備を行う重症難病患者入院施設確保対策費がその主なものである。136ページ中ほどの4目精神保健費の10億9、046万円余は、措置入院患者の医療費等の給付を行う精神障害者入院等措置費、精神障害者の社会適応訓練及び小規模作業所の運営費補助等を行う精神障害者社会復帰促進費、精神障害者社会復帰施設の運営費補助及び施設整備費補助がその主なものである。137ページに参って、5目衛生研究所費の3、185万円余は、衛生研究所の管理運営に要する経費である。137ページから138ページにかけての6目老人保健費の79億8、905万円余は、老人保健法に基づき医療費及び保健事業費の負担等を行う老人保健対策費、医療法人等が借り入れした老人保健施設整備資金の利子補給補助、次のページに進んで、国立循環器病センターと本県の中核的診療施設との情報ネットワークの整備等を行う診療施設情報高度化支援ネットワーク事業費がその主なものである。
 139ページから140ページにかけての2項環境衛生費2目食品衛生指導費の4億2、151万円余は、食肉の衛生確保を図るため屠畜検査等を行う乳肉衛生指導取締費、次のページに進んで、食鳥検査等を行う食鳥肉安全確保対策費がその主なものである。
 144ページをお開き願う。3項保健所費1目保健所費の25億3、615万円余は、保健、医療、福祉情報に関する国、県庁、保健所間のネットワークの充実強化を図る保健所情報システム運営費、久慈保健所の庁舎新築を行う施設整備費、住民のニーズに応じた保健、医療、福祉サービスの展開及び地域に根差した保健活動の強化等を図る地域保健連携支援事業費がその主なものである。
 145ページに参って、4項医薬費1目医薬総務費の11億4、305万円余は、保健福祉課等の管理運営費及び各種の衛生統計調査に要する経費である。145ページから147ページにかけての2目医務費の19億5、070万円余は、次のページに進んで、自治医科大学の運営費等の負担等を行う医師確保対策費、病院群輪番制病院の運営費補助及び救命救急センターの施設設備整備費補助等を行う救急医療対策費、次のページに進んで、いわてリハビリテーションセンター管理運営費がその主なものである。147ページ中ほどから148ページにかけての3目保健婦等指導管理費の7億1、762万円余は、看護婦等養成所及び院内保育事業の運営費補助等を行う保健婦等指導費、看護婦等養成所及び県立大学等に在学する学生に対し、修学資金の貸し付けを行う看護婦等修学資金貸付費、県立衛生学院及び県立高等看護学院における保健婦、助産婦、看護婦等を養成するための保健婦等養成費、次のページに進んで、看護婦宿舎の個室整備を行う看護婦宿舎施設整備費補助がその主なものである。148ページ中ほどの4目薬務費の5、415万円余は、輸血用血液の確保を図るため献血者報償費の補助等を行う血液事業推進対策費及び血液製剤の原料血漿確保等を図るため、新たな成分献血協力事業所の開拓などを行う献血推進特別事業費がその主なものである。
 以上が、衛生費のうち保健福祉部関係の歳出予算である。
 次に、271ページをお開き願う。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の78億円は、県立病院等事業会計に対して運営資金の貸し付けを行う県立病院等事業会計運営資金貸付金である。
 次のページをお開き願う。2項公営企業出資金1目公営企業出資金の12億9、872万円余のうち保健福祉部関係予算は、県立病院等事業会計に対して出資を行う県立病院等事業会計出資金の11億1、597万円余である。
 273ページに参って、3項公営企業負担金1目公営企業負担金の169億868万円余は、県立病院等事業会計に対して負担を行う県立病院等事業会計負担金である。
 以上が、諸支出金のうち保健福祉部関係の歳出予算である。
 次に、議案第5号の母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の326ページをお開き願う。歳入歳出予算総額は、それぞれ4億1、463万円余である。歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であり、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童の福祉の増進などを図るために必要な資金に要する経費である。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わる。
 次に、予算に関連する議案について御説明申し上げる。
 議案その3の39ページをお開き願う。議案その3の39ページ、議案第43号の化製場等に関する条例の一部を改正する条例は、化製場等の設置等の許可の申請に係る手数料の額を増額しようとするものである。
 以上で、保健福祉部関係の議案についての説明を終わる。御審議の上、よろしくお願い申し上げる。

〇佐々木副委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇藤原(良)委員 私は、3款4目老人福祉費の中の介護保険導入推進事業費について第1点、そのほか2点、政策的な平成10年度以降の取り組み姿勢についてお尋ねをいたしたいと思う。
 まず、介護保険の導入推進事業費の中、これ一括して計上されていると思うのでこの中身についてお知らせをいただきたいと思う。できるだけ私も簡潔にお話し申し上げていくので、答える方も簡潔にお願いしたいと思う。
 この理由を申し上げたいと思う。この介護保険を導入していく上で市町村の事務、いわゆる事務事業というもの、事務そのものが非常にたくさん出てまいる。いろんな意味で保険財政の安定を求められると思うし、介護保険制度の計画づくりをしていかなければならないあるいは保険料の徴収とかあるいは保険給付等、これは市町村が担当されていくわけである。そういう中で、広域的な取りみ姿勢ということが非常に望まれており、モデル事業を推進してやっておられると思う。要介護認定の実施とかあるいはケアプランもされているようであるが、それらを含めてその実態とまたそのモデル事業をやってこられた成果についてお示しをいただきたいと思う。そして広域化を進めていく上でいろいろな意味でのメリットが出てくると思う。保険料水準の平準化等を含めて、その方向づけに持っていくためのいろんなメリットが出てくると思うけれども、それらについての今回の予算計上しているこのたびの項目について、その中身について関連づけてお示しをいただきたいと思う。

〇緒方保健福祉部長 まず、今現在の介護保険における広域化の対策についてのお尋ね、その中でまずモデル事業の実施状況、その成果についてであるが、県では平成8年度からこのモデル事業を実施しており、9年度においては11市町村のモデル市町村で施設入所者538人、在宅の要援護高齢者528人に試行的に認定を実施しておる。その結果、この調査員による調査及び身元について国の基準によるコンピューターで判定したものと、実際にこの調査の後、かかりつけ医の意見等をもとにモデル審査会で市町村で判定したものでは78%が一致しておる。また、これらの結果については、各市町村から報告を受けて高齢者サービス調整推進会議において、福祉団体や医療団体等も含めた会議の場で、この市町村の施行について取りまとめた。この結果、調査員や審査員の資質の向上やかかりつけ医と市町村との協力体制の確保などが課題とされたところであり、こういったことを今後の課題にしたいと考えておる。
 また、広域化に関連する予算については、長寿社会課長の方からお答え申し上げる。

〇千葉長寿社会課長 介護保険の共同事業であるあるいは介護認定審査を共同事務でやるというような形においては、大変一つの小さい市町村においては、認定審査員の確保をどうするかというような専門職員の確保の問題で大変問題がある。したがって、数カ所の市町村が共同で実施するということについては、非常に大きなメリットがあるのではないかと考えておるし、あるいは保険事業そのものを広域連合みたいな形でやるということも一つの選択肢ではないかと思っておる。いずれ、県においては、そういう希望の市町村があったら積極的に支援してまいりたいと考えておる。

〇藤原(良)委員 そこで、もしおわかりならちょっとお示しをいただきたいと思うけれども、そういう方向だと思うし、その方がメリットがたくさんある。よって、今話題となっておる広域連合等が出ているわけであるけれども、これも地方分権の推進の一つの流れであるけれども、そこで、広域化を進めていく予算措置を考えていこうとしておられる。これについてどう把握をされておるのであろうか。
 それから、あわせてこれら等を含んだ広域連合というものの立ち上がりを助成していくのだと、そういう案があるようであるけれども、ひとつおわかりであればお示しをいただきたい。

〇緒方保健福祉部長 まず御質問の後半の広域連合に対する対応であるが、厚生省からもこういった個別の市町村で対応できない場合においては、認定あるいはもっと幅広い介護保険事業全体を含めて必要な支援をするようにと、こういう指導があったが、県としては各それぞれの市町村において、審査会の共同設置などを広域的に対応したいという意向がある市町村については、市町村間の調整等必要な支援をしてまいりたいと考えておる。例えば、気仙地区においては、現在広域連合についての取り組みをされておるところであるが、気仙地区において、今のところ介護認定業務についてはそういった取り組みをしたいというような話はお聞きしておらないが、担当の地方振興局、保健所に対しては、仮にそういった取り組みの中で介護保険についても取り組みたいという市町村から希望が出た場合には必要な支援をするようにと、こういった指示をしているところである。
 予算の件については、長寿社会課長からお答え申し上げる。

〇千葉長寿社会課長 この予算については、実は現在の県の予算には計上しておらない。と申すのは、3月11日に行われた全国の主管課長会議の席上で案が示され、とても間に合わなかったものであるので、そういった広域連合であるとかあるいは市町村で保険財政の共同化ということを積極的に実施したいという御希望があるのであれば、希望に沿った形で支援をしてまいりたいと考えておる。

〇藤原(良)委員 市町村待ちということになると思うけれども、わかった。
 その介護保険に関係をするけれども、次に政策的なことについて2点ほど。
 第1点目であるけれども、特養の入待者の適正化についてお尋ねをしたいと思う。
 これは介護保険が導入されていくとなおさら需要度が高まってくると思う。現在でも待機者が私どもの身近なところでも大分見受けられる。その中で、介護保険が導入されていくと、この保険を適切に運用するためにもこれは是が非でも必要になってくるわけであるけれども、24時間の専門的にケアを必要とする人と、それから必要性の低いというか在宅サービスでも可能な人というか、そういう対象者が出てくると思う。その仕分けをこれはしていかなければならない。これは受け入れ態勢の施設とすれば、私は代表質問で取り上げたのは療養型病床群を取り上げた。これはどうしても受け入れ態勢とすれば3本柱である。特養、それから老健施設、それから療養型病床群。療養型病床群はどうしても進み具合が悪いということで実は取り上げていった、このほかの理由もあるけれども、それは取り上げたけれども、代表質問で取り上げなかったこの分野であるけれども、これを進めていく上で仕分けが必要になってくると思う。どのような対応あるいはどういう方法を考えていこうとしておられるかということをまずお尋ねする。
 そしてまた、デイケアについての利用回数の制限が今検討されておる。ことしというか近く中央社会保険医療協議会にこれは諮問するということが論じられておる。そうなってくると、これはいわゆる重症者というか、この一つの基準というのがあるわけであるけれども、重症者を除いての利用回数を週3回ぐらいに制限するのだということが論じられておるけれども、これらの対応等を含めて、やろうとする理由があるからだと思うけれども、医療費がたくさんかかっていくとかさまざまな理由があるわけであるけれども、これらの対応についてお尋ねをまずする。

