平成14年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇47番(及川幸郎君) 及川幸郎でございます
 知事には就任以来、県政の現代化や執行体制の整備に勇敢に取り組まれ、着々と実績を上げられたことに対し、内外から高く評価されておりますことに、まずもって敬意を表します。
 さて、近年の国の状況はいまだに混沌とし、国民は不安をぬぐい去ることができないでいるのが現実であります。その中にあって農業も例外ではく、農業に携わっている者は、苦悩の日々を送っているというのが現実でもございます。食料供給県岩手は、真剣に取り組まなければならない課題であります。岩手の基幹産業は農業であり、農業の振興、発展なくしては、岩手の繁栄、発展はあり得ないというのが私の持論でもあり、これが他産業に及ぼす影響も大きいと考えるところから、農業・農村問題を冒頭にお伺いをいたしてまいります。
 農林水産省は8月15日、耕作放棄などが増加している農山村地域の農地保全や秩序ある開発を進めるため、市町村が条例を制定し、地域の特性に応じた土地利用ができるよう整備をする方針を固め、条例で定める区域が法整備後の要件を満たせば、農地法の規制の緩和や適用を除外するとし、農業を保護するため、戦後一貫して国が一律に規制している農地法などに基づく土地政策を転換、これにより、市町村が独自の判断で、地域の実情に応じた農地利用も可能になると報道がなされました。これは今までの国指導の農政にも限界が来たと考えられる一方、地方分権の一端とも受けとめられ歓迎すべきことであろうとも存じますが、知事の所感をお伺いいたすものであります。
 さらに、農業者の最大の課題、関心は、農業所得の向上にあると存じます。食料の安定供給は、国内生産と輸入と備蓄の三つで賄われておりますので、国内生産を基本としつつ、輸入と備蓄を適切に組み合わせる必要がありましょう。今日の食料自給率は40%と言われ、先進国の中で最も低い状況だと言われております。まことに憂えるべきことであります。まず、米の供給は、農業者の努力により在庫は増加しているために、下限に近い価格水準で取引が行われております。また、消費は長期的には減少が続いております。畜産については国内生産が減少し、輸入が増加し、このために低コスト化への取り組みが求められていると考えられます。畑作物は、重要な作物である麦、大豆の生産量は伸びておりますが、野菜などは輸入が増加していると承知をいたしております。
 このような状況下にあって、農畜産物の輸入拡大などにより、農業所得が年々減少しているのが現実であります。この実態をどうとらえ、また、農業所得をどのようにお考えでございましょう、お伺いをいたします。
 また、過日、県内市町村別食料自給率が試算され公表されました。これは、人口については2000年10月1日現在の国勢調査の数値を使い、農林水産物の生産量は農水省統計等を使用し、住民1人1日当たりの熱量を2、645キロカロリーとし、地域で生産された農林水産物が、すべて地域内に供給されたと仮定して試算されたものであると存じます。この数値からは、その地域でバランスのある食生活をしているかを推しはかることはできないと存じます。一体、この数値から何を学び、どう活用すべきなのか、農家の人たちや地域の人たちはよく理解できないのではなかろうかと推察をいたしますが、当局はどうお考えでございましょう、御指導を賜りたいと存じます。
 さて、近年、よく言われる言葉に、食の安全と安心の言葉があります。今、環境問題と並行して、食の安全と安心については世界的に関心が高まってきております。食の安全と安心にとどまらず、食の質にも関心が高まり、海外から発信されたスローフード運動は、工業的に生産される食物については、伝統的よき製造方法や文化的価値を否定するものだとして、食材の安全性や食の教育も含めて大きな支援を受け、活動が展開しつつあると承知をいたしております。県においても、有志によるスローフード協会が結成されたと聞き及んでおり、これに賛意を表するとともに、今後の活動の高まりを期待するものであります。
 食の安全・安心につきましては、生産、加工及び流通の各サイドからチェックしなければなりません。農林・水産分野における組みかえ体制利用方針では、JAS規格による有機農産物の認証、エコ農家の認定、減農薬、減化学肥料栽培といった特別農産物にかかわる表示ガイドライン、生鮮食品の品質表示基準などが安全と安心の確保のための対策といたしておりますが、食料供給県岩手といたしましては、独自の安全性確保対策を講じ、生産者や消費者からの信頼を得ることが、農業振興を図る上で極めて重要であることは申し上げるまでもございません。生産技術面での指導向上なども含めて、総合的に食の安全岩手県を構築し、推進する必要があろうと存じますが、所感をお伺いするものであります。
 さて、本県農業の基幹をなす米政策の見直しでありますが、食糧庁は、米生産調整のあり方を含む米の政策の見直しについて研究会を設置し、多くの議論を重ね、また、現地検討会を開催するなどして、米政策の再構築に向けた中間取りまとめ、すなわち、米政策の総合的検証と対応方策を示したところであります。この中間とりまとめは、生産調整のみならず、経営所得安定対策や構造改革などが一体的に検討され、現行の米政策の改革の方向と具体的システムの基本的な考え方を示したものと言われておりますが、農業者を初め関係者は、期待と不安を持って米政策の見直しについて注目をいたしているところであります。
