平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇12番(伊沢昌弘君) 社会民主党の伊沢昌弘でございます。通告に従って質問いたします。
 まず最初に、機構改革についてお伺いをいたします。
 県は、昨年4月に、行革大綱に基づいて大幅な行政機構の再編整備を行いました。特に、保健医療部門と福祉部門の連携を図るとして、生活福祉部や環境保健部等の再編に伴う新たな部の設置や企画調整部を企画振興部と、商工労働部を商工労働観光部とするなどの本庁機構の改革、さらには地方振興局の機能強化を図ることとして、保健所と土木事務所を統合するなど、地域の住民生活にとって身近な、そして関心の高い分野についての機構再編が行われたものと私は感じています。機構改革は行政改革の一環として行われるわけですが、効率的な財政運用のためだけでなく、住民生活の向上に貢献することが基本でなければなりません。機構改革後、現時点でまだ1年を経過していないわけですが、事務事業にどのような変化をもたらしたのか、その評価について知事の御所見をまずお伺いいたします。
 また、来年度も農政部を中心に大幅な再編整備を行うわけですが、今年度実施した機構改革の経験をどのように生かしたのかお示し願います。
 次に、公費の適正支出対策についてお伺いをいたします。
 まず、食糧費の不適正支出についてお伺いいたします。
 私は、昭和48年から平成2年10月までの17年間、県の出先機関である保健所に勤務していたことから、今回の食糧費調査の結果、5年間に1億5、000万円を超える公金が不適正支出されていたことに大きな驚きを覚えるとともに、現在、別な立場で県政にかかわっている者として重大な責任を感じております。今後は、早急に県民の理解が得られるような改善策が確立され、県政に対する信頼が回復されること、並びに職員が意欲を失うことなく業務に専念できる環境がつくられることを願うものでありますが、これまでに明らかにされている調査報告及び今後の対策について質問いたします。
 まず、行政管理委員会の調査結果で、不適正処理とされたものの使途と理由及び責任の所在について伺います。
 不適正処理とされたもののうち、懇談に係る1、518件、金額にして9、872万円余は、二次会や内部懇談等のため実態と異なる処理をしたものとされておりますが、どのような処理を行ったものなのでしょうか。また、このうち288件、5、171万円余の食事券は経費支出の事実が確認されているものの、関係者及び関係書類等から、適正な配付が行われたかどうか確認できないことと、社会通念上、許容の範囲と認めがたいとの理由で不適正とされていますが、そもそも食事券はどのような目的でだれに配付されてきたものなのでしょうか、この際明らかにしていただきたいと存じますし、なぜ社会通念上、許容の範囲を超えると判断したのかもあわせてお伺いいたします。
 次に、責任の所在についてですが、私は不適正処理とされた公金の流れが解明され、職員個人のものになっていたとすれば別ですが、この問題は、職員個々の責任問題とするだけではなく、県としてこれまでのやり方を振り返り、その問題点を明らかにすることも必要であると考えています。それは、国等との懇談や食事券の発行などは、公共事業を初め、補助金獲得のために中央との太いパイプが必要であるとして政策的に進めてきたものであり、事業として実施を決めた時点で、知事を先頭に目的の遂行に向かって積極的に対応し、それが県政推進の上で必要なものとしていたのではないでしょうか。しかし、度を過ぎた官官接待への批判が全国的にも高まりを見せていたにもかかわらず、前例を踏襲する形で食糧費を支出していた組織としての責任もあると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 また、知事は、この間の御答弁で、不適正な支出と判断された1億5、000万円余を年利5%の法定利息を付して、部長、課長等の管理職の協力のもとに、全額県に返還することで検討を進めていると述べられました。私は、返還させる職員の範囲を監督責任のある管理職員としたことについてはさきに述べたとおり、組織責任の重大さを考慮すればやむを得ないものと考えますが、管理職と一口に言っても、今回の調査結果によってその責任の重大さに差があると考えるところであります。つきましては、管理職の範囲と返還金額及び返還方法について具体的にその内容をお示し願います。
 次に、職員の服務に関してお伺いいたします。
 どのような制度も、時間とともに変化する社会環境等への対応を怠った場合、いわゆる制度疲労を起こし、さまざまの弊害をもたらすことは言うまでもありません。他県において、公費の不適正処理の一部が、例えば超過勤務手当の不足分に充当されていたというような例はそのあらわれであると考えるのであります。私は、本県においては、他県のような事例はゆめゆめないものと確信をしておりますが、しかし旅費制度などは制度疲労を起こしてはいないでしょうか。旅費や時間外勤務手当について点検を行い、是正すべき点があれば是正するなど、見直しを行うべき時期に来ていると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、公的介護保険法の施行に伴う今後の課題についてお伺いいたします。
 介護保険法は、1年余りの国会の審議を経て昨年12月に成立をいたしました。介護保険法の成立によって公的介護保険制度が創設され、ようやく介護の社会化に向けて1歩踏み出したものと高く評価するものであります。私は、介護の社会化とは、だれにでも、いつでも、どこでも必要なサービスを提供できる体制を保障することであると考えており、県民にこたえる制度として整備しなければならないものであると思っております。そのためには、保険制度の実施主体である市町村が積極的にかかわるとともに、介護システムの策定から運営まで、市民参加、情報公開、そして苦情処理体制がきちんと整備されている必要があると考えます。法律案は、国会審議の過程で種々の修正が加えられておりますが、衆議院での修正の一つに、市町村の策定する市町村介護保険事業計画に、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるということが追加されております。このことは、かつて市町村老人保健福祉計画の策定に当たって、一部の市町村が計画の企画段階から策定までのほとんどをコンサルタント会社に丸投げして、市民不在の計画と言われた反省に立ったものと私は考えておりますが、被保険者である住民の意見が反映された事業計画となることから、その自治体において介護保険制度が円滑に運営されるもととなる重要なことであると考えております。
 そこでお伺いいたしますが、市町村の介護保険事業計画に被保険者の意見を反映させるための具体的な措置について、県としてどのような指導をしていく考えなのかお示し願います。
