平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(柳村岩見君) 自由民主クラブの柳村岩見でございます。
 先輩・同僚議員の皆様の御配慮によりまして、当選以来5回目となります一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げ、通告に従い、順次お尋ねしてまいります。
 まず、平成15年度の予算編成方針についてでありますが、県では、既に平成15年度の予算編成方針を示し、知事の方針があってのことと思いますが、副知事通知や総務部長の平成15年度の予算要求要領が示されているところであります。プライマリーバランスの均衡を早期に達成するため、公共事業については、国庫補助事業及び県単独事業とも、原則として、前年度当初予算における公共事業の予算額に85%を乗じた額の範囲内で要求することとしております。反面、施策の立案に当たっての配慮点では、県政懇談会における提言等県民の要請を十分に検討すること、地域課題に対応した施策を可能な限り反映させるよう、地方振興局との協議・調整を十分に図ることとしております。この二つのことは相反することであり、公共事業15%カットの中で、県政懇談会における提言や県民の要請を十分検討した予算編成となるのかどうか、まことに心配されるところであります。このことについてと、平成15年度の予算編成方針の考え方をお尋ねいたします。
 もう一つの角度からでありますが、国の経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002の存在や、県の財政状況から多額の財源不足が見込まれ、限られた財源の重点的かつ効果的な活用が必要とされる中、各部局からの予算要求過程にあって、県民の要望が多々ありながらも大なたを振るって要求をまとめてくるをよしとし、職員の皆さんが施策を立案し、推進する意欲をそいでいないか、大いに心配されるところであります。このことに対する配慮、対策についてお尋ねしておきます。
 昨今、国の厳しい財政事情により県や市町村財政が大きな影響を受けておりますが、厳しい財政下にあっても最大の努力をされている知事や市町村長がおられるのもまた事実であります。一部の知事や首長の中には、ないものはないと、開き直ったとも言える発言も見られるところであります。時々の指導者は、各種の困難や厳しさの中でも、歯を食いしばって最大の努力をされてきた姿を歴史は教えてくれております。増田知事は、厳しい財政下の中、県としてどう努力をし、また、国や政権与党に対してどんな努力をされてこられたのかお尋ねいたします。
 次に、環境問題についてお尋ねいたします。
 増田知事は、環境、ひと、情報を岩手の未来を拓く三つの視点に掲げた新しい岩手・21世紀へのシナリオ岩手県総合計画を平成11年8月に策定し、それに基づいて県政を進めておられます。特に、三つの視点のトップに環境を挙げておられるわけですが、こうした内容の総合計画立案中にも、既に日本最大と言われる産業廃棄物不法投棄が岩手県と青森県の県境に進行していることを気がつかずにいたということであります。
 それに前後して知事は岩手県を環境首都と宣言しておりますが、県南に参りますと、遅々として改善が進まない太田油脂産業の悪臭問題があります。環境を県政の最重要課題に掲げる知事にとって、こうした事件の発生や未解決となっている公害問題の存在について、どのような認識をされているのか最初にお尋ねいたします。
 10月24日、自由民主党県連政務調査の県議団で、悪化が進んでいる太田油脂産業の化製工場を現地調査して参りました。この工場は、専門家からも、戦後のどさくさのときは全国各地で同じような悪臭をまき散らす工場はあったが、周囲の目が厳しくなった今日、改善が進んだ現在の日本においてこのように悪臭のひどい工場があるとは驚いている、間違いなく日本で一番臭いとのお墨つきをいただいているのであります。私どもの調査でも、まさにその状況は阿鼻叫喚の世界であり、地域住民の悲痛な叫びを聞いてまいりました。
 その悪臭は、地域周辺のみならず花巻市の市街地まで及び、風向きによっては近隣の東和町、石鳥谷町まで及んでいる状況とのことであります。近くにある宮沢賢治記念館を訪れる観光客は年間20数万人を超えると伺っておりますが、その観光客は、バスをおりるや否や吐き気を催したり、バスから一歩もおりない子供もいるということであります。宮澤賢治の世界にあこがれてきた、全国からはもちろん海外からの来訪者の心からはイーハトーブの世界が毎日毎日崩れ去って、環境首都いわてを標榜する我が県がこのような状況を許していることは岩手の恥であります。しかもこの工場は、化製場等に関する法律により、県知事の許可を受けて連日24時間フル操業しているのであります。私は、県の責任は重大であると思うのですが、どのように考えておられるのかお尋ねいたします。
 また、県においては、水質汚濁防止法違反の件で、ここ数年間、毎年のように施設改善命令を出していると伺っておりますが、その改善状況はどうなっているのでしょうか。その場しのぎ、一時しのぎの改善で済ませているのではないでしょうか。私は、抜本的な改善を求めるべきと考えておりますが、どのように考えておられるのかお尋ねいたします。
 総合食料基地を標榜する本県農業にとりまして、畜産振興は重要な政策であります。平成12年度の本県の農業所得統計では粗生産額の42%を畜産で占めており、その中でもブロイラーは生産を伸ばして15%の445億円の実績があり、全国第3位となっております。
