平成11年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成11年12月10日(金)
   

1開会 午前10時3分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長  和美宏幸
  議事課長  藤沢重一
  議事課長補佐  千田正和
  主任議事管理主査  浅田和夫
  議事管理主査  筒井則裕
  議事管理主査  森達也
  議事管理主査  熊谷正則
  議事管理主査  下山義彦

1説明員
  土木部長  中山隆
  土木部次長  田頭善美
  土木部次長  吉田直博
  土木部次長  竹内重徳
  総務課長  多田英壽
  用地監  鶴田修三
  道路建設課長  今野正春
  道路維持課長  小田島正憲
  都市計画課長  阿部丕顕
  下水道課長  佐々木誠介
  河川課長  笠原光雄
  河川開発監  沖正博
  港湾課長  橋本義春
  砂防課長  佐藤榮一
  建築住宅課長  金子弘
  建築指導監  鍋倉孝行
  建設振興課長  加藤攻
  技術管理課長  本間義昭
 
  警察本部長  篠宮隆
  警務部長  佐藤裕夫
  生活安全部長  太田代憲夫
  交通部長  沼崎喜四郎
  警備部長  境谷滿
  警務部参事官兼警務課長  日山忠
  警務部参事官兼監察課長  添田信之
  生活安全部参事官兼生活安全企画課長  高橋榮
  生活安全部参事官兼地域課長  千葉俊夫
  刑事部参事官兼捜査第一課長  鈴木勲
  交通部参事官兼交通企画課長  菅野通
  警備部参事官兼警備課長  中川健
  総務課長  細田敬一
  会計課長  蒲沢孝
  少年課長  小 川 口弘
  生活保安課長  千葉吉秋
  国際・組織犯罪対策室長  遠藤貞造
  捜査第二課長  森下元雄
  交通規制課長  高橋弘
  交通指導課長  梅野徳人
 
  出納長  高橋洋介
  副出納長兼出納局長  三浦雅雄
 
  監査委員  一戸克夫
  監査委員  佐藤文子
  監査委員事務局長  小 野 寺彰
  総務課長  青木拓
  監査課長  小田中  善治郎
 
  財政課長  池田克典
  

〇折居委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、土木部及び警察本部関係の質疑を行い、その後、決算12件について意見の取りまとめと採決をいたしたいと思いますので、御了承願います。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成10年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いします。
 最初に、土木部長に土木部関係の説明を求めます。

〇中山土木部長 平成10年度土木部関係の決算について御説明申し上げます。
 決算の内容に入る前に、平成10年度の土木施策の推進状況について御説明させていただきます。
 近年、ゆとりある豊かな生活と安全で安心できる生活を支える良質な社会資本の整備に対する要請が高まってきております。また、県土の均衡ある発展を支える生活・産業両面にわたります交流基盤の充実など、21世紀に向けまして県土の構造を築く社会資本の整備が広く期待されているところでございます。
 このような状況の中で、土木部といたしましても、第三次岩手県総合発展計画後期実施計画を基本といたしまして、積極的な土木施策の展開に取り組んできたところでございます。
 まず、交通基盤の整備についてでございます。
 国におきましては、平成10年3月に新たな国土づくりの指針となります21世紀の国土のグランドデザインと題します全国総合開発計画を策定したところでございます。この新しい計画におきましては、多軸型国土構造への転換を柱といたしまして、新国土軸の形成を打ち出し、その中で参加と連携によります国土づくり、地域づくりを推進することとしております。
 このような動向を視野に入れながら、まず、道路網の整備に当たりましては、国の新たな道路整備五箇年計画のもと、高規格幹線道路や地域間の交流・連携に資するための地域高規格道路の整備を促進したほか、広域生活圏相互を連絡する幹線道路などの体系的な整備を進めるとともに、隘路区間の解消につきましても積極的に取り組んだところでございます。特に、県都圏と県内主要都市圏を90分で結ぶいわゆる90分構想の実現を目指します新交流ネットワーク道路整備事業につきましては、県土の均衡ある発展と活力に満ちた地域社会の形成を図る観点から、引き続いて積極的に取り組んだところでございます。
 また、花巻空港の整備につきましては、内外に開かれた県土の形成を図るための重要課題であります。こういったことから、平成10年度には現地に空港建設事務所を設置いたしまして、滑走路延長整備に係る調査及び用地取得業務に取り組んだところでございます。
 さらに、港湾につきましては、内陸部を含む背後圏の物流の拠点といたしまして、それぞれの港湾の整備を進めたところでございます。
 第2は、安全な県土づくりについてでございます。
 本県は、県土が地形、気象など、厳しい自然条件に置かれていることを考えますと、県民の生活と安全な暮らしを守るためには、災害に強い県土づくりが極めて重要でございます。このため、洪水、土石流、がけ崩れ、津波などの発生に備えまして、治水、砂防、海岸保全等、災害の未然防止対策により一層取り組んだところでございます。特に、平成10年度を初年度といたします国の第四次急傾斜地崩壊対策事業五箇年計画の策定に呼応いたしまして、県版の5カ年計画を策定し、総合的な急傾斜地対策を進めたところでございます。
 また、昨年3月から活発化しました岩手山の火山活動に対処するため、昨年10月、国と連携を図りながら岩手山火山防災マップを作成・公表し、市町村など関係機関における警戒・避難体制の確立と防災対策に活用していただいているところでございます。
 第3は、快適な生活環境づくりについてでございます。
 快適な生活環境の創出に向けまして、街路、公園、下水道等の都市基盤施設の整備や土地区画整理の計画的な推進を図るとともに、良質な公営住宅等の供給や都市部における交通渋滞の緩和に取り組んだところでございます。特に、下水道事業におきましては、効率的・経済的な整備を進めるため、複数の汚水処理施設の共同化を推進する岩手県汚水処理共同管理ガイドプランを策定するなど、引き続き市町村が実施する公共下水道の整備に対しまして、支援の強化にも努めたところでございます。
 また、安全で快適な通行空間の確保を図るために、平成10年度から県単独の電線類地中化推進事業を創設し、電線類の地中化を進めたところでございます。
 これらの公共事業の実施に当たりましては、限られた財源を有効に活用するため、施策の重点化・効率化、公共事業評価制度の充実、公共工事のコスト縮減などに積極的に取り組むとともに、生態系への十分な配慮など、自然環境との共生や地域の景観の保全と創造などに、より一層努めたところでございます。
 また、戦後50年余りにわたりました住宅・社会資本整備の成果といたしまして、着実に住宅・社会資本が整備されてまいりましたが、これらの既存ストックを適正に維持管理して、いかに上手に利用していくかがますます重要になってきていることから、本年2月ですが、公共土木施設維持管理計画を作成したところであり、今後、これをさらに充実させてまいりたいと考えております。
 以上申し上げましたとおり、各分野にわたりまして施策を積極的に推進してまいりました。近年、地方における公共事業を取り巻く環境には極めて厳しいものがございますが、引き続き、良質な社会資本の整備を目指し、21世紀を展望した施策の展開に取り組んでいく所存でございます。
 次に、決算の詳細について御説明申し上げます。
 平成10年度の土木部所管一般会計歳出決算額の総額でございますが、土木費と土木施設災害復旧費を合わせまして1、762億3、971万円余であります。前年度決算額1、593億8、158万円余に対しまして、額で申しますと168億5、813万円余、率にいたしまして10.6%の増であります。
 お手元の平成10年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 それでは、第8款土木費について御説明いたします。予算現額2、057億1、004万円余に対しまして、支出済額は1、714億5、328万円余で、翌年度繰越額は341億4、628万円であります。
 16ページをお開き願います。第11款の災害復旧費でございますが、第2項土木施設災害復旧費は、予算現額120億8、517万円余に対しまして、支出済額は47億8、643万円余で、翌年度の繰越額は71億9、799万円余であります。
 以上、一般会計の総額について御説明申し上げましたが、具体的な内容につきましては、便宜、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、平成10年度歳入歳出決算事項別明細書の244ページをお開き願います。
 以下、主な事業につきまして順を追って御説明申し上げますが、金額につきましては省略させていただきます。
 まず、第8款土木費第1項土木管理費1目土木総務費は、人件費など、土木部の管理運営に要しました経費のほか、流域下水道事業特別会計ほか3事業の特別会計に対します県債の償還等に充当するための繰出金であります。246ページをお開き願います。2目建設業指導監督費は、建設業者等指導監督等に要した経費でございます。3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査並びに建築確認の事務等に要した経費でございます。246ページから249ページにかけまして、4目空港費ですが、花巻空港の管理運営に要しました経費及び滑走路拡張に向けた設計調査等に要した経費でございます。
 次に、第2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、市町村道の計画的な整備を推進するための市町村道路整備事業に補助した経費でございます。248ページから251ページにかけましては、2目道路維持費の主なものでございますが、交通安全施設整備事業費は、国の補助を受けて交通事故の多発箇所を重点に、自転車歩行者道の整備を図るとともに、交差点の改良等に要した経費でありまして、道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持修繕に要した経費であり、緊急歩道整備事業費は、自転車及び歩行者の安全確保のため、一般国道106号盛岡市川目ほか49カ所の歩道整備に要した経費であります。3目道路施設改良費の主なものでございますが、道路改築事業費は、一般国道282号西根町西根バイパスほか21カ所の改良工事等に要した経費であります。緊急地方道整備事業費は、国の地方道路整備臨時交付金を受けまして、主要地方道花巻衣川線北上市横川目ほか75カ所の県道の整備に要した経費でございます。地方特定道路整備事業費は、地方特定道路計画によりまして、主要地方道盛岡横手線雫石町下黒沢ほか112カ所の整備に要した経費でございます。252ページをお開き願います。直轄道路事業費負担金は、国道4号など、建設省が実施いたしました道路事業等に対して支出した県負担金でございます。4目橋りょう維持費は、一般国道340号葛巻町日渡橋ほか33橋の維持修繕工事に要した経費でございます。5目の橋りょう新設改良費の主なものでございますが、県単独橋りょう整備事業費は、主要地方道重茂半島線宮古市落合橋ほか17橋の橋梁かけかえ工事等に要した経費であり、震災対策緊急橋りょう整備事業費は、一般国道106号盛岡市上小倉橋ほか37橋の橋梁の落橋防止工事に要した経費でございます。254ページをお開き願います。6目の高速道路対策費は、日本道路公団の委託を受けまして、東北横断自動車道釜石秋田線の建設用地取得事務等に要した経費でございます。
 次に、第3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでございますが、河川水門管理費は、河川及び海岸堤防水門の管理等に要した経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国が管理いたします御所ダムほか4ダムの管理経費に対しまして支出した県負担金でございます。2目河川改良費の主なものでございますが、中小河川改修事業費は、滝名川ほか12河川の改修工事に要した経費であり、三陸高潮対策事業費は、津軽石川ほか4河川の改修工事等に要した経費であります。256ページに参りまして、直轄河川事業負担金は、北上川上流及び一関地区遊水地など、建設省が実施いたしました河川改修事業費等に対して支出した県負担金でございます。3目砂防費の主なものでございますが、砂防事業費は、今待川ほか59カ所の堰堤工及び護岸工等に要した経費であります。火山砂防事業費は、松川ほか9カ所の堰堤工及び護岸工等に要した経費であり、急傾斜地崩壊対策事業費は、城山ほか36カ所の擁壁工等に要した経費であります。258ページに参りまして、4目海岸保全費の主なものでございますが、海岸高潮対策事業費は、金浜海岸ほか2海岸の防潮堤等の工事に要した経費であり、海岸環境整備事業費は、水海海岸ほか2海岸の人口リーフ等の工事に要した経費でございます。5目水防費は、河川情報提供システムを構築するための施設整備工事に要した経費であります。260ページに参りまして、6目河川総合開発費は、県営の早池峰ダムなど7ダムの建設に要した経費のほか、津付ダム等の実施調査等に要した経費であります。
 次に、第4項港湾費1目港湾管理費でございますが、久慈港ほか4港の港湾管理に要した経費等でございます。262ページをお開き願います。2目港湾建設費の主なものでございますが、港湾改修事業費は、釜石港ほか5港の施設整備等に要した経費であり、直轄港湾事業費負担金は、釜石港の湾口防波堤など、運輸省が実施いたしました港湾整備事業に対して支出した県負担金でございます。
 次に、第5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでございますが、都市計画調査費は、都市計画基礎調査等に要した経費であり、広域公園管理費は、花巻広域公園及び御所湖広域公園等の維持管理に要した経費でございます。264ページをお開き願います。次に2目街路事業費の主なものでございますが、街路事業費は、市街地の交通混雑の解消を図るため、盛岡広域都市計画道路上堂鵜飼線ほか15カ所の道路拡幅工事等に要した経費であり、緊急地方道路整備事業費は、国の地方道路整備臨時交付金を受けまして、盛岡広域都市計画道路矢幅駅徳田橋線ほか32カ所の都市計画道路の整備に要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでございますが、下水道整備促進対策費は、北上市ほか17市町村が実施いたしました下水道計画策定費及び宮古市ほか29市町村が実施いたしました下水道事業債償還基金の積み立てに補助した経費であり、過疎地域公共下水道整備代行事業費は、大迫町ほか5町村で実施した過疎代行下水道整備に要した経費でございます。
 266ページをお開き願います。次に、第6項住宅費1目住宅管理費でございますが、県営住宅の5、046戸の維持管理に要しました経費及び北上市本通り地区における市街地再開発事業に対して補助した経費でございます。266ページから269ページにかけましては、2目住宅建設費の主なものでございますが、公営住宅建設事業費は、北上市藤沢団地ほか5団地131戸の県営住宅建設に要した経費であり、県営住宅ライフアップ事業は、盛岡市のつつじが丘団地ほか3団地の144戸について、狭小な2戸の住宅を1戸に改造するなどの住宅改善に要した経費でございます。
 次に、第11款災害復旧費について御説明申し上げます。少し飛びまして、304ページをお開き願います。第2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものでございますが、河川等災害復旧事業費は、過年災、現年災合わせまして211カ所の災害復旧工事等に要した経費であり、直轄河川等災害復旧事業費負担金は、一級河川北上川花巻市荒屋敷護岸など、建設省が実施いたしました災害復旧工事等に対しまして支出しました県負担金でございます。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の平成10年度岩手県歳入歳出決算書の44ページをお開き願います。
 平成10年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は41億6、397万円余であります。その主な内容は、事業施行者に用地を売り払いしました財産売払収入、県債及び前年度からの繰越金であります。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計41億1、553万円余であります。その主な内容ですが、土地開発基金の管理、県債の償還、事業用地の先行取得等に要した経費でございます。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引きました4、843万円余は、翌年度に繰り越しているものでございます。
 以上で、岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、48ページから51ページにかけましての、平成10年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 その歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は116億1、008万円余であります。その主な内容は、14市町村からの流域下水道事業負担金、流域下水道の建設事業に対する国庫補助金並びに県債等であります。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計105億2、663万円余であります。その主な内容は、北上川上流流域下水道及び磐井川流域下水道の維持管理、建設工事及び県債の償還に要した経費でございます。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引いた10億8、345万円余は、翌年度に繰り越しているものでございます。
 以上で、岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、52ページをお開き願います。平成10年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。
 その歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は45億266万円余であります。その主な内容は、港湾施設、工業用地等の使用料、繰入金及び県債等でございます。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計44億9、529万円余であります。その主な内容は、宮古港ほか2港の施設整備、大船渡港の工業用地造成及び県債償還に要した経費でございます。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引きました736万円余は、翌年度に繰り越しているものでございます。
 以上で、岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 次に、54ページをお開き願います。平成10年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 その歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は2億4、408万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の使用料及び繰入金でございます。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計2億4、389万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の管理及び県債償還に要した経費でございます。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引きました19万円余は、翌年度に繰り越しているものでございます。
 以上で、岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の説明を終わります。
 なお、土木部の主要な事業の成果につきましては、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上をもって土木部所管に係る平成10年度決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇藤原(良)委員 ありがとうございます。まずもって、土木部は小石浜トンネルの進捗を含めまして、岩手県の環境整備に限られた財源の中で努力されておりますことに、その労を多としたいと思います。
 私は、2点に絞りまして御質問したいと思います。ただいま御説明のございました8款土木費の3目道路新設改良費並びに4目港湾費でございます。それに関しまして御質問いたします。
 まず、港湾費の中から触れていきますけれども、港湾整備につきましては、その整備をする必要につきましてはお話しするまでもございません。陸上輸送の飽和状況の問題点、物流の個別化とか、あるいはその増大化、オペレーターの確保も非常に難しくなってきている。あるいは、過積載という法律も出てきて、運営上非常に厳しくなってきている。そして、地球温暖化のCO2対策という懸案事項がございます。これら等々を解消していく上でも、どうしても海上輸送ということに比重を置いていただかなければならないという歴史的な現状の背景があるということを御認識いただいて、進捗していかなければならないということになっていくわけでございます。
 その中で、ことしの10月19日内閣総理大臣決定の新しい1000年の次の世代のミレニアムプロジェクトの一環で、トラック輸送に対する競争力を有するテクノスーパーライナーのトータル・サポート・システムの構築ということが掲げられまして、それが将来ということではなくて、2002年までに画期的な超高速船、いわゆるテクノスーパーライナーの運航を開始し、海上輸送へのモーダルシフトを推進しなければいけないということが決定されました。2002年という限定された年数を方向づけの中で出してきたわけでございますが、これらについて、2002年といいますともう間もなくでございますが、岩手県としてその対応・対策について当然考えていかなければならない。聞くところによりますと、このテクノスーパーライナーの寄港地については、1県1港ということではないと運輸省は考えているようでございまして、北東北で1港になるかもしれませんし、少なくても各県に1港ぐらいずつ割り当てるという状況の代物ではないようでございます。したがいまして、これは複数の対応策を考えていかなければならないと思うんですが、まずもって岩手県の寄港地を目途とする。なおかつ、岩手県の寄港地が得られない場合は、その受け皿として二次的なサポートする港としてどういうところをどういうような内容で用意していくかということを研究していかなければならないと思います。そういうことをどう把握され、どう対応していくかについて、まず1点お尋ねいたします。
 2点でございますので、続けてお話をさせていただきます。
 3目の道路新設維持費に関係いたしましてお尋ねいたします。いわゆる道路維持の分野の道路のり面の追肥の分野についてお尋ねいたします。
 これは、平成5年度までは、岩手県としては県単独の道路災害防除事業という中でおやりになっていたようでございます。平成6年度からこれはなくなってございます。実は、ことしは大変大雨が降りまして、沿岸沿いは、私どもの大船渡を含めまして災害に見舞われました。そして、つい先ほど県北では軽米を中心とした大きな災害がございました。この追肥ということの必要性について申し述べさせていただきますけれども、これは、のり面そのものは急傾斜でございますので、植栽をしても、雨が降りますと養分が当然流れていって、栄養分がだんだんかれ、なくなっていく。したがいまして、根も弱くなって枯れていく。これは景観形成としてもそぐわない、枯れた急傾斜のり面ということであります。それ以上に重要なことは、保持能力が弱まって、大雨が降ると崩れやすい状況につながる、私はそう思うのであります。
 そういう観点から、この追肥について、昔はあったようでございますけれども、肥料を追肥してやるという、それは期間を置いて、毎年毎年と同じ箇所にやるわけでもないと思いますけれども、いずれ平成5年度まであったものが平成6年度からなくなった。私は、今申し上げました観点から見ても、この追肥の分野を県単の道路災害防除費の中に含ませて盛り込んでいく必要があると思うのでございますが、この点についてどう把握され、どう進めていかれようとするのかお尋ねしたいと思います。
 その中で、もしおわかりであれば、現在道路のり面の追加肥料箇所は、現段階において土木の分だけで何カ所あるのか、これについてお示しいただきたい。土木部の問題だけではなくて、農政でも、農免道路あるいは農道、あるいは林業であれば林道があるわけでございまして、これは土木部に比例して出てくるものだと思います。この点につきまして、土木部の見解をお聞かせいただきたいと思いますし、これは、いわゆる予算とすれば県単でございますので、財政課長からもちょっと見解を求めます。

