平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 私は、県民が切実に求めている要望、県政の重要課題について、増田知事並びに関係部長、教育長、県警本部長に質問いたします。
 第1に、県政の深刻な財政破綻と、むだと浪費の公共事業の見直しについてであります。
 岩手県の来年度予算は、深刻な財政状況を踏まえ、マイナス3・8%の緊縮予算となっています。それでも、来年度末の県債残高は初めて1兆円を超え、県民1人当たり70万円、4人家族なら280万円もの借金を県民に押しつける深刻なものとなっています。財政破綻の原因は、言うまでもなく、予算規模を無視して進めてきた公共事業優先、ゼネコン型公共事業の推進にあります。特に、自民党政治言いなりに県単独事業をこの10年間で4倍の規模に拡大してきたことにあります。しかも、公共事業の中身を見ると、自然環境を破壊した奥地産業開発道路や大規模林道、計画目標と大きくかけ離れている港湾整備事業や県営ダムの建設、対象農家の7割もが必要としない国営かん排事業など、むだと浪費とも言うべき公共事業が少なくありません。
 増田知事、あなたは県財政破綻の原因をどう認識しているのでしょうか。これまでの公共事業優先のあり方をどう具体的に見直し、改善しようとしているのでしょうか、お聞きいたします。
 公共事業の見直しについて具体的にお聞きします。
 一つ、花巻空港の2、500メートルへの滑走路延長事業について。
 第1に、交通政策上の必要性があるのでしょうか。昨年度の利用人員は約53万人、利用率は59・1%となっています。一番利用客が多い大阪便は利用人員24万人で利用率52・9%であります。運輸省は、これまで1路線50万人が基準としてきましたが、大阪便でさえこの基準の半分以下であります。こうした状況で2、500メートルに滑走路を延長する必要性と見通しについて示していただきたいと思います。国際チャーター便が可能とも言われていますが、どの程度の利用と経済効果が見込まれるのでしょうか。
 第2に、財政危機の中で大規模開発事業を進める理由と根拠があるのかという問題であります。滑走路延長だけで270億円、関連道路整備やターミナルビルの建設も含めると約500億円の大規模開発事業と見込まれますが、県財政の危機的状況のもとで優先して推進すべき理由がどこにあるのでしょうか。
 二つ、港湾整備事業について。大船渡、釜石、宮古、久慈、この港湾整備事業の来年度の事業見通しはどうなっているでしょうか。県の負担分、負担額はどうなっているでしょうか。
 三つ、奥産道雫石東八幡平線、奥産道安ケ沢線、これらについて、私は工事の中止と見直しをすべきと考えますが、来年度の事業内容はどうなっているでしょうか。
 四つ目、大規模林道川井・住田線について。レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているクマタカ、イヌワシの生息目撃情報が寄せられ、森林開発公団もやっと猛禽類の調査を昨年11月、12月に行いました。その調査報告、調査結果はどうなっているでしょうか。森林開発公団によると、来年度の工事は凍結するという話もありますが、本当でしょうか。そもそも私は、早池峰山ろくの峰を越える幅員7メートルの山岳ハイウエー道路は全く必要なく、自然環境破壊の道路ではないかと思いますが、県政の施策展開の第1に、環境共生、環境の世紀を掲げる増田知事の見解をお聞きいたします。
 次に、深刻な不況打開と大型店出店問題への対応についてお聞きいたします。
 橋本内閣による9兆円の負担増、いわゆる消費税の5%増税、特別減税の廃止、医療費の大幅引き上げが、国民、県民の消費を冷え込ませた原因であることは、今や国内外の共通した見方であります。不況打開のためには、9兆円負担増を上回る対策、すなわち消費税を3%に直ちに戻すこと、1年限りでない恒久減税を実現すること、医療保険制度、社会保障制度の改悪ではなく、抜本的拡充こそ必要と考えますが、増田知事はどう考えておりますでしょうか。
 不況打開にとって緊急に求められていることは、金融機関による貸し渋り、債権回収ともいうべき異常な事態を改善し、県内中小商工業者の経営と暮らしを守る対策を講じることであります。私のところには、去年までは融資を受けられたが、ことしは上の方針が変わったから融資できないと断られた例、手形決済のために工面したお金を借金返済に一方的に回され倒産させられたなどの、今までにない深刻な声が寄せられています。私は、県として貸し渋り110番を設置し、このような事態が起こらないよう、金融機関、信用保証協会などへの具体的対策を整えるよう強く求めるものであります。同時に、岩手県が株主になっている岩手銀行は、預貸率50%で、全国地方銀行で最低であります。従来からの貸し渋り状況を改善するよう岩手県が働きかけることを強く求めますが、いかがでしょうか。
 ダイエー、東北マイカル、東京インテリア家具などの盛岡市内への相次ぐ大型店の出店計画は、不況のもとで、地方商店街にとってはダブルパンチというべき重大問題であります。県都盛岡市のまちづくりにとっても、絶対に見逃せない問題であります。ダイエーは2月16日、開発許可に向けて第1段階となる位置に関する事前指導申出書を盛岡市に届けたとされています。ダイエーの出店計画の具体的内容をどう把握していますか。盛岡商工会議所が商店街への影響調査を行いましたが、その内容はどうなっているでしょうか。第1種優良農地であり、市街化調整区域への大型店出店計画は、盛岡市の開発計画、まちづくりにも、農業振興にも支障を来すものであり、大型店の横暴、無理難題ともいうべきものと考えますがいかがでしょうか。
 ダイエーは、最近の2月期決算では250億円の大幅赤字となり、50店舗を閉鎖する計画と報道されています。無謀な大型ショッピングモールを開発する条件も資格もなくなっているのではないでしょうか。県の認識を伺います。
 あわせて、家具専門店の東京インテリア家具の大型店出店にかかわる3条申請が既に提出されています。その計画は、売り場面積1万828平方メートル、盛岡市内の家具店の9、856平米を上回る規模であります。これではとても共存共栄できるものではありません。出店予定地は県運動公園の南側で、交通渋滞、環境問題も引き起こされかねません。地元商店街、専門店と共存共栄できないこうした大型店の出店には、県知事としてきっぱりと反対を表明し、大店審にも意見を表明すべきと考えますがいかがでしょうか。
 次に、医療・福祉の問題について質問いたします。
 私は、増田知事が県民の強い要望にこたえて、乳幼児医療費助成の対象年齢を4歳未満まで引き上げたことを高く評価するものであります。しかし、昨年9月からの医療費の値上げ、医療制度の改悪は極めて深刻なものであります。健康保険本人の負担は一挙に2倍以上となり、お年寄りの場合は3倍から4倍以上になっています。岩手県保険医協会の調査によると、58・5%の院長が、受診抑制による治療の中断を懸念しています。また、診療報酬で見ますと、昨年の7月と11月で、件数で8・2%、額で16・5%も減少しています。盛岡市内のある病院では、医療制度が改悪されてから3カ月受診を控えた、中断した患者が114人もありました。この中には、糖尿病で心臓合併症や薬物治療の必要な人、高血圧で薬物治療中の患者も含まれています。まさに県民の命と健康が脅かされています。昨年9月以降、県内における受診抑制の実態はどうなっているでしょうか。
 橋本自民党政府は、5月から難病患者に対しても医療費の自己負担を押しつけようとしています。県内に3、600人余の難病患者がおりますが、どのくらいの患者がどういう自己負担を押しつけられるのでしょうか。県として、難病患者がこの負担に耐えられると考えているのでしょうか。私は、県独自にでも医療費無料の助成を行うべきと考えますがいかがでしょうか。その際、費用はどの程度必要なのでしょうか。
 政府は、4月からさらに医療費の値上げにつながる3、200億円の医療費削減を行おうとしていますが、医療保険制度の改悪、患者負担の増大ではなく、医療保険制度の改善・充実こそ求めるべきと思いますがいかがでしょうか。
 保険あって介護なしと言われる介護保険法への対応についてお聞きいたします。
 介護保険法は、第1に、第2の消費税と言われています。最初は、保険料は月2、500円で2兆円となります。10年後には2・5倍の5兆円になると言われています。県内の国民年金受給者は25万6、412人となっていますが、老齢年金の平均年金額は月4万2、000円余であります。既に国民健康保険税の場合、加入世帯の1割が滞納となっており、初めから介護保険の保険料を払えない、介護保険の対象とならない人が多数出ざるを得ないのではないでしょうか。
 第2に、現在福祉サービスを受けている人が切り捨てられてしまうということであります。現在、特別養護老人ホームに入所している人の8割は、入所費用が4万6、000円以下であります。入所費用が無料の人が6・8%、1万円以下の人が30%となっています。介護保険が実施されますと、保険料と利用料で月5万円かかります。これでは特養ホームから追い出されかねないのではないでしょうか。ホームヘルプサービスを受けている8割のお年寄りは、現在無料であります。この方々にも、保険料と利用料が一律徴収されますとどうなるでしょうか。
 第3に、保険を払っても必要な介護サービスを受けられないということであります。特別養護老人ホームの場合、昨年末の入所待機者が988人となっています。待機者は毎年約100人以上ずつふえています。現在でも、50人規模の特養ホームが20カ所必要ですが、県の計画では、既に100%超過達成となっているのであります。さらに、県内市町村の在宅福祉3本柱、いわゆるホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイのサービス料には6倍以上の格差があります。高齢者保健福祉計画を前倒しで達成し、抜本的に見直し、介護・福祉の基盤整備を図らねば、文字どおり保険あって介護なしということになるのではないでしょうか。県は、この実態をどう具体的に受けとめ、改善しようとしているのでしょうか、責任ある答弁を求めるものであります。
