平成19年2月定例会 第23回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第22号、第41号、第55号に反対の討論を行います。
 議案第22号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例は、総合雇用対策局を廃止しようとするものであります。
 増田知事は、県内の雇用情勢は全体として改善の兆しが見られるとしていますが、深刻な雇用実態を見ようとしない重大な誤りであります。一昨年10月の国勢調査の結果は、県内の失業は5年間で1.5倍に急増し、4万5、662人、完全失業率6.2%となり、15歳から34歳の成年の場合は、完全失業者は1万8、282人、失業率9%という深刻な実態を明らかにしています。臨時雇用は9万4、393人で13.7%を占め、全国で4番目の高さであります。有効求人倍率が1月に0.83になったといっても、依然として1倍を下回り、正社員の求人は3割程度であります。青年の2人に1人は非正社員となっており、派遣、請負が急増しているのが実態であります。その実態は、月収10万円前後の低賃金で、残業代未払い、有給休暇なし、社会保険未加入という違法3点セットと言うべき無権利の状態に置かれています。岩手労働局の調査でも、偽装請負が広がっています。就職氷河期に直面した青年は、いまだに安定した職につけないでいます。県内の雇用情勢は、改善の兆しがあるどころか、質的にも量的にも悪化していると言わなければなりません。非正社員の急増は、格差と貧困の拡大、ワーキングプアの最大の要因でもあります。格差是正に取り組むと言うなら、雇用対策を県政の緊急重大な課題として、これまで以上に総力を挙げて取り組むべきであります。また、岩手労働局など関係機関と力を合わせて取り組むべき課題であります。
 産業振興と結んで雇用対策に取り組むと言っていますが、大手製造業でこそ派遣、請負が急増しているのであります。私が取り上げてきた関東自動車で、今年度から期間工から40人以上正社員に採用する方向が示されましたが、県内誘致企業における正社員の拡大に真剣に取り組むべきであります。
 増田知事は、私の質問に、雇用対策は依然として本県の重要課題であるとの認識に立っていると答えましたが、それではなぜ総合雇用対策局を廃止するのでしょうか。総合雇用対策局を廃止し、雇用対策本部まで解散するという県の姿勢は、深刻な雇用実態に目を覆い、青年の切実な願い、県民の願いに背を向けるものであります。もし総合雇用対策局の廃止に賛成する政党、会派があるなら、雇用対策に背を向けるものと県民の厳しい批判を受けざるを得ないと指摘するものであります。
 議案第41号住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例は、本人確認情報を利用し、または提供することができる事務等を定め、新たに県が行う48事務について利用・提供しようとするものであります。
 そもそも住民基本台帳法は、国民を11けたの番号で把握、管理しようとするものであり、国民のプライバシー権を侵害する危険のあるものであります。また、多くの国民の反対を押し切って進められた総背番号制と言うべきものであります。セキュリティー対策や利用・提供の状況を公表することなどは当然でありますが、外部からの住基ネットへの侵入や、運用関係者から流出する危険性があるものであります。
 議案第55号権利の放棄に関し議決を求めることについては、岩手県肉牛生産公社の解散により、15億1、979万円余の債権を放棄しようとするものであります。
 岩手県肉牛生産公社は、知事、副知事が理事長を務め、農林水産部長が理事、出納長が監事を務めてきたものであります。県のトップがかかわってきたにもかかわらず、事業損益で一度も黒字がなく、平成7年からは金融機関の融資にかわって県からの無利子貸し付けを行ってきました。さらに平成10年には、当期損益で3億円、累積で10億円を超える赤字となったにもかかわらず、5億4、000万円余の施設整備を行い、結局、昨年、16億5、200万円余の債権放棄を求められたものであります。競馬事業と同じ破綻の姿を見る思いであります。
 問題の解決は、破綻した原因と責任を明らかにして、出資割合に応じて解決を図るべきものであります。ところが、だれも責任をとらず、若干の圧縮はあったものの、15億1、979万円余の赤字を県民に押しつけるものであり、反対するものであります。
 受理番号第88号県出資等法人の整理統合にかかわる職員の雇用確保を求める請願が民主、自民などの反対で不採択となったことは極めて残念なことであります。この請願は、林業公社や住宅供給公社など県出資法人の整理統合、事業移管による職員の雇用確保を求めるものであります。県の責任が問われる整理統廃合に関して、職員の雇用の確保に取り組むことは県の当然の責務であります。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(伊藤勢至君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第85号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例等の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立少数であります。よって、議案第85号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例等の一部を改正する条例は否決されました。
 次に、請願陳情中、受理番号第93号公共サービスの安易な民間開放に反対し、国民生活の安心・安全の確立を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第93号公共サービスの安易な民間開放に反対し、国民生活の安心・安全の確立を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第22号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、議案第22号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例は可決されました。
 次に、請願陳情中、受理番号第88号県出資等法人の整理統廃合にかかわる職員の雇用確保を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第88号県出資等法人の整理統廃合にかかわる職員の雇用確保を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第89号県営太田地区圃場整備事業について請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、受理番号第89号県営太田地区圃場整備事業について請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第41号及び議案第55号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、議案第41号及び議案第55号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第21号、議案第24号から議案第31号まで、議案第36号、議案第42号から議案第44号まで、議案第47号、議案第49号から議案第54号まで、議案第56号から議案第58号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(伊藤勢至君) 起立全員であります。よって、議案第21号、議案第24号から議案第31号まで、議案第36号、議案第42号から議案第44号まで、議案第47号、議案第49号から議案第54号まで、議案第56号から議案第58号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第29 議案第1号平成19年度岩手県一般会計予算から日程第63 議案第82号岩手県県税条例の一部を改正する条例まで
〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第29、議案第1号から日程第63、議案第82号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。及川予算特別委員長。
   〔予算特別委員長及川幸子君登壇〕

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