平成13年12月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇17番(中屋敷十君) 自由民主クラブの中屋敷十でございます。
 一般質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員に感謝を申し上げ、通告に従いまして順次質問をさせていただきますので、知事並びに県当局からの誠意ある御答弁を心から御期待申し上げます。
 まず、分権改革において知事が目指しているこれからの地方自治のあるべき姿と、その実現方途についてお伺いいたします。
 去る11月12日に全国都道府県議会議長会主催による都道府県議会議員研究交流大会へ出席させていただき、基調講演で三重県の北川知事から都道府県議会に期待することと題したお話を拝聴いたしました。
 その主な内容は、北川知事が推進している生活者起点、情報公開、評価システムをキーワードとした積極果敢な県政改革についてであり、県民の行政に対する意識や国、国際社会の動向といったものを鋭く分析された上での生のお話はまことにもって説得力があり、特にも、これまでの中央集権型システムでは立ち行かなくなってきている我が国は、行政、財政、社会保障、金融システム、経済構造、教育などの構造改革に迫られ、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言われているが、分権改革も含め、この第三の改革こそ過去の二大改革に比べ物にならないほどの困難な改革である旨の発言が強く印象に残ったところであります。むろん、北川知事の講演をお聞きしていると、まさに増田知事が推進する、みんなで創る夢県土いわてを基本目標に掲げる岩手県総合計画の実現そのものでもあるとの思いが私の脳裏をかすめ、どちらが影響を与えていらっしゃるのかはわかりませんけれども、同じ時代認識や価値観をお持ちになっていらっしゃることが現実に理解でき、どちらも時代を先取りされているすばらしい知事さんであるとの確信を持ったところであります。
 その北川知事をして明治維新や戦後改革より困難な改革であると言わしめる第三の改革、特に我々地方自治に関係する者にあっては、分権改革の実現にこそ最大の努力を払わなければならないものであり、たとえどんな困難が待ち構えていようとも避けては通れない、国と地方の戦いであると私は考えております。平成7年に施行された地方分権推進法に基づき設置された地方分権推進委員会の懸命の御努力により、5次にわたる委員会勧告が地方分権推進計画に着実に盛り込まれ、特にも、昨年4月には総計475本の関係法律を一括して改正するいわゆる地方分権推進一括法が施行され、分権改革の第一歩を踏み出したことは画期的なことと素直に認めるものでありますが、本年6月の地方分権推進委員会の最終報告を見ますと今次の分権改革の成果は、登山に例えるとベースキャンプを設営した段階に到達したにすぎないと明言いたしております。
 そこで、お伺いしますが、増田知事は地方分権推進委員会のこの最終報告に掲げているこれまでの取組経過と、第2次分権改革に向けた地方税財源充実確保方策の提言について、どのように評価されているのか御見解をお示し願います。
 また、同報告では、分権改革のさらなる飛躍を展望して、地方分権や市町村合併の推進を踏まえた新たな地方自治の仕組みに関する検討を加え、市町村合併の結果によっては、まさしく知事が言及された道州制論など、現行の都道府県と市町村の二層の地方公共団体からなる現行制度を改める観点から新たな地方自治制度の将来像を明確にする必要があるとしているが、知事は分権改革が進めばどのような地方自治制度が望ましい姿であると考えておられるのかお聞かせを願います。
 加えて、望ましい姿を現実のものとするためには、国に抵抗してでも積極果敢に攻めていかなければ硬直した国の組織機構は変化しないものと思いますが、その取組方途についてもお考えがあればあわせてお示し願います。
 次に、総合雇用対策についてお伺いいたします。
 戦後の高度経済成長を支えてきた我が国の経済システムは完全に制度疲労を起こし、政治面においてもバブル経済がはじけたにもかかわらず政争の繰り返しを続け、俗に言われる失われた10年が過ぎて今日でも国民の間には言い知れぬ閉塞感が漂い、製造業は自由主義経済に組み込まれた中国に安価な労働力を求めてシフトし、聖域なき構造改革を断行しようとする小泉内閣に国民が大きな期待を寄せるものの、護送船団方式の考え方から脱却できず既得権益を守ろうとする国の官僚機構や守旧型の政治家が抵抗を示し、加えてアメリカにおける同時多発テロ事件に端を発したアフガニスタンの戦争や、今議会においても議論の中心となっております牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病問題にかかわる生産者や関連産業への打撃など、まさに泣きっ面にハチ、嘆きの日本といった状況であります。本年9月における完全失業率は5.3%と、統計史上最悪を記録し、完全失業者数は357万人にも上り、厚生労働省は、雇用情勢は今後さらに厳しさを増していくものとの見解を示しております。
 このような状況下にあって、県は国の施策と連動して岩手県総合雇用対策を取りまとめ公表したところであり、また、平成14年度の施策重点化方針においても雇用の確保を最優先の取組課題として掲げたところであり、その迅速な対応につきましては高く評価するものであります。岩手県総合雇用対策では、緊急的な雇用対策とともに、中期的な視点に立脚して新しい産業の創出や地域経済の活性化、労働力需給の安定など本県健在の自立的成長に向けた基盤づくり対策を打ち出しており、その実行効果に大いに期待しているところでありますが、現状では非常に厳しいものがあると考えられます。
 そこで、お伺いしますが、平成11年度から国の施策に呼応し緊急地域雇用特別基金事業を実施しておりますが、これまでの効果をどのように評価され、平成14年1月からスタートする新たな事業では、どれだけの効果を期待しているのかお聞かせ願います。一部の市町村においては、対象事業外といった事例もあったように記憶しておりますが、反省点も含めてお示し願います。