〇千葉長寿社会課長 まず1番目の特別養護老人ホームの入所の適正化であるが、9年の12月末現在での入所待機者は988人である。このうちで在宅で生活なさっている方は266人、26・9%、そのほかの方々は医療機関に入院あるいは老人保健施設に入所している方である。その在宅で待機している方々の中にも、ホームヘルパーであるとかあるいはデイサービス等の在宅サービスが十分に提供されないために、在宅での生活ができないので施設入所への待機者になっている方も多いというようなこともあるので、これに対して多様な在宅サービスを展開して、できるだけ在宅で生活できるようにしてまいりたいと考えておる。
 また、特別養護老人ホームは、委員おっしゃるとおりに、真に24時間の専門的処遇をする方々が入所の対象になるということであるし、また、そういう方々が待機することなく特別養護老人ホームに入所できる体制というものをこれから図っていく必要があるだろうということで、現在、入所なさっている方々のさまざまな状況等を見ながら、そういうことも検討してまいりたいと思うし、さらに特別養護老人ホームについては、現在、岩手県の場合には老人福祉計画が目標を上回っておるので、事業採択は困難であるけれども、頑張って在宅サービスを十分に提供してもなお家庭での生活が困難な方に対しては、特別養護老人ホームの設置ということも考えてまいりたい。
 ただ、もう一つ在宅サービスの介護を受けながら生活できるというケアハウスというのがある。こういったものの増設にも積極的に努めてまいりたいと考えておる。
 デイケアであるけれども、このデイケアというのは、老人性痴呆であるとかあるいは脳血管疾患等による精神とか(藤原(良)委員「そういうのはわかっているから。」と呼ぶ)わかった。10年4月の診療報酬等の改定によって、このデイケアの利用が週3日を限度として算定されることになっておると聞いておる。ただ、寝たきりの状態にない痴呆性老人については、この算定回数の制限は適用されないと聞いておる。これは医療機関の収益を上げるために、送迎バスでデイケアが必要ない高齢者まで集めているということも言われておるので、そういう批判もあり、これを放置しておくと医療費が膨らむということで、本当にデイケアが必要な高齢者が利用できるようにするためというようなことも理由であると聞いているところである。

〇藤原(良)委員 そういうことだと思う。であるから、これ必要でない人もいわゆる対応されているというところでこういう案が出てきたのだと思う。であるから実態まではここでは聞かないので、後で実態をお聞きするのでよろしく対応してもらいたい。
 それから、最後の3点目についてお尋ねするけれども、地域医療支援病院についてちょっとお尋ねする。
 これは4月から整備される。そういう方向になった。その4月から整備をされるに当たって、各病院からの申請に基づいて各都道府県知事がこれは承認されることになっておる。であるから、岩手県知事のもとでの承認ということになるけれども、これは医療機関の役割分担をはっきりさせていくということの中身になると思うけれども、これの承認される条件というかこれについて示してもらいたい。
 それからメリットについて、たくさん言わなくとも結構であるから、大きく分けて2点お尋ねする。
 運営費について、それから診療報酬についてのメリットを知らせてもらいたい。
 それから、今まで病病連携、病診連携をいろいろ論じてまいったけれども、これらとの関係はどうなるであろうか。

〇緒方保健福祉部長 地域医療支援病院、医療法改正によってこういう制度ができるが、要件は紹介患者への医療提供ということで、紹介率が原則80%以上、経過措置として60%以上である。それから、施設整備の共同利用、オープン化、あるいは救急医療研修などの対応である。原則として200床以上である。
 メリットとしては、今回の診療報酬改定において80%以上の紹介率があれば900点という診療報酬が課せられる。また、まだ詳細は示されていないが、運営費の補助が行えることになっておる。こういったことによって、今まで病病連携、病診連携というようなことが言われてきたわけであるが、さらに医療機関の機能分担と連携がはっきりと位置づけられていく、このように考えておる。

〇藤原(良)委員 何度も立たない、あと終わりにするけれども、そうすると、今までオープン病院的な、今、補助費も出してやってきておる宮古地域とそれから気仙地域ということであるけれども、これら等は今後どういう関係に見ていかれるであろうか。今までの経過を踏まえた上でどう関連づけていかれるものであろうか。県の施策としてお尋ねをする。

〇緒方保健福祉部長 これまでそういったオープン化等もいろいろと地域で進めてまいっておる。それで、今回こういった医療法の改正があったので、そしてまた改正医療法の中で、新しい医療計画の定める事項として地域医療支援病院の整備目標というものを医療計画の中で定められるようにされたところである。そこで、県としては、今月に改正する医療審議会で新しい保健医療計画、これは新しい県の総合計画と連携しながらこういったものを策定し諮問することとしており、その中でこの地域医療支援病院のあり方あるいは各医療圏における地域医療支援病院の整備等について、これまで沿岸地区等で行われてきた事業等の関係も議論しながら、平成12年2月までに整備目標を明らかにすると、その中で議論していきたいと、このように考えておる。

〇山内委員 あと、何人ぐらいであろうか。

〇佐々木副委員長 9人出ておる。

〇山内委員 実は私、高度歯科医療それからリハ医療、救急医療、特にも大船渡の問題と精神科救急医療システムについてともう一つお聞きしようと思っておったが、一つだけに絞る。
 それは児童虐待についてである。他の問題は別の機会に意見交換等をさせていただく。
 児童福祉総務費の中に、児童養育支援ネットワーク事業費が計上されておる。これまでのこの委員会でもあるいは本会議でも青少年の犯罪等が大きな関心を集めてこの対策が論じられたわけである。また、それと同じように私心を痛めておったのは、児童に対する虐待の背景、実態といったものについて、県行政の中でもそろそろ取り上げていかなければならない段階なのかと、こういった気持ちでおった。たまたまと申そうか、この平成10年度の予算の中にこれにかかわっての予算が計上されているわけであるので、これらの対応について尋ねたいと思う。
 以前から、例えばパチンコに興じて、炎天下、自動車内に児童を放置するだとか、せっかんのためという名目のもとにたんすの中に閉じ込めて死に至らしめる事件、たくさんの事件が報道されておる。本県においてこのような悲惨な死に至るような事件があるとは私はまだ聞いておらないけれども、死に至らないまでも、いわば児童虐待と言われるような現象が本県でもあって、それが相談件数等も増加していると新聞等にも報じられておる。したがって、まずお聞きするのはその実態についてどのような、例えば児童相談所への相談件数がどのような実態になっておるのか、また、差し支えなければ内容についてどのようなものが挙げられているのか、こういったことをお知らせいただきたいと思う。
 そして、この児童虐待について大変難しいのは、これは多くの場合家庭内で行われるわけであり、なかなか表に出てこない、県行政も警察の方もなかなか実態を把握できない状況にあるのだろうと、こう思う。そういった苦労がある中であっても、児童に対する人権侵害の最たるものという認識のもとにこの対策が進められていかなければならないと、こう思う。
 そこで先ほどのお尋ねのように、実態についてどう把握されて、これからどのような対策を講じられようとしているのか、この点についてお知らせをいただきたいと思う。

〇緒方保健福祉部長 児童虐待のまず実態であるけれども、県内3カ所の児童相談所で受け付けた虐待の相談件数は、平成8年度には12件であったものが、今年度は2月末現在で既に33件と大幅にふえておる。この中で最も多いものは、身体的暴行の26件である。また、食事を満足に与えないなどの保護の拒否、怠慢が6件、そして心理的虐待が1件で合計33件である。これに対する児童相談所の対応としては、児童を保護するために養護施設等へ入所措置したものが12件、児童福祉による保護者への指導や助言を行ったものが21件となっておる。
 この対策であるが、こういった問題については全国的にも増加傾向にあり社会問題化してきたところから、中央児童相談所において児童虐待防止連絡会議などを開催するなど取り組んでまいった。
 県としては、平成10年度に今委員からお話があったように、新しい事業において県内の保健、福祉、医療あるいは司法、教育等の関係機関や団体等で構成する組織を新たに設置し、この中で総合的な対策を検討していただくと。そしてまた、これと並行して広報啓発や実態調査を行うなど、関係機関と連携をしながら、児童虐待の未然防止について検討そして対策を進めてまいりたいと、そしてまた早期発見、早期対応ができるような体制の整備を図ってまいりたいと、このように考えておる。

〇山内委員 今どういった内容での相談があったかということについて身体的暴行26件等のお話があった。そこに至る原因というか、そういったところまでの把握はもちろんなさっていただいていると思う。確かに形の上では暴行であるとかそれから食事等を与えないだとか、心理的虐待であるとかという仕分けはできるであろうが、そこに至った原因、理由というものもこれは把握をしておかなければ、今後の対応というのは大変難しくなるだろうと、こう思う。ぜひともそういったところにも意を用いて把握をしていただきたい。
 それと私思うのは、なぜこういったところに言及するかというと、昔からも児童虐待というか、そういう現象はあったと思う。そのいろいろな背景というものが複雑に絡みついて、そういった児童虐待に結びついていくのだろうけれども、その根本にあるのは、何かどこかしらに経済的な理由というのが必ずあったような気がしてならない、以前の虐待というものは。ところが今日は、そういう経済的な遠因によって児童虐待が引き起こされると、こういったものではないような気がしてならない。いわば父性であるとか母性が欠落をしていると、欠如していると、そういったところに大きな理由があるような気がしてならない。これはどういった理由でもってそういった父性、母性というものが欠落していくのか、大変難しい問題だろうとは思うけれども、実は先ほどの予算審査の中でも、例えば環境ホルモンのことが議論された。これが肉体が精神を支配するという言い方はできないだろうけれども、もしかしたらばそういったところにも影響が出ているのかと思ってみたりもする。それから、今青少年がさまざまな事件を起こしているけれども、その背景というものもこの児童虐待に似たような背景のもとであるのではないかと、こういった気がしておるので、そういった深いところにかかわってのぜひとも対策というか対応をお考えいただきたいと、こう思うが、その点についてのみお知らせをいただいて質問を終わる。

〇緒方保健福祉部長 委員から御指摘あったように、この虐待が生じる要因は、私どもまだ児童相談所で断片的にしか把握をしていないわけであるが、非常に昔に比べて多様になってきていると思う。家族の機能が変化しているとか教育の問題もあるかと思う。あるいはおっしゃられたようないろんな環境の問題も関係している可能性もこれは否定はできないかもしれない。私どもとしては、まず児童虐待というものの実態調査を行い、そしてそこに潜むいろんな原因というものを個別のケースをよく研究させていただいて、その上でこれは保健福祉分野だけではなくて、教育なり司法なりさまざまな方々と十分連携をとって、地域社会で一丸となった対策を立ててまいりたいと考えておる。