 あわせて、2000年の実施に向けて、高齢者、低所得者からは保険料も利用料も徴収しない、在宅介護手当を支給させるなど、抜本的な見直しを政府に求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。
 次に、本県の基幹産業である農業問題について質問いたします。
 この間の自主流通米の暴落で、県内農家は80億円の減収を強いられ、来年度の大幅な6、300ヘクタールの減反拡大によって90億円の減収が予想されます。生産者米価の引き下げでは3億2、000万円の減収であります。こうした事態はかつてなかった深刻なことであります。今農家は、農業を続けられるかどうか、混迷と不安の中に追い込まれています。今県政に求められていることは、何よりもまず、農家の減収を補てんする抜本的な対策をとって、農家の生活と経営を守ることであります。来年度予算で減収補てん策が出されていますが、県でわずか2億円、市町村を含めても4億円程度では極めて不十分ではないでしょうか。その減収補てん策も、新たな減反拡大分の4、200ヘクタール分にとどまっていることも問題であります。すべての農家を対象に減収補てんを実施すべきと考えますがいかがでしょうか。
 そもそも米の暴落は、米が余っているのに外米を輸入したために引き起こされたものであります。これまでの4年間で154万トンの外米が輸入され、これからの2年間でさらに145万トンも輸入されようとしています。米の輸入自由化をやめさせ、WTO協定の見直しを強力に働きかけ運動を進めるべきと思いますがいかがでしょうか。
 農業問題の解決にとって重要なことは、食料自給率を抜本的に高めること、食料の安全性を確保することであります。県として、岩手の農業生産の多面的発展の計画と対策はどうなっているでしょうか。転作奨励品種として麦・大豆が提起されていますが、問題は、成り立つ転作として県政としてどう具体的対策をとるかであります。10年度収穫が条件とすれば、麦の転作は対象とならないのではないでしょうか。大豆の場合、転作の奨励だけでなく、加工施設の整備や流通・販売の対策など、成り立つ転作にすべきと思いますが、対策はどうなっているでしょうか。転作奨励金が2年間の期限つきでは、結果として場当たり的転作となりかねません。この改善も政府に求め、県としても中長期の計画をもって進めるべきと考えますがいかがでしょうか。
 こうした農政の推進は、1、000億円の農政予算の約6割が公共土木事業というゆがみを正すなら十分実行できるものであります。食料供給県にふさわしい、農家に希望と展望を示す農政を推進すべきではないでしょうか。
 農業問題、米の消費拡大、教育問題としても重要なのは、学校給食の問題であります。橋本自民党内閣は、学校給食の米飯給食、米に対する値引き補助を3年後には廃止するとしています。来年度、岩手県分では2億円の補助が1億円に減らされます。私は、農業県、食料供給県の本県にとって、学校給食、米飯給食の拡充のため、県独自にでも助成すべきと考えますがいかがでしょうか。米が余っているというのに、岩手県の子供たちに米を食べさせないという政治があるでしょうか。やらないとするなら、なぜやらないのかはっきりと答えていただきたい。
 あわせて教育長に、県教育委員会、県内市町村での対応の状況についてお伺いいたします。
 教育問題についてお聞きします。
 一つ、不登校、校内暴力、高校中退の激増など、子供たちの状況は極めて深刻であります。こうした状況の学校教育上の問題は、小学校低学年からの異常な詰め込み教育と、わからないのも個性とする差別と選別を合理化する新学力観に基づく教育がもたらしたものと考えますがいかがでしょうか。
 また、大蔵省汚職や銀行・証券スキャンダルなどの政財官の癒着、政治・社会の頽廃現象も看過できない問題であります。今、学校教育に必要なことは、子供の目線でともに考え、子供の悩み・要求に耳を傾け、ともに歩むという、人間を大切にする教育を進めることではないでしょうか。最近子供たちの話を聞く機会がありました。小中高とどこでも、教師による体罰があると訴えられました。教師による体罰などは、いかなる理由があっても許されないと思いますが、どう指導を徹底されているのでしょうか。
 二つ、高校再編問題について。生徒急減期における高校再編問題が重要な課題となっています。私は、生徒急減期だからこそ30人学級を実現すべきだと考えます。30人学級で15年後を推計しますと、現在385学級が360学級と、ほとんど学級数は減りません。10年後、20年後の教育を考えるなら、世界では当たり前の30人学級を展望した高校のあり方を検討すべきと思いますがいかがでしょうか。
 もう一つ、希望者全員の高校進学を保証することであります。既に高校進学は97%を超えています。准義務教育的状況にあります。それなのになぜ、2%、3%の子供をふるい落とすために過酷な受験競争を温存・強化しなければならないのでしょうか。中学生の最大のストレスは受験競争であります。生徒急減期の時期にこそ、高校全入を実現すべきではないでしょうか。
 三つ目に、小学校にまで受験競争を拡大する中高一貫校の導入はやめるべきだということであります。これは、学校制度の複線化を導入する制度上の大改悪でもあります。私は昨年、全国唯一の公立中高一貫校である宮崎県の五ヶ瀬中高校を視察してきましたが、その中身は、全県からエリートを集め、エリートを教育する学校でした。中高一貫校という新しい特別の学校をつくることではなく、今の中学校、高校の充実こそを必要と考えますがいかがでしょうか。
 千厩町の中学校統合問題についてお聞きします。
 千厩町における中学校の統合問題は、県議会でも何度も取り上げられました。それは、地域住民の圧倒的多数の反対がありながら、千厩町が強引に統廃合を進めようとしているからであります。千厩町では、中学校の統廃合に反対する住民の世論と運動が全町的に広がっています。ところが町当局は、統合中学校の設置条例を強引に強行採決したのに続き、2月19日には、統合中学校経営構想検討委員会を設置し、来年度から校舎建設に着手しようとしています。細屋教育長はこれまで、現在なお一部住民の根強い反対があることから、これまでも指導してまいりましたが、引き続き地域住民の理解と協力を得るため、なお一層協力するよう指導してまいりたいと答弁してきました。この間、具体的にどう指導してきたのでしょうか。千厩町教育委員会の対応はどうだったでしょうか。最近の千厩町の動きをどう見ているでしょうか。千厩町の教育長は、来年度予算の見通しは立ったと公言しているようですが、本当でしょうか。町はこれまで、町内の3%の町民にしか中学校統合問題について説明していません。一部の反対どころか、ほんの一部の賛成というのが地域住民の実態ではないでしょうか。
 次に、食糧費不正支出問題についてお聞きします。
 私は、県民の皆さんに県議会に送っていただいて以来、3年前の最初の6月県議会から一貫して、官官接待の廃止、カラ懇談会、カラ食事券疑惑の解明を求めてきました。増田知事を初め県当局は、つい最近まで、食糧費の不正、カラ懇談などはなかったと疑惑を否定し続けてきました。しかし、市民オンブズマン、開かれた行政を求めるいわての会による徹底した情報公開と住民監査請求によって、ついに昨年8月、東京事務所による22件のカラ懇談が明らかとなり、増田知事は、遅きに失したとはいえ、食糧費の全庁調査を表明したのであります。
 しかしながら、今回増田知事から公表された食糧費執行状況調査についての内容は、極めて不十分なものであります。第1に、調査総額の10%に当たる1億5、043万5、000円を不正支出としたものの、調査総額の25%、3億7、790万3、000円が、不明・灰色となっています。これではとてもまともな調査とは言えません。第2に、不正支出の実態、県民の税金が何に、どのように使われたのか、全く隠されていることです。第3に、県の行政管理委員会と食糧費調査委員会が、具体的にどのような基準、方法、マニュアルで、どう調査したか、全く示されていないことであります。第4に、全部局にわたる組織的、構造的不正でありながら、その原因、責任、背景などが明らかにされていないことであります。増田知事、あなたはこのような食糧費の調査結果で、県民の理解と納得を得られると考えているのでしょうか。
 具体的問題についてお聞きします。
 一つ。不正支出の実態について。
 相手方が否定した懇談会の支出は何に使われたのでしょうか。二次会等との処理とはどういうものか。三次会、四次会などもあったのでしょうか。内部懇談会等とは何のためにどのように開催されたのでしょうか。実施内容が不明なものとはどういうことか。何に使われたのでしょうか。
 二つ。食事券は288件、5、171万3、000円、すべて不正支出となっていますが、食事券は本当に購入されたのでしょうか。配付されたのでしょうか。そうでないとするなら、何に使われたのでしょうか。
 三つ。増田知事は、ビール券の配付は最後まで認めてきましたが、ビール券の購入、配付の実態はどうだったでしょうか。
 四つ。東京事務所、大阪・名古屋各事務所の不正、適正支出の実態はどうなっているでしょうか。
 五つ。25%の灰色・不明支出の実態について、なぜ明らかにならなかったのでしょうか。全体として、実施伺書が保存されていなかったものはどのぐらいあったのか。そのうち、懇談の実質が明らかになったもの、ならなかったものはどうなっているでしょうか。支出負担行為、支出票と請求書があればかなり解明できると思いますが、具体的にどう調査したのでしょうか。
