平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(伊藤勢至君) 自由公明友愛県民会議の伊藤勢至でございます。
 平成10年2月定例議会に当たり、通告のとおり、県政課題に若干の地域課題をも含めて質問いたしますので、明確なる答弁を期待いたします。
 初めに、今後も継続して推進する行財政改革について伺います。
 増田知事は、今般示されました演述の中で、生活者主権、地域主権の視点に立った行財政システム改革の推進を掲げております。県政における重要課題は、県民の暮らしをいかにして向上させるかということであるとして、新しい時代に即した機動性と効率性を兼ね備えた行財政システムを再構築していくとしています。また、県行政を岩手県株式会社に例え、県民に対する説明責任を一層徹底し、業務の遂行に当たっては地域ごとに効果や成果に責任を持つ分社化を進め、地方振興局が責任のある経営を行うことができるよう、職員配置の充実に努め、権限委譲を一層進め、意思決定の迅速化が図られるように、その機能を引き続き強化し、統合性、自己完結性を高めると語っておられます。このことはまさに大改革であり、地方分権を先取りし、積極果敢に県政を推進しようとする姿勢のあらわれと満腔の敬意を表するものであります。既存の固定化したシステムを変更することはなかなか大変だとは思いますが、新しい岩手創造のために、ぜひやり遂げていただきたいと存じます。
 知事が演述でも触れておりますように、私たちは初めて、右肩上がりではない経済社会を今後体験していくことになります。同時に、国も県も過去の借金を返済していかなければなりません。経済状況が厳しいということは、入ってくる金が足りないということであります。しかし、県民の行政に対する要求は増すことはあれ、減ることはないでありましょう。このような状況の中で、改革をやり遂げることは並大抵のことではないと思います。こういう中で、まず最初にやることは、必ずやり遂げるという強い信念を持つことだと思います。そして、その信念を全部隊に周知徹底すること、そして部隊の士気を高めることではないでしょうか。私は、宮古から区界峠を越えて議会に来るわけですが、その際、車の中で必ず軍歌集をテープで聞きながらまいります。勝って来るぞと勇ましく、誓って郷里を出たからにゃ、手柄立てずに死なりょうか、の曲であります。その軍歌集の中の別の曲には、如何なる大艇・鉄船も人の力によりてこそ、その精鋭を保ちつつ、ともあります。私は、全県庁マンに大改革を断行するに当たって、決して全員で軍歌を歌えというのではありません。しかし、全県庁マンが目標と目的意識を持ち、一丸となり、しかも精鋭になったとき、改革の推進ができるものと信じるからであります。増田知事は、岩手県庁丸の船長として、乗組員の士気をどのように高めようとしておいでなのでしょうか。
 また、今回の大改革を進めるに当たって、民間会社であれば、まず全員にコスト意識の徹底を図ります。むだ、無理、むらを省こうということです。そして、この冗費の節約の次は、当然売上増を図ります。行財政システム改革指針の財源の確保対策の中の地場産業の振興や、優良企業の誘致などにより税源の涵養を図るとありますが、行政の運営は税金でやっているのですから当然のことであります。さらに、民間会社の場合、それでも売り上げの減を補えない場合、新しい分野を開拓しようと試みます。この際、岩手県ではエネルギーや環境問題、資源リサイクルの分野に経営感覚を持って、思い切って真っ向から立ち向かうべきではないでしょうか。
 例えば、企業局には優秀な人材がそろっており、こうした部門などを窓口にして、県民のニーズにこたえる新規事業を起こすべき時期と考えます、いかがでしょうか。県民の税金を集め、これを県民の生活向上に使い、働いてもらい、楽しんでもらい、もうけてもらい、その中からまた税金を回収する。まさにリサイクルでありますが、この回転する原資をふやすために、職員全体がコスト意識を持ちつつ、ふだんの業務に当たるべきと考えますが、このコスト意識の醸成をどのように図っていこうとされるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、岩手県の第2の空港としての三陸沿岸空港設置について伺います。
 平成10年度から花巻空港の滑走路が2、500メートル延長整備事業に着手できますことは、増田知事を初め、県当局、そして議会挙げての熱意ある陳情活動のたまものであり、ともに喜びたいと思います。これが完成いたしますと、定員500名のボーイング747などの大型機の就航が可能となり、海外直行可能範囲もホノルル、ロサンゼルスなどに拡大し、花巻空港を拠点として、国内外とを結ぶネットワークが拡充されることになります。いよいよ我が岩手からも本格的に世界に雄飛する体制が整ってくるわけであり、一日も早い完成を待ちたいと思います。
