平成10年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇13番(大久保豊君) 政和会の大久保豊でございます。
 本議会におきまして質問の機会をいただき、同僚、先輩議員の皆様方に心より感謝申し上げますとともに、質問に先立ちまして、去る8月25日御逝去されました工藤巌前岩手県知事のあまたの御功績に対し改めて感謝を申し上げ、心から御冥福をお祈りいたします。
 また、8月末から9月1日にかけての大雨による災害、9月3日の雫石町で発生した地震災害、さらには、9月16日に本土を北上した台風5号によりましてそれぞれ被害を受けられました方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従い、地域課題を含めて質問させていただきます。
 まず最初に、県政懇談会などの意見の反映状況についてお伺いします。
 増田知事におかれましては、就任以来3年余を過ぎ、その行動力には心から敬意を表する次第であります。知事は、県民の声を県政に反映すべく、県政懇談会を初め、地域デザイン会議などを開催されているわけですが、今まで相当数の県民の方々と懇談し、意見をお伺いしたと思われます。前回もお伺いしましたが、その後、その意見等をどのように集約し、どのように処理、反映させたのか具体的にお知らせ願います。
 また、県内、国内はもとより、海外訪問もブラジル岩手県人会創立40周年記念式典や県民の翼等、就任以来9回を数えているわけですが、これらの訪問を通じて県政運営において参考になった点など、知事の所感を含めてお示し願います。
 次に、市町村の統一要望に対する県の対応についてお伺いします。
 知事は、平成10年度から市町村自治体の統一要望を各振興局で対応する仕組みに切りかえ、要望を受けたわけですが、結果として、市町村側は従来どおり要望団を組んでの県庁もうでが絶えなく、各振興局の重要性を重んじることは評価しますが、各自治体は二度手間をするわけで、私は、それを回避するためには、各部局長も知事と同行し、各振興局で要望を受けた方がよいと思いますが、知事の御所見を賜ります。
 次に、県立大学における大学院の設置についてお伺いします。
 県立大学は、県民待望のもとに、21世紀に向けた創造的な学術研究の殿堂として本年4月に開学し、その後の活発な活動の様子については新聞報道等を通じて広く県民の知るところとなっており、まことに喜ばしい限りであります。また、新進気鋭の教授陣と勉学への希望に燃えた第1期生を迎え、全国に誇るすばらしい環境の中で、地域に根差した教育研究活動が展開されていることは、人づくりを県政の施策運営の重要な柱と位置づけている本県としては、将来の発展に向けた礎になるものと大いに期待するものであります。
 先般、県立大学の西澤学長から知事に対して大学院設置の方針について説明を行い、知事の了解を得たと伺っております。本年4月に開学したばかりで、その感激や興奮もさめやらぬうちにさらなる教育研究水準の向上を目指して大学院の早期設置に取り組まれるということを伺い、西澤学長を初め、県立大学の諸先生方の教育研究に対する熱意に心から敬意を表するとともに、全国に誇り得るすばらしい内容の大学院が設置できますよう、県民とともに熱い期待を寄せているところであります。
 そこで伺いますが、県立大学では早ければ平成12年度の大学院の設置を目指して具体的な検討を開始する計画と伺っておりますが、どのような大学院を設置しようとしているのか、その基本的な考え方と今後の進め方について知事の御所見を賜ります。
 次に、全国マルチメディア祭についてお伺いします。
 去る9月4日から6日までの3日間、イーハトーブ・ハーモニーをテーマに本県で開催された全国マルチメディア祭は、8月末の大雨・洪水により北上川流域を会場に予定していた北上川ガバナーズシップが中止になるなど、一部のプログラムの変更を余儀なくされたものの、小岩井農場での地域情報化フォーラムなどが開催され、盛況のうちに幕を閉じたと伺っております。申し上げるまでもなく、広大な県土を有する本県においては、県土の基盤整備を進めるとともに、本県の地域特性を生かした地域情報化を積極的に進めることが住民福祉の向上と地域の活性化にとって重要な課題となっております。私は、このような中で開催された今回のマルチメディア祭は、市町村や地域の企業等はもとより、県民一人一人が地域情報化の意義や必要性について理解を深める上で格好の機会となったものと考えるものであります。
 そこで伺いますが、県は、今回、本県で開催された全国マルチメディア祭の成果をどのようにとらえ、その成果を今後の地域情報化の推進にどのように反映させていかれるおつもりなのかお示し願います。
 次に、産業廃棄物処理施設の建設についてお伺いします。
 県北地域では、二戸地区拠点工業団地、久慈地区工業団地、一戸インター工業団地、小規模ではありますが九戸インター工業団地を持っているわけですが、企業誘致は、県南に比較し、立地条件から見ますと大変不利な面もありましたが、平成13年に新幹線も開業予定と示されており、決して立地条件は悪いわけではございません。私は、誘致のためにぜひ必要なものは、水と道路網の整備であると思います。そして、今、一番の条件はごみ処理問題です。県北地域から江刺市まで運搬するのは、費用、時間等から考えても大変なことだと思います。
 そこでお伺いしますが、産業廃棄物の最終処分場江刺市のいわてクリーンセンターの県北版をぜひ建設してほしいと考えるものでありますが、知事の御所見を承ります。
 次に、外資系企業の誘致についてお伺いします。
