平成14年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 認定第1号2001年度岩手県立病院等事業会計決算について反対の討論を行います。
 言うまでもなく、県立病院は、県民の医療と健康を守る上で重要な役割を発揮しています。しかし、国の医療改悪や診療報酬改定のもとで、県民や医療局職員に負担としわ寄せを行うなど、改善すべき問題も残されています。こうした改善を求める立場で反対の討論を行うものであります。
 第1に、患者数が、入院で延べ1万8、476人、外来で4万1、968人、あわせて6万444人の減少となっています。これは、県民が県立病院にかかれなくなっていることを示すものであります。医療費の負担増、入院在院日数の減少などが主な要因と思われますが、患者数の減少は、県民の医療と健康を守る上で看過できない問題であります。また、外来患者の減少で34億円余の減収となっており、経営収支の上でも重要な問題であります。
 第2に、入院患者の平均在院日数の減少により、患者さんの追い出しとも言うべき事態が少なからず生じていることであります。昨年の全病院の平均在院日数は23.3日となっています。中央病院は、今年度は16.5日であります。これは、診療報酬の改悪に対応したとはいえ、患者に必要な、行き届いた医療と看護を施すという県立病院の本来の精神にかかわる問題であります。結果として、渋々退院をさせられる、事実上追い出されると言うべき事態も生じています。経営効率だけからでなく、患者の命と健康を守る立場で強く改善を求めるものであります。
 第3に、一関市での乳児死亡にかかわって、救急対応に不明朗な事態がありました。事態の真相はわかりませんが、地元の県立病院が地域の中核病院であり、救急患者への対応では、それなりの対応と体制、県民の信頼感が求められているものであります。結果として不幸な事態となったことは極めて残念なことであります。民間病院との密接な連携、小児科の救急対応を含め、今後の教訓として対策を講じるべき問題であります。
 また、遠野病院への小児科、産婦人科医師の緊急の配置を含め、標榜診療科への常勤医師の配置のための一層の努力を求めるものであります。
 第4に、医療事故防止のためにも、働きがいのある病院とするためにも、2人夜勤の解消に真剣に取り組むことであります。現在、県立病院全体で100棟の病棟がありますが、半分以上の51病棟が2人夜勤となっています。私が決算特別委員会で取り上げたように、高度な医療機能を持つセンター病院である中央病院でさえ2病棟で2人夜勤が残されています。実際、5階西病棟では、手術も入退院の患者も多く、患者の急変などでとても2人夜勤では対応できない状況であります。患者に行き届いた看護を行うためにも、誇りを持って看護できる状況をつくる上でも、現場の状況をよく把握して、2人夜勤の解消に計画的に真剣に取り組むよう求めるものであります。
 第5に、薬剤の問題であります。効能も証明された安価な後発医薬品をもっと積極的に活用するよう求めるものであります。現状は、品目で214品目、7.21%、購入額では2.74%にとどまっています。今後さらに142品目活用するとのことですが、それだけで2億6、000万円の薬剤費の減少となるものであります。全病院に徹底すべきであります。これは薬剤費の節約ともなり、患者負担の軽減にもなるものであります
 また、院外処方の実施については、あくまでも患者の選択権を保障するよう、病院内での掲示を含めて徹底することを求めるものであります。
 最後に、医療器械購入をめぐる疑惑であります。昨年度の高額医療器械の購入に当たって、一般競争入札が行われた7件すべてが自治体病院共済会が落札となりました。その総額は4億7、010万円に及びます。その内容も、5件は予定価格ぎりぎりで、他の2件は応札業者の低価格をさらに下回る価格で落札しています。そもそも自治体病院共済会は、共済会のホームページでもみずから述べているように、公立病院の団体である自治体病院協議会の傘下にある団体であります。営業の職員もわずか2名で、実態も自治体病院協議会と一体のものであります。これでは、発注者と受注者が一体だと言わなければなりません。一般競争入札も、入札の札は開札される前日まで停止となっており、医療局の談合体質が厳しく問われている問題であります。自治体病院共済会が利益を吸い上げるシステムと言うべき問題でもあります。この抜本的な改善を強く求めるものであります。
 以上、県立病院の改善の課題、問題を強く指摘し、私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、認定第1号平成13年度岩手県立病院等事業会計決算を採決いたします。
 本決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、認定第1号平成13年度岩手県立病院等事業会計決算は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 次に、認定第2号及び認定第3号を一括して採決いたします。
 各決算は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、認定第2号及び認定第3号は、委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
   
日程第30 発議案第1号奨学金制度の拡充を求めることについてから日程第37 発議案第8号公共事業の県内建設業者への優先的発注及び地元産品の優先活用を求める決議まで

〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第30、発議案第1号から日程第37、発議案第8号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第3号東北横断自動車道釜石秋田線建設凍結の反対についてを採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、発議案第3号東北横断自動車道釜石秋田線建設凍結の反対については、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第1号、発議案第2号及び発議案第4号から発議案第8号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、発議案第1号、発議案第2号及び発議案第4号から発議案第8号までは、原案のとおり可決されました。
   
   日程第38 議員派遣の件

〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第38、議員派遣の件を議題といたします。
   
〔参照〕
 議事日程第5号中 日程第38 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期 間派遣議員
第57回国民体育大会秋季大会岩手県選手団本部役員
(顧問)
高知県
春野町
平成14年10月25日から
平成14年10月27日まで
樋下 正信 議員
及川 幸子 議員
田村  誠 議員
第2回都道府県議会議員研究交流大会東京都平成14年11月12日から
平成14年11月13日まで
水上 信宏 議員
小野寺研一 議員
照井 昭二 議員
及川 幸子 議員
佐々木順一 議員
工藤 大輔 議員
吉田 洋治 議員
長谷川忠久 議員
菊池 雄光 議員
小野寺 好 議員

   

〇議長(谷藤裕明君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました2件についてでありますが、会議規則第114条の2第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   

〇議長(谷藤裕明君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第15回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時7分 閉 会


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