平成15年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成15年3月11日(火)
   

1開会 午前10時3分

1出席委員別紙出席簿のとおり

1事務局職員
 事務局長 大沼勝
 議事課長 平澤石郎
 議事課長補佐 浅田和夫
 主任議事管理主査 八重樫典彦
 議事管理主査 浅沼聡
 議事管理主査 多田繁
 議事管理主査 田丸裕佳子
 議事管理主査 嵯峨俊幸

1説明員
 県土整備部長 猪股純
 県土整備部次長兼県土整備企画室長 宮舘壽喜
 県土整備部次長 今野正春
 県土整備部次長 橋本義春
 県土整備企画監 小野寺博
 用地監 小野寺満寿
 建設技術振興課長 内村彰良
 技術企画指導監 高橋克雅
 道路建設課長 渡部正利
 道路環境課長 浅沼英美
 河川課長 沖正博
 河川開発監 中澤昭典
 砂防課長 高橋盛
 都市計画課長 平井公康
 まちづくり推進監 澤口政登志
 下水環境課長 大信田隆
 建築住宅課長 村主英明
 建築指導監 村松拓
 営繕監 高橋多
 港湾課長 村井研二
 企業局長 船越穣
 企業局次長 齊藤静夫
 企業局技師長 武蔵繁明
 総務課長 渡邊主喜
 風力発電開発室長 池内達
 財務管理課長 昆野三千信
 業務課長 杉下安弘
 参事兼財政課長 菊池秀一
   

〇水上信宏委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第27号、議案第28号、議案第30号から議案第36号まで、議案第44号、議案第45号、議案第47号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部及び企業局関係の質疑を行い、その後、議案35件について意見の取りまとめをしたいと思いますので、御了承願います。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保証するため、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 また、定足数の確保についてもあわせて御協力をお願いします。
 最初に、県土整備部長から県土整備部関係の説明を求めます。

〇猪股県土整備部長 県土整備部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成15年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の8ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、8款土木費の1項土木管理費から6項住宅費までの1、086億7、024万円余と、次のページに参りまして、11款災害復旧費のうち、2項土木施設災害復旧費92億5、393万円余をあわせた1、179億2、417万円余であります。この予算規模につきましては、前年度当初予算に比較して、土木費で171億9、246万円余、13.7%の減となっており、当部所管の災害復旧費とあわせ185億1、608万円余、13.6%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主要な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の193ページをお開き願います。8款土木費でありますが、1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費のほか、港湾整備事業特別会計などの建設事業などに対する繰出金等であります。説明欄の上から4行目の駐車場管理費でありますが、県営内丸駐車場は老朽化が著しいことから解体し、その跡地に平面駐車場として整備しようとするものであります。次に、194ページの2目建設業指導監督費は、建設業者等の指導監督に要する経費等であります。3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場審査等に要する経費や建築確認事務等に要する経費などであります。次のページの4目空港費は、花巻空港の滑走路延長舗装工事や照明施設工事等に要する経費であります。
 次に、196ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費などの管理運営費のほか、市町村道の整備を促進するため、整備費の一部を助成する経費等であります。2目道路維持費は、歩行者等の安全を確保するため、歩道等の交通安全施設の整備や道路施設の維持管理等に要する経費等であります。なお、県が管理する道路維持管理事務の一部を15年度から岩泉町と田野畑村に移譲する予定であります。次のページの3目道路新設改良費は、道路交通の円滑化や災害に強い道路の整備を図るため、道路の改築及び道路防災等の事業を実施しようとするものであります。主なものといたしましては、県内の主要道路の大規模な改良・舗装工事等を一体的に実施し、交通の円滑化を図るための道路改築事業、安全で快適な通行空間の確保や道路災害の防止及び都市景観の向上を図る電線共同整備事業、そして、補助事業と県単独事業を効果的に組み合わせて、県道及び市町村道を早急に整備する地方特定道路整備事業等であります。次に、198ページでありますが、4目橋りょう維持費は、橋梁維持修繕に要する経費であり、5目橋りょう新設改良費は、緊急輸送路にかかる橋梁の耐震補強及び車両の大型化に対応した橋梁の補強を緊急に実施する経費等であります。次のページの6目高速道路対策費は、日本道路公団からの委託を受けて行う東北横断自動車道釜石秋田線のうち、宮守-東和間の用地取得事務等に要する経費であります。
 次に、200ページをお開き願います。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川管理等に要する経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国が管理する四十四田ダムほか4ダムの管理等に要する経費の県負担金であります。2目河川改良費は、災害を防止するため、主要河川の築堤護岸等の改良工事や三陸沿岸河川の水門、防潮堤など、高潮災害の防止に要する経費のほか、昨年、大規模な災害が発生した東山町砂鉄川における河川激甚災害対策特別緊急事業や河川災害復旧助成事業に要する経費等であります。次のページの3目砂防費は、通常の砂防事業や火山地域における土砂流出等からの災害を防止する火山砂防事業のほか、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業に要する経費等であります。次に、202ページをお開き願います。4目海岸保全費は、高潮や津波による災害を防止するための海岸高潮対策事業に要する経費等であり、5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集、伝達するための施設整備に要する経費等であります。次のページの6目河川総合開発費は、鷹生ダムを初め、簗川ダム、津付ダムの建設等に要する経費であり、直轄ダム建設事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業の県負担金であります。
 次に、205ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の維持管理に要する経費等であります。2目港湾建設費は、釜石港ほか4港の港湾改修工事等に要する経費であり、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する港湾施設整備事業の県負担金であります。
 次に、207ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費は、職員の人件費などの管理運営費のほか、御所湖及び花巻広域公園の管理に要する経費等であります。2目街路事業費は、都市交通の確保等を図るため、市街地における県道の拡幅、改良等を実施する街路事業や都市基盤施設と宅地との一体的な整備を行う土地区画整理事業、都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業に要する経費のほか、次のページでありますが、局所的なボトルネック及び渋滞ポイントの解消のため、スポット的整備を実施する渋滞スポット解消街路事業に要する経費等であります。3目下水道事業費は、下水道の処理場など根幹的施設の建設を県が代行して行う過疎地域公共下水道整備代行事業に要する経費のほか、市町村の下水道整備を促進するため、下水道事業債の元利償還に充てるための減債基金等への補助に要する経費等であります。
 次に、210ページをお開き願います。6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等の維持管理に要する経費等であります。2目住宅建設費は、県営住宅の建設事業のほか、既設の狭小な3戸の住宅を2戸に改造し、居住水準の向上を図る既設公営住宅改善事業に要する経費等であります。
 次に、少し飛びまして、244ページをお開き願います。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び2目港湾災害復旧費は、過年災害並びに現年災害の災害復旧工事の実施に要する経費等であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、14ページの37番から次のページの56番までの20件であります。これらは、ダム建設事業に係る代替地取得資金の融通に伴う利子補給、地域優良分譲住宅制度による資金の融通に伴う利子補給補助及び道路改築事業など、工期等が翌年度以降にわたる事業について、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 一般会計につきましては以上のとおりでありますが、平成15年度の予算編成に当たりましては、事業効果の早期発現を目指し、全事業箇所について公共事業評価を実施し、事業箇所の厳選、抑制を行うなど事業の重点化に努めるとともに、これまでの社会資本整備により増大してきた公共土木施設を良質な社会資本としての機能を保持して次世代につなげるため、公共土木施設の維持管理にも重点を置いて編成したところであります。
 次に、特別会計4件について御説明申し上げます。
 36ページをお開き願います。議案第8号平成15年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ11億1、014万2、000円であります。
 まず、歳入の主なものは、1款財産収入は、先行取得した公共用地の売払収入等であり、4款県債は、用地取得事業に充当するものであります。
 次に、38ページをお開き願います。歳出でありますが、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であり、3款土地取得事業費は、遠野第二ダム建設事業に伴う用地取得等に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、これは、補助事業用地取得事業に充当するものであります。
 次に、41ページをお開き願います。議案第10号平成15年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ91億7、659万6、000円であります。
 次のページに参りまして、歳入の主なものは、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村からの管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に対する国庫補助金であります。
 4款繰入金は、建設事業及び県債の元利償還費に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものであります。
 次のページの歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、各終末処理場の施設及び幹線の管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、第2表債務負担行為でありますが、これは、玉山幹線等の管渠及び水沢浄化センター水処理施設等の工事について、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、第3表地方債でありますが、これは、流域下水道建設事業に充当するものであります。
 次のページに参りまして、議案第11号平成15年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ26億6、840万6、000円であります。
 次ページの歳入の主なものは、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料であり、3款繰入金は、県債の元利償還費に充当するものであります。
 6款県債は、港湾施設整備事業等に充当するものであります。
 次のページの歳出でありますが、1款事業費は、大船渡港ほか1港の港湾施設整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業及び工業用地造成事業に充当するものであります。
 次のページの議案第12号平成15年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ4、577万7、000円とするものであります。
 次のページをお開き願います。歳入の主なものは、1款使用料及び手数料は、ゴルフ場の使用料であります。
 次に、歳出でありますが、1款県民ゴルフ場事業費は、県民ゴルフ場の管理に要する経費であります。
 次に、予算議案以外の議案について御説明申し上げます。
 ちょっと飛びまして、76ページをお開き願います。議案第20号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成15年度において実施しようとする土木関係の建設事業に要する経費の一部を、83ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようするものであります。
 次に、84ページに参りまして、議案第21号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成15年度において実施しようとする都南処理区等の管理運営費及び建設事業に要する経費の一部を、87ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、恐れ入りますが、議案その2の46ページをお開き願います。議案第47号県立都市公園条例の一部を改正する条例でありますが、これは、近年の長引く景気の低迷等の影響を受け、厳しい運営を余儀なくされている岩手県立花巻広域公園のゴルフ場について、今般、その改善を図るため所要の見直しを行ったところであり、人件費等の経費を大幅に削減する一方、料金面での魅力を向上させるため、本条例案により、高校生や小・中学生に割安な料金区分を新設するなど使用料の区分を改めるとともに、割安感のある料金体系となるよう使用料の額を改定しようとするものであります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇水上信宏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇菊池勲委員 先般、代表質問でも御質問し、答えはちょうだいしてありましたけれども、社会資本は岩手県民の経済活動に必要不可欠なものであり、とりわけ、四国四県に匹敵する広大な県土を有し、地形的にも気象的にも厳しい条件下にある本県の基盤整備についてお伺いしたいと思います。
 当初予算では、公共事業、とりわけ県土整備部は18.3%の削減と聞いておりまして、このままだと現在経営されている企業は少なからず大きな打撃をこうむりながら大変な事態を招くのではないかと心配している一人であります。特に、私も農業をしながらこの仕事をさせてもらっているんだけれども、第1次産業である農林水産業に従事する方々は、ほとんど会社等に勤めさせていただきながら、家計を守り、そして地域の経済を支えているというのが岩手県の産業構造の主たるものではないかというときに、県土整備部が与える18.3%の削減という大きな削減の方法はおそろしない結果を招くのではないかという心配をしておるわけでありまして、先般代表質問しましたところ知事からそれの答弁はもらってありますけれども、この分だと大変な事態を招く、県民の大方の方々がそういう方向に転落をさせられるのかなというふうな気持ちで大変心配であります。
 県土整備部長におかれましては、日ごろの県土整備に対しての御努力に対しては衷心から感謝を申し上げるわけでありますけれども、この先この状態であったとすればそういう懸念をするわけでありますけれども、どうお考えなのかお聞かせ願いたいと思います。

〇猪股県土整備部長 県土整備部としては、県民生活とか地域の経済発展ということで、道路、河川、下水道、砂防、そういった基盤となる施設整備をやっているわけでありまして、非常に広域的な、非常に広大な県土を有する岩手県において、これについてはぜひ整備を力の限り尽くしていきたいと考えておりますし、委員の先生方にも御支援をいただきたいと思っているところであります。
 一方で、非常に厳しい財政状況ということで知事も一般質問でお答えしたところでありまして、我々も従来にも増して効率的、効果的な整備を進めていかないといけないということは重々わかっているところでございます。
 限られた予算の中で最大限の効果になるように、我々としても早期の事業の効果発現等に気を配りたいと考えております。何にしても、社会基盤の施設、安全・安心な県民生活、また、社会経済活動が営まれるようなものをつくっている社会基盤の施設の整備は非常に重要だと認識しておりますし、私なりに精いっぱい力を尽くしていきたいと思っておりまして、私の立場でしっかり頑張っていきたいと思います。おっしゃるとおり、大きないろいろな影響があるかと思いますので、私もそういったことについて心配りしていきたいと思っております。

〇菊池勲委員 大変力強い御答弁、まことにありがとうございます。
 結果が出てからの議論であるとこれはだれでもやるわけなんですけれども、18.3%というのは予想しなかった数字であるわけだから、当然県民も、私も県民の一人なんだけれども、心配なことは事実なわけです。だけど、この数字がずっとそのまま流れると先ほど私が申し上げたような状態になりはしないか。なりはしないかということではなくて、なるということですね、はっきり言って。
 今の部長の力強い答弁と、もちろんこれは県民の支援がなければなかなか難しいことだと思うんだけれども、四国四県より広い県土の中で、市町村がお互いにその地域ではすばらしい政治活動をしているんだけれども、その市町村と県都を結ぶ距離が余りにも遠過ぎて、計算上からすれば大変むだな経費に見えるかもしれないけれども、それがなければ岩手県の管理が難しいということだと思うので、私は、市町村との連絡道、例えば高速ネットワークをもうちょっと整備されてしかるべきだとずっと思っておったんだけれども、財政を含めて、広い県土の中だから努力をしても難しい状態なのに、18.3%となれば大打撃をこうむるのではないかと思ってこんな質問になるわけですけれども、ぜひとも部長、その意気込みをもう一度お聞かせ願いたいと思います。

〇猪股県土整備部長 先ほど申し上げましたけれども、大変広い県土ということで、その一方でネットワークもまだ完成していないということでございますので、ぜひそういったところに力を傾注していきたいと思っております。特に道路関係については中央の方でもいろいろ議論があるようでありますけれども、私なりの意見を知事とも一緒になって発信していきたいと思いますし、整備推進については、私の立場でいろいろな場で意見を申し上げていきたいと思いますし、精いっぱい頑張っていきたいと思いますので、また御支援のほどよろしくお願いしたいと思っております。

〇藤原良信委員 第8款土木費全般にかかわりまして3点に絞って御質問いたします。
 今議会でも、ただいまを含めまして現状の厳しさが取り上げられてまいりまして、国の財政事情の厳しさの中で地方へしわ寄せが来ておりまして、大変ゆゆしきことだと思っております。市町村道の改良事業については国庫補助が廃止になる。自動車重量税を分けるけれどもということになりますけれども、突き詰めていけば、競争しなさいということになっていく、そういう環境でございます。大変そういう厳しい環境の中で、前年度対比15%減、地方振興局等も予算要求についてそういうことも伺っておりますけれども、厳しい環境の中で新年度の予算編成に携わったと思っておりまして、その苦労は多としたいと思っております。それらは理解はしている上で、今後の進め方について予算に関係して御質問したいと思っております。
 まず、今議会でも取り上げられました道路公団の廃止に伴います、岩手県でいいますと東北横断自動車道の方向づけでございますけれども、3年間で道路公団は廃止になると伺ってございます。その中で、今後の見通しなんですけれども、一つの方法論として新直轄方式が考えられるということが取り上げられておりますけれども、これらの県負担分等を含めた内容をお示しいただきたい。
 それから、方針を大体いつごろ国が示すのか、大変県民は不安に思っております。廃止になるけれども、どういう方式で、いつそれが決定していくのかということがまだ見えないということでございます。県当局としても、把握ということは今の段階では難しい点もわからないわけではございませんけれども、今の時点でどういうところまでつかんでおられるかお示しいただきたいと思います。
 一括して御質問いたします。
 我が党の黄川田徹衆議院議員が国会で質問しておりますけれども、三陸縦貫自動車道における救急自動車の退出路を質問で要望いたしております。国の方では、今後、設置に向けて協議を進める意向だと答えております。救急に関しては1分1秒を当然争うわけでございまして、今の地理的環境からいいますと、道路が1本でございますので、そこがストップになりますと、中核広域病院という性格を持っている大船渡病院がストップになるということになります。特に救急患者については1分1秒を争うわけでございますので、自動車道を今整備中でございますので、地域として、これに退出路をぜひ設けるべきだという大変な熱望を持っております。県当局といたしまして、今の段階でどういう形でこれに対応してきたか、現在把握されている状況をお示しいただきたいと思います。
 もう一点でございます。主要地方道の大船渡綾里三陸線の小石浜峠の整備について御質問いたします。
 今までの制度上からいきますと、1キロメートル10億円以上についてはプログラムの制度にのらないと事業に着手できないということでまいりました。今もってこのプログラムというのは生きていると思うんですが、ことしは5年に1回の節目に当たりますが、このプログラムの制度はいかがになっているんでしょうか。もう既に決まっていなければならない時点なんですけれども、これも国の動向等で変化はあるだろうとおよそ想像はできますけれども、現状についてどうなっているのかでございます。
 大船渡は、御案内のように三陸町と合併いたしまして新生大船渡市となりました。合併した市町村については、住民の融和を図るということが大きな目途としてございまして、よって、その大きな項目の中に峠の解消ということが高らかに要件的にはうたわれてございます。したがいまして、交通量が少なく、あるいはB/Cが低い、そういうさまざまな要件が厳しくても、峠の解消、したがって、その地域の住民が行き交い、融和が図られやすい環境づくりをするのが一つの方針の中に盛り込まれておるわけでございます。よって、この小石浜峠というのは交通量そのものが大変少ないところでありますけれども、三陸町時代から、三陸町45年ぐらいの間ずっと住民の悲願がこの小石浜峠の改良でございました。今度大船渡市と合併になりました。私も県議会に来まして16年たちますけれども、最初に当選したときからこれを取り上げてまいりまして、県当局で理解をいただきまして、国とは関係なく、県単独費で今、明かり分を着手していただいて進めていただくことに大変配慮を感じております。したがいまして、このプログラムと両面であわせてそのことについてどういう状況か、今後の見通しについてお示しいただきたいと思います。
 3点まとめてお話をさせていただきました。