 また、県においても、市町村事業を支える介護保険事業支援計画を策定するため、新年度予算に新規事業として介護保険事業支援計画策定事業費を盛り込んでおりますが、具体的な策定手順と利用者の意向をどのような方法で反映させていく計画であるのかお示し願います。
 次に、制度が安定して運営されるためには、介護認定審査会の行う審査判定がどの程度被保険者の納得を得られるのかが重要になってくるものと思われます。要介護認定事務が始まるのは平成11年10月の予定と伺っていますが、要介護認定に必要な認定審査会の体制を、どのように整備していく計画なのかお示し願います。
 また、ケアプランの策定は、市町村以外の機関でも策定できることとされていますが、要介護認定機関とサービス提供機関とを結ぶ重要な役割を担うことから、当該市町村に複数の機関が設置される場合には、そのうちの数箇所については市町村の直営で設置する必要もあると考えますが、いかがでしょうか。今後の指導計画とあわせて御所見をお伺いいたします。
 介護保険について最後のお伺いをいたします。
 介護保険制度の導入には、世論調査において国民の7割から8割の支持を得ているにもかかわらず、法律の具体的な内容を知らない人が多いとの報道がありますが、個人が保険料を納める形で制度が創設されることから、県民に対する十分な周知と理解を得ることが不可欠であります。県民への周知と理解を得る方策をどのように進めていこうとしているのか、お伺いをいたします。
 次に、環境保健行政についてお伺いいたします。
 環境問題についての施策の展開、連携等の基本的方向について我が会派の佐藤啓二議員が代表質問においてただしたところでありますが、私は、今議会で、知事が所信表明された環境重視の視点は、我が会派及び我が党が長年主張してきた環境保全施策の強化と軌を一にするものと高く評価しているものであります。知事は、10年度を環境創造元年と位置づけられました。私も、環境問題は地球規模の温暖化や内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンの問題、さらには毎日の生活に密着したごみ処理、家庭雑排水問題まで、どれ一つ取り上げても簡単に解決するものは少なく、まさしく元年との認識で県民挙げて環境議論をすべきときであろうと考えるものであります。このような認識に立って、環境保健問題に係る何点かについて質問いたします。
 まず、平成10年度当初予算に整備事業費が計上されている仮称環境保健センターについて伺います。
 この環境保健センターは、現在の岩手県衛生研究所と公害センターの再編整備を目的として計画されていたものですが、私は、今後の県内における環境保全と県民の健康を守るとりでとなることを期待し、早期の完成を望むものであります。私は、人間が心身ともに健康であることの根源は、良好な環境に裏打ちされていなければ、見かけ上の健康と言わざるを得ないものと理解しているところであり、その意味で環境と保健との連携はこれからの大きな課題の一つと言えましょう。今、整備しようとしている環境保健センターにとって、この命題にどう対処しようとしているのでしょうか。その機能面、情報提供面などを含めて、環境保健センター整備の基本的考え方について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、当面する環境施策についてお伺いいたします。
 まず、自然環境保全地域の保護についてお伺いいたします。
 岩手県では、これまでに自然環境保全条例に基づいて13カ所の自然環境保全地域を指定し、すぐれた自然環境の保全に努めてきております。また、3県総の部門別計画である岩手県環境保全計画後期実施計画では、これまで指定してきている自然環境保全地域の動向調査を実施することとなっていますが、指定後長い年月が経過している地域もあり、状況が変化したり、新たな保護対策を講じる必要がある場所もあるのではないかと考えられますが、これまでの動向調査の結果、判明している点があればお示し願いたいと存じます。
 次に、13番目の自然環境保全地域として、平成8年に指定した滝沢村の春子谷地周辺の保全対策についてお伺いいたします。
 この地域は、岩手山の東南に位置する湿原であり、低い場所に広がるものとしては本県最大規模を有し、昭和40年代の早い時期から保護を求める声がありましたが、県では平成2年から調査を進め、指定に必要な諸手続を踏んで平成8年に指定したものであります。38・3ヘクタールの特別地域内は動植物が完全に保護される保全計画となっており、保全上問題は生じないものと考えられますが、最近になってこの湿原に境を接する1万9、319平米の民有地が分譲されるのではないかとの情報が私に寄せられました。民間所有の土地が活用されることに行政が規制を行うことには限度があると思われますが、岩手山ろくに広がるわき水で形成されている湿原に隣接する土地が、もし住宅地等として分譲されるようなことがあれば、保護の指定をした意味はなくなるものと考えられますがいかがでしょうか。また、県としてこのような場合、可能であれば土地の取得も考慮に入れた対応が必要になると思われますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、ダイオキシン対策についてお伺いをいたします。
 平成10年度の予算には、県単独でダイオキシン類排出抑制対策費が新規事業として1億8、000万円余の経費が計上されており、県内の大気、生物等の環境モニタリング調査や焼却炉排出物質の実態調査等を実施する計画が盛り込まれていることを評価するものであり、今後実施される種々の調査や対策によって、県内の全地域が安心して生活ができる環境であることが証明されることを願っているものであります。
 そこで、まず、一般廃棄物焼却炉に関してお伺いをいたします。
 厚生省はダイオキシン対策の基本として、焼却炉からの排ガス中のダイオキシン濃度を下げるために、一般廃棄物の焼却炉の構造基準と施設の管理基準を定めました。この基準は、これまでの小型の施設では管理ができないような基準となっていることから、今後、県が進めようとしている一般廃棄物の処理区域の拡大に基本的に賛意を表するものであります。しかし、焼却炉が大型化してガイドラインの基準を遵守したとしても、ダイオキシンが含まれた焼却灰が排出されるのではないかと心配するものであります。焼却灰の処理についても、早急に安全対策を講じる必要があるものと思われますが、いかがでしょうか。現状では、コンクリートと混合して固化したものを最終処分場に埋め立てていると伺っていますが、県として今後どのような指導を行っていく計画であるのかお示し願います。あわせて、焼却灰等に含まれるダイオキシン類等について、この規制も今後必要になってくるのではないかと思われますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、県内の国有林に埋設されている2、4、5-T系除草剤についてお伺いいたします。