〇中山土木部長 テクノスーパーライナーにつきまして、本県の寄港への取り組みについての御質問にお答えいたします。
 テクノスーパーライナー(TSL)は、次世代の海上輸送手段として実用化が期待されておりますが、運輸省の大型プロジェクトで出しまして、平成元年7月から、運輸省並びに国内大手造船会社の7社で組織いたしますTSL技術研究組合で研究が開始されました。平成7年度には、実験船の飛翔による総合実験が全国33港で実施されて、運輸省では平成8年度にTSLの事業化支援調査委員会を設置いたしまして、TSLが民間の運輸事業として成り立つかどうか、事業採算性について検討を行いました。平成9年5月に公表されました検討結果によりますと、まず、高い船価と燃料費などから、純民間ベースでのTSL輸送の事業化は難しく、公的機関等の運営面や政策的支援が必要とされております。
 TSL開発時の設定条件は、1回当たりの貨物の積載重量が1、000トン、往復で2、000トンが定期的、定量的にあり、航続距離が500海里──約930キロですが──以上で、高速荷役設備を備えたターミナルを有して、TSLと岸壁との荷役時間を1時間、ヤード内の荷役を2時間で行えることであります。また、ターミナルには水際線の延長が160ないし360メートル、奥行きが260から360メートル、面積が6から10ヘクタール。広いヤードが必要であるほか、TSLの高速性を発揮するため、外海からのアクセスがよいことや、高速道路等の背後幹線道路のアクセス性がよいことが挙げられております。
 こういったことから、現状では本県への寄港は厳しい状況でございますが、TSLは将来的には大変有望な輸送手段でありますことから、今後とも幅広い情報収集に努めるとともに、TSL寄港のための条件整備等について研究してまいりたいと考えております。
 他の質問については担当課長から説明させますので、御了承願います。

〇小田島道路維持課長 道路のり面の追肥のことでございますが、平成5年度から事業中断しておりますが、これはある程度追肥の効果といいますか、そういったものを見る必要がございます。さらには、急を要するのり面の崩落箇所、そういった箇所についての復旧に努めてまいっているところでございます。
 また、平成8年度、9年度に道路のり面の防災点検も行っておりまして、のり面の肌落ちなどの変状がありました箇所は381カ所ほどございました。また、これらの復旧対策としまして、ネットと植栽を促す基盤材を併用した種子吹きつけなどによって緊急性の高いところから災害防除事業で対応しているところでございます。
 今後につきましても、のり面の緑化の状態を良好に保つため、追肥散布も考慮しながら、のり面の安定化を図ってまいりたいと考えてございます。

〇池田財政課長 農道、林道に関してでございますが、今、道路維持課長から説明がありましたような県単の事業は特に措置はしておりませんけれども、通常の道路維持管理費の中でその分、緊急性の高いところについては措置をしていると承知しております。

〇藤原(良)委員 ただいま御説明ございましたけれども、いずれ平成5年度でこの分野はなくなっているわけでございますので、施工時と比べますと、どうしてもこれは急傾斜ですから、雨が降りますと養分が下に流れていく、肥料がかれて緑化のり面が衰退していくことは当然のことでございます。そこでは、先ほど申し上げましたように、表面を見て緑でないと景観にもそぐわなくなっていきますし、なおかつ、ことしは私どもいい経験をさせていただきましたけれども、特に県北では人災まで出て、人の命まで失っているわけでございます。それがのり面に起因して人が亡くなったということではないにしても、トータルでいきますと、非常に災害に弱くなっているという分野になります。これは国庫補助ではございませんで、県単の分野でございますので、よくよく御精査されまして、財政課も、後でかえって経費がかかることになるわけですので、災害が起きて直すということになりますと余計金がかかるわけですから、事前の整備、事前の用意、事前の防除ということから言っても、これは過去にあったことをいい教訓として、そしてこの県単の道路災害防除費の中でひとつ対応していくように。そういう意味でその総枠をふやすといいますか担うような内容にしていただくようにお願いしておきたい。検討するように、改めて要望しておきたいと思います。
 テクノスーパーライナーにつきましては、今、部長からお話がございましたけれども、これはこれからの問題でございますので、行政と一緒になって私ども、議会としても考えていかなければならないと思っておりますので、私どもの案も提示させていただきたいと思いますので、あわせてこの際申し上げて終わります。

〇谷藤委員 2点についてお伺いいたしたいと思います。
 まず1点は、今、藤原委員の方からも御質問があった部分にも関連いたしますけれども、まず、10月27、28日にかけての大雨洪水によって被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げますとともに、私どもも一生懸命この復興のために頑張っていかなければならないという思いでございます。
 さて、災害が起きるたびに心配するのは、とりわけ災害弱者と言われる方々の施設でございます。いわゆる老人福祉施設とか身体障害者施設、幼稚園とか、そういう災害弱者の方々の施設、これらの土砂災害からの防止対策が万全であろうかということを思うわけであります。部長も冒頭おっしゃっておられましたけれども、平成9年、10年、この辺にかけて、建設省ほか4省庁の方から連名で、災害弱者関連施設にかかわる総合的な土砂災害対策の実施についてという通知があったようです。これらに基づいて、土木部としてはさまざまな対応をしてきたんだろうと思っておりますが、これまでの対策についてお聞かせいただきたい。

〇佐藤砂防課長 災害弱者対策についてのお尋ねでございますけれども、今、委員お話ありましたように、毎年のように土砂災害で全国で多くの人命が失われております。本県におきましても、先般の災害で2名の方が亡くなるというような痛ましい災害が発生しております。この対策につきましては、従来から土砂災害危険箇所、県内には急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険箇所、地すべり危険箇所それぞれ、今申し上げました急傾斜につきましては795カ所の危険箇所がございます。また、地すべり危険箇所につきましては191カ所の危険箇所がございます。また、土石流危険溪流につきましては1、790溪流があります。
 そういうことで、従来から急傾斜地崩壊危険箇所等の事業で弱者対策もやってまいりましたけれども、今お話ありましたように、昨年の福島県西郷村のからまつ荘で5名の方が亡くなるという災害を契機としまして、一層この災害弱者対策を推進しなければいけないということで、実は、本県でもそういう危険箇所にございます施設調査をいたしました。そうしましたところ、166の危険箇所に183の施設があるということが判明いたしました。これにつきまして、ことしの6月補正で災害弱者関連施設対策事業をお認めいただきまして、県単の5カ年計画でこの対策を講じようということにしております。ことしは4箇所で2億2、000万円で進めるということにしております。
 なお、危険箇所の数が多いものですから、ハードの施設の整備はなかなか追いつかないということで、現在、庁内関係部あるいは出先のいろいろな弱者の施設の方々に資料を提供するなど、連携をとりまして、警戒避難対策に万全を尽くしてまいりたいと思っております。

〇谷藤委員 危険箇所が非常に多いということで、対応も大変だろうと思います。そこで、災害弱者の部分だけ見ても183カ所あるという話でしたけれども、いずれ、岩手県の場合は平地が少ない地域ですので、どうしてもそういう場所を選択しながら施設を整備していくという部分が出てくるだろうとは思いますが、そういう箇所についても、今後とも引き続き安全確保のために御努力いただきたいと思います。
 次に、盛岡南地区都市開発整備事業についてお伺いいたしたいと思います。
 これは、機会あるごとに私も随分質問させていただいてまいりましたけれども、その都度、県としてはこれまで、計画どおりに進展するように、関係機関の方と密接な連携をとって積極的に支援してまいりたいというようなことで答弁をいただいてきておるわけですが、実際どうなんでしょうか、これは計画どおりに進捗しているものなのかどうかについて、今後の見通しも含めてお聞かせいただきたいと思うわけです。特に、県立美術館とか環境保健センターが間もなく完成するようですけれども、そのほか、盛岡市としても市民病院、市民プール、公共施設がいろいろできてきております。ところが、なかなか道路の関係がまだ、あの辺の状況がうまく整備されていないのではないかと思ったりもするわけです。ぜひこの辺、渋滞対策の部分もありますし、盛南地区については業務地が不足しているというところもありますので、早く道路網の整備も含めてお願いしていかなければならないだろうと思っております。現状、これからの見通しについてお聞かせいただきたい。

〇阿部都市計画課長 盛岡南都市開発整備事業の状況でありますが、平成11年度末の事業進捗見込みは、事業費ベースで約21%、面積比で約27%でございまして、仮換地指定は約55%となっております。工事につきましては、これまでインターハイ関連施設、あるいは市立病院周辺など、おおむね地区北側の道路関係等を優先して実施してまいったところでありまして、今後は、南側におきまして順次整備を進める予定と伺っております。
 事業が当初計画に比べてどうなっているかということでございますけれども、事業主体であります地域振興整備公団において、現在、工程等のチェックをしている最中と聞いております。若干おくれ気味であると受けとめているところでございます。
 今後の見通しでありますけれども、公団では、現在でも当初目標の平成17年の国庫補助事業完了を目指して整備を進めたいとしておりまして、県といたしましても、国や公団あるいは盛岡市などと密接に連携を図りながら、事業が着実に進展するように引き続き努力してまいりたいと思っております。

〇谷藤委員 若干おくれているということでございますけれども、いずれ今度、仮称でしょうが、中央大橋もかかって、その流れの中で関連していく道路部分というのはかなり出てくるんだろうと思うわけです。そういうことで、中央大橋の完成の時期とあわせて道路網の整備もぜひ促進していただき、そこの関連の中でいろいろ渋滞問題等も含めて解消されていく部分も出てくるだろうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

〇田村(正)委員 1点だけお尋ねします。
 総括でも申し上げたんですが、国におきましても景気対策ということで、かなりの回数の、そして額の公共事業を打ち出しておりますし、また県でも、農業あるいは土木関連で3、000億円を超えるような支出がなされておるわけです。ただ、我々地方で暮らしている者にとっては、莫大な公共事業を投資しているんだが、なかなか地域経済が底上げなっていないというような感じを受けております。構造的な面もあるのではないのかと思いますが、それと同時に、下請に果たしてうまく流れているのかという疑問を持っております。また、地方にいる我々に入る情報では、とてもとても厳しくなって、下世話な言葉で言わせれば、もうけさせてくれないと、そういう話も出ております。下請対策といいますか、そういったものはどういう指導がなされておるのかお尋ねいたします。

〇加藤建設振興課長 下請業者対策の御質問でございますけれども、県外業者が元請となって下請契約を締結する場合には、できるだけ県内業者を活用するように、機会を通じて要請いたしておりますとともに、建設業法、建設生産システム合理化指針、これは中央建設業審議会建議に基づきまして策定された行政及び業界との指針でございますが、これらに基づき、代金の支払いを含め、適正な下請契約を行うよう、業界団体に要請しているところであり、また、土木部内に、下請契約相談窓口を設けまして、助言、指導を行っているところでございます。
 さらに、県営建設工事につきましては、下請契約の内容等について、7日以内に調書を提出させるなど、その元請下請契約の適正化に努めているところでございます。
 なお、国とあわせて3年に1度、建設業構造実態調査というものをやっておるわけでございますが、これは平成9年度実施しました。その調査によりますと、全体の7割の業者は毎月の出来高払いや前金払いにより、完成前に下請業者に対して支払いを行っているとの結果が出ております。

〇田村(正)委員 ありがとうございます。
 今、いみじくも、県内では下請の7割は適正に運営されているんだというお話があったわけですが、逆を返せば3割が漏れているんだということにもつながると思うんです。建設業法で定められておりますが、下請代金の支払いということで、1カ月以内に相応の金額を支払いなさいと、こう法ではうたっておるわけですよね。この建設業法に、大ざっぱな数字で大変失礼なんですけれども、先ほどの30%はもう既に違反しているんだ、そういう実態だと私は思うんです。30%が支払いになっていないということですから。実態がそうですから、やはりせっかく経済対策として莫大な資金を投入して公共事業をやっているんですから、これが末端に回るように強い指導というのが必要だし、ましてや建設業法にちゃんと規定があるんですから。各工事ごとに実態は、金の流れは把握できると思うんです。実態が把握できるかどうか、まずお尋ねします。

〇加藤建設振興課長 県営建設工事につきましては、ただいま申し上げましたように、下請契約を結ぶ場合につきましては、7日以内にその調書を届け出るということになっておりますので、それには契約書等を添付した書類を出すことになっております。ですから、ある程度の下請の情勢については、県営建設工事では把握できるかと思いますけれども、一般的な工事につきましてはほとんどが、民民の契約という状態になってまいりますので、なかなか困難ではあると存じております。

〇田村(正)委員 私は、民民ではなくて、公共工事ですから、あくまでも県営工事という観点でお尋ねしております。
 調書をとってやっているということですから、もう実態は絶対把握できると思うんです。調書に基づいて、その調書のとおり行われているか、行われていないかの調査はできるはずですから、ぜひやっていただいて、違反回数というんですか、うまくやっていない業者については、県の指名から外す、それぐらいまで強い意思を出さなければ経済効果というのは上がらないんです。そこのところをどう考えておられるか。

〇加藤建設振興課長 今のお尋ねでございますけれども、ちょっとくどくなるかもしれませんが、建設業法では、下請代金の支払いに関する罰則規定というのはないようでございますけれども、不当に低い請負代金の禁止、あるいは不当な使用資機材の購入強制の禁止、それから完成払い、出来高払いの支払い時期等について建設業者が遵守すべき規定が設けられております。建設大臣、都道府県知事は、建設業者がこれらに関し不当な取引といいましょうか、そういったことで独占禁止法に違反していると認められるときは、我々は公正取引委員会に対して適当な措置をとるべきであることを求めております。その結果、こうした罰則が適用される場合には、建設業法上の行政処分、例えば許可の取り消し、営業停止、指示、改善等に及ぶことともなります。このほか、建設業法上、一般に建設大臣または都道府県知事は、建設業の健全な発展を図るために、建設業者に対して必要な勧告をすることとされております。また、下請業者に対して、正当な理由がなく、今のようないろいろなことが、下請代金不払い等があったときは、県としても必要な指名停止等の措置を講ずることとしております。
 いずれにしても、元下取引の適正化が厳しい環境下では非常に重要だと認識しております。こうした違反が起きないように一層の周知徹底が必要だということで、この12月3日付でこうした通達を関係団体を含め、あるいは各機関に発したところでございます。実態につきましても、我々よく把握できるように、こうした関係が適正になされていくように努力してまいりたいと思います。

〇田村(正)委員 ありがとうございます。
 ここにもありますけれども、建設工事を落札された皆様へということで県の指導は確かになされております。ただ、このなされた指導が果たして適正に実行されているのかどうか、そこの実態を把握しない限り、ただの指導であり、そしてまた数字であらわれている──数字以外にもかなりあると思うんですけれども、30%が未実施だということになると思うんです。したがって、2年に1回でも3年に1回でもいいですから、この実態をもうちょっと詳しく調査してみるべきだと私は思うんですが、いかがお考えか。最後です。

〇加藤建設振興課長 なかなか困難な問題ではありますけれども、私どもも毎年何カ所か工事現場を抽出いたしまして、適正に行っているかどうか事務調査をやっております。ですから、意識を持って、委員おっしゃるところも踏まえまして、いろいろ勉強しながら取り組んでまいりたいと考えております。

〇伊藤委員 私は、河川の行政のあり方という部分と、道路維持管理という部分についてお伺いいたしたいと思います。
 中山土木部長は、建設省の河川畑の御出身でございまして、大変河川に明るい方だと思います。したがって私は、ミスターリバーと申し上げたいと思うわけでありますが、そのミスターリバーに、河川のあり方についての議論をするのは釈迦に説法になっては大変失礼でありますので、本来の河川行政が目指すもの、究極の目的は何かということにつきまして御高説を拝聴いたしたいと、このように思います。

〇中山土木部長 河川行政が目指すものという非常に格調高い御質問があったわけですが、河川行政が目指すものはいろいろとあるのですが、私は、人の命を守る安全、それから、やはり人間が住んでいく水というものが大事ではないかと思います。ただ、近年もっと大事なのが──もっと大事というか、それとあわせて、人に潤いを与えたり、環境、生物等に潤いを与えるような、環境というものを意識しなければならないというのが、河川行政の今の目的ではないかと私自身思っているところでございます。

〇伊藤委員 岩手県内には、北上川水系あるいは米代川水系に係る一級河川が81、県の管理する二級河川が104、市町村管理の準用河川が542、その他名もなき河川まで合わせますと八百八川の河川大県ではないかと一般質問で申し上げたところであります。そういう中にありまして、この決算書の205ページの河川という名前のつく事務事業は36項目あるわけでありまして、やはり河川の数が多いから相当事務事業費もあるんだろうと思っておりますけれども、例えば河川環境管理基本計画調査費、10年度は710万円ちょっとでありますけれども、こういった部分を使って、今、部長がおっしゃったような今後の河川のあり方を調査されてきているんだと思っております。例えば、平成8年の1月にいわての川づくりプラン懇談会がまとめたいわての川へ三つの提言という冊子がございますが、この中には、いわてにかかわって、イの一番の「い」でありますけれども、災害に強い川、これがうたってあります。そしてまた、いわての「わ」の字にかかわっては、我が子と楽しむイーハトーブの水辺、そしていわての「て」の字として、天の恵み溢れる水回廊ということであるわけでありますが、今、部長がおっしゃいましたように、河川の根本は住民の命と安全を守るという部分にあると私も思っています。
 平成5年ころから進めてまいりました県内各河川の河川環境管理基本計画等々を熟読いたしますと、必ずこの部分がうたってあるわけでありますけれども、アイオン台風、キャスリン台風以来50年という中にあって、治水──命、安全を守る──という部分が少し薄れてきているのではないのかと思うところがあります。
 今般の軽米町の大きな災害の場合には、計画あるいは策定といいますか、対応が早かったと思って大変敬意を表するわけでありますが、県の今後の雪谷川に係っての計画でありますが、第1番目として、川幅を現在の30メートルから2倍の61メートルに広げる。2番目として、川の両岸に高さ1メートルの堤防を設置する。3番目として、川底を堤防の上から4.5メートル掘り下げると、このように三つの大きな骨子があるわけであります。総額100億円とも言われておりますが、これはこの災害があったから大変国の予算がつきやすいという部分もあると思うのでありますが、県内には先ほど言いました八百八川がありまして、いつこの八百八川のところに軽米町のような集中豪雨が来るかもしれない。そういうことからいきますと、この雪谷川にかかわらず、やはり県内の河川をまず一通り総点検をするべきではないのか、このように思うわけであります。そうしたとき、この雪谷川にかかっておりました橋の橋脚が、今風の橋脚の広さからいいますと大分狭かったのではないか。そこに流木がひっかかってダムのような形になって廃棄物がひっかかって、それが影響した部分が大きいのだろうと思います。したがいまして、県が管理する104の河川について、こういった橋脚の幅等について調査をされたのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