〇猪股県土整備部長 高速道路の整備の話でございますけれども、新直轄方式の内容についてのお尋ねです。昨年末に道路関係四団体民営化推進委員会の方から意見書が出され、また、政府として予算等が原案決定されたわけで、その中で新直轄という方式が打ち出されたわけです。その新直轄方式については、民営化会社というか、新しい会社による整備の補完措置として、必要な高速道路を建設するために、国が4分の3、地方が4分の1の負担により整備をするということで、この整備量として、今後、全体でおおむね3兆円を目安にしているということで、平成15年度は、初年度として国費約1、000億円が政府予算案に盛り込まれたものでございます。
 この新たな方式の導入に伴いまして新たに必要になる地方負担は、国から地方への税源移譲を行うこととされておりまして、その内容は、自動車重量税の譲与割合を現行の4分の1から3分の1に引き上げ、あわせて、地方道路譲与税の都道府県と市町村の配分比率を変更するものでございまして、この新直轄方式の導入に係る関係法案につきましては、現通常国会に提出され審議が行われているところでございます。
 また、今後の予定としまして、ことしの6月から7月にかけて国道開発幹線自動車建設会議を開催いたしまして、新直轄方式の具体的な路線や区間を決めるということがスケジュールとして言われております。
 なお、新会社につきましては、新組織のスキームの概要の決定を11月から12月に行って、関係法案の国会審議を経て平成17年度中の民営化を目指すということを聞いているところでございます。
 その他の質問につきましては道路建設課長の方から答えさせていただきたいと思います。

〇渡部道路建設課長 三陸縦貫自動車道の緊急退出路についてでございますけれども、大船渡病院は、平成7年に三陸縦貫自動車道に近接した大船渡町の山馬越地内に移転新築されまして、平成10年度には救命救急センターが設置されたものでございます。この病院へのアクセスについては、最も近い三陸縦貫自動車道の大船渡インターから約3.5キロメートル離れており、その所要時間は約12分でございます。このため、地元大船渡市では、一刻も早く救急患者を大船渡病院に搬送するため、山形自動車道で設置されました救急車緊急退出路を大船渡三陸道路へ設置することについて、昨年12月に国土交通省の三陸国道工事事務所に要望を行ったところでございまして、三陸国道工事事務所は、搬送時間の短縮、患者への負担の軽減を図るため、その設置の可能性について、大船渡市と連携しながら検討を進めているところであると伺ってございます。
 県といたしましては、この救急車緊急退出路の設置は、搬送時間の短縮により救命率の向上や高次医療への搬送圏域が拡大するなど救急医療体制の強化が図られることから、地元大船渡市と連携しながら、その設置を国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、道路整備プログラムと小石浜峠についてでございますけれども、まず、道路整備プログラムは、道路整備を計画的に、あるいは効率的に行うとともに、事業の透明性を確保することを目的として平成11年8月に策定し、公表されたものでございまして、今年度が御指摘のように前期の最終年度になってございます。後期計画につきましては、現在、策定に必要となります各種資料の収集や分析を行っているところでございますが、今後、国の道路予算の動向や本県の財政状況を勘案するとともに、関係機関とも協議しながらその取り扱いについて検討したいと考えております。
 小石浜峠でございますけれども、主要地方道大船渡綾里三陸線の小石浜峠につきましては、平成9年度からトンネル計画を含めた概略の検討を進めてきておりまして、平成12年度には予備設計や必要となる地質調査を実施したところでございます。
 県では、このうち、当面第1期工事として、小石浜側の、御指摘ございましたように、約600メートル間の現道拡幅工事を行うこととしておりまして、昨年度、現地の測量調査や詳細設計に着手したところでございます。本年度は用地測量及び地盤調査などを進めておりまして、平成15年度には、一部区間について用地取得と改良工事に着手する予定といたしております。この工事は、昨年実施いたしました市町村への一括事務移譲によりまして大船渡市が施行しているものでございまして、県としては、まずこの工事の整備促進を図りたいと考えております。
 峠部につきましては、地盤調査など各種調査を引き続き進めていくこととしておりますが、そのトンネル化につきましては、第1期工事の進捗状況ですとか今後の予算の動向を踏まえながら、県全体の道路整備の中で検討してまいりたいと考えております。

〇佐々木俊夫委員 三陸自動車道関連でお伺いいたします。
 この道路は、御案内のとおり、高速化も目的ですけれども、三陸沿岸というああいう特殊地帯のバイパス的役割を果たすわけであります。三陸沿岸には国道45号1本しかございませんので、これが寸断いたしますと南北の交流は全く途絶する。災害時あるいはまた救急災害いろいろ大変な事態になる、こういうことでバイパス的役割を果たすのでありますが、実はこの間の風雪によりまして、せっかく400億円もかけていただいた山田の自動車道が全く機能しなかったという事態が発生しました。これは、国道45号が土砂崩れと倒木で寸断して通行不能になったのでありますから、本来であればこの自動車道がバイパス的役割を果たすべきところなんですが、どういう設計なんでしょうか、45号と自動車道の接点、インターというんでしょうか、それが最も津波に弱い、風水害に弱い場所に接点がありまして、その外側で災害が発生したものですから、バイパスとしては全くゼロ、400億円どこにかけたんだというごうごうたる非難が出たわけであります。この実態は御承知でしょうか。

〇渡部道路建設課長 山田道路につきましては、昨年の8月に供用されたわけでございますけれども、委員おっしゃるとおり、45号のバイパス的な機能があるということで承知いたしておりますけれども、今回の降雪はかなりの積雪量だったと思ってございまして、三陸縦貫自動車道は一般道と違いまして自動車専用道路でございますから、構造的には一般道よりもかなり強化されてつくられていると認識してございます。今回の豪雪によりバイパス機能が果たせなかったという御指摘でございますけれども、構造的には、先ほど申し上げたようにかなり立派な道路でございますが、除雪等の状況については正直申し上げて把握してございませんでした。考えるには、多分除雪ですとか、そういった管理あるいは初期除雪、そういったものが関係してくるのではないかと思ってございますけれども、詳しいことについては今後調査をさせていただきたいと思います。

〇佐々木俊夫委員 45号をふさいだのは若干の土砂崩れと数本の倒木なんです。それだけで通行不能がほぼ一昼夜に及ぶという事態なんですけれども、その内側の、最も海に近くて、恐らく津波が来れば最も災害を受ける場所が高速道と45号の接点になっているんです。となれば、津波が来ますと必ずここはやられますので、恐らくバイパスとしての役割は果たせないだろう。12年間かかって400億円もかけたものが目的を達せられないような設計になっている。これは最初から言われておったことなんですけれども、ぜひこの点は担当部局と協議をしていただきまして、応急的なもの、それから、先ほど藤原委員からも病院との関連のお話がございました。高速道は高い山の上を通ってますので、トンネルと橋だけですから、緊急事態の病院搬送というものも恐らく不能、使えない道路になるだろうと。その辺の緊急事態におけるアクセスといいますか、このこともこの際今度の災害を反省しながらやらなければならないし、これからどんどんつくっていくであろう自動車道、各地域ともそういう考慮をしながら設計の見直しをしていく必要があるのではないか。今回の災害から見まして、そういうことを感じました。ぜひ現場を見ていただきまして、あのままでは、もしこの上津波が来ましたらまた同じことになりますので、緊急にこの対策を講じていただきたいと申し上げておきます。

〇藤原泰次郎委員 本県は非常に広大な地域でございまして、地形も複雑、そしてまた、災害等における降水の関係も非常につかみにくい面があるわけでございますが、それらに関連しまして3点ほどお伺いいたします。
 一つは、県内ではそれぞれ宅地等における崩落危険箇所について把握されておるわけでございますが、水害の関係で、特にも冠水の度数が多いといいますか、常襲化ではございませんけれども、冠水の状況の危険箇所といいますか、そうした面の把握の状況はどうなっているのかが第1点でございます。
 二つ目は、住宅地等の排水の対策でございますが、昨年7月の水害を見た場合、非常に威力を発揮したな、非常に結果としてはよかったなということを痛感したわけでございます。と申しますのは、宅造地域のみならず、一般の農地もそうでございますが、冠水した場合、設置されました膨大な排水施設も県内各所にあるわけでございますが、やはり移動できる、能力の高い排水ポンプの設置も必要ではないかということを感じ、そしてまた、排水のポンプによって威力を発揮したということを目の当たりに見たわけでございます。今、気象の予報も大分精度が高くなっており、どの地域が非常に降雨量が多くなるということもあるわけでございますので、そうした移動用の排水ポンプの設置というものはどのようになっているのか。そしてまた、今後そういう必要性があるのではないかと思うわけでございますが、その点についてお伺いいたします。
 三つ目でございますが、冠水を一つの契機として感じたことは、新しい場所に住宅を求めて入居する、住宅を建てるということがあるわけでございますが、そうした場合によく耳にすることは、その地域も知らないで買ったから、私も不勉強だったが、買って間もなく、2カ月もたたずに床上浸水した。非常に残念だという声も聞かれた経過があるわけでございます。そうした場合によく口にしますことは、売った業者も悪いという言い方、あるいはまた、宅造許可をした行政も悪いとか、いろいろな批判が出てくるわけでございます。ただ、私、感ずるには、購入した方が、そういう地形であるということを知らずに購入するという例もなくはないような感じも受けたわけでございます。
 そこでお伺いしますが、今後、この宅地造成等にかかわるところの指導あるいはまた許可の場合には、もちろんそのときの降水量によっても違います。降水量が多くても短時間であれば冠水することもないわけでございますが、非常に冠水の状況というのは複雑多岐でございますので、その一定の解釈というのは難しい点があるわけでございますけれども、そうした関係の宅造に係るところの関係についてはやはり十分開発の時点で注意すべきことではないかと思うわけでございますが、県あるいはまた、県として市町村に対する指導等についてお伺いいたします。

〇沖河川課長 内水対策についてでございますが、まず最初に、内水対策をどの程度把握しているかということでございますが、昨年の台風6号以後いろいろ現地調査した結果では、県管理区間では、県内15カ所ほど内水対策の何らかの対応が必要な箇所がございます。
 昨年の台風6号による出水でございますけれども、各地で委員御指摘のとおり洪水被害が発生しておりまして、地域の皆様の水防活動によりまして住宅や耕地への浸水被害の軽減に努めていただいたところでございますけれども、河川管理者といたしましても、地域住民の生命、財産を確保するという観点から内水対策についても急務と考えておりまして、地域の現状、重要性や緊急性に配慮しながら、必要に応じて、今、御指摘のような可動式、固定式、これらいろいろな形の排水の方法がございますけれども、これらの配置などについても考えてまいりたいと思います。
 また、洪水により被害が生じるおそれがある地域においては、事前に住民に周知する対策としまして、堤防決壊等による浸水が想定される範囲、避難場所、これらについてわかりやすく示したハザードマップ等も市町村が策定することになっておりますけれども、これらに当たりましても、国とも連携しながら支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、県といたしましては、今後ともこういうハザードマップの未策定の市町村とも連携を図りながら、早期策定に向けて努めてまいりたいと考えております。

〇平井都市計画課長 宅地開発許可の際の指導についてのお尋ねでございますけれども、宅地開発許可制度とは、無秩序な開発を防止しまして、良好な市街地の形成を図るため、一定規模以上の開発行為について規制するものでございます。この許可申請は、地元市町村が受付窓口となりまして、必要な場合には現地調査も含めて審査を行い、市町村としての意見を付して副申されることになります。県は、その意見を踏まえまして、都市計画法上の技術基準等に照らし合わせまして、基準を満たしているか否かを確認して、満たしている場合は許可しているところでございます。
 都市計画法上、内水の排水処理について特段規定されたものはございませんけれども、開発区域からの流出水に関する基準としては、法の規定に基づきまして、放流先施設の管理者から同意を得るように開発者を指導しておりまして、その同意書の添付の有無を開発許可に際しての判断基準としているところでございます。
 内水に関しましては、今後とも、県としては現場における実態や実情の把握に努めまして、開発者に対しては、過去の出水履歴等の情報を適切に提供するなど、良好な宅地が県民に供給されるよう、地元市町村と連携して指導してまいりたいと考えております。

〇藤原泰次郎委員 先ほどの答弁の中に、水害の場合避難するということがあったんですが、これはどちらかというと防災上の関係になると思いますが、ただ、注意しなければならないのは、水害時の避難場所と火災等にかかわるところの避難場所では違うと私は思っているわけでございます。と申しますのは、水害の場合には、冠水いたしますと、その避難場所は高くともそこに行く途中が低かったりして船でなければ行けない、避難できないということもあります。火災の場合でありますと、そういう水の問題はないものですから、道路さえ確保されればすぐ避難できるということがあるわけでございますので、これは防災上のことでございますのでここであえて申し上げませんが、やはり水害と火災等にかかわるところの避難というのは区別すべきものだと思っておるわけでございます。
 次に二つ目でございますが、今までもお願いした経過があるわけでございますが、全国都市緑化フェアが岩手で開催ということで誘致運動を展開しているのは御案内のとおりでございます。これは、昭和58年の大阪フェアからのスタートであるわけでございますが、毎年開催されておるわけでございます。非常に開催につきましては、予算上のこともありますし、大変なことは十分承知しておりますけれども、しかし、それだけにまたいろいろと、開催期間も長い、2カ月、3カ月ということ、あるいはまた、観客も100万人あるいは100万人以上ということもあるわけでございまして、非常にイベントとしては大変効果のあるものではないか。特にも岩手のように、観光PR、そういった面では非常に効果があると思っているわけでございますが、ただ、そうした開催についてはこれからもいろいろな条件整備があるわけでございますけれども、そうした取り組みの状況、そしてまた今後の見通しについてお伺いいたしたいと思います。

〇平井都市計画課長 全国都市緑化フェアの取組状況でございますけれども、まず、県議会及び盛岡市議会におきましても、同フェアを平成18年度以降早期に開催誘致するという請願が採択されてございます。県と盛岡市では、そういうことを受けまして、担当者によるワーキングチームをつくりました。平成14年度開催されました山形県、それから、来年度大分で開催が予定されていますけれども、そういったところの視察などを行いまして、先進地における情報収集を行ってきております。
 先進地調査の結果からは、近年のフェア開催に係る事業規模は、入場者数で約100万人、事業費で運営に係るものとして25億円ほど要しております。そのうち、負担内訳をお話ししますと、県負担が大体13億円から15億円ぐらい、開催する市町村の負担が6億円から7億円という状況になっております。
 また、運営形態につきましては、ほとんどが実行委員会の形式をとっておりまして、事務局は最盛期で40名ほどになっております。うち、県から約20名、市町村から約10名、その他関係団体からも職員が派遣されているという状況になっております。
 現在、これら調査結果をもとに、本県におけるフェア開催に係ります課題につきまして、財政の負担の問題とか、事業効果なども含めまして、盛岡市とともにさまざまな角度から検討を行っているところでございます。
 それから、これからの取り組みということでございますけれども、全国都市緑化フェアの開催は、本県で過去に開催いたしました三陸・海の博覧会などに匹敵する非常に大きなイベントであると考えております。県、市の財政状況は非常に厳しゅうございまして、また、今後の社会情勢もまだ見えないところもございます。関連施設整備といった諸課題も残っているかと思います。また、県民の御意見というのもまだ十分に把握していない、これから十分に配慮していかなければならないものと考えておりますので、今後とも、盛岡市などとも連携を図りながら開催について検討してまいりたいと考えております。