 さて、懸案でありました花巻空港に目途の立った今、岩手の将来を考え、ここに岩手県の第2の空港として三陸沿岸空港の設置を提唱いたします。三陸沿岸の三は、太陽のSUNだという人があります。上る朝日は太平洋からまず真っ先に三陸沿岸に光を与えるのでありますが、しかし、文明の光は我が国の中で最もおそく当てられたのであり、岩手のチベットという別称は、ついこの間まで我が宮古広域圏の特定のある地域を指してのものでありました。6年前に、現在の橋本龍太郎総理大臣が、宮古まで選挙の応援のためにおいでいただいたことがあります。宮古市民文化会館に午後1時半に着くために、朝の8時に東京の自宅を出られ、新幹線で盛岡まで、そして迎えの車に乗って車中でおにぎりの昼食をとり、市民会館で1時間半の講演会に出席をし、トンボ返りにて車で盛岡へ、新幹線で東京へ、そして自宅に着いたのが夜の9時半、つまり橋本龍太郎総理は、宮古まで1時間半の講演会に出席するために、12時間かけて東京-宮古間を往復したことになります。後で当選後に、御礼のために上京した市長に、いやあ、日本で東京から一番遠いのは宮古ですね、と笑いながら話していたと伺いました。これが宮古を中心とする三陸沿岸の現状であります。つまり、いかに高速交通体系から取り残されているかの証左であります。今や東北各県の中にも、1県2空港の体制を確立したところとして、山形県の庄内空港がありますし、秋田県の大館能代空港もこの新年度に開港と聞いております。山形県の庄内空港は、昭和47年3月、設立運動の母体ができて活動を始めてから、実に19年7カ月かかって平成3年の10月に開港したと聞きました。庄内空港も大館能代空港も、いずれも滑走路2、000メートルの第三種空港であります。
 したがって、花巻空港を補完する意味を持つ岩手県の第2の空港は、当然2、000メートルの滑走路を持つ第三種空港を目指すべきであります。国においての現在までの地方空港整備はすべて請願型空港整備で、国に対して空港整備を請願し、整備されなかった地方空港はなかったようであります。しかし、今後は基本的な旅客需要があることは必要であるが、地域においてなぜ空港がほしいのかを明確にしておくことが重要と伺ったところであります。また、複数路線の開設、1路線年間11万人以上が整備の基本条件であること、各種のプロジェクトを具体的に推進し、その結果として空港整備が必要であるとの論理に立つこと、そして、何よりも空港を整備する地元の熱意が最も重要であるとも伺ったところであります。
 秋田県の大館能代空港の地元、鷹巣町では、2万3、000人の住民が全国に散らばる町出身者や町の企業の取引先などにダイレクトメールを送り、約8万人の署名を集めるなど、県北18市町村の住民数を上回る34万人の署名簿を運輸省に提出し、さらに、同盟会では航空会社の不安を取り除くために、一口2万円、抽選で一番機への搭乗券が当たる特典がついたフライト預金を設立し、何とわずか1カ月の間に73億円を集めたそうであります。また、地元住民からの反対運動は全く起きなかったということで、同盟会のある町長は、秋田県北には林業や鉱業など豊富な天然資源があったため、一体となって物事に当たるということがなかった。しかし、円高不況、過疎化の進行などで各市町村とも存亡の危機に立ち、空港誘致を機として、有史以来初めて一丸となれたと新聞紙上で語っていました。この町長の言葉の秋田県北を三陸沿岸に、林業や鉱業を水産資源に置き換えれば、そのまま三陸沿岸の現状であります。花巻空港と十和田八幡平国立公園をセットに、三陸沿岸空港と陸中海岸国立公園をセットにし、相互に補完しあえば、一つの県に二つの国立公園を有する本県の特色をさらに活用することもでき、新たな観光ルートの開発になり得るものと思います。さらには、羽田、関西空港との路線が開設されれば、首都圏、近畿圏のみならず、全国主要都市、世界主要都市とのネットワークが形成されることになります。また、三陸の海産物の輸送にも新たな展望が開けるものと思います。以上の理由から、岩手県の第2の空港は、当然、三陸沿岸の中心部にサンライズエアポートとして設置し、北上山脈以東にいまだかつてない県政の大きな光を当ててほしいと願うものでありますが、県当局の将来を見通したお考えをお伺いいたします。
 次に、消防防災対策について伺います。
 宮古地方の浜辺は、昨年の暮れ、久しぶりのアワビの大漁、ウニの大漁、そして正月魚でもありますナメタカレイの大漁で活気を取り戻した感がありましたが、このことは喜んでばかりおられないことでもありました。浜辺の古老たちの間では、過去の大きな津波のあった年も、アワビ、ウニ、そしてナメタカレイが大漁だったという言い伝えがあると聞いたからであります。つまり、海の深いところに何らかの異常があって、それを敏感に察したこれらの魚介類が浅いところに移動してくるので大漁になるのだということであります。そういえば、船舶に住みついているネズミについても何かそのような話を聞いたときがあります。迷信と言ってしまえばそれまでですが、いずれ三陸沿岸はある周期ごとに大きな津波に襲われていることでもあり、用心するにこしたことはありません。
 また、本年は、宮古・下閉伊地方に大きな被害をもたらしたアイオン台風からちょうど50年目の節目に当たります。このような中、阪神淡路大震災から3年目の本年1月17日、岩手県と宮古市の共催により、1・17合同防災訓練が宮古市を会場に実施されました。岩手県、宮古市、青森県、そして秋田県を初め51の機関から、当初見込み2、500人、最終合計3、600人の参加のもと、午前8時から12時までの大変に大規模な訓練でありました。訓練に参加された皆様と関係者の方々の御労苦に対し、心から敬意を表し感謝を申し上げるものであります。今回の訓練を訓練のための訓練にしないために、参加した住民の声、消防関係者の声などを含めて質問いたします。
 危機管理システムという本の中に、阪神大震災のような未曾有の天災に襲われたときには、人命救助、消火活動、避難誘導、緊急治療、緊急輸送の五つのシステムが重要である。そして、この五つのシステムはいずれも、ほとんどの場合道路を利用して行われる。したがって、これを円滑に機能させるには、通信システムが不可欠であると書いてあります。