 次に、製造業の海外シフトが進む中、県では地域の特性に応じた幅広い分野──医療福祉、環境、情報通信、アグリビジネス等の企業誘致を積極的に進めるとのことでありますが、具体的な企業誘致活動はどのように進められるのか、その方途についてお示し願います。
 また、県内における既存誘致企業の現状はどのような動向にあるのでしょうか。さらに、海外シフト等を含めた県内からの流出が相次いでおりますが、県としては、どのような対策を講じられているかあわせてお聞かせ願います。
 次に、政策評価についてお伺いいたします。
 本年の2月県議会定例会におきまして質問させていただきましたが、県においては、増田知事の強い思いもあり、成果重視の行政運営への転換、効率的で質の高い行政の実現、政策の形成能力の向上、行政の説明責任の徹底という四つの柱を掲げて本年度より本格的な政策評価システムを導入したところであり、その姿勢につきましてはだれしも高い評価をしているものと思います。県は組織機構を再編し、本年4月から総合政策室に政策評価課を設けて本格的な政策評価に入り、8月には平成13年度の政策評価結果が公表されたところであります。その評価手順を見ますと、各担当部局で自己評価を行い、その結果を踏まえて政策評価課で総合的に評価を行い、また、県民の満足度や優先度を評価に反映させるため、県民意識調査を実施するとともに、私が2月定例県議会で質問した外部評価の観点から試行ではあるものの岩手県政策評価委員会を設置し、外部意見を聴取するなど、着々と岩手県政策評価システムの確立に向けて作業が進められており、素直にその労を多とするところであります。
 ところで、県のホームページに掲載されました岩手県政策評価委員会の3回にわたる審議内容を読ませていただきましたが、構成委員はどのお方をとってもすばらしい方であり、多種多様な意見が出されておりましたが、頭脳明晰な委員の方々でも政策評価システムのあり方という点では、それぞれお悩みになられたという感じを受けたところであります。
 そこで、お伺いしますが、総合政策室では、本年度本格的な政策評価を実施し、その結果を公表したわけでありますが、本格実施初年度としてどのような感想をお持ちか、委員会の意見等も踏まえて総合政策室長から忌憚のない感想をお聞かせ願います。
 また、政策評価結果がホームページに掲載されているわけでありますが、県民の評価結果に対する反応はどのようになっているかあわせてお聞かせ願います。
 委員の中には、評価そのものが大変難しく、もっと県民にわかりやすい形で公表すべきであるとの意見もありましたが、私も全く同感でありまして、公表の仕方そのものについてどのように考えられているのか、その点についても御見解をお示し願います。
 次に、公共工事コスト縮減対策についてお伺いします。
 厳しい財政状況下にあっても、県では県民に必要な社会資本の整備を進めていかなければならないことから、平成9年度から3カ年にわたって進めてきた公共工事コスト縮減対策岩手県行動計画の実績を踏まえ、先般、平成13年度から平成20年度までで、縮減目標を直接的施策で10%とする新行動計画を策定されました。具体的な施策としては、工事コストの低減として、工事の計画、設計等の見直しや工事発注の効率化、工事構成要素のコスト縮減、工事実施段階での合理化、規制改革等を掲げており、その積極的な取り組みに大いに期待を持つものでありますが、コスト縮減に対する取組過程において受注する業者や資材業者、労働者等に不当なしわ寄せが生じないかとの疑問を抱くのも本音であります。確かに実施に当たっての留意点として、不当なしわ寄せの防止は掲げておりますが、具体的な防止策としてどのような手だてを講じようとしているのかお聞きいたします。
 また、工事発注の効率化という面で、適切な発注ロットの設定を行うとしておりますが、長引く景気の低迷により、公共工事関連業者は非常に厳しい状況にあります。特にも県内業者の育成という面を考えますと、発注業務の効率化のみに重点を置き、ややもすると中小零細企業への発注の機会が減少するような懸念を抱くのですが、その点への配慮という面ではどのように考えておられるのか御見解をお示し願います。
 関連しまして、公共工事の設計において技術開発の推進はまことに結構なことだとは思うのですが、物によっては技術開発を重視する余り特定の企業しか受注機会がなくなるといった面も危惧されるのですが、その辺はどのように対応なさるのかあわせてお伺いします。いずれ公共工事のコスト縮減ということは、大変結構なことであり、低コストで優良な社会資本を整備するということは当然でありますが、一方では県内業者の育成という面も大切なことでありますので、どうぞ適切な対策を講じられるよう要望しておきます。
 次に、環境問題についてお伺いします。
 21世紀の自治体にとって、環境問題は避けて通れない最大の課題プロジェクトの一つであり、ゼロエミッション社会の実現を目指す環境対策そのものが自治体の行政運営のモデルであると言えるのかもしれません。今県議会定例会におきましても、国が平成14年12月から実施するダイオキシン規制等、新たな環境問題に対応する規制の導入、環境優先の社会・経済システムの導入、本県の実情を踏まえた独自の仕組みづくりを基本とする岩手県公害防止条例の改正議案、県民の健康で快適な生活を確保するための環境の保全に関する条例、大変長い条例名でございますけれども、この条例について種々議論が交わされているところでありますが、私は、その方向が決して間違っておらず、むしろあるべき姿に向けたすばらしい条例案であると思っております。
 しかしながら、国の思いや県の思いとは裏腹に、直接廃棄物処理にかかわる市町村、そしてその自治体の中で生活する地域の住民にとっては、日常の生活面においてそれぞれの意識にかなりの温度差があるように感じられてなりません。我が国の廃棄物政策は、伝染病などを防止し、公衆衛生を保持する観点からスタートしており、昭和45年に廃棄物処理法が制定された際に、事業者から排出される特定の廃棄物を産業廃棄物と区分し、その他の一般廃棄物については市町村の責任と定めたものであります。まさに、市町村にとっては一般廃棄物をいかに処理するかに腐心してきた歴史があり、加えて、ちょうど10年前に再生資源利用促進法が制定され、廃棄物処理法に廃棄物の再生という目的が盛り込まれて以来、廃棄物の発生抑制と再生利用という新しい政策が開始されました。その後、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、建設リサイクル法、食品リサイクル法など、個別の法律が次々と制定され、昨年には、これら廃棄物政策の基本法とも言える循環型社会形成推進基本法が制定されるに至り、所管省庁も旧厚生省から環境省に移管された経緯をたどっているものと理解しております。この目まぐるしく展開される廃棄物政策に一般廃棄物処理の責任主体である市町村が、その対応に四苦八苦しているのが現状ではないかと思われるのであります。