 そのような中で、食生活の多様化に伴って増加する畜産副産物の適正な処理とその有効活用を図っていくことは、本県の畜産振興において重要な役割を担っております。畜産副産物の処理については、原料発生地及び環境に優しい場所等で処理されることが望まれますが、県では、家畜排せつ物、動植物性の残渣等の処理も対象とした資源循環型モデル施設整備に係る基礎調査を行うということですが、畜産副産物も処理できるよう検討の中に位置づけておられるか、その考えについてお尋ねいたします。
 また、資源循環型モデル施設の運営に当たって、岩手県を初め、関係市町村、産業団体及び会社の組織など、その運営主体についてどのようにお考えになっているのかお尋ねいたします。
 その基礎調査のスケジュールについてもお尋ねしておきます。
 次に、岩手・青森県境の大規模な産業廃棄物不法投棄問題で、両県や国、専門家が原状回復策を探る合同検討委員会の技術部会が今月9日、青森市内で開催されました。この会合では、有害廃棄物の基準や処理方法を検討するため、両県のこれまでの調査結果を統一したデータとして提出するように求めたほか、現地周辺の住民に最も影響が出てくる問題として地下水脈や水路への汚染拡散防止対策を挙げ、実際に廃棄物が投棄された場所でなくても地下水の流動は広範囲に分布する可能性があるため、現場全体での地下水分布図や汚染拡散予測図を作成してはとの提案があったとされております。そのことに対する考え方、対応についてお尋ねいたします。
 次に、農業振興についてお尋ねいたします。
 最初に、主要農作物の今年の作柄と販売価格の動向についてでありますが、2002年の本県水稲の作況は、地域別には、北上川上流、同下流がともに100、下閉伊、北部は101で、いずれも平年並み、東南部は、平均気温の上昇などで登熟が進み104のやや良となっており、全県下平均では平年並みの100という指数が発表されております。水稲の平年並みの収量が確保された状況で、県産米の販売が好調なようであります。先日行われました全農県本部と卸業者との直接取引の初回分成約率は97.9%と全国の上位で、全国平均成約率89%を上回り、品質面でも、一等米比率91.4%、全国2位の高さと報告されております。
 従来から減農薬栽培など限定純情米で生産者段階の生産履歴記帳に取り組み、本年度は一般栽培を含むいわてっこも記帳を実施したことや、県外の加工業者と協力し、全国に先駆けて無菌加工炊飯パックで生産履歴情報を提供する取り組み等が評価されたようであります。昨年産の首都圏の卸業者による産地偽装表示問題の影響などで約2万トンの売れ残りが出た状況と打って変わった滑り出しで、喜ばしい限りであります。生産農家を初め、関係機関各位の努力のたまものと敬意を表する次第であります。
 そこで、米を初めとして、本年の主要農作物の作柄と販売価格の動向についてお尋ねいたします。
 BSE問題で価格の低迷が続いておりました子牛や牛肉の最近の価格動向についてお尋ねいたしますし、今こそ岩手ブランドとしての販売促進策が求められるところであります。販売促進策についてもお尋ねいたします。
 県は、昨今の食品に関するさまざまな事件、事故が続いていることから、食の安全安心プロジェクト・チームを設置いたしました。これは、食の安全・安心に対する県民の不安を払拭し、その信頼を確保する必要から、消費者の視点に立ち、生産段階から消費段階に至るまでの総合的な食の安全及び安心の確保のための方針や、条例制定による県民が参加する委員会の設置等を検討するとしておりますが、組織、所掌事務及びスケジュールについてお尋ねしておきます。
 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律により、野積み、素掘り等の不適切な管理については平成16年10月末日までに解消する必要があることから、県は、家畜排せつ物の利用の促進を図るための岩手県計画を策定し、この計画のもと、平成16年度を目標とする整備目標数を定めるほか、平成20年度における家畜排せつ物の農業での利用目標を383万トン、利用率80%とすることとして取り組んでおります。推進状況が大変心配されるところであります。推進に当たっては、畜産業を営む農家はもとより、県、市町村、農業団体等関係者が一体となって取り組むこととなっておりますが、全体の推進状況がどうなっているかについてお尋ねいたします。
 市町村や市町村議会、関係団体から、牛海綿状脳症の影響により、廃用牛・子牛価格の低迷、牛乳生産量の減少及び飼料代が増大するなど酪農家の経営は危機的状況にあることから、平成16年度まで設けられている経過措置の期限延長の要望が強く、多く出されております。県の国への要望はどうなっているのか、その状況、御認識についてお尋ねいたします。
 次に、本県の構造改革特区構想についてお尋ねいたします。
 県は、国が地域限定で規制緩和する構造改革特区構想に対し、ふるさと再生特区、地域分散型総合クリーンエネルギーシステム特区、IT産学官特区を提案いたしました。県の特区構想3案の内容についてお尋ねいたします。
 10月11日、国の構造改革特区推進本部会議が開かれ、構造改革特区推進のためのプログラムが決定いたしました。本県提案11項目が採択されたわけですが、満足するものにはなっておらないようであります。規制改革に消極的な省庁の抵抗や民間企業の参加への障壁などがあり、今後においても不透明感はありますが、一連に対する御認識と、再募集や規制緩和の追加策の取りまとめの方針も示されておりますことから、今後の取り組みについてお尋ねいたします。
 次に、IGRいわて銀河鉄道の沿線地域の振興と利用促進についてお尋ねいたします。
 東北新幹線盛岡-八戸間は、3日後、12月1日に開通となります。同時に、並行在来線盛岡-目時間は、いわて銀河鉄道株式会社に移管開業されます。開業に向けて取り組んでまいりました関係者各位に感謝と敬意を表するものであります。