〇中山土木部長 橋脚の間隔、その他県内の橋に係る御質問でございましたが、河川管理者が管理しております区間に橋などの工作物を設置する場合におきましては、橋脚の間隔など、洪水の流下に支障がないように定められた技術基準がございまして、これに従いまして設置することになっております。管理者が河川指定する以前に工作物ができ上がっていた場合は、河川法上の許可を得たものとみなされております。河川指定をする以前にでき上がっていた橋は、必ずしも現在の基準には合致していない、いわゆる洪水の流下に支障のない橋とはみなされておりません。橋脚の間隔が狭いなどの橋が相当数残っております。御指摘のとおりでございます。
 今回、大雨の被害を受けました軽米町の昭和橋はこれに該当する橋梁でございまして、橋長が38メートルで、橋脚の間隔──いわゆる支間長と言いますが──が7.6メートルとなっております。岩手県が管理しております、このような支間長10メートル未満の橋梁につきましては56橋ございます。

〇伊藤委員 こういう災害の全く痛い教訓が今後あってはいけないということで、そういった関連をする県内の橋梁等についても調査を進めて、集中豪雨が全県いつどこにあってもおかしくないという状況にあるわけでありますので、逐次それらも進めていただきたい、このように思います。JRにありましては、西日本の山陽新幹線のトンネルのコンクリートが一部剥落するとすぐ全線のトンネルを調査したわけでありますので、そういう観点に立ちますと、こういう部分を生かしながら、ぜひとも逐次計画を立ててこれを進めていただきたい、このようにお願いしておきたいと思います。
 同時に、今回の一般質問でもある議員から出ましたけれども、県内の河川はどんどん川底が高くなってきている、こういうところがあちこちにあるんだろうと思います。したがいまして、この橋脚につきましても、あるいは堤防につきましても、あるいはこの川底の堆積土砂につきましても、本来、洪水があった場合、水をのめる、のませるという部分に立ってこれからも検討調査、そして逐次整備を進めていただきますように強く要望しておきたいと思います。
 それから、次は道路にかかわってでありますが、道路についてお伺いをする前に、まずお礼を申し上げたいと思います。
 今月の16日に待望久しかった106号の大峠地区の2本の橋、二つのトンネルが開通いたしまして、16日に落成式をする運びとなりまして、御案内をいただいているところであります。これは当局の長年の努力によるものでございまして、この際、心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 90分構想の一環だと思いますが、このトンネル、橋が完成することによって大体2分くらいの時間短縮ができたのではないかと言われておりまして、今後は88分構想をぜひ推進していただきたいと思うわけであります。
 このことによりまして魔のカーブが解消されることになります。今まで8人か9人くらいの方が亡くなっている魔のカーブでありまして、これの解消は大変大きいと思っております。この魔のカーブにかかわりまして、私、今までも指摘をしたりお願いをしてまいりましたが、岩手県内で厳寒期、一番寒いところは玉山村の薮川と言われておりまして、県内で2番目に寒いところがこの下閉伊郡川井村の門馬地区であります。そして、この川井村に係る106号全体は約半分以上あるのではないかと思っておりまして、この厳寒期はまことに交通事故が多いわけであります。スリップ等による事故であります。そういう中で、私は道路勾配につきましては専門家ではありませんけれども、常識的に、道路というのは、カーブする際、内側が低くなっているのが当たり前ではないかと思っているのですが、どうもその勾配が逆もしくは水平なところがあるのではないか。これはタクシーの運転手あるいはバスの運転手等にも指摘されているのですが、これがやはり交通事故の原因になっているのではないか、このように思って指摘しているわけであります。ぜひこういう点も改良していただきたい、このように思います。
 また、厳寒期ということで冬の工事もいろいろやっていただいておるわけでありますが、工事区間、特に夜間ですけれども、交互通行の標識の設置の仕方をいろいろお願いしておったわけでありますが、それらについてどのように進めてきたか、また、どう取り組んでいくつもりかひとつお伺いします。

〇小田島道路維持課長 まず、道路勾配の件でございますが、カーブに対して曲がる方向の逆感ということでございまして、これは区間の程度によるかと思いますが、余り長い区間でなければすぐにでも補修して修正できると考えてございます。
 次に、冬の工事区間の交互交通の規制についてでございますけれども、伊藤委員から総括のときに御質問がございまして、この内容について周知徹底を図るように、各地方振興局の土木部の方に文書を出して注意を喚起しているところでございます。

〇伊藤委員 最後に1点伺います。
 トンネルにつきまして、これからのいろいろな計画もあると思うんです。例えば簗川の道路でありますが、そういう中でアールという部分ですね。例えば、時速50キロで走ってきてトンネルに入る。ハンドルを切って入ったまま、そのままの状態で回るトンネルであればいいんですが、どうもこの106号の中に少なくとも2カ所、カーブに入ってからさらにハンドルを切らなければならないアールの変則のカーブがあるのではないか。そして、これが原因となって交通事故も起こっているようであります。いずれ検討していただきたいと思いますし、今後、簗川道路等にかかわりましても新しいトンネルもこれからつくっていくわけでありましょうから、そのようなことがないように御参考にしていただきたいと思うのでありますが、御感想があればお伺いして終わります。

〇今野道路建設課長 ただいまのトンネル内のカーブの区間の構造の問題でございますけれども、道路設計を行う際に、今、委員がおっしゃったような形で、単カーブといいますか、円曲線でつくる道路のつくり方と、クロソイド曲線といいまして、車が滑らかに運転していくような曲線と二通りございます。現在のところ、特に高速交通等を支えるような道路、高速道路等も含めてでございますけれども、ハンドルを徐々に切っていくような形で行って、カーブの中心といいますか、真ん中のあたりのところに円曲線が一部入っていると、そういう道路構造が最近ずっと行われているところでございまして、むしろ交通安全上は、一気に一定のカーブで行くと事故が逆に起こりかねないので、滑らかにハンドル操作をしていくというような形での曲線形が多いところでございます。

〇伊藤委員 今の答弁に反論するわけではありませんが、トンネルに入った、カーブに入ったと。徐々に行くのならいいんですけれど、急にかくっと曲がるから、キュッとその瞬間ブレーキを踏むんです、危ないと思うから。そのときにスリップをして事故が起こっていると、こういうことが実は散見されております、詳しくは調べておりませんが。特に、区界トンネルに入っていきまして盛岡側に抜けるとき、トンネル内は雪がないのでありますが、出口は橋梁になってカーブになっております。したがって、あそこに入ってトンネルを出た途端に凍っている、ブレーキを踏む、ハンドルを切る。これが危ないということでありますから、こういったこと等にもしすぐ対応ができなければ、標識や何かでまず御対応いただいて長期の計画なりを進めていただきたい。要望して終わります。

〇船越委員 私は、2点にわたってお伺いいたします。
 今、伊藤委員からもお話ありました。また、冒頭に部長からも県内と県都とを結ぶ線が90分構想ということでございます。今、伊藤委員が申し上げましたとおり、私も106号について、伊藤委員はカーブ等についてでございましたが、私は運転ができないものだから、乗せられて歩く方だから詳しいことはわからないんですが、とにかく10カ所くらい、今、工事をしているわけでございます。高規格のためにいろいろと工事をやっておるんでしょうが、10カ所くらいあって、ぴかぴかとやっていつもそこでとめられる。ところが、仕事をしているものだかしていないものだか、終わったものだかこれからやるものだか、とにかく我々はわからないわけですよ。いつまでやっているんだ、これはと、こう思うわけです。だから、もうちょっと、ばばっとやらせてばっとやめるとか、せっかくできているんだけども、県の方で検査、国の方針だか何だかよくわからないけれども、とにかくいつまでも堂々ととめるんですよね。仕方がないからとまらなければならない。90分構想はおろか、本当に10カ所も8カ所もとめられていると、いつまでこういうことをやっているのだろうと思うと、90分構想もさっぱりはかどらないようでございますが、期間をもっと短縮して迅速にやるようにしてスムーズに車を通すのも90分構想に沿うのではないかと思うので、これはどうかというのが1点。
 それから、あと一つは、かれこれ70年になるわけでございますが、また古い話で失礼でございますが、伊藤委員の好きな宮古湾海戦の話ともあれなんですが、鍬ヶ崎湾が自然の良港であったと、そこにかれこれ70年前に赤灯台という堤防を出して静穏度を保って、さらにいい鍬ヶ崎湾になったんでございますけれども、まだそれでも静穏度が保てないということで、龍神崎堤防というものを当局の方が力を入れて始めていただいたということでございます。そういうことで、あそこはことしも県下一の水揚げ量を誇る鍬ヶ崎湾なんですが、あそこは、皆さん御承知のとおり、水揚げ岸壁、休憩・仕込み岸壁と、こういうふうに使用区分がなっておるわけでございますが、旧魚市場のところが係留・仕込み岸壁になっております。ところが、あそこに横に船を着けたんでは何そうも着かないと。それで、縦着けというやつですね、沖合にアンカーをやって、そして船はバックをして3メートルから4メートルおかの方のピットから引っ張ってアンカーを締めて、そして船をつないでおくということなんですが、この沖の方がもう70年来掘ったことがないものですから、泥が深くなりまして、アンカーがきかない。だから夜中に少し風が吹いたり波が来たりすると、これが寄ってきて、せっかく立派な船のともを岸壁にぶつけてへこます、あるいは壊すといったようなことが頻繁に起きて嫌がっているということでございますので、この辺で鍬ヶ崎湾も掘ってもらいたい。10メートルも5メートルも掘れというのではない、1メートルぐらい深長したらいいんじゃなかろうかと。全面的でなくてもアンカーの行く部分というのは決まっておりますから、鍬ヶ崎湾全部をやらなくてもいいからこの辺ということで、私その辺を指摘したいんですが、いかがでしょうか、御意見をお願いいたします。

〇中山土木部長 国道106号の工事の短縮についての御質問にお答えいたします。
 106号、本路線は大変重要な路線でございます。安全で安心して通行できる防災工事、道路線形をよくするための改良工事、それから港湾がございますので、港湾の物流に対応した車両大型化の橋梁補修工事など、御指摘のとおり大変大規模な工事箇所がありまして、事業が集中しておりまして、大変規制期間がふくそうしております。規制による工事は、交通事故の防止を最優先にして規制位置と区間を定めて、通行の安全が確実に確保できますように、わかりやすい箇所に規制信号とか標識の設置に努めまして、道路利用者の協力をいただいているところでございます。
 今後の現場における規制対策といたしましては、施工業者と綿密な調整を行いまして工事期間や規制時間の短縮を図り、信号機の待ち時間などの情報提供をいたしまして、通行に極力負担がかからないよう、人に優しい道路づくりに努めてまいりたいと考えております。
 もう一つ、ヘドロの質問に関しましては担当課長から答弁させますので御了承願います。

〇橋本港湾課長 宮古港の鍬ヶ崎地区の泊地のしゅんせつについてのお尋ねについてでありますが、港湾の諸施設の管理につきましては、日ごろから埋塞した泊地のしゅんせつであるとか臨港道路の補修などに心がけまして適切な管理をしているつもりではございますけれども、利用者の皆様にさらに良好な状態で使っていただきますよう、また、特に宮古港の鍬ヶ崎地区は多くの漁船等が利用しているところでありますので、船舶の安全確保のため実情を調査いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

〇佐々木(順)委員 花巻空港の整備事業につきまして簡潔にお伺いいたします。
 花巻空港の整備事業の平成10年度の繰越明許費は6億8、059万円余と資料で確認させていただきました。一方、このたび運輸省が延長申請を許可したと報道がありました。しかしながら、事業は当初の見込みよりおくれているのではないかという認識を持っておりますが、そのおくれはどの程度なのか。そしてまた、おくれた主な要因、今回、許可に至った要因につきましてお尋ね申し上げたいと思います。

〇中山土木部長 花巻空港の施設変更許可、その他工期についてでございますが、まず許可がおくれた理由でございますが、花巻空港の施設変更業務につきましては、平成10年度中の申請を当初目指しておりました。用地提供につきまして、地権者全員の方々からは同意が得られなかったということで、10年度中の申請を断念せざるを得なくなったと。それから、未同意者との交渉を継続して、同意を得られるよう努力しながら、ことしの6月25日に運輸省に対して申請書を提出したところでございます。また、許可申請後も、同意を得ていない地権者の方々の説得に時間を要しましたことから許可におくれが生じまして、11月26日付で運輸省から許可がおりたものでございます。
 この許可がおりた要因でございますが、許可申請の時点で数人の地権者の同意が得られておりませんでした。こういったことがあったんですが、貴重な土地を御提供いただいた地権者の方々の御理解と御協力を初め、県議会、県民の皆様の花巻空港拡張整備の早期完成に対する熱意と御支援によって許可が得られたものと考えております。
 どのぐらいおくれたかということですが、施設変更許可のおくれによりまして、平成10年が11年ですから、工事着手が1年ほどおくれると認識しておりますが、工事工程の見直しなど、職員一丸となりまして効率的な事業の執行に努めるとともに、工事が本格化する来年度以降は花巻空港建設事務所の体制を強化することによりましておくれを取り戻し、平成16年度末の完成に向けて努力してまいる所存でございます。

〇佐々木(順)委員 再確認いたしますが、完成が平成16年度とされておりますけれども、これに支障がないのかということが1点と、もう一つは、周辺の自治体から滑走路延長工事に伴うさまざまな御要望が提出されていると思います。例えば国道456号とか県道の交通安全施設の問題とか、それから、土取り場用地の後処理の問題などでありますけれども、交通安全施設などにつきましては、県の格別の御配慮をいただきまして作業が進んでいると関係機関や地域住民から聞いております。改めて感謝申し上げますが、これらの要望に対する今後の対応につきましてお伺いしたいと思います。

〇中山土木部長 工事の工程に支障がないかというお話ですが、1年程度のおくれであれば我々が頑張れば取り戻せるということで、しようがないと考えております。
 以下、周辺市町の要望につきましては担当課長から答弁させますので御了承願います。

〇橋本港湾課長 周辺自治体からの要望等についてのお尋ねにお答えいたします。
 花巻空港周辺では、空港整備を初め、空港アクセス道路整備事業、花巻流通業務団地整備事業等たくさんの事業が展開されておりますことから、工事中の安全対策や居住環境の保全、また、土取り場の後処理などについて、地域住民及び花巻市、石鳥谷町から強い要望がありまして、県といたしましてはこれらを重く受けとめまして、空港の盛り土のための工事車両の増加に対応した交通安全対策等を初め、実現可能なものから鋭意実施することとしております。具体的には、土砂運搬車が走行します県道の歩道の整備であるとか、先ほど尋ねられました国道との交差点の改良、右折レーンの設置などを実施しようとしております。

〇及川(敦)委員 事項別明細書251ページの第3目道路新設改良費の凍雪害対策事業費並びに2目の単独除雪費にかかわりまして1点お尋ね申し上げます。
 以前、決算特別委員会の生活環境部の項で伊藤勢至委員も簡単に質問しておりましたけれども、融雪剤の中身について、まず、現在どのようなものをお使いになられているのか、その状況と散布状況についてお知らせいただきたいと思います。

〇小田島道路維持課長 融雪剤の散布の状況でございますが、凍結防止剤は、平成10年度の実績で申し上げますと、県内の総散布量が5、629トンぐらいでございます。その内訳といたしましては、塩化カルシウムが848トン余、塩化ナトリウムが4、729トン余、合計5、578トンでございまして、そのほかに、これと違います融雪剤を51トンほど散布してございます。
 散布している箇所でございますが、県道が現在262本ございまして、4、200キロほどの延長でございますが、その中で、冬期間交通どめする道路以外の除雪延長が3、850キロでございます。また、この中で、特に急勾配とか急カーブあるいはスリップ事故の多発する危険な箇所、または市街地のスリップ事故防止箇所というところに薬剤を散布してございますが、この延長が2、525キロでございます。

〇及川(敦)委員 実は、私も盛岡市議時代にこの問題を調べさせていただきまして、大変問題があるということで何度か指摘をさせていただいた経緯がございます。今、御答弁ありましたように、塩素系塩化カルシウムとナトリウムが大半を占めているようでございますけれども、4点ほど問題があるようでございまして、1点目には金属腐食の問題、2点目には舗装及びコンクリートなどへの影響、3点目は土壤及び植生への影響、4点目には河川等への水質影響ということで、それぞれ問題が指摘されております。細かいことはきょうは申し上げませんけれども、こういった問題について、御認識をされて御対応されているのかどうか。対応されているとすればどのような対応をされているのかお知らせいただきたいと思います。

〇小田島道路維持課長 ただいまの環境に対する影響でございますが、かつて平成5年から9年度でございますけれども、遠野市内の国道396号の近辺におきましてこういった影響の試験を行いました。その内容としては、金属に対する問題だとか、植物といいますか、木に対する問題あるいは河川に対する状況といったものを調査いたしまして、そのときは余り影響はないという結果が出てございます。

〇及川(敦)委員 平成5年から9年まで、国道396号沿いでいろいろ環境影響調査も行ったようでございますけれども、ヨーロッパ等では、いわゆるコンクリート等への影響、スケーリングが起こるということで、橋梁部分とかそういうところには特段の配慮をして散布をしていると。融雪溶液をまくときも濃度を非常に低減させるとか、代替剤、尿素系とかいろいろなほかのものも、金額の問題もあるようですけれども、そういったものも使われているようでございます。ヨーロッパについては土壤が日本と違うので早めに影響が出たようでございますけれども、このぐらいの量が散布されているということであれば本当に大丈夫なのかという懸念もございますので、もう少し細かい調査も含めて調査されるべきだと私は考えておるのでございますが、その点についての御見解をお聞かせいただければと思います。