 また、これだけ環境関連法の改正、新設が進められ地方自治体や処理業界、産業界が必死の対応をしているのに、一方では、不法投棄や廃棄物処理現場でのトラブルは一向に減らない現状にあり、法制度の調整不足や廃棄物の定義、区分の見直しのおくれが原因との指摘もあります。
 そこで、お伺いしますが、知事は、現行における国の廃棄物に関する法整備の方向性と課題についていかなる所見をお持ちかお聞かせ願います。いずれ、今回の岩手県公害防止条例の改正に当たっても、廃棄物処理行政を担う県と市町村が所管事項にとらわれることなく緊密な連携を図り、地域そのものの実態を把握して、必要であれば国に対して法改正等を積極的に働きかけていく意気込みでなければならないものと私は強く思います。
 次に、地域課題について2点お伺いいたします。
 私が地域課題での質問と言うと、また奥産道の問題かと、県土整備部長は嫌がるかもしれませんが、まず第1点目は、その奥産道に関連する質問であります。
 10月の中旬に、雫石町、松尾村及び紫波町の首長、議員さん方合同の奥地産業開発道路協議会の研修会があり、私も参加させていただき久しぶりに一般県道雫石東八幡平線の現地調査をいたしました。紅葉が見事でありまして、改めて岩手山ろく周辺の景観のすばらしさに感動しながら、松川側、網張側両サイドからの現地調査でありましたが、景観のすばらしさとは打って変わって管理されていない道路とはこういうものかという現実を知らされました。特に、松川側には道路が崩落している箇所もあり、立入禁止にはしているものの、紅葉のすばらしさにつられてか、現に一般のハイカーの方々が進入しており、万が一の場合はどうするのだろうとの危惧を抱いたところであり、早急に整備区間の活用方途を定める必要があると痛感したところであります。本年2月県議会定例会における私の一般質問に答えて、県土整備部長は、一般県道雫石東八幡平線の網張から松川間の活用については、平成12年度中に活用計画検討委員会から計画案としての提言をもらい、平成13年度には関係機関との調整を図りながら、県民の皆様方の意見を伺い、県としても最も望ましい活用計画の策定を目指してまいりたいとの御見解をお示しになられておりますが、現時点における検討状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、活用計画検討委員会がいつの時点で計画案を県に提示したのか。県はこの提言を受けてどのような形で関係機関と調整を図り、どのような方法で県民の意見を聞くのか。具体的にお聞かせ願いますとともに、今後の活用計画策定スケジュールについてもあわせてお伺いします。
 また、整備された道路は、県民の大切な社会資本なわけでありますが、活用計画が現実のものとなるまでの間の当該道路の管理体制について、どのように考えているのかあわせてお聞かせ願います。
 第2点目は、社団法人岩手県農地管理開発公社が保有する雫石町南畑地区の農地、いわゆるコテージむらの活用方策についてであります。
 この課題についても2月県議会定例会で質問させていただきましたが、大変難しい問題なのかもしれませんが、何かしら一つも進展しないという感じがいたしております。平成12年度の包括外部監査でも指摘されたとおり、都市住民の新規就農を目指したコテージむら計画が頓挫し、52.7ヘクタールにも及ぶ広大な面積が未利用地となっており、農管公社の健全化のためにも早急に土地利用構想を策定するなどして有効活用を図り、資金回収に努めなければならないものであり、また、雫石町にとっても当該地域の活性化は大きな課題でもあるわけであります。幸いにもコテージむらに入られて活動している方々は本当にすばらしい考えを持っておられまして、町と連携を図りながら、既存施設を活用しながらイベント等を展開し、一生懸命頑張っておられますが、何せ面積が広大であり、しかも現状は農振農用地であることからさまざまな制約も生じてくるわけであります。土地利用の面を考えますと、農振農用地除外することが最も優先されるものと考えられますが、そのためには具体的な土地利用計画がなければならないわけであります。
 そこで、お伺いしますが、農林水産部では現時点で農管公社とどの程度まで話を詰められておられるのかお示し願いたいと思います。
 農林水産部とすれば、第一義的には農管公社の指導という立場であることから、最後の言葉は指導してまいりたいとの答弁になると思うのですが、当該問題は公社のみでは到底解決できるものではなく、むしろ農林水産部がもっと主体性を積極的に発揮して、地元雫石町との調整や土地利用に向けた国との調整を図るべきものと思うのですが、農林水産部長のお考えをお聞かせ願います。
 以上をもって私の一般質問を終了させていただきます。答弁によっては再質問させていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 中屋敷十議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、地方分権推進委員会のこれまでの取り組みと、あの中で提言がございますが、その提言に対する評価についてでございます。
 地方分権推進委員会は平成7年7月に発足をしておりますが、その後5次にわたる勧告を行って、その勧告などに基づいて平成12年4月、昨年の4月でございますが地方分権推進一括法が施行されたと、ここが大変大きな節目になっているわけでございます。ここで御案内のとおり、機関委任事務が廃止をされる、それから国の地方公共団体に対する関与の縮減や権限の移譲、必置規制の見直し、さらには、県と市町村との対等、協力関係の新たな構築と、いろいろ重要な項目が盛り込まれておりまして、さらには、こうしたさまざまな改革の上に立って地方分権の取り組みが具体的な実行の段階に踏み出したということでございます。そういった意味でこの地方分権推進委員会の功績はまことに大なるものがあると、このように私も評価をしております。この地方分権推進委員会は、個別税目の方向を含めて、地方税の充実を中心とする具体的な提言を行っているわけでございますので、今後の地方税財源の充実確保の基本的な方向をこれは示している、これについても私は高く評価してございます。