 いわて銀河鉄道株式会社の経営計画が順調に推移しても、収支予測で単年度黒字は開業6年後、完全黒字転換は19年後と、極めて厳しい経営見通しであります。沿線市町村と、そこに住む人たちにとってマイレール意識が求められるところでありますが、沿線地域の振興につきましては、広く県民の皆様の御理解をいただきたいものであります。
 「夢県土いわて21」岩手県総合計画、同地域計画における盛岡以北の位置づけ、振興策、盛岡北部地域学園都市整備ビジョンの推進が願われるところでありますが、これらを包括したいわて銀河鉄道沿線の振興計画が必要であると考えます。それだけいわて銀河鉄道の経営状況は、今後、県民にとって重大なことであります。現段階での沿線地域のポテンシャルについての御認識と今後の振興策、さらに、振興計画を策定して長期的な取り組みのお考えがおありになるのかお尋ねいたします。
 いわて銀河鉄道開業時における利用促進策についてでありますが、県は11月25日、県と沿線6市町村によるいわて銀河鉄道利用促進協議会を設置することを決定いたしました。今後、同協議会で連携とともに検討していかれると思いますが、協議会の位置づけについてお尋ねいたします。
 利用促進について、既に各地の広域交流センターイベントとタイアップした企画切符の販売や開業記念1日乗り放題きっぷ、冬の期間でありますが、奥中山高原きっぷ冬物語の販売があるようでありますが、開業イベントとあわせて、これらの利用促進策についてお尋ねいたします。
 第57回国民体育大会は、10月26日より31日まで、高知県高知市ほか34市町村で秋季大会が開催され、終了いたしました。本県の成績は、男女総合成績――天皇杯――では全国43位で、昨年の38位より5位下回り、女子総合成績――皇后杯――では47位で、昨年の41位より6位成績を下げた結果となっております。天皇杯部門だけ見ても、第53回大会をピークに、ここ数年24位から30位、36位、38位と順位を下げてきてのことしの結果であります。年々下降傾向にあり、本県スポーツ界のために抜本的な振興策が急務であると考えます。
 知事は、11月11日の知事記者会見において、記者の質問である国体のあり方、開催県が天皇杯獲得にならなかった橋本知事の国体運営と選手強化策のあり方についての所感を求められ、これに答える形で、ずっと開催県が優勝していたものが、今回実に数十年ぶりにそこが崩れたということですが、これは問題提起として大変重大なことであり、よかったのではないかと私は思っています、国体の開催そのものが、かつては意味があったにしても今は意義が非常に薄れていて、やめたらどうかという意見も多分国民の中にはかなりあるのではないかと思いますと答えられ、後段では、若い人たちのスポーツ振興等は大変大事なことですし、その条件整備をしていくことが大変必要だと思いますとも答えておりますが、人間にとってのスポーツ、スポーツと国体のあり方に対する知事のお考えについてお尋ねいたします。
 教育委員長には、学校教育におけるスポーツ活動の位置づけと、その発表の場とも言える各種大会のあり方についてお尋ねをいたしておきます。
 県では、本年度からスタートさせた地域シンボルスポーツ推進事業を初めとする競技力向上推進事業として、選手の育成強化、指導体制の整備、体制の確立、環境の整備等を進めておりますが、その全体対策費は東北6県で最も少ない1億3、200万円で、対策費東北第5位の山形県とも2、000万円以上の開きがあり、大きくおくれをとっております。人間にとってのスポーツを思いますとき、これでいいのか、財政の厳しい時代にも歯を食いしばってやっていかなければならない施策はあるはずだと考えるのでありますが、教育長の御認識と対策についてお尋ねいたします。
 盛岡西リサーチパークは、平成9年11月より分譲開始をして以来、6社との立地調印をし、現在4社が操業いたしております。分譲済み面積は、18区画中6区画で約3.24ヘクタール、全体の28.5%であります。必ずしも順調とは言えませんが、大変健闘している状況と思います。導入業種は、いわゆる頭脳立地法による特定16業種でありますが、昨今の経済状況の中で、少し緩やかな解釈が望まれるところであります。今後の盛岡西リサーチパークへの企業誘致の見通しについてお尋ねいたします。
 また、地域産業の創出、育成並びに企業のニーズにこたえるという観点から、盛岡西リサーチパーク内におけるインキュベート施設の整備が要望されておりますが、整備に向けた取り組みと見通しについてお尋ねいたします。
 盛岡市南仙北二丁目を起点として盛岡市上米内に至る延長33キロ620メートルの主要地方道盛岡環状線は、盛岡都市圏の西側地区を通過するバイパスとして重要な路線であり、その抜本的改良整備が望まれております。しかしながら、現下の厳しい経済状況において、現在、緊急性の高い滝沢村におけるこの県道の渋滞対策については、県単渋滞スポット解消街路事業などにより数カ所について取り組んでいただいているところであります。この県単渋滞スポット解消街路事業は、平成11年度から15年度までの5カ年において、都市計画道路で、緊急性が高く、小規模改良により効果が大きく発揮される箇所について事業が進められているものであり、効果の高い事業であると認識いたしております。
 このように、県独自の事業によっても渋滞解消に取り組んでいただいておりますが、盛岡環状線の路線上には、盛岡ガス滝沢工場入り口交差点の右折レーンの設置など、まだ交通渋滞箇所が数多くあります。県としては、今後、この県道の重要性に対する認識と渋滞対策についてどのように取り組まれるおつもりかお尋ねいたします。
 国道4号茨島跨線橋から分レ交差点間の拡幅改良整備については何度か一般質問をさせていただいておりますが、国からの都市計画決定の要請が整備への大きな前進要素と考えるものでありますが、これについての御認識と見通しについてお尋ねをいたしておきます。
