平成19年3月臨時会 第24回岩手県議会臨時会会議録

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〇40番(小原宣良君) 政和・社民クラブの小原宣良でございます。
 伊沢昌弘議員から提案されております修正案と岩手競馬再生推進基金条例設置を求める発議案に賛成の討論を行います。
 議員各位には、よくよくお考えをいただきたいと思います。一人の地方政治に携わる者の政治信条の一つとして申し上げたいと思います。一人の人間の生活を救えない者が140万県民の生活を救うことはできない。また、盛岡市と奥州市だけの地域問題では決してないという点を強調しておきたいと思います。競馬事業が地域経済に与える影響は約600億円であります。何より、1、800人に上る雇用と生活がかかっている大問題であります。
 岩手県競馬は、昭和39年から、岩手県、奥州市、盛岡市の3団体で構成する、地方自治法に基づく地方公共団体たる一部事務組合によって実施されてきました。この間、昭和39年から平成10年度まで、35年間にわたり407億円の利益金を構成団体に配分し、財政への貢献を行ってきました。また、馬産県岩手として、古くから伝わる馬事文化がそれぞれの地域で継承されてきました。こうした土壌の上に、本県の競馬事業は、多くの人たちのたゆまぬ努力によって地域経済へ大きく貢献し、直接・間接的波及効果をもたらしてきたものであります。
 しかしながら、近年、盛岡競馬場の整備等に伴う起債残高に加え、売り上げの減少が続き、平成18年度末には負債総額が330億円に達するに至りました。特にも、多額の単年度赤字が発生した平成12年度において繰り上げ充用の措置をとり、以後、累積赤字増大の要因をつくり出したことはまことに残念であります。
 こうした状況を受けて、岩手県競馬組合は、昨年11月、新しい岩手県競馬組合改革計画を策定いたしました。これは、各位御承知のとおり、競馬事業存廃の基準を設定したことに伴いこれ以上金融機関からの借り入れはできなくなったことから、負債総額に見合う330億円を構成3団体がそれぞれ基金を造成して競馬組合に貸し付けを行い、負債整理を行った上、競馬事業を継続しようとするものであります。
 この計画を受けて県は、2月定例県議会に岩手競馬経営改善推進基金条例と、この基金造成をするための297億5、000万円の補正予算案が提案されました。内容は、基金造成にかかわって、岩手県分181億5、000万円と奥州市への貸付分67億5、000万円、盛岡市への貸付分48億5、000万円であります。しかし、これら関連議案は、3月15日、否決となりました。
 3月17日に県競馬組合議会が開催され、奥州市、盛岡両市長から、両市の基金造成分の市単独持ち出し分にそれぞれあと10億円を加算するとの表明がありました。このことによって、県の基金造成額は、両市に貸し付ける分20億円が減額となりますので、その分、県の3基金からの持ち出し分は少なくて済むことになります。確かに、両市においては、議会の議決を経て、奥州市は、単独持ち出し分15億円と県からの借入金67億5、000万円を合わせた82億5、000万円を基礎に基金は造成されております。盛岡市においても、同様、市単独分17億5、000万円、県からの借入分48億5、000万円で66億円を基礎とする基金を有しております。基金のないのは県だけであります。だから私どもは、県としても277億5、000万円の基金造成を行って、奥州と盛岡両市と力を合わせて競馬事業を継続させたいと願っているものであります。
 もし盛岡と奥州だけにこんな巨額な金を使うべきではないと考えるなら、県は、だれのための県か、これが問われることになります。よく言われているように、自助努力、自己責任論にはまり込み、県に対する不信感だけが残ってしまうでありましょう。この修正案がもし否決となるなら、奥州市、盛岡市は、今月末までに奥州市44億5、000万円、盛岡市35億6、000万円を工面しなければなりません。さらに、平成19年度以降数年間、3団体は約20億円ほどの負担を行わなければならないことになります。
 そして、雇用対策です。これも、盛岡、奥州の一部の地域の問題と考えることができるでしょうか。私の政治信条をいま一度申し上げます。一人の人間の生活を救えない者は140万県民の生活を救うことはできません。県競馬事業を継続するための今がラストチャンスであります。一度倒した競馬事業は再び立ち上げることはできません。国は許可しないでしょう。後で何とかなると考えてはなりません。
 どうか議員各位には、知事も答えているとおり、競馬事業継続の環境を整えて、勇気を持って進んでいこうではありませんか。ぜひ修正案並びに発議案に御賛同賜りますよう、お願いを申し上げまして賛成討論といたします。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(伊藤勢至君) これをもって討論を終結いたします。
〇議長(伊藤勢至君) この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後9時47分 休 憩
出席議員(44名)
2番 高 橋 博 之 君
3番 五日市   王 君
4番 小田島 峰 雄 君
5番 三 浦 陽 子 君
6番 中 平   均 君
8番 木戸口 英 司 君
9番 高 橋 比奈子 君
10番 高 橋 雪 文 君
11番 嵯 峨 壱 朗 君
13番 阿 部 敏 雄 君
14番 亀卦川 富 夫 君
15番 関 根 敏 伸 君
16番 野 田 武 則 君
17番 平 野 ユキ子 君
18番 大 宮 惇 幸 君
19番 千 葉 康一郎 君
20番 新居田 弘 文 君
21番 平   澄 芳 君
22番 工 藤 勝 子 君
23番 平 沼   健 君
25番 阿 部 富 雄 君
26番 斉 藤   信 君
27番 飯 澤   匡 君
