平成13年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成13年3月22日(木)
   

1開会    午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長      和美宏幸
議事課長      熊谷素紀
議事課長補佐    千田正和
主任議事管理主査  浅田和夫
議事管理主査    浅沼 聡
議事管理主査    森 達也
議事管理主査    熊谷正則
議事管理主査    下山義彦

1説明員
土木部長      竹内重徳
土木部次長     小田島 栄
土木技監兼土木次長 猪股 純
土木部次長     吉田直博
総務課長      法貴 敬
用地監       鶴田修三
道路建設課長    阿部丕顕
道路維持課長    小田嶋 正憲
都市計画課長    本間義昭
下水道課長     茅野拓治
河川課長      橋本義春
河川開発監     海野 伸
港湾課長      沖 正博
砂防課長      小林昭彦
建築住宅課長    村主英明
建築指導監     鍋倉孝行
建設振興課長    藤尾善一
技術管理課長    佐藤榮一
企業局長      小笠原 佑一
企業局次長     仙石 隆夫
企業局技師長    及川 二千朗
総務課長      田中 幸四郎
風力発電開発室長  武蔵岩夫
財務管理課長    山火隆三
業務課長      壽 忠彌
財政課長      池田克典
   

〇中屋敷十委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第31号から議案第38号まで、議案第40号、議案第42号、議案第46号、議案第48号、議案第50号及び議案第51号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、土木部及び企業局関係の質疑を行い、その後、議案35件について、意見の取りまとめをいたしたいと思いますので、御了承願います。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保証するため、質疑項目が複数ある場合、関連する事項については、できるだけまとめて質疑されるとともに、質疑及び答弁は、簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査を終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう、御協力をお願いいたします。
 最初に、土木部長から、土木部関係の説明を求めます。

〇竹内土木部長 それでは、県土整備部関係の議案について御説明を申し上げます。
 まず、議案第1号平成13年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の8ページをお開き願います。
 県土整備部関係予算は、8款土木費の1項土木管理費から6項住宅費までの1、429億4、042万円余と、次のページに参りまして、11款災害復旧費のうち2項土木施設災害復旧費100億2、455万円を合わせました1、529億6、497万円余であります。この予算規模につきましては、前年度当初予算に比較して、土木費で12億4、613万円余の増額、率にして0.9%の増となっております。災害復旧費を合わせた県土整備部所管の一般会計では、19億4、806万円余の減額、率にして1.3%の減となっております。また、一般会計予算の総額に対し、県土整備部関係予算の占める割合は16.9%となっております。
 以下、予算の内容につきまして、予算に関する説明書により御説明申し上げます。金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
 予算に関する説明書の207ページをお開き願います。8款土木費についてでありますが、1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費のほか、港湾整備事業特別会計等の建設事業などに対する繰出金等であります。次に、208ページの2目建設業指導監督費は、建設業者等の指導監督に要する経費等であります。なお、組織再編により工事の入札執行等に関する事務が土木部から総務部に移管されるに当たり、県営建設工事請負人の選定等に要する経費は、86ページの2款総務費1項総務管理費1目一般管理費に計上しているものであります。208ページに戻りまして、3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査等に要する経費、並びに建築確認事務等に要する経費等であります。次のページの4目空港費は、花巻空港滑走路の2、500メートル延長整備に係る滑走路延長の盛り土工事、並びにターミナル地域の用地造成工事等に要する経費等であります。
 次に、210ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費などの管理運営費のほか、市町村道の整備を促進するため、整備費の一部を助成する経費等であります。2目道路維持費は、歩行者等の安全を確保するため、歩道等の交通安全施設の整備並びに道路施設の維持管理等に要する経費のほか、駐車場やトイレ等を備えた休憩施設としての道の駅整備に要する経費等であります。次のページの3目道路新設改良費は、道路交通の円滑化や災害に強い道路の整備を図るため、道路の改築並びに道路防災等の工事を実施しようとするものであります。主なものといたしましては、県内の主要道路の大規模な改良舗装工事等を一体的に実施し、交通の円滑化を図るための道路改築事業、安全で快適な通行空間の確保や都市災害の防止及び都市景観の向上を図る電線共同溝整備事業、そして補助事業と県単独事業を効果的に組み合わせて、県道及び市町村道を早急に整備する地方特定道路整備事業等であります。主な新規事業といたしましては、生活空間の一部として、歩行者にとって道路をより安全で快適なものとするため、路肩部の改良を行う道路歩行環境整備事業、また、県北・沿岸地域等における地域づくりを支援するため、地方振興局のプロジェクト事業と一体となって、県道、農道、林道等のネットワークを整備するための地域振興支援道路ネットワーク整備事業等に要する経費であります。次に、212ページをお開き願います。4目橋りょう維持費は、橋梁維持修繕に要する経費であり、5目橋りょう新設改良費は、緊急輸送路にかかる橋梁の耐震補強及び車両の大型化に対応した橋梁の補強や落橋防止対策を緊急に実施する経費等であります。次のページの6目高速道路対策費は、日本道路公団からの委託を受けて行う東北横断自動車道釜石秋田線のうち、宮守-東和間の用地取得事務等に要する経費であります。
 次に、214ページをお開き願います。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川管理等に要する経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金であります。2目河川改良費は、災害を防止するため、主要河川の築堤護岸等の改良工事や三陸沿岸河川の水門、防潮堤など、高潮災害の防止に要する経費のほか、激甚な災害が発生した軽米町雪谷川の緊急的かつ集中的治水対策を実施する河川災害復旧等関連緊急事業、並びに河川災害復旧助成事業に要する経費等であります。次のページの3目砂防費は、通常の砂防事業や火山地域における土砂流出等からの災害を防止する火山砂防事業のほか、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業に要する経費等であります。次に、216ページをお開き願います。4目海岸保全費は、高潮や津波による災害を防止するための海岸高潮対策事業のほか、海浜利用の増進を図る海岸環境整備事業に要する経費等であり、5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集、伝達するための施設整備に要する経費等であります。6目河川総合開発費は、鷹生ダム、簗川ダム、津付ダム並びに遠野第2ダムの建設等に要する経費であり、直轄ダム建設事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業費の県負担金であります。
 次に、219ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の維持管理に要する経費等であります。2目港湾建設費は、釜石港ほか4港の港湾改修工事等に要する経費であり、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する港湾施設整備事業の県負担金であります。
 次に、221ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費は、職員の人件費などの管理運営費のほか、御所湖並びに花巻広域公園の管理に要する経費等であります。2目街路事業費は、都市交通の確保等を図るため、市街地における県道の拡幅、改良等を実施する街路事業や都市基盤施設と宅地との一体的な整備を行う土地区画整理事業、都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業に要する経費等のほか、222ページでありますが、市街地における歩道の段差・勾配等を解消し、高齢者や障害者等の移動の利便性・安全性を向上させるため平成13年度に創設した歩行空間バリアフリー化推進モデル街路事業に要する経費であります。次に、同じく222ページでありますが、3目下水道事業費は、下水道の処理場などの根幹的施設の建設を県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業に要する経費のほか、市町村の下水道整備を促進するため、下水道事業債の元利償還に充てるための減債基金等への補助に要する経費等であります。また、平成13年度創設した、汚水処理施設の効率的な整備や普及率の向上を図るため公共下水道事業と農業集落排水事業との連携の可能性を調査する汚水処理連携モデル調査費であります。
 次に、224ページをお開き願います。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等の維持管理に要する経費等であります。2目住宅建設費は、県営住宅の建設事業のほか、既設の狭小な3戸の住宅を2戸に改造し、居住水準の向上を図る既設公営住宅改善事業に要する経費等であります。
 次に、少し飛びまして260ページをお開き願います。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び2目港湾災害復旧費は、過年災害並びに現年災害の災害復旧工事の実施に要する経費等であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。
 第2表債務負担行為の表中、14ページの40番から次のページの52番までの13件が県土整備部所管に係るものであります。これらは、ダム建設事業に係る代替地取得資金の融通に伴う利子補給、地域優良分譲住宅制度による資金の融通に伴う利子補給補助、並びに道路改築事業など、工期等が翌年度以降にわたる事業について、それぞれの期間及び限度額を定めて、債務を負担しようとするものであります。
 一般会計につきましては、以上のとおりでありますが、平成13年度の予算編成に当たりましては、昨年3月策定いたしました総合計画の部門別計画であります岩手県住宅・土木基本計画に基づき、岩手県総合計画に掲げる五つの社会の実現に向けて、各分野の取り組みを積極的に進めてまいる考えであります。
 また、限られた財源の中で、効率的、効果的な事業の実施が求められておりますことから、費用対効果分析手法の一つであります費用便益比を基本に地域の特性をも踏まえながら、緊急性、必要性や熟度を加味して事業箇所ごとに総合評価を行ったところであります。
 次に、特別会計4件について御説明を申し上げます。
 同じく、議案その1の36ページをお開き願います。議案第8号平成13年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ28億9、141万円余であります。
 まず、歳入について御説明申し上げます。次のページの1款財産収入は、先行取得した公共用地の売り払い収入等であり、3款県債は、用地取得事業費に充当するものであります。
 次に、38ページの歳出でありますが、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であり、3款土地取得事業費は、遠野第2ダム建設事業に伴う用地取得等に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、これは、補助事業用地取得事業費に充当するものであります。
 次に、41ページをお開き願います。議案第10号平成13年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算総額は、歳入歳出それぞれ106億7、465万円余であります。
 次に、42ページをお開き願います。まず、歳入の主なものについて御説明申し上げます。
 1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村からの管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に対する国庫補助金であります。
 4款繰入金は、建設事業費及び県債の元利償還費に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものであります。
 次のページの歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、各終末処理場の施設及び幹線の管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、第2表債務負担行為でありますが、これは、小岩井幹線等の管渠及び都南浄化センターの水処理施設等の工事について、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、第3表地方債でありますが、これは、流域下水道建設事業費に充当するものであります。
 次に、44ページをお開き願います。議案第11号平成13年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ26億727万円余であります。
 次のページの歳入の主なものについて御説明申し上げます。
 1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料であり、3款繰入金は、県債の元利償還費に充当するものであります。
 6款県債は、港湾施設整備事業等に充当するものであります。
 次に、46ページの歳出でありますが、1款事業費は、大船渡港及び小本港の港湾施設整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業費に充当するものであります。
 次に、47ページの議案第12号平成13年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ1億1、798万円余であります。
 次に、48ページをお開き願います。まず、歳入の主なものについてでありますが、1款使用料及び手数料は、ゴルフ場の使用料であり、2款繰入金は、県債の元利償還費に充当するものであります。
 次に、歳出でありますが、1款県民ゴルフ場事業費は、県民ゴルフ場の管理に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、予算議案以外の議案について御説明を申し上げます。
 ちょっと飛びまして、79ページをお開き願います。議案第20号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成13年度において実施しようとする建設事業の一部を89ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、90ページをお開き願います。議案第21号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成13年度において実施しようとする都南処理区等の管理運営費並びに建設事業の一部を93ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、条例関係議案について御説明申し上げます。
 議案その2の44ページをお開き願います。議案第35号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてでありますが、県土整備部関係の手数料改正については、59ページをお開き願います。第2条中、別表第8中の改正は、岩手県部設置条例の全部改定に伴い所要の整備を行うものであります。
 66ページをお開き願います。第3条は、都市計画法の一部改正に伴い、所要の整理を行うものであり、第4条は、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律の施行に伴い、解体工事業者登録申請手数料等を新たに定めようとするものであります。
 最後になりますけれども、86ページをお開き願います。議案第48号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてでありますが、岩手県営運動公園陸上競技場の個人使用に係る使用料の額を定めようとするものであります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願いを申し上げます。

〇中屋敷十委員長 ただいまの説明に対し、質疑ありませんか。

〇谷藤裕明委員 大きく3点についてお聞かせをいただきたいと思います。
 まず最初に、歩道の設置率についてお聞かせいただきたいと思いますけれども、歩道なんかでも非常に痛ましい、通学中の子供たちの中に車が突っ込んでいったとか、いろんなことで痛ましい事故等に触れるわけでありますけれども、そういう意味でも非常に歩道の確保というもの、これは非常に大切なことだなということを感じるわけでありますけれども、いろいろ今までも整備を進めてきていると思いますけれども、設置の目標、それぞれ年度ごとに決めてあるのだろうと思いますけれども、13年度の整備の見通しはどのように立てておられるか。
 それから、今回、道路構造令というのが今、閣議で最終決定されるところになるのかなと思っていますけれども、その辺、都市部に新設される道路ですね、これらについて車道と自転車道と歩道とこの3段階に分けて、三つに分けると言うんですかね、そういう整備をしていこうということが、これから打ち出されていこうとしているようですけれども、こうなった場合にこの改正の中から設置率というのはどういう影響を受けてくるものなのかなということ。それから、都市部ということになっていますけれども、県内ではそうなった場合に対象となる地域というのはどういうところが考えられていくのかなと思うわけですけれども、わかっている範囲で、あればお知らせいただきたいと思います。
 それから、これらが正式にスタートするということになると、その歩道と自転車道、今歩道のところに自転車道も一緒になって走ったりしている部分あります。これを完全に分離するようにというようなことを国土交通省の方では打ち出していこうとしているようですけれども、そのときに県としてはそこに対応していけるものなのかどうかという部分もあろうかと思いますけれども、その辺の考え方をまずお聞かせいただきたいなと思います。

〇竹内土木部長 まず、県管理道路における歩道整備の見通しについてでございますが、この歩道の整備につきましては、御案内のように都市計画街路事業や道路の新設改良事業、それと交通安全施設整備事業などで実施しておりまして、平成12年4月1日現在の歩道整備率は、延長1、377.8キロメートルで、整備率が32.5%になっております。これは平成11年度に対して約1ポイントの伸びになっております。この整備に当りましては、これまで年間約40キロメートル程度──4万メートルぐらいですね──の整備を図ることとしておりまして、平成13年度につきましては、設置延長約50キロメートルを予定しているところでございます。新しい総合計画におきましては、快適に安心して暮らせる社会の実現のために、人家連檐部や学校の周辺などの歩道整備を重点的に進めることとしておりまして、目標年次である平成22年度までには、県管理道路総延長4、230キロメートルございますが、これのうち1、870キロメートルの歩道を設置することを目指しているところでございます。
 次に、道路構造令の改正に関するお尋ねでございましたが、この改正のために、本年2月、国土交通省が公表した検討案におきましては、幹線道路について自転車道と歩道を併設する場合は、自転車道の幅は2メートル、歩道の幅は2メートルから3.5メートルというふうに参考表示されております。合計4メートルから5.5メートル程度の分離した自転車及び歩行者空間が必要になることが想定されております。本県の場合、都市内の幹線道路は、これまで幅員をおおむね3.5メートル以上を確保して都市計画決定をしておりまして、また、道路の新設改良事業におきましても、最近は3.5メートルを確保してきておりますが、交通安全施設整備事業は、これまで地域事情に応じた幅員のとり方をしてきておりますので、地域によっては影響度合が大きくなってくることも考えられます。対象となる地域がどの辺かというお話ございましたが、都市部と言いますと基本的には都市計画を決定している地域の用途地域が都市部というものの大体概念になると考えておりまして、その中の幹線道路という取り扱いになるのではないかと考えております。道路構造令の改正がまだ決定いたしておりませんので、現時点では交通量に対応した幅員などの具体的な構造基準が示されておりません。歩道の整備率についてはこれがどういったような影響を及ぼすかは、今後この構造令の基準の決定を待ちまして検討してまいりたいと考えております。
 それから、これが改正された後は、本県に対する影響はどうかというお話でしたが、これは本県の道路事情とか歩道の整備状況を踏まえながら、この新しい構造基準に照らしまして、歩道と自転車道の分離などについて検討をしてまいりたいと、そのように考えております。

〇谷藤裕明委員 いずれそういうものが最終的に決定されれば、それに準じたもので対応していくとなると、今までの部分をかなり見直しもしていかなければならない部分も時としては出てくるのかなと思いますけれども、ひとつ交通安全上の問題にもかかわることでございますので、その辺をしっかり検討して対応してほしいと思います。
 それから次に、大分雪解けも進んできまして随分舗装関係の破損箇所も大分表に出てきたように思いますけれども、最近、県の管理している道路でも穴ぼこなどで車両に傷がついたとかいうことの問題で、損害賠償を求められるというようなケースが出てきているというように聞いておるわけでありますけれども、最近のそれらの傾向というか、道路の管理の瑕疵による損害賠償とその今の状況というか、そういうものどういうふうになってきているのか、お聞かせいただきたいと思います。

