平成11年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成11年3月11日(木)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 佐藤嘉成
議事課長 藤沢重一
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕
議事管理主査 森 達也
議事管理主査 熊谷正則

1説明員
土木部長 大石 幸
土木部次長 田頭善美
土木部次長 佐藤重光
土木部次長 中山 隆
総務課長 千葉康幸
用地高速道課長 多田英壽
道路建設課長 今野正春
道路維持課長 北田節男
都市計画課長 阿部丕顕
下水道課長 佐々木 誠 介
河川課長 佐々木 康 勝
河川開発課長 植野聖治
港湾課長 笠原光雄
砂防課長 佐藤榮一
建築住宅課長 金子 弘
建設振興課長 加藤 攻
技術管理課長 千葉仁市
 
企業局長 佐藤克郎
企業局次長 松 浦 彦次郎
企業局技師長 藤原伸彦
総務課長 伊東隆臣
経営管理課長 滝田勇夫
業務課長 武蔵繁明
 
財政課長 千葉 弘
   

〇三河委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第26号から議案第37号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号から議案第47号まで、議案第49号、議案第50号、議案第52号及び議案第54号から議案第64号まで以上52件を一括議題とする。
 本日は、土木部及び企業局関係の質疑を行い、その後、議案52件について、意見の取りまとめをしたいと思うので、御了承を願う。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項については、できるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については、簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査を終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先をして発言を認めるものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみに終わることのないよう、御協力をお願いする。
 最初に、土木部長から土木部関係の説明を求める。

〇大石土木部長 平成11年度の土木部関係予算について御説明申し上げる。
 最初に、平成11年度の土木行政推進に当たっての基本的な考え方について申し上げる。
 昨年11月、21世紀に向けて、県民一人一人が誇りを持ち、輝きのある岩手を創造していくため、そのシナリオとして、新しい総合計画中間報告が発表されたところであるが、土木部としても、夢県土いわての実現に向けて、各分野にわたる施策を積極的に展開してまいる所存である。
 まず、交通基盤の整備についてである。
 新しい時代に対応し、これからよりよい地域社会を構築していくためには、交流・連携を通じた地域間の新たな機能分担、相互補完などによる地域づくりが重要であり、このために、それぞれの地域を相互に結ぶネットワークを形成し、互いの個性を磨き合うことで、各地域の一層の発展を図りながら満足度の高い地域につなげていくことが必要であると考えておる。このため、北東国土軸や、太平洋と日本海側を結ぶ地域連携軸の形成、航空ネットワークの充実を図る観点から、高規格幹線道路や花巻空港などの高速交通幹線の整備を一層進めるとともに、県内外の地域間の交流・連携を促進するため、各地域を結ぶ交通網の整備をさらに進めてまいる。特にも、東北横断自動車道釜石秋田線の釜石-花巻間、三陸縦貫自動車道、八戸久慈自動車道などの高規格幹線道路の整備促進に努めるとともに、地域高規格道路や新交流ネットワーク道路、新幹線関連道路などの整備を推進してまいる。花巻空港については、その機能の強化を図ることが国際化等に対応した、内外に開かれた県土の形成を図る上で重要課題であることから、滑走路2、500メートル延長整備事業を推進してまいる。さらに、港湾については、内陸部を含む背後圏の物流の拠点として、それぞれの港湾の持つ特色を生かし整備を進めてまいる。
 第2は、快適な生活環境づくりについてである。
 安全で快適な生活環境の中で、心の豊かさや潤いを持って安心して生き生きと暮らしたいという住民意識の高まりに伴い、日常生活に密着した社会資本の整備、充実が強く求められると考えておる。このため、本県の豊かな自然環境を生かしながら、質が高く快適な生活環境の創出に向けて、盛岡南地区などの区画整理や住宅、街路、下水道などの都市基盤施設の計画的な整備を推進してまいる所存である。特に、生活環境のバロメーターと言われておる下水道については、市町村が実施する公共下水道の整備が計画的かつ効率的に実施できるよう積極的な支援に努めてまいりたいと考えておる。
 第3は、安全な県土づくりについてである。
 昨年来、岩手山の火山活動が活発化するとともに、直下型地震、大雨・洪水などが大きな被害をもたらしておるが、本県は、厳しい地形や気象条件下に置かれていることから、県民の生命、財産を自然災害から守るため、安全で安心できる県土づくりを行うことが最も重要な課題と考えておる。このため、洪水、土石流、がけ崩れ、津波などからの災害の未然防止を図るため、治水、砂防、海岸保全等の各種対策に、より一層取り組んでまいる。また、岩手山周辺の火山砂防事業の推進や、昨年の豪雨により浸水被害が多く発生した北上川流域の砂鉄川や千厩川の河川事業の推進に積極的に努めてまいりたいと考えておる。
 なお、事業の執行に当たっては、限られた財源を有効に活用するため、公共事業評価制度の充実、施策の重点化・効率化を図るとともに、公共事業のコスト縮減への取り組みや、生態系への十分な配慮など自然環境との共生、地域の景観の保全と創造などに、より一層、努めてまいりたいと考えておる。
 以上、平成11年度の施策について申し上げたが、21世紀にふさわしい、活力と魅力のある県土づくりのため、引き続き良質な社会資本の整備を目指し、各分野にわたる施策を積極的に展開してまいる所存である。
 次に、予算の詳細について御説明申し上げる。
 まず、議案第1号平成11年度岩手県一般会計予算についてであるが、お手元の議案その1の8ページをお開き願う。
 土木部関係予算は、8款土木費の1項土木管理費か
ら6項住宅費までの1、415億7、840万円余と、次のページに参って、11款災害復旧費のうち、2項土木施設災害復旧費121億5、788万円の合わせて1、537億3、628万円余である。この予算規模は、前年度当初予算に比較して6億1、265万円余の増、率にして0・4%の増となっておる。また、一般会計予算の総額に対し、土木部関係予算の占める割合は17・7%である。
 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるので、予算に関する説明書の205ページをお開き願う。金額の読み上げは省略させていただいて、主な事項について御説明申し上げるので、御了承をお願いする。
 8款土木費についてであるが、1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など、管理運営に要する経費等のほか、港湾整備事業特別会計の建設事業などに対する繰出金等である。206ページをお開き願う。2目建設業指導監督費は、建設業者等の指導監督等に要する経費である。3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査等に要する経費、及び建築確認事務等に要する経費である。次のページの4目空港費は、花巻空港滑走路の2、500メートル延長整備に係る空港用地の取得及び用地造成等の工事を行うほか、空港周辺民家等の防音機能回復工事に対する助成等である。
 208ページをお開き願う。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費など、管理運営に要する経費等のほか、市町村道の整備を促進するため、整備費の一部を助成する経費等である。2目道路維持費は、歩行者等の安全を確保するための歩道等、交通安全施設の整備費、道路施設の維持管理等に要する経費や駐車場、トイレ及び休息施設を備えた道の駅整備事業に要する経費等である。次のページの3目道路新設改良費は、道路交通の円滑化や災害に強い道路の整備を図るため、道路の改築、道路防災等の工事を実施しようとするものである。主なものとしては、道路災害の発生を未然に防止するための道路災害防除事業、沿岸部と内陸部を結ぶ道路の高速化を図る新交流ネットワーク道路整備事業、補助事業と県単独事業を効率的に組み合わせて、県道及び市町村道を早急に整備する地方特定道路整備事業、そして安全で快適な通行空間の確保や都市景観の向上を図る電線類地中化推進事業に要する経費等である。210ページをお開き願う。4目橋りょう維持費は、橋梁の維持修繕に要する経費等である。5目橋りょう新設改良費は、橋梁の新設、架け替え、拡幅等に要する経費のほか、震災対策として主要幹線道路の橋梁について、落橋防止対策を緊急に実施する経費等である。次のページの6目高速道路対策費は、日本道路公団からの委託を受けて行う、東北横断自動車道釜石秋田線のうち東和-花巻間の用地取得事務等に要する経費である。
 212ページをお開き願う。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川の管理等に要する経費等であり、直轄ダム管理負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金である。2目河川改良費は、次のページにかかるが、災害を防止するため、主要河川の改良工事を実施する基幹河川改修事業や三陸沿岸河川の防潮堤等を整備する三陸高潮対策事業等に要する経費のほか、河川の護岸等の一部に県産間伐材を利用しながら整備する県単独河川改良事業及び河川改修事業にあわせて、県単独により、親水性に配慮した公園や緑地等の整備を一体的に実施する地方特定河川等環境整備事業に要する経費等である。3目砂防費は、通常の砂防事業や火山地域における土砂災害を防止する火山砂防事業のほか、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業に要する経費等である。214ページをお開き願う。4目海岸保全費は、高潮や津波による災害を防止するための海岸高潮対策事業のほか、海浜利用の増進を図る海岸環境整備事業に要する経費等である。5目水防費は、次のページにかかるが、大雨や洪水の河川情報を敏速かつ正確に収集・伝達するための水防警報施設整備事業に要する経費等である。6目河川総合開発費は、早池峰ダム、簗川ダム及び綾里ダム等の建設に要する経費等であり、直轄ダム建設事業負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業の県負担金である。
 217ページをお開き願う。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の維持管理等に要する経費のほか、港湾の環境改善を図るため港湾快適環境推進事業に要する経費等である。2目港湾建設費は、次の218ページにかかるが、重要港湾4港及び地方港湾2港の港湾改修事業等に要する経費のほか、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する港湾施設整備事業費の県負担金である。
 219ページをお開き願う。5項都市計画費1目都市計画総務費は、御所湖及び花巻広域公園等の管理に要する経費のほか、市町村が行う景観形成推進事業に対する助成等である。2目街路事業費は、次の220ページにかかるが、円滑な都市交通の確保等を図るため、市街地において県道の拡幅、改良等を実施する街路事業や、都市基盤施設と宅地の一体的な整備を行う土地区画整理事業のほか、都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道整備事業に要する経費等である。3目下水道事業費は、下水道の根幹的施設の建設を、県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業に要する経費等である。
 222ページをお開き願う。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等の維持管理に要する経費のほか、市街地の再開発事業の促進を図るため、市が行う整備費補助に対して助成する経費等である。2目住宅建設費は、次のぺージにかかるが、県営住宅の建設事業や、既設の狭小な3戸の住宅を2戸に改造し居住水準の向上を図る県営住宅ライフアップ事業に要する経費等である。
 少し飛んで、257ページをお開き願う。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び2目港湾災害復旧費は、過年災及び現年災の災害復旧工事の実施に要する経費等を見込んだものである。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。恐れ入るが、議案その1に戻って、14ページをお開き願う。
 土木部関係は、事項欄の36遠野第2ダム代替地取得資金の融資に伴う利子補給から、15ページの、50県営住宅リフレッシュ事業までの15件である。これらは、遠野第2ダム代替地取得資金の融通に伴う利子補給、地域優良分譲住宅制度による資金の融通に伴う利子補給補助及び平成11年度から翌年度以降にわたって施工する工事等について、それぞれ期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものである。
 以上で議案第1号の説明を終わる。
 次に、特別会計4件について御説明申し上げる。
 36ページをお開き願う。議案第8号平成11年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ37億5、845万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 次のページのまず歳入であるが、1款財産収入は、先行取得した公共用地の売り払い収入等であり、4款県債は、用地取得事業費に充当するものである。
 38ページをお開き願う。歳出であるが、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であり、3款土地取得事業費は、簗川ダムや仙人峠関連道路整備事業に伴う用地取得等に要する経費である。
 次に、第2表地方債であるが、これは、補助事業用地取得事業費や公共用地等先行取得事業費に充当するものである。
 次に、41ページをお開き願う。議案第10号平成11年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ98億9、861万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 42ページをお開き願う。まず、歳入であるが、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか、関係市町村からの管理費等及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業費に対する国庫補助金である。
 4款繰入金は、建設事業費及び県債の元利償還等に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものである。
 次に、歳出であるが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、各終末処理場の施設及び幹線の管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、第2表債務負担行為であるが、これは、玉山幹線等の管渠工事及び水沢処理場の水処理施設の工事等について、期間、限度額を定め、債務を負担しようとするものである。
 次に、第3表地方債であるが、これは、流域下水道建設事業費に充当するものである。
 次に、44ページをお開き願う。議案第11号平成11年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ37億1、903万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 次のページのまず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料等であり、3款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。
 6款県債は、港湾施設整備事業費等に充当するものである。
 46ページをお開き願う。歳出であるが、1款事業費は、宮古港ほか2港の港湾施設整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、第2表地方債であるが、これは、港湾施設整備事業費等に充当するものである。
 次に、47ページに参って、議案第12号平成11年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計予算についてであるが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ4億616万円余である。
 主なものについて御説明申し上げる。
 48ページをお開き願う。まず歳入であるが、1款使用料及び手数料は、ゴルフ場の使用料であり、2款繰入金は、県債の元利償還等に充当するものである。
 次に、歳出であるが、1款県民ゴルフ場事業費は、県民ゴルフ場の管理運営に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費である。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。
 少し飛んで、81ページをお開き願う。議案第20号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、平成11年度において実施しようとする建設事業費の一部を、92ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものである。
 次に、93ページをお開き願う。議案第21号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、平成11年度において実施しようとする、都南処理区等の管理運営費及び建設事業費の一部を、96ページまでの表に定めるとおり受益市町村に負担させようとするものである。
 次に、予算に関連する議案について御説明申し上げる。
 議案その2の57ページをお開き願う。議案第49号県立都市公園条例の一部を改正する条例であるが、これは、物価上昇及び東北各県の類似施設の状況を勘案して、陸上競技場などの公園施設の使用料の額を改定しようとするものである。
 次に、61ページをお開き願う。議案第50号屋外広告物条例の一部を改正する条例であるが、これは物価上昇及び東北各県の均衡を考慮し、屋外広告物の許可に係る手数料の額を改定しようとするものである。
 次に、64ページをお開き願う。議案第52号花巻空港管理条例の一部を改正する条例であるが、これは、国管理の空港に準じて、花巻空港の着陸料を現行の3分の2に引き下げようとするものである。
 以上で土木部関係の説明を終わる。よろしく御審議賜るようお願い申し上げる。

〇三河委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇伊藤委員 3点についてお伺いをする。
 まず、県内河川の適正な管理についてお伺いをする。
 21世紀は、社会基盤整備とともに公共施設の適正な維持管理が必要な時代となると思っておる。また、河川管理は自然を相手にした管理であるから、さまざまな要因に配慮しなければならないと思うけれども、特に出水後の異常な土砂の堆積がある箇所等についての河川の適正な維持管理をお願いしたいと思っておる。厳しい予算状況ではあろうと思うけれども、住民の洪水被害への不安感を払拭するように取り組んでいただきたいと思うのである。県内には一級河川に系列する二級河川が数多くあるわけであるが、戦後、特にもアイオン台風以後、随分河川の土砂の堆積が多くなってきているような気がする。宮古地方にあっては大きな川は閉伊川であるが、この閉伊川の宮古市の上流地区に老木地区というところがあるが、ここの特産は長芋である。その長芋の根がこのごろ根腐れをするようになってきた。そういうことがある。これは地下水の上昇によるものだろうと言われておる。また、千徳の羽黒坊地区にあっては、河川の水位が上がってまいると各工場等々の用地の下の方からやはり水がわき上がってくる。これもまた河川の河床が上がっているからだろうと、こう言われておる。また、近内川においては昨年の8月末、9月上旬にかけての大雨の際に太田地区で10数戸の床下浸水が発生をした。これまた河床の上昇によるものだろうと言われておる。さらに、津軽石川にあっては、同じく、せせらぎ団地というところは、やはり河床が上がってきたせいだろうかということで、閉伊川と同じように出水をすると地底から水がわき上がってくると、こういう状況にあるので、やはりまず河川の本来の機能を果たすという点から、堆積した土砂を取り除いて本来の機能を取り戻すべき、このように考えるが、お考えをお伺いする。
 それから、2点目はマリーナについてであるが、おかげさまで本年のインターハイを目指してヨット会場の部分について大変立派につくっていただき感謝を申し上げる。ただ、今後発生する問題として、高校生が使用しているヨットの保管料というか、艇庫料というか、そういった部分が出てくるのだろうと思うのであるけれども、これは教育的な部分からつくっていただいたものだと思っておって、そういうことになると恐らくこれは海の体育の部室だと考えると、当然これは無料であっていいのではないか、このように思う。県内の県立高校の各部の部室の使用料を取っているのなら別であるけれども、海の部分だけ使用料を取っていこうとするのは、ちょっと教育的見地から好ましくないのではないか。ヨットを購入するについては教育委員会の補助、助成をいただいてヨット購入をするが、一方では、土木部がつくった入れ物において回収をしていくということは、さっぱり学校の教育のためになっていないのではないか、このように思うのであるが、これについてのお考えをお伺いする。
 それから、3点目として、小山田地区にトンネルをつくっていただいておって、これは三陸・海の博覧会に間に合うようにということで両側から掘削をしてつくっていただいたものである。これによって宮古の交通の流れが随分緩和をされたと、このように思っておる。800メートルの長さである。ここは磯鶏小学校、そして河南中学校、宮古高校、あるいは宮古短大の生徒たちの通学路でもある。歩道があるわけであるが、800メートルのトンネルの歩道を通行する際に、通行量が大変多く、車から発生する排ガスで大変子供たちが難儀をしておるようであるし、健康についての不安感もあると、こういうことである。ある子供は800メートルを一気に息をつかないで自転車で抜けようと思ってやったが途中でぶっ倒れたというところまではいっておらないが、いずれそのような住民からの不安というか、子供たちの健康が心配だと、こういう声がある。今後、岩手県にあっては早坂トンネルの3、000メートルトンネルとかいろんなところに取り組んでいかれるわけであるが、その際の参考にもなると思うので、排気ガスの強制排気という部分について、何かお考えがあればお示しをいただきたい。
 3点質問する。