 今月21日、盛岡市と滝沢村の自治会で組織する木賊川、巣子川の抜本的な早期改修を求める会が知事に抜本改修を要望いたしました。両河川地域住民は長年にわたり水害に悩まされ、その危険にさらされております。希少野生動植物の出現や、隣接地域での団地開発計画等による諸葛川への分流等見直しが必要として平成14年度見直し作業が進められていると思いますが、その状況と、希少野生動植物について専門家の意見を聞く環境調査の結果及びスケジュールをお尋ねいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 柳村岩見議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、平成15年度の予算編成についてですけれども、これは、当初は骨格予算、そして6月時点でいわゆる肉づけの部分を出して編成をしようということで今考えておりますけれども、今の地方財政をめぐる客観的状況は、国におきまして地方交付税制度の改正をするということで、それによって地方交付税が減額されるであろう、また一方で、景気低迷によりまして税収もかなり減るであろう、こういうことが見込まれております。こうした中で、本県の財政状況も、歳入確保が大変難しい状況の中で、さらには多額の県債残高も抱えておりますし、全体的には財政が硬直化してきている状況にございますので、予算編成に当たりましては、まず、プライマリーバランスの均衡を早期に実現する、これを基本として予算編成方針を策定したところでございます。この方針を基本としながらも、さまざまな地域課題、そして県政懇談会などでの提言や県民の要請などに的確にこたえていく必要がありますので、政策形成・予算編成システムを新しくつくり直したところでございます。各部局が主体的に施策・事業を企画立案して、庁議メンバーによる政策評価・推進会議というところに提案をして、そして総合計画の関係で内容を決めていく、こういう新しいシステムに編成をして、現場に一番近い部局に主体性を持って適否をより的確に判断をしてもらおうと、こういうことに仕組みを変えたところでございます。
 また、職員の取組姿勢についてですけれども、こうした新しい予算編成システムは、今申し上げましたように、各部局の一層の自主性の発揮と自己責任の明確化ということにつながっていくということでございまして、政策評価の方とこうした予算編成とをお互いにうまく連携づけることによって、今議員の方からも話がありましたような、県民のさまざまな要請や地域課題に的確に対応していくということにつながっていくものと、こういうふうに考えております。職員も所掌事務の中で責任を持って、主体的に企画・立案していくということがこれまで以上に求められますので、自主性や自立性が一層はぐくまれると、そして意欲も向上すると、こういうふうに考えております。
 それから、国などに対する働きかけですけれども、これはこういう時代であるからこそ、地方からの声を大きく上げる必要があるだろうと。今まで以上に大きく上げていく必要があるだろうと、こういうふうに思っておりますので、いろいろな活動を今やっておりますけれども、例えば全国知事会の中で、地方税財源のあり方に関する検討会というのがありますが、その中に入って、全国知事会という組織の中で、こうした地方税財源についてのさまざまな知事会としての提言に結びつくような、そういう活動をしておりますし、それから、慶応大学の榊原教授が主宰している地方分権研究会というものに何県かの知事とともに参画をして、具体的なプロジェクト、地方発のプロジェクトを動かしていこうということで、今、研究を進めております。
 それから、昨日も御質問があったんですが、国庫補助負担金の廃止、縮減につきまして、地方分権改革推進会議の方で報告が出ましたので、これに対して緊急提言を行ったり、さらには、東北選出の国会議員などで構成される自民党の東北地方開発委員会というのがございますが、そちらの方で具体的な関連の施策・予算についての重点要望などの活動にも携わってきたところでございます。
 ちょうど、地方税財政制度の改革の骨格が固まる、そういう時期が今近づいてきていますので、改めて、地方の立場からこうした地方分権改革を進める我々は担い手であるという自覚を持って、これからも努力をしていきたいと考えております。
 次に、環境問題に対する認識について問われているわけですが、環境の世紀と言われる21世紀が、環境を重視する価値観を持って持続的発展が可能な循環型地域社会をつくっていく、こういうことが何より大切だと、こういう認識でおります。こうした観点で、青森県境の不法投棄事件につきましても、これは健全な資源循環の環を乱す行為として断じて許すことができないものであって、早期の原状回復と徹底した責任追及に取り組む必要があると、そういうことで、今その取り組みを行っているわけでございます。
 二度とこのようなことが起きることのないように、この議会にも御提案申し上げておりますが、循環型地域社会の形成に関する条例などによる規制も加えまして、関係機関と連携した徹底的な監視などによりまして、こうした不法投棄の未然防止に取り組んでいく覚悟でございます。
 また、花巻市の化製場からの公害問題についてでございますけれども、これは住民の方々はもちろんですけれども、県内外から多くの人が訪れるこの地域にとって、まことに切実な問題だというふうに考えております。県では、排水について施設の抜本的な改善を命ずるなど、より一段と厳正に対処しておりますし、悪臭については、施設の改善が早期に進められるように、花巻市との緊密な連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