 国内製造業の生産機能が海外シフトし、また、国内企業と海外企業との合併、外国資本の国内への参入など企業活動の急速なグローバル化が進展している中で、本県の企業誘致も、これまでの企業誘致戦略に加え、新たな視点に立った企業誘致活動の展開が求められているものと考えております。このような中で、県では昨年12月、首都圏を中心とする外資系企業を対象とした企業立地説明会を開催し、38人の出席をみたと伺っております。知事みずからが先頭に立ち、本県の立地環境を積極的に説明するなど、その果敢なトップセールスは高く評価するところであります。さらに、去る9月3日、4日の両日には、外資系企業や対日投資関係機関を対象として、本県の投資環境を紹介する初の外資系企業-投資環境視察会inいわてを開催したとのことであります。外資系企業の誘致は、国内企業の誘致よりもなお一層の誘致努力、息の長い戦略が必要と思われますが、この視察会に参加した方々の反応あるいは岩手県に対する理解度など、この視察会の成果をどのように認識しておられるか、また、その成果を踏まえた今後の本県の外資系企業誘致の基本的な考え方をお知らせ願います。
 次に、産業技術短期大学校の今年度卒業生の就職状況についてお伺いします。
 バブル経済崩壊以降の長引く景気低迷の中で、失業率が4%を超える最悪の状況で推移しており、求人倍率も0・5倍を割り込み、就職が非常に困難な状況となっております。特にも、来春卒業予定の新規学卒者を対象とした求人が大幅に減少していると報じられ、相当数の就職浪人が出るのではないかと危惧されているところであります。本来であれば、夢と希望を持って社会に巣立つ若者にとって重要な人生の節目であり、何とか希望どおりの就職がかなうよう願ってやまないものであります。
 ところで、情報通信技術を初めとした技術革新の進展等に対応した専門的な知識と高度な技能をあわせ持つ実践技術者の養成を目的として、昨年4月に矢巾町に開校した県立産業技術短期大学校においても、来春第1回生が卒業する予定となっておりますが、その就職につきましては、同短期大学校の将来をも左右する事項であります。そこでお伺いいたしますが、同短期大学校卒業予定者の現時点における就職の状況はどのようになっているのかお示し願います。
 次に、農業問題についてお伺いします。
 まず、第1は、本県の基幹産業である農業の基本的な取り組みについてであります。
 東北農政局岩手統計事務所の発表によりますと、農業所得は米価の低落など、前年比6・8%減の114万円、3年連続減となった農業粗収益は前年比7・7%減の340万円となっております。本県の基幹産業である農業問題は、後継者問題を含め、抜本的な取り組みについて再考すべきではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 第2は、都市住民の農村移住についてであります。
 4省庁の都市住民意識調査によりますと、3大都市圏の住民の約40%が農山村地域へ移住したいと考えていることがこの7月に発表されました。このうち、本格的な定住を考えているのは56%、38%が週末居住などの半定住を望んでいるとのことであります。反面、農山村側は84%が都市住民の定住を希望しており、移住をめぐる都市と農山村の意識の差が判然となった次第であります。農山村への移住希望の回答者は、住宅など居住環境や保健、医療、福祉体制の充実を移住の条件に挙げているわけですが、このようなことから、国土庁過疎対策室では、都市住民は多様なライフスタイルを望んでいることから、半定住希望者も念頭に新しい施策を組んでいく必要があると話しているわけですが、中山間地域の活性化の観点から、県としてはこのような調査結果をどのように受けとめ、どのようにお考えなのか御所見をお伺いします。
 第3は、新しい農業基本法についてであります。
 新たな農業基本法の制定に向けて、このたび政府の諮問機関である食料・農業・農村基本問題調査会が最終答申を示したところでありますが、その中で、株式会社一般に農地取得を認めることは合意を得がたいと否定した上で、農業経営の規模拡大と多様な担い手の確保を図る観点から農業生産法人の一形態として認める方向を示したと承知しております。
 そもそも農地は農業生産活動の最も基礎となる資源であり、優良農地を確保していくことが極めて重要であります。また、中山間地の傾斜地や狭い土地であっても、農業生産には不向きな農地ほど国土の保全や緑の保全につながっていることも確かであります。このように、貴重な農地について、たとえ農業生産法人制度の枠内といえども株式会社に取得が認められることによって耕作放棄の増大や投機的な取得につながるおそれはないのか懸念されるものでありますが、このたびの株式会社の農地取得に関する答申の内容について、県としてどのように受けとめているのか御所見をお伺いします。
 第4は、債務超過農協に対する支援の状況についてであります。
 農協経営については全国的に深刻な状況にあることは御案内のとおりであります。本県においては、この6月議会において52億円余の公的資金を県内6農協の経営再建のために投入したわけですが、各単協の自助努力を含め、3年間で債務超過状態を解消することを前提に承認されました。
 そこで伺いますが、これら6農協のその後の自助努力の取り組み状況と、あわせて、各該当市町村の負担分はどうなっているのかお知らせ願います。
 第5は、担い手育成生産調整支援事業についてであります。
 生産調整の強化に対する県独自の取り組みとして、担い手育成生産調整支援事業が2億円の予算額でスタートしたわけですが、この事業については、稲作担い手への育成支援を含め、高く評価するものであります。