〇佐々木副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩する。
   午後2時59分 休 憩
 
   午後3時18分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 質疑を続行する。

〇佐藤(啓)委員 放課後児童対策事業、これは説明書にも書いてあるので、端的に質問に入りたいと思う。
 この事業については、県の学童保育連絡協議会が長年その制度化を求めて、本県議会に対しても多数の署名を添えて請願を提出するなどの運動を続けてまいった。県議会の各委員の御協力と理解を得ながら、国に対しその制度化を求めてきた経緯もあり、また、県の御努力もあって、昨年、児童福祉法改正の中でこの事業がその中に位置づけられることになった。加えて、今国会で審議中の国の10年度予算案の中でも、厳しい財政状況の中で本事業について大幅な予算増がなされているということは大変結構なことだと思っているところである。
 ついては、県内の事情を踏まえながら、2点お伺いしたいと思う。
 県内学童保育の現状に照らして、国庫補助金、現行20人以上という基準になっているわけであるが、県内でこの基準に満たないところがどれくらいあるのか、その状況はどうなっているのかお聞かせ願いたいと思う。
 また、国の基準の改善については県もこれまで大変御努力いただいたところであるが、今後についてどうお考えなのかお聞かせ願いたいと思う。
 もう一つ、障害児を受け入れている場合、保育所については国の助成がなされているわけであるが、今回、制度化を見た、そういう中にあっても学童保育については何らの助成がなされていないというのは、政策の整合性からいっても問題があるのではないかと考えるわけである。この点について県はどう考え、また、国にどう求めていくつもりなのか、以上お聞かせ願いたいと思う。

〇舘児童家庭課長 小規模クラブの状況と国庫補助基準の改善の必要性についてであるが、放課後児童対策事業、いわゆる放課後児童クラブについては、委員が先ほどおっしゃったとおり、20人以上が国庫補助の要件ということになっておる。そして、平成3年度からこのクラブに対して助成が行われているということである。平成9年度の国庫補助対象クラブは、16市町村で67カ所ということになっておる。補助対象とならない児童数20人未満の小規模児童クラブは5市町村で5カ所となっておる。児童数の規模別で見ると、10人未満のところが4カ所、10人以上19人未満が2カ所、こういうことになっておる。この小規模クラブについても国庫補助の対象とするよう、これまでも国に補助要件の緩和等を要望してまいったところであるが、今後とも人数要件の緩和など、補助制度の充実を図るよう、国に要望してまいりたいと考えておる。
 次に、障害児を受け入れている児童クラブに対する助成策と県の対応についてであるが、国庫補助の対象クラブで障害児を受け入れておるのは盛岡と一関市の2クラブである。放課後児童クラブは、昼間保護者のいない小学校低学年児童の健全育成を図るものであり、一方、保育所は、未就学児に対し終日保育を行うということで、その目的は異にするものであるが、いずれ障害児を受け入れておるクラブについては、やはり児童の状況に応じて特にきめ細かな配慮が必要と考えられることから、県としては、この制度についても障害児を受け入れているクラブに対し、その受け入れ実態に応じた適切な措置が講じられるよう国に要望してまいりたいと考えておる。
 先ほど国庫補助対象とならない児童数20人未満のいわゆる小規模クラブを5市町村で5カ所と申し上げたが、これは6カ所であるので、訂正させていただきたいと思う。

〇佐藤(啓)委員 10人未満が4カ所あると。これは第一義的には市町村の仕事だというとらえ方をなさっているのであろうが、私、説明書にも書いているからということで申し上げなかったが、健全育成ということが今問題になっているわけで、当該市町村とも連携をとって、保育児童数をふやす努力というか、こういうことについて県はどういう市町村指導をなさっているのかお聞かせ願いたいと思う。

〇舘児童家庭課長 小規模クラブについては、国庫補助は20人ということであるけれども、子供の数が減っているという実態もあって、やはり国庫補助対象の20人を確保するというのはなかなか難しくなってきているということなどから、できれば国の制度を導入するという方向で私どもはこれまでも市町村を指導してまいったところであるし、また、改正児童福祉法の中でも、市町村はそれぞれ地域の実態に応じて積極的に児童クラブに取り組むということがうたわれておるので、引き続き私どもとしてはクラブの運営について指導してまいりたいと考えておる。

〇佐藤(啓)委員 要望になるが、やっぱり保育クラブが魅力あるものになるということも一つの要件だと思うわけである。そういうことで、職員の研修等についても県はいろいろ補助をやっている面があるようであるけれども、もっと小規模クラブに対する県の指導というか、できれば助成も含めて考えてほしいと思うが、ひとつ真剣に検討していただくようにお願いをして終わる。

〇千葉(伝)委員 私は、1点だけお伺いしたいと思う。
 予算説明書の115ページにひとにやさしいまちづくり推進資金というのがある。その中身についてお伺いする。
 県では、高齢者や障害者を初めとするすべての県民が安心してひとしく社会参加することができる住みよい地域社会の形成のために、平成7年7月にひとにやさしいまちづくり条例を制定して平成8年4月に施行されておる。また、ひとにやさしいまちづくりを推進するための施策の一環として、平成7年にひとにやさしいまちづくり推進資金貸付制度をつくって、民間事業者が条例の整備基準に適合する公共的施設の整備を行う場合に低利の融資を行っているわけであるが、この資金の利用状況はどうなっているのであろうか。というのは、この制度は民間におけるやさしいまちづくり促進の有力な手だてと思うわけである。これが余り利用されていないのではないかという声もある。事実とすれば、何らかの施策を講ずる必要があるのではないかと思う。県としてその利用状況をどのようにとらえ、どのような対策を講じているのか、そしてまた、あわせて今後の予定も含めてお伺いする。

〇今井地域福祉課長 ひとにやさしいまちづくり推進資金の利用状況であるが、制度創設平成7年9月から平成8年末までの累計が2件1、230万円である。これに対して、平成9年度は単年度で3件6、500万円となっておって、徐々にその活用が図られてきておるが、まだまだ十分ではなく、さらに普及が必要と認識しておる。
 このまちづくり関連投資であるが、事業者にとっては必ずしも資産形成あるいは事業収益に直接結びつくとは限らないものである。したがって、極力資金調達コストを低く抑える方向で政策誘導してやる必要があると考えている。景気の停滞が続いて設備投資も総じて低調であるので、まちづくりの一層の推進を図るためには金利の引き下げが必要と考えておる。このため、目下の経済情勢をも勘案して、現行大企業3%、中小企業2%という利率であるが、来年度よりこれを事業規模にかからわず一律に1・4%に引き下げる予定をしておる。
 なお、制度の周知のため、庁内関係部局や地方振興局はもとより、関連業界などを通じて、あらゆる機会をとらえて制度の普及に取り組んでいきたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 平成9年度に3件6、500万円利用されたということであるが、その3件というのは具体的にどういうところであろうか。

〇今井地域福祉課長 平成9年度、3件6、500万円の内訳である。診療所における自動ドア等の設置、それから、北上の駅前の駐車場の動く歩道の設置、それから、ホテルの身障者用客室等の設置、その3件である。

〇千葉(伝)委員 こういった制度を利用してもらうということについてはさまざまなネック等もあろうかと思う。そういったネックを取り除くということでの進め方という観点で、ちょっとこれは要望になるかと思うけれども、対象施設についてはさまざまな施設、まあ、公共的施設という部分がその基準云々に該当してくるのであろうけれども、今、バリアフリーということが言われている中で、私もボランティア活動をしている方々と話をする機会があって、まだまだそういったバリアが多いという状況にあると聞いておる。そういったことを踏まえて、先ほど、今まで大企業3%、中小企業2%というのを一律に1・4%に引き下げて積極的に活用していただこうということを伺ったわけである。そういったことで、いずれにしても条例と制度というものを一体的に進める中で、両方の趣旨とか内容をもっとPRしていく必要があるということで、先ほど積極的にPRするというお答えであるので、ぜひそういった観点で、利率を1・4%に引き下げることによって利用率が上がる、こういう方向に積極的に取り組んでいただきたいということで、これは要望である。

〇藤原(泰)委員 私からは、大きく分けて二つ、国保関係と援護関係についてお伺いする。
 まず、第1番目は国保関係であるが、私ら健康で長生きしたいというのはだれしもの願望である。そういう観点から、非常に国保制度というものはありがたい制度だということであるが、ただ、最近は、やはりそうしたことを言われながらも、非常に国保税が高いと。もちろんその市町村によって違う場合もあるけれども、そうしたかかわりの中では、非常に恩恵があると同時に、また、その税金を納めるのに大変苦労するという家庭もあるわけである。そういうことの中で、現在の市町村の国保会計の状況と医療費の関係、そういったものがどのようになっているのか。
 一つには、やはり町村によって大分苦労しているところもあるし、また、それぞれの基金積み立てということで非常に基盤の安定しているところもあるわけである。一部には、そういう積み立てをするぐらいの余裕があるならば税金は下げろという声もないとは言えないわけである。ただ、一たん病気が出ると1億、2億の基金というのは一瞬にしてなくなるという非常に不安定な会計なわけである。そのようなことで、市町村の会計の状況と医療費、そしてまた、国保税の状況、収納率の状況もあるわけであるが、そうしたことをひとつお伺いする。
 第2点目は、医療技術の向上によって難病も治すということが可能になってきたわけである。ただ、高額医療については、それぞれ一定の基準を超えた場合負担しなければならない部分もあるわけであるが、そうした負担も非常に多いわけである。医学の進歩と同時に、脳の手術であれ、あるいはまた内蔵の手術であれ技術は向上しておるが、医療費も相当大きくなっている実態なわけである。
 そこで、高額医療の関係がどのような状況になっているのか、その辺をひとつお伺いする。