〇及川幸子委員 私、常任委員会でこの件について取り上げたんですけれども、やはりこれを進めるに当たりましては、全国の例を見るのもそうですけれども、岩手県独自で、岩手県ではこうあるべきだという特徴を示して、全国はこれくらいかかったからやっぱりこの金額ではできないだろうとか、そういうのではなくて、やはりやる前提で、青少年の緑に対するいろいろな教育の面からも進めるべきだと思うことから、岩手県らしい取り組みをお示しいただきたいと思いますが。

〇平井都市計画課長 岩手県らしい取り組みということでございますけれども、全国事例ということではなく県の独自のフェアも考えたらということは確かに委員御指摘のとおりでございまして、我々も、お金がないならないなりに知恵を絞って、岩手らしいというのは確かにございますと思いますし、あとは、やはりNPOさんとか地元、県民の御理解、御協力、一緒にやるということも必要かと思いまして、そういった面で、今、協議会がございますので、そことも連携を図って、勉強しながら、どういう形のものが考えられるのかということを一緒に考えてまいりたいと考えております。

〇小野寺好委員 先ほどの住宅地で豪雨が発生した場合に関連してなんですけれども、雨水の流入する河川と下水道事業の関係について見直しという声がありますが、本県の場合、下水道事業と河川との何か関連、工夫、これまで何かしてきたかお伺いしたいと思います。

〇沖河川課長 具体的な連携した取り組みというよりも、各地域ごとに、その内水の状況と、それから、都市部を流れる川の水位等の関連をはかりながら、例えば都市下水道で対応できるものと、やはり構造上できないものとは下水道を計画する段階でいろいろ検討はしておりますが、具体的にどの川とここが連携してやったということは今のところ事例としてありませんが、そういう必要は出てくるものと考えております。

〇伊藤勢至委員 2点についてお伺いいたします。
 まず、さきに質問された各委員ともラップしますが、河川の整備についてお伺いしたいと思います。
 本県では、岩手山が噴火の兆しを見せてから、山と従来の津波ということで、海の監視、防災という観点から、そっちは随分手当てをしてきたように思っておりますけれども、その間にある河川についてはつい忘れがちだったのではないかと思っておりまして、この8年間ずうっと提案をしてきたつもりであります。
 古くは、54年前になりますけれども、アイオン・カスリン台風で大変大きな被害を受けたわけでありますし、明けて4年前は、軽米町の雪谷川のはんらんによる大洪水がありましたし、昨年は、東山町、川崎村のやはり大災害があったわけであります。
 そういう中で、県内には106の県が管理する二級河川があるわけでありますが、基本的には、私は随分この河川が、川底が高くなってきて、土砂、砂あるいは樹木が繁茂して、万一の水が出た場合に十分に飲み込めない状況になっているのではないか。人間の体であれば、ポリープや腫瘍は早目に撤去した方がいいということでずうっと提言をしてきたつもりでありますが、そういう総体的な防災、治水の観点からの何か対策を立ててきたのでしょうか、まず1点お伺いをいたします。
 それから、港湾整備に関連いたしまして、実は先般の低気圧の際に、大船渡の湾口防波堤が70メートルぐらい決壊をしたという報道がありました。これについてでございますけれども、これはたまたま今回大きな波が来て、その一発の波で倒れたのではなくて、建築以来の長年のいろいろな風波に耐えてきた、言ってみれば、金属で言いますと金属疲労といったものが蓄積していたところに大きな波が来て、ごろんといったと、私はこう思うのであります。したがいまして、今までの、この湾口防波堤がなかった場合に被害があったかないかということを含めて、これは検証をする必要があるわけでありまして、今回の倒れた、倒れないだけにとどまらず、これからの部分として、もちろん復旧はするでありましょうが、そういうところもあわせて検証していかなければならないのではないかと思っているわけでありますが、これについての御見解をまずお示しいただきたい。

〇沖河川課長 河川の出水時等における河川区域内の土砂の堆積等、周辺に対する影響等でございますが、委員御指摘のとおり、出水のたびに中州の形状等がいろいろ変わるわけでございまして、そういう箇所につきましては、できるだけ早期に砂利の中州の撤去というような形で、治水上、河岸に支障のないような対応を随時考えてきております。特に、その堆積状況につきましては、こういう厳しい財政事情もございますけれども、必要な箇所については、砂利採取計画の中で5カ年計画というのをつくっておりまして、そういう調査の中でいろいろ支障になるような箇所について把握しております。それとはまた別に、そういう出水期後の状況についても、河川パトロール等を置いて、危険箇所の状況を把握しながら、それらの危険箇所の排除ということについて、砂利採取等の許可等を含めて撤去の対応をしてまいりたいと考えております。

〇村井港湾課長 大船渡湾での湾口防波堤の損壊でございますが、60メートルほどパラペットが損壊をしております。ただし、現在の時点でもまだ波が高く、海中の状況等詳細な調査ができておりません。波がおさまり次第、早急に調査をいたしまして、委員御指摘のようなことにつきまして検討してまいりたいと思っております。

〇伊藤勢至委員 まず、河川についてでございますが、たまたま中州とか川の真ん中にたまったものを折々に除去して、目先の対応をしていくのではなくて、本来の水を飲み込む、こういう川の機能を回復しておかなければ、大水が出た際の根本的な対応にはならないと思いますよ。したがいまして、中州にたまっている例えば砂利とか砂、これが利用できるものであれば、これは県固有の財産でありますから、とってもらう、とらせてやるという考えではなくて、有価のものとして利用するというぐらいの積極的な考えのもとに、本来のみお筋といいますか川筋を真ん中に戻しておいて水がのみ込めるようにやっていく、そういう計画を持つべきだと言ったわけでありますが、これについてもう一回御答弁をいただきたいと思います。
 それから、港湾課長に、今の大船渡湾の件に関連してでございますが、実は、宮古港の中にも湾口防という話があっていろいろやってきましたが、湾口防が宮古にはありません。先般、今後20年の計画を立てられたということでありますが、ここに関連してお伺いをしたいんですが、まず、そもそも湾口防は、チリ地震がやってまいりました今から42年前に、大きな被害を受けた沿岸四つの重要港湾の中で、大船渡が第1番目に湾口防に着手をした。それから、釜石がやって、久慈がやって、宮古は別な選択ということで、湾内漁業を守ろうという立場だったかもしれませんが、湾央の堤防のかさ上げをしていくということを選択したのだと思っています。
 それはそれで当時の選択でありますから、私は議論に参加できませんでしたが、ただ、今回の低気圧の被害の中で、まだ船を出せないから確定ができないと言っていますけれども、宮古湾内にも相当の被害があるようであります。さらにこれが、実は白浜に漁港ができてきて、堤防ができている、あるいは高浜にもできてきている。これのお互いの返し波が湾内にぶつかり合って、今までにはなかった様相の被害が出てきたと言われておりますが、この高浜港、白浜港等をつくる際に、そういう返し波の影響というのも当然調査の範囲に入っておられると思うんですが、それについてはいかがですか、お伺いをいたします。

〇沖河川課長 河川のそういう全体的な治水対策上の危険箇所等につきまして、当然、パトロール等で随時見直しているわけでございますけれども、今、委員御指摘のとおり、資源の有効利用という観点からも、今の例えば砂利採取計画というのは平成16年度まであるわけですが、そういう見直しの過程においても、治水の観点から、そういう箇所について優先的に排除するような検討を進めてまいりたいと考えております。

〇村井港湾課長 湾内の各防潮堤の返し波の影響についてということでございますが、この件につきましては、現時点ではちょっと情報を持ち合わせておりません。各防潮堤で津波から各集落を防護するということを前提に、今事業を進めております。
 現状は、以上のとおりでございます。

〇伊藤勢至委員 今後おおむね20年にわたる岩手の港湾のビジョンが昨年末に示されまして、私は宮古に湾口防の湾の字も載っていないのはおかしいと実は指摘をしたわけでありますが、議論はかみ合いませんでした。
 そういう中で、港湾課では12月の初めごろでしょうか、宮古に参りまして、宮古の港湾利用促進協議会とかの方々にビジョンの説明をされたそうであります。その際に、だれとは言いませんが、宮古のいろいろな集まりに参加した人の中から、伊藤議員は湾口防について積極的な発言をされているはずですが、どうお考えですかという質問に対して、港湾課のだれかがですよ、伊藤議員は勘違いをしている、こういうふうに話されたと聞いております。私が勘違いをしているというのは、これは大変重大な問題でありまして、選挙を前にして、少なくとも県民の、市民の声が、湾口防があるべきだという声があって、それを代表してしゃべっているときに、伊藤議員は勘違いをしていると、何を言っているんですか。これはちょっと重大な問題でありますが、言った、言わないの前に、そういう感覚を持っているのであれば、我々と幾ら議論してもかみ合わないと私は思うわけでありますが、港湾課長、ちょっとそこについて、だれが言った、言わないではありませんが、県の港湾課として、宮古の湾口防について勘違いとこれからも言うのかどうか、そこをまず示していただきたい。

〇村井港湾課長 その説明会には私が参りまして、地域の皆様に御説明をしております。それで、市街地を津波から守る方法には、湾口防波堤と防潮堤の組み合わせ、それから防潮堤だけで守る方法、いろいろな方法がございます。その中で、宮古の場合は防潮堤で守るという方法を地域の皆様と協議をして、決定をして、今事業を進めているところでございまして、防護方法についていろいろな御意見があるということは、これは勘違いとかという問題ではなくて、いろいろな方法があり得るということは間違いないことでございますので、我々、議員が勘違いしていらっしゃるというような認識は持っておりません。いろいろなお考えがあって当然と考えております。

〇伊藤勢至委員 別にあなたとけんかをするつもりはありませんけれども、先ほど冒頭に言いましたように、チリ地震というのは42年前に来ているんですよね。その後にいろいろな湾を守ろうと、当時のおんちゃんなどがやってきたことで、あなたも私も、当時は何もそういう議論に参加していないはずです。そのあなたから、勘違いなんて言われる筋合いのものではない。
 しかも同時に、宮古市民は、宮古湾に襲来する津波という部分をどう守ろうかという話をしている中に、新しい人たちから新しい意見として、湾口防の方がいいのではないか、こういう議論も出てきているわけであります。
 県が、藤原ふ頭に立地してまいりましたこの工業用地、工業団地、ここに今幾らの企業が進出をして、他の企業が来ないのはなぜだと思いますか。津波が来るおそれがあるからなかなか行かないということではありませんか。今の湾口防というのは、昔と変わって、スリット化といいまして、海面下においては全部コンクリートで固めるのではなくて、あきが出たような、こういう湾口防も出てきているんですよ。したがって、そういうものを市民が要望して、欲しいと言ったらば、そういうものの声を我々がこの議会で上げるのは我々の役目です。それに対してあなたが、伊藤議員は勘違いをしている、これは私に対する名誉棄損と選挙妨害に当たるかもしれない、あるいは出るところに出てやらなければならないかもしれない。何を言っているんだ、あなた。もう一回答弁してください。

〇村井港湾課長 市街地を津波から守る方策にはいろいろな方法がある、伊藤議員からはこのような御提案をいただいている。ただし、我々事務担当といたしましては、現在は防潮堤方式でいくということに決めて、今、事業を進めているところでございますので、これをまずは早く完成させるということに全力を挙げたいということを市民の皆様に御説明したところでございます。
 それから、工業用地の件でございますが、工業用地、それから港湾関連施設用地等ございますが、宮古湾のここに企業がかなり張りついてまいりました。それから、出崎地区につきましてもいろいろな施設が今建っておりまして、比較的有効に利用されている。ただし、現今の経済情勢の状況によりまして、残念ながら現時点での企業の進出が滞っているという状態でございます。これは、津波の問題というよりは、現在の経済情勢が大きく影響していると認識しております。

〇伊藤勢至委員 議事録があるわけでもない、言った、言わないの話になれば、これはまさに水かけ論になるかもしれません。ただ、あなたがいつもおっしゃっております、当時の選択は湾央の防潮堤のかさ上げで津波を守る、その津波を守る湾央の防波堤というのは、防波堤の後ろを守ることですよ。藤原ふ頭あるいは宮古湾内に立地している企業は丸裸なんですよ。これをどうして守るかという議論を私に納得できるように、私は余り頭がよくありませんので、どうぞ私が納得できるような説明を後で私にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

〇小野寺研一委員 196ページの道路維持費に関連してお尋ねをいたしたいと思います。
 県道一戸葛巻線についてでございますけれども、去る7日、8日に県北沿岸を襲いました大雪被害で、一戸葛巻線の危険性が顕著にあらわれてきたという事例が出てまいりました。
 通称奥通り地区1.8キロメートルでございますけれども、ここに8日未明でしょうか、3カ所に雪崩が発生して、現在でも通行どめが続いておる。そして、二戸地方振興局の担当がつぶさに毎日見ておられるようでございますけれども、除雪には、やっぱり二次災害が発生するかもしれないという危険性をはらんでおって、なおしばらくかかるのではないかという情報を私なりにちょうだいしてございます。このことについて、私の情報が間違っているかもしれませんので、現在の一戸葛巻線の奥通り地区に関しての状況、それから、今後これの復旧の見通し、そのことについてまずお尋ねをいたしたいと思います。

〇浅沼道路環境課長 主要地方道一戸葛巻線の復旧の見通しについてお答えいたします。
 このたびの記録的な降雪によりまして、今お話ありました主要地方道一戸葛巻線の一戸町奥通り地区におきまして、3月8日午前8時より雪崩が発生しているということから、現在も全面的に通行どめを行っているところでございます。
 県といたしましては、この路線の重要性にかんがみ、そして雪崩の発生の状況を見きわめながら、3月11日、きょうでございますけれども、朝よりロータリー車あるいはグレーダーの2台の除雪車を投入いたしまして、除雪を開始いたしているところでございます。
 そして、きょうの進捗状況によるかとは思いますけれども、開通のめどといたしましては、本日の夕方5時ごろ規制解除に向けて、全力を挙げて現在現地で除雪に取り組んでいるところでございます。

〇小野寺研一委員 毎年こういうようなことが発生しているんです。一般質問でもお尋ねしたわけでございますけれども、幸いにして災害は人命につながりませんでしたが、冬期間は当然雪崩がございますし、夏場にも、防護さくはございますが、断崖絶壁の山でございますから落石がしょっちゅうあるということなんです。ですから、自動車が直撃されないという保証は何もないわけでございます。
 そういうこともいろいろ考えてみますと、これは一戸葛巻線、あるいは二戸の新幹線、葛巻の田部地区というところは生活圏でございますので、そこが通院とかいろいろな生活の関係で通行する主要地方道ということになってございますから、交通量も、また定期バスも走っております。そういうところにそういう危険箇所ということになると、やっぱり利便性というか、効果ということ以前の問題で、何とかひとつ調査をしていただきながら、この前の答弁もちょうだいはしておりますけれども、やはり七、八百メートルのトンネルをぶち抜いてやらなければならないと思いますとか、そういうお話が出てくるのかなと思って再度質問を申し上げたということでございますので、ひとつ御見解を承りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

〇渡部道路建設課長 主要地方道一戸葛巻線の整備についてでございますけれども、このたびの暴風雪により、委員御指摘のように県北沿岸を中心に、峠部ですとか狭隘部で通行どめが多数発生したということで、これらの整備の必要性については今回十分に感じたところでございます。今後の道路整備に当たっては、こういった点も踏まえながら計画していく必要があると感じているところでございます。
 御指摘の奥通り地区につきましては、道路幅員が狭くて、カーブが連続するなど交通の隘路となってございますけれども、地形条件が極めて厳しくて現道の拡幅が困難だということで、隘路区間の解消のためには非常に大きな事業になると考えているところでございます。その一方で、財政状況が非常に厳しいということから、事業の実施に当たっては、公共事業評価等、その重要性や緊急性を十分に検討する必要があると考えておりまして、本区間についても、このような視点に立って検討を加えますとともに、先ほど委員御指摘のように、今回の暴風雪によって通行どめがあったということも踏まえて、県全体の道路整備の中で、その整備のあり方について検討していきたいと考えております。

