平成14年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(照井昭二君) 自由民主クラブの照井昭二でございます。先輩・同僚議員の御配慮に感謝申し上げ、通告に従い順次質問させていただきます。
 最初に、知事の政治姿勢に関連して2点お尋ねいたします。
 県議会の知事不信任決議に端を発した長野県の出直し知事選挙は、ともに民意で選ばれた知事と議会の対立をどうとらえるかということで全国の注目を集めましたが、長野県民は、田中氏に引き続き県政改革を託しました。私どもは、テレビ、新聞等で知るのみですが、不信任決議に至った一連の動きについても、田中知事と議会との対話不足が原因なのか、それとも意味不明の片仮名言葉を使う田中知事と世代の違う県議団との対話が成り立たないものなのか、あるいは、人気を誇る田中知事の議会軽視が原因なのか理解に苦しむところであります。増田知事はどのように見ておられるでしょうか、お聞かせ願います。
 また、選挙の結果は田中知事の圧倒的勝利で終わりましたが、知名度の高さとマスメディアを利用してのパフォーマンスのうまさのみが目立ち、大衆迎合主義のように映り、民主主義の難しさを感ずるわけですが、増田知事はどのように思われたでしょうか、率直な感想をお聞かせ願います。
 さて、増田知事御自身は一生懸命おやりになっているのでしょうが、県民の間からは、どうも顔が見えないという声をよく耳にするのであります。たびたびマスコミに登場する知事でありますが、大所高所からの論調が多く、県政を論じているのか国政を論じているのか、あるいは県民の生活が、岩手がどうなるかということが理解できないからではないでしょうか。そうしたところ、新聞報道で「舌好調の増田知事」との見出しの記事が掲載されました。これまでの増田知事には余り見られなかった姿勢ではなかろうかと思うのでありますが、方針を変更したのでしょうか。
 そうした中で、私は、その記事にもありました知事の多選批判発言についてお伺いいたします。
 知事の多選批判については、昨年12月定例会において佐々木俊夫議員の質問に答えたものがあります。そのとき知事は、3期、最大でも4期がやはり節目ではないかと答弁されております。さらに、先月の定例記者会見では、一般論だが、知事という職は余り高齢の方はよくない、長い多選もよくないといった趣旨の発言をされたようでありますが、そのように発言された真意は一体どこにあるのでありましょうか。県民の間では、こうした知事の発言をとらえて、増田知事は3期までしかやらないつもり、いや、3期まではやるつもりで出馬の意思表示だなどとうわさされているようであります。私は、県勢発展への強い意欲と情熱があり、県民が望むのであれば4期でも5期でも構わないと思うのであります。現に、大分県の平松知事や宮崎県の松形知事、富山県の中沖知事は6期目であります。むしろ知事の3期発言は、いつそれやめるよと言っているようなものではないかと思うのであります。もしそうであれば、組織の長として、また、政治家として、指導力、リーダーシップの低下は火を見るより明らかであります。こうした時期に、一般論とはいえ、そのように発言された真意はどこにあるのでしょうか。また、3期までということは、次期知事選に出るということでしょうか、知事の考えをお伺いします。
 次に、県境を越えた地域連携についてお尋ねします。
 我が国における社会経済活動の高度化や多様化とともに、今後、単一の地域では解決できない課題や広域として取り組むべきことで大きな効果が期待される施策が一層増加していくものと考えております。こうした中にあって、本県は、平成9年度に開催された北東北知事サミットにおける合意事項の決定を端緒とし、さらに、昨年度からは北海道も参加した形で広域連携を推進しております。本年度開催された第6回サミットでは、産業廃棄物税や環境保全協力金制度などの活用等による産業廃棄物対策を平成14年度中に北東北3県が連携して進めることで合意したとのことであり、北東北における重大かつ喫緊の課題解決のための有効な手段になるものと期待しております。こうした北東北における連携の実績をさらに広めていくことが望まれるところであります。また、そうしたことの積み重ねが将来の道州制形成への第一歩となるのではないかと考えており、国と地方にわたっての現下の状況を考え、将来のあるべき姿を考えるとき、あわせて将来の道州制に向けた具体的な検討を進める段階にあるものと考えております。
 そこで知事にお伺いします。今後の新しい形としての道州制に向けた基本的な考え方、戦略をどのようにお考えでしょうか。また、道州制の実現に向けた第一歩として、専門の検討組織を設置するお考えはないでしょうか。
 さらに、中央と地方、都会と地方とでは価値観、産業構造、社会基盤整備の差などにより、おのずと政策も違ってまいります。隣県との連携のみならず、地方として同じ政策課題を抱える他県、例えば北陸、あるいは遠く九州地方などと道路政策あるいは農業政策など特定課題の解決に向け連携を進めていく考えはないかお伺いいたします。県政の場の仕事なのか、国政の場の仕事なのか私にははかりかねますが、知事の所感をお願いいたします。
 次に、農業問題についてお尋ねします。
 さきに公表されました本年の米の生産調整の取組状況によりますと、本県の実施率は101.8%で、すべての市町村が達成見込みとのことであります。今年度の生産調整目標面積が過去最大規模であり、生産調整への限界感がある中でこのような見通しとなったことは、生産者を初め、農業関係者の努力の成果であろうと思います。
 さて、現在、国においては米政策の見直しが進められており、本年6月に国の生産調整に関する研究会の中間取りまとめが示されたところであり、その内容に注目していたところ、9月2日にJA岩手県中央会などの主催で米政策確立要求実現岩手県大会が開催され、研究会の中間取りまとめに対する不満、怒りが続出したとのことであります。水田面積の4割近くの生産調整を実施したにもかかわらず米価が下落していることへの不満、さらには、地域で一致協力して取り組んでいる小麦、大豆等に対する助成措置がどうなるのか、新しい米政策に対する不安を考えれば無理からぬことと思うのであります。
