平成14年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇17番(千葉伝君) 自由民主クラブの千葉伝でございます。
 初めに、去る2月10日に御逝去されました故吉田秀議員のみたまに対しまして、謹んで哀悼の意をささげ、心より御冥福をお祈り申し上げます。
 さて、私は今定例会に代表質問の機会をいただきましたことを先輩、同僚議員に感謝申し上げ、県政全般について質問してまいりますので、知事の意欲的な御答弁を期待申し上げます。
 まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
 去る12月13日の朝刊を見て喜んだ県民もあったろうと思いますが、県民の多くは大きな衝撃を受けたと思います。知事は、これまで県民党的立場から各党・各会派と等距離外交を展開してまいりましたが、その前日に小沢自由党党首を政治の道に入れていただいた師と語り、また、小沢党首の改革理念に共鳴し、県政改革に努力してきた、改革の気持ちは一貫してきたと報道されています。申すまでもなく、政治家個人がその心のうちにどのような方を師と仰ごうと、またどのような政治信条を持とうと、これは基本的な人権であり、個人の自由であります。しかし、この報道は個人レベルの問題だけでは済まされない内容を含んでおります。3年前の知事選においては、一党一派に偏することなく、各地域においてこの議場の多くの同僚議員の応援を得ながら、また、多くの支持者の積極的な支援を受けながらの当選ではなかったかと記憶しております。貴重な一票をあなたに投じた県民は、あなたの掲げる政策と政治スタンスに共鳴したから支持したのだと私は思います。ところが、今回の報道を見る限り、あなたの政治スタンスは3年前とは異なり、揺れ動いているように県民はとらえております。県政の最高責任者の言動に、あなたに仕える県職員にも戸惑いがあるとの声があります。私ども県議会会派の自民クラブは多くの県民同様、前回の統一地方選挙以降、一貫して県民党的立場のあなたを国政レベルにおいても、県政推進の立場においても強力に支援してまいりました。
 そこでお伺いいたしますが、さきの報道内容は知事の真意を正しく伝えているのでしょうか。今日までの3年間、あなたの政治的スタンスに県民の多くが支持していると判断されるこの時期に、知事の政治スタンスとして変更があったのでしょうか。また、県議会における各党・各会派とのこれまでの関係をどのように考えておられるのか、今後どのような政治姿勢を持って臨まれるのか明確な御答弁をお願いいたします。
 次に、財政問題についてお伺いいたします。
 現在の我が国経済は、輸出や生産が大幅な減少を続け、企業の収益や設備投資も減少する中で、雇用情勢は一段と厳しさを増し、個人消費も低迷するなど、いわゆるデフレ・スパイラルに陥ったのではないかという声も聞かれるなど、景気の悪化は極めて厳しい状況となっております。このような状況のもとで、我が国財政はバブル崩壊後の景気回復優先の財政運営を行ってきた結果、平成13年度末の累積した公的債務残高は、国、地方あわせて約675兆円に達するなど、主要先進国の中では最悪の危機的状況に置かれております。このため、国においては税収の伸びが期待できない中で、急速な人口の少子・高齢化の推進に伴う経費の増嵩や国債費の増大により、歳入歳出構造が一層硬直化してきていることから財政構造改革に取り組むこととし、明年度予算を国債発行額30兆円以下を旗印とする改革断行予算として編成したところであります。具体的には歳出全体を厳しく見直し、7つの重点分野を定めるとともに、地方財政については国の歳出の見直しと歩調を合わせた地方財政計画の歳出の見直しや地方交付税制度等の見直しが基本方針として定められております。
 一方、本県の平成14年度当初予算を見ますと、前年度当初対比で過去最高の3.9%減という緊縮型予算の中で、雇用対策事業の創設、小学校入門期教育の充実など、雇用の確保や教育の向上に大きく配慮するとともに、IGRいわて銀河鉄道開業という全県的課題への対応など、予算編成過程への苦心が忍ばれ、この内容について私は一定の評価をするものであります。しかしながら、その財政構造を見ると、貴重な自主財源である県税は約143億円の減少、地方交付税も約46億円減少するのに対して、公債費は約121億円増加し、地方債残高は平成14年度末で過去最大の1兆3、000億円を超える見込みとなっております。私は、このような財政状況を見るにつけ、今後、公債費等義務的経費の増嵩や税収の減少が本県財政の弾力性を奪うことで、夢県土いわての創造が停滞するのではないかと深く憂慮するものであります。本県は申すまでもなく、県税などの自主財源に乏しく、また、社会資本整備のための地方債の導入にはやむを得ないものがあると理解しておりますが、国と同様に公債の発行等に留意して財政運営を行っていく必要があると思います。
 知事は、このような厳しい県財政の状況をどのように認識しておられるのでしょうか。また、今後どのような方向で財政運営を行っていくおつもりなのでしょうか、その基本的な考え方をお伺いいたします。