 そこでお伺いをいたします。
 一つ、通信による指揮命令系統の確立が何よりも肝心と思います。そして、この訓練はふだんでもできるのではないでしょうか。
 一つ、防災無線で出した命令、指示の効果を確認できるシステムを考えておくべきではないですか。
   〔副議長退席、議長着席〕
 一つ、災害発生現場までの道路と、そこから避難、搬送するための道路の安全確保は、だれが把握し、どの時点で指示命令を出すのでしょうか。
 一つ、県内、県北の沿岸部には、ラジオ、テレビの難視聴地域がいまだ数多く存在しています。災害情報をいち早く知ることは、住民にとって不安を取り除き、次の行動を早く行う大切な部分と思います。防災という観点からもラジオ、テレビの難視聴地域の解消を進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、河川整備について伺います。
 前段でも触れましたが、本年は、宮古・下閉伊地域に大きな被害をもたらしたアイオン台風から50周年に当たります。水を治めるものは国を治めるということわざがありますから、治にいて乱を忘れずの心で、県当局の水防体制については怠りないものと存じますが、盛岡に来る途中でいつも見る閉伊川と津軽石川を見ていて不安に思うことがあります。それは、相当量の土砂が堆積をしているということであります。現在の渇水期ですと、2メートル以上もの土砂が水面からうずたかく堆積しているところも見られます。川の本来持っている、大水が出ても飲み込めるという役割を著しく阻害しているのではないかと思うからであります。そして、堆積した土砂の上には、樹齢二、三十年くらいの松や柳や、その他の樹木が繁茂しております。
 昨年の10月に、川井村の106号で追い越しをかけた車が対向車線上で正面衝突をし、片方が死亡し、片方が重傷という事故がありました。無理な追い越しに原因があったとはいえ、樹木の伐採などを適宜に行い、前方視界が確保できていれば、あるいは避けられたかもしれません。このことを宮古地方振興局にたびたびお願いをしておりましたところ、昨年12月、障害物除去の委託工事ということで、宮古管内の7カ所の地点の樹木伐採工事を600万円で発注していただきました。3月までには、これら7地区の道路視界はかなり改良されることになると思いますが、106号全域がこれで終わることではありませんので、お礼を申し上げながら、今後もどうぞ継続してやっていただきますようお願いを申し上げておきたいと存じます。
 ところで、初めて河川敷内に繁茂している樹木を障害物と認めていただいたわけで、この意義は大変大きいと思っております。だとするならば、私が以前から申し上げておりますように、河川敷内に長年の間に堆積した土砂も当然、河川本来の役割を阻害する障害物でありますから、どうぞ積極的に除去していただきたいと思います。
 そこで、ひとつ提案をいたします。
 かつて、御所ダムを建設する際に、御所ダム周辺地域の環境整備と保全を目的として設立された社団法人御所湖開発協会では、将来湖底に沈んでしまう河川敷から砂利、砂を採取し、砂利業協同組合に売却して、その代金約10億円を協会の目的達成のため、湖岸整備事業などの財源に充てたという、大変にすばらしいモデル事業ともいうべき経験を持っているわけであります。木曽三川と言われる岐阜県の木曽川、長良川、揖斐川、これはいずれも一級河川で国の管理する河川でありますが、この御所ダム方式とも言えるやり方で積極的に砂利を採取し、その採取料で護岸工事や河川敷の整備を進めているということであります。また、土地改良事業や圃場整備事業にもこのやり方を採用し、農家には自己負担がほとんどなくて済むと大変喜ばれているということであります。この際、岩手県で管理する二級河川にも、この方式を採用すべきと思いますがいかがでしょうか。
 堆積している砂利、砂、土砂を岩手県の天与の財産と考え、採取料を納入させた上で堆積土砂を処分していく。そして、そのことによって河川本来の役割を維持し、入ってきたお金で護岸工事や河川敷の整備を進める。一挙両得と思いますが、いかがでしょうか。当局の見解をお示しいただきたいと存じます。
 また、このごろでは、国においても河川に対する考え方が大分変わってきたように思います。治水という面のみが強調されていたのが、水に親しむ親水空間づくりという視点が盛り込まれてきているのではないでしょうか。護岸ブロック一つとっても、確実に変わってきたと思います。今までのっぺらぼうだった護岸ブロックが、今では緑化ブロックということで、雑草や草花が住みつけるような、あるいは水中にあっては螢やトンボの幼虫が住めるような環境に優しい配慮をしたブロックに変わっているようであります。本県において、この緑化ブロックを採用したのは、今までに何カ所あって、どこの河川に利用したか、そして、その効果はどう見ているかお伺いをいたします。
 また、魚に優しい溪流づくりのように、淡水魚に対する配慮、堰堤などにおける魚道の見直しなど、今後の県当局の河川の整備に対する考え方についてもお伺いをいたします。
 また、平成8年度から始めた津軽石川の河川環境管理基本計画が策定されたと聞いておりますが、その主な内容はどのようなものなのでしょうか。また、今後、県はこれを河川行政にどのように生かしていくのかお伺いをいたします。
 次に、大豆及び小麦の生産振興についてお伺いいたします。