〇小田島道路維持課長 道路の管理瑕疵に関しましてのお尋ねでございますが、平成12年度におきましては、20件の事故が今議会に報告してございます。その内訳といたしましては、落石・のり面などによるものが9件と、お尋ねの穴ぼこによるものが6件ということで14万4、000円ほどの金額の賠償になってございます。さらに、倒木あるいは枝の落下などによるものが5件という内訳になってございまして、平成11年度と比較いたしますと3件ほど減になってございます。なお、過去5年間の事故報告件数でございますが、平成8年度が4件、平成9年度が15件、平成10年度が22件、平成11年度が23件と、過去5年間の平均件数は17件ほどでございますが、平成12年度はこれを上回っているという状況でございます。

〇谷藤裕明委員 そんなにまだ多くの数のようではありませんけれども、いずれ原因が何かというのはなかなか走行中の判断というのは非常に難しい部分もあるとは思いますけれども、原因が県道の穴ぼこによってそういう、事故ではないけれども破損につながったということで訴えられるというか、そういう場面というのも結構これから出てくるのかなと思ったりもするので、心配をしてお聞きしたわけですけれども、舗装道の補修費というんですかね、こういう部分というのはこれから車社会ですからどんどんふえていくだろうと思いますけれども、12年度は21億円から25億円へと、大幅に補修費というのは増額したようですけれども、今後の本年度の見通しというか、その辺と、今後やはりこれらの部分にはきちんと対応していかなければならないと私は思うのですけれども、その辺の予算の確保の仕方というものに対する考え方、ちょっとお知らせいただきたいと思います。

〇小田島道路維持課長 舗装道補修についてでございますけれども、道路管理者といたしましては、常に良好な状態に道路を保つように維持、修繕に努めているところでございますけれども、本県におきましては、昭和50年から昭和60年にかけまして、年間約100キロメートルの舗装新設を行ってまいりました。これらが補修の時期に差しかかっているということから、平成12年度には、適切な維持管理を行うことを目的に舗装フレッシュアップ事業を創設いたしまして、壊れている舗装の打替え、あるいはひび割れの補修など、舗装の路面対策を実施しているところでございます。13年度におきます補修費の予算でございますが、対12年度当初比の6%アップの27億4、900万円を予定してございまして、今後とも安全で快適な道路環境の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

〇谷藤裕明委員 最後ですけれども、以前にも私取り上げたのですけれども、県庁の真向かいにある県営内丸駐車場ですね。予算に関する説明書の29ページにも土木使用料に載っている。4、300万円余の収入に対して、支出というか、駐車場管理費が4、600万円ということで、この表へ出ている部分だけでも300万円の赤字になっているわけで、実際の決算となるともろもろでもっとふえるのかもしれませんけれども、いずれこの県営の駐車場、昭和60年以降からずっとお聞きしていると、赤字がずっと続いてきている駐車場、県民に対しての利便性を図るという意味でそれなりの意味はあると思いますけれども、ずっと赤字が続いてきて、最高のときは平成2年に2、000万円の赤字を計上したという時期もあるようですけれども、そういう意味で、盛岡市内に駐車場が非常に不足しているということもあるので、それなりの役割は果たしているとは思いますけれども、それだったらもっと効率のいい駐車場につくり上げるとかも含めて、ここの駐車場をどのようにしていこうとしているのか。県として、ここまで県営の駐車場というのを確保しておく必要があるのかないのかも含めてその辺の考え方、今後の方針というものがあればお聞かせをいただきたいなと思っております。

〇法貴総務課長 県営内丸駐車場は、昭和45年10月1日に、駐車台数128台の規模で設置しておりますが、内丸地区の駐車場として主要な役割を果たして今日に至っております。しかしながら、その経営状況を見ますと、委員御案内のとおり、昭和60年度以来、本年度に至るまで設備の老朽化による不便さなどの要因から赤字の状態が続いております。この県営内丸駐車場は、内丸の官公庁施設地内における自動車の駐車需要に対応するため、都市計画決定を受けて設置したものであり、また平成8年度に盛岡市が行いました駐車場の需要予測ということもあるのですけれども、平成30年度の交通量を基礎とした駐車場の需要予測でございますが、なおその駐車場を廃止に至る結果というところまでは至っていなかったというところです。しかしながら、赤字経営をこのまま続けていいということはありませんので、内丸地区の駐車需要はどう変化していくのか、それから内丸地区のみならず、盛岡市内の駐車場の中で県営内丸駐車場がどうあるべきかなどの検討を行い、県営内丸駐車場のあり方がどうあればよいかについて検討を進めてまいりたいと考えています。

〇谷藤裕明委員 検討をしていくと、交通量も含めいろいろ需要というものを見ながら、ということは廃止ということもあり得るというような検討も含めてということを考えておられるのですか。

〇法貴総務課長 直ちに廃止ということになるかどうかもわかりませんけれども、いずれその台数がどれくらい必要なのかということからまず始めてみたいと思っていますので、直ちに今、廃止という言葉を申し上げることにはならないと思っています。

〇伊藤勢至委員 4点ありますので手短にお伺いをいたします。
 まず第1点は、三陸地方拠点都市地域についてであります。三陸地方拠点都市地域のアクションプログラムが平成9年9月に策定をされました。宮古市関連では広域的な行政機能を有する国の合同庁舎を中心として、商業、スポーツ・レクリエーション等の機能集積を図る宮古リフレッシュタウン拠点地区として、宮古駅周辺において広域交通の結節機能の強化及び周辺商店街の近代化を図り、中心都市にふさわしい都市機能を集積する宮古サーモンランドシティ拠点地区で重点的にまちづくりを行うこととしておるところであります。宮古リフレッシュタウン拠点地区では国の合同庁舎や総合体育館が整備され、また、当地区へのアクセス道路である県道宮古港線の整備も終了するなど、拠点地区として地域の活性化に大きく寄与しておりまして、感謝にたえないところであります。そしてさらに、この余勢を買ってもう一つの宮古サーモンランドシティ拠点地区、いわゆる末広町、駅前を中心とする宮古地域の中心地区として、都市機能を集積し活性化を図る必要があると思っておりますけれども、この拠点地区で計画をされている事業としては、県の支援事業として栄町の街路事業、市が行う市街地開発事業等があると思いますが、その進捗状況はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
 第2点は、宮古病院のアクセス道路についてであります。平成4年に新病院が開設をして以来の重大なテーマであります。特にも本年は積雪が多く、あるいはマイナス10度以下の日が3日も4日も続くなどして、築地からこの宮古病院に向かう道路がスリップ事故等で大渋滞を来したことが何度もありました。したがいまして、この宮古病院への市内からのアクセス道路というのは宮古市民のみならず新里村、川井村、つまり広域にかかわりましてこの宮古病院を利用する方々の命にかかわる重要な道路だと思っているわけでありますが、県代行で事業をするという言葉も若干あったように聞いておりますが、この動きが今どうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
 第3点目は、出崎埠頭の整備についてであります。宮古市ではタラソテラピーといいますか、海水を活用した入浴施設等を整備する方向で動いているようでありますけれども、県との連携、協調がどうなっているのか。つまりは、これはトータルとして地域を売り込む大きな事業だと思っておりますが、例えば、出崎の突端の埋め立てなど県との協議が順調に推移しているとは思えないところがありまして、このタラソテラピーだけが突出をしてやったら効果が上がらないのではないか、こういう意見もありますし、同時に、この地域にあくまでも集客を図るのだとすればゾーンで売り出すしかない。ここに単発的なものが出てしまいますと、例えば浄土ケ浜のターミナルビル、あるいは下がっていきましたところのレストハウス、こういった部分が連動しなくなって死んでしまうのでないかな、浄土ケ浜全体が死んでしまうのではないかなという思いもあるものですから、県との連携についてお示しをいただきたいと思います。
 それから、4点目は、宮古・盛岡横断道路のうち、西道路としての3.6キロメートルの今後の整備、取組状況はどうなっているか、お示しをいただきたいと思います。
 また、これに関連をいたしまして、いわゆる西道路から旧日本電工の跡地を経由して106号に接続する大きな橋を含む道路を、宮古市に負担をさせるという方向で進んでいるやに伺いますけれども、40億円もかかるこの大きな橋を含む道路というのは、宮古市にとりましては大変過重だと思っております。そういう中で盛岡市においては、中央大橋という部分は県道と県道を結ぶ道路だということから、県がやるようになったと聞いておりまして、そういう論法からいきますとこの部分も、まさに西道路も県が管理する道路、そして106号も県が管理する道路、県が管理する道路と県が管理する道路を結ぶのであれば、当然これは県にお願いをするべきが筋と思っているところであります。私は足らざるを憂えるのではなくて、等しからざるを憂えるという観点からお聞きをしているつもりであります。三陸縦貫道にかかわって陸前高田、大船渡、釜石、大槌、山田等の地区では、三陸縦貫道にかかわってのインター部分については、いずれの市町村も地元負担はゼロ円だと聞いておりまして、なぜ宮古市だけがこういう部分を押しつけられなければならないのか、言い方がちょっときついかもしれませんが、これは次に何を残すかという大きな議論だと思っておりまして、私の代ではできないかもしれませんが、次に残すものとして議論をしていかなければならない、こういう観点からお伺いをするものであります。そういう中で宮古市だけがあっちもこっちも道路道路と言うわけにはいかないと、こういうことでありましたならば、宮古病院アクセス道路の方が今、近々この地域の住民にとりましては優先順位がそっちが高いのではないか。つまり西道路から106号に入ってくる道路はまだ15年も先の、10年も先の部分だと思います。したがって、順番をつけてということになりますと、命にかかわる宮古広域圏の住民が希望している道路ということで、宮古病院アクセス道路の方が優先順位は高いのではないか、私はこのように思うわけでありますが、御見解をお示しいただきたい。

〇竹内土木部長 私から一番最後のお話と、それから宮古病院のアクセス道路についてお答え申し上げます。
 県立宮古病院へのアクセス道路につきましては、市道北部環状線ということで、現在、その一部区間、1キロメートルですけれども、宮古市が国庫補助事業によって整備を進めております。45号までの残る区間、まだ事業化していない区間が約1.6キロメートルございますけれども、大変地形条件が厳しくトンネル等が必要と考えられますことから、宮古市では県事業として整備してほしいという要請を県に対してしてございます。
 この道路は、都市内の生活道路としての機能を持つ路線でございますが、一方では、市街地の環状道路の一部を構成する重要な市道、お話しがございましたように宮古病院にアクセスするということになっておりまして、事業規模も大変大きいということでございますので、その整備につきましては、県代行事業も視野に入れてその支援方策を総合的に検討していきたいということを考えておりまして、最後にお話しございました命にかかわる道路、緊急を要するのではないかというお話もございました。現在、県においてこのルートの検討を進めているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、担当課長の方からお答え申し上げます。

〇本間都市計画課長 三陸地方拠点都市地域のアクションプログラムにつきましてお答えいたします。
 宮古サーモンランドシティ拠点地区の整備状況についてでありますが、初めに、県事業として進めております都市計画道路宮古港線の栄町地区の街路事業は、延長約450メートル、幅員16メートル、総事業費約19億円の事業として平成7年度に事業着手し、現在、用地交渉を進めているところでございます。今後、用地補償が順調に進みますれば、平成14年度には工事の着手ができる予定となるものでございます。本街路事業に関連いたしまして、都市計画道路和見・磯鶏線の栄町から和見間、延長約170メートルの整備が平成9年度から宮古市によって進められており、この事業との連携を図りながら、計画的に推進してまいることとしております。
 次に、市事業についてでありますが、末広町地区市街地再開発事業につきましては、平成8年度に調査を実施いたしましたが、土地区画整理事業を初め、事業化に向けての関係権利者間の合意形成に至っていない状況であり、宮古市では他の事業手法も視野に入れて、今後地元商店街や関係権利者との調整を行っていくと伺っているところでございます。また、駅南北地区まちづくり総合支援事業につきましては、末広町地区のまちづくりと密接に関連いたしますことから、いまだ着手していない状況でございます。今後、末広町地区のまちづくりにあわせて検討すると伺っております。地方拠点都市地域整備アクションプログラムの計画期間は、平成8年度から17年度までの10年間となっておりますが、近々策定が予定されております中心市街地活性化基本計画との整合を図りながら、プログラムの見直しを含め、宮古市に対して計画的なまちづくりの推進のため、適切な助言をしてまいりたいと考えてございます。

〇沖港湾課長 宮古市の進めている出崎地区の開発計画についてお答えいたします。
 宮古市では平成12年度までに、県とも協議しながら、港湾機能や多様な観光施設を活用した産業振興、そして広域観光の振興、また、交流拠点の創出などを目標として出崎地区の開発を計画したところであります。この計画では、県が既に整備済みの港湾関連用地内に地場産品の販売や、体験学習などを行う広域総合交流促進施設や、タラソテラピー館などを整備することとしております。市では、平成13年度にはこれらの施設について具体的な実施設計を行うこととしておりまして、このうち広域総合交流促進施設については、宮古市が国庫補助事業の採択を目指して国に要望しているところであります。県といたしましては、これまでも宮古市と連携しながら、交流拠点となる観光船の発着を目的とした出崎埠頭の整備を進めてきたところでありますが、今後ともこの整備促進に努めてまいりたいと考えております。

〇阿部道路建設課長 宮古西道路とそれから閉伊川をまたぐ橋の関係についてお答えを申し上げます。
 宮古西道路でございますけれども、平成11年12月に地域高規格道路の整備区間ということで指定を受けまして、平成12年度に新規着工準備箇所として採択されております。現在これらの区間につきまして、三陸縦貫の宮古道路と一体となりまして環境影響評価の手続をいろいろ進めておりまして、本年2月9日にはその環境影響評価の方法書の縦覧を開始したところでございます。これからこの環境影響評価の諸手続、あるいは都市計画決定の手続等を進めてまいりまして、平成15年初めのころを目途に都市計画決定に持ち込むという目標で現在進めているところでございます。
 それから、閉伊川をまたぐ橋を含めた道路の件でございますが、三陸縦貫自動車道の──仮称でございますけれども──宮古西インターチェンジへのアクセス道路となる宮古西道路から一般県道宮古港線までの道路につきましては、県が整備することということにしております。一方、この道路と接続して、閉伊川を越えて現国道106号に至る道路の新設につきましては、下流の小山田橋が既に交通容量を超えて混雑しているということなどの都市内の交通課題を処理するため、従来から宮古市が都市構造上必要な道路として、その整備を検討しているものでございます。県といたしましては、国や宮古市と連携を図りながら、宮古西道路とインターチェンジへのアクセス道路の整備に重点的に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。

〇伊藤勢至委員 閉伊川をまたぐ橋を含む道路について、従来から宮古市が検討してきた経緯があるとおっしゃいましたが、私は10年市議会議員をやってきましたが一度もそんな議論は聞いたことがない。深く静かに潜行していたのかどうかわかりませんが、そういう中で道路というものはやはりシンプル・イズ・ベスト、最短距離を最短で結ぶということが最も重要なのだと思っております。そういう中で、今回の仮にこの閉伊川をまたぐ橋をやることで動いたとしても、あるいはそれが完成をしたとしても、市内に入ってくる部分の利便性はそれは向上するかもしれませんが、北に抜けていくという部分を考えた場合は、これは45号が1本しかないのでありまして、何らその部分の解決にはなっていない。しかも、宮古病院に上がっていくあの道路はいつも冬場、観光シーズンには渋滞をすると、こういうことでありますので、そういうことを勘案して、15年後の議論、20年後の議論、しかし5年後、3年後の議論という部分の中で優先順位をぜひお考えをいただきたいと思うわけであります。
 そういう中で、宮古市には大変有名な全国に誇るべき観光の道路があると思います。三橋美智也という歌手を御存じでしょうか。彼が言いました。とんびがくるりと 輪をかいた ホーイノホイと、こういうのでありますが、宮古に向かいましてバイパスを入っていって釜石に向かうときには、市役所をぐるっと曲がってわざわざ円をかいて釜石に向かっていく。こういう道路は全国にないのだと思っております。むしろこれはとんびがくるりと輪をかいた道路と、観光的に売り出した道路の方がいいのではないか、そんなふうに実は思ったりしているのでありますが、そのような、人がかわろうと、為政者がかわろうとも、シンプル・イズ・ベストという部分は絶対に変わりがないもの、このように思いますので、時期的なスパンと近々の地域要望が高い部分とそんたくをされまして、ぜひひとつ近々の要望が高い、特にも命にかかわる部分を含む道路ということでお考えをいただきますように強く要望するわけでありますが、部長が何かお答えをしたい顔をしておられますから、一言お触れをいただきたいと思います。

〇竹内土木部長 大変お話の御趣旨は前にも承っておりまして、特に宮古西道路からのアクセスにつきましては、昨年12年度に新規着工路線になったばかりだということもございますので、当面は現在の形態で事業を推進していくことが大事ではないかと考えております。ただ、おっしゃるように北側の問題をどうするかというのは、これはまた重要な課題だと考えておりますので、今後ともいろいろ御指導、御支援をいただきながら取り組んでいきたいと、そのように思っています。
 それから、命の道については、極力頑張るようにしたいと思っております。