〇佐藤国保援護課長 国保会計の関係、医療費の関係等々である。
 平成8年度の市町村国保特別会計を見てみると、収支差し引きでは全市町村が黒字となっておって、国保事業を取り巻く環境が非常に厳しい中で、本県市町村においてはおおむね健全財政が維持されているものと見ているところである。
 医療費は、被保険者1人当たりで、平成8年度であるが、34万7、364円かかっておる。前年度に比べ1人当たりで6・08%の伸びとなっているところである。また、国保税は1人当たり調定額で7万7、145円ということで、平成7年度より0・95%の減という状況である。また、国保税の収納率は95・32%で、前年度に比べ0・18%落ちているところである。滞納繰り越しの状況であるが、59市町村まとめた総額で滞納繰り越し総額が60億8、000万円という格好になっておって、これは平成7年度に比べて2・36%の増となっているところである。1人当たり医療費の伸びが過去3カ年平均で6・74%の伸びに対し、国保税の伸びは0・58%の伸びとなっておる。医療費の伸びに比較して国保税の伸びが少ないのは、基金の取り崩しがあったほか、保険基盤安定制度や財政安定化支援事業などの制度的な一般会計からの繰り入れが進んできていることによるものと考えておる。
 また、基金の保有については、平成8年度末で110億1、200万円ある。被保険者1人当たりにすると2万1、374円である。これでも総額では前年度より約4億900万円少なくなっているところである。
 県としては、医療費の増嵩も続いていることから、国保事業の安定的かつ健全財政の確立のため、国保税の適正な賦課と収納率の確保、それから、診療報酬明細書の点検、分析などの医療費の適正化対策を強化するとともに、保健事業の積極的な推進を指導してきているところである。また、基金については、国保制度の財政を安定強化するという観点から、保険者の規模や状況に応じ、所要の基金を造成するよう指導しておるところである。今後においても、各保険者の状況に応じた適切な指導に努めてまいりたいと考えておるところである。
 次に、国保の高額療養費の状況であるが、高額療養費の支給対象者数として把握はできないけれども、平成8年度における給付件数は7万7、768件、給付額として65億4、900万円となっておって、1件当たりにすると8万4、217円となっておる。
 なお、人工腎臓を実施している慢性腎不全や血友病等の長期高額疾病該当者は平成8年度で622名となっているところである。

〇藤原(泰)委員 滞繰も60億円という非常に膨大な金額であるので、これは県には直接かかわりないとしても、市町村の会計の基盤というのは非常に心配される面があるわけであるが、それぞれ御指導いただければ幸いだと思う。
 次に、援護の関係であるが、これは、いわば国にかかわるところが非常に大きいわけで、ここでいろいろ具体的にどうこうと言う筋合いではないかもしれないが、非常に私どもも気の毒と言えばなんであるが、戦傷者に対する問題であるが、特にも戦傷者については、いろいろとかつての大戦の犠牲になって非常に大変な死亡者が出たり、あるいはけが人が出たりということで、大変な苦い経験をしたわけであるが、戦後50年もたつとそうした苦労も、あるいは悲惨なことも忘れがちなわけであるが、そうした方々で現在も非常に苦しんでいる方も多くあるわけである。そのようなことを考えると、こういう面は国のこととはいえども、やはり地方の時代であるので、そうしたかかわりについての待遇というか、そういう支給額の関係については御努力願いたいという意味を込めてお伺いするわけであるが、現在、戦傷病者に対する援護の推移と最近の恩給の改善の状況、いわばこれはアップ率もあるわけであるが、そうした関係をまずひとつお伺いする。
 それから、二つ目には、そういったような恩給関係、援護の関係の相談の状況はどうなっているのかということが二つ目である。
 それから、その項目であるのであわせてお伺いするが、中国帰国者の関係であるが、戦中、戦前を通じて中国におって帰国されたわけであるが、非常にそういう面ではいろいろな手だてをしておるけれども、帰国された方々も非常に不便をかこっておると思う。生活様式の違い、あるいは言葉の違いということがあるわけであるが、そういうかかわりの中で、120ページにもあるような中国帰国者の自立の研修のためのセンターがあるわけであるが、そのセンターの運営の状況ということについてお伺いする。

〇佐藤国保援護課長 まず、戦傷病者に対する援護の推移と最近の恩給の改善状況についてである。
 戦傷病者に対する援護の推移については、戦後昭和21年に軍人恩給が廃止された後、昭和27年まで特段の手だてがなかったわけであるけれども、昭和27年に国家保障の精神に基づいて、戦傷病者戦没者遺族等援護法が制定されて、廃止されておった傷病恩給にかわり障害年金が支給されるほか、医療の給付、補装具の支給など各種の援護が実施されたところである。その後、昭和28年に軍人恩給が復活して、旧軍人に支給されていた障害年金が傷病恩給に移行されたところである。その後、戦傷病者の範囲を明確にし、援護をさらに充実するために昭和38年に戦傷病者特別援護法が制定され、戦傷病者手帳の交付、療養の給付、JR乗車券の交付等が行われ、現在に至っているものである。現在の戦傷病者手帳所持者は1、287人であるけれども、毎年80人程度ずつ減少している状況である。ちなみに、岩手県傷痍軍人会が昭和38年に公益法人として設立されておるが、そのときの会員が2、300人おったけれども、現在は会員が1、000人という状況である。
 次に、恩給額の引き上げ率についてであるが、公務員給与の改定あるいは消費者物価の上昇等々を勘案して、平成7年度には1・10%、平成8年度では0・75%、平成9年度では0・85%アップしておるし、平成10年度は1・19%の引き上げが予定されておる。今後もこういう諸情勢を総合的に勘案しながら改善されていくものではないかと思っているところである。
 次に、援護関係の最近の相談状況であるが、関係者の方々が簡便に利用できる機会として、私どもは職員が直接地域に出向いて個別に相談に応じる巡回相談を年間県内5カ所ほどで実施しておるし、戦傷病者相談員21名あるいは戦没者遺族相談員28名−−これは厚生大臣の委嘱であるけれども−−を県内に設置しておって、これらの相談員を通じての相談、あるいは県や市町村の窓口への直接来所の相談等があるが、これらの相談件数はあわせて6年度で1、531件、7年度で2、681件、8年度で1、970件となっておって、その相談の内容は、各種恩給や特別弔慰金なり特別給付金の受給資格に関する相談がほとんどである。
 県としては、今後とも制度の周知を図り、一層きめ細かな配慮をしながら、受給者の失権防止というものに最大限努めて、的確な事務処理に努めてまいりたいと存じておる。
 中国帰国者自立研修センターの運営状況についてであるが、岩手県中国帰国者自立研修センターは、国の委託を受けて平成7年7月に開設したもので、その運営はボランティア団体の中国帰国者通訳奉仕会へ再委託し、本県へ定住した中国残留邦人とその同伴家族を対象として日本語の指導や生活相談、就労相談を行っており、帰国者の定住、自立の促進を図ることとした通所型援護施設である。本部を盛岡市に、支部を一関に置いて、それぞれ日本語講師、生活相談員、就労相談員が配置されておって、現在、本部では29名、支部では11名の帰国者が日本語の勉強に励んでいるところである。委員おっしゃるとおり、戦後50年が経過してからの帰国となると日本語をすぐに覚えるというわけにもいかず、また、日本の生活習慣になれるにも多くの日数を要するようであるが、同じ仲間と一緒に勉強できるという精神的安定感をもたらすとともに、帰国者の交流の場、憩いの場としても機能をしておる。
 また、センターでは、地域の方々との交流を目的とした交流会の開催や帰国者を励ますための旅行会等も実施しておって、帰国者の精神的なよりどころ、もしくは帰国者援護の中核的施設として、地域に密着した援護施設として活用されているものと考えておる。

〇藤原(泰)委員 細かいことは後で事務局にお伺いするので、よろしくお願いする。
 次に、最後であるが、障害者の関係についてお伺いする。
 実は、県としても障害者の福祉行動計画後期計画は平成8年から12年までということでそれぞれ持っているわけであるが、その中で、特にも障害者施設推進協議会等でもいろいろ検討されているわけであるが、これからの展開という中で大変御苦労されているわけで、それぞれの今日までのそうした前向きの姿勢に対して深く敬意を表する次第である。
 そこで、これは特にも町村に関係するわけであるが、市町村から要望の多い精神薄弱者の更生施設、それからまた、身体障害者の授産施設関係であるが、そういった中の整備の状況、市町村の状況はどうなのかということである。特にも、そうした面においては、いろいろ市町村でも財政的な問題もあって苦慮しているところであるが、ただ、非常に気の毒な方々もおられるのが実態であるので、整備の状況と、それから、県の計画の進捗の状況についてお伺いする。
 それから、二つ目であるが、市町村でいろいろ障害者計画はどのように策定されておるのか、その辺も含めてお示しいただきたいと思う。

〇緒方保健福祉部長 市町村の障害者計画の策定状況については、2月末現在で13市町村、これは22%であるが、策定をしておる。今月末までには予定では27市町村がさらに策定し、あわせて今年度末までに40市町村、68%が策定する見込みである。
 なお、計画を策定していない市町村についても、すべての市町村が計画を策定する予定で、県としては積極的に指導を行い、平成12年までに全市町村が計画を策定できるように努めてまいりたいと考えておる。
 施設については障害保健福祉課長よりお答え申し上げる。

〇祝田障害保健福祉課長 精神薄弱者の更生施設、それから、身体障害者の授産施設の整備状況である。
 委員御指摘のとおり、県の障害者福祉行動計画において計画的に整備するということになっておる。平成7年度、計画上は更生施設が18カ所ある。これを3カ所ふやすと。それから、身障授産については7カ所を1カ所ふやす。精神薄弱者の授産施設については、8カ所を4カ所ふやすということになっておる。
 平成10年度の予算においては、各市町村あるいは障害者団体の御希望に沿うように、国庫補助あるいは民間の整備資金を導入して、更生施設の入所型については1カ所、金ヶ崎町であるが整備をすると。それから、授産施設については、身障授産については陸前高田市に1カ所、それから、知的障害者については紫波町と盛岡市にそれぞれ1カ所、精神障害者の授産施設については大船渡に1カ所と考えておる。それから、さらに、精神薄弱者の福祉工場についても民間資金を導入して久慈市内に1カ所整備をするということで、特に精神薄弱者の施設については重点的に整備をしたいということで予算措置をしているものである。よろしくお願いする。

〇瀬川委員 薬務費、医薬分業定着促進費244万8、000円について3点ほどお伺いする。
 この促進事業の内容についてまずお伺いしたいと思う。
 それから、分業定着にいろいろ障害、問題点があるとすれば、どのようなことがあるのかお知らせ願いたいと思う。
 それからもう1点、昨年の通常国会における健保法改正案の審議過程で、医療保険の抜本改革に関連して薬価制度のあり方が大きな問題となった。医薬品取引に市場メカニズムを働かせるには完全医薬分業が前提である。また、厚生省挙げて医薬分業の推進に取り組む必要があり、その起爆剤として国立病院の完全分業を進めるべきであるとの指摘がなされておるところである。こういう観点から、県立病院初め、岩手県の病院に対してどのような指導、考え方で臨むのかお伺いしたいと思う。