 過日、県農協中央会、県農協農政総合対策本部などの主催による米政策確立要求実現大会において、瀬川会長は、政府の考え方は無責任だ、生産者を侮辱し国民に不安を与えると声を荒げて批判し、また、来賓として出席した農林水産部長は、県としても実情を踏まえて国に要望すると、政策内容には触れずに県の立場を説明し、具体論では農業団体と意見の異なる部分もあり、苦しい立場をにじませたとの記事も見受けられますが、県は、この中間取りまとめの内容をどのように受けとめたものでございましょう、お伺いをいたします。
 さらに、BSE対策についてお伺いをいたしてまいりますが、この事件が判明してから早くも1年を経過いたしました。この間、関係者の御努力により諸対策が講じられたことから、消費量、販売価格などがBSE発生以前の水準に戻りつつあると伺っておりました矢先に、神奈川県等において感染牛が見つかり、北海道においては有志酪農家が原告団となり、風評被害を補償するよう国を相手に訴訟を起こすと、いまだにくすぶっております。
 畜産農家は大変厳しい経営を強いられ、経営の立て直しに懸命に努力をいたしておるところであります。BSEに端を発した牛肉の産地偽装事件、輸入野菜の残留農薬、無登録農薬の使用など、食の問題が噴出していることはまことに遺憾に存じます。
 去る7日、セゾン総合研究所によりますと、食品メーカーや行政、流通業への信頼度は半数以上が不信であり、特にも行政に対しては、もともと信頼していないなどを含めると、不信が70%を超えると報告をいたしております。いまだに生産者や消費者から不安をぬぐい去ることができないでおりますBSEは、私たちの社会にどんな問いを投げかけ、何が変わったでしょうか。これからの課題として、積極的な情報公開や社会の仕組みの変革などを示唆しているものと考えます。県における対策は万全でございましょうか。
 BSE対策として、本年4月から肉骨粉の本格焼却が実施され、現在のところ、県内では5施設で1日当たり42トン程度と言われておりますが、これは焼却しなければならない生産量約80トンの半分程度にしか過ぎません。一方、肉骨粉の蓄積量は、平成14年4月末現在で1万6、000トン、さらに8月末現在では2万2、000トンと、増加の傾向にあると承知をいたしております。
 このような状況から、滞留する肉骨粉の早期大量処分が急務であり、これが図られれば、畜産経営と市場流通の回復に進展が得られ、本県の畜産振興に前進が図られると思いますが、この対策、所感をお伺いいたします。
 次に、園芸振興でありますが、今年は天候不順から畑作物は厳しい状況と伺っております。このような状況のときに、冷涼な気候を活用した種山高原のキャベツが、初出荷したとの報道がありました。標高670メートルの冷涼な気候を生かし、高原野菜の産地にしようと夏秋系キャベツの栽培に取り組んでまいり、種山園芸生産組合が、8月に本格的な一大産地形成に向けて出荷した高原キャベツの第1陣は品質もよく、関係者の意欲は盛り上がっていると承知をいたしております。今後の園芸振興の取り組みについてもお伺いするものであります。
 いずれ、行政や農業団体は、その年度の作付面積、あるいは販売金額、あるいは肥育頭数だけを強調しているように感じられてなりません。もちろん、それも必要であることは否定をするものではございませんが、農業も市場経済の中で競争をしているわけでございますから、それ以上に生産コストの把握が必要であろうと存じます。生産コストを下げなければ、利潤も生まれてきません。生産にかかる労力、農薬、肥料、農業機械、飼料等、値上がりする一方であります。生産者は、コスト引き下げに努力をいたしておりますが、この際、各作物ごと、家畜ごとに生産コストをお聞かせください。同時に、コスト低減対策をもお伺いするものであります。
 農業者の最大の組織であります県下農業協同組合の運営であります。過去において、債務超過に陥った農協の再建に向けて、自助努力はもとより、関係市町村、中央会、さらに県にあっては52億6、000万円の貸し付けをいたし、今年で4年を経過いたしたと承知をいたしております。その後の実態はどうでありましょう。また、混沌とした社会にあって、県内の農協の経営実態はどうでありましょう、あわせてお伺いをいたします。
 さらに、いつの議会でも、課題の一つに松くい虫対策があります。長年にわたって行われてまいりました対策、効果はどのようにあらわれてきたものでございましょう。現在、23市町村にも及び、ここ数年、被害も増大しているのが現実であります。今後のさらなる抜本的な対策、取り組みについてお伺いをいたします。
 さて、直接の農業問題から離れ、近年耳にする言葉に、地域の活性化のための地域通貨という言葉がございます。長引く不況や国の財政逼迫、将来の展望が見えない福祉、年金制度の改革などへの不安から、従前のような公共セクターに過度に依存するのではなく、生活向上と経済発展の方策を考え、みずから主体的に実行していく必要があるとの認識の高まりからでありましょう。このような中で、地域通貨システムは、地域経済とコミュニティーの活性化に有効であり、かつ、住民、企業が主体的に始められる手法であると聞いております。