 この後が大変大事になるわけでございますが、これについては、もちろんこうした提言が十分尊重され、具体化されていくことにより、地方公共団体の自主的・自立的な財政運営が可能となるような制度改正というものを政府が実現してくれることを大いに期待しているわけでございますが、そのためにも、この地方分権推進委員会を引き継ぐものとして、ことしの7月に設置された地方分権改革推進会議というものがございます。この役割に大いに期待してございます。地方分権推進委員会が解散してしまいましたので、政府のそうした動きをわきからしっかり監視をし、そして、平たく言えばしりをたたいてもらうような役割ということで、この地方分権改革推進会議の役割に期待してございますし、それから、今ここで具体化に向けての議論が行われておりますが、その内容次第によっては、機会をとらえてこの推進会議や、あるいはストレートに政府の方に積極的にその地方の立場を主張していく、こういう考えでございます。
 それから、分権改革の進展に伴う望ましい地方自治の姿というものについてもお尋ねがございましたが、この地方分権が目指しておりますのは、生活者主権、地域主権の社会である。このために、住民との距離が最も近い基礎的な自治体と言えば市町村でございますけれども、この市町村というものが、受益と負担が明確にされたもとで行政の透明性を確保しながら住民に身近な行政を担っていく、行政の中心となるということが必要であると私は考えております。したがいまして、そうした主体たる市町村でなければなりませんので、市町村の行財政基盤と機能の強化が図られて、そして、今申し上げましたような地方行政の担い手の中心とならなければなりません。それがまた、逆に言えば地方自治の望ましい姿ということにもなると思っております。
 そうしたことが実現されますと、都道府県の役割というのは、おのずと現在の都道府県の枠組みを越えた広域の調整機能などに収れんしていくことになるのではないか。ここは少し時間がかかると思いますけれども、やはり市町村中心の行政というものをつくりつつ、一方で、都道府県については広域の調整機能などにだんだん収れんしていくような、そういう道筋というものを考えているところでございます。
 そのためには、現実的な課題として、基礎的自治体である市町村が、やはり都道府県の我々の持っております権限の受け皿として、体制をより強化することが必要でございます。こうしたことについて、一般的には、やはりまだ市町村の方でもいろいろな不安がございまして消極的に見えます。これは財政的な問題もありますでしょうし人的な関係もあると思います。まだ、市町村はそこまで思い切って踏み出すほどの環境が整っていないものですから、例えば本県では、一つの試みでございますが、来年度から事務・事業、そしてそれを実施するのに必要な財源、あるいは実施の担い手である人的資源──職員でございますが、そうしたものを一括して市町村の方に移譲するようなことも検討してございます。これは、今言いましたように、一般的には市町村の方でなかなか消極的になっているところの隘路を少しでも開いていきたいということの一つの試みではございますが、こうした取り組みをまず我々としてやれるところからやっていこう。そうしたことを積み重ねながら、それの経験を踏まえて地方自治制度の確立に向けた提言も行っていきたいと思いますし、また、このような地方自治体の、一つでもできるところからやっていくという主体的な取り組みの積み重ねが、ひいては、先ほど議員が心配しておられましたような、国はなかなか制度を変えないんですが、そうした国をも動かす新しい突破口になってくるのではないか、新しい地方自治の形がそうしたことで、国の制度に風穴をあけることによってまた定まってくる、そういうことにつながっていくということを考えてございます。
 次に、総合雇用対策についてでございますが、まず、これまでに実施してまいりました緊急地域雇用特別基金事業でございますが、これは平成11年度から行っております。これで、雇用の創出面では、新規雇用者の割合が64%となっております。また、事業の内容面を見ますと、環境・リサイクル事業や公有林の間伐など、緊急かつ有益な事業がそれを用いて実施されるなど、一定の成果があった、こういうふうに考えております。
 この、今申し上げました国の基金事業が創設されたのは11年度でございますが、実はこのときには、反省点として、やはり市町村への周知が不足していた点もあった。初めてこういったことをやり始めたことなので、その事業の意味ですとかやり方を含めて市町村への周知が不足していた点もあった、これは率直に反省しなければいけないと思っております。
 今般の、今議会にお願いしております県単独基金事業の実施については、この事業の採択要件などについてお認めいただけましたら、市町村に対して十分に周知を図っていきたい。それからまた、あわせて新たに創設される国の交付金事業がございますが、こちらについても、これは国の方から要件について今週中に来る──あしたまででございますが──ということになっておりますので、これについても同様に、市町村に対してその事業内容を十分に説明していきたい。そして、円滑な事業実施が図られるように努力していきたいと考えております。
 これらの事業創設の趣旨は、景気が低迷して、雇用情勢が今後一層厳しさを増していくということが予想されるわけでございますが、こうした中で、可能な限り多くの離職者を直接雇用する、そしてまた、地域にとって真に必要とする事業を推進する、こういうのが事業の趣旨でございますので、こうしたことによって、地域における雇用情勢の改善が図られることを期待しております。