〇佐々木河川課長 河川の適正な維持管理についてお答えする。
 河川の管理については、これまで主として県単独の河川維持修繕事業により、堆積土砂の除去や支障木の伐採、また草刈り等を実施してきたところである。また、昨年の8月の出水の際には、県内各地において土砂の侵食や堆積による河道の変状が起きたことから、9月補正で約1億円を計上して適正な河道の維持に努めたところである。宮古地区においても、土砂の堆積や繁茂する立木等が見られた閉伊川と長沢川で河道掘削や支障木の伐採を行ったところである。県としても、河川や道路などの維持管理は重要な課題と受けとめ、安全で安心して利用できる土木施設を目指して、本年度、公共土木施設維持管理計画を策定したところである。今後は、この計画に沿って地域住民の皆様の御協力をいただきながら、河川の適正な維持管理に取り組んでまいる所存である。

〇笠原港湾課長 ただいま宮古の新しくできるマリーナについてのお尋ねであるけれとも、ディンギーヨット専用の施設で規模は75隻の収容能力のある艇庫と艇置場がある。そのほかに他の有料施設として研修室がある。これらの施設について無料でどうかというお話であるが、施設の使用料は当該財産が行政財産であることから、行政財産使用料条例に基づき算定しているものである。ディンギーヨットは学校のクラブ活動や競技で使用するものであり、当該施設を使用する者は高校生が大半と見込まれておることから、お話のとおり採算は大変厳しいものと見込まれるが、教育的施設の性格を有することから、学生及び生徒に係る使用料については、他の例に倣って一般の額の半額ということで現在考えているところである。収支についてお話しさせていただくが、収入が大体500万円程度で、管理に要する経費が900万円程度と見積もっておって、本当に採算大変厳しいのであるけれども、そういう努力をしているということで御理解いただきたいと、こう思う。

〇北田道路維持課長 3点目の宮古港線小山田トンネルの排ガス対策をということであるけれども、実態を調査させていただいて、お話のような被害が想定されるようなことであれば何らかの、強制、ベンチレーション通気等の設置等の処置をしてまいりたいと思う。実態を調査させていただきたいと思う。

〇伊藤委員 よろしくお願いする。
 河川の部分について重ねてお伺いをするけれども、河川環境管理基本計画のもとに県内の河川の環境管理をやっておるわけであるが、その基本の中に、前にも指摘をしたけれども、河川本来の機能という部分が欠落をしておったのではないかと思っておって、現在のあるがままを本来の河川の姿と見るのか、それとも長い間に堆積、蓄積をしてきた部分があるということをどう見るのか。こういう部分があるのだと思う。つまり堤防を両側につくって住民の生命、財産の維持、保安を図ろうとしてつくった堤防ということは、その中に堆積をしてきたものは当然これは維持管理の対象になっていくべきものだと思っておるから、そのままに放置をしていくのが自然のままではない。こういう観点がまず先に必要なのだろうと思うので、ぜひそういう観点もお持ちをいただきたいと思う。
 それから、あわせてお伺いをするが、川は岩手県が今後12カ年の発展計画の基本に据えておる、ひと、環境、そして情報、この環境を図るバロメーターにもなるものだと思っておる。川を環境の尺度に、水質そのもの、あるいは上流の森林の繁茂ぐあい等々、あるいは海をきれいにしようということにもこの川というのが大変大事だと、こういうことであるので、この川という部分にもっと目を向けるような施策を展開してほしいと思う。
 それから、あわせてなのであるが、川の部分であるから当然内水面漁業という部分もある。土木部にあっては魚にやさしい溪流整備事業費等も計上していろいろやっておるようであるが、堰堤という部分がある。土木用語では河川工作物と言うらしいのであるが、ここに魚道を設置したことになっておるが、設置をした当時と現在ではもう30数年が経過しておって、自然の条件が大分変わってきておると、つまり水量がどんどん減ってきている中に固定のコンクリートの堰堤という部分が、逆な意味ではダムになって水量を10段ぐらいで保持をして魚道の働きがないのではないか、こういうことが指摘をされておる。昨日のこの点についての漁政課長の答弁は、河川の水産資源を保護していく上で魚道は重要な役割を果たしていると認識しておる。本県の河川には300カ所以上の魚道が設置されているが、古くは昭和51年に設置されたものもあり20年以上経過しているものが多く、当時とは川の流水や構造が変化していることから、一部の魚道において機能の低下が懸念されていると聞いておる。魚道の機能低下が考えられる場合においては、水産保護の観点から関係課と連携し魚道の機能保全に努めてまいりたいと考えておる。こういう答弁であった。つくるのは土木部がつくる。そこに魚道をつくってもらう、そうなると漁業振興課と連携をしながらやっていただかなければならないものと考えるが、これについてはどのようにお考えなのか、お伺いをする。

〇佐々木河川課長 河川の維持管理の中で非常に重要な点は、一つは、河川が自然構物であるということである。したがって、過去の歴史においてその河川がいろんな形で息づいてきたわけである。したがって、河川というものは侵食・運搬、そして堆積と、そのようなことを繰り返しながら息づいているわけであって、現状というものをまずは認識するということが大事だと思っておる。なお、それが一般的にその周辺で生活している方々の生活を脅かすようなことがあれば、これは危険であるということから、県単とか国庫補助の維持修繕とか河道掘削で河道開削をするということである。したがって、今回、昨年の8月の降雨などでもそういうことが起きたわけでもあるので、私どもは謙虚に河川を管理しながら、そして危険なところについては強い意思でもって対策を練っていきたいと思っておる。
 また、河川の環境管理基本計画の目的は、地域住民の生活環境に重要な良好な水辺空間を創造するということであって、その水辺空間を創造する際、その水質が非常に最近問題になってきておる。私ども水質については、最近、油流出事故等もあるが、それらへの適切な対応、また環境をさらによくするために水質をよくしてまいりたいと思っておる。
 それから、3点目の魚道の設置についてであるが、河川管理施設と許可工作物がある。合わせて約1、000を超える河川横断の構造物がある。その中で調査した結果、魚道が設置されているのは約3割5分ぐらい、350カ所ぐらいとなっておる。これは従前から河川横断構造物については魚道を積極的に設置するよう私ども働きかけてきたところであるが、まだまだ不足しておるので今後も努力してまいりたいと。なお、魚道としての機能がどのように機能しているかということについて調査をしており、その調査を分析し、さらに良好な河川環境の保全を図るために関係課と連携しながら、より機能的な魚道の設置をしてまいりたいと思っておる。

〇伊藤委員 岩手県の大きな魅力の一つはこの河川にもあると思うのである。委員長が前に西ドイツを視察した際の話を伺ったが、西ドイツでは過去にコンクリートで固めた堤防をわざわざ壊して、生態系に配慮した新しい堤防づくりに挑戦をしていると、こういうことである。県の土木部にあってもこのごろそういった部分に目を向けていただいているようであるけれども、こういったことを大事にしながら、岩手県が持つ固有のこれは財産で、しかも県内外にアピールできる魅力の一つに十分なり得るものだと思うので、ぜひともこれからもひとつよろしくお願いをしたいと思う。
 それから、マリーナの使用料の件であるけれども、やはりこれは教育的見地から言うと私は無料であってしかるべきだと思う。しかし、営業というか、投資という部分もあろうから、それはそれで社会人の方にその分を振り向けるようなそういった部分があったっていいと、このように思う。社会人は言ってみればレジャーでやっているわけであるから、そういった負担は応分の負担をしてもらっていいのだと思う。例えば、いろんなスポーツがあるわけであるが、野球とかラグビーとかサッカーはどうしてもこれはメジャーである。ヨットなどは、私の娘もそうだったのであるが、全国優勝しても大した歓迎の人が出ない、あるいは寄附も集まらない、こういうことである。ところが、ほかの野球、サッカー、ラグビーは甲子園出場、花園出場と言っただけで5、000万円、6、000万円の寄附が集まると、やはりメジャーとマイナーの差がどうしてもある。であるけれども、岩手県の持つ海を活用する、あるいは海に生きる子供たちを育てるということになるとこれは教育的見地であるから、ぜひこれは無料であってもいいのだ、このように思うわけであるが、先ほど言ったけれども、では県立高校の各部の部室をつくったと、その部室の使用料を取っているか、取っていないであろう。これは海のスポーツの部室だと考えれば使用料は私はなじまないのではないかと思うのであるが、もう1回この分をお伺いする。

〇笠原港湾課長 先ほどお話ししたとおり、施設の使用料については、当該財産が行政財産であるということから、行政財産使用条例に基づき算定しているということと、学生ということで教育的性格を有するということで、半額まで一生懸命頑張ったということで御理解いただきたいと思う。

〇伊藤委員 半額半額と言うと確かに半分なのであるけれども、例えば宮古高校、宮古商業、宮古水産、各校で20隻持っていたとすると、聞いたら何か3、000円の話があるようであるが、20隻を仮に保管をするとなると年間72万円。それならそういった部分の補助が教育委員会の方から来るかというと、来ないわけだと思う。そうすると結果的には、つくってはいただいたけれどもヨット部はどこかでそれを捻出しなければならない。つまり教育委員会は与えないで、土木部の方は搾取をするだけ、こういうことではおかしいではないか。搾取という言葉が当たらないかもしれないが、大きな観点からいくともうちょっと全庁的にぜひお考えをいただきたいということを要望して終わる。

〇谷藤委員 私の方からは、汚水処理施設の整備関係についてお聞かせをいただきたいと思う。
 本県における汚水処理施設の整備率というのは、全国に比較すると極めて低い水準にあると伺っておるわけであるけれども、本県としてもいろいろ努力して構想を立てながら取り組んでおるだろうと思うけれども、本年度、特に重点化した点というか、どういうところに取り組んできているのか。
 それから、平成22年度の目標というか、この辺の整備率80%を目指すとすれば、これは相当な膨大な費用がかかるのだろうと思う。聞くところでも9、000億円を超えるのではないかとか何かいう話も聞くわけであるけれども、そういう中で財源の確保というのは大丈夫なのか。これは非常に長い時間を要する計画であるから、その辺の見通しというか、その辺についてお伺いをしたいと思う。

〇佐々木下水道課長 汚水処理施設の整備についてお答えする。
 まず、第1点の本年度重点事項としては、県が事業主体の流域下水道事業では、玉山村が11年度末に供用開始ができるよう、玉山村舟田地区に暫定的な処理場を整備することとしておる。また、胆江処理区と一関処理区の浄化センターにおいて大量に発生する汚泥の減量化を図るため、平成12年度完成を目指し、汚泥消化タンクの建設に着手することとしておる。市町村が整備する公共下水道事業では、現在44市町村が事業に着手しておるが、そのうち22町村が供用開始しておる。供用間近な市町村の整備促進に努め、平成11年度には新たに陸前高田市、大迫町、大槌町、岩泉町、九戸村、玉山村の6市町村の供用を図ることとしておる。なお、平成11年度では、川崎村と田野畑村の2村の新規採択を国に要望しているところである。
 第2点の平成22年度末までの目標整備率80%の達成についてであるが、約1兆円の事業費が必要と試算されておる。委員御指摘のとおり、今後の財源確保が重要な課題であると考えておる。平成10年度の下水道、農業・漁業集落排水及び合併処理浄化槽の汚水処理施設整備事業費については、経済対策も含め総額約800億円の事業費を確保することができたところである。今後においては、庁内関係部及び市町村と十分な連携をとりながら、特にも主要な財源となる国庫補助事業費の確保、従前から行っている県単独の下水道事業債償還基金費補助による市町村への財政支援、処理場管理の共同化による大幅なコスト縮減の指導などに積極的に取り組み、県、市町村とも厳しい財政状況にはあるが、目標達成に向けて努力してまいりたいと思っておる。

〇谷藤委員 お話をお聞きすると1兆円にならんとする大変に膨大な計画であるし、その辺ぜひ各市町村、大いに期待している部分でもあろうかと思うので、おくれることのないような形でぜひ頑張って整備していただきたいと思う。
 それから、完成後、利用していく中で、市町村の維持管理関係にかかるコストというのは非常に大きなものがあるのだろうと思うのである。その辺のコストのできるだけ安いものというか、そういうものを指導するというような形もとっていかないと。できたはいいけれども、市町村にとって非常に厳しい運営になるということでもこれはいかぬと思うので、その辺も含めてぜひ指導していただければと思う。
 次に、盛岡の都市圏の都市機能の充実という観点からちょっとお伺いをするけれども、土木部としては街路事業を中心とした都市環境の高度化を図っているわけであるけれども、本年度の特に重点化した点についてまずお聞かせをいただきたいと思う。
 それから、3県総の県内90分構想、いろいろな委員会等でも問題になった90分構想であるけれども、実効性をあらしめるためにも盛岡市内における渋滞対策、これを推進しなければならないと思う。それで、盛岡地方振興局では盛岡市内の交通渋滞になっている箇所にバスの停車帯と歩道を設置することによって円滑な交通の確保を図るということで、渋滞スポットの解消事業を要求したという話を聞いておる。渋滞対策についての土木部として具体的な取り組みと今後の方針というものについてお聞かせをいただきたいと思う。
 それと、この渋滞にかかわる問題として、以前からずっと取り上げてきておるが、北山のトンネル問題、これは昨年立入調査というか、そういう形で大きく前進したと認識しておるけれども、その後、何かさらに前進した部分というものが出てきているのかどうかをお知らせいただければありがたいと思っておる。
 この際、一気にお聞きするが、あとは都市景観の向上の観点から極めて有効なのは電線類の地中化事業関係である。これまでの実績と今後どういう計画を持っておられるか。
 それから、快適な歩道空間の観点から極めて有効なのは、これまた消融雪施設の整備だろうと思う。これらの整備状況と今後の計画がどうなっているかということをお伺いする。特に、例えば県庁から中央通を行く、中央通から今度開運橋の方に通っていく道路と、それから夕顔瀬橋の方に真っすぐ行くのとに分かれるが、あそこのところを見ると、これは電線の地中化事業とのかかわりなのかどうか定かではないが、街路灯と歩道があそこまでは立派に行っているのである。そこから先がどうも街路灯も含めて急に、立派なのと何十年かたったのとの組み合わせになってて、どうも景観上も含めてもう一つ何かまちづくりという意味からいくとちぐはぐな感じがする。そういうことを考えたらこの計画というか、どういうふうにあの地域をとらえておられるのか、お伺いをしたいと思う。せっかく県庁前からずっときれいに整備されてきている。ところが、あそこから街路灯が大分古くなっていく。そしてまた、あれを真っすぐ行くとあの通りというのは岩手山が真っ正面に非常にきれいに出てくる。そういうことの景観上の問題等とのかかわりもあるのではないかと思っておる。それから、あのまま県庁からずっと中央通を行って、県道にはならないかもしれないが、夕顔瀬に曲がるところ、真っすぐ行けば何か急に行きどまりになったりする道路になっている。あれは市道かもしれないが、あの計画というのは実際どういうふうになっているものなのか。何かどうも余り一貫性のないようなつくりのように見えてならないのだけれども、もしその辺のことでわかる範囲があればお知らせいただきたいと思う。
 それから、この際であるからもう一つ、中央通から旭橋に曲がっていく道路、そして旭橋を越えて新幹線の下を通ってマリオスのところまで行くのが今度間もなくオープンというか開通する。あの通りができたとして、将来中央大橋ができてつながっていくわけであるけれども、今は、交通量の実態というのもまだ出てこないからあれであるけれども、どうも旭橋を渡って例えば車が入ってきたとすると、材木町から長田町のわずかな距離であるけれども、あそこが急に狭くなっていると思う。あれで車の流れが本当にうまくいくのかと心配するのであるけれども、この辺の考え方、交通量調査ができないから何とも今の時点では言いにくいかもしれないけれども、今の段階で何か総合的に考えている部分というのはあるのかどうか、その辺もあわせて、ちょっと盛りだくさんになったけれどもお知らせいただきたいと思う。