 この件につきましては、昨年の2月議会においても質問させていただき、そのときにも申し上げましたが、御承知のとおり、農産物の輸入がふえつつありますが、中でも平成7年度で国内産が総消費量の2%、食用に供されているものでも15%という大豆、そして国内受給率9%という小麦でありますが、私は我が国の食糧確保を考えていく上で、その異常に低い数値が非常に気がかりなわけであります。これらの作物は世界のメジャークロップ、すなわち国際的な主要食料でありますが、我が国では残念ながらマイナークロップと言われる位置づけに置かれているのが実情であります。こうした背景には、諸外国の大規模な機械化栽培や低労賃などによる国内外の価格差があり、小規模経営の多い我が国は厳しい状況に置かれていることは理解できるわけでありますが、近年、遊休農地、耕作放棄地が増加しており、また、来年度から国内産米の在庫量縮減のため、緊急生産調整推進対策が行われることと決定した現在、そうした農地の有効活用のため、大豆や小麦などの作付拡大を積極的に推進すべきと考えるものであります。
 幸い本県は、大豆生産の歴史は古く、小麦も南部小麦など、全国的にも評価の高い品種があり、生産拡大の下地は整っていると考えております。平成10年度予算にも水田における麦、大豆生産振興等関連経費が計上されておりますが、県は大豆及び小麦の生産振興のため、転作田への作付拡大対策をどのように進めていく考えか、栽培技術的には問題はないものかどうか伺います。
 また、大豆や小麦は、納豆や豆腐、みそ、そしてパンやめん類などに加工されて消費者に届くわけでありますが、生産者や加工業者の所得向上のため、こうした加工に際して、より付加価値を高めることが重要と考えますが、そのための方策をどのようにお考えか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、宮古市立はまゆり養護学校の小・中学部の県立移管及び高等部設置について伺います。
 現在、県内には公立の養護学校は14本分校ありますが、この中で唯一、はまゆり養護学校だけが宮古市の経営となっております。また、高等部の設置もなかったことから、宮古市、釜石市など、2市4町4村で構成する一部事務組合を中心に、長い間、県当局に対し小・中学部の県立化と高等部設置を陳情してきた経緯がございました。このたび、増田知事を初め、教育委員会の御理解と御英断をいただき、一挙に小・中学部の県立化と高等部設置を決定していただき、新年度予算に調査設計費を計上いただいたことは、地元関係者や父兄にとって大きな喜びとするところであり、深く感謝申し上げるものであります。
 そこでこの際、教育長にお伺いをいたしますが、はまゆり養護学校の県立移管及び高等部設置の計画について、詳しくお知らせをいただきたいと存じます。
 また、いろいろな経緯経過で、県立化、高等部設置がこの時期になったことは仕方のないことだと思っておりますが、マラソンの最終ランナーは一番拍手声援が多いということもあります。県立はまゆり養護学校になった暁には、今までの養護学校にはない新しい試みや企画あるいは運営について、何かお考えがあったらあわせてお教えをいただきたいと存じます。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 伊藤勢至議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、行財政改革に当たり、この岩手丸の船長として、乗組員の士気をどのように高めるのかというお尋ねについてでございますが、私は、まず人を動かすのはビジョン、すなわち将来像であり、明確なビジョンなき改革は失敗に終わるものと、このように考えております。このため、21世紀の本県のあるべき姿といたしまして、私は、ドリームランド岩手の創造を県民の皆様方に提案をし、それを具体化するための戦略を逐次明らかにしてきているところでございます。
 また、そのビジョンが目指している方向とそれを具体化するためには、生活者主権、地域主権の視点に立った行財政改革を推進し、新しい時代に則した機動性と効率性を兼ね備えたシステムを再構築していく必要があると考えておりまして、職員に対しましては、このことについて、職員への訓示や部局長、課長を対象に行う研修、あるいは若手職員との対話などの機会をとらえて浸透を図ってまいりました。さらに、行動を伴わないビジョンは単なる夢に過ぎないと、このように考えております。船長みずからが先頭に立って、率先垂範、行動することがぜひとも必要であると、このように考えております。これからも私自身が先頭に立って現場に出向き、しっかりとそのかじ取りを行っていくとともに、職員提案制度や職場活性化実践運動など、職員の意識と職場の機運盛り上げに努め、職員一人一人が行財政システム改革の必要性を十分に認識し、日々の仕事の中で実践に移していくように、その条件整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、企業局等を窓口にした新規事業への取り組みについてでございますが、県行政の推進に当たって、経済性を発揮しながら県民福祉の向上に資する分野につきましては、地方公営企業制度を適用して、現在、病院等事業、電気事業、工業用水道事業に取り組んでいるところでございます。
 近年、人々の価値観や生活様式が大きく変わりつつある中で、環境を価値観の中心にとらえ、積極的に新エネルギーの導入やリサイクルの推進を図っていくことが求められておりまして、企業局におきましても、新規事業への取り組みとして、廃棄物発電などの新エネルギーの事業化の可能性などについて、調査、検討を進めているところでございます。
