平成13年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇19番(及川幸子君) 自由党の及川幸子でございます。
 3度目の登壇の機会をいただきまして、心より感謝申し上げます。
 これより、県民の代表として県民の声を届けますので、わかりやすい答弁をお願いいたします。
 まず最初に、増田知事の県政に対する姿勢についてお伺いいたします。
 昨年末、報道機関が実施した県民世論調査によりますと、増田知事の仕事ぶりに対する支持率は88.2%と、高い評価になっております。我が国を預かる森首相の1けた台に比べれば、驚異の数値であります。評価の理由は、若くて行動力があるなどで、地域に精力的に出向き、県民と直接触れ合う姿勢が好感を持たれているとされております。
 一方、マイナスの評価の理由は、政治の姿勢がはっきりしないで、37.1%でトップを占めております。平成7年当時の新進党の支援を得て当選した知事だが、昨年春の知事選を契機に、各党と等距離の姿勢に変わったことが、わかりにくさにつながっていると報じられておりました。
 そこで知事にお伺いしますが、今議会冒頭に知事演述がありましたが、13年度県政運営に当たっての決意と、この県民のプラス・マイナス評価に対する所感を賜りたいと存じます。
 次に、県政懇談会についてお伺いいたします。
 知事は就任以来、県民から意見、提言を直接聞き、県政に反映させていくことをねらいとして県政懇談会を開催してきましたが、県政懇談会で大切なことは、寄せられた県民の意見、提言をできる限り県政に反映していくことであり、意見、提言をさらに引き出していく努力をしていくことだと思います。
 そこでお伺いいたしますが、本年度の県政懇談会に寄せられた意見、提言を受けて、早期に取り組めるもの、将来的に実現に向け努力していくもの、全く要望にこたえられないものなど、県政への反映状況はどうなっているのでしょうか。また、来年度の開催計画についてもあわせてお示し願います。
 次に、ごみ減量化、資源の活用についてお伺いいたします。
 近年、岩手の環境も地球規模での環境汚染の波が押し寄せ、山野、河川、海など環境破壊が進行している状況であります。県では、総合計画の中で一般廃棄物のリサイクル率指標を設定しておりますが、それによりますと、平成9年度のリサイクル率14.4%、中間年次の平成17年度23.2%と掲げておりますが、現在の状況はどうなっているのでしょうか。
 また、環境省の検討会は、ペットボトルのリサイクルのあり方を見直しておりましたが、平成16年度までにリサイクル率50%超を目標とするとし、今後、この報告書をもとに国や自治体、産業界が実施すべき対策を盛り込んだ行動計画をつくる方針のようでありますが、県においては、ごみ減量化とリサイクルを推進していくために、今後、どのような取り組みをなされていくのかお聞かせ願います。
 関連して、特に人体への影響が懸念される医療廃棄物については、県内でどの程度発生し、どのように処理されているのかお示し願います。
 次に、児童虐待の状況とその対応についてお伺いいたします。
 よく口にする言葉に、目に入れても痛くない我が子という言葉がありますが、それほどまでにいとしいはずの我が子を、親の手で死に至らしめるという事件が余りにも多く、何で子供を産んだの、何で自分の子に熱湯をかけるの、餓死するまで子供に食べ物を与えないで自分だけ食べている親に、やり場のない憤りを覚えるのです。言うことを聞かないから、御飯を食べるのが遅いから、泣きやまないでうるさいからなどと、理由が余りにも親としての自覚を疑うものばかりです。事件が起こる前に手だてはなかったのか、憤りを感じるのであります。
 厚生労働省は、昨年11月の児童虐待防止法施行後も、保護者による虐待で児童が死亡する事故が相次いでいることを重視し、各都道府県に児童相談所など、関係施設の対応を再点検するよう緊急通知を出したということでありますが、本県における児童虐待の実態と今後の対応についてお伺いいたします。
 私は、児童虐待の背景に、子育てに対する無知や無自覚が潜んでいると思うのであります。子育ての大切さや子育て自体について、若い世代に十分理解してもらうことが、児童虐待をなくしていく上で重要と考えるものでありますが、特にも、人知れず子育ての悩みを抱えている若い保護者への対応についてはどのように考えておられるのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県南へのリハビリテーションセンターの設置についてお伺いいたします。
 私の周辺にも、突然襲ってきた脳血管疾患により手足が動かなくなり、食べることも飲むこともできなくなってしまった知人がおります。生きていく希望をなくしそうになりながらも、家族の懸命な看病とリハビリ、高度な医療体制により、今はベッドから起き、自分で歩くまでに回復いたしました。しかし、まだ自力で物を飲み込むことができないために、自分の手でチューブを口から胃に差し込んで流動食をとっている状況です。食感を全く味わえない彼女に対して、口から直接物を食べ、飲み込める日が一日でも早く来るよう願わずにはいられません。
 雫石町にあるいわてリハビリテーションセンターには、こうしたリハビリを余儀なくされた方々が機能回復を願い、遠隔地域から家族が仕事を休み通っている現状です。また、ここは利用者が多く、そのため、高齢者や障害を持った方々が、多数利用できずに待機しているとも聞いております。いわてリハビリテーションセンターの受け入れ状況はどうなっているのでしょうか、作業・理学・言語療法士の配置状況とあわせてお伺いいたします。
 また、一昨年、同僚議員も質問している問題でもありますが、県南に中核的な施設整備を願うものです。この点についてどのようにお考えなのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、中小企業対策についてお伺いいたします。