〇大石土木部長 一般国道455号の北山バイパスの用地未解決区間であるけれども、本年度において地権者の同意をいただいて測量調査を実施したところである。その成果をもとに今計画図面を作成して、現在地権者の方々とお話し合いをしているところである。また、この計画区間は風致地区にもなっておって、また北山寺院群の環境保護地域に隣接しているということから、歴史とか文化的環境に配慮した計画が必要かと思っているところである。このため、地権者、さらには有識者、そして地元盛岡市長、さらに私も入って北山地区の歴史文化を学び地域整備のあり方を語る懇話会を開催して、この中でいろいろ御意見をいただいて今後の計画に生かしたいと思っているところである。これまで盛岡北山地区の歴史と文化、さらには盛岡のまちづくりをテーマにした話し合いを行っておって、その中で盛岡市の都市計画道路や散策路等の環境整備と一体となった事業計画を策定する必要があるのではないかというような御意見もいただいたところである。これらを踏まえて、今後は北山地区の道路計画を話題として総合的な意見交換をしたいと考えておるところである。県としては、市との密接な連携のもとに、地権者との信頼関係を築きながら、用地補償の考え方について十分説明を行い、事業化への合意形成に向けて努力してまいりたいと考えているところである。

〇阿部都市計画課長 まず、街路事業関係についてであるけれども、中心市街地の活性化等に資する街路整備等については、地域の皆様方の御協力をいただきながら、安全で快適な町並み、あるいは歩いてみたくなるような町並み、そして歴史とか文化を生かした個性あるまちづくりなどを支援するために積極的に取り組んでいるところである。具体的には、盛岡駅西口を初めとする各地域において、幅の広い歩道の設置、あるいは歩道の舗装の高質化と申すか、カラー舗装とかそういうもの、あるいは先ほどお尋ねもあったけれども無散水消雪施設の整備、そして電線類の地中化、また橋梁等のけたの化粧のためのカバーを設置するというような問題、あるいは歩道に植栽をするというようなことを行っておる。これらの手法については、地区ごとにいろいろな制約条件等もあるので、どの地区でも実施できるというものでもないわけであるけれども、県としては、今後とも、地元関係者や市町村とも緊密な連携を図りながら、中心市街地の活性化を支援するような事業の推進に努めてまいりたいと考えておる。
 次に、渋滞対策関係であるが、これまで国や県、関係市町村及び交通管理者が連携を密にしながらバイパスとか4車線拡幅等の交通容量の拡大方策、あるいは信号機制御の工夫とか時差出勤等の交通マネジメントなどハード・ソフト両面で取り組んできているところである。交通容量拡大などのための環状道路とかバイパスの整備については、長い期間と膨大な事業費を要するところであるので、これらと並行して、右折レーンとかバス停車帯など、局所的、短期的に対応できるものについて、平成3年度に県単の緊急渋滞対策街路事業を創設し、これまで仙北町の小鷹橋の右折レーンの設置など、6カ所において整備を行ってまいったところである。この事業は非常に効果を上げているところであるけれども、一応今年度で終了するということになっておる。しかしながら、今後とも、まだまだ渋滞対策を積極的にやらなければならないというところであるので、振興局の要望も踏まえて、効果的な事業の創設について具体的に今後とも検討してまいりたい、そのように思っておる。
 それから、最後にお尋ねのあった盛岡市の中央通の先の長田町に至る道路の景観の問題、街路灯等がちぐはぐだというようなお尋ねかと思うが、これについては、やはり整備の時期等によっていろいろ違っているのだろうと。やはり統一的な景観が望ましいということで、今後ともまとまりのある町並み景観の創造に向けて、市とも相談しながらいろいろ工夫してまいりたい、そのように思っておる。
 それから、旭橋につながる部分が狭くなっているところということと、それから、曲がっているところという話で、これについては、都市計画道路ということで計画があるけれども、それぞれいろいろな事情、例えば用地の問題とか、そういうことでできてこなかったのではないかと考えておる。
 詳しく調べてなかったのであるが、今後ともまちづくりの上からも、あるいは都市内の円滑な交通確保という面でも、できるだけ早くこういう問題について解決していかなければならないと考えておる。地元市とも一緒に相談しながら取り組んでまいりたいと思っておる。

〇北田道路維持課長 電線の地中化及び歩道の消融雪施設の整備状況に関してのお話であったので、簡単に答えさせていただく。
 全県的な県管理道路についての状況を申し上げると、電線の地中化については、平成10年度、国道284号の一ノ関駅前など6路線6カ所をさせていただいて、平成10年度末で14路線19カ所、1万1、000メートルの整備を実施したところである。
 それから、歩道の消融雪についても同様に10年度に遠野の停車場線等3路線3カ所をやって、10年度末で12路線27カ所、1万2、815メートルを整備したところである。
 委員お話しの、県道でいうと盛岡横手線の夕顔瀬方向に延伸という件についても、ただいま都市計画課長から話したようなことを踏まえて、これはいろいろ関係者が入り組んでいるので、そこらあたりの協議、調整等を図って早い時期に着手できるように進めてまいりたいと思っておる。

〇谷藤委員 今、北田課長からその地域については早い対応をしていきたいという力強い御答弁をいただき、ありがたい。
 私も土の中のことはよくわからないけれども、歩道を掘り返してみると多分いろいろなものが入っているのだろうと思う。恐らくそれらのタイミングがあってなかなか進まない部分もあるのだろうと思うけれども、私、あの地域の方にお話をいただいたとき、あの一帯は同じ町内会で同じ振興会なのである。ずっと長い町内というか振興会になっておって、町の中で半分だけ立派になっていて半分が全然何だかちぐはぐで、こっちは見捨てられたのかという言い方をされて、いや、そんなことはないと思うけれども、タイミングを見ているのではないかというようなことはお話ししたけれども、まるきりちぐはぐでは、まちづくりというか、町並みの統一感が出てこないという思いがどうしてもあの地域にはあるのではないかと思っておる。そういうことで、早急に取り組んでいくという姿勢が見られたので、高く評価をさせていただきたいと思っておる。
 いずれ、まちづくりというのは非常に長期的な部分もあるが、先ほどはマリオスからこの部分についての考え方が余り明確に示されなかったように思うけれども、あれは県道に昇格をしたのであろうか。以前は市の担当だったと思うが、県道に昇格したということで、これからは県がかかわっていかなければならない部分になったのだろうと思うので、あの辺の考え方、開通していないからどういう状況になるのか予測が立たないであろうけれども、一応予測を持ちながら計画を立てているのであろうから、ぜひその辺、あそこは今でさえちょっと詰まっている。あの線ができると必ず詰まりそうな気配を感じる。そういうことで、そのときには速やかな対応ができるように、ぜひ今のうちから心構えをしておいていただければと思っておる。

〇瀬川委員 谷藤委員に関連してお伺いする。
 電線の地中化と消雪道路の件でお伺いする。
 この事業に関しては本当に要望が強くて、評判のいい事業なわけである。県下59市町村あるけれども、本当に下水道事業のように1兆円か幾らかかるような大変な事業だと理解しておる。そういう中で、建設省の事業のメニュー、すばらしい事業を提案されるわけであるけれども、どうしても市町村においてはメーンストリートとか、恵まれたところがまず初めに取り上げられることが多いわけである。そういう中で、今、谷藤委員からもお話があったが、隣接する町からも早くやってほしいという希望が出るわけである。この事業が継続してやられていく中で、これから整備目標というか、そういうものがつくられるのかどうか、それをお伺いする。

〇北田道路維持課長 たまたま電線の地中化あるいは消融雪ということがリンクしておるけれども、先ほど谷藤委員からも話があったけれども、地中化しようとすると、既存の道路の中には地下埋設物、もちろん地上の方もたくさんあるので、そういう関係をいろいろ整理して進めていくということが一つあって、関係する機関との、例えば電線の管理者の負担も伴うし、もちろん事によっては地権者の方々に用地の提供をいただいて歩道を広げるということもあるので、いろいろ関係する事項が多くなる。
 例えばうまくいっている例としては、盛岡市内の場合は、県が管理する国県道にあわせて市道等も一緒になって面的に整備するという手法も入ってきているし、今、それこそ県内、花巻にしても、あるいは一関にしても北上にしても、駅前近辺、とりあえず交通量の多い、買い物、通勤あるいは公共交通の重要な接続点ということで、そういう施設を先駆的にやっているわけであるけれども、今後、この事業を継続させていく場合、関係者の方々の十分な理解を得る協議会等もつくっておるので、そういう場で関係する市町村も含め、いろいろ連絡をとりながら、お話のような趣旨に沿って事業を継続し、積極的に取り組んでまいりたいと思っておる。

〇田村委員 1点だけお尋ねする。
 県発注の工事の入札についてであるが、新しい制度というか、予定価格公表制度という制度に試行的に取り組んでおられるようであるけれども、その中身をお知らせいただきたいと思う。

〇加藤建設振興課長 設計金額の事前公表のことかと思うけれども、今、本県においては、技術と経営にすぐれた企業が伸びられる透明で競争性の高い市場環境整備を目指して、あるいは入札手続の透明性の一層の向上を図り、その公正さを確保するため諸情報の公表について検討する必要があるという建議等にこたえて、いろいろな入札制度について試行しているわけである。今のもその一環であるけれども、まだ試行してから公表できる段階になった件数というのが少ないけれども、設計金額の事前公表の試行後の落札率の状況であるが、大変申しわけないが、2月9日現在で1億円以上の工事について申し上げると、現在7件で平均の落札率が93・4%となっておる。
 なお、4月1日からは予定価格の事後公表を実施しているけれども、それ以降今日までの平均の落札率が97・7%となっておる。であるから、事後公表よりも事前公表の方がさらに落札率が低下しているという状況になっておる。

〇田村委員 結果は、今、御答弁いただいたわけであるけれども、その制度の中身、公表制度というのはどういった仕組みで、例えば指名は何社と限られているものか、オープンにやるものか、その制度の中身をまず教えていただきたいと思う。

〇加藤建設振興課長 新しい入札制度の試行全体についてのお話になろうかと思うけれども、一つは、今、試行しているのは条件つき一般競争入札というのがある。これもやはり先ほどお話ししたように、技術と経営にすぐれた企業が伸びられる透明で競争性の高い市場環境の整備を図るため、これについては、県内企業が広域的に入札に参加できる機会を確保する新たな入札方式ということで試行しているものである。
 これについては、従来の指名競争、限られた地域において工事が発注されると、例えば10社なら10社指名するということを排除して、その地域に出された工事については、その地域の業者が参加資格があればすべて入札に参加できるという形の中で試行しているものである。
 それから、今、申し上げた設計金額の事前公表であるけれども、これも目的についてはお話ししたわけであるけれども、これについては、適正な積算の確保を図るという観点から、入札参加者から応札時に設計積算内訳表の提出をあわせて求めているものである。そういう形で実施を進めておる。

〇田村委員 落札率も97%、そしてまたオープンに入札させるということであるけれども、応札業者というか、参加した業者の皆さんの評判はどのようなものであるか。現場からお聞きすると、大分混乱されておるような様子もうかがえるし、これは試行段階で初めての経験ということもあると思うが、業者の皆さんの反応、そういったものはどうなのかお尋ねする。

〇加藤建設振興課長 試行の結果についてはこれから分析を加えていくわけであるけれども、今の応札時の設計等については、確かに今までと違うやり方であるので、言ってみれば設計をつくるのに非常に手間取っている、それから、戸惑いを見せている業者もあることはある。でも、これからの技術と経営にすぐれた業者として、やはりその辺は伸びていただきたいという観点からやっておるが、いずれにしても、今のところは問題点はそんなにないかと思うけれども、これからその辺について分析をしていきたい、そういうふうに思っておる。現在のところそれほど大きな問題になっている件数というのは多くない。

〇田村委員 私は一般質問でも質問申し上げた経緯があるけれども、いわゆる国の例の昨年2月の建議、それを受けた形でこれからそういった形を今後とっていくであろうという予測をしておるが、今、答弁にあったとおり、技術と経営力にすぐれなければなかなかこれに参加していけないような一つの条件もあるわけである。そういった条件をクリアするためには、一般質問でも申し上げたとおり、建設業界の再編、そういったものが今後求められてくるのではないかと思っておるが、その辺の御見解はどのようになっているのか。

〇加藤建設振興課長 その辺については、今後いろいろと意見交換の場を密にしながら、業界とよく話し合いながら、どんな支援策があるのか、そういったことについて努めてまいりたいと考えておるところである。

〇久保田委員 私は、下水道事業にかかわってのみ質問する。
 多少あちこち飛ぶと思うが、御容赦願いたいと思うが、まず、10年度の下水道の普及率はどう高まるのか。そして、新たな11年度の計画による目標によれば普及率はどうなるであろうか、まず、この点をお伺いしたいと思う。

〇佐々木下水道課長 普及率であるけれども、手元に資料を持っていないけれども、2%ほど上がるのではないかと。現在の普及率が28%ほどであるから、10年度末で30%ぐらいには上がるのでないかと予測しておる。

〇久保田委員 下水道の普及に伴って課題になるのは、汚泥の処理の問題である。私は前にもこの問題について取り上げているわけであるが、今、お答えの2%普及率が高まれば汚泥の量はどれほどふえるのか。県内における汚泥の排出量の現状について、資料があれば、まず、明らかにしていただきたいと思う。

〇佐々木下水道課長 下水道の汚泥の量であるけれども、現在手元にあるのは9年度末の資料であるので御了承いただきたいと思う。
 流域下水道から発生する汚泥は1万4、000トンほど、これは脱水状態でのものである。それから、市町村の管理する公共下水道から出される汚泥が7、000トンほどである。それを合計すると2万1、000トンほどになっておる。普及率が高まることによって量的に減ることはないということになるけれども、2%ということになると400トンほどふえるというふうに思っておる。(後刻訂正)

〇久保田委員 環境問題にかかわるお話になるわけであるが、要するに汚泥は基本的には資源になるものである。これをどうリサイクルするかということは今日的課題である。そういう意味で、時代の要請は、何としても資源化をしてリサイクルして有効活用というのが最も重要なことだと思うのである。
 汚泥を焼却して処分するというお話を伺っておるわけであるが、この焼却の方法がベターなのかベストなのか、どういう視点に基づいて焼却の方法に至ったのかについてお尋ねしたいと思う。

〇佐々木下水道課長 下水道から発生する汚泥については有効利用することが非常に重要である。ただし、公共下水道に排出する汚水については、下水道法によって重金属を最小限に抑制しているところであるけれども、どうしても水銀、砒素、カドミウムなどの有害な金属が含まれておる。このことから、下水汚泥をコンポスト化し、農業肥料として長期にわたって利用した場合、土壤に蓄積された重金属が作物に移行し、それを摂取することによって人体に影響を及ぼすことが懸念されておる。
 したがって、県の流域下水道としては、今までの経緯等があって都南の処理場に焼却炉を設け焼却を主体に処理してまいったし、平成10年度には北上浄化センターに焼却炉を建設中である。これが10年度末で完成するので、11年度から花北処理区、それから胆江処理区、一関処理区の下水汚泥を北上浄化センターで焼却する予定としておる。