 この問題について我が党は、昨年の11月6日に現地調査を行い、11日に知事に対して現地の環境影響評価を実施するとともに、県内に埋設されている除草剤を撤去することを国に働きかけるよう文書で申し入れを行ったところであります。県では11月以降、精力的に青森営林局や関係市町村との協議を重ねて、過日、埋設箇所に関係する河川水への影響を調査するための採水を行い、現在分析中と伺っておりますが、これまでの県御当局、担当者の御努力に心から敬意を表するものであります。今後は、今回の河川水の調査とあわせ、雪解けを待って埋設場所付近の土壤等の調査も行う計画であると伺っていますが、埋設物そのものを採取してダイオキシン類の含有量や水への溶出試験を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。さらに、営林局では現在の埋設処分が最適であるとしているようですが、調査結果によっては再調査や撤去を含めた対策が必要になると考えられます。県として、今後どのような対策を求めていこうとしているのか、お示し願います。
 また、昭和45年まで県内の国有林にはヘリコプターによる空中散布も実施されており、相当量の2、4、5-T系除草剤が河川の上流部に存在しているものと考えられます。化学物質であることから、紫外線やその他の分解誘因物質によって分解し毒性が減少していることも考えられますが、この際、散布された地域の下流域で、ダム等でせきとめられた水域内に生息をしているコイやフナ等の生存年数の長い魚類の体内に含まれるダイオキシン量を調査することも必要なことであると考えますが、いかがでしょうか。生物調査の実施計画とあわせて御所見をお伺いいたします。
 次に、林業後継者の育成対策と林業労働者の確保対策についてお伺いいたします。
 森林は、私たちに多くの恵みを与えてくれます。自然林はもとより、手入れの行き届いた人工林の豊かな緑は人々に潤いを与え、根元に蓄積した腐葉土は多くの動植物を育てるとともに、水を蓄える自然のダムとして洪水を防止しながら、私たちの生命維持に欠くことのできないおいしい飲料水を供給してくれております。また、昨年の地球温暖化防止に向けた京都会議でも明らかになったように、二酸化炭素の削減にも大きな貢献をしておりますし、大気の浄化能力についても大きいものがあります。しかし、外材の輸入による木材価格の低迷が続く中で、森林県と言われた本県の林業をめぐる状況は大変厳しくなっていると思われます。森林所有者の経営意欲の低下をもたらし、健全な森林の維持、造成と活力ある林業の形成が困難になることが懸念をされているわけであります。このような状況に対して、昨年度施行された林野三法による林業経営基盤の強化、林業労働力の確保の促進、木材の安定供給の確保の諸施策の展開により、本県森林、林業の振興に活力をもたらすものであると期待しているところであります。
 昨年発表された林業白書を見ますと、森林の適切な管理と木材の安定供給を図る上で、林業就業者を確保することの重要性を改めて強調しております。白書は、林業就業者の年齢構成の中で、60歳以上の占める割合が36%となり、高齢化が一層進んでいることを指摘しております。本県にあっては、全国平均を上回る速度で高齢化が進んでおり、森林所有者の後継者確保対策に積極的に取り組まなければ、森林、林業並びに木材産業の振興に深刻な影響が生じることが懸念されます。
 本県の森林は、戦後造成した人工林の大半が現在間伐時期にあり、順次主伐期を迎え、木材供給基地としての期待が高まっているところであります。しかし、林業経営をめぐる厳しい環境条件のもとで、森林所有者の多くが農林業以外の職業に勤務しており、多くの場合、中高年者が森林を懸命に整備している状況にあると伺っています。
 このように、林業後継者が森林の管理と整備に、強い関心と意欲を持たなければならない重要な時期を迎えていると思われますが、県では林業後継者の育成をどのように進めておられるのか、今後の対応も含めてお伺いいたします。
 また、同様に、林業労働者の高齢化と労働力不足も大きな問題となっており、若い人が参加できる条件の整備も求められておりますが、今後の対応策についてお伺いをいたします。
 最後に、教育長に2点についてお伺いをいたします。
 初めに、県営運動公園陸上競技場の今後の活用並びに改修計画についてお伺いいたします。
 スポーツは、健康な肉体と精神を育てると言われています。さきの長野オリンピックや私も開会式に参加させていただいたいわて銀河国体は、見る者に大きな感動を与えてくれました。国体開催の準備と運営に当たられた関係者の皆さんに心から敬意を表する次第であります。
 さて、昭和45年の岩手国体開会式に使用され県民の感動を呼んだ県営運動公園陸上競技場は、昭和41年に完成以来、陸上、サッカー、ラグビー、テニスなど、現在まで幾多の全国規模、全県規模の競技会が開催されてきました。また、各種大会のみならず、学校体育における記録会や毎年開催されるスポーツフェスティバル等でも活用されるなど、広く県民のニーズに対応して、本県における競技スポーツや生涯スポーツ振興に寄与してきたところであります。しかしながら、建設以来30年余が経過し、私も近くに住んでいることからたびたび見に行く機会があるのですが、各所においてコンクリートの劣化やそれに伴う雨漏りなどの老朽化が進行し、その利用に支障を来す状況となっております。こうした中で、今年度末には第1種公認の北上市営陸上競技場が完成し、平成11年度に本県で開催される全国高等学校総合体育大会の主会場に予定されるなど、今後の本県陸上競技場の中核施設として、北上のこの市営陸上競技場が大いに活用されることと推察をしているわけであります。
 一方、県営運動公園陸上競技場にあっても、全国高等学校総合体育大会のサッカー競技会場になっているため、施設の改修は急を要するものがあると考えるわけであります。また、この運動公園は盛岡市にあることから、県の全域を対象とした施設として、今後本県のスポーツ振興にとって欠くことのできない重要な役割を担っているものと考えるものであります。つきましては、県営運動公園陸上競技場を今後どのように活用していく計画なのか、また、改修についてはどのようにお考えなのかお伺いをいたします。
 2点目に、史跡の保護についてお伺いをいたします。
 岩手県には、各地に数多くの遺跡が分布しており、柳之御所、志波城跡、徳丹城跡などを初め20カ所が国の史跡に指定されております。これらの史跡は、文化遺産として後世に残していくことが私たちの責務であると考えております。第三次岩手県総合発展計画後期実施計画には、こうした史跡の保護事業、さらには市町村が整備する埋蔵文化財センターの建設事業などが盛り込まれており、年次計画によって整備されていくものと期待しているものであります。特に、埋蔵文化財センターの建設事業については、埋蔵文化財の調査、研究及び出土遺物保管のために重要な役割を果たすとともに、県民が本県の古代史を学んでいくための重要な施設になるものであり、県立の埋蔵文化財センターと有機的に結びついて各地に整備されることが必要であると考えております。
