平成13年12月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇49番(佐々木俊夫君) 佐々木俊夫であります。質問をさせていただきます。
 今、国際的にはテロ事件、国内的には深刻化する雇用問題、殺人、誘拐、幼児虐待、加えてもって狂牛病事件。県内では、岩手信用組合破綻など、なぜか21世紀初頭にふさわしくない難問の連続であります。そこにまた、2頭目の狂牛病の出現であります。きょう、どこで何が起きているのか、あすは何が始まるのか、いわゆる、一犬影に吠えれば万犬声に吠えるというか、一犬実を吠えて万犬これに和さざるを得ない実態でありまして、遺憾のきわみであります。
 私は、きょう質問するに当たって、果たして内容はこれでよいのだろうかと、恐々とした心境でこの質問原稿を書いてまいりました。
 さて、昨年12月議会で私は、増田知事は、しばしば県内にくまなく出向き、地域の各界各層と積極的に面談、意見交換をしておられる姿が、あたかも戦場を先駆けし、八面六臂に戦いながら、戦法、戦略を編み出し主導権を確立したと言われる、いわゆる織田信長型のようだと申しました。しかし、歴史的指導者には、すぐれて徳川家康型もあるのであります。彼は、要所要所に腹心を配し、300諸侯を巧みに封じ、みずからは江戸城にあって、人材と英知を結集して総指揮をとり、265年余りにわたる江戸時代を築いたのであります。
 さて、知事は11月12日の記者会見で、次の知事改選に絡み、知事の多選批判をされたと聞きますが、洋々たる前途を持ち、若さあふれる知事として、多選問題を否定的に論ずることはいかがでありましょうか。その際に、発言された真意についてお示しいただきたいと思います。
 次に、市町村合併問題について伺います。
 大船渡市と三陸町の電光石火のような合併実現によって、合併問題に県民の関心が高まってまいりました。市町村合併の可否を決めるのは、もちろん住民の意思ですから、県知事といえども、軽々に干渉すべき問題ではありませんが、それにしても、市町村大合併の後に課題になるであろう道州制については積極的に発言をされながら、大事な市町村合併問題については、知事の考え方が見えないというのが多くの県民の受けとめ方であろうと思います。
 この問題について、県では県立大学の有志教員による研究結果としての考えられる合併のモデルを参考として、県広域行政推進指針を策定し県の名で公表したこと、次いで6月8日に市町村合併推進支援本部を設置し、県の意思を統一して支援の方向を見出しながら地域で一層論議してもらうよう、地方振興局を中心に情報を提供するとしており、何だか振興局にげたを預けた感じに受けとめられます。
 全国的には、800余りの市町村が具体的に合併問題に取り組んでおり、熊本県では92%、長崎県では78%、府県では3分の2もが積極的であるのに対し、本県など3分の1の県が消極的と伝えられております。何はともあれ、市町村合併特例法は2005年3月で期限切れになります。この問題は、現実には地域のリーダーの発信なくして漫然と世論の高まりを待つことは、百年河清を待つのたぐいになりましょう。
 明治維新以来、本県では、先人たちの努力によって646から58の市町村に合併統合し、時代に即応した行政機構を築き上げてまいりました。この際、市町村合併について、知事の基本的指導方針と具体策についてお示しいただきたいと思います。
 次に、雇用問題について伺います。
 9月の完全失業率は5.3%で、今後さらにふえるおそれがあり、職を失った人は一家を支える世帯主が多いとされ、いよいよ深刻であります。季節調整済みの有効求人倍率で本県は0.4倍で、全国ワースト4であります。10月30日に県では、早速に岩手県雇用対策本部を設置して、1、雇用の創出、2、労働移動の円滑化、3、セーフティネットの充実、4、雇用創出等のための産業支援を骨格にして、30の事業を提示しております。そして、県単緊急地域雇用特別基金の創設を骨格に、12億4、700万円余の補正予算を計上されましたことは評価されますが、ほかは14年度の当初予算に計上するとのことであります。来年度予算でありますと、それが承認され執行に移されるのは、おおむねこれから6カ月先以降になります。
 既に国では去る16日に、雇用対策を重点とする補正予算が成立し、関係法も成立させました。したがいまして、県でも、ほかに必要な予算をこの議会に追加提案するか、臨時議会を招集するか、2月議会にずれ込んでも、13年度補正予算として年度内に執行するという意気込みが必要と思いますがいかがでしょうか、見通しをお知らせください。
 商工労働観光部長は、先日の県政調査会の説明で、提示した30の事業は、各部から提案された事業を羅列的に挙げたと説明しましたが、事態の深刻さに比べて私には緊迫感が感じられません。これらの事業が遂行されることによって、何人の雇用が確保されますか。できれば数字をもって示していただきたいと思います。
 次に、岩手信用組合破綻問題について伺います。
 新生大船渡市の前途に花を添えるべきときに、突然、岩手信用組合破綻が発表されたことは残念であります。この組合は、かねてから厳しい経営状況にあって、県を初め関係機関の支援下にありました。
 報道によれば、11月9日の組合理事会で破綻の決議をして、金融庁にファクスした後、その午後には業務及び財産の管理を命ずる処分がなされ、同日夜には、気仙沼信金が受け皿金融機関として内諾したとのことであります。
 そこで伺いますが、一つ、平成12年3月までは岩手県が監督機関であったはずであります。平成6年から毎年38億円もの県費を無利子で預託し、その利息で支援してきた岩手県に対して、この事態になってどんな協議があり、県はどう対処し、どのように責任を感じておられますか。
 2、1993年に釜石信金が破綻したときには、岩銀、北銀等、県内金融機関が受け皿になったのですが、今回他県の気仙沼信用金庫に営業譲渡などされるについて、県並びに県内金融機関に何らかの協議がなかったのでしょうか。
 今後、このことについて、宮城県庁ではどのような支援策をとるとお聞きでしょうか。
 3、気仙沼信金では、正常債権のみ引き継ぎ、支店店舗の統廃合もあり得ると表明しております。それでは、グレーゾーンまたは経営が厳しい地元企業は、長年得意先として取引してきた実績もむなしく、経営危機に追いやられることになります。県はこれに対処するために、岩手県信用保証協会に対する債務負担行為をこの議会に緊急提案されておりますが、それだけで地元の取引企業は年末資金需要期に耐えられるのでしょうか。さらには、資金対策が必要であろうと思いますがいかがでありましょうか、お伺いいたします。
 次に、県出資法人関連についてお伺いいたします。
 県では、平成11年2月に、県行政システム改革大綱を定め、70の県出資法人の整理合理化を目指してきました。
 総務部長に伺いますが、具体的には統廃合を目指すべき法人16、県出資の引き揚げ13、経営改善指導5の、計34法人が対象になっていると思いますが、どのように進行しておりますか。
 知事は、これら法人の役職員のあり方について、法人プロパー職員が役職につくことが活力につながるし励みにもなるので、これを推進すると述べておられましたが、次長以上でそれら法人の役職員についた県退職職員は本年新たに22名が就職し、結果として、昨年に比べて8名増となり、現在43法人に合計71名が就職しております。
 知事に伺いますが、もちろん、この方々はどなたも有能ですから立派に職責を全うしておりますが、この実態は知事の意向と矛盾していると思いますが、いかがでありましょうか。
 次に、社団法人岩手肉牛生産公社について伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 この公社は昭和43年設立以来、肉用牛生産拡大、優良種雄牛造成など、畜産県岩手づくりに役割を果たしてきたことは否定できません。しかし、牧場縮小など経営改善の努力をしてきましたが、年々赤字経営となり、昨年度の家畜改良事業に係る欠損分1億4、000万円を県より補助、補てんされて、なお累積欠損金は実に13億円余りとなっております。本年9月、検討委員会はその改善策として10億円を県が負担、支援すべきだとの結論を出し、県は早速に予算化に取り組む姿勢だと報道されました。法的には、家畜改良事業については県が行うべきものかとは思いますが、年々補助、助成を受けた上に、累積赤字も県がまとめて支払いでは、到底、県民の納得できることではないと思います。この生産公社の理事長は高橋副知事ですが、今日に至った理由と、何ゆえに累積欠損金の損失金のほとんどを県が負担しなければならないのか、その根拠について御説明いただきます。あわせて、この肉牛生産公社の今後のあり方、運営方向についてもお伺いいたします。
 次いで、農林水産部長にお伺いいたしますが、森林王国岩手を築き、今日的には環境保全にも役割を果たしてきながら、430億円余りの債務を累積させている林業公社、これまた502億円余りの債務を抱えている県有林造成事業について外部監査が行われたと聞きます。これらの事業は、今日まで本県林業に多くの役割を果たしてきたし、これからも果たさなければならない使命を持っていると思いますが、今回どのような監査が行われ、その結果はどうであったのか。この事業を今後どのように展開するのか、方針をお伺いいたします。
 次に牛海綿状脳症問題、いわゆる狂牛病についてお伺いいたします。
 去る9月10日、千葉県内で狂牛病が発見され、全国が恐怖のどん底に陥りました。当初、初動段階での政府の不手際が問われ、それは10数年前にイギリスで発生したとき、日本ではあり得ないこととして狂牛病問題についての十分な研究、準備をせずに、対岸の火事視してきたツケだと批判されました。そして今度は、ついに北海道での2頭目の発見となり、容易ならざる事態であります。既に一部の識者は、ヨーロッパの例からして、日本にも千葉県以外に何頭か罹患した牛が存在する可能性があると疑いを持っていたのでありますが、それが現実となってあらわれました。したがって、私は、事ここに至っては、残念ながら今後もさらに罹患した牛が出現する可能性があることを前提として、なお厳重な対策をしなければならないと思うのであります。それには、まず10月18日から全頭実施している解体時検査に絶対手落ちがないこと、罹患牛は絶対流通させないこと、そして罹患原因の徹底究明と、今後、絶対に罹患牛を出さない体制の確立が必須であります。このことが実行されることによって、消費者からの信頼回復が初めて期待されるのであります。
 そこで私は、解体時検査に絡む一つの問題点として、検査結果発表方式について、以下お伺いいたします。
 国は、当初、二転三転しましたが、食肉衛生検査所で行う一次検査で陽性であってもウエスタンブロット法、免疫組織化学検査後に確定診断を経て、狂牛病と確定された段階で発表すると決めたのに対し、本県では、一次検査で陽性、つまり疑陽性の段階で公表するいわば岩手方式をとるとしたのであります。全国的には、岩手県同様に一次の疑陽性段階で発表するのが14道県であり、多くの他都府県は、国と同様に確定後の発表方式と聞きます。本県が北東北の仲間として何かと連携しているはずの青森県、秋田県は本県と異なり、国と同様の方式であります。なぜ、本県は国及び多くの県と違う方式を採用したのでしょうか。この検査結果発表方式の混乱も、消費者に不安と不信感を与える原因になっておりませんか。
 保健福祉部長は、今後、継続されるこの発表方式について、国と本県との整合性を図る必要があると思いませんか、お伺いいたします。
 関連して農林水産部長に伺いますが、大家畜経営維持のための運転資金枠30億円に必要な予算をこの議会に提案されたことは評価されますが、ただでさえ厳しい経営環境にある酪農、畜産業者、流通関係業者対策としては不十分ではありませんか。確かに、国の施策の動向を待たなければならないこともありますが、国の補正予算も成立した現在、畜産県岩手の面目にかけて画期的対策を行うべきであります。さらに、特定危険部位の焼却及び肉骨粉の処理問題、検査前の在庫牛肉処理問題なども順調とは思われませんが、消費者対策をも含めてその後の状況をお示ししてください。
 次に、漁業問題1点お伺いいたします。
 東北農政局の発表によれば、本県の2000年現在の漁業経営体の数は対前年比4.2%の減で5、848となり、1964年から35年間に、実に47.1%に激減しております。この原因は明らかに後継者不足にあり、典型的な雇用のミスマッチの一種であります。
 さて、来年8月は大臣指定漁業の許可一斉更新であります。本県の沿岸漁業に利害関係が最も深く、歴史的課題であった問題について、岩手県漁連から岩手県及び自民党県連に陳情がなされました。その主な点は、1、大中型まき網漁業と沖合底びき網漁業の許可に当たっては、スルメイカの漁獲量の削減とサケ・マス混獲禁止のこと、2、操業区域は、まき網漁業は本県沿岸より20海里、底びき網漁業は10海里以遠とすることとあります。特に、底びき網漁業の操業海域の規制を求める陳情が県漁連から出されたのでありますが、この問題は、沿岸漁業者の間に長年くすぶってきた問題で大変注目されます。この許可権者は大臣でありますが、この画期的陳情は、本県沿岸漁業に深いかかわりがありますので、この際、県としての見解を示していただきたいと思います。
