平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第55号1997年度岩手県一般会計補正予算(第5号)並びに議案第65号、第66号、第70号から第77号に対し反対の討論を行います。
 1997年度岩手県一般会計補正予算は、第1に、9、220万9、000円の食糧費の減額補正となり、補正後の総額は1億948万5、000円となっています。私は、当初予算の審議において、なぜ前年度実績を大きく上回る2億円を超える食糧費を計上するのかを問いただしましたが、結果的に私の指摘したとおりの減額補正となりました。
 食糧費の問題で重大なことは、この間、カラ懇談会が発覚し、食糧費の全庁調査が行われたことであります。全庁調査の結果は、1億5、000万円余の不正支出が明らかにされたものの、不正隠しとも言うべき不明額が全体の25%を占める3億7、790万円余となっていることであります。また、食事券については、購入先も配付先も調査しないという驚くべきもので、不明懇談会を含めて、県民の税金である公金の流れが全く明らかにされていないことであります。
 こうした食糧費の全庁調査では、決して県民の理解と納得を得られるものではありません。今県議会で徹底して究明するとともに、徹底した再調査を強く求めるものであります。
 第2に、新たに県債を193億6、470万円発行し、県債発行額が1、644億1、021万円となり、県の財政危機を一層深刻なものとしていることであります。県債の構成比は18・6%を占め、県債残高は9、358億4、310万6、000円となっています。むだと浪費の公共事業、県単独事業の抜本的見直し抜きに、県財政の危機的状況を打開する道はありません。
 第3に、ふるさと市町村圏基金造成費補助として5、000万円が計上されていることであります。これは、気仙広域連合が行うふるさと市町村圏基金に今年度、来年度で、1億円を補助しようとするものであります。気仙広域連合は、昨年11月10日、突然に関係議会と住民に示されたものであります。そして、ことしの3月中に発足しようとするもので、極めて拙速なやり方であります。
 広域連合の中身を見ても、これまでの気仙地区広域市町村圏協議会と気仙地区衛生処理組合の事務を引き継ぐものであり、新たな事務はふるさと市町村圏基金の果実を運用することであります。この基金は総額10億円で、県の1億円の補助を除いてすべて市町村の借金で賄われるものであります。基金の果実は利率0・4%で、年間わずか400万円であります。広域連合の経費には、専任職員の配置など新たに700万円もの負担増となります。起債の支払い利率は2・8%で、一部地方交付税措置があるといっても、財政危機の中で新たに借金をふやし、わずかな基金の果実で負担増となる事務、仕事のために、急いで広域連合をつくる緊急性と必要性がどこにあったのでしょうか。広域連合のような問題は、住民が主人公の立場で、その内容と必要性を住民に明らかにし、理解と納得を得て進めるべきであります。
 第4に、教育費が26億4、759万2、000円減額補正されていることであります。これは、主に小中高の教員の削減によるものであります。今年度、小学校で100人、中学校で15人、高校では48人の削減となっています。子供たちのいじめ、不登校、高校中退、校内暴力など、深刻な状況の中で、教員の削減は父母、子供たちの願いに逆行するものであります。
 議案第65号、第66号は、港湾整備事業、県民ゴルフ場事業特別会計の補正予算であります。
 港湾整備事業特別会計は、使用料及び手数料が3億1、214万円、一般会計からの繰入金が29億6、530万円、県債が44億6、200万円となっています。この中身は、大船渡港湾整備事業に係る漁業補償32億6、000万円が主な中身であります。結局、公営企業債残高は214億2、841万円となり、膨大な借金が県民に押しつけられるものであります。港湾整備事業については、適正な計画と事業の見直しが必要であります。県民ゴルフ場特別会計も使用料が123万7、000円の減額補正となり、97年度末では、使用料は6、531万円余、管理事業費は8、094万円余と、建設費を除いても赤字体質が改善されていません。これらの特別会計は、むだと浪費が含まれており、見直すべき事業であり反対するものであります。
 議案第70号から第77号は、建設事業に要する経費の一部を関係市町村に負担させるものであり、反対するものであります。
 以上で、反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(那須川健一君) 以上で、通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第55号、議案第65号、議案第66号及び議案第70号から議案第77号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第55号、議案第65号、議案第66号及び議案第70号から議案第77号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第56号から議案第64号まで、議案第67号から議案第69号まで及び議案第78号から議案第81号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、議案第56号から議案第64号まで、議案第67号から議案第69号まで及び議案第78号から議案第81号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第28 議案第82号一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第28、議案第82号一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。大隅総務部長。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 本日提案いたしました案件について御説明いたします。
 議案第82号は、一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、児童福祉法施行令の一部改正に伴い、所要の整理をしようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
〇議長(那須川健一君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案第82号一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例は、総務委員会に付託いたします。
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後1時50分 散 会
 
 
   
〔参照〕
人委職第252号
平成10年3月12日
 岩手県議会議長 那須川 健 一 殿
岩手県人事委員会委員長 大 沢 三 郎
   条例案に対する意見について(回答)
 平成10年3月9日付け議第373号により意見を求められた下記条例案は、適当なものと認められます。

議案第82号 一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例

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