 総務省が1月に発表した昨年11月の全世帯家計調査によりますと、1世帯当たりの消費支出は2カ月連続して減少しております。その原因は、雇用不安そして老後が果たして安心して暮らせるだろうかという将来不安であります。国、地方自治体とも極度に財政が悪化しており、国民の多くは、近い将来、公的年金など社会保障が悪化しかねないかと不安を抱き、それぞれの立場で蓄えを始めているのも、個人消費の不振を招いている結果であります。政府の財政の立て直しを一刻も早く望むことはもちろんですが、何とか地方自治体でも努力をしていかなければなりません。
 地元水沢では、青年会議所が中心となり、明るく元気なまちを取り戻そうと商店街に6万個の電球をともし、小学校児童や高校生徒も参加して趣向を凝らしたイルミネーションでまちを15日間彩り、市民参加型のイベントを実践いたしました。みそかに打ち上げられた260発の花火が夜空に光り輝き、新世紀の幕あけを、景気回復を多くの市民が願ったのであります。
 また、県内におきましても、個人消費や住宅投資の低迷など景気の停滞が深刻化しており、平成12年における企業倒産は負債総額が100億円を超える大型倒産が発生するなど、前年同期に比べ件数、負債総額ともに増加する深刻な状況であり、私は県内の中小企業の経営は相当に厳しいものがあると懸念を抱くものであります。
 こうした中、厳しい状況下にある中小企業の資金調達の円滑化に大きな効果があった中小企業金融安定化特別保証制度が年度内をもって終了すると伺っており、中小企業者は大変な不安を抱いていることと思います。
 そこでお伺いいたしますが、特別保証制度の現在までの融資実績はどの程度であったのか。また、特別保証制度終了後における県内中小企業に対する金融対策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
 次に、農業問題についてお伺いいたします。
 基幹産業である本県農業は、輸入自由化による輸入農産物の増大や担い手不足による農業従事者の急速な減少などにより、農業生産活動の停滞や地域の活力の低下を招いており、本県農業は厳しい状況に追い込まれております。特にも、2年連続の豊作で国の米在庫量は拡大し、ことしの生産調整は過去最大規模になりました。本県の減反率も36.6%で、水田の4割弱で米がつくれないという現状は、米づくり農家にとり農業に対する意欲を失わせ、将来の展望が断たれております。
   〔議長退席、副議長着席〕
 米価は低く苦しい米づくり、いえ、米ばかりではなくピーマン、生シイタケ、タマネギ、アスパラなど、生鮮野菜の多くが輸入急増で、野菜づくり農家も価格低迷にあえいでおります。店頭に並ぶ野菜の多くは、国産品よりも3分の1か2分の1か低価格の輸入品が目に入り、つい消費者も安い方を求めてしまう現状であります。日本農業が厳しい現実に直面している中にあって、本県農業がこの新しい世紀を生き残っていくためにどうあるべきか、農業振興の基本的な考え方を知事にお伺いいたします。
 次に、新規就農者の確保、育成についてでありますが、食料自給率40%までに落ち込んだ今、安心で安全なものを育てる大切さ、定年後の第二の人生を農業に求める動きも全国的にふえております。
 地元水沢農業高校では市民農園を開設、応募した市民が同校職員の指導のもと、野菜や花づくりに精を出し、自給の喜びを味わっております。農業に携わったことのない人たちが農園を借り、体験の中から農家の苦労を察しながら、草取りに汗を流す姿が報じられました。農業の大切さを周知する上で、意義深い取り組みと評価するものであります。
 本県農業が、今後においても全国の食料基地として確固たるものとしていくためには、このような農業に対する理解を深め、新規就農者を確保、育成していくことが重要だと思うものでありますが、その具体的な取り組みと将来予測についてお伺いいたします。
 次に、建設業の振興についてお伺いいたします。
 本県におきましては、建設業は県内総生産の12.7%を占め、従事者数でも県内の13.5%を占める基幹産業であり、住宅や道路、橋梁等の社会資本整備を担当し、本県経済の重要な役割を担っております。これまで、業界におかれましては、経営の近代化や技術の高度化などに努力を重ね、順調な発展を遂げてこられましたが、バブル崩壊以降、不況の影響などにより民間投資額は減少傾向が続き、一方、公共投資額においても、ここ数年横ばい状態で推移しており、ほとんどが中小企業である本県建設業は厳しい経営環境に立たされているのであります。今後の建設投資についても、国も地方も厳しい財政環境の中にあって、公共事業の見直しや公共工事のコスト縮減をテーマにするなど、右肩上がりに増加するとは考えられない状況であります。
 そこでお伺いいたしますが、本県の基幹産業である建設業の振興の方向はどうあるべきか、御所見をお聞かせいただきたいと存じます。また、今後、県では建設業振興のためにどのような取り組みを行っていくのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、公共事業の見直しについてお伺いいたします。