 次に、市町村合併の推進についてお伺いいたします。
 国においては、我が国が直面する諸課題に対応するため、経済・財政、社会など各分野における構造改革を推し進めているところであり、地方行政に関しては、地方にできることは地方にゆだねるとの基本原則を示し、地方分権を推進する中で自立し得る地方の確立に向けた改革を求めているところであります。こうした地方の構造改革の一つとして、地方交付税制度の見直しや国庫補助金の整理合理化などが進められているところであります。市町村においては、こうした地方を取り巻く環境の変化を踏まえ、全国の約6割の市町村が複数の市町村間で合併に関する研究組織を設置し調査研究を進めており、本県にあっても4地域、17市町村がこうした取り組みを見せるなど、市町村合併を地方の構造改革を進める上で、極めて重要な課題であるととらえた取り組みが大きな潮流になってきているように受けとめております。
 しかしながら、こうした動きの一方で、昨年11月に岩手日報社が実施した首長アンケートによれば、県内38市町村において機運が盛り上がっていないという回答、盛り上がっているとするのは4市町村にとどまっているという実態も報じられ、地域の盛り上がりに向けたさらなる努力が求められるところであります。知事は、これまで市町村合併の推進について地域の自主性を尊重するという姿勢で臨んできたものと認識しておりますが、昨年末の報道によれば、平成14年は議論を進める上で大事な年と述べられ、合併推進に強い意欲を示したとも報じられております。市町村合併に対する県内市町村の対応は、実に多様な状況にあるわけでありますが、平成17年3月の合併特例法の期限まで3年余を残すのみとなったことを踏まえ、県としてこの問題に今後どのように取り組んでいかれようとしているのでしょうか、御所見をお示し願いたいと思います。
 次に、東北新幹線盛岡以北の開通に伴う地域振興についてお伺いいたします。
 東北新幹線盛岡以北については、平成3年に盛岡-八戸間が着工されて以来、盛岡以北の市町村はもとより、青森県など関係道県とも強い連携を図りながら、その早期完成、早期開業に向けた取り組みを進めてきたところでありますが、本年12月に八戸まで開通することとなり、盛岡以北の地域にとっては待望久しい新高速交通時代の幕開けが間近に迫ったと言えるものであります。東北新幹線は昭和57年の盛岡-大宮間の暫定開業以来、既に20年が経過しておりますが、新たに新幹線の停車駅となる岩手町、二戸市はもとより、長い間その延伸、開通を待ちわびていた盛岡以北の住民の皆さんの新幹線に対する期待は極めて大きいものがあります。新幹線の開通は通勤、通学圏や消費購買圏域の拡大あるいは医療、福祉などの各種社会サービスに関する住民の利便性の向上などを通じ、地域住民の生活・福祉の向上に寄与するとともに、観光を初め地域の経済、地域振興にとって新たな展開が期待されるところであります。これまで県においては、新幹線開通を契機とした盛岡以北のより一層の振興を図るため、新幹線停車駅を中心として、関連する道路交通網や周辺都市基盤の整備に取り組まれてきたところであり、また市町村においても、例えば岩手町では盛岡北部地域の広域交流拠点としてプラザあいの整備を進めるなどの取り組みがなされてきたところであります。
 そこでお伺いしますが、県では開通を間近に控え、盛岡以北の新幹線開通による波及効果をどのようにとらえ、どう地域振興に活用するのかお示し願います。
 次に、新幹線に関連し、今後の並行在来線対策についてお伺いいたします。
 県においては沿線市町村などと連携しながらさまざまな調査を行い、並行在来線の問題点、課題の洗い出しを行うとともに、その課題解決のため関係機関と協議・折衝を重ねてこられました。その結果、最終的には昨年1月に決着した鉄道貨物の使用料問題、寝台特急の直通乗り入れ実現など多くの課題が克服されたわけですが、それでもなお、いわて銀河鉄道の経営環境は厳しいものがあると考えられます。
 そこでお伺いしますが、知事は、厳しい経営が予想されるいわて銀河鉄道についてその経営の重要課題は何であると認識し、その課題に県としてどのような基本的な考え方で対処していくおつもりなのでしょうか、御所見をお示し願います。
 また、開業まで残すところ9カ月ほどとなった今日、いわて銀河鉄道の行っている開業に向けた取り組みは十分なのでしょうか、知事の所感をあわせてお伺いいたします。
 次に、高齢社会への対応についてお伺いいたします。