 そこで伺いますが、この事業はどの程度活用され、どのような取り組み内容となっているのかお示し願います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、今年の4月21日に発生した軽米町林野火災についてお伺いします。
 先般の林野火災は、折しも乾燥注意報と強風注意報が発令されている最中に発生し、その結果、被害森林面積142ヘクタール、被害額約2億2、000万円と、最近の林野火災としては、昨年の石鳥谷町、紫波町の林野火災に次ぐ大規模なものとなりました。しかし、国の財政援助が可能な局地激甚災害に該当しなかったことから、被災森林所有者の今後の林業経営や地域振興に与える悪影響が危惧されたところでありますが、県におかれましては、厳しい財政状況にもかかわらず速やかに補正予算を6月議会に提案され、県単独事業の創設とともに国庫補助事業を導入し、被害木の伐採整理などの復旧対策を講ずることとされました。このような県の迅速かつ適切な支援に対し、地元選出議員として被災森林所有者にかわり厚く御礼を申し上げる次第であります。おかげさまで現地では被害木伐採整理のための高性能林業機械がうなりを上げ、被災森林所有者の復旧に向けての意欲が感じ取られるところであり、一刻も早い復旧を願ってやまないところであります。
 そこでお伺いしますが、県では、被災森林所有者に対する意向調査の結果などを踏まえ、本年度は被害木の伐採整理等を中心に復旧対策を実施する予定と伺っておりますが、その進捗状況や今後の見通しについてお示し願います。
 次に、新幹線関連工事について伺います。
 おおむね平成13年開通が示されている新幹線の関連道路、種市ルート、久慈ルートにおきましては、二戸から軽米間の猿越峠の登坂車線、また、ノソウケ峠の改良工事に関しましては、県の積極的な対応について心より感謝申し上げる次第であります。その関連で、久慈ルート宮沢トンネル、折爪トンネルの長大トンネル建設が予定されているわけですが、その進捗状況についてお伺いします。
 また、こうした新幹線関連の道路工事が県内で着々と進む中、新幹線の本体工事の進捗状況はどうなっているのか、さらに、おおむね平成13年と示されている盛岡から八戸間の開業時期について、その見通しを含めお伺いします。
 次に、町道の県道昇格についてお伺いいたします。
 軽米町と青森県南郷村とを連結する幹線道路である軽米町道・参勤街道線及び観音林線は、産業と観光開発の重要な路線として地域開発に果たす役割が大きく、さらに、新幹線二戸駅開業により今後ますますその利用の増大が見込まれており、町道を県道に昇格してほしいという要望があります。
 そこで伺いますが、昇格する場合の諸条件をお示しいただきたいと存じます。また、この町道を県際道路として整備充実してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、建設省は、中山間地域の市町村にとって重要な生活道路の整備を支援する地域連携強化支援道路事業を拡充する方針を固めたと報じられておりますが、国の財政状況が厳しい中、中山間地域の生活道路の整備が後回しにならないために効果的に後押しするのがねらいとされているわけですが、県はどのように対処しようとしているのかお伺いします。
 次に、不登校の問題についてお伺いいたします。
 新聞等の報道によれば、平成9年度中にいわゆる不登校で年間30日以上欠席した子供たちは全国で10万人を超え、中学生は53人に1人、小学生は378人に1人の割合とのことであります。これは、文部省が昭和41年度から50日以上欠席の調査を、また、平成3年度から30日以上欠席の調査を開始して以来、昭和46年度、昭和47年度、昭和48年度を底にして、以降増加を続け、平成9年度は出現数、出現率とも最高になっております。本県にあっても、夕方は元気であすこそ学校に行くと言っているが、朝になると行けない子供、ずっと自分の部屋に閉じこもっている子供、また、学校には行かず町を遊び回っている子供など、さまざまな憂慮すべき状況があると聞き及んでいるところであります。学校は、本来楽しく遊び、友人と切磋琢磨する活気あふれる場であるべきものでありますが、こうした登校しない、登校できない子供たちの心を思うにつけ、寒心にたえないところであります。
 そこでお伺いしますが、本県の平成9年度の不登校の発生数はどうだったでしょうか、全国の状況と比較してお示しいただきたく存じます。また、どのような対応策を考えておられるのかあわせてお尋ねします。
 次に、県立高校再編成計画の策定について伺います。
 最近の新聞報道によりますと、社会の変化や少子化による生徒減少等に対応するため、今後の県立高等学校のあり方について昨年来検討を進めてきた県立高等学校長期構想検討委員会がこのたび教育長に対し最終報告を行ったところであります。その内容は、今後、総合学科高校を初めとする新しいタイプの高校を広域生活圏ごとに設置することや、中高一貫教育の実現方策の検討を求めるとともに、適正な学級数等についての考え方を示し、1学年2学級規模を満たさない本校及び入学者が定員の3分の1を下回る分校については、統廃合を含め、ブロック内での再編成の必要性等を示すなど、21世紀を担う子供たちはもちろんのこと、地域社会にも大きな影響を及ぼすものとなっており、県民が多大な関心を寄せているところであります。
 そこでお伺いしますが、県教育委員会では、基準を満たさない小規模な本校や分校の取り扱いを初め、この報告の内容をどのように受けとめて再編成計画の策定を進めようとしているのか教育長の御所見を賜ります。
 次に、平成11年度全国高等学校総合体育大会、いわゆる'99岩手総体について伺います。