〇小田島道路維持課長 ただいまのお話でございますが、こういった融雪剤をまき始めたのは平成3年にスタッドレス法ができたときからでございまして、当初はそんなに多くはなかったんですが、だんだんふえてまいりまして、平成3年が900トンぐらい、1000トン弱だったんですが、7年、8年が4、000トン、9年、10年が5、000トンという上昇傾向にございますので、こういった状況にもありますので、なお調査をしてみたいと考えてございます。

〇及川(敦)委員 最後にもう1点お伺いしますが、今の課長の御答弁のように、スパイクタイヤの禁止、それに伴ってスタッドレスタイヤが使用されて、融雪剤の使用量がどんどんふえていっているというのが全国の状況だと思うわけでございます。今、御答弁にも簡単にありましたけれども、今後は調査をしていきたいということでございますけれども、この融雪剤の散布の方法について、総合的に検討して細かいところまで進めるべきだと思いますけれども、今後の方針についてもう一度御答弁をいただければと思います。

〇小田島道路維持課長 ただいまの御質問でございますけれども、新しい素材といいますと、例えば融雪効果、散布車の作業効率、あと、散布に伴いまして、それが解けた後の状態、においだとか滑るという状態がございまして、また、さらにコストという面もございますので、こういったこともやはり散布していく上におきましては非常に重要な要素でございますので、それらも含めて検討していきたいと思います。

〇菅原委員 今の及川委員の質問に関連いたしますけれども、融雪剤は確かに公害があるということは承知いたしているわけでありますが、しかし、これは、岩手県のような山間地帯の道路交通に関しますと、どうしてもやっぱり融雪剤を使用していただかなければならないんです。これは、やはり交通安全、人命尊重ということもあるんです。どちらに比重を置くかということなんです。私はやはり、現在のところは代替品がないとすれば、人命尊重の意味から適切に使用していただく、そして事故をなくすという対策をしていただきたいと思うわけであります。土木部の所感をお伺いいたします。

〇小田島道路維持課長 スタッドレスタイヤ法が出ました平成3年以降に融雪剤を使っておるわけでございますが、それ以前は機械除雪といったもので対応してきたわけでございます。その機械除雪につきましては早朝の通勤時間帯前をメーンにやってございまして、その後のメンテナンスにおける融雪剤の使用ということもございますので、特に危険な箇所については融雪剤を散布するという状況でございますので、そういったものをいろいろ組み合わせながら、効果的に交通安全に取り組んでいきたいと考えております。

〇斉藤委員 最初に、県営住宅の問題についてお聞きします。
 平成10年度の県営住宅の新設、改築、改修、入居状況をお知らせいただきたい。その中でリフォームの費用額はどうなっているのか。
 建設省が原状回復をめぐるトラブルとガイドラインというのを1年少し前に明らかにしました。その内容はどういうものでしょうか。
 県営住宅の場合も、入居者が退去時に20万円もリフォームの費用がかかったという話が最近出されています。実態はどうでしょうか。
 いわゆる経年変化による自然損耗、通常損耗に当たるものは県が責任を持って負担すべきと考えますが、いかがでしょうか。費用負担を具体的に示していただきたい。
 二つ目に、県営建設工事の入札状況についてお聞きします。1億円以上の工事の予定価格に対して、平均落札率はどうなっているでしょうか。95%以上の落札率、99%以上の落札率はどうなっているでしょうか。

〇金子建築住宅課長 まず、1点目の県営住宅の新設、改修状況あるいは入居状況、リフォームの費用はどうなっているかという御質問でございますけれども、平成10年度の県営住宅の事業に関しましては、決算レベルでございますが、新築は特にございません。改築に関しましては131戸、全体費用といたしましては14億4、300万円余りでございます。さらに、改修ということでございますが、これは、狭小な老朽化した住宅2戸を例えば1戸に改修していく、それによりまして快適な住宅にしていくというものでございますけれども、それに関しましては168戸、9億6、100万円余りという予算でやっておるところでございます。
 さらに、入居率についてでございますけれども、平成11年7月末現在ですが、96.3%でございます。これは、平成10年4月の時点は90.4%でございまして、それに比べ5.9%上昇しておると御認識いただければよろしいかと思います。
 続きまして、リフォームの費用額についてでございますけれども、これは、計画的に老朽化に対応して修繕していく部分、それから、入居者が退去、入居する際に必要に応じて修繕する部分、それから、入居者から故障など修繕の要望があって対応する部分などございます。これら締めて3億5、900万円余り、こういった費用でやっているところでございます。
 続きまして、建設省の方から原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについてということで、その内容はどうかということでございますが、若干御説明申し上げますと、これは、近年、民間賃貸住宅の退去の際に、入居者でございます賃借人と、家主でございます賃貸人、この2者の間で賃貸住宅の原状回復の範囲あるいは費用負担をめぐってトラブルが増加しているということがございまして、このため、その指針といたしまして、建設省において賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドラインというものを平成11年3月に取りまとめたというものでございます。
 このガイドラインにおきましては、主に民間賃貸住宅を対象に、賃貸住宅の退去時における原状回復義務の考え方、さらに、費用負担の考え方について整理をしているところでございます。中でも、例えば畳の表がえあるいは障子の張りかえなど、賃借人の通常の使用により生ずるいわゆる損耗部分の原状回復費用は減価償却費として一般的に賃料に含まれていると考えるものであり、家主であります賃貸人が負担することが適当であるとしております。
 最後にございました県営住宅の退去時における費用の実態はどうかといった部分でございますけれども、これに関しまして、まず、県におきましては、県の方で住戸の壁の塗りかえ、あるいは床の補修、あるいは配管、配線の補修など、建物本体の経年変化に係る部分を、これは建物の老朽化によりますけれども、1戸当たり県の方で20万円から30万円ぐらいの予算をかけて修繕しておると御認識いただければと思います。
 一方、入居者の方でございますが、これは使用の状況にもより、必要に応じてということになりますが、畳あるいはふすまの表がえ、あるいは障子の張りかえを行うことになっております。これは入居者が別途発注することになっておりまして、私どもの方でその金額について具体、詳細には承知しておりません。ただ、一般的にではございますが、10万円弱から十二、三万円でやっているというのが標準ではないかと聞いております。
 さらに、公営住宅の家賃に関しまして、これは入居者の所得水準に応じて家賃が決定される、いわゆる応能家賃になっております。政策的に、民間賃貸住宅における市場家賃と比べ低く抑えられております。通常損耗部分はその中に含まれないと私どもは解しておるところでございます。一方、今回のガイドラインにつきましては主に民間賃貸住宅を対象としておりまして、これは、通常損耗部分、いわゆる通常出てくる損耗部分を含む市場家賃を前提としてガイドラインがまとめられておりますことから、公営住宅における費用負担に関しては今回のガイドラインをそのまま適用することはできないと解しておるところでございます。このため、現行の県営住宅条例で定めておりますとおり、畳及びふすまの張りかえあるいは障子の張りかえ、ガラス、給水栓といったようなものに関しまして取りかえに要する費用が必要な場合は、それは通常損耗部分に当たるということになろうかと思いますが、入居者負担が適切であると判断しておるところでございます。
 なお、県営住宅の修繕費用の取り扱いに関しましては、入居時にすべての入居者に対しましてこういうルールをお知らせしているところでございまして、それによりましてトラブルの未然防止に努めているところでございます。

〇加藤建設振興課長 本年11月末現在で1億円以上の工事255件の予定価格に対する平均落札率でございますが、97.95%となっております。また、落札率95%以上の工事件数は255件中、245件でありまして、99%以上は129件となっております。

〇斉藤委員 今の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて、11月18日に国会でも議論になりました。加藤政務次官がこう答弁しているんです。「地方公共団体でも──いわゆる県営住宅です──、自然損耗部分を入居者の負担にしているところと事業者負担にしているところとまちまちでございますので、その上でトラブルが起きていると思うのですが、建設省としては、そのガイドラインに沿って、ぜひひとつそういうトラブルをなくしましょうということで今やっておりますので、よろしくお願いします」と。いわば県営住宅の場合も、このガイドラインに沿ってこういうトラブルは解決すると、建設省はそう述べているんですから、民間住宅はもちろんだけれども、県営住宅の場合でも退去時にリフォームしなければならないということで、私は20万円という話をしたけれども、高齢者なんかの場合には自分でやれないものだからリフォームの業者に頼んでしまう。そういう形で退去時の負担が大変大きい。ぜひ建設省のそういう方向を受けて改善をしていただきたい。県営住宅は別だということではないので、やっていただきたい。答弁をお願いします。
 それと、今の入札状況をお聞きしました。私も調べてみて、予定価格が事後公表になっているんです、今。それで本当に公正な競争がされているかといったら、もう愕然とするような状況です。平均落札率で97.95%、99%以上というのは50.59%、この中には100%というのもありました。せっかく予定価格が事後公表されても、実際はまともな競争入札になっていない、実態として。この改善策をどう考えているのか。このままでは、ただ事後公表して、今までと状況は変わりません、深刻な事態がデータで明らかになっていますというだけではないのか。そういう点で、事後公表をやるだけでは公正な競争にならないのではないか。その改善策について改めてお聞きします。

〇金子建築住宅課長 ただいま委員から御紹介のありました国会での議論でございますけれども、この詳細につきましては、私、手元にございませんので論評できないところでございますが、先ほどお話をいたしましたガイドラインの取り扱いに関しての考え方につきましては、民間住宅あるいは公営住宅を所管しております建設省におきまして、本県と同様の見解を示していると聞いております。公営住宅の取り扱いについて、ガイドラインは参考ということではないかと認識しております。
 公営住宅の家賃の改正につきましては、平成8年に制度改正をしまして、そのときに国のモデル条例を参考に県の条例を作成しました。ですので、県の方に関しましても、国の動向につきまして今後とも十分把握いたしまして、あるいはいろいろな観点から十分検討いたしまして、必要に応じてその都度検討してまいりたいと思います。

〇加藤建設振興課長 落札率が異常に高いということでございますけれども、現在、積算に関しての当初の公表などが進んでおりまして、相当程度の積算能力があれば、設計金額に近い金額、いわゆる類推が可能な状況と考えておりまして、落札結果については適正な競争による結果と考えております。

〇斉藤委員 予定価格の推計はできるんです、かなりの確度で。だから競争もできるんです。ところが、100%とか99.9%だとか、なぜこうなるのか。それは予定価格がわかっても競争がないからでしょう。だからそこで安心して取れるんですよ。まともな競争があったらこんなデータになるわけがないじゃないですか。感覚おかしいよ。客観的事実としてこれをどう見るか。残念ながら予定価格の事後公表はそういう予期した効果を上げていない、そのことを私は指摘しているので、本当にこれは新たな改善策を考えないと、事後公表だけでは限りなく予定価格に近い形で県営建設工事は落札しているという公表にしかならない。この改善を強く求めたい。
 時間がありませんから、あとまとめてお聞きします。
 県内中小企業への発注状況について、私は、不況の中で、限られた公共事業を、むだはなくしながら地元の中小業者への発注比率を高めれば、それ自身で大きな経済効果があると繰り返し指摘してきましたが、平成10年度の公共事業の県内業者への発注件数、額、比率、これはどうなっているでしょうか。この間の推移を含めて示していただきたい。さらに、県内中小企業への発注比率を高める具体的な努力はどうされてきたか、この点についても示していただきたい。
 災害復旧にかかわって、軽米町の雪谷川の河川改修事業についてお聞きいたします。
 雪谷川の河川改修の見通しはどうなっているでしょうか。軽米町からもこの河川改修については要望などが出されたと思いますが、それに対して県はどう対応しているでしょうか。
 私が一番心配しているのは、総論は河川改修賛成、しかし、それぞれの対象になる世帯、家屋については移転を余儀なくされる。ですから、移転用地のあっせんやさまざまな問題が付随します。私が聞くところによると、12月10日ぐらいに河川改修の基本的な計画が示されるのではないか。来年1月の査定が終わった段階で工事に着手する、こういう話も聞いてます。そうしますと、この河川改修に対する住民の合意、納得を得るには大変期日がないんです。私は、そういう点では、本当に大事な事業だけれども、やはり住民の合意を本当に丁寧にとっていく必要があるだろうと思うんです。必要な説明、そして納得と合意、これをどういうふうに進めていくのか、スケジュールも含めて示していただきたい。
 最後ですけれども、花巻空港の整備事業について、この整備事業の中身、事業費、国、県の負担額について示していただきたい。
 平成10年の決算、今年度から着陸料が3分の1値下げされましたが、ことし以降の採算の見通しをあわせて示していただきたい。

〇中山土木部長 雪谷川の河川改修の見通しについてでございますが、軽米町当局及び地元住民の方々の大半が改修が必要であるという意見でございました。県では、ほとんどの区間が災害を受けているため、早期に改良復旧できるよう、現在、建設省と協議を行っております。なお、来月の10日から始まります災害査定並びに年度内の事業査定に向けまして、現在、土木部一丸となって取り組んでおります。事業採択後は4年ないし5年で整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。事業規模でございますが、改修延長が約18キロメートル程度と見込まれ、事業費は災害査定後に確定いたしますが、100億円を大幅に超える規模となる見通しでございます。
 軽米町からの要望についての御質問でございますが、河川整備の要望以外に、河川改修に伴う家屋の移転地の基盤整備並びに周辺の道路整備など地元からの要望事項は数多くあることから、これらを円滑かつ効率的に進めるため、土木部内に災害復旧連絡調整会議を今月2日設置したところでございます。軽米町の新しいまちづくりに大きくかかわりますことから、災害復旧事業以外の事業の導入も検討していくこととしております。
 委員御指摘の地域住民の合意と納得を得ることについてでございますが、今回、改良復旧事業をやりまして、川幅が大きく広がります。それから、事業期間が4年から5年ということで、規模にしては非常に短期間である。そういったことで、早期に地域住民の合意をいただき、事業を進めたいと考えているところでございます。そのため、軽米町独自で雪谷川の河川改修についての話し合いを11月6日から4地区で開催いたしました。また、岩手県におきましても、11月24日からこれまで延べ6日間にわたりまして事業実施予定区間のすべての地区で開催しているところでございます。今後は、さらに、今月中旬から事業の具体的な内容の説明会を開催する予定でございます。地域住民の方々にできる限り説明を行いまして、新しいまちづくりの軸となる河川改修について御理解と御協力をいただくよう努めてまいりたいと考えております。
 その他の質問につきましては担当課長から説明させますので、御了承願います。

〇加藤建設振興課長 県内企業への発注状況についてでございます。
 県営建設工事の県内業者への発注件数は、平成6年以降10年までの過去5年間の平均で、年間約4、100件、金額で1、539億円余り、県内受注率は、おおむねこの5年間80%程度で推移してまいりました。なお、平成11年度の県内業者への受注率は、10月末現在で85.7%となっております。
 県営建設工事の発注につきましては、これまでも県内業者で施工が可能と認められる工事につきましては県内業者を優先して選定してまいりました。また、県内業者による施工が困難な大規模かつ特殊な工事におきましても、県内業者を含む特定共同企業体への発注として可能な限り県内業者が参入できる機会を確保するなど、県内受注率の向上を図ってきたところでございます。今後とも、引き続き県内受注率の向上に努めてまいりたいと考えております。

〇橋本港湾課長 花巻空港の事業費についてでありますけれども、花巻空港整備事業は、大型機の就航や冬期間の就航率の向上のため滑走路を2、500メートルに延長するとともに、ターミナル区域の東側移転及び大型機対応の平行誘導路等を整備することとしているものであり、これらの整備に261億円、空港と周辺居住地の間に緩衝緑地を整備するなど、これらの周辺環境整備に17億円、合計278億円を予定しております。
 国及び県の負担額についてでありますが、国の補助事業としては、補助率50%の空港整備事業としてターミナル地域整備に53億円、補助率40%の地方空港整備特別事業として滑走路延長整備に54億円、計107億円を予定しております。また、県の単独事業として、平行誘導路等大型機対応整備及び緩衝緑地整備に171億円を予定しております。
 次に、平成10年度決算等についてでありますけれども、花巻空港に係る平成10年度の収支決算は、収入が3億2、100万円余で、支出は2億7、900万円余となっており、収入の主なものは着陸料であります。
 次に、11年度の収支見通しについてでありますが、御案内のとおり、本年度から着陸料を3分の1引き下げたところであります。これは、利用者利便の向上及び地域経済の活性化の観点から、航空ネットワークを維持拡充するための環境整備を図り、あわせて航空産業の高コスト構造の是正と利用者負担の公平化、合理化を図るため、国管理の空港に準じ、全国的な展開の中で本県も対応したものであります。
 11年度の収支見通しについてでありますが、現時点ではおおむね当初予算の額で推移するものと見ておりまして、当初予算では、収入は1億9、900万円余、支出は3億600万円余となっております。

〇折居委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時58分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き質疑を行います。

〇阿部(富)委員 本県の汚水処理は44%と全国平均から見ますとかなりおくれているわけでありますけれども、県は、こうした状況をかんがみて、昨年5月に新全県域汚水適正処理構想というのを策定いたしまして、平成22年に汚水処理を80%近くまで引き上げるという構想を打ち出しているわけであります。この構想を実現するには、市町村の計画がきちっと確立されていかなければならないと思っているわけでありますが、この構想に沿った市町村の汚水処理計画というのはどういう状況にあるのかお伺いしたいと思います。
 それから、この新全県域汚水適正処理構想は、約1兆円の巨額の金を投じなければならないと言われているようでありますけれども、こうした場合には、やっぱり財政負担を少しでも軽減する、こういうことも必要だろうと思うわけでありますが、その際、汚水処理場の共同管理であるとか、財政力の弱い市町村に対しては県の財政支援、さらには県の代行、こういうことも必要だろうと考えているわけであります。こうした内容についての市町村との協議はどの程度進んでおられるのかお伺いします。
 それから、まだこの構想に沿って計画を策定していない市町村もあろうかと思うわけでありますが、もう新しい計画に入っているわけでありますから、そういう意味では、いつまでに市町村に対して新しい構想に沿ったそれぞれの市町村計画を策定するように求めていくのかお伺いいたします。