 米の生産調整は、幾度となく見直しを進めながら今日に至っておりますが、結果として農家の期待を裏切ってきたのも事実であろうと思います。このような中にあって、県では、今回の米政策の見直しに当たり、先般、国に対して政策提案を行ったところであります。これから最終決定に向けて大詰めの議論がなされると伺っており、まことにタイムリーな提案であると思いますが、どのような考え方で行ったのかお聞かせ願います。
 なお、米政策の見直しの柱の一つとして流通の問題があります。最近、計画外流通米が増大し、今や計画流通米は総生産量の50%を切るに至っていると伺っております。このままでは、計画外流通米を含め、流通する米全体の問題として流通制度をとらえない限り、どのような見直しをかけても同じ過ちを繰り返すことになると思うのであります。この点も含めて考えをお聞かせ願います。
 次に、教育問題についてお尋ねします。
 最近の新聞報道などを見ますと、教員による不祥事や高校生などの集団傷害事件、祖父母への殺人未遂事件など凶悪な少年犯罪が報じられており、これらの事件発生は、県民に大きな衝撃を与えたところであります。このような事件を引き起こした教員や生徒はごく一部とはいえ、体罰やセクハラなどの不祥事は教員として厳に許されない行為であり、また、高校生らによる少年犯罪は、学校教育の問題にとどまらず、社会全体の問題として受けとめ、警察等の関係機関はもとより、家庭と教育機関と地域社会が一体となってその根絶に向けて取り組む必要があると考えております。とりわけこれらの事件は、学校や教員に対する県民の信頼を大きく損ねかねないものでありますので、県教育委員会においても早急に対応策を講じていく必要があるものと考えております。
 平成12年2月定例県議会において、当時の西井教育委員長は、学校教育の成否を担う教員、とりわけ若手教員に対してその資質向上を図るよう奮起を促し、激励する答弁をなされたところでありますが、私は、このような熱意を持って教育の改革に取り組まなければ、現在の学校教育が抱えるさまざまな問題は減少していかないのではないかと危惧しているところであります。
 そこで教育長にお伺いします。教員の不祥事や高校生による凶悪な犯罪が発生している状況を県教育委員会としてどのように認識しているのでしょうか。また、このような事態に対して、その再発防止のために県教育委員会としてどのような対応方策を講ずるお考えなのか、あわせてお伺いします。
 次に、環境問題についてお尋ねいたします。
 花巻にある太田油脂は、畜産関連の最終処理場でもありますことから、いわば畜産振興を陰で支えている、畜産業にとって必要な施設であるとは理解しております。しかし、市民は操業以来、この工場から発生する悪臭に悩まされてきております。特に最近の状況は、BSEの発生以来、鶏肉の生産量がふえ、羽毛などの処理量がふえたと見え、状況は深刻であります。今や悪臭は市街地にまで及び、住民の生活環境に与える影響が非常に深刻になっていることに加え、隣接する宮沢賢治記念館や新渡戸稲造記念館などを訪れた観光客が余りの悪臭のために観光バスをおりることができなかったとの話や、工場周辺に住む住民、特に子供たちへの差別的な発言までなされているとの話も聞いており、社会的影響の大きさははかり知れないものがあります。
 これまで花巻市においては、太田油脂の悪臭問題の解決に資するため、市民の強い要請を受け、平成5年に花巻市悪臭公害防止条例を独自に制定し、悪臭対策に取り組んできたと伺っております。しかしながら、改善か工場移転かの選択の揺れの中で、事業者は悪臭防止のための抜本的な施設改善に着手しないまま、悪臭の状況はますます悪化し、現在に至っております。しかも、この工場が受け入れている獣骨や羽毛などは、県境を越えて県外からまで運ばれてきている状況であります。私は、県の畜産振興の観点からはもちろん、資源循環型社会の実現のためにも、畜産副産物の処理については、原料発生地あるいは環境に優しい場所での処理が基本であると考えております。このような中で、市は、ようやく先月になって初めて改善勧告措置を講じたところでありますが、いかにも対応が遅く、また、より強い措置を早急に講ずる必要があるのではないかと考えます。
 そこでお伺いします。悪臭規制に関する権限は市町村長にあり、太田油脂についても花巻市が改善指導の取り組みを進めておりますが、これだけ大きな社会的影響があり、改善もなかなか進まない事案については、県としても、積極的に悪臭改善に向けて、花巻市と連携し、協力した取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
 次に、東北横断自動車道釜石秋田線の整備についてお尋ねします。
 8月30日に道路関係四公団民営化推進委員会の中間報告が発表されましたが、この内容を見ると、施行命令の全面執行について凍結・規格の見直しを含む再検討、料金プール制の廃止などが盛り込まれており、高速道路の整備がおくれている地方にとってまことに厳しい内容となっております。本県においては、東北横断自動車道釜石秋田線の東和-花巻間は今年度開通の見通しと伺っておりますが、東和から釜石間については、この民営化推進委員会の議論の方向によっては極めて厳しい状況になるものと思われます。本県にとって東北横断自動車道は、三陸縦貫自動車道、東北縦貫自動車道を結ぶ動脈として、21世紀の県土づくりには欠くことのできない極めて重要な路線であり、その早期整備は、沿線住民のみならず、岩手県民がひとしく待ち望んでいるものであります。したがって、県は国に対し、このような地方の高速道路整備の必要性についてもっと強く訴える必要があると思うのであります。
 そこで知事にお伺いいたします。このたびの民営化推進委員会が発表した中間報告についてどのような御意見をお持ちでしょうか。また、この民営化推進委員会の動きに対して今後どのように取り組んでいくつもりなのか、あわせてお伺いします。
 次に、主要地方道花巻大曲線の整備についてお尋ねいたします。
 いわゆる8の字ルートは、県央から西部地域の盛岡市、雫石町、沢内村、湯田町、北上市、花巻市を効率的に結ぶ道路網であります。このルートのうち、花巻市から沢内村間につきましては、急峻な中山峠により隔てられ、長い間両地域間の交流・連携の妨げとなっており、巷間幻の道路と呼ばれ、この道路の整備は、地元はもとより、多くの道路利用者の悲願となっておりました。このような中、県では、昭和61年度、主要地方道花巻大曲線の中山峠の整備に着手され、本年8月5日、待望の開通の運びとなりました。これまでの県御当局並びに関係各位の御尽力に対し、衷心より感謝を申し上げる次第であります。