 六つ。調査の方法、マニュアル、マニュアル・フロー、これはいつ、どう決めたのか。適正、不適正の判断基準、分類はどうやったのか。
 七つ。カラ懇談会、カラ食事券が事実とすると、公文書偽造、公金横領に当たると思いますが、県警本部長の見解を求めます。
 八つ。知事は、3月中には不正額を返還するとしていますが、どういう責任に基づいて、だれが、どう返還するのでしょうか。不正支出の実態、金の流れも含め、経過と責任など全容を県民の前に明らかにすることが先ではないでしょうか。
 九つ。食糧費の不正額について、国の補助事業にかかわる不正支出はどうなっているでしょうか。あるとするなら、その返還はいつ、だれが行うのでしょうか。
 十。今回の調査では、県議会と県警本部が対象外となりました。既に、県議会関係でも東京事務所において食事券の支出があります。対象外とすることなく、調査すべきではないでしょうか。
 最後に、旅費問題についてお聞きします。
 私は、この間、久慈、大船渡、釜石振興局の昨年3月、4月に係る盛岡出張の実態を調査しました。その実態は、第1に、旅行命令とは違う交通手段によるものが少なからずあったこと。
 第2に、出張用務は1日で済むものの、木・金、金・土、日・月など、泊つき出張がかなりあること。
 第3に、単身赴任者や独身者が多く、帰省絡みの出張となっているにもかかわらず、宿泊つきの出張が少なくないこと。
 こうした問題は、現在の旅費規定が実態に合っていないことを示すものですが、旅費問題についても全庁的な調査を行い、県民、職員が納得するものに抜本的に旅費規定を見直すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 以上で私の一般質問を終わりますが、答弁によっては再質問を行います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県財政の認識と公共事業のあり方についてでございますが、国、地方を通じまして、財政の健全化を図ることが現下の最重要課題とされている中にありまして、本県の財政も県債残高が増加をし、公債費などの義務的経費が増嵩してきているところでございます。
 その主な要因でございますが、本県におきましては、活力に満ちた地域社会づくりのために、生活・生産両面にわたる基盤の整備などを積極的に推進してきたところでございますが、特に平成4年度以降でございますけれども、国の経済対策に呼応して効果的な公共事業の推進を図ってきたということ、また、東北新幹線盛岡以北の整備、また、4月に開学をいたします県立大学の開設を初めとする県民福祉向上のためのいわゆる県単事業などを県債を活用しながら実施してきたことなどによると、こういうふうに考えております。また、公共事業につきましては、その推進によりまして、人、物、情報の交流の活発化や安全な生活の確保、医療・福祉の充実に資するなど、県民の快適で健康的な日常生活や生産活動を支える社会資本の整備が促進をされますので、今後とも財政の健全性にも十分留意しながら、県民に身近な基盤の重点的な整備を図るなどこれを着実に推進していく必要があると、このように考えております。
 次に、森林開発公団が実施をしております大規模林業圏開発林道は、北上山系の豊富な森林資源を利・活用いたしまして、林業を基軸とした産業の振興や地域の定住環境の改善などのために現在整備が図られているものでございまして、整備主体は森林開発公団でございますが、公団においては、これまで林野庁や環境庁で貴重なチョウ類への対応の場合のいろいろのやり方、マニュアルを定めているわけですが、このマニュアルに基づいて自然環境に配慮しながら事業を推進してきていると、このように認識をしているところでございます。
 次に、消費税率を3%に戻すとともに、恒久減税を実現することについてと、こういう話でございますが、消費税の税率それから特別減税の実施について、これは当然のことながら国政の問題でございまして、国会の場での審議の上でさきに決定をされたものでございます。
 今後の税制のあり方につきましては、国会の場で十分な論議をなされ、そうしたことを踏まえた上でさらに国民の理解が得られるようなものとなることを期待しているところでございます。
 次に、医療制度、社会保障制度についてでございますけれども、現在、国が進めております社会保障構造改革でございますが、少子・高齢化の進展に伴う国民の需要にこたえるとともに、給付と負担の均衡を図り、かつ、経済活動と両立をしてサービスの選択や民間活力の発揮を可能にしていくと、こういう考え方に立ち、効率的で安定した社会保障制度の確立を図るものと、こういうふうに聞いております。右肩上がりの経済成長が今後なかなか望みにくいと、また、社会保障費の増大が避けられないと、こうした現下の情勢の中で、社会保障制度については将来の国民の不安が解消され、生活者主権、地域主権の視点に立った成熟した社会経済にふさわしい制度が構築されなければなりませんし、また、そうなるよう期待をしているところでございます。
 次に、食糧費執行状況調査結果についてでございますけれども、この調査は、平成4年度から平成8年度の5カ年間を対象といたしまして、懇談に係るものにあっては、基本的には出席者に対して一つ一つ事実確認をするということで執行状況を調査したものでございます。文書の保存年限が経過したことにより、実施伺書が保存されていないといったようなこともございまして、出席者の特定ができないといったようなものもございましたが、当時の関係者からの聞き取りや他の関係書類を出して確認をするといったようなことで、可能な限りの方法を講じて調査を行ったというふうに考えております。
 また、この調査に当たりましては、その調査内容の公正性と客観性を確保する必要があるということで、第三者による調査委員会を設置いたしまして、県が行う調査に関して7回にわたり委員会を開催していただきまして、助言、提言をいただきました。さらに県の調査、取りまとめ内容を集中的かつ効率的に審査、点検するために、委員会の委員のうち複数の委員による審査会を7回とは別に延べ12回開催いたしまして、調査担当職員からの聞き取りや関係書類の抽出調査などを通じて、厳正な審査、点検をしていただいたと、そして取りまとめたというふうに考えております。
 今後におきましては、速やかに不適正支出額の返還と責任の所在を明確にする必要がございます。また、さきに明らかにいたしましたが、改善方策を着実に進めまして、この問題に対する県民の皆様方の御理解をいただきまして、一日も早く県政に対する県民の皆様の信頼が回復するように努力していきたいと、職員一丸となりまして努力をしてまいりたいと、このように考えております。
 それから、次に旅費規定を見直すべきではないかというお尋ねでございますが、現行の旅費規定、定額制を基本としているわけでございますが、この旅費制度は支給事務の簡素効率化の観点、さらには国や他の都道府県との均衡という面から見ればその考え方は妥当な制度であると、このように今考えておりますが、交通事情などは年々変化をしているわけでございまして、この点で是正すべき点について検討はやはり随時行うべきでありまして、直すべきは直していきたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので御了承をお願い申し上げます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) 花巻空港の整備についてでありますが、今般の拡張整備事業は、県議会とともに一体となった政府予算統一要望を初めとする積極的な要望活動の結果、平成10年度から着工が実現したものであり、この事業によりまして輸送力の増強や国際チャーター便の直航範囲の拡大、冬季就航率の向上、さらには道路アクセスの改善による利便性の向上などが期待されるものであります。
 花巻空港におきましては、近年、国内線利用者数が着実に増加するとともに、路線網も充実してきているところでありますが、県といたしましては、今般の事業によって乗り入れ機材やその運航条件の制約の解消を通じ、輸送サービスの一層の向上が図られるほか、直行便による運航が可能となる国々が県内出国者数の実績で見まして8割以上の地域に広がるなど、さまざまな面で空港機能が充実することを踏まえ、将来、花巻空港が県民の空港として広く地域振興や国際化に寄与していくよう、拡張整備の円滑な推進と空港利用の促進に努めてまいりたいと考えております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) まず、平成10年度の港湾整備事業の見通しについてでありますが、直轄事業である久慈港、釜石港の湾口防波堤などの建設を進めるほか、補助事業では宮古港のマリーナや釜石港、大船渡港の公共埠頭の整備等を行うこととしており、その総事業費は直轄、補助あわせて66億2、000万円、うち県の負担額は27億2、000万円余となっております。
 次に、一般県道雫石東八幡平線及び沢内村道安ケ沢線、いわゆる奥産道についてでありますが、いずれの路線ともそれぞれ委員会を設置して、自然との共生の方向性等について検討をいただいているところでありますので、結論が出るまでは新たな工事は行わないこととしております。このため、来年度は本年度実施できなかった春先の環境調査を実施するほか、一般県道雫石東八幡平線では水文調査等を継続するとともに、沢内村道安ケ沢線では暫定施行区間ののり面対策を予定しております。
 次に、ダイエーの出店計画の具体的内容の把握についてでありますが、盛岡市から位置等に関する事前指導申出書が現在県に進達がなされていないので、出店計画の具体的内容は新聞報道等以外には把握しておらないものであります。