28番 田 村   誠 君
29番 工 藤 大 輔 君
30番 佐々木 順 一 君
31番 佐々木   博 君
32番 及 川 幸 子 君
33番 樋 下 正 信 君
34番 柳 村 岩 見 君
35番 小野寺 研 一 君
36番 小野寺   好 君
39番 伊 沢 昌 弘 君
40番 小 原 宣 良 君
41番 佐々木 一 榮 君
42番 伊 藤 勢 至 君
43番 渡 辺 幸 貫 君
44番 高 橋 賢 輔 君
45番 千 葉   伝 君
46番 佐々木 大 和 君
47番 藤 原 泰次郎 君
48番 菊 池   勲 君
49番 藤 原 良 信 君
51番 佐々木 俊 夫 君
欠席議員(1名)
50番 佐 藤 正 春 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後10時40分 再 開
〇議長(伊藤勢至君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   日程第4 議案第1号平成18年度岩手県一般会計補正予算(第6号)、日程第5 議案第2号平成19年度岩手県一般会計補正予算(第1号)及び発議案第1号岩手競馬再生推進基金条例(続)
〇議長(伊藤勢至君) 日程第4、議案第1号、日程第5、議案第2号及び発議案第1号岩手競馬再生推進基金条例の議事を継続いたします。
 これより採決いたします。
 伊沢昌弘君外10人から提出された議案第1号に対する修正案、議案第2号に対する修正案及び発議案第1号を一括して採決いたします。
 この採決は、記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
   〔議場閉鎖〕
〇議長(伊藤勢至君) ただいまの出席議員数は43人であります。
 お諮りいたします。会議規則第28条第2項の規定により、立会人に及川幸子さん、高橋比奈子さん、亀卦川富夫君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、立会人に及川幸子さん、高橋比奈子さん、亀卦川富夫君を指名いたします。
 投票用紙を配付いたします。
 念のため申し上げます。各修正案及び発議案を可とする諸君は賛成と、否とする諸君は反対と記入するとともに、投票者の氏名を記入願います。
 なお、白票及び無効投票は棄権とみなし、出席議員数から除かれることとなりますので、御了承願います。
   〔投票用紙配付〕
〇議長(伊藤勢至君) 投票用紙の配付漏れはありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
   〔投票箱点検〕
〇議長(伊藤勢至君) 異状なしと認めます。
 これより投票に移ります。職員の点呼に応じて順次投票願います。
 点呼いたします。
   〔氏名点呼〕
   〔各員投票〕
〇議長(伊藤勢至君) 投票漏れはありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 開票を行います。
 及川幸子さん、高橋比奈子さん、亀卦川富夫君、立ち会いを願います。
   〔開票〕
〇議長(伊藤勢至君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数43票
 投票総数中
  賛成22票
  反対21票
 以上のとおり、賛成が多数であります。よって、各修正案及び発議案は、可決されました。(拍手)
 議場の閉鎖を解きます。
   〔議場開鎖〕
〔参照〕
  伊沢昌弘君外10名提出の議案第1号平成18年度一般会計補正予算(第6号)に対する修正案、議案第2号平成19年度一般会計補正予算(第1号)に対する修正案及び発議案第1号岩手競馬再生推進基金条例を可とする議員の氏名
  2番 高 橋 博 之 君
  9番 高 橋 比奈子 君
  10番 高 橋 雪 文 君
  13番 阿 部 敏 雄 君
  14番 亀卦川 富 夫 君
  17番 平 野 ユキ子 君
  19番 千 葉 康一郎 君
  20番 新居田 弘 文 君
  21番 平   澄 芳 君
  22番 工 藤 勝 子 君
  25番 阿 部 富 雄 君
  27番 飯 澤   匡 君
  28番 田 村   誠 君
  29番 工 藤 大 輔 君
  32番 及 川 幸 子 君
  33番 樋 下 正 信 君
  39番 伊 沢 昌 弘 君
  40番 小 原 宣 良 君
  43番 渡 辺 幸 貫 君
  45番 千 葉   伝 君
  47番 藤 原 泰次郎 君
  48番 菊 池   勲 君
  否とする議員の氏名
  3番 五日市   王 君
  4番 小田島 峰 雄 君
  5番 三 浦 陽 子 君
  6番 中 平   均 君
  8番 木戸口 英 司 君
  11番 嵯 峨 壱 朗 君
  15番 関 根 敏 伸 君
  16番 野 田 武 則 君
  18番 大 宮 惇 幸 君
  23番 平 沼   健 君
  26番 斉 藤   信 君
  30番 佐々木 順 一 君
  31番 佐々木   博 君
  34番 柳 村 岩 見 君
  35番 小野寺 研 一 君
  36番 小野寺   好 君
  41番 佐々木 一 榮 君
  44番 高 橋 賢 輔 君
  46番 佐々木 大 和 君
  49番 藤 原 良 信 君
  51番 佐々木 俊 夫 君
〇議長(伊藤勢至君) ただいま、議案第1号及び議案第2号については、修正案が可決されましたので、各原案は採決不要となりました。
   閉 会
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第24回県議会臨時会を閉会いたします。
   午後11時1分 閉 会

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