 今、雇用創出効果についてお尋ねがございましたが、これは事業の種類によってもなかなか違うのでございますが、昨日、商工労働観光部長の方からも、単純な計算でございますが、大ざっぱなところで試算を申し上げたんですけれども、国の新たな交付金、本県に53億5、000万円配分になってございますが、全くの単純計算ですが、この配分比率ベースで計算すると、国が全体で50万人と見込んでおりますので、本県分で言うと約7、600人、こういうことになるわけでございます。平成11年からの基金で行った事業の実績がございます。そうした経験値を踏まえて、その実績比ベースで試算するとこれがもう少し多くなりまして、今度は金額が多くなりますので1万1、000人ぐらいになるのではないかというふうに見込まれます。もちろん、できるだけこの数字を大きくしていきたいということで努力していきたいと思いますが、こうした事業の実施で、離職を余儀なくされている方々をとにかく一人でも多く雇用できるように努力していきたいと考えております。
 それから、次に、国の廃棄物に関する法制度の方向性と課題についてでございますが、環境の世紀と言われる21世紀を迎え、これまでの大量消費、大量生産、そしてそれを受けた大量廃棄型の経済システムに支えられております今の生活様式を見直して、持続可能な循環型社会を構築することが求められている、このような認識に立っております。
 廃棄物に関連する現行の法制度でございますが、今まで廃棄物の適正処理という色彩が濃かったんですが、これに廃棄物の発生抑制と再生利用という、廃棄物に対する新しい政策が逐次取り入れられてきておりまして、特にも昨年度は、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するという趣旨で、循環型社会形成推進基本法というものが制定されたわけでございます。こうしたものを初め、各省ごとで縦割りになってございますが、各種リサイクル法等も制定されましたし、廃棄物処理法の改正も行われまして、循環型社会の構築に向けた制度的な基盤の整備が体系的に今急ピッチで図られてきている、こういうふうに認識しております。
 ただ、しかし、廃棄物行政に係る国と地方との役割分担はいまだはっきりしておりません。この役割分担は不明確でございますし、廃棄物と有価物とが客観的に区分されるものとはなっていません。こうしたところなどは特に大きな問題だと考えておりまして、そのほかに細かい点でもなお解決すべき課題も多くございます。そこで、さらなる制度の整備が必要であるということで、県でも、国に対しこれらの諸課題への対応について提言を行ってきております。ことしも6月に、県議会議長さんともども、主管が今環境省の方に移っておりますが、川口環境大臣の方にもその旨を提言書とともに、行ってきております。
 国でも、中央環境審議会において廃棄物の定義・区分などについて、今そういう意識を持って議論がなされていると聞いてございますけれども、県でも、国のこうした廃棄物法制を補完する条例の制定がやはり必要であると考えておりまして、本年10月に設置しました循環型地域社会の形成に関する条例整備懇談会というところで、今有識者の皆さん方が集まって検討を行っております。そこで考え方をまとめまして、これについて支援を得ましたら、また県議会の方にお諮りしたい、このようなことで今考えてございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕

〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) 企業誘致についてですが、誘致活動に当たりましては、雇用規模が大きく、地域への経済波及効果が期待できる製造業を中心として、優良企業の誘致に取り組んできたところでありますが、近年、経済のグローバル化などの進展に伴いまして、生産拠点の海外シフトが急激に進む状況下にありまして、従来の製造業を基本としながらも、今後、成長が期待できます環境、情報、医療・福祉分野などを対象に、重点折衝企業の絞り込みを行いながら、効果的に取り組むこととしたところであります。
 具体的には、リサイクル関連企業、福祉機器製造業、コールセンターや物流関係企業の業界動向につきまして、各種業界セミナー、あるいは見本市などに職員が出向いて情報収集するとともに、あわせて個別の企業やその関係団体などからも幅広く情報を収集いたしまして、それらの分析に基づいて折衝企業を定め、積極的に立地の働きかけを行っているところであります。
 また、県内の既存誘致企業の現状につきましては、生産拠点の海外シフトによりまして、本年度はアパレル関連企業や半導体・電子部品関連企業など、これまでに14工場が閉鎖を余儀なくされるなど、深刻な状況となっております。
 一方では、国内工場の再編に当たって、県内工場の拠点化、新規事業の導入、さらには県内での二次展開など業容拡大を図ろうとする企業も出てきておりまして、本年度はこれまでに9件の立地が決定しているところであります。
 県としても、生産拠点の海外シフトが相次ぐ中で、既存立地企業へのフォローアップも重要な誘致活動でありますので、進出いただいた企業のニーズの把握などを目的といたしまして、本年度6月と11月にフォローアップ強化月間ということで、職員がアパレル関連企業、半導体・電子部品関連企業などの合わせて139社を集中的に訪問いたしまして、企業からの要望への迅速な対応、岩手大学などとの産学連携の仲介、工業技術センターの技術紹介など、こういったものを積極的に行うなど、業界動向の把握と県内定着に努めているところであります。
   〔総合政策室長佐藤徳兵衛君登壇〕

〇総合政策室長(佐藤徳兵衛君) まず、政策評価を本格的に実施した感想についてでありますが、本年度の政策評価につきましては、昨年度の試行結果を踏まえ、総合的・体系的な評価を実施するために既存の評価制度を統合する一方、評価の客観性、透明性を確保するために外部評価を試行的に導入したほか、政策評価結果による施策の重点化を行うとともに、予算編成と連動させるこうした一連のシステムとして実施したところであります。
