平成12年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成12年9月29日(金曜日)

1開会   午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長       和 美 宏 幸
議事課長       熊 谷 素 紀
議事課長補佐     千 田 正 和
主任議事管理主査   浅 田 和 夫
議事管理主査     浅 沼   聡
議事管理主査     森   達 也
議事管理主査     下 山 義 彦

1説明員
企業局長       小笠原 佑 一
企業局次長      仙 石 隆 夫
企業局技師長     及 川 二千朗
財務管理課長     山 火 隆 三
業務課長       壽   忠 彌
監査委員       一 戸 克 夫
監査委員       及 川 桂 子
監査委員事務局長   小笠原   宗
総務課長       青 木   拓
監査課長       三 上 佑 子
財政課長       池 田 克 典

〇伊藤勢至委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成11年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算までの3件を一括議題といたします。
 認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算の2件について、企業局長から説明を求めます。

〇小笠原企業局長 平成11年度の決算の御説明を申し上げる前に、大変恐縮でございますが、お許しをいただきまして、今般、元企業局職員によるハイウェイカードの不正購入並びに公金の不正支出が行われるという不祥事が発生いたしましたことにつきまして、心からおわびを申し上げます。
 また、その概要につきまして御報告を申し上げさせていただきたいと存じます。
 これは、元企業局財務管理課主任が、在職中の平成11年7月14日から今年の7月28日までの間に、県の生活協同組合から10回にわたりまして公用と偽りまして241万円分のハイウェイカード──これは高速道路を利用するときに使うものであります──を購入いたしまして、これを金券ショップあるいは知人に売り払いいたしまして現金化し、消費者金融への返済等、私的に使用したということでございます。そして、平成12年8月2日に、購入代金の一部を──186万円でございますが──支出書類と、それから、会計システムのデータを改ざんいたしまして、企業局の公費から不正に支出したものであります。
 このような不祥事は、公務員に対する信用を著しく損ねるというまことに遺憾な事件でありまして、当該職員につきましては、当然のことでございますが、この平成12年8月10日付をもって懲戒免職処分といたしております。また、私を初め、監督責任のある関係職員につきましても厳正に処分を行ったところであります。
 この241万円につきましては、既に8月17日、元職員から全額返還されたところであります。しかし、いずれにいたしましても、このような事件を未然に防止できなかったということは極めて遺憾でありまして、申しわけなく存じております。
 このような事態に対応いたしまして、まず、直接的な防止対策、ちょっと私どもの体制に不備があったということでございます。ハイウェイカードにつきましては、事前の決裁はとりますけれども、発注そのものはその担当者の印鑑をもって口頭で発注するというシステムをとっておりましたので、これにつきましては、担当課長の公文書をもって発注をするということに改めました。それから、チェック体制にもミスがあったということでございまして、例えば書類を訂正したもの等は今後決済には回さないというようなチェック体制の確立あるいはそれぞれの担当職員の意識の高揚といったことをとっております。それから、会計システム、いわゆるコンピューターでございますが、これは、最初に入力したものをほかの部署である財務管理課において修正をしたというケースでございまして、ほかの部署では修正できないように、いわゆるセキュリティーの措置をとっております。
 こういった措置を講ずるとともに、何よりもまず、公務員のモラル、公務員というよりは社会人のモラルと言ってもよろしいかと思いますが、こういうことが一番欠けていたということでございます。このため、職員の公務意識の再確認ということ、それから今後のこと、その他も含めて業務の執行体制の改善などにつきまして、各職場職場で意見交換をする、話し合いをする、それから、私どもも入りまして職場ごとにするという、2度、3度にわたりましてそういった措置をとっております。
 また、これに限らず、現在、収入・支出事務につきまして総点検を実施しておりまして、業務における問題点、改善案などがあれば積極的に提案するよう、すべての職場に求めているところであります。
 今後におきましても、必要なことがあれば業務執行体制の改善ということ、それから、継続的に公務意識の高揚を図っていくための対策を着実に実施してまいりたいということでございまして、今回の事件によりまして損なわれた県政に対する県民の皆様方の信頼の回復に全力を尽くしてまいる所存であります。
 心から重ねて深くおわびを申し上げます。
 それでは、企業局が所管いたします認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算につきまして御説明申し上げます。
 決算書の説明に入ります前に、電気事業と工業用水道事業の平成11年度における経営の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、最初に、電気事業についてでございますが、私ども昭和32年に胆沢第二発電所の運転を開始して以来、県内の適地に発電施設の整備を進めてきておりまして、本年6月には早池峰発電所の運転を開始いたしました。現在、12カ所の発電所の運転いたしておるところでありまして、その最大出力は合計14万150キロワットということで、全国の公営電気事業といたしましては4番目の規模となっております。
 御承知のとおり、この水力発電につきましては、CO2、二酸化炭素の排出がないわけでありまして、環境に負荷をかけないクリーンなエネルギーということで重要な役割を担っているものと思っております。また、国におきましてもその開発を促進する方向にありますことから、企業局といたしましては、引き続き本県が有する水力資源を活用する開発を計画的に進めることといたしておりますし、また、新たに風力発電事業にも取り組むこととしております。
 平成11年度におきましては、早池峰発電所の建設工事を取り進めまして、先ほど申し上げましたとおり、予定どおり6月から運転を開始し、柏台発電所につきましても、平成14年度の完成に向けて水車発電機の製作据えつけ工事等の主要な工事を発注するなど、本格的な工事に着工したところでございます。
 また、新規開発に向けまして、数カ所の地点を継続して調査を実施しております。
 次に、発電の状況でございます。
 平成11年度における県営11発電所の総供給電力量は5億4、000万キロワットアワー余ということでございまして、目標を若干下回りまして、達成率は97.9%となってございます。
 事業収支におきましては、前年度よりも出水率が低下、ちょっと雨が少なかったということでございまして、供給電力量が下回っております。したがいまして、電力料金収入も減少しております。一方、退職者が多かったということなどによりまして退職金が増加いたしまして、事業費用も増加ということで、純利益につきましては前年度を下回る9億2、700万円余となってございます。
 次に、工業用水道事業の経営の概況についてでございます。
 昭和53年度に北上中部工業用水道の給水を開始いたしておりますが、その後、北上第二、北上第三中部工業用水道、それから2カ所のろ過施設を整備いたしまして、平成11年度は誘致企業19社に給水をしております。
 これらの平成11年度におきます年間総給水量は、若干の増量契約がありまして1、538万立方メートル余と、前年度をわずか0.7%ではありますが上回っております。
 事業収支につきましては、給水量の増加等によりまして収益が増加し、また、委託費の節減、企業債の支払い利息の減少などによりまして費用が減少し、純利益は前年度を上回る1億5、700万円余となっております。
 なお、この工業用水道事業につきましては、平成3年度から平成10年度まで国の経営健全化対策等に基づく一般会計からの支援を得まして利息の高い企業債の繰り上げ償還を実施したことが大変大きな要因となりまして、平成9年度から3年連続の黒字となってございます。
 しかし、平成11年度末におきましても累積欠損額は9億9、000万円余となっております。今後におきましても、一層関係部局との連携を密にしながら、水需要の拡大、経費の節減に努めまして、安定した経営の確立に努めてまいりたいと考えております。
 以上、電気事業及び工業用水道事業の経営概況につきまして御説明申し上げましたが、企業局といたしましては、今後とも、引き続き地方公営企業の原則であります公益性と経済性を確保しながら、事業の効率的、合理的な経営に取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆様方の一層の御指導と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
 それでは、お手元に配付いたしております決算書に基づきまして、その概要を御説明申し上げます。
 なお、1ページの決算報告書でございますが、これは、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税を含めた金額で作成しておりますが、次のページ以降にあります損益計算書、その他の財務諸表につきましては、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することになっておりまして、金額に若干相違がございます。あらかじめ御了承いただきたいと存じます。
 まず、認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算についてでございます。
 電気事業会計決算書の1ページをお開き願います。1ページの収益的収入及び支出でございますが、収入の決算総額は54億1、400万円余、支出の決算総額は43億8、300万円余となっております。
 その収入の内訳でございますが、第1項営業収益は51億1、300万円余、これは、電力料がその主なものであります。
 また、第2項財務収益1億8、100万円余は、株式配当金及び預金利息などでございます。
 第3項の事業外収益1億1、900万円余は、松川発電所建設に係る利子補給金及び固定資産の売却等に伴う雑収益でございます。
 次に、支出でございますが、第1項営業費用37億7、600万円余は、発電所11カ所の運転及び管理運営に要した経費でございます。
 第2項財務費用5億2、100万円余は、企業債の支払い利息で、第3項事業外費用8、500万円余は、消費税及び地方消費税納付額及び過年度の支出に伴う雑損失などでございます。
 次に、2ページをお開き願います。2ページは、資本的収入及び支出でございます。その収入の決算総額は6億6、100万円余で、支出の決算総額は27億2、500万円余でございます。
 収入の内訳でございますが、第1項企業債4億3、300万円は、早池峰発電所及び柏台発電所建設事業に係る起債でございます。
 第2項補助金7、800万円余は、柏台発電所建設事業に係る国庫補助金で、第3項負担金400万円余は、共有施設に係る改良工事負担金でございます。
 第4項雑収入3、000円余は、ダム建設事業費に係る負担金の過年度分の返還金でございます。
 第5項固定資産売却代金1億4、200万円余は、北上市等に所在する固定資産の売却代金でございます。
 第6項建設中収入200万円余は、柏台発電所の建設事業に係る立木の売却代金であります。
 次に、支出でございますが、第1項建設費6億4、600万円余は、早池峰発電所及び柏台発電所の建設費でございます。
 第2項改良費15億5、600万円余は、各発電所の発電施設の改良や更新などに要した経費でございます。
 第3項電源開発費9、200万円余は、新規の水力発電開発のための調査及び風力発電システムの設計業務費等に要した経費でございます。
 第4項企業債償還金4億3、000万円余でございますが、発電所の建設のためにこれまでに借り入れした企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額20億6、300万円余は、2ページの下段欄外に記載しておりますが、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額、減債積立金などをもって補てんをしております。
 次に、3ページの損益計算書でございますが、営業利益は11億4、800万円余となっております。この営業利益から財務収支及び事業外収支の合計の損失2億2、000万円余を差し引いた当年度純利益は9億2、700万円余となっております。
 次に、4ページでございます。4ページの剰余金計算書の利益剰余金の部についてでございます。減債積立金から5ページの中小水力発電開発改良費積立金までの年度末の積立金合計額は60億900万円余となっております。また、当年度の未処分利益剰余金は9億2、800万円余でございます。
 次に、6ページでございます。6ページの資本剰余金の部でございますが、国庫補助金以下3科目の合計は6億9、700万円余となってございます。
 次に、7ページの剰余金処分計算書(案)でありますが、当年度の未処分利益剰余金は9億2、800万円余ということでございまして、これにつきましては、翌年度の企業債償還金に充当するための減債積立金といたしまして4億6、700万円、発電所の改良工事などに充当するための建設改良積立金といたしまして7、900万円、中小水力発電開発改良積立金といたしまして3億8、200万円をそれぞれ積み立て、残額の7万円余を翌年度に繰り越ししようとするものでございます。
 次に、8ページでございますが、8ページから11ページまでは貸借対照表でございます。資産合計と負債・資本合計はそれぞれ369億6、600万円余となっております。
 以上で電気事業会計の説明を終わらせていただきます。
 次に、認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算につきまして御説明申し上げます。
 工業用水道事業会計決算書の1ページをお開き願います。1ページの収益的収入及び支出についてでございますが、収入の決算総額は12億1、800万円余、支出の決算総額は10億5、000万円余となっております。
 その収入の内訳でございますが、第1項営業収益11億9、300万円余は、一般水及びろ過水の給水料金が主なものでございます。
 第2項の財務収益39万円余は、預金の利息でございます。
 第3項の事業外収益2、400万円余は、昨年度県南施設管理所を整備いたしまして、これはもともとは工業用水道の事務所でございましたが、これを電気の方と一緒にするということで、電気事業会計からの県南施設管理所整備に要する負担金等の雑収益でございます。
 次に、支出の内訳でございますが、第1項営業費用7億5、500万円余は、各工業用水の給水業務及び管理運営に要した経費でございます。
 第2項財務費用2億3、900万円余は、企業債と電気事業会計からの借入金の支払い利息でございます。
 第3項事業外費用5、500万円余は、消費税及び地方消費税納付額及び県南施設管理所整備に要する経費等でございます。
 次に、2ページの資本的収入及び支出でございますが、収入の決算総額は3億5、200万円余、支出の決算総額は7億1、500万円余となっております。
 その収入の内訳でございますが、第1項企業債2億7、500万円は、第三北上中部工業用水道建設事業に係る起債、これは早池峰ダムになっておりますが、そちらの方の負担金等でございます。
 第2項出資金100万円余は、一般会計から出資をいただいたものでございます。
 第3項補助金7、600万円余は、第三北上中部工業用水道建設事業に対する国庫補助金でございます。
 次に、支出の内訳でございますが、第1項建設費3億5、200万円余の主なものは、早池峰ダムの工事に係る負担金などの第三北上中部工業用水道の建設事業に要した経費でございます。
 第2項改良費4、100万円余は、建物や機械装置などの改良に要した経費でございます。
 また、第3項企業債償還金3億2、200万円余は、工業用水道建設のため借り入れした企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額3億7、000万円余は、2ページ下段欄外に記載してありますとおり、繰越工事資金、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額及び損益勘定留保資金で補てんをいたしております。
 次に、3ページの損益計算書でございます。営業利益は3億9、600万円余となっております。この営業利益から財務収支及び事業外収支の合計の損失2億3、800万円を差し引きました当年度純利益は1億5、700万円余となっております。
 次に、4ページでございますが、剰余金計算書であります。当年度の未処理欠損金は、前年度の未処理欠損金11億4、900万円余から当年度純利益1億5、700万円余を引きまして9億9、100万円余となってございます。
 また、資本剰余金40億8、100万円余は、国庫補助金がその主なものでございます。
 次に、5ページの欠損金処理計算書でございますが、当年度の未処理欠損金9億9、100万円余は翌年度へ繰り越しをするものでございます。
 次に、6ページをお開きいただきたいと思います。6ページから8ページまでの貸借対照表でございますが、資産合計と負債・資本合計は、それぞれ144億4、000万円余となってございます。
 以上で企業局関係2会計の平成11年度決算の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議をお願いいたします。