〇小野寺研一委員 ありがとうございました。まず、前向きにひとつ御検討していただきたい、そのように思います。効果というんですか、そういうこともさることながら、やはり人命が何よりも大事なものだろう。そこを通らなければ、九戸を通って、あるいは沼宮内に出て二戸へと大変な遠回りをしていかなければならない。全くの一本の主要地方道でございますので、ひとつその辺は、事あるごとにお願いをしなければならない状況でございます。本当にいつ、どんなことが起きるかもわからないような箇所です。県内で危険性の最も高い箇所になってしまったのではないでしょうか。そういうこともありますので、ひとつよろしくお願い申し上げて、終わります。

〇田村正彦委員 今の小野寺委員に関連して質問いたしたいと思いますが、実は、私も勤め人のころは、大坊峠が閉鎖になるとあの通りを使ったものです。あのルートというのは、ある意味では本当に重要なルートなんですね。何台通るから、効果がどうだから、そんな問題じゃなくて、やはり物すごく重要な地方道路だというふうに私は、あの辺に住んでいない人間にとってもそう感じております。
 そういったことで、さっき財政がどうこうという話がありましたけれども、そうじゃなくて、やっぱり大事なものは、多少財政負担が伴ってもつくるんだという意気込みが私は必要だと思うんです。ぜひ、拡幅がだめであれば、多少金がかかってもトンネルを通すとか、それぐらいの意気込みを持っていただきたい。効果だけではなくて。それをぜひお願い――お願いじゃなくて、そうあるべきだと思うんですが、いかがですか。

〇渡部道路建設課長 一戸葛巻線についてでございますけれども、実は昨年度、概略のルートを検討いたしまして、現道拡幅案とかトンネル案とか何案か検討いたしました。その結果、先ほど申し上げたようにかなり規模が大きな改良を伴うということでございますので、いずれ、これから事業が厳しくなる中で、県下全体の道路整備のあり方みたいなものはきちんと考えなければならないと思っております。当然、その中には公共事業評価というルールもございますものですから、それは加味しなければならないと考えておりまして、いずれ、これらのことを総合的に勘案しながら、今後の県全体の道路整備のあり方について検討したいと思っております。

〇菊池勲委員 今、担当課長の答弁を聞いていると、苦しそうな答弁なんだな。それで、部長はにかにか笑っているんだよね。やっぱり、先ほど私もそう言ったが、広い県土の中で、ここから隣の村とか町に行く場合にはどうしてもこの道路を通らなければならない――今、工藤委員に聞いたらば、もしここが通行どめになったら、迂回にはかなり、何倍もの距離を回らなければという話なんだよね。
 私は現地を認識していないから質問がちょっと外れるかもしれないけれども、やっぱりどうしてもそこに行かなければ、今、田村委員も小野寺委員も言ったとおり、台数が少ないとか多いの議論でなくして、そこは各行政方の連絡、ひいては県との連絡も含めているわけだから、今、五、六百メートルのトンネルなら――部長、あなたの出身は向こうだよな――一気に持ってきてやってあげるとか、そのぐらいの気構えがないと、担当課長がかわいそうだよ。何となく苦しそうな答弁だ。部長は笑っているから、そっちの方が何十倍も力があるんだもの。
 ねえ部長、そんなような形で、ここだけではないと思うんだけれども、今の議論を聞けば、ここはちょっと厳しいみたいだね。今、工藤委員に聞いたら、本当に厳しいところだ、そこがもし通行どめになると何倍もか知らないけれども、随分迂回しなければ通れないそうだから、これではおそろしくマイナスになるわけだから。きょう言って、あしたできるものではないと思う。だけれども、その目的で進む努力をしなければね。
 今の答弁だと毎回ずうっとあるんだ。雪だけじゃない、年に何度かあるそうだから、それでは無理だと思う。ねえ部長、ひとつその気構えを教えてくださいよ。

〇猪股県土整備部長 今回の災害といいますか、雪が大変たくさん降りまして、通行どめがたくさんありました。数で言うと、全面通行どめで22カ所、18路線だということで、まだ解除していないところも何カ所かございまして、やはり雪というのは非常に大変なものだということで強く感じておりますし、私もこの整備の必要性といいますか、非常に強く感じております。
 特に、先ほど課長からも答弁がありましたけれども、峠部であるとか狭隘部で、たびたび委員方からも御指摘いただいている部分がとまっているところがございます。特に峠部とか狭隘部は非常に大きなお金がかかるということもございまして、何とか知恵を出しながらやらんといかんなと強く感じているところであります。私としても、そういう声を聞きながら、精いっぱい頑張っていきたいと思っております。
 ただし、御理解いただきたいのは、財政状況が非常に厳しいということで、来年度も新規箇所については極めて限定的にならざるを得ないという状況もございまして、すぐさまどうこうということがなかなか申し上げられない状況の箇所がたくさんあるということで、私も、にかにか笑っているというお話がありましたが、決してそういうつもりではなくて、なるほどなと思いながら聞いていたつもりでございますので、誤解ないようにしていただきたいと思います。
 課長だけでなくて、私も、財政的にこういう状況なので、答弁としては非常に辛い答弁しかできないんですけれども、私なりに一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(「国が方針変えなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)

〇佐々木順一委員 2点についてお伺いしますが、まず一つは、花巻空港の建設のスケジュールについて確認をさせていただきます。
 県の来年度予算、マイナス18.3%ということで非常に厳しい状況にありますが、思うには、この空港整備についても、その予算の確保がかなり厳しいのではないかな、タイトになっているのではないかな、このように懸念をしているところであります。
 ついては、平成16年度末の開業でありますが、今後のそれに向けてのスケジュールについて確認をいたします。
 それから、もう1点は、昨年の12月決算特別委員会で入札制度の関係について聞きました。そのときに、たしかダンピング防止のために条件つき一般競争入札において、最低制限価格を設定することや、あるいは県内発注率の向上を図る方策を講じることなど、県においてもこういった問題点が関係者の間にあることを認識しているといったことを確認いたしました。
 このようなことから、部長に私の方から、入札検討委員会を開いて早急に改善策を講ずるべきではないかと申し上げたところ、入札は総務部でありますから、あとは関係部局の考えもあることでありますから、意見交換をしながら考えていきたいということでありました。以後、何か新聞によりますと委員会を開いたようなこともありましたので、以降の対応策、改善の点があったならばその点、御紹介をしていただきたいと思います。

〇猪股県土整備部長 まず、花巻空港整備事業の今後のスケジュールでございますけれども、現在、花巻空港で行っております滑走路2、500メートル延長の整備、これは、航空機の離着陸時の安全性の向上、また冬季就航率の改善、国際チャーター便の運航先の多様化などの目的がございまして、県勢の総合的な発展を図る上で重要な事業だという認識の中で進めているわけでございます。
 この整備スケジュールは、航空機の離着陸時の安全性の向上を目的としております滑走路の延長につきましては、効果の早期発現のために、予定どおり平成17年3月供用開始を目指して進めていきたいと思っています。
 一方で、国の地方空港等の平成15年度の予算案を見ますと、平成14年度に比べましても約30%の大幅減になっているということもありますし、また、本県の財政状況を見てみましても、歳入の大きなウエートを占めております国庫支出金とか、県税とか、地方交付税等々、非常に大幅な減が見込まれているということでございまして、極めて厳しい財政状況にあるということを踏まえまして、ターミナル地域の移転につきましては、整備期間を1年延期いたしまして、平成18年3月の供用を目指して整備を進めることにしたいと考えているところでございます。
 次に、低入札価格調査制度、前回の決算特別委員会でお話があったところでございますが、ダンピング受注の抑止や下請、資材会社へのしわ寄せの防止を図るということを目的といたしまして、その後、ことしの1月16日に入札制度改善等検討委員会を開催しております。これは、委員長が副知事で、担当部が総務部ということで、いろいろ内容を検討したということでありますが、その委員会において、低入札価格調査制度について所要の改正を行っております。
 その改正点といたしましては、事前審査制度の導入、これは入札時に工事費目ごとに定める一定率を下回った場合は失格とするというような制度でございますが、こういう入札審査制度を導入いたしましたし、そのほか、低入札価格調査審査会を設置するであるとか、調査体制・調査方法の見直し、また、4点目としては、着工後のフォローアップ(追跡調査)、またペナルティーを強化するといったような五つの点について改正を行ったところでございます。
 なお、今回の見直しにあわせまして、県土整備部でも、低入札価格調査制度の調査対象工事におきまして、現場での重点的な監督の実施、また検査項目の見直しなど監督体制、また検査体制を強化いたしましてフォローアップの徹底を図ったところであります。さらに、各地方振興局土木部長等の公所長会議というのがございますが、その中で、改正された低入札価格調査制度の運用について周知徹底したところでございます。
 今後とも、県民の方々の信頼を得られるような入札・契約制度になるように、担当部であります総務部とも連携を図りながら詰めてまいりたい、取り組んでまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 ありがとうございました。
 空港は、本体は平成16年度末ですか、17年3月に開港ということで聞きましたが、ターミナルは1年おくれると。現下の厳しい財政事情でありますから、やむを得ないところかもしれませんが、それにしても、地権者対策からたしか1年おくれて申請がおりて、1年おくれで空港の整備に着工したといったことを考えれば、県の部の方の努力は多とするところでありますが、また、フルセットでの開業が難しいということになるわけでありますので、ここは残念であります。
 いずれ、今後どういった財政事情になるかは予断を許さないところでありますが、いずれ今よりはよくなることはないと思います。しかしながら、空港を望む方々はフルセットの完成をやっぱり望んでいると思いますので、できるだけターミナルについても、今後どうなるかわかりませんが、早急に、できるだけ時期をずらさずに完成に向けて御努力賜りますことをお願い申し上げたいと思います。
 それから、低入札価格の関係は今聞きましたが、いろいろ多岐にわたっておりますので、一つだけ確認をさせていただきたいと思います。この業界関係者の中には、例えば入札参加の総合評価の中で、主観的評価事項を取り入れていただきたいといった要望もあったと思います。したがって、入札参加者の登録審査の中で、こういった主観的要素を取り入れるお考えが県の方ではあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

〇内村建設技術振興課長 入札参加に当たりまして主観的要素を加えるお考えはあるかということでございますが、県営建設工事の請負契約に係りましては、競争入札参加資格の審査というものをやっております。この審査は全国共通でございますが、経営事項審査、客観点と申していますが、これに加えまして、現在も岩手県独自で評価項目というものを設定いたしまして、これを主観点として加点評価しています。平成15、16年度の入札参加資格の審査は現在やっているわけでございますが、これにおきましては、技術と経営にすぐれた企業を適正に評価するため、工事成績、ISO認証取得、建設マスターの雇用など、企業努力について主観点の割合を大幅に向上させてきております。
 また、今後につきましては、例えば災害への対応、あるいはボランティア活動等地域貢献につきまして、その評価方法あるいは評価の客観性、公平性というものを検討いたしまして、今後、建設業界等と意見交換しながら、平成17、18年度になりますが、次回の入札参加資格の見直しにおきまして導入するということで進めていきたいと考えております。

〇佐々木順一委員 平成17年度ですか。わかりました。
 宮城県では、公共事業の入札参加者を決める登録審査に災害時対応の貢献とその他地域貢献を追加するということのようであります。具体的に申し上げますが、災害時対応の貢献とは、過去2年にさかのぼって、見回りや待機などを事業所で行っていれば、これが対象となる。それを証明する方法は、県や市町村の担当課の確認が必要であるということでありますし、その他、地域貢献としては、清掃活動、献血、文化事業など、幅広い活動が対象となる。いずれ資料があれば認める、評価点は10点ということでありまして、たしかやっているか、今やるのかわかりませんが、そういった状況で取り組んでいると聞いておりました。2年かかるわけですが、なかなか直ちにやれない要素があるわけでしょうか、そこだけちょっと御説明願います。

〇内村建設技術振興課長 宮城県では平成14年度から、委員おっしゃるような項目で評価しているということがございます。当県でもいろいろ検討いたしましたが、まず、どういう評価の仕方をするか、それが県民から見た場合、客観性、公平性が担保されているか、この辺のところを検討していきたいと考えています。

〇伊藤勢至委員 入札の資格に関連して1点お伺いいたしたいと思いますが、県土整備部は、旧建設省の流れをくむということもあるのでしょうか、技術という部分を尊重されているようでありますが、旧労働省系の技能という部分をやはり加味していただかなければならないのではないか。現場というのは、技術と技能と相まってできてくる。こういう観点からいきますと、技能者という部分も尊重していただきたい、こういう願いが業界から強いわけであります。
 平成16年度は全国技能オリンピックが本県で開催されますし、技能イコール職人ということではないにしても、卓越した技能士をこれからもどんどん育てていきたいと言っているわけでありますから、やはり県の事業あるいは県内の事業には、県内のいい腕を持った技能士をどんどん尊重して、活用していただきたい。そうすることによって、ドイツのマイスター制度ほどそういう部分の社会的地位の向上があれば、これはこれで建設産業を支える皆さんの大きな励みになってくると思いますので、それをぜひ加味していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

〇内村建設技術振興課長 入札参加の条件といたしまして、県で自主的にやっています主観点といたしまして、優良企業の現場代理人表彰をされた会社、それから、優良施工の岩手県知事表彰の受賞者を雇用している会社につきまして、県の主観点につきまして1人に10点ずつ加算し評価しているという形になっております。いずれ、こういうものにつきましては、県といたしましては随時加算の方に取り上げていきたいと考えています。

〇伊藤勢至委員 そういう点数ではなくて、現場の仕事をする際に、例えば一級技能士とかを活用していただきたいと言っているのでありまして、点数がどうのこうのではないんです。技術というのは、例えば図面をかくとか、全体を監理するのが技術だと思いますが、実際に現地で仕事をする、例えばかんなをかける、タイルを張る、そういったものは技能士がやるんですね。ですから、そういう一級技能士を県の仕事には張りつける、そういったことを条件にしていただいて、それが技能士の向上、そして社会的地位の向上にもつながっていくということで、いいものをつくるために使っていただきたい。点数制度ではなくて、そういうものをはめ込んでいただきたいというお願いなわけであります。今の点数制度ではなくて。もう一回ひとつお願いいたします。

〇内村建設技術振興課長 施工のときに技能士を活用できるような制度ということでございますが、委員おっしゃることにつきましては、今後の勉強課題にさせていただきたいと考えております。

〇樋下正信委員 私は、説明書の208ページ、3目下水道事業費のところでお伺いしたいんですけれども、この平成14年度の予算と15年度の予算を見ると35%ぐらいの減でしょうか、いずれ大きく5、400万円余の減でございます。知事は、私の記憶しているところですと、平成20年までに県内の下水道の普及率を80%まで上げるというようなお話をなされていますが、このような予算で果たしてその目標に到達するかどうかお聞きしたいと思います。
 いずれ、環境首都というようなこともお話ししておりますし、私も何回となく質問しておりますけれども、同じ県民で、同じ環境でということで言わせていただいているわけでございますが、この状況で今言ったような目標が達成できるかどうかお伺いしたいと思います。

〇大信田下水環境課長 下水道整備の予算の確保とその到達ということでございますが、下水道の整備につきましては、平成12年度に策定いたしました全県域汚水処理実施計画に基づきながら計画的に行っているところでございます。
 平成12年度及び13年度においては、実施計画を上回る着実な整備が図られたところでございます。また、平成14年度につきましても、おおむね実施計画を達成できるものと見込んでおります。
 平成15年度の下水道整備の予算は対前年度比89%、金額にいたしまして296億円となっておりまして、非常に厳しい状況であります。整備率の伸びは鈍化いたしますが、実施計画における平成15年度計画目標値は確保できる見通しであります。
 なお、財政事情が非常に厳しいものと考えられますが、より一層のコスト縮減等を図りながら、県の総合計画における平成22年度の目標である汚水処理整備率80%の達成に向けて、市町村と一体となって下水道の整備促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時50分 休 憩
   午後1時4分 再 開