〇宇佐美保健衛生課長 医薬分業の促進事業の内容についてであるが、医療機関が患者の診断、治療、それから、薬局が処方せんに基づく調剤あるいは服薬指導あるいは薬歴管理といったような業務を分担して行うことによって、医薬品の服用にかかわる安全性あるいは有効性の確保を図って医療の質の向上を目指す、こういったシステムの推進を図る事業である。
 本県においては、国の補助事業を受けて、いわゆる医薬分業定着促進事業の事業導入をして、平成6年度からモデル地域を指定して実施しておるところである。平成6年と7年度については、北上地区あるいは気仙地区、この2地区を指定して推進を図っているところである。それから、平成8年度においては、久慈保健所管内の地域、それから二戸といった地域をモデル地域にして推進を図るということである。
 それから、分業定着に問題があるとすればどのようなことかということであるが、医療機関あるいは受け入れ薬局あるいは患者、この三つの部分にそれぞれの推進上の問題点、指摘されている部分がある。医療機関については、処方せんを発行した場合の受け入れ薬局の整備体制、こういうものに若干不安を覚えている。また、受け入れ薬局の薬歴管理あるいは服薬指導、こういったものが確実に行われているのかどうか、まだ十分に認識されてない部分があるといったような問題がある。それから、薬局の側で考えると、備蓄薬の確保、非常に多い薬の備蓄というものが必要になってくる。そういった備蓄の問題がある。それから、薬剤師の確保、こういったような問題もある。受け入れ態勢が十分に整備をされていないというのが実態である。それから、患者側にすると、医療機関と薬局に行かなければならないという二度手間の問題、それから、処方せん発行によって院内投薬に比べ患者の薬剤負担というか、負担増となるということが問題点として現在課題とされているところである。これらの問題を一つ一つ解決しながら推進を図ってまいりたいと考えておる。

〇山下保険課長 医薬分業は、患者さんの継続的な薬歴指導、服薬指導ということで大変重要なことだと認識しているわけであるが、なかなか保険調剤薬局の開設というものが面分業になっていない。病院を拠点にしたところに薬局が出されるのが通常多くて、患者さんの住宅の地域になかなか開設できないというのが実態である。そういう点から、患者さんも行かれた病院の近くの薬局に行かれているというのが実態で、なかなか面分業がはかどっていないところで、私ども薬剤師会とお話しするときに、面分業の推進ということで、現在、薬剤師会との会議ではお話しさせていただいているところである。その面分業をやっていくと、ある程度患者さんの薬歴をもとにした服薬指導というものがなされるのではないかと思っているところである。
 今、県内では病院が約110ぐらいあるわけであるが、保険調剤薬局は県内に315、1月末現在であるところである。

〇瀬川委員 面整備ということで、地域によってはもう受け入れ態勢が十分な地域もあるのではないか。今、県内全体を見渡した御答弁だと思うけれども、そういうところから手をつけていくとか、そういう考え方にならないのであろうか。
 それからもう一つ、薬歴指導、これはお医者さんの側からの考え方だと思う。確かに高度な知識を有するお医者さんのことであるから私が言うことではないかもしれないけれども、今、コンピューターが十分活用できる時代であるから、その中にいろいろな病院にかかっている患者さんがいるわけである。その病院の薬、お医者さんが出した薬だけだったらもちろんわかるであろうけれども、今、高齢社会の中にあって、三つか四つかけ持ちする患者が少なくない。であるから、病院が異なっているときに、本当に薬歴を管理できるのは私は薬局ではないかと考えておる。であるから、今の病院側の認識というのは、今の薬剤師会の勉強の姿勢をなかなか理解してくれない姿勢ではないかと感じたところである。その辺もう1回御答弁をお願いする。

〇宇佐美保健衛生課長 県内の薬局の配置状況であるが、現在、町村、特に沿岸部あるいは県北の町村には調剤薬局が設置されておらない地域が17カ所ほどある。そういったような状況で、盛岡あるいは中央沿線であるが、そちらの方はほぼ調剤薬局が充足されているという状況である。今、モデル事業として実施しておる地域であるが、例えば県立病院、大きな病院、そこから一斉に処方せんが発行された場合に受け入れ態勢が整っているかということになると、やはり先ほどから申し上げておるとおり、薬剤師の確保の問題だとか、あるいは薬歴管理の問題、そういったような問題がいろいろあって、十分な状態ではないということになるかと思う。
 薬歴管理については、現在、薬剤師会の方でもいろいろコンピューターを使いながら、患者さんが個々の病院をかけ持ちをしておっても、同じ薬を2度もらったら一つの医療機関の方にはその旨をお話をして出さないようにしていただくとか、そういうことで、今、薬剤師会も真剣に取り組んでおるし、また、医療機関の方もそれに応じたような状況で、各担当医の先生方は薬剤師さんと一緒になって、この薬歴管理、患者のそれぞれの健康という面から見てお互いに協議をしながら進めているという状況である。もう一つ軌道に乗るという状況ではない、全国的にそのような状況である。
 ちなみに、本県の医薬分業率というのは18%であるが、全国が20%ということで、大体二十五、六番目に岩手県が位置しているということで、岩手県が特別悪いという状況でもない。そういう状況である。

〇瀬川委員 今の御答弁でわかったけれども、体制の整った場所から医薬分業を指導していくというような、そういう考えはないか。

〇緒方保健福祉部長 これは地域の問題ということなので、先ほどもお話し申し上げたが、これから保健医療計画というのをつくるので、それぞれの保健医療圏の中で、例えば医師会、薬剤師会など関係する団体も含めて、そして、保健所、振興局が中心になってそういったことを進める中で、今、課長からも申し上げたが、大変地域特性がある。だから、都会地ではかなり薬局の面分業が可能になっている地域もあるので、それぞれの地域でどうしたらいいかということを話し合っていただけるような、そういう手続を詰めてまいりたいと思っておる。

〇黄川田委員 1点、血液確保対策についてお伺いする。
 命と健康を守るために欠かせない血液は医学の進歩した今日でも人工的につくることができず、善意の献血者に頼らざるを得ないものである。本県でも病気や交通事故などで血液を必要とする人はますます多くなってきており、また、少子・高齢社会の中で輸血用血液の需要が高くなる一方で、献血可能な若い世代の人口が減少し、血液の不足が懸念されるところである。
 そこでお伺いする。昭和63年に盛岡市内に県赤十字血液センターの献血ルームメルシーが開設されたところであるが、第1に、県内の献血者数はこれまでどのように推移しているであろうか。
 第2に、県内の輸血用血液の充足状況はどうなっているであろうか。
 また、例年血液の不足する冬場の献血者確保対策の一環としてはたちの献血キャンペーンなど啓発普及に努めているようであるが、献血に対する事業所の協力状況はどのようになっているであろうか。
 さらに、血液製剤の安全性の確保、安定供給の面からも血液の自給は必要であるので、本県では献血推進のためにこれまでどのように取り組んでこられたのか、また、今後どのような対応をするのか、あわせてお伺いする。

〇宇佐美保健衛生課長 まず、血液確保対策についてであるが、本県の献血者数の推移であるが、ここ10年間の推移について申し上げると、昭和62年度から平成2年度までは8万6、000人から8万9、000人台で推移しておる。平成3年度の9万2、000人台をピークに、その後毎年4、000人から5、000人ずつ減少しておって、平成8年度は7万人台となっているところである。
 また、県内の輸血用血液の充足状況のお尋ねであるが、県民の400ミリリットル献血や成分献血に対する理解と御協力によって、全血、それから血小板などの成分製剤、これはおおむね確保されておるが、一方、アルブミンやグロブリンなどのいわゆる血漿分画製剤については、その大部分を輸入血液に依存している状況である。
 次に、事業所の協力状況であるが、日赤の血液センターの資料によると、平成8年度の献血協力事業所は1、420カ所である。そのうち、2回以上の献血協力事業所は728カ所である。
 また、献血推進のこれまでの取り組みというお尋ねであるが、県では、市町村や血液センターとの連携のもとに、新聞、ラジオ、テレビなどを利用した広報活動やはたちの献血や7月の愛の血液助け合い月間運動、クリスマス献血などのキャンペーンを通じ、幅広い啓発活動を実施しているところである。
 今後の対応についてであるが、これまでの普及啓発活動に加えて、国の献血推進特別事業を導入して、血漿分画製剤を含むすべての血液製剤の国内自給を目指して、新たな成分献血協力事業所の開拓のための啓発講座や、初めての献血キャンペーンなどの啓発イベントを実施して献血のすそ野の拡大に努めてまいりたいと考えておる。

〇黄川田委員 私も50回以上献血しておって、要望であるけれども、善意の献血を県民運動の重要な一つとして、全国一若い増田知事みずからが機会をとらえて献血されることが心の触れ合うふるさとイーハトーブ岩手の実現に大いに貢献し、献血のすそ野を拡大するものと考えるので、よろしくお願いしたいと思う。ちなみに、知事は建設省の職員時代に何度か献血されておるので、重ねて特段の御配慮をお願いする。

〇千葉(伝)委員 今、黄川田委員から献血の問題があった。私は年に数回しか献血してないけれども、献血の推進の中で、今、国の方で、献血できる人という部分で、私行ったときに一番先に書くのがあなたは輸血を受けましたかという欄で、受けたと言うと、あなたは該当にならないとなっているのを私は承知しているが、そうすると、制度そのものの関連になってくるが、実際上、輸血を受けた方が、今度は皆さんにお返しのための献血をしようという方もあろうかと思う。そうすると、輸血を受ける人は年間どんどんふえていく、そういうことになる。ところが、一方で、献血者に対してPRしてどんどんと。そういうことを考えた場合に、少子化云々とか何かということになってくると、今すぐという話ではないが、将来的には献血してもらう対象者というものが、またこれもしりつぼみになっていく。そこの部分がちょっと私解せないところである。今後、献血する方が1人で月に2回なりやっていくと年に10数回ということで、そういった物すごく協力的な方にはいっぱいしていただくのであろうけれども、新たに云々といったときに、輸血された方が献血できない。そこの部分についてちょっと部長なりのお考えをお聞きしたい。

〇緒方保健福祉部長 本当にいろいろな方からとうとい献血ということで御協力をいただいていることに私ども感謝を申し上げているわけであるが、残念ながらいろいろな理由で血液が使えない場合もあるわけで、輸血を受けたから絶対にそれは使えないかといえば、いろいろ検査をすれば可能な場合もあると思うが、通常の血液事業の中では、ほかの方の輸血を受けた場合にいろいろな可能性が考えられるが、あくまでも安全のため日赤としてはそういう措置をしていると伺っておる。
 確かに輸血ということでは、輸血を受けたのに自分でお返しできないということは大変残念であるけれども、それはそれとして、広く健康という問題を取り上げてみても、例えば健康づくりとか、あるいは臓器の提供とか、いろいろなそういった活動できる範囲があるので、あるいは自分は提供できなくてもいろいろ啓発活動に御参加いただくこともできるので、私どもとしては、大変恐縮であるけれども、そういったことで御理解いただいて、広い意味で健康や保健の問題にかかわっていただくよう希望する次第である。