 この特徴は、一つには、参加者が独自に実行できるため、住民が主体的に目的を定め、活動が始められること。第2に、特定地域での使用のため、地域の購買力を域内にとどめる効果があること。第3に、ため込んでも金利がつかず、円やドル等の法定通貨と交換もできないため使用することを促し、同時に、投機を抑制すること。第4に、法定通貨を併用して利用可能であること。第5に、独自の尺度を設定することで、市場経済で成り立たないという、ボランティアなども交換対象にできることなどが挙げられております。
 地域通貨の適用可能な分野として、住民参加、人と人との交流促進、福祉・介護の増進、地域住民が考えるまちづくり、環境保全、リサイクル、芸術・文化、スポーツの振興、教育関連目的で行うもの、地域の公共施設の維持・運営、商店街の活性化、さらには地産地消の促進、起業化、コミュニティー・ビジネス支援、失業者や高齢者の雇用対策、より広域的な地域経済の自立等々が言われております。私は、地域通貨がすべての特効薬とは申しませんが、所感をお聞かせ願いたいと存じます。
 さらに、中央では経済財政運営と構造改革に関する基本方針、つまり、骨太方針第2弾に盛り込まれました活性化戦略の目玉として特区構想を打ち出し、その実現のために推進本部を設置し、7月26日の閣議で決定し、同日に初会合を開いたと聞いております。中央では、秋に開かれる臨時国会において、特区法案及び関連法案を提出する方向であると鋭意検討が進められ、早ければ、来春にも特区第1号が実現するかもしれないと言われております。御承知のとおり、この特区構想は、一定の地域に限って実験的に特定分野に関する規制を撤廃、緩和し、地域の活性化につなげることをねらいといたしているようであります。
 マスコミの報道によりますと、特区構想といたしまして10項目の例を示しております。
 1として新事業の創出、2として国際物流の機能強化、3として国際交流、対内投資の促進、4として研究開発の推進、5として環境、エネルギー対策の推進、6として産業集積、ものづくりの推進、7として農企業の創生、8として高度先端技術の推進、9として福祉・保育等の生活空間の創造、10として教育の高度、多様化の推進などがあります。
 考えますに、かなり大胆な規制の撤廃や緩和がなされると予想され、進め方によっては活性化が期待できるものの、場合によっては予想できないデメリットも出てくるのではないかと思う次第であります。
 この特区構想の導入は、地方主導で進めることが肝要であり、綿密な検討と地方の知恵を結集して進めなければならないと考えるものであります。この特区構想の範囲をどのようにお考えでありましょう。県は、国に対し、どのような提案をなされたものでございましょう。そのねらいと期待される効果をどうとらえているのか、お示しをいただきたいと思います。
 さて、今、最大の課題の一つに雇用対策がございますが、長期的な不況によって景気が低迷している今日ほど、不安を多く抱えているというのが現実の姿であります。県内の大きな法人は申告所得が半減し、製造業を中心とした不況の影響があらわれていると報じられており、苦しい経営状態にあると承知をいたしております。
 一方、企業倒産、リストラによる解雇は数多くあり、岩手を代表する企業の倒産は県内に大きなショックを与えており、連鎖倒産を心配するとともに、他人事とは思えないような心境であります。職を失った者の再就職は極めて厳しく、特にも中高齢者はその道も険しく、苦しい生活を強いられているのが現実であります。地域経済の活性化を図るため、重要な役割を担っている県といたしまして、これらの実態をどのように把握しておられるものでございましょう。また、雇用の拡大に対し、ワークシェアリングによる雇用拡大が今日的対策として実施されておりますが、今後の政策についてもお伺いするものであります。
 また、来年度卒業する高校生の就職支援でありますが、来春卒業予定で県内外の企業に就職希望の生徒約5、200人に対し、県内の求人数は871人と報じられております。これは、前年同期を0.09ポイント下回る0.17倍で、過去最低と報じられ、就職を希望する本県の高校生にとって極めて厳しい環境にあり、中高齢者の再就職と同様であります。このことは、さまざまな事情で異動できない中高齢者とは異なり、地元就職をあきらめ県外に職を求めて転出することになり、ひいては岩手の人口減少にもなるものであります。将来を担う高校生の就職先を支援するため、県教育委員会はどのような対策に取り組んでいるものでございましょう、お伺いをいたすものであります。
 また、今日よく耳にもし口にもする言葉に、少子・高齢化という言葉がございます。65歳以上のいわゆる老年人口の割合は、平成12年17.4%から平成26年には25%台、すなわち、4人に1人になると言われ、実は私もその1人であります。
 高齢者は徐々に身体能力が低下することは当然でありますが、常に仲間と交流し、社会参加のできる環境を整えることが、ますます重要であると存じます。このため、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建設促進、公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進など、利用に配慮した整備が進められていると伺っておりますし、同時に、盲導犬などの補助犬を公共施設や交通機関等において同伴でき、ホテルやレストランなどの不特定多数が利用する民間施設においても、補助犬の受け入れ義務が適用されると承知をいたしております。