〇飯沢匡委員 それでは、簡潔に質問いたします。道路新設改良費に関連して国道284号、個別の話題で恐縮ですが、これは過去に昨年、菅原温士先輩委員、それから阿部委員も質問しておりますので、それを踏まえてお伺いいたすものであります。
 前置きはこれぐらいにしまして、前にも議論ありました沢地区の未改良部分について、1年たってどのような経過になっているのか、まずお尋ねいたします。

〇阿部道路建設課長 国道284号一関市沢地区の件でございますけれども、平成元年度から8年度までに実施しました4車線化工事区間内におきまして、1名の地権者の同意が得られずに、約160メートル区間が2車線のまま残っておりまして、交通ネックの状態になっております。この用地につきましては、地権者の方が遠隔地にお住まいになっていることもありまして、これまで電話とか手紙等でも相当回数の交渉を重ねてまいりましたけれども、今もって御理解をいただけないという状況にございます。このため法的措置を視野に入れまして、現在、その準備のため、隣接地権者からの聞き取りや、土地登記関係の検証を重ねるとともに、これまでの処理の錯誤等の訂正作業など、環境整備に取り組んでいるところでございます。この路線の重要性あるいは交通安全上からも、この交通ネックの解消は緊急の課題と考えておりますので、できるだけ早期に解決できますよう、引き続き最善の努力を続けてまいりたいと、そのように考えております。

〇飯沢匡委員 東磐井郡においてもおかげさまをもちまして薄衣バイパス、それから室根のバイパス、通称室根バイパスについても非常に進捗がこれから期待されるところであります。また、宮城県側においても国体を見据えて改良が進んでいると聞いております。一関までのルートでございますから、この部分が非常に重要なルートであるということは、国道343号と同時に三陸沿岸に至る重要な道路であると私も認識しておりますし、あとことしはさらに、私も大型トラックに乗って東側から西側に抜けるときに非常に危ない経験をしたこともありますし、事実ことし冬に随分最近事故の多発があったやにも聞いております。先ほどの答弁によりますと、次なる段階に進んだと、ということは強制執行に入ったと、次なる段階に入ったと理解してよろしいのでしょうか。

〇阿部道路建設課長 法的措置を視野に入れてということで、なお引き続き任意交渉の努力も続けながら、やっぱり限界もあるということで、法的措置の方の準備に入る、そのための現在、環境条件の整理をさせていただいているという状況でございます。

〇飯沢匡委員 ちょっと言葉に誤りがありましたけれども、強制執行という言葉でなくて、次なる段階ということで理解いたしましたので、引き続き努力をさせていただきたいと、このように思います。よろしくお願いします。

〇柳村岩見委員 岩手県が県が発注する建設工事で積算価格と著しく低額な受注が行われ、施工が進み、その施工商品が納入される、この場合、その施工過程において、あるいはまた納入、納品されるその商品、あるいはまた、その後のことなどにいろいろな懸念点が生ずると思います。どういった懸念点がこういったケースに生ずるのだろうかということをお尋ねしたいと思います。
 それから、入札における競争原理ということと、いわゆる積算と著しく低額なという、いわゆるダンピング受注ということとの、私は違うと思うのですが、その認識についてお尋ねをしたいと思います。
 それから、県では低入札価格調査制度というものがあると思いますが、これはどういう目的でできている制度でありましょうか。
 それから、もう一点は、そのほかに県では入札適正化指針というものを持っておられます。これはどういう目的のために持っておられる指針でありましょうか、まずそれをお尋ねいたします。

〇竹内土木部長 ダンピングというお尋ねがございましたけれども、どういったような影響が考えられるかということでございましたが、ダンピングというのは、私どもは通常は著しい低価格で入札を行って、一般の業者が通常の事業活動ができなくなるような状況の価格で入札することをダンピングではないかと考えております。そういう著しい低価格での入札、いわゆるダンピング入札は、建設業の健全な発展を阻害いたしますとともに、例えば、工事の手抜きなどによる品質の低下とか、あるいは下請へのしわ寄せ、労働条件の悪化、安全対策の不徹底といったものにつながりやすいという問題がありますことから、これはやはり今後とも排除に努めていく必要があると考えております。
 そういった視点で、私ども現在、低入札価格調査制度というのを運用しておりまして、これは、低価格の基準価格を定めまして、それを下回るような入札があった場合には、その入札の価格で適正な品質が確保できるかどうか、工事ができるかどうかを厳正に調査いたしまして、やれると確認すれば契約いたしますし、まずい、ちょっと無理だと考えられれば、これは契約をしないというような選択をすることになります。
 そういったことで、低価格入札調査制度を今後とも適正に運用しながら、ダンピングというものを防止していきたい、そのように考えてございます。

〇藤尾建設振興課長 お尋ねの適正化指針についてでございますが、昨年11月27日に公布されました入札契約適正化法の中に、適正な入札契約等を進めるべき国あるいは地方公共団体のとり行うべき場合のいわゆる指針といったようなものは、3月9日の閣議で決定されまして、今月、私どもの方にも通知が参っております。
 その指針におきましては、ダンピングの受注等につきまして、部長から答弁申し上げたような低入札価格調査制度等の適切な運用に努めてくださいといったような内容が盛り込まれておるものでございまして、私どもも、こういった適正化指針に沿って、今後適切な運用に努力してまいりたいと考えてございます。

〇柳村岩見委員 積算額に対して著しく低価格ということでありますが、著しくというのは言葉上、文言でありますが、それは数字上でどのくらいと表現できるものでしょうかということをお尋ねいたします。
 それから、今平成13年の予算を審議しておりますけれども、最近始まった調査制度だと思いますが、平成12年度、あるいはまた11年度などで、低入札価格調査制度を使って調査した実例がありましょうか。

〇藤尾建設振興課長 どういう場合が著しく低下しているかというお尋ねでございますけれども、いわゆる何%の入札価格であればダンピングであるといったような取り扱いは、国で示した適正化指針でもありませんで、こういう低入札価格調査制度の場合は、その前提といたしまして、入札参加業者から、工事費の内訳積算書というものを提出してもらってございます。したがいまして、その内容につきまして、私ども調査基準価格というものをあらかじめ設定いたしておりまして、それを下回った場合には、その内訳書の裏づけとなるものにつきまして調査いたしまして、果たしてその価格で契約内容の履行が確保できるかどうか等につきまして、いろいろヒアリング等の調査をいたすということになってございます。その結果、当該価格では工事はできないということであれば、それは委員がおっしゃるような、いわゆるダンピング価格というようなものではないかと考えております。
 いずれ、適正化指針におきましても、そういった内訳書を徴して、きちっと調査してくださいとなってございます。
 それから、これまでの調査の経緯でございますが、平成11年度におきましては1件ございました。それから、1月末現在、12年度におきましては16件ございます。そのような状況でございます。

〇柳村岩見委員 最近で言えば16件あったと、こういうことであります。
 こういう報道があります。つむじ風というコラム欄を要する建設業界紙の報道は、コラム欄は報道とは言わないんだろうと思いますが、低入札価格調査制度の運用の改善とダンピング防止について、建設業協会が増田知事に要望書を提出した。建設事業協会の各支部でも、地方振興局に要望を始めた。これを調査しますと、現実に建設業協会の3支部では、該当する地方振興局だと思いますが、そこにこの要望をしたという実績があるようであります。
 そのときに、要望者に対する答弁は、いわゆるたたき合いは業界の問題だから、自分たちで何とかしろと、そういう非常に突き放した話であったと。私はこれも調査いたしましたが、これは、要望した人からじかに取材した弁であるということであります。
 私思いますに、この調査制度というものは大変難しい制度であります。内訳書を提出してもらって、それがちゃんとなっていれば、幾ら安くてもできるという判断をせざるを得ない、そういう経過があります。しかし、指針があって、この調査制度が存在してあります。16件調査した、こういうことでありますから。
 そのほかに、この制度が難しいということと、もう一つは、総合的に考えてみますと、大船渡地方振興局における事例を持ち出すまでもなく、耳を傾けなくてもいいことには耳を傾け、傾けなければならないことに耳を傾けないという、要は16件の調査制度を使って調査したという実績があって、そして業界の方々がこういう要望をしたら、話だけはちゃんと聞いてあげればいいじゃないですか。そういう姿勢が大事だと思うんです。ということであります。
 本当に、聞かなくてもいいことには耳を傾け、聞かなきゃならないことは聞かない、こんなことでありますが、最後に部長に、これらのことに関する今後の取り組みについてお尋ねいたします。

〇竹内土木部長 お話のありました、日刊岩手建設工業新聞のコラムのことだと思います。私どももちょっと気にいたしまして調査をいたしまして、現在まで、北上、盛岡、花巻の地方振興局に各支部が要請を行っておるようでございます。一応、私どもの方でも各地方振興局に話を聞いておりますが、建設業協会支部側からは、会員企業としてダンピングの防止に取り組みたいというような御発言もあったようで、かなり率直な意見交換が行われたということを聞いております。地方振興局側も誠意を持って対応したと私ども話を聞いています。
 お話ございましたように、当然我々は、今お話のありました低価格調査制度を運用しておりますし、いろいろな意味で、聞くべきことと、聞かざることというのは、私どもは基本的には聞かざることというのはないのではないかと考えておりまして、あらゆる場合にお互いに、相互に忌憚のない意見交換をしながら、しっかり話を聞いて今後取り進めたい、このように考えておりますので、御理解賜りたいと思います。

〇阿部敏雄委員 道路整備に関連して2点お伺いいたします。
 主要地方道大槌・川井線の土坂トンネルが昨年計画発表がなされたわけでございますが、御承知のとおり、60年間、先住の方々が県に要望・陳情いたしまして、本当に町民一同これには感謝しております。しかし、いろいろな面で、今後どうなるんだろうということで、先月、県に対しまして、今回は早期着工、早期実現ということで要望されたわけでございますが、現在の状況について、また今後の見通しについてお聞かせくだされば、お願いいたします。
 次に、道路整備について、実は伊藤勢至委員の方から先ほど、北に道路が1本しかないと。大槌も釜石に行くのには1本の道路しかないわけでございまして、朝夕のラッシュは、前にも何度も質問したんですけれども、本当に積雪なんかの場合は4時間、5時間、あるときには7時間ぐらいかかって夜帰ってきたという実例もあるようでございまして、災害時の場合にも非常に大きな混乱が生じるのではないかと。そういうわけで、この90分構想と渋滞解消が地域の大きな課題でありますので、これについて現状と今後の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

〇竹内土木部長 土坂トンネルの整備についてでございますけれども、これまで概略の計画を策定いたしまして、昨年の7月には、御案内のように地域の皆様から御意見を聞きながら、調査ルートを決定いたしまして、現在、環境調査や測量設計を進めているところでございます。
 今後は、昨年地元にお示ししたルートに基づきまして、地元の皆様の御協力をいただきながら、道路の詳細設計、あるいは用地の調査といったものを進めまして、平成14年度までの間に用地取得などに着手できるように取り組んでまいりたいと、そのように考えています。

〇阿部道路建設課長 いわゆる90分構想と渋滞対策についてお答えいたします。
 釜石地区から県都圏までの90分構想の達成手段ということは、主に東北横断自動車道釜石・秋田線の高規格幹線道路を利用することを想定しておりまして、現在、東北横断自動車道は花巻から釜石に向けて建設中でございます。このうち、東和-花巻間は平成14年度の開通を目指して工事が進められておりますほか、国道283号仙人峠道路、これも平成18年度ごろの供用を目指して、現在トンネル工事等は進められているところでございます。
 この仙人峠道路の開通によりまして、所要時間が約21分短縮になると見込んでおりますけれども、釜石から盛岡までは、一般道を利用する現在、150分かかっておりますが、これが横断道を利用することによりまして106分程度に短縮される見込みと考えております。
 それから、渋滞解消に向けての取り組みでありますけれども、山田町から釜石市までの三陸縦貫自動車道釜石・山田道路も平成5年度に事業化されておりまして、平成11年度から測量調査等が進められているところでございます。
 今後の整備見通しといたしまして、鵜住居地区の渋滞が大きな課題となっておりますところから、その解消に効果の大きい区間を優先して整備を進めるよう調整中であると国から聞いているところでございます。
 県といたしましては、今後とも高規格幹線道路等の早期整備を目指して、関連道路などの整備を進めるとともに、さらに積極的に国に要望してまいりたいと考えております。

〇及川敦委員 1点お伺いしたいと思います。
 PFIの導入についてでありますが、PFIにつきましては、イギリスで92年から導入されて、近年、日本でもいろいろ参考にするというような動向であったと私も認識しておりましたけれども、昨年法律が施行されて、その後、当時の自治省の方から基本方針が、そしてまた、昨年の3月29日に事務次官通知というのも出ているようでございます。
 この流れの中で、基本方針というのをじっくり拝見すると、PFI、民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針というのがありまして、いろいろな文書があるわけですが、その中に、地方公共団体においても法の趣旨にのっとり、本基本方針の定めるところを参考とし、PFI事業の円滑な実施の促進に努めるものとするというような記載がございます。
 このPFIについてはいろいろな観点から、事業の効率化とか、重点化が図られるような話もあるようでありますが、本予算案につきましても、そういった事業の重点化、効率化というのが一つのキーワードになっていると承知しております。法律が施行されてから1年になるわけでありますけれども、本県においてはこのPFIの導入について、これまでどのような検討をされてきたのか、まずその点についてお聞かせいただければと思います。

〇佐藤技術管理課長 PFIについて、これまでの検討状況でございますけれども、本県におきましては、平成12年1月にPFI導入の可能性について検討することを目的としまして、関係部局から成るPFI研究会を設置し、導入可能な事業、官民の役割分担、リスク分担の明確化や地方自治法を初めとする他の法令による制約との関係などについて研究をしてまいりました。
 今年度は、国が開催するセミナーなどに参加するとともに、神奈川県などにおけるPFIの先進事例について研究をしてまいりました。その結果の詳細につきましては、現在分析を進めているところでありますけれども、現時点で公表されている全国のPFI事業は、神奈川県を初めとする5都道府県において7件、また七つの市町村等においても7件が計画あるいは実施されているようでございます。
 これらの具体的に検討された事業の実績から、PFI導入の候補となる事業は相当規模の公共公益施設で、例えば美術館などの教育文化施設、あるいは試験研究施設、熱供給施設、新エネルギー施設及び観光拠点施設などとなっているようでございます。
 また、PFI事業は、個別の事業ごとに組織体制をつくりまして、専門家集団のアドバイスを受けながら、経済性を検討するなどしまして慎重に手続が進められており、特に民間の参入の可能性を重視しながら進められているものでございます。

〇及川敦委員 今御答弁いただきまして、これまでの経緯は理解いたしましたけれども、今御答弁あったように、どういった事業を選定するかという問題とか、せっかく事業を選定しても、民間さんが乗り出してこないといったことであれば、またこれも問題になろうかと思いまして、いろいろ課題があろうと思っております。これから適用される事業、今具体の事例をいろいろ挙げられらましたが、既に他県においても、都道府県レベルで7件、市町村レベルで7件というような動向にあるようですが、近々適用される事業が、本県でこれまでの研究結果の中で見出せる状況にあるのかどうなのか。それとも、もう少し他県の実例を見ながら、課題も多いと私も承知しておりますので、もう少し様子見のスタンスで進めていこうとされているのか、その基本的な姿勢についてどういう状況なのかもお知らせいただきたい。

〇竹内土木部長 PFIは、御承知のように、さっき説明しましたように、従来の例ですと主に箱物が主体になっております。それもかなり大規模なものが対象になっております。
 今お話ございましたように、直ちに今、例えば県でそれに対応できる施設があるかどうかというのは、ちょっと今の段階では何とも申し上げられない。
 このPFIは、先ほど申し上げましたように、どういう事業があって、例えば委員御指摘のように、民間の方が乗ってくれるか、くれないかという根幹的な問題がございますので、さらに事例等についてもっと研究を深める必要があると考えております。もう少しその辺を、例えば、今後PFIを導入する場合にどういう作業手順をきちんとつくっていったらいいのかとか、そういったことも検討する必要がございますし、留意するべき事項をもっとクリアにしていく必要があると思っていますので、その辺の検討をさらに深めた上で、その後に具体の事例などのケーススタディをやるという方向で取り組んでいくことになるかと考えております。

〇及川敦委員 わかりました。基本姿勢とこれまでの検討経緯は、今の御答弁で十分わかったわけでありますけれども、今後について少し意見を申し上げさせていただければ、今部長が御答弁されたように、透明性の確保とか、手続面で理解を求めていかなければいけないというようないろいろな課題もあろうかと思います。私も分厚い資料をちょうだいして、拝見しましたけれども、わかるようで、わからないところがかなりありまして、もしこれが導入されるとすると、この1年ぐらいでも入札のあり方についていろいろ議論があったわけでありますので、恐らくまたいろいろな議論が波及的に来るんだろうと思っております。
 ついては、今検討されている課題もたくさんあろうと思いますし、導入に向けてそれぞれ県民の理解も求めなければいけない点も多くあろうかと思いますので、従来どおり、検討の内容とこれから進むべき方向について、また逐次情報を開示していただいて、それぞれ理解を深めながらこの導入を進めていっていただきたいと思いますが、最後、御見解を伺って終わります。