 そこでお伺いいたしますが、後期実施計画に掲げてある史跡の保護事業や埋蔵文化財センターの建設計画について、具体的にどのようになっているのかお示し願いたいと思います。
 以上をもちまして、この場からの一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 伊沢昌弘議員の御質問にお答えいたします。
 まず、行政機構改革についてでございますが、昨年4月、地方分権時代にふさわしい行政体制を目指し、行政機構について大幅な再編整備を行いまして、新しい体制をスタートさせたところでございます。再編整備に当たりましては、県民の皆様方や市町村、さらには職員の十分な理解を得つつ取り組んでまいったところでございます。このうち、保健医療部門と福祉部門につきましては、福祉施設の運営指導や障害者の自立支援活動などにおきまして、両部門の密接な連携のもとでのきめ細やかな指導体制が現在整いつつありますほか、保健福祉サービス調整会議などを通じた各地域における人的ネットワークづくりによりまして、保健医療、福祉分野におけるサービスの総合的かつ効率的な提供の面で、その成果が着実にあらわれてきているものと、このように考えております。
 また、地方振興局につきましては、土木事務所を統合したわけでございまして、福祉や産業振興など他の行政部門との連携がこれまで以上に図られるようになったと、こういうふうに理解をしておりまして、そのほか企画機能の充実強化や大幅な権限委譲に伴う現地決定権の拡大が図られまして、地域経営を担う体制づくりが進むなど、名実ともに地域振興の拠点としての位置づけが確立しつつあるものと、このように考えております。
 行政機構改革に当たりましては、より簡素で効率的な体制を目指すことを基本といたしまして、県民の皆様方や市町村の意見を十分に踏まえた上で、県民サービスの向上につながるものとすることが何より大切でございまして、昨年の再編整備を通じて、改めてその思いを強くいたしているところでございます。したがいまして、本年4月の行政機構整備におきましても、生活者主権、地域主権、さらには現場重視の地域経営、このような視点に立ちまして、農政部門を中心に、地方振興局と本庁の役割分担を見直しをいたしまして、本庁から地方振興局への大幅な事務委譲を進め、本庁組織をできる限りスリム化するなど、新しい時代に即した、機動性と効率性を兼ね備えた体制といたしたいと、このように考えております。
 次に、環境保健センター、これは仮称でございますが、以下、環境保健センターと呼ばせていただきますが、この整備に当たっての環境と保健の連携についてのお尋ねでございますが、大気、水質などの自然環境や生活環境は健康に大きな影響を与えるものでございまして、県民の健康の保持、増進を図る上で、環境と保健の連携による調査研究は当然重要であるものと、このように考えております。このような観点から、一体的な調査研究や試験検査を実施するため、現在の衛生研究所と公害センターを再編統合いたしまして、従来から有しております試験検査機能などの高度化を図りますとともに、新たに情報管理や普及啓発、研修指導機能なども有し、今議会で今、審議をお願いしております、環境の保全及び創造に関する基本条例に掲げております施策の基本方針にも対応できるような、環境保健行政の科学的、技術的中核機関として、この環境保健センターを整備することとしているところでございます。
 環境と保健の連携による調査研究につきましては、必要に応じて大学や他の試験研究機関とも連携を図りながら、ダイオキシン類などの化学物質が住民の健康に与える影響の把握、豊かな自然環境を活用した健康づくり、環境中の微生物やアレルギー源による健康被害の防止などに取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、研究成果及び収集いたしました環境や健康づくりに関する情報の県民との共有に力を入れることが重要であると考えておりまして、したがって、高度情報機器を利用した情報提供や公開講座の開催、また、学校などへの学習情報や体験学習の場の提供など、センターがその機能を発揮できるよう、専門家の意見も踏まえながら、充実に努めてまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承お願い申し上げます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、食糧費執行状況調査についてでありますが、今回の調査の結果、多額の不適正な支出がありましたことは、まことに遺憾でございまして申しわけなく存じているところでございます。お尋ねの不適正なもののうち、二次会等のため実態と異なる処理をしたものの内容は、二次会として行われた懇談の経費を処理するために、実態と異なる日付、出席者の氏名等により支出を行ったもの、また、予算科目と懇談等の目的、相手方等との整合を図るため、実態と異なる処理を行ったものなどであります。また、内部懇談等のため実態と異なる処理をしたものの内容は、職員間で行った懇談であるにもかかわらず、相手方を伴う情報交換等の名目で処理したものなどであります。
 次に、食事券につきましては、主に国の予算編成時の繁忙期等において、対外的折衝等を行う過程で、懇談の実施にかえて配付する目的で購入したものであります。しかしながら、こうした方法は、接遇における一般的儀礼の範囲とは認めがたいことから、平成7年度以降廃止したところであり、今回の調査におきましても、同様の理由から社会通念上、許容の範囲とは認めがたいとの判断となったものであります。
 また、この食事券につきましては、経費支出の事実は確認されたものの、関係者、関係書類等からの確認によっては適正な配付が行われたかどうか判断できなかったことからも、不適正な支出とし、返還を行うこととしたものであります。
 次に、食糧費の不適正支出の責任の所在についてでありますが、このたびの不適正な事務処理が行われていた要因は、食糧費の執行に係る詳細な事務処理の方針や基準等が存在しなかったこと、そして、そのことが各部局独自の判断による処理を可能とし、結果として不適正な事務処理につながったこと、関係機関のチェック体制が十分でなかったこと、並びに管理監督者が不適正な事務処理を防止できなかったことでありますが、何といっても職員一人一人に、公金は県民から預かった貴重な税金に基づくものであるという意識に欠けるところがあり、安易に前例を踏襲するなど、公費の支出に対する基本的認識が希薄になっていたことが大きな要因ではなかったかと考えております。今回の食糧費の不適正支出に係る原因や背景につきましては、可能な限りこれを糾明し、その責任の所在を明らかにしてまいりたいと存じております。