 このような中にあって、県においてはひとにやさしいまちづくり推進指針を策定し、県民だれしもが安心して生活でき、社会参加できるようユニバーサルデザインに基づくまちづくりを推進してきたと存じておりますが、県民意識調査によると、現状評価指数は、平成13年度がマイナス12.5ポイントであったものが、平成14年にはマイナス3.7ポイントと、8.8ポイントも上昇し改善が見られたところであり、関係各位の御努力に敬意を表しながらも、一層の改善を願うものであります。今後、だれしもが安心して社会参加できるひとにやさしいまちづくりをどのように進めるものでございましょう、お聞かせを願いたいと存じます。
 来年、平成15年は地方統一選挙が予定されておりますことは、各位御案内のとおりであります。県民の政治に対する関心が薄れ、このことが投票率の低下を招いていると思われ、まことに憂慮にたえません。県民の選挙離れ、投票率の低下を来している原因について、県選挙管理委員会はどのように認識し、どのような対策をお考えでございましょう、お伺いをいたします。
 国は、国民がより投票しやすい環境を整えることを目的といたし、投票時間を午後8時まで延長する公職選挙法の改正が行われました。しかし、特段の事情がある場合は、投票所を閉じる時刻も繰り上げることが可能であるとしておりますが、近年は、法改正前の午後6時までとする自治体が見受けられるところであります。
 もちろん、そのためには住民意識調査等も参考にされていると存じますけれども、その理由は、午後6時から午後8時までの投票者が少なく、投票率の向上にも余り効果がないこと、また、時間の延長により選挙にかかる費用がかさむこと等が挙げられていると存じます。特に、市町村の議会の議員や首長の選挙にあっては、事前予算のため、経費の節減が理由として挙げられておりますが、しかし、法律を改正して投票できるはずの時間を延長したが、さきに申し上げたような理由で投票できる時間を短縮してよいのでございましょうか。住民意識調査でも、年代によって希望する時間帯が異なるものでございます。投票率向上に特段の方策がないならば、住民の生活の多様化に合わせ、投票環境の向上方策として法で定められたものに制限を加える場合には慎重かつ厳正に判断すべきものと存じますが、県選挙管理委員会としての見解をお伺いするものであります。
 以上、もろもろ申し上げたところでありますが、今後は、各自治体のさらなる財政事情の悪化等から一層厳しくなるであろうことは容易に想像のできるところであります。今日までの先見性を持った御指導、御努力に敬意を申し上げ、今後もさらなる御指導を念じながら私の質問を閉じるものであります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 及川幸郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 この1年ほど見ておりましても、BSEの発生、それから食料品の偽装表示、残留農薬、無登録農薬と立て続けにさまざまなことが起こっておりまして、食の安全の構築というのは急務であるという感を一層強くしております。また、消費者の皆さんも、食の安全・安心ということでの選択性を一層これから強めていくものと考えられますので、こうした消費者の皆さん方の要請に、これまで以上に的確にこたえていくことが大変大切なことだと考えております。
 我々としてやるべきことは、生産面では、農業者の皆さんに対して、農薬の正しい使用の仕方についての啓発と、知識さらには情報を的確に提供していく、それから、土づくりを基本とした減農薬、減化学肥料栽培技術などを一層普及していくことがこれからさらに必要になると思います。また、流通・消費面では、表示を適正にしてもらう。これはもう当然のことでありますが、我々としても、可能な限りトレーサビリティーシステム――履歴を表示する――を導入して、こちらサイドから積極的な情報の発信に努めることが大切なことだと思いまして、こうしたことによって、一連の安全であり、かつ安心できるフードシステムを確立していく考えでございます。
 また、昨年来、全県的な運動として地産地消の運動を進めているわけですけれども、こうした運動を進めることによって、消費者の皆さんは安全で安心な岩手の恵みというものを実感できると思いますし、生産者には自信と誇りを持つことができるような、お互いに顔の見える共生関係の構築にもこれから一層努めていきたいと考えております。
 県では、こうした認識を持ってこれからも農林行政を進めていきたいと思うわけですが、食の安全・安心を岩手からさらに発信するため、部局横断的な新たな組織の設置というものも、今年度中の対応も含め、今、検討しているところでございます。今後とも、こうした安全・安心に軸足を置いて、我が国の中での総合食料供給基地としての地位というものを一層強固にしていきたいと考えております。