〇伊藤勢至委員長 ただいまの小笠原企業局長の説明に対し質疑ありませんか。

〇佐々木一榮委員 何点かにわたり質問させていただきます。
 まず、初めに、電気事業会計決算についてお尋ねいたします
 平成11年度の事業収支は、ただいま企業局長から御説明いただきましたとおり、前年比2億4、120万8、745円、4.5%減の51億7、151万7、900円になり、一方、事業費用は前年比1.6%増の42億4、410万7、116円と、収支は9億2、741万784円の純利益を計上いたしましたが、これは、前年より3億835万円余、25%の減少であります。これは出水率の低下と仙人発電所の大規模修繕に伴う供給電力量の減少とのことでありますが、具体についてお知らせいただきたいと思います。
 また、過去10年間の電気事業会計の損益を見ますと、純利益ではこの10年間で最低であります。一方、事業費用は年々増加傾向にあるように思いますが、平成12年度の見込みを含めた今後の経営シミュレーションはどのようになっているでしょうか。
 また、岩手県新エネルギービジョンでは2010年度全体で28万5、000キロワットの目標となっておりますが、うち企業局分は15万5、000キロワット余ということでありますけれども、今年度はどう実態を評価され、今後の見通しについてどうお考えでしょうか、まず、お聞きいたします

〇小笠原企業局長 3点ほど御質問ございましたが、一番最初の純利益が減少しているその具体的な理由及び電気事業の経営シミュレーションにつきましては財務管理課長、業務管理課長から答弁させますが、3番目の県の新エネルギービジョンに対する水力開発目標、今年度の実態評価と、それから今後の見通しというお尋ねについてでございますが、お話ありましたとおり、平成22年、西暦でいいますと2010年、28万5、000キロワットという目標でございまして、そのため1万7、225キロワットこの期間に開発するということで、そのうち1万6、600キロワット、ほとんどを私どもが担うということになってございます。
 今年度は、先ほど御説明申し上げましたとおり、早池峰発電所、これが1、400キロワットでございまして、言ってみれば計画どおり今年度は達成されたということにはなります。それから、14年度運転目標で柏台発電所、これが2、600キロワットでございます。これも確実に達成するということでございますが、残るものは6発電所を想定しているわけでございます。これらにつきましては、現在、諸調査を継続しております。いずれも技術的には可能と判断はしておりますが、最近は急激に電気を取り巻く情勢というのが変わりまして、厳しくなった。簡単に言えばコストを下げないとなかなか開発ができないという状況になっておりまして、相当今後これらについてはコスト削減、工法その他も含めて検討していかないと厳しい状況ということでございまして、具体的にこの6カ所につきまして、次がどこだということはちょっと今の段階では申し上げられませんけれども、私どもとしては、引き続き何とか私どもの事業の拡大のためにも一生懸命コストの削減方法等を検討して、そして目標の達成に取り組んでいきたいと、このように考えております。

〇山火財務管理課長 電気事業会計におきます純利益の減少の理由でございますが、平成11年度電気事業会計におきまして純利益が前年度より大幅に減少しているわけでございます。これは、収益の部におきましては、先ほど局長からも説明いたしましたが、11年度は出水率が前年度に比較して低下したこと。これは具体的数字で申しますと、平成11年度の出水率は102.8%と、平年よりは上回っていたわけでございます。実際のところは平成10年度の出水率が発電史上2番目の高さであったと。これが122.7%と、こういうことによりまして前年度比較で減少したものでございます。
 また、仙人発電所の導水管等の塗装工事を実施したわけでございます。これは9月20日から11月22日までの間、発電を停止したことによるものでございます。この金額的な影響を試算いたしますと、1、400万円ばかりの減と試算されております。
 それらの理由によりまして、供給電力量が年間目標の97.9%となったものでございます。それに対応しまして販売電力量が減少いたしまして、電力料金収入が47億2、500万円余となりまして、前年度の49億1、400万円余に比べまして1億8、900万円余の減少となったものでございます。
 次に、財務収益でございます。
 財務収益に関しましては、一般会計に貸し付けております貸付金の利率でございます。これは、自治振興基金とか環境保全基金に対して貸し付けているわけでございますが、この貸付利率が引き下げられました。これが一つの要因でございます。また、資金運用の実質利回りが低下したことによりまして、受取利息が減少してございます。したがいまして、財務収益が1億8、100万円余となりまして、前年度の2億5、400万円余に比較しまして7、200万円余の減少となったものでございます。
 以上、収益全体では、前年度に比較しまして2億4、100万円余の減少となっております。
 一方、費用の方でございますが、これは、退職給与引当金を計上していたわけでございますが、平成10年度の退職者が多かったために、それをほとんど使い切ってしまったということでございます。
 また、11年度におきましては全額予算計上いたしましたことによりまして、退職金が前年度より5、000万円ばかり増加したということでございまして、営業費用が37億2、200万円余となりまして、前年度に比較しまして9、600万円余増加したというものでございます。
 また、企業債の償還利息でございますが、元利均等償還のため年々減少いたしまして、これに関しましては5億2、100万円余となりまして、前年度の5億4、900万円余に比較しまして2、800万円余減少したということでございます。
 以上、費用全体では、前年度に比較しまして6、700万円余増加したということでございます。この結果、事業収益におきまして、前年度の純利益を3億800万円余下回ることになったものでございます。

〇壽業務課長 今後の経営シミュレーションについてでございますが、平成12年、13年度の収支見通しについて述べさせていただきます。
 平成12年度の収入は、事業報酬の算定率の引き下げに伴いまして単価のダウンがあったことなどにより、約52億900万円を見込んでおります。一方、支出の方でございますが、約44億2、400万円であり、これらの差7億8、500万円余が営業利益となる見込みでございます。
 それから、13年度でございますが、13年度も料金単価は変わらないことから、今年度に近いものになるものと見込んでおります。
 次に、平成14年度以降の収支見通しでございますが、平成14年度以降の電気料金は、通産省令として平成12年3月から施行されております卸供給料金算定規則により算出することになっております。今回の規則によりますと、事業報酬の算定の方法が大幅に見直され、民間事業者並みに引き下げになりまして、財務収益である受取利息も原価から控除されることとなっております。
 これによりまして、今後の料金収入は数億円の減収も避けられないものだと見込まれますが、現状では、幾つかの項目に関して算出方法が流動的であることなどから、収支見通しとして具体的な数値を示せる状況には至っておりません。したがって、現段階では長期的見通しを算出するのは困難でございますが、電力の自由化を取り巻く情勢を注視するとともに、コスト削減等経営の効率化に努めながら長期的安定を図っていくこととしたいと考えております。

〇佐々木一榮委員 今、3点質問させていただきましたが、最後の新エネルギービジョンの目標について、局長の方から、今後、6発電所と、それから電気事業は非常に厳しい環境だというお話がありましたし、今、壽業務課長から将来の経営シミュレーションについてのお話もありましたけれども、その辺をラップして考えた場合、企業局の電気事業、自給率の向上という目標もあるわけでありますが、それが将来どういう見通しでいくのかというのは、どの段階で、何年後とかそういう段階でまた再度検討されるのかどうか、この辺についてお尋ねしたいと思います。
 次に、電力自給率と新エネルギーについてお尋ねいたします。
 電力自給率の向上については過去にもさまざまな形で議論されてきているところでありますが、平成11年度の具体的取り組みと現状についてお尋ねいたします。
 本県の自給率向上には、何といっても新エネルギーへの取り組みが最重要課題となっていると考えます。RDFにつきましては私も何度か取り上げさせていただいておりますが、結果として、本県の地理的条件などを考慮するとなかなか厳しい状況となっているようであります。
 そこでお尋ねしますが、まず、風力発電への取り組みについてであります。
 風力発電は、既に太陽光発電とともに実用化レベルにあります。既存の火力発電等に比べ、発電コストの割高な新エネルギーの中でも最も経済性にすぐれた発電方式と言われております。このため、国の補助を受けるなどしながら全国各地で事業化が進められておりまして、クリーンエネルギーとして循環型社会の創造に大きく貢献するものと期待しております。環境首都を標榜する本県においても、総合計画において人と環境に優しいエネルギー対策の促進をうたい、その一つとして、新エネルギーの利活用の促進を図るとしています。企業局では、新事業として稲庭高原風力発電事業を掲げ、具体化に取り組んでおられますことは高く評価したいと思います。
 そこでお尋ねしますが、この県営第1号となる稲庭高原風力発電所は、どの程度の電力を賄える規模でしょうか。また、平成11年度はどのような取り組みを行い、今後の建設スケジュールはどのようになっているのかお知らせいただきたいと思います。
 また、県内各地において新エネルギーへの取り組みが行われておりますが、その現状について、企業局としてどういう評価といいますか考え方をお持ちかについてあわせてお尋ねします。

〇小笠原企業局長 まず、今後の電気事業の経営シミュレーションに関連いたしまして再検討の時期というお話がございまして、先ほど業務課長からお話し申し上げましたとおり、料金の算定が変わるということ、これは早いところは来年度からの県もあるわけで、これで大体算定方法等が明らかになるだろうと考えておりますし──私どもは次の年ですけれども──、それから、この自由化につきましては3年後に見直しをするという方向になっております。3年間の動向を見ながら、どういう形で持っていくか見直すと。このことが明らかになりますと、大方我々の取り組みの方向というものも立てられるのではないかと考えまして、その辺をめどに再検討してまいりたいと考えております。
 稲庭の関係は次長から答弁させますが、新エネルギーへの取り組みということとその評価ということでございました。
 私どももおかげさまで風力発電に取り組むということにしておるわけでございまして、風力につきましては、ほかの民間事業者、第三セクター等いろいろなところで計画が持ち上がっておりまして、環境への影響という観点からも非常によろしいのではないかと思っておりまして、これはいろいろ厳しい面もありますが、それぞれの事業者が地元と調整しながら進めていくだろうと考えておりますし、これは大変いいことだと思っております。
 ただ、その他の電源につきましても、バイオマスでありますとか燃料電池でありますとか、いろいろなものが出てきておりまして、技術的には可能ということであります。ただ、私どもが事業として実施をする場合は、ちょっとまだ全然事業化のめどが立たないと。これは風力以外は、事業というよりはむしろ分散型ということで、自家用型──これは事業所も含めてでございます──、そういう形で進むのではないかと考えております。ですから、私どもが事業で取り組むというのは、今の段階では風力かなと思っております。ただ、私どもも、燃料電池にしろバイオマスにしろ、県でも研究しておりまして参画しております。そういう中で、ある程度電気のノウハウもございますので、私どもの事業としてだけではなくて、ほかでやる場合に、何か協力することがあればそちらの方で協力をして広めるようにしていきたいと考えております。