〇中山土木部長 新全県域汚水適正処理構想の御質問についてお答えいたします。
 従前の全県域汚水適正処理構想でございますが、平成6年度に策定いたしまして、本県の汚水処理施設の整備率が全国に比較して非常におくれているということで、一層の効率化を図るために、平成10年度に見直しをいたしました。見直しに当たりましては、県庁内の各部と、それから市町村と連携をとりながら、総合的かつ効率的に整備を進めるため、市町村の汚水処理計画を尊重して、下水道や農業集落排水、漁業集落排水、合併処理浄化槽等、各地域の実情に応じた適切な整備手法となるよう十分な調整を図ったものでございます。
 ただ、この構想の中の最終処理場計画につきましては、それぞれの市町村が個別の計画などのさまざまな形で持っておりますが、総合的かつ具体的な年度別スケジュールなどを定めました総合的な処理計画につきましては、平成12年度中に各市町村が策定するように、今後、県内市町村と協議を進めていきたいと思っております。
 それから、今財政が非常に厳しいということでございますが、そういったことで私ども、まず、共同管理の推進といろいろな支援という二つの形で進めております。まず、共同管理の推進ということで、将来、維持管理で非常に市町村の負担になることが懸念されるわけで、複数処理場の共同管理によります維持管理費の縮減につきまして、市町村の指針となりますように、本年3月に岩手県汚水処理共同管理ガイドプランを策定いたしました。このガイドプランの理解を得るために、岩手県は庁内関係5部で組織されます全県域汚水適正処理推進協議会を設置の上、本年4月14日から30日にかけまして、各振興局ごとに各市町村長へ説明を行いました。この結果、本ガイドプランの指針については大方の理解が得られたものと考えております。
 今後、処理場の共同管理に向けましては、関係市町村の連携について、振興局とともに働きかけてまいります。
 もう一つの柱でございます支援方策でございますが、岩手県は流域下水道の整備拡充を図るということで、県内の市町村の事業を支援するために、過疎市町村の県代行事業の実施、国庫補助事業費の確保に一緒になって努力し、それから、汚水処理施設整備事業の県費による財政支援も行っているところでございます。それと、岩手県下水道公社による下水道事業や岩手県土地改良事業団体連合会による農業集落排水事業への支援、これは技術支援という形ですが、これをそれぞれ実施しております。こういった支援につきまして、市町村に十分御理解いただくように協議を進めておりますが、今後とも、適切な支援策を講じながら、汚水処理施設整備の推進に努めてまいりたいと思います。

〇阿部(富)委員 今お話いただいたとおり進めば、私もいいと思っているわけですが、県の計画、構想については、新しい総合計画の中でも80%引き上げということに目標を置いて、それなりの予算もつけていく、こういう考え方で進められているから、県自体は問題ないだろうと思います。問題は市町村ですよね。市町村については、県の新しい総合計画との整合性が図られているというわけでもないわけであります。そこで心配するのは、平成6年につくった全県域汚水適正処理構想というのでも、いわゆる処理率の向上を掲げたわけですが、古いといいますか、前の構想での到達率は一体どういう程度になっているのかお伺いしたいと思います。

〇佐々木下水道課長 現在、手元には資料を持ち合わせてございませんので、いずれ、平成6年に作成した全県域汚水適正処理構想につきましても、県構想だけでございまして、市町村に特別な具体的な計画を策定していただかなかったものですから、管理が十分に行き届いていない面がございます。その点も踏まえまして、今度の新全県域汚水適正処理構想につきましては、市町村にも計画を作成していただいて、それに適切な進行管理をさせていただくという考えでおりますので、よろしくお願いしたいと思います。

〇阿部(富)委員 わかりました。そういう形で進めていただければと思います。ただ、単年度の普及率向上を見ると、今2%程度なんですよね。ですから、よっぽどの財政投資をしていかないと、構想の実現は非常に難しいと私は思います。そういう意味では、市町村の財政をどうするかということ、ここにきちっと焦点を当てて、市町村計画も県の計画と整合性を持つような形での策定を指導していただければと、このように願っているところです。
 次に、平泉の国道4号バイパスについてでありますけれども、先般、高舘橋から一関側の入り口までの約2.4キロの供用開始がされたわけでありますけれども、この供用開始の効果をどのように評価されているのか、あわせて、まだ3.4キロ、全く手がつかないままあるわけでありますけれども、平泉バイパス建設の見通しはどういう状況にあるのかお伺いいたします。

〇今野道路建設課長 国道4号の平泉地区のバイパス計画についての状況でございますけれども、昭和56年からこのバイパス事業が着手されまして、遊水地事業とともにやってきたところでございます。御案内のとおり、先月の11日でございますか、供用開始したところでございます。
 ここの整備効果ということについての考え方でございますけれども、一関方面から北上してまいりまして、高舘橋を通って、主たる交通とすれば北上川左岸の長島地区の方に行く交通の順化を図る効果というのが、まず第一義的に大きいのかと考えているところでございます。この件につきましては、また、そのほかに考えられるのは、北上する車、例えば一関の方から来た場合、北上するということになりますと平泉市街地の狭隘な部分を通るということから、現段階では大型車の通行等についてはかなり難しいと考えておりまして、前段申し上げたような形で長島地区の方に行くことが、このバイパスの整備効果の主たるものかと考えております。
 なお、全体計画と申しますか、このバイパス計画につきましては、当然ながら観光シーズン等も含めました国道4号全体の交通渋滞の緩和のためには、さらに整備を進めて供用区間を延ばしていくことが、私どもとしてはぜひとも必要と考えておるところでございます。しかしながら、今お話にありましたとおり、残る区間が3.4キロメートル、まだ全体の半分まで行っていない区間供用でございまして、残事業費が非常に膨大であって、さらに整備に時間を要すると、そのように伺っているところでございます。
 そのような中で、私どもといたしましては、バイパスを現在の高舘橋からさらに延伸していきまして、3.4キロの残っている区間のうち、約1.5キロぐらい北上いたしますと衣川の南側の付近に大体行くわけでございます。そこから現国道への暫定的な取りつけを行う整備によって、さらに効果が、南北交通の処理が可能になると考えております。本年8月に県の方で道路の整備に関するプログラムを公表したところでございますけれども、その中で、平成19年までの後期5カ年計画の中でこの間の部分供用を目指しているところでございます。
 県といたしましては、国、県、町が一体となって具体的な検討を進めていって、早期整備に努めていく必要があると、このように考えているところでございます。

〇阿部(富)委員 考え方はわかりましたが、国道4号に暫定取りつけをするとなりますと、国直轄の4号線の部分だけではなくて、県道だとか、あるいは町道もかかわり合いを持ってくることになるわけであります。そういう意味では、県の果たすべき役割も非常に大きくなってくると思いますので、ぜひ、今示された年次にこだわることなく、現在の交通状況を勘案して、一日も早く整備していただければと、このように願っているところです。
 次に、同じ4号でありますが、中尊寺入り口交差点付近であります。ここは、御案内のとおり変則交差点というようなことがございまして、ここでかなり車の渋滞が見られるわけです。したがって、とりあえずここの交通渋滞を解消することが、大きく国道4号平泉地区内の渋滞解消にもなるものと考えるわけですが、ここの変則交差点の改良についてはどういう状況にあるのかお伺いいたします。

〇今野道路建設課長 ただいま御指摘の中尊寺入り口交差点につきましては、県の主要な渋滞ポイントの一つに数えられているところでございまして、休日の交通量が日交通量で2万台程度ございます。これにつきまして短期的な渋滞対策としてここについても対応を考える必要があるということで、国と県、県警、町と一体となりまして、国道4号中尊寺入り口交差点渋滞対策打ち合わせ会議というのを、実はちょうど1年前に発足いたしまして、現在、諸課題について協議を行っているところでございます。ここにつきましては、お話いただきましたように変則交差点になっている、あとは右折レーンがないということなどが、交通渋滞の主たる原因になっているところでございます。ここの整備に当たりまして、国指定の史跡などが存在いたしますことから、各種課題を抱えておるところではございますけれども、この早期の事業化についても、国等に、この協議会の中で勉強する中で、いい解決策を検討する中で早期整備がなされるように、私どもとしても要請してまいるつもりでおります。

〇折居委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇菊池(勲)委員 阿部委員に関連するんだけれども、下水道問題、私は農村に住んでおるものですから、広域下水道の対象にならない地域におる方が結構おるわけです。今、新築等を含めて、改造するときには合併処理浄化槽を使って処理をして、その処理した水を当然近隣の下水道、小さい水路に流すわけです。それがほとんど改良区が所管している水路なんです。もちろん、検査結果が十分通っておれば、どうしたって水路に流さなければその施設が有効に活用できないわけですから、必ず改良区に許可願が出てくるわけです。これが最近多いわけだ。ところが、我々農民とすれば、確かに合併処理浄化槽で処理した水なんだから、極端に言えば、飲んで支障のない水だと思うんだけれども、その水が水田に入ったと仮定した場合には、我々は大変残念な農業生産をしているんだという意識が強くて、隣接の農家から反対を食ったりして大変困っている事態が生じておるわけだけれども、これは、所管はもしかすると農政部かもしれませんが、下水道関係を含めて、土木部ではどんな考えを持っているかお聞かせ願いたい。

〇佐々木下水道課長 県下の下水道を含める汚水処理施設の関係のことにつきましては、汚水適正処理推進委員会を設置してございますので、委員のおっしゃられたことを農政部所管の農業集落排水事業、それから生活環境部所管の合併処理浄化槽を担当している部局に対し、委員の御意向をお伝え申し上げまして、意識の向上を図っていただくように努めたいと思います。

〇菊池(勲)委員 ありがとうございます。
 中心商店街、都市計画の指定を受けたところは、ほとんど本管の工事が終わっている。北上市なんかは特にね。だけれども、水洗トイレに加入する人が遅々として進まないわけだ。地下には何百億という金がつくんだけれども、ほとんど進まないと言ってもいいぐらいだね。道路際の表の1軒だけは水洗だけれども、その裏に何軒かあるわけですね。次の反対の道路まで行くのに3軒か4軒つながっているそうだ。中に入って見たことはないからわからんけれども、隣同士の軒下が1メートルあるかなし、そこを掘って裏の家に水洗トイレの配管は不可能だと言っているんだよ。残念ながら、そのために北本内ダムが中止せざるを得なくなっているんだ。どういう計算をしても、水洗トイレにもし全部が入ったと仮定すれば、水洗トイレの水も、我々が飲んでいる水も、料金は違うけれども、同じ配管で流れてくる。そして大きな事業が残念ながら休止に陥っている。北上市内の公共下水道の加入率をちょっと教えてください。

〇佐々木下水道課長 今手元に資料がございませんので、後刻御報告させていただきたいと思います。

〇菊池(勲)委員 決算審査にならないだろう。きょうは取りまとめだもの。
 それを推進する方法は、恐らく受益者だけでは、市民だけでは不可能だと見ているの。工事屋が言っているわけだ。ところが、こんな言葉は適当でないけれども、世の中というのはおかしいもので、残念ながら隣近所は意外と仲が悪いものなんだよ。本当は隣近所が仲よくなければいけないんだけれども、実態はそうじゃないんだ。前の人と後ろの人が仲が悪いものだから、前の人の縁の下にパイプを1本通して、4軒それにつなげば、見事に安い工事でできるはずなのに、それがほとんど進んでいない。これは行政指導か何かしなければ、ずうっとむだな金を地下に埋めただけだよ。これを北上市民はよく言っているんだもの。先生、何とかしろと言われたけれども、私は何ともしようがないんだ。うちには県議会議員が3人いるんだ。私に書いた人ばかりなら何とかするんだけれども、そうじゃないから。部長、そういう点はどうするの。

〇折居委員長 まとめてください。

〇中山土木部長 下水道の普及率が上がらないということで、大変なお怒りの御質問でございますが、私ども、あるいは知事が言っておりますように、下水道とか処理排水、そういった汚水処理がこれからの岩手県を支える一番大事なことだと思っております。多分、ここで言うのは辛いんですが、いろいろな省庁の壁とか、市町村との連携がとれていないということで、私ども中心的な役割をしなければならない土木部の役割が弱いのではないかと思っておりますので、今後強くするように頑張りますので、よろしくお願いします。

〇佐々木下水道課長 先ほどの北上市の下水道の普及率並びに水洗化率についてお答えいたします。
 平成10年度末でございますけれども、北上市の普及率は39.6%でございます。それから、水洗化率は61.5%でございます。

〇菊池(勲)委員 ちょっと数字が逆じゃない。うちは合併した町なんだ。旧和賀町も都市計画の指定は107号の沿線なんだ。あらまし旧和賀町の中心まで行っているんだ。藤根まで来てるから、あと残りは横川目の駅前だけだ。そして入っているのはせいぜい二、三軒だよ。本管はもうやや入っているでしょう。だから、あなたが言った数字は逆だな。本管はもう約70%入っているんだけれども、加入者が見事に少ないんだよ。旧和賀町の藤根の市内でもそうなんだから、町の真ん中はもっと悪いはずだよ。もう一回。

〇佐々木下水道課長 下水道普及率は行政人口に対して水洗化可能な人口を算定しております。それから、水洗化率の方は、その水洗化可能な人口に対しての実際に水洗化している人数を数えているものですから、先ほど申し上げたような数字になってございます。

〇中山土木部長 ですから、今の御質問は、多分掛け算になるのではないかと思います。

〇折居委員長 ほかに質疑がないようでありますので、土木部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。

〇篠宮警察本部長 本委員会の審議の前に、県民の皆様におわび申し上げなければならない事案が発生しておりますので、委員の皆様方に御報告いたしたいと思います。
 事案の概要は、本日深夜、江刺警察署の43歳の巡査長が、飲酒の上、水沢市内の自宅近くで乗ってきたタクシーの乗務員とささいなことで口論となり、その際、タクシー乗務員の顔面を殴打するなどし、全治1週間の傷害を負わせたというものであります。
 水沢警察署に対して厳正な捜査を指示したところであり、現在、傷害容疑で事実関係の詳細を捜査させておりますが、神奈川県警を初め、警察職員の不祥事が国民の警察に対する信頼を大きく損ねている折、まことに残念な事案であり、被害に遭われた方並びに県民の皆様に心からおわび申し上げるところであります。
 当該警察官に対しましては、事実関係を踏まえて厳正な措置をとる所存であります。
 また、県警職員には、改めて不祥事案の防止について指導の徹底を図りたいと考えております。
 岩手県警察に対する県民の信頼を裏切る事案が起こりましたことを改めておわび申し上げますとともに、今後とも皆様方の御支援、御協力をお願いする次第であります。
 私からの報告は以上であります。
 それでは、改めて平成10年度決算につきまして御説明申し上げます。
 まず、御審議いただく前に、最近の治安情勢について簡単に申し上げます。
 県内の治安情勢を見ますと、韓国500ウォン硬貨使用の窃盗事件、偽造クレジットカード使用による詐欺事件を初め、来日外国人による組織的な犯罪が増加しているほか、インターネット利用のわいせつビデオ販売事件のような新型犯罪が発生するなど、犯罪の国際化や質的変化が顕著になってきております。
 また、交通事故は発生件数、負傷者数が高水準で推移しておりますが、岩手山も水蒸気爆発の可能性が指摘されるなど、決して予断を許さない状況となっております。
 県警察といたしましては、治安情勢の変化に対応した捜査体制の確保や捜査活動を支援する装備資機材の整備、警察施設の整備拡充など、治安確保のための基盤の充実・強化を図り、夢県土いわてづくりの一翼を担ってまいる所存であります。
 それでは、平成10年度における警察費の決算について御説明申し上げます。
 まずもって、平成10年は、県警察運営重点における基本姿勢を県民の期待と信頼にこたえる警察と設定し、これを具体的に推進するための重点目標を、交通死亡事故の抑止、重要悪質な犯罪の徹底検挙、銃器、薬物事犯の根絶、少年非行の防止、暴力団の壊滅、安全な地域づくりの推進、国際化に対応する治安対策の推進、被害者対策の充実の8項目と定めて、組織の総力を挙げて取り組んだところであります。
 以下、警察費について御説明申し上げます。お手元にございます平成10年度岩手県歳入歳出決算書、14ページをお開きいただきたいと思います。
 14ページの真ん中より下部、第9款警察費の歳出予算額は327億5、083万3、000円であります。これに対して支出済額は326億9、583万2、992円、不用額は5、500万8円であります。不用額の主なものは職員手当など人件費であります。
 以下、お手元の平成10年度歳入歳出決算事項別明細書により項目別に御説明いたします。
 まず、268ページをごらんいただきたいと思います。268ページ中段、第1項警察管理費第1目公安委員会費の支出済額850万円余は、公安委員の報酬や国家公安委員会及び他の都道府県公安委員会との連携を図るための活動など、公安委員会の運営に要した経費であります。第2目警察本部費の支出済額252億8、319万円余は、人件費が主なものであり、そのほか、情報管理システムの整備などに要した経費であります。次に、資料の270ページをお開き願います。資料270ページ第3目装備費の支出済額4億3、101万円余は、警察機動力の維持向上を図るために要した経費で、中型ヘリコプターの導入に伴う、操縦士、整備士の養成経費や警察車両の更新整備費のほか、各種警察装備の維持管理費が主な内容であります。第4目警察施設費の支出済額31億1、087万円余は、警察活動の基盤を支える警察施設の整備及び維持管理に要した経費であります。主な施設整備の一つは、警察署庁舎の建設であります。宮古警察署庁舎は、平成9年度から2カ年継続事業で、平成10年度は80%を施工し、昨年11月に竣工しております。また、盛岡東警察署につきましては、現在地に警察本部の一部機能を併設し、平成14年度中の完成を目指しております。平成10年度に要した経費は、建設のための地質調査、基本設計や屋上ヘリポート整備調査などであります。その2は、岩手警察署西根交番など11件の移転新築用地の取得に要した経費であります。これらのほか、盛岡東警察署中ノ橋交番など7カ所の交番、駐在所及び3カ所の職員待機宿舎の新築整備によって、行政サービスの向上と執務環境の改善などを図ったものであります。次に、資料の272ページをお開き願います。第5目運転免許費の支出済額3億9、215万円余は、交通事故防止を図るため、運転免許行政処分者に対する講習、高齢者講習など、運転者対策を推進した経費であります。第6目恩給及び退職年金費の支出済額1億3、540万円余は、恩給及び退職年金の支出に要した経費であります。
 次に、第2項警察活動費第1目一般警察活動費の支出済額4億5、985万円余は、交番機能強化対策の一環として交番相談員を配置するなど、安全な地域づくりを推進するために要した経費のほか、岩手山火山災害警備用資機材の整備などに要した経費であります。次に274ページをお開き願います。第2目刑事警察費の支出済額2億8、146万円余は、次代を担う少年の非行を防止するための活動、悪質巧妙化する犯罪に対する的確な捜査取り締まり活動、捜査活動を支援する各種資機材の整備などに要した経費であります。第3目交通指導取締費の支出済額25億9、335万円余は、通行指導取り締まり活動の推進などのほか、交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、交通安全施設の整備拡充などに要した経費であります。平成10年度における交通安全施設整備の主なものは、幹線道路における交通事故防止施設の整備、都市交通機能を確保するための交通管制エリアの拡大整備、道路交通情報相互提供システムの拡大整備などであります。
 以上をもちまして、平成10年度における警察本部関係の決算の説明を終わらせていただきました。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇菊池(勲)委員 今、決算審査に入っての説明をもらいましたけれども、その冒頭に本部長から昨夜の事件のことが説明されまして、テレビ、新聞を見て、よその県のことだと思っておったんだけれども、我が岩手県にも起きたということは非常に残念でなりません。特に私ども県民は、頼るものは何かといえば、まず一番最初に警察官、その次は、恐らく消防団だと思っております。その警察官にこういう不祥事があったことは、県民の1人としては至極残念なことでありますけれども、先ほど本部長のごあいさつを聞いて、士気をまた改めて点検し直しながらやるという話をお聞きしましたので、大変心強く思っていますけれども、被害者を含めて、県民の信頼回復のために最大の努力をしてほしいのがお願いであります。
 どうしてこういう事案が起きるだろうと素人なりに考えると、職場は違っても同じ人間の仕事でありますから、世の中の環境がすっかり変わっているのかなと。頼りになる者さえもこうなのでは、我々県民は打つ手がないというような感じを持って残念でなりませんけれども、もう一度本部長の心構えをお聞かせ願いたいと思います。