 今回の政策評価を通じまして今後の評価システムの方向づけがなされるとともに、各部局の自己評価などにより成果重視への変革が進むなど、一定の成果を得られたものと考えておりますが、評価制度につきましては、全国的にも手法が確立されておらず、政策評価委員会においても、新たな指標の設定や評価手法の改善、県民意識調査の分析方法などの貴重な御意見をいただいておりますので、今後におきましても、政策評価システムの精度の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、政策評価結果に対する県民の反応と公表の仕方についてでありますが、本年4月中旬に政策評価課のホームページを開設し、政策評価結果の掲載など、約20回にわたり更新を重ねてきたところ、これまで外部から約4、000件のアクセスがあったところであります。
 また、政策評価結果の公表の仕方につきましては、政策評価委員会の御提言にもありますとおり、評価の過程とあわせて速やかに、わかりやすい形で行うことが重要であると考えております。そのため、評価の仕組みや評価基準、全評価調書のほか、政策評価委員会の議事録などをホームページで速やかに公表してきたところであります。
 また、これまで県政テレビ番組での広報やシンポジウム等へ参加したほか、今後、いわてグラフ全戸配布版に評価結果等を掲載するとともに、政策評価をわかりやすく取りまとめた冊子を作成することとしております。
 こうした取り組みを行っているところでありますが、政策評価については、県民にとってよりわかりやすい形の公表、こういったわかりやすさということが求められる一方で、評価の客観性の向上という点からは、評価の仕方について、もっと精密なもの、精緻なものにせざるを得ない、こういうことを追求せざるを得ない、この二面性がございます。わかりやすさと正確性というか、緻密さというか、こういう両面からの要請にこたえられますように、今後さらに工夫を凝らしながら取り組んでまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長竹内重徳君登壇〕

〇県土整備部長(竹内重徳君) 公共工事コスト縮減対策についてでありますが、県におきましては、社会資本整備を今後とも重点的・効率的に進めるため、去る10月29日に公共工事コスト縮減対策岩手県新行動計画を策定・公表いたしまして、引き続き公共工事 のコスト縮減に取り組んでいるところであります。
 まず、不当なしわ寄せの防止についてのお尋ねでありますが、公共工事のコスト縮減は、御案内のように、資機材の価格や労務賃金、これはその動向が常に公表されているものでありまして、これの不当な低下を招くことがないようにすることを前提として計画・設計の見直し、あるいは新技術の開発や発注の効率化などにより、工事コストの縮減を図るものであります。仮に低い価格での入札があった場合におきましては、最低制限価格や低入札価格調査制度によって、受注者が資機材業者や労務者に対して不当に安い価格を強いていないかチェックを行うこととしております。
 さらに、本年4月から施行された公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の趣旨に沿いまして、県では去る11月15日に、監督及び検査における施行体制・一括下請点検マニュアルを策定・公表いたしておりますが、これに基づきまして、元請業者と下請業者の関係が適切に保たれているかなど、施行体制のチェックを行うことといたしております。
 次に、適正な発注ロットの設定についてでありますが、県営建設工事を発注する場合、その工事の内容や難易度、現場条件、さらに地域の実情等も総合的に勘案して発注しているところであります。県といたしましては、今後とも地域の企業の状況や業績等を勘案しながら、発注業務の効率性のみにとらわれることなく、その工事の性格や地域性を十分に考慮した発注ロットに配意いたしますとともに、各地域それぞれの工事においても、一定のコスト縮減効果が発揮できるよう、適切な工事の発注に努めてまいりたいと考えております。
 次に、技術開発を重視することによって特定企業へ受注機会が偏重するのではないかというお尋ねについてでありますが、公共工事における技術開発は、コスト縮減の側面からは多くの期待がなされている事項であります。
 県におきましては、これまで公共工事の設計に際しましては、工法の見直し等コスト縮減に努めてまいりましたが、これに加えて、今年度6件の発注案件について、バリューエンジニアリング方式、いわゆるVE方式によって、企業の提案によるコスト縮減を進めてまいりました。
 今後は、平易な工事についても、このような技術提案をさらに広く企業から得られるような入札方式について研究を進め、より多くの企業が参加できるコスト縮減策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、一般県道雫石東八幡平線の網張から松川間の活用についてでありますが、本年3月28日、有識者や公募委員で構成いたします一般県道雫石東八幡平線活用計画検討委員会から、活用計画に関する提言をいただいたところであります。
 県といたしましては、この提言を踏まえまして、活用計画を策定するため、本年6月、県及び地元雫石町、松尾村で構成する計画検討会議を設置いたしまして、活用計画について検討を進めてきたところであります。
 この活用計画の関係機関との調整につきましては、国立公園の管理者である東北地区自然保護事務所、国有林の管理者である盛岡森林管理署、交通管理者である岩手県公安委員会などと事前の調整を進めている段階でありまして、今後、実施計画の策定に際しまして具体的な協議を行うことといたしております。
 また、活用計画(案)を策定した後は、県民の皆様から御意見をいただくため、計画(案)の概要をインターネットで情報提供を行いますほか、この概要を記載したお知らせを作成いたしまして、雫石町、松尾村を含む周辺市町村の全世帯に配布して御意見を伺いますとともに、道の駅などにこのお知らせを配布する予定といたしております。
 このほか、盛岡市、雫石町、松尾村において、地域の皆様の意見を聞く会を開催いたしまして、本年度内に活用計画を策定したいと考えております。