 今回の開通により、この地域の人的交流の促進はもちろん、経済交流や地域の自然を利用した観光振興が一層図られるものと期待しております。開通により、隣同士でありながら直接行き来のできなかった花巻市と沢内村が結ばれることにより新たな交通需要が生まれ、その交通量は増大すると思われることから、この中山峠の沢内側の延長約3キロメートルの未整備区間の早期整備が課題となってくると考えるものであります。また、中山峠の手前の豊沢ダム付近は、昭和35年度に完成した豊沢ダムの堤体を道路として使用しており、この部分は幅員が狭く、1車線ですれ違いもままならない状況にあることから、今回の開通によって大型車両の利用など交通量が増大すると、今後この部分が大きな隘路になるものと危惧されます。この8の字ルートの機能を十分に発揮させるためには、これらのネック箇所の解消がぜひとも必要と考えるものであります。
 そこでお伺いします。主要地方道花巻大曲線の花巻-沢内間の今後の整備見通しはどのようになっているか、また、8の字ルートの全面的な完成の見通しはどうか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立自然公園についてお尋ねいたします。
 本県の県立自然公園は、緑豊かですばらしい自然を広く県内外に紹介し、多くの人々の保健休養、自然探勝などの自然との触れ合いに資するものとしてこれまで大きな役割を果たしてきましたが、現行の県立自然公園区域が指定されて以来、長い年月を経ております。私は、昨年の12月議会において、県立自然公園の公園計画見直しの必要性について質問いたしております。県は、現況に即して見直しする必要がある旨の答弁をされておりますが、その見直し状況はどのようになっているでしょうか。また、見直しに当たってはどのような課題があるかお示し願います。
 具体的にお聞きいたしますが、特に花巻温泉郷県立自然公園については、昭和36年に県立自然公園に指定され、温泉景観と豊沢ダムの湖水景観が多くの人々に親しまれているところです。主要地方道花巻大曲線の花巻-沢内間の暫定開通により、豊沢湖畔を通りブナ原生林を抜ける中山峠付近一帯は、県立自然公園に近接していることもあり、新聞報道によれば、ことしの夏は多くの人が訪れたと聞いております。その中山峠付近一帯には高さが83メートルにもなる大空滝もあり、地元では新たな観光スポットとしての期待もありますが、その反面、ブナ原生林が生い茂り、希少な動植物の宝庫であることから、貴重なブナ林の保護やごみの不法投棄、植物の盗採防止が大きな問題となっております。
 そこで、さらにお伺いします。県は、花巻温泉郷県立自然公園計画の見直しを検討していることと思いますが、その検討はどのような状況にあるのでしょうか。また、中山峠付近の公園区域への編入についてはどのように考えているのでしょうか、あわせてお伺いします。
 次に、本県の工業振興、特にも企業誘致についてお尋ねいたします。
 最近の有効求人倍率は0.40倍と極めて低位に推移しており、8月末における来春卒業予定の高校生の県内求人倍率は0.29倍と過去最低となるなど、雇用情勢はまさに氷河期となっており、雇用創出こそ喫緊の課題であります。昨今は、企業が立地するに当たって国を選ぶ時代と言われており、生産拠点の海外シフトが進む状況にあって、大規模工場の誘致はますます困難になってきているのではないでしょうか。
 このような状況を踏まえ、私は、画一的な企業誘致から脱却し、地域に合致した企業誘致施策が不可欠と考えており、例えば、従業員や資本金が比較的小さい企業であっても、本県にとって必要な技術や開発力を有する優良企業については積極的に誘致を図るとともに、その支援を行うべきであると考えるものであります。ちなみに花巻市においては、今年度、岩手大学などとの共同研究や既立地企業との取引拡大を目的として、起業化支援センターの貸し研究室や工場棟に立地が決定したところであります。これらはいずれも従業員10人以下の少人数体制でありますが、今後の成長が大いに期待されている企業であります。
 そこでお伺いします。現在、県は、どのような戦略のもとに企業誘致を進めておられるのでしょうか。また、県内における最近の小規模企業の誘致実績と小規模誘致企業に対する支援策がどのようになっているか、あわせてお示し願います。
 次に、県立病院の医師確保についてお尋ねいたします。
 近年、県内の病院や診療所は、医師確保に大変難儀をされているということであります。申すまでもなく、医師の不足や不在は、地域住民への医療サービスの低下に直結することであります。どのような理由から医師確保が困難な状況となっているのか、まずお伺いします。
 また、新たな充足が困難であるばかりでなく、地域の病院から医師がいなくなるという大変心配な状況もあります。私の地元の花巻厚生病院では、2名いた循環器科の医師が不在となってしまいました。循環器科は御高齢の方々にとってなくてはならない診療科でありますが、花巻厚生病院では2人とも引き揚げられ、現在は休止の状態となっております。地元では、このまま循環器科が廃止になってしまうのではないかとの不安の声が高まっておりますが、医師の確保と診療再開の見通しはどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
 大変厳しい状況の中、奨学金貸付制度や本県出身者を対象とした医師養成事業を設けるなどして医師確保に努力しておられることは評価するものでありますが、関係大学への医師派遣の要請を中心とした今のようなやり方で今後とも対応できるものかと心配するものであります。そのほかにもさまざまな工夫が必要なのではないかと考えるものですが、今後どのような方策で医師確保に取り組まれるお考えかお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 照井昭二議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、長野県知事選挙についての感想を求められているわけですけれども、議会と知事との間、あるいは議会と知事を頂点とする執行部の間はよく車の両輪に例えられるわけでございますが、車の両輪ではありますけれども、そこにはやはり必要な緊張関係というものがなければならないだろうと思うわけでございまして、長野県の場合の先般の事態、議会と知事との間では少なくとも相互の理解が欠けているように見えますし、言い方を変えればこの緊張関係をお互いに取り違えたのではないかと思うわけであります。それから、もう一つは、県民の、前の時代、もとに戻りたくないという気持ちがやはり大変強かったと思うわけで、このことは言葉を変えれば、やっぱりそれほどそれまでの長野県政というのは県民から疎んじられていたそのあかしではなかったのかと、こんな感想を私は持っております。