 この大会は、全国から来県する選手、監督や競技役員、補助員を加えると6万人を超えるなど、国民体育大会をしのぐビッグイベントと伺っております。大会まで既に1年を切り、準備も進まれていると思いますが、北上陸上競技場で行われる総合開会式の準備状況と輸送対策、約4万人に及ぶ選手、監督や大会役員等の宿泊対策、そして、大会機運の盛り上げなど、現在どのように計画されているのかお伺いします。
 また、地元開催のインターハイを盛り上げるためには、大会運営と同様に本県選手の活躍に負うところが大きいと考えるのでありますが、県としては、全体的に見て現段階での選手強化策の成果についてどのようにとらえているのかお伺いします。さらには、来年本番に向けての選手強化策の状況はどうなっているのかお伺いします。
 最後に、ポリカーボネート製食器の安全性についてお伺いします。
 近年、野生生物及びヒトの生殖上の異変の事例が相次いで報告され、その原因ではないかと指摘されている内分泌攪乱物質について、日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業において、有害な環境汚染化学物質の人体影響評価技術開発の研究プロジェクトが実施され、本格的な研究が進められていると聞いております。そのような中で、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンが溶け出して人体に影響を与える可能性が指摘されているポリカーボネート製の食器が学校給食を実施している全国の小中学校の約4割で使われていることが文部省の調査でわかりました。全国の自治体のうち207市区町村が安全性に配慮して学校給食でのPC製容器の使用を現に中止したり他の材質への変更を決めたりしているようでありますが、文部省は、健康への影響などがはっきりしないとして、現時点では使用中止を指導する考えはないとしていますが、父母らの間に環境ホルモンに対する不安が広がっているため、給食で使われているPC製食器の溶出試験を来年度から実施することにしていると聞き、21世紀を担う子供たちの健康は本当に大丈夫なのかと心配しているところであります。
 そこで、県内の給食を実施している学校のうち、どのくらいこの食器が使用されているのか、また、県教育委員会としては、今後どのような対応をしようとしているのかお伺いします。
 以上をもちまして私の一般質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 大久保豊議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、海外訪問を通じた県政運営の参考点についてでございますが、海外訪問に当たりましては、相互に有益な交流や協力関係が期待される国や地域につきまして、機会が得られる限り、直接出向いて交流、協力の可能性などを調査してきたところでございます。これまで訪問した国におきましては、本県との交流、協力を求めておりまして、これらの関係を深めていくことが県勢発展を図る上で重要であることを改めて実感したところでございます。
 この成果を踏まえ、可能な事業から具体的な展開を図っているところでございまして、例えばハンガリー、ドイツとの間では産業・経済面での交流を促進することとし、本年度、現地におきまして岩手フェアを開催することにより多くの観光客などへ岩手のPRができ、さらに、継続的な取引など今後の展開が期待できると感じております。また、インドネシアバリ州につきましては、舞踊、絵画などの文化資源を生かした地域活性化の事例を参考とするため、文化、観光などの分野において交流を進めているところでございます。研究、教育の分野では、米国を代表する研究機関や先端産業が集積いたしておりますノースカロライナ州について、大学間の情報ネットワークを中心とした事業を推進しております。さらに、タイ、マレーシア、シンガポールにつきましては、青年リーダーの養成を目的とした交流事業を進めているところでございます。今後とも本県の発展方向を見据えた相互の交流、協力関係の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、市町村の統一要望への対応についてでございますが、地方分権が実施段階を迎えている今日、地方振興局の機能強化とともに、県と市町村との一層の意思疎通や連携が必要であると、こうした観点から、現場重視の県政運営に努めているところでございます。このような取り組みの一環として、本年度は、市町村長との連絡会議などの現地開催に加えまして、市町村からの統一要望につきましても、現地に出向いて地方振興局長とともにお受けすることとしたものでございまして、このためその実施に当たりましては、地方振興局において、本庁各部局との連絡調整や要望事項のフォローを行う体制を整えたところでございます。もとより、市町村の要望活動は、統一要望といった形だけでなく、さまざまな機会に行われているわけでございますが、県では引き続き、地方振興局の充実強化に努めますとともに市町村との一層の連携を図りながら、毎年行われる統一要望につきましては、地方分権の流れに沿ったものとして、現地での対応で済ませることができるよう工夫に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立大学における大学院の設置についてでございます。