 次に、三陸縦貫自動車道問題についてお伺いいたします。
 昨今、国の道路特定財源の一般財源化や道路公団民営化などの問題と絡み、高速道整備が大きな問題になっております。長い運動の結果、ようやく部分的ですが着工されたばかりの三陸縦貫自動車道を初め、東北横断自動車道釜石秋田線の今後について、一喜一憂しているのが偽らざる実態であります。三陸縦貫自動車道は、宮古市以北の久慈市に至る高規格道路問題とも絡むもので、本県沿岸地域の死命にかかわる問題でありますが、このたびの財源問題がどのような影響をもたらすのか、見解をお伺いいたします。
 さて、この道路のうち、山田道路は400億円もの工事費を投じて今日まで施工されてきましたが、いよいよ着工以来15年ぶりに来年度完成するとのことであり、速やかな供用が待たれております。
 ところで、三陸道路のうち、既に完成して供用されている宮城県内分は有料であり、本県大船渡地区分は無料となっておりますが、山田道路が完成して供用の暁には有料、無料のいずれになるものでしょうか、その見通しをお伺いいたします。
 最後に、教育問題についてお伺いいたします。
 昨年の12月議会で私は、基礎教育の重要性と職業教育、有能な教師採用などについて質問をいたしました。早速に社会経験豊かな教員を採用するために社会人特別選考試験制を導入されたと伺い、敬意を表します。つきましては、その実施状況と今後の方針と問題点について教育長にお伺いいたします。
 さらに、私はその議会で、日常生活はもちろんのこと、高度な学問をするにもすべての出発点は国語に習熟することであるとも申し述べました。過般、兵庫県の小学校教師が10年間の実践経験として全国の教員組合の研修会で発表したと聞きますが、小学生に福沢諭吉の学問ノスゝメや憲法前文を暗記させる、そして、その学年で覚えるべき漢字を2学期までに全部暗記させ、3学期は何度も復習させるというものであったといいます。その結果、1年生の段階で知能指数100以下の児童が9人から5人に減り、120以上の児童が5人から9人にふえたとのことであります。これに対して、それは詰め込み主義で競争心をあおるだけだ、勉強だけなら塾でもできる、学校は仲間づくりの場であり、いい子に育てばよいなど強い批判があったと言われます。この教師は、子供に好き勝手をさせれば安直に流れる、教師たる者、信念を持って徹底した教育をするべきだと喝破したとのことであります。
 時あたかも、来年度からゆとりの教育を目指して完全学校週5日制と教育内容を約3割削減する新学習指導要領が実施されます。これにより、ゆとりと怠けが同居しないか、子供たちを学習塾に追いやることにならないかなど、なお論争の多いところであります。いずれにしろ実施されることになった現在ですが、岩手県の今日まで積み重ねてきた教育の歴史と風土の中でどのような成果が実現すると期待されるのか、教育委員長の考えをお示しいただきたいと思います。
 さらに、小・中学校の少人数指導についてお伺いいたします。
 今年度から公立義務学校の教職員定数標準法が改正され、特別の事情があれば、一定の条件のもとで従来の40人学級にとらわれない学級編制が可能になりました。この問題は、去る9月議会で同僚議員から30人学級化を目指しての問題として質問がされたところであります。
 先日、中央A紙が公立学校教員7、000人を調査した結果によれば、教師の平均学校勤務時間は9時間42分であり、自宅に持ち帰っての校務仕事が1時間17分あり、合計11時間に及び、ほかにいろいろの提出書類は土、日に作成せざるを得ない過酷な勤務状態にあると報じられております。そして、教師として最も大事な意欲の問題では、教員をやめたくなると思うほど忙しいが61%で、55%の教員が学級担任に自信喪失することがあるというゆゆしい状況であります。これは、熱心に取り組むほどに、担任している児童の数に大変関係があると思います。
 昨今、教育に熱心な各県に少人数指導の動きが急速に奔流化し、秋田、山形、新潟県など東北地区でも知事が先頭に立って積極的に実施に取り組んでいるとのことであります。これらの県は、本県同様に必ずしも財政的に余裕があるとは言えないと思います。
 本県の三大キーワードは、環境、ひと、情報であります。本県は歴史的に教育立県を標榜してきました。もはや少人数指導について知事の強い英断が下される機が熟してきたと思います。ここに高邁な知事の基本方針をお示しいただきたいと期待いたします。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 佐々木俊夫議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、知事の多選問題についてのお尋ねでございますが、私は、この1期4年という有権者から負託を受けた任期を、まず全力を尽くして全うすることが最も大切なことと考えております。もちろん選挙という有権者の判断を経ておりますので、結果として何度か任期を積み重ねることについて否定するものではございませんけれども、しかし、たとえこうした選挙という関門を経ていましても、やはり多選といいますと、行政の硬直化や、さらにはマンネリ化などの弊害を招くことにつながってくるのではないか、このように考えております。
 この多選ということについて、どういう長さで判断をするのかということでございますが、私は、3期、最大でも4期がやはり節目ではないか。知事本人や選挙民の判断がここについてはさまざまあって私はいいと思っておりますけれども、やはり5期以上はどんな場合でもやってはいけない。現在、5期、6期とやられている先輩方もおられますので、こういう方々には申しわけないところもございますけれども、やはりどんな場合でも5期以上はやるべきではないと、このように考えているところでございまして、先日、このような考え方を定例記者会見で申し上げたものでございます。
 次に、市町村合併問題についてでございますけれども、私は、これからの行政の中心的な役割を担うべき市町村におきましては、みずからの判断と責任でその個性や創造性を十分に発揮し、そして、自立した行政を展開していくため、その役割を果たすにふさわしい効率性や専門性を備えた行財政体制の基盤を強化していくことが求められている。これは、やはり基本は、みずからの判断と責任でということだろうと思います。県は県で、県としての生き残り策といいますか、県としての機能が最大限に発揮できるような方策を今私ども県としては模索してございますし、それから、市町村は市町村として、やはりみずからこの生き残り策というのを考えてもらいたい。昭和30年の合併というのは、国、県、市町村という縦のつながりの中で、当時のそういう仕組みの中で出てきた合併ということですので、上から強力に指導していったということがありますが、今、県、市町村も水平の関係で、それぞれ独立した自治体としてこれからスタートしていこうということを地方分権一括法などにおいても確認したばかりでございますので、ここの基本については市町村長さん方にもぜひ考え方を変えていただいて、やはりそこの基本だけは御理解しておいていただきたい、こんなふうに思っております。
 もちろん県の役割というのも当然あるわけでございますので、その分についてはしっかりと果たしていかなければならないと思っておりまして、昨年5月に広域行政推進指針というものを策定、公表して、地域でその内容を理解していただく、機運を醸成する、普及啓発をするということで行ってきたわけでございますし、そうしたことによって、この1年や1年半やってまいりましたので、県内でもさまざまな動きが見られるようになってきたと。そこについては1段高い段階に来たというふうには考えております。
 これからの段階においては、この市町村合併の進め方としては、岩手県内全県を一律に進めるのではなくて、やはり地域の事情に応じて濃淡をつけながら進めていくということも必要だと思いますし、今後ともこういう基本認識で、したがってやはり地方振興局を中心として地域でのシンポジウムの開催や啓発資料の作成といったようなものをさらに進めていきたい。きめ細かく具体的な材料を提出して、住民の皆様方に御判断をしていただけるようにしていきたい。合併特例法の期限が先ほどお話ございましたとおり平成17年3月ということで期間が決められておりますが、地域での議論を深めるためのそういう期間というものもまだ十分あると思っておりますので、その間に議論をぜひ深めていただいて、またさらに、大船渡市と三陸町のような具体の取り組みに対する支援なども私ども行って他の地域での理解を進めていきたい。県としての役割をそれぞれの地域で的確に果たしてまいりたいと考えております。
 次に、県出資法人の役職員のあり方についてでございます。
 それぞれの法人は、設立目的に沿ってみずからの判断で事業を展開してございますので、法人としての自立性を高める上で、その運営に必要となる人材の確保に当たりましては、みずから主体的に取り組むことが原則と考えております。一方で、県出資法人はその性格上県行政と密接な関係にあることや、また、法人によっては設立の歴史がまだ浅く、いまだ内部で登用する人材の養成が十分にできていないというものもございます。こうした法人それぞれの事情から、県の退職者の推薦依頼が法人サイドからあった場合に、県職員として長年培った識見、そして専門的知識あるいは幅広い経験が、その当該法人の設立の目的、事業内容などにかんがみ、その運営に貢献できると判断される場合には推薦しているところでございます。
 県出資法人の整理合理化につきましては、行政システム改革大綱に基づいて、統廃合や出資の引き揚げとあわせまして県関係者の役職員への就任の縮減に取り組んできているところでございまして、実は、県の退職者の役職員への就任についてはここ数年間減少基調で推移してきてございました。先ほどのお話では今年度ふえているということでございますが、これは正確に申し上げますと、総数で43法人71名ということになってございまして、内部で実はそれぞれの適任者に交代を進めてきたということもございますが、前年度に比較して2名増加と、こういうのが正確な数字でございます。先ほど言いました法人等の事情もあるので、原則は先ほど言ったようなことで進めていくわけでございますが、ことしはそういった法人内部での事情等もあって逆に2名ふえた結果になってございますが、今後については、それぞれの法人が抱える個々の事情というものも当然勘案して要請に対処してまいりますけれども、可能な限り生え抜き職員の登用を図っていく、これが原則でございます。法人としての自立性が高まるようにするという原則で可能な限り対応していきたい、このように考えております。
 最後に、小・中学校の少人数指導についてのお尋ねでございますが、学校教育におきまして、子供たちの個性を尊重し、ゆとりの中で生きる力を育成することが私は大変重要であると認識していまして、そのためには、子供たち一人一人の多様な個性に目を向けながら、基礎・基本を習得させるなど、確かな学力をつけさせるきめ細かな指導が必要であると考えております。
 教育委員会の方では、今年度、国の少人数指導加配という制度を積極的に取り入れまして、本県として、特に義務教育の基盤である小学校1年生、ここは大変きめ細かな指導が必要な年齢層でございますので、この小学校1年生では、就学前の教育との円滑な連携や多様な子供の実態に対応するためにこうしたきめ細かな指導が必要と考えて、1学級当たりの児童数が30人を超える学級を持っております学校の中から、全県の中で40校に対して非常勤講師を配置いたしたところでございます。ただ、これは、実は正確には4月から7月の1学期間だけのものでございまして、ここで成果をいろいろ確かめてみようということで行ったわけでございますが、その成果などを見ましても効果があると判断されるわけで、こうした少人数指導が子供たちの基礎学力の向上に非常に効果的であるという考え方から、平成14年度の施策重点化方針におきましても少人数指導の推進を掲げさせていただいたところでございます。
 したがいまして、小学校の1年生においての少人数指導について、今、申し上げましたようにことしは1学期間で終わってしまいましたので、ここに非常勤講師を期間を延長して配置する、それから、人数についても十分な人数に拡充するといったようなことで、今、内部で検討しているところでございます。これは来年度に向けての点でございますので、これからさらに、今、議員がお話しになりました点も踏まえて、十分に検討して成果を出していきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては副知事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔副知事高橋洋介君登壇〕