 それから、次に知事の多選問題についてのお尋ねですが、私はこういう多選ということについては、やはり巷間言われるような行政の硬直化だとかマンネリ化といったような弊害があるだろう、やはりそのことを認めなければいけないだろうと思います。もちろんこの多選ということは、いろいろ内容やそれぞれ考え方があると思いますけれども、私は3期から4期、以前も申し上げていますけれども、長くたってやっぱり4期までだろうと思っているわけでありまして、これを有権者の判断を経ているからということだけで回数を重ねていくのではなくて、本人がみずからのあり方というものはやはりみずから律すると、自律ということを考えていかなければならぬだろうと思います。
 今、御懸念の、リーダーシップが低下するのではないかといったような話がありましたが、これは本人の能力次第でありまして、それは3期あるいは4期ということは、それはそれとして、やっぱりはっきりと多選の問題は、そういうことをはっきりとそれについての見解を言いながら、有権者に対しての信を問うということが必要だろうと思いますし、それから組織の長としてそれをどう確保していくか、それも含めて、リーダーシップの問題も含めて有権者が判断することでありましょうから、それをやはり本人は克服して能力を発揮していかなければいかぬだろうと思っております。
 それから、あとあわせて、私が次また3回目の選挙に出馬するのかどうかというお尋ねがあったのですが、これは全く別の話でございます。
 それから、県境を越えた地域連携あるいは道州制についてお尋ねがございましたのですが、これについては、道州制というのは、戦後地方自治の今の制度になった後から非常に早い段階から多くの制度論として論じられてきたものでございまして、その考え方自体も、以前は国の中央集権的な統治の一つの手段として論じられたことがありましたのですが、最近は地方分権をさらに進めていくという中で、それぞれの地域が力をより発揮させるものとして論じられているものでありますので、内容も変遷をたどってきているわけですが、しかし、ほぼ制度的な論点というのはもう出尽くしてきているのではないかとも思っております。
 私は、こうした広域的な連携あるいは道州制などにつながる議論としては、こうした制度論も一つあると思いますが、それだけでなくてやはり地方のグランドデザインを考えて、それをどういう形でつくっていったらいいか、どのようなそれぞれの行政体のあり方が望ましいかという観点に立って、やはり実体論で議論を進めていかなければいかぬだろうと思いますし、それからまた、本県初め北東北3県で今進めております、例えば県外事務所の合同設置ですとか、産業廃棄物への共同歩調での対策といったような、今、北東北3県で取り組んでいるさまざまな具体的な事業がございますが、そういう具体的な成果を一つ一つ積み重ねることによって、また、県民の皆様方の間での議論もさらに活発化されるだろうと思いますし、そういう一つ一つの成果の積み重ねということが、こうしたことを考えていく上で非常に重要だと思っております。
 こうしたことを考える組織をつくってはということでございましたのですが、もう既に岩手県庁内に若手職員を中心に構成した地方分権研究会というのがあって、これは昨年の11月にこうした内容を含む、あるべき地方の姿というものを昨年の11月に報告書を発表して全国に配っております。それについてのまたいろいろ反応もございましたのですが、そういったものが庁内にあるのと、それからことし4月には北東北3県の実務者で北東北の広域政策研究会というのを立ち上げて、今後の北東北の連携強化のあり方などについて、道州制の問題も含めて検討していますので、こうしたもう既に組織としてはでき上がっている。それを活用してさらに幅広い議論、それから具体例を積み重ねていくのが必要だろうと思っています。
 また、隣県だけでなくてほかの県との連携した取り組みを進めていってはということで、これはお話のとおりでございまして、北東北3県だけでなくて北海道・東北全体としてもこういったことをまず取り組むべきだろうということで、昨年私の方で提案して、環境とスポーツをテーマに今、広域的な連携が具体化しつつありますし、それから産業廃棄物の適正処理監視などについても、北東北3県だけでなくて宮城ですとか山形とか、さらにその範囲を広げていますし、そうした東北ブロックだけではなくて全国的な展開、ほかの各地域の県との連携した取り組みというのもやはりもっとやっていくべきだろう。今、地方の実情に合った公共事業のあり方、いわゆるローカルスタンダードづくりということや、国と地方の税制のあり方、そのほかにも幾つかテーマがございますが、そうしたことで隣県だけでなくて地域をずっと飛び越えて、さまざまな特定課題について共通した議論を行っておりますが、引き続き、こうした県域を越えた、隣県をもっと越えた連携も進めていきたいと考えております。
 それから、高速道路の関係で東北横断自動車道の釜石秋田線、花巻-釜石間の整備についてのお話でございますが、今お話ございました中間整理というのは、道路関係四公団民営化推進委員会から8月30日に出されたものでございますが、これについては採算性や、また、それぞれの公団の債務の返済ということを中心とした議論が中心でございまして、また、逆に言うとその関係での狭い視野での議論に終始したと見ておりまして、またそういう狭い視野で、本来、国土形成の根幹をなす高速道路の整備、もっといろんな観点で論じられなければいけない高速道路全体の整備を、またそういう狭い視野で律しようとしているということで、非常に重要な視点が欠けているととらえております。