〇千葉(伝)委員 今の部長の御答弁はもっともである。そういうことになっているということは十分承知してお聞きしたわけである。いずれそういったことで、エイズを初め、肝炎も含め、いろいろな問題がある。これは国の議論にまた戻るかもしれないけれども、要望としては、きちっとした検査をすれば大丈夫だというものが私はあってもいいのではないかと思う。そういったことでよろしくお願いする。

〇伊沢委員 当該委員であるので、1点だけお伺いしたいと思う。
 老人介護保険制度を含めていろいろ議論があった。私は、老人福祉費と老人保健費に関係してお伺いしたいと思う。
 私、いろいろなところで介護保険制度について勉強会をやる、ついては説明に来いということで、いろいろなところで仲間同士の勉強会に出たことがあった。その中で、言ってみれば保険を納めて介護がないのではないか、こういう問題について、私はこのように言ってきた。ここに来ている皆さんは−−大抵は高齢者の方が来るのであるけれども−−私の話を聞きに来ている。このまま80、90まで動ければこの保険制度の厄介にはならなくて済むのだ。給付を受けないで済むのだと、こういう話をずっとしてきたわけである。それまで暗い形で話を聞いていた皆さんは、ぱっと笑みを浮かべて、それはそうだなと、こういうことになるわけである。
 そんなことでちょっとお伺いをしていきたいわけであるが、県は去年、生活福祉部と環境保健部を統合して緒方部長率いる今の部ができているわけである。できる際に、私は、福祉が優先か健康優先をするのか、その辺についての決意をお伺いしたいということで聞いたことがあった。その部分で、この1年間を通じて、統合した部のこれまでの推移の中で、保健分野を含めてトータルでどのような御所見、利点があったのかを含めて、まず、部長からお伺いしたいと思う。
 次いで、老人保健にかかわっていろいろな資料が出ているわけであるが、平成4年の実績に基づいて平成12年度の推計をされているわけである。例えば平成4年には22万4、925人が65歳以上の人口だと。その8・8%の1万9、754人が要援護老人の合計数だと。これが平成12年になると29万8、600人、そして、9・4%の2万8、040人の方が何らかの援護が必要な要援護老人ということになるわけである。8・8%が9・4%にふえる、こういう形で推計されているが、私、常々思うのは、例えば寝たきり老人ゼロ作戦なり、生きがい対策を含めて老人保健の分野の予算が大変多いわけである。こんな中で、この推計というのが今どのような動きをしているのか。いろいろな保健施策をするに従ってこれは減っていくのではないかという期待をしているわけであるが、もし途中経過で、これは4年の推計であるから、5、6、7、8、9年と推移をしているわけであるけれども、つかんでいるとすればこの辺がどのようになっているのか教えていただきたい、このように思うわけである。
 最後になるけれども、統合した利点をお伺いしたけれども、今後の県の保健福祉施策の中で、改めて保健活動を含めて健康な方々をいかに多く輩出していくかというのがこれからの課題だと思うわけである。これに向けた御決意を含めて部長の御見解を賜われればと思う。

〇緒方保健福祉部長 最初の保健と福祉の組織的な統合あるいは連携強化の御質問であるが、1年を経過しておるが、まだ途中というか、さらにどんどん変わっているところもあるが、今の時点で、中身的には本庁における保健福祉部という組織ができたということ、それから、出先機関としては振興局に保健福祉環境部というものができて、また保健所を機能強化するとともに、保健所と福祉環境部というものの組織的な連携を図ったということで多少複雑ではあるが、現実にはいろいろなメリットが出てきていると私ども考えておる。本庁でももちろんこれは窓口が一本化されているわけであるが、特に出先機関においては、例えば生活保護の必要な方にケースワーカーと保健婦が一緒に行って、保健、医療、福祉にわたる総合的な相談を行うとか、そういった個別的なサービスの問題、それから地域住民に対しても保健、福祉の窓口が一本化されたということでわかりやすくなっておる。また、市町村との関係においてもいろいろ計画づくりをしたり、あるいはいろいろ研修などを行うときに非常に市町村から見てもわかりやすいという形になっておる。したがって、こういった保健、福祉の連携というのは非常に効果が出てきていると考えておるので、私どもはさらにそういった連携が深まるように来年度も努力をしてまいりたいと考えておる。
 それから、保健事業の充実についてであるが、いろいろと寝たきりや痴呆などのこういったものが生活の質の低下をもたらすということであるので、特にこういったものには例えばアルツハイマー病のように予防できないものもあるが、脳血管疾患のようにあるいは骨折等による寝たきりのように予防が可能なものもある。国では寝たきりゼロ作戦を行っているわけであるが、岩手県としても高齢者保健福祉計画などにおいて、そういった寝たきりゼロ作戦の推進のための啓発活動やいろんな健康教育、健康診査、リハビリテーションそして機能の低下した人に対する事業などを行っておるが、こういったものは非常にこれからもさらに続けていきたいと思っておるし、さらに1次予防という観点で来年度は健康いわて21という計画を新たにつくることにしており、こういった中で単なる2次予防だけでなくて、まず病気にならない、こういった病気にならないための生活習慣の改善等のあり方についても検討していきたいと考えておる。
 そのほかのお尋ねについては、担当課長よりお答え申し上げる。

〇千葉長寿社会課長 要援護高齢者の人口の動向であるが、平成4年の1万9、745人から8年推計で2万4、000人、それから平成12年には2万8、000人になると推計しているところである。この後の推計については、やはり要援護者という状態がどういう状態であるのかという非常に専門的な話になってまいるので、来年度介護保険の実施に向けて介護需要調査を行うので、そこの中で具体的に、詳細に推計をしてまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 わからないことがわかった。いずれ、そういった形でいかないと大変なのかと思うが、老人福祉費に80億円ぐらいの予算がついていて、老人保健費にも79億円、約80億円ついているが、老人保健の医療費にほとんど費やされているのではないかと思うわけである。そういう部分の指摘をしながら、今後、市町村でいろんな栄養教室も含めてあるわけであるから、ぜひ今の視点で進めていただくことをお願い申し上げて、うまくこの保険法が回るのだということを胸を張って言えるようにここは要望して終わりたいと思う。

〇斉藤委員 六つの質問があるから三つに分けてお聞きする。
 第1は、福祉部門の事務事業の見直しについて。
 私、本会議の一般質問でこの問題を取り上げた。総務部長答弁では、保健福祉部関係で40件、1億2、900万円の事業を廃止、縮減したと、こういう答弁であった。廃止、縮減、それぞれの件数、額はどうなっているであろうか。福祉切り捨てとなってはいないであろうか。
 高齢者及び障害者にやさしい住まいづくり推進事業が縮小され、1、200万円の削減となっていることは極めて残念であり問題である。この間の実績の推移はどうなっているであろうか。在宅福祉を重視するなら、縮小ではなく拡充こそ必要ではないであろうか。
 第2点、国保問題について。
 96年度の市町村国保税の黒字、基金、その合計はどうなっているであろうか。1世帯当たりの額はどうであろうか。基金の5年間の推移はどうなっているであろうか。滞納世帯、人員、滞納額、滞納者に対する保険証取り上げの状況はどうなっているであろうか。資格証明書、短期保険証、保険証未交付状況を含めて示していただきたい。
 市町村を回ると、高過ぎる国保税に対する要望が一番強い。この間、全体として国保税は黒字で、100億円を超える基金がため込まれ過ぎていると思うが、厚生省のいわゆる5%基準を超えている市町村は幾らあるであろうか。平成7年以降の国保税引き下げ市町村は年度ごとにどうなっているであろうか。私はさらに引き下げが可能と考えるが、いかがであろうか。

〇長山保健福祉課長 事務事業の見直しについてである。
 保健福祉部関係の廃止、縮小した内容であるけれども、廃止が4件で2、000万円、縮減が36件で1億900万円となっておる。今回の見直しに当たっては、事務費の削減あるいは一定の目的を達成したと認められるようなモデル事業の廃止あるいは類似事業の組みかえ、そして新たな行政需要に積極的に対応するよう、スクラップ・アンド・ビルドの原則によって限られた財源を有効に活用しようとしているものであり、福祉の切り捨てとはならないように配意したつもりである。
 ちなみに、主な新規事業として28件、2億7、700万円ほど計上しておる。

〇千葉長寿社会課長 高齢者、障害者にやさしい住まいづくりについてであるが、これは平成7年度から事業を開始しており、平成7年度は86世帯、平成8年度は243世帯、それから平成9年度は310世帯がこの制度を利用する見込みである。これに従って、申請件数、予算額とも年々増加しておる。しかしながら、限られた予算を有効に活用して事業効果を拡大するために、所得限度額を他制度との均衡や一般世帯の所得状況などを考慮しながら引き下げ、この事業の助成を受けなければ改造できないような、いわば所得の比較的低い世帯に対して重点的に補助しようとするものである。

〇佐藤国保援護課長 8年度の市町村の国保会計についてである。
 収支差額48億8、900万円、基金が102億1、200万円、あわせて151億円であり、1世帯当たり7万1、347円となっているところである。
 基金の5年間の推移であるが、4年度末で80億9、600万円、5年度末で95億7、200万円、6年度末で100億7、800万円、7年度末で106億2、100万円、8年度末で102億1、200万円である。
 それから、滞納世帯は8年度末で2万2、252世帯、額で60億7、900万円である。
 それから、資格証明書の発行件数は4件、これは本年2月1日現在である。短期被保険者証が1、729件、保険証の未交付が255件である。
 それから、基金がいわゆる5%基準を超える市町村数というのは53市町村ある。
 それから、1人当たりの税を引き下げたというところであるが、賦課割合を改正した結果、1人当たり調定額が前年より下がったということで、7年度は18市町村、8年度が9市町村、9年度が5市町村である。
 国保税を引き下げる場合は、市町村において長期安定的な財政運営が確保できる見通しについて十分検討の上対処するよう指導しているところであるし、基金については増嵩する医療費にも十分対応し、国保財政の基盤を安定強化する観点から、保険者の規模や状況に応じ所要の基金の造成に努めるよう指導しているところである。特にも、今後の医療保険制度の改革の動向、あるいは高度医療の増加、あるいはインフルエンザの流行等不測の事態に備えて、特にも割合の低いところについては財政基盤の強化は必要なものと考えておるところである。