〇久保田委員 今のお答えを整理すると、将来ともに焼却せざるを得ないという視点であろうか。とすれば、ますます普及率が高まり汚泥がふえる。それは焼却に回すということであろうか。有効活用の視点はほとんど失われているわけである。
 お尋ねするが、焼却した後の灰はどういう処理をするつもりなのか。
 それから、もう1点であるが、有効活用に今企業が進出して、新しい環境産業として伸びていこうという企業もあるわけであるが、こうした企業に対する直接援助は要らないけれども、そういう資源を有効活用していこうという企業があるときに、一方ではそれを阻害するようなことがあるということに対して極めて疑問を感ずるわけである。今、お話しのように、重金属の処理が不十分だということに対する当面やむを得ない措置であったにしても、将来的には重金属の除去の方向について研究開発すべきだというのが私どもの要望であるが、例えば一例を申し上げる。きょうの朝日新聞に紹介されているわけであるが、砒素の除去について、微粒子で除去するという方法が北海道大学の触媒化学研究所によって開発されたということで報道されておる。そういう状況を見ると、重金属の除去について、やはり開発研究というのはどんどん進んでいくものだと思うわけである。私は、そういう意味では、本県がこれから重要な社会資本である下水道の整備促進を図るという視点からすれば、最も積極的にこれらの研究開発に力を入れていく努力が必要ではないかと思うのであるが、これらの視点についてお伺いしたいと思う。基本的な考えであるので、部長の見解をお伺いする。

〇大石土木部長 下水道汚泥の処理については非常に重要な課題と私たちも受けとめているところである。今、下水道課長が御答弁申し上げたとおり、現在の技術では人体に危険な重金属の完全な除去はまだ確立されていないということで、これは建設省の下水道部で昭和50年からいろいろ研究をやっているところであるけれども、まだ重金属の除去が完全にできないというのが実態と聞いておる。
 したがって、私どもは現在、一部岩手コンポストにも出しておるし、さらに小野田セメントにセメントの原料の一部として出しているわけであるけれども、将来、これら重金属の除去が可能になれば、これを有効な形で農業の肥料に使えるということも当然あるので、私どももこういう研究の推移を見ながら、より安いコストで処理できることが理想的なことであるので、そういう動向を見ながら、県としても今後下水道から発生する汚泥の処理について考えてまいりたいと思っているところである。

〇久保田委員 ちょっとしつこくなって済まないが、要するに有効利用という視点で考えてみれば、例えば、今、現に存在する岩手コンポストなどの企業があるわけであるが、そこの企業が汚泥を求めた場合、やはり機械的に焼却するという方法ではなくて、企業の要請にこたえた処理の仕方というものを同時に考慮すべきではないであろうか。私は、すべて農地に還元して肥料化するということだけではないと思うわけである。有効活用の方法は幾らでもあるわけなので、そういう面で、機械的な焼却の方法一辺倒になるということの問題点を私は指摘したいわけである。より幅の広い有効活用というものを取り入れてほしい、このことを強く求めたいのである。御見解をお伺いする。

〇大石土木部長 ただいまの委員の御指摘のとおり、この汚泥については、先ほども言ったとおり、現在岩手コンポストにも出しているわけであるし、さらにセメントの原材料ということでも出しているわけである。要するに汚泥の処理のコストが安ければ県としても非常にいいということであるけれども、今のところ、方法としては焼却して処理するのがコスト的には一番いいということと、コンポストにしても重金属の完全な除去ができないという問題があるので、これらの処理の方法が開発できれば、当然私どもも有効な形で処理されるのがベターだと思うので、今後の研究開発の推移を見ながら対応してまいりたいと考えているところである。

〇久保田委員 さっきもちょっとお尋ねしたが、焼却することによる費用はどの程度考えられるのか。今後新たに設置される焼却センター、そこでの費用はどの程度かかるのか。
 それから、焼却すれば灰になるわけであるが、その最後の処理はどういう処分の仕方になるわけなのか。

〇佐々木下水道課長 新しい焼却炉の費用ということであるけれども、現在、手元に資料を持ち合わせてないが、都南の処理場と比較してほぼ同じ程度になるのではないかと考えておる。
 それから、焼却した灰の処理であるけれども、これは、大船渡のセメント会社にセメントの材料として処理していただいておる。セメントであるから、最終的にはコンクリートの形で有効活用されると考えておる。

〇久保田委員 要望になるが、今後の下水道の普及に伴って増大するであろう汚泥の処理については、今言ったいろいろの問題点は残されておるわけであるが、先ほど紹介した北海道の研究開発の例にあるように、少なくとも県内における独自の研究開発というものを求める努力も必要ではないであろうか。関係する大学もあるわけである。工業技術センターもあるわけであるが、そういう機関に対する研究要請というものをする考えはないか。

〇大石土木部長 汚泥の処理の研究開発であるけれども、情報として正確ではないかもしれないけれども、県内の企業でそういう独自の研究開発をやっているという情報を私は承知しておらない。いずれ、県内の機関で研究開発していらっしゃるとすれば、私どもの下水道処理の汚泥の今後の取り扱いに対しても非常に参考になることであるので、もしそういう研究が実施されているとすれば、私たちも今後いろいろな形で協力要請なり研究開発の支援をして、早期に開発し、処理ができるような形で見守ってまいりたいと考えておる。

〇村田委員 私も十分な関心を持っているシステムであるが、焼却システム一辺倒ということではなしに、重金属をクリアするのであればコンポスト化、リサイクル化ということが可能であるし、また、それも意識の中に入れて考えていきたいという御答弁である。
 現実には、コンポスト企業が立地される場合の前提として、環境アセスメントの調査、あらゆる調査が行われたやに聞いており、それが土壤基盤材等に活用されている、あるいは一部肥料化もされていると、こう聞いておるわけである。それらが商品化されて、既にそれは一般の農家等に活用されているという実態があるが、人体に将来害を与えないという通産省のJIS規格の検査の条件としては満たされているということだと思う。販売の大前提としての厚生省、通産省等のJIS規格等の調査というものは基準が示されており、それをクリアしなければ販売できない、こういうことがあるようであるけれども、その点のお調べを願っておく方がいいのではないか。
 それから、九州あるいは関西地方は先進的で、リサイクルの還元率が大変高いと聞いておるが、東北地方はその点、利用率が非常に低い、焼却一辺倒であると聞いておる。その辺も御調査をいただけたらと思っておるが、現在お手持ちの資料があったらお示し願いたい。

〇佐々木下水道課長 JIS規格等の調査をしておくべきだというお説と、それから、全国的な数値ということであるけれども、現在、手元に資料を持ち合わせてないので、後ほど御報告させていただきたいと思う。

〇船越委員 私からは4点だけお伺いする。
 まずもって龍神崎堤防であるが、龍神崎堤防は、北に面する宮古湾にとって第2堤防ということで、非常にありがたい。何十年望んできたこの工事が始まってきたのであるが、今、約600メートルの予定の3分の1か何ぼかできたことによって非常にその効果があらわれ始めているということである。大石部長は本当に宮古のことについては詳しいわけであるが、藤原埠頭が千四、五百メートル、北の海を呼び込むような形でできたものであるから、天然の避難港であった閉伊川に波が入っていくということになって、今度は反対のことが出てきたのである。今度第2堤防の龍神崎の工事を実施したことによって、海上保安部の前のあそこの船だまり場に流入する波等が相当減ったということで非常に喜んでおるけれども、世の中は経費の節約ということで、港湾予算はむだだと言う連中がいっぱい出てきているので、今後、これを続けてやってくれるものかどうか、こういったような心配があるので、その辺の力強い御答弁をいただきたい。
 それからまた、先ほど伊藤委員からもヨットハーバーの話が出たが、先ほど係の方からディンギーヨット74隻分だとはっきり出た。これを設置するときに、あとはもうここは埋めないというのが何十年前の約束だったけれども、何とかかんとか国体用にヨットハーバーをあそこにつくらせてくれということで長い間漁民と折衝したのであるが、そのときに、あれをつくらせれば、あらゆるヨット、それからレジャーボートをみんなあそこに収容するんだと漁師は受け取ったわけである。ところが、できてしまったら高校生用のディンギーヨット74隻分で、あとのは入れないと、こうなった。話が違うんじゃないかと、こういったようなことで今いろいろとやっているが、もっともな話で、あれだけの面積にあらゆるものが取り込めるわけはない。私は、重厚長大型の港湾計画というものを見直して、そして海洋博をやった場所、あそこはもう漁業権を放棄しているから、あそこに大きな、日本海の本荘市のようなヨットハーバーをつくってあらゆるレジャーボートを収容したらどうかということをずっと申し上げているが、その構想というのはどの程度進んでいるかというのが第2点。
 それから、3点目は、昨年あたりの質問で、私たちが毎日通っておる達曽部トンネルが3月あたりにはできそうだというような感触の答弁があったが、なかなか盛岡の方に顔を出しそうにない。この辺の、確実にいつから供用するという見通しがあるならばこの点をお聞かせ願いたい。
 それから最後であるが、伊藤委員と私は宮古病院の運営委員になっているが、何が何でも北部環状線はぜひ必要だと、こういった要望が病院側からも出ている。今までは住民から出ていたが、病院からも出たので医療局に申し上げたところ、局長からは大いに熱意があるということを聞いた。熱意はあるけれども、工事をやるのは土木部であるから、そっちの方に言っていただきたいとは言わなかったが、そう言わんばかりのことであったので私は再びお聞きするわけであるが、北部環状線は、朝夕のラッシュに加えて、冬どきの雪なんか大変だといったようなことから、非常に病院側も住民も、殊に閉伊川方面から来る患者さんたちは非常に要望しておるので、これを何とか県道昇格を図りながら早く完成願いたいと、こういう熱望であるので、熱意のほどをお伺いしたいと思う。

〇大石土木部長 宮古市道北部環状線であるけれども、宮古市の中心市街地から県立宮古病院のアクセスの機能の強化、また、中心市街地の交通緩和等重要な機能を有することから、宮古市では主要地方道宮古岩泉線から宮古市道黒森線までの区間を1期工事として平成5年度から国庫補助事業で整備を進めているところである。現在、用地補償とか埋蔵文化財の調査を進めているところであるけれども、県としても早期完成ができるように支援してまいりたいと考えておる。
 次に、県道の昇格についてであるけれども、県道の認定に当たっては、県道として早期に整備、管理する必要性とか、道路の整備状況、道路の整備計画の成熟度等を総合的に勘案して、緊急を要する路線から段階的に認定しておるわけである。本路線については、平成11年度新規着工準備箇所に採択された三陸縦貫自動車道宮古道路や平成10年12月に調査区間として指定された宮古盛岡横断道並びに三陸北縦貫自動車道など、高規格幹線道路と密接に関連するということであるので、宮古市の都市圏の道路網において総合的な調整が必要かと思っているところである。そういうことで、今後、宮古市と綿密な連携をとりながら、これらの整備手法について考えてまいりたいと考えているところである。
 それから、龍神崎の堤防であるけれども、これは宮古港の静穏度を高めるということで、出崎だけではなく藤原地区の静穏度の確保を目的として、全長600メートルの計画で国の直轄事業として、今、整備を進めていただいているところであるけれども、平成10年度まで約110メートルの整備が成ったところである。
 今後についても、国に対して一層早期完成に向けて事業が促進されるように働きかけてまいりたいと思っているところである。

〇笠原港湾課長 いわゆるプレジャーボートの対策ということだと思うが、海洋レクリエーションの需要の増大並びに港湾の適切な使用、港内の安全航行の確保のためにプレジャーボート用の係留施設の整備は必要と考えておる。そういうわけで、現在、港湾計画を策定中なので、既に設けてある宮古港活性化調査委員会、その中で学識経験者、港湾関係者、地元市、漁協関係、関係機関の御意見をお聞きしながら、このプレジャーボート対策の対応について検討してまいりたいと考えておる。

〇今野道路建設課長 最後の国道106号の達曽部道路についての現在の状況であるけれども、ここの区間については、川井村の下平地内で通称魔のカーブと呼ばれておるところで、この隘路区間の解消を目指して、計画延長1・4キロで総額約50億円という巨費を投じて平成5年度から事業を開始しておるところである。この中で、達曽部第2号トンネル、600メートルをちょっと超えるトンネルであるけれども、そこの工事に際して一部用地の同意が得られず、これまで全体工程がおくれておったところであるけれども、昨年1月に事業認定を受けて、同じく11月には土地収用法に基づく収用裁決がされたところで、それ以後工事を再開したところである。現在、宮古側から計画どおり掘削工事が進められており、現在の工程上では平成11年度中には全線の完成、供用が図られると、このように考えておるが、ここの道路の緊急整備の必要性を十分認識して、一日も早く完成を目指して努力してまいりたいと考えているところである。

〇伊沢委員 私は、土木部の方で自然環境に配慮した事業の推進なり、生態系に関しての配慮をこの間どのように行ってきたのかお伺いしたいと思っていたところであるが、きょう新聞を見たら、土木部が生態系に配慮し、事業を進めるための環境対策指針をまとめたということでの報道を見てきたわけである。実はこの問題については、私が議席をいただいた初議会の平成7年6月に、河川の工事や道路についてどのような配慮を行ってこられたのか、将来にわたって自然環境の保全なり生態系に対する影響を今後ともちゃんとやってほしいということで一般質問で取り上げて、部長の方からも頑張っていきたいとお話があったわけである。そんな中で、この間いろいろな、例えば工事にかかわっての問題点も出てきたわけであるけれども、これは何も土木部の方針が悪かったということではなくて、いろいろな要素の中で出てきたものだと思うわけである。
 そこで、まず、お伺いしたいわけであるが、これまでも大変配慮しながら河川工事なり、道路等を含めて事業を推進してきたと思うわけである。昨年岩手県が環境基本条例をつくって、今、その基本計画をまとめている、こういう中での今回の環境対策指針の中身だと思うけれども、土木部で考えられている今回の指針の概要等について私どもにもお知らせをいただければと思って改めてお伺いしたいと思うわけである。まず第1点、お願いする。

〇大石土木部長 本年2月に土木部として環境対策等の指針を具体的にまとめたわけであるけれども、この指針は、快適で潤いのある環境の創造、多様で豊かな自然との共生、地球温暖化防止への貢献、この三つの柱から成っておる。これまでもそれぞれ自然環境等に配慮した道づくりとか排ガス対策、建設設計の指標、多自然型川づくりなどいろいろやってきたわけであるけれども、必ずしも現場においてはそれぞれ十分な対応が徹底していなかったという面もあったので、部としてこういうものをつくって、県下全域で同じレベルでこういうものに適正に対処するべくまとめたものである。

〇伊沢委員 これの指針について、的外れかもしれないが、岩手県がISO14001の取得に向けて動き出しているのは土木部も御存じだと思うが、この指針も含めて、ISOの範疇がどこまでなのか。一般質問ではいつ取るのかと、頑張って取っていただきたいという話をしたわけであるけれども、これらが事業にかかわってくるものなのかどうか。部としてどのような御見解をお持ちなのか、もしわかればお伺いしたいが、御答弁はあるか。

〇大石土木部長 県として環境対策としてISO14001の取り組みを行っているわけであるけれども、これは土木部の事業そのものにはかかわらないと考えておる。
 しかしながら、今、委員御指摘のとおり、自然環境に配慮した公共事業をやるのはもっともなことであるので、十分配慮した形で対応してまいりたいと考えているところである。

〇伊沢委員 これからこれに基づいて各道路なり河川なり下水道なり、いろいろな整備についての指針をつくられるということであるが、先ほど久保田委員の方から下水道の汚泥の問題が取り上げられた。私、ぜひこれは考えていただきたいということで御要望しながら御答弁をいただきたいのであるが、今、出口論での汚泥からの有害物質の除去ということがずっと出てまいった。確かに汚泥の方にたまる率は高いが、実は下水道法の中に、御承知のとおり、下水道に水を流す場合は有害物質を除去しろというのがあるわけである。いろいろな事業費をいただいて整備をするという部分では、これまで土木部の範疇。最終的には、管理を含めて放流水がどうなるかというのは、いろいろな意味で下水道公社なりそれぞれの市町村が管理をする部分でおやりになってきていると思うが、器をつくって、最終的に管理をしてその水がどうなっているかという部分については土木部の方で把握されているのかと一つ疑問に思ったわけである。下水道法で言う監視体制も含めて、それらの人員配置もこれから必要ではないかと思うが、その辺に向けては当然御検討されてきて配置をされていると思うけれども、下水道課長の方でどの程度掌握されておられるのか、また、将来的にどう考えていくのかお示しいただきたいと思う。

