平成12年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第2号、第7号、第17号、第21号、第24号から第29号、第33号に反対の討論を行います。
 議案第1号岩手県部設置条例は、県行政の機能とあり方を変更、改編しようとするものであります。県民にとっても県職員にとっても極めて重大な課題にもかかわらず、県民の声や疑問、県職員の声や意見を十分聞いて提案されたものではありませんでした。こうした提案こそ情報公開とパブリック・コメントを実施すべきではなかったでしょうか。特に農林水産部の統合は県民が求めるきめ細かな対応を一層困難にし、リストラの危険を指摘しなければなりません。農業改良普及センターは地方振興局農政部に組み込むのではなく、営農指導の一層の強化を図るべきであります。県営工事の入札は総務部に移管されますが、委託契約を含めて移管すべきであります。また、公共事業の評価制度については、事業の必要性、採算性、環境への影響の三つの点で民主的で実効性ある事業評価制度を確立するように求めるものであります。
 議案第2号は、大店法の廃止によって岩手県大規模小売店舗審議会条例を廃止するものであります。大店法の廃止は世界の流れに逆行し大型店の無秩序な進出と、地元商店街、地域経済を一層困難に追い込むものであり反対するものであります。
 議案第7号は、岩手県立学校設置条例の一部を改正するものであります。宮古養護学校高等部の設置は当然でありますが、毎年来年度の入試の直前に学科の改編と学級の増減を行っていますが、これは極めて場当たり的で合理性と系統性に欠けたものであります。今求められていることは、多様な学科の改編ではなく、基本的な学科を重視し、授業内容の改善そのものであります。
 議案第17号は、県営住宅の明渡し及び滞納家賃等の支払に係る訴えの提起に関するものであります。これまでの多額の滞納は許されるものではありませんが、最近の収入と生活実態を見るなら、生活相談と福祉的対応も求められているものであります。訴訟を乱発することなく他部との連携を図り解決されるよう望むものであります。
 議案第10号から15号までは、県営建設工事の請負契約案件であります。私が本会議での質疑で取り上げたように、落札額は設計金額に対し95.9%から96.3%と予定価格に接近し、適正な競争がなされたとは考えにくいものであります。特に一般国道107号杉名畑第1号トンネル築造工事については、入札前から総選挙絡みで談合が指摘され、そのとおりの地元業者が落札したものであり、今回は継続審査とのことですが、知事と県土木部に厳正な対応を求めるものであります。
 議案第21号は、2000年度岩手県一般会計補正予算であります。その内容は、破綻済みの国の経済対策に追随して172億円余の公共事業のばらまき、積み増しを中心とした223億円余の補正をしようとするものであります。農家が今、米と野菜の価格暴落に苦しんでいるときに、圃場整備事業に21億円、農道整備事業に16億円もばらまくようなやり方は、県民不在の県政そのものではないでしょうか。学校現場では授業がよくわかる子供が小学校では4人に1人、中学校では21人に1人、高校では30人に1人しかいない深刻な状況に対し、30億円余で県立の各学級に2台のパソコンを配備する事業は、維持費が年間3億円かかり、教える教師も少ないもとでなぜ急ぐ必要があるのでしょうか。小学校、中学校の1年生から30人学級を実現すれば、28億円で225学級ふやし、336人の教員をふやすことができます。こうした対策こそ父母と子供、教師や学生が求めているのではないでしょうか。また、PCB使用の照明器具はことし3月の調査で県立6校と22市町村で使用されていました。放置されてきたことは重大であります。こうした問題こそ補正で対応すべきだったのではないでしょうか。年内の解決を強く求めるものであります。今回の補正の結果、県の借金残高は1兆2、223億円となり、前年度末と比べ1、014億円も借金をふやすことになります。これは県民1人当たり86万円余、4人家族なら345万円の借金を押しつけるもので、財政危機を一層深刻にするものであります。
 議案第24号、第29号、第32号は、補正予算にかかわる県職員と教職員等の給与を改定するものであります。昨年に続く期末手当の0.2カ月分カットで、実質0.5カ月分のボーナスがカットされ、給与改定は見送られました。労働基本権の代償措置である人事委員会の勧告制度をみずから投げ出す最悪のものであります。40歳の係長クラスで18万4、000円の減収、2万8、000人の県職員全体では50億7、600万円の減収となり、その地域経済への波及効果はマイナス74億6、400万円となるものであります。扶養手当の改定を11月1日実施したことも全国に例がないやり方であります。55歳からの昇給停止は生涯で約190万円の減収となる不当なものであります。また、職員の再任用制度は年金改悪のもとで必要な制度ではありますが、公平な採用の基準と待遇を求めるとともに、定数外として新採用の障害とならないように求めるものであります。
 議案第25号から第28号は、建設事業に要する経費の一部を市町村に負担させるものであり、反対するものであります。
 以上、反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(山内隆文君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号、議案第2号、議案第7号、議案第17号、議案第21号、議案第24号から議案第29号まで及び議案第33号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第2号、議案第7号、議案第17号、議案第21号、議案第24号から議案第29号まで及び議案第33号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第3号から議案第6号まで、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第16号まで、議案第18号から議案第20号まで、議案第22号、議案第23号、議案第30号から議案第32号まで、議案第34号及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第3号から議案第6号まで、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第16号まで、議案第18号から議案第20号まで、議案第22号、議案第23号、議案第30号から議案第32号まで、議案第34号及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
  
日程第35 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第35、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 警察活動について
環境福祉委員会
受理
番号
件  名
35学童保育制度の充実を求める請願
3730人以下学級実現を中心とする、ゆきとどいた教育をすすめる請願

商工文教委員会
受理
番号
件  名
3830人以下学級実現を中心とする、ゆきとどいた教育をすすめる請願
39増田知事の私学振興公約の早期実施を要望する請願

農林水産委員会
受理
番号
件  名
29米価の下落を抑えるため、自主流通米の値幅制限の復活を求める請願

土木委員会
受理
番号
件  名
10一般国道107号杉名畑第1号トンネル築造工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて

 お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(山内隆文君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
  
日程第36 認定第1号平成11年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第47 認定第12号平成11年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第36、認定第1号から日程第47、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。佐々木決算特別委員長。
   〔決算特別委員長佐々木大和君登壇〕

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