〇斉藤委員 今の答弁で、高齢者及び障害者にやさしい住まいづくり事業、住宅改造、これ大変伸びてきているわけである。いわば岩手県の施策としては当たった施策である。当たって大変喜ばれているときに、予算を削減する。私こういうやり方、こういうのを福祉切り捨てと言う。せっかくこれだけ県民に喜ばれている施策を、伸び率を少し抑えるとかならまだかわいいけれども、1、200万円も削減したらこれは縮小であるから、私はこういうせっかく喜ばれている在宅福祉の時代にかみ合った事業はぜひ拡充してほしい。そういうことを強く求める。
 国保の問題で今答弁あった。1世帯7万1、300円の基金黒字だと。これは大変な額である。一番住民はこの重税感にさいなまされている。こんなにため込んでいるのか、黒字なのかと。市町村に行けば何とかしてほしいと。私はそういう点で、例えば5%基準を聞いた。53市町村であろう。いわば厚生省は5%以上はため込みなさいと言っている基準を53市町村上回っているわけであるから、私は十分引き下げの可能性があると、このことを指摘しておく。
 そして次に進む。児童扶養手当削減の影響について。
 来年度から政府は、児童扶養手当の所得制限を見直し削減をしようとしている。その内容、影響を受ける人員、額を示していただきたい。
 保育料について。延長保育に対して県は独自の助成措置をとった。これは最近にないいい施策である。高く評価をしておきたい。恐らく全国的にも余り例のない、こういうことは久々であるから、こういうときには高く私評価したい。ところが保育料、児童福祉法、これが改正になって、保育料、今度は10階層から7階層に保育料の段階が変わると言われているが、保育料の引き上げとならないかどうか、このことをお聞きしたいと思う。
 次に、5番目に難病患者医療費の自己負担について。
 私は一般質問でもこの問題を取り上げた。県はまだ国会でも決まっていないのに、難病患者医療費自己負担について、医療機関や患者に対して通知を出しているが、厚生省の指導があったのであろうか。県の独自の判断であろうか。通知した根拠は何であろうか。
 二つ目。本会議での答弁で部長は、難病患者3、600人中3、400人が自己負担を強いられ、その額は1億2、000万円にも及ぶと答弁しているが、無理のない範囲と答弁をした。私は難病患者で病気の原因がわからない、そして治る手だてもまだとられていない、こういう患者が1億2、000万円も新たに負担を強いられるのに無理のない負担だと。私、大変冷たい答弁だと感じた。部長は、難病患者の生活や仕事の実態をどう認識しているのであろうか。

〇緒方保健福祉部長 最初に、難病患者について私の方から答弁した関係があるので私の方でお答えさせていただくが、まず、通知の根拠については、都道府県から国に対して、この内容について伝えたいけれどもそれでよろしいかという疑義照会があり、これに対して国から、わかりやすい形で周知するようにと、こういう指示があった。こういった指示に基づいて、県においてもそういった情報提供は必要であろうという観点から、患者、医療機関に対して事前にお知らせしたものである。
 それから、難病患者の生活、仕事の実態、そして無理のないという答弁の根拠についてのお尋ねであるが、私の方でちょっと説明不足の点があったかもしれないが、国の方として無理のない範囲での自己負担額であると、国の方ではこのように説明をしているわけであるが、これについては国では入院患者の場合、一般の高額療養費が月額6万3、600円になるが、低所得者の場合はそれより低い2万4、600円であると。そしてそれに食事療養費をあわせると4万4、000円であるということで、低所得者には1カ月これだけ自己負担がかかるわけであるが、これの3分の1以下の額である1万4、000円にしたということでこういう見解をしたものである。
 一方、難病患者の生活の実態、仕事の実態については、これは平成8年度に私ども岩手県で難病患者療養生活実態調査というものを実施しておる。この中では、普通に生活している方、あるいは多少不自由だが仕事、家事をしている方の割合が全体で85・5%であり、一方、日常生活動作で介護を必要としている患者の割合は5%となっておる。いずれにしても、こういった額になっているわけであるが、いろいろ個人個人によってまたその状況によるし、それぞれの受け取り方も違うと思うので、一般的には国のような見解ということになるかもしれないが、一人一人の受け取り方としてはさまざまな受け取り方があるのではないかと考えておる。
 その他の答弁については、児童家庭課長よりお答えさせる。

〇舘児童家庭課長 児童扶養手当の所得制限の見直し内容と影響についてであるが、国においては児童扶養手当の全部支給者、これ月額4万1、390円になっておるが、この全部支給者に係る所得制限限度額と、これは据え置くということであるが、一部支給者、これ月額2万7、690円であるが、この一部支給者に係るもの、それから受給資格者と生計を同じくする扶養義務者についても、平成10年8月から所得制限限度額を見直す予定としているところである。国から示された見直しの内容は、一部支給者については、受給者本人と子供1人の世帯の場合、収入ベースで現行の407万8、000円から300万円に、また、扶養義務者の場合は6人世帯で現行の946万3、000円から600万円に引き下げられるものとなっておる。
 このことによる当県への影響であるが、平成10年1月末現在の受給者をベースとして推計すると、全受給者7、284人のうち、9・9%に相当する723人が支給対象外になるということであり、平成10年度支給における影響額は約9、700万円と見込んでいるところである。
 次に、保育料についてであるが、国が児童福祉法改正に伴って来年度から保育所の運営費いわゆる措置費であるが、精算基準としての徴収金基準額表を現在の10階層から7階層の区分に簡素化することとしておる。この簡素化による本県への影響を平成9年度の保育所入所世帯で試算すると、1万6、625世帯のうち保育料が上がる世帯は約53%、下がる世帯は約39%、変更のない世帯は約8%となり、保護者負担が約1億2、700万円増加することとなる。しかし、保護者から実際に徴収する具体的な保育料については、各市町村が国の保育所徴収金基準額表を参考としながら独自に定めるものであり、平成10年度の保育料徴収額表を現在多くの市町村で策定中である。したがって、平成10年度に保護者が実際に支払う保育料がどのようになるかについては、現時点ではお答えできない状況であるので御了承いただきたいと思う。

〇斉藤委員 難病患者の問題は、全国の難病患者の団体が、もう絶対に手をつけてはならないところに厚生省は手をつけたと厳しい抗議、座り込みまでやっている、厚生省に対して。そして例えば、日常生活ができると言っても基本的に余り定職につけない。やっぱり健康に不安を抱えているから。私はそういう点で、本当にこれは厚生省の悪政だと。児童扶養手当だってそうである。母子家庭の生活の命綱だと言われてきた。それが今答弁あったように723人、9、700万円の削減であろう。保育料も値上げされると。これは市町村に大いに頑張ってもらいたいけれども、やっと岩手県も最近保育料引き下げを頑張ってきて、それでも東北でまだ軽減率は低い方だと、残念だけれども、これはぜひ市町村に頑張っていただきたい。
 最後、介護保険の問題についてお聞きをする。
 特養ホームの入所待機者の5年間の推移はどうなっているであろうか。入りたくても入れない事態が一層深刻に拡大されるのではないかと思うが、いかがであろうか。
 保険料、利用料で平均5万円となれば、現在無料もしくは低額で入所しているお年寄りが追い出されかねないと思うが、どうであろうか。具体的対策を考えているか第1にお聞きする。
 第2は、ホームヘルプサービスについてであるが、平成9年度末で68・1%の到達点になっておる、見通し。平成11年度で目標を達成できるのであろうか。約8割の人が無料で現在サービスを受けているが、介護保険が実施されると保険料、利用料はどういう負担になるであろうか。受けられなくなるお年寄りが出るのではないであろうか。県としての具体的対策はあるのであろうか。
 三つ目。保険料は最近の試算によると、月2、600円となる。実施時期の物価上昇などを考慮すると、2000年には恐らく月2、700円でスタートになると、このように予測されるがいかがであろうか。
 国保加入者の場合、既に1割が滞納世帯となっているが、保険料が払えない人が1割以上出発点で出るのではないであろうか。国保の場合は、減免に対する助成があると思うけれども、介護保険ではどうなっているであろうか。
 新ゴールドプランの達成の見通しはどうであろうか。全国では7割の市町村が達成は困難、こういう調査結果も出ているが、県内ではどうであろうか。
 ゴールドプランは、介護保険を前提にしたものではない。介護保険というなら、被保険者に必要なとき必要なサービスが受けられるというのが保険の契約の大前提だと思う。ゴールドプラン程度では、私は必要な人が必要なサービスを受けられないままスタートするのではないかと思うが、いかがであろうか。
 平成7年度で市町村間で約6倍の在宅福祉3本柱に格差がある。6倍というのは極めて大きいものである。2000年の介護保険実施で、どこまでこの格差は是正される見通しであろうか。

〇千葉長寿社会課長 まず、特別養護老人ホームの待機者の推移であるが、平成5年12月末現在で480人あったものが、平成9年の12月末現在では988人に増加しているところである。うち、在宅の待機者は266名である。そこで、県としても特別養護老人ホームについては、平成9年度に既に170人の増床に着手しておる。これによって、在宅での待機者266人のうち、介護者が高齢であるとかあるいは病弱であるとかなどによって緊急に入所を必要とする方々については、ある程度解消されるのではないかと考えておる。
 また、介護保険においての特別養護老人ホームの入所の費用であるが、介護保険においては1割負担が高額となる場合には、高額介護サービス費により負担上限を設定する、あるいは食事の標準負担についても所得状況において負担上限額を設定するということをされておる。また、介護保険施行時点の入所者については、急激な負担増を緩和するため、制度施行後5年間は利用料について負担能力に応じた減免措置がなされると聞いているところである。
 次に、ホームヘルプサービスについてであるが、ホームヘルプサービスについては今の介護とかあるいは家事援助ということから、24時間対応型のホームヘルプサービス事業の普及であるとか、身体介護中心業務の拡大というようなことで、ホームヘルパーの増員の目標が達成できるよう努力してまいりたいと考えておる。
 次に、介護保険の保険料についてであるが、保険料は介護保険を各市町村でこれからつくる介護保険事業計画に基づいて、その市町村の保険給付の見込み額を設定する。そして保険財政の均衡がとれるように、国の基準に従って条例で定めるということになっておる。この介護給付見込み額がまだ国が設定される介護報酬が決まっておらないので、現段階では保険料がどの程度になるか予測できないというものである。
 また、保険料であるが、負担能力に応じた負担を求めるという観点から、現在の案では、本人が住民税非課税者の場合を基準として、老齢福祉年金受給者については基準額の0・5、住民税非課税世帯については基準額の0・75など、そういった所得状況に応じて設定されると聞いているところである。
 次に、ゴールドプランの達成状況についてであるが、10年度見込みで特別養護老人ホーム等々の施設サービスについては順調に推移しているところであるが、在宅サービスの一部におくれが見られるということから、来年度の当初予算においてデイサービスセンター16カ所、ショートステイ専用居室76床、在宅介護支援センター12カ所等の増を計上したところである。いずれにしても、市町村との連携を図りながら計画の達成に向けて努めてまいりたいと考えておる。
 次に、在宅3本柱の利用率と市町村格差についてである。これは、ホームヘルプサービス、デイサービス、短期入所等の在宅3本柱であるが、4年度実績で約10倍の格差があり、これを6年度実績では約7倍、7年度実績では6倍と年々縮小している状況にある。こういうことから、24時間ホームヘルプサービスとかあるいは休日のデイサービス等々の普及を図って、さらに保健、医療、福祉の専門家による市町村を個別に実地指導、助言する在宅福祉サービス評価事業を実施するなど、市町村間のサービス格差の縮小に向けて支援を一層強化してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 特養ホームについては毎年何カ所かずつ整備して、入所待機者が1年間100人以上どんどんふえてきた。大体課長の答弁、具体的根拠がない。整備していても入所待機者がどんどんふえているのが実態であるから、これは2000年までもっとふえるであろう。私は、危機感を持ってこれ対応しなかったら、そして入れないから病院に入ったりしている、老健に。私はそういう点でこの基盤整備をやらなかったら、本当に入りたくても入れない事態になってしまう。
 上限措置があるというけれども、国会でもどこを上限にするかというのを全然明らかにしていない。いわば介護保険をやると言って、低所得者に対する対策は明らかになっていない。であるから、本当にやっていけるかどうか全然根拠を示していない、厚生省自身が、そういう問題である。
 それで私は、今度の予算にかかわって少し聞きたいけれども、特養ホームの介護報酬、これ盛岡市の山岸和敬荘で聞いてみたら、措置費と比べると月50万円から80万円減収だという、介護保険になると。特養ホームをやっていられない。こういう事態。
 もう一つホームヘルパー。これは10年度から報酬単価が変わる。人件費方式から事業費方式に変わる。常勤ヘルパーのところは減額である。非常勤ヘルパーは若干増額になる。そうすると、せっかく常勤で施設なんかの場合に確保してやっているところは減収になる。来年度から実施されるけれども、全県的にホームヘルパーのこの報酬はどのくらい人員増を含めてマイナスになるであろうか。