 現在、国、地方を通じて行財政改革が進められる中で、本県におきましても、行政と民間の分担すべき役割について見直しを進めておりまして、また、経済構造改革を推進する観点から規制緩和が進展するなど、地方公営企業を取り巻く環境は大きく変化をしてきているところでございます。
 企業局等による新たな事業の創出につきましては、このような動向を踏まえ、民間企業との役割分担なども考慮しながら、県民の福祉を増進するため、適正な受益者負担のもと、住民の日常生活に必要なサービスを提供するという地方公営企業の役割が発揮できるよう、今後とも、鋭意、検討してまいりたいと考えております。
 次に、行政改革を進めるに当たっての職員のコスト意識の醸成についてでございます。
 本県におきましては、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないという、この地方自治運営の基本原則にのっとりまして、これまでも財政運営の健全化と効率的な行政運営に努めてきたところでございます。私は、事務事業の執行に当たりましては、その費用が県民の税金によって賄われていることを職員一人一人がさらに一層強く意識をするとともに、常に費用対効果を考え、不断に行政効率、効果等を十分吟味してむだを省き、積極的に経費の節減に努めていかなければならないと考えております。そのため、事務事業評価システムの導入や公共工事コスト縮減対策岩手県行動計画の策定などによりましてコスト縮減に取り組みますとともに、職員研修において民間の発想、手法を学ばせる一方、職場活性化実践運動や職員広報誌などを通じてコスト意識の啓発を図り、職員一人一人に対し、常にコスト意識を持って仕事を進める一層の意識改革を促しているところでございます。
 また、新たに平成10年度におきましては、外部からの行政運営調査診断を通じて、本県の行政運営全般について、第三者の視点によりましてコスト面からもメスを入れるとともに、研修の一環として職員を民間企業へ派遣し、直にその現場を体験させ感覚を磨くこととしているところでございます。今後におきましても、職員のコスト意識の醸成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願い申し上げます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、沿岸地域への新たな空港の設置についてでありますが、議員御指摘のとおり、今後、この地域に残る高速交通空白地域の解消を図っていく上では航空は有力な手段の一つになり得るものと考えられることから、県におきましては、平成5年度から6年度にかけまして、沿岸地域の全域を対象に2、000メートル滑走路を有する新空港の立地の可能性について調査を実施いたしました。その結果、少なくとも現在の国の制度や技術水準を前提とする限り、地形などの自然条件と航空需要上の要件の双方を満たし、現在の第7次空港整備7カ年計画に続く第8次の計画のもとで、2、000メートル級空港の新設を目指すことが可能な適地は見出し得ないとの結論を得るに至ったものであります。このため、平成8年3月に策定した岩手県総合交通体系基本計画におきましては、当面は東北新幹線盛岡以北や三陸縦貫自動車道などの整備の進展や航空需要の動向などを十分に踏まえながら、将来における沿岸地域へのコミューター航空の導入可能性について総合的な調査研究を行っていく方針を盛り込んだところであり、今後、県といたしましては、昨年末に本県初の都市間コミューター路線として開設されました花巻新潟線の運航を通じて、コミューター航空の運営に関するさまざまなノウハウの蓄積をも図りつつ、長期的な観点から調査研究を続けてまいりたいと考えております。
 次に、ラジオ、テレビの難視聴地域の解消についてでありますが、ラジオ、テレビは、県民文化の向上や産業経済活動の活性化はもとより、津波情報を初めとする防災対策の上からも重要な情報媒体の一つであると考えております。ラジオ、テレビ放送の受信改善は、基本的には放送事業者の責務において行うものでありますが、地形的な特性などから、放送事業者の努力だけでは整備が進まない地域につきましては、県単独の補助制度や国庫補助事業である電気通信格差是正事業を活用しながら、市町村、放送事業者と連携してその改善に努めているところであります。
 最近における県内の難視聴地域の解消状況についてでありますが、テレビにつきましては、平成9年度は27市町村、43カ所において改善が図られますとともに、平成10年度予算案におきましては、27市町村、37カ所を対象に2億5、000万円余の補助金を計上しているところであります。また、ラジオにつきましては、平成8年度、9年度におきまして、国庫補助事業や地域活性化事業調整費を活用しまして、岩泉地区及び気仙地区における受信改善を図ったところであります。
 県といたしましては、情報通信媒体の高度化、多様化が進む中で、県民に最も身近な情報媒体の一つであるラジオ、テレビについて、今後とも引き続き放送事業者に対し受信状況の改善を要請してまいりますとともに、市町村並びに放送事業者と連携して、難視聴地域の解消に努めてまいりたいと考えております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、災害応急対策のための通信訓練についてでありますが、災害時における応急対策活動を円滑かつ的確に実施するためには、発災直後の災害情報の収集、伝達や、応急対策活動の指示、要請等の通信情報連絡訓練は極めて重要なものであると認識しております。