〇仙石企業局次長 稲庭高原風力発電についてでございます。
 この稲庭高原の発電によってどの程度の電力を賄えるのかということでございます。現在、最大出力1、980キロワット、これは660キロワットのものを3基設置する予定としております。これで年間に大体600万キロワットアワーほどが発電できるであろうと見込んでございます。この600万キロワットでどれぐらいを賄えるかということでございますが、御案内のように、風力発電は風がとまりますと電気がとまってしまいますので、実際には風力発電だけで需要家にお届けするということはできないわけですけれども、つまり、バックアップシステムが必要ということでございますが、単純に計算してみますと、一般家庭のおよそ1、800世帯分ぐらいを賄えるのではなかろうかと考えてございます。ちなみに、立地場所でございます浄法寺町の世帯数は今およそ1、600戸ということでありますので、単純計算すれば大体設置の浄法寺町の分は何とか賄えそうだと、こういう形でございます。
 それから、11年度における建設取り組みと今後のスケジュールでございます。
 平成11年度におきましては、10年度から引き続きまして11月まで風況調査を実施したところでございます。年間毎秒6.7メートルという結果が得られましたために導入に向けた具体的な検討を進めまして、東北電力との系統への連系に関する協議だとか、それから、新エネルギー・産業技術総合開発機構に対しまして補助事業の申請を行ったと。そして、その補助事業が採択になりまして、実施設計までを11年度に行ったところでございます。
 今年度──12年度におきましては、農業振興地域整備計画の変更手続だとか、あるいは土地所有者との貸借契約、こういったいろいろな手続を終えまして、一方で風車基礎工事、それから管理棟建築工事等に間もなく着手する予定としてございます。それから、風車発電機だとか変電設備、こういったものの製作に関しましてもほどなく発注できる運びとなってございまして、来年度雪解けを待ちましてこれら上部の機械設備等を据えつけ、調整を行って、来年の秋、運転を開始することとしてございます。

〇佐々木一榮委員 次に、工業用水道事業の関係についてお尋ねいたします。
 平成11年度の経営収支は、厳しい経済環境下にありながらも、事業収益は前期比2.9%の増、事業費用は前期比1.8%減と、差し引き純利益は前期比48.7%増の1億5、767万円余と計上されました。給水量増加が主たる要因とは思いますが、この決算状況をどのように評価されているでしょうか。
 あわせて具体についてお尋ねします。
 まず、1点目は、営業収益のうち営業雑収益が増加しておりますが、その要因と今後の予定はいかがでしょうか。
 2点目として、営業費用のうち水道業務費が大きく減少していますが、その理由と今後の予測はどうなっていますでしょうか。
 3点目として、財務費用、支払い利息も大きく減少しておりますが、その理由についてお尋ねいたします。
 ここ数年の実績を見ますと、事業収益は微増傾向にあり、逆に事業費用の減少による差益の増加が見られますが、今後の見込みと課題についてはどのようにお考えでしょうかお尋ねいたします。

〇小笠原企業局長 平成11年度の決算の評価と、それから、今後の経営見込みと課題等については私の方から、その他のことにつきましては次長の方から答弁をさせたいと思います。
 平成11年度の決算状況の評価でございますが、ちょっと油事故がありましたけれども、それも何とか乗り切りまして、増量契約もあったということで、先ほど来お話ししておりますとおり黒字も計上したということで、昨年度は大変順調であったと考えております。おかげさまで累積欠損が、まだまだありますが10億円は割ったという状況でございます。具体的な内容につきましては次長の方から答弁させます。
 それから、今後の経営見込みと課題ということでございます。
 これは、正直申し上げまして大変厳しいものがございます。今の状況でいきますと、12年度と13年度は黒字を計上できる見込みでございます。ただ、増量もない、料金もこのままだということになりますと、14年度から再び赤字に陥ると。これは、第三工水関係の早池峰ダムが完成いたしますと、償却をするとか利息の支払いが出てまいりますので、それから市町村交付金といったものが出てまいりますので、この辺が費用に計上されますので赤字が出てくるということで、ちょっとその後の回復の見通しというのは、現状のままでいきますと立たないということでございまして、いずれにしても増収ということですから、これは水を売るか料金を上げるかという選択があるということでございます。
 それから、もう一つの課題といたしまして、施設が大分年数が経過してございまして、老朽化もしている。それから、一方で当初予想した水よりもはるかにいい水を供給しないとユーザーの納得を得られない状況でございまして、したがって、施設そのものが、計算上は余力があったはずですが、かなり満杯の状況で、かなり厳しい運営が強いられているので増設も必要ではないかと考えておりまして、これらへの資本が必要だということになりまして、この三つの課題がございます。
 未売水とか増収の方でございますが、水を大量に抱えておりますが、御承知のとおりIT関係が大分好調でございまして、そういった企業で事業拡大の動きもある、そういった方向で取り組んでいただく。これはなかなか厳しい部分もあるのでどうなるかちょっとわかりませんけれども、それもここ1年ぐらいにははっきりするだろうと考えておりますし、それから北本内ダム、これもまだ別に決まったものではございませんのであれですけれども、水源というような話もあったりして、この辺もここ半年ぐらいにはっきりするだろうと。ここを見きわめた上で、いずれ将来的には料金の値上げも検討せざるを得ないと考えております。
 一方、費用の方で、施設改良あるいは増設等も、ことし、それから来年度の早い段階までにきちっと計画を立てたいと思っております。今の段階で概算しますと、やっぱり30億円を超える金がかかるのではないかということも考えております。これを見きわめた上で、幸い来年度までは黒字が計上できる見込みですので、1年ぐらいの間にこれらを見きわめた上で、料金等のあり方も含めて、とりあえず単年度収支が均衡するような策を練りながら慎重に検討してまいりたいと考えております。

〇仙石企業局次長 具体的な項目としての、まず、営業雑収益増加の要因でございます。
 これは、昨年11月30日に重油が当施設に紛れ込んできた事件が発生しましたが、これで受けました損害額を原因者である企業から賠償金として受け取った、これが大きな理由でございまして、今後ということでございますが、これは一時的なものと御理解いただきたいと思います。
 次に、水道業務費の減の理由ということでございますが、昨年に比べまして2、039万円ほど減額してございますけれども、これは、減価償却費、償却が終わった部分があるということで952万円ほど減額になっております。それから、北上市への業務委託費だとか、脱水汚泥の運搬処分費、こういったものをあわせまして990万円ほど減額になってございます。
 今後は、早池峰ダムの完成に伴いまして負担金分が固定資産となりますので、その減価償却費が計上される。一方におきまして、他の業務費の節減要因というのは余り大きなものがございませんので、総じて業務費は若干増加傾向で推移することになるであろう、こういうふうに考えてございます。
 それから、財務費用が前年に比べて大きく減少しているが、その理由は何かということでございます。
 企業債の返還につきましては元利均等償還方式でやってございますので、その償還額に含まれる支払い利息が年々減少するというものでございまして、この分が前年度に比較しまして1、900万円余減額してございます。
 それから、もう一つは、他会計からの借入金でございます。一般会計と電気事業から借りてございます。一般会計の方は無利子でございますが、電気事業会計からの借入金の利息が10年度におきましては1%、これを11年度は0.25%にしてございますので、この分として210万円余りが減少してございます。

〇佐々木一榮委員 最後の質問になります。
 冒頭、企業局長から元企業局職員のハイウェイカードの不正購入問題についての今後の対応についてのお話がございましたけれども、実際、企業局長は、どういう経過でこの事件の経過といいますか、発覚、これをお知りになられたのでしょうか。私も新聞報道では拝見したのでありますが、そもそもはどういう経過で発覚したのかということをまず1点目としてお尋ねしたいと思います。もし発覚しなければ、これはもうそのままわからない状態で進んでいったものなのかどうかお尋ねしたいと思います。
 それから、この決算書を見ますと、各発電所ごとの旅費科目とか、そういうものがあるわけですが、このハイウェイカードというのは旅費科目だとすれば、これは決算審議でありますから、この1年間の予算に対する決算というのは当然各部門ごとにあろうかと思いますけれども、さっきの1年間の不正購入額からいいますと、これはチェック機能云々というよりも、その数字を見れば判断できる問題ではないかというように、ちょっと素人なのであれですが思うのでありますが、その辺についての御認識をお尋ねしたいと思います。
 それから、これから購入に際して、口頭ではなくて公文書とか会計システムのコンピューターセキュリティーを強化するとかありましたけれども、これで本当に担当者個人の故意的な行動を完全にチェックできるものなのかどうか、これについてお尋ねしたいと思います。

〇小笠原企業局長 まず、発覚の経緯でございますが、この職員は、最初は自分で判こを持っていって企業局で払うんだということで買ったようですが、後の方は、他の職員とか臨時職員、最近は臨時職員に頼んで、ほかの職員の名前を使って、判こはその職員の三文判を使って、そして買わせたということでございます。7月末ごろにまた同じような手口で臨時職員に頼んで生協の方に出向かせたということでございまして、その際に、生協の方から多額の未払いがありますよと、ですからお売りできませんと、こういう話を受けたと。それを当人にも教えたようですが、ちょっと悩んだ末に、1日ぐらいおくれて他の職員に話をしたと。それで調べたらそういうことがわかったということでございます。
 ですから、いずれ未払いでありましたし、時間は別にいたしまして、いずれそのときでなくても発覚はしたものと思っております。本人も大体そういったようなことは、後で返すつもりだったというような話をしております。
 それから、これは未払いになっておりまして、購入したこともわかりません。私ども未払い計上もしておりませんし、ですから、決算には出ておりません、全く。正規に買ったものは全部支払いをしておりますので、そういうことでございます。
 それから、先ほど来いろいろ対応策をお話し申し上げました。今、直接的に考えられる措置というのはこういうことだということで私どもは万全を尽くしたつもりでございます。ただ、これで終わりということにしますと、ちょっと。と申しますのは、モラルの問題にいたしましても、あるいはチェック体制を運用するのは職員でございますので、今後継続的にこういうことをきちっと運用していく体制あるいは日々の努力がないと、体制だけでは根絶するということはできないのではないかと考えております。したがいまして、これを契機として、今後の継続的な取り組みでもって何とか再発を防いでいくように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

〇中屋敷十委員 まず、冒頭、局長から職員の不祥事に対しての陳謝という形で報告がありましたけれども、かかる事態が起きたことは本当に遺憾でございます。そういった意味でも、先ほど説明があったとおりの対処方針で、ぜひ県民の信頼回復のため、また、企業局全体のイメージアップのためにも皆さんに頑張っていただきたいと思って、お願い申し上げまして、まず、数点にわたり質問いたします。
 まず、電気事業についてお伺いいたします。
 最初に、財務分析表の自己資本構成比率についてお伺いいたします。自己資本構成比率が前年度と比較して0.3ポイント下降しております。これは、資料を見ますと、自己資本金及び剰余金の増加率が負債・資本合計の増加率を下回ったことによるものとありますが、その詳細な内容についてはどうなっているかということをお伺いしたいと思います。
 また、過去5年間の自己資本構成比率の推移はどうなっておりまして、また、どのような評価をされているのかお伺いしたいと思います。

〇山火財務管理課長 委員御指摘の自己資本構成比率につきましてお答えいたします。
 この指標に関しましては、企業会計の経営分析資料の一つであり、総資本に占める自己資本の割合を示すものでございまして、この比率が高ければ高いほど企業経営が安定しているということを示す指標でございます。
 計算式に関しましては、議会資料の見開きのところに記載してございます。御案内のとおり、自己資本比率の計算式に関しましては、分母に負債・資本の合計額をとりまして、分子といたしまして自己資本金と剰余金をとりましてパーセンテージを表示するものでございます。分母、分子の共通項目がございます。これが資本でございます。資本は共通項目でございますので、大まかに申しますと、分母の負債または分子とする剰余金に変動がございますれば、この自己資本構成比率が変動するものと考えられております。
 前年度比0.3ポイント下降した原因でございますが、これは、分子であります剰余金、これは中小水力開発積立金の大幅な取り崩しを行いました。それで剰余金は前年度より2億円の減となっているものでございます。一方、分子となります負債につきましては、流動負債であります未払い金、これは早池峰、柏台発電所の建設費とか県南施設管理所の集中監視制御システムの工事費が未払い金として計上されていたもので、これが前年度に比較しまして6億円の増となっております。この数値の動きによりまして、自己資本構成比率が0.3ポイント下がったものでございます。ちなみに、未払い金6億円をカットしてみますと前年と同じ比率になるものでございます。
 次に、過去5年間の自己資本比率の推移とその評価でございます。
 これは、平成7年度からの自己資本の構成比率でございますが、平成7年度は64.9%、8年度が65.7%、9年度が67.2%、10年度が68.9%、11年度が68.6%ということになっておりまして、平成11年度におきまして若干下降はしてございますが、7年度からは64%を超える率で推移してございますので、電気事業会計の経営上は、現時点では特に問題はないものと考えております。