 次に、大型店出店計画の盛岡市の開発計画、まちづくりに対する支障についてでありますが、新聞等の報道によります開発予定地は農振農用地区域に含まれており、農地以外の目的に供することは厳しく制限されている地域であると考えられます。したがいまして、県といたしましては、今後、盛岡市から提出される意見や盛岡広域都市計画市街化区域及び市街化調整区域の整備開発または保全の方針、盛岡市の総合計画に整合しているかどうか等を検討し、計画的な市街化を図る上で支障がないか否かを適正に判断してまいりたいと考えております。
   〔林業水産部長中村陽兒君登壇〕
〇林業水産部長(中村陽兒君) 森林開発公団が実施している大規模林業圏開発林道川井住田線における猛禽類の生息状況調査についてでありますが、事業実施の過程においてクマタカなどの飛翔情報が寄せられていることから、調査を実施した結果、工事の施工地周辺で営巣地は確認されなかったとの報告を受けているところであります。したがって、森林開発公団においては、今後とも自然環境に留意しながら工事を継続すると聞いております。
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) まず、県内金融機関における中小企業への貸し渋りが生じているのではないかとのお尋ねでありますが、平成10年1月現在、岩手県信用保証協会の保証債務残高の伸びは14%増と前年を上回る状況となっており、本県においては貸し渋りはないものと認識しております。県としては、2月18日に岩手県中小企業対策協議会を開催し、金融機関及び商工団体に対し、中小企業への円滑な融資について要請したところであります。
 なお、民間金融機関の経営に関しては、県は言及する立場にないものと考えております。
 次に、盛岡商工会議所が商店街への影響調査を行った内容についてでありますが、通商産業省が全国統一の商業調整基準を作成するために導入したいわゆる通産ハフ・モデルを用いて調査したところ、株式会社ダイエーと株式会社マイカル東北の出店に伴い、盛岡市や矢巾町、滝沢村の既存商店街への来店客数が15・9%減少するという推計結果になっていると承知いたしております。
 次に、株式会社ダイエーの大型ショッピングモールを開発する条件や資格についてでありますが、株式会社ダイエーの最近の経営状況については新聞報道の範囲内で承知しておりますが、民間企業の経営方針に関しては、県として言及する立場にないものと考えております。
 次に、株式会社東京インテリア家具の出店についてでありますが、大型店出店の調整過程において、知事は、中小小売業への影響等に関して通商産業大臣に意見を述べることができることとされております。したがいまして、盛岡市や盛岡商工会議所などの意見も踏まえながら、必要に応じて適切な対応をしてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) まず、昨年9月の医療保険制度改正による受診動向についてでありますが、医科及び歯科診療の外来請求件数の推移は、前の月に比べて平成9年7月が1・0%減、8月が2・6%減、9月が2・7%減、10月が2・4%増、11月が4・8%減となっており、また、前年の同じ月に比べますと平成9年9月が0・1%増、10月が1・0%減、11月が2・9%減となっております。
 次に、難病患者医療費の自己負担についてでありますが、医療費を自己負担していただくこととなる患者数は推定で約3、400人、自己負担額は月額で、入院が1万4、000円、通院が2、000円を限度と予定され、これは低所得者の高額療養費等の3分の1程度となっており、県としては現状で独自助成は考えておりませんが、なお、本県の自己負担分の年額はおおむね1億2、000万円と見込まれております。
 次に、医療保険制度の改正についてでありますが、医療費は毎年1兆円を超えて増大し医療保険制度は厳しい状況にあることから、国において、そのあり方について医療保険福祉審議会において検討されているところであり、県としてはその状況を見守るとともに、すべての国民が安心して良質な医療サービスを受けることができ、給付と負担の公平に配慮した医療保険制度となるよう、必要に応じて国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、介護保険制度の保険料についてでありますが、この制度は、低所得者に過重な負担とならないよう所得に応じて保険料が設定されており、また、生活保護の受給者に対しては保険料負担分を生活扶助で措置することとなっております。
 次に、特別養護老人ホーム入所者、ホームヘルプサービス利用者の利用料等の負担についてでありますが、低所得者については、介護サービス費の負担の上限と食費の標準負担が引き下げられるほか、生活保護支給者や介護扶助の給付などがされております。また、介護保険法施行時における特別養護老人ホームの入所者については、法施行後5年間は負担能力に応じた利用料の減免措置が講じられることとなっております。
 次に、介護基盤の整備についてでありますが、在宅サービスについては各市町村間の均衡にも配慮しながら、高齢者保健福祉計画の目標達成に向け市町村との連携のもとに整備を促進するとともに、特別養護老人ホームについては実績や計画の目標を上回っており、国の事業採択は極めて困難であるものの、緊急に整備が必要な圏域では、国の理解が得られるよう最大限努めてまいります。
 今後においては、11年度の介護保健事業支援計画の策定とあわせ高齢者保健福祉計画を見直し、介護基盤の整備を促進してまいりたいと存じます。
 次に、保険料、利用料の徴収と在宅介護手当の支給についてでありますが、この制度では所得に応じて保険料を負担し、利用したサービス費用の1割を負担してもらうことにより負担の公平を図っており、また、家族介護者に対する現金給付については議論があったものの、限られた財源を基盤整備の充実に振り向けていくため、給付しないこととなったと聞いております。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) まず、農家への減収補てん対策についてでありますが、国においては米価の低落が稲作経営に与える影響を緩和するため、価格低落時の補てん措置を講じるとともに、転作作物等に応じて全国規模でとも補償を行う米需給安定対策を実施することとしたところでありますので、全農家がこれらの制度に加入し、経営の安定が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
 なお、お尋ねの担い手育成生産調整支援事業につきましては、米価の大幅な低落と生産調整面積の拡大により、殊にも大きな影響を受けている稲作担い手の経営確立と転作営農の定着を図ろうとするものであります。
 次に、WTO協定の見直しについてでありますが、この協定は、我が国を含め関係各国が一括受諾方式により締結したもので、全体として多角的自由貿易体制の維持、強化、国際経済秩序に対する信頼の確保という点から重要な協定であり、農業協定だけを切り離して見直しを求めることは適切ではないと考えております。
 また、県の農業生産の多面的発展の計画と対策についてでありますが、本県におきましては、第三次新いわて農業確立計画に基づき、我が国の総合食料供給基地の形成を目指し、消費者に信頼される農産物の安定供給に向けた各般の施策を講じてきているところであります。
 今後におきましても、本県ならではのすぐれた立地特性を生かしながら、効率的、安定的な生産体制を確立し、国内供給力向上の一翼を担ってまいりたいと考えております。
 次に、麦の転作扱いと大豆の加工・流通・販売対策についてでありますが、麦の転作は収穫年扱いとなりますので、ことし秋に作付されたものは翌年度にカウントされることとなります。したがいまして、ことし春の転作強化に対応するため大豆を重点的に拡大しようとしておりますが、その推進に当たりましては、国の価格補償対策である大豆交付金制度の活用により農家所得の安定を図るとともに、消費者団体との提携による補助事業を活用した豆腐製造施設の整備や加工業者との契約栽培など、地元産大豆の付加価値を高める事例が出ておりますので、今後とも食品製造業界などとの連携のもとに、こうした取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 次に、転作奨励金が2年間の期限つき措置であることについてでありますが、生産調整対策の期間につきましては、営農の安定等を図る観点から、これまでもその時々の実情に応じて設定されてきたところでありますが、平成10年度からの緊急生産調整推進対策につきましては、平成12年10月末までに国産米在庫適正備蓄水準の上限である200万トンまで縮減することを目指し、2カ年を期限として緊急的に実施しようとするものであります。
 次に、学校給食等の米の値引き措置の廃止に伴う県の対応についてでありますが、この値引き措置の廃止につきましては大変残念に思っておりますが、本県における米飯学校給食の実施回数は、昭和63年度以降、平均週3回以上とほぼ定着しているものと考えておりますので、今後とも、保護者の方々の御理解をいただきながら教育委員会とも連携し、米飯学校給食の推進に努めてまいりたいと考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、食糧費に係る不適正支出の内容についてでありますが、今回の調査で、懇談に係るもので不適正な支出としたもののうち、相手方が否定したものに分類しているものは、県側出席者に対する事実確認の結果、実施伺のとおり懇談が行われていることが確認されたものの、相手方から何らかの理由で否定されたケースであります。