 去る1月17日に宮古市において実施した合同防災訓練におきましても、災害によるいわゆる公衆回線の途絶を想定した通信情報連絡訓練を主眼の一つに置き、一連の合同訓練の中で、各関係機関と相互に連絡を取り合いながら一体的に実施したところであります。日ごろから、災害発生時における情報連絡体制を確保するための非常通信訓練、災害情報を伝達するための衛星車載局通信訓練等を実施しているところでありますが、今後におきましても、創意工夫を図りながら訓練を重ねてまいりたいと考えております。
 次に、防災無線による命令・指示の効果確認のシステムについてでありますが、災害応急対策活動を実施する上で、命令等の実施状況の把握は必要不可欠であります。市町村においては、例えば津波警報が発表された場合、避難等の指示・命令については防災行政無線で伝達することとしております。この無線設備は、発信に伴い伝達状況が把握できるものであり、また、消防団はこの指示等により住民避難等の確認を行うとともに、水門閉鎖についても完了後は指揮系統を通じ報告するシステムとなっておりますが、県におきましても、防災行政無線で出した避難の指示等が確実に実行され、住民や防災関係者の安全等が図られるよう、引き続き市町村等とともに努力してまいりたいと考えております。
 次に、災害時の道路の安全確保対策についてでありますが、知事及び市町村長は、災害時の優先的な交通の確保を目的とした緊急輸送道路をあらかじめ指定し、災害応急活動を迅速かつ効果的に実施することとしているところであります。災害発生時、道路管理者及び交通規制実施者はあらかじめ定めた情報連絡系統に基づき、相互に連絡調整をとりながら、交通混雑及び被害の状況を的確に把握することとしております。これに基づき、警察など交通規制実施者が、一般交通の安全と災害応急対策に必要な緊急輸送等を確保するための交通規制を、道路管理者が災害の態様と緊急度に応じ、道路上の障害物の除去等の応急復旧を適時実施するものであります。さらに、道路に埋設されている水道管の損傷につきましては、水道管理者である市町村長が、道路管理者と連携を取り合いながら応急復旧を実施することとしております。
 以上のようなシステムとなっておりますが、関係機関の連絡協調が何よりも重要であり、訓練等を通じその確保を図ってまいりたいと存じております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) 河川の整備についてでありますが、河川の整備は、洪水による災害から県民の生命、財産を守り、安全で快適な県民生活を実現するための根幹的な事業であると考えており、そのため県といたしましては、河川整備等の治水対策を重要な施策の一つとして位置づけ取り組んでいるところであります。
 お尋ねの河川に堆積した土砂等の除去についてでありますが、洪水時における河川の流下能力を確保するため、これまで県単独事業により河道掘削等を実施しているほか、さらに骨材として利用ができる箇所については、採取申請を許可して河積断面を確保してきたところであります。
 砂利採取については、県では平成7年に第6次砂利採取5カ年計画を策定し、この計画に基づいて自然環境にも配慮しながら、土砂等の堆積が著しく、流水を阻害している箇所から計画的に採取をするよう指導しているところであり、その採取料は河川管理の費用の一部に充てております。
 御提案のありました御所ダムの実例につきましては、大量の砂利等を短期間に公益法人が採取し、御所湖周辺の環境整備と保全に活用した事例であり、このような場合には有効な手法と考えております。
 また、木曽三川の事例については、特定砂利採取制度を適用して採取許可をしているものであり、これは砂利等の需給状況が逼迫している地域で、河川管理に支障を及ぼさないよう、申請者が護岸等の一連の対策工事をすることを条件に砂利採取をするものであります。
 本県が管理する河川においては、一連の対策工事費とこれに見合う採取可能数量等を考えると、この制度の適用は難しいものと考えておりますが、今後、申請が出された場合には、地域の状況を勘案し検討してまいりたいと考えております。
 次に、緑化ブロックについてでありますが、現在、河川改修に際しましては、自然環境や生態系に配慮した多自然型川づくりを基本理念として河川改修を進めているところであります。しかしながら、水当たりが強い箇所などでやむを得ずコンクリートブロックを使用しなければならない箇所では、河川景観や生態系に配慮する意味で緑化が可能なブロックなどを採用しており、その箇所はこれまで盛川や千厩川を初めとして41河川、46カ所で実施しているところであります。その効果については、採用した緑化ブロックの種類にもよりますが、施工後ほぼ1年ぐらいから在来種を中心とした植生が見られ、河川景観や動植物の生息・生育環境の確保に役立っているものと判断しております。
 今後は、よりよい川を目指して、なお一層コンクリートの見えない川づくりを進めてまいりたいと考えております。
 また、魚道についてでありますが、これまで河川事業を進める中で、落差工や取水堰堤等の河川横断工作物を築造する際には漁業協同組合などの関係機関と協議の上、必要な箇所においては魚の遡上に影響を与えないよう、魚道を設置してまいりました。しかしながら、魚道については、十分その効果が発揮されていないのではないかという指摘もあることから、県では平成8年度から10年度までの3カ年の予定で県の水産部局と連携し、内水面水産技術センター等とも協議しながら、気仙川などにおいて魚道の魚類遡上実態調査を実施しております。今後は、この成果を踏まえ、魚が上りやすい魚道の設置やその改善を図ってまいりたいと考えております。