〇中屋敷十委員 企業経営が安定しているということでありますけれども、いずれもっと頑張っていただきたいと、かように思う次第でございます。
 次に、水力開発についてお伺いしたいと思います。
 御承知のとおり、我が国のエネルギー供給構造は、エネルギーの8割以上を輸入に依存しているということで、エネルギーの安定供給の確保が重要課題となっております。さらに、地球温暖化などの地球的環境問題を踏まえまして、二酸化炭素を排出しない、クリーンな国産エネルギーの主力である水力発電が重要と考えるものでございます。
 そこでお伺いしたいんですけれども、新規水力開発を行うための開発可能性調査の結果はどのようになっているでしょうか。これまでの調査結果から開発が見込まれる箇所があればお示し願いたいと思います。
 次に、早池峰ダムが先日完成検査を終えたと聞いておりますけれども、今後、ダム設備の維持管理用電力として企業局の安い電気を使うことができれば県財政のためにはよいと、かように思うわけでございますけれども、電力小売自由化の進む中で、例えば近くの早池峰発電所からダムに電気を送るというようなことが可能なものか、できるものか。また、ほかにそういった事例があるのかという点をお聞きしたいと思います。

〇小笠原企業局長 水力の開発の関係につきましては私から、それからダムへの電気の供給につきましては業務課長から答弁をさせます。
 今後の開発でございます。先ほど来申し上げましたとおり、今年度は早池峰、それから柏台、現在建設中で、これは14年秋の運転開始、それからはっきりしているのは胆沢第三ということで、これはダムに乗る発電所でございます。ただ、この完成は平成20年代の後半ということで、大分先の話になりますが、一応これは電力との調整もついておりますので決定ということであります。それから、先ほど来申し上げておりますとおり6カ所、具体的に申し上げますと、簗川、これはダムの関係です。それから、網張の方にあります有根沢、それから北本内、これはダムとは関係ないところでございます。それから、一関の槻木平、胆沢川だと思うんですが下嵐江、それから湯田の南本内、ここをそれぞれ調査をしております。これらについては流量観測その他、10年は必要だということですから継続する必要がありますし、その他環境調査等もあわせてやりますが、先ほど申し上げましたとおり、これらはいずれも最近の電力事情に対応するためのコストの話になりまして、従来ここ2年ぐらい前であれば大分まだ、キロワット10円ちょっと切るぐらいであればあれでしたが、それ以下にしないとなかなか対応できないような感じになっておりますので、そういう基礎的な調査をもう少し継続していかなければならない。それとあわせてコスト削減、先ほど来申し上げました、トンネルを掘るのであればトンネルの工法でありますとか、できるだけ短くする方法でありますとか、使う材料でありますとか、そういうところをかなり精密に詰めてコスト削減を図っていかなければならないと考えておりまして、これらのめどが今の時点では立っていないということでございますので、この6地点について、どこ、いつということはちょっと申し上げられる段階にはないという状況でございます。

〇壽業務課長 早池峰発電所からダムへの電気の供給についてでございますが、早池峰発電所から早池峰ダムへの電気を供給することについて、こういったケースは、同一地方公共団体における他部門への供給であり、自家発自家消費とみなされるということでございまして、電気事業法の許可を受けることなく供給することは可能でございます。こういう供給形態は特定供給ということで我々は呼んでおります。それから、供給開始時期については、ただいまダム側が完成検査等の諸手続中でございまして、準備が整い次第供給できる見通しでございます。
 それから、こういう事例がほかにないのかというお話でございますが、県営ダムといたしましては、入畑発電所から入畑ダムにただいま特定供給を行っております。それから、国の直轄ダムでございます湯田ダム、四十四田ダム、御所ダムとあるわけでございますが、これらにつきましてもそれぞれの発電所から特定供給をやっておるということでございます。特定供給の電気料金というのはどういうものかと申しますと、発電原価でございまして、電力会社に我々が売っている電気と同じ単価になっておるわけでございまして、一般の電気料金よりは安いということでございます。

〇中屋敷十委員 水力発電のその可能性調査6カ所、今やっているところ、ぜひこうした検討をこれからも一生懸命検討していただきたいと、かように思う次第でございます。
 それから次に、水力発電所の維持流量の確保という観点からお伺いしたいと思います。まさしく水力発電はクリーンで循環可能な自然エネルギーでありまして、県内の電源確保と安定供給の一翼を担っているわけでございますけれども、近年、河川環境への関心が高まってきております。その中でも魚類及び水質等の環境上から、河川の維持流量の必要が叫ばれているところでございます。このような中で企業局におきましても、昭和32年に運転開始した胆沢第二発電所を初めとして、先ごろの早池峰発電所まで12カ所の水力発電所を運営しておりますけれども、これらの発電所の維持流量の確保について現在どのような状況にあるのか、お示し願いたいと思います。
 それから、電気事業会計で続けていきます。風力発電、先ほども佐々木一榮委員から質問もあったわけでございますけれども、やはり環境に優しいクリーンエネルギーの開発の観点と、現在、稲庭高原の風力発電、先ほど佐々木一榮委員の方からは電力量、それからどのくらいの、先ほど伺いますと年間600万キロワットアワーで1、800世帯ぐらいの供給が可能だということで、来年の秋には運転開始になるということでございますけれども、これが稲庭高原風力発電の年間の売電収入と発電経費というのをどのように見込まれて、また投資額を回収できるものなのかという点について、採算の上からお伺いしたいと思います。

〇壽業務課長 企業局の発電所の維持流量は今どのように確保されているのかと、こういうお話でございますが、企業局ではただいま12カ所の発電所を運転管理中でございまして、四十四田だとか早池峰のようなダム式発電所は今五つ抱えておるわけでございますが、これらはダム直下で発電放流するために、維持流量というのはもう十分確保されているということでございます。それから、北ノ又、北ノ又第二、松川と八幡平方面に三つの水路式の発電所があるわけでございますが、これらは運転開始が昭和58年度以降と比較的新しいものでございまして、当初から河川法の指導によりまして河川の維持流量は確保されております。問題となるものには胆沢第二、仙人、岩洞第一──岩洞第一、第二は一緒でございますが、この四つのダム水路式発電でございますが、これらは昭和30年代に建設されたものでございまして、当時は維持流量というものについては配慮されていなかったわけでございます。それで、各発電所ごとに申し上げますが、胆沢第二発電所につきましては、ただいま御案内のとおり建設中の胆沢ダムというのがあるわけでございますが、これの完成に合わせまして胆沢第二発電所の取水口でございます若柳堰堤からの維持放流を確保しようということで、建設省とも話をしているところでございます。それから、仙人発電所については、ダムの管理者である建設省が維持放流施設をただいま検討中だということで聞いております。それから、岩洞第一、第二については、水利権更新時に当たりまして、これは最近の話でございますが、魚道工を利用した維持放流施設を設けることとなっております。そういうことで水利権を更新申請中でございますが、共同事業者である農林水産省との調整を図りながら、大体建設時期といたしましては平成15年から16年あたりを今考えておるところでございます。いずれにいたしましても、企業局といたしましては、今後とも環境に配慮した施設運営に心がけてまいりたいと、こういうふうに考えております。

〇仙石企業局次長 稲庭高原風力発電についてでございます。進捗状況につきましては佐々木委員に先ほど御説明申し上げたとおりでございます。来年の秋の運転開始を目指してございます。それで、収入、経費でございます。売電収入につきましては年間6、700万円ほどになるのではないかというふうに見込んでございます。それから、経費につきましては、人件費だとか保守管理経費、あるいは減価償却費などを含めまして年間約6、200万円、年間6、200万円というのは17年間の平均ということで試算してございます。減価償却費を除けば年間4、200万円ほどになるのかなと考えてございます。この施設の耐用年数は17年ということで、東北電力との売電契約も一応当面17年ということで結ぼうというようになってございます。先ほどの収入、支出差っ引きで投資額を割りますと、おおむね15年で投資額が回収できるというふうに試算してございます。

〇中屋敷十委員 15年でもう稲庭高原の風力発電の収支でも大丈夫だと、さらには、そういう年間1、800世帯までの電力量が供給できるということでございます。また、観光面でもいろいろ大きな資源にもなるわけでございますので、ぜひ取り組みをお願いしたい。また、維持流量につきましては、やっぱり環境という、今、大きな時代の流れでございますので、ぜひこれに配慮した取り組みということを対応していただきたいと思います。
 最後に、工業用水道事業について1点だけお伺いしたいと思います。
 先ほど来説明あったとおり、9億9、000万円余の累積欠損を抱えて経営というのはかなり厳しいわけでございますけれども、さらに水を差すような質問なんですけれども、いずれ工業用水道事業は昭和53年から給水を開始してもう22年も経過しているわけでございます。その中で施設の老朽化というのが進んでいるわけでございますけれども、今後こういう、10億円切ったという、9億9、000万円余の累積欠損金を抱えて、安定的な用水供給の確保のために老朽化した施設の更新が必要になってくるわけでございます。また、企業誘致もなかなか厳しい、ままならないという中で、どのように施設の老朽化にあわせて、維持更新ともあわせて対応しようとしているのか、お伺いして質問を終わりたいと思います。

〇小笠原企業局長 工業用水道、施設の老朽化への対応ということでございます。お話のとおり老朽化も進んでおります。それから、もう一つの要素として、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、当初予定したよりもはるかにいい質の水を送らなければならないということで、そうすると容量も、まだ余裕あるはずなんですが目いっぱいで運転はかなり、何か事故があるとストップするような状況です。かわるものがないわけですから。そういうことでございますので、いずれそれらをあわせて整備をする必要があると。いずれ欠損もそうですが、水を供給できないということになりますと、これはもう企業の生産活動に大きな影響を及ぼすということで、県経済にも大きな影響を及ぼすわけでございます。何としても安定供給はやっぱり確保する必要があると考えております。今いろんな角度からどういう整備の手法、それから特に第一と第三は隣接をしております。これらの有効活用でありますとか、そういったことも含めていろいろ検討をしておりまして、どの程度の規模で、どういう方法で整備をしていくか、何年ぐらいで整備をしていくかというのを詰めておりますが、いずれ今の段階では約10年ぐらいかけまして、平成20年ぐらいまでに計画的に整備をしていきたいと考えておりまして、概算では、ちょっと先ほども申し上げましたが、30億円から35億円ほどかかるのかなという感じで、これはいろんな工夫をしてもやらなければならない。ただ、投資額はできるだけ圧縮するような方向を考えていきたいとは思いますが、そういうふうに思っていまして、これを来年度中にはきちっと固め、ただ、途中段階ではありますが、具体的な改善等については必要なものから来年度もやりますけれども、全体の計画については来年の半ばぐらいまでやりたいということでございます。ただ、お話ありましたとおり、非常に累積欠損があるということでございまして非常に苦しい状況です。資金調達そのものについては借金すればできるという話にはなるわけです。それから、若干ではありますが減価償却もあるということでありますが、借金をすれば返さなければならない、利息もあるということでこれは経営に負担になるということでございます。いろんな試算はしておりますが、今の段階、先ほども申し上げましたとおり、増量あるいは水源転用の動きもあると、これが大分ここ1年ぐらいではっきりするということがありまして、これがはっきりしないと値上げの幅も大分変わってくるものですから、そうでなければ値上げをしていかなければならない。いずれゼロであれば幾らぐらい値上げしなければならない。それから、このぐらい売れればこのぐらい値上げしなければならないとか、いろいろシミュレーションしておりますが、それは余り仮定の話をぼんぼん出していってもしようがないので、しかもこの1年ぐらいでそういった要素がはっきりすると思いますので、それらを見きわめた段階で、ある程度水量が確保できて、例えば5、000トンぐらい新しく確保できれば大体5円以内ぐらいの値上げで済むのではないかと、今のところ一つのケースですけれども、仮定の話になりますが、そういう感じも持っておりまして、何とかいずれできるのではないかと思っておりますし、やらなければならないと考えております。

〇岩城明委員 政和会の岩城明でございます。それでは、質問をさせていただきます。
 まず最初に、電気事業、工業用水道事業それぞれの企業債の現在高と、今後の見通しについてお伺いをいたします。

〇仙石企業局次長 まず、企業債の現在高、電気事業でございます。決算書の10ページ、貸借対照表、資本の部に記載してございますし、それから施設ごとの明細につきましては49ページから52ページに記載してございますが、11年度末現在高が98億6、300万円余でございます。それから、今後といたしまして、まず12年度でございますが、償還額が4億6、600万円余、それから12年度の借り入れが3億6、400万円、これは早池峰、それから柏台発電所の建設資金にかかわるものでございます。差し引き、12年度末の見通しとしまして97億6、100万円余と見ております。これらの償還期限は42年度まで、12年度借り入れまでのものにつきましては42年度まででございます。今後としまして、13年度、14年度には柏台発電所の建設資金として2億6、000万円程度の借り入れ──両年あわせまして──を予定してございます。その後につきましては、現在のところ建設事業そのものがまだはっきり固まってございませんので、企業債につきましてもちょっと何とも今の段階では申し上げかねるというか、積算ができておらないということでございます。
 それから、工業用水道の関係でございます。11年度末が67億400万円ほどでございます。それで、これは決算書の7ページ、施設ごとの明細は29ページから32ページに記載してございます。12年度の償還額といたしまして3億669万円ほど、それから12年度の借入額が5億300万円、それで12年度末の現在高としましては69億100万円ほどと見込んでございます。その後につきましては、いろいろ先ほど来申し上げてございます改良計画の策定等に合わせましてということで、現時点では積算ができていない状況であるということでございます。