〇篠宮警察本部長 本県におきましてもこのたびのような事件が発生いたしまして、まことに残念であります。これから、現場で精励している職員の士気を落とすことなく、安全かつ平穏な県民生活の確保に職員一丸となって邁進してまいりたいと、かように考えております。

〇阿部(富)委員 警察職員の皆さんも、やっぱり今言われたとおり人間ですから、事故あるいはさまざまなことが起きるというのは私自身も理解するわけであります。ただ、職業柄、より厳しさが求められているというのはそのとおりだと思っております。そこで、今年度警察職員の懲戒の状況は一体どのような状況にあるのかお伺いしたいと思います。

〇佐藤警務部長 まことに御心配かけて申しわけございません。
 今年度の懲戒処分につきましては1件ございます。

〇阿部(富)委員 いろいろ事情があると思いますから、そのことは別にして、私が常日ごろ感じるのは、例えば、先般もパトカーがバイクを追走中に、バイクを運転している者が運転を過って激突して死亡する、こういう事故が起きたわけであります。その際に、警察の側からすれば正当な職務を遂行していたものだという考えに立つのだろうと思うんです。それはそれで判断ですからいいと思うんですけれども、ただ、一般的に見た場合に、それが正当かどうかという判断を仰ぐときに、警察だけの判断で果たしてどうなのかという疑問も、私は県民の中にあるだろうと思うんです。警察の中には監察ということもありますから、当然、その中でも十分に調査して結論を出されるだろうと思いますけれども、申しわけないんですが、監察という制度は、残念ながら内部のものでありますから、例に出すと大変怒られますけれども、神奈川県警のような形になりかねない部分だってあるだろうと思うんです。そういう意味では、公安委員会が警察を指揮・監督ということになるわけでありますけれども、そういう部内で起きた問題については部内の監察だけで物事を判断するというよりは、公安委員会の判断を仰ぐ、こういうようなはっきりした形での対応を行うべきじゃないかと私は常日ごろ考えているわけでありますが、その辺についてはどのようなお考えをされているのかお聞きします。

〇佐藤警務部長 ただいまお尋ねの、パトカーがバイクを追いかけて激突死したという事案は承知しておりません。大船渡であったと思いますが、追跡をして、ぶつかりましてけがをさせております。これは亡くなっておりません。骨折させてしまいまして、その事案ではないかと思います。
 御指摘のとおり、この事件につきましては業務上過失事件でございますので、適切に捜査いたしまして、検察庁に送致しております。
 御指摘の公安委員会につきましては、本日の事件につきましても、すぐ、公安委員お3方の先生に事案の経過を報告してございます。
 それから、監察の制度でございますけれども、これは、当県におきましては正常に機能しておると理解しております。

〇伊藤委員 冒頭の本部長からのあいさつは了といたしましたので、これには触れないで、私の質問を1点だけさせていただきます。
 県警本部長を初め県警職員の皆さんには、日ごろ、県民の治安維持、そして秩序安寧のために日夜本当に御努力いただいておりますことに、まず敬意を表したいと思っております。今日、国民とそして県民の間には、大変大きな二つの不安要素があるのだと思っております。一つは、経済不況ということで、どうしても明るい展望が見えないということが一つであります。さらには、このごろ盛んに報道されております、いわゆる新興宗教にかかわる、大変心持ちといいますか、気持ちの奥深い不安感があるのだと思いまして、そこにかかわって1点お伺いしたいと思います。
 今、報道で盛んに取りざたされております法の華の問題、あるいはまた、先般スペース何とかという、大変わかったようなわからないような、定説とかを振りかざして入院患者さんをホテルに軟禁してミイラ化してしまったというような問題、さらには、サリンによって無差別大量殺人事件を起こしましたオウムの部分であります。これについてちょっとお伺いしたいと思うのでありますが、先般、ある大手新聞の一口漫画のところに、大変風刺の効いた一口漫画が載っておりました。オウムの麻原彰晃教祖のイラストが載り、片方にはスペース何とかの高橋という教祖と2人載って、その下に一言「2人はグル」となっておりまして、これは大変風刺の効いた、まさに風刺漫画だなと思いました。
 そこで、このオウムという部分についてお伺いいたしますけれども、知事は6月23日の記者会見で、オウム真理教等教団関係者から県の公共施設の使用申し出があった場合、原則として認めるとの考えを示しておられましたけれども、警察としてはどのような見解を持っているのか、まずこれをお伺いいたします。
 また、さきに可決されましたオウム2法により公共施設の使用禁止はできないのか、これが1点であります。
 さらにもう1点、オウム真理教のいろいろな関係者が今後活動自粛をしていく旨の報道等があったりしておりますけれども、これは深く静かに潜行していくことではないのか。そうしますと、この広大な岩手県の山林、あるいは遊休の施設等が売却といいますか、購入されていくようなことがあって、じわじわとこの岩手県に侵出してくるようなことがないのか、こういった部分の不安があるわけであります。そうした場合に、仮にどこかの市町村が所有して、あるいは当該市町村の施設などを購入されたとなりますと、市町村民から出ていけという大変大きな運動が起こりまして、結果として、市町村がなけなしの財産をはたいてそれを購入する、買い戻す、こういうようなことになっている、今までのあちこちの事例があるわけであります。これは、市町村にとって財政的にも、また冒頭申し上げました国民、県民の不安という点からも大変重大なものだろうと思いまして、こういう部分の事前の情報というのは警察の情報力に負うところが大きいのではないかと思います。この3点をまとめて、どのようにお考えになっているかお伺いいたしたいと思います。

〇境谷警備部長 オウム真理教は県内では特段の動きはございませんけれども、全国的には、ただいまお話がございましたように、34カ所の活動拠点とか施設、それから約100カ所の出家信者の居住施設等を有しているところでございます。これらの施設の周辺地域では、対策協議会を結成し、マスコミ報道等で取り上げられているとおり、オウム反対の立て看板の掲出や監視活動、撤退を求める集会デモなど、活発な住民運動が展開されているところでございます。
 オウム真理教がセミナー等のため、県民会館や市民会館などの公共施設を使用することにつきましてのお尋ねでございますけれども、警察といたしましては、当該施設の管理権に属する事項であると認識しております。しかしながら、オウム真理教の教義や活動など、その団体の持つ危険性につきましてはいささかの変化もないと判断しておりますので、実際にオウム真理教が公共施設を使用してセミナー等を開催する等の動向がある場合には、事前動向の把握に努めまして、関係機関との連携をも図りながら、住民の平穏な生活を守り、公共の安全を確保するとの立場から、警戒警備を強化してまいるなど、所要の措置を講じてまいる所存でございます。
 また、いわゆるオウム新法によって公共施設の使用禁止はできないかとのお尋ねでございますけれども、一定の要件を満たす場合に、当該団体が所有し、または管理する特定の土地または建物の全部または一部の使用を禁止する、こういう規定がございますが、あくまでもオウム真理教が所有し、または管理する土地や建物を対象としておりますので、この法律による使用禁止などの処分はできないものと考えております。
 さらに、最後の御質問でございますけれども、現在そういう情報には接しておりませんが、委員御指摘のとおり、考えられないことはないと思っております。実態としてはなかったんですが、一部それに近い情報にも接したことが実際にございました。でありますので、そういう場合につきましては、いずれ市町村等、あるいは関係する向きとよく連携して、そしてまた、事前情報を十分入手しまして適正に対応してまいりたいと、このように考えております。

〇伊藤委員 いずれ、私どももそういう情報に接した場合には、いち早く情報提供しながら、一緒になって県民の最も不安と思っておる経済不況という部分の経済的な不況感、それから心理的な、本来人づくりのはずの宗教の団体が、金集めあるいは無差別殺人をする、こういうふうに動いている部分は大変なことだと思います。我々も一緒になって情報提供しながら、こういうものの阻止に努めたいと思いますので、今後も一段の御努力をお願いいたしまして終わります。

〇谷藤委員 2点についてお伺いいたしたいと思います。
 まず1点目は、ハイテク犯罪への対応という部分についてお伺いいたしたいと思います。
 最近は、コンピューター技術、また電気通信技術を悪用した犯罪が非常に増加していると聞いておるわけですけれども、昨年5月のバーミンガムサミットにおいて主要議題となった一つに、ハイテク犯罪に対応するため、警察庁の中で情報通信の最先端の知識を持った職員を配置してナショナルセンターを設置するというようなことでございました。そういうことで、各県の警察本部にもそれぞれハイテク犯罪対策室というものをつくるように指導があって、恐らく専従の捜査指揮官をそれぞれ配置して対応しているんだろうと思っております。ハイテクの場合は、犯行場所と被害発生場所とが非常に遠距離な状態の中で発生している場面がたくさんあるんだろうと思いますし、非常に高度な専門知識を持っている方でなければ対応できないというようなことだろうと思います。それらについて、本県における犯罪の状況と、対応がどうなっているかお知らせください。

〇太田代生活安全部長 ハイテク犯罪の現状等々について御質問ありましたのでお答えいたします。
 今、議員御指摘のとおり、ハイテク犯罪とは、デンバーサミットでコミュニケで採択されたわけですけれども、コンピューター技術及び電気通信技術を悪用した犯罪を言っておるわけですが、具体的には、電子計算機等の損壊あるいは業務妨害罪、あるいは電子計算機使用詐欺罪を初めとしたコンピューターもしくは電磁的記録を対象とした犯罪、これが一つでございます。もう一つは、それ以外のコンピューターネットワークをその手段として利用した犯罪。例えば、電子掲示板等を利用して薬物やポルノ等の違法な物品の販売、さらには他人のパスワードを利用して、その者になりすまして虚偽広告の掲示をしたり、販売代金をだまし取る行為、これらがハイテク犯罪に当たると理解しております。
 次に、ハイテク犯罪の発生状況でございますけれども、全国では平成5年に32件ございましたが、平成10年には415件と、驚くなかれ実に13倍と急増しております。本県では、過般マスコミの報道等で御案内のとおり、12月8日に北上警察署におきまして、当県警察で8月から内偵捜査しておりましたインターネットを利用したわいせつビデオテープの販売事案を検挙したところでございます。この事案につきましては現在捜査中でございますけれども、インターネットを利用して、全国津々浦々の100人ぐらいの方々に対して約1、000本のわいせつビデオを販売しているという事案でございます。
 次に、ハイテク犯罪の特徴を若干申し上げたいと思いますけれども、その一つは、委員もちょっとお話ございましたが、相手を認識できない、匿名性が高いという問題がございます。それからその次に、不正アクセスをした場合の痕跡が残らない、無痕跡性と言っておりますけれども、これらの問題もある。その三つには、被害が広域に及ぶ。さらには、不特定多数の人に及ぶ、こういう問題があります。それともう一つは、国境を越えた情報の伝達等、地理的無制約性というような大きい特徴があります。一般犯罪と比較して、捜査の困難性が非常にあるのもハイテク犯罪の大きい特徴ではなかろうかと思います。
 そこで、この対策でございますけれども、当県警察といたしましては、本年4月1日、警察本部に生活安全部長を長としまして岩手県警察ハイテク犯罪対策室を設置してございます。全部で49名の体制でございます。この49名の体制で岩手県内の違法情報の収集、あるいは捜査用資機材の習熟も含めて捜査技術の研究、さらには警察職員に対する指導教育、これらに取り組んでおるところでございます。
 二つ目には、ハイテク犯罪の未然防止と、さらには犯罪発生被害の拡大の防止を図るために、今年11月、岩手県内のプロバイダー業者8業者ございますけれども、岩手県インターネットプロバイダー防犯連絡協議会も設立したというところでございます。
 三つ目は、来年になりますけれども、12年2月13日から、不正アクセス行為の禁止等に関する法律が施行されます。そして12年7月からは、岩手県公安委員会が、不正アクセス事案等の申し出あるいは相談があった場合に、不正アクセス行為からこれを守る、防御するために必要な措置なり、相談なり、あるいは対策が講じられるような援助を行うということにもなってございます。いずれ、このようなことから、今後ハイテク犯罪対策に必要な捜査用資機材の導入や、さらには捜査員の質的な向上もひっくるめて、人的、物的整備が必要になってくるのではないかと思っていました。
 いずれにしても、最後はハイテク犯罪防止の一番の基本、これは、委員の皆さん御案内のように、利用者に付与されておるユーザー識別番号であるIDカード、さらにはデータベースや情報サービスを利用する際に必要なパスワード、これを盗用されたり、あるいは見られたりというようなことのないように保管管理を徹底するということが、個人であれ会社であれ一番重要なことではないかと理解しておるところでございます。

〇谷藤委員 いずれ、大変な時代になったと思うわけです。昔であればこの岩手まで、東京あたりや中央の方から、いろいろな犯罪関係にしてもブームにしても時間がかかって伝わってきたわけですけれども、高速交通時代ですし、それからまた、こういう情報通信システムがどんどん拡張していく、そこの中で一瞬のうちにアクセスしてしまうような状況の中で、岩手の方でも大変な時代に入っていくわけですので、その辺への対応も、今後ともぜひ頑張って取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、274ページの刑事警察費、少年非行防止対策費及び保安警察費に関してお伺いいたしたいと思います。
 犯罪白書によれば、少年刑法犯は昭和59年以降減少していた。ところが、平成7年度以降増加に転じてきているというような報告がなされておるわけですけれども、非常に残念なことですが、そういう傾向にある。本県における傾向と最近の特徴、また対策はどうなっているかお知らせいただきたい。

〇折居委員長 簡略にお願いします。

〇太田代生活安全部長 少年非行の実態と対策についてお答えいたします。
 本県の少年非行は、平成4年以降、補導件数は年々増加を続けておりまして、平成10年は過去7年間で最高のピークに達して、その補導総数は1万2、773人、このうち刑法犯少年は1、749人、全体の14%でございます。残りの86%は、喫煙や深夜徘徊等の不良行為少年がほとんどを占めておる、こういう実態でございます。
 特徴的な傾向といたしましては、刑法犯少年の中で、万引きが1、165人で刑法犯少年の67%を占めておる。さらに、窃盗犯罪における成人と少年の比率が、少年が52.6%、成人が47.4%と少年が半数以上を占めている、こういう実態にございます。また、少年による殺人あるいは高校生による殺人未遂等もございました。中学生や高校生の強盗、放火等、凶悪犯罪と呼んでおりますけれども、これらも21人と、過去10年間で最高を記録したというのが平成10年でございました。
 このような深刻な実態を踏まえまして、当県警察では、街頭補導活動の強化あるいは少年サポートセンターの継続補導活動、さらには早期カウンセリングによる再非行防止の実施、あるいは万引き、自転車盗など特定犯罪の抑止を重点として、スリークライム作戦の一環として万引き防止のステッカーの配布、さらにはアンケートの調査活動、自転車盗難防止のモデル校の指定等の実施活動をやっているところでございます。また、教育関係機関・団体、さらには少年ボランティアとの連携による非行防止活動等、さらには有害環境浄化の取り組み、これらもやっておると。さらには、薬物乱用防止教室の開催による健全育成活動等、総合的な少年非行防止対策活動を強力に推進しておるところでございます。
 その結果、本年10月末現在の状況ですけれども、補導総数は1万444人で、前年と比較して5.7%の減少、凶悪犯罪も7人減少した。さらに、少年の万引きにあっては257人、パーセンテージでいいますと24.6%と大幅な減少を見ており、万引き防止を中心としたスリークライム作戦が県下17警察署で展開されておりますけれども、これらの効果があらわれてきておるのではないかと認識しておるところでございます。
 当県警察といたしましても、21世紀の岩手を担う少年の非行防止あるいは健全育成活動のために、県民の皆さんの御支援と御協力を得ながら、今後も総合的な少年非行防止対策を鋭意推進してまいりたい、こう考えております。

〇谷藤委員 本当に日ごろからの御努力に敬意を表するわけです。特にも万引きを初め、大幅に減少していったということでございますから、今後ともその努力を続けていただきたいものだと思っております。
 これらの問題は、本来、ただ警察のみに任せて事足れりということではないことは承知しておりますし、社会の規範意識が崩壊してきているということが少年犯罪につながってきているのだろうと思っております。
 ほかにも、なかなか仕事につかないでその日暮らしというかフリーターという形の社会構造もふえてきているし、モラル、価値観を育てる家庭、地域社会、学校の力も大分失われてきたのが今日の日本の社会になっているのかと感じたりもするわけですけれども、教育面を含めて総合的な対策が必要だろうと思っています。
 そこで、先ほど御答弁にも一部触れられておりますけれども、やはり直接現場で担当している警察の立場からも、積極的にもっとこれらの社会的現象に対して問題提起をしていくことが必要ではないのかと感じるわけですけれども、この際、何か御意見があれば伺いたいと思います。

〇太田代生活安全部長 今、谷藤委員御指摘のとおり、現場の者としては、私たちが育ってきた年代と違って、いろいろ少年の性格なり取り巻く環境も厳しくなっておる。今、お話ししたとおり、少年補導の件数も、犯罪少年、触法少年あるいは虞犯少年等ひっくるめまして1万2、000人を超えているという実態でございます。さらには、刑法犯少年の全体の少年補導件数に占める割合が年々高くなって、パーセンテージで申し上げますと50%を超えているというのが実態で、今後とも、喫煙等々もひっくるめまして、万引きの初発型非行と呼んでいますけれども、それらもひっくるめて、鋭意、現場活動を強化しながら、これからの岩手を担う青少年の健全育成に努めてまいりたいと考えております。

〇阿部(静)委員 谷藤委員の少年非行防止対策とかかわって関連で質問をいたします。
 少年児童の部分の、今度は少年や児童が受け身になる場合でございますが、児童、少年を食い物にするいわゆる買春、昔はどっちもバイシュンと言ったのですけれども、買春等の福祉犯罪にかかわって、児童買春・児童ポルノ禁止法というのが制定されたわけでございますが、この法律の制定によりまして、従来は青少年のための環境浄化に関する条例によって対処されてきたような問題が、今度は法律で罰せられることになります。児童買春及び児童ポルノ禁止法が少年非行防止法に果たす役割について、岩手県警ではどのようにお考えでございますか。