〇副知事(高橋洋介君) 肉牛生産公社のお尋ねにお答え申し上げたいと思います。
 まず、改良事業に係る累積欠損金についてでございますが、改良事業を進める過程におきましては、一般の肥育農家の牛とは違いまして、現場後代検定では選抜前の種雄牛候補を交配するためその生産牛の販売価格が安くなるなど、改良事業はその性格上採算性が低くなることは避けられないところでございます。公社では、この改良事業に要しました経費の不足分につきまして改良事業以外の増殖事業の収益で補ってきたわけでございますが、平成3年の牛肉の輸入自由化以降の市場価格の下落、また、大口産直取引の中止などによりまして年々公社全体の収支が悪化してまいりました。公社の経営努力にもかかわらず、今日の事態に至ったところであります。
 本来、家畜改良は、家畜の繁殖性や産肉能力などの生産性の向上を目的といたします基本技術でありまして、また、改良事業は、産地間競争に耐え得る優良な種雄牛を他県に先駆けて選抜し、本県の牛群を全国トップレベルの能力を有するものに整備するため、県が積極的に取り組むべき畜産振興上の重要施策でございます。また、家畜改良増殖法では、改良事業は国及び県が積極的に取り組むべき業務とされておりまして、これらの観点から、公社の改良事業は、本来ならば県からの委託で実施いたしまして、その経費は全額県が負担すべきものでありましたが、公社におきましても補助事業として安易に受け入れ、累積欠損金を増大させてきた面も否定できないものと存じております。いずれ、その負担につきましては引き続き庁内で検討されるべきものと考えております。
 次に、肉牛生産公社の今後のあり方や運営方向についてでございますが、肉用牛主産県を標榜しております本県にとりまして改良事業の重要性は一段と増しており、その実施に当たりましては、既に技術が確立されている産肉能力検定業務などは外部に委託することによって効率的かつ効果的な推進が図られますことから、同一飼養環境の中で能力のそろった優良雌牛群が整備され、精度の高い産肉能力検定が可能な条件が整っております肉牛生産公社に対しまして県が委託をして改良事業の一翼を担わせることが最も妥当な選択ではないかと考えております。
 また、増殖事業につきましては、一定の成果が得られ、所期の目的はおおむね達せられたと判断されますことから、段階的に廃止することが適当であると考えております。
 したがいまして、公社といたしましては、県が行う改良事業の受託を主体としながら、将来的には精液の生産、供給を担うなど、本県肉用牛振興の中核として寄与できるように最大限努力してまいらなければならない、そのように考えておるところでございます。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕

〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) まず、雇用問題についてでありますが、さきに成立いたしました国の補正予算において、厳しい雇用情勢に対応して雇用の機会を緊急に創出するという趣旨で緊急地域雇用創出特別交付金が創設されまして、本県に対しては53億5、000万円の内示があったところであります。新しい交付金事業の要件等につきましては今週中に国から通知されることとなっておりますが、この通知を受けまして速やかに交付金の受け入れを行いたいと考えておりまして、現在、今議会に追加提案する方向で準備を進めているところであります。今のところ、事業の執行に当たりましては、国の新たな交付金事業を中心に据えまして、県単独の基金事業はそれを補完するものとして位置づけ、効果的な雇用の場の創出を図ってまいりたいと考えております。
 国の新たな交付金事業は、実施期間が平成16年度末までの3年余となっているところであります。現在、離職している多くの方々は公共職業安定所で職を求めているわけですけれども、なかなか職が見つからずに雇用保険の給付期間が終了するのではないかという懸念もございまして、来年度以降は雇用情勢が一段と厳しさを増すことが見込まれますことから、今後3年間余の県内の雇用情勢を見越しながら、交付金事業を効果的に実施していくことが必要と考えております。また、交付金事業の展開とあわせて、雇用の創出につながる産業振興施策にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、これら交付金事業の実施による雇用人員の見込みにつきましては、確たることは申し上げられませんが、ちなみに、国の新たな交付金事業計画では全国で50万人強の雇用創出を見込んでおるということで、その比率でいくと県内は約7、600人の雇用が推計されます。いずれにいたしましても、これら国の交付金事業などの積極的な活用によりまして、真に地域に必要な事業を実施し、離職を余儀なくされている方々を一人でも多く雇用できるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、岩手信用組合の破綻問題についてでありますが、信用組合の指導監督は平成12年度から国に移管されておりまして、経営再建や事業譲渡等の協議につきましては、事前に情報が外部に漏れることによる信用不安を招かないため、国と岩手信用組合の間で協議を行ったということであります。また、受け皿金融機関の選定などについても、同様に国の指導によりましてもっぱら金融整理管財人の方で手続を進められているところであります。
 次に、県の責任についてでございますが、平成12年3月までは県も指導監督機関として、法令、諸則に基づきまして検査の実施、経営改善計画策定指導などを行うなど所要の措置を講じてまいったところであります。また、国への事務移管後におきましても、他の金融機関とともに、支援機関として、平成6年から行ってきました不良債権処理を引き続き当初計画どおり行ってきているところであります。
 また、気仙沼信用金庫に対する宮城県の対応につきましては、宮城県からは特に追加支援というものはないと聞いております。
 お尋ねの資金対策につきましては、既存の国の制度であるセーフティネット保証、それから、県の融資制度である中小企業経営安定資金などがございますが、このたびは、特に岩手信用組合と取引のある中小企業者の取引資金状況を勘案した上で、県信用保証協会が行う信用保証制度に対し十分な範囲での損失補償をすることで地元中小企業者が円滑に新たな金融機関との取引に移行できるよう県として支援することとしたところであります。
   〔総務部長小原富彦君登壇〕