 国、地方とも厳しい財政環境の中で、公共事業の見直しに取り組んでこられ、昨年、全国では建設省や運輸省、農林水産省関係で200件以上の事業の中止が決まり、本県におきましても、北上市の北本内ダムなど4事業の中止と村道安ケ沢線県代行事業の休止が決定したところであります。北本内ダムなどにつきましては、社会経済情勢等の変化により、やむを得ない結果であるとは思いますが、公共事業の実施は、一つ、社会資本整備にとどまらず、建設業を初め産業の育成や雇用の確保、景気の浮揚等、幅広い影響を持つものであります。したがって、公共事業の見直しを行うに当たっては、財政面だけではなく、幅広い観点から検討を行う必要があり、特に景気回復を図っていくため、重要なこの時期においては、必要な公共事業は積極的に実施していくべきであると考えるものであります。岩手県公共事業評価委員会からも、再評価の対象事業に係る要綱の見直しや、事業の種別等に対応してきめ細やかな評価が行えるような評価項目の追加等の提言があったのでありますが、公共事業評価の見直しについてどのような考え方で取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 昨年末、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、新しい時代における教養教育のあり方について審議のまとめを発表いたしました。それによりますと、小学校では読み、書き、計算などの基本の確実な習得という方向性を明確にし、方法論の一つとして国語力が教養の基礎になると位置づけております。今の子供から若者に至るまで会話が乱れているとも言われております。キレる、チョーむかつく、ヤバイなど、この程度の言葉しか使えないようでは、世も末だと思うのは私だけでしょうか。また、計算についても、電子計算機が普及しており、暗算能力も衰退しているようにも思います。今IT革命が叫ばれている中で、学校現場では、今後小学生からパソコン教育を取り入れるとの話もあるようですが、特に小学校教育においては読み、書き、計算の基本教育が極めて重要だと思うのでありますがいかがでしょうか。教育長の御所見をお伺いいたします。
 また、最近、青少年の凶悪事件が多発する中、首相の私的諮問機関である教育改革国民会議は、心の教育を重視すべきと提言しております。まず、教育の流れの中での根本は家庭教育であり、親が人生最初の教師であることを自覚する、そのことを基本としながら、学校は道徳を教えることをためらわないとしています。これに対し、学校現場では、学校がしつけまで引き受けるのかという声も上がっており、心の教育に現場が戸惑っているという記事を拝見しました。今、教育現場での学校崩壊や青少年の凶悪事件が後を絶たないところであり、県立大学の西澤学長が言う、子供の心に灯をともす教師が少ないようにも思うのです。私は、心の教育こそ教育の原点だと言っても過言ではないと思うのですがいかがでしょうか。この点についても教育長の御所見をお伺いいたします。
 さて、宮城県の小学3年生に宿題として、ワニのいる池に651人の子供が6人ずつ手をつないで飛び込むと6人組は幾つできるか、925枚ののろいのカードを4人で分けると1人分は何枚か、796人の子供を7人ずつロープで縛るとロープは何本必要かというとんでもない問題が出されました。この記事を目にしたとき、私は、3年生に割り算の学習プリントを出した教師に対して、心をはぐくむ教育はどこへ行ったのかと疑いを持ちました。子供たちに夢を持たせ、心のあり方を教えていくのが教師の役目であり、親の役目であるはずです。他県のことだと片づけてはいけない教育現場の重要な問題と考えますが、本県の教育現場における心の教育の現状はどうなっているのでしょうか。心の教育を進めるために、今後、教師や教育現場をどのように指導していくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、県立病院の医師確保対策についてお伺いいたします。
 全国的には医師過剰の傾向にあり、国においては医師数の適正化を図るため、医学部入学定員削減のための検討が進められていると聞いておりますが、平成10年に厚生省が行った調査によりますと、本県の医師数は、人口10万人当たり174.4人で、全国平均の196.6人に比較しても22.2人も下回っている状況にあります。本県における医師不足は依然として解消されておりません。県立病院においては、産婦人科や小児科、さらに眼科、耳鼻咽喉科などの絶対数が不足している診療科を初めとした医師確保対策を今後どのように進めていくのかお聞かせ願います。
 次に、県立病院の地域支援についてでありますが、幸いと申しますか、私の住む水沢市など沿線の都市部の病院におきましては、他の地域に比較して医師の充足率は高く、県立病院を見ますと、胆沢と磐井病院が100%を超えておりますし、北上病院は97%、総合水沢病院は80%近いものとなっております。しかし、そこから一歩でも離れますと医師不足は顕著となっており、町村立病院におきましては医師不足は深刻な課題となっていると聞いております。過般、マスコミで報道された国立療養所岩手病院が医師数を水増しして診療報酬のカットを免れていた事件も、もとはと言えば医師不足によるものであります。家庭を預かる者としては、何よりも家族が健やかで安心して暮らせることが一番の願いでありますし、また、身近に信頼できる病院があり、医師が充足されているということは、大変心強いものがございます。私は、地域医療確保のため、町村立病院に対する県立病院の支援を強化してほしいと思うものでありますが、県立病院としてどのような対応をされていくのか、地域支援の現状と今後の方向についてお聞かせ願います。
 次に、交番、駐在所の整備についてお伺いいたします。
 交番や駐在所は、いわば住民の安全を守る地域のとりでであります。したがって、新興住宅地ができるなどの人口の変動や犯罪の発生状況などを勘案して整備されるべきと考えますが、交番や駐在所整備の基本的な考え方はどうなっているのかお示し願います。
 水沢市の姉帯地区では住宅開発が進んで、マイアネタウンという新しいまちができたのでありますが、姉帯駐在所は廃止になると聞いております。地域住民の皆さんは防犯などの面で大丈夫だろうかと心配しているのでありますが、この地域の交番、駐在所の整備についてはどのようにお考えなのか、当該地区の犯罪の発生状況とあわせてお尋ねいたします。
 次に、地域課題についてお尋ねいたします。