 次に、不適正な支出と判断された食糧費の返還に当たる管理職の範囲と返還金額及び返還方法についてでありますが、管理職の範囲は、職務に関し特別の責任を有していることから、給料の特別調整額の支給を受けている管理職とし、調整額に比例する形でこのほぼすべての管理職の協力を得ていく考えであります。
 また、返還金額は、不適正な支出と判断された全額に、法定利息相当額を付した1億8、600万円余であり、1人当たりの額は、課長級の例で申し上げますと43万円ほどになるものと試算をいたしております。返還方法につきましては、食糧費返還会を組織しまして、ここで金融機関から返還相当額の借り入れを行い、3月末までに一括県に返還するとともに、返還協力者によりおおむね3年をめどにこの借入金を償還する考えでございます。
 次に、旅費制度等の見直しについてでありますが、旅費などの諸制度は、その時々の実情に適合したものかどうかについて、不断に見直しを行っていかなければならないものと考えているところであります。旅費につきましては、これまでも国や他の都道府県との均衡を考慮しながら、適時に見直しを行ってきているところでありますが、最近の公共交通機関の整備状況等を踏まえ、現行の旅費制度の基本原則を維持しつつも、より利用実態に適合した旅費の支給を行うことができないかなどとの観点から、検討を行う必要があると考えているところであります。
 また、超過勤務手当につきましては、職員の健康を保持し公務能率の向上に資するという観点から、上司が業務遂行についての明確かつ適切な指示を与え、業務の進行管理を的確に行うなどの勤務時間管理の徹底を図り、超過勤務の縮減に取り組むとともに、一時的な業務増などのやむを得ない理由により超過勤務を命ずる場合には、事後確認を徹底するなど、その適切な支給に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) まず、市町村における介護保険事業計画の策定についてでありますが、介護保険法においては、市町村は国が定める基本指針に基づき、在宅、施設にわたるサービスの見込み量や、その確保のための方策などを内容とした介護保険事業計画を策定することとされ、また、計画の策定に当たっては、あらかじめ被保険者の意向を反映させるための措置を講ずることとなっております。県といたしましては、生活者主権の立場に立って、市町村は、計画策定委員会への被保険者代表の参加や懇談会の開催などを通じて、住民の意見を十分に取り入れながら、みずからが主体的に計画の策定に取り組むよう、地方振興局、保健所を中心に積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、県の介護保険事業支援計画の策定手順と利用者の意向の反映についてでありますが、この計画は、介護保険法に基づき、国が定める基本方針に即して、圏域ごとの介護サービスの必要量などを平成12年度からの5カ年計画として定めるものであります。県といたしましては、計画の策定に当たっては、平成10年度に実施する実態調査により県民のニーズなどを十分に把握するとともに、県及び広域圏ごとに設置する計画策定委員会などにおいて、市町村との意見の調整を図るほか、高齢者の代表からも意見を徴するなど、利用者の意向も十分に反映した計画となるよう配慮してまいりたいと考えております。
 次に、市町村における介護認定審査会の体制整備についてでありますが、介護認定審査会は、保健、医療、福祉の学識経験者で構成され、高齢者の要介護状態の区分を審査、判定するために市町村に設置されることとなっております。県におきましては、市町村の審査体制の整備を支援するため、今年度、11市町村において介護認定審査をモデル的に実施し、そこで得られた課題等を市町村と協議しながら、審査会の設置方法や運営のあり方などについて、保健、医療、福祉関係者とともに検討しているところであります。平成10年度には、全市町村で要介護認定を試行的に実施するとともに、調査員などへの研修を充実しながら、審査が公正、公平に行われるように体制を整備してまいりたいと考えております。
 次に、ケアプランの作成機関についてでありますが、介護保険制度においては、ケアプランを作成する居宅介護支援事業者は、法人であることや介護支援専門員が定められた数以上であることなど一定の基準を満たせば、市町村、社会福祉法人、医療法人、民間企業など公民の主体を問わず、知事の指定を受けて事業を行えることとなっております。県としましては、ケアプランの作成のサービスについても、利用者がみずから選択し、迅速、的確に提供されるためには、多様な事業者からサービスが供給されることが必要と考えており、市町村がこのような作成機関を確保し、また、関係機関との連携が行われるよう支援、指導してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険制度の県民への周知についてでありますが、介護保険制度が円滑に運営されるためには、県民の理解が何よりも重要であると認識しており、県としましては、市町村と協力しながら、各種の説明会やシンポジウムを開催し、また、パンフレットの配布やホームページの活用などを行うことにより制度の普及を図るとともに、身近な相談者である民生委員等の地域活動を通じて、県民への周知を積極的に推進してまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕
〇生活環境部長(吉田敏彦君) まず、自然環境保全地域等動向調査の結果についてでありますが、この調査は、自然環境保全地域等の自然環境及びその指定の理由となった保全対象の現状を把握し、当該地域の適切な管理に資することを目的に、専門家による委員会議を組織し、平成8年度から実施しているものであります。平成8年度に実施した国道4号及び282号沿線環境緑地保全地域につきましては、良好な自然景観を形成し、都市近郊における生物多様性の維持に果たしている役割が大きいとの調査報告がなされており、引き続き適切な保全が図られるよう努めていくべきものと考えております。
 また、平成9年度は、沼袋・田野畑自然環境保全地域、松森山自然環境保全地域、櫃取湿原自然環境保全地域の3地域について調査を実施しているところでございます。調査結果につきましては、本年度末をめどに取りまとめる予定となっており、まだ最終的な調査報告を得るには至っておりませんが、この報告に基づきまして、今後の保全対策等を検討してまいりたいと考えております。