 我が国におきまして、高度情報化、国際化、少子・高齢化など、社会環境の急速な変化に迅速、的確に対応して、かつ、リードできる人材の育成が求められております。また、本県におきましても、21世紀に向けて、躍動感あふれる、心豊かな地域社会を築く必要があると、このように考えています。このためには、多様化、複雑化する地域課題に、積極的かつ主体的に取り組むことのできる人材の育成が喫緊の課題であると認識をしております。県立大学がこのような社会的要請に積極的にこたえるためには、深い知性と豊かな感性を備え、幅の広い視野と総合的な判断力を持ち、より高度な専門知識、能力を持った職業人や世界に通じる高度の研究能力を持つ創造性豊かな研究者など、次代を担う人材を養成、輩出し、地域における学術研究の拠点としての役割を果たしていくことが肝要であると考えております。このため、県立大学に学部を基礎とする大学院の設置を目指して、平成12年度を目標にソフトウェア情報学研究科、そして総合政策研究科を設置し、次いで平成14年度を目標にして、看護学研究科、また社会福祉学研究科を設置したいと考えているところでございます。現在、県立大学内に西澤学長を委員長とする大学院整備委員会を設け、教育研究の内容や入学定員、さらには教員構成など、大学院設置に向けての具体的な事項について検討を進めているところでございまして、本年度中には基本構想を策定することといたしております。
 なお、先行するソフトウェア情報学研究科及び総合政策研究科、この二つにつきましては、明年度の早期に文部省へ認可申請できるよう準備に万全を期してまいりたいと考えています。
 次に、県北地域への産業廃棄物処理施設の建設についてでございますが、産業廃棄物の適正な処理体制の確保は、環境の保全はもとより、企業活動の支援にも資するものでございます。本県における現在の産業廃棄物の処理体制につきましては、一部の特殊な産業廃棄物を除きまして、全体としてはおおむね処理ができる状況となっておりますが、県勢の発展を期する上で、各地の工業団地への企業誘致などによる一層の産業集積が求められておりまして、このためにも誘致企業などから排出される産業廃棄物の処理体制を確保することが重要であると、このように考えています。したがいまして、これらの企業などから排出される廃棄物の種類や量の見通しや、法規制が厳しくなる中での民間事業者の動向を見きわめながら、御提言のございました県北地域への公共関与による処理施設の整備の必要性なども含めて、県全体の産業廃棄物処理のあり方を調査検討してまいりたいと考えています。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いいたします。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、県政懇談会などの意見の反映状況についてでありますが、県政懇談会は、平成7年度から平成9年度までに延べ157回開催し、9、500人を超える多くの皆様方の御参加をいただき、2、600件に及ぶ御意見、御提言をいただいたところであります。これらの貴重な御意見、御提言につきましては、毎年度、各部局ごと、地方振興局ごとに整理し、次年度予算での取り組みの方向を取りまとめ、関連予算など県政に関連する事項につきましては、県議会における御審議などもいただきながら積極的に県政に反映させているところであります。平成7年度からの3年間で、全提言項目の7割強について具体的な取り組みを行っておりますが、その詳細につきましては、冊子やインターネット等で公表しているところであります。また、昨年度、各広域生活圏ごとに開催いたしました地域21デザイン会議につきましては、200名余りの方々から1、200件に及ぶ御意見、御提言をいただきましたが、これらにつきましては、新しい総合計画及びそれぞれの地域計画へ反映させてまいりたいと考えております。
 次に、全国マルチメディア祭についてでありますが、第11回を迎えた本県での全国マルチメディア祭は、これまで行われてまいりました各県での開催手法を見直しまして、従来以上に地域の主体的な取り組みを重視し、県内各地域の関係者の手づくりによる企画運営を基本として開催したところであります。この結果、期間中、県内13カ所の会場で開催されましたフォーラムや展示会等に、県内外から延べ1万人を超える多くの方々に御参加をいただき、本県が目指す地域の個性が輝く、豊かな情報化社会のあり方が全国に発信されたものと考えております。
 特に、今回初めて野外で行われました地域情報化サミットでは、先進的な情報化施策を展開している高知・三重両県の知事と本県知事の間で、各県の特色ある取り組みの紹介やさまざまな分野についての意見交換が行われ、また県内各地で開催されました地域情報化フォーラムにおきましては、医療・福祉、産業、防災など、それぞれの地域固有の課題をテーマに活発な議論が展開され、地域における情報化機運の醸成と全国の関係者との交流が図られたものと考えております。今後は、今回御参加をいただきました方々の意見や提言、並びに先進的な事例を取りまとめまして、地域の主体的な取り組みに役立ててまいりますとともに、今回の交流により培われました県内外の関係者とのネットワークを活用しまして、地域の特性に応じた情報化の輪を広げてまいりたいと考えております。
 次に、東北新幹線盛岡-八戸間の工事の進捗状況と開業時期の見通しについてでありますが、盛岡-八戸間におきましては、今年度の政府予算におきまして、前年度予算の約12%増に当たる616億円が配分されたところでありまして、その結果、今年度末までの事業費ベースでの進捗率は、約42%に達する見込みとなっております。運輸省では、平成11年度の整備新幹線建設事業費として、九州など他の整備区間もあわせまして、全体で1、635億円を概算要求したところでありますが、盛岡-八戸間につきましては、おおむね平成13年の完成を実現するためには、今後、事業費の大幅な増額が必要となってまいります。このため、県といたしましては、この秋にも補正予算として検討がされる予定の景気対策臨時緊急特別枠への整備新幹線関連予算のさらなる計上、及び平成11年度の国の予算における盛岡-八戸間への重点配分について、国に対して積極的な要望活動を強めてまいりたいと考えております。