 昨年11月、二戸市において、集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み8人が死傷した現場は、歩道がなく以前から危険とされていた県道でしたが、少女1人のとうとい命が奪われた事故の後、交通安全対策がとられたようであります。しかしながら、年が明けた1月に県内でまた集団登校中の児童の列に乗用車が突っ込む事故が起きたのです。県道わきの歩道は、車道の除雪でよけられた雪に埋もれ、仕方なく児童が車道を歩いていたときの事故で、児童4人の重軽傷を重く受けとめ早速歩道の除雪はなされたのではありますが、毎日、児童が安全に登校しているのか、父兄、地域住民にとりましては大変に心配な点があるわけです。水沢市黒石の鵜の木にかかる赤羽根橋は地域の子供たちが通学路として毎日歩いておりますが、その道幅は狭く、子供たちは常に危険にさらされております。私も現場に行き調査いたしましたところ、橋の手前、羽田側には歩道が設けられ、橋と黒石側には歩道が全くない状態でした。この道路は河東線と言い、北上から一関に続くこともあって多くの車がかなりのスピードを出して利用しております。大型車両も多く、30分の間に80台の利用がありました。子供たちが下校する午後3時30分から4時の時間帯なので、とても危険な場所であることがうかがえるのであります。地元の方々は、これまでも歩道の設置を切望してきており、交通安全対策を要する現状であると考えられます。事故が発生してからでは遅いのです。一日も早い歩道の設置が望まれるのでありますが、いかがでしょうかお伺いいたします。
 最後に、命について、余りにも対照的で考えさせられていることを述べたいと思います。
 昨年の春、マスコミの方が、いつ自分も殺されるかわからない中で、命がけで取材をした報道番組を見ました。その取材相手は暴走族のメンバーの若者でした。その若者の口から出た言葉は、おれは常に凶器を持ち歩き、頭にきたらだれでもいいから刺す、人を殺すことは何とも思っていない、親も先生も何とも思わないというもので、ただただ驚くばかりの言葉でした。何かが欠けている、何かが失われていると悲しい思いでしばらく茫然としていた私です。年が明けた1月26日、大久保駅で起きた余りにもショックな事故、酒に酔ってホームから転落した男性を救助しようとした男性2人がとうとい命を失ってしまったのです。他人の命を守るために犠牲になった我が子を、なまじ正義感の強い子だった。助かればよかったのだけれど悔やまれると涙の中で肩を落としたお母さん。2人の犠牲により、国土交通省もホーム、線路内の安全性を再点検し、見直しの決定をしたようであります。命を物程度にしか思わない若者と、自分の命を捨てても人の命を守ろうとする人、現代の社会は、この両者が混在する極めて不安定な社会であります。
 新しい世紀を迎えて、思いやりの心と優しさに満ちた社会を県民がともに協力して築いていくように切に願い、私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 及川幸子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県政運営の決意と、また県民世論調査結果についてでございますが、21世紀を迎え、地方分権が推進する中にありまして、岩手の新世紀は、今を生きる私たち一人一人が、その使命と責任を強く心に刻みながら、新たな一歩を踏み出すことが必要でございまして、自分たちの判断と責任で自己決定、自己責任で物事を進めていかなければらならない。みずからの地域に誇りを持ち、地域の自然や歴史、文化など特性を生かして、自分たちの暮らしを創造していくという生活者主権、地域主権の社会を実現していくことが最も重要であると考えております。県政の運営に当たりましては、私は、県民とともにつくる開かれた県政の推進ということを基本として、県政懇談会などあらゆる機会を通じて現場に出向き、多くの県民の皆様からの御意見を伺い、県政を進めてきたところでございます。その中で感じましたことは、地域の抱えている課題はさまざまでございまして、県民一人一人が地域の発展を願い努力を重ねられている姿に接し、大変心強く思うと同時に、私自身も一層の努力を傾注しなければならないものとの思いを強く抱いたところでございます。生活者主権、地域主権と先ほど申し上げましたが、こうした社会を実現するためには、乗り越えなければならない多くの痛みや苦しみがございますし、未来に挑戦する勇気が必要でございますが、新しい年度を迎えるに当たり、私は県民の皆様と手を携えて、新しい岩手づくりを力強く推進していく決意を新たにしているところでございます。
 また、報道機関が実施をした県民世論調査結果についてでございますが、県民の皆様から評価をいただいている部分については光栄に存じております。しかしながら、県政は142万県民が主役でございます。今後とも常に県民の視点に立って、プラス評価については慢心をせずに、そしてマイナス評価については叱咤激励と受けとめて、夢県土いわての実現に向けて、県民とともに考え、ともに歩んでまいりたいと考えております。
 次に、農業振興の基本的な考え方についてでございますが、21世紀において本県農業の一層の発展を図っていくためには、広大な農地と変化に富んだ立地条件を積極的に生かして、米、園芸、畜産を巧みに組み合わせた総合産地を形成していくことが何よりも重要と考えております。しかしながら、本県農業の現状は、国際化の影響などによる農産物価格の低迷など、大変厳しい状況にあると認識をしております。こうした状況に対処するため、主業型農家、これは県内で1万1、000戸を目標としてございますが、こうした主業型農家が、創意と工夫によって主体的にみずからの経営確立を行えるように、農地の利用集積を促すとともに、施策の集中化、重点化を図りながら、こうした主業型農家を中心とする地域ぐるみ農業を展開していく考えでございます。また、女性ならではの感性やパワーを備えた女性農業者が、農業振興や地域づくりに主体的に参画しやすいような環境を整備して、農村社会の活性化を図ってまいります。