 それから、米政策の見直しについてお尋ねがございましたが、米の生産調整というのは、翻りますと昭和46年に本格実施されたわけでありますので、もう既に30年以上経過したものでございますが、この間、こうした措置を導入したにもかかわらず、依然として米価が低迷しているといったこともございます。そのほかのことも含めて、この生産調整についてはさまざまな問題が顕在化していると考えております。こうした状況を踏まえて、先ごろ国の方でも米政策の見直しに向けて検討して、研究会の中間取りまとめが公表されたということで、これは今、議員御指摘のとおりでございますが、私自身も、現在のこの生産調整のやり方については、目標面積が年々拡大される一方で推移してまいりましたので、既にここ数年間、完全に限界感あるいは不公平感というものが行き渡っておりまして、この制度の見直しはもう避けて通れない課題だと考えております。
 先ごろまとめられた中間取りまとめを見てみますと、これまでの生産調整の仕組みを抜本的に改革する内容となっているわけでありますが、こうしたことについては、農業者のみならず関係の皆さんの十分な合意のもとで、いずれにしても円滑な移行が図られるものでなければならないと考えております。
 特に、その中で見ますと、これからも大きな論点になり得ると思いますのは生産調整への参加についてでございまして、農業者が自己の主体的な経営判断に基づいて参加を判断する、こういう仕組みが望ましいものとなっているわけですが、仮にこうした仕組みを導入するということであれば、その実効性を確保するためには、生産調整に参加するという選択肢を選んだ生産者の皆さんに、それにふさわしい相応のメリット措置が講じられることが絶対に必要である、これが最低限の条件だと思いますし、それのみならず、生産から、さらには流通、そして最終的な消費にわたって混乱を来すことのないよう、万全に制度をつくっていかなければならないと考えております。
 県では、中間報告を見まして、今申し上げましたようなことも含めて意見を取りまとめたいということで、県の水田農業推進研究会の意見、それからJAいわてグループの県の方への要請事項も踏まえて、農業者が将来にわたって意欲と展望を持って計画的な営農に取り組むことができる米政策の再構築について、先般、国に対して提案を行ったところでございます。
 それから、構造改革特区についてのお尋ねでございますが、この構造改革特区構想といいますのは、国が今進めております経済活性化戦略の重要な柱ということで位置づけられておりまして、岩手県でも、岩手の持っております恵まれた自然環境や地域資源、それから産業の特性などを十分に生かした取り組みを積極的に展開していく上で、こうした特区構想を使うのも一つの方策であると判断いたしまして、先ごろ国に対して三つの性格の特区について提案を行ったところでございます。
 第1番目が日本のふるさと再生特区というものでございまして、このねらいとするところは、特色あるグリーンツーリズムの推進や都市と農山漁村との共生、農地の再生などによって地域の振興を目指したい、こういうことでございまして、それに伴いますさまざまな法規制の緩和などをその中に盛り込んだものでございます。
 それから、二つ目の地域分散型総合クリーンエネルギーシステム特区、名前が少し長いんですが、クリーンエネルギーを促進するような性格の特区を提案してございます。この中身は、風力やバイオマス、地中熱などのクリーンエネルギーの導入に向けた先導的な研究・開発・実証をさらに推し進めたいということで、それに必要な法規制を緩和することを盛り込んだものでございます。
 三つ目がITを核とした産学官連携特区というものでございまして、これは、ITという一つの手段を基軸として、研究開発のさまざまなシーズを活用して、民間企業との共同研究の推進や、それによる、願わくは新事業の創出というところまでを促進していこう、こういった内容を取りまとめたものでございます。
 現在、国の方では、こうした特区構想これは全国でもかなり数多くのものが出ていますがの制度化に向けた法令整備を進めている段階にございますが、今後、本県が提案いたしましたこの三つの内容が、今進めております国の制度に確実に反映されるよう、私どもとして強く働きかけをしていく考えでございます。
 また、提案した特区の範囲につきましては、それぞれ今申し上げました三つのものとも性格が違いますので、それぞれの地域の実情を十分に勘案することが必要だろうと思いますし、また、三つの性格に沿った市町村や民間団体などとの具体的な調整もかなり進めなければならないだろう。そうした上で範囲なども調整していきたいと思っておりますので、そうした実現に向けての動きが出てきた場合には、そういったことも十分に行った上で決めていきたい、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いいたします。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 市町村条例による農地利用についてでありますが、国は、農山村地域の活性化を図るため、優良農地の一層の保全と農地の多様な利用を促進する新たな仕組みの構築に向けて、有識者懇談会を設置し、検討してきたところであります。具体的には、市町村が制定する条例に基づきまして、集落等における農地所有者みずからが、例えば農地等の保全区域、都市住民の農業参入区域、田園居住区域などのゾーニングをし、土地利用調整を図ろうとするものであります。
