平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇43番(佐藤正春君) 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっている議案第4号平成10年度岩手県一般会計予算、以下、各案件について、予算特別委員長の報告のとおり決することに賛成の立場から討論をいたします。
 今議会は、増田県政最終年度の予算議会であります。3年前、我が党は別の候補を立てて戦った結果、県民は増田知事を選び、県政をお任せしたわけでございます。また、今議会では、今までのような知事の政治姿勢についての質問はありませんでしたが、我々は、与党であっても野党であっても、県議会においては、過去、中村県政、工藤県政と変わることなく是々非々の一貫した立場を堅持しており、それは、自民党が常に県民とともにあるからであります。
 例えば予算統一要望においては、各大臣との面会を初め、知事と自民党政府とのパイプ役を積極的に努めるなど、県政の推進に全力を挙げて取り組んできたことは県民ひとしく知るところでございます。
 しかるに、いまだ知事と県民の間に垣根をつくり、県政融和の障害となっているものが一部存在することはまことに残念でございます。今回も知事を先頭に、執行部、議会各会派が一体となり、国の厳しい財政環境にもかかわらず、花巻空港の滑走路整備延長など、その大部分が国の予算編成の中で実現されたことは、県勢の発展にとって極めて意義深いものであると認識しているところであります。
 さて、県の平成10年度予算編成は、国、地方を通じて厳しい財政環境下にあって、新たに策定した行財政システム改革指針のもと、行政の評価システムをみずから編み出し、歳出の肥大化を抑制する一方、限られた財源を中山間地域における第1次産業の振興を初めとする地域産業の高度化や次代を担う人材の育成、さらには、県単独医療費助成の対象範囲の拡大などに重点的に振り向けるなど、効率的で機動的な財源配分に努められ、また、私の提言を真摯に受けとめていただき、中期的な財政見通しをもとに計画的な県債発行を定めるなど、創意と工夫を凝らしたことがうかがわれるところでございます。
 その結果、一般会計の予算規模は8、435億円余と、前年度に比し3・8%のマイナス予算となっているところでございますが、実質的には、公共事業の伸びが抑制されているものの、東北新幹線建設促進対策、新交流ネットワーク道路整備、各般の福祉、教育施設など、我が党が県民の期待にこたえるべく、予算編成に先立ち、県内の各市町村、また、各界各層から意見要望を聴取し、県政に反映されるよう知事に強く要望したことに対して、知事は積極的に対応されたものと認識し、高く評価しているところでございます。
 前登壇者の斉藤議員は、この一般会計予算に反対する理由の一つとして食糧費不適正支出問題を取り上げ、特に県当局の調査方法を不正隠しと決めつけていることはいかがなものでございましょう。岩手県人はそれほど悪人なのでございましょうか。もとよりよいこと、悪いことはきちんと明らかにするべきであり、私も再三取り上げてまいりました。上司の命令を受け、よかれと思って一生懸命やったことが悪事であると決めつけられるならば、組織そのものが崩壊するのではないでしょうか。
 私は、岩手県人性善説の立場から、今回の問題は良隠の情があってしかるべきものと、こう思うのでございます。
 県が良識的なメンバーによる調査委員会--会長船越前岩手大学学長--を設置し、その客観的な視点から厳正な調査を行い、真相解明に真剣に取り組んだことや、先年、御提言申し上げました2人の監査委員の外部導入がその実現を見るに至ったことは、2歩--1歩ではないですよ--前進と考えております。また、その調査の過程における内部資料については、できるだけその全体を県民に明らかにすることが情報公開制度の見直し、改革を推し進め、県行政の透明度をより一層高めていくことになると思いますので、県当局のさらなる前進、知事の英断に強く期待するものでございます。
 もとより、県議会は検察や裁判所ではございません。県民の立場から行政の襟を正す役割を果たすべきものであることから、食糧費問題については、知事、三役みずからの減俸処分を了としまして、議会の公費の適正執行を求める決議、この決議をかみしめ、本議会定例会をもって一つのけじめをつけておくべきであると考えます。
 私は、これを契機に、県当局が厳粛な反省の上に立ち、まず、何が原因であったのか、制度自体が現実と乖離してしまっているのではないかという観点から、制度そのものを厳しく見直す必要性があるものと強く認識しております。その上に立って、来るべき新年度から新たな気持ちを持ち、県勢のさらなる飛躍と新たな発展を目指して努力していくことが必要であり、このことこそ県民の失われた信頼を回復する唯一最良の方途であると信ずるものでございます。
 今こそ知事、執行部、県議会が一丸となって災いを転じて福となし、当面する県政課題について、県民の福利向上のため、予算特別委員会の附帯意見を十分に踏まえながら前向きに施策を推進していくことが元気でやる気の出る岩手県のあるべき姿であると思い、賛成の討論とする次第でございます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(那須川健一君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第4号、議案第14号から議案第16号まで、議案第18号から議案第23号まで、議案第32号、議案第34号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号及び議案第49号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第4号、議案第14号から議案第16号まで、議案第18号から議案第23号まで、議案第32号、議案第34号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号及び議案第49号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第5号から議案第13号まで、議案第17号、議案第24号、議案第33号、議案第50号及び議案第53号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、議案第5号から議案第13号まで、議案第17号、議案第24号、議案第33号、議案第50号及び議案第53号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第56 議案第83号監査委員の選任に関し同意を求めることについて
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第56、議案第83号監査委員の選任に関し同意を求めことについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。千葉副知事。
   〔副知事千葉浩一君登壇〕
〇副知事(千葉浩一君) 本日提案いたしました人事案件について御説明申し上げます。
 議案第83号は、監査委員のうち、識見を有する者から選任されていた常勤監査委員源新義弘氏及び非常勤監査委員橋本光男氏の任期が3月31日で満了となりますので、新たに、常勤監査委員に一戸克夫氏、非常勤監査委員に佐藤文子氏を選任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に同意くださるようお願いいたします。
〇議長(那須川健一君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は人事案件でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決したいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第83号監査委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第83号監査委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第83号監査委員の選任に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   
日程第57 発議案第1号県議会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例から日程第63 発議案第7号公費の適正執行を求める決議まで
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第57、発議案第1号から日程第63、発議案第7号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第4号早期景気回復に向けた新たな緊急経済対策の推進についてを採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、発議案第4号早期景気回復に向けた新たな緊急経済対策の推進については、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第1号から発議案第3号まで及び発議案第5号から発議案第7号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第3号まで及び発議案第5号から発議案第7号までは、原案のとおり可決されました。
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第13回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後3時5分 閉 会

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