 販売、流通面でございますが、こちらではエコファーマーの育成など、本県のすぐれた生産環境を生かした持続的農業の展開による安全で安心な農産物の供給体制を整備するとともに、こうした本県の優位性を積極的に消費者の皆さん方に示しながら、あわせて地産地消の取り組みを全県的に展開をしていくこととしております。
 さらに、中山間地域などのいわゆる条件不利地域につきましては、直接支払制度などを効果的に活用して、地域の特性を生かした多彩な農業の展開と地域づくりを支援してまいります。こうした取り組みについて、農業者はもちろんでございますが、広く他産業も含めた県民の理解と協力を得ながら、本県の基幹産業としての農業の地位確立を図ってまいりたいと考えております。
 次に、建設業の振興についてでございますが、建設業を取り巻く環境は、建設投資が低迷する中で厳しい企業経営が求められておりまして、さらには、高度情報化や循環型社会などへの対応が急務とされているなど、かつてないほど大きく変化をしてきているものと認識をしております。県では、これら環境の変化を踏まえ建設業の振興を図るために、昨年3月に新いわて建設業振興指針を策定したところでございます。この中で、岩手の建設業が目指すべき方向性といたしましては、第1には技術に支えられた高い生産性を可能とする技術と経営にすぐれた建設業、第2には労働環境を整備するなど働く人々が意欲にあふれる建設業、第3には高度情報化等の新しい課題に的確に対応できる建設業、これを掲げているところでございます。また、この指針では、これらの課題に対応する企業、業界団体、行政それぞれが取り組むべき具体例を盛り込んでおりまして、県では工事発注の平準化、入札・契約制度の改善、建設リサイクルの推進などに努めますほか、新いわて建設業振興指針フォローアップ委員会を設置して、関係行政機関や業界団体とともに、企業連携のあり方やISO9000シリーズの認証取得の促進、さらには業界の効率化等のためのITの推進など、さまざまな施策の検討に取り組んできております。一方、国におきましては、先月2月9日ですが、適正な競争を通じて技術と経営にすぐれた企業が伸びていけるような環境整備を行うとともに、多様な企業連携の支援や自主的な経営改善の一層の促進のための措置を講ずることと、こういったことを内容とした建設産業の再編のための促進策というものを発表したところでございます。国土交通省の方で発表したものでございまして、こうしたことによって業界の建設産業の再編を促していくと、こういったビジョンでございます。県におきましては、これらの大きな流れを注視しながら、今後とも、県民生活や産業基盤を支える住宅、社会資本整備の担い手としての建設業の振興に努めてまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので、御了承お願いします。
   〔企画振興部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇企画振興部長(佐藤徳兵衛君) 本年度開催の県政懇談会の意見、提言の県政への反映状況についてでありますが、本年度は、現在までのところ39回開催し、約650人の方々の参加をいただき、合計565件に及ぶ御意見、御提言をいただきました。その内容につきましては、予算を伴うものや重要課題など県議会の御審議をいただくものもあり、現在、反映状況の精査を行っている段階でございますけれども、早期に取り組めるもの、それから実現に向けて努力しているもの、これについてはそれぞれ約4割、当面は実現できないものや実現が極めて困難なものは約2割程度というふうに見込んでおります。それから、平成13年度の県政懇談会の開催計画でございますけれども、おおむね今年度と同様の要領で、計40回の開催を計画いたしているところでございます。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) まず、本県におけるリサイクルの現状についてでありますが、平成11年度末のリサイクルにつきましては、現在、国において集計中というふうに聞いてございますので、平成10年度で申し上げますと14.6%というふうになってございます。この14.6%は従前のその推移からしますと率がちょっと下がってございますけれども、これは市場価格、紙とか鉄、アルミ等の市場価格の低迷が影響しているものというふうに考えてございます。
 次に、ごみの減量化、リサイクルの今後の取り組みについてでありますが、御案内の検討会の報告書では、ごみの減量化、リサイクルをより一層推進するために、わかりやすい分別の仕方とか、それからリサイクルルートの確立など、国の今後の対応方向を提言してございます。この報告を参考にしまして、県民の皆さんの理解と協力を得て、ごみとなる物を家庭に持ち込まない発生抑制、それからごみを分別して資源に変え、できるだけリサイクルルートに乗せ、いわゆるグリーン購入を促進し、環境に優しいエコ商品を使用するというライフスタイルの定着化を図っていくことが重要であるというふうに考えてございます。このような観点から、平成13年度におきましては、日常生活におけるごみの減量化やリサイクルへの具体的な行動を推進するため、ごみの減量化と再使用・再生利用生活入門や環境家計簿を全世帯に配布することとしてございます。
