平成19年3月臨時会 第24回岩手県議会臨時会会議録

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〇39番(伊沢昌弘君) 政和・社民クラブの伊沢昌弘でございます。
 まず、発議案の提案を申し上げたいと思います。
 発議案第1号は、岩手競馬再生推進基金条例であります。
 さきの本会議における岩手競馬関連議案2件の否決を受けて、本年度末で岩手競馬を廃止する方針を固めたことに対し、再度臨時会の場において改めて確認をする必要があると判断するものであります。
 一つは、新たな赤字を出さない継続であること。二つ目は、県民負担が最小になること。この2点を満たすことができる場合に限って存続が許されるという考えに基づく330億円の融資案は、現実にとり得る最善の策であり、この融資案にまさる対策があるのか、改めて確認をしておきたいのであります。
 また、さきの3月17日の競馬組合議会において、競馬組合議会議員からの競馬事業の廃止の再考を求める意見が出されたこと、奥州市議会における岩手競馬の今後のあり方について慎重な対応を求める意見書の議決及び知事への提出、盛岡市議会における岩手競馬の今後の対応に関する決議がなされたこと。さらには、奥州市長及び盛岡市長が、県の財政調整基金について災害など万一の備えとして残高が確保できるよう、それぞれ自主財源10億円の積み増しを表明したこと。これらの動きに加え、これまでも各方面から寄せられていた財政調整基金の確保にも十分配慮する必要があると判断したこと。本発議案は、これらの点を十分に反映させたものであります。
 この条例について、さきに県当局が提案をした岩手競馬経営改善推進基金条例との違いは、奥州市が自主財源15億円に10億円を加えて25億円としたこと、盛岡市が自主財源17億5、000万円に10億円を加えて27億5、000万円としたことにより、県の負担額が297億5、000万円から20億円減額できることから、当基金の額を277億5、000万円とする定額運用基金を設置するものであります。
 また、当該基金を設置するに当たり、基金繰入金について、県債管理基金217億5、000万円及び公共施設等整備基金60億円とすることにより、財政調整基金の取り崩しを避けて災害などの万一の備えに対応できるよう、配慮したことであります。この結果、来年度末では、財政調整基金の残高は80億円を超える見込みが確保できるものであります。
 競馬事業廃止に伴っての2、000人にも及ぶ雇用の問題、さらには生活不安の問題、地域経済に与える影響、そして構成団体である奥州市及び盛岡市の財政運営に及ぼす重大な支障。準備もなく、突然の廃止に向けた方針決定は、県民負担を最小にするとした考えは、結果として、県民に多くの負担を強いることになりはしないか。さきに県議会において、構成団体からの岩手県競馬組合に対する330億円の融資案について、真の議論の深まりが本当になされたのか、理解不足はなかったのか、今一度、検証も必要であろうと考えるものであります。
 これらのことをしっかりと見据え、誤りのないようしっかり判断しなければならないことは、議員各位十二分に理解していただいているものと思っているところでございます。
 次に、議案第1号平成18年度岩手県一般会計補正予算(第6号)及び議案第2号平成19年度岩手県一般会計補正予算(第1号)に対する修正案について、あわせて提案理由を申し上げます。
 議案第1号平成18年度岩手県一般会計補正予算(第6号)について、原案は、本年度末で競馬事業を廃止する方針のもと、岩手県競馬組合が抱える債務の処理について、平成18年度末に返済または支払いが必要なものの額215億円のうち、構成団体からの融資37億円を除いた178億円について、競馬組合規約上の分賦として、県の負担分とする約98億円余を補正しようとするものであります。これに基づいて、奥州市は44億5、000万円、盛岡市においては35億6、000万円が必要となるものであります。
 これに対し、修正案は、発議案第1号の説明のとおり、岩手競馬再生推進基金設置に要する経費277億5、000万円を措置しようとするものであります。このことにより、奥州市は廃止スキームの中で、今申し上げた44億5千万円が25億円に19億5千万円の減となるものであります。盛岡市は、35億6、000万円が27億5千万円となり、8億1千万円の削減ができるものであります。
 まず、歳入予算について、12款繰入金2項基金繰入金1目基金繰入金は、岩手競馬再生推進基金繰出金の計上に伴う県債管理基金からの繰入金119億4、188万3、000円を増額し、県債管理基金の取崩額を217億5、000万円とするものであり、公共施設等整備基金繰入金60億円の増額と合わせて、新たに設置する基金への積み立てに要する繰出金277億5、000万円の財源を措置しようとするものであります。
 また、歳出予算について、6款農林水産業費2項畜産業費1目畜産総務費は、岩手県競馬組合負担金98億811万7、000円を減額するとともに、岩手競馬再生推進基金繰出金277億5、000万円を増額しようとするものであります。
 次に、議案第2号平成19年度岩手県一般会計補正予算(第1号)については、原案は、新年度における岩手県競馬組合の当面必要とする人件費などの義務的経費約2億7、000万円について、競馬組合規約上の分賦として県の負担とする1億4、715万2、000円を追加補正しようとするものであり、また、競馬組合解散時まで継続して貸し付けようとする27億円の貸付金など、計28億7、000万円余について補正しようとするものであります。
 これに対して、修正案は、発議案第1号及び議案第1号に係る修正案により、岩手競馬再生推進基金が設置されこれらの経費は不要となるものであることから、それぞれ所要の整理を行うものであります。
 まず、歳入予算は、10款財産収入1項財産運用収入2目利子及び配当金について、当該基金設置に伴い、岩手競馬再生推進基金運用益8、325万円を増額するとともに、当該基金設置の際に活用が図られた県債管理基金及び公共施設等整備基金の残額に移動が生じることから、その運用益について、県債管理基金運用益1、802万7、000円及び公共施設等整備基金運用益924万円を減額しようとするものであります。また、12款繰入金2項基金繰入金1目基金繰入金は、県債管理基金繰入金2億3、040万2、000円の減額、14款諸収入4項貸付金元利収入1目貸付金元利収入の27億円は、その全額を減額するものであります。
 一方、歳出予算につきましては、2款総務費1項総務管理費4目財政管理費は、公共施設等整備基金運用益の減額に伴い、その積み立てに要する経費924万円を減額するものであり、6款農林水産業費2項畜産業費1目畜産総務費は、岩手県競馬組合負担金1億4、715万2、000円及び岩手県競馬組合貸付金27億円を減額するものであり、12款公債費1項公債費3目公債諸費は、県債管理基金運用益の減額に伴い、その積み立てに要する経費1、802万7、000円を減額しようとするものであります。
 以上、岩手競馬存続のため、発議案第1号、議案第1号平成18年度岩手県一般会計補正予算(第6号)修正案及び議案第2号平成19年度岩手県一般会計補正予算(第1号)修正案の提案理由の説明とさせていただきます。
 なお、さきの県議会予算特別委員会等での審議の中で、新しい岩手県競馬組合改革計画に対するその実行性について多くの議論が交わされましたが、議員各位の賛同のもとで、岩手競馬の存続が実現した場合には、健全な経営を存続するための競馬経営の検証機関等を設置し、あらゆる角度から検討を進めるべきであります。
 重ねて、地域経済に対する影響と多くの関係者の雇用と生活を守るためにも、岩手県競馬組合の存続に向け、議員各位の御賛同を賜りますよう、伏してお願いを申し上げるところでございます。
 以上で提案理由の説明にかえます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(伊藤勢至君) これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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