 環境が一度破壊されると、その修復や回復には実に長い年月と多大な労力や費用を要すると、これが例の北上川清流化の教訓でございますので、これを十分にかみしめて今後とも環境首都いわての着実な実現に向けて、こうした環境破壊の未然防止や、そして、残念ながら行われたものに対しての早期回復に取り組むとともに、資源の循環利用や環境への負荷の低減に一層努めてまいります。
 次に、スポーツと国体のあり方についてでございますが、スポーツは、プレーをする者の健康をはぐくんで生きがいを見出させ、観戦をする人たちにとっては夢と感動を与えると、多くの人々にそして共感と連帯を生み出す世界共通の文化の一つであると、こういうふうに認識をしております。本県でも、豊かなスポーツライフの実現を目指して、生涯スポーツの振興、競技力の向上、学校における体育・スポーツの充実などの事業を展開しているところでございます。
 また、国民体育大会、国体のあり方についてお尋ねをされているわけですが、まず、その競技スポーツを目指す者にとってその培ったわざと力を発揮する機会、これは国体に限らずいろんな場がございますが、そうしたわざと力を発揮する機会というのはもちろん大きな励みでありますし、また、先ほど申し上げましたように、観戦する者にとっても大きな感動を与えるものと、このようにとらえております。こうした意味から、国体はこれまで国民のスポーツ振興とスポーツ文化の発展に多大な貢献をしてきたと、まずこういうふうに認識をしています。しかしながら、今現在に至りますと、参加人員の拡大によりまして、各都道府県の負担が実に大きくなってきているということがございますし、競技ルール、これはかなり繁に変更になりますので、そうしますと器の方ですが、この施設設備をそれに合わせなければいけないということがございまして、しかもこれは国体の場合には最高レベルの基準に合わせなければいけないといったような、非常に困難な問題もございます。そのほかにも数々の問題がありますが、やはり今、国体については多くの課題があると、こういう認識に立たなければならないというふうに思っておりまして、今、主催者の一つである日本体育協会において、こうした国体のあり方、大会規模の適正化や近接県の競技施設の活用などについて検討をしておりまして、今年度中、年が明けると思いますが、来年の3月までには、その検討について一定の報告がなされるというふうに聞いております。したがって、今後の国体の開催については、今まずそこでやっている検討結果というものも見る必要があると思いますが、やはり広く岩手県民の意向を把握しながら取り組んでいく必要があるというふうに思いますので、そうした機会を設けて、その上で考えていきたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕
〇環境生活部長(時澤忠君) まず、太田油脂からの悪臭問題についてでありますが、県といたしましては、化製場等に関する法律や水質汚濁防止法等を所管する立場から、関連する悪臭防止対策の推進につきまして花巻市を支援してまいりましたが、施設の老朽化や処理量の増大ということもありまして、近年における悪臭苦情の急増を防げなかったことにつきましては、県、市の連携した取り組みが十分ではなかった点もあったかと考えております。このようなことから、ことし7月でございますが、花巻市と花巻地方振興局が太田油脂問題連絡会議というものを設置いたしまして、現在の施設での悪臭防止対策を最優先にした取り組みを一致協力して進めることといたしまして、市におきまして、8月12日に市条例に基づく初めての改善勧告を行うなど、より積極的な措置を講じたところであります。この勧告に対して太田油脂から提出されました改善計画は、今年度内に建屋の改修、脱臭設備の性能の大幅な向上を図るというものでありまして、相当の改善効果が見込まれるというふうに考えております。
 次に、排水処理の改善についてでありますが、これまでも処理施設の操作方法の不備、あるいは故障などによる基準超過等に対しまして改善を命じてきた経緯がございます。しかしながら、ことし取り扱う原材料の増大による処理施設の能力不足という根本的な原因による水質基準の超過がありまして、今後も超過のおそれがあるということで、処理能力の増強を含めた排水処理施設の抜本的な改善を命じたところであります。これに対する事業者の改善計画の内容は、現施設の後に3次の処理施設を新たに設置いたしまして、処理能力の向上及び安定化を図るというものであります。
 県といたしましては、この計画に基づく改善が着実になされますよう、事業者を指導していくこととしております。
 太田油脂の公害問題につきましては、花巻市との連携・協力体制のもとに改善が早期かつ確実に進むよう、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、資源循環型モデル施設整備に係る基礎調査についてであります。
 現在、基礎調査を行っておりますモデル施設の基幹施設といたしましては、可燃廃棄物の焼却処理施設に加えまして、現在、十分に有効活用されていない家畜排せつ物、廃棄食品、食品製造工場から排出される動植物性の残渣などによるエネルギー回収、そしてその資源化ということの施設を考えているところであります。
 家畜の皮あるいは臓器などの家畜副産物の処理につきましては、これは民間事業として自力経営が成り立っている実態にございますので、公共関与事業として位置づけることは考えていないところでございます。