〇岩城明委員 次に、電力事業の内部留保資金についてお伺いをいたします。
 平成11年度末におきまして88億2、300万円余りの内部留保資金がございますが、この内部留保資金を活用した地域還元策等、その資金を活用した今後の事業展開についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

〇仙石企業局次長 11年度末におきます内部留保資金でございますが、委員御指摘のように88億2、300万円ほどございます。この資金のうち積立金及び引当金につきましては、それぞれの目的のために内部に留保されたものでございまして、他の目的には使うことができないということになってございます。その中で損益勘定留保資金につきましては、御案内のように基本的には設備の資本再投下のための資金で、これも電気事業の外部に流出して費消するということはできないものでございますが、資金運用の形で、電気事業の遂行に支障がない範囲内で他会計に貸し付けするということは可能であるというものでございます。現在は、一般会計の自治振興基金あるいは環境保全基金等に貸し付けを行っておりますが、この貸し付けを通しまして間接的な地域振興に寄与していると考えてございます。今後におきましても、やはり可能な範囲で一般会計あるいは工業用水道の方にも若干貸してございますけれども、こういった形での活用の範囲にとどまらざるを得ないのではないかと考えてございます。

〇岩城明委員 今後とも積極的な事業展開をお願いしたいと思います。
 次に、電力の小売参入の可能性についてお伺いをいたしたいと思います。
 ことし3月にスタートいたしました電力の小売部分自由化により、電力会社以外の発電事業者が電圧2万ボルト以上、使用規模2、000キロワット以上の大口需要家に対し電力を小売することが可能となったことから、発電事業者でもあります企業局においても、県営施設や県内の企業へ電力供給が可能であると考えております。そこで、お伺いをいたしますが、岩手県の売電単価は全国の公営電気事業者の売電単価と比較して安く売っている事業者であると聞いておりますので、採算面などその可能性についてどのように検討されているのか、今後において参入する考えがあるのか、お伺いをいたします。
 また、他県の小売参入の動向等もあわせてお伺いをします。

〇小笠原企業局長 電力の自由化に対応いたしまして小売を直接やったらどうかというお話でございます。その検討状況ということでございます。私ども関心を当然持っておりまして、いろんなケースを想定しながらシミュレーションはしております。ただ、基本的に今、12発電所、今度の柏台もそうですけれども、東北電力と電力供給に関する基本契約という、これは平成21年度まで結んでおりまして、ですからそういう約束上から言っても今それを破って直接やるということはできないと思っております。それから、実際問題として県内にも需要家の方で入札制度を導入して競争で電力を調達するという動きは今のところ、全国でも通産省だけでございますので、当面はそういった制約からもできないとは考えております。それで、お話ありました採算だとかコストだとかの面ということになります。これは非常に難しい──難しいというか、例えば需要家の方の必要な電力がどの程度かと、使用形態がどうとか、例えば夜使うところか昼だけ使うところか、業務用と産業用と言っておるようですが、それに対応して私どもが供給するとした場合、それに対応する発電所というのはどこを選ぶかということを組み合わせをしないと、どの程度のコストでできるのかというのは一概に出ないという、なかなかそれで実際的なお話はできないんですが、お話ありましたとおり平均今88円26銭で私ども売っておりまして、これを産業用ということで売れないかと、産業用というのはちょっと安くなっているんですが、試算をしましたんですがなかなか水力の場合は非常に出力が不安定だと、要するに渇水になれば電気を送れないということがございますから、どうしても東北電力はバックアップのシステムを導入しなければならない。それがかなり高くつくということになります。それから、送電線の利用料も取られるということになりますと、ちょっと東北電力には対抗できないと、ただ、ある特定の古い発電所、例えば岩洞でありますとかそういうのは償却も大分進んでおりますから、平均よりもコストは低いわけですから、ですからそうなれば多分料金的には対抗はできるんだと思いますが、ただ、出力と需要が合わないとむだが生ずるということになります。余ったものを電力さんに売る場合、買ってくれるかというのは、ただであれば買いますけれども、そういうことがありますので非常に難しいと考えております。それから、入札の場合は大体契約そのものは半年とか1年なんですね。ですから、2年後にだめだと言われた場合、では電力さん買ってくださいと、こういうわけにもちょっとまいらないと、投機的な部分があります。そういうことありましてちょっと困難。現在進められているものも企業等が持っているその自家用の発電所の余裕のある分を集めて、それを活用するという形でそういう自由化に対応しているという状況でございますので、そういった要するに遊ばせているものを活用する形にはなかなか難しいのではないか。ただ、今後さらにこれらが進展をするということで新たな時代を迎えておりますので、今後ともいずれいろんな研究、検討を重ねて、新たな道を探る必要はあるものと考えております。現状ではそういうことでございます。

〇伊藤勢至委員長 岩城明委員にお願いでございますが、委員会の冒頭、関連する部分はまとめてお聞きをいただきたいということでお願いを申し上げていますので、電気とか水道とか御提案という部分、関連ある部分はひとつまとめて御質問いただいて、進行に御協力をいただきたいと思います。

〇岩城明委員 ダブりの部分もございましたので、それは省いて質問をさせていただきます。
 次に、風力発電、太陽光発電、先ほども話がございましたけれども若干触れさせていただきます。現在、東北電力などの電力10社が風力や太陽光など、自然エネルギーによる発電を促進することを目的に、グリーン電力制度を本年の10月から導入することを仄聞しております。おわかりであればその制度と支援内容についてお伺いをいたします。
 また、そのグリーン電力制度の実施となれば、稲庭高原風力発電所の建設以降の風力発電や太陽光などの自然エネルギーによる発電について、どのように取り組んでいくお考えなのかお伺いをいたします。

〇小笠原企業局長 お話ありましたとおり、グリーン電力制度というのがきのうおとといですか、電力会社の方から公表をされております。これは環境問題に対する消費者でありますとか企業の意識の高まりが背景としてあるわけでありまして、これらの方々の協力を得ると、基本的には500円電気料金にプラスをして一般家庭なり事業者なりから出してもらって、それを集めて東北電力、各電力会社だと思うんですが、これらも同額を出して風力発電と太陽光発電に助成をすると、こういうことでございまして、一方では2、000キロワットを超える風力発電の場合は入札を実施するということで、ある程度枠を設けながら、枠は拡大をするということなわけでございますが、いずれ入札をして安いものから買っていって、風力の場合はそういう落札をした者に対して助成をして、その分を差っ引いて電力会社が購入すると、こういうシステムのようでございます。ちょっと細部わからないところもあります。ただ、太陽光はこれは事業用ではなくて公共施設等の自家用で設備を設置する場合に助成をすると、この分は10分の1とか何かかなりわずかなようでありますけれども、こういう制度でございます。稲庭につきましては、これはもう今の制度で、要するに平成14年度末までにつくったものについては、17年間11円50銭で使うということで調整がついておりますので、これはこれとは関係なく進められるものであります。それから、2、000キロワット以上となっておりますが、2、000キロワット未満であれば、例えば稲庭もそうなんですが1、980キロワット、そういうものであれば従来の平成14年度まで発電したものは従来どおり11円50銭で買うということになっております。ですから、稲庭は関係ない。これからやるものについてどうかということですが、今は5カ所ぐらい調査をしておりまして、今年度中には絞り込んで1カ所ぐらいでもやりたいなと思っている。まだはっきり結論出せる状況にはないんですが、それらを見ましても2、000キロワットを超えるというのはなかなか困難だと、したがって今の制度の範囲で対応するのかなと考えております。
 今後については、まず入札に応募して2、000キロワットを超える場合はどうしてもそこでやっぱり落札をしなければならない。そのためにはコスト削減ということになります。コスト削減をして落札しなければグリーン料金制度の恩恵も受けられないという話になりますので、ですから今調査しているのはこれから調査しているものを含めて、いろいろコスト削減の方法を管理等も含めて研究して何とか競争に打ち勝つようにしていかなければ、なかなかその拡大はできない。ただ、いずれにしても電力はコストを削減しつつも、受け入れは拡大するということで取り組んでおりますので、私どもそういうことで対応したいと考えております。

〇岩城明委員 いずれ自然エネルギーの普及促進のためこのグリーン電力制度の充実を図る必要があると思いますので、県と電力さんと協力してPRに努めていただきたいと思います。
 最後でありますが、海水の揚水発電についてお伺いをいたします。
 20世紀最後のサミットが開かれました沖縄において、電源開発株式会社、いわゆる電発でございますが、国の委託を受けまして新しい発想の電力づくりとなる海水揚水発電の実証試験運転を昨年の3月から開始しておりますが、企業局においても新日鐡釜石の火力発電と連携をし、陸中海岸の天然の有効落差を利用した海水揚水発電を導入するための調査研究を始めてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

〇壽業務課長 沖縄県における海水揚水発電の実証試験では、上部ダムとそれから下部ダム──下部ダムが海になるわけでございますが、これを使って実験をやっておるわけでございますが、特に上部ダムの海水浸透対策とそれから海洋生物の付着、金属材料の腐食、それから高波浪時の安定取水と放水、これらのものとか、それから上部ダムの場合、海水の飛散によって生態系へどういう影響を与えるか、それから海水利用に伴う放水口付近の海生生物への影響といったようなことについて、ただいま試験を行っておる段階でございまして、多くの未解決の問題があると聞いております。このような問題点が解決されるまでは海水揚水発電の実用化というのはなかなか面倒なのではないかなと感じております。
 それから、新日鐡の火力発電所の利用でございますが、新日鐡の火力発電所は、東北電力と15年間のピーク対応専用の契約を締結しているということから、東北電力以外への電力の供給はできないと聞いております。現時点では同火力発電所と連携した海水揚水発電は困難と考えております。これらのことから当面電気事業を取り巻く情勢の変化や実証試験の動向を見守っていきたいと、そういうふうに考えております。

〇佐藤正春委員 それでは、軽くひとつ質問です。局長さん、私はあなたの博学、博識を聞きに来ているんじゃないんでね、質問に答えていただければいいわけですからね、質問に答えてください。
 企業局というのは、何の業もしないんじゃないかということを私言ってきた。ところが、悪行だけはやっぱりやってきたんだね。そこで、11年度の決算で悪行はありませんか。先般の事件については先ほど来話があったわけでございます。この事件ははっきり業務上横領なんですね。被害者であるところの企業局はなぜ警察に訴えないんですか。なぜ警察に出さないんですか、かばっているんですか。被害額は8月中に弁済すると言っておりますが、弁済したのですか。金が必要だから使い込んだのに弁済する金がよくあったものですね。企業局は金を返してさっさとやめてしまえば一件落着ということですか。この責任はどうなっているんですか。
 私は、一般質問でもたびたび申し上げてきました。本県の企業局としてこれまでの事業経営を見直して、産業廃棄物の処理などの公共性の高い新たな事業を展開すべきだということを申し上げておりましたが、そういう気になりましたか。
 2、風力発電、これはただいまもお話ございました。先ほど中屋敷委員からも質問があったので省略をいたします。年間約4、200万円、耐用年数が17年、15年で投資額を回収するということですね。そうですね。そうしますと採算性というのは残り2年ということなんですが、採算性からするとどうですか。中屋敷委員は観光も含めてというようなことをおっしゃっておられた。どうですか、採算性は。そういうことになりますと、これからの電力料金の引き上げなどもございます。この耐用年数が終わった後もこれを続けるんですか。また、今後もこの風力発電を建設するつもりですか。この点について。
 3番目、これはだれもやらないからひとつやります。原子力発電について。我が国のエネルギー供給構造はその8割以上を輸入に依存しております。しかも、約6割は石油に依存しております。また、最近は石油も上がってきている。先進各国に比べて極めてこの状況が脆弱でございます。地球温暖化問題等の中で今や環境問題の悪玉である二酸化炭素の排出が少ないクリーンな石油代替エネルギーである原子力や、ただいまも話ございました太陽エネルギー、燃料電池、新エネルギーの開発導入が一層重要となっている。これは当然でございます。そこで、企業局は将来に向けて原子力発電などの新エネルギーの調査、研究をすべきではないか、私はそう思っています。ほかでやめたやめたというのでいいチャンスだ。ぜひやるべきだ。
 4、次に、県内の中小水力開発についてでございます。中小水力は開発地点で現在調査している地点が先ほどございましたが、それを含めて、その中で我が一関地方槻木平地点の調査の進捗状況、県南にないんだよね、県北から中央あたりにあるんだけれども、県南には全然ない。県南を無視しているのではないけれどもかなり差別をしている。槻木平地点の開発の順番は何番目になっておりますか。進捗状況について。
 それから、ことしの6月23日に運転開始した早池峰発電所、これもただいま質問がございましたが、これを含めると12発電所があるわけであります。現在の発電所の発電機を改良すると発電量が大幅に増加すると言われておりますが、どのくらいですか。