 確かに40兆円という膨大な債務が生じている公団のあり方というのは、これは徹底して改善を図っていく必要がありますし、それから今までどおりの高速道路の規格でこれからも道路をつくり続けるのか、もっとコストを下げる上での道路構造の規格の見直しも柔軟にやっていかなければならないのではないかということについては、私もそのとおりだと思います。もっと英知を集めなければいけないと思っていますが、繰り返しになりますが、道路公団などの組織や債務の問題と、国土政策上の高速道路整備のあり方とはやはり次元が別でありますので、この二つの問題というのはやはり分けて考えていく必要があるだろうと思っております。
 そういう問題点を含んでいる中間整理でございますが、私どもはこうした中で、今も中間整理を受けた形で民営化推進委員会の議論というのは続いているのですけれども、やっぱり最終的にこうした問題を決めるのはこの委員会が決めるということでなくて、最終的にそれを見ながら政府が決めるということでありますので、今、私も初め6県の知事で構成するこの高速道路のあり方について議論をする地方委員会というものをつくっておりますので、こうした委員会として、あるいは全部の知事が入っております全国知事会でもこの問題をまた近々に議論をする場がございますので、そういう全国知事会などの場、そういうところとも連携しながら、この高速道路のあり方について、本県の考え方を政府に対して主張していきたいと思っております。
 この花巻-釜石間の高速道路の本県での重要性ということについては、当議会の先日の質問のときにも申し上げておりますので、あえて繰り返しはいたしませんけれども、大変本県の発展にとっても重要な、また、それぞれの地域が自立を図っていく上で大変重要な高速道路だと思っておりますので、先ほど申し上げましたような場をぜひ効果的に活用していきたい。そして今、政府の方に地方と対等の場で協議するような場の設置を求めておりますので、そうした場を早くつくってもらって、そこの場でお互いに英知を出していくということで、この問題の解決を図っていければと考えているところでございます。いずれにしてもこの高速道路の整備推進については、これからも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので、御了承願います。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 米政策の見直しに関する提案についてでありますが、国におきましては、さきに公表されました研究会の中間取りまとめに対するパブリックコメントや関係機関、団体からの提案を踏まえて、現在、生産調整の具体的な仕組み等について検討が進められているところであります。本県が提案いたしました主な点について申し上げますと、まず中間取りまとめにおきましては、需給調整に関する行政と農業団体の役割分担のあり方を根本から見直す必要があるとされたところでありますが、これに対しまして県といたしましては、食料安全保障の観点から、米の安定供給に関する基本的役割については、国において担われるべきであるとしたところであります。
 また、新たな生産調整システムにつきましては、農業者が主体的な経営判断に基づいて生産調整に参加する仕組みが望ましいとされたところでありますが、仮にこのシステムを導入する場合には、その実効性を確保するため、米価の下落時における直接支払いなど、生産調整の参加者に対する相応のメリット措置が講じられる必要があるとしたところであります。
 さらに、生産調整の手法につきましては、需要量に見合った生産をするため、これまでの面積から生産数量による調整を基本とするとされておりますが、実施状況が確実に確認できるよう、数量と面積を併用する、いわゆる数量調整面積管理とされるよう提案したところであります。
 なお、米の流通につきましては、計画流通米と計画外流通米の出荷者間で、需給調整に要する経費の負担等について不公平感が高まっておりますことなどから、現行制度を改めるとされておりますが、いずれにいたしましても不作等の異常時において、主食である米の安定供給が確保される仕組みが必要であると考えております。
 今回の米政策の見直しは、我が国水田農業の将来を左右する一大転機になるものと考えておりますので、生産現場等の意向を的確に反映した米政策として再構築されるとともに、この実施に当たりましては、農業者への周知、それから営農準備のための期間が確保されるなど、農業者を初め関係者の十分な理解のもとに、円滑な移行が図られるものでなければならないと考えているところであります。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕

〇環境生活部長(時澤忠君) まず、花巻市にあります太田油脂の悪臭問題についてでありますが、近年、苦情件数が急増するなど、地域における緊急かつ重要な環境問題になっているものと認識しております。悪臭対策につきましては、御指摘のありましたように、市町村の事務ではありますが、当該施設は、悪臭問題のほかに県が指導しております排水改善等の問題もありますので、関連する機関の連携した取り組みが必要でありますことから、7月に花巻市と花巻地方振興局が太田油脂問題連絡会議というものを設置いたしまして、現在の施設からの悪臭防止対策を最優先にした取り組みを進めることとしたところであります。
 このようなことから、市におきましては8月12日に市条例に基づく初めての改善勧告を行うなど、より積極的な措置を講じたところであり、また、9月12日、13日には悪臭対策の専門家による現地調査に県も同行しておりますほか、現在、事業者から提出された改善計画書がございます。この改善計画書につきまして、市とともに悪臭防止対策の改善内容に関する具体的な検討を行っているところであります。
 県といたしましては、事業者に対する排水の水質改善指導を継続しながら、最重要課題でもあります悪臭対策についても、引き続き花巻市との連携・協力体制のもとに、悪臭防止のための施設改善ができるだけ早期に進むよう市に対する積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立自然公園についてでありますが、計画策定後の自然公園を取り巻く環境の変化を踏まえ現況に即した内容となるよう見直すことといたしておりまして、昨年度から外山・早坂高原県立自然公園など計画の見直し作業を進めているところでありまして、七つあります県立自然公園の見直しを順次計画的に実施していきたいと考えております。