〇佐々木下水道課長 終末処理場からの放流水までの管理をどのようにしているかという御質問かと思うけれども、流域下水道の4処理場から出ている放流水については財団法人岩手県下水道公社に管理を委託しておって、そこに化学職の職員が配置されて、毎日定期的にその質を調べておる。下水道法なり水質汚濁防止法に基づいた項目について検査をしておる。今のところ問題なく規制値の中で放流されておる。

〇伊沢委員 そうなると、整備の部分だからあとはお任せという形になろうかと思うが、私はここは要望にしたいけれども、やっぱりつくる段階で、それらの管理を含めた配置なり、いろいろな意味で委託をして、結果も含めて十分な掌握というか、情報も得てそれをやっていかないと、将来的に下水道が整備をされてくるという中で大変問題が起きるのではないかと、こう思うわけであるけれども、ぜひその辺をお願いしたいと思う。
 もう1点あるが、先ほど盛岡市内の渋滞対策のことで谷藤委員の方からお話があった。私、一般質問で、オムニバスタウン構想を盛岡市が持っていて、これから指定を受けていく、県としてどのような御支援をしていただけるのか、県の支援がなければ難しいのではないかということでお伺いした。企画振興部長の方から答弁をいただいたわけであるけれども、これは建設省と警察庁、それから運輸省の3省庁にまたがる部分であるけれども、県道にかかわる部分、それから、都市計画街路も含めて盛岡市内の道路整備も一緒にやっていかないと難しい面があるのではないか、こう思うけれども、この事業にかかわって、県としてこれまで委員会の方にもかかわってきたと思うけれども、県としてどのような道路整備が必要と思われるのか、その辺の御所見をお伺いしたいと思う。

〇三河委員長 伊沢委員の質疑中であるが、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時59分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇三河委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 土木部関係の質疑を継続する。

〇阿部都市計画課長 オムニバスタウン構想に係る県の支援方策というか、考え方とかいうことのお尋ねであるけれども、このオムニバスタウン構想は、バスの効率的な運用によって利用を促進し、安全で快適な住みやすい都市環境の実現を目指すものであって、交通渋滞の緩和にも資するものと期待されるものである。盛岡市が中心となって進めておるこの構想に係る県の支援方策としては、バスの走行環境改善のための交通渋滞対策としての、例えばバス専用レーン等の設置とかバス停車帯の設置等、あるいは道路・交差点等の改良の促進、またバスの交通円滑化のための交通施設の整備改善として主要幹線道路網の整備とか、あるいは盛岡駅西口ターミナルの整備など、その他いろいろ考えられるところである。
 なお、これらの中で道路の改良等には長い期間を要するところから、当面は現状の道路を基本に、効率的なバスの運行が図れるルートの選定が必要であろうと考えておる。今後、盛岡市が考えておるゾーンバス、あるいは基幹バスシステム等の具体化に向けては、盛岡市初め関係機関と連携を密にしながら対処してまいりたいと、そのように考えておる。

〇伊沢委員 今御答弁あったように、直ちに道路関係を含めて改良してくれと言っても無理があるというのは、私も十分知っている。ただ、現状で何とか進めていくについても、ある程度改良が必要ではないかと思われる点があるわけである。先ほど谷藤委員の方から国道455号のトンネルの話もあった。地域の皆さんで何年も前に土地を提供しながら、便利になると言われてやったのになかなかできないではないかという苦情も実は出ているし、それから地権者の皆さんの方のいろんなものから進まないという部分もある。先ほど部長から御答弁いただいたように、これは松園から来る455号のトンネルも含めて早急にお願いしたいわけであるけれども、1点だけ、ある路線の今後の対応をお伺いして終わりたいと思うのであるが、上堂地区であるが、館坂から北に向かっていく旧国道があるわけであるが、これは南の方では今、仙北地区も含めて改良工事をやっていらっしゃる。同じ路線が2カ所できないのだということも含めて、前には聞いたことがあるけれども、仙北地区が一定程度進まないと北から来る部分が着工できないという状況があるわけであるが、この辺の改良事業について今後の計画はどのようになっているのか、お伺いをしたいと思う。

〇阿部都市計画課長 お尋ねの路線は氏子橋夕顔瀬線ということで、長期的には上堂の国道4号の交差点から館坂橋までを4車線化するという都市計画決定になっておる。現在、このうち国道4号の上堂交差点から市内方向に向けて4車線化が済んでいる部分に引き続いて、馬頭踏切から来る交差点のところの前後であるが、この区間約350メートル区間について4車線化工事を実施中であって、進捗率は30%ほどとなっておる。この区間の完成目標は、平成16年度ということでなっておるけれども、平成11年度には、片側2車線が概成する予定である。また、館坂橋までの残区間、約850メートルあるわけであるけれども、これの4車線化の事業化については、現在実施中のこの区間の進捗状況等を勘案しながら検討してまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 公共事業費を含めてこの間かなりいろんな意味で県債に影響したという論議もあったわけであるが、まだまだ言ってみれば県内、そして盛岡市内を含めて大変な事業があると思うわけである。それぞれ地域の皆さんの御意見を聞きながら、いい道路行政も推進をしていただけるようお願い申し上げて質問を終わらせていただく。

〇斉藤委員 第1に、港湾整備事業の見直しについてお聞きする。
 県内四つの重要港湾、二つの地方港湾の港湾整備事業費は総額で1、421億円となるけれども、元運輸事務次官も過大な投資と指摘をされているように、今、本当にこれは見直しが求められている。特に久慈港湾は355億円の総事業費に対して311億円が投資をされ、計画に対して88%事業費が投入されているが、貨物取扱量は550万トンの計画に対して40万トン、7%にとどまっている。福井港は利用率10%で、100億円の釣り堀と全国的に有名になったが、久慈はもっと深刻ではないであろうか。私はこの計画に対する見通しはあるのかお聞きをする。
 宮古の場合は27%、釜石61%、大船渡は76%、八木港は33%の計画に対する貨物取扱量にとどまっている。抜本的な見直しが全体として必要ではないであろうか。
 大船渡港は76%にとどまっているのに420億円の新たな投資が本当に必要なのか。私は改めて13メートルバース2基が必要な具体的根拠をお聞きする。どんな船が入るのか。
 今、既に13メートルバースがあるけれども、この利用実績はどうなっているであろうか。13メートルバースというのは5万トンから7万トンの船が貨物を満載して入ってくるという、こういう規模の岸壁であるけれども、1万トン以上の船がどのぐらい利用されているか、示していただきたい。

〇大石土木部長 久慈港であるけれども、この港湾計画では県北・沿岸地域発展の核となる港湾と位置づけて、さらに津波防災対策としての湾口防波堤の整備、それから国家石油備蓄基地に対応した施設の整備を図ることとしているわけである。しかし、半崎地区とか諏訪下地区などの岸壁については、貨物量や最近の社会経済情勢等から、新たな施設の整備を見送っておって、熟度が高まり次第、必要性が認められた時点でこれらの工事を再開することとしておるところである。なお、計画取扱貨物量550万トンは現在の港湾計画の中で係留施設すべてが完成した場合のものであって、未整備の岸壁取り扱いの貨物量も含まれているものである。
 次に、港湾の利用状況であるけれども、地元自治体を初めとする港湾関係者の積極的な取り組みが行われておって、宮古では昨年6月に内航フィーダー船の定期航路、さらに釜石においても昨日3月10日から混載自動車専用船、いわゆるCGC船の定期化が実現するなど、港湾物流の活性化が進んでおって、今後港湾の利用が高まっていくものと期待しているところである。しかし、最近の公共事業を取り巻く厳しい状況の中で、港湾整備においても、施設の必要性や投資効果の見直し、既存施設の効率的な活用・改善が求められておるので、各港の港湾計画の見直しの必要が生じてきていると感じているところである。平成10年度においては釜石港の港湾計画を見直し改定したわけであるし、11年度には宮古港の改定を予定しているところである。今後もほかの港湾についても、社会経済情勢の変化等を的確に把握し、この計画の見直しの必要性を検討しながら順次対応してまいりたいと考えているところである。
 次に、大船渡港についてであるけれども、企業立地が進む県南地域を背後圏とする流通拠点として位置づけておって、三陸縦貫自動車道や内陸部の工業団地等を結ぶ道路網の整備によって地域間の交流が活発化しておって、取扱貨物の一層の増大とともに輸送コストの縮減のための船舶の大型化が進むものと考えられ、老朽化した岸壁にかわる、水深やヤードを十分に備えた大型岸壁の整備とともに、ユニットロード貨物にも対応した港湾整備を計画したものである。当港は主要貨物として原木やオイルコークスなどの原材料中心に扱われておって、将来これらの貨物の輸送に必要な4万トン級の大型船に対応した13メートル岸壁2バースを整備することとしておるけれども、当面は昨年9月に1バースの着工をしたところであり、これらの早期完成を目指して整備に努めてまいりたいと考えておる。

〇笠原港湾課長 最後にお尋ねの実績というお話あったけれども、大船渡については、平成5年が540万トン、それから平成9年が550万トン、貨物についてはそれぞれ減ったりふえたりするのは当然であって、昭和63年から平成6年までにおいて18・6%の伸びできておる。岸壁というとらえ方はしていなくて、港全体としてのお答えにさせていただく。

〇斉藤委員 本当に私が具体的に聞いたことに対して説得力ある回答一つもない。例えば、久慈港は既に311億円投資されているわけであろう。確かに全部完成していない。では完成したところはどのぐらいの利用率なのであるか。実績40万トンなのである。本当に福井港ではないけれども、100億円の釣り堀ではないかと言われるぐらい深刻な状況ではないかと、そしてその見通しを聞いたわけである。そして、今これからやる大船渡の場合、13メートルバースが既にあるわけである。これがどのぐらい活用されているのか。そのことを示さないでこれから13メートルバース2基建設するという、あなた方そういう計画を持っているなら実績をバッと出て当たり前ではないの。全国的にはこの13メートルバースはほとんど使われていないというか、それに必要な船は入っていない。宮古にも12メートルバースがある。だから、私はそういう点で、今まで既に投資された港湾整備も過大投資だったと、そしてこれから見直すということであれば大船渡も含めて、本当に現実可能性のある、見通しのある計画にすべきではないのか。増田知事が言っているであろう、右肩上がりではないのだと。そうした場合に事業の重点化、効率化といったら私は真っ先に港湾整備事業こそその後も焦点になるのでないかとは思うけれども、どうであるか、その点について部長と課長、もっと具体的な答弁していただきたい。

〇笠原港湾課長 まず、久慈のお話であるが、久慈についてはお話のとおり40万トンというお話の数字である。しかしながら、久慈については一番新しい港なわけである。全体としても貨物そのものの実績をつかむには、やはり長い年月が必要だと思う。ほかの3港についてはそれなりの歴史があって今まで来ていると思う。しかし、新港についてはつくりながらこれからやはり上げていかなければならない。地域がそれを求めているという形で私たちも支援という形でやっていきたいということである。内容的に参考までにお話しさせていただくが、中身として、まだ正直な話、関税法上の開港をしていないわけである。いわゆる輸出入取り扱いという、そういう部分でのことがまだ久慈港にはなされていない。しかし、来れないわけではない。それは徐々に徐々に実績をつくって、そういう輸出入の話、いわゆる外国貿易ということに向けても頑張ろうとしている。今度は計画についてお話しさせていただくが、計画についても諏訪下、半崎という港区がある。そこの中では、先ほど部長の方からお話しあったように、いわゆる一つのバースをつくるにしても国の認可の際に非常に緻密に計算されて、あるいはチェックされて私たちは着工しているわけである。その全体の中で着工していない部分もかなりあるわけである。それはいわゆる貨物の状況を見ながらというところも必ずあるわけである。であるからそういうところを総合的に判断しながら、久慈では今現在岸壁はつくっていないわけである。久慈の方はそこまでにさせていただく。
 それから、大船渡の方の野々田については、13メートルバースについては、以前にもお話ししたとおり、いわゆる埠頭用地--埠頭用地に満載するほどの木材が入っている。いわゆる埠頭用地に満載するほど木材が入った時点では船は入らない。あかなければ入らないという形になる。もう一つは、工業用地がある。盛川の工業用地、いわゆる港湾の工業用地である。お話は過去にもあったが、その工業用地はもう既に完売しておる。今の段階としては新しい展開用地はない。大船渡が今、県南の内陸部をターゲットとしてこれから大きくなろう、いわゆる地域振興としてそれで頑張ろうではないかというときに、そういういわゆるはっきりしたターゲットがありながら次の展開用地がないというのは、これは社会資本の整備そのものを進めていく私たちとしてもそこは頑張っていかなければならない。基本的には地域が頑張ろうとするのを支援するのが私たちの役目ではないかと、こう思っておるので、よろしくお願いしたい。

〇斉藤委員 いずれ、久慈の港湾整備というのは、課長が言うように精密な計算をしてやったと言うなら具体的見通しをもっと出すべきなのである。港湾を整備してからだんだん船が来るなどという、そういう時代では今ない。住田正二さんは民間ではそんな投資はしないのだと言っている。見込みのあることをやるのがあれだと言っている。だから、緻密な計算をした、それを指導した運輸事務次官がそう言っているのだから、そこはひとつ考えていただきたい。
 大船渡の場合も確かに木材がたくさん来ているかもしれない。13メートルのバースというのはそのための岸壁なのか。本当にそういう点で大船渡港は6割が秩父小野田セメントの関係である。だから、公共埠頭が本当に必要なのかということがもう一つの問題としてある。しかし、これは指摘だけにとどめて、全体として本当に抜本的な見直しを私はこれは求めていきたい。
 次に、公共事業の評価制度についてお聞きをする。今年度に公共事業評価委員会が設置をされて再評価が行われたが、極めて短期間に、現場を見ることもなく県当局の評価、結果的にはそのままゴーサインと、こういう形になった。私は、県の評価基準もあいまいだし、その再評価も残念ながら厳しいものではなかったと見ざるを得ない。議事録も見せていただいた。公共事業の見直しが県政の重要課題になっており、重点化、効率化と言うなら、県の評価委員会の再評価もやり方を抜本的に改善すべきと思うがいかがであろうか。
 あわせて次に聞いておく。入札制度について田村委員からも質問があったので、私はもう少し立ち入ってお聞きをしたい。入札制度の実態を見ると、1億円以上の予定価格が公表された工事全体を見ると、平均が97・71%、このうち99%以上が107件、50・71%、99%以上が半分なのである。結果として適切な競争が実現していないと言わざるを得ない。残念ながら予定価格は公表されていながらこういう状況にとどまっているのはなぜなのか。
 もう一つは、新しい入札制度を実施して93・4%に平均落札額が低下したと部長も本会議でも言ったし、今、課長の答弁もあった。しかし、じっと見るとこの7件のうち1件は県営仙北アパート建築なのであるけれども、77%で落札している。この入札結果を見ると基準価格より下回っている。私は、だからこれを除外したら全体としては余り変わらないのではないかと言わざるを得ないがどうであろうか。
 それともう一つ、この基準価格を下回って落札したのは低価格でいいのだけれども、今、下請企業の方々が本当にもう赤字の仕事を押しつけられているという声が大変強いのである。この契約案件について下請いじめにならないか。そういう検討を私は担当課がしっかりやったと思うけれども、その検討結果をあわせて示していただきたい。

〇千葉技術管理課長 事業評価制度についてお答えする。
 平成10年度の岩手県公共事業評価委員会は、年度途中からのスタートながら、平成11年度の予算編成に反映したいということで、限られた日数の中で審議した。審議の結果は、評価指標について今後さらに調査研究を重ねて、より公平性、客観性、信頼性の高いものに改善していくこと、さらに、岩手県環境影響評価条例及び各事業に関する環境評価指針等を考慮しながら、自然や生活環境保全の観点での評価を充実することが、岩手県公共事業評価委員会から提言されたところである。したがって、公共事業の評価に当たっては、この御提言を踏まえ、公共事業評価の精度を高めるよう今後努力してまいりたいと、こういうふうに考えておる。