 この懇談会におきましては、農地所有者が主体的に望ましい土地利用が実現できるという面で評価する一方、必要以上に田園居住区域のゾーニングがなされ、結果として優良農地が虫食い状態にならないか、あるいは、都市住民の農業参入区域において途中で耕作放棄にならないかなど懸念する意見も出されております。国では、こうしたことを踏まえながらさらに検討を進めることとしておりますので、県といたしましても、国の検討状況を見ながら、本県の実情を踏まえて提言してまいりたいと考えております。
 次に、農業所得の実態についてでありますが、近年、農畜産物の輸入量の増大などによって生産者価格が低下し、農業所得が年々減少している状況にあります。平成12年の販売農家1戸当たりの農業所得は、ウルグァイ・ラウンド農業合意が実施された平成7年に比べ約35%減少しており、その中でも、経営面積が3ヘクタール以上と規模の大きい経営でも約30%減少しております。特に、本県農業の基幹作目であります稲作の所得は、経営規模にかかわらず全体的に減少している状況にあります。
 こうしたことから、農業経営の維持・発展を図るためには、所得の確保が極めて重要な課題でありますので、これまで以上に生産の合理化あるいは生産・流通コストの低減など、農業所得の向上に向けた取り組みを一層支援してまいらなければならないと考えております。
 次に、県内市町村別食料自給率の活用についてでありますが、これは、国が毎年公表しております都道府県別の食料自給率の算定方法によりまして、本県でも市町村別に算定したものであります。この方法はカロリーベースによるものでありますので、同じ生産量でも、カロリーは穀類や肉類の方が野菜、果物に比べて大きくなります。このため、本県の試算結果でも、内陸部の稲作主体の地域や肉類、魚介類の生産量が多い地域ほど自給率が高くなっております。このようなことから、市町村別の食料自給率は、地域の食生活上の栄養バランスあるいは食料消費量を示したものではございませんで、それぞれの地域の生産で地域の食料消費量をどの程度賄っているかということを知っていただこうとするものであります。
 県といたしましては、多くの県民にこの食料自給率に関心を持ってもらい、また、地域の農林水産業が食料の安定供給に果たしている役割についても理解を深められることを期待しているものであります。
 次に、BSE対策についてでありますが、昨年9月の我が国で初めてのBSEの発生は国全体を揺るがす大きな問題となったところでありますが、消費動向、生産者価格などを見ますと、昨年末の3頭までと比べ、本年5月の4頭目、8月の5頭目の際は大きな混乱は生じておらず、全体的に冷静に受けとめられているものと考えております。これは、農場段階におけるBSEの監視、食肉処理場におけるBSE全頭検査、さらには、一次検査陽性牛の確認検査など二重、三重の検査が行われる体制にあること、また、検査結果に基づく情報開示が迅速に行われていることなどにより、安全な牛肉のみが流通されていることが消費者に理解されてきたものと考えております。
 県といたしましては、こうした消費者との信頼関係を築くことの重要性を十分認識し、今後とも、トレーサビリティーシステムの導入による生産情報の発信、適正表示に対する指導の徹底など、農林水産物全般にわたり、食の安全・安心の確保の観点から施策の充実・強化に努めてまいる考えであります。
 また、肉骨粉の処理につきましては、現在、県内5カ所、宮城県2カ所の7カ所の施設において1日当たり約45トンの肉骨粉を焼却していただいておりますが、御指摘のように、日々の生産量は焼却量を上回っている状況にあります。このため、先般、焼却能力において最も期待できますセメント工場に対しまして焼却量の一層の拡大を要請してきたところであり、太平洋セメント株式会社におきましては、このための施設等の改善について具体的に検討をいただいているところであります。また、受け入れについて具体的な検討を進めていただいております県内外の一般廃棄物処理場に対しましても、早期焼却開始について強く要請しているところであります。いずれにいたしましても、この問題の解決のためには、ぜひ御理解をいただき、より多くの施設で受け入れていただきたいものと考えているところであります。
 次に、今後の園芸振興の取り組みについてでありますが、生産調整の拡大と米価の低下などによりまして農業所得は年々減少してきており、これを補てんするためには、園芸を戦略部門として位置づけ、その振興を図ることが極めて重要であると考えております。このため、現在、関係機関・団体が一丸となっていわて純情園芸産地パワーアップ運動を展開しているところでありますが、この基本的な考え方といたしましては、県内それぞれの地域において、関係者が一丸となってキャベツやリンドウに見られますような全国に誇れる拠点産地を育成することによりまして、園芸主産地としての市場優位性を高めようとするものであります。