 見直しを進めるに当たっての課題でありますが、時間の経過や開発などにより景観や利用形態が当初の計画と相違が認められる場合、あるいは公園区域に編入することが適当と認められる、すぐれた自然の風景地があるような場合には、区域の変更を検討することになりますが、自然環境の保護とその利用の調整を図る必要があるほかに、土地所有者や関係機関の了解を得るというようなことが必要になるわけでございます。
 花巻温泉郷県立自然公園計画の具体的な見直しの検討状況についてでありますが、この見直しにつきましては、昨年度から公園計画の見直しのための現況調査と解析を行い、現在、公園区域を初め地種区分などの保護計画や施設配置などの利用計画の見直し作業を進めているところであります。
 中山峠周辺地域を公園区域に編入することにつきましては、この地域には大空滝やブナ原生林などがありまして、県としても、景観の保全と自然の触れ合いを促進する上で編入が望ましい地域であると考えておりますが、当該地域は国有林となっていることから、現在、関係機関との調整を図っているところでありまして、理解を得て編入ができるように努力してまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕

〇県土整備部長(猪股純君) 主要地方道花巻大曲線の花巻市から沢内村間の整備についてでありますが、このうち中山峠の整備につきましては、御指摘のとおり、本年の8月に工事が完了し、一部現道を利用して暫定供用を行ったところでありまして、これによって交通の不能区間が解消され、花巻市と沢内村間が初めて県道により直接結ばれました。お尋ねの沢内側の未整備区間につきましては、平成14年度、本年度の新規工区として約2.4キロメートルの整備に着手したところでありまして、本年度は橋梁やトンネルの調査設計などを実施する予定にしております。また、豊沢ダム付近の隘路区間につきましては、ダム堤体を迂回する大規模な事業になることが予想されることから、沢内側の整備にめどがついた段階で、その整備について検討を行う予定にしております。
 次に、8の字ルートの整備についてでありますが、主要ルートとなる国道107号では、杉名畑2号トンネルの貫通に続き、1号トンネルが本年の5月に貫通し、また、主要地方道盛岡横手線の湯本バイパスが平成13年8月に開通するなど、おおむね順調に整備が進んでいるものと考えております。現在、国においては、道路特定財源制度の見直しが検討され、一方で景気の低迷によって、国、地方とも財政状況が逼迫するなど、道路整備をめぐる環境は非常に厳しいものがございます。したがいまして、8の字ルートの全面的な完成時期という話になりますと、現時点で明確にお示しすることは難しいものと考えておりますけれども、こういった国の動向や県の財政状況、さらには8の字ルート沿線の交通量の推移、地域開発の動向などを踏まえながら、その整備に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長照井崇君登壇〕

〇商工労働観光部長(照井崇君) 企業誘致についてでありますが、長引く不況と生産拠点の海外シフトなどにより、企業誘致を取り巻く環境は一段と厳しく、これに伴い各県における誘致競争も一層激化しております。このような状況下にあって、本県においては、企業から岩手に立地したい、あるいは立地してよかったと言われるよう、お客様である企業の満足度の向上を基本理念として、優良企業の誘致に努めているところであります。
 その取り組みとしては、東京、大阪、名古屋の企業を対象に知事みずからがトップセールスを行う企業ネットワークいわての開催、企業の立地決定から操業後に至るまでの一貫したフォローアップの実施、低利融資や補助金など各種優遇制度の充実などを図りながら、市町村や関係団体と一体となって企業へのアプローチを行っております。さらに、従来からの製造業の誘致とあわせ、コールセンターなどの情報通信並びに環境関連産業など、今後成長が期待される業種や、流通加工など地方展開が活発化している業種をも対象とした、幅広い誘致活動を展開しているところであります。また、取得用地の小規模化、初期投資をできるだけ低く抑えるための空き工場や貸し工場、さらには用地や建物へのリース需要の高まりなど、企業ニーズの変化に対しても、市町村等と十分連携しながら柔軟に対応しているところであります。
 次に、従業員10人以下の小規模企業の誘致についてでありますが、ここ5年間の実績は9社となっております。これら小規模企業への支援策といたしましては、長期の低利融資制度である工業立地促進資金を設けているほか、独創的な技術開発に取り組む研究開発型企業等については、インキュベート施設や貸し工場等の受け皿を整備するとともに、産業支援機関や大学等とのネットワーク、いわゆる地域プラットフォームにより、技術開発から事業化、商品化まで、企業を大きく育てるための一貫したサービスを提供しているところであります。
 今後とも、本県産業の振興のためには、独創的な技術や製品の開発が欠かせないことから、規模の小さい企業であっても、研究開発型の企業を中心に積極的に誘致を図るとともに、その支援に努めてまいりたいと考えております。
   〔医療局長千葉弘君登壇〕

〇医療局長(千葉弘君) 県立病院の医師確保についてでありますが、平成13年度末の医療法上の医師の充足率は、県立病院全体で約90%であり、個々に見ますと充足率を満たす病院は、中央病院、胆沢病院など5病院にとどまっているのが現状であります。近年、医師の確保が困難さを増してきている理由といたしましては、地元の岩手医科大学に入学する本県出身者が依然として少なく、卒業生の多くが本県に残らないことに加えまして、隣接県の大学病院において診療科が細分化されたことにより医局員の不足が生じ、本県などの派遣要請に十分に応じきれないこと、また、近年の傾向といたしまして、病院勤務医から開業医への志向が強まっていることなどが挙げられるものと考えております。
 次に、花巻厚生病院の循環器科の医師確保についてでありますが、本年3月末で常勤医が不在となって以来、その後任の派遣につきまして東北地方の大学を初め、首都圏や関西方面の大学に病院長とともに鋭意派遣要請を行ってまいりましたが、現在まで常勤医の確保の見通しが立たない状況にございます。当面、隣接病院からの診療応援という不十分な対応となっておりますが、常勤医の確保に向けまして引き続き努力してまいりたいと考えております。