〇竹内土木部長 検討の状況につきましては、それぞれ適切な時期にお知らせできるようにしたいと思います。
 それから、余りあせらないでやっていきたい、その辺御理解いただきたいと思います。

〇佐々木順一委員 入札と契約制度の改善について、素朴な質問をさせていただきたいと思います。
 県では、これまでさまざまな問題やら制度上の課題などを踏まえまして、入札契約制度の改善に全庁を挙げて取り組んでこられているわけでありますが、このことに対しましては敬意を表するわけであります。改善のポイントは、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づきまして、公正性と透明性、競争性を高めることなどが柱と承知いたしております。したがって、競争性のあり方に焦点を絞りましてお尋ねしたいと思います。
 本年1月から県では、競争性の向上を図る観点から、条件付一般競争入札の範囲の拡大を実施されるとともに、指名競争入札の改善策の一環として指名業者の拡大をも一部施行されております。この競争性を煎じ詰めていきますと、結果的に脆弱な地域では、域外の実力者のひとり勝ちの結果をもたらすのではないかと、こう思うわけであります。したがって、このことは、結局は地域経済の活力を失わせしめることになるのではないかと危惧するものでございます。
 ついては、この条件付一般競争入札の範囲の拡大と指名競争入札の改善を行わなければならない理由についてお伺いいたします。
 それから、業者の皆さんも過度の競争性を強いられる方向には大きな不安を抱いているわけでありますし、また、今日まで県内の中小の企業、建設土木業者は、例えば除雪作業とか、道路の維持管理などを中心に、地域社会にさまざまな面で貢献されてきております。また、農閑期におきましては、農家の現金収入といいますか、収入源にもなっておりますし、また、競争性を貫くことによって、地域における建設土木の仕組みが、いわゆる元請、下請や、資材販売などの幅広い体系的仕組みが壊れまして、結果として地域社会経済の活力源、底支えの役割が根底から消滅するのではないかと心配するわけであります。
 本県は第1次産業であります。しかしながら、米も野菜も、あるいは水産も厳しい中にあって、建設土木産業の体系の中から収入を得て、生計を立てている県民も多いわけであります。
 ついては、このような県民の視点に立ってお伺いを1点いたしますが、今申し上げましたような社会貢献をどう認識されているのかということと、そういった一連の評価を改善策にどう反映されておられるのかということをお聞かせいただきたいと思います。

〇藤尾建設振興課長 幾つかのお尋ねがございました。まず初めの、条件付一般競争入札の範囲の拡大と指名競争入札の改善を行わなければならない理由についてお答え申し上げます。
 委員仰せのとおり、今回、大船渡地方振興局発注工事に係る談合疑惑等の重大性にかんがみまして、これまでの制度上の課題も踏まえ、入札契約制度の改善に全庁を挙げて取り組んできておったわけでございますが、その基本とするところは、公正性、透明性、そして競争性をより高める方向での入札方式の改善を推進することにより、県民の方々の信頼を得るといったようなことを基本に据えてきたわけでございます。その中で、条件付一般競争入札の範囲の拡大を1月1日から実施いたしてきておるわけでございます。
 条件付一般競争入札、これまでは2億円以上ということで、1億円以上につきましては、平成13年、つまりことしの4月1日からということで、11年度秋に県議会あるいはまた業界等の御理解を賜りまして実施いたすこととしておったわけでございますが、現行指名競争入札のいわゆる談合が行われる可能性が高いといったような問題点等も踏まえまして、より競争性を高める方向での条件付一般競争入札の緊急的な拡大を図る必要があったといったようなことから、いろいろ検討いたしまして、この1月1日に前倒しで実施させていただいておるものでございます。
 それから、指名競争入札の改善でございますが、一つには、指名者の公表の時期の問題でございまして、これまでは入札前に公表を実施いたしてきておったわけですが、それが大船渡事件のように談合を誘発しやすいといったようなことから、これにつきましては、落札いたしましてから、入札が終わってから公表するという、いわゆる時期の見直しをしたところでございます。
 二つには、指名競争入札そのものの見直しでございますが、これにつきましては、指名競争入札、これは私ども中小零細が多い県内の建設業の実態というものを考慮いたしまして、その育成を図る観点から実施いたしてきておるものでございます。大船渡の事件のときもそうだったんですが、指名しても意欲がないというものが、参加しなければならないといったようなことで、どうも業者の意欲の反映ができにくいところがあるのではないかといったような問題点がございました。
 それからまた、原則10社指名というような中にありましては、競争性という面で劣るところがあるのではないかといったようなことから、いろいろ検討を加えまして、一つには、意欲を重視した受注希望型指名競争入札でございまして、これは、一定の工事施工に係る資格要件等をクリアしたもので、意欲があればだれでもが参加できるといったような制度でございますけれども、これをまず1月1日から本庁発注工事に限り施行してみようということでございました。
 それから指名業者を、原則10社に加えまして、隣接地方振興局から5社程度を追加して、15社で競争入札したらどうかといったようなことにつきましても、本庁発注工事に限り、1月1日以降施行させてきていただいておるものでございます。
 そのような形で、入札改善プログラムを実施させていただいておるわけでございます。
 二つには、建設業の本県における役割等の認識ということでございました。
 委員おっしゃるとおり、県内建設業の地域経済に果たす役割というものは極めて大きいものがございまして、雇用の確保、所得の確保といった意義がございますし、そしてまた、住宅、社会資本整備等の担い手としての役割を担っているということでございます。しかし、昨今の受注量の減少の中にありまして、厳しい経営環境を余儀なくされるということで、本県といたましては、全国でも例のない新いわて建設業振興指針を昨年3月に策定いたし、その中で技術と経営にすぐれた建設業とか、働く人々が意欲にあふれる建設業、こういったようなものを生み出すことで、さまざまな取り組みを促してきておるところでございます。
 その基本的な流れの中で、例えば格付評価基準の見直しだとか、あるいはまた、価格のみの競争ではなくて、品質に重点を置いたバリューエンジニアリング方式の採用だとか、そういったようなものをプログラムの中に盛り込んでいるところでございます。

〇佐々木順一委員 導入の要因とか、テクニカルな、技術面はわかりましたけれども、私は、社会貢献の認識とこれまでの評価を見直しにどのように反映されているのでしょうかと、こうお聞きしたわけでありますので、ここは、恐縮ですが、岩手県の土木行政の末梢神経まで把握されている土木部長の御見解をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いします。

〇竹内土木部長 建設業の地域に果たしている役割につきましては、委員御指摘のとおり、大変重要だと考えております。
 そういった役割をどのように反映していくかというお話でございましたが、今後、建設業の登録に当たりましていろいろ評価基準を見直していくということを考えております。そういった中で、地域貢献とかいったことについても、資格審査の際に考慮できるような方向で検討していきたい、このように考えておりますので、御指摘の趣旨を踏まえまして、今後とも健全な建設業の育成に取り組んでまいりたいと思っております。

〇佐々木順一委員 ありがとうございました。
 実は、先日の医療局の審査でも佐々木俊夫委員の方から、清掃業務の関係で、はからずもいろいろな問題を投げかけたわけであります。これは御承知のことと思いますが、いずれにいたしましても、先ほどの適正化促進に関する法律の趣旨と、そしてまた地域の実態の調整点をどこに見出すかというのが大きな問題ではないかと思いますので、運用面で、どうぞいろいろな業者の皆さんの不安を払拭してくれるような御配慮を賜りますよう要望申し上げまして終わりたいと思います。

〇佐藤力男委員 ただいまの答弁に関連いたしまして、端的にお伺いいたします。
 まず、県内に本社を有している建設業というのはどれぐらいの数なんでしょうか。それから、県が実際に指名している業者数はどれぐらいあるんでしょうか。それから、それに従事している、あるいは従業員として働いている数というのはどのぐらいと把握されておるのか、まずお聞きいたします。

〇藤尾建設振興課長 県内の建設業の許可数は5、112となっております。
 それから、県内の県営建設工事の請負資格者は、ちょっと手元にございませんが、2、200社ぐらいと記憶いたしております。
 それから、本県の発注件数は大体4、000件といった状況でございまして、1人で複数請け負っている例もございますので、実数幾らぐらいかというのは、ちょっと手元にございません。

〇佐藤力男委員 そこに従事している県民の人口はわかりませんか。

〇藤尾建設振興課長 ちょっと今手元にございませんので、後ほど。

〇佐藤力男委員 それでは、関連ですから簡潔にやりますが、いずれ県内業者が5、100社以上あるという数で、県で実際に指名なさっているのは半分ぐらいなわけでありますが、そのほかの業者はすべて、市町村の工事なんかに指名をいただいて経営しているわけであります。
 そうしたことを考えますと、先ほど来の答弁を聞いておりまして、本県の建設業の一番の特徴というのは、四国4県に匹敵する広さの中で、それぞれの地域に密着した経営をなさっている、これが本県の建設業の現状であろうと思っております。
 しかるに、今般の入札制度の改正などにかんがみますと、まず国の動きに呼応した形でどうしても進んでいる。それが極めて事務的に進んでいるのではないか、そのように思えてならないわけであります。
 それから、先ほどの柳村委員の質問にもございました、過般建設業新聞にも載りましたが、61%台で落札したのが、それが正当だとして建設業を育成していくと、そういう認識では私は到底納得できない。
 そういう観点から行きますと、本県の持つ建設業の特異性や地域に果たしている役割というものを土木関係者の皆さんはもっと強調なさって、県民に理解を得る努力をすべきじゃないか、私はそう思っております。そうした意味で、ぜひ土木部長、悪いことをしたのは悪いのでありますが、建設業自体がみんな悪いわけじゃないんですから、元気を出してその辺をPRしてほしいと思うんですが、御見解をお願いいたします。

〇竹内土木部長 先ほど来お話ございますが、やはり建設業に就業している人たちは、今県の総就業者数の12%ぐらいを占めています。ですから、御指摘のように相当な数です。地域社会に対する影響が非常に大きいということで、私どもは、やはり本当にそういう地域に貢献して頑張っている企業にはどんどん伸びていってほしいということで、県の新しい建設業の振興指針についても、各方面にPRしておりますし、内部でも育成していかなければならないという姿勢で取り組んでおります。
 入札制度につきましては、国の動向に沿って事務的に進んでいるのではないかというお話もございましたが、実は、大船渡の件がありまして、私どもはむしろそういった方向については、いわゆる一般的に言われております不良・不適格業者の排除という視点も含めまして、国より先行的に作業を進めてまいりました。今般、国からの指針が出ましたので、やはりそれとの整合性をとる必要があると思っていますが、今後とも、健全な建設業が育っていける環境をつくるために、なお不断にそういった制度の見直し等もあわせて頑張ってまいりたい、このように思っております。

〇藤尾建設振興課長 県内建設業者の就業者数でございますが、これは総務庁の企業統計でございますが、平成11年、7万5、216人となってございます。

〇小原宣良委員 奥産道、沢内村道安ケ沢線の今後の見通しについてお伺いいたします。
 この路線は、沢内村から秋田県太田町に至る路線として、両県の県代行事業によって行われてきたものであります。しかし、岩手県側は、和賀川源流部を横断して、極めて急峻な地形に差しかかり、しかも白神山地にも匹敵するすぐれたブナ樹林帯になることから、自然環境影響調査などが行われてきた経緯を持っております。
 現状は工事休止となっております。私は速やかに工事中止とするべきであると思いますが、今後の対応についてどのような見通し、判断をお持ちか、お伺いいたします。
 一方、沢内村では、重要な生活路線である東側幹線道路整備が村単独事業で行われておりますので、この際、県代行事業を東側幹線村道整備に切りかえるべきと考えますが、いかがでしょうか。

〇竹内土木部長 沢内村道安ケ沢線の県代行事業につきましては、御承知のように、平成9年から環境影響調査委員会を設置いたしまして、昨年まで調査・検討を行っておりましたが、昨年7月、この委員会において、今後の工事の延伸の可否について、猛禽類などについて調査データのさらなる蓄積が必要であるという結論が出されたところでございます。
 この委員会の結論を受けまして、沢内村は、平成13年度、来年度から地元の研究機関に委託いたしまして、この継続調査を行うということにいたしております。
 また、この安ケ沢線につきましては、委員御案内のように、昨年、公共事業評価委員会の意見を聞いた上で、平成13年度から事業を休止するということにいたしておりまして、環境影響調査委員会の提言を受けまして、沢内村が調査を行うことになっておりますので、今後は、この調査結果を待って、事業の中止あるいは再開などの方向性を検討していくことになると考えてございます。
 それから、県代行事業についてでございますが、村道東側幹線という村道でございまして、これは平成6年から沢内村が整備を進めてきております。村におきましては、この路線を県代行で行ってほしいと言っておりまして、その要望区間につきまして、現在、ルート選定などの作業を行っていると聞いております。
 本路線を県代行事業によって整備するかどうかにつきましては、村による用地買収の進捗度合いなど、今後の熟度の高まりなどを勘案いたしまして判断いたしてまいりたいと考えております。

〇小原宣良委員 わかりました。
 この環境影響調査について、さらに村としても調査を行うということでございますが、先ほど申しましたように、この道路、岩手、秋田ともに県代行事業になっているということでございますので、それぞれ両県におきましても話し合いが行われているのではないかと思うのですが、県同士の今後のこの道路整備について、特に、岩手側からはそれぞれ事情をお話なさっていると思うんですが、そうした両県協議の状況はどのようなものでしょうか。

〇竹内土木部長 昨年、公共事業評価委員会等で議論する前に、秋田県と、これは両県の市町村で構成する協議会もありまして、そちらの方とも話し合いをしております。特に岩手県の場合、環境が非常にすぐれた地域を通るということでございまして、その辺を秋田県、秋田県側の協議会を構成する市町村等々に説明いたしまして、調査が必要であれば休止するのもやむを得ないということで、休止に至るまでの経緯は御理解を得ているところでございます。
 先ほどもお話し申し上げましたけれども、沢内村が今後調査してまいりますが、その結果によって、また両県で話し合わなければならない場面というのはこれからもずうっと続くのではないかと思っております。

〇小原宣良委員 ここの道路については、両県において、沢内村、太田町を中心として、両県の土木部を含めて協議の場がございますね。そういう面で、その協議会の継続ということについても議論があるようでありますけれども、いずれ県代行事業ですから、それぞれ連携をとっていただきたいと思います。
 同時にまた、東側幹線道路の整備については、安ケ沢線の結論と連動することであろうと思いますので、それぞれ沢内村と十分連携をとりながら、重要生活路線でございますので、これらの支援についてもひとつよろしくお願い申し上げて、終わります。

〇中屋敷十委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時51分 休 憩
   午後1時3分 再 開

〇佐々木一榮副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇斉藤信委員 私は、公共事業のあり方の問題を一般質問でも取り上げましたが、予算審議では各論についてお聞きをしたいと思うんです。
 第1は、花巻空港の拡張問題についてでありますけれども、昨年の会計検査報告書によると、地方公共団体が管理する空港の整備、運営状況について具体的な指摘がありました。どういう内容か、その指摘にかかわる花巻空港の実態はどうなっているか、示していただきたいと思います。

〇沖港湾課長 昨年行われました会計検査院における具体的な指摘の内容は次の2点でございます。利用状況については、14の地方空港のうち9港において、平成11年度の乗降客数の実績値が需要予測を下回っており、需要予測値の50%に満たない空港が4空港あったこと。二つ目は、平成9年度から11年度の収入と支出の状況について、平成9年度が19空港中13空港、平成10年度が21空港中14空港、そして平成11年度が21空港中19空港で支出が収入を上回っており、その差額が平均で、平成9年度が3、800万円、平成10年度が1億300万円、平成11年度が1億8、700万円であることなどであります。そして、この指摘のあった期間における花巻空港の利用状況と収入、支出の状況は次のとおりでございます。平成11年度の乗降客数は52万9、613人で、需要予測値71万6、400人の73.9%でありました。平成9年度から11年度までの収入と支出の状況については、平成9年度は化学消防車の購入などによりまして、支出が収入を1億8、400万円ほど上回っておりましたが、平成10年度は収入が支出を4、100万円ほど上回り、平成11年度は着陸料が3分の2に減額になったことから、支出が収入を7、900万円ほど上回ったところでございます。

