平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇34番(伊藤勢至君) 自由党の伊藤勢至でございます。
 議案第5号循環型地域社会の形成に関する条例について、原案に賛成し、環境福祉常任委員長から報告のありました修正案に反対の立場で討論を行います。
 本条例案は、第1条の目的に、岩手県環境の保全及び創造に関する基本条例の基本理念にのっとり、廃棄物の発生抑制及び適正処理並びに循環資源の循環的な利用を図るための措置その他必要な事項を定めることにより、循環型地域社会の形成のための施策を推進し、もって現在及び将来の県民の健康で快適な生活の確保に寄与することをうたっております。
 さて、この循環型地域社会の形成を推進するためには、廃棄物の発生を抑制しリサイクル、すなわち、再生資源の利用が不可欠でありますが、一方では、再生資源を利用して製造した製品は生産コストが割高であることや、規格の統一性や品質に対する不安から需要が伸びず、勢い供給も伸びないという状況に陥っているのであります。このため、このように再生資源を利用して製造した製品の信用を高め需要を拡大する必要があり、今般提案された循環型地域社会の形成に関する条例案において、このような製品で一定の基準に適合するものを県が再生利用認定製品として認定すると同時に、県はその認定製品を優先的に購入、使用に努め、また、県民、事業者及び市町村等に対し周知に努めることとするものであります。
 残念ながら、常任委員会の審査では、制度の詳細な内容まで条例に明示し、県民に提示するためとして再生資源利用認定製品の認定について、第三者からの意見聴取手続の明示、認定申請者への製造予定者の追加、県の購入及び使用状況の公表の義務づけ、県営工事に認定製品を使用した場合の掲示及び使用の促進のための技術的助言を加えることで原案を修正することとしました。しかし、第三者からの意見聴取手続については、もとより、多様な分野の方々から広く意見をお聞きするという運用を行うとのことであり、むしろ多様な分野にわたる技術の進歩等に対応する必要があることから、申請の内容に応じ適時適切に適当な方から意見をお聞きするためには、より弾力的かつ柔軟な対応が可能となる運用の方が適当と考えるものであります。
 また、認定申請者への製造予定者の追加については、原案においても製品を製造する者とされており、これから製造しようとする者も申請できることから、修正案の趣旨は十分盛り込まれており、むしろ製造予定を明示すると、運用次第では実際には販売しない商品も対象となることも懸念されることから、修正は適当ではないものと考えるものであります。
 県の購入及び使用状況の公表の義務づけにつきましても、もとより情報提供を進める方向で検討を進めているとのことであり、特段規定がなくとも不足はないものと考えるものであります。県営工事に認定製品を使用した場合の明示につきましても、工事箇所によっては掲示が困難である場合が想定されること、または、公平な立場にある県が特定の商品をPRするとの印象を与えかねないことから、規定は不要であると考えるものであります。使用の促進のための技術的助言につきましても、県の責務を規定した第3条において、県は市町村等による循環資源の循環的利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとしており、また、第32条において、知事は市町村等に対し条例の目的を達成するために必要な指導及び助言をすることができるとしており、修正案の規定はこれらと重複するものであり不要であると考えるものであります。
 以上の理由から、再生利用の促進については、原案の内容で十分修正案の趣旨が盛り込まれており、弾力的かつ柔軟な対応が可能であることから修正の必要はないと考え、原案どおりとし、改めて循環型地域社会の形成のための再生利用の促進に向けた施策を展開されるよう強く求め、修正案に反対の立場での討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(谷藤裕明君) 次に、藤原泰次郎君。
   〔31番藤原泰次郎君登壇〕

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