 次に、春子谷地自然環境保全地域の保全対策についてでありますが、この地域は、自然環境がすぐれた状態を維持している低い標高地における本県最大規模の低層湿原として、平成8年、自然環境保全地域に指定したところであり、滝沢村が指定地域内の民有地を取得する際、県は緑あふれる県土保全事業による助成をしたところでございます。その際、周辺部の牧野、原野などについては、すぐれた自然そのものではないことから、自然環境保全地域の指定要件に適合しないものとして指定対象外としたものであるため、周辺部の用地取得に係る県の助成は難しいとは思われますものの、湿原の保全方法として周辺部の公有地化を図ることは望ましいことであると考えております。今後、指定地周辺が無秩序に住宅地化するようなことになれば、湿原の生態系にも影響を及ぼすことが懸念されますが、県といたしましては、現在、滝沢村において周辺一帯の整備計画を策定中でありますことから、今後とも村と連携を図りながら、保全地域の適切な保全に努めてまいりたいと考えております。
 次に、焼却灰に含まれるダイオキシンの対策についてでありますが、ごみの燃焼により生じたダイオキシン類は、排ガスよりもかなり少ないものの焼却灰にも含まれておりますので、その焼却灰による環境汚染を防止する必要があります。このためには、まずもって排ガス中のダイオキシン類の削減対策を講ずることが必要であり、そのことによって、焼却灰に含まれるダイオキシン類もさらに大幅に抑制することができますことから、昨年12月に施行された政省令に定める構造基準及び維持管理基準などに沿った必要な改造や燃焼管理の徹底等を行い、ダイオキシン類の発生を防止するよう指導したところでございます。
 一方、最終処分場における飛散や排水による公共用水域の汚濁を防止するため、水処理の適正な管理のほか、焼却灰の中でも特に管理の必要なばいじんのセメント固化や薬剤固化の徹底を強く指導しているところであります。
 なお一層のダイオキシン類の分解あるいは消滅のためには、最近、熔融固化、加熱脱塩素化処理等の高度処理が開発、実用されているところもありますが、高いコストなどの課題もありますので、広域化計画とも関連させながら、今後の整備のあり方について、調査、検討をすることとしております。
 また、焼却灰の処理の規制については、国では、現在、制度化に向けた方向で取り組んでいると聞いておりますので、早晩、制度化されるものと考えております。
 次に、2、4、5-T系除草剤埋設物の、ダイオキシン含有量や水への溶出試験の必要性についてでありますが、今回の調査は、埋設処分地からのダイオキシンの拡散状況を把握するため、専門家の指導のもとに、関係河川水と周辺土壤の調査を行うこととなったものであります。土壤調査につきましては、埋設地から下流側5メートル地点に3カ所ボーリングし、埋設深度を考慮いたしまして深さ2メートルと3メートルから、6検体の土壤を採取、分析し、ダイオキシンの溶出または流出の状況を把握することとしております。この調査結果と河川水の調査結果とをあわせて、埋設物のダイオキシンの溶出等の有無が的確に把握できるものと考えております。
 なお、ほかの調査方法や再調査あるいは撤去を含めた対策等につきましては、今回の調査結果をもとに、専門家の指導を得ながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
 次に、過去に散布された除草剤による環境への影響や生物調査の計画についてでありますが、県といたしましては、当面、県内の水系や大気系等の一般環境中におけるダイオキシン汚染の実態把握に努める必要があると考えており、来年度から大気や生物等を対象とした実態調査を実施する予定としております。この調査によって、環境中のダイオキシンの残留性や挙動等について、一定の知見が得られるものと考えており、その結果を踏まえ、必要な対策についても検討してまいりたいと考えているところでございます。
   〔林業水産部長中村陽兒君登壇〕
〇林業水産部長(中村陽兒君) まず、林業後継者の育成対策についてでありますが、地域林業のリーダーとして後継者を引っ張っていく者として、これまで153名の指導林家などを養成いたしますとともに、県内の各地域に会員総数1、023名を擁する57の林業後継者グループの結成と活動支援を行うなど、林業後継者の育成対策に努めているところであります。
 また、平成10年度から、新たに県内林業関係高校生の2年生と3年生を対象に、高性能林業機械の体験学習を行うなど、次代を担う人材の育成にも焦点を当てた後継者の育成対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、若い林業労働者の確保対策についてでありますが、林業が若者にとって魅力ある職場であるよう、いかに条件整備を図っていくかが重要な課題であると認識いたしております。したがいまして、現在、岩手県林業労働対策基金や林業労働力確保支援センターなどの各種の事業の実施を通じまして、雇用の受け皿となる経営基盤のしっかりした林業事業体の認定や社会保険などの就労条件の改善、さらには、機械化林業の担い手となり得る若い林業労働者を中心として林業作業士、いわゆるグリーンマイスターと呼んでおりますが、その養成に努めてきているところであります。これまでに139名の林業作業士を養成したところであります。こうした中で、県内のある森林組合では、林業労働対策基金や市町村の支援のもとに、昨年度から月給制の若い林業労働者の採用を開始し、本年度も3名の採用枠に約30名の応募があったと聞いております。今後とも、市町村、林業関係団体との連携を強化し、魅力ある職場づくりを進め、若い林業労働者の確保対策に積極的に取り組んでまいる所存であります。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、県営運動公園陸上競技場の今後の活用及び改修計画についてでありますが、本県スポーツ振興の拠点施設として長年にわたり県民に親しまれてきた当競技場は、日本陸上競技連盟の規則改正により、平成12年度の更新時には、第1種競技場としての公認が困難なことから、全国的な公式競技大会の開催は難しい状況になります。したがいまして、当競技場につきましては、関係団体と調整を図りながら、県内全域からの利便性を生かした競技スポーツや、生涯スポーツの施設として広く活用してまいりたいと考えております。
 また、改修につきましては、平成10年度にメーンスタンドの耐震補強工事、防水工事などの老朽化の解消と、高齢者や身体障害者等に配慮した人に優しい施設への改修を行うとともに、バックスタンドについては、剥離したモルタルの補修工事を行うなど、快適に利用できるよう努めてまいります。
 次に、史跡の保護事業についてでありますが、史跡の保存を図るため、史跡等の公有化事業を実施しておりますが、現在、徳丹城跡など7カ所の史跡の土地公有化が行われており、3県総後期実施計画に沿って、おおむね順調に推移しております。
 さらに、史跡の積極的な活用を図るための史跡等活用特別事業につきましては、志波城跡の第1期整備が昨年末に完了したところであり、平成8年度からは御所野遺跡の史跡公園の整備が行われております。
 また、市町村の埋蔵文化財センターにつきましては、既に北上市、水沢市に建設されているほか、建設を計画している滝沢村、一戸町が後期実施計画期間内の事業着手を予定しております。