 昨年10月に総務省から公表された平成12年国勢調査第1次基本集計によりますと、我が国の高齢化率は、17.3%と5年前の平成7年に比べ2.8ポイント増加しております。また、本県の平成12年の高齢化率は、21.5%で全国10番目となっており、平成7年と比較して3.5ポイントの増加と全国を上回る速さで人口の高齢化が進展しております。さらに、本年1月末に国勢調査結果をもとに厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した我が国の将来推計人口では、総人口は4年後の平成18年の1億2、774万人をピークに減少に転ずる一方、高齢者人口は平成55年までふえ続け、高齢化は世界に例を見ない速さで進行し、平成62年には35.7%と、実に国民の3人に1人以上が高齢者になると予測されております。都道府県別の推計値はまだ公表されておらないようですが、いずれ本県は全国を上回る速さで高齢化が進展するものと思われます。このような中、介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みとして介護保険制度がスタートし、はや2年を経過しようとしておりますが、さきの新聞報道による市町村首長アンケート結果でも、制度に対しては一定の評価を得ているところであり、介護の社会化は何とか機能してきているのではないかと感じております。
 そこでお伺いいたしますが、今後ますます本格化する高齢社会を展望するとき、介護や高齢者保健福祉施策の充実はもとより、高齢者を初めとして県民が快適に暮らすことを可能にするためのユニバーサルデザインの一層の普及促進や60歳を過ぎても能力や意欲のある人たちへの継続した就労への支援など、年齢の垣根を越えて社会で活躍できる仕組みづくりが高齢社会の活性化に不可欠であると考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか。今後の高齢社会への対応に当たっての御所見をお伺いいたします。
 次に、総合雇用対策についてお伺いいたします。
 昨年7月以降、全国の完全失業率が6カ月連続して5%台を記録し、雇用に対する危機感が高まってきております。世界的なIT不況に加え、昨年9月に米国で起こった同時多発テロの影響により、景気動向に厳しさが増す中、今後、不良債権処理を初めとする構造改革の推進に伴い、さらなる離職者の増加も懸念されているところであります。加えて、このような雇用不安の高まりにより消費者心理も冷え込み、先行きの景況感を一段と悪化させてきております。県内におきましても、国内と同様に鉱工業生産が落ち込み、企業の海外シフトや人員削減が強まる中、公共事業や個人消費も伸び悩むなど、景気の後退が一層鮮明になってきております。県内の雇用情勢につきましても、昨年12月の有効求人倍率は0.37に下がり、有効求人数と有効離職者の乖離は2万人強と乖離が拡大する傾向にあります。特にも、企業倒産、撤退、アルプス電気の工場閉鎖などにより、多くの県民が離職せざるを得ない現状はまことに憂慮にたえないところであります。また、今春の高校卒業予定者の県内就職内定率は、本年1月末現在で64.2%と前年同期と比較して15ポイントも減少するなど、非常に厳しい雇用環境が続いており、深刻化する景気の悪化が県民生活に及ぼす影響を考えますと、国における一刻も早い経済の立て直しを願わざるを得ないものであります。
 さて、こうした経済・雇用環境の中で、知事は、今議会の冒頭、喫緊の課題である雇用対策について、本年度に引き続き重点的に取り組んでまいるとその決意を述べられたところでありますが、どのような視点からどう取り組もうとしているのか、基本的なお考えをお伺いいたします。
 次に、牛海綿状脳症──BSEの対応についてお伺いいたします。
 昨年9月に、我が国で初めてBSEが千葉県で確認されて以来、生産者は申すまでもなく、消費者、流通業界などに深刻な影響を及ぼし、いまだ事態終息の兆しが見えない状況下にあります。知事は、BSE発生への対応に当たっては、国に先駆けていち早くBSEの全頭検査の実施を表明するとともに、飼料の給与情報を含めた個体識別システムの構築や養豚・養鶏農家への肉骨粉を含まない飼料への安全的な切りかえ指導、そして未検査牛肉の市場隔離措置、さらに北海道東北知事会においてBSE関連対策緊急提言を提案し、昨年11月に知事が代表して国に地域の実情を訴えるなど、対策の緊急提言を行うなど積極的に取り組んでこられたと承知しております。
 しかしながら、生産者が今、目の前に抱えている切実な課題として廃用牛処理の問題があります。これまでBSEが確認された3頭の牛がすべて乳用種の廃用牛であったことから、生産者も屠畜場もBSEの発生を危惧し、処理が進まない状況に陥っております。この状況を打開しなければ生乳生産量や乳質の低下を招き、酪農経営に深刻な影響を与えることが予想されます。安全・安心な畜産物の供給が求められている今こそ、岩手の清浄な大地の上に営まれている酪農、肉用牛の生産をより強固なものとしていくことが重要と考えるものであります。国は、先般、廃用牛の買い上げや焼却処分を含めた対策を打ち出したところでありますが、廃用牛の1日も早い処理が求められているところであり、県はどのように対処しようとしているのかお伺いいたします。
 また、BSEの確認以来、牛肉の消費離れが起き、枝肉市況は低落した状況が続いており、真の意味で生産者が将来展望を開くためには、消費の回復なくして実現し得ないものと考えるものであります。現在、市場流通している牛肉は、厳格なBSE検査に合格した安全なものであることは十分承知しておりますが、消費がなかなか回復しない現状を見るとき、私は、消費回復のためには安全性のPRのみならず、消費者に直接訴えていくような取り組みが重要であると考えるものであります。