〇加藤建設振興課長 1億円以上の入札結果、余り効果がないのではないかという、競争が適切に行われているかという質問であるが、私どもは入札結果から談合だとかそういったものは推定できないものと思っておる。前にもお話し申し上げたけれども、いろんな積算資料だとかそういったものが公表されておるし、業者には技術レベルの非常に高いものがある。そうするとその辺から積算価格はできると、そういうふうに思っておる。
 それから、1億円以上については7件であるけれども、お話しの件を除いても、私どもはざっと見たところではあるけれども、効果は認められると考えておる。現在試行中であって、今後、試行結果を分析してこういった点も検討してまいりたいと、そういうふうに考えておる。
 それから、低入札価格調査制度の関係であるが、この案件については、その価格の基準を下回るものが実はこの中で4社あったわけである。であるから適正に競争が行われた結果と判断しておる。なお、こういった低入札価格が下請などに不当なしわ寄せにならないかということであるが、私どもも果たして、そういった価格でもって適切な履行ができるのかどうかということについて、十分ヒアリングなどを行いながら調査した。うちの調査項目として下請業者の状況等についても確認して、合理的な説明を求めながら判断したところである。施工中のその状況についても十分管理監督の目を光らせて、こういったことにつながらないようにやっていこうと、そういうふうに考えているところである。

〇斉藤委員 まず、公共事業の評価について私は提言を含めてちょっとお聞きしたいのであるが、公共事業評価委員会の調書記載要領によると、ダブルAというのが事業の進捗は順調と、Aランクというのは一定の阻害要因があるが解決は容易であると、Bランクはかなり阻害要因があるが一定の期間等を要すれば解決できる。Cは阻害要因の難易度が高く、現時点では事業進捗のめどが立たないと、こういうランクになっている。議事録を見ると、集中的に議論されたのがこのB、Cなのである。私自身、事業を見るとやっぱりAランクにも問題があると、だからAランクの一定の阻害要因というのが評価委員会できちんと報告をされているのかどうか。私、12月の決算審査のときには安比の黒沢ダムのことも取り上げたけれども、ため池をつくるダムなどというのは全国にあるのかと、答弁はなかったけれども、そういう点で私は岩手県の評価自身がやっぱり極めてあいまいではないのか。そうした場合に、Aランクだって一定の阻害要因があると言っているわけであるから、そういうことが評価委員会に報告されているのかどうか。このことをお聞きするし、私は今後、再評価の場合はやっぱりできるだけ現場を見ると、現地の声も聞くと、こういう再評価をしなければ本当に机上の検討に終わってしまう。ことしは時期的には余裕があるわけだから、結局ここでオーケーになると5年後の再評価にかかるわけである。5年間ゴーサインという、いわば再評価どころかゴーサインの再評価委員会になってしまうので、私は本当にそういう点で精度を高める必要があると思うが、いかがであろうか。
 それと入札結果について、99%以上で落札するというのは、これは結果的に競争がないということである。いわば精度が高く各企業が積算できるということは、それだけ競争ができるということなのである。予定価格に際限なく近くやったらとれないのだから、私はそういう点で、今設計額も公表されているが、見る感じでは1%、2%ぐらい下がっているかどうかという形で、さっきの1件を除けば残念ながら変わっていない。だから、そういう点で談合的体質というのが懸念をされる。これは指摘だけにとどめておくから、そういう点で再評価についてお聞きしたい。
 あと最後二つだけ聞いて終わる。空港着陸料の引き下げについて。
 今度の議案では花巻空港の着陸料、約1億円引き下げるという提案がされている。住民には公共料金値上げで、空港料は引き下げと。これまでの空港の収入と管理費はどうなっているのであろうか。
 来年度の収入と支出、引き下げ分がどうなるのか。
 約1億円の赤字が予想されるが、これはどこで穴埋めをするのか。これが第1点である。
 それと最後であるけれども、前潟地域の市街化区域編入について、3月4日、公聴会が開かれたが、前潟地域、いわゆる巨大ショッピングセンター出店計画にかかわるこの地域について、公聴会の意見発表は具体的にどういうものだったのであろうか。巨大ショッピングセンターの出店にかかわることになるので、私は関係部局や盛岡市ときちんと必要な調整はすべきだと思うが、いかがであろうか。

〇千葉技術管理課長 再評価についてである。
 一番最初であるが、この再評価については御存じのとおり初めてのものである。であるからいろいろ改良、改正しなければならない点が多々あろうかと思う。これはいろいろお聞きしながらどんどんいいものにつくりかえていきたいと、こういうふうには考えておる。
 それから、先ほど御指摘あった再評価の調書、これなどについても、第1回目はまず正確な資料を提出する、こういうことである。そして、現地を見る、これもあるけれども、いずれにしてもこれらについては委員の方々の意向も十分尊重しながら、そして踏まえながら対処してまいりたいと、こういうふうに考えておる。
 Aランクの阻害要因の説明、これはこの調査によってB、Cの分だけを何か、その辺に集中したのでなかろうかと、こういうことであるけれども、これについては全体を見ていただいて、そして御審議いただいたと、こういうふうに解釈しておる。

〇笠原港湾課長 空港着陸料の引き下げについて3点ほどお尋ねあった。
 まず、第1点の空港の収入と管理費であるが、平成5年から9年までの過去5カ年を合計した空港の収入は19億9、500万円余である。管理費については17億1、300万円余である。
 それから、2点目の来年度の収入と支出、引き下げ分はどうなっているかということであるが、平成11年度の空港施設使用料は、着陸料を3分の2に引き下げることにより1億9、965万円余と見込んでおる。空港の管理運営費は3億3、285万円余と見込んでおる。なお、着陸料を現行のままとした場合の収入は2億9、408万円余と見込まれることから、料金の引き下げにより9、443万円余の着陸収入の減収が見込まれる。
 訂正させていただく。1番目にお話しさせていただいた花巻空港の収入を19億円と私言ったようであるが、15億9、500万円余である。
 それから、三つ目の、約1億円の赤字が予想されると、どこから穴埋めするかということであるが、空港の管理運営費の財源は、空港施設使用料と一般財源であることから、着陸料の引き下げによる着陸料収入の減収分は、一般財源から財源措置することとしておる。

〇阿部都市計画課長 いわゆる線引き見直しに係る公聴会での意見についてであるが、公述人16名のうち前潟地区に関する意見の陳述は11名であった。発表された意見については、前潟地区に想定されている大型店の規模に関する意見など、必ずしも前潟地区の市街化区域編入の是非に関するものとは認めがたい意見もあったわけであるが、具体の意見の要旨としては、盛岡の西の玄関口として地域の発展に資する、あるいは雇用の拡大、また周辺地域の利便性の向上が図られるなどとする賛成意見があり、また一方では反対意見として、快適な住環境を破壊する、あるいは既存商店街の衰退を招き、街が荒廃するなどの趣旨での反対意見の陳述もあったところである。いずれ賛否両論があったわけであるが、これらの意見の採否については、地元盛岡市と今後協議を進めてまいるとともに、特定の大型店の出店問題については、盛岡市長が調整する意向と伺っているところであるので、その推移を見守りながら適正に対処してまいりたいと、そのように考えておる。

〇斉藤委員 これで本当に終わる。再評価委員会について、Aランクというのは、先ほど私が紹介したように、一定の阻害要因があるというのがAランクなのである。皆さんの基準で。だから、そのAランクについてそういう一定の阻害要因がきちんと委員会に報告されているのかどうかを私は聞いたので、もう一度。
 それと、花巻空港について、例えば平成9年度は3億5、500万円の収入に対して5億3、900万円の支出、これは化学消防車が1億8、000万円入っていたから、それを除くと大体とんとんと、今までは黒字基調できたと。しかし、今回の引き下げで赤字に転落するわけである。私はこれは地方自治体にとっては極めて重大な事態だと思う。それで聞きたいのは、今2、500メートル滑走路延長している。この2、500メートル滑走路延長でこの採算の見通しというのは、あわせてどういうふうに見ておられるか。採算が大いにあって延長されるのかどうか、あわせてそれをお聞きする。

〇千葉技術管理課長 Aランクについての阻害要因である。これについても私どもは正確に記載されているものと解釈しておった。

〇笠原港湾課長 着陸料の引き下げについて、採算の見通しというのはその分だと受けとめる。それで、引き下げの効果なのであるが、この引き下げの効果によって、例えば福岡便であるが、いわゆる利用者に往復であるが1、600円ほど還元され、その総額が県の引き下げ分実施分が1億3、200万円余と見込まれ、着陸料の引き下げの減収分、先ほどお話しした9、400万円を上回るという形で、十分に効果が出ているのではなかろうかと、こういうふうに考えておる。
 採算はどうかということについてであるが、これは当初国からの一種の要請があったということと、利用者の利便向上、地域経済の活性化の観点、航空ネットワークの維持拡充などのための環境整備を図るという目的と、それから花巻空港からの先々の、いわゆる相手方の空港であるが、大阪国際空港を除いてそういう形で全部やっておるので、やむを得ないものと考えておる。

〇三河委員長 ほかに質疑はないか。

〇藤原(良)委員 ただいまの港湾の質問に関連をして、私からもお尋ねを申し上げる。
 斉藤信委員も私も県民のために仕事をするというのには変わりはないと思っておる。公共事業の今後のさまざまな見直しについてはこれは否定をしないし、必要なものは実行していくということは変わりないことだと思う。そういう面から言って私は港湾設備の整備については、する必要があるという立場を持っておる。そこで、なぜそういうような立場を持っているかということについて私の考え方を申し上げながら、港湾課長の見解もお聞きをしていきたい。大変大事なことである。
 まず、その前に千葉財政課長、トン税がある、トン税は国税である。地方譲与税で岩手県に入っているであろう。金額はわからなければわからなくてもいいけれども、事実関係、そうであればそうだということでお話しいただきたい。

〇千葉財政課長 今、金額申し上げられないが、いろんな形で国から地方に地方譲与税という形で入っているものが多々ある。

〇藤原(良)委員 トン税というのは1トン当たり幾らかというトン税が、国税なのであるが、港湾を使用すると入ってまいる。これは輸出も輸入もである。輸出、輸入の際トン税が国税で国に一たん入るのであるが、地方譲与税で今のように岩手県に入ってきておる。今の現況を見ると、宮城県の仙台港、それから青森の八戸港で揚がったものを随分そこから岩手県で買ってきておる。そして、トン税というのはその地域、県に--県というか、トン税というのはもともとそこの港を持っている市町村に入っていくわけである。であるから八戸市並びに宮城県の港を持っておる市町村へ入っていくわけである。将来的なことを考えると、岩手県が輸出、輸入をつかさどる港を整備していく必要が私はあると思う。
 現況はどういう状況かと申し上げると、私はプロではないけれども、現況を申し上げると、今、身の回りの品々を見てみると、大体1人当たり10着セーターを持っているとすれば8着は外国製品と思っていいと言われておる。まずこれは一例である。ほとんどが海外から入ってきているということである。そして、今の物流の流れを見ると、トン当たりでいくと99・8%が船である。0・2%が飛行機なのである。この中で飛行機で物理的に運ばれないもの、例えばオイルのようなもの、大きな木材のようなもの、鉄鉱石のようなもの、それを除いて、大体97%が船である。残りが飛行機である。金額にすると75%が物流が船である。25%が飛行機である。圧倒的に船である。そして、内陸の物流を見ると陸運がもう頭打ちになっている。ゴルフバッグからデパートの品々まで宅配便に出るように、サービスをこれ以上低下させないために陸運にはどうしても必要な分野がある。しかしながら、オペレーターの確保とか、あるいは炭酸ガスのCO2の排出の問題で地球的環境汚染の問題とか、あるいは過積載とか、さまざまなことで内陸の物流の限界がきておる。今後海にある程度の物流依存していかなければならないことは明白な事実である。斉藤委員。そして、もう一つは、流れからいって北米のロスアンゼルスから、コンテナというのは2種類しかない、40フィートと20フィートと。これが北米から東京まで持ってくる運賃と、何と東京湾、横浜港から我々の東北まで持ってくる陸運の運賃が同じなのである。いかに我々の地域が損をしているかなのである。まず、この認識について港湾課長、ちょっとお示しいただきたい。事実かどうか。

〇笠原港湾課長 今、藤原委員からお話あったが、世界の物流から日本の物流、そして岩手の物流という形の中の一こまと受けとめた。お話のようにアジアの高速貿易は現在コンテナが主流になってきておる。その中で、平成7年1月17日であるか、阪神・淡路の大震災以降、物流貿易そのものが、日本そのものはトップクラスであったものが徐々に徐々にアジア諸国の方に移行しつつある。その中で日本は、ではどうしていくかという話になってくるが、今お話あったように海運貿易そのものが99・8%であって、残りは空輸とかいろんな形になっていると思う。輸入の内容としては石炭とか鉄鉱石の鉱産品、それから自動車等の金属工業品とかあるわけであるが、そういう状況下の中で岩手は、ではしからばどうしていったらいいかということであるが、これまで本県の港湾、地域の主力産業がともに栄えてきたわけである。事情があって企業の業務縮小や撤退が相次いで貨物量に大きな影響を与えてきた。貨物量の全体の推移を見ると、54年に1、290万トンの貨物量があったが、平成元年に底をついて850万トン。そういうわけでこれから先々、内貿、外貿含めて品目等を選んで港湾計画の改定でそのベースをつくって、広範なポートセールスを積極的に進めて、モーダルシフトによる物流の効率化及びコスト縮減を図り、定期航路の新設、増設などの港湾利用促進を図っていく必要があり、今後その誘致に向けて地元自治体と一体となって取り組んでいかねばならないと考えておる。

〇藤原(良)委員 見なくていいから簡潔に答弁してもらいたい。
 よって、いわゆる今、話をさせていただいた状況下だと私は思う。今の現状を見ると、私、秋田港へ行って見てまいったけれども、環日本海でのこれからの物流は、釜山港を中心にして、秋田港等から一たん日本の品物を釜山港に集めてそして北米に持っていくとかいう図式に流れがなっていくと思うのである。シンガポール港はそうである。シンガポール港は周りのマレーシアとか、それからタイとかインドネシアの品物がシンガポール港に集まって、そこから発北米で行くわけである。であるから、我々岩手県がこれから競争していく上で、まず近隣の秋田との競争ともなっていくわけである。だから、内陸のインランドデポ、御質問もあったわけであるけれども、これらの内陸通関だって、内陸の工場で生産したさまざまなものについて秋田港に持っていかれる可能性があるわけである。今、先んじて港湾振興をきちんとしておく必要があるということは極めて大事なことだと思う。これは岩手県のポリシーである。であるから、全体的な総合発展計画の中できちんと明確にして、地元の要請があるとか何かということも大切なことであるが、同時に岩手県として先を見込んだ体制整備をする必要があると思う。よって、私は港湾振興をきちんとしていくべきだという考え方で、一言見解をお示しいただきたい。大石部長、よろしくどうぞお願いする。

〇大石土木部長 港湾の振興についてであるけれども、先ほどから御意見伺っていたけれども、私どもも岩手県には重要港湾四つあるけれども、やはりそれぞれの地域の特性を生かした港湾整備が重要な課題と思っているところである。特に背後圏域の内陸の工業地帯を控えた大船渡港については、今県下では一番の水深を持った岸壁を持っているし、さらに貨物量の取り扱いも今一番多いということも踏まえて、将来コンテナ等も扱えるような港として整備すべく今取り組んでおるけれども、これは国直轄でやっていただいており、当面13メートル岸壁の早期完成に向けて今後も取り組んでまいりたいと考えているところである。

〇菊池(雄)委員 私も港湾整備の見直しについてお話をしたいと思うのであるけれども、しかし産業振興のための施設というのは、特に港湾のような場合に膨大な年月を必要とするわけであるから、どうしても先行投資的な形態をとらざるを得ないと私は思う。ただ、今、岩手県の四つの重要港湾の係留設備と重量トン、つまりさっきもいろいろ出ていたけれども、何トンの船が将来どのくらい係留できる埠頭をつくるかと、こういうことについて、既に港湾課などでは十分御承知だろうと思うけれども、現行の設備と、それから第9次の今港湾計画であるけれども、やがて10次になると。この中で宮古と大船渡は大体40%ずつ、四つの港湾が100%だとすると40%ずつと、それから久慈が13%、釜石が7%なのである。私は何も釜石のことを言うつもりではないけれども、ただ、東北横断道と三陸縦貫道の結節点になる港湾の機能として、岩手県の港湾のわずか7%の重量トンの係留バースでいいのだろうかと、こういう気がしてならないのである。やっぱり奥地の開発とかいろいろ周辺の開発とか、将来の可能性を勘案してこの港湾計画というのはつくられたと思うけれども、私はどう計算してもこの数字と合わない。それから、将来の開発計画というようなものをやってみて、この今の数字で合わないと思う。であるから、やっぱりこれは抜本的に見直しをする必要があると、こう思うのであるが、いかがであろうか。