 次に、活用計画が実現するまでの管理体制についてでありますが、現在、路肩崩壊箇所などがありますことから、網張側は大松倉橋、松川側は松川大橋で全面通行どめを行っておりますが、今後は、松川側の進入防止さくの改良や適時適切なパトロールを行うことによりまして、この全面通行どめ措置を徹底いたしますとともに、ガードロープなどの防護さくの補修や松川側の地すべり箇所の復旧を行い、活用計画の実現に向けた環境整備に努めてまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長佐藤勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐藤勝君) 社団法人岩手県農地管理開発公社が保有する雫石町南畑地区の農地の活用方策についてでありますが、当該農地につきましては、これまでもその活用についてさまざまな角度から検討が行われてきたところでありますが、農業情勢、あるいは経済情勢が大きく変化したこともありまして、現在、多くの未利用地を農管公社が保有している状況にあります。
 昨今の経済情勢等を踏まえれば、全体を、全部を一挙に解決することは大変難しいものと考えられますものの、一方では、先ほどお話がありました、この地区の方々が中心となってイベント等を開催し、熱心に地域活動を行っていること、雫石町におきましても、この農地を活用することによって地域の振興を図りたいとの意向を強く持っていること、また、公社の健全な経営を確保する上でもその活用が図られる必要があることなど昨今の状況等を踏まえて、一歩ずつでも着実に前進させるように、雫石町、農管公社、それから県の三者が一体となって検討を進めているところであります。
 具体的には、本年6月に町、農管公社及び県から成る南畑地区土地利用検討委員会を設置いたしまして、地元の方々との話し合いも踏まえながら意見交換を進めてまいりました。この結果といたしまして、町からは、この地域の自然や文化、知恵、情報、人脈を生かした陶芸あるいは工芸などのものづくりを通して都市と農村との交流を進める、特徴のあるグリーン・ツーリズムの創出を目指した土地利用構想素案が先般提案されたところであります。
 もとより、現下の厳しい経済・財政情勢のもとにありましては、なかなか一朝一夕の解決というのは困難ではありますものの、グリーン・ツーリズムの推進を重要な施策として掲げております本県といたしましても、この町の案をもとに、継続して関係する三者が一体となって論議を積み重ねながら、そして具体的な土地利用計画の策定への着実な進展に向けて地道に努力してまいりたいと考えております。

〇17番(中屋敷十君) ただいまは本当に誠意ある、一部には期待できなかった答弁もありましたが、まず、期待した答弁ありがとうございます。
 まず第1点目は、岩手県の総合雇用対策について再質問したいと思いますけれども、やはり県内でも大きな話題は、新規学卒者等、若者の就業対策は大きな課題であろうと思っております。今月24日の岩手日報夕刊を見ましたら、大きく、来年の春、県内の高校を卒業する生徒の就職率、まさに氷河期ということで、岩手労働局のまとめた数値では、10月末現在で就職内定を受けた生徒はわずか半数、特に県内の就職内定率はさらに厳しくて、前年同期10.5ポイント減の42%、こうなっていると、こういう報道がありました。学校や生徒さんの努力ではどうにもならない本当にゆゆしき状況にあると言えるのだと思います。今回、これは夕刊にもありましたし論評にもありましたけれども、私もそう思いますけれども、総合雇用対策、記載内容を見ますと確かに就職援助対策として、新規学卒者と若者の県内定住を促進するため、財団法人ふるさといわて定住財団が行う就職面接会やUターン、Iターンの支援などを行うと、こういう表現はあるんですけれども、何かこれだけを見ますと、中身はもっとやっていらっしゃるんだろうと思うのですけれども、見れば、ただ財団にお金とか補助すれば、それでいいのだというような受けとめ方もできるのではないのかなと、こういうふうな面もあると思いますので、やはり商工労働観光部が中心となって、もっと教育委員会と協議を進めながら積極的に学校や企業に働きかけていくと、当然やられているとは思うのですけれども、この文面だけ見ればそれしか見えないということで、ぜひこれ、部長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 それから、政策評価システムについてでございますけれども、外部の評価委員会のホームページを見させていただきましたけれども、難解で、見れば見るほど私もどういう評価システムがあればいいのかなと、こう思って見たんですけれども、実際その委員の山谷先生などはいろいろな評価システムをパターンを示されて、これは事業評価システムですよとか、これは包括外部監査がなじむんだとか、この点については県議会がやるべきものとか、いろいろやられておったんですけれども、一番今の成果主義ということで、盛んに成果重視の行政運営ということであれば、成果主義と言うのであれば、これはあくまでもやはり県民という顧客に行政サービスをいかにして提供して、満足をどう仕上げていくかということが基本だと思うのであります。
 それで、これは行政側が幾らすばらしい政策だと言っても、県民の視点から評価されなければ、どんなにすばらしい施策だと言っても本当の評価システムではないのではないのかなと思うわけでございますけれども、そういった意味でやはり私は、どうあるべきかと言うとちょっと難しいんですけれども、行政側以外の人々がこういう評価をするというこの外部委員会、今回は試行だったようですけれども、この岩手県政策評価委員会の果たす役割というのは本当に大きいものがあるんだろうと思います。当然我々県議会としてもいろんな個々の事案についてはこういう評価を加えて、本当に県民の目線かというものでは当然我々も、システムそのものではなくてその中身、五つの社会の中で掲げられている指標そのものについても、相当我々も県議会でいろんな活発な議論をしていかなければならないと思うのですけれども、本年、3回政策評価委員会が開催されておりますけれども、その委員のメンバーには総合計画推進委員会のメンバーもおられて、いろいろ総合計画推進委員会と政策評価委員会との関係とか、政策評価システムそのもののあり方にかかわる包括外部監査や公共事業評価委員会との所管事項の調整、いろんな面で闊達な意見が交わされているように思っていますし、また、総合政策室長のその委員に対するいろんな御見解も、一生懸命取り組まれてすばらしいものがあったと思うのですけれども、一番私は来年度からの外部委員会のあり方というものに大きな関心を持っていまして、何か見ますと来年の2月か3月ごろもう一度評価委員会を開催して検討を加えられるようでございますけれども、総合政策室長は来年度のこの政策評価委員会というものをどんな形で位置づけようとしているのか、このお考えをお聞かせ願えればと思います。