 さらに、今後は、花巻市の集団回収や金ケ崎町の循環資源の分別収集活動など先駆的取組事例をモデルとしながら、スーパーマーケットの駐車場などに回収箱を設置しまして、消費者が空き缶や雑誌などを持ち込む拠点回収モデル事業を実施するほか、愛ランドいわて県民運動協議会等と連携して買い物袋持参運動やグリーン購入の促進など、全県的な普及啓発活動を展開してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、県内における医療廃棄物の発生状況と処理状況についてでありますが、廃棄物処理法に基づく平成9年度の収集運搬業者からの処理実績の報告によれば、人体に影響が懸念される感染性廃棄物の発生量は約2、300トンでございまして、そのうち県内で処理されるものが約1、600トン、県外で処理されているものが約700トンでございまして、いずれも特別管理産業廃棄物として焼却処分されてございます。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、本県における児童虐待の実態と今後の対応についてでありますが、平成13年1月末現在における児童虐待相談件数は82件となっており、年々増加傾向にあり、主たる虐待者は実母で、大半が身体的虐待となっております。県におきましては、これまで各児童相談所で児童虐待に対応する専門職員の配置や、児童虐待防止のための地域協力員の養成を図るほか、広域的な観点に立って、地方振興局単位に市町村、福祉、教育等関係機関からなる児童虐待防止地域連絡会議を設置するなど、児童虐待防止に向けさまざまな取り組みを進めてきたところであります。今後におきましては、平成13年度予算に児童家庭支援センター設置に係る経費を計上しているほか、住民に身近な市町村において、より適切に児童虐待防止が講じられるよう、学校、警察等関係機関からなる児童虐待防止協議会の設置などの市町村の取り組みを支援することとしております。
 次に、子育ての悩み等を抱える若い保護者への対応についてでありますが、中央児童相談所に設置している子ども・家庭テレフォンの活用を図るほか、常日ごろの悩み等を語り合える母親同士からなる子育てサークルへの支援や、子育てについて相談を行う地域子育て支援センターを保育所を有している全市町村に整備することとしております。また、解決困難な問題等については、本年4月に開設予定の岩手県福祉総合相談センターにおいて解決できるよう、総合的な相談支援体制の整備を図ってまいりたいと考えております。今後とも、これら相談体制について、その周知拡充を図り、他部局事業とも連携を図りつつ、子育てしやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、県南へのリハビリテーションセンターの設置についてでありますが、いわてリハビリテーションセンターには2月末現在で94名が入院しておりますが、同センターは急性期病院等からの紹介を受け、紹介された病状回復期の患者の方々に対しリハビリテーション医療を実施しており、同センターへの入院については、紹介された患者の方々のほぼ全員を受け入れております。
 なお、同センターには作業療法士、理学療法士各8名、言語療法士2名が勤務しております。
 また、リハビリテーションの実施に当たっては、リハビリテーションを受ける必要のある方々が、できるだけ地域でその人の状態に応じ、急性期、回復期、維持期において、保健、医療、福祉の連携のもとに適切なリハビリテーションを受けることが必要であり、その体制を整備する必要があると考えております。
 このような体制の整備に向けて、現在、市長会、町村会、医療、福祉等関係団体からなる岩手県リハビリテーション協議会において、特定の施設整備のみを前提とすることなく、限られた医療資源の有効かつ効率的な活用を図る観点から、本県におけるリハビリテーションの提供体制のあり方について議論を深めていただいており、本年度末をめどに取りまとめることとしております。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕
〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) 中小企業対策についてでありますが、いわゆる国の貸し渋り対策である中小企業金融安定化特別保証制度の実績につきましては、平成10年10月から取り扱いが開始されて、この1月までの2年と4カ月の間に1万3、712件、1、913億円もの信用保証がなされておりまして、金額ベースでの業種別利用状況は建設業が35%で最も多く、次いで小売業が22%、それから製造業が18%となっているなど、全業種にわたって利用されております。この制度は、5、000万円まで無担保で利用できること、また、第三者保証人を必要としないことなどから広く利用されておりまして、長引く景気低迷の中で中小企業の資金繰りの改善、雇用の維持などに相応の効果があったものと評価されております。
 また、この特別保証制度はこの3月末までの期限でありますことから、国におきましては制度終了後の緩和措置として、従来の一般の信用保証につきまして無担保保証額の1企業当たり5、000万円から8、000万円の引き上げや、また、保証人の条件緩和など、借りやすい環境づくりのための措置を講じたところであります。
 県におきましても、国の制度改正や厳しい経営状況にある中小企業の実情を踏まえまして、平成13年度の県単独の融資制度についても十分な融資枠の確保に加えまして、既存債務の借りかえにも利用できる中小企業経営安定資金の限度額を5、000万円から8、000万円に、また、商工観光振興資金を7、000万円から1億円に引き上げるなど、特別保証制度終了後の金融円滑化のための措置を講じることとしております。
   〔農政部長佐藤克郎君登壇〕
〇農政部長(佐藤克郎君) 新規就農者の確保、育成に向けた取り組みについてでありますが、県におきましては幅広く就農者の育成、確保を図るため、県農業担い手育成中長期ビジョンを策定し、小中学生や一般県民の農業・農村への理解の醸成を図りながら、各般の対策を講じているところであります。
 具体的には、農業者養成の基幹施設であります農業大学校において、高校生等を対象とした体験入学や農業に関心の高い県民に対する農業入門塾、転職して就農しようとする方々への新規就農者研修を実施するとともに、就農に必要な機械の導入や施設の整備等に対し、就農支援資金の融通を行っているところであります。また、実践的な技術等の習得のため、市町村や農協の研修農場への支援なども実施しているところであります。こうした中で、農業大学校の新卒者やUターンなどの新規就農者は増加傾向にあり、平成8年には64名であった新規就農者は、平成9年以降80名から90名で推移しております。