〇斉藤信委員 そうすると、会計検査院の報告に花巻空港は実態として該当すると、そういうことになるのではないでしょうか。それで、会計検査院の報告はこういうことも指摘しているわけです。今後、地方空港の新設滑走路延長等の整備に当たっては、まず精度の高い需要予測を実施した上で、これに基づく費用と事業効果の評価を適切に実施することが重要。これから花巻空港が2、500メートルに滑走路を延長するといった場合に、今の現状から言って、この会計検査院の報告を受けて精度の高い需要予測をするべきではないかと、これちょっと見づらいけれども、この緑の線が需要予測なんですよ。実測値はこれですよ。横ばいです。このままだとどんどんこの乖離が広がっていくわけですね。だから、どんどん乖離が広がっていくことが予想されるのに、もう決まったから278億円のこういう公共事業をしゃにむに進めなければならないのか。私は慎重にやるべきだと思うけれども、この精密な需要予測調査、事業効果、これをどういうふうに県は対応するのか示していただきたい。

〇竹内土木部長 現在既に着手をいたしております花巻空港の拡張整備につきましては、これは既に平成8年度に策定されました第7次空港整備計画に位置づけられたものでございまして、その計画に位置づけるに際しまして、需要予測の手法、需要予測自体もこれは旧運輸省と協議して定めたものでございます。今回の会計検査院の需要予測見直しの指摘につきましては、今後新たに着手する空港整備についてのものであると理解をいたしておりまして、この指摘に対する国土交通省からの特段に現在のところ情報もございませんので、従来、県が今持っている予測手法というのは、当時旧運輸省と協議した予測手法を持ち合わせているわけでございますので、現在の時点でこの需要予測を見直すということは今は考えてございません。

〇斉藤信委員 こんなに乖離がして、これからもどんどんこの乖離が広がろうというときに、需要予測を見直そうともしないと、私これが従来型の公共事業の手法だと思うんですよ。会計検査院が21の空港について調査してやったと、既に運輸省から認められているから対象外だと言うのであるなら、私は本当にこの公共事業、皆さんがいつも言っているでしょう、費用対効果を吟味して重点化するのだと。しかし、実際決まってしまえばそういうことは無視してやるということになりませんか。今のことをちゃんと部長、答えてくださいよ。何を吟味しているのだと。
 もう一つは、公共事業は止まるかという、岩波新書の中で増田知事がこう言っているんですね。港湾は後からやりますけれども、港湾も機能分担をしなければならないと。だから、空港の場合には仙台空港との機能分担、必要なんだと。そういう点でいけば、これからも見直しは間に合うわけだから。そういう本当に精密な需要予測とそれに基づく費用対効果に基づいた公共事業を、私は21世紀に進めるべきではないかと思うけれども、増田知事の機能分担論を含めて、部長どう考えているか。

〇竹内土木部長 需要予測につきましては、非常に専門的な高度な手法になりますので、これにつきましては今後とも国土交通省からの情報を得ていきたいと、そのように思っております。
 それから、機能分担のお話がございましたが、これは先般もお答えしたのですが、例えば仙台のようないわゆる国が管理する大型空港、地方拠点空港と、それから岩手県の花巻空港のように国際チャーター便とか、あるいは国内の特定の地域との交流をする空港とは、おのずとこれは機能が違っていると考えております。そういった機能の中で適切に機能分担がなされて、今後も利活用を進めていくようにしたいと、そのように考えております。

〇斉藤信委員 いずれその建設が着手されたものも含めて、きちんと事業効果、そしてまた、需要予測など私は吟味して県民の理解が得られるものにするべきだと思いますよ。仙台空港とのかかわりでいけば、私去年の予算特別委員会でも指摘しましたが、仙台空港の岩手県の利用率は5.4%なんですね。これは17万5、000人に当たります。そうすると花巻空港の53万人の利用客の約25%に当たるんですよね。そういう実態もありますから、私は、本当に花巻空港がどういう役割を果たすべきなのか、こういうものを吟味して、今の県債残高1兆2、000億円を超えるような財政危機の中で、やはり本当に必要な公共事業を進めるというふうにしていただきたい。
 押し問答続きますから次に続きます。港湾整備事業について。重要港湾、地方港湾とも貨物取扱量が年々減少していますが、その実績とその理由を示していただきたい。実績が後退していても事業だけはこれまでどおり進めるのか。増田知事は、今もちょっと紹介しましたけれども、岩波新書の中で、秋田港、八戸港を含めた機能分担に触れていますけれども、これはどのように機能分担が検討されていくのでしょうか。久慈港の場合、事業の目標年度が平成12年でありました。事業費ベースでもほぼ達成状況だと思いますけれども、貨物取扱量の計画550万トンに対し平成11年実績は34万トン、計画比6.3%、これは完全な過大投資と言うべきものではなかったか、今後の見通しを含めて示していただきたい。

〇竹内土木部長 県内の各港湾、重要港湾四つ、過去5カ年の推移を見ますと、いずれも貨物の取扱量が減少いたしております。実績を示せということでございますので簡単に申し上げますと、久慈港は5年間で32万トンほど減少しておりまして、これは国家石油備蓄のオイルインがなくなったことと、それから砂利、砂、石材等の輸出が減少したことによります。宮古は34万トンほど減少しております。これは主に原木の輸入や石こうの輸出が減少したことによります。釜石港は17万トン減少しております。これは主に飼料関係の原料の輸入や鉄鋼の輸出が減少したことによります。それから、大船渡港は平成7年541万トンから、平成11年には435万トンと減少しておりまして、これは主にセメント需要の落ち込みによるものであると考えております。これら貨物量の減少の理由としては、長引く経済不況による景気低迷によるものと考えております。また、八木港はこれは大きな変化はございません。
 これまでどおりに進めるのかというお話でございましたが、港湾整備につきましては現在、既存施設の活用を図るとともに、緊急性や重要性を勘案しながら、道路と港湾の一体的な整備を図って、より効果的な事業の推進に努めたいと考えております。今後、本県港湾の効率的、効果的な整備を進めるためには、各港湾の持つポテンシャルや道路ネットワークの状況などを総合的に勘案しながら、各港の担うべき機能、これを明確にする必要があると考えておりまして、昨年12月、国が示した新世紀港湾ビジョンというのがございますが、これを踏まえまして、13年度には本県の港湾整備の基本方向を示すビジョンを策定したいと考えております。このビジョンの策定に当たりましては、先ほどお話がございましたが、地域連携軸が形成されつつあります日本海側の秋田と、それから太平洋側の本県、その間の港湾の連携など、高速交通網の整備促進に伴う本県と他県との港湾の連携も視野に入れながら、このビジョンの検討をしていきたいと考えております。
 それから、久慈港のお話がございましたが、御案内のように、久慈港の計画貨物取扱量は550万トンになっております。主要な貨物取扱岸壁となっております半崎地区につきましては、これは現在、漁船用の岸壁と、それから国家石油備蓄基地に対応する部分が整備されているだけで、貨物対応の岸壁は現在未着手になっております。また、諏訪下地区についても一部が未整備になっております。この諏訪下地区の利用につきましては、昨年10月、久慈市の民間企業が初めてセメント用の砂を中国から輸入するなど新たな貨物が出てきておりまして、今後は定期的にこの10万トンの輸入が見込まれておりますので、港全体の貨物取扱量は若干ふえるのではないかと考えております。今後とも既存の施設の利用促進に努めますとともに、港湾施設の整備に当たりましては、港湾取扱貨物量の推移などを見ながら、適切に対応していきたいと考えております。

〇斉藤信委員 大変苦しい答弁でしたね。各重要港湾、年々貨物取扱量が落ち込んでいると、これはもちろん不況の影響もあるでしょう。そうした中で、例えば、大船渡港なんかは400数十億円の規模の港湾整備をやろうとしている。ここに本当にそれだけの根拠があるのかということを、私はやっぱり吟味すべきだと思うのです。吟味しながら進めると。そうしないと久慈港のような大変な事態になってしまう。久慈港を言いますと、355億円の総事業費に対して320億円も投資しているわけですよ。なぜこれ完成できないかと言うと、完成したら使われないからですよね。私は本当にこれは深刻なことだと思いますよ。そういう港を二つも三つもつくってはならないと。本当に新世紀ビジョンを検討すると言っていますから、ここで本当にそれぞれの港の役割、機能、そして見通し、これを踏まえたものにしていただきたいと、これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、私は、進めるべき公共事業もあると、その公共事業が県営住宅の整備だと思います。県営住宅の応募倍率は今年度どうなっているか。特に全県と盛岡、県営の場合を示していただきたい。
 もう一つは、第7期住宅建設5カ年計画の実績はどうなっているか。市町村営住宅の実績がかなり低いようですけれども、なぜ市町村営の住宅が進まなかったのか、こういうところも示していただきたいと思います。こうした住宅建設というのは需要もあり、地元業者、地域経済への波及効果というのも大変大きなものでありますので、実態と今後の対応について示していただきたい。

〇村主建築住宅課長 県営住宅の応募倍率でございますが、平成12年度に行いました募集・応募状況につきましては、全県のデータでは、総募集戸数327戸に対しまして応募者数は1、961名でございます。倍率にして6.0倍でございます。このうち盛岡地区につきましては、募集戸数157戸に対しまして応募者数は1、487名ということで、倍率は9.47倍でございます。
 それから、第7期住宅建設5カ年計画の実績に関するお問い合わせでございますが、この5カ年計画、平成8年から12年の5カ年でございますが、公営住宅の計画戸数は5年間で2、000戸でございました。県営住宅は、計画戸数375戸に対しまして、実績の建設戸数が375戸ということでございます。市町村営につきましては、1、625戸の計画に対しまして910戸を建設最終見込みでございまして、達成率にしますと56%というデータになっております。公営住宅の整備につきましては、現在、平成13年度からの第8期住宅建設5カ年計画を策定中でございまして、この中に住宅の需要等を盛り込みまして、公営住宅の整備につきましては今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思います。

〇斉藤信委員 今も回答あったように、県営住宅、全県でも6倍、盛岡市内の場合には9.47倍と、大学に入るよりも住宅に入る方が難しいと、大変深刻な実態で、県民の要望も強い。第7期を見ますと岩手県は目標計画はやったと、しかし戸数は減っているんですよ。私は、だから第7期の見通しは甘かったと思うんですね。だから、第8期、そして来年度からはやっぱりこの需要のある住宅建設はどんどん進めるべきだと。
 もう一つ、今聞いて答えがなかったんだけれども、市町村営住宅が56%にとどまった理由は何か。この市町村営住宅がやっぱり56%にとどまったというのがもう一つの問題だと思うのです。また、計画の中には高齢者用の住宅というのがありましたけれども、これは100戸ですね。これは私が聞いている範囲ではゼロと。高齢者住宅がこれは進まなかったのはなぜなのか。このこともあわせて示していただいて、来年度以降の見通しを具体的に示していただきたい。
 続いて、津付ダム、簗川ダムについてお聞きをします。
 津付ダムの目的について、洪水調節と言うなら五葉山水系の方が影響が気仙川は大きいのではないか。ところが、この津付ダムは別の大股川上流ですね。洪水調節という点でも本当にこれは効果的なのかということが疑問になります。利水では、農業用水は基本的に間に合っていると私は地元から聞いています。陸前高田市の工業用水の具体的根拠というのはありません。今工業団地がない。そして、市の発展計画、総合計画にも工業団地をつくる計画というのはまだないんですね。そこに水を引くということが津付ダムの工業用水の理由になっているんですよ。こんな甘い理由でいいのか。その点で私はお聞きしたいんだが、ダムの基準を70年に1回とした根拠は何か。同時に、これをダム建設とした理由として河川改修とどのような比較検討をしたのか、このことも示していただきたい。

〇村主建築住宅課長 先ほど答弁漏れございまして申しわけございませんでした。市町村営住宅の建設が5カ年計画の実績で56%と伸びなかったことについての理由でございますが、市町村個々にそれぞれの事情はあろうかと思いますけれども、総じて市町村の財政の逼迫という、財政事情がかなり大きい要因を占めているかと思います。それぞれの市町村において公営住宅の建設ないし建てかえについては、検討したり計画をしていただいておりますけれども、財政状況が影響して実績が十分に上がっていないと私どもは受けとめております。
 それから、高齢者向けの優良賃貸住宅についての実績が上がっていないという点についてでございますが、これにつきましては、第7期5カ年計画中に発足しました要綱に基づく制度でございまして、現在この制度の法定化、この制度が法定化されました新しい高齢者居住法というのが国会で審議されておりまして、本格的に国においても法律に基づいて取り組むのがこれからでございますので、私どもこれからこの制度については取り組んでまいりたいと思います。
 それから、13年度の県営住宅の建設につきましては、戸数では12年度からの継続工事としまして80戸、それから13年度新たに着工する工事として59戸ということで、計139戸の建設を予定しております。なお、13年度の公営住宅建設事業費の予算については11億5、262万4、000円を計上しているところでございます。

〇海野河川開発監 まず、津付ダムの洪水調節についてでありますが、五葉山側の気仙川本川に計画した場合には、周辺地質が石灰岩層を多く含み地質工学的に漏水対策等の問題があり、また、地形的要因から、多くの戸数の家屋移転や土地の改変等が生じ自然的、社会的影響が大きくなるものであります。このようなことからダム建設と河川改修などを含め総合的に判断し、大股川流域の津付地区に計画したものであります。
 次に、農業用水についてでありますが、昭和58年8月や昭和60年8月などにおいて渇水による農業被害が生じており、既得水利権や慣行水利権の届け出を行っておる約559ヘクタールの農地への安定的な水量を確保する必要があります。
 次に、工業用水についてでありますが、陸前高田市では市が造成した滝の里地区工業団地など約7ヘクタールに対し8社程度の工場誘致を予定しており、これに必要となる1日2、000トンの工業用水を確保したいとして、陸前高田市が利水参加をしているところであります。
 次に、津付ダムに採用している70年に1回の確率についてでありますが、気仙川水系の計画規模を決定するに当たり、洪水によるはんらん区域内の人口や資産、流域の大きさ、洪水被害の状況及び地域の土地利用や県内の各河川とのバランス等を総合的に勘案し、70年に1回発生する洪水を処理するのが適当と判断して計画しているものであります。
 次に、河川改修などとの比較検討についてでありますが、気仙川の治水計画を立案するに当たり、ダム建設と河道拡幅、築堤案、引き堤案、河道掘削案等を比較検討しております。比較に当たっては、自然環境への影響や地域の土地利用状況、事業に要する経費等社会的、経済的な要因を慎重に検討した結果ダム案としたものであります。

〇斉藤信委員 津付ダムの問題について、結局本当は水系からいくと五葉山の方が影響大きいんですよね。しかし、いろんな地質その他の問題で大股川の上流ということになってしまった。これはもうダム先にありきでそうなったんですね。それで、ダム建設に係るコストの比較というのを聞きました。だれがどのように試算したのか、これ示していただきたい。実は鳥取県が昨年、同規模の200数十億円のダム、中部ダムでありましたけれども、この中止を決めました。鳥取県知事のインタビューを見ますと、やはり河川改修とダム事業費を比較して、最初はダム事業費の方が安くなって始めることにしたのだが、実際に河川改修の費用を吟味してみたら、これは過大な見積もりだったと。そういうことで再評価したんですね。専門家による調査をやりました。これは大学の河川工学、地質学、岩盤力学、水工学、その他の専門家による専門部会委員会というのをつくりまして、そうしましたら河川事業費はこれは約半分におさまったと。結局は河川改修の方が安く上がるというので中部ダムは中止という決定をしているんですね。津付ダムの場合も、先にダムありきではなくて、こういう専門家によるきちんとした検討、経済的な効果もそうでありますけれども、気仙川水系のあり方も含めてきちんとやったら、単純にこれはダムが決まったからダムということにはならないのではないか。どういうレベルでどういう試算されたのか、試算の根拠などを示していただきたい。
 あわせて、イヌワシ、クマタカの調査もやられていましたが、その保護対策はどう検討されているのでしょうか。
 続いて簗川ダムについて。前にも私取り上げましたが、これも大変過大な見積もりというのが問題です。盛岡市の水道用水の根拠、給水人口が38万5、640人、今の人口の10万人増ですね。現在の給水能力でも盛岡市は日量18万3、650立方、これは人口で39万人分に相当するんですね。こういう給水能力がありながら、新たに人口が10万人ふえるような水道用水をこの簗川にかけているというのは過大な計画ではないのか。私は簗川ダムやめなさいとは言いません。適切な規模にこれは見直すことができるのではないか。そういう点で、そのことについても触れていただきたい。