 次に、二次会等の処理についてでありますが、二次会として行われた懇談の経費を処理するために実態と異なる日付、出席者の氏名等により支出を行ったものや、予算科目と懇談の目的、相手方等との整合を図るため、実態と異なる処理を行ったものなどであります。
 なお、三次会については、正確に確認されたケースはありませんが、関係職員からの聴取の際、そうした事例の記憶があるとの報告例がございます。
 内部懇談等につきましては、職員間で行った懇談であるにもかかわらず、相手方を伴う情報交換等の名目で処理したものなどであります。また、実施内容等が不明なものに分類しているケースは、実施伺に関係者の記載はあるものの、その関係者から懇談の事実の確認を得ることができなかったものであり、したがって、不明なものに区分し不適正としたものであります。しかしながら、これらは関係書類により支出の事実が確認されたものであります。
 次に、食事券についてでありますが、食事券は、主に国の予算編成時の繁忙期等において対外折衝等を行う過程で、懇談の実施にかえて配付する目的で購入したものであります。食糧費執行状況調査の結果、経費支出の事実は確認されたものの、関係者、関係書類等からの確認によっては、適正な配付が行われたかどうか判断できず、また社会通念上許容の範囲とは認めがたいと思われることから、不適正な支出としたものであります。
 次に、ビール券についてでありますが、県政推進上必要とする各種の情報提供や助言、指導などに対して、社会通念上、儀礼の範囲内で配付しているものであります。調査結果では、関係者の確認及び支出関係書類により支出の事実が確認され、適正と判断しており、東京などの県外事務所で経費支出された件数は56件961万7、000円となっております。
 次に、東京など県外事務所の食糧費の執行状況についてでありますが、調査結果では、東京事務所につきましては、適正と認めたもの651件5、935万円、不適正としたものは374件6、449万7、000円であります。その他の県外事務所につきましては、小規模な公所であり、不適正支出に関連した職員が識別される可能性が高いことから、差し控えさせていただきたいと存じます。
 次に、今回の調査におきましては、懇談に係る実施伺が保存されていないものについても、関連する書類の確認や関係者の聴取などにより可能な限りの調査を進めたものでありますが、実施伺が保存されていないもの7、017件中、補足調査により適正、不適正の判断を行うことができたものは2、164件であります。
 次に、調査の方法、マニュアル等につきましては、この調査に関して助言、提言等を行うために設置された食糧費調査委員会の御審議をいただきながらとり進めたところであり、具体的には、平成9年9月26日に開催された第1回食糧費調査委員会において、調査の方法及び日程について、また、平成9年10月20日に開催された第2回食糧費調査委員会においては、懇談等に係る調査マニュアルフローについて御審議いただき、了承されたものであります。
 また、適正、不適正の判断基準分類についてでありますが、懇談については、実施伺どおりに懇談が行われていたかどうかにより、実施伺どおりに懇談が行われたと判断されたものを適正、実施伺どおりに行われていないと判断されたものを不適正というふうにしたものであります。
 会議開催等における茶菓、弁当等の懇談以外のものについては、関係書類により経費支出の事実が確認できたものを適正、それ以外のものを不適正と分類したものであります。
 次に、食糧費不正額の返還は、どういう責任に基づいて、だれがどう行うのかということについてでありますが、今回の不適正な支出がほとんどの部局で行われたことは、職員一人一人の公金の支出に対する基本的な認識が希薄になっていた結果であり、これは、職員に対する指導監督が不十分であったこと、また、管理監督を行う立場にある職員が不適正な事務処理を防止できなかったこともその大きな要因であると考えられるところであります。このため、返還に当たりましては、給料の特別調整額の支給を受けている管理職の協力を得て食糧費返還会を組織し、この団体が返還相当額を金融機関から借り入れ、一括して県に返還するとともに、返還協力者により、おおむね3年をめどにこの借入金を償還していく考えであります。
 また、不適正支出の実態や責任の所在についてでありますが、不適正支出に係る調査結果につきましては、食糧費執行状況調査結果にお示ししたとおりであり、また、その原因や背景につきましては、責任の所在を明らかにする過程において可能な限り究明してまいる考えであります。
 次に、国庫補助事業に係る食糧費の不適正支出についてでありますが、現在、該当する部局において調査、整理している段階であります。これらにつきましては、今後関係省庁との協議を進め返還の手続を行うことになりますが、その返還は、県から国に対して行うものであります。一方、県に対しましては、職員による返還会から、当該金額を含む不適正支出相当額の返還が一括して行われるものであります。
 次に、調査対象外とした部局についてでありますが、県議会につきましては、知事等の執行機関とは異なり、議決機関としてその独立性を尊重する必要があり、また、警察本部につきましては、警察活動に著しい支障を生ずるおそれがあることを考慮したものであります。
 次に、旅費規定が実態に合っていないのではないかとのお尋ねについてでありますが、1点目の、旅行命令と交通手段の関係につきましては、出張する場合の交通費は、最も経済的な通常の経路及び方法により計算した額を支給し、具体的な経路及びどのような交通手段を利用するかは、職員の裁量に任されているところであります。
 2点目の宿泊命令につきましては、宿泊を必要とするかどうかは、旅行命令者が、出張用務の内容や交通事情、さらには職員の健康管理面といった諸事情を総合的に勘案して判断しているものであります。
 3点目の単身赴任者等の家族の居住地への宿泊を伴う出張につきましては、宿泊料は、宿泊場所や宿泊に要する費用の多少にかかわらず定額で支給することとしており、これは、単身赴任者等が家族の居住地へ出張した場合においても同様であります。
 今後の旅費の執行につきましては、旅行実態をも踏まえ適正に行われるように努めてまいる考えでございます。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、米飯給食の対応状況でありますが、平成10年度においても、給食を実施している県立学校すべてと全市町村で米飯給食を実施することとしているところであり、そのうち11の市町村では、実施回数等について検討しているというふうに聞いております。
 次に、教育問題についてお答えします。
 まず、不登校、校内暴力、中途退学の要因につきましては、学校、本人、家庭の問題などさまざまでありますが、各学校においては、児童生徒の理解に努めながら、これらの問題に積極的に取り組んでいるところであります。このような状況のもとでは、日ごろの学習指導においても、基礎・基本の習得の重視や体験学習の積極的な導入、集団生活の特性を生かした仲間との学び合いなど、新しい学力観に基づいた教育活動の展開が今後ますます重要になるものと考えております。
 また、子供の目線で考える教育についてでありますが、まさに御指摘のとおりで、教育は、児童生徒と教師の信頼関係や対話の上に成り立つものでありますことから、指導の改善や研修等を通じ、常に児童生徒を大切にした教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、体罰についてでありますが、体罰は全く論外であり、機会あるごとに、教員研修や生徒指導主事会議、校長会議等を通して指導を徹底しております。
 次に、高校再編問題についてでありますが、まず、30人学級を展望した高校のあり方につきましては、学級定員は法律によりその標準が40人と定められていることから、現段階においては、この標準により検討することが適当であると考えております。
 また、高校全入につきましては、生徒の学校選択の自由を保障し、かつ、各学校が生徒の適性や能力を把握して特色ある教育を展開する上からも、入学者選抜は必要であると考えております。
 また、中高一貫校についてでありますが、中高一貫教育は、中等教育の多様化や生徒の選択幅の拡大に資するものであり、今後、課題となる選抜方法や学習内容等について、県立高等学校長期構想検討委員会の議論を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、千厩町の中学校統合問題についてでありますが、県教育委員会といたしましては、学校統合を進めるに当たっては、十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう一貫して指導してきたところであります。千厩町教育委員会における対応につきましては、自治会などに対して統合計画の説明を行ったほか、個別に住民の意見を聞くなど、継続的に町民の理解と協力が得られるよう努力していると聞いております。
 予算につきましては、平成9年度の用地取得等に引き続き、けさの新聞報道によりますと、平成10年度予算案に建築工事費等を計上し、昨日招集された町議会に提案したと聞いており、今後、町議会において十分審議がなされるものと考えております。
 千厩町教育委員会では、統合問題について、広報誌等を活用して、地域住民やPTA等に対して説明を行ってきており、町民の理解が深まってきていると聞いております。
   〔警察本部長池田克彦君登壇〕
〇警察本部長(池田克彦君) 食糧費の不適正な支出が刑罰法規に触れるかという御質問でございますが、ある行為が何らかの犯罪を構成するか否かにつきましては、個々の事案について、具体的な事実と証拠に基づいて判断されるべきものでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