 昨年の河川法の改正によって、従来からの目的である治水、利水に新たに河川環境の整備と保全が加えられましたことから、今後とも、河川法改正の趣旨に沿って、洪水防御とともに河川が本来持つ自然環境や生態系にも配慮した川づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、津軽石川の河川環境管理基本計画についてでありますが、本県におきましては、良好な河川環境の整備と保全の指針となる河川環境管理基本計画の策定を平成2年度から各2級水系ごとに進め、平成8年度までに閉伊川を初めとした24水系を策定してまいりました。
 津軽石川水系につきましては、平成8年8月に地域の代表者や有識者から構成される協議会が発足され、3度にわたり開催して意見交換をし、地域の意見や要請を反映することに努めながら平成9年3月に策定したところであります。計画の内容としては、津軽石川の持つ豊かな自然環境や植生、水鳥さらにはサケなどが生息する生態系に着目し、本州最東端・南部鼻曲がり鮭が群れのぼる・清らかな流れ・ふるさとの川を基本テーマに、極力自然を生かした自然利用ゾーンをほぼ全川に位置づけ、また、毎年河川敷でサケ祭り等が行われている稲荷橋付近は高水敷を憩いの場として活用していくための整備ゾーンとする計画となっております。
 今後とも、河川管理を初め、現在進めている津軽石川三陸高潮対策事業や河川改修においてもこの基本計画の趣旨を生かし、良好な河川環境の整備や保全に努めてまいりたいと考えております。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) 大豆及び小麦の生産振興についてでありますが、御指摘のとおり、これらの穀物は国民の主要な食料として米に次いで重要であり、国内において一定の生産量を確保すべきものと考えており、殊にも本県では消費者の安全志向の高まりを背景に、県産大豆のよせ豆腐やナンブコムギのうどん、パンなどの差別化商品の原料として、県内の加工業者や製粉会社から県内産の需要が高まってきておりますので、こうした要請にこたえるためにも、平成10年度からの生産調整面積の大幅な拡大を契機として、大豆や小麦の振興に一層力を入れていくことが必要であると考えております。このため、県といたしましては、これまでも試験研究機関の研究成果を活用し、新品種の導入や安定多収技術の普及などの技術対策を初め、コンバインや乾燥・調製施設などの導入により生産性の向上に努めてまいりましたが、来年度から生産調整対策の一環として、新たに実施される水田麦、大豆等生産振興緊急対策事業を効果的に活用して、団地化や農作業受委託など、地域ぐるみによる効率的な取り組みを支援し、転作営農の定着化を図ってまいりたいと考えております。
 また、新たな転作田への作付に当たりましては、排水対策や土壤改良など圃場条件の整備のほか、栽培管理技術の徹底が重要でありますので、これらを内容とする転作作物技術マニュアルを農業改良普及センター等に配布し、その指導強化をしているところであり、さらには、今後2カ年にわたり各普及センターごとにモデル地区や実証圃を設置し、営農技術の速やかな普及定着に努めてまいりたいと考えております。
 大豆や小麦の振興を図っていくためには、生産対策のみならず、付加価値を高めて農家所得の向上に結びつけていくことが重要でありますが、近年、藤沢町の深萱の昔どうふや北上市西部開発農産のひまわりみそなど、生産者みずからが加工品を製造販売する事例が出てきておりますので、県の農産物加工指導センターの利用などを通じて、このような活動をさらに支援してまいる考えであります。
 また、現在、県としては、東北農業試験場の協力を得ながら、農業研究センターや工業技術センター、さらには食品製造業界などとの連携のもとに、県産原料を使用したパン、めん類、豆腐等を試作し、その品質を評価しながら新たな商品開発を進めており、今後とも、こうした取り組みをより一層充実強化してまいりたいと考えております。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) 宮古市立はまゆり養護学校の県立移管及び高等部設置についてでありますが、県立養護学校については、全県的見地から計画的な整備を進めてきたところでありますが、はまゆり養護学校については、このたびようやく平成13年度を目途に県移管するとともに、新たに高等部を設置することとしたところであります。その整備計画は、平成10年度に建築設計を行い、11年度には建築着工し、12年度中に竣工する予定であります。
 その整備内容は、狭隘な現在の校地や施設を有効に活用するため、老朽化が進んでいる特別教室棟の改築にあわせて高等部校舎の新築を行うほか、既存の養護学校等を参考にして地域の特色を生かせるような整備をしてまいりたいと考えております。特に、教育活動の面では、小学部から高等部までの一貫した教育を通じて、あの地域の豊かな自然や産業を生かした学習活動等を工夫するとともに、近隣の小中学校との交流や福祉施設との連携などにより、将来の社会参加や自立を促す特色ある学校づくりを推進したいと考えております。
〇16番(伊藤勢至君) るる御答弁をちょうだいいたしましてありがとうございました。岩手県の第2空港という部分について、1点のみ再質問させていただきたいと思います。