〇太田代生活安全部長 この法律は、18歳未満の児童の権利擁護を目的としたものでございます。簡単に禁止法と呼ばせていただきますけれども、この禁止法、少年非行防止に果たす役割としては、従来、援助交際という名目で少年の性非行について当県の環境浄化条例がございましたが、これは、刑罰は1年以下の懲役、50万円以下の罰金となってございます。ところが、御案内のとおり、禁止法の刑罰は3年以下の懲役、100万円以下の罰金ということで、重くなってございます。少年を食い物にする買春などをしようとする者に対しては抑止力ということで強く働くのではないか。その効果として少年の性非行等々が減少するのではないか、こう考えております。また、この法律で児童買春事案を摘発することによって、少年を対象とした性犯罪、さらには少年の福祉を害する犯罪も減少するのではないか、こう考えておるところでございます。
 参考までですけれども、当県警察におきまして、過般、当県警察始まって以来、久慈警察署で1、100本余のわいせつビデオテープの販売事案を摘発、逮捕してございます。そのテープを、現在、詳細に検証中でございますけれども、その中に、実に驚くなかれ300本以上の児童ポルノが含まれてございます。このことから申し上げましても、本県においても相当数の児童ポルノが出回っておるということが予想されます。よって、今後とも取り締まりを厳にして、青少年を取り巻く有害環境の浄化に、私ども警察としても一層努めてまいりたいと考えております。

〇佐々木(大)委員 谷藤委員のコンピューター犯罪というところに関連させていただきますが、今回の経済新生対策について、経済閣僚会議で11月11日に発表されたものの中に、これからの景気の本格回復へ向けてたくさんの提案がされているわけですが、その中の一つ、情報化の飛躍的推進という項目の中に、教育、地域の情報化、3番目に電子政府の実現というのがございまして、平成15年までに民間から政府、政府から民間への行政手続をインターネットを利用したペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築するという項目があります。そういうことでいきますと、かなりのスピードでインターネットが普及されるということになってまいりますが、4番目にたしか電子商取引の法整備等というのがありまして、そこを進めていくわけですけれども、インターネットを使っての商取引にもこれから法制化がどんどん進むんでしょうけれども、ここでちょっと気になったのが、先ほどプロバイダーが県内8社と言われました。この県内8社のプロバイダーがあって、現在、インターネットに接続されていると思いますけれども、個人情報の保護、情報セキュリティー技術の開発等の推進ということになるわけですけれども、この個人情報の保護をしていくときにいろいろな技術が必要になってくると思いますが、これを担当するのはまた警察の方になるんでしょうか。
 そうなったときに、プロバイダーが利用するホストコンピューターにすべての情報が今度は管理されてくる。このプロバイダーが正常に稼働している間は、その連携のもとにこの情報は管理できるんですけれども、仮に民間企業で倒産した場合、そのプロバイダーの情報が全部漏れてしまうということを心配する方がおられます。こういうところについては、今すぐ相談するということは大変なことですけれども、案外私ら、どうしてもそういうプロバイダーとか新しい業種になってくるとそういう不測の事態というのは余り想定しないわけですけれども、ホストコンピューターで1カ所にすべての情報が入ったことによって、その中間の者が倒産したり崩壊したりしたときにはその管理をし切れないという危険性が出てきてインターネットの怖さを感じるわけですけれども、15年までにこれをするとなると大変な作業になるのではないかと思うんですけれども、これらについては現実に、先月、報道が出たばかりですけれども、そういうところはどんな進み方をしているんでしょうか、この機会にお聞かせいただければと思います。

〇太田代生活安全部長 今、委員御指摘のとおり、現在、インターネットの物すごい普及で、通産省の発表では全国のインターネット利用者が1、700万人余と言われています。当県はと申しますと、推定でございますけれども、大体12万人から13万人ぐらいと私どもでは理解してございます。また、インターネットを利用してのホームページの開設は、大体全国で3、000万件と見てございます。これらのサイバーパトロールの実施等もひっくるめまして、個人情報の保護、確かに委員御指摘のとおり大事な問題でございますが、当県警察としては、現段階ではそこまで検討しておらないところでございます。

〇佐々木(大)委員 本当にこれは大変な事業になると思うんですが、サイバーパトロールということでそちらの方を見るんでしょうし、また、サイバーポリスという言葉ですか、今からそういう職業になっていくんでしょうけれども、いずれ情報の管理という面で、一つに集中するという問題点が一気にこれは高まってくるような気がいたします。個人情報の場合、カード管理でいきますと盗まれたらその部分だけなんですけれども、このホストコンピューターに全部が集中するということがこれからの管理の難しさだと思いますので、本当に大変な時代を迎えておりますが、ぜひ犯罪者に勝手なことをさせないように、先行してそれらの体制を組んでいただくようにお願い申し上げます。

〇及川(幸子)委員 交通事故防止対策としていろいろな取り組みをなされていることに感謝申し上げます。
 そこでお伺いいたします。
 このたび、小さな子供たちを交通事故から守るために道路交通法がことしの5月に改正になり、来年4月1日から幼児を自動車に乗車させる場合、6歳までチャイルドシートの着用が義務づけられることになりました。国、県、市町村においても少子化対策が進められている中で、その必要性は認めるところも十分ありますが、子育て中のお母さんたちから多くの意見が寄せられているわけです。中には、チャイルドシートの業者にうまくやられたのではないかとさえ多くの県民の方々が思っている向きもあるようです。
 そこで、次の点、お伺いいたします。
 秋の全国交通安全運動期間中に、県内の各警察署においてチャイルドシートの着用率を調査したと聞いておりますが、チャイルドシートの着用率はどのぐらいになっておりますでしょうか。
 2点目、チャイルドシートを着用していなかったために死亡した、重傷を負った幼児は県内では何人ぐらいおりますでしょうか。さらには、チャイルドシートを着用していた場合は助かったのでしょうか。
 3点目、子供を1人でも多く交通事故の被害から救うためにはチャイルドシートの着用率を高めることが大事だと思いますが、県警はどのようにしてこのチャイルドシートの普及、着用を図っていくおつもりなのでしょうか。
 4点目、その中で、特例は認められるのでしょうか。いただいたこの改正のあらましを見ますと、特に肥満の幼児については別とか、自動車によっては取りつけなくてもいいとか、いろいろ8点書いてございます。その中で、私は大変素朴な質問を受けたわけでございます。あるおじいちゃんからでございますが、外孫なそうですが、急におじいちゃん、保育園、幼稚園の迎えに行ってほしいと電話をもらった場合に、うちにはチャイルドシートがないとき、そういうときには特例は認められるのかという素朴な質問を向けられたたわけでございます。この点については来年の春まではいろいろなところでいろいろな論議が交わされると思いますので、その点をお聞かせいただきたいと思います。

〇沼崎交通部長 チャイルドシートの着用の問題についてお答えいたします。
 初めに、着用率の関係でございますけれども、着用率につきましては、御案内のとおり、本年の秋の全国交通安全運動期間中に調査いたしました。その結果、県内の着用率につきましては37.9%ということで、低い率にとどまっております。
 それから、事故の実態はどうかということでございますけれども、これにつきましては、全国的には、平成6年には自動車乗車中の幼児──6歳未満でございますけれども──6、267人の死傷者が出ておりますが、平成10年、5年後には9、548人ということで、平成6年を100としますと、152という極めて多くの死傷者が出ている、そういう現状にございます。
 そこで、チャイルドシートをつけていれば助かったのかどうかということでございますけれども、これにつきましては明確なところは申し上げられないわけでございますけれども、全国統計では、平成6年から10年までの間で自動車乗車中の幼児の死者数が63名、負傷者数は520名となっておりますけれども、チャイルドシートを着用していたならば、約50名、約79%の幼児が助かったのではないか、このように推定されておりますし、負傷者については、300名余り、58%程度は負傷しないで済んだのではないかと推定されております。この数字を単純に県内の乗車中の幼児に当てはめた場合に、大体死者数では80%、負傷者数ではやはり同様に58%程度助かっているだろう、このように推定しているところでございます。
 それから、対策ということでございますけれども、これにつきましては、県警察といたしまして、幼児はみずから命を守れないという部分がございます。あるいはシートベルトも着用できないということでございますので、ぜひともこの啓発運動を強力に展開して、関係機関・団体とも連携をとりながらこの着用促進に努めてまいりたい、このように考えております。
 特例の部分でございますが、急に幼児を乗車させなければならない事態になった、チャイルドシートがない、このような場合どう対応するということでございますけれども、この点も法では定めておりまして、8項目ほどあるんでございますけれども、例えば、古い形の自動車でシートベルトを備えていない場合とか、チャイルドシートを固定して使用できない構造のもの、あるいは使用することによって幼児の心身に悪影響を及ぼす場合とか、先ほど御指摘のように、著しく肥満してチャイルドシートに入らない場合とか、首が据わっていないとか、あるいは授乳とかおむつ交換等で、チャイルドシートをしておってはその作業ができない場合とか、あるいは路線バスあるいはタクシーのようにどのような客を乗せるかわからない、不特定多数の者を乗せるような場合で、そのためにすべてチャイルドシートを準備しなければいけないということはちょっと無理な話でございますので、そういう部分については除かれているということでございます。

〇佐々木(一)委員 及川委員に関連いたします。
 3点お尋ねします。
 県内でチャイルドシートを必要とされる対象の子供さんの数、大体どのぐらいになるでしょうか。
 それから、チャイルドシートの平均価格、聞きますと20万円ぐらい出して買ったという方もいらっしゃるんですけれども、非常に高価なものから安価なものまであるように思いますが、これは非常に負担がかかってくるかと思います。そういった意味で、今現在の平均価格はどうなっているんでしょうか。例えば、そういった際のリース制度なり、何か負担軽減を考える措置を現在県として検討されているかお尋ねいたします。
 3点目でありますが、実は、私ももう使っていないチャイルドシートを二つ持っているんですけれども、生活環境部の方で聞きましたら、安全協会の方を通してリサイクルということをやっているようでありますが、実際には、幼児ですから幼稚園の関係かと思いますけれども、そういうリサイクルの積極的展開をどうお考えか、この3点についてお尋ねします。

〇沼崎交通部長 お尋ねの第1点の対象児童はどのくらいかということでございますけれども、県の人口移動報告年報によりますと、昨年10月1日現在で、県内は7万9、306人となっております。内訳として、4歳までが6万5、000人余、5歳が1万3、000人余でございます。
 それから、価格の問題については私自身もよく承知しておらないのでございますけれども、大体1万円程度のものから五、六万円程度のものが一般的ではないかと思っております。20万円というのは、私も聞いて、今、びっくりしたところでございます。
 それから、リサイクル制度あるいはリース制度の問題でございますけれども、これにつきましては、法施行までより活発な啓発運動をやる必要があるということから、自治体とか安全協会にこの運動を強力に展開するようお願いしているところでございます。現実に、3自治体、紫波、矢巾、衣川でございますが、ここでは補助金制度について検討されておると伺っておりますし、交通安全協会では、既に購入者に対する助成金あるいはレンタル制度を実施しているところでございます。

〇斉藤委員 まとめて全部聞きますので、簡潔にお答えいただきたい。
 一つは、県警ヘリについて、新型県警ヘリが導入されましたが、この性能、装備、どのように旧型から改善強化されたのか。この間の運用状況、実績を示していただきたい。
 二つ目、自殺者の増加の原因について、平成10年度の自殺者が536人と急増しました。原因別、年代別にはどうなっているでしょうか。
 3番目、交通安全施設、特に交通信号機の設置数はどうなっているでしょうか。この間の推移、平成11年の見込みも含めて示していただきたい。また、要望にどれだけ対応されているかも示していただきたい。

〇千葉生活安全部参事官兼地域課長 県警察が保有するヘリコプター航空いわては昭和60年11月に導入して運航してまいりましたけれども、今年、警察庁から新たに川崎重工社製の中型双発ヘリコプターの配備を受けて、7月から運用しております。これまで運用しておりましたベル社製のヘリコプターにつきましては、宮城県警察に所管がえになっております。
 新たに導入いたしましたヘリコプターの性能につきましては、大型化になりましたし、牽引力もパワーアップになっております。双発エンジンでございますので、安全性と輸送能力が向上しておりますことから、ヘリコプターテレビ中継システムを常時搭載しての救出活動も可能となっております。
 新規装備品といたしましては、雪上着陸用装置──雪の上に着陸できる装置──、それから遭難者の救助のために地上に降下するわけでございますが、降下する際の救助用の縛帯2個、それから拡声装置、GPSが装備されております。
 次に、本年11月末のヘリコプターの活動状況ですが、出動回数は101回、出動時間は160時間であります。
 配備されてからの主な活動ですが、岩手山の火山活動活発化に伴いまして監視活動を強化しておりますほか、県民の関心の高い産業廃棄物の不法投棄事案の監視パトロール、行方不明者、遭難者の捜索救助、緊急配備、ひき逃げ事件捜査、軽米町及び久慈市豪雨災害等の、いわゆる災害時の情報収集など、幅広い活動に当たっております。

〇高橋生活安全部参事官兼生活安全企画課長 自殺者の原因別、年代別の状況についてお答え申し上げます。
 平成10年中における自殺者は536人と、前年に比べて130人、パーセントにしまして32%増加しております。
 これの原因別、年代別でありますが、平成10年中における自殺者の原因別では、病苦によるものが239人で全体の44.6%と多く、次いで経済問題102人、家庭問題54人、会社等の勤務問題が38人、男女問題が10人、原因不明が11人などとなっております。
 次に、年代別でございますが、70歳以上が133人で全体の25%を占めております。次いで50歳代が121人、60歳代が101人、40歳代が93人、20歳代が43人、30歳代が38人、20歳代未満が5人となっております。なお、60歳以上の自殺者が全体の44%を占めております。

〇沼崎交通部長 信号機の設置数でございますが、これにつきましては、現在、県内1、668カ所設置しているところでございます。
 それから、推移でございますが、過去5年でいきますと、平成6年が50カ所、7年が50カ所、8年が40カ所、9年が39カ所、10年が35カ所となっております。なお、平成11年度につきましては52カ所を予定しているところでございます。

〇斉藤委員 県警ヘリと防災ヘリとの連携、これはどういうふうに検討されて実際に行われているか二つの点でお聞きしたい。
 一つは、災害、その他のときにヘリテレで見て防災ヘリが救助するという連携プレーもあるでしょうか。
 もう一つは、整備に1カ月以上かかると聞いています、防災ヘリも県警ヘリも。どっちも整備中ということのないようなことが望ましいわけですけれども、そうした整備期間、そういう調整はどうなっているのか、この点についてお聞きします。

〇千葉生活安全部参事官兼地域課長 防災との連携でございますけれども、花巻空港のほぼ同じところにおりますので常時連携をしておりますし、それから、県の消防防災課と私の方の地域課とよく連携をとって、空きのないような運用をしております。
 それから、1カ月間に及ぶ整備の期間がダブらないようにという質問だと思いますけれども、これにつきましても、常に連携をし合いながらダブらないように調整をしておりますし、また、本県警察が長期の整備に入る場合は、他県警察との連携も常に行っているところであります。

〇小野寺(好)委員 3点お伺いいたします。
 一つは、さっきの谷藤委員と関連しますけれども、ハイテク犯罪の関係でございます。
 結論から言って、警察は我々住民をハイテク犯罪から守ってくれるだろうかと非常に疑問なんですけれども、例えば、既にコンピューターを電話回線でつなげている人の場合はクレジットカードとか預金通帳とつながっているわけです。そういった財産的な部分で非常に心配があるわけですが、これは瞬時に決済されてしまうので、そういった場合に、後になってからではもう回復できないのではないかという心配があります。
 それから、コンピューターにつながっていないごく一般の場合に、例えば他人の名誉を傷つけるとかの場合、今までは紙に活字を記してやるんですが、その場合に、時間的にも地域的にも非常に限られている。ところが、映像、音声が一瞬にして流れてしまう場合、これまでのテレビ、ラジオであれば、その内容については吟味されたものが流されている。ところが、そうではない、内容がいいかげんなものが瞬時に流れてしまう。こういったことで、名誉が侵害された場合に回復できないのではないか。こういった場合どうするか。
 先ほど県内8社のプロバイダーの協力がというお話がありましたが、全国には本当にたくさんのプロバイダーがあるわけで、岩手県に住んでいて別なところと契約するということもいっぱいあるわけです。そういった場合に、県外のプロバイダーから個人を著しく中傷するようなものが流れた場合、岩手県の警察本部として、他県まで行ってプロバイダーにページを開設している人がだれであるかとか、そういったことまで調べて、やめさせることが果たしてできるものなのか。そういった部分で、個人、法人が非常に危うい立場に置かれているといった心配があるんですが、どのように対応されるのかお伺いしたいと思います。
 二つ目は、犯罪の場合、加害者と被害者があるわけですれけれども、加害者については、憲法、その他の法律で非常に人権というものが保障されている。ところが、被害者の場合はそういった部分がほとんどないのではないかといったことで、前回の決特の際、県警の5種類のパンフによる相談とか、あるいは被害者への給付金、そういった御質問をいたしましたけれども、今度は精神的な部分、被害者に対するメンタルケアがないのではないかと。そういった部分で被害者をどのように保護していくか非常に心配なんですが、よその県では、被害者のネットワークみたいなことで相互にということで、実は、本県でもそういう危険箇所にご連携をとり合って、立ち直るために頑張っているようなことを聞くんですが、岩手県の場合はそういったメンタルケアはどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
 これとともに、犯罪の被害者あるいは捜査に協力した方に対して、捜査の状況とか裁判がどのような具合で進んでいるか、そういったものをお知らせする制度がどうなっているか。平成10年度内に国の方でそういったものが検討されたと聞いていますけれども、岩手県の場合はその対応がどうなのか。特に、協力していながら、裁判ですと、判断する方、また、公益の代表、その双方だけでやっていて、肝心の被害者、また、協力者に対しては全く何の連絡もないといったことで、非常に不信感が出てくるのではないかと思いますので、その方面についてもあわせてお伺いいたします。
 第3点ですけれども、冒頭に本部長の方からにせ500円玉事件が岩手県でも起きていると。恐らく日本人ではないだろうと思うんですが、そのように、外国人ではないかと、つかまえてみれば外国人であったという犯罪についてどのような状況になっているかお伺いいたします。

〇太田代生活安全部長 インターネット絡みの御質問でございますけれども、まず、他県に居住する者の犯行により県内で被害が発生した場合の対応についてでありますけれども、犯罪はケース・バイ・ケースでございますけれども、その犯罪がどのようなものかということで、一つずつの犯罪で捜査手法なり対応が異なってきます。そういうことで一概に申し上げることはできませんけれども、都道府県警察の連携ということで、警察庁、さらには管区警察局あるいは被害が波及するであろうところの当該都道府県警察との連携を密にして被害者の被害拡大防止に努めてまいりたいと思っております。
 さらに、他人の名誉あるいはプライバシーを侵害するというお話がございましたけれども、この件につきましては、現行の法律に定めておるところの範囲内で、違法行為があれば厳正に対処してまいりたい、こう考えております。