〇笠原港湾課長 ただいまの御質問は施設の、いわゆる既存の施設の大型岸壁の話だと承ってよろしいであろうか。(菊池(雄)委員「いやいや、全部、トータル。」と呼ぶ。)内容としては、水深7・5メートル以上のいわゆる貨物、大型岸壁は全体としては20バースある。そのうち現在、釜石については1バース、水深7・5メートルがあるが、宮古は10バース、約半分占めておる。一応バース数については以上のようなことであるが、貨物の量についてはそれぞれの港湾計画の中で十分にたたいて、現在のバース数あるいは将来の見込みとか、また港湾計画そのものも時代の状況の変化があれば、そのときに協議して改定していく。先ほど部長の方から話あったように、そういう構えというか、港湾計画そのものがそういうような仕組みになっておるので、状況が変われば変えていくということである。

〇菊池(雄)委員 よく科学的根拠という言葉、今度の委員会でも出たけれども、やっぱり岩手県が将来どういう方向で開発が進めていくかと、こういったような、既に道路計画はもうでき上がっているわけであるし、そういう計画はあるのであるから、それに従った今の係留設備と重量トン、私は、でも大深水、例えば5万トン岸壁なら5万トン岸壁を宮古も大船渡もつくっている、あるいはつくろうとしているから釜石もつくれとか、そんなことを言っているのではなくて、全体としてどういう能力のある港湾にしていくべきかということについては、今の課長の答弁では私はちょっと。これはきょうこの場でやる議論でもないから、いずれ十分検討して納得のいくような説明をしてもらいたいということを要望として申し上げて私の質問を終わる。

〇三河委員長 ほかに質疑はないか。

〇佐々木下水道課長 午前中に久保田委員から下水道関係の御質問があったわけであるけれども、補足説明をさせていただきたいと思う。
 10年度、11年度の下水道の普及率の見込みはということであるが、建設省所管の下水道の普及率、9年度末では28・1%となっておるが、10年度末では31%弱の予定である。11年度末では、これは11年度の予算が国庫補助事業等まだ内示を受けておらないので試算であるけれども、32%強と見込まれておる。11年度に汚泥量はどの程度ふえるのかということで、現在、9年度は2万1、000トンのものが10年度末まで2万1、400トンほどと説明したわけであるけれども、これを11年度末で約2万3、000トンと試算されているように、訂正させていただきたいと思う。
 それから、県は汚泥を焼却処分するとしているがその理由はということであるが、一般的に下水汚泥の処分方法として、脱水汚泥を埋め立てる処分方法と、焼却して灰を埋め立てる方法、焼却して灰をれんがやセメントの建設資材に活用する方法、発酵させてコンポスト肥料として活用する方法等がある。本県では汚泥が大量に発生する流域下水道については、焼却して大幅に減量した上セメント材料として活用することとしておる。各市町村の公共下水道から発生する汚泥については、主としてコンポスト肥料として活用することとしておる。なお、下水汚泥には微量ながら有害な重金属が含まれていることから、主にのり面緑化の基盤材として利用されていると聞いておる。
 それから、汚泥を有効利用している民間企業への対応はどうかということであるが、今後とも事業の進捗に従って大幅に増加する市町村の処理場から発生する汚泥の大部分をコンポスト肥料化していただくことと考えておる。
 それから、村田委員から、JIS規格では規制はどのようになっているかということであるが、肥料取締法で、肥料中の重金属の含有量が規制されておる。その基準値は砒素で50ミリグラムパーキログラム、1キログラム当たり50ミリグラム以下、カドミウムで5ミリグラムパーキログラム、水銀で2ミリグラムパーキログラム以下と定められておる。
 また、全国的な傾向はどうなのかということであるが、資料がちょっと古いのであるけれども、有効利用が図られている汚泥のうち約60%が焼却灰等、それから約30%がコンポスト、10%がその他となっておって、大阪地方というお話があったけれども、地域別には承知しておらないので、よろしくお願いしたいと思う。

〇三河委員長 ほかにないか。

〇千葉技術管理課長 大変申しわけない。先ほどの斉藤委員の御質問のお答えをちょっと追加させていただきたいと思う。
 委員会から阻害要因について、自然や生活環境保全の観点での評価を充実すべきとの提言があった。

〇三河委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 質疑がないようなので、これで土木部関係の質疑を終わる。
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求める。

〇佐藤企業局長 それでは、企業局関係の議案について御説明する。
 まず、議案の説明に入る前に、平成11年度の事業運営に当たっての基本的な考え方を申し上げたいと存ずる。
 地方公営企業を取り巻く経営環境は、規制緩和の進展や地方分権の推進等に適切に対応しながら、経営基盤の一層の強化を図るよう求められておる。したがって、平成11年度の事業運営に当たっても、引き続き地方公営企業が本来の目的としておる公共の福祉の増進を念頭に、電気事業及び工業用水道事業の適切な推進並びに効率的、合理的な業務の運営により、各事業の経済性が十分に発揮されるよう経営に取り組んでまいる考えである。
 まず、電気事業であるが、電力市場にも競争原理が導入されたことに伴い、公営電気の卸供給料金や新規の水力発電開発についても一層の経営努力が求められてきておるが、一方、電力需要はライフスタイルの多様化などにより年々増加してきており、二酸化炭素など環境に負荷をかけないクリーンなエネルギーとしての水力発電の開発に高い期待が寄せられているところである。
 このような中で、企業局としては、安定した収入を確保するため、安全かつ効率的な運転と施設の適切な維持管理に努めるとともに、施設設備の近代化を計画的に進め、経営の効率化を一層推進していく考えである。
 また、県内の電力自給率の向上に貢献するため、本県が有する豊富な水力資源を最大限に活用して、新たな開発を計画的かつ積極的に進めてまいる。
 平成11年度においては、引き続き早池峰発電所及び柏台発電所の建設工事を鋭意推進するほか、胆沢第三発電所等についてはダム工事の進捗に合わせて事務を進めるとともに、新規開発の調査を継続している有根沢など4地点の流量調査等を実施してまいりたいと考えておる。
 次に、工業用水道事業であるが、本県の産業経済の発展に資するため、昭和53年度から工業用水を供給してきておるが、企業の立地動向などから相当程度の量の未売水を抱え、厳しい経営状況が続いたことから、平成3年度に国の経営健全化団体の指定を受け、経営健全化計画を策定して鋭意その改善に努めてまいったが、経営健全化団体の指定が平成10年度で終了することから、今後の経営健全化に向けて新たに自主的な経営健全化計画の策定に取り組んでまいりたいと考えておる。
 収入面においては、最近の供給先企業の需要見通しで見ると、現時点では若干の水量の増加が見込まれるものの、景気の動向によって給水量が左右されるなど不安定要素もあり、また、支出面においては、水源費負担の増嵩等により、長期的には依然として厳しい経営状況が続くものと予測しているところである。
 したがって、平成11年度においても、引き続き関係部局との連携をとりつつ水需要の拡大を図るとともに、経費の一層の節減に努めることなどにより、着実に経営改善を進めてまいる考えである。
 また、環境との調和や自然エネルギーの有効利用を図る観点から、廃棄物や風力を活用した発電事業化の可能性についても、関係部局との連携を密にしながら取り組んでまいりたいと考えておる。
 それでは、議案について御説明申し上げる。議案その1の53ページをお開き願う。
 まず、議案第14号平成11年度岩手県電気事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は業務の予定量であるが、第1号の年間販売目標電力量は、各発電所ごとの目標電力量の合計を5億5、261万キロワットアワーと定めようとするものである。
 第2号主要建設事業は、早池峰発電所建設事業では取水口工事や水車工事等を実施するものであり、次に、54ページに参って、柏台発電所建設事業では導水路工事や水圧管路工事等を実施しようとするものである。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。
 まず、収入の第1款電気事業収益は54億8、627万1、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業収益51億7、590万9、000円は、東北電力からの電力料収入等である。
 第2項の財務収益1億9、466万円は、株式配当金や預金利息等であり、第3項の事業外収益1億1、570万2、000円は、松川発電所建設費利子補給金等である。
 次に、支出の第1款電気事業費用は45億1、918万9、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用39億2、702万9、000円は、発電所の運転、維持管理に要する職員給与費及び修繕費等である。
 第2項の財務費用5億2、125万8、000円は、発電所の建設に要した企業債の支払い利息であり、第3項の事業外費用6、590万2、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額25億7、969万8、000円を過年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は5億9、438万1、000円である。その主な内訳であるが、次の55ページに参って、第1項の企業債4億1、500万円は、早池峰発電所及び柏台発電所の建設資金を借り入れしようとするものであり、第2項の補助金1億5、980万8、000円は、柏台発電所の建設事業に対する国庫補助金である。第3項の負担金741万2、000円は、仙人発電所の共有施設の改良工事負担金であり、第4項の雑収入1、216万1、000円は、岩洞発電所の水利権更新申請調査業務委託分担金である。
 支出の第1款資本的支出は31億7、407万9、000円である。その主な内訳であるが、第1項の建設費9億4、494万円は、早池峰発電所及び柏台発電所の建設費であり、第2項の改良費17億1、110万9、000円は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費である。
 第3項の電源開発費8、233万8、000円は、新規の開発地点の調査等に要する経費であり、第4項の企業債償還金4億3、069万2、000円は、発電所の建設に要した企業債の償還金である。
 次に、第5条の債務負担行為についてであるが、これは、岩洞第二発電所高圧設備更新事業について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものである。
 第6条の企業債についてであるが、早池峰発電所建設事業及び56ページに参って、柏台発電所建設事業に充てる企業債の借り入れ限度額等を定めようとするものである。
 次に、第7条は、一時借入金の借り入れ限度額を4億1、500万円と定めようとするものである。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を、職員給与費について14億5、477万8、000円、交際費については63万3、000円と定めようとするものである。
 次の第9条は、棚卸資産の購入限度額を1億円と定めようとするものである。
 以上で電気事業会計の予算の説明を終わる。
 次に、57ページの議案第15号平成11年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げる。
 第2条は、業務の予定量であるが、第1号は、北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する19事業所に対する給水量を年間総給水量で1、522万1、208立方メートルに、1日平均給水量で4万1、588立方メートルにそれぞれ定めようとするものである。
 第2号の主要建設事業は、第三北上中部工業用水道建設事業のうち、貯水施設となる早池峰ダムの建設費に対し、前年度に引き続き共同施設工事費を負担しようとするものである。
 次に、第3条は、収益的収入及び支出の予定額である。
 まず、収入の第1款工業用水道事業収益は11億9、062万5、000円で、その主な内訳であるが、58ページをお開き願う。第1項営業収益の11億6、948万7、000円は、給水収益等である。
 第2項の財務収益58万円は、預金利息であり、第3項の事業外収益2、055万8、000円は、電気事業会計からの(仮称)県南施設管理所整備に要する負担金等である。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は10億9、727万4、000円で、その主な内訳であるが、第1項の営業費用8億988万2、000円は、工業用水道施設の運転、維持管理に要する職員給与費、業務委託費及び動力費等である。
 第2項の財務費用2億3、864万3、000円は、施設の建設に要した企業債の支払い利息等であり、第3項の事業外費用4、824万9、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額と(仮称)県南施設管理所の整備に要する経費である。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額である。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額3億7、276万2、000円を当年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものである。
 収入の第1款資本的収入は4億394万8、000円で、その主な内訳であるが、第1項の企業債3億1、100万円は、第三北上中部工業用水道の建設資金を借り入れようとするものであり、第3項の補助金9、260万円は、第三北上中部工業用水道の建設事業に対する国庫補助金である。
 次に、支出の第1款資本的支出は7億7、671万円で、その主な内訳であるが、第1項の建設費4億394万8、000円は、第三北上中部工業用水道の建設費である。
 第2項の改良費5、057万8、000円は、各施設の改良及び更新に要する経費であり、第3項の企業債償還金3億2、218万4、000円は、施設の建設に要した企業債の償還金である。
 次の59ページに参って、第5条の企業債についてであるが、これは、第三北上中部工業用水道の建設事業に充てる企業債の借り入れ限度額等を定めようとするものである。
 第6条は、一時借入金の借り入れ限度額を3億1、100万円と定めようとするものである。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を職員給与費について1億380万4、000円、交際費について6万円と定めようとするものである。
 第8条は、棚卸資産の購入限度額を100万円と定めようとするものである。
 以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わる。
 なお、これらの予算に係る実施計画、資金計画、給与費明細書、継続費に関する調書、債務負担行為に関する調書及び財務諸表については、予算に関する説明書の466ページから517ページに記載しておるが、説明は省略させていただく。
 以上で企業局関係の議案の説明を終わる。よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇三河委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇千葉(伝)委員 企業局でやっている電気事業の部分に関係して2点お伺いする。
 若干関連するので、続けてお伺いする。
 一つ目は、小水力発電、すなわち規模の小さい水力発電についてであるが、現在、地球温暖化問題に代表される地球的規模の環境問題に対する基本的な対応が求められており、全国の市町村等において、風力、太陽光及び小水力発電等の二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーの開発が積極的に行われているところである。
 これまで本県市町村においても、風力は束稲産業開発組合や葛巻町、太陽光は一関のアイドーム等で積極的な導入が図られておる。特に葛巻町では新エネルギーに積極的に取り組んでおり、小水力発電についても関心が高く、地域のニーズに応じた開発を行いたいという構想もあると聞いておる。この小水力発電への取り組みに対し、企業局ではどのように支援しようとしているのかお伺いする。
 続けて2点目である。風力発電である。これについては、適地において採算性にすぐれているということから国内でも導入・開発が急速に進んでおり、既に数万キロワットの大規模な開発が発表されておる。県内には北上高地などの丘陵地を中心として建設に適した地形に恵まれていると言われており、釜石市の和山地区、安代町安比地区、浄法寺町稲庭地区について風況調査が実施されると聞いておる。この風況調査の状況はどうなのかということと、開発の可能性はいかがかということをお伺いする。
 また、企業局としても、新エネルギー利用を推進する観点から、早期に風力発電の事業化を図るべきと考えるわけであるが、今後はどのように取り組んでいかれるかあわせてお伺いする。

〇佐藤企業局長 ただいま2点の御質問をいただいたけれども、風力発電の取り組みについては武蔵業務課長の方から答弁させる。
 私の方からは、小水力の発電計画の支援についてお答え申し上げる。
 ただいま委員の方からお話あったように、葛巻町でエコ・ワールドくずまき構想という構想を持っており、風力あるいは小水力等の地域資源を生かしたクリーンエネルギーの推進に取り組んでおる。この中で、自家発電用としての小水力の発電計画を進めるに当たって、私ども企業局の方にも協力をいただきたいといった御相談を受けた経過がある。この3月であるけれども、町の方では具体的な取り組みに当たるということで、国が行う平成11年度の未開発地点開発促進対策調査というものがあるが、これは、地形、地質調査であるとか、あるいは概略設計等、開発に向けて具体的な基礎資料等の整備を行う調査であるけれども、この国の調査の申請を行った。私どもとしても、この申請に当たって、開発地点の選定等について助言を行ったところである。
 企業局としては、これまでの水力発電を通じて蓄積してきたノウハウを生かしながら、地域振興に寄与することも公営電気事業の重要な役割ではないかと考えておるので、今後とも町の小水力開発計画に対しては積極的に支援してまいりたいと考えておる。