〇1番(斉藤信君) 極めて答弁不十分な点たくさんありますから、再質問させていただきます。
 最初に、大規模林道川井・住田線について。
 昨年の11月、12月のプレック研究所の調査によると、クマタカについてはかなりの頻度で確認され、繁殖の可能性も指摘されています。私は、環境庁の猛禽類保護の進め方に基づいて本格的で必要な調査をすべきと思いますが、林業水産部は公団にそういう申し入れをしていますか。私は公団に直接聞きました。4月から7月にかけて環境調査を、猛禽類の調査を継続する、秋の調査も必要だと言っていますよ。ですから、10年度の工事がどうなるか、これだけのことが明らかになったんだから、私は、林業水産部が本当にそういう問題についてもっとはっきり話すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 生活環境部長にお聞きします。
 環境庁のマニュアルでは、クマタカの生息が確認された場合、どういう内容、どういう期間の調査が求められているでしょうか。
 公共事業のむだ遣いにかかわって1点お聞きします。
 公共事業のむだと浪費を防止する手段として、入札にかかわる設計金額の事前公表、予定価格の事後公表を実施し談合を防止すべきと考えますがいかがでしょうか。中央建設業審議会の提言の内容と国の動き、また、他県の動向についても明らかにしていただきたいと思います。
 次、大型店の問題についてお聞きします。
 盛岡市内の大型店出店計画は、ダイエー8万平米、マイカル5万平米、最近の新聞報道で、イトーヨーカドーが2万から2万5、000平米、合わせると15万平米を超えます。2月1日現在の盛岡市内の大型店の売り場面積は21万平米です。計画どおり3店が出店した場合、大型店の売り場面積は35万平米となり、現在の総売り場面積35万平米とほぼ匹敵します。大型店の比率は、これで見ますと70%に引き上がります。私は、こうした無秩序な大型店の出店は絶対許してはならないと思いますがいかがでしょうか。
 ダイエーの開発事前申し出について、報道によれば、盛岡市の担当者は相当市とやり取りして受理した。ダイエーはどうしてもやるというが、一般的には可能性がなければやめるものだと述べ、農地の転用についても抵抗が大きいと厳しい見方をしています。マイカルについても、出店になれば相当の交通渋滞もあるかもしれない、このように指摘もしています。県の担当者としてこうした情報をどう把握しているでしょうか、盛岡市の動向についてどう見ているでしょうか。
 大規模店舗立地法、いわゆる新法について。これは、大型店の出店は規制できず野放しになるのではないでしょうか。大店法の廃止は、全くアメリカの圧力に迎合した結果です。ヨーロッパでは、大型店の出店を厳しく規制し、強化さえしています。アメリカはヨーロッパには何の物も言っていません。日本では、大型店の進出によって85年から94年に18万店減少しました。ところがドイツでは、85年から93年で1万9、000店ふえているのです。大店法の廃止ではなく、規制強化こそ必要と考えますがいかがでしょうか。
 大型店出店は、現在では共存共栄の立場を投げ捨て、大型店同士の死に物狂いの競争の状況です。また、大型店撤退の状況も示しています。92年から96年まで、5年間で1、031店が撤退しています。その結果、地元商店街、中心商店街の空洞化、ゴーストタウン化が引き起こされています。大型店の出店を規制し、これ以上の大型店出店を凍結、認めないという、こういう態度を知事は表明すべきではないでしょうか。
 次に、食糧費の問題についてお聞きします。
 東京事務所の不正額が総務部の不正額の83%を占めていることは、不正の温床ともいうべきものであります。その実態を明らかにすることは、食糧費調査の中心的問題です。ところが、調査結果では6、449万円余の不正支出が明らかになったものの、不明額はその3・36倍の2億1、710万円余となっています。これは、東京事務所の調査総額の63・7%であります。全体の不明額3億7、790万円の57・5%に当たります。全体の不明額の半分以上が東京事務所です。この不明額の中には不正支出が多く含まれています。平成6年分について見ると、適正支出が20・6%、不正支出が31・1%、不明が48・2%。ところが、平成4年、平成5年分は、食事券以外の不正はなく、すべての懇談会は不明とされています。これでは臭い物にはふたをしたと言わなければなりません。統計学的に言っても、不明額の大半が不正支出と想定されるのではないでしょうか。
 私は、不明額は解明できると思います。支出負担行為票、支出票、これによって発議者も、どの課が、いつ、どこでやった会食かも明らかになります。請求書を見れば、懇談会の会場、人数、金額がわかります。東京事務所ですから、旅行命令票を調査すれば、その日の東京出張者がわかります。私は独自調査で67件の不正を皆さんに指摘をした。まじめにやったら、平成5年、平成6年の不明額は解明できるんじゃないですか。
 ビール券の支出について。平成6年度分についての食糧費に関する監査委員の指摘事項によると、食糧費支出に当たり、食事券、ビール券の使用目的等が明確でないものがあったと、留意・改善を指摘しています。ビール券も配付先が不明だと監査委員は指摘したんです。その内容は、東京事務所で99件1、944万2、020円、大阪事務所で15件164万7、400円、名古屋事務所は食事券のみで15件242万2、000円、計129件2、351万1、420円が、今で言えば不正支出ということになると思います。ビール券の支出に本当に不正支出はなかったんでしょうか。適正、不適正の基準の問題点、調査マニュアルとマニュアルフローを見れば、懇談会の分類について、相手側の確認に至らず傍証資料がないというのがDランクとなっていますが、相手側が否定し傍証資料がないもの、これがFランクです。このDランクもFランクも適正支出に分類されているのはなぜでしょうか。
 食事券の実態について、調査の信憑性が問われています。食事券は本当に購入したのか。食事券の債権者は否定しています。これは、開かれた行政を求めるいわての会の調査ですが、エヌ・ビー・ピー杏野11件132万9、000円の債権がありますが、扱ってないと言っています。瀬羅美、10件180万1、000円。発行していないと言っています。豊心味処虎とら、9件184万6、000円。今はやっていない。4年ぐらい前はやっていたが、大量には出してない。請求書はすぐ出している。仲泉、1件25万円。食事券は発行していない。いいですか。食事券の債権者が発行していないと言っているのに、どうやって買ったんですか。その証拠を見せていただきたい。
 二つ目は、配付先が否定しています。配付先を調べたんでしょうか。科学技術庁は、調査したが、事実が認められない、これは3件120万円です。厚生省は、食事券をもらったということも、そのような話も聞いてない、16件201万です。
 三つ目に、異常な配付金額になっています。例えば、農水省に平成6年7月7日、1日で176万8、000円配ったと言ってる。配ったのはだれですか。配付した職員はだれか、この職員をどう調査したのか、なぜ配付先がわからないのか、明確に示していただきたい。
 不明懇談会の実態について。元東京事務所職員がこのように証言しています。三次会、四次会は当たり前だった。中央官僚には手土産を持たせた。天下り幹部職員のつけ払いがあった。県幹部職員の私的飲み食いのつけ払いもあった。このような証言でありますが、こうした実態があったんでしょうか。あったとするなら、具体的にどのぐらいあったのか明らかにしていただきたい。
 以上。
   〔林業水産部長中村陽兒君登壇〕
〇林業水産部長(中村陽兒君) 大規模林道川井・住田線の環境庁マニュアルによる猛禽類調査の実施についてでありますが、森林開発公団におきましては、環境庁の猛禽類保護の進め方を踏まえた林野庁マニュアルに基づき、必要な調査の実施や、また自然環境に十分留意しながらの事業実施を行っているというふうに認識いたしております。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕
〇生活環境部長(吉田敏彦君) クマタカの調査の内容と期間についてでありますが、環境庁が平成8年8月に取りまとめた猛禽類保護の進め方によりますと、飛来確認または繁殖情報の入手があった場合、まず生態調査として、対象個体が移動個体か、あるいは繁殖個体かを区別するための観察を繁殖期前半に行い、その結果、繁殖個体の可能性が高い場合には、さらに営巣地を特定するための調査を行うとされております。この調査により、造巣中及び使用中の巣が見つかった場合には、月2回程度繁殖の進行状況を把握するとともに、行動圏の把握を月1回ないし数回程度行うこととされているほか、営巣地周辺の自然環境や社会環境の調査を行うこととされております。この場合、クマタカの行動を明らかにし保護対策を検討するには、営巣地の発見及び、少なくとも繁殖が成功したシーズンを含む2営巣期の調査が望ましいとされているところであります。
 また、営巣地が確認できなかった場合には、確認調査を継続し、それにもかかわらず巣が発見できない等の場合は、専門家の意見を踏まえて対処すべきとされているところであります。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) 建設工事の予定価格等の公表についてでありますが、中央建設業審議会は、入札契約制度の透明性等の確保のため、予定価格の事後公表等について建議を行ったところであります。建設省ではこれを受け、新年度から、直轄工事の予定価格の事後公表を行う予定であると伺っております。また、幾つかの他の県等におきましても、国の取り扱いを中心に現在検討を進めていると承知しております。
