平成11年2月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第25号に反対の討論を行います。議案第25号は、市町村立学校職員の給与等に関する条例及び職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例の一部を改正しようとするものであります。これは、一昨年の雇用機会均等法の改悪による女子保護規定の撤廃と労働基準法の改悪に呼応して、子育て中の職員と介護する職員について、午後10時から翌日の午前5時までのいわゆる深夜の勤務をさせてはならないとするものであります。
 学校職員も県職員の現状も、慢性的な残業、長時間の超過勤務を余儀なくされています。私の調査では、年間400時間以上、1、000時間に及ぶケースも報告をされています。重大なことは、超過勤務に対して手当が支給されないサービス残業が放置されていることであります。県の不十分な調査でも、県職員平均1人当たり年間120時間、30万円、知事部局の職員全体では約15億3、000万円にも及びます。年休の取得も10日前後と半分程度しか取得されていません。今必要なことは、男女共通の残業規制であり、政府や県が目標とする年間1、800時間の労働時間を本当に目指すなら、残業は年間150時間以内、年休も完全に取得できるようにすべきであります。サービス残業は直ちに改善すべきものであります。また、子育て、介護に当たる職員については、深夜労働どころか、原則として残業をやらせるべきではありません。
 次に、請願受理番号第17号学童保育制度の充実と岩手県すこやか保育等プランを実効あるものにすることについての請願の一部不採択に反対するものであります。
 請願審査結果を見ますと、国庫補助適用外の学童保育に対する施策を実施する項目だけが採択とされています。この採択自身には賛成ですが、あとの5項目すべてが不採択となったことは、少子化対策の強化にとっても、法制化された学童保育事業の拡充にとっても、県民、父母、子供たちの願いに背を向けるものであります。
 既に全国の都道府県においては、小規模クラブへの助成はもとより、施設設備の整備や指導員の人件費の援助などに取り組んでいます。一方、県内では、法制化されたとはいえ、学童保育は32市町村101カ所ありますが、助成を受けているのは17市町村71クラブにとどまっています。その内容も老朽な民家の活用や劣悪な労働条件で不安定な身分にとどまっているのが現状であります。
 少子化対策は、岩手県政の最も重要で優先されるべき課題の一つであり、国への改善を含め5項目にわたる不採択に反対するものであります。
 請願受理番号第22号はJR東北本線の安定・安全輸送確保のための盛岡機関区と一関派出の存続を求める請願でありますが、不採択に反対するものであります。
 盛岡機関区は、108年の歴史を持ち、これまで東北本線の大動脈の安全で安定した輸送を確保する上で重要な役割を果たしてきました。現在もJR貨物の所属となっているものの、昭和30年代の機関車さえ走る貨物輸送の欠かせない検査、修繕の役割を果たしているのであります。私は、2月に現地調査をしてきましたが、機関車の台車が割れる、モーターの軸が折れるなどの重大な故障が続出しており車両の交換で急場をしのいでいる実態でありました。一歩間違えば重大な事故になりかねない状態であります。こうした中で盛岡機関区と一関派出を廃止することは、単に労使間の合理化問題にとどまらない、公共交通機関のあり方、安全な輸送が問われる問題であります。
 2月21日には、JR山手貨物線で保守作業中の下請労働者5人が臨時回送列車にひかれ、全員が死亡する痛ましい事件が起きました。この背景には、安全管理まで現場の下請会社任せにし、JRみずからの安全対策がとられていない重大な実態がありました。線路内での作業中の列車事故は、93年以来、31件、死者44人と多発しています。これは、人減らし、合理化を優先して、公共輸送機関として最も肝心の安全を後回しにしてきたJRの体質のあらわれとも言うべきものであります。
 以上で私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(那須川健一君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第25号及び請願陳情中、受理番号第17号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第25号及び請願陳情中、受理番号第17号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第22号JR東北本線の安定・安全輸送確保のための盛岡機関区と一関派出の存続について請願を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第22号JR東北本線の安定・安全輸送確保のための盛岡機関区と一関派出の存続について請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第22号から議案第24号まで、議案第38号、議案第39号、議案第41号、議案第42号、議案第44号、議案第48号、議案第51号、議案第53号、議案第65号から議案第69号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、議案第22号から議案第24号まで、議案第38号、議案第39号、議案第41号、議案第42号、議案第44号、議案第48号、議案第51号、議案第53号、議案第65号から議案第69号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第19 議案第1号平成11年度岩手県一般会計予算から日程第70 議案第64号自動車運転免許試験場使用条例の一部を改正する条例まで
〇議長(那須川健一君) 次に、日程第19、議案第1号から日程第70、議案第64号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。三河予算特別委員長。
   〔予算特別委員長三河喜美男君登壇〕(拍手)

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