〇総務部長(小原富彦君) 県出資法人の整理合理化の進行状況についてでありますが、平成12年5月に県出資等法人の整理合理化の基本方針を策定し、平成13年度までを集中推進期間として、積極的に法人の統廃合及び出資の引き揚げなどに取り組んでいるところであります。
 まず、統廃合についてでありますが、平成13年11月現在、統廃合対象16法人中、財団法人岩手県観光開発公社と社団法人岩手県観光連盟を統合し財団法人岩手県観光協会を発足させるなど、7法人の統合または廃止を実施したところであり、さらに、平成14年度当初までに岩手県土地開発公社と岩手県住宅供給公社の事務局統合など6法人の統合が予定されており、あわせて13法人の統廃合が完了する見込みとなっております。
 次に、出資の引き揚げについてでありますが、平成13年11月現在、対象13法人中、株式会社岩手めんこいテレビなど5法人について出資の引き揚げを完了し、1法人──これは株式会社エーデルワインでございますが──については3年間の段階的譲渡を実施しているところでございます。このほかの7法人につきましては、県内経済の動向や経営状況などを踏まえ、段階的引き揚げなど実施方法あるいは実施時期、譲渡先の確保などについて十分考慮しながら進めてまいることとしております。
 次に、経営改善の指導対象法人についてでありますが、1法人──これは社団法人ポニースクール岩手でございますが──につきましては本年6月に解散済みであり、財団法人クリーンいわて事業団など3法人につきましては、包括外部監査による指摘事項なども踏まえながら経営改善計画を策定または策定中であり、残る社団法人岩手県林業公社につきましては、本年度、包括外部監査を実施しているところであります。こうした取り組みにより、県出資等法人の整理合理化の基本方針に定める統廃合、出資の引き揚げ及び経営改善につきましてはおおむね順調に実施されているものと考えております。
   〔農林水産部長佐藤勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐藤勝君) まず、林業公社及び県有林造成事業の包括外部監査についてでありますが、これら二つの事業に係る監査結果につきましては、明年2月ごろに公表されると伺っているところであります。
 その監査の主な対象項目といたしましては、事業資金の調達方法、分収造林資産の評価、事業収支の見通し及び債務償還の可能性などとなっており、現在、なお監査中であります。
 また、林業公社及び県有林造成事業の今後の展開方針についてでありますが、県では昨年度、学識経験者等の参画による公益保全森林整備検討委員会を設置し、公的機関による森林整備のあり方についての検討をいただきました。その最終報告を受けて、林業公社、県有林とも、平成12年度をもって拡大造林を中止するとともに、平成13年度からは林業公社に対する県の貸付金の無利子化を図ってきたところであります。
 今後は、低コスト化を図るための施業方法の転換、長伐期化による伐採収入の確保、経営管理の合理化などを新たに盛り込むなど、林業公社営林基本計画、それから県有林基本計画、これを本年度中に抜本的に見直すとともに、包括外部監査の結果をも踏まえまして、将来にわたり森林の有する多面的機能の高度発揮と林業の持続的かつ健全な発展が図られるよう、努めてまいりたいと考えております。
 次に、牛海綿状脳症対策についてでありますが、まず、生産者対策については、肥育農家に対し粗収益が家族労働費を除いた生産費を下回った場合に、その下回る額、全額が補てんされる制度が創設されているほか、繁殖農家に対しましても、子牛価格の低下に対応した子牛生産奨励金について、交付対象者及び交付単価を特例として拡充されているところであります。また、これらの助成金等が農家に交付されるまでの間のつなぎ資金として、国が創設した大家畜経営維持資金について、本県におきましては30億円の融資枠で、市町村等との協調のもとに無利子で融通するなど、生産者の経営安定に向け、現段階でとり得るさまざまな対策を措置しているところでありますが、なお一層、今後の状況を見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、肉骨粉処理につきましては、その早期焼却は本県における肉畜の生産と流通に密接にかかわっておりますので、県といたしましては、県内のごみ焼却施設において焼却できるように、各市町村など施設の設置者に対し、その受け入れを要請してきたところであります。現在、一部地域において、試験焼却の具体的な詰めに入っているところでありますが、今後におきましては、各市町村等の理解が十分得られるよう、説明を重ねながら、鋭意、取り組んでまいる考えであります。
 また、再生セメントの材料として活用するための焼却も考えられておりますが、現在、国とセメント業界との間で協議が進められている段階にあります。
 なお、特定危険部位の焼却につきましては、屠畜場設置者である岩手畜産流通センターが屠畜したすべての牛から生ずる特定危険部位を、いわてクリーンセンターにおきまして産業廃棄物として確実に焼却処分いたしております。
 次に、検査前の在庫牛肉の処理についてでありますが、県では10月18日からのBSE全頭検査の開始後に、市中に検査済みと未検査の2種類の牛肉が混在することのないように、事前に岩手畜産流通センター等に対し未検査牛肉の県内出荷の自粛を要請し、県内で処理されている食肉すべてを市場隔離したところであります。その後、国におきましても未検査牛肉の市場隔離を決定したことから、県産の未検査牛肉は、国のこの事業の対象として保管されておりますが、現在のところ、その最終処分についての方向性は示されておりません。県といたしましては、国の動向を見きわめながらも、未検査牛肉が県内に出回ることのないように、適切に対応していく考えであります。
 さらに、消費者対策につきましては、牛肉に対する不安を払拭すること、これが何よりも肝要であります。したがいまして、生産者に対する適切な飼養管理の徹底指導はもとより、万全な監視・検査体制の整備など、安全性確保の取り組みとともに、各種広報媒体による正しい情報の提供や、県産牛肉の特別イベントなどによるPRにも努めているところであります。
 県といたしましては、今後におきましても、生産や消費の推移及び国の対策の動向などを十分に見きわめながら、関係者と一丸となって対策に万全を期してまいる考えであります。
 次に、まき網漁業などの操業規則を求める陳情に対する見解についてでありますが、大中型まき網漁業と沖合底びき網漁業は、農林水産大臣の許可漁業であります。来年8月には、5年ぶりの許可の一斉更新が行われるということから、県におきましては、関係漁業団体の意見等を踏まえまして、国に操業禁止区域の拡大、スルメイカ漁獲量の削減、サケの混獲禁止などを検討するよう、意見の申し入れを行っているところであります。特に、本県沖合における沖合底びき網漁業の操業区域につきましては、当該漁業が本県漁業者により営まれているということから、県内沖合漁業者と沿岸漁業者同士で真摯に話し合うことが必要と考えております。したがいまして、両漁業者の話し合いの場を設けるなど両者の調整に努め、その結果を踏まえて、さらに国への要請を行ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕

〇保健福祉部長(関山昌人君) 牛海綿状脳症問題、いわゆる狂牛病についてでありますが、消費者の牛肉の安全性に対する不安が生ずる大きな理由の一つとして、牛海綿状脳症──BSEに関する正確な情報の不足があると考えております。このため、県民の方々の牛肉に対する不安を解消するためには、安全であると判定していくBSE検査の過程の透明性を高めるとともに、検査結果を踏まえ、BSEに罹患した牛が出ていないということを速やかに伝えることも重要であると考えております。このようなことから、県におきましては、二転三転した国の公表方式とは異なりますが、食肉衛生検査所のスクリーニング検査、いわゆる一次検査の時点で検査結果を公表することとしたものであります。
 なお、北海道、東北における検査結果の公表方式については、青森県及び秋田県を除く本県を含む5道県では、一次検査の時点で速やかに検査結果を公表しております。
 県民の方々に安心して牛肉を食していただけるよう、BSEに関する正確な情報を適切に提供するためにも、現在の公表方式を続けていくこととしております。
   〔県土整備部長竹内重徳君登壇〕

〇県土整備部長(竹内重徳君) 道路の財源問題が三陸縦貫自動車道の整備にどのような影響をもたらすかというお尋ねについてでございますが、先般、政府・与党におきまして、道路公団の民営化や高速道路の整備計画見直しなどの方向づけがなされまして、首相直属の第三者機関によって具体的な検討を行うこととされたところでございます。その検討結果いかんでは、東北横断自動車道釜石秋田線や三陸縦貫自動車道の整備の進度におくれを来す可能性があるのではないかという懸念を持っております。これまで、県議会におかれましては、道路財源の確保や高速道路網の整備促進に係る意見書を関係大臣に提出していただいたところでございますが、去る10月30日には、全国44道府県知事が連携して、このことに関する緊急アピールを行ったところでございます。
 今後も、他の道府県や市町村と連携しながら、高規格幹線道路網の整備促進とその財源確保につきまして、引き続き関係方面に働きかけてまいります。
 次に、山田道路の供用に当たって、有料、無料のいずれになるかについてでございますが、一般国道の自動車専用道路につきましては早急な整備が要請されますことから、国の道路審議会の答申において、原則として有料制を活用して整備を行うこととされております。しかしながら、現在、供用しております大船渡三陸道路はネットワークとして完結をしておらず、部分的な供用となっておりますことから、現段階では無料で供用されておりますことは御案内のとおりでございます。したがいまして、山田道路につきましても無料で早期に供用されますよう、国に強く働きかけてまいる考えでございます。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕

〇教育委員会委員長(船越昭治君) 完全学校週5日制及び新学習指導要領の移行に伴います本県教育のあり方やいかんという問題でございますけれども、完全学習週5日制の問題は、学校、家庭、地域社会が一体となってそれぞれが持つ教育機能を発揮しながら、自然体験でございますとか社会体験であるとか、そういうものを通じて豊かな心、たくましさをはぐくんでいこうということを目指すものでございます。
 また、新学習指導要領は、これまでの多くの知識を教え込む教育から、みずから学び、みずから考え、問題を解決する能力をはぐくみ育てていくと。そのための学ぶ心、生きる力というものの教育の転換を目指すということをねらいとしておりまして、教育内容の厳選あるいは体験的あるいは問題解決的な学習を重視するなどいたしまして、すべての子供たちに基礎や基本となる事項を確実に習得、定着を図ると同時に、それぞれの子供たちの状態に応じた、個に応じた指導の充実もあわせて図っていくと、こういうことをねらいにしております。
 幸い、本県は特有の自然、歴史、文化に恵まれまして、また、その中で培われてまいりました粘り強く温かい、先見性豊かな県民性という土壌がございます。また、地域全体で将来の子供たちをはぐくんでいこうとする、人づくりを大切にするという風土がございます。こうした豊かな環境の中で、学校では地域の方々の協力をいただきながら、さまざまな体験的な学習を取り入れながら、子供たちに生きる力をはぐくむ教育を続けてまいりますとともに、地域社会の中では郷土の自然、歴史、文化、産業等を学ぶことによって、あるいはボランティア活動等に参加することによって、学校と地域を結ぶ仕組みづくりをさらに強め、豊かな人間性や社会性を培っていくことが肝要であると思います。
 今後とも、岩手ならではの風土や人づくりの土壌を生かしながら、21世紀を担う心豊かなたくましい岩手の子供たちをはぐくんでまいりたいと考えております。
   〔教育長合田武君登壇〕

〇教育長(合田武君) 社会人特別選考試験についてでありますが、本県では、幅広い経験とすぐれた知識・技能を持つ社会人を採用することにより、その専門性や実践的指導力が生徒の社会性や勤労観、職業観の育成に役立つものとの考えから、今年度、教員採用試験に社会人特別選考試験を導入したところであります。高等学校において、英語、商業、工業、家庭の四つの教科で、英語では実用英語検定準1級、商業では基本情報処理技術者など特別な資格や高い専門性を有する者を募集し、英語及び商業教科においてそれぞれ1名を採用候補者としたところであります。これらの採用候補者は、来年4月に学校に配置することとしておりますが、その指導状況や学校活性化に果たす役割等を多面的に検証しながら、中学校への導入や高等学校における募集教科の範囲等についても、今後、検討してまいりたいと考えております。