 今後におきましても、史跡、埋蔵文化財関係補助金の導入に努めますとともに、県及び市町村の埋蔵文化財センター相互の連携強化を一層推進してまいりたいと考えております。
〇12番(伊沢昌弘君) 御答弁ありがとうございました。何点か再質問させていただきたいと思います。
 最初に、総務部長の方からございました食糧費の問題でありますが、私の質問とかみ合っていないのではないかなというふうに一つ思いましたので、改めてお伺いをしたいわけであります。
 行政管理委員会の方で事細かな報告書が出て、これに基づいて委員会の方でいろいろ報告をまとめて、この間、発表されてきたわけであります。その中で知事もいろいろ話をする。さらには、記者会見もする。ちまたのマスコミを含めていろいろ書かれてきた部分で、総称してみれば、1億5、000万円というお金がすべてどこかに行ってしまって、だれの責任かというと、職員の公金に関するいわば認識が甘かった、チェック体制がなかったことをいいことにそういう形になったのではないか、県民の多くはそう思っているのではないかということで、私は質問をさせていただいたんです。実態は違うでしょう。食事券一つとっても、予算繁忙期に、我が県にいろいろ事業をください、認めてくださいということで県庁の皆さんが東京に行く、そして懇談はできないけれども、お忙しい中これでということで本当は南部せんべい一つ置いてくればいいんでしょうが、そういうわけにもいかないということでやってきたのが実態じゃなかったんですか。がために、途中でいろいろやめようということでやってきた、そのために7年度、8年度の部分は言ってみれば食事券もないわけですし、懇談も含めてなくなってきた。ものすごく改善をされてきたわけであります。しかし、私はこの行政管理委員会が、不適正な処理の要因とこの委員会が掲げている4点の部分について、本当は制度の問題を含めて、県としてやってきたところの反省点が全くないのじゃないかということを言いたいわけなんです。職員が飲み食いをして自分の懐に入れた。自分の財布からのかわりをそういう形でやったというのであれば、これは大変なことであります。
 そうではないんじゃないですか。そのことを言いたい部分でありますので、行き先を含めて不明なままこれにふたをするのはやはりだめだと、こう思うわけであります。部長の答弁の中には、組織として、政策としてやった部分についての御答弁が私はなかったというように思うわけでありますが、その点に触れてもう1回御答弁をいただきたいと思います。
 もう一つは、管理職の範囲を含めて金額についてお示しをいただきました。私も妥当だというふうな言い方をしたわけでありますが、一般職員までの範囲について認めるわけにいかないということで言ったわけであります。しかしこの間、地方を含めて歩かさせていただきました。責任の度合いというのは、それぞれあるのではないかと思うわけであります。と申しますのは、県庁にいる人たちが全部だめだと、こういう言い方ではありませんが、出先機関におられる管理職の皆さんや新たに来られた人も含めてどういう形になるのか、今の御答弁では不明なわけであります。その辺が、最終的には強制徴収なのか協力をいただくのかも含めて、改めて御答弁をここはいただきたいというふうに思うわけであります。
 何も、犯人探しをしていろいろやるのではなくて、壇上で言いましたとおり、職員がこの間この問題を調査するに当たって、残業を含めて膨大な時間を費やしたことは、私、県庁の中を歩いてみておりました。それだけの時間を費やして大変な努力をするのであれば、県政が大変きついとき、人が足りないというときに、別な仕事をやった方がずっと県民のためだと私は思うわけであります。そういった意味から、この際、ここまで来た部分であればもう少しきちんとして県民に真を問う、そして確立をするということを組織としてやるべきだというふうに思うわけでありますので、その辺についての御所見をぜひお願いをしたいと思います。
 緒方保健福祉部長にお伺いをしたいと思います。
 介護保険法、実は我が党を含めて、これ国会の中でいろいろ議論をしながらつくってきたものでありまして、不満な点、不明な点というのは、私どもの政党にも一部責任があるのかなというふうに実は思っています。(斉藤議員「そうだ。」と呼ぶ)斉藤議員が言うまでもなく、悪い部分についてはもっとやれということで、国会の中で修正をしてきた部分も我が党の国会議員が頑張った部分なわけであります。
 その中で、私1点だけ聞きたいわけですが、県の責務として地方振興局や保健所を含めてこれから市町村の指導をしていく。確かにいいことでありますし当然のことだと思うんですが、この中で私1点聞いたのは、ケアプランをつくるもの、ケアプランをつくる機関というのがあるわけであります。今、部長は、法人であることや市町村も含めていろんな団体がこのプランをつくれる、その支援をしたいということでお話をしたわけでありますが、私が質問したのは、ケアプランを策定する機関も市町村の責任の中でいわばモデル的にその自治体に一つ二つあってもいいんじゃないですかと。1カ所で済むとは思っておりませんので、そういう部分をつくるように県として御指導はいただけないのか。市町村がつくる必要があるという規定であれば全部つくらせると思うんですが、今回の法律の中身では市町村以外もつくれると、こうなっています。そうしますと、これまでの経験の中で、他ができるというものについては、市町村がもしくは自治体がやる必要がないというふうに読みかえられてきたのではないかというふうに私は思うわけであります。今回の介護保険法というのは、平成12年の4月から、1人65歳以上の人は2、500円の保険料を払うという試算であります。お二人家族で5、000円であります。5、000円もの負担をしながら将来の不安に向けて解消する、安心を買うという形になるわけでありますが、自治体がどれだけかかわっていくのか、この法律のすべてを自治体がやることを認めているわけです。すべてがやってもいいというのを認めているわけです。しかしそれは、自治体が全部やればサービス提供機関も足りないということで、会社なり法人なりを含めた参入を認めたわけであります。認められているからといってすべて丸投げではなくて、できるだけ市町村のかかわりをすべての部分であるというのが私は必要だというふうに思うわけでありますので、その辺の部分について改めてもう1点だけ、部長もそう言ったと私は理解をしたいわけでありますけれども、そういう部分について御表明をお願いしたいというふうに思います。
 質問ではないわけでありますが、吉田生活環境部長に、いろいろ2、4、5-T系を含めてこの間御努力をいただいたと思っています。