 こうした取り組みをより確実なものとするため、転作田や低利用農地の利用促進、省力機械・施設等の導入・拡大、県オリジナル品種の開発・普及などの対策を強化いたしますとともに、消費者の安全・安心意識の高まりにこたえ、県下全域でのエコファーマーの育成にも努めながら、一層園芸の振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、農畜産物の生産コストとその低減対策でありますが、国の調査によりますと、本県における農畜産物の生産コストは、米につきましては60キロ当たり1万5、435円、小麦は1万7、736円となっており、コストに占める物財費の割合は、それぞれ約6割、そして5割となっております。また、畜産につきましては、肥育牛は100キロ当たり11万5、248円、肥育豚は2万425円となっており、コストに占める物財費の割合はどちらも約9割となっております。
 近年、生産費のうち物財費は横ばい、ないし低減傾向にありますが、一方で生産物価格の低迷により農業所得は低下している状況にありますので、今後とも、農地の利用集積などによる農業機械の効率的利用、省力化技術の開発、生産資材の適正使用など、総合的な観点から生産コストの低減に努めてまいる必要があると考えております。
 次に、債務超過農協の実態についてでありますが、平成10年に債務超過の状態にあった6農協につきましては、県からの貸付金、系統団体等の資金援助の結果、平成12年度末までに債務超過状況から脱却し、それぞれ広域合併したところであります。
 また、県内の農協の経営実態についてでありますが、現在、債務超過の状態にある農協はありませんが、自己資本比率が低下し、また、繰越損失金が生じるなど経営上の課題を抱えている農協もあります。県といたしましては、こうした農協について、系統団体と密接な連携を図りながら、個別具体に指導、助言を行っているところであります。
 次に、松くい虫対策についてでありますが、本県では、昭和54年に初めて被害が県南部で確認されて以来、松くい虫駆除対策を実施し、県北部への被害の拡大防止に努めてきたところであります。しかしながら、近年、夏の高温少雨などにより、御指摘のとおり、現在、被害地の北端が紫波町に達するなど23市町村で発生し、平成13年度の被害量は約5万立方メートルと、過去最多の状況となっております。
 このため、県といたしましては、岩手県松くい虫被害対策推進要綱に基づき、被害地域別に定めた被害防除方針により、先端地域等では防除監視帯の拡充・強化や繰り返し駆除等の実施による被害の根絶化に努めるとともに、高被害地域等では薬剤散布や樹種転換等によりその軽減化を図っているところでありまして、今後とも関係市町村等と連携して被害地域の実情を踏まえた防除対策を実施し、被害地域の圧縮と被害量の減少に努めてまいります。
   〔総合政策室長佐藤勝君登壇〕

〇総合政策室長(佐藤勝君) 地域通貨についてでありますが、現在、全国各地でそれぞれの地域の実態に応じた特色ある地域通貨が発行され、その対象となる活動は、環境保全から福祉、教育など多様な分野に及んでおり、また、仕組みが一様ではないことから、その数は全国でも50地域あるいは100地域とも言われております。これらの地域においては、新しい人と人とのつながりができた、コミュニティーの一体感が強化された、あるいは、地元の商店街に活気が戻ったなどといった成果が報告されております。
 本県におきましても、盛岡市内におけるシネマストリートプロジェクトの取り組み、去る9月15日に市民の手により開催された地域通貨セミナー、遠野地域におけるグリーンツーリズムと連携した実証事業など、徐々ながら導入の機運が高まってきているところであります。
 従来の法定通貨による貨幣経済ではカバーすることができなかった新しい価値をみずから創造することで地域づくりを進めようという手法は、まさに本県が目指している自立・参画・創造による地域づくりに通じるものがあり、地域の活性化を図る上でさまざまな効果があると考えております。導入に当たりましては、参加の合意形成であるとか流通形態の組み立てなど、それぞれの実情に合わせた工夫と知恵が求められていることから、地域やコミュニティーにおける積極的な研究、導入に向けた取り組みに期待しているところであります。県といたしましても、可能な限りこれに応援をしていきたいと考えております。
   〔商工労働観光部長照井崇君登壇〕

〇商工労働観光部長(照井崇君) 今後の雇用対策についてでありますが、本県の有効求人倍率は、本年7月現在、全国平均の0.54倍を下回る0.40倍と依然として低水準で推移しており、また、年齢や給与、技能等の雇用条件や希望職種などに関する、いわゆる雇用のミスマッチが数多く見られるところであります。
 県におきましては、こうした状況に対応し、よりきめ細かな雇用対策を推進するため、各地方振興局を通じ、県内各地域の実態の的確な把握に努めながら、今般、岩手県総合雇用対策を改定したところであります。
 具体的には、まず、緊急地域雇用創出特別基金等を活用した市町村事業の大幅な拡大を図り、より地域に密着した即効性の高い雇用や就業機会の創出を図るとともに、中期的な視点から本県経済の自立的成長を促進するため、引き続き中小企業の経営革新や創業を支援するほか、新たに、誘致企業の撤退などに伴い離職した技術者を活用し、産学官連携による高度な実用化技術の研究開発を進めるなど、各般にわたる産業支援の充実に努めてまいります。