〇海野河川開発監 まず、コストの比較についてのだれが比較したかについてでございますけれども、これにつきましては建設コンサルタントの方に委託はしておりますけれども、その内容については土木研究所等々の御指導をいただきながら、いろいろ比較検討したものでございます。
 それから、専門家による検討についてでありますけれども、事業を進めるに当たっては、技術的課題や環境等について学識経験者など各分野の専門家の意見を聞きながら進めてまいりたいと考えております。
 次に、猛禽類の調査と保護対策についてでありますが、平成8年度より事業区域周辺において、猛禽類調査を行いクマタカの生息が確認されております。現在、県条例に基づく環境影響評価の手続を行っており、今後はダム周辺環境検討委員会の専門家の意見をいただきながら、生息環境に与える影響をできるだけ少なくするよう配慮しながら、事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、簗川ダムの水道用水についてでありますが、現在認可を受けております水道事業認可によりますと、目標年次の平成28年度に1日最大取水量21万960トン、1日最大給水量を約19万8、280トンとして、その給水人口は約38万5、640人と承知しており、これに必要な1日当たり3万1、000トンの取水をしたいとして、盛岡市が利水参加しているものであります。

〇斉藤信委員 やっぱり公共事業のあしき進め方、このことを私は指摘しているのですよ。簗川ダムの説明もいいのだけれども、こう決まりましたからやっているということを僕は聞いているのではないんですよ。そういう見積もりが過大ではないかと、根拠があるのかと。津付ダムについても、そもそもこのダムを検討した当時は、日本列島改造、高度成長の時期なんですよね。全国的な計画があって枠があってダムをつくろうと、しかし今そういう時代ではないですよね。だから、本当にダムが必要なのかということを、今の段階でもこれは吟味しながら、将来にわたってどれが自然環境に優しく、そして適切な費用負担になるのか。簗川のことも、例えば1日最大給水量が19万8、280立方だと、これは現在の2倍なんですよ、見込んでいるのは。人口10万人かさ上げして、今の水の必要の2倍も試算しているようなことでいいのですかと。そういうものを吟味して適切な規模にするだけで事業費だって抑制することができる。そういうことを既に決まった計画でも、やっぱりそういうふうに見直すべきは見直す、検討すべきは検討するというふうにしなかったら、もう20世紀のあしき公共事業優先、結果的にはむだと浪費ということになりかねないし、規模が大きいのをつくったらその維持費は住民にかかるのです。その点を一つ指摘をして、ぜひ今後、科学的な検討を進めながら、吟味しながらやっていただきたい。
 最後です。私も入札改善の問題についてお聞きをします。今年度の1億円以上の入札の落札金額は、予定価格に対してどうなっているでしょうか。99%以上、98%以上はどれだけありますか。私は、これまで入札改善やられてきていますけれども、効果が上がっていないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、この間、大船渡地方振興局の談合事件もありました。予定価格を漏らしたとして逮捕者が出たという話もありましたが、これは事実でしょうか。
 丸協建設の県営建設工事の状況、きょうの新聞報道を見ますと、継続できない工事が出たということがありました。私はぜひ下請企業の保護という観点から、今実施されている県営事業、さらにはこれから中断される県営事業について、確実に下請業者にこの代金が支払われるような対策を、県は責任を持ってとっていただきたいと思うけれどもいかがでしょうか。

〇藤尾建設振興課長 まず、最初にお尋ねの平成12年度の落札状況でございますが、平成13年1月末現在で1億円以上の入札結果、件数は293件、金額で約655億6、000万円余で、落札率は96.18%でございます。このうち落札率が99%以上のものは59件、金額で88億4、000万円余、98%以上は166件、金額で278億3、000万円余となってございます。
 それから、入札制度改善プログラムの実施についての効果でございますが、公正性、透明性、競争性を高める観点から入札の公開、あるいはまた、条件付一般競争入札の拡大、あるいは受注希望型指名競争入札の試行などにより、それ相応の効果を上げてきているものと考えているところでございますが、これらプログラムにつきましては緒についたばかりでございまして、現段階では具体的な効果については申し上げかねるところでございまして、今後、結果を見ながら検証してまいりたいと考えてございます。
 それから、3番目の質問でございましたが、予定価格を漏らして逮捕したという、そのような御質問でございましたが、そのような事実は承知いたしておりません。
 それから、最後の丸協建設の問題でございますが、3月21日現在で6件、約7億8、000万円の工事につきまして、当該業者から履行不能届の提出があったものと聞いてございますが、いずれ委員御指摘のように、下請業者等も連鎖倒産の防止、あるいはまた、従業員の賃金、雇用確保の観点から、継続して施工することは可能であると判断されるものについては、引き続き工事の施工を継続させるといったような形で、今現在、調査いたしておるところでございます。

〇斉藤信委員 今、入札結果を聞きましたら、293件のうち、99%以上、98%以上を足しますと、これは足せばいいのですか、225件というのは、98%の中に59入っているのですか、後からちょっと確かめてください。これはもう本当に、大方98%以上で予定価格にほぼ一致するような落札をされているというのは、私は本当に談合の疑いの極めて強い、そういう実態になっていると思うのですね。そういう点で、本当にこの入札改善に引き続き取り組んでいただきたいと。横須賀では入札改善をやって約10%ぐらいこの落札価格を下げたという実例もありますから、そういうものも本当に参考にしながら、同時に地域別、ランク別で地元業者が潤うような入札制度の改善、これに知恵を出していただきたい。1月からそういう条件付一般競争入札をやられていると思いますけれども、その効果はどうでしょうか。
 あと先ほど議論になった低入札価格調査制度で、基準価格、いわゆる低入札価格とする基準価格というのは70%なのか、何%なのか。土木と建築の場合に違うのかどうか。そのことも具体的に示していただきたい。

〇藤尾建設振興課長 まず、調査基準価格でございますが、これにつきましては低入札価格調査制度の中で、その設定の方式というものがございまして、これは国と同様の定め方でございまして、直接工事費の額、共通仮設費の額、それから現場管理費相当額の5分の1の合計額によって設定いたしておるものでございまして、予定価格の3分の2から85%の範囲内で設定されるというもので、業種によって違いはございません。ただ、工事の内容によってそれはいろいろな設定水準が出てくるというものでございます。
 それから、1月1日以降試行いたしておりますところの受注希望型競争入札と、それから10社を5社に指名を拡大してやるというものについては、数件の実績はございますけれども、この落札の条件については後ほどお答えいたしたいと存じます。

〇伊藤勢至委員 斉藤委員の入札イコール公共事業という部分に関連をして、ちょっと御提案を含めて伺います。
 いつも私不思議に思うのでありますが、斉藤委員は道路を走ったことがないのか、ダムから来た水道の水を飲んだことがないのか、下水道の恩恵である水洗トイレを使ったことがないのか、新幹線に乗ったことがないのか、県外調査に行くときには一緒に花巻から飛行機に乗っていくではないか、こういう思いがあるのでありますが、これは2人で後で酒でも飲みながら議論することにしたいと思いますが、この入札という公共事業という部分は、斉藤委員はいつも悪と決めてかかっているのではないかな、そういう実は憤りがあるわけであります。
 そういう中で、入札という言葉がいつごろこの日本に出てきたのか考えますと、恐らく150年、200年前の関西、関東の米問屋が米の買いつけをする際に入れ札制度ということでやった。この辺から入れ札、それが入札と、こういうことになってきたのであろうと思っております。しかし、この入札制度というのは、まさに公共事業を推進するための神聖な約定ごとの場でありまして、非常に重要な部分だと思っております。ただ、長い間にいろんな思いがけないことが突発をしまして、それを改善していかなければならない、こういうことから積極的に今この改定について取り組んでいるのだと思うわけであります。そういう中で、中身を幾ら変えても同じ表紙であればこれは変わったことに見られないのではないかな、そういう実は思いもいたします。幾ら洗濯をして洗濯をしても汚れが取れないのだったら、新しいものを買ってもしかるべきだと、こう思うわけでありまして、そこでこの入札という部分の、文言を変えるという部分があってもいいのではないか、このように思うわけであります。例えば、夢県土いわては、かつてドリームランド岩手と言いましたね。それから、巨人軍はジャイアンツです。だったら……。

〇佐々木一榮副委員長 伊藤勢至委員に申し上げます。関連質問は簡潔明瞭にお願い申し上げます。

〇伊藤勢至委員(続) では明瞭にいきます。入札という部分をセレクション制度というふうに変えてもいいのではないか。こういう部分があってもいいと思うのであります。内容も変えたら表紙も変わってもいいのだ、いかがでしょうか、御所見を伺って終わります。

〇藤尾建設振興課長 ただいまは非常に貴重な御提言をいただきましたけれども、せんだって成立いたしましたところの国の入札契約適正化法におきましても、これまでいろいろとなじんだ言葉で法律を規定しているといったようなこともございまして、現段階では内容の方で勝負をさせていただきたいと存じております。
 それから、先ほど斉藤委員から紹介のあった受注希望型競争入札の件でございますが、これまで3件ほど受注希望型を実施いたしたわけでございますが、最高の落札率が98.41%ということと、それから最低が94.92%と、それから10社を15社にいたしたものにつきましては4件ほどございますけれども、最高が93.72%、最低が74.68%といったようなことで、まだ件数そのものが少のうございますので、今後いろいろ試行しながら、その成果を見てまいりたいと考えてございます。

〇水上信宏委員 斉藤委員の質問に関連して、当該委員ですので短くお願いします。
 いろいろ県債の重要性もわかりますが、県土の均衡ある発展も大変大事だと思いますので、これからやはりそれぞれの基盤整備のために頑張っていただきたいと思いますが、土木部長の所感をお伺いします。

〇竹内土木部長 大変本当に貴重な御意見をいただきました。ぜひ私どもそういった目標を持ってこれまでも取り組んでおりますので、今後とも頑張ってまいりたいと思っております。

〇阿部富雄委員 河川整備についてお伺いをいたします。この質問は総括質疑で申し上げたところ、所管の部審査で聞いてくださいと、こういうことでありましたので、改めてお聞きいたします。
 県の総合計画の中で、いわて健康院構想というのを策定することにしておるわけでありますが、一関地方振興局は昨年の3月に一関地方健康の郷構想ということで、いわゆる地域版の健康院構想をつくったわけであります。この中でJR一ノ関駅に東口改札口を設置すると、こういうことで計画をされておりまして、一関市は今年度、平成13年度から着手をして、15年度に供用開始を目指すということで始まることになっているわけでありますが、当初、駅につながる連絡橋については多額の金額を要するということで、県の方に財政支援を要請しておったわけでありますけれども、国庫補助のめどがついたと、こういうことから、すぐ向かい側にある川を何とか整備をしてくれないかということで、周辺整備としての吸川を景観あるいは環境整備でやってくれという、こういう要請をしているわけでありますけれども、これにどういうふうにこたえていくのかお伺いしたいと思いますし、あわせて吸川というのは、御承知のとおり県内で一番水質が汚染されているといいますか、悪化している、こういう河川でもあるわけであります。この河川の水質改善についてはどういう取り組みをされていくのかお伺いいたします。

〇竹内土木部長 吸川につきましては、委員御承知のように、JR一ノ関駅から1.5キロメートルぐらい上流の宮沢地区において、住民参加によりますワークショップを開催いたしまして、親水護岸や散策路の設置及び動植物の生息環境に配慮した整備計画を策定したところでございまして、今年度から平成14年度の完成を目指して、良好な水辺空間の創出に取り組んでいるところでございます。一ノ関駅東口周辺地区の河川環境整備につきましては、同じこの吸川でやっております宮沢地区の進捗状況や、あるいは駅東口周辺の整備状況、これを勘案しながら、その手法やあるいは整備の時期などについて検討してまいりたいと、そのように考えております。
 また、吸川の水質の改善につきましては、これは下水道の普及促進あるいは工場廃水の水質改善等、地域の方々の御協力をいただきながら、これは平成13年度に整備が予定されていると聞いておりますが、製紙工場の排水処理装置、これの効果を見定める等、地元市と連携して水質改善の方策の検討に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。

〇阿部富雄委員 宮沢地区の事業計画が決定をしておりますから、無理を申し上げるつもりはございませんけれども、ただ、駅東口の開設については、主たる事業主体は一関市ということになろうかと思いますけれども、県の地方振興局が計画をしている計画でありますし、どちらかというと県主導でこの東口設置については方向性が出されてきたものだなと私自身は理解をしているわけであります。そういうことから考えていきますと、地方振興局内部のいわゆる土木部と総務部ということになるでしょうか、そういうところの調整であるとか、あるいは一関市との連携をきちっとやっていただきながら、今、部長がお話しされたような手法だとか整備の時期も検討するということでありますので、中断することのないようにお願いしたいというふうに感じるわけでありますけれども、この辺についてはもう一度部長のお考えをお聞きしたいと思います。

〇竹内土木部長 一ノ関駅東口周辺の整備については、これはあの地域全体にとって非常に大事なプロジェクトだというふうに受けとめをいたしております。ただいまお話しのございましたように、地方振興局と、それから地元市と十分連携をとって、この辺をきちんとやはり整理をして、今後、今の宮沢地区の整備の状況なども見ながら、駅周辺地区の全体整備として取り組んでいくべきことだと思っておりますので、引き続き検討をいたしてまいりたいと、このように思っております。

〇佐々木一榮副委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇田村正彦委員 まことに申しわけないのですが、午前中どうしても出席できず、一連の論議がなされたと思うのですが、ダブる面はひとつ御容赦をいただいて若干質問してまいりたいと思っております。
 例の奥産道の問題から、そしてまた、大船渡の問題、そしてまた、再編に伴う部の変更と、一連の流れがあったわけなんですが、その流れを見て、またそれに対する世間一般というんですか、そういったものの考えというんですか、それを見てみますと、本当に私はまことにもって気の毒な感じを受けております。本当にこういった一連の問題で土木部そのものが萎縮してしまうのではないかなという懸念も持っておるわけなんですが、こういった一連の流れについて部長、どういう考えを持っていらっしゃるのか。
 それとあわせて、これは総務部でもお尋ね申し上げたのですが、いわゆる公共事業というのはどういうものだと、土木部サイドでの公共事業というものに対する認識というんですか、これをまずお尋ね申し上げたいと思います。

〇竹内土木部長 大変厳しいお尋ねでございまして、これは私ども一連のことを大変厳しく受けとめております。やはり正すべきところはきちっと正すべきでありますし、まさに襟を正して、真に県民の福祉のために尽くしていかなければならないと、このように考えております。例の大船渡事件のありましたときも、実は私、直接各地方振興局を回りまして、襟を正しなさいと、それと同時に、これで意気消沈することなく、我々は県民のためにとにかく奉仕をするのだと、その精神を持って胸を張って頑張っていきましょうということを各地方振興局に話をしてきております。職員もそのつもりで頑張っていると思っておりますので、今後とも御指導、御支援をちょうだいできればと、このように思っております。
 それから、公共事業をどのように考えるかということでございますが、公共事業そのものはやはり将来に向けて良質な社会資本を残していくという意味では、非常に大事なことであると考えておりまして、このことからいささかも後退するべきではないと考えております。財政事情が非常に厳しいということも事実でございますので、やはりこれはその必要性とか効果、あるいはその効率性、費用対効果等をこれをやはり十分検討して、重点的な投資というのはこれは当然必要であると思っておりますが、将来に向かって良質な社会資本を残すことは、我々に与えられた最大の責務ではないかと、このように考えておりますので、今後とも公共事業に関して頑張ってまいりたいと思っております。

〇田村正彦委員 公共事業の効果についてのお話があったわけでございますが、私ども特に田舎に住んで農業を営んでおる者にとって、昭和30年代、まさに出稼ぎの時代でした。そこで一家離散だとか、いろんな不幸な状態が近所でも起きていました。それが昭和50年代、60年代と、公共事業の拡充、社会資本の整備ということで零細農家がその仕事に、表現はよくないのですが、ありつくという表現はよくないのですが、いずれそこに働きに行ける、それで出稼ぎがかなり減ってその地域が守られ、そしてまた、地域の振興に寄与しているというのは身をもって体験しておるものでして、そういった観点、農業を守るという観点に立った場合でも、この公共事業の重要性、地域経済に及ぼす重要性というのは私は非常に、単純な費用対効果ではなくてその周辺、公共事業周辺を取り囲むいろんな人間関係、そして地域の維持、そういったものも考えていった場合、どうしても私は重大な効果を持つものだと考えておるわけで、公共事業なんか要らないと、そういった者の意見というのは、農家、おまえら死んでしまえというような極論にも私は聞こえるわけでございます。そういったことで、ぜひこの公共事業、経済効果の上がるような公共事業というものの今後さらなる進展を望むわけでございます。
 もう一点、今までも議論が多分大分なされたと思うのですが、入札に関しての調査基準価格というんですか、それの下回る、件数も午前中の質疑の中であったように聞いております。そういったものを受けて限定してお尋ね申し上げたいのですが、例えば雪谷川の河川改修、これは10件ほど出たと聞いておりますが、そのうちの半分近くが調査基準価格以下、それもかなりな低い価格で出ている。大体全部10工区ほとんどが2億二、三千万円の工事です。その同じそれが10工区出て、その中で片や90数%、片や60%、非常にこのバランス、アンバランスというんですか、ちょっと見ると異常な感じを受けるのですが、当然事前の調査というのはなさったと思うのですが、どういう理由でそういうふうに同じ工区で、同じ予算規模で60%とかそういった落札価格が出たのか、その理由をお尋ね申し上げたいと思います。