 なお、新幹線工事につきましては、本年度から、トンネル以外の地上区間、いわゆる明かり区間というふうに申しますが、この工事が本格化してきたことを踏まえまして、日本鉄道建設公団盛岡支社、岩手県土地開発公社、地元市町村の連携のもとに、新幹線用地取得体制の大幅な強化を図ったところでありまして、地元地権者等の御理解と御協力もいただきながら、早期開業を目指して事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小野寺修君登壇〕
〇商工労働観光部長(小野寺修君) まず、外資系企業投資環境視察会の成果と外資系企業の誘致についての考え方でありますが、去る9月3日、4日の両日実施したこの視察会におきましては、外資系企業17社、大使館、州政府関係など15団体の参加者に対し、県立大学における人材の育成、いわてクリーンセンターにおける産業廃棄物処理、工業技術センターにおける産学官連携を踏まえた技術開発、さらには盛岡西リサーチパークを初めとする自然環境との調和に配慮した工業団地などの状況を紹介したところであります。この視察会に参加された方々からは、本県の企業立地環境について、理解を深めるよい機会となったという感想や、県単独で視察会を実施したことについて一貫した姿勢が感じられるとして、その積極的な取り組み姿勢が評価されるなど好評でありましたことから、所期の成果が得られたものと受けとめております。
 また、今後の外資系企業の誘致に当たりましては、通商産業省、日本貿易振興会等の関係機関を初め、大使館、州政府などとの連携を深め、情報の収集に努めるとともに、今回の視察会に参加した関係者には、引き続き10月19日に東京において開催を予定している本県の企業立地環境の説明会への参加を働きかけるなど、今後におきましても、このような機会を設けまして、人、環境、情報を重点とした本県のセールスポイントを積極的に情報提供し、あわせて外資系企業の国内における事業展開の動向の把握に努めながら、その誘致に向けて粘り強く対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、県立産業技術短期大学校卒業予定者の就職状況についてでありますが、当校におきましては、来春卒業予定者92名のうち、進学者を除いた就職希望者は87名となっております。このうち、就職を内定した者は、9月25日現在50名であり、その内定率は57・5%となっております。また、この50名中、県内企業への内定者は、41名で82%となっており、県内企業の内定の割合が高い状況となっております。なお、残る37名の卒業予定者につきましては、現在、当校に対し、県内から140社、県外を含めますと170社を超える企業から、あわせて600名の求人申し込みがありますので、引き続き就職指導を強化し、全員が就職できるよう努力してまいる考えであります。
   〔農政部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇農政部長(佐藤徳兵衛君) まず、後継者の確保を含めた農業振興への取り組みについてでありますが、今日の農業を取り巻く環境は、まことに厳しいものがあると認識しております。幸いにして本県農業は、米、畜産、園芸を基軸とした特色ある農業の展開が可能であります。目下、新しい農業計画の策定に取り組んでいるところでありますが、意欲ある農業者が希望を持って取り組める農業の実現を目指し、経営感覚にすぐれた若い農業者の育成、産地間競争に打ち勝つ体質の強い地域農業構造の確立等を進め、我が国の総合食料供給基地としての地位を一層強固なものとすべく、生産者、関係団体、行政が一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、都市住民の農山村への居住意向と受け入れ側との意識のギャップについてでありますが、本県には、都市住民が求める豊かな自然や伝統文化が多く残されているとともに、医療・福祉の面でも他県と遜色のないレベルにあると存じております。こうしたことは、さきに経済企画庁が公表した都道府県ごとの豊かさ指標においても、住む、育てるの面でそれぞれ全国第5位、第7位となっていることなど、都市住民を受け入れる環境は全国でも優位にあると考えております。県といたしましては、都市住民との交流と連携が中山間地域の活性化を図る上で極めて重要であると認識しており、就職相談活動や就農支援活動、さらにはグリーン・ツーリズムなどを通じて、こうした岩手の居住性のよさを積極的にPRしてまいる考えであります。
 次に、食料・農業・農村基本問題調査会の最終答申における株式会社の農地取得についてでありますが、答申におきましては、一定条件のもとで農地の取得を認める見解が示されたところであります。しかしながら、株式会社一般に土地利用型農業への参入を認めることについては、農地の有効利用が確保されず、投機的な取得につながる恐れがあること、また、周辺の家族農業経営と調和した経営が行われず、集団的な活動により成り立っている水管理、土地利用を混乱させる恐れがあることなどの懸念から、合意が得がたいとの指摘も明記されております。したがいまして、この問題は、今後の法制化に当たって、国において慎重に検討されるものと理解しているところであります。