〇佐藤警務部長 委員御指摘のとおり、被害者対策は非常に重要な施策でございまして、県警といたしましても力を注いで実施しているところでございます。平成9年には、本部長を会長とする県や医師会などから成る岩手県犯罪被害者対策連絡会を設立しておりますし、専門女性職員を配置した性犯罪相談電話の開設、また、本年7月には、全警察署に277名の被害者支援担当者や女性職員のみの性犯罪捜査補助官31名を指定配置いたしまして、いわゆるメンタルケアも含めて被害者対策を推進しているところでございます。
 本年7月から11月末まで、被害者支援担当者及び性犯罪捜査補助官の活動件数は70件であります。特に、女性の支援担当職員が非常に活躍しております。
 さらに、委員御質問の、いわゆる警察の手から離れた事件で公判にかかった場合でございますが、当方で入手した内容につきましては、必要な都度被害者の方にもお知らせをしておるわけであります。なお、検察庁でもしかるべき要領をつくって、被害者の方にそれぞれの状況を教えておると伺っております。

〇鈴木刑事部参事官兼捜査第一課長 500ウォン硬貨使用の犯罪の発生状況、恐らく使用するのは外国人ではなかろうか、その実態ということでございますけれども、これは検挙してみないと、果たしてそれが外国人なものか、あるいは日本人なものか、その辺のところが実際のところはわかりにくいという部分がございます。
 委員御指摘の500ウォン硬貨の関係で被害に遭った箇所及び押収の枚数については、10月末で、県内では266カ所、主としてたばこの自動販売機あるいは飲料水の自動販売機、そういったところであります。押収している500ウォン硬貨の数というのは4、189枚であります。
 ちなみに、検挙の関係を申し上げますと、3件、6名を検挙しております。盛岡東署管内で中国人の男性4名、2件。これは5月28日、10月20日。それから、盛岡西署管内で1件、2名。中国人の男女。この辺であります。

〇佐藤警務部長 一つ答弁が抜けておりました。
 犯罪被害者支援のための地域ネットワークの構築でございます。現在、警察署単位の犯罪被害者支援ネットワークの設立を進めておりまして、現在までに、北上地区、気仙地区、釜石・大槌地区の3地区において既に設立して活動を進めております。

〇小野寺(好)委員 ハイテク犯罪の関係ですけれども、49人の人員で岩手県の住民を本当にハイテク犯罪から守っていただけるのか端的にお聞きしたかったんです。
 2点目としまして、犯罪被害者の方ですが、私の身近でもあったんですが、服役してきた者がかつての被害者に対して、再び物すごい、死に至る直前のくらいの恨みを、逆恨みというんですか、そういった行為に及ぶんですが、一遍被害に遭った者が再びまた同じ者から被害を受けないような方策はどうなのかお伺いしたいと思います。
 もう1点ですけれども、さっき、例えばの例でにせ500円玉のお話をしたんですけれども、国際交流がどんどん進む中で、マイナスの国際交流である外国人の犯罪の増減がどうなのかお聞きしたかったわけであります。

〇太田代生活安全部長 現在、当県警察では、私を含めて49名の体制でハイテク犯罪対策室を設置してございます。49名の体制では足りないのではないかという話がございましたけれども、私ども精いっぱい、現在の状況に適切に対応するために大いに勉強もし、さらには、警察庁の方でハイテク犯罪対策室の教養の専科等もございます。これらに2週間、さらには1カ月ということで教養研修も受けてございます。さらには、今後、セキュリティーアドバイザーの採用によって高度な知識、技術を伝授し、さらには指導を受け、難しい局面に精いっぱい頑張って対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

〇鈴木刑事部参事官兼捜査第一課長 被害者の2次被害の防止でございますけれども、これにつきましては、まさに被害者対策の最重要課題としてとらえながら、いろいろな施策をとって推進しております。例えば、そういう事案がある場合については、被害者の具体的な防犯指導あるいは機器を使っての防犯対策、個々具体的な指導を実施しております。また、保護対象の対象事件と指定しながら、限られた捜査員ではありますけれども、関係警察署及び本部の捜査一課を中心としながら捜査員を指定しまして、視察警戒活動の強化を図り、2次被害防止を図っているところであります。
 次に、来日外国人による犯罪の実態について御説明いたしたいと思います。
 本年1月から10月末現在における来日外国人による刑法犯の総数ですが、全国では検挙件数が1万8、666件、前年比はプラス1、169件、検挙人員は4、654人、前年比はプラス482人と、前年に比較いたしまして大幅な増加となっております。一方、岩手県内では、検挙件数が73件、前年比はプラス31件、検挙人員は19人、前年比はプラス1人となっております。平成元年の1件、1名から比べますと、連続して右肩上がりの大幅な増加となっております。
 特徴といたしましては、地方への拡散傾向が非常に強く、犯行後には、高速道路あるいは新幹線等を利用して早期に大都市圏へ逃走する。それから、グループによる犯行がほとんどでありまして、被害対象は、駅あるいは国道沿いの時計・貴金属店、カメラ店、大型電器店、ブランド品のバッグ販売店、スーパー、化粧品店などが被害に遭っているというのが実態であります。
 具体的な検挙事例については先ほど申し上げたので割愛させていただきますが、検挙人員のうち約8割が中国人でありまして、そのうち密入国者は3名、不法残留者は3名という実態であります。
 県警察といたしましては、この種の犯罪に対処するため、本年3月に捜査一課内に国際組織犯罪対策室を設けて、通訳体制の拡充及び海外研修を含めた教養研修の実施など実働面の体制を充実させて来日外国人犯罪対策の強化を図っているところであります。また、それ以外の施策としては、他府県警察との活発な情報交換、関係機関との緊密な連携、同じく地域業種ごとにファクス通信を設けながらの情報の交換、来日外国人と地域住民との親和を図りつつ、外国人にかかわる犯罪を防止するための情報交換のための連絡協議会の設置、こういったものを順次取り入れながら外国人犯罪対策に鋭意取り組んでいるところであります。

〇小野寺(好)委員 確認ですけれども、さっき岩手県の場合73件、19人の検挙とお聞きしたと思うんですが、聞き間違いかどうかちょっと確認したいんですが、仮に73件で19人しか検挙してないとなると、あとは逃げられたというか、そういうことなんでしょうか。

〇鈴木刑事部参事官兼捜査第一課長 先ほども事件の特徴で申し上げましたけれども、非常にグループによる犯行等が多いわけでありまして、その辺が検挙件数に比べて人員が伸びていないという実態であろうと考えております。

〇阿部(富)委員 大分解明されました部分がありますから簡潔にお聞きしますので、お答えいただきたいと思います。
 岩手は平穏な県だと思っておりましたけれども、10年は殺人事件が相次いで起きたということで、非常に県民の不安もあるだろうと思うわけでありますけれども、そこで、岩手県の刑法犯の発生状況と検挙率についてお伺いいたします。
 特に、殺人事件が多かったということもございますから、重要犯はどういう状況にあるのか、それから、重要犯につながるような重要窃盗犯の状況もあわせてお伺いしたいと思います。
 それと、刑法犯以外の特別法犯の状況はどうなっているのか。
 それから、岩手県警の方々には一生懸命頑張っていただいていると思いますけれども、こうした検挙率というのは全国に比べてどういう状況になるのか、あわせてお伺いいたします。

〇鈴木刑事部参事官兼捜査第一課長 本県における市民生活に最も不安を与えるような殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐、強制わいせつの重要犯罪についてでありますが、本年10月末現在で認知件数は57件、前年比はマイナス11件、検挙件数は44件、前年比はマイナス21件、検挙人員は30人、前年比マイナス17人、検挙率は77.2%、前年比マイナス18.4ポイントとなっております。
 また、空き巣ねらい、忍び込みなどの侵入盗犯、自動車盗、すり、ひったくりの重要窃盗犯につきましては、認知件数が1、217件、前年比プラス89件、検挙件数は757件、前年比マイナス129件、検挙人員212人、前年比プラス3人、検挙率は62.2%、前年比マイナス16.3ポイントとなっております。
 特別法犯の関係でありますけれども、検挙件数が525件、前年比マイナス12件、検挙人員は422人、前年比はプラス56人となっております。

〇阿部(富)委員 限られた人員の中で取り組みをされているということですから、非常に難しい部分があるというのはわかるわけでありますが、特にも重要犯の検挙率が77.2%ということで、これはどうなんでしょうか、全国と比較してみると高い方の位置にあるものなんでしょうか、それとも標準的なところにあるとお考えなんでしょうか。

〇鈴木刑事部参事官兼捜査第一課長 全国の重要犯罪の検挙率と比較いたしますと、大体全国平均並みといったところであります。ただし、県内の検挙率の推移を見ますれば大体95%ぐらいで推移しておりますので、本年については検挙率が低下していると見ているところであります。

〇阿部(富)委員 これ以上お話しすれば人が足りないというところに行き着くと思いますから、これ以上のことは言いません。どこも大変な状況で頑張っていただいているところだと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、児童虐待、いろいろ騒がれておるわけでありますが、直接的には警察本部として把握するのは難しいところもあろうかと思うわけでありますが、この児童虐待の状況と、少年の覚せい剤などの薬物乱用の件、特に覚せい剤等については、少年が直接手に入れるよりはいろいろなルートから手に入れるということで、そこのルートを断つことが非常に大切だと思っているわけでありますけれども、こうした少年の覚せい剤等の薬物乱用の状況と、その入手先の取り締まり状況はどうなっているのかお伺いいたします。

〇太田代生活安全部長 児童の虐待問題についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、社会的に関心が高まっております児童虐待問題について、警察といたしましては、少年の保護対策と犯罪捜査の観点から、関係部門が緊密に連携して取り組みを強化してまいる所存でございます。
 当県警察といたしましては、いわゆる児童虐待と定義される事案を統計的には取り扱ってございませんので、詳細な実態は把握してございません。警察において取り扱う児童虐待事案といたしましては、捜査業務の中で個々の事件として取り扱うケースが一般的かと思っております。本年発生した刑事事件の中には、5月20日に一関警察署管内で発生した1歳10カ月の女の子を殴って死亡させた傷害致死事件がこの児童虐待事案に該当するものではないかと、こう考えております。
 本県警察といたしましては、もろもろの警察活動を通じてこのような問題を認知した場合は、関係機関であるところの児童相談所への早期通報等々を行って、少年の保護に配慮しながら、刑事事件として所要の捜査を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 もう一点、少年の覚せい剤の乱用実態というお尋ねでございますけれども、本県においては、本年11月末現在で少年による覚せい剤乱用の補導はありません。ただ、平成5年以降、13人の少年を補導してございます。一方、全国的には、平成10年の少年による覚せい剤の補導人員は総数では1、069人、うち中学生39人、高校生98人となってございます。これを平成元年の補導人員と比べると、過去10年間で、高校生では4.7倍、中学生では2.4倍となっておるという実態でございます。
 こうした現状から、青少年への供給源となっている薬物の密売の取り締まりを鋭意進めてまいるとともに、一つには街頭補導活動を強化してそれらの少年の早期発見、保護活動、さらには、各種会合等々を利用して広報活動あるいはパンフレットの配布等々の広報啓発活動、さらに、県の関係課とか教育委員会、県の薬剤師会とも連絡をとりながら、中学生、高校生に対する薬物乱用防止教室とうちの方では呼んでいますけれども、これらの教室を開催して啓発活動を推進しておるところでございます。
 この薬物乱用防止教室の実態でございますけれども、平成10年中、当県警察では小学校23校、延べ人員で4、520名ほど、中学校では43校、延べ人員で4、800人余、高校では61校、2万9、000人余の薬物乱用防止教室を実施しておるところでございます。
 近年、委員御指摘のとおり、覚せい剤の乱用が中学生、高校生にも蔓延して浸透してきておるという実態でございますので、今後とも関係機関・団体と連絡をとりながら、街頭補導活動を強化しながら、中学生、高校生を中心に薬物乱用の危険性を啓発して少年の薬物乱用に歯どめをかけていきたいと考えております。
 なお、参考までですけれども、薬物といってもシンナーの吸引の問題がございますけれども、毒物劇物取締法でことしは21人検挙してございます。このうち中学生は2人、高校生が2人含まれておるということを申し添えておきたいと思います。

〇折居委員長 申し合わせの3時の休憩はとらないでこのまま質疑を継続したいと思いますので、御了承願います。

〇阿部(富)委員 次は、県民はお客さまだと、こういう考え方で、ぜひ警察本部にも対応をお願いしたいと思うわけでありますが、一つは、施設整備のあり方です。本年、宮古警察署を新築して入居したということですが、免許更新の際、更新時講習というのが、今、義務づけられているわけですね。そういう新しくできている施設についてはそれなりの講習を受ける部屋があるだろうと思うんですが、ところが、古い庁舎については、そうした講習を受けるスペースといいますか、余裕もないような状況の警察署が多いように私は見受けるわけでありますけれども、こういうことについては、もちろんこれから新築をするものについては当然考えていくだろうと思いますけれど、現有の警察署内での対応はどのように行っていくのかということ。
 あわせて、ここ五、六年の間だろうと思いますけれども、駐在所にコミュニティールームというものをつくってきたわけであります。この活用の評価というのは一体どのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。というのは、面積が6畳程度で、まさに仮眠室程度のものという施設にしかなっていないわけであります。本来であれば、地域の方々に広く開放して、いろいろな相談だとか気軽に立ち寄っていただけるという目的を持ったものだろうと思いますけれども、実態に合わないような施設になっているのではないかと思うわけですが、その点についてお伺いします。

〇佐藤警務部長 免許更新時の講習室が狭いのではないかという御質問にお答えいたします。
 委員御指摘のとおり、警察署を訪れる皆さんは、警察とのコミュニケーションの場を求めておられると受けとめております。
 優良運転者講習につきましては、平成6年5月10日に施行された道路交通法の一部改正によりまして、北上、水沢、江刺、釜石、久慈の警察署を除く12警察署で実施しております。道路交通法が一部改正された後に建築いたしました花巻警察署、宮古警察署につきましては講習室を確保しております。同法改正以前に建築されました盛岡東、盛岡西、岩手、紫波、一関、千厩、遠野、大船渡、岩泉、二戸には、設計段階で講習室が加わっておりませんでしたので、既存の部屋などを利用して講習を実施しておるのが実情でございます。
 警察署という限られたスペースを最大限に活用しながら、訪れる皆さんとのコミュニケーションをより活発化していきたいということで、今後とも行政サービスの向上を図っていく所存でございます。

〇千葉生活安全部参事官兼地域課長 駐在所のコミュニティールームは、地域の防犯協会あるいは駐在所連絡協議会、交通安全母の会等の会合や地域の住民の個別の相談等に活用しているところでありまして、地域住民の皆さんから好評を得ているところであります。
 このコミュニティールームは平成4年度から設置しておりますが、委員御指摘のように、現在の基準面積は6畳となっております。会合の人員によっては、住民の皆さんに大変窮屈な思いもさせているところでありますが、利用する住民の皆様のことを考えまして、冷暖房を設備するなど、改善を加えてきております。また、コミュニティールームは全部の駐在所に行き渡っておりませんので、ない駐在所につきましては、現在160ありますので、快適性を勘案しながら、今後順次整備してまいりたいと考えております。

〇阿部(富)委員 今質問したことはこれ以上繰り返しませんので、ぜひ努力していただきたいと思います。
 最後になりますけれども、国道4号平泉地区の交通安全対策の問題でありますが、まず一つは、新しく平泉バイパスが一部供用開始されて、一関側の進入路でありますけれども、これは右折するということになるわけですね。したがって、恒常的に上りの車線が込む。このことから、右折できないまま、全くバイパスとしての機能を果たせないでいるというのが現実なわけであります。まず、こうした場所においての交通安全対策をどのようにお考えされているのか。あわせて、中尊寺入り口の交差点は変則交差点ということで、ここもまたかなりの交通渋滞がありまして、交通安全対策上、非常に憂慮されているところでありますけれども、ここについての安全対策はどのように講じようとされているのかお伺いします。

〇沼崎交通部長 第1点の平泉バイパスにつきましては、去る11月11日に開通したわけでございますが、ここにつきましては、現在、公安委員会による一時停止規制、それから横断歩道の設置をやっております。また、道路管理者の建設省においては、右折専用レーン、4号線の北進部分でございますけれども、そしてバイパスに右折するための右折レーンを設置するなど、対策を講じております。
 なお、現時点では同バイパスは柳之御所までの2.4キロ程度の短い区間でございまして、交通量は極めて閑散であると認識しております。
 今後とも、必要な手だてがあれば対応してまいりたいと思っております。
 第2点目の、中尊寺坂下交差点でございますけれども、ここにつきましては、道路の現状と交通量のアンバランスが生じているわけでございます。県警といたしましては、信号機の効率的な運用を図りながら対応してまいりたい、このように考えております。
 なお、平泉町を中心としまして、建設省あるいは県との合同での渋滞対策打ち合わせ会議を開催しておりまして、今後とも、可能な限りの対応をしてまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。

〇折居委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました決算12件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議をお願いし、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことといたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後3時13分 休 憩
 
   午後3時41分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算12件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 認定第1号については、次の意見、すなわち、平成10年度における本県財政は、県税、地方交付税及び国庫支出金が伸び悩む一方で、公債費が増嵩するなど、依然として厳しい財政環境にありながらも、国に呼応した公共投資や県単独の貸付金の創設など経済対策に積極的に取り組んだことは多とするところである。
 今後の行財政運営に当たっては、岩手県行政システム改革大綱に基づき、財政の健全性の確保に努めるほか、引き続き国に対し地方財政対策の強化について強く要望するとともに、岩手県総合計画の着実な推進により地域の主体性や創造性が発揮され、県民が豊かさやゆとりを実感できる21世紀の夢県土いわての実現に向け、一層努力せられたい。
 なお、今後においてもより一層公務員倫理の徹底を図り、県民の県政に対する信頼を確保するとともに、適正な事務事業の執行がなされるよう配慮せられたい旨の意見を付し、認定するととし、認定第2号から認定第12号までは、認定することとした次第であります。
 これより採決いたします。
 認定第1号については、ただいま報告いたしました意見を付して、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇折居委員長 起立多数であります。よって、認定第1号については、意見を付して認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 認定第11号及び認定第12号の2件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇折居委員長 起立多数であります。よって、認定第11号及び認定第12号の2件については認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 認定第2号から認定第10号までの9件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇折居委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第10号までの9件については認定することに決定いたしました。
 以上をもって、当特別委員会に付託された案件の審査は、全部終了いたしました。
 委員各位の御協力に対し、深く感謝申し上げます。
 これをもって、決算特別委員会を閉会いたします。御協力ありがとうございました。(拍手)
   午後4時44分 閉 会


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