 また、今後の医師確保の方策といたしましては、県立病院の医師のほとんどを関係大学からの派遣で賄っているという状況にございますので、関係大学との連携を一層密にするとともに、新規学卒者が県立病院で臨床研修を行うことにより、研修後に本県へ定着することが期待されますことなどから、臨床研修指定病院を中央病院以外にも拡大することとしております。また、従来から実施いたしております奨学資金貸付制度や新たに創設した医師養成事業の効果的な活用を図るほか、他県医科大学の県人会に出向きまして、本県出身医学生に対して働きかけをすること、さらには、全国自治体病院協議会やインターネットによる全国公募など、さまざまな取り組みを展開しながら医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕

〇教育長(五十嵐正君) 教育問題についての御質問にお答えをいたします。
 教職員による不祥事が相次いで発生したことは、県民の教育に対する信頼を損ねるもので、まことに遺憾に存じており、また、高校生等による集団傷害事件等につきましては、日ごろから地域住民、各学校、関係団体などが青少年の健全育成に懸命に取り組む中、このような事件が発生したことは大変残念なことであり、また、深刻に受けとめているところであります。教職員による不祥事の発生については、教職員個人に倫理観や人権意識に欠けていると言わざるを得ない面があったほか、校内における連絡・指導体制や保護者等に対する説明が十分でなかったことなどの問題点があったものと認識しております。このため、教職員の校内研修会や県立学校長に対するマネジメント研修の実施などにより、教職員一人一人に教育公務員としての責任感と自覚を持たせるとともに、学校評議員制度や学校評価制度を導入するなど、開かれた学校づくりを進め、教職員による不祥事の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
 また、生徒による傷害事件等の再発防止につきましては、人間としての基本的な倫理観や規範意識を醸成するために、道徳教育や読書活動の充実を図るとともに、児童生徒が抱える問題を早期に発見し解決できるような教育相談体制の充実を図ってまいります。
 さらに、今年度から新たに少年非行などの問題行動等に対し、学校、地域、警察などで連携して支援するシステムづくりに県内の2地域で取り組んでいるところですが、この成果を今後、他の地域にも普及・拡大させるなど、これまで以上に児童相談所や警察等の関係機関との連携強化を図りながら児童生徒の健全育成に努めてまいる考えであります。

〇42番(佐藤正春君) ただいまは照井議員の内容のある質問でございました。この人は1期生なんだけれども、3期生に匹敵するぐらいの内容でございました。
 知事の答弁を聞いていると、何とサービスのいい、15分答弁していました。私は5期やっているんだけれども、大体5分ぐらいの答弁です。まあ、抵抗勢力だからしようがないけれどもね。
 そこで私は、教育問題に関連して一つお伺いいたします。
 去る6月26日の県議会本会議で、私が一連の教育関係の不祥事についてただしたのに対して教育長は、事件を重く受けとめ、影響の大きい事件は処分前でも公表する、また、事件が発生した場合、厳正かつ適切に措置する、こう答弁している。そうでしたね、教育長。
 ところが、7月4日に一関市内で県立高校生によるところの集団リンチ事件が起きました。約1カ月のけがを負った被害者の父親がたまりかねて私のところに泣き込んできました。8月5日には、被害者の父親やおじや私が教育長に面会し、要望書を提出いたしております。ここで教育長は深々と父親に謝罪をしたわけでございまして、いわゆる非を認めたということでございます。もしここで訴えなかったら、このことは隠ぺいされたままではなかったのでしょうか。なぜ公表しなかったのですか。泣き寝入りで一件落着で終わると思ったのですか。
 次に、戸羽生徒指導監、IK高校長、IG高校長、石学校教育課長は、隠ぺいが正しい、あるいは発表をしない方がよいと報道機関に対してコメントをしていますが、なぜですか。隠すことが正しいのですか。戸羽生徒指導監は、私は言っていない、マスコミが勝手に書いたと言っているようでございます――これは仄聞した話です――。
 また、加害者の父親の一人が学校教員であることから、連携して隠ぺい工作したのではありませんか。私の調査では、加害者の親は、関係の教師、学校長と相談し、学校長は今までのとおり県教委と相談、指示を仰ぎ、見舞金は一律2万円とし、すべて穏便に内密にお願いしたいと被害者に言っているではないですか。これこそ隠ぺい工作ネットワークの成果ではございませんか。
 このことは、生徒を守る――この学校の先生はそう言っているんですね――と言いながら、生徒を担保にとった、みずからの保身を図った教員隠ぺい連合の悪質な弱い者いじめではありませんか。これは教育長の指示で行ったのですか、お答え願いたい。
 個々の詳しいことは12月の決算特別委員会でやりますから、きょうは本会議だから出ていませんから、どうぞひとつお楽しみにしてください。
 まず、これが1回目の質問。

〇教育長(五十嵐正君) まず、教育関係の不祥事ということで、教職員が起こした社会的に影響の大きいと思われる不祥事等については処分前であっても公表する方針としておりますが、児童生徒の今回のような暴力行為等の事件につきましては、心身ともに発達成長段階にある生徒の将来やプライバシー、さらには、今後の学校生活を続けることへの影響等に配慮して従来より公表しないこととしているものであり、隠ぺいしているものではないと考えております。したがいまして、加害者の保護者の職業とはかかわりないと思っております。
 泣き寝入りというお尋ねがありましたけれども、加害生徒及び保護者に対しては、速やかに相手方へ謝罪するように、また、今後の対応について十分話し合うように指導してきております。その結果、加害生徒及び保護者がそろって相手方に謝罪をし、治療費が支払われていると聞いております。