 次に、債務超過農協に対する支援についてでありますが、まず債務超過農協の自助努力の取り組み状況につきましては、8月末現在の実績が計画の22・5%に当たる2億9、900万円余となっております。県といたしましては、計画の前倒し達成について、今後一層指導の徹底を図ってまいります。
 また、市町村の負担分についてでありますが、一戸町が本年度当初予算で既に措置しているほか、残る関係4町村についても、目下、議会において審議中、もしくは年度内早期の議会に提案される見込みと承知しております。
 次に、担い手育成生産調整支援事業についてでありますが、この事業は、生産調整強化の影響を受けやすい稲作担い手の転作率を軽減し、地域ぐるみでの転作を進めるために助成するものであります。助成対象面積は、当初4、000ヘクタールを見込んでおりましたが、各地域において、キャベツ、リンドウなどの高収益作物の栽培や大豆等の転作団地が増加するなど、活発な取り組みが展開された結果、当初見込みを大きく上回る5、500ヘクタールとなっており、今次の補正予算で増額をお願いしているところであります。今後におきましても、認定農業者等の担い手を中心とした水田営農の確立に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔林業水産部長渡辺勲君登壇〕
〇林業水産部長(渡辺勲君) 軽米町林野火災の復旧についてでございますが、昨年の石鳥谷町、紫波町での経験を生かしながら、その総合的な復旧対策を早急に実施することとしたところでございます。この復旧計画を策定するに当たりましては、直ちに現地調査を実施し、被災森林所有者の意向も座談会等により十分に把握の上、その全体計画として、被害木の伐採・整理約1万5、000立方メートル、被害木搬出作業路の開設5、500メートル、治山ダム5基、山腹工事3、000平方メートルを予定したところでございました。このうち、本年度は、被害木の伐採・整理約1万4、000立方メートル、被害木搬出作業路の開設約4、500メートル、治山ダム1基、山腹工事3、000平方メートルとしたところでございます。
 お尋ねのございました進捗状況及び今後の見通しでございますが、被害木の伐採・整理につきましては、地の利のよい箇所から伐採が進められており、9月中旬において18%、約2、600立方メートルが終了し、被害木搬出作業路の開設につきましても、12月中ごろまでには完成し、これにより伐採・整理もさらに進展する見通しでございますし、また治山ダム等につきましても、既に工事に着手したところでございます。これら復旧対策は、これまでのところ順調に進んでいるところでございまして、本年度の計画事業量は、年度内に達成できるものと考えてございます。なお、来年度以降は、被害跡地の造林を中心に復旧対策を推進し、一日も早い復旧に向け、鋭意努力してまいりたいと考えております。
   〔土木部長大石幸君登壇〕
〇土木部長(大石幸君) まず、新幹線関連工事についてでありますが、お尋ねの久慈ルートに係る軽米町宮沢工区は、整備区間を約4、000メートルとして平成6年度から工事を進めてまいりましたが、本年度からは国庫補助事業の導入を図り、約980メートルの宮沢トンネル工事に事業着手することとしており、平成13年度には工区全体の完成を目指しております。また、二戸市から九戸村に至る折爪工区は、整備区間約4、600メートルとして、同じく平成6年度から整備を進めております。本年度着手予定している折爪トンネルは、約1、140メートルと長大トンネルであり、地質的にも複雑で高度な技術を要するなど、種々問題を抱えており、難工事が予想されるところでありますが、平成13年度末には峠部の供用がなされるよう、整備促進に鋭意努力してまいる所存であります。
 次に、県道昇格についての諸条件についてでありますが、県道は、地方的な幹線道路網を構成し、道路法第7条に規定する要件を具備する道路で、知事がその路線を認定したものとなっており、その際、県議会の議決及び建設大臣の認可が必要となっております。道路法第7条の要件は、主要地、主要港、主要停車場または主要な観光地と、これと密接な関係にある高速自動車国道、国道または県道とを連絡する道路など6項目から成り立っております。具体的には、生活者の豊かさを支え、活力ある地域づくりのための道路整備を推進する見地から、高規格幹線道路のインターチェンジに連絡する路線、各種地域開発、地域振興プロジェクトを支援する路線などが該当するとして、国から指導を受けているところであります。
 県といたしましては、このような路線の中から早期に整備・管理する必要性、道路の整備状況、道路整備計画の成熟度などを総合的に勘案し、緊急を要する路線から段階的に認定してきているところであります。
 次に、軽米町道、参勤街道線及び観音林線の県際道路としての整備につきましては、今後、軽米町が青森県南郷村との協議・調整が整い、町道として具体的な整備計画を作成した時点において、国庫補助事業の導入等について支援してまいりたいと考えております。
 次に、地域連携強化支援道路事業についてでありますが、国においては、平成11年度、周辺市町村との交流を活発にするなど、中山間地の活性化に資する道路を重点的に整備するため、現行の地域連携強化支援道路事業の拡充を図った概算要求がなされているところであります。この事業は、地域の特性や課題に対応し、地域みずからの発意に基づく計画を複数の市町村が作成し、その計画に位置づけられた道路等の整備を計画的、総合的に支援することとしております。現段階では、まだ制度内容が具体的に示されていない状況にありますが、県としては、県土の約8割を占める中山間地域の活性化に資すると判断されることから、関係市町村とともに共同で調査を進め、事業導入に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔教育長大隅英喜君登壇〕