 今、部長からは、平成5年、6年で沿岸の空港立地可能なところがあるかどうかを調査したけれども、そのようなところが見当たらなかったので断念をしたようなお話に伺いました。私ども、今そういう運動をしております連中の中には、運輸省関係の方々あるいは現在の航空会社の方々からいろいろ指導をいただいて、こういう場所ならこういうふうにいけると、相当強い、確度の高い部分をちょうだいして、指導をいただきながら運動をしているやに聞いております。したがいまして、私、そういうふうな感覚から伺いますと、ないのではなくて気がつかなかったのではないか。ないがためにコミューターの方の勉強をしていくんだと、こういうお考えなのであれば、私たちの運動の中でこういう場所がこういうふうに確保できますよという御提言を申し上げれば、ああ、そうかそうか、では、1回戻してやろうかと、こういうふうになっていただけるのかなと今思った次第であります。
 今、岩手県総合交通体系基本計画という部分を見ますと、沿岸部における2、000メートル滑走路を有する新空港の立地可能性については、少なくとも現行の国の制度を前提とする限り、航空需要の面から第8次空港整備5カ年計画、初年度2001年に組み入れて2010年までに開港することは困難と考えられると。したがって、当面はコミューターの部分を研究していくのだと、このように読み取るわけでございますが、この第8次に入るとか入らないとかそういったことに関係なく、どうしても第2の空港として岩手県の広さを考えます場合に、あと一つはあっていいのだと。それが沿岸であってもいいのではないかと、こういう実は質問をしたわけでありますが、そういった中で今部長の御答弁は、るる検討したけれども見えなかったのでコミューターの方でやっていこうと、このように伺いました。私は、もう少し沿岸の部分を精査して見ていただく必要があるのではないのかと。あるいは私どもが勉強している部分も御提示を申し上げて、これは岩手県の100年の大計に立つものだと思っておりますので、ここ3年、5年の部分の議論で将来を誤ることがあってはいけないと、このように思うからでございます。
 今、私が発言をしておりますこの16番の議席は、かつて佐藤一男議員の議席でございました。佐藤一男議員は、壇上から、22世紀の岩手県のビジョンを示せと、こういう発言をした経緯もあるわけでございまして、今、私の背後霊に佐藤一男議員がついているような気がしておりますから、これは100年の大計でお伺いをしたいと思うんですが、その3年、5年の部分ではなくて、あるいはコミューター航空を先に研究するのではなくて、やはり第2の空港としては2、000メートルの空港を頭に置いて、それがどうしても条件的、整備的あるいは金額的にだめだと、こういったときに、それならその時点でコミューターに戻ろうかと、こういう議論があっていいのではないかと思うんです。やはり最初から沿岸の第2空港、岩手県の第2空港というのは2、000メートルの規模を持つ第3種空港と、こういった部分でもう一度言っていただきたいと思うんですが、もう一部御答弁を、その辺についてお伺いをしたいと思います。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) ただいま、相当、将来を見据えた空港の立地可能性の調査を行っていってもいいのではないかという御質問がございました。2、000メートル級の新空港の設置可能性につきましては先ほど申し上げましたが、現行の空港整備法に基づく基準のもとでは極めて難しいというふうに判断されるものでございます。そういった中で、現在の岩手県総合交通体系基本計画の目標年次、これ2010年でございますけれども、こういった期間の計画を定めたわけでございますが、ただいま議員御指摘ございましたように、こういった期間以降も見据えたさらに長期の視点というふうに今御指摘ございましたが、こういった観点に立ちますと、先ほどの空港整備法につきましても、現在、第1種、第2種、第3種の仕分けが行われておりますが、こういった見直しが将来出てくるかもしれませんし、潜在的な航空需要というものも高速交通体系の整備によりまして増大してくる、あるいは技術開発の進展によって航空の要件の緩和というものが出てくる可能性もございます。したがいまして、県といたしましては、高速交通空白地域の解消に向けまして、より長期的な観点に立つならば、コミューター航空に対応する場合も含め、より幅広い立地可能性についても将来的には調査研究していく必要が出てくるのかというふうな気持ちも持ってございます。したがいまして、私どもも先ほど申し上げましたように、地方空港をめぐるさまざまな環境変化というものが、るるこれは今後想定されますことから、これらに常に留意しまして、県として最も適切な対応ができるよう、高速交通空白地域の解消に向けまして、今後とも精いっぱい努力してまいりたいというふうに考えております。
〇16番(伊藤勢至君) やりとりをする気はありません。ただ、ひとつお間違えをいただきたくないのは、22世紀だからといって100年後のと言ったつもりではありません。つながりとしてそこまでいくのならいいんだ。ただ、今やるのがはなからコミューターではいけないんじゃないか。2、000メートルも含んで研究をしていただきたいということを申し上げて終わります。
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時35分 散 会

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