〇水上信宏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇工藤大輔委員 大きく2点についてお伺いします。
 一般県道にかかる橋梁ですけれども、県内に県道の中で車が対向できないような橋梁が何カ所あるのか、そして、その中で実際に現在事業を進めている箇所は何カ所あり、そのほかについては今後どのような検討をしながらかけかえをしていこうとしているのか、まず1点お伺いします。
 2点目ですけれども、現在、業者のランクが特AからDまである中で、今後、公共事業がどんどん削減されていく方向の中で、やはりこれについても見直しが必要ではないのかと考えるところであり、現在の検討状況と、今後、どのようなスケジュールで進めようとしているのかお伺いします。

〇渡部道路建設課長 橋梁部の幅員が狭い箇所の対応についてでございますけれども、県管理の橋梁などのうち、前後の道路が2車線で整備済みであって、橋梁部が1車線と狭くなっている箇所は県内に6カ所ございます。そのうち、一般県道東山薄衣線の川崎村の砂鉄川橋と、それから一般県道宮古山田線の宮古市の長沢橋の2カ所につきましては、平成15年度の供用を目指して現在整備中でございます。残る4カ所のうち、一般県道明戸八木線の大野村の明戸橋につきましては、現在、県単独の地域振興支援道路ネットワーク整備事業におきまして、交差点改良の一環として本年度に橋梁の予備設計を行うなど、かけかえに向けて調査中でございます。
 その他3カ所につきましては、交通量の推移等を踏まえながら今後検討してまいりたいと考えております。

〇内村建設技術振興課長 発注標準の見直しについてでございますが、発注標準の見直しの方針といたしましては、まず、等級区分別の発注標準につきましては、発注量に応じた等級区分を設定することによりまして、入札参加機会を公正に確保する方法、それから、技術者要件を段階的に引き上げる、それから、今回、平成15、16年度をやっているわけですが、次回、平成17、18年度でございますが、土木、電気、管設備におきましては等級区分を圧縮することを考えていまして、これを次回はやるというふうな明示をしております。それから、技術者要件につきましても、やはり同じように段階的に引き上げるということを考えております。
 それから、主観点につきましては、主観点の客観点に対する割合を引き上げていくということで、技術と経営にすぐれた企業を適正に評価する方法ということを目的としております。
 具体的にスケジュールを申し上げますと、今回、平成15、16年度の見直しをしまして、ただいま受け付けしているわけですが、平成15、16年度につきましては、主に技術者要件を若干引き上げる。それから、次回につきましては、先ほど申しましたが、土木、電気、管につきましては、最下等級、土木につきましてはD級、管、電気につきましてはC級、これを一つ圧縮していくということを考えています。また、それにあわせまして、発注件数あるいは発注金額というものを精査いたしまして、発注標準額の見直しも図っていくことにしております。また、技術者要件につきましては、次回見直しにつきましては、技術者要件を最低限3名に引き上げるということで、現在、作業を進めております。

〇工藤大輔委員 橋梁の件ですけれども、まず、これまで進められている事業について早期に進めてもらいたいと考えております。
 また、残り3カ所という中、1カ所は把握しているんですけれども、町の中心部に橋梁がかかっているところが実際にあって、これをやるとかなり大規模な事業になってしまうのかなと思いますが、いずれ予算が少ない中でなかなかやれないという考え方も一つにあると思いますが、やはり交通の安全を確保する、また、商店街等の中にある場合、特にも交通量等本当に多いわけでございますので、その辺の観点を踏まえて何らかの手を加えていかなければならないように思いますが、再度これについて1点。
 また、階級別の件ですけれども、やはりこれは県下一律の基準を設けるという方向になると思いますけれども、これは地方振興局によってさまざま仕事の中身、量とかが違うわけですけれども、それについて、やはり地方振興局は、地域の特性に合わせた形のものにしていかなければならないというところで難しさもあると思います。また、一部地域によっては、例えばB級ですけれども、金額が中途半端で仕事の発注を出させないという声を出す職員の方もあるわけです。ただ、中途半端としゃべられて、B級だったらB級の枠に入っている業者さんは大変かわいそうな思いをしているわけで、そういったこともやはりこういった改善点の中につけ加えてもらわなければならない、そのように考えているところでございます。
 いずれ、県下の企業の育成をも同時に進めなければならない中で、再度地域特性に合わせた取り組みについて答弁を願いたいと思います。

〇渡部道路建設課長 残る3カ所のうちの1カ所につきましては、八戸大野線の町中橋ということで、大野の町の中にある橋でございます。このかけかえにつきましては、町の中そのものが狭いということもありまして、現位置でかけるということよりもバイパス計画の検討も必要なのかなと思ってございまして、そのバイパスの検討の中において、交通量の推移等を見ながら、あるいはさらに地元の意見もお伺いしながら、その整備のあり方について検討していきたいと思っております。

〇内村建設技術振興課長 発注標準を地域によって特性をとらえてというお尋ねでございますが、確かに、地方振興局によりましては、工事の種類あるいは規模というもので、その年その年でいろいろ発注状況が変わるということがございますが、いずれ次回の見直しに当たりましては、地方振興局単位の発注実態を精査いたしまして、可能な限りそのような形で努めてまいりたいと考えております。

〇吉田昭彦委員 私は1点だけ質問させていただきます。
 先日の総括審査の際に、国の地震調査研究推進本部において、今後20年以内に81%、30年以内に98%の確率で宮城県沖地震が発生するのではということで発表されておることから津波防災対策について質問いたしましたところ、平成13年度から検討しております津波避難対策検討委員会の提言を受けまして、地震津波の観測情報のネットワーク化とハザードマップの作成について6月補正予算で取り組むとの趣旨の答弁をいただきました。このことによってソフト面の対策が整備されることに受けとめておるわけでありますが、ハード面の対策についてお伺いしたいと思います。
 ことしは昭和の三陸沖地震津波からちょうど70年経過し、悲劇を風化させまいとマスコミでも惨禍の教訓など多く取り上げてやられているところであります。この津波防災として整備された防潮堤も築造後40年を経過いたしておるわけですが、老朽化が懸念されるわけであります。昨年の議会でも点検や維持管理について質問させていただきましたが、その際に、国の方で点検マニュアルを検討されているという趣旨の答弁がありました。その後の状況がどうなっているか、また、県内の津波対策施設の整備状況についてお伺いしたいと思います。

〇沖河川課長 まず、津波防潮堤の維持管理マニュアルの検討についてでございますが、我が国の海岸保全施設というのは昭和34年の伊勢湾台風以後に急速に整備が進みまして、本県におきましても、昭和35年のチリ地震津波以降、本格的な津波防潮堤、水門等が整備を進められてきたところでございます。委員御指摘のとおり、近年、経年変化による構造物の沈下、施設の老朽化等が懸念されておりまして、海岸保全施設について、簡便で統一的、そして客観的な施設の危険度の評価などを確立するために、国において平成14年度に老朽化の実態調査をしております。そして、効率的な施設の維持管理方法等について現在検討しているところでありまして、今後、海岸関係省庁と調整の上、これらをマニュアルにまとめるものと聞いております。
 本県におきましても、これらの動向を踏まえながら、海岸保全施設の適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県内の津波対策施設の整備状況についてでございますが、本県の海岸線延長約708キロメートルのうち、整備の必要な延長は県全体で77.3キロメートルございます。そのうち、既往最大津波対応の整備済み延長が53.7キロメートルでございまして、その整備率は約70%となっております。
 なお、県土整備部所管分においての整備状況でございますが、必要な防護延長28.6キロメートルに対する既往最大津波対応の整備済み延長が24.3キロメートルでございまして、その整備率は約85%となっております。

〇吉田昭彦委員 国の点検マニュアルについては、平成15年度には作成されるだろうと理解してよろしいですか、お伺いします。

〇沖河川課長 国の方からははっきりとしたお答えをいただいておりませんので、今後とも、国の方に早期のマニュアルの策定について強く働きかけていきたいと思います。

〇吉田昭彦委員 津波危険地帯にあります本県にとっては防潮堤を過信してはいけないわけですけれども、しかし、避難の時間等を稼ぐためには防潮堤に頼らなければならない部分もあるわけですので、国の点検マニュアルが時間がかかるのであれば、危険地帯にある本県がマニュアルを国に示して、それを国のマニュアルにするくらいの意気込みでもって取り組んでいただきたいと思うわけですが、もう一度お答えをお願いします。

〇沖河川課長 国の方のある程度統一的なマニュアルの策定ということで各省庁連携してやっておりますので、県は県として、いろいろそれらの動向を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

〇吉田昭彦委員 よろしく御検討方をお願いして質問を終わります。

〇小原宣良委員 国道4号和賀大橋以南の4車線化についてお伺いいたします。
 この地区は、朝夕のラッシュが激しい箇所であることに加えまして、風雪等によりまして高速道路がストップの際には猛烈な渋滞となる箇所でありまして、なおまた、付近には北上総合運動公園などもあるところであります。こうしたことから早期の4車線拡幅が望まれているところでありますが、現状と改良の見通しについてお伺いいたします。
 次に、湯田ダムの上流に昨年完成いたしましたダムの効果についてであります。
 このダムは、第二ダムあるいは貯砂ダムとも言われているものでありまして、周囲の環境や湖面の水位安定を図るなどの景観形成にも寄与するものであります。この効果について、県はどう見ているでしょうか。
 また、このダムは、水が滝状に流れ落ちることから見ごたえのある施設で、観光面でも期待されております。ただ、このダムができてから、周辺の民家から窓ガラスがガタガタと振動するとの苦情が役場等に寄せられました。水が流れ落ちることによる低周波が原因ではないかともささやかれたのでありますが、この原因は把握できたのでしょうか、対策を含めてお伺いいたします。

〇渡部道路建設課長 一般国道4号和賀大橋以南の整備についてでございますけれども、国では、和賀大橋を含む北上市相去町から北上市飯豊町間の延長12.2キロメートル区間を北上拡幅として昭和57年度に事業着手し、平成7年度までに北側の6.2キロメートル区間が完成いたしました。また、平成10年度には、インターハイ会場となりました北上総合運動公園前の900メートル区間についても整備が完了しているものでございます。本年度から和賀大橋の4車線拡幅工事に着手しているところでありまして、既設の橋脚を補強して4車線化する工事を進め、平成17年度ごろの供用予定であると聞いているところでございます。
 また、和賀大橋以南につきましては、北上総合運動公園前から北側200メートル区間を平成15年度に供用する予定でありまして、残る和賀大橋までの区間約1.6キロメートルについても順次整備を進めていく計画であります。さらに、北上総合運動公園から金ケ崎町までの南側約2.8キロメートル区間についても、今後の交通渋滞や交通事故の発生状況等を検討するなど、事業の進捗を図る予定と伺っております。
 県といたしましては、北上拡幅の整備促進が図られますよう、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。

〇中澤河川開発監 湯田ダムの貯砂ダムについての御質問でございますが、湯田ダムにつきましては、貯砂ダムは上流域からの土砂流入に対処するために建設したものでありまして、貯水池への土砂流入を抑制することにより、ダム機能の長期的な保全を図るものと聞いております。また、川尻地区におきましては、貯水位が低下し湖底が露出していた7月から9月の間も一定の水位が保たれることにより、新たな湖面が創出されまして、水と緑の水辺環境が最大限に活用されることが期待されております。
 さらに、川尻地区におきましては、水位が維持されることになりますので、湖面の通年利用のほか、貯砂ダム堤体内に通路が設けられておりまして、利水容量を確保する期間は水位を上げるため通年利用はできませんが、7月から9月の最も利用可能な時期におきましてはちょうど滝のように流れまして、水と緑に親しまれる季節の観光目的にも非常に利用されると聞いております。
 次に、貯砂ダムの低周波振動につきましての御質問でございますが、湯田ダムの貯水池に平成13年10月に先ほど申しました貯砂ダムが完成しておりますが、周辺住宅の建物等が振動する現象が発生しているため、貯砂ダムが原因ではないかという問い合わせが相次いだと聞いております。国土交通省北上川ダム統合管理事務所では、周波数分析や音圧レベル等の測定を行ったりしているところでありまして、貯砂ダムの越流水位と低周波の音圧レベルの関係から、貯砂ダムの越流水により発生する低周波音が周辺に伝搬し、振動が発生しているものと聞いております。
 対策につきましては、北上川ダム統合管理事務所では、現在、水膜の分割などの対応策を検討中でありますが、今年度の融雪期に再度的確な調査を行いまして、最終的な対策を決定すると聞いております。

〇伊沢昌弘委員 2点についてお伺いします。
 まず、河川の改修についてお伺いしたいんですが、今定例会の冒頭で知事が演述を行っているわけでありますけれども、この中で知事は、人と自然がともにある環境の保全に向けて、河川改修において生態系など環境に配慮した多自然型川づくりに取り組んできたと述べていました。河川改修は、これまでも洪水防止を中心に、護岸の補強、堤防のかさ上げなどを行ってきているわけでありますけれども、特にも中小河川においては、河床もコンクリートで固める、いわゆる三面舗装も多く取り入れられ、水生生物や魚のすめない川が多くつくられてきたと私は思っていました。このような河川改修によって自然の姿が失われることに問題があると考えていたわけであり、多自然型の川づくりを進めてきたということで評価をしたいと思うわけでありますけれども、これまでにどのように改修をしてきたのか実例をお示しいただきたいのと、今後どのように進めていこうとしているのかお示しいただきたいと思います。
 もう一点、河川に関しまして、県が管理する河川の環境整備といいますか、潅木や堤防等の草刈り等々を含めて自治体の方に委託をするような形で対応してきていると思うんですけれども、市内のある方から、これを請け負っているといいますか、お願いされてやっている方々から、先ほど来予算の話が出ているんですが、何年たってもなかなか整備に関する、草刈りに関する予算等がつかないんだよなという御相談を受けたことがございました。今の状態で、予算書を見ても、どこの科目でこの河川整備をやっているのか私もよく読み取れない部分ですけれども、県全体の県管理の河川の草刈りなり潅木の状況なり、そういったものに対しての予算というのはどの程度配分されているのか、その辺まず教えていただきたいと思います。
 まず、これが第1点目です。2点目は後で言います。

〇沖河川課長 河川の環境整備につきましては、平成2年に国が多自然型川づくりの指針を示したところでございまして、それ以降、県といたしましても、多自然型川づくりと申しまして、ブロックに工夫したものとか覆土したものとか、いろいろこれまで取り組んできたところでございますが、その後、平成8年、本県におきましても岩手の川づくりプランを策定いたしまして、より一層生態系も含めて自然環境に配慮した川づくりを進めてきたところでございます。
 これまでも、例えば宮守川とか、現在工事が行われている県北の雪谷川、それから、いろいろな災害復旧等におきましても、覆土護岸とか植生護岸等環境に配慮した工法を採用してこれまで進めてきたところでございます。
 それから、河川の維持管理についてでございますが、県では、年々増加する公共土木施設の機能を十分に発揮するよう計画的な維持管理を進めるために、住民サービスの向上と施設の延命化に向けた取り組みを進めてきたところでございますが、これらにつきましては、県単河川維持修繕費等で草刈り等を実施しておりまして、そのほか、台風以後、例えば立木の流出で橋脚に挾まったものとか倒木とか、そういうものについては障害物除却という形で予算要求して対応してきたところでございます。

〇伊沢昌弘委員 ブロックを置いたり覆土したということであるんですが、もうちょっと突っ込んで聞きたいんですけれども、実はコンクリートで固めたような川を壊して自然に戻すような工法も含めて検討されているやに聞いているんですけれども、新年度以降、こういった分野についての検討状況はどのようになっているのか、その辺お伺いしたいと思います。

〇沖河川課長 現在、考えている自然を取り戻す河川の事業といたしましては、例えばコンクリート護岸などの一部、上部の方を取り壊して、それを緩傾斜護岸にした上で覆土して在来種の回復を図るということや、それから、改良することばかりではなく、水質の悪化箇所のヘドロの除去、それから、地域の触れ合い場所としての親水護岸や散策路の整備を行っているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 本当は、河川の護岸から水が浸出する、河床から水がわき出てきれいな希釈水をつくりながら川の自然浄化を助けるという形でぜひやっていただきたいものだと思っております。
 2点目ですが、県の住宅供給公社の包括外部監査結果報告についてお伺いしたいと思います。
 この件につきましては、予算特別委員会の初日の自由質疑の際に副知事から御答弁をいただいているわけでありますけれども、今後の改善に向けた考え等について、所管部でありますので重ねてお伺いしたいと思います。
 第1点目ですけれども、県として、地方住宅公社法という法律に基づいてこの住宅供給公社にはかかわってきていると思うんですけれども、理事長を任命したり、業務面でも多くのかかわりを持っていると思います。この間、どのような関与を行ってきたのか。監査も含めて対応してきたのかお伺いしたいと思います。
 2点目、監査の結果だけを見るわけですけれども、平成13年度は新たな住宅の用に供する用地取得を行っていなかったという報告があります。ここ数年の住宅用地の取得状況はどのようになっていたのかお示しいただきたいと思います。
 3点目ですが、包括外部監査の報告を受けて、その後で報告を見たんですが、所管部として今後対応していくために第三者機関等の中で検討していくということは聞いているわけでありますけれども、具体的に、重ねてどのように対応していこうとしているのかお伺いしたいと思います。