 今後とも、就農条件等の整備を進めながら、意欲ある就農者の確保に向け努力してまいる考えでございます。
   〔土木部長竹内重徳君登壇〕
〇土木部長(竹内重徳君) まず、公共事業の見直しについてでありますが、公共事業の再評価に当たっては、事業の重要性、緊急性、効率性、熟度などを指標化いたしまして、環境への影響などについても考慮しながら評価を行っているところでありまして、第三者委員会の設置によってその評価の客観性を高めますとともに、委員会の審議内容や県の対応方針を決定するまでの経過などについて公表するなど、評価の透明性の確保に努めてきたところであります。
 また、評価手法については、この第三者委員会の提言を受けながら逐次改善を図ってきたところでありまして、平成12年度には現地調査を充実したほか、生態系に関する環境の専門家を委員に加えるなどの改善を図りますとともに、すべての事業を対象に費用便益比を評価項目として加えたところであります。
 公共事業の評価につきましては、今後ともその時々の社会経済情勢を踏まえますとともに、地域の事情などを勘案しながら、評価制度のより一層の精度の向上と客観性、透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、主要地方道一関北上線の黒石地区の歩道の整備についてでありますが、県が管理する道路延長は現在4、230キロメートルございます。このうち交通事故が多発している道路や幼稚園、小学校、児童公園などの周辺で交通量が多い地区などについて、これまで1、380キロメートルの歩道を整備しておりまして、平成22年度までに1、870キロメートルの歩道の設置を目指しております。主要地方道一関北上線の黒石地区の歩道整備につきましては、こうした計画に基づきまして、これまで黒石小学校周辺の0.8キロメートルの延長を整備してきております。
 御指摘の赤羽根橋付近の歩道が設置されていない区間の整備につきましては、平成13年度新たに創設を予定しております道路歩行環境整備事業、これは既存の道路敷の路肩とか側溝を活用して歩行空間を確保するという事業でございますが、この事業の導入も今後の選択肢の一つとして視野に入れながら、県全体の中で緊急性、熟度などを勘案し、検討してまいりたいというふうに考えております。
   〔医療局長佐藤文昭君登壇〕
〇医療局長(佐藤文昭君) まず、県立病院の医師確保対策についてでありますが、医療局としても医師確保は重点課題としてこれまで懸命の努力をしてきたところでございますが、その充足率は90%弱と、いまだ解消するに至っておりません。県立病院における医師の最大の供給源は地元岩手医科大学でございますが、入学定員80人中、経済的理由などから本県の出身者は年平均十二、三人程度と極めて少なく、多くの県外の出身者は、いずれは大学を離れるという現状にあるため、本県の医師確保における大きな課題の一つになっております。
 今議会に審議をお願いしております新たな医師養成制度は、岩手にはぐくまれた有能な人材が、地元岩手において国立大学並みの学納金で医師として誕生できるようにと考えたものでございまして、岩手医科大学の特段の配慮によりまして入学定員80人の中ではありますが、当面、県出身者特別枠として県の選考する5人を、6年間で延べ30人養成しようというものでございます。
 なお、選考に当たりましては、御指摘のありましたように、特に不足をしております産婦人科や小児科あるいは眼科、耳鼻咽喉科医師を充足するため、これらの診療科を希望する者を主として措置したいと考えております。
 次に、県立病院の地域支援についてでございますが、特にも町村の医療機関はその多くが僻地などに設置されていることから、医師の確保が極めて難しいという実情にございます。したがいまして、県立病院としては、地域医療確保のため、医師が過少となっているこれら病院等に対する診療応援を積極的に推進してきたところでございまして、本年度は12月末時点で14施設に対して既に450日ほどの診療応援を行っている実情にございます。しかし、県立病院におきましても、医師の充足率が90%に満たない現状にあり、当面はすべての支援要請に応じ切れない場合もございますけれども、今後、新たなこの医師養成制度事業を活用いたしまして、今後とも可能な限り支援をしてまいりたいと、このように考えております。
   〔教育長合田武君登壇〕
〇教育長(合田武君) まず、学校教育における読み、書き、計算などの基礎・基本の学習についてでありますが、特に小学校段階において身につけるべき基礎・基本は、子供たちが日常生活の中で、物事を考えたり判断したり表現していく上で欠くことができないものであり、議員御指摘のとおり、このことは情報機器の活用を進める中にあっても変わるものではなく、とりわけ国語の力は、その基盤となる大変重要なものであると考えております。
 また、この時期に身につけた基礎・基本は、子供たちのその後の学習のもとになるだけではなく、社会生活を営む上でも極めて大切なものであることから、小学校段階においては個別指導やチーム・ティーチングなど、個に応じたきめ細かな指導のもとに、繰り返し学習させることにより、子供たちに読み、書き、計算などの基礎・基本を確実に定着させるよう、努めてまいりたいと考えております。
 次に、心の教育についてでありますが、近年、子供を取り巻く環境が大きく変化する中で、命を大切にする心や他者への思いやりや社会性、倫理観、正義感等の豊かな人間性をはぐくむ心の教育は、時代を超えて変わらない学校教育の重要な要素であり、第8次教育振興基本計画の中でも主要課題として掲げ、積極的に取り組んでいるところであります。このため、各学校においては、道徳の時間を初め特別活動、総合的な学習の時間等におけるボランティア活動や自然体験活動を行っているほか、動植物や伝統文化と触れ合い、高齢者と交流する場を提供する豊かな心をはぐくむ教育推進事業や、休日等に地域に根差した多様で魅力的な子供の体験活動の機会と場を子供たちに与える子供地域活動促進事業など、教育活動全体を通じて感動する心や思いやり、生命の畏敬の念、協調する心等の育成に努めているところであります。