 そこでお伺いしますが、BSEの発生を踏まえ、消費回復に向けての所見と、今後どう取り組んでいくお考えなのかお伺いいたします。
 さらに、安全で安心して食べれる牛肉が求められている中、昨年12月議会でも質疑のあったBSE検査にかかり、あえてお伺いするものですが、県民の不信・不安を取り除く検査体制の充実・強化がより必要であり、検査公表について国の方針と異なる一次検査で、現在公表されておりますが、BSE検査体制の充実・強化にどう取り組まれているのか、また、県民に無用な混乱を引き起こさないためにも、迅速かつ正確な検査に基づく公表が必要でありますが、検査公表に当たって一次検査で実施している理由についてお伺いいたします。
 次に、水田農業の将来についてお伺いいたします。
 かつて経済の高度成長期において、工業製品の輸出によって得た外貨で農産物を輸入すればよいなどと国内農業の不要論まで出る状況がありました。翻って、現状はどうでしょうか。地球環境の悪化による異常気象の頻発、食の安全に対する脅威、さらには栄養不足人口の増加などが世界規模で広がっている実態にあります。こうした現実に、農業不要論などは暴論であったと実感するものであります。我が国経済が危機的様相を強めている中で、農業もまた大変な状況に置かれ、BSE問題が農業の低迷にますます拍車をかけております。農業をこうした状況から立て直すには、食の安全性とあわせて食糧の安全保障についても目を向けてもらう努力がぜひ必要であると思います。まず、その手始めとして、日本農業の生命線である米産業を盛り立てることではないでしょうか。食生活の中で米の占める比重は落ちたといっても、米は日本人の主食であること、米農家は農家全体の8割を占めていること、米政策は農政の最重点であることなどから、将来においても、米の供給力を維持していく方策を確立しなければ日本農業の未来はないと断言しても過言ではないと思います。こうした折、国は、本格的な米政策の見直しに向けて研究会を設置し、検討を開始したとのことであります。この研究会は、今の生産調整制度を平成15年度から米の生産数量管理へ移行することを検討するため設置されたと伝えられております。
 そこでお伺いいたしますが、米の生産数量管理に移行することを前提に、本県の水田農業の将来ビジョンを早急に描き、県民に示すべきではないでしょうか。本県の水田農業の将来方向についてどう考え、また、どのように導いていこうとしているのか、知事の御所見をお示し願います。
 次に、地方分権に伴う県から市町村への事務移譲についてお伺いいたします。
 平成7年の地方分権推進法の成立から、地方分権推進委員会の5次にわたる勧告を経て、平成12年4月、いわゆる地方分権一括法が施行され、これにより国と地方との関係を上下関係から対等・協力の関係に近づけるなど、地方公共団体の自主性、自立性を高めるため、地方分権が進められてまいりました。私は、これからの動きの中で大きな課題として残されているのは、国から地方への事務や権限の移譲であると考えます。地方分権一括法は、機関委任事務の廃止、国から地方公共団体への関与の法定化などを実現しました。これは中央集権により発展を遂げてきたこの国の、いわゆる官治システムのあり方の根幹とも言える部分の改革に着手した画期的な成果であり、高く評価されるものがあります。しかしながら、この法律によってこれらの制度の改革は行われたものの、国が持っている権限自体は、実際にはほとんど地方公共団体に移譲されておらないと考えております。私は、国、地方ともに財政状況が厳しい状況下において、限りある資源を有効に活用するために住民自治の実現が必要であり、そのためには自己決定、自己責任の原則のもと、住民に身近な市町村が中心になって行政を行っていく必要があると考えております。行政の中心を市町村が担っていくためには、今まで以上に国や県からの事務、権限の移譲を推進し、市町村を強化していくことが必要でありますが、一方、広範な事務や権限の移譲を行うためには、その財源の確保とともに市町村における十分な事務処理体制の構築が重要な課題となっており、この対応がなされていないことが事務や権限の移譲を市町村が円滑に受け入れられることを妨げる大きな要因ともなっております。これらの状況を踏まえ、県は岩手県独自の市町村中心の行政システムを構築するため、市町村へ権限、人、財源を一括して移す岩手モデルの事務移譲を実施すると伺っております。県から市町村への事務移譲を加速させるための岩手モデルを試行するその基本理念とは何か、また、この試行によって目指しているものは何か、知事の御所見をお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 千葉伝議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、私の政治姿勢についてのお尋ねでございますが、新しい世紀を迎えまして、世界はますます混迷の中を歩んでいるかのように見受けられますし、また、国民や県民の政治意識も実に複雑・多様化しておりまして、さらには政治を見つめる視線というものの厳しさを感ずるところでございます。