〇藤尾建設振興課長 委員のお話の中にありました雪谷川の災害復旧関連の中で、低価格調査対象のものが多発したということにつきまして、昨今のいわゆる受注高が減少する中にありまして、企業の受注意欲あるいはまたそういう中で企業努力を反映させた形でのいわゆる結果ではないかと考えてございます。こういう状況でございましたけれども、私どもといたしましては契約内容の履行が確実にできるのかどうかといったようなことで、低入札価格調査制度に沿って調査をさせていただきまして、この結果1件だけがいわゆる失格になったわけでございますが、これはいわば工事単体で、いわゆるその経費を入札価格でもって賄えないと、会社のほかの経費を充当しなければだめだといったようなことで、これは当然この入札価格調査制度の基準から外れるといったようなことで失格にさせた例がございました。いずれにしろ、今後このような価格で果たして我々が求めるような品質の確保ができるかどうかといったようなことについては、施工管理を徹底しながら、いずれ随時確認するなどしてやっていくというふうに考えてございます。

〇田村正彦委員 事前調査で確認しておるという話でした。実は先ほど部長──部長というか、私も申し上げたのですが、公共工事の経済に及ぼす影響、それを考えた場合、把握しているかどうかは存じないのですが、そういう低落札業者に働いている人間、下請する業者、これが実際の話は物すごいたたかれてどうにもならないというような状態だと、私はそう聞いておるんです。この件、いいとか悪いとかではなくて、やはりある程度の公共事業という観点に立った場合、安ければよかろうという考えでは、とても公共事業という性格が十分に発揮できないのではないのかなと、そう思うわけなんです。私ぜひ考えていただきたいのは事後調査ですね。事前調査というのは、事前には書類も何でもそろえます。何でも約束事はできるんですよ。ただ、事後それを調査することによって果たしてその約束が履行されたかどうなのか、ちゃんとした製品が使われたのかどうか、事後調査というのは私はすごい必要だと思うのです。こういった入札制度に関しては。今のスタッフでは当然そんな事後調査できるようなスタッフ、土木部にはいるわけはないわけで、私は第三者機関、県のOBでも土木部OBでもいいです。そういった事後チェックをする機関なり組織というものを、私はつくってきちっとした工事をするべきだと思うのですが……。

〇佐々木一榮副委員長 田村委員に申し上げます。簡潔明瞭に質疑お願いいたします。

〇田村政彦委員(続) そういう組織を私はつくるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

〇藤尾建設振興課長 事後調査につきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる契約内容どおりに履行が確保できるかどうかといったようなことで、施工確認表みたいなものを作成し、随時確認することに努めてまいりたいと考えてございます。ただ、新たな組織そのものについては考えていないところでございますが、御心配されるようなことにつきましては、せんだっての入札制度改善プログラムの一つに決めさせていただいたところでございますが、不良・不適格業者の総合排除システムといったようなものを構築し、これの適切な運用によって、適正な施工といったようなものを確保してまいりたいと考えてございます。

〇佐々木一榮副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木一榮副委員長 質疑がないようでありますので、これで土木部関係の質疑を終わります。
 土木部の皆さんは退席されて結構です。
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求めます。

〇小笠原企業局長 それでは、企業局関係の議案につきまして御説明を申し上げます。
 具体的な内容に入ります前に、簡単に平成13年度の事業運営に当たりましての基本的な考え方、あるいは概略的な内容につきまして若干触れさせていただきます。
 地方公営企業を取り巻く経営環境といったものも、例えば、電力の自由化といったことに見られるように、規制緩和の推進と変化が非常に顕著になってきております。したがいまして、これらの変化に適切に対応するということが必要でございまして、事業の効率的、合理的な経営の確保に取り組んでまいる必要があると考えております。
 まず、電気事業についてでございます。
 これにつきましては、引き続き安全で、かつ効率的な発電所の運転と施設の適切な維持管理に努める、その上で安定した収入を確保し、経営の効率化の確保にきめ細かに留意していく考えでございます。
 また、あわせまして環境との調和とか、自然エネルギーの活用といったことを図る観点から、岩手県が有する水力資源の開発に努めるということ、それから、風力発電事業等にも取り組んでまいりたいと考えてございます。
 平成13年度の主要な建設事業といたしましては、水力発電につきましては、現在進めている柏台発電所、これは平成14年秋の運転開始を目指しておりまして、引き続き工事を鋭意推進してまいることとしております。
 また、新しいところを開発するということで、引き続き流量調査等を継続して実施してまいることといたしております。
 風力発電につきましては、浄法寺町の稲庭高原風力発電所を本年8月の運転開始に向けて建設工事を継続して実施する。それから、新たな開発可能地点といたしまして3カ所程度調査を進めてまいりたいと考えております。
 次に、工業用水道事業であります。
 最近の企業の立地状況などから未売水を大変抱えておりまして、今の経営環境を見ましても、水需要の大幅な拡大というのは、現時点ではなかなか見通しが立たない状況にございます。また、支出面におきましては、水源費に係る企業債の利息、あるいは減価償却の増加があります。こういったことで、今後とも厳しい経営状況が続くものと予測いたしているところでございます。
 さらに、今の施設、給水開始をして20年を経過いたしておりまして、大変老朽化が進んでおります。それと、当初予定していた以上の良質な水、これは半導体の工場が主力でございますので、大変良質な水を供給する必要があるということで、現在の施設能力の限界での操業を行っている現状にあります。
 こうした状況を踏まえまして、安定的な用水供給を確保していくという観点から、平成13年度には第二北上中部工業用水道事業、これは岩手中部工業団地に供給している施設でございますが、これの沈殿池1面の増設工事を行います。
 また、第三北上中部工業用水道事業の取水施設の増設工事等を実施することといたしております。
 それから、水需要の拡大につきましてはなかなか厳しい状況にはございますが、引き続き関係部局と連携をとりまして、水需要の拡大を進めたいと思っておりますし、経費の節減にも一層努力してまいりたいと考えております。
 それでは、議案について御説明申し上げます。
 議案その1の53ページをお開き願います。
 まず、議案第14号平成13年度岩手県電気事業会計予算であります。
 第2条業務の予定量についてであります。第1号の年間販売目標電力量は、先ほど御説明申し上げましたが、本年8月に運転開始予定の稲庭高原風力発電所を含めまして、各発電所の目標電力の合計を5億6、638万9、000キロワットアワーと定めようとするものでございます。
 第2号の主要建設事業であります。54ページでございます。柏台発電所建設事業につきましては、導水路・水圧管路の工事、これは継続いたしますし、発電所本館の建設工事も実施するとするものでございます。それから、稲庭高原風力発電所建設事業につきましては、風車発電機の据え付け工事、周辺整備工事等を実施しようとするものでございます。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額でございます。
 まず、収入の第1款電気事業収益でございますが、これは52億5、728万7、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項の営業収益49億3、186万8、000円は水力発電所分の電力料収入等でございます。
 第2項の財務収益1億6、860万円は、株式配当金あるいは預金利息等でございます。
 第3項の附帯事業収益4、537万1、000円、これは稲庭高原発電所、8月から展開する見込みの電力収入でございます。
 第4項事業外収益1億1、144万8、000円は、松川発電所の建設費利子補給金等でございます。
 次に、支出の第1款電気事業費用は45億539万2、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項の営業費用38億8、600万6、000円は、水力発電所分の職員給与費及び修繕費等でございます。
 第2項の財務費用4億7、387万4、000円は、企業債の支払利息でございます。
 第3項の附帯事業費用4、124万8、000円は、稲庭高原風力発電所の運転管理費用でございます。
 第4項の事業外費用9、926万4、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額でございます。
 次に、第4条は資本的収入及び支出の予定額でございます。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入が資本的支出額に対して不足する金額19億4、680万8、000円を過年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものでございます。
 収入の第1款資本的収入は6億105万3、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項の企業債1億2、200万円は、柏台発電所の建設資金を借り入れようとするものでございます。
 第2項の補助金4億5、438万9、000円は、柏台発電所及び稲庭高原風力発電所の建設事業に対する国庫補助金等でございます。
 第3項の負担金466万3、000円は、仙人発電所の共有施設の改良工事負担金でございます。
 第4項の長期貸付金償還金2、000万円は、工業用水道事業会計からの償還金でございます。
 支出の第1款資本的支出は25億4、786万1、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項の建設費13億5、748万7、000円は、柏台発電所及び稲庭高原風力発電所の建設費でございます。
 第2項の改良費4億6、199万3、000円は、各発電所の設備の改良・更新に要する経費でございます。
 第3項の電源開発費9、092万3、000円は、新規の開発地点の調査等に要する経費でございます。
 第4項は、企業債償還金でございます。
 第5項の長期貸付金1億2、000万円は、経営健全化のため、工業用水道事業会計へ貸し付けを行うものでございます。
 次に、第5条の企業債についてであります。56ページをお開き願います。柏台発電所建設事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものでございます。
 次に、第6条は、一時借入金の借入限度額を1億2、200万円と定めようとするものであります。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の金額を定めようとするものであります。
 第8条は、棚卸資産の購入限度額を1億円と定めようとするものでございます。
 以上で電気事業会計の予算の説明を終わります。
 次に、57ページの議案第15号平成13年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
 まず、第2条業務の予定量についてでございますが、第1号は、北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する19事業所に対する給水量を年間総給水量で1、539万2、780立方メートルに、1日平均給水量では4万2、172立方メートルにそれぞれ定めようとするものでございます。
 第2号の主要建設事業は、第二北上中部工業用水道建設事業においては沈殿池の増設等を、それから第三北上中部工業用水道建設事業は取水、配水ポンプ増設工事等を実施しようとするものであります。
 次に、58ページをお開き願います。第3条は、収益的収入及び支出の予定額でございます。
 まず、収入の第1款工業用水道事業収益は11億7、709万9、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項営業収益11億7、661万3、000円は給水収益等であり、第2項の財務収益38万5、000円は預金利息でございます。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は11億3、832万5、000円でございます。その主な内訳でございますが、第1項の営業費用8億5万3、000円は、職員給与費、業務委託費及び修繕費等でございます。
 第2項の財務費用3億1、999万1、000円は、企業債の支払利息等でございます。
 第3項の事業外費用1、778万1、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額でございます。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額でございます。まず、本文中の括弧書きにつきましては、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する金額2億8、103万6、000円を、当年度分損益勘定留保資金等で補てんをしようとするものでございます。
 収入の第1款資本的収入は6億1、535万8、000円で、その主な内訳でございますが、第1項の企業債3億9、400万円は、第二及び第三北上中部工業用水道事業の建設資金及び各施設の改良資金につきまして借り入れをしようとするものでございます。
 第2項の出資金8、745万8、000円は、一般会計から出資を受けようとするものでございます。
 第3項の補助金1、390万円は、第三北上中部工業用水道事業の建設事業に対します国庫補助金でございます。
 第4項の他会計からの長期借入金1億2、000万円は、電気事業会計から借り入れようとするものでございます。
 次に、支出の第1款資本的支出は8億9、639万4、000円で、その主な内訳でございますが、第1項の建設費3億4、652万円は、第二及び第三北上中部工業用水道の建設費でございます。
 第2項の改良費1億13万5、000円は、各施設の改良・更新に要する経費であり、第3項は、企業債の償還金でございます。
 第4項の他会計からの長期借入金償還金1億2、097万4、000円は、一般会計及び電気事業会計への償還金でございます。
 第5条の債務負担行為についてでございますが、これは、設備改良・更新工事等の事項につきましては、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
 第6条の企業債についてでございますが、これは、第二北上中部工業用水道建設事業と、60ページの第三北上中部工業用水道建設事業及び施設の改良事業に充てる企業債の借入限度額を定めようとするものであります。
 第7条は、一時借入金の限度額を3億9、400万円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の金額を定めようとするものであります。
 第9条は、棚卸資産の購入限度額を100万円と定めようとするものであります。
 以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わらせていただきます。
 なお、これらに係る実施計画、資金計画、給与費明細書、継続費に関する調書、債務負担行為に関する調書及び財務諸表につきましては、予算に関する説明書の471ページから523ページに掲載いたしておりますが、説明は省略させていただきます。
 以上で企業局関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。

〇佐々木一榮副委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇菅原温士委員 電気事業の今後の経営につきましてお尋ねいたします。
 先ほど局長からお話ありましたように、規制緩和によりまして電力の自由化と、そういう方向に今流れておるわけであります。今までは、電力は電力会社から買うという一般的な考えであったわけでありますが、そういう関係で今、何と申しますか、異業種が、電力会社でない企業が電気をつくって売るという、いわゆる卸売をする、あるいまた小売をするという時代になったわけですね。大きく言葉で言いますと、分散型の電力ですか、電気事業ですか、そういうことも言われるのではないかと、そんな感じをいたしておるわけであります。したがって、電力会社もこれからいよいよ冬の時代に入ってくるのではないかと、そんな感じであります。
 これは人から聞いた話ですから確かじゃありませんが、電力会社ではリストラ、社員の退職奨励をしている、退職金も上乗せするというような話がありますというような情報を得ているわけでありますが、なるほどなと、そんな感じをいたしたわけでございます。
 電力会社は大きな発電所とか、火力発電所をつくりまして、送電線で電気を送っているわけなんですが、ロスが非常に多いということなんですね。したがって、今話題になっておりますのが、大型のガスタービンで電気を起こす、それを売電するとか、自分で使う、そういう方向にあるようであります。
 ところが、このごろ活気を帯びてきましたのは、マイクロガスタービンで電気をつくるということ。自分で使う電気は自分でつくるという時代に入ってきたような感じをいたしておるわけでございます。マイクロガスタービンはアメリカの会社が開発したんですが、キャプストンという会社が28キロワットアワーの小型のマイクロガスタービンを開発したということです。そのほか各社ありますが、40キロ、50キロ、100キロ、200キロというマイクロガスタービンがあるんですが、28キロのマイクロガスタービンは一般家庭用からちょっと中型のスーパーとか、病院、レストラン、そういうところに向いているわけなんです。いわゆる熱源併給ですね、電気も起こすし給湯もできる、そして冷暖房もするといういわゆるコージェネでありますが、これが普及してくるわけであります。ローソンでは、もう設置を決めておるわけでありますが、700万円で設置したけれども、7年間で償却できる、そういうような資料もあるようであります。
 これが普及してきますと、今までの電力会社が供給していた電力に相当大きな影響が出てくるのではないか、そんな感じをいたしております。したがって、これが将来大きな商品になってくるのではないかという感じをいたしておるわけであります。
 資料によりますと、我が国の著名な企業、三菱重工、日立、東芝、クボタ、石川島、トヨタ自動車、NTTの関連会社、東京ガス、東京電力、いずれも実証試験に入ったという記事が実はあるわけであります。
 したがって、いわゆる我々の家庭でも、あるいはこういうようなコージェネレーションが普及してきますと、電力業界に対しても大きな影響が出てくるのではないか、そんな感じがしておるわけです。
 これは、省エネも20%以上あると言われておるわけです。それから、環境にも優しい、そういう資料もあるわけでございます。そういうことで、将来お考えになっていると思いますが、電力事業というものも非常に困難な時代に直面してきたのではないかという感じをいたしておるわけでありますが、まずこの点につきまして1点、当局のお考えをお示し願いたいと思います。

〇小笠原企業局長 ただいまマイクロガスタービンのお話がございまして、私ども今のところ直接かかわりがないんですが、間接的には関係もある、出てくると考えておりまして、いろいろ情報収集等は行っておりまして、委員お話のような状況と承知しております。
 これは、コージェネで、将来コストの削減も期待できるということで、国におきましても、ここ10年で25%ぐらいコストを削減して一般的に普及させたいというような計画を持っておりますし、それから、民間でも研究が進んでいる。電力会社、ガス会社もそういったところに取り組もうとしているということでございます。
 ただ、これがどの程度普及するかというのは、私どもまだちょっとつかみかねております。現在、国の方の総合エネルギー調査課の新エネ部会でエネルギーの需給見通しが議論されておりまして、それらが出てくればはっきりしてくるのではないかと考えております。
 ただ、これはちょっと一般家庭では少し大きい、余り小さくはできないということでありまして、余り大きくてもまた、コストがちょっと高くなるということで、お話ありましたとおり、福祉施設でありますとか、スーパー、病院とか、電気と熱を両方使う、効率的に使うというところでかなり期待がなされているという状況であります。
 いずれ、ここ10年ぐらいでかなり普及するのではないかと考えておりまして、そうしますと、当然のように、これは規制緩和、いわゆるコストの削減というふうに働くわけでございます。私どももそれに対応して、コストのいろいろな切り下げに努力していかなければならないものと考えております。