〇猪股県土整備部長 住宅供給公社の包括外部監査に関して第三者委員会をつくるということで副知事の方から答弁させていただいておりますが、この第三者委員会につきましては、具体的内容について、今、鋭意検討しているところですけれども、スケジュール的には、できるだけ早く立ち上げまして、秋ごろをめどに結論を取りまとめるよう審議していただきたいと考えておりまして、それを踏まえて県としての結論を出したいと考えているところでございます。
 それと、いろいろな指摘を受けたわけでございますが、会計処理や業務に対する御指摘の監査結果につきましては、住宅供給公社の業務内容にかかわることでございますので、適切な対応を早期にとるよう公社に指導したところでございますし、また、現在、公社においてそれらの改善に取り組んでいるということでございます。また、監査意見ということで、組織及び運営の合理化のための御提言ということで、それらについては、その内容を尊重して、住宅政策の推進、民間との役割分担、県民福祉等の観点から幅広く検討していく必要があると考えておりまして、先ほども申し上げましたけれども、第三者で構成する委員会をできるだけ早く設置して、住宅供給公社のあり方について検討したいと思っております。
 その他のお尋ねについては建築住宅課長の方から答えさせていただきたいと思います。

〇村主建築住宅課長 住宅供給公社に対します県としてのこれまでの関与といいますか、指導についてでございますが、住宅供給公社に対する指導監督の根拠といたしましては、委員御指摘のように、地方住宅供給公社法が基本にございます。このほかに、県の出資等法人に当たるということで、県出資等法人指導監督事務要綱、それから、岩手県住宅供給公社指導監督実施要領というのがございまして、これらに基づきまして、例えば公社が事業計画を策定する、あるいは具体的な主要事業に取り組む際に事前協議を受けて適宜指導を行ってきているところでございます。
 また、県の行政システム改革の一環といたしまして、平成14年4月には土地開発公社との事務局統合を行いまして、事業効率の向上、経営基盤の強化、新規事業の展開等に取り組んできたところでございます。
 包括外部監査につきましては、直接監査を受けます公社とともに、適宜補助的な説明を行うなどの対応をしてきたところでございます。
 それから、公社の住宅用地取得の状況でございますが、手元に詳細な資料がないわけでございますが、住宅供給公社が過去10年間に新規に着手した団地は10団地弱でございまして、近年の社会経済情勢ですとか、住宅事情の動向を踏まえまして、公社としては、新規の団地開発に関しては現在のところ慎重に対応すべき客観情勢にあるという認識をしておりまして、既に開発済みで分譲を開始した団地における宅地の分譲促進に重点を置いて取り組んでおります。したがいまして、近年では、最も最近に開発に着手すると計画しましたのは平成8年度末でございまして、それ以降は新規の団地開発を計画決定したものはございません。

〇伊沢昌弘委員 住宅供給公社の使命は終わったのではないかという前提の中でこの監査報告がなされているやに私は読み取ったわけです。しかし、県の所管部としては、一定程度の対応を含めて、これはまだ必要だと報告書の中にも載っているわけであります。したがって、これからの良好な住宅供給という立場で、本当の意味でなくなっていいのかどうかを慎重にやってもらいたいと一つは思います。
 また、実は、発足以来長年にわたって住宅供給公社があるわけでありますけれども、公社法に基づいて知事が任命をする理事長というのが、歴代県庁からの派遣といいますか、天下りという形で行っていたと思っています。私のところに、だれとは言いませんけれども、来られた理事長さんによって、脈々と築き上げてきた公社の中が、運営について大変な問題が生じたというお話を承った経緯がありました。県の方にもそういった部分については多分関係者の方から行っていた向きがあったのではないかと思います。今お伺いしたように、平成8年以降宅地分譲の造成というのはやられてこなかったというところに若干結びつくわけでありますけれども、独断専行といいますか、そういう形のものがやられてきたのではないかという思いがします。
 県とのかかわりの中では、監査の報告を見れば、毎年度事業については作成をして県知事の承認を得るとか、計画等について県は公社に立入検査ができること等々を含めて規定があるわけであります。そこで、先ほど関与についてはどの程度やってきたんですかということをお伺いしたわけでありますけれども、そういった内部の部分も含めて改善に向かっているとは思うんですけれども、そういった形の中でもしやられてきたとすれば、大変重要な時期にやるべき事業が、慎重だということであればこれはまさに新たな住宅の分譲地の造成というのはなかったわけでありますけれども、例えば公社内で、過日新聞に載りましたけれども、東安庭地域の農水省の大きな土地がある。そういったところを含めて東京の事業者がそこを買って開発する、こういうものについても住宅供給公社の中で検討した経緯があったのかどうかも含めて、これは公社のことですから県はわからないといえばそのとおりだと思うんですが、チャンスとしてあったのではないかなと。確かに民間のディベロッパーがかなりふえて、盛岡市内でも長橋団地等々含めてやっている面があります。しかし、事業者がやるのと、公社がやって、良好なもの、そして、ひとにやさしいまちづくりをつくる等々含めた崇高な理念のもとで公社が住宅を供給するということから考えれば、そういったことも検討されて、結果としてできなかったというものであればいいわけでありますけれども、事業者が東京の方から来られて造成をする。ただでさえ今大変な状況の中で、県民がこれを買えるかというと厳しい面があるのではないかと思っています。県の住宅供給公社がつくれば安いということではないと思うんですけれども、そういったことを含めて、この間の状況についてもしわかっていれば教えていただきたいと思うんですけれども、現状、それから、将来に向けて今申し上げたような改善策等々があるとすればお示しいただきたいものだと思います。

〇猪股県土整備部長 公社について今までどんな役割があったのかということでございますが、そのとおりだと思います。住宅供給に関していろいろな取り組みをして、役割を果たしてきたということだと思います。その経緯も踏まえた中で包括外部監査の方でいろいろ意見をいただいたわけでございまして、その内容については尊重しながら、先ほども申し上げましたように、幅広い観点、例えば住宅政策の推進であるとか民間との役割分担、県民福祉等の観点から幅広く検討していくということで考えておりまして、そのために第三者で構成する検討委員会をできるだけ早く設置して、住宅公社のあり方を検討することにしていきたいと思っております。
 公社の新規の団地を着手するかどうかという話については、公社の方でいろいろ経営状況も踏まえながら、社会情勢も踏まえながら判断してきたということでございますし、経営陣としてそれなりの判断を持って進めたということだと思います。その結果、平成8年度以降は、かなり社会的にも経済社会状況から見てもどんどん住宅が売れる状況ではなかったということもあったと思いますが、公社としての経営判断ということで着手してこなかったということでございます。
 具体の東安庭の開発等々のことにつきましてはちょっと私も承知しておりませんので、それにつきましては担当の建築住宅課長の方から答えさせたいと思います。

〇村主建築住宅課長 部長の答弁に補足させていただきますと、先ほど私、平成8年が最後の新規団地の開発計画決定だと御説明いたしましたが、それ以降造成を行っていないということではなくて、新規の団地に手をつけていないということで、御存じのとおり、住宅団地の開発は非常に長い期間かかりますので、開発を決定してから実際に募集を開始するまで大ざっぱに5年ぐらいかかります。ですから、それ以前に既に開発計画を決定したものを今幾つか県内で分譲しているということで、公社の事業はその間ずっと動いておりますので、そこを補足させていただきたいと思います。
 それから、東安庭地区についての御質問がございましたが、御指摘のように、財務省の東北財務局所管の旧東北農業試験場盛岡試験場跡地のことを指しておっしゃったんだと思いますが、これについては、事業化の可能性について検討をした経緯がございます。県は、公社から正式な協議を受けておりませんので詳しい事情は把握しておりませんけれども、先ほど部長が申しましたように、コストですとか公社のそのとき持っている在庫ですとか周辺の開発動向とか、いろいろな要素を勘案して、結果として公社としては事業化に取り組まないという一つの経営的な判断があったと理解しております。

〇伊沢昌弘委員 住宅そのものはつくってまだたしか722、次年度末で一つの分譲のものが残っている。これらを含めて販売をしながら何とかやるというのが一つあるようでございますので、公社そのものが、今までやってきた部分、それから廃止も含めてということになろうと思うんですが、これだけ大きなものを受け取るところが果たしてあるのかなと。売れないものを簿価で試算をして引き取るというところも大変なことではないのかなと一つは心配しているところであります。
 ただ、公社等運営委員会でしたか、私も一、二回議員として委員の中に入れていただいて、この住宅供給公社の財務処理についても御報告を受けた経緯がありました。ただ、はっきり言ってよくわからないと。中身を含めてわからない点が多くあったわけであります。こういった外部監査が入ったということで、一定程度県民が関心を持つということと、それからお隣の県のような不正が起きていないということもこの監査では明らかになっていると思うので、前向きないろいろな対応をぜひお願い申し上げたいと思います。
 私さっきちょっと言いましたけれども、県から行った役員の方々はそれぞれ頑張っているかとは思うんですけれども、長年プロパーとしてやってきた人たちとの意思の疎通といいますか、きちっとしたことがつながらない中で誤解が誤解を生んだ面もあるのではないかと思うんですけれども、ぜひそういった分野も含めて、県土整備部以外のところもこういった公社、公団の指揮監督があるわけでありますので、ぜひそういった内容も含めて調査をいただきながら、次のときに禍根を残さないような対応をぜひお願い申し上げたいと思います。

〇沖河川課長 先ほど河川の維持管理費で答弁漏れがございましたので、大変申しわけございませんが、答えさせていただきます。
 河川の維持管理費につきましては、平成14年の1億6、900万円に対しまして、平成15年、今お願いしているのが2億3、300万円と、建設予算が抑えられる中で1.38倍という伸びを示していただいております。

〇阿部静子委員 県営住宅の状況について御質問いたします。
 県民が安心して生活できる社会の実現のための重要な課題の一つに住まいの問題がございます。県民の住まいに対するニーズは、その生活の状況などによりましてさまざまでございます。それに応じて、県としても多様な施策を展開しているものと思いますが、特にも、このような社会経済状況の中では、低所得の方々へ安定した住居を提供する公営住宅の役割は大変大きいものと考えます。
 そこで質問をいたします。最近の県営住宅の入居率はどのようになっているでしょうか。また、家賃の滞納状況についてはどうなっているのでしょうか。失業等で家賃の支払いが大変な方もいらっしゃると考えておりますが、そのような方々にはどう対応をなさっているのか、今後の滞納対策も含めてお伺いいたします。
 次に、障害を持った方々の入居状況についてですが、障害者の方々にとっても、低家賃で入居できる公営住宅はなくてはならないものであろうと思いますが、障害者の入居についてはどのように対応されているのでしょうか。また、現在、どれくらいの世帯が入居されているのでしょうか。今後はどのように取り組んでいかれるかお伺いいたします。

〇村主建築住宅課長 県営住宅の入居率についてでございますが、本年1月末現在の県営住宅の入居状況は、入居可能な管理戸数が4、806戸ございますのに対しまして入居戸数が4、697戸でございます。入居率は約98%となっております。
 次に、家賃滞納状況とその対策についてでございますが、近年、県営住宅の家賃滞納額は増加傾向にございます。平成13年度は1億3、857万円余で、平成12年度と比較しますと3、025万円余の増となっております。また、家賃徴収率を見ますと、平成13年度は90.3%、前年度と比べますと1.9ポイント低下しております。
 このような状況にかんがみ、従来から滞納者に対しては電話や臨戸訪問等による納入指導を行ってきておりますが、通常の納入指導では改善が見込めない高額の滞納者については、平成11年度以降、県営住宅の明渡等請求訴訟を提起しまして、新たな滞納者の発生の防止に努めてきたところでございます。今後、これらの対策をさらに強化しまして、家賃滞納額の減少に努めてまいりたいと考えております。
 また、失業により収入が減少する等真に困窮する世帯に対しましては、家賃の減免制度の活用を促す等のきめ細かな対応を実施してきたところでございます。
 次に、障害者の方の入居への対応についてでございますが、障害者につきましては、住宅に困窮する度合いが一般の方よりも高いと思われますことから、障害者向けの特定目的県営住宅というものを整備しているところでございます。さらに、県営住宅の入居資格である収入基準を一般の方よりも緩和したり、年5回やっております定期募集の際に優先入居枠を設けるなどの対応を行っているところでございます。
 障害者の入居状況につきましては、平成14年10月1日現在のデータでございますが、216戸に障害者の方が入居しておられます。
 今後とも、これらの制度を活用して、障害者が安心して暮らせる県営住宅の整備を図るなど、障害者に配慮した県営住宅となるよう努めてまいりたいと考えております。

〇阿部静子委員 入居率が98%ということでございますが、聞くところによれば、入りたいけれども入れないといううわさもございますが、その点はいかがでございますか。待機者というのはないんですか。

〇村主建築住宅課長 空き家が発生いたしますと、年5回に分けまして定期募集をしております。それのここ1年間の応募倍率は、県全体で約5倍でございます。したがいまして、希望される方全員に入っていただけない状況であるのは確かでございますが、待機するという制度はございませんので、その都度応募していただくという制度になっております。

〇斉藤信委員 最初に、簗川ダムの見直し問題についてお聞きします。
 盛岡市の利水計画について、本会議での私の質問に対して知事答弁では、利水計画のあり方についてはさまざまな議論もありますことから、今後とも市と十分に意見交換しながら種々検討してまいりたい、こういうふうに述べられました。これは、見直しの検討の必要性を認めたと私は受けとめましたが、それでよろしいんでしょうか。
 盛岡市の利水計画は既に完全に破綻しているのではないでしょうか。平成74年――2062年に給水人口が36万8、260人になるという根拠は全くないと思います。市の当初計画の給水人口38万5、640人というのはいつ見直されたんでしょうか。
 盛岡市の利水計画には63億円余の事業費負担がかかることになります。これが必要ないとすれば、63億円のむだな投資をなくすことになります。今年度までの全体の投資額と盛岡市の負担額はどうなっているでょうか。必要ないとすれば、私は早く解決をすべきだと。県の検討と盛岡市との意見交換の見通しを示していただきたい。
 治水問題についても、これは12月県議会でも詳しく私は取り上げましたが、専門家による独自の調査と検討を実施すべきではないでしょうか。市民ネットワークによるシンポジウムの際、京都大学防災研究所の上野氏は、簗川ダムの事業計画と現地調査を踏まえて、基本高水流量が過大に設定されていること、ダムに頼らない方法で適度な安全性とできるだけ費用のかからない治水対策が可能であると提言をしています。こうした検討を専門家と住民参加で行うことが必要ではないでしょうか。ダムを見直すということになれば、水没予定の簗川、根田茂川流域の自然と環境、生態系が守られることになります。これが水没した場合のリスク、水没によって失われる環境の費用というのも明らかにすべきと思いますが、いかがでしょうか。