 こうした中で私は、生活者主権、地域主権が実現する新しい岩手の創造に向けて、こうした時代こそ県政の主役は県民であるとの認識に立ちまして、県民の利益を最優先に考え、公正、公平を旨として県政を推進しているところでございます。今まさに変革と創造の時代にございまして、県政執行の最高責任者である私がこれを強力に推進していくためには、私の所信をより多くの皆さん方に御理解いただき、お力添えいただくことが必要でございます。このためには、県議会における各党・各会派の御理解をいただくことも重要なことでございます。
 今後も、意識の多様化している県民一人一人の幸せとは何かということを常に最優先に考えながら、その実現に向けまして、県議会の御理解をいただきながら県政を推進してまいりたいと考えております。
 次に、本県の財政状況に対する認識と今後の財政運営についてでございますが、本県の財政は、地方交付税や国庫支出金、県債などの国から交付、配分される財源に多くを依存する歳入構造にございます。国の経済情勢や構造改革の影響を大きく受けることとなっておりまして、歳入の確保は今後一層難しさを増していくことが懸念される状況にございます。
 一方、歳出面では、新しい岩手づくりに向けて、総合計画の着実な推進はもとより、新たな行政課題や県内外のさまざまな動きに機動的に対応していくことが求められる中にございまして、義務的経費である公債費は、今後とも大幅に増嵩することが見込まれるなど、本県財政は極めて厳しい状況にあるものと認識しております。
 このため、公債費の増嵩に対しては、国において地方財源不足対策や経済対策として措置したいわゆる財源対策債や補正予算債の発行が大きな要因となっておりますので、地方一般財源の充実確保が図られるように、構造改革の動向を注視しながら、従来にも増して国に対して強く要望していく必要があるものと考えております。
 今後の財政運営に当たりましては、将来の財政状況を見据えて県債の発行を抑制し、県債残高を縮減していくとともに、歳入を的確に見積もって、歳入に見合った規模となるよう歳出の抑制を図っていくことを基本とすることが肝要であると考えております。地方財政運営に自己決定・自己責任が求められている今日、政策評価システムを通じて事務事業の徹底した見直しと縮減を図るとともに、県民の視点に立った重要度と優先度の高い施策を厳選することによりまして、最少の経費で最大の効果が上がるよう最大限の努力をしていく考えでございます。
 次に、市町村合併の推進についてのお尋ねでございますが、一昨年の広域行政推進指針の公表から1年半余が経過しております。また、昨今の厳しい経済財政状況や多様化・高度化する行政課題を踏まえて、それぞれの地域においても、今後の市町村のあり方を模索し、議論を深めていこうとする動きが芽生えてきていると感じているところでございます。
 私は、新たな発展を阻害する従来型のシステムを脱却して、地方分権のさらなる推進を図り住民自治を確立していくためには、住民に最も身近で総合的な自治体である、市町村中心の行政に転換していくことが望ましい姿であると考えております。そのためには、市町村がそれにふさわしい行政体制を整備して、行財政基盤を強化していく必要がございまして、その方策として市町村合併は有効な選択肢になるものでございます。
 もとより、市町村合併は全県一律に進めるべきものではなくて、あくまでも住民合意を前提としながら、それぞれの地域の実情に応じた議論を尽くした結果として、自主的に選択されるべきものであると考えておりますけれども、平成17年3月の合併特例法の期限をにらみますと、ことし1年というのは、これからの市町村行政のあり方を決める重要な年となるものと判断しております。
 このような基本的な考え方に立って、今後においては、それぞれの地域における議論が住民の皆さんを巻き込んだより一層の広がりとなるように、市町村に対しては将来ビジョンを明確に描き、住民の判断材料となる情報を積極的に提供していただくよう促すとともに、県としても可能な限り具体的かつ客観的な情報を提供するほか、民間団体などとも連携を深めながら、地方振興局を中心として地域での議論にも積極的に参画し、市町村の具体的な取り組みを支援するなど、地域の実情に即して県としての役割を適切に果たしてまいります。
 また、合併によって行財政基盤が強化される市町村に対するより一層の権限移譲の仕組みを検討するなど、市町村中心の行政を目指した取り組みを強力に進めてまいりたいと考えております。
 次に、東北新幹線盛岡以北の開通に伴います地域振興についてでございますが、開通の効果として、時間・距離の短縮や輸送力の増強による交流人口の拡大や、観光を初めとする産業活動の活発化などの直接的な効果のほか、地域のイメージアップによる住民意識の変革などの派生的な効果が期待されております。