〇小笠原企業局長 まず、このたびの不祥事でございます。私どもも8月当初にこれを察知いたしまして調査をしたわけでありまして、その調査がまとまったのは8月9日ごろだったと思いますが──まとまったというか私どもが把握できたのが──、その時点で警察──これは東署でございますが──の方には内容を出向いてお話を、通報ということになるんですが、お話をしておりまして、その後、向こうからもいろいろ聞きたいということがありまして、最近もまだ事情聴取を関係職員からしたいということで、一部済んでおりますが、まだこれから何人か聞きたいというお話がありまして、これに対応しております。それから、必要な書類の写し等は求めに応じて提供しておりまして、我々は警察の捜査に協力しながら、またその動向を見守っているという段階でございます。
 それから、被害額は、当初にもお話ししましたが8月17日に241万円全額弁済をされております。御指摘のように8月いっぱいという確約書をもらっておったんですが、そういうことでございまして、これはちょっとプライバシーの問題もありますからですが、生家の方の親族の御協力をいただいて用意したようでございます。いずれそういうことで事件の内容についてはさらに警察の捜査が進むのではないかと思いますし、いずれ私どもは処分ということもそうですけれども、先ほども佐々木一榮委員の御質問にもお答えしましたが、体制も整備すると同時に、体制を動かす我々がきちっと今後継続的に注意をして、ちゃんと意識を持ってやっていかなければならないと思っておりますので、これに全力を尽くしてまいりたいと思っております。 それから、新たな事業展開ということでございまして、廃棄物処理などおっしゃるとおりでございまして、私どももこういった面には関心を持っておりまして、ただ、政策的な方向づけとの整合性があります。今、生活環境部の方で全県の廃棄物処理構想というのを立てております。こういった方向性、検討内容を見ながら我々も積極的に検討してまいりたいと考えております。
 それから、稲庭の発電所の耐用年数を過ぎてもということでございます。17年で計算しております。これは原則いずれその撤去まで含めて費用を計算しておるものでございます。ただ、その時点でどうなるかというのは必ずしも明らかではありません。場合によっては続けることもあり得ると考えております。それから、採算性の問題です。年間6、000万円の売り上げに対して500万円ちょっと、ですから採算性は決して悪くはないのではないかと思っております。いずれにしても我々にとっては非常にいい事業であると考えておりまして、これからもいろいろ制度は変わりますが、できるだけ取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、原子力発電でございますが、原子力の問題はちょっと非常に大きな問題でありまして、いろんな問題を含んでおります。県においてもこういった取り組みの方向が決まっているわけでもありませんので、この時点で私どもが調査研究をするとはちょっと申し上げにくいということでございます。また、現実問題として、やる場合も専門家の人を確保したり、それから大分大きな金も必要だということでございますので、ちょっと困難であると考えております。
 それから、中小水力の開発でございますが、これは6地点でございまして、先ほどこれは申し上げましたので省略をいたしますが、いずれ槻木平の話はこれは今まで平成7年から流量観測をしておりまして、16年ぐらいまでこの流量観測が必要と、それから地質であるとか環境調査であるとかいろいろ調査をしておりまして、6カ所の中では北本内と並んで調査は進捗している方でございます。ただ、流量観測、その他も必要、それからコストの問題もありまして今そこを詰めなければならないということで、まだちょっと着工を決める段階ではないと、これはほかの地点も同じでございまして、今そういった順番を6地点について決めているものではありませんし、決めれない状況にございます。
 それから、発電機の改良につきましては技師長の方から答弁させます。

〇及川企業局技師長 発電機の改良で発電量が増加するかという御質問でございますが、水力発電所の発電出力は水量とそれから落差と、それから水のエネルギーを電気にかえる水車、発電機の効率で決まります。既存の発電所ではこれらのうち水量及び落差はもう変更できません。それから、効率も大幅なアップということはできませんので、したがって大幅な発電量の増加というのは期待できません。しかしながら、水車の形状を最新設計に変えますと数%程度の出力は望める発電所もございます。今年度岩洞第二発電所で水車、発電機の分解点検をしたときに水車を新しい改良型に交換しました。その結果として、従来8、300キロワットの出力を8、600キロワット、300キロワットぐらいを増加できると、こういう見通しで今運転中でございます。今後もこういうケースがございましたら、数%でも効率のいいものを導入したいと、こう考えてございます。

〇佐藤正春委員 局長さん、あなたね、冒頭に申し上げたでしょう、聞いたことだけ答えてくださいと私言っているんです。いいですか、11年度の決算では悪行はありませんでしたかと、なければないでいい。それから、今回の事件について警察に事情を話したとかこうだと、それは参考人の話なんです。これは業務上横領なんだ。しかも、役人が業務上横領したんだ。だから、被害者は企業局であり、県民であり、県なんだよ、これは。だから、その被害者である企業局が直接の被害者だが、業務上横領として訴えたかどうかということを聞いているんです。なぜ訴えないのかということを聞いているんだよ。警察から事情聞かれた、そんなこと、そっち側から来たことでしょう。そうじゃなく、あなたの責任において訴えたのか訴えないのか、なぜ訴えないのかということを聞いている。それから、金は使った分は返した、返しただけでいいんですかと聞いている。それで一件落着ですか、終わりですかと聞いている。こういうことはきちっとしないから知事が何回も、そしてだね、申しわけありません、申しわけありません。部下が悪いからみんなそういうことになるんだ。そういうこときちっとしなさい。
 次に、一歩前進だと思ったのは、事業計画を見直して産業廃棄物の処理なども考えたい。これは非常にいいと思うんだな。時期的にこういうものは一般業者がやるとなかなかいろいろな問題があるものだから、やっぱり企業局あたりで積極的にこれを取り組んでやるということが大事だろうと思うんだ。何もしない企業局で悪行ばかりやっているんじゃだめだよ。これを積極的にやるように。
 それから、原子力発電については私から申し上げたんですが、原子力発電というのは、今おっしゃるように大きな問題だからなかなか大変だかもしれない。だけどやっぱり本県がこうして、幾らかよくなったけれども大体所得が低いというか貧乏県なんだからね。やはり発想の転換だ。発想を転換して、ほかでやらないんだから、みんなやらないしいろいろ事故があるものだから、研究して研究して今は事故がないようになってきているんだから、だから逆に言えばチャンスなんだ。公害も何もないこういうエネルギー源としてはチャンスだ。ほかはやらない。岩手県でひとついろいろ研究して、やれと言うんじゃないんだから、研究して将来に備えるということが大事じゃないですか。そのことを申し上げたい。
 それから、あなた、私、何かでちょっと見たんだけれども、国のIT革命を見通しながら本県の事業計画に反映させたいと、こう言っているんだな。これはどのような構想なんですか。これは今非常に先端的な問題ですからね。
 それから、槻木平はこれは今説明を聞きました。やはり国の環境改善の基準からすれば早めて、ほかのところは今もたもたしているところはみんな中止だの休止しているんだから、早めて、槻木平は地元の議員もなかなか3人積極的だ、ではぜひそこを先にやりましょうと、早めるつもりはありませんか。

〇小笠原企業局長 大変失礼しました。11年度決算で悪いことはないかということでございます。これは監査委員等の監査も受けておりまして、私どももきちっとやられているものと認識しております。
 それから、今回の不祥事の関係の、訴えないのかというお話でございまして、手続的な話になると思いますが、私どもも当初いわゆる被害届というのを持っていきましたが、警察の取り扱いもあるんですが、別な方が被害者だというような話もあって受け取られなかったという経過、ただ、その後いろいろ警察の方も調査をしておりまして、いずれ事件の全体を解明してからその手続的なことを協議しましょうと、こういう話になっておりまして、この動向を見てこれに対応してまいりたいと考えております。
 それから、原子力の話につきましては、ちょっと私ども政策担当部局ではございませんので、事業実施部隊でございますので、そちらの方がはっきり方向を出してもらわないと、ちょっと私どもではこれについてはどうとは申し上げられないので、御了承いただきたいと思います。
 それから、ITの話ございまして、前に新聞に多分何か載ったようです。それは水需要に関連をいたしまして、IT革命が進んで要するに情報関連産業が生産拡大の動きがあると、それが岩手県でもそういう方向にあるので、IT関係は工業用水を大量に使いますので、そういうことが図られれば非常にいいのでそれに期待していると、こういうお話を申し上げたはずでございます。そういうことでございます。
 それから、槻木平でございますが、私どももできれば、おっしゃるとおり県南、入畑まであります。県南にはありませんので、全県やれば何となく気分的には非常にいいのでやりたいんですが、さっき申し上げたようなことでいずれ精査をして、工法を工夫しながら何とか早くできるように努力をしてまいりたいと、このように考えております。

〇伊藤勢至委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩
    午後1時4分 再 開

〇田村正彦副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 企業局関係の説明に対する質疑を続行いたします。

〇伊沢昌弘委員 午前中の審議でかなり煮詰まってきているのかと思いますけれども、重複しないような形でお伺いしてまいりたいと思います。
 11年度の企業会計、電気事業会計及び工業用水道事業会計とも、経常収支を見ていきますと電気事業で9億2、700万円余、工業用水道事業で1億5、700万円余の純利益を生じてきた。このことは企業局職員の皆さんの努力があったからではないかと思い、まず、敬意を表したいと思うわけであります。
 その中で、電気事業についてお伺いしてまいりたいと思います。
 平成11年度の決算書を見ますと、県南施設管理所の整備と、それに関連して関係発電所等の遠方監視制御装置等の工事が進められたことが掲載されているわけであります。平成12年度から新たなシステムで発電所の管理が実施されていると思われるところでありますけれども、各発電所の管理体制について、11年度計画をされてこの間進んできたわけでありますけれども、どのように改革をされたのかお伺いしたいと思っています。
 また、この新たなシステムがスタートして半年しか経過していないわけでありますけれども、当初の目的どおりこの成果があるのか、そういったところをどのようにとらえていらっしゃるのか、成果と課題についての御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、電力料金の改定と将来の見通しについて伺います。
 午前中にも改定問題を含めて、これから先、電力料金のいろいろな厳しい制約があるということでお伺いしたわけでありますけれども、企業局は、これまで新たな発電所を積極的に建設して着実に収益を上げてきております。これも電力料金と密接な関係があったのではないかと思います。11年までの料金、本年度から改定されていると伺っているわけでありますけれども、将来的にこれがどのような推計をされるのか若干御答弁はあったわけでありますけれども、改めて中長期的な見通しについてお伺いしたいと思います。

〇壽業務課長 県南施設管理所は4月からスタートしたわけでございますが、それにつきましての各発電所の管理体制の改革はどうなっているのかということでございますが、まず、運転管理面から申し上げますと、胆沢第二発電所と仙人発電所を無人化いたしまして、平成12年6月から運転開始した早池峰発電所とともに、全発電所の運転管理を盛岡市の施設総合管理所から遠方監視制御しているところでございます。
 保守管理面でございますが、県南地域の発電所の保守要員を今回整備した県南施設管理所に集約いたしました。
 それから、成果と課題でございますが、成果につきましては、集中監視制御による給電業務の集約、保守要員の集約により省力化されたということでございます。それから、胆沢第二発電所では、夜間宿直業務の廃止、通勤の利便性等により、職員の勤務条件が改善されたものと思っております。さらに、仙人発電所では、運転管理の委託を廃止することによりまして委託費を減額することができたということが言えると思います。
 課題でございますが、今のところ大きなものは特にございませんが、胆沢第二発電所と仙人発電所では、無人化に伴い事故時の対応等に時間を要することになったわけですが、連絡体制を整備の上対応しているため、今のところ大きな支障は生じておりません。しかしながら、今後さらに検討を加え、維持管理に万全を期していきたいと考えておるところでございます。
 それから、電力料金の改定と将来の見通しについてでございますが、今回の改定結果を申し上げますと、平成12年、13年度の電気料金は、平成11年1月に改定された通産省の卸供給料金審査要領(公営)に基づき算出されておるわけですが、この改定によりまして、事業報酬の一つである特別積立金の算定率が引き下げられました。こうした影響もありまして、今回、契約の総括原価は前回より9、900万円ダウンの46億3、100万円、売電単価にしますと1キロワットアワー当たり33銭のダウンでございまして、8円26銭で決まったということでございます。
 それから、中長期的見通しでございますが、平成14年度以降の電気料金は、省令として平成12年3月21日から施行されております卸供給料金算定規則によって今後は算出されることになったわけでございます。算定規則によりますと、公営電気事業者の場合、これまで認められていた起債に対する事業報酬である減債積立金などが原価算入の対象外となったほか、自己資本投資に対する事業報酬の算定率も定率制から変動制に変更されておりまして、実質的に事業報酬は現行よりもさらに減額となることとなったわけでございます。また、財務収益である受取利息も新たに原価から控除されることになりました。
 これらによりまして、今後の料金の収入は数億円の減収も免れないものと見込まれますが、現状では、幾つかの項目に関しまして、算出方法が流動的であることなどによりまして、収支見通しとして具体的な数値を示せる状況にはなっていないわけでございます。したがって、現段階では長期的見通しを算出するのは困難でありますが、電力自由化を取り巻く情勢を注視するとともに、コスト削減等経営の効率化に努めながら長期的な安定を図っていくこととしたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 大変厳しい状況があるわけですけれども、無人化に伴って集中管理をしたと。人員的にどのくらい減ったのか、もしわかっていれば参考までにお示しいただきたいと思います。