〇菅原温士委員 補足いたしますけれども、今アメリカで入っている28キロワットの電気は、家庭用の冷蔵庫ぐらいなそうであります。これは、いわゆる今までレシプロエンジンを使いましてコージェネをやっていましたけれども、これよりも非常に効率がいいと。部品の数も少ないし、メンテナンスもほとんどないというようなことを言われておるわけであります。
 次に、風力発電についてお伺いいたしたいわけですが、先般、住友商事と三陸町との第三セクターである三陸ウィンドファームですか、風力発電をしようと思ったんですが、イヌワシの保護の観点からうまくなくなったわけです。事業実施を断念した、風力発電を断念したと報道されたわけでありますが、やっぱり残念だなと、そのように思っておるわけであります。
 イヌワシ保護の観点、いわゆる猛禽類の関係はどうだったのか。そしてまた、今現在、先ほど話がありました浄法寺の稲庭風力発電所ですか、これらの開発条件に猛禽類の調査結果とかそういうものの問題点はなかったのかどうか、これをひとつお聞きいたします。
 次に、東磐井郡の室根地区の風力発電の新規開発ということでお伺いいたしたいわけでありますが、大東町では室根山という大きな山があるわけでありますが、北側に室根高原での風況観測を実施した結果、採算ベースの風況が見込まれる、こういうようなことでありまして、大東町から企業局に事業化の要望をしたと聞いておるわけでありますが、これらの開発見通し、あるいはまた、何か問題点があればお聞かせ願いたいと思っておるわけでございます。

〇小笠原企業局長 風力発電と猛禽類の関係、大分話題になっておりまして、浄法寺の稲庭高原風力発電所につきましても、おととしの11月から昨年の暮れまで、14カ月間ぐらい民間の保護団体であります東日本ワシタカ研究会に委託いたしましてモニタリング調査をしております。これにつきましては、専門家であります県立大学の由井先生の指導と、当然自然保護課の指導を得ながら進めたり、分析をしたりしてきたわけであります。
 ずうっと見えなかったんですが、昨年の夏ごろにイヌワシが2回ほど観測されております。クマタカは1回だけ、オオタカが4回ほど確認はされております。ただ、大変頻度が少ないということ、それから、イヌワシなんかは繁殖期、特に冬から夏にかけますとその辺に営巣地があるということのようですが、こういったことは一度もないということ。あと、そもそもそういった情報が全くなかったわけですし、周辺の環境からも、生息している可能性はほとんどないということでございまして、専門家の先生方の判断も得ておりますし、開発には特に支障はないと考えて進めてございます。
 それから、室根高原でございます。お話ありましたとおり、これは大東町の方で風況観測をおととしの10月ごろからやっておるものでございまして、去年の春に町長さんの方から、よさそうだから開発をしてくれないかというお話がございました。この9月まで風況観測を続けたわけであります。その結果、年間6メートル行っているということで、私どもとしましてはもう少し欲しいんですが、何とか努力をすれば事業化はできると見込んでおりまして、具体的な検討を進めております。
 何とか私どもはやりたいと思っておりますが、ただ、ここでも、実は猛禽類調査を昨年の10月から始めているんですが、事前にいろいろなところから情報を集めたんですが、全く情報がなかったんですが、モニタリングをしてみますと、飛んでは来ると。この6カ月ぐらいで3回ぐらい飛んできているということがございます。これをもう少し調査をしてみる必要があると。とりあえず6カ月分の調査結果をもとに、由井先生なんかの御見解をいただきたいと思っておりますし、それらを踏まえて、今後引き続き調査も必要でありますが、どう判断するかということがあります。
 それから、あとは県立自然公園内にございまして、ここは第3種の普通地域になっておりまして、従来は余り問題なく許可されておったんですが、国の方でも、国立公園の方をちょっと見直すというようなこともありまして、それと連動して若干検討するようでございます。そういった問題。
 それから、電力会社も、ことし全体でどのぐらいあるかということを把握しないと受けられるかどうかわからないということ、それから、それを踏まえて補助も受けるという若干他律的な要因がございまして、まだちょっと判断をつけかねているところでございます。
 私どもとしては、何とか事業化にこぎ着けたいということで、私どもの立場では鋭意努力してまいりたいと考えております。

〇菅原温士委員 ありがとうございました。
 郡内には、もう既に東山町の組合でやっている風力発電があるんですが、何とか二つ目の風力発電施設を郡内に設置してもらうように最大限の努力をしていただくようにお願いいたしまして、終わります。

〇伊藤勢至委員 1点だけお伺いいたします。
 企業局はまさに業をたくらむ企業局でありまして、過去には観光会計事業と有料道路会計もお持ちだったわけでありますが、いろいろなことでそれをやめてしまった。だけど、現状では優秀なスタッフと予算規模は横ばいに推移している。こういうことから、新しい部分に積極的に取り組んでいく潜在能力を一番持っている部署だと思っております。
 そういう中で、新しいエネルギーとしての環境保護という観点からも、風力発電等に今取り組んでおられるようでありますが、どうも取り組みが国内的にも、あるいは世界的にも遅回ってしまっているのではないか。隣近所の県がやり出してから、じゃ、岩手県もやりましょうかと、こういうスタイルにしか見えないわけでありまして、ここ3年、5年、10年先ぐらいを見通した、国内で最初のチャレンジャー精神を持って、進取の意気を持って新しい事業という部分をたくらんでいくべきだと思うわけでありますが、そういうお考えがないかどうか、まずお示しいただきたい。

〇小笠原企業局長 この件に関しましては、かなり前からいろいろ御指摘をいただいておりまして、企業局といたしましても、いろいろな事業をピックアップしながら検討してきた経緯がございます。
 ただ、私どもがやる場合は、事業としてやる、経営としてやるということでございます。それを事業として興す場合は、資金を自前で調達して、人も用意して、したがって、極端に言えば、一般会計みたいに使い切ってしまえば終わりと、そういうことにはなりませんで、そこで借金が残れば、どうして償却するかと、そこまで考えてやらなければならないということがございますので、なかなか今の時代、公営企業としてやれる新しい事業は極めて限られているのかなという感じもいたしております。
 ただ、私ども企業局だけの考えを申し上げれば、ぜひ何かやりたいというのは切実な願いではあります。しかし、ある意味で一般会計よりも制約があるということがございまして、なかなか踏み出せない状況でありますが、気持ちだけは持っているつもりでございます。

〇伊藤勢至委員 最初に気持ちがあればいいんですよ。気持ちがなけりゃ、何事も動かないわけで、やる前から負けてはいけないと思うわけであります。
 そういう中で、先ほどの菅原委員の質問ともオーバーラップしますけれども、例えば、風力発電もそのとおり、あちこちがやり出してから動き出した、あるいは、海洋深層水という部分につきましては、今いろいろ脚光を浴びておりますが、これは15年前から高知県が取り組んで、今やっと物になってきている、こういう状況であります。
 そういう中で、今世界の環境を守ろうということから、二酸化ガスを、排出ガスを出さないという部分で、自動車そのものの燃料という部分に革命が起ころうとしております。あるいは、家庭用のボイラーもここ5年ないし10年の間には燃料電池に変わっていくだろうと言われております。そしてまた自動車も、ここ3年、4年のうちには燃料電池が主流を占めるだろうと言われておりまして、本田とかトヨタ、あるいはクライスラー等では、すでに実用車を路上運転試験にまで今繰り出してきている、こういう現実があるわけであります。
 そういった中で、メタノールを活用して、メタノールから水素を取り出して、水素の動きによって電気を起こして、これで燃料電池、この電気で動かすということであります。そうした場合に、メタノールの堆積層が実は三陸沖にもある。メタンハイドレートであります。500メートルぐらいの深さに世界に点在しているのだそうでありますが、いよいよカナダで世界の学者が集まって動き出しました。そういった中で、三陸の今まで眠れる資源といいますか、そういった部分で目が向いていなかった部分を先取りをして、活用しながら動きを起こすべきだと思うのであります。3年後、5年後にはこれが主流を占めると言われております。
 三陸海岸の三陸海岸たるゆえんは、親潮と黒潮がぶつかるということでありますが、親潮系の、あるいは黒潮系の魚、魚介類が豊富だというだけではなくて、これは巨大なエネルギーだということです。したがいまして、温度差発電、波力発電、そういった部分も含めまして、三陸沿岸の振興という観点からも、全国に先駆けてそういう実証機関の誘致をしながら、長いスパンで取り組んでいく、全国に先駆けていく、こういう部分が必要だと思うのであります。今すぐではなくてもやりたい気持ちはあるとおっしゃいましたから、その上に加味した動きを何かお示しいただいて、全庁的に取り組んでいけば、必ず、21世紀は三陸沿岸からルネサンスを起こせると思うわけでありますが、お考えをお聞きして、終わります。

〇小笠原企業局長 大変壮大なお話でございまして、この件に関しましては委員からもいろいろ事前に資料もちょうだいいたしまして、私も勉強させていただいております。ただ、これはいずれも膨大な埋蔵量があるということで、有望で、先ほどお話されましたとおり、カナダ等で研究が具体的に進められて、それに日本も加わっているような感じであります。
 しかし、言ってみれば大変密度が小さい、要するに1単位のエネルギーを集めるためにはすごい広い範囲から取り出さなければならないという話になるわけでございまして、このためのコスト面を考えた技術開発とか、あるいはそのための莫大な資金というものがございます。それから、高度な能力が必要だということになりますので、これは今このことに関して私どもがどうのこうのするということは全くできない状況であります。
 ただ、こういったことが進めば、私どもの事業のチャンスも出てくるのではないかというような、ちょっと夢を見過ぎかもしれませんが、正直言ってそういう感じは持っていまして、何かないのかなと。したがって、研究所の話がございましたが、これらは恐らく企画振興部等が主体になっていくものと思われますけれども、何かあれば私どももいろいろ連携・協力して、十分関心を持ちながら情報収集して、何かお役に立ちたい、あるいは自分でもやっていけるチャンスがあればとは思っております。

〇佐々木一榮副委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇水上信宏委員 小笠原局長におかれましては、この3月をもって県を勇退されると伺っております。まことに僣越ですが、お許しをいただき、この機会をおかりして一言お礼の言葉を申し述べさせていただきたいと思います。
 小笠原局長には、昭和42年に当時の二戸福祉事務所に勤務されたと伺っております。以来、およそ33年間の長きにわたり、県政のさまざまなセクションにおいて、その幅広い見識と卓越した実行力を大いに発揮して、県勢の発展に尽力なされました。
 平成8年には環境保健部次長、そして平成9年には生活環境部次長を歴任され、環境保健部次長時代には、精神障害者社会復帰促進計画の策定に尽力され、さらに、腸管出血性大腸菌、いわゆるO-157が社会問題となったときは、感染者対策や予防対策など、率先して取り組まれました。
 生活環境部次長時代には、地球規模での環境問題に県民の意識が高まる中、本県においても、ダイオキシン問題を初め、環境ホルモン等の化学物質問題、ごみ処理問題などに精力的に取り組まれ、本県における資源循環型社会の構築に向けた環境首都構想の実現に尽力なされました。
 平成11年4月、企業局長に就任され、まず、電気事業については、県営として12番目の早池峰発電所の建設事業を取り進め、予定どおり平成12年6月から運転を開始する一方、柏台発電所についても、平成14年度の完成に向けて本格的に事業を進めるなど、クリーンエネルギーとしての水力発電の開発を積極的に推進されました。
 また、県営では第1号になります稲庭風力発電所の建設事業について、平成13年8月の完成に向けての事業に取り組んだところであります。
 次に、工業用水道事業については、本県の経営健全化計画を積極的に推進され、水需要の拡大や経費の節減などに努め、平成11年度決算においても、引き続き黒字となり、3年連続の黒字となるなど、地方公営企業の運営原則であります公益性、経済性を確保しながら、この事業の効率的・合理的経営に取り組んだところであります。
 ここで改めて深く敬意を表しますとともに、感謝を申し上げる次第でございます。
 小笠原局長におかれては、新たな道に進まれても、健康に十分留意されまして、なお一層御活躍、御発展をお祈り申し上げます。
 また、私事で大変恐縮ですが、どうか昼でも、また夜の町で会っても、ぜひ声をかけていただき、飲めなくてもおつき合いさせていただきますから、御指導いただきますことをお願い申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。
 この際、小笠原企業局長から、退任されるに当たっての御所感をお聞かせ願えれば幸いに存じます。県庁生活を振り返っての御感想をお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。

〇小笠原企業局長 ただいまは本当に身に余るねぎらいの言葉をいただきまして、しかもこういう場でいただきまして、大変恐縮をいたしております。
 お話ありましたとおり、この3月で退職することになりました。いずれ、この間、議員の皆様方からはいろいろな御指導やら、叱咤激励をいただきました。このことにつきましてお礼を申し上げますとともに、大変それにおこたえできなかった部分も多々あるわけでございます。このことにつきましてはおわびを申し上げなければならないと思っております。
 30数年間、最初に入ったときからいろいろな思いとかありますけれども、私は大した人間ではございませんので、ここで御披露するようなことはございませんが、改めてみてみますと、当時、昭和40年前後から今の時代を振り返ってみますと隔世の感があると。要するに岩手県、日本全国そうですけれども、極めて大きく発展したというのが実感でございまして、自動車でも、当時はだれも持てなかったわけですが、今はみんな持っているという状況で、道路を見ても、あるいは福祉の問題にしても、大変な発展だと思っております。
 また、岩手県はおくれていると一応思っておりますが、私なんかもときどき他県に行くんですが、必ずしもそうではない、むしろ岩手県が発展しているのではないかということが多々感じられるようになったと思っております。したがって、岩手県の方が発展の度合いは恐らく大きかったのではないかというような感じも最近ではいたしております。
 ただ、いずれそれはある意味では過去の話で、今は社会経済情勢、経済状況も極めて思わしくない、財政状況も厳しいという時代でありまして、余り昔の夢を追っていることはできないわけであります。いずれ、県なり、あるいは市町村なり、国なり、身を切るような努力をしなければならないということ、それから、県民一人一人がまた、それぞれの立場でそれなりの努力をしていかなければならないということがございます。
 あわせまして、議員の先生方、政治のリーダーシップというのはまた今後さらに求められるというような感じもいたしておりまして、議会の先生方には、まさに先見性のあるリーダーシップが住民の方々から期待されているのではないかと思います。先生方、どうぞ御健勝で、ぜひ県勢の発展のために一層の御活躍、御健勝を期待申し上げたいと思います。
 最後に、私ども、私と及川技師長が退職いたします。これまで寄せられました数々の御厚情に感謝申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。
 どうも本当にありがとうございました。(拍手)

〇佐々木一榮副委員長 これで企業局関係の質疑を終わります。
 以上で質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。
 当委員会に付託されました議案35件についての意見の取りまとめ方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派代表の方々で御協議願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木一榮副委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後2時48分 休 憩
   午後3時27分 再 開

〇中屋敷十委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案35件について、各会派の代表の方々で協議した結果をご報告申し上げます。
 議案第1号については、次の意見、すなわち、我が国経済情勢は、依然個人消費が伸び悩み、失業率が高水準で推移するとともに、生産も弱含みとなり、景気の改善に足踏みが見られるなど厳しい状況にある中にあって、平成13年度における本県財政は、県税や地方交付税などに従来のような伸びが期待できない一方、県債残高の抑制にも努めなければならない状態にあり、一段と厳しい環境下に置かれるものと予想される。
 また、地方分権が実行段階に入った今日、新たな行政ニーズに的確に対応しながら、岩手県総合計画に掲げる諸施策を積極的に進める必要があり、これらにより増大する財政需要に対応するため、これまでにも増して機動的かつ効率的な行政運営が求められているところである。
 このようなことから、今後の財政運営に当たっては、行政システム改革大綱に基づいた行財政改革を一層推進するとともに、自主財源のさらなる確保を図るなど、引き続き財政運営の健全化に努められたい。
 また、地域経済の動向に配慮し、その活性化を図る観点から、雇用対策や県内各産業の振興、環境への取り組みなど、必要な施策を適時適切に実施するとともに、職員の士気のなお一層の高揚を図り、その創意と工夫により、岩手県総合計画に描く豊かさとゆとりを実感できる魅力ある地域社会の形成と地域の特性を生かした県土の均衡ある発展が実現できるよう、さらに努力せられたい旨の意見を付し、原案を可とすることといたしました。
 また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 これより、討論を省略し、採決を行います。
 まず、議案第1号について採決いたします。
 本案は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇中屋敷十委員長 起立多数であります。よって、議案第1号は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第38号、議案第42号、議案第46号、議案第50号及び議案第51号の以上18件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇中屋敷十委員長 起立多数であります。よって、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第38号、議案第42号、議案第46号、議案第50号及び議案第51号は、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第31号、議案第32号、議案第37号、議案第40号及び議案第48号の以上16件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇中屋敷十委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第31号、議案第32号、議案第37号、議案第40号及び議案第48号は、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって、当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして、深く感謝申し上げます。
 これをもって予算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後3時32分 閉 会

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