 県では、これらの効果を各地域に波及させるために、新幹線駅及び主要観光地への交通アクセスの改善に努めますとともに、広域観光・交流の拠点を担う二戸広域センター整備に対する支援を行うなど、関連基盤の整備に鋭意取り組んできたところでございます。
 また、県北地域は豊かな自然や農林水産資源に恵まれ、雑穀文化など特色ある生活文化が継承されておりますので、これら地域特性を生かして、広域的な連携のもと、県内外の人々に心身のいやしを体感できる新たなプログラムを提供するなど、地域活性化に向けた多様な取り組みを進めていくことが必要であると考えております。
 県では、こうした地域の取り組みを積極的に支援するとともに、バイパスなどの交流基盤を充実するほかに、北東北3県の連携による大型観光キャンペーンや主要観光ルートへのわかりやすい案内標識の整備を進めるなど、県北地域への誘客を図りながら、新幹線の開通効果を生かした地域振興に努めてまいります。
 次に、並行在来線対策についてでございますが、いわて銀河鉄道が安定的な経営を行うために、私が一番大切であると認識しておりますことは、この鉄道を沿線住民の皆さんに積極的に利用していただくことでございまして、あわせて、貨物走行に係る適正な線路使用料を確保することでございます。いわて銀河鉄道を利用していただくためには、住民に一番身近な存在でございます沿線市町村が主体となって、県がそのバックアップを行いながら、適切な利用促進方策を進める必要があると考えております。
 特にも、住民の利便性の向上と利用者の増加を図るために、沿線適地への新駅の設置がぜひ必要と認識しておりまして、関係市町村の取り組みにあわせて、新駅整備に対する技術的支援や国庫補助制度の導入の支援など、新駅設置に向けて鋭意取り組んでまいります。
 また、将来の大規模施設・設備の更新に備えるとともに、開業後の運賃の激変緩和を図るために基金の造成が必要でありますので、その規模や負担のあり方などについて沿線市町村との協議を進めているところでございます。貨物の線路使用料につきましては、昨年度、国の調整金制度の創設が決定されましたので、いわて銀河鉄道が将来にわたって適切な使用料を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
 なお、いわて銀河鉄道の開業までの間には、JRや、お隣、青森県の青い森鉄道など関係機関とのさまざまな協議が必要でございますが、当面の課題でございます鉄道事業許可申請につきましては、必要な書類の作成も終了し、関係機関の調整を待って提出する段階となっているなど、開業準備作業はおおむね順調に推移しているものと認識しております。
 次に、高齢化社会への対応についてでございますが、本県におきましては、急速に少子・高齢社会が進展しております。このような状況下にあっては、高齢期においても健康で生きがいのある生活を送ることができるようにしていくとともに、年齢や性別、身体の状況にかかわらず、一人一人が自立して、能力と創造性を発揮し、住みなれた地域社会の中でその人らしく生きていける社会を形成していくことが必要であると考えております。
 このため県では、21世紀初頭を展望した総合的な保健福祉施策を推進するため、岩手県保健福祉計画を初めとして、高齢者対策、障害者対策、少子化対策、健康づくり対策、ユニバーサルデザインに基づくまちづくりに関する各計画を策定して、市町村と連携のもとに、住民の主体的な参加によって、岩手に生まれ、生活できる喜びを実感できる健康安心・福祉社会の形成を推進しているところでございます。
 特に、高齢者は長年の経験とすぐれた知識、判断力を生かし、地域社会の重要な構成員として主体的に活動するとともに、魅力ある地域社会を次の世代に引き継ぐよう積極的な社会貢献活動が期待されておりまして、県では、高齢者の能力や意欲を十分に生かしながら、心豊かで活力に満ちた高齢社会の実現を目指し、各種の施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、総合雇用対策についてでございますが、一段と厳しさを増す雇用環境の中にありまして、一つには、離職を余儀なくされた方々の生活を確保するため、即効的な雇用を創出するなどの施策が必要でございますし、また一方では、中期的な視点から新しい産業の創出や地域経済の活性化など、本県経済の自立的成長に向けての基盤づくりを行って、常用雇用を増して、労働力需給の安定化を図っていく必要があるものと考えております。
 したがいまして、まず、臨時応急の措置として、国の特別交付金を受けて造成いたしました緊急地域雇用創出特別基金と県単独で造成いたしました緊急地域雇用特別基金を活用して、地域の雇用情勢に即した事業の展開により、即効性の高い雇用・就業機会の創出を図ろうとするものでございます。
 また、国の施策と相まって、県としても求人開拓、求人情報の提供や離職者のための職業能力開発を拡充するほか、岩手労働局や関係団体との連携による各種雇用関係助成金の利用についての説明会の開催、さらには、中小企業に対する県単融資制度の貸付条件を緩和するなど、セーフティーネットを充実させていくこととしております。