〇壽業務課長 いろいろあるわけでございますが、約2名程度減ったということでございます。

〇伊沢昌弘委員 次に移りたいと思います。
 新たな電源開発についてお伺いしたいと思いますが、先ほど風力等のお話がございまして、精力的に進められているということであります。今年度からこの風力発電を初めとする新たなクリーンエネルギーへの取り組み、風力発電開発室などを設置しているということで、鋭意この取り組みをしていただきたいものだと思っているところであります。
 私は、特に廃棄物を利用したごみ発電について絞ってお伺いしたいと思っています。
 以前にも廃棄物の焼却熱を利用したごみ発電の検討の状況を伺ったことがございました。その時点では、先ほど佐々木一榮委員からも話がありましたRDFの問題を中心にやったわけでありますけれども、このRDF化するための費用、さらには処理費用がかかるわけでありますし、売電価格との関係で経済的にペイしない、成り立たないということで御答弁があったわけであります。確かに一般廃棄物だけでは問題だということで難しい面があると思うんですが、こんな中で、ことしの6月2日に廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律が公布されています。将来的に、私どもずっと言ってきたわけでありますが、一般廃棄物と産業廃棄物を分けた処理計画ではなくて、廃棄物全般に関する施策を県が策定していくということになったわけです。この担当課はもちろん生活環境部の方になるわけでありますけれども、そういったことを考えていけば、廃棄物の処理について、あわせて廃熱利用について新たな観点で検討していくことも可能ではないかと思うわけです。
 先ほどは佐藤正春委員の質問の中で産業廃棄物の処理事業もやったらと、こういうことがあったわけですけれども、地方公営企業法の中に産業廃棄物処理事業というのが盛り込まれているかどうかは定かでないわけですが、発電と絡めた形で、今後、一般廃棄物、産業廃棄物を含めた熱源を利用した発電も検討すべきではないかと思うわけであります。今、申し上げたように、これらのことは企業局だけでは対応できないと思います。関係部局といろいろな意味で検討されてきたと伺っているわけでありますけれども、積極的に企業局としてもこの問題にかかわっていきながら、県全体の中で環境首都を目指すことを含めて取り組むべき課題ではないかと思うわけです。御所見を賜りたいと思います。

〇小笠原企業局長 廃棄物を活用した発電というお尋ねでございまして、今、お話のあったとおりと考えておりまして、私どもも積極的に検討していきたいと思っています。いずれ一廃と産廃の一体処理、それから、産業廃棄物に対する公共関与という方向もあります。ただ、これらの発電だけ考えるとちょっとあれですので、廃棄物処理事業と考えて、その中に発電も組み込んでいくと、こういう形になろうかと思います。こういう方向で、先ほどもありましたけれども、事業を展開していく方向はないかということについては真剣に我々も検討してまいりたいと考えております。
 いずれ、現在、生活環境部でいわて資源循環型廃棄物処理構想というのを策定中でありまして、こういった方向も含めて検討していると承知しております。私ども、その中でいろいろ参加する機会があるわけであります。私どもの事業としてやれるものがあれば積極的に取り組むように検討してまいりたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 いきなりできる課題ではないと思いますけれども、ぜひ検討の中にかかわっていただきたいということを御要望しておきたいと思います。
 次に、工業用水道事業についてお伺いしたいと思います。
 平成9年以降、御説明にありましたように、年度ごとに純利益を計上してきているわけです。累積欠損も減少してきておりますけれども、給水量が飛躍的に増加していないことから、経常経費の節減を含む経営健全化計画による効果が大きいのではなかったのかと思っているところであります。
 将来の財政見通しは大変厳しいものがあることも示されてきているわけでありますけれども、私は1点に絞って第三北上中部工業用水道の今後の見通しをお伺いしたいと思うわけです。
 第三北上中部工業用水道の早池峰ダムに係る減価償却費とか企業債利息等が今後増加してくると思われるわけであります。平成11年までの決算状況を踏まえて、今後の経営状況についてお示しいただきたいと思います。

〇小笠原企業局長 第三工水の問題、これは2万トンということで一応あれして、現在は実際には給水能力1万トンということで、それに対して給水量7、000トンちょっとということですから、これだけとってみますと、去年で見ましても約5、300万円ぐらいの赤字になっているという状況であります。ただ、これにつきましては、先ほど来申し上げていますとおり、半導体企業での、まあ、これは全然わかりませんけれども、そういったところの期待をしているわけでありますが、それに加えまして、第三と第一は隣接しておりまして同じ団地に供給しております。第一は非常に満杯状態でございまして、第三はこれを補完する形での運用ということで、大変助かっている部分もあります。今後、これを全部結節してうまく運用できるようになっておりませんので、こういった方向も検討しながら、第一と第三はトータルで考えていく必要があるのではないかと思っております。
 それにしても、いずれ水は余っている状態でありまして、これについては需要増に期待せざるを得ないと。あと、経営については、第一と第三を見ながら、効率的な運転をして経費の節減を図って、全体でうまく経営できるように取り組んでいきたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 伸びないということで、これからの課題だと思うわけでありますが、関連して、ちょっと細かいことで恐縮なんですけれどもお伺いしたいと思っています。
 まさに給水契約を増加するという意味で、一つ提言したいと思うわけです。先日、企業局のホームページを見させていただきました。アクセス件数も他の部局と違って少ないという印象を持ちながら見たわけでありますけれども、企業局の事業概要、組織についてはわかりやすく掲載をしていると思います。工業用水道を給水している各工業団地の利用状況とか建設可能区域など、そういった部分もアクセスをした段階で一発でわかるような、そういう工夫が必要ではないかと感じたわけであります。県のホームページの中には各課のホームページがあるわけですが、工業振興課のホームページだったと思いますけれども、工業団地の紹介がございました。進出を希望している企業も、これからIT革命を含めて非常にアクセスをしてくるのではないかと思っています。そういう中で、企業局との連携の中では、言ってみれば企業立地を含めてかなり精力的に企業誘致に取り組んできたと思うんですけれども、こういったホームページなどを利用しながら、関係するページとのリンクについて、技術的な問題もあろうかと思うんですけれども、何か一案を講じてわかりやすくする、そういう点があってもいいのではないかと感じたわけでありますけれども、これについての御見解、御所見を賜りたいと思います。

〇仙石企業局次長 御趣旨もっともだと考えております。そういう意味で、工業振興課の方と相談しまして、工業団地情報と、それから工業用水道情報が相互にアクセス可能になるようなシステムのつくり方を検討してまいりたい、このように考えてございます。

〇伊沢昌弘委員 大変前向きな答弁でいいです。この項を終わります。
 最後に、企業局における各事業の推進に当たっての入札等に関してお伺いしたいと思っています。これは、電気とか工水関係なくいろいろな事業があると思うんですけれども、そういった部分についてお伺いしたいと思っています。
 企業局の事業推進に当たっては、企業局独自に工事とか設備機械の発注を進めていると思われます。これらの入札制度についてお伺いしたいわけであります。今回、大船渡の事件が出たわけでありますけれども、残念ながら起訴されたということで、これからの推移を見守りながら、本当の意味で県事業の公共工事、その他の発注について透明性が高まることを私も期待しているわけであります。
 こんな中で、知事部局の方で、知事の答弁にも一般質問の中であったわけでありますけれども、不適正処理事案の対策について検討しているということが出たわけであります。企業局において、これまでの入札方法と、これらの言ってみれば知事部局で、今、取り組んでいる入札方法のあり方を受けて、局としてどのように対応していこうとしているのか、その辺についてお伺いしたいと思っております。

〇山火財務管理課長 企業局の入札制度の改善についてお答えいたしたいと思います。
 企業局の入札事務に関しましては、知事部局に準じまして、競争入札等事務処理要領、競争入札参加者の指名基準及び競争入札参加者の指名基準の運用基準等を定めまして、公正かつ適正な執行に努めているところでございます。
 入札制度の見直しにつきましては、平成12年9月1日の知事部局の県営建設工事に係る入札結果等の公表についての一部改正に準じまして、指名業者名の公表を入札執行後としたほか、閲覧簿も廃止したものでございます。
 また、知事部局では、先ほどの報道によりますと、大船渡では本日から入札公開をやったとございましたが、企業局におきましても同様に実施したいと考えております。
 なお、知事部局と従来異なっていた点がございます。これに関しましては、知事部局では9月1日から郵送による指名通知、それから、庁舎内での設計図書の閲覧及び設計図書の貸し出しを10月1日から実施するとしておりますが、これらにつきましては、企業局では従来から実施していたものでございます。

〇伊沢昌弘委員 独自でいろいろなことにも対応されてきたと思うんですが、ぜひきちんとした対応をお願いしたいと思っています。
 この際、もう一つお伺いしたいんですが、随意契約で契約をしている部分も、例えば電気の設備等々を含めてあるのではないかと思っています。それらについても一定程度の透明な基準といいますか、あらかじめ示されている、そういうものがあろうかと思うんですけれども、そういったことについて、随意契約についての基本的な考えと対応について、もしあればお伺いしたいと思います。

〇山火財務管理課長 企業局独自のものといたしましては発電機械とかそういうものがあるわけですが、これに関しましては、公営電気事業電気機械設備工事積算基準等によりまして、3社以上の公平な見積もり、それから設計採用単価の適正化等という基準がございます。これらに基づきまして積算いたしまして公平な見積もり等を行っているものでございます。

〇伊沢昌弘委員 冒頭、企業局長からもいろいろな事件にかかわってのお話がございました。職員それぞれ頑張っていると思うので、将来にわたって、企業会計でございますので一定程度の厳しい制約の中で累積赤字等々減らす努力も必要だと思うんですが、職員が頑張っていける、そういう土壌づくりも積極的に進められることをお願いいたしまして終わります。

〇斉藤信委員 私は、2点でありますから簡単にお聞きします。
 一つは、風力発電について。企業局が稲庭高原においてクリーンエネルギーである風力発電に取り組むというのは、大変私は積極的な取り組みだと、このように思います。国の新エネルギー、特に風力発電についての目標計画はどうなっているか。その際、開発のための補助金などの対策はどうなっているか示していただきたい。
 二つ目に、稲庭高原風力発電所における収支見込みと供給可能戸数は示されましたので、私は、発電単価、売電単価はどうなっているか。そして売電単価というのは、例えば資産耐用年数まで変わらないのかどうか、このことを示していただきたい。
 今、検討されている5カ所の開発の見通しは今の段階でどうなのか。国際的な動向を見ますと、デンマークなどでは海上風力を重視して騒音や景観破壊を避ける方向が強まっていると聞いていますけれども、日本の場合、地形、リアス式海岸などのさまざまな条件がありますけれども、この海上風力の可能性というのはどのように検討されているかお聞きします。

〇仙石企業局次長 国の方では、風力発電につきましては2010年度までに約30万キロワットを導入したいと目標を設定してございます。
 それから、風力開発に関する助成制度といたしましては、地方自治体を対象にして導入費用の2分の1を補助します地域新エネルギー導入促進事業だとか、民間事業者を対象に3分の1を補助する新エネルギー事業者支援事業、さらには、国と自治体あるいは事業者との共同事業として国が2分の1を負担する風力発電フィールドテスト事業、こういったものがあります。
 それから、稲庭に関します単価等でございますが、これにつきましては、東北電力の方で設定されました11円50銭、17年間この金額で買っていただくと、こういうことになってございます。
 三つ目の、5カ所の開発の見通し、それから海上風力の観点でございますが、現在、風況調査を行っているところが5カ所ほどございますが、事業化につきましては、今の時点でどこでいつごろということはまだ申し上げかねますけれども、今後、風況のよい地点を選びまして、今、特に問題になっております猛禽類の生息状況等の諸調査をあわせて実施して、コストの低減策等も検討しながら導入に向けて検討を進めたい、このように考えてございます。
 それから、海上の風力発電でございますが、これは、陸上に比べ一般的に風況がいいということで開発に適しているということが言われておりますけれども、やはり基礎の設置だとか送電線の費用が相当大きくなるということで、まだまだ解決すべき問題もあるということで、現在、NEDOの方でこの導入の可能性調査を実施してございます。これらの動向を見まして、いろいろ取り組み方法等について情報収集に努めてまいりたいと考えてございます。