 それから、コテージむらの話を一つ。これはいろいろやられているというのは結構なんですけれども、どうなんですか、私も雫石町役場が中心になってやったグリーン・ツーリズムの推進構想というのはよく承知していないんですけれども、相当やはりいろいろな活用の中では農振の農用地除外というのが必要になってくるんじゃないですか。その方途、やっぱりこういう形の中でどのような形で、いろんな事業を進める中で、利用構想はこれからだと言うんですけれども、農管公社そのものを考えた場合も、それだけの計画を立ててやはり農振の農用地除外をしなければ、なかなか有効な土地の処分とか利用計画というのはできないんだと思うのですけれども、その辺ひとつ、今、農林水産部長どのようにお考えか、この3点について再質問させていただきました。
 以上で、これ以上立ちませんので、その3点についてお答えを願います。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕

〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) 総合雇用対策についてお答えいたします。
 先般取りまとめました岩手県総合雇用対策で掲げました財団法人ふるさといわて定住財団が行う就職面接会やU・Iターンフェア、これは公共職業安定所の参画も得まして──職業安定法上、職業紹介、あっせん、これは国の事務でございますので──県と当財団とが一体となって、県内企業への就業を希望する大学生などの就職活動を支援しているものでありまして、県においても企業への働きかけ、それから学生への呼びかけ、会場の設営などを行っているところでございます。
 また、高校生の就職支援につきましては、社団法人岩手県雇用開発協会というものがございますが、この協会が中心となりまして高校生の職場見学会などを実施しております。この協会は主として新規学卒者や中高年者の雇用促進、安定というものを主として業務しておりますのでこの協会、それからあとは国の職業安定所におきましても高校新卒者を対象に職業準備のための講習やガイダンス、職場見学などを行っているところでございます。
 このように新規学卒者の就職対策は、従来は国の地方事務官のもとで、そして現在も主としてそういった雇用開発協会や公共職業安定所などでその事務を行っている経過もあり、これは基本的な考え方として職業紹介は国の事務、それから県は就職ガイダンスなど職業紹介を伴わないものという機能分担のもとで行っておりますが、現下の厳しい雇用情勢にかんがみまして、国とか県とか言っている場合ではありませんので、県としても岩手労働局を初め、関係機関や県教育委員会と一体となって、こういう新規学卒者などの雇用に取り組む必要があると考えておりますので、今後、県主導で関係機関に働きかけて、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
   〔総合政策室長佐藤徳兵衛君登壇〕

〇総合政策室長(佐藤徳兵衛君) 政策評価委員会の来年度における位置づけのお尋ねでございました。
 今年度試行的にやってみたわけでありますけれども、政策評価委員会の委員の方々から、どこまでやればいいのかとか、いろいろな御意見がございました。それはもう一つあります総合計画推進委員会においても、それぞれの委員会の役割をどう理解すればいいのかという戸惑いもいただいたところであります。いろいろことしの取組結果を踏まえまして研究しておりますけれども、現在の考え方としては、政策評価委員会においては、専門的な観点から評価の進め方とか評価基準でありますとか、あるいは分析手法、こういったような主として評価システムのあり方について専門的に御意見、御指導を賜りたいと思っておりますし、また、先ほどお話しのあった県民の満足度、県民の方々の意向につきましては県民意識調査をより充実するとか、そういった形で改善を加えていったらどうだろうかと。そしてまた、総合計画推進委員会におきましては、主として政策立案についてその観点から御審議をいただくといったような形で、いずれにいたしましても外部意見をいかにより有効に取り入れていくか、反映するかということについてのシステムのあり方を今後検討していきたいと考えております。
   〔農林水産部長佐藤勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐藤勝君) ただいまお話しのありましたこの南畑地区の農地の活用についてでありますが、お話しありましたとおり、この農地のいわゆる農地の除外認定と申しますか、除外することが前提ではないかというお話でございますが、そのベースには、その土地がどう利用されるか、土地利用の計画が打ち出されたことによって農用地の除外ということが出てくるということで、なかなか難しい状況にあるわけですが、ただ、今般出てまいりました、例えば構想、この中には農地として利用する土地もあれば、あるいは農管公社自体がそのまま保有しながら利用する場合、あるいは民活を利用してやってはどうかとか、そういうさまざまなものが入りまじっております。したがいまして、この土地の利用をどういう形で進めるのか、そういうことを見きわめながら、まずは農用地の除外に持っていくか、あるいはそのまま農地として活用するか、そういうことを深めていくことがまず必要であろうと考えております。したがいまして、先ほどもお話し申し上げましたが、関係する農管公社、町、そして私ども県が一体となって議論をし、そしてこの計画の実現性なり、あるいはさらに色を濃くして深めていくという作業に取り組みたいと思っております。中には事業を、例えば国の事業あるいは県の事業、あるいは町自体がやるべき事業とか、そういうより分けも必要になりますので、このことがなお必要だろうと思っております。

〇議長(谷藤裕明君) 次に、阿部敏雄君。
   〔20番阿部敏雄君登壇〕(拍手)


前へ 次へ