〇武蔵業務課長 風況調査の状況であるが、企画振興部では、平成10年10月以降、県内3地点で観測を実施しており、平成11年1月までの地上からの高さ20メートル地点における月間の平均風速は、毎秒当たり浄法寺町の稲庭地区で7・5メートル、安代町安比高原地区で4・5メートル、それから、釜石市の和山地区で7・4メートルと聞いておる。
 これらの開発の可能性であるが、一般に発電事業化としては年間の平均風速が5・7メートル以上必要と言われており、これらの3地点のうち、浄法寺町稲庭地区と釜石市和山地区は7メートル以上となっており、5・7メートルを大きく上回っていることから、風況が良好な地点と認識しておる。
 一方、風力発電施設の建設に際しては、資材の搬入とか機材組み立てのために大型車両の通行ができる道路が必要だとか、あるいは発電規模は電力会社などの協議を経て決定されるもので、風力発電の事業化は、これらの条件を満たしつつ採算性が見込まれる地点において実施されるということから、風況のよい候補地点においても、開発に当たっては十分な調査、検討が必要であると考えておる。
 企業局としての取り組みであるが、地域特性を生かした新エネルギーとして事業化を進めたいと考えており、平成11年度においては、企画振興部で3月に観測を終了する浄法寺町稲庭地区などを含めて、県下全域を対象に、開発が可能と思われる2ないし3地点を選定して風況調査を行い、有望な地点についてはさらに発電規模や経済性の検討を行いながら早期に事業化できるように取り組んでまいりたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 通常であればダムの大きな発電ということで、もちろんこれも地域によっては必要であると思う。そういったことで、地域によってはダムができない、それからまたもうちょっと地域的に小さな範囲で発電をする、そしてまたそれを有効に利用するという観点からこういった小水力発電というものの普及、そのためにもまず最初にやっていただいて、そしてそれがどんどん普及するような形で取り組んでいただければ大変ありがたいと思う。
 それから、2点目の風力発電であるが、現在3地点をやった分では釜石と浄法寺が有望な地域だということである。先ほどの水力にも関係するわけであるが、こういった新エネルギー、自然を利用したエネルギーの活用という観点からは、県でも重点的な施策としてクリーンエネルギーいわて21推進事業ということで取り組んでいると思っておるので、本県の地域特性を生かして自然エネルギーの導入等を積極的に推進していただきたいと思うわけである。
 企業局の取り組みは水力発電も工業用水道もあるが、新しい取り組みとして積極的な取り組みを要望する。

〇伊沢委員 簡単に二つについてお伺いしたいと思う。
 まず、電気事業にかかわって、実は前にもいろいろ議論になって既に御答弁はいただいているのかもしれないが、北本内ダムにかかわって、県がやるということで、今、休止状況になっているわけであるが、電気事業にかかわって、発電をする計画がこのダムはあったと思うが、負担金というか、建設にかかわって企業局の方で納めていた部分があったのではないか、負担をしていた部分があったのではないかと思う。それらの金額、もしあるとすれば教えていただきたいし、休止にはなっているがまだ中止にはなっていないということで、将来的には電気を生んでもうけようと、こういうことで出資している部分であるけれども、仮にこれがなくなった、ダムができないということになった場合、企業局で負担をしたこの部分というのは将来的にどうなるものなのであろうか。仮にの話であるけれども、御検討している部分があれば教えていただきたいと思う。
 影響が出ることが予測されるけれども、それらの予測をどうとらえているのか教えていただきたいと思う。
 それから、工業用水にかかわってであるが、11年度の予算を見ると19事業所に対して給水の計画が出ているわけであるが、98年の県勢便覧を見ると、98年に20事業所に給水されていて、1日平均給水量がたしか3万3、000立方メートルと載っていたのがあったわけであるけれども、11年度の計画を見ると19事業所になっていて、給水量はふえている、こういう状況があるわけである。それぞれの事業所で給水を受ける方がふえてきているのであればこれはいいことだと思うけれども、これらの推移についてお示しいただきたいし、冒頭、局長の方から、未売水がいっぱいあると。現在でもたしか5割を切っているのではないかと思うけれども、これらを売っていくことが必要だと。不退転の決意で、言ってみれば企業誘致もやる必要があると思うが、現在のところ見込みというか、どういう働きかけをしてきて、将来的に事業所が張りつく予測がされているのかどうか、その辺の取り組みの決意も含めてお示しいただきたいものだと、こう思うけれども、よろしくお願いする。

〇佐藤企業局長 まず、最初に、北本内ダム建設事業の休止に伴う負担金の扱いの問題であるけれども、平成10年度末までにダム負担金は2、000万円ほど支払いをしておる。このダム負担金の取り扱いについては、仮に中止となった場合、これについては土木部の方と北本内ダム建設事業に関する基本協定というものを締結してこの事業に私ども参加をしておるわけであるけれども、いずれこの協定に基づいて今後協議をしていくという形になろうかと思う。
 それから、工業用水の水需要の問題であるけれども、ただいま委員から御指摘あったように、工業用水道事業を安定的に経営していくためには、何と申しても水需要の拡大をしていくということが極めて大事なわけである。現時点での契約水量というのは日量で4万1、218トンである。現在ある施設の能力に対する契約率は70・6%、それから計画給水量に対する契約率は50%切っており、47・4%といった状況である。
 動向であるけれども、今年度もあそこの三つの団地に張りついている企業に需要量の調査をやったわけであるけれども、来年度には若干の増量を予定しているという企業もあるけれども、総体的には景気動向を反映して水需要の拡大ということは期待できない状況にある。
 そういうことで、現在のところ大幅な水需要の拡大は見込めない状況にあるけれども、特に第二北上中部工業用水道の関係で申し上げると、現在、分譲中である北上南部工業団地、ここに対しては1万8、600トンほどの給水を予定しているけれども、現在ゼロの状況である。そういうこともあって、この北上南部工業団地に対する企業誘致を関係の部局とも一緒になって働きかけていかなければならないと考えておるし、また、第三北上中部、これも現在の給水能力は1万トンほどあるけれども、実際の給水量は6、500トンほどである。そういうことで、この第三北上中部もまだ給水の余地があるので、ここの場合について申し上げると、増設を計画しておった半導体関連企業に対して早期に設備投資が図られるよう今後とも要請してまいりたいと考えているところである。

〇伊沢委員 北本内に対する出資が2、000万円ということであるが、いずれ協定で協議をしていって結論が出ると思うが、県との関係とか補助金の関係等々あると思うが、仮になくなるというか、企業会計の中からこれが欠損となる状況になっても、今までの電気事業の状況を見れば余り影響はないのかなと、こう思うわけであるが、その辺のところを一言で結構であるが、お知らせいただきたいと思う。
 また、今、水需要の関係については、お話があったとおり、現下の経済の冷え込んでいる状況の中ではやっぱりなかなか見込めない部分もあろうかと思うけれども、経費の節減等を含めて、今後、言ってみれば働きかけも含めて、ここはぜひ頑張っていただきたいということでとどめたいと思う。
 最初の部分についてだけ御答弁をいただければ幸いである。

〇佐藤企業局長 北本内ダムの建設事業に関連して、仮に事業が中止になった場合の負担金の取り扱いということであるが、実は、この2、000万円ほどのこれまで支出した負担金に対する補助金は計上されておらない。私どもの内部資金をもって充てておるので、補助金の返還とか、そういう問題は出てこないと思う。いずれ、このダム事業については、土木部、それから北上の水道企業団、私どもの企業局の三者が共同事業参加という形になっておるので、仮にダムの建設事業が中止ということになれば、そういった形で適切な会計上の処理をせざるを得ないという形になろうかと思う。

〇村田委員 2点伺う。
 初めに、平成10年度の発電、売電の状況、収支の見込みについてお尋ねしたいと思う。
 当該年度は春が温暖少雨ということで経過した。8月ごろから10月にかけては比較的雨が多かった年であったと思っておるが、発電状況はどうなっておるか伺う。また、収支の見込みはどうなっていきそうであるか、どうなりそうなのか、あわせて伺いたいと思う。
 ついでにお聞きしたいのであるが、公営企業会計の減価償却というのはどのような概念が入っているのか。収益的支出あるいは資本的支出の中でどこにそれが算入されているのか、これをあわせて伺いたいと思っておる。償却があるとすれば、償却額が大体どの程度に推移しているのか伺いたいと思う。
 次に、工業用水のことであるけれども、河川への油の流出事故の影響がどうなっておるかということをお伺いしたいけれども、工業用水は、北上川表流水を原水として企業に供給しておるわけであるが、良質の水を安定的に供給することが求められているところから、その管理には大変な御苦労があると存ずる。最近、民家のホームタンクなどからの灯油漏れなど油流出事故が多発しておるやに聞いておるが、それらの状況については工業用水への影響が大変心配されるところである。
 そこで、水質管理の体制と油の流出等の水質汚濁の事故への対策についてどのような措置をとっているのか伺いたいと思う。

〇佐藤企業局長 3点ほどの御質問であるけれども、電気事業関係の施設に係る減価償却の扱いについては伊東総務課長の方から、油流出事故の関係については滝田経営管理課長の方からお答え申し上げる。
 私の方から、平成10年度の発電状況、それから収支の見込みであるけれども、ただいま委員の方からお話あったように、平成10年度の発電状況については、4月は雪解けが早かったということ、それから、降水量が少なかったということもあって年度当初は出水は思わしくなかったわけであるが、8月には盛岡地方気象台が統計を開始して以来2番目に多い降水記録になったということ、また、9月、10月に入ってから台風や低気圧が相次いで本県を通過したこと、そういうこともあって雨の量が多かったということで、例年以上に河川の出水は好調な状況となっておる。
 したがって、発電状況についても好調に推移しており、電力会社への売電電力量で申し上げると、約5億5、000万キロワットアワーの目標に対して、実績見込みとしては117%程度ということで、過去最高の約6億4、000万キロワットアワーになるのではないかと予想しているところである。
 また、平成10年度の収支見込みであるが、収入は前年度決算比で1・6%程度の伸びということで、約56億6、000万円。それから、支出については、柏台発電所建設事務所の職員数の増があり、また、退職給与金の費用計上基準の引き上げ、従来これは20%のものを30%に引き上げておる。そういったことなどによる人件費の増もあって、前年度決算比で申し上げると6・5%程度の支出の増が見込まれて、全体として約44億6、000万円と見込んでおるところである。
 その結果、損益では前年度決算比で13・5%減の約11億6、000万円の利益が計上できるのではないかと見込んでおるところである。

〇伊東総務課長 減価償却の関係であるが、建物をつくる、あるいは設備を行う、いずれ費用として出すわけであるが、それを減価償却という形をとって、償却の年限がそれぞれ品目によって建物の場合は何年とかと決まっており、そういうものを営業費用という形で算入してくるということで、試みに、平成11年度の減価償却の関係で、電気事業では営業費用として9億4、300万円ほど、それから、工水の方は2億7、200万円ほど営業費用として計上しておる。

〇滝田経営管理課長 水質管理と油流出事故対策についてのお尋ねであるが、まず、水質管理の体制であるが、委員御指摘のとおり、半導体製造企業などの進出によって良質な工業用水の供給が求められているわけである。このことから、水質の維持管理に関しては、常に変動する河川水質に応じて水処理を行うため、24時間体制の監視制御と定期的な水質検査によって、一般水では上水道並みの濁度を維持しながら各ユーザーに供給しておるところである。
 次に、油流出による河川水質汚濁事故への対策であるが、事前予防策として北上中部と第三北上中部工業用水道の取水口に常時オイルフェンスを張りめぐらせて油の流入を防止しているところであるが、工業用水道事務所にもオイルの吸着マットとゴムボート、そういう資器材を常備しており、不測の事態に即応できるような体制をとっているところである。
 油流出事故は、昨年の4月からこの2月まで当施設の上流部で27件も発生しておる。各ユーザーへの供給に支障はなかった。御承知かと思うが、相去の第二北上中部工業用水道の取水塔は北上川の中心付近に設置されておりオイルフェンスの設置が困難であるので、最近の事故多発を踏まえて、取水塔の最も底にあるゲートから取水して油流入の防止を図っているところである。
 また、河川の水位が下がる時期における対応として、油流入防止用の構造物を今年度の冬期間、試験的に設置して、油流出事故に対しては万全を期しているところである。

〇三河委員長 ほかに質疑はないか。

〇菊池(雄)委員 伊東総務課長、去年の9月の決算委員会で私は内部留保資金について質問したけれども、その際、あなたの答弁は、損益勘定留保資金、いわゆる現金の支出を伴わない費用で、減価償却とか固定資産の除却費、そういうものが太陽光発電あるいはRDF発電、風力発電、クリーンエネルギーの開発についての実証試験とか可能性調査の費用に具体的に充てられており、今後ともそうした資金の活用を図っていくという考え方であると、こういうように説明している。つまり、減価償却、例えば490ページにあるが、157億円。それから、493ページには利益剰余金が71億円ある。積立金、これもかなりあるわけである。こういったようなものを使ってやればソフトエネルギーの開発は可能ではないかという私の質問に対して、あなたはこういうふうに答えている。今の答弁はちょっと違うのではないか。減価償却に対する考え方。減価償却そのものは現金を伴わない支出だから、帳簿上にはそう載っておるけれども、決して損益勘定の損にはならないと。だから、これらを使って風力発電とか太陽光発電とか、そういうものの開発をやると、こういう答弁をしているが、今の伊東総務課長の答弁はこれと違うのではないか。

〇伊東総務課長 貸借対照表上は有形固定資産で減価償却を計上されており、今年度支出したものは翌年度でそれが計上されるということで、現金を伴わない支出であるから、内部留保としては金が使える。使えるという言い方は変であるが、そういう形で活用できるというものである。

〇菊池(雄)委員 私は、少なくともそういう裏づけもあって、何も減価償却の157億円が使える金だということを言っているのではなくて、つまり、利益剰余金71億円とか積立金、これは平成9年度決算では51億円あったはずである。そういったようなものは、いろいろな制約はあるけれども、全部それは使えるというわけではないけれども、かなりの部分が新しい開発資金として使えると、こういうように我々も解釈しているし、そう理解しておったわけであるから、だから余りびくびくしないでやっていただきたいということを申し上げておく。

〇三河委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 質疑がないようなので、これで企業局関係の質疑を終わる。
 お諮りする。当委員会に付託された議案52件について、その意見の取りまとめの方法であるが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果をもって委員会を開き、結論を出すこととしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 御異議なしと認め、さよう決定する。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩する。
   午後2時53分 休 憩
 
   午後3時22分 再 開

〇三河委員長 休憩前に引き続き、会議を開く。
 一般会計予算に対する各会派の意見の取りまとめについて、協議した結果を御報告申し上げる。
 議案第1号については、次の意見、すなわち、平成11年度における本県財政は、長引く景気の低迷などにより、県税が大幅に落ち込むとともに、国庫支出金等の伸びが期待できない一方で、公債費などの義務的経費の増加が見込まれることから、これまでになく厳しい財政環境下に置かれるものと予想される。
 このようなことから、今後の財政運営に当たっては、行政システム改革大綱に基づき、歳出の徹底した見直しを進めるとともに、県税等の自主財源については、可能な限りその確保を図るなど、引き続き、財政運営の健全化に努められたい。
 また、地域経済の動向に配慮し、その活性化を図る観点から、適時適切な措置を講ずるとともに、平成11年度を緒とする新しい総合計画に基づく諸施策を着実に推進し、活力ある地域社会の形成と地域の特性を生かした県土の均衡ある発展に、さらに努力せられたい旨の意見を付し、原案を可とするとの意見があった。
 これより、議案第1号について採決する。
 本案は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇三河委員長 起立多数である。よって、議案第1号は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに決定した。
 次に、議案第11号、議案第12号、議案第16号から議案第21号まで、議案第26号、議案第29号から議案第37号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号から議案第47号まで、議案第49号、議案第50号、議案第52号及び議案第54号から議案第64号まで、以上37件について、一括採決する。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇三河委員長 起立多数である。よって、議案第11号、議案第12号、議案第16号から議案第21号まで、議案第26号、議案第29号から議案第37号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号から議案第47号まで、議案第49号、議案第50号、議案第52号及び議案第54号から議案第64号までは、原案を可とすることに決定した。
 次に、議案第2号から議案第10号まで、議案第13号から議案第15号まで、議案第27号及び議案第28号、以上14件について、一括採決する。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求める。
   〔賛成者起立〕

〇三河委員長 起立全員である。よって、議案第2号から議案第10号まで、議案第13号から議案第15号まで、議案第27号及び議案第28号は、原案を可とすることに決定した。
 以上をもって、当特別委員会に付託された案件の審査は、全部終了した。
 委員各位の御協力に対して、深く感謝を申し上げる。
 これをもって、予算特別委員会を閉会する。(拍手)
   午後3時26分 閉 会


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