〇中澤河川開発監 簗川ダムの見直しについての御質問でございますが、第1点目の盛岡市の利水検討についてでございますけれども、盛岡市は、長期的なまちづくりへの対応あるいは広域的な観点及びリスクに対する安全性の向上などさまざまな要素を総合的に勘案した上で簗川ダムに参加することをみずから判断したものでありまして、県としては、そのような市の考えを尊重すべきものと考えておりますけれども、利水計画のあり方につきましてはさまざまな議論もありますことから、今後とも市と十分に意見交換しながらいろいろと検討してまいりたいと考えております。
 市の給水人口は見直されたのかということでございますが、盛岡市は、平成5年に厚生省の認可を受けました目標年度平成28年の給水人口を38万5、640人とした盛岡市水道事業第7次拡張計画変更に基づいて簗川ダムに利水参加しております。平成11年に御所浄水場の稼動時期を見定めるため、現状の人口と給水原単位のトレンドを単純に延長した試算を行い、この試算において平成74年に給水人口が36万8、260人になり、簗川ダムからの取水が必要になるとしております。この結果が本年度の公共事業評価委員会に提出されたものでございます。この試算は、御所浄水場の稼動時期を見定めるものでありまして、正式な計画は、平成5年に厚生省の認可を受けたものであると聞いております。
 次に、全体投資額と盛岡市の負担額でございますが、盛岡市の負担割合は、ダム全体事業費670億円に対しまして9.5%、63億6、500万円でありまして、平成14年度までに15億3、316万8、000円の負担となっております。
 盛岡市との意見交換はできるだけ早い時期に行いたいと考えておりまして、それらの結果を踏まえまして、今後さまざまな検討に入りたいと考えております。
 次に、治水問題につきましての検討を専門家、住民参加で行うべきではないかという御質問でございますが、治水問題につきましては、昨年度の公共事業評価委員会におきまして、現地調査を行うとともに各種代替案につきましても比較検討し、十分議論を尽くした上で、委員会から4項目の意見を付して事業継続が妥当であるとの意見が出されたものでありまして、県としては、その委員会の意見を踏まえまして事業計画を決めたものであります。しかしながら、今後、附帯意見の一つである、事業内容に大幅な変更があり、再評価を実施する必要があると判断した場合に該当することになったときには、再度公共事業評価委員会に諮って、専門的な見地に立ったさまざまな議論をいただくことになると考えております。
 なお、公共事業などの評価システムにつきましては、現在、条例化に向けて専門的な知見を得る手法も含めまして検討を行っているところであり、そのシステムの検討結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
 簗川・根田茂川流域の自然と環境、生態系、その影響の費用についての御質問でございますが、これにつきましては、簗川ダム事業は、環境影響評価条例制定前に事業着手しているため条例には該当しないものでありますけれども、この条例に準じまして、条例の趣旨にのっとって、専門家の意見を聞きながら環境調査を行っております。また、工事の影響による環境に対する負荷をできる限り軽減するため、簗川ダム環境専門委員会等から意見や提言をいただきながら、移植などの保全処置等最大限の対策を講じながら慎重に事業を進めております。
 水没によって失われる影響の費用につきましては、その指標がまだ定まっていないこともありまして、特に算定してはおりません。

〇斉藤信委員 できるだけ早く話し合いをするということですから、私はそれを了としたいと思うんです。
 実はこの利水問題というのは、昨年の9月の公共事業評価委員会県土整備部会でも議論になった問題なんです。この県土整備部会で、県立大学の元田委員がこういうふうに言っているわけです。この計画の妥当性を言うためには、やはり万人を納得させるような説明が必要だと。そこで、平成11年までが実績だということですが、そこまでは人口は減少している。そこから急に勢いよくふえ始めるという推計は、普通の人が見たらおかしいなと思うのではないか。恐らく盛岡市の将来計画、人口フレームに従ってこういう推計をされるのだと思うけれども、どれだけの説得力を持つのか。そして、こう言っています。多くの市町村の将来計画というのは破綻している。人口が減っている中で依然として人口フレームをふやし続けるということをやっているわけですけれども、やはり県は、市町村から上がってくるものをそのまま積み上げるということではなくて、自分のところでチェックする必要があるのではないか。事業主体は県なのだから、県の方できちっとチェックする必要があるのではないかと。
 私は、公共事業評価委員会でこういう正論が出ているにもかかわらず、盛岡市が言っているからということであなた方が対応してきた。これは問題だと思いますよ。県の人口シミュレーションだって、平成31年に27万人台に盛岡市の人口は減少する。昨年10月の人口推計でも既に減っていますよ、盛岡市は。もしこれが必要ないとすれば、63億円も盛岡市の費用負担にかかわるわけです。来年だって費用負担を出すわけでしょう。こういう点では、そういうむだな投資をしないように、こういう問題は早く解決するようにしていただきたい。この議論を踏まえて、県の対応、反省したということですか。

〇中澤河川開発監 さまざまな議論がありますことから、基本的には、そういう議論を踏まえながら今後具体的な話し合いに入っていきたいということでございます。

〇斉藤信委員 これ以上はやめましょう。
 治水の問題について、今、公共事業評価委員会で十分代替案も含めて検討されたと言いました。私は、本会議でも紹介したんだけれども、その当時の県土整備部会長をやった首藤先生がこう言っているんです。我々には治水のレベルや工法が妥当かまで検証する時間も権限もない。知事がそこまでの土俵を用意してくれなければできないんだと。わずか2カ月であなた方が出したダム案や河川改修案や地上げ案、これを専門的に検証していないんです。あなた方が出しただけなんですよ。そういう点で、あの2カ月間で事業費が倍増した、340億円が670億円ですよ。私は、倍になるような事業計画というのは、全くでたらめだったと言われても仕方のないものだと思います。それをたった2カ月でゴーサインをする。それで本当によかったのか。そして、その後、京都大学の防災研究所の専門家、これは国土研究会といって全国のダムを調査している専門家ですよ。その方が実際に現地を調査して、岩手県のダム事業計画をかなり緻密に検討して、私が先ほど言ったような河川改修で十分対応できる、費用を安くできる、こういうことを提案しているわけです。実際に、公共事業評価委員会の現地調査は丹念に簗川を見ていません。私は同じコースで2度回った。簗川を見ていないんですよ。私は、そういう点では、全く専門的な、科学的な検討が欠けたと思うけれども、いかがですか。

〇中澤河川開発監 昨年のシンポジウムで京都大学の防災研究所の上野氏がいらしたときには私も同席いたしまして一緒に議論をした経過がございますが、上野先生にはそれなりの個人的な考え方がございまして、ダムなしの河川改修を強く推されておりました。ただ、これはやはりさまざまな意見の相違というものがございまして、我々とすれば、さまざまな代替案を比較検討した上で現在の案が最適だという考え方を持っております。さまざまな意見があることは常でございますので、今後ともそういう意見に対しては謙虚に耳を傾けながらお話し合いは受けていきたいと考えております。

〇斉藤信委員 微妙なニュアンスですね。結局、今までの公共事業評価委員会は、県がコンサルに頼んだ試算を出すんですよ。ダム案、河川改修案、地上げ案と。ところが、ダムを推進する人が出して、ダムの方が安上がりですよ、効果的ですよと、これは科学的検討にならないんです。
 長野県はどうやったかというと、専門家を入れて、結局、県が出した案もある、公共事業評価委員会で出された案もある、最終的に、それは選択の問題だとなっているわけだよ。県の提案だけでは選択できないんです。
 私はそういう点で、わずか2カ月でゴーサインを出したと、担当した部会長も、それはもう極めて不十分だと言っているわけだから、私は、670億円の大規模開発を本当に専門家や住民参加で吟味をすべきだということを指摘しておきたいと思います。
 それと、環境問題ですけれども、さまざまな環境調査をやられています。しかし、ダムをつくって、水没することを前提にした環境調査なんですよ。そこで水没によって失われる環境影響のコストはどういうものかということを考えるべきですよ。そういうことも含めて、本当にダムが必要なのか、河川改修で対応できないのかを本格的に検討すべきだと私は思いますが、そういう環境影響のコストについては検討しないんですか。

〇中澤河川開発監 失われる環境に対する評価というのは、基本的には環境影響調査の中で調査しているものでありまして、それがどういう影響があるか、それを軽減あるいは回避する方法を検討するということをやっているわけでございます。
 ただ、失われるものが、例えば洪水調節上どの程度のものであり、あるいは費用としてそれをどの程度に算定すべきかというのは、さまざまな手法がございまして、まだ学術的にも定まっていないというものだと我々は理解しております。しかし、できる限り最新の科学技術を吸収いたしまして、そういうものについてもできる限りの対応は図っていきたいと考えております。

〇斉藤信委員 簗川・根田茂川流域というのは、盛岡市の中でも豊かな自然環境、生態系が残されている本当にわずかな地域なんですね。それだけに、あそこが水没することについて市民の思い入れは大変強いんです。私は、だからこうした問題も含めて総合的に検討したら、本当にダムがいいのかということが今市民全体で議論になっているんです。そのことを指摘しておきたいと思います。
 次に、津付ダムの問題についてお聞きします。
 県土整備部長は本会議での答弁で、津付ダムの利水について、陸前高田市に対し意向の再確認を行っていると。これはいつまでの予定でやるのか。変更の申し出があった場合は、計画の修正を含め適切に対応していくとしていますが、これは、変更の申し出があった場合には再評価にかけるのでしょうか。
 簗川ダムと同様、治水のやり方についても私は見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 これまでの総事業費、投資額、陸前高田市の負担はどうなっているでしょうか。
 あの気仙川は広田湾に流れるわけですけれども、この広田湾というのは、今、養殖のカキ日本一と言われる。私は、漁業への影響は大変軽視できないものだと思いますし、漁民の方々が大変心配をしています。また、気仙川はアユ釣りでは全国100名川の中で43位、アユ釣りでは全国的にも評価された有名な清流であります。私はそういう点では、本当に自然環境を守る、そうした受益者の意見もしっかり聞くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇中澤河川開発監 津付ダムについてでございますが、意向の確認を行っているがいつごろまでかという御質問でございます。
 津付ダムには陸前高田市が工業用水を1日当たり2、000立方メートル確保する計画として利水参加を表明しているものでありますけれども、年度末をめどに陸前高田市に対して意向の再確認を行っているところでありまして、開発水量等の変更の申し出があった場合には、必要に応じて計画の修正等、適切に対応していく考えでございます。
 次に、治水のあり方についてでございますが、治水計画の検討に当たりましては、河川改修単独案、あるいは宅地かさ上げ案及びダムと河川改修の組み合わせ案など、さまざまな手法について比較検討を行って、経済性や地域に与える影響、あるいは環境面から、ダムと河川改修の組み合わせ案が最も有利であるとして計画しているものでございます。
 総事業費等投資額についてでございますが、津付ダムに要する総事業費は202億円と見込まれておりまして、平成14年度末までの投資額は約8.8%、17億7、500万円となっております。
 また、陸前高田市の負担額は総事業費に対しまして0.5%の1億100万円でございます。
 それから、カキの養殖など漁業への影響についてでございますけれども、現在策定中の環境影響評価の中で、環境問題全般にわたって検討し、評価がなされるものでございます。
 なお、海や漁業への影響については、沿岸域に建設されたダムではこれまで影響は確認されておりません。また、津付ダムはダム下流で大きな支川が合流することから、その影響は少ないものと今のところは考えております。

〇斉藤信委員 タイミングよく、きょう岩手日報と朝日新聞に津付ダム大幅な計画見直しも、津付ダム利水を再検討、こういう記事が出ています。御承知のように、陸前高田市で市政が変わりました。朝日新聞によれば、脱ダムの市長が誕生、こういうことになっておりまして、私はこの議会でも、陸前高田市の2、000立方メートルのこの利水には全く根拠がないと。市勢発展計画にも位置づけられていないんです。私はそういう点では、この陸前高田市の利水が必要ないとしたら、当然これは再評価にかかるものと思うけれども、そこをはっきり答えていただきたい。
 もう一つ。今、ダム案、河川改修その他の案を検討して、ダムが一番いいのだと言いました。しかし、あなた方が検討した検討書を見ても、ダム計画案が188億円、引き堤、築堤案が200億円、引き堤プラス河道掘削案が222億円、この額はほとんど誤差の範囲なんですよ。そして、簗川みたいにダムの事業費がふえたら、これは本当にダムが安いなんていうことは一言も言えない。ましてや環境に対する影響を考えたら、私はダムは絶対高くつくと思いますよ。私は、河川改修でも十分対応できるし、基本高水流量や河川改修のやり方を考えたら、絶対これは河川改修の方が、自然環境にも影響を与えないし、有効な案だと思うけれども、こんな誤差の範囲でダムがどうして有効だとなるのか、これは額だけの判断なのか、そのことを示していただきたい。
 それと、漁業についての影響は小さいから検討しないんだと、とんでもないと思いますよ。今、全国で海に流れるダムの問題については、もう上流、下流で大問題になっているんです。ましてやここは、もう日本一の値段がつくカキ養殖の、そして、そのために漁獲量を3倍も、4倍もふやしてきた漁民たちがいるんですよ。私はそういう点では、調査もしないで影響が小さいなんていうやり方、これは本当にだれも納得しない。みんな受益者なんだから。私は、漁業に対する影響というものも県がきちんと調査をした結果、影響があるのかないのか。実際、ダムをとめますと、海に必要な栄養がとめられるので、それが富栄養化して、ヘドロになって流されるんですよ。二重の意味で影響を受けるんですよ。
 最近、東京水産大学の専門家が陸前高田市で講演をした、それは重大な影響が考えられるという提起ですよ。そして、そういう中で恵み豊かな気仙川と広田湾を守る地域住民の会がつくられた。多くの漁民がこれに参加しています。私はそういう点でも、こういう問題に真剣に対応して――そもそも私は、津付ダムはいろいろな側面から考えて、ダムなしでも十分対応できる、これは見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇中澤河川開発監 利水がなくなった場合の再評価についての1点目の御指摘でございますが、現在、意向確認中でございますので、確認結果が出た時点で、その内容を総合的に判断しまして、再評価が必要かどうかも含めまして検討していきたいと考えております。
 2点目の、ダムなしでの河川改修での検討はどうかということでございますが、基本的には、費用だけではなくて、環境面その他総合的に判断して、ダムプラス河川改修を現在選択しておるものでございます。
 環境問題につきましては、ダムが環境に与える影響が大きいという御指摘ももちろん社会にはございますが、全面河川改修をすることによる長い延長に対しての河道改修の影響も大きいという問題がございますので、それらを総合的に勘案しまして、最も有利なものを選択するというのが基本的な考え方でございます。
 それから、漁業への影響でございますが、漁業への影響につきましては、検討しないとは言っておりませんでして、環境影響調査の中で検討がなされております。影響が小さいというのは、今そのように考えておるだけでございまして、影響の心配がある問題については、基本的には十分に検討していきたいと考えております。

〇斉藤信委員 河川改修案が自然環境に与える影響は最も少ないと、そのとおりですよ。しかし、あなたは今、河道を大きく広げなければならないから、こういう話をしました。しかし、その河川改修案があなた方が考えた案なんですよ。治水安全度の問題にしても、河川改修のあり方の問題にしても、別の専門家が考えたらもっと合理的なことができますよ。簗川だってそうなんですよ。簗川なんか、あなた方は上流まで立派な堤防をつくるなんていう計画を立てるから事業費が高くなるんですよ。簗川の特性を考えてやったら、大幅に合理的な河川改修の案ができるんですよ。そういうふうに専門家は提案しているんです。
 私は、この治水問題を考えても、全く事業費は誤差の範囲です。環境に影響を与えない、河川改修の案も独自に検討したら、これは絶対安くなりますよ。専門家に検討させたら絶対そうなりますよ。ダムを推進、もうダムありきで考えるからそうなるんです。昭和52年から、ここはダム建設の調査が始まっているんですから、最初からダムありきなんですよ。私はそういうことで、治水のあり方も検討してもらいたいと提起をしているのです。

〇水上信宏委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 この際、進行に御協力を願うため、質疑は完結明瞭にお願い申し上げます。

〇斉藤信委員(続) わかりました。協力します。
 次に進みます。港湾の問題について簡潔に聞きます。
 港湾整備事業について、久慈港の場合、既に320億円投資されていますが、貨物取扱量の計画実績に対してこれは過大だったのではないでしょうか。
 大船渡港の計画の平成4年作成の需要予測は、既に破綻しているのではないでしょうか。需要予測の計画と実績を示していただきたい。これを見直さずに436億円の事業を進めることは、むだと浪費の投資になるのではないでしょうか。今の段階で需要予測を見直して計画を再検討すべきではないでしょうか。
 花巻空港の拡張事業について。
 利用客の実績と予測調査の見直しはいつやるのでしょうか。私は、仙台空港など、東北各県の空港との機能分担が検討されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 盛岡市の盛南開発の見直しについて。
 この盛南開発については、既に盛岡市にイオンが出店をする、中央卸売市場が建設される、いわば商業用地と流通業務用地が完全に別なところに建設されているわけであります。これはかなり大幅な面積で、このまま推移したら大変なことになると思いますが、見直しを行うべきではないでしょうか。