 本県における対応につきましては、平成10年度に実施する新しい入札契約制度を現在検討しておりますことから、この中で予定価格の事後公表を含めて検討してまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) 大型店問題にお答えを申し上げます。
 幾つかございましたが、ダイエー、マイカル、ヨーカドー、三つのうち、ダイエーにつきましては盛岡市から情報を得てございます。
 なお、事務レベルでは盛岡市と意見交換はいたしてございます。
 それから、大店法をさらに強化すべきとのお尋ねでございますが、国を挙げて規制緩和をしようと、こういう状況でございまして、御理解を賜りたいと存じます。
 それから、いわゆる新法は、大規模店と従来店との共存共栄を図るべきものだと、かように認識いたしてございます。
 それから、最後の外国の例でございましたが、残念ながら承知いたしてございませんので、コメントは差し控えさせていただきます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、今回の食糧費調査における東京事務所に係る適正、不適正の判断に至らなかったものについてでありますが、文書保存年限が経過したことにより、実施伺が保存されていないため出席者の調査、確認ができず、適正、不適正の判断に至らなかったものが、御指摘のとおり2億1、718万円余となっているところであります。これにつきましては、まさに適正とも不適正とも判断し得なかったものであり、したがいまして、不適正なものと判断したものについては返還を行うこととしたところでありますが、これと同様の取り扱いを行うことは適当ではないと考えたものであります。
 ビール券に係る支出についてでありますが、ビール券は、県政推進上必要とする各種の情報提供や助言、指導などに対して、社会通念上儀礼の範囲内で配付しているものであります。今回の調査におきましても、儀礼の範囲内で使用したものであり、社会一般に認められているものとの判断から、特に配付先の受領の確認までは行わなかったものの、関係者からの事情聴取や支出関係書類により支出の事実が確認されており、適正と判断されたものであります。
 次に、懇談に係るものの分類についてでありますが、相手側確認に至らず、傍証資料が存在しないもので適正と分類したものは、相手側の確認において、わからない、忘れた等の回答があったものでありますが、相手側に明確に否定されたものではなく、かつ県側出席者の確認は得られていることから、これにつきましては適正と判断したものであります。
 また、相手側が否定し傍証資料が存在しないもので適正と分類したものは、相手側について否定者がいるものの、1人以上の肯定者がいる場合で、かつ県側出席者の確認が得られたものであり、一方、不適正と分類したものもございますが、これは相手側が否定者のみであるものでございます。
 次に、食事券についてでありますが、食事券は、今回の調査の結果、経費支出の事実は確認されたものの、関係者、関係書類等からの確認によっては適正な配付が行われたかどうか判断できず、また社会通念上許容の範囲とは認めがたいと思われることから、不適正な支出としたものであります。
 次に、不適正支出の実態についてでありますが、今回の調査で不適正な支出としたもののうち、懇談の事実について、県側は確認されたものの、相手方から否定されたものは74件320万2、000円。二次会の経費を処理するために実態と異なる日付、出席者名等による支出を行ったもの、これは266件2、128万5、000円。次に、予算科目と懇談の目的、相手方等の整合を図るため実態と異なる処理を行ったもの6件27万9、000円。来県者等に対し飲食の提供を行ったものなどで、実態と異なる処理を行ったもの11件34万8、000円。職員間で行った懇談であるにもかかわらず、相手方の伴う情報交換等の名目で処理したもの612件3、730万1、000円。実施伺に関係者の記載があるものの、その関係者から懇談の事実の確認を得ることができなかったもの549件3、630万7、000円となっておるところでございます。
〇1番(斉藤信君) 残念ながら総務部長さんの答弁は、答弁不能ですよ。私が具体的に聞いたことについて全然答えていない。
 例えばビール券の問題について、配付先確認していないと言った。いいですか、監査委員会は--監査委員ですね、平成6年度分について監査結果として、食糧費支出に当たり、食事券、ビール券の使用目的等が明確でないものがあったと。配付先不明ということなんですよ。監査委員から指摘されてるんですよ、これ、ビール券も。それがなぜ適正支出になるんですか。私は、調査は全く不十分だと思う。食事券について、購入したのかどうか答えてないじゃないですか。お店は、売ってないと言ってるんですよ。省庁は、もらってないと言ってるんですよ。買った職員がいるんだから、配った職員がいるんだから、どういう調査をしたんですか。食事券について、一つも明らかにしてないじゃないですか。私は、こんな調査では県民絶対納得しませんよ。
 もう一つ。東京事務所が平成4年、平成5年の懇談会は全部不明にした。これは不正隠しです。支出票と請求書と旅行命令票があったらわかるんですよ。旅行命令票は5年間保存なんだから。出張してる職員がいたんですか、そういう調査をしたんですか。私は、皆さん大変苦労して調査したと思うけれども、肝心なところが調査されてないんですよ。今の点について総務部長、また答えていただきたいし、知事、この調査でやめますか。私は、こんな調査でやめたら幕引きだよ。県民の不信はさらに広がる。再調査すべきじゃないでしょうか。
 ついでに、看過できない問題が一つあります。貸し渋りは県内にないと、私、商工労働観光部長のこの答弁は看過できない。貸し付けがふえてるから貸し渋りがないということにならないんですよ。実際に多くの商工業者が困ってる。切実な声が寄せられてますよ。私は具体例を示した。例えば最近、北上の洋品店が、春物の洋品を買うために毎年のように金融機関に融資をお願いしたら、最初はいいと言っていたが、上の方針が変わったと言ってことし融資を受けられなかったという話があるんですよ。毎年受けて、ちゃんと返済もしてきたのに。私はそういう点で、ないということじゃないと思うんだ。全国的にも、商工中金の調査でも、3割の業者が貸し渋りがあると言っているんです。私は、そういうのじゃなくて、やっぱりそういう一つ一つの例について真剣に対応する、これが必要だと思いますよ。
 教育長さん、千厩町の統合問題。千厩町から理解が広がっているという報告を受けていると言うけれども、千厩町は町民の3%にしか説明してないんですよ。いいですか。統廃合というのは、昭和48年の文部省通知で、地域に紛争を起こしてはならないとなってるじゃないですか。今までの統合は大体95%以上の合意でやってるんです。そういう住民の合意の根拠があるんですか。私はそういう点について、逆に、多くの住民がこの統合に怒りと批判を持っています。説明も受けてない。どこに多数の合意があるという根拠があるのか。私は、教育委員会がそんな認識でやってたら、本当に大変な教育的混乱を引き起こしますよ、これは。私は、そういうことをしちゃならないと思うんです。今、それでなくたって子供を取り巻く非行、さまざまな教育環境の重要な問題がありますよ。そういう点で改めて教育長にも聞いて、私の再質問を終わります。知事、しっかり答えていただきたい。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 今、斉藤議員から、県民の信頼が回復できるのかと、こういうお話ございましたが、今私どもで一番大事なことは、この今回の事件が起きたその背景を明らかにし、そして改善方策を立て、それをしっかりと実行すること、これが県民の信頼を回復する唯一の道であると、このように考えておりまして、この線に沿って、私どもはしっかりとこれから県民の信頼を回復するように頑張っていきたいと、このように考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 食事券について申し上げますと、先ほども申し上げましたが、配付に係る適、不適が判断できないと、そういう結果になりまして、不適正な処理であるという判断をしたものであります。しかし、支出証拠書類は、これは存在しているものでありまして、請求書あるいは領収書、それらの証拠書類が5年分存在しておると、そういう意味で、支払いについての確認はできているというものでございます。
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) いわゆる貸し渋りのお尋ねについてでございます。
 北上市の洋品店の実例を挙げてのお尋ねでございますが、県といたしましては、健全な企業には必要な資金の手当ては行われているものと認識いたしているものでございます。しかしながら、早期是正措置の施行等の状況から、そうした事態が生じる可能性は否定できませんので、県では1月5日から、中小企業対策特別相談窓口を県、商工団体、保証協会等に設置し、金融相談等に応じているところでございます。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) 千厩町の統合問題でありますが、3%しか合意が得られていないというお話ありましたが、説明会に集まった住民が全有権者の3・6%ということでありまして、千厩町教育委員会では、今の説明会のほかに、小中学校のPTAであるとか、あるいは自治会等で随時説明を行っているというところで十分だろうと思います。
 さらに、この説明以上に町議会での対応がやはり大きいだろうというふうに考えております。たび重なる反対請願を何度も不採択にしているというふうな状況がありますし、さらに、学校設置条例の改正もたしか15対5でしたか、そういう形でやっておりますし、一番はっきりわかるのは、今度の学校建設の建設費をどういう形で議会が採択するかしないか、そういうところで決まるだろうと思います。