 施設の運営につきましては、公共的使命を果たすことが必要であると考えておりまして、県、市町村、産業団体及び民間企業の参加による事業体を現在想定しているところでございますし、スケジュールにつきましては、基礎調査の結果を今年度内にまとめまして、その結果に基づき、来年度は基本計画策定に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 次に、岩手・青森県境不法投棄問題についてでありますが、11月9日に行われました第1回の技術部会では、両県のこれまでの調査結果を一元化し、全体の地下水分布図の作成や、有害廃棄物の考え方を両県で統一することなどにつきまして提言がなされたところでございます。両県では、特別管理産業廃棄物を初めとする有害廃棄物の撤去及び浄化ということを基本といたしておりますけれども、この実現化を図るためにも、技術部会で提言がありましたように、両県調査の成果を統一することが必要であると考えておりまして、不法投棄地域一帯の地下水分布図や汚染拡散予測図を立体的でわかりやすく作成すると。あわせまして、詳細な調査データが容易に把握できるようなデータベースも作成することとしているところであります。
 今後とも、技術部会の御意見等を踏まえながら、地域一体となって県境不法投棄現場の原状回復を進めていきたいと考えております。
 次に、食の安全安心プロジェクト・チームについてでありますが、このプロジェクト・チームは去る11月20日に設置をされたものでありまして、その構成は環境生活部次長を班長といたしまして、専従職員が3名、関係部局等の兼務職員が14名というふうになっております。このチームでは、消費者の視点に立った生産段階から消費段階に至るまでの総合的な食の安全及び安心の確保のための方針案というものを検討するとともに、この方針案の審議でありますとか、食の安全・安心に関します県行政の客観的検証を行うなど、広く県民が参加する外部委員会の設置準備等を所掌しているものであります。
 外部委員会につきましては、地方自治法に基づきます附属機関として設置するという予定にしておりまして、設置条例案を2月定例会に提案する予定にしてございます。また、同委員会で審議いただく方針案につきまして、県内関係団体から食の安全及び安心の確保に関する御意見を伺うなど、現在、その準備を進めているところでございます。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕
〇農林水産部長(佐々木正勝君) ことしの主要農作物の作柄と販売価格の動向についてでありますが、ことしは春先の記録的な高温に始まり、7月の台風6号や8月の長雨、日照不足など、大変不順な天候が続いた年であり、特に6月から8月の雨量は、盛岡の気象台が大正12年に開設されたわけでございますが、それ以来の記録でございました。こうした中にありましても、以下、申し上げる数字はことしの10月末現在でございますけれども、米につきましては一等米比率91.4%ということで、一昨年、昨年に引き続き全国第2位を確保しておりまして、販売も順調に進んでいるところであります。また、リンドウや小菊などの花卉につきましても、前年を上回る生産量となり、価格も高値で推移しておりますことから、販売価格は前年比104%となっております。しかしながら、野菜につきましては、台風や長雨の影響などによりまして夏秋期の生産量が落ち込んだため、価格は前年よりも高かったわけでございますが、販売額は前年比94%にとどまっております。果樹につきましても、主力のリンゴが初期生育は順調に推移いたしましたが、8月の日照不足などにより着色不良などの品質低下を招いておりまして、果実全体の販売額は前年比79%にとどまっております。これら園芸作物に菌茸類を含めた販売総額では、前年比95%となっておりまして、このような異常気象の年の中でも、まずまずの実績を上げることができたものというふうに思っております。
 次に、子牛及び牛肉価格の動向と販売促進策についてでありますが、昨年のBSE発生以来、生産者価格は大幅に低下しておりましたが、子牛価格につきましては本年9月以降、黒毛和種の枝肉価格につきましても本年10月以降、BSE発生前と同等以上の水準になっております。このことは、関係者の消費回復に向けた熱心な取り組みを初め、徹底した安全検査や牛肉トレーサビリティーシステムの導入など、消費者から信頼を得た結果と受けとめております。
 また、販売促進策についてでありますが、近年、県産牛肉は品質日本一を競う全国肉用牛枝肉共励会等で常に上位入賞するなど、市場関係者の間で高く評価されております。
 今後は、こうした品質のよさを消費者にPRするため、例えば月刊誌などに特集として取り上げていただけるよう積極的に情報提供をするとともに、消費者と生産者との交流の場づくりやイベントの実施などを通じまして、いわて牛の一層の浸透に努めてまいる考えであります。
 次に、家畜排せつ物処理施設の整備状況についてでありますが、家畜排せつ物法の施行に伴い、一定規模以上の畜産農家におきましては、平成16年10月までに家畜排せつ物を適正に処理するための施設整備が必要となったところであります。このため、県といたしましては、畜産農家を初め市町村、農業団体と一体となって国庫補助事業等を積極的に活用するなどにより、堆肥センターや堆肥舎などの整備を促進してきたところであり、13年度末現在、対象となる農家4、100戸ございますが、そのうち約6割の農家で施設整備がなされたところであります。残る4割の農家につきましても、個別指導を通じまして、期限内に計画的な整備を促進してまいる考えであります。
 また、BSEの発生に伴う経済的影響から、これら処理施設整備の猶予期間を延長してほしいとの要望があり、国に対して要請したところでありますが、環境問題については適切に処理する必要があるとの観点から、延長は難しいという回答でございましたので、御理解をいただきたいと思います。
   〔総合政策室長佐藤勝君登壇〕