 さらに、本県経済の自立的な成長を促進するため、インキュベート機能の拡充による創業支援を強化するとともに、産学連携による研究開発プロジェクトの推進や事業化に向けたマーケティング支援のほか、ベンチャー企業の成長を支援し本県のリーディング企業の育成を図るために、投資と投資後の育成に重点を置いた地域密着型のベンチャーファンドの組成など、新事業創出を支援するシステムの再構築によりまして、雇用創出に向けて産業支援を強化して、労働力需給の安定に努めてまいります。
 このように、新たに取りまとめました総合雇用対策を着実に推進するとともに、雇用情勢の変化や国の雇用対策の動向を踏まえて機動的に対応して、雇用の創出・拡充に強い意志を持って臨んでまいりたいと考えております。
 次に、牛海綿状脳症、いわゆるBSEの発生に伴う廃用牛の処理についてでございますが、主に酪農家から出荷される廃用牛は、これまでは貴重な肉資源として加工用原料に仕向けられてまいりました。本県におきましては、牛の飼養頭数が全国上位にございまして、毎年出荷される廃用牛の頭数も年間約1万3、000頭に上っておりますが、その大部分が他県に出荷されていたところでございます。
 しかしながら、BSEの発生に伴いまして牛肉の消費低迷が続く中、これらの牛肉に対する需要はほとんど見込まれず、生産者は廃用牛の出荷の抑制を余儀なくされて、廃用牛販売収益の減少や飼料代のコストの増加を招いているのみならず、家畜の適正な更新の妨げとなっております。したがいまして、この廃用牛の出荷停滞を解消するためには、利用が見込まれる一部の牛肉は別といたしまして、その多くは利用が見込まれない以上、市場流通から隔離することが今とるべき最も適切な措置ではないかと考えていたところでございます。
 このような中で、先般、国の方では廃用牛の計画的な出荷や農協による買い上げ、流通不可能な牛肉の焼却などを進めることとして、その経費を全額国が負担する緊急対策を公表したところでございます。
 県では、農協等の一時集約管理施設の活用によりまして、廃用牛の出荷調整を図るとともに、屠畜に当たりましては、能力的に限界がある岩手畜産流通センターと他の屠畜場との分担によりまして、食肉としての仕向けと焼却への仕向けにそれぞれ区別しながら、計画的な処理を促してまいる考えでございます。
 また、市場流通に回さず焼却を行う場合にありましても、食肉として流通される場合と同様、BSE検査につきましては全頭厳格に実施することとしてございます。
 一方、仮にBSEが確認された場合の国の対策として、当該発生農家の経営再建を支援する互助制度の創設が見込まれておりますので、万が一本県において発生した際には、こうした対策とあわせて生産者の実情に即した本県としての支援策も講じて、経営再建には万全を期してまいる考えでございます。
 次に、牛肉の消費回復についてでございますが、私は、牛肉の消費回復のためには、何よりも県民の皆さんが抱いている牛肉に対する不安や戸惑いを解消することが重要である、こういう認識のもとに、これまでBSE未検査牛肉の市場隔離を初め、安全な肉牛生産への取り組み、BSE検査の確実な実行、消費拡大イベントなどの開催、さらには県のホームページなどの広報媒体を活用した正確な情報の反復的な提供を行ってきたところでございます。
 このような取り組みの結果、昨年10月末の時点では学校給食における牛肉使用の自粛がおよそ半数の学校で行われておりましたが、現在ではほとんどの学校で使用再開、もしくは再開の方向を決定しております。また、県民の牛肉消費量も徐々にではありますが回復の傾向が見られます。しかしながら、いまだ昨年の半分程度の水準にとどまっている現状にございますので、今後におきましては、なお一層消費者の立場に立った取り組みを強化する必要があると考えております。
 具体的に、県産牛肉の県内消費を考えますと、現在、県民1人当たりの消費量は1月に50グラム程度、このようになっているわけでございますが、さらにあと月に1人50グラム程度消費していただければ、昨年並みの水準に回復することができるわけでございます。このことにより、農家の生産意欲もまた高まるものと考えております。
 こうした県民の皆さんに対する呼びかけですとか、先般新たに導入した生産者の顔が見え、県産牛肉の生産過程を追跡できるシステム、いわゆるトレーサビリティーの充実、さらには県産牛肉の表示の徹底など、きめ細かな取り組みを地産地消運動の一環として関係団体、流通業界、消費者の皆さん方とも連携しながら、積極的かつ着実に行っていく考えでございます。
 次に、BSE検査についてですけれども、まず、BSEの検査体制につきましては、昨年の10月18日の検査開始に合わせて、紫波食肉衛生検査所にエライザ法によるスクリーニング検査の実施に当たって、必要な研修や検査機器を整備するとともに、2名の検査員の増員や保健所の職員による業務支援を行っているところでございますが、来年度におきましても検査員を増員することとしておりまして、より一層検査体制を充実・強化して、牛肉の安全確保に万全を期すこととしております。