〇斉藤信委員 売電単価が17年間の契約だというので一安心しました。発電単価は7円16銭になっていると思いますけれども、これは全国的な風力発電施設と比べて低いのか高いのか平均なのか、これは後から教えてください。
 二つ目の質問ですけれども、北本内ダムの休止に関連して、企業局の負担金は幾らだったでしょうか。これが今、休止で、10月末には恐らく中止の決定になると思いますけれども、中止になった場合、企業局の負担金はどうなる見通しなのか、これをお聞きします。
 北本内ダムの休止、中止にかかわって、入畑ダムの工業用水を飲用水に転用する、この検討がされているとお聞きしています。この場合、北本内ダムで供給しようとした飲用水全体の転用なのか、それともその5割なり何割の転用なのか、そのことも今わかる範囲で示していただきたい。
 転用した場合に、どれだけの未売水の有効活用となるのか。これは財源的にもどうなるのか、見込みも含めて示していただきたいと思います。
 工業用水道事業について、昨年度は1億5、800万円の黒字となりました。私が心配するのは、9億9、100万円の累積欠損金解消の見通しであります。きょうの議論の中で、施設が老朽化していると。この改修に30億円ぐらい必要になるということでありましたので、この累積欠損金の解消というのはどういう、5年後、10年後、そういう形の見通しは立てているのかどうか。老朽化施設の改修とかかわってこのことを示していただきたいと思います。
 また、未売水の状況は、給水可能水量に対して実給水量は55.9%ですね。半分ちょっとしか活用されていないと。この未売水の打開の方策、何度も話がありましたが、具体的なものがあれば示していただきたい。

〇壽業務課長 中止になった場合の企業局の負担金がどれくらいかということでございますが、これまで共同事業者として支払った金額は2、036万円でございます。ダムの休止によりまして、平成11年度からは負担金を支払っておりません。
 北本内ダムが中止となった場合のダム負担金の取り扱いにつきましては、北本内ダム建設事業に関する基本協定というものを締結しておりますので、土木部と協議してまいりたいと思っております。
 それから、未売水の転用のことについてでございますが、北本内ダム中止に関連し、入畑ダムの工業用水の一部を上水に転用することについては、関係の各課による利水調整委員会におきまして検討しているところでございます。まだダムそのものの中止が決定しているわけではございませんので、この転用についても結論が得られたものではないと考えております。
 それから、未売水を上水に転用し、有効活用することはどれくらいのプラスの効果があるのかということですが、転用する量にもよるわけでございますが、いずれプラスの効果があるものと期待しております。
 転用水量につきましては、今のところまだはっきり決まったわけではございませんが、およそ8、000トン前後ではないのかということを我々は利水調整委員会等で話し合っているところでございます。

〇小笠原企業局長 工業用水道事業の累積欠損の解消とか未売水の打開ということで、先ほど来お話し申し上げておりますが、結論から言いますと、今の段階でいつということを申し上げる状況にはございません。先ほど申し上げましたとおり、いずれ未売水を大量に抱えているということでございます。それから、施設の老朽化への対応ということであります。老朽化施設の改修・整備計画、それから、未売水に関しては、今、お話し申し上げました転用の問題も、これが実現しますとかなり好転するということ。それから、先ほど来何回か申し上げておりますとおり、ちょっと希望的な話でありますが、IT産業が2社立地しているわけですが、この辺で事業拡大の動きがあるように話を聞いております。こうしたところはここ1年ぐらいで大体めどがつくのではないかと考えております──それはよくても悪くてもの話ですけれども。それを踏まえて、今、いろいろなシミュレーションをして出してはおりますけれども、単年度赤字になるのはこのぐらいになればこのぐらいと、それから、累積欠損を解消するのはこのぐらいと、それはある前提を置いて、その前提となる、増量、転用、老朽化施設への対応、これはここ1年ぐらいで取りまとめをしてきちっとした見通しを立てたいと考えております。

〇斉藤信委員 一つは、工業用水道の転用でありますけれども、これは、岩手中部広域水道企業団が工業用水の転用を求めているというのは事実なんですよね。中止に決まっていないから決まったことにはならないと、こういう認識でいいんですね。
 それで、今、8、000トン前後ではないかという話でした。8、000トンということで仮定をしたら、これは年間どのぐらいの収入になるのか、それを示していただきたい。
 それと局長、私、一番注目しているのは、この決算の賛否にかかわるけれども、9億9、000万円の累積欠損金、今の黒字の水準であれば見通しがつくんですよね。ところが、施設の老朽化だ、改修もしなければいけない。施設の改修の積立金とか、そういうものはないんですか。全然ない。全く新しく財源を確保しなければいけないということになるんですか。なかなか大変だね。そうすると、今の段階では見通しについては言えないと、解消の見通しも言えないと。それを今、立てているということですか。改めて、首だけじゃなくて一言言ってください。

〇小笠原企業局長 8、000トン売れば年間1億3、000万円ということになるようです。ただ、これは、そういう形ではなくて、8、000トン売る場合に何ぼで売るかというのはこれからの協議によりますので、私どもは私どもなりに考えているものはありますけれども、向こうの腹づもりもあると思いますので、正式に決まってから協議ということになっておりますので、具体的なことはちょっと申し上げられないということでございます。
 それから、お話ありましたとおり、施設の老朽化への対応で積立金等は一切ございません。今、累積赤字を抱えている段階でそういうのはあり得ないわけでございまして、それは、わずか二、三億円だと思いますが減価償却費が毎年出ますので、それを充てるのと、そのほかは補助金を充てられるかどうかはちょっと厳しい状況でありますので、あとは起債ということ。あと、一般会計等の支援ということもあるいは考えられるかもしれませんが、そういったことを組み合わせながら進めていかなければならないと考えておりまして、それらをきちっと固めないと単年度での黒字、それから累積欠損の解消のめどというのはちょっと立たないという状況でございます。

〇小野寺好委員 午前中の佐々木一榮委員の質問の中で県内の電力自給率についてあったんですが、私もお聞きしたいと思っていましたが、数字の答弁がなかったのではないかと思いますので改めてお聞きしたいと思います。前回の決算のときはたしか23.2%という数字だったかと思うんですが、年々消費量がふえているのに企業局の発電量はふえていない。恐らくもっと下がっているのかと思いまして、ぜひとも聞いておきたいと思います。
 監査意見の中でも新規電源の開発といったことが述べられておりまして、もっと積極的に仕事をしていただきたいと思います。この1年間どのような仕事をしてきて、今後どういう方向に向かっていくのかをお聞きするのがこの決算の委員会だと思うんですが、風力について、先ほどから県内5カ所で調査していると何か思わせぶりな答弁で、具体的にどこでどの程度の規模でやりたいという、そういったことをちゃんと示していただきたいと思うんですが、これは言えないものなんでしょうか。
 それから、太陽光発電について、私は、基本的には一般家庭に普及を図るべきもので、余り企業局が一生懸命こっちには行かない方がいいかなと。むしろ風力の方に一生懸命力を入れてほしいと思うんですが、1年前に北上の企業局の事務所に3、800万円ぐらいで30キロワットの太陽光の発電装置を設置して、この1年間稼働してきたと思うんですが、これはたしかあくまでも調査のためという名目だったと思うんですが、この調査は企業局のための調査だったのか、一般家庭に普及させるための調査だったのか、いずれその辺の1年間の実績みたいなものはどうだったかお聞きしたいと思います。
 最後に、先ほどの局長の答弁の中で、廃棄物処理について検討していきたいという御答弁があったんですが、苦し紛れにお答えしたのか、それとも本当なのか、企業局のお仕事の中身は水道とか電気、ガスあるいは運送といった部分に限定されるのかなと思うんですが、確かに深刻な廃棄物の問題はありますけれども、本当に企業局はやっていくんでしょうか。その辺、ちょっと確認したいと思います。

〇小笠原企業局長 電力の自給率についてですが、これは公式に計算されているものではありませんで、東北電力もきちっとしたデータを出しておりませんのであくまでも推計でございますが、22%前後ではないかと推定しておりまして、去年より若干下がっているのかなという感じがあります。そういうことでございます。
 それから、太陽光につきましては、これは事業として我々が発電をして電力会社に売るとか、そういうことではないと。そういうことには発展しないだろうと。あくまでも分散型で、さっき申し上げましたとおり、個人の家庭でありますとか事業所で自家用で使うということが基本ではないかと考えております。
 風力につきましては次長の方から答弁させます。
 廃棄物のことでございますが、これは要するに地方公営企業法に定められている事業ではありませんが実施することは可能でございまして、現実に西の方でどこかやっております。公的関与という面も強まってきておりますので、生活環境部と若干話もしております。ただ、何をやるか、どういう形でやるかというのはまだ全く白紙でございまして、相当難しい部分があることは承知しておりますが、いずれ生活環境部で全体の方向性を示すことにしておりますので、私どもも何か可能なことがあればぜひ取り組んでいきたいという気持ちはありますが、お約束できる状況にはございません。

〇仙石企業局次長 風力の、今、調査を進めている具体的な場所と、こういうことでございます。
 遠野市の高清水地区、安代町の田代平地区、宮守村の寺沢地区、住田町の種山地区、それから、これは実は町の方でやっておりまして、引き続き企業局でやってくれないかと言われているところが大東町の室根地区、以上の5カ所でございます。

〇小野寺好委員 5カ所については、規模についてはまだなんでしょうか。例えば、先ほどの660キロワットを何基とか、そういった部分まで教えていただければと。
 あと、太陽光なんですが、北上の実績についてはどうなんでしょうか。

〇仙石企業局次長 どの場所でどの規模にするかというのは、現在のところ風況調査を実施しているのが以上の5カ所でございまして、これの結果が出てからどの程度の規模で実施できるか次の段階の検討になって、今のところはまだそこまで至っておりません。
 それから、北上の太陽光の実績でございます。これは、規模としては30キロワットのものを設置してございますが、平成11年度の発電電力量は2万5、300キロワットアワーという形でございます。

〇小野寺好委員 その北上のを金額に直すとどのくらいなものか。

〇仙石企業局次長 これは、実はつくった電気を全部工業用水の方の施設内で消費しておって売っているものではございませんが、ちょっと比較として適当かどうかわかりませんが、現在、水力の方で私ども東北電力に8円26銭で売ってございますが、これに電力量を掛けてみますと約20万円強と、こういう形でございます。

〇田村正彦副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇田村正彦副委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
 お諮りいたします。認定第1号平成11年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算まで、以上3件についての意見の取りまとめの方法でありますが、午後1時50分から議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議を願い、その結果を待って午後2時20分から委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇田村正彦副委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため午後2時20分まで休憩いたします。
   午後1時48分 休 憩
   午後2時27分 再 開

〇伊藤勢至委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算3件に対する各会派の意見の取りまとめについて協議した結果について御報告申し上げます。
 認定第1号平成11年度岩手県立病院等事業会計決算については、厳しい医療環境にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 しかしながら、県立病院の経営は、施設の整備充実などによる諸経費の増加が見込まれるとともに、医療制度の抜本改革が予定されていることから、今後、経営環境が大きく変化し、さらに厳しい環境に置かれることが予測される。
 今後の経営にあたっては、引き続き国に対し、財政措置の強化などを積極的に要望するほか、効率化・合理化により経営の健全化に努めるとともに、医師の確保をはじめ、高度医療設備の整備充実等、県立病院等長期経営計画の着実な推進を図り、もって県民医療サービスの充実、向上に努力をせられたい。
 認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算については、今後とも引き続き健全な経営の推進に努めるとともに、新規電源の開発についても、なお一層の努力をせられたい。
 認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算については、関係機関と密接な連携をとり、積極的に需要の拡大に努めるとともに、経営の健全化にさらに一層の努力をせられたいとの意見を付し、それぞれ認定することにいたした次第であります。
 これより採決いたします。
 認定第1号平成11年度岩手県立病院等事業会計決算について、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇伊藤勢至委員長 起立多数であります。よって、認定第1号平成11年度岩手県立病院等事業会計決算については、認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算の2件について、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇伊藤勢至委員長 起立全員であります。よって、認定第2号平成11年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成11年度岩手県工業用水道事業会計決算の2件については、ただいまの意見を付し、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時31分 閉 会

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