〇総合政策室長(佐藤勝君) 本県の構造改革特区構想についてでありますが、県では、国の提案募集に応じ、去る8月末に三つの提案をまとめ、国に提出したところであります。
 一つが、グリーンツーリズムや農地再生等の推進を目的とした日本のふるさと再生特区、二つ目が、小規模な自然エネルギー利用の促進を図る地域分散型総合クリーンエネルギーシステム特区、三つ目が、産学官連携による起業の促進等を目指したITを核とした産学官連携特区であります。いずれも、本県における地域振興上の重要な課題をとらえたものであります。しかし、本県の提案に対し規制を所管する各省庁のこれまでの回答状況は、今ある規制を緩和し、それを経済活性化につなげていくという構造改革の大きな目標があるにもかかわらず、あくまで従来の制度を前提とした法解釈の延長線上の議論にとどまっているのではないかというふうに感じております。
 今後は、構造改革特区推進のためのプログラムに盛り込まれた事項について、具体的にどのようなことが実現可能か、国の検討状況をさらに注視していくとともに、このプログラムに盛り込まれなかった事項についても、来年1月15日の期限で実施されます第2次募集に改めて提案してまいりたいと考えております。
   〔地域振興部長飛澤重嘉君登壇〕
〇地域振興部長(飛澤重嘉君) まず、IGRいわて銀河鉄道沿線地域の振興についてでありますが、この地域は高冷地野菜や木炭、漆など特色ある農林業が展開され、また、今般の東北新幹線の開業、関連道路網や下水道の整備など、交通基盤や産業、生活基盤の整備が着実に進展している地域でございまして、今後、地域資源を活用した産業の新たな展開や県内外との活発な交流・連携が期待される地域であると認識しております。
 今後におきましても、交通基盤、生活基盤などの整備を積極的に進めるとともに、地域活性化事業調整費や市町村総合補助金によりまして、地域特性を生かした産業振興策を初め、地域の方々の主体的な取り組みを支援してまいりたいと、そのように考えております。
 それから、振興局について御提言がございましたが、当面、地域計画をもとにいたしまして、関係地方振興局が連携して市町村や地域の方々と知恵を出し合い、あるいは新たな創意工夫も加えまして沿線地域全体の振興に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
 次に、IGRいわて銀河鉄道の利用促進策についてでありますが、この鉄道を皆様に積極的に利用していただくためには、会社と沿線自治体とが連携し、地域と一体となった利用促進策を展開していくことが重要でございまして、いわて銀河鉄道利用促進協議会はその推進母体と、そのように位置づけております。
 開業に際しましては、ただいま議員から御紹介がありました企画切符の発売に加えまして、出発式や記念コンサート、広域観光物産フェアが当日に開催されるほかに、児童生徒の手による駅の装飾でありますとか、幼稚園児招待列車の運行などを予定しておりますし、これらのイベントと合わせまして、通学定期券の出張販売、旅行商品へのタイアップ、開業記念品の提供・販売などを取り進めているところでございます。また、新駅設置を引き続き支援するとともに、いわて銀河鉄道利用促進協議会を中心に、マイレール意識の高揚や利用促進策の強化を図ってまいりたいと、そのように考えております。
   〔商工労働観光部長照井崇君登壇〕
〇商工労働観光部長(照井崇君) 盛岡西リサーチパークへの企業誘致の見通しについてでありますが、経済のグローバル化の進展や長引く不況などにより、企業の国内投資意欲は減退しており、他の地域と同様、その状況は厳しいものがあると認識しております。このような状況を踏まえ、リサーチパークへの導入業種につきましては、地域の雇用確保と産業振興の観点から、地元の理解を前提に、できるだけ柔軟に対応してまいりたいと考えております。
 リサーチパークへの企業誘致につきましては、事業主体である地域振興整備公団、地元滝沢村及び岩手県の三者により企業誘致促進協議会を設置し、現地視察会の開催や合同企業訪問を実施するとともに、企業ニーズの変化に対応し、リース制度の導入、区画割の変更など新たな取り組みを進めており、現在、数社と折衝しているところであります。
 今後とも、地域振興整備公団や滝沢村と連携しながら、一層の企業誘致に努めてまいりたいと考えております。
 また、リサーチパークに産業支援機能を有する貸し工場、貸しオフィスであるインキュベート施設を整備することは、研究施設やソフトウエア業など、高度技術産業の集積を図る上で有効な手段の一つと認識しております。現在、同協議会において企業ニーズなど各種調査を実施しているところであり、今後、この結果を踏まえ、その必要性や整備、運営手法などを検討してまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕
〇県土整備部長(猪股純君) まず、主要地方道盛岡環状線の渋滞対策についてでありますが、この路線は盛岡都市圏を迂回する環状道路としての機能を有する重要な路線と認識しております。しかし、この路線の市街地部などにおいては、大型車両を含む交通量が増大しているにもかかわらず、交差点部の右折レーンなどが未整備な区間があり、これらの対策は喫緊の課題と考えております。
 県では、これまで交通渋滞箇所のうち、緊急性の高い箇所について、県単渋滞スポット解消街路事業や特定交通安全施設等整備事業などによりまして、右折レーンの設置や歩道設置など、重点的に整備を進めてきたところであります。