 また、BSE検査結果の公表についてでございますが、消費者の牛肉の安全性に対する不安が生ずる大きな理由の一つとして、BSEに関する正確な情報の不足による不透明さなどがあると考えられます。このため、県民の皆さんに安心して牛肉を食していただくためには、牛肉を購入する消費者の視点で衛生管理対策を講じることが何よりも大切でございますので、牛肉を安全であると判定していくこのBSE検査過程の透明性を高めることが重要であると考えております。このようなことから、本県では、BSEスクリーニング検査、いわゆる一次検査の時点で速やかに検査結果を公表しているものでございます。
 次に、本県の水田農業の将来方向についてでございますが、本県の稲作は、病害虫の発生が少ない気象条件にあることから、農薬の散布回数が少なく、また畜産との連携による堆肥の施用量が多いことなどによって、消費者ニーズに対応した安全で良質な米を生産できる有利な条件にございます。加えまして、全国食味ランキングで7年連続特Aの評価を得ている県南ひとめぼれに代表されますように、高い技術基盤を有しているものと認識しております。
 しかしながら、その生産構造を見ますと、農地の利用集積進度のおくれなどによりまして、稲作農家の約7割が小規模農家によって占められている現状にございますので、今後は、稲作を基幹とした主業型農家を早急に育成して、こうしたいわばプロ農家を核にした集落ぐるみの生産体制を構築していくことが何よりも重要であると考えております。
 また、国において論議されている米の生産数量管理が実行に移された場合は、産地・銘柄ごとの需給・販売動向などに応じて県別の生産数量配分が行われることが予想されますので、売れる米と売れない米の評価が今以上に鮮明になってくるものと考えております。したがいまして、本県が激化する産地間競争を勝ち抜き、将来にわたって安定的な米産地としての地位を確保していくためには、産地ごとの米の生産力、そして商品性などについての客観的な評価を産地に提示して、これによって産地みずからが生産・販売戦略をもって高品質・良食味米の安定生産に取り組む体制に誘導していくことがぜひとも必要であると考えております。
 一方、米を作付しない水田につきましては、園芸作物や地域特産作物の導入・拡大を積極的に推進するとともに、麦・大豆につきましては、実需者のニーズに対応した高品質生産を徹底していくことが従来にも増して重要になってくるものと考えております。
 今後におきましては、こうした基本的な考え方のもとに、米生産を担い手に集積するための地域での調整活動を促進する県独自の支援策を講ずるほかに、産地評価に基づいて、市町村別の米生産数量を配分する手法や米の生産履歴に関する情報を消費者に提供する仕組みを導入することについての検討を進めて、産地体制のさらなる強化に向けて、生産者の理解と協力のもとに、関係機関・団体と一丸となりまして取り組む考えでございます。
 次に、県から市町村への一括事務移譲の基本理念についてでございますが、私は、右肩上がりの時代が終えんしたと言われる現在、これからの行政は基礎的自治体である市町村がその自主性、自立性を発揮できるように、市町村中心の行政システムに転換していく必要があると考えております。言うまでもなく、市町村こそが住民に最も近い自治体でございまして、そこにおける行政執行の透明性が確保できれば、住民にとりましても受益と負担の関係が極めてわかりやすく、最も効率的な行政が期待できると考えるからでございます。
 市町村中心の行政システムを構築するためには、市町村に対しまして国や県から大幅に権限を移譲していく必要があると考えておりますが、しかしながら、今議員の御指摘のとおり、平成12年4月に施行されましたいわゆる地方分権一括法においては、国からの権限の移譲は十分と言えるものではございませんで、住民にとりまして地方分権は目に見えるものとなっていないのが現状でございます。
 今後、国から地方へさらに権限の移譲を進めるためには、財源や人の問題が大きな課題となってまいります。このため私は、県と市町村との間で地方自治法の事務処理特例制度や職員派遣制度など、現行制度の中の手法を組み合わせいたしまして、事務・権限と財源、そして人をセットにした移譲を岩手モデルとして試行することとしたものでございます。平成14年度は主に県道の改築を大船渡市、そして大東町に移譲する予定でございますが、これにより、道路の取りつけなど県との調整を要する事務を市町村がみずから決定することができるなど、市町村の独立性を高めることができますし、また、県職員の派遣によりまして技術の指導や移転が期待できるものと考えております。
 こうした岩手モデルの試行を積み重ねることによりまして、税財源や公務員の身分の取り扱いなどの問題点を検証して、国に対してこれらの課題について制度的検討を求めますとともに、先導的に県事務の移譲を進めて、真の意味の地方分権の達成に寄与していこうと考えております。

〇議長(谷藤裕明君) 次に、藤原良信君。
   〔46番藤原良信君登壇〕(拍手)


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