〇千葉長寿社会課長 特別養護老人ホームの介護報酬については、まだ私の方でもよく承知しておらないので御了承願いたいと思う。
 それから、ホームヘルパーの補助制度の変更についてである。これは、従来は1人ホームヘルパーを雇うと300万何がしかの補助金が出たわけである。ただ、介護保険になるとどれぐらいのサービスを提供したかにより、1時間当たりの単価というものが定まってまいる。これに移行するためには、現在のホームヘルプサービスの補助単価をどの程度サービスをしたのか、どのぐらいの時間その方にサービスしたのかということによって補助方式に変わるというような趣旨である。それで、ホームヘルプサービスについてはいずれちょっと下がるわけであるが、金額はちょっと……、済まない。ただ、ここの要因の中には、今までホームヘルパーを使って入浴サービスをしていたものが別な補助事業、入浴サービスの事業に移ることにより減になったという要素も含まれておるので、一概に補助額が減になったというようなことにはならないので御了承いただきたい。

〇斉藤委員 私が指摘したように、本当に特養ホームだって、在宅だって大変深刻である。であるから、何とかなる論でなくて、今の岩手県の福祉の実態をリアルに見て、2000年までにこの介護保険法はどう見直しすべきなのか、また、岩手県としてどう抜本的に拡充すべきなのか、そういう方向でぜひ頑張っていただきたい。

〇長谷川委員 簡単に質問する。私は所得制限のあり方についてちょっと考え方をお聞きしたいと、こう思っておるわけである。
 追及を斉藤委員やめたけれども、例えば高齢者、障害者の住宅政策であるが、所得制限を強化したと、こういうことであるが、私は所得制限は緩和あるいは廃止していく方向であるべきだと、こう思っている。ところが、例えば500万円で所得制限をする。所得制限で住宅の補助も受けられないと。年金も受けられない、例えば。あるいはまた医療費の助成も受けられないと、すべて所得制限があるわけであるから。501万円あると受けられない。500万円の人と501万円の人ではえらい違いである、これは。501万円あると何ら−−それは500万円ではないかもしれない。それが600万円か700万円であるかもしれないけれども、今は例えば多段階で、2段階にしたり3段階にしたりしておるわけであるが、それでもなおかつ、そこに差が出てくる。500万円で例えば5万円の年金をもらっておると。600万円では例えば2万5、000円の年金をもらうと。601万円だとゼロである。であるから、そういう事情があり、例えばお金がないから所得制限を強化しようと、これはかなり乱暴なやり方だと私は思っており、これは何とか考え方を統一してもらわないと大変なことになるのではないかと実は思っているわけである。殊にも、本人の所得制限だけならいいけれども、家族の所得制限までその中に入っている。本人は300万円だと。例えば医療費はもらえるんだけれども、家族の人は1、000万円をお父さん、お母さんがもらっていると。全く本人は医療費の助成その他がないというような感じになる。私はそういうのは非常に不合理だと。本人だって、幾ら障害者であったって自己決定権を持つ立派な社会人なわけであるから、なぜ家族の収入まで加算して所得制限をするのか、このように考えておるわけであり、これは要望だけではだめであろう。
 本来は問題提起をしたかったわけであるけれども、この辺、やはりもう一度これからの福祉政策の中で所得制限のあり方と、位置づけと、それに対する考え方をちょっと部長でもどなたでも結構であるが、お考えがあればお示しをいただきたいと思う。

〇緒方保健福祉部長 今委員御指摘あったように、所得制限というのはいろんな議論があるわけである。一方で、限られた財源の中で最大限福祉施策を拡充していかなければいけないという側面があり、今のお話もたしか2、000万円以下の方に適用しているわけであるが、そういった2、000万円近い方にもこういった制度を適用するのかという御議論もあるし、逆に500万円なら500万円、これは仮であるけれども、ラインを1円でも超えたときにゼロか1円なのかとか、いろんな議論があると思う。また、私どもこの住まいづくりについては、所得制限をするという方向で検討しておるがどのように所得制限をかけるのかと、こういったことについてはまだこれから具体的に検討するようになっておるし、また、今委員から御指摘をいただいたような問題点も含めていろいろとそのあり方を検討して、また、いろいろと関係する財政当局ともいろいろとこれは−−所得制限と言っても、この制度だけではなくていろんな制度にこういったものがあるわけであるので、こういったものをよく整理をさせていただいて検討させていただきたいと思う。

〇折居委員長 ほかに質疑ないか。

〇村上委員 当該委員であり、直接予算にも関係ないわけであるが、重要な問題と認識するので質問させていただく。
 ふれあいランド岩手が開業されて4年を経過しているわけであるが、大変好評であり、その経営内容もいいようであり、大変うれしく思っているところである。その蔭で、ふれあいランド岩手の土地の問題が解決していないと私は認識しているわけである。
 土地提供者の地権者である吉田春正様にかかわる件であるけれども、以前から私もこの関係には立ち会ってきたものであり、大変心配をしているところである。この土地のあっせんの経過とその見通しについてまずお伺いする。

〇緒方保健福祉部長 ふれあいランド岩手の用地については、いろいろと地権者から御理解と御協力をいただいてこの施設が誕生したということで、大変私どもは感謝しているわけである。他方、ある地権者からはまだ解決されていない問題があるということで問題提起をされており、代替地の取得等についていろいろとこれまで私どもとして努力をしてまいったわけであるが、この中で経過としては、県有地と代替地の取得、または別の取得、または県有地と代替地の等価交換、あるいは県での代替地の買い上げ、あるいは農業法人等での代替地のあっせん等いろいろと検討してまいった。ただ、現時点ではこういったものについて有効な解決が見出されていない、そういう状況にある。

〇村上委員 部長の今の答弁であると、この問題は解決していないという認識でいいであろうか、私は。

〇緒方保健福祉部長 地権者からは満足されていないあるいは地権者が満足すべき解決はされていないことは事実である。ただ、実際問題としては、私どもとしてはいろんな解決策について検討してきたわけであるが、なかなかそういった御本人が納得されたような解決策が見出しがたい段階に来ていると、そういうことも事実であるが、最終的にもう終わったという問題ではないがなかなか難しい時点に来ていると、このように認識しておる。

〇村上委員 部長のその認識だとすれば大変ありがたいわけであるが、何か県がもう相手にしてくれないというようなことの情報も入ったものであるから、あえてお伺いしたわけである。地権者との合意はすべてこの建設に絡んで私も立ち会ってきた問題なわけである。そして地権者がそれを了解してきたと。最後になって、ここに文書もあるけれども、私の実印も割印してあるし、ここにはこう書いてある。
 最終的に県は、県の責任において地権者が納得のいく代替地のあっせんを保証するとある。こういう文書まである、文書で約束事が、私の立ち会いのもとでやってきたわけであるから。そうすると、地権者から言わせると全然納得しない。例えばゴルフ練習場をやるといったって、農振法がかかったところをあっせんしたということであろう。それ自体問題である。だましたということにならないであろうか。であるから、地権者はもう泣き寝入りして、この問題については弁護士を頼んで訴訟をやろうかと、泣いていた。であるから私はあえて聞きたいが、この問題については今後は、私も含めて−−私の名前も書いてあるから、これにちゃんと、村上惠三と−−含めて解決に向かっていただかないと、地権者と当局だけの合意だけでは私は納得しないので、このことをちきっと心しておいていただきたいと、こう思う。

〇緒方保健福祉部長 先ほど舌足らずのこともあったわけであるが、この問題は完全に終わっているわけではないが、現時点でいろいろ手を打ってきたわけであるが、非常に解決の道が見出しがたい状況に来ていると私どもは認識しておる。いろいろと地権者の方が満足されていないということも私どもよく承知しておるし、いろいろと御不満も地権者の方におありになるかと思うが、私どもは私どもとして、誠心誠意この問題の解決に努めてきたと一応考えているわけであるが、結果として、この三つの解決方法について検討した結果、これ以上手の打ちようがないという、そういう非常に難しい状況になっているところである。そういったことで、地権者の方にはいろいろと御不満があるかと思うが、こう御理解いただきたいというようなこともお願いをしてきたわけであるが、いずれにせよ、またそれについてまだ地権者からお答えもいただいていないし、こちらから投げかけた形になっておるので、またそれについてお話をお伺いしたいと、このように考えておる。

〇村上委員 当該委員であるので委員会でただしてまいりたい。
 ただいまの部長の答弁、きちっと受けとめたので、責任を持って保証するという文書があるのであるから、最後まできちっとしてもらわないと困る。

〇折居委員長 ほかに質疑がないようなので、これで保健福祉部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後5時1分 散 会


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