〇49番(佐々木俊夫君) 再質問をする予定はございませんでしたけれども、今、知事以下それぞれ御答弁をいただきました。私が予想しておった以上に踏み込んだ答弁もいただきました。知事、思い切った発言をされました。それから商工労働観光部長も、改めてまたこの議会中に補正予算を追加提案するという具体的な御答弁もありましたし、また、林業水産部長からも、要請されている事項について既に国に申し入れてあるという、これ実はまだだろうと思っておったのでありますけれども、それからまた教育関係につきましても、教育委員長並びに教育長からも随分お話をいただきまして、それぞれ感謝をいたします。
 ところが、この中でたった1人、保健福祉部長、私の質問通告は前もって出しておいたんですけれども、ごらんになりましたか。何か答弁を聞きますと、私の聞いていることとは全くずれておりまして、私が申し上げたのは、検査結果の発表、確かに最初国は、一次検査の段階で疑いがあれば発表しますといち早く打ち出したんです。その後、岩手県でもそうしますと、こうやっちゃったんですね。その後、国ではいろいろ検討の結果、一次では、疑いの段階ではかえって世論を混乱させるということでしょうか。二次以降の確定検査、確定論議までやってから、正式になってから発表すると国は変えたわけですけれども、岩手県はそのまま、一次のままで行きますと、こうなったんです。ところが私、あえて隣の青森県と秋田県で、何があっても本県と北東北ということでいろんな面で連係プレーをしている秋田、青森は国と同じ方向に行っちゃった。岩手県だけ、言葉は悪いですけれども取り残されたわけではありませんが、信念があると思うんですけれども、そうだと。私は例として申し上げたところが、いや、北海道から東北は、秋田、青森以外は一次だよと、こうおっしゃいましたけれども、全国的に見ますと、岩手方式は10何県なんです。国と同じのは40何県なんです。
 そこで、この問題は今後半永久に続く、毎日毎日検査をしているわけですから。そういう場合に、岩手県は国と違いますというならば、何で違わなければならないのかという説明をしてください。もし、そうでなければ、国と県がよく協議して、やっぱり国と県というのは同じ方式だと。だから消費者の方々、御安心くださいとやらないと、国はこう、岩手はこう、混乱のもとになりませんかと、こういうことで、国と協議しませんかということを申し上げたんですけれども、それに対する答弁はまるっきりございませんで、北海道と東北、岩手と同じだからいいんじゃないかという程度に終わったので、何のために私苦労して早く原稿を出したのか、さっぱり答えが返ってこないのですが、もしや答弁漏れではなかったですか。どうぞ。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕

〇保健福祉部長(関山昌人君) 御質問につきましては、理由を説明させていただいたとおりでございます。国としては、確定診断の結果が出た段階でこれを公表するということが10月16日付けでございました。私どもとしては、先ほども御説明させていただいたように、この問題というのはやはりBSEに関する正しい情報の不足というものも一つ大きな点ではないかと。県民の方々に牛肉に対する不安を解消というためにも、安全であると判定していく検査過程の透明性、これを高めていく必要があるのではないかなどを考えて、そして今日のような検査方式を採用したと、この理由でございます。
 なお、国としては確定診断の結果が出た段階でこれを公表すると、こういうふうに言っておりますが、この方針に沿った取り扱いについては、自治体の主体性を尊重すると、こういうふうにも言っておりますので、したがって、私どもは、国においては自治体の主体性を尊重するということも言われておりますので、こういった点も踏まえて現行の公表方式を採用させていただいているということでございます。

〇49番(佐々木俊夫君) どうもしつこくなりますけれども、そうしますと、国は確定後に発表すると言って自治体の考え方も尊重するということは、国にも自信がないんですか。それとも、やっぱり岩手県は岩手方式で突っ張る方が国より正しいと、こうお考えですか。国と話し合う余地はございませんか、もう一回。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕

〇保健福祉部長(関山昌人君) これについては、国自体も、国の方針としては一定の方向性が出されたわけでありますけれども、しかしながら、国の考え方としては自治体の主体性を尊重すると言っておりますので、したがって、本県としての考え方、先ほど御説明させていただいたとおりであります。これをもって、国とか本県の方式でしろとか、そういった話ではないというふうに思っております。
   

〇副議長(瀬川滋君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時31分 休憩
   

出席議員(47名)
1  番  及 川   敦 君
2  番  飯 沢   匡 君
3  番  樋 下 正 信 君
4  番  照 井 昭 二 君
5  番  柳 村 岩 見 君
6  番  小野寺 研 一 君
7  番  吉 田 昭 彦 君
8  番  工 藤 大 輔 君
9  番  川 村 農 夫 君
10  番  佐々木 順 一 君
11  番  佐 藤 力 男 君
12  番  阿 部 静 子 君
13  番  阿 部 富 雄 君
14  番  水 上 信 宏 君
15  番  田 村   誠 君
16  番  岩 城   明 君
17  番  中屋敷   十 君
18  番  千 葉   伝 君
19  番  及 川 幸 子 君
20  番  阿 部 敏 雄 君
21  番  川 口 民 一 君
22  番  小野寺   好 君
23  番  斉 藤   信 君
24  番  伊 沢 昌 弘 君
25  番  田 村 正 彦 君
26  番  上 澤 義 主 君
27  番  瀬 川   滋 君
28  番  佐々木 大 和 君
29  番  藤 原 泰次郎 君
31  番  谷 藤 裕 明 君
32  番  菊 池   勲 君
33  番  佐々木 一 榮 君
34  番  伊 藤 勢 至 君
35  番  高 橋 賢 輔 君
36  番  小 原 宣 良 君
37  番  長谷川 忠 久 君
38  番  千 葉   浩 君
39  番  吉 田 洋 治 君
40  番  工 藤   篤 君
41  番  菅 原 温 士 君
43  番  山 内 隆 文 君
44  番  折 居 明 広 君
46  番  藤 原 良 信 君
47  番  及 川 幸 郎 君
48  番  菊 池 雄 光 君
49  番  佐々木 俊 夫 君
51  番  吉 田   秀 君

欠席議員(3名)
30  番  船 越 賢太郎 君
42  番  佐 藤 正 春 君
45  番  村 上 惠 三 君
   

説明のため出席した者
休憩前に同じ
   

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   

午後3時51分 再 開

〇副議長(瀬川滋君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木一榮君。
   〔33番佐々木一榮君登壇〕(拍手)


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