 また、心の教育を充実させていくためには、何よりも直接子供たちに接する教師自身が豊かな心や人間性を身につけることが肝要であることから、各種教育研修において、福祉施設や一般企業における社会体験等を積極的に取り入れ、教師としての使命感の高揚や社会的視野の拡大に努めているところであります。
 さらに、教師が保護者、地域の方々との連携により道徳教育について理解を深めるため、道徳教育連携推進岩手県講座を開催することなどにより、今後とも、家庭、地域と一体となった心の教育の重要性について、一層の相互理解を深めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長出原健三君登壇〕
〇警察本部長(出原健三君) 交番、駐在所の整備についてお答えいたします。
 まず、交番や駐在所の設置などについての基本的な考え方でありますが、交番等は地域の面積、人口動態、警察事象や警察署等との位置関係、あるいは地域住民の利便性などを総合的に検討し、県下全体の治安が保たれるよう考慮しながら設置、運用しているところであります。この際、当然のことながら、住民の皆様の意見や要望なども参考にしているところであります。
 次に、姉体地区の治安確保などについてでありますが、姉体駐在所管内全体の犯罪発生状況につきましては、昨年中、刑法犯罪12件、人身交通事故14件となっておりますが、そのうち姉体地区におきましては刑法犯罪は3件、人身交通事件は2件と承知しており、地域住民の皆様の御協力などと相まって、おおむね良好な治安が維持されていると考えております。
 今春から業務を開始することとして準備を進めております水沢警察署常盤交番は姉体地区を管轄することになりますが、同交番の体制は、警察官が交番に居住するといういわゆる駐在型交番であり、人員も交番相談員を含め5名配置することとしております。さらに、交番機能を強化するために、小型警ら車や各種活動機材の配置も検討しておりますので、姉体地区の警戒力は、従来以上に高まるものと考えているところであります。しかしながら、姉体駐在所の廃止により地域の方々が不安を抱くことがないよう、さらにパトロールの強化や出前交番の開設などに努めてまいりたいと考えております。
〇19番(及川幸子君) ただいまは答弁、大変ありがとうございました。
 1点だけ再度お聞きいたします。
 医療廃棄物の処理についてでございますが、県内2、300トンのうち県内が1、600トン、県外が700トンということでございますが、今後の廃棄物の処理については、原則自県内処理ということを進めていることを伺っておりますが、どうしてこの県外の700トンというのが生じているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 医療廃棄物についてでございますけれども、県内の産業廃棄物焼却施設のうち、感染性廃棄物を焼却できる施設は5カ所ございます。この施設は、能力的には県内の発生量約2、300トンを十分に賄うことが可能でございますけれども、県外業者の中には、大量かつ効率的に処理することによりまして、処理料金を安く抑えているというようなことがございます。そのために、入札によりまして処理料金の安い県外に、感染性廃棄物が流出しているというふうに理解してございます。
 この県外での処理の実態につきましては、県としましては、排出者の責任を果たせるように、要するに、適正に処理されていることを確認してほしいというふうな指導をしてございます。
   
〇副議長(吉田洋治君) この際、暫時休憩をいたします。
   午後3時58分 休 憩
   
出席議員(47名)
2番 飯沢 匡  君
3番 樋下正信  君
4番 照井昭二  君
5番 柳村岩見  君
6番 小野寺 研 一  君
7番 吉田昭彦  君
8番 工藤大輔  君
9番 川村農夫  君
10番 佐々木 順 一  君
11番 佐藤力男  君
12番 阿部静子  君
13番 阿部富雄  君
14番 田村 誠  君
15番 岩城 明  君
16番 中 屋 敷十  君
17番 千葉 伝  君
18番 佐々木 大 和  君
19番 及川幸子  君
20番 阿部敏雄  君
21番 川口民一  君
22番 小 野 寺好  君
23番 斉藤 信  君
24番 伊沢昌弘  君
25番 田村正彦  君
26番 上澤義主  君
27番 瀬川 滋  君
28番 水上信宏  君
29番 藤 原 泰次郎  君
31番 谷藤裕明  君
32番 菊池 勲  君
33番 佐々木 一 榮  君
34番 伊藤勢至  君
35番 高橋賢輔  君
36番 小原宣良  君
37番 長谷川 忠 久  君
38番 千葉 浩  君
39番 吉田洋治  君
40番 工藤 篤  君
41番 菅原温士  君
43番 山内隆文  君
44番 折居明広  君
45番 村上惠三  君
46番 藤原良信  君
47番 及川幸郎  君
48番 菊池雄光  君
49番 佐々木 俊 夫  君
51番 吉田 秀  君
欠席議員(3名)
1番 及川 敦  君
30番 船 越 賢太郎  君
42番 佐藤正春  君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時15分 再 開
〇副議長(吉田洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。菊池雄光君。
   〔48番菊池雄光君登壇〕(拍手)

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