 国の方のいろんなコメントを新聞で見るたびに、私、大変遺憾だと思っているわけでありますが、将来的に検査もしないまま今の方法が一番いいのだという報道に関しては、県民のだれしもが不満を持っている部分だと思うんです。きょうの御答弁の中で、言ってみれば調査の結果、撤去を含めた対策を今後考えていきたいというふうな御答弁がございました。ぜひ、その方向で県下12市町村の連絡会議の中でも、県に対する言ってみれば期待感というのは大きいと思うんです。今後も、ぜひ、これからの調査を含めて不退転の決意でやっていただくことをここは要望をしたいし、御所見があればお伺いをして、とりあえずの再質問にさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 2点御質問があったわけでありますが、まず最初の、なぜこういうことがあったのかと、組織的あるいは施策的に行ったのではないかという点についてでありますが、これに関しましては、少なくとも形式的な形で明らかに組織的な指示があったとか、あるいは方針があったということは明らかにされておりません。したがいまして、今、調査の結果明らかになっております範囲で申し上げたわけでございます。しかしながら、今後、例えば責任の所在を問うとかあるいは今後こうしたことが起こらないようにするためにはそうしたことの吟味をしまして、その辺を明確にして正確に厳密に対応していく必要があると思いますので、今御質問の趣旨は十分に心にとめまして、今後のさらに適切な対応に向けて参考にさせていただきたいと、こう思います。
 それから二つ目の、管理職の範囲、返還をする者の範囲でありますが、これは先ほど申し上げましたのは、いずれ基本的な方針としていろいろ内部的に協議した結果、そういう基本方針を出したということでございます。個々の職員についてはまさに各人各様、さまざまな御意見なりお考えあるいは実態もあるということでありますので、いずれ基本方針をお示しして御理解をいただきながら、これを完済していきたいというふうに思っております。あくまでも方式は任意ということでございますけれども、十分な説明をして、できれば全員の方々の御理解をいただきたいというふうに考えております。また、方式としましては、おおむね3年間で返還をするというもくろみでございますので、例えば新旧交代をするというふうな場合には、職でリレーをしていくという形でお願いをするというふうに考えておりまして、この辺もいずれ個別には御理解をそれぞれいただいていかなければならないということでございます。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) 介護保険制度における市町村みずからによるケアプラン作成機関の設置についてのお尋ねでございますが、先ほどお話し申し上げましたように、ケアプランの作成機関につきましては、社会福祉法人、医療法人、民間企業、そして市町村のさまざまな主体がこれの指定を受けることができるわけですが、こういった民間事業者の参入を認めた趣旨は、サービスの基盤を拡充すること、そしてまた競争原理の導入をとりまして、サービスの必要やコストの削減、コスト等の効率化等を目的としているものでございます。
 市町村がみずからケアプランの作成機関となるかどうかにつきましては、これは最終的には市町村の選択ということになるわけでありまして、これは今の例えば医療機関とか社会福祉施設などが市町村でみずから設置している場合もあるし、それ以外の場合もあることと同じようなことになるわけでございます。いずれにしましても、私どもは市町村がみずからの選択であると言っても、議員の方から御指摘がございましたように、きちっと市町村が責任を持って地域においてこのケアプラン作成というサービスが提供されることが必要であると考えておりまして、法律におきましても、介護保険事業計画におきまして、ケアプランの作成機関を含めたさまざまなサービスの事業をどのように確保していくのか、そしてこれらの事業がどのように連携をしていくかということにつきまして計画の中で定めることになっております。そしてまた、先ほどもお話し申し上げましたが、こういった計画の作成に当たりましては、地域住民が参画して地域住民の意見が反映されるようになるということが要件となっております。したがいまして、住民も参加しながらきちっとこういったサービスが提供されて確保されていくという計画をつくっていく中で、市町村がみずからの責任のもとに、市町村も含めさまざまなサービス供給主体がどのようなものを確保していくかということを選択していくということになるのではないかというふうに考えております。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕
〇生活環境部長(吉田敏彦君) 2、4、5-T系の除草剤の土中に埋設されているダイオキシン関係の問題でございますが、まだ調査結果が出る前に再調査あるいは撤去の話を申し上げるのはちょっと早計かとは思うのでございますが、県といたしましては、昨年から青森営林局に対しまして恒久対策についても検討するように要請いたしているところでございまして、この姿勢につきましては従前から変わらないところでございまして、今後とも、恒久対策も含めて検討していただきたいというふうな考え方で取り組んでまいりたいというふうに思っております。ただ、恒久対策をやる場合に、物理的な問題、科学的な問題、技術的な問題、いろんな問題があろうかと思っていますし、私どももそれは勉強していかなければならないと。国においても当然検討していただいて、国の責任において対処していただかなければならない問題だろうというふうに考えておりますが、私どもも勉強していきたいというふうに存じております。
〇12番(伊沢昌弘君) ありがとうございました。
 総務部長の御答弁の中で、これからいろいろ調査も含めてやっていくということでありますので、ぜひこれまで報道されている、さらには職員の云々というところだけで終わらないような形での調査結果の公表も含めて、ここはぜひお願いをしておきたいと思います。
 緒方保健福祉部長の御答弁、やるのかやらないのかよくわからなかったわけでありますが、市町村もできるのだということで、ここはぜひ市町村がやりたいときには県が足を引っ張らないということをお願いをしたいし、そういう形でなければ、県民がその自治体に対しての預託をするのを躊躇するのではないかと私は思うわけであります。そういった意味での対応を、ぜひここは要望をさせていただきたいというふうに思います。
 吉田生活環境部長の御答弁の2、4、5-T系については、確かに今の状況では県はそのような形だと思いますが、一部報道されていた国の対応について何もやらないと、やらないけれども検査するというものに対して県民は憤りを覚えているんだということを改めて表明させていただきまして、ここは御答弁は要らない形で再質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〇議長(那須川健一君) 次に、小野寺好君。
   〔5番小野寺好君登壇〕(拍手)

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