 以上です。
〇議長(那須川健一君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第2 議案第4号平成10年度岩手県一般会計予算から日程第79 議案第81号財産の取得に関し議決を求めることについてまで
〇議長(那須川健一君) この際、日程第2、議案第4号から日程第79、議案第81号までを一括議題といたします。
 議案第55号から議案第81号まで、以上27件について提出者の説明を求めます。大隅総務部長。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 本日提案いたしました各案件について御説明いたします。
 議案第55号は、平成9年度岩手県一般会計補正予算(第5号)であります。これは、国庫支出金の決定及び事業費の確定に伴う整理、並びに事業執行上今回計上を要するものなどについて、総額221億433万円を減額補正しようとするものであります。
 補正の主なものは、財政調整基金積立金4億2、400余万円、東北新幹線建設促進対策事業費11億1、000余万円、地方バス路線運行維持費補助3億4、200余万円、農道整備事業費6億3、100余万円、農村総合整備事業費3億4、200余万円、除雪費7億200万円、早池峰ダム建設事業費3億2、700余万円、警察施設費のうち財産管理費4億5、200余万円、県立病院等事業会計負担金5億4、800余万円等であります。
 また、減額補正の主なものは、商工観光振興資金貸付金11億9、200余万円、工業立地促進資金貸付金14億2、000余万円、教職員人事費のうち児童手当、退職手当及び公務災害補償費14億2、800余万円、団体営農地等災害復旧事業費12億4、500余万円、河川等災害復旧事業費74億1、100余万円、地方消費税交付金12億1、800余万円等であります。
 次に、繰越明許費は、東北新幹線建設事業費負担金など102事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
 債務負担行為の補正は、自然公園、山岳施設リフレッシュ整備事業など3件を追加し、湛水防除事業など2件を変更しようとするものであります。
 地方債の補正は、先端科学技術研究施設整備事業を追加し、東北新幹線建設事業など15件を変更しようとするものであります。
 議案第56号から議案第66号までは、平成9年度の母子寡婦福祉資金特別会計、農業改良資金特別会計、県有林事業特別会計、林業改善資金特別会計、沿岸漁業改善資金特別会計、中小企業振興資金特別会計、土地先行取得事業特別会計、証紙収入整理特別会計、流域下水道事業特別会計、港湾整備事業特別会計、県民ゴルフ場事業特別会計の各補正予算でありますが、これはそれぞれの事業計画の変更に基づいて所要額を補正しようとするものであります。
 議案第67号から議案第69号までは、平成9年度の県立病院等事業会計、電気事業会計、工業用水道事業会計の各補正予算でありますが、これは、収益的収支及び資本的収支等においてそれぞれの所要額を補正しようとするものであります。
 議案第70号から議案第77号までは、建設事業等に要する経費の一部負担及びその変更に関し、議決を求めようとするものであります。
 議案第78号は、災害に際し応急措置の業務に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、臓器の移植に関する法律の施行に伴い、療養に要する費用の支給に係る当該療養に継続して行われた脳死した者の身体への処置を療養に要する費用の支給に係る当該療養と見なそうとするものであります。
 議案第79号は、学校医及び学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、休業補償等の額の算定の基礎となる補償基礎額等を引き上げるとともに、あわせて所要の整備をしようとするものであります。
 議案第80号は、工事の請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第81号は、財産の取得に関し議決を求めようとするものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
〇議長(那須川健一君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。議案第4号から議案第24号まで、議案第32号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号、議案第49号、議案第50号及び議案第53号、以上34件については、46人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、議案第4号から議案第24号まで、議案第32号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号、議案第49号、議案第50号及び議案第53号、以上34件については、46人の委員をもって構成する特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。
   
〔参照〕
委員会付託区分表
 (第13回県議会定例会平成10年3月5日)
予算特別委員会
1 議案第4号
2 議案第5号
3 議案第6号
4 議案第7号
5 議案第8号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第11号
9 議案第12号
10 議案第13号
11 議案第14号
12 議案第15号
13 議案第16号
14 議案第17号
15 議案第18号
16 議案第19号
17 議案第20号
18 議案第21号
19 議案第22号
20 議案第23号
21 議案第24号
22 議案第32号
23 議案第33号
24 議案第34号
25 議案第35号
26 議案第36号
27 議案第37号
28 議案第38号
29 議案第40号
30 議案第43号
31 議案第45号
32 議案第49号
33 議案第50号
34 議案第53号
   
〇議長(那須川健一君) お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を予算特別委員に選任することに決定いたしました。
 予算特別委員会は、委員長互選のため、3月10日午前10時に特別委員会室に招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第25号から議案第31号まで、議案第39号、議案第41号、議案第42号、議案第44号、議案第46号から議案第48号まで、議案第51号、議案第52号及び議案第54号から議案第81号まで、以上44件は、お手元に配布いたしております委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
        委員会付託区分表
 (第13回県議会定例会平成10年3月5日)
総務委員会
1 議案第28号
2 議案第29号
3 議案第30号
4 議案第31号
5 議案第55号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款、第2款、第9款、第12款、第13款
   第2条第2表中
    第2款
   第4条
6 議案第63号
7 議案第78号
8 議案第79号
環境福祉委員会
1 議案第25号
2 議案第26号
3 議案第27号
4 議案第39号
5 議案第41号
6 議案第42号
7 議案第55号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
   第2条第2表中
    第3款、第4款
   第3条第3表中
    1 追加中 1
8 議案第56号
9 議案第67号
商工文教委員会
1 議案第44号
2 議案第46号
3 議案第55号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款、第11款第3項
   第2条第2表中
    第7款、第10款
4 議案第61号
農林水産委員会
1 議案第47号
2 議案第48号
3 議案第52号
4 議案第55号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款、第11款第1項
   第2条第2表中
    第6款、第11款第1項
   第3条第3表中
    2 変更中 1
5 議案第57号
6 議案第58号
7 議案第59号
8 議案第60号
9 議案第70号
10 議案第71号
11 議案第72号
12 議案第73号
13 議案第74号
土木委員会
1 議案第51号
2 議案第54号
3 議案第55号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款、第11款第2項
   第2条第2表中
    第8款、第11款第2項
   第3条第3表中
    1 追加中 2、3
    2 変更中 2
4 議案第62号
5 議案第64号
6 議案第65号
7 議案第66号
8 議案第68号
9 議案第69号
10 議案第75号
11 議案第76号
12 議案第77号
13 議案第80号
14 議案第81号
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後3時53分 散 会

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