 それから、見舞金、隠ぺい連合というようなお尋ねがありましたけれども、見舞金の金額等具体的な内容については、県教育委員会も当該学校も承知していなかったものであります。生徒の将来やプライバシー、さらには、学校生活を続けることへの影響等に配慮し従来より公表しないこととしているものであり、隠ぺいしたものではないということは先ほど申し上げたとおりでございます。

〇42番(佐藤正春君) 教育長、プライバシーだから隠したんじゃないって、結局今まで水沢の暴行事件もみんなそうでしょう。隠して隠して、最後に隠し得ないで皆発表になっているわけだ。これはプライバシーじゃないんだよ。先生たちのプライバシー保護なんだよ、これは。勘違いしないでくださいよ。
 知事は、不祥事件は隠さないで表に出せと、こう言っている。知事もいいことを言うじゃないか。教育長は、事件は、処分前でも公表すると本会議で答弁していますよ。この方針と全く相反する言動をとっているんです、今度の行動は。責任を感じませんか。議会で県民にうそをついたことになるんですよ。教育長、これはだれの指示で隠ぺい工作をしたんですか、あなたがしていないとなると。
 8月5日に出された被害者の父親からの要望書に対する回答によると、7月4日の事件発生直後、被害者宅を訪ねて謝罪するなど誠意を持って対応した、こうあります。直後には行っていませんよ。しばらくして、騒がれてから行きました。誠意を持って対応したのなら、なぜ一面識もない私のところに駆け込んできたのですか。誠意も信用もないから私のところに来たんでしょう。誠意と信用があれば私のところに来る必要はないじゃないですか。被害者の父親はノイローゼになって南光病院に入院して二、三日前私のところに来たんですが、うそを言ってもだめですよ。うそは泥棒の始まりと教えたのは学校の先生ですよ。私はずっとそれを守っているんだから、今まで。お答えください。
 マスコミの発表がおくれたのは、夏の甲子園大会の出場校の問題もありまして発表の時期に配慮したものであって、記事にならないからといって隠ぺい工作に自信を持ったんじゃないですか。県教委や学校長の監督責任とか処分の規定というのはどうなっているんですか、参考のためにお示し願いたい。
 これは答弁漏れのないように、実はきょうは一般質問の最終日だから、私の親しい同僚議員から、きょうは議事進行やるなよと、こう言われたんです。だからやるわけにいかないから、私も。答弁漏れのないように。
 五十嵐教育長は、一連の不祥事件の中で、何でもかんでもやめないと、やめたくないと。その理由は何なんですか。ほかの場合だと、雪印でも何でも皆、申しわけありません、この間の何とかハムもみんなそうだ、皆やめているんだよ。オラ方の教育界だけはやめなくていいのか、これはどうなっているのか。
 今後の対応によっては、生徒指導監、IK高校長、IG高校長を暴行傷害罪の証拠隠滅の共犯で刑事告訴することも考えています。知事、どうですか、一連のこの経過を見て、知事は最高責任者だから、あなたの見解をお伺いしておきたい。
 教育委員長、あなたは立派な教育者だ、こう伺っております。うそをついて自己保身を図るこの教育界幹部の実態をどのように思いますか。伝統ある岩手県の教育界はこのままでいいのですか。教育委員長、心配ありませんか、これで。教育委員長の御決意をお伺いして終わります。

〇教育委員会委員長(船越昭治君) ただいまは、岩手県教育界幹部の自己保身を図る態度をどう考えるかという御趣旨の御質問でございますけれども、先ほど来教育長の方から答弁申し上げたことは事実であると私は承知しております。教職員の不祥事については処分前でも公表するという方針は既に5月に決定しているところでございますが、児童生徒に関しては、これからの子供たちの将来であるとか、学校に戻れなくなるとか、いろいろなことの状況も考えて、原則として公表しないという方針で来ております。したがって、そのことについては、これは隠ぺいではなくて、もともと公表しなかったんだということでおとりいただければありがたいと思います。
 教育委員会としましては、透明性の高い組織づくりを目指しまして、県民の意向を反映した教育行政を推進する、そのためにいろいろな学校評価でございますとか学校評議員制度を導入しまして、緊急対策を、今、実施しているところでございます。教育委員会としましては、これらの施策に積極的に取り組み、誠実に実行することが責任を持つ教育長及び幹部の責任のとり方である、私はそのように承知しております。

〇知事(増田寛也君) 今、幾つか議員の方からお話ございましたが、歴史のある本県の教育界でありますので、教育界の責任において県民の期待にこたえていただきたい、このように思います。

〇教育長(五十嵐正君) ただいま教育委員長の方からも答弁があったわけですけれども、子供の将来のことを考えて公表していないものでありまして、隠ぺいしているものではございません。だから、だれの指示ということではございません。
 それから、さきの議会の答弁との関係ですけれども、教職員が起こした不祥事については処分の前であっても公表する旨を答弁したものであり、生徒間の暴力行為にかかわるものではないということでございます。
 それから、被害者宅への訪問等というお尋ねがありましたけれども、8月5日の要望書に対する回答の趣旨は、事件発生直後から加害生徒を指導してきたということであり、校長は、事件発生の3週間後に電話で謝罪をし、その後、出向いて直接お会いし、謝罪や説明を行ったと報告を受けております。事故発生直後に校長、教頭が数度にわたり謝罪したという意味ではございません。
 県教委や学校長の監督責任ということでございますけれども、今回のような生徒の暴力行為等の事件は、先ほども申し上げましたように、子供の将来のことを何よりも優先的に考えて対処しているものであり、隠ぺいしたり隠したりということではないので、それにかかわる責任の問題はないと考えております。
 なお、私の責任等についてでありますが、私は、一連の不祥事件に関して皆様からいただいたさまざまな御批判を真摯に受けとめるとともに、現在取り組んでいる開かれた学校づくりなどを着実に進めながら、県民の教育に対する信頼を回復することが私の最大の責務であると考えており、そのために最善の努力を尽くしてまいりたいと思っております。

〇議長(谷藤裕明君) 次に、佐藤力男君。
   〔11番佐藤力男君登壇〕(拍手)


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