〇教育長(大隅英喜君) まず、不登校の状況についてでありますが、本県にあっては、平成9年度中に、不登校で30日以上欠席した児童生徒は、中学校では802名で、67人に一人の割合で発生しており、また小学校では175名で、533人に一人の割合で発生しております。これは、全国に比較すれば少ない発生状況ではありますが、ともに過去最多となっております。県教育委員会といたしましては、各学校における教員の指導力の向上、スクールカウンセラーの配置、相談体制の確立等を図るとともに、9月から新たに142の中学校に心の教室相談員の配置を進めているところであります。また、不登校問題に効果的に対応するため、県内11カ所に適応指導教室を開設するほか、不登校に関する実践研究委嘱事業を推進しておりますが、今後とも家庭・地域、関係機関と連携しながら、児童生徒一人一人に応じた適切な相談、支援と、その体制づくりや多様な実践的指導法の研究開発等に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立高校の再編成計画の策定についてでありますが、今後、国際化、情報化等が一層進むことが予測される社会の変化や、平成12年度以降激しさを増す生徒の減少が、本県高校教育に大きな影響を及ぼすことが予想されることから、教育委員会では、県立高等学校長期構想検討委員会を設置して、今後における県立高等学校のあり方について1年半にわたって検討をいただき、去る9月17日に報告を受けたところであります。報告におきましては、学校規模について、豊かな人間関係に恵まれた活力ある環境づくりを実現するために、高校においては1学年4から8学級が適正規模であるとしながらも、同時に本県の地理的な状況等を勘案すれば、本校として最小限度必要な募集学級数を2学級とすべきこと、また分校についても、在学者が定員の3分の1を満たす場合は存続させるべきであるとしているほか、新しいタイプの高校の設置や定時制課程の充実など、さまざまな角度からの提言がなされております。
 県教育委員会といたしましては、今後、いただきました報告の趣旨を十分踏まえるとともに、各地域の実態をも勘案しながら、県立高校の具体的な再編成計画の策定作業を鋭意進めてまいる考えであります。
 次に、'99岩手総体についてでありますが、その準備状況は、関係市町村、団体等の協力によりまして、おおむね順調に推移しているところであります。総合開会式につきましては、開催要項を定め、式典音楽、公開演技等を学校教育活動の一環として位置づけ、既に練習に入っております。
 また、開会式当日における輸送交通対策につきましては、総合開会式輸送計画を定め、警察、道路管理者、交通機関等と協議を進めており、参加する選手・役員等は、原則として借り上げバスによる計画輸送とし、一般観覧者は、公共交通機関及びシャトルバス等により、安全かつ円滑な輸送の確保を図ってまいります。
 次に、選手・監督、役員等の宿泊対策についてでありますが、今年度設置した配宿センターにおいて、全競技の大会参加者の宿泊施設を確保し、その仮配宿を年度内に完了させたいと考えております。
 次に、大会機運の盛り上げについてでありますが、'99岩手総体に対する県民の理解と協力を得るため、大会300日前県民推進大会や標準献立発表会を10月に開催いたします。また、高校推進委員会や会場地市町村では200日前、100日前キャンペーン、環境美化活動等が計画されており、大会の成功に向け、県民意識の高揚が図られていくものと考えております。
 次に、選手強化についてでありますが、今年度の四国インターハイの成績を見ますと、ホッケー男子の優勝を初めとする13競技、34種目の入賞があり、これは昨年度に比較し、ほぼ倍増となっております。また、もう一歩で入賞の競技や初戦突破の競技の増加など、強化事業の成果が出てきているものととらえております。'99岩手総体に向けた強化策につきましては、強化指定校を中心として、アドバイザリーコーチ招聘事業を初め、県外優秀チームとの交流事業等を実施しているところでありますが、今後とも関係競技団体、学校体育団体との連携を図りながら、一層競技力の向上に努めてまいりたいと存じます。
 次に、学校給食で使用されているポリカーボネート製食器についてでありますが、見た目がきれいで壊れにくい、扱いやすいことなどから、この食器は、ことしの5月1日現在で、完全給食を実施している県内の小中学校の72・8%で使用されております。厚生省においては、この食器について、熱によって溶出される内分泌かく乱物質の量が食品衛生法の基準を大幅に下回っていることから、現段階では使用禁止をする必要はないとしているものの、内分泌かく乱作用のメカニズムを含め、さらに継続研究をすることとしております。また、文部省は、関係省庁と連携を図りつつ、こうした調査研究の進展状況について情報収集等を行い、今後とも必要な情報を適宜提供するとしております。こうした状況から、県教育委員会といたしましては、今後においても国の動向に十分留意し、情報収集に努め、関係機関とよく連携を図りながら対応してまいる考えでございます。
   
〇議長(那須川健一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時54分 散 会

前へ 次へ