 さらに、国等との密接な連携のもと、より一層の求人開拓に努めるとともに、雇用のマッチングを支援するため、求職者への雇用関係情報の一元的な提供や職業能力向上のためのアドバイス等を行う――仮称でございますが――就業支援センターを今年度中に各地方振興局に設置することとしております。
 県といたしましては、今後とも雇用情勢の変化を踏まえ、県民や地域のニーズをより一層的確にとらえながら、総合雇用対策の着実な推進を図り、県民生活の安定に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) ひとにやさしいまちづくりについてでありますが、ユニーバーサルデザインの考え方は、高齢者や障害者はもちろんのこと、妊婦や子供、外国人などを含め、すべての人が日常的に使う製品や建物などをできるだけ利用しやすいようにデザインしていこうという考え方であります。
 こうした考え方に基づき、従来から進めてきた段差のない歩道の整備、障害者や子育て中の母親にも使いやすいトイレの設置などの整備に加え、乗りおりしやすい低床バスの導入、高齢者や障害者でも不便を感じることなく買い物ができるような店づくり、大きい文字を使用した読みやすいパンフレット等の作成、外国人のための英文などの表記、また、歩道に自転車を放置しないなど、日常生活の不便さを取り除く工夫や配慮についての取り組みを進めることとしております。
 このように、ユニバーサルデザインは日常生活全般にかかわることでありますので、各地域ごとに通称バリア発見隊などをつくり、地域の人々が施設の設置者や経営者などと相談しながら、利用者の立場でみずからの地域を見直していく活動を推進しているところであります。さらには、このような取り組みを県民に理解していただくため、ことしの12月に、県外から研究者等をお招きしてユニバーサルデザイン国際シンポジウムを開催し、これを契機に、さらに多くの県民にひとにやさしいまちづくりに取り組んでいただき、県民運動的な活動に発展させてまいりたいというふうに考えております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕

〇教育長(五十嵐正君) 高校生の就職支援のための取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、高校生の就職は非常に厳しい状況となっており、就職希望者に対する支援が極めて重要となっております。県教育委員会では、各校の求人開拓などを支援するため、昨年度34名配置した就職支援相談員を本年度は67名に増員し、就職希望者の多い学校63校に配置をしたところであります。
 各校の就職支援相談員は、求人開拓や生徒の就職相談に積極的に取り組んできており、特に今年度は各地方振興局と連携しながら、これまで県内約250事業所を訪問して求人先の開拓を行っております。また、今年度新たにジョブ・サポート・ティーチャー4名を4地区の学校に配置し、各地区の生徒や保護者の職業選択に関する相談機能の充実を図るとともに、生徒一人一人に応じた進路指導及び求人開拓のあり方について、実践的研究を進めているところであります。
 一方、各学校では、生徒の望ましい職業観や勤労観の育成を図るため、インターンシップや企業見学、企業人を講師とした特別授業等を積極的に実施しており、特にインターンシップにおいては、平成13年度には、昨年度より約1、000名多い約4、000名の生徒が取り組んだところであります。さらに、県教育委員会では、本年8月に岩手労働局とともに、県内経済団体に対し採用枠の拡大要請を行っておりますが、今後とも関係部局との連携を図りながら、高校生の就職支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
   〔選挙管理委員会委員長岩崎康彌君登壇〕

〇選挙管理委員会委員長(岩崎康彌君) まず、投票率の低下の原因とその対策についてでありますが、投票率の低下は全国的な傾向であり、本県におきましても低下傾向が認められるところであります。
 最近の国政選挙や統一地方選挙後に行われましたアンケート調査の結果によりますと、棄権の理由として、他に用事があったから、選挙には余り関心がないから、政策や候補者など、よくわからなかったからなどという回答が挙げられております。このため、県選挙管理委員会といたしましては、不在者投票の一層の活用を呼びかけるほか、地域における明るい選挙推進運動のリーダー養成研修などの各種啓発活動や、テレビ、ラジオ等による選挙広報の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、投票所閉鎖時刻の繰り上げについてでありますが、第一義的には、地域の実情に通じた市町村選挙管理委員会が、みずからの責任において投票所ごとに決定すべき事項でありますが、選挙人の便宜を拡充する観点から、投票時間が延長された公職選挙法の改正趣旨にかんがみ、投票所閉鎖時刻を繰り上げる場合には慎重に判断すべきものと考えており、市町村選挙管理委員会に対し、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。

〇議長(谷藤裕明君) 次に、菅原温士君。
   〔41番菅原温士君登壇〕(拍手)


前へ 次へ