 今後は、現在作業を進めております次期渋滞対策プログラムの調査におきまして交通渋滞箇所の再点検を行いまして、その結果に基づいて必要な箇所の整備を図るなど、引き続き本路線における交通渋滞の解消に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、一般国道4号茨島跨線橋から分レ交差点間の拡幅改良整備についてでありますが、国では、現在、盛岡滝沢道路懇話会からの提言に基づき、環境調査やルートの詳細検討を進めているところと聞いておりまして、今後、これら調査をもとに、都市計画の手続に係る資料作成が進むものと考えております。
 今後、国から都市計画案の申し出を受けた後、公聴会や住民説明会、都市計画審議会への付議など、都市計画決定の手続を進めることになります。
 県としては、この区間の拡幅改良整備が盛岡都市圏の交通渋滞解消に大きな効果を発揮すると認識しており、できるだけ早い時期に都市計画決定に関する手続を進められるよう、また、早期に事業に着手できるよう国に強く要請してまいります。
 次に、木賊川などの河川改修計画の見直しについては、現在、木賊川沿川の市街化が著しく、河道の拡幅が困難であると考えられますことから、諸葛川への分流を含めた計画の見直しを進めており、現況流下能力の評価や流出量の検証など具体的な検討を進めているところであります。
 また、遊水地周辺の環境調査の結果については、これまで貴重な動植物が確認されたことから、今月初めに専門家などによる環境検討委員会を設置しており、今年度内には遊水地計画への環境面からの配慮事項につきまして提言をいただくことになっております。
 また、見直し計画の策定に当たっては、河川懇談会を設置し、学識経験者や地域住民の方々の御意見を伺いながら、平成15年度中には計画を取りまとめたいと考えております。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕
〇教育委員会委員長(船越昭治君) スポーツ振興問題、特に学校教育におけるスポーツ振興等に係る問題でございますが、学校教育におけるスポーツの位置づけに関しては、生涯をかけてスポーツに親しみ、かつ磨いていく生涯スポーツの基礎づくりと位置づけられておりまして、学校教育の活動全体を通じて実施しているところであります。
 スポーツは、青少年の心身の健全な発達を促し、自己責任や克己心、フェアプレーの精神を培い、また、協調性や連帯感を育成するなど、人間形成にとって大きな役割を果たすものと認識しております。特に運動部活動は、生徒の自主的、自発的な活動によってより深くスポーツの特性に触れ、高い水準の技能や記録に挑戦する中でスポーツの楽しさや喜びを味わい、友人、学校との一体感や愛校心を醸成する意義深い活動ととらえております。
 また、各種大会のあり方に関してでありますが、各種大会は、日ごろの運動部活動の成果を発揮し、また、到達度を確認する、さらに、学校の異なる生徒相互の交流など大きな教育効果がありますとともに、お互いが目標に向かって技能を練磨し合うことによって競技レベルの向上につながるものと認識しておりまして、あすの岩手を担う高いレベルの競技者育成の基礎になるものと期待しております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕
〇教育長(五十嵐正君) 競技スポーツ振興の現状に対する認識と対策についてでありますが、ここ数年の国体成績は低落の傾向にあり、本年においては天皇杯43位となり、この厳しい結果を厳粛に受けとめております。
 本県におきましては、競技力向上対策といたしまして、ジュニア期からの一貫した育成強化、海外の優秀指導者の招聘、教員のスポーツ特別選考による優秀選手・指導者の確保に努めているほか、県体育協会の選手強化事業を支援しております。
 今後におきましても、現在進めている岩手県競技力向上計画及び県体育協会が昨年度策定した選手強化5カ年計画のもと、関係団体等との連携を密にしながら、選手強化、指導者養成について中長期的な観点から取り組んでいく必要があると考えております。昨今の厳しい財政状況から、限られた財源ではありますが、競技実績に応じた拠点校の再編など創意工夫を加えることにより、効果的な事業の推進や優秀な選手・指導者の教員への採用、指導者の適正配置などに努め、本県の競技力向上に努めてまいりたいと考えております。
〇16番(柳村岩見君) 1点だけ再質問をさせていただきます。
 資源循環型モデル施設の整備に係る基礎調査について、所管は環境生活部でありますから部長からお答えいただきました。しかし、この太田油脂悪臭問題に関しましても、農林水産部長にお尋ねいたしますが、畜産振興策の上から、資源循環型社会の実現、こういう観点につきまして、農業部門から、やはりこのことについての一貫した環境問題との関連性を持ちながら政策進行がされるべきだ、このように思います。その観点から、農林水産部長の、その観点ということなればこう考えるというところについて御答弁を賜って終わりたいと思います。
〇農林水産部長(佐々木正勝君) 太田油脂の件でございますけれども、太田油脂は畜産物残渣をレンダリング処理している会社でございまして、本県の畜産振興上必要な施設であると考えております。先ほど環境生活部長からお答えがありましたように、今、施設の整備を進めているところでございまして、その能力の範囲内での処理が行われることによって改善が図られるものと思っております。
 ただ、新たな場所に移転して処理すべきという将来の話もあるわけでございますが、このレンダリング施設というのは、ブロイラー業界にとりまして、まさに産地として維持・発展していくために大変必要な施設でありますので、副産物の適切かつ安定的な処理体制を確保するという観点から、将来のあり方について、こういったブロイラー業界等との話し合いも進めていく必要があると思っております。

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