〇村井港湾課長 久慈港の現在の港湾計画は昭和60年に改訂されたものでございまして、主に諏訪下地区と半崎地区の2地区を整備することとしております。計画取扱貨物量は約550万トンとなっておりますが、これは、半崎地区にセメント関連企業が立地するとした場合の計画値でございます。厳しい経済環境の変化によりまして、予定しておりました企業の立地が計画どおり進みませんでしたことから、全体事業計画に対して、これまで、諏訪下地区の一部の岸壁や半崎地区における国家石油備蓄基地関連など、貨物量や使用する船舶等に対応した一部の施設を整備してきたものでございます。
 次に、大船渡港の現港湾計画についてでございますが、これは平成4年に改訂されたものでございまして、既存の茶屋前地区、野々田地区などに加えまして、新たに永浜・山口地区を整備しようとするものでございます。その中で、まず計画取扱貨物量につきましては、企業からのヒアリングなどにより約726万トンとしておりますけれども、これもまた、厳しい経済環境の変化によりまして、平成13年の取扱貨物量は406万トンとなっております。
 また、現在事業を進めております永浜・山口地区につきましては、老朽化が進行している茶屋前地区の機能を移転させるということが主な目的でございまして、さらに、船舶の大型化にも対応しようということで、現在事業を進めております。これらは、取扱貨物量の動向を見定めながら整備を進めております。
 なお、平成4年の改訂からおおむね10年が経過しておりますため、港湾計画の改訂作業を来年度から2カ年計画で行う予定でございます。
 次に、花巻空港関係でございますが、まず、利用実績、需要予測でございますが、花巻空港の利用客の実績ですが、平成15年2月末現在で15年の利用客が約46万人と、対前年同期比で1.7%の増となっております。
 需要予測につきましては、国土交通省から国内航空需要予測の一層の精度向上等に関する通達が出されておりまして、これに基づきまして、現在、需要予測を行うに当たって留意すべき事項がその通達で示されておりますので、現在、これに基づいて見直しを進めているところでございます。
 検討内容が専門的であることなどを踏まえまして、国と協議しながら作業を進めておりまして、できるだけ早く取りまとめたいと考えております。
 次に、仙台空港などの機能分担でございますが、東北の各空港は、立地条件や国内外の就航先、ダイヤ等においてそれぞれ特徴を持っております。
 国際線につきましては、仙台、青森、秋田、福島で現在就航しておりますが、就航先や運航便数等から、3、000メートル滑走路を有する仙台空港が長距離国際定期便の拠点機能を担っていくべきものと考えております。
 また、国内線につきましては、各空港とも近隣県からも利用されている実態があることから、相互に補完の関係にあると認識をしております。
 そうした中で、花巻空港は国内主要4都市とネットワークされ、高速交通網の結節点という地理的条件から隣県利用率が高いという特徴を持っておりまして、東北新幹線盛岡-八戸間の開業や東北横断自動車道など交通アクセスの整備により、その役割はさらに高まるものと考えております。

〇澤口まちづくり推進監 盛南開発計画の見直しでございますが、社会経済情勢の変化はございますけれども、盛南開発は北東北の拠点として整備を進めるためにはぜひとも必要な新たな軸状都心の形成に向けた重要な事業でございまして、今後とも、地域のコンセンサスを得ながら、盛岡市とも連携しながら事業推進に努めてまいりたいと考えております。
 また、事業の進捗につきましては、現在、5年程度のおくれが生じているということを事業主体でございます地域公団の方から伺っておりますが、その事業期間等の変更につきましては、今後、見直しに着手するということで伺っております。

〇斉藤信委員 久慈港の場合、既に320億円投資されているんですよ。私は、予定したセメント関連企業の立地がないからなんていうことで、じゃ、320億円はどうなるのかと。そういう開発のあり方でいいのかということが問われているわけです。
 そして、同じようなやり方が大船渡でやられるのではないかと。私は、需要予測を聞きました。726万トンの需要予測だと。これは、88年の実績が468万トンでした。90年の計画は718万トン。90年の時点で破綻しているんですよ。2000年の計画推計は726万トンですよ。あなた方が需要予測を立てて、2年後には破綻しているんです。10年間ずうっと破綻したままで、平成13年はもっと減っているじゃないですか。私は、こういうことで、本当に最初760万トンと推計した形で計画を進めていいのかと聞いているんですよ。
 そういうことで、私はやっぱり需要予測をやり直して、深刻な財政危機なんですから、財源があるわけじゃないのですから、むだと浪費の大型開発を真剣に見直さなかったら、本当に必要な公共事業にお金が回りませんよ。私はそういう点でそこを聞いたのです。
 最後に、私は、盛岡市の都心環状線と医大の移転計画を踏まえた県都のまちづくりの問題について。盛岡市は既に検討委員会を設置したようですが、私は、この岩手医大の移転に対応するまちづくりの検討というのは、県としても対応が必要だと思いますけれども、いかがですか。

〇平井都市計画課長 まず、都心環状線ということでございますけれども、都心環状線は、今の盛岡都市圏の交通を適切に処理するために、盛岡南大橋、今、下開運橋というのをやっておりますけれども、あれも含めた11路線から成ってございまして、延長が14キロメートルございます。それで、その中には国道、県道、市道が含まれております。その進捗率というか、整備率は43%ほどになっております。
 その見直しということでございますけれども、未整備区間については、進捗率が43%ほどでございますが、それぞれの道路管理者が事業進捗の状況を見ながら、順次未整備区間の整備を進めていくことになるものと考えております。
 現在、盛岡市の方で都市計画の見直しをやっておりますけれども、これは、盛岡市の魅力あるまちづくりを行っていくため、長期的な展望のもとで都市のあり方を見つめまして道路計画を見直すものでありまして、今後とも地域の方々と話し合いを持ちながら、盛岡市と連携して進めてまいりたいと考えております。
 それから、岩手医大以降のまちづくりということでございますが、岩手医大の移転計画につきましては、具体的な計画がまだ明らかになっていないととらえてございます。現在の施設規模からするとさまざまな課題があるのかなと考えております。
 こういったものに対して、県としては、昨年11月に岩手医大の移転計画に係る諸課題に対して的確かつ効率的に対応するため、保健福祉部を総合窓口といたします、これは県土整備部も含んでおりますが、庁内関係部局による連絡体制を構築しております。
 県土整備部といたしましては、今後、大学の具体的な移転計画が取りまとめられていく段階におきまして、随時、地元の盛岡市や矢巾町、庁内の関係部局、関係機関と十分連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員長 ほかにありませんか。

〇伊藤勢至委員 簗川ダムに関連して一つお伺いいたしたいと思います。
 県土整備部には、県内の各市町村といいますか広域圏といいますか、盛岡と90分で結ぶという90分構想があるわけでありますが、これがなかなか進捗しないのが現状であります。そういう中にありまして、我が宮古地域にとりましては、この県都盛岡と結ぶ106号線という部分につきまして、簗川ダムが進捗することによって、従来の106号線が約2、000メートルぐらい水没する。したがって、新しい切りかえルート1、600メートルぐらい、3本のトンネル、14本の橋ということでやっていると聞いておりまして、これが開通いたしますと限りなく90分構想に近づいてくる。しかも冬場の特に今なんかは、カーブが多い、交通の危ない箇所が多いものですから大変期待が多いのであります。したがいまして、県土整備部ではそういう点も木を見て森を見ない議論ではなくて、広域的な部分でこの簗川ダムは大いに貢献をするのだ、こういうところを大いに訴えてもらいたいと思うわけであります。宮古あるいは沿岸の地域の皆さんは、この簗川ダムを一日も早く進捗していただいて、90分構想に早く近づけてもらいたい、こういう声が多いのでありますが、元気を出してやってもらいたい。所感があればお伺いしたい。

〇猪股県土整備部長 ダムと道路と両方かかわりますもので、私の方からお答えさせていただきますけれども、90分構想の整備については、我々、財政が厳しい状況ではありますが、一生懸命取り組ませていただいているところでございます。ダムに関連する道路、あわせて106号も関連することになりますので、このことについては、県土整備部としても積極的に取り組んでいきたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 頑張ってください。

〇樋下正信委員 関連。
 去年の決算特別委員会でも同じような話をさせていただいたわけですけれども、今、伊藤委員の方からは道路の話が出ましたが、斉藤委員は2回ほど行ってみたという話ですが、私も何十回も何百回も、地域の人たちから、振興のためになるから早くやってくれというような話も随分いただいているんです。本当に、今までは西の方が随分、例えば御所ダム、繋方面とかはそれなりに発展してきているわけですが、東部は今まで何にもなかったという話をされていまして、観光面とか、大きな地域の振興に役立つものだと言われておりますので、ぜひその辺のところも考えていただきまして、御所見があればお伺いしたいと思います。

〇猪股県土整備部長 前回もお答えさせていただきましたが、地域振興という観点も確かにあろうかと思います。積極的に取り組ませていただきたいと思っております。

〇及川敦委員 冒頭から挙手しておりましたので、委員の皆様には若干御理解いただきたいと思います。
 2点伺いたいんですが、まず1点は、木賊川の件でございます。
 木賊川の件につきましては、昨年、伊沢委員初め、沿川の各議員でいろいろ要望してきた経緯があるわけですが、改修について今、年度内にやられているということで、その点については非常に感謝を申し上げる次第です。その抜本対策である、まず遊水地の件でございますが、私の理解では、今年度中に環境検討委員会からいろいろ提言が出て、遊水地の根本的な計画の見直しというようなことになると伺っておりましたが、その状況がどうなっているのかお知らせをいただきたいと思います。
 また、もう一つの対策である分流の計画について、諸葛川の分流について、牧野林の排水路を検討というようなことも若干伺っているわけですが、その点についてどのような状況であるかお聞かせいただきたいと思います。
 もう1点につきましては、県道と交差します踏切の改良についてでございますが、これからの課題としてぜひ伺っておきたいと思うんですが、昨年、並行在来線が、盛岡以北についてはJRからIGRに変わったわけですが、私が承知している限りでも、青山踏切、馬頭踏切、その次ずうっといって、本滝沢踏切、それ以北も踏切の改良の要望がある部分がいろいろあると思うんです。
 従来、市道についても県道についても、JRさんとの協議の中ではかなりハードルが高かったように伺っておりまして、JR協議があるからなかなか難しい、事業費の件もあるので難しいという話をずうっと伺ってまいりました。しかし、経営形態がJRからIGRに変わったわけでありますので、地域の方では、例えば、今までJRが、JRがという話であったのが、どちらも県が関与することであれば若干早くいくんですかというような声も出てございます。並行在来線の青山駅につきましても、第2案の森永乳業近くにほぼ決定ということで、いろいろ伺うところによりますと、停車することになれば、これから1日7分から8分ぐらい停車時間が長くなるので、また渋滞が云々というような懸念もされているようでございます。
 ここで伺いたいのは、一般論で結構でございますので、IGRと今後踏切の改良についていろいろ協議する場面が出てくると思うんですが、その協議の方式等について、これから検討するのかどうなのか、従来と変更があれば、その点についても確認のためお聞かせをいただければと思います。

〇沖河川課長 それではまず、木賊川の河川改修についてお答えいたします。
 木賊川の河川改修につきましては、沿川の市街化が著しいということ、それから、そのため河道拡幅が困難であるということから、遊水地とあわせて周辺開発計画と調整しながらの諸葛川への分水計画を進めているというところでございます。
 現在、その遊水地の方につきましては、昨年11月に環境検討委員会を開催いたしまして、これまで2度ほど委員会を開催しております。ここの遊水地におきましては、希少動植物のオオタカやサクラソウなどが確認されておりまして、この委員会の3回目が、今の予定では今月の21日に予定しております。
 これまでの委員会におきましては、遊水地堤防の自然植生の復元についての留意点、掘削後の水路の再生などによる湿地環境の再生、工事中の希少動植物の移植等についてのいろいろな注意点などについて御意見を伺っております。そして、これら意見を踏まえ、第3回につきましては、提言についての取りまとめが行われるということでございます。
 県といたしましては、これらの提言を受けまして、遊水地の規模、分水路の規模、それらを平成15年度中には確定したいと考えておりまして、この計画の取りまとめに当たりましては、平成15年度には、さらに地域の方々や学識経験者の方々の御意見を伺いながら、これらの見直し計画を進めたいと考えております。

〇渡部道路建設課長 並行在来線の踏切等について、JRからIGRに変わってどうなったという話でございますけれども、IGRに変わりましてまだ日が間もないこともございますし、それから、JRのときには馬頭踏切等いろいろ協議をしてまいりましたが、新しい形態になってから具体的に協議したかどうか、今時点でちょっと私は把握していないものですから、いずれ、これから新駅の問題とか、あるいは踏切施設等の話がございますので、具体的にIGRとの協議が出てくると思います。その時点にならないと、今のところどう変わったかというのは、ちょっとお答えできる状況にございません。

〇及川敦委員 御答弁ありがとうございました。
 IGRとの件については突然お尋ねしたわけですが、これを契機にと申しますか、地域のさまざまな関係する方が、フラストレーションが非常に高い部分がかなりあります。例えば、私の理解が正しいかどうかわかりませんが、伺い聞いているところによりますと、JR協議の時代は常に、交差の部分の改良という話になると、立体交差が原則だということでずうっと話が来ているように伺っておりました。計画自体はアンダーパスなり立体交差でできていますけれども、事業費だどうだこうだというのでもう何十年も進まない、しかも歩道の改良も行われないということで来ているわけでございます。
 理想は、事業費が確保されて立体交差ということでよろしいと思っているんですが、余り事業が、これからも10年、20年、30年めども立たないということであれば、IGRさんに経営形態が変わったということであれば、若干のそういう見直しも含めながら、例えば、若干の拡幅でいけるのであれば拡幅と、立体交差にこだわらないでも事業を進める方向でいかないと、なかなか地域住民の方々のフラストレーションの解消にならないのかなというふうにも思っております。新駅の設置、またオムニバスタウン計画の進捗というさまざまな新しい要素もありますので、ぜひその辺を含めて今後の検討課題としていただきたいと思うわけでございますが、御所見があれば賜って、終わりたいと思います。

〇渡部道路建設課長 ただいまの委員の発言の趣旨がよくわかりましたので、これからIGRについては、そういう趣旨も踏まえながら協議してまいりたいと思います。

〇水上信宏委員長 ほかに質疑がありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上信宏委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。どうも御苦労さまでした。
 次に、企業局長から企業局関係の説明を求めます。

〇船越企業局長 企業局関係の議案について御説明を申し上げます。
 お手元の議案の説明に入る前に、電気事業と工業用水道事業の平成15年度事業運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。
 地方公営企業を取り巻く環境は、近年、規制緩和が進展するとともに、地方分権の推進が実行の段階を迎える一方、財政構造改革が強力に推し進められるなど、その変化は極めて顕著なものとなっております。企業局におきましては、このような時代の変化に適切に対応しつつ、引き続き地方公営企業の運営の根本原則であります公共の福祉の増進と経済性の発揮を事業運営の基本に据えながら、効率的で合理的な経営に取り組んでまいりたいと考えております。
 まず、電気事業につきましては、電力の小売自由化など電気事業を取り巻く環境が大きく変化する中で、卸供給料金算定方法の見直しなどに伴い、これまでにも増して経営の効率化が求められております。このような経営環境下におきましても、良質で安定した電力を供給し、発電所を安全かつ効率的に運営するため、老朽化した施設の修繕、改良を計画的に実施するなど、適切な維持管理に努め、経営の効率化を一層推進していく考えであります。
 また、地球温暖化防止のため、再生可能エネルギーの活用を図るという観点から、本県が有する水力及び風力資源の開発に努めてまいりたいと考えております。
 次に、工業用水道事業でございます。
 工業用水は、現在多量の未売水を抱えておりますが、現下の厳しい経済情勢、近年の企業の立地状況などから、契約水量の大幅な増大は当面期待できない状況となっております。
 一方、施設の老朽化が進んでおりますことから、安定的な水の供給を確保するため、厳しい経営状況ではありますが、施設の改良・修善を計画的かつ着実に実施していくことが必要であると考えております。このため、引き続き関係部局との連携を図りながら、水需要の拡大に努めるとともに、経費の一層の節減に努め、経営の健全化を図ってまいる考えであります。
 それでは、議案について御説明を申し上げます。議案その1の53ページをお開き願います。まず、議案第14号平成15年度岩手県電気事業会計予算についてであります。
 第2条は、業務の予定量であります。年間販売目標電力量は、昨年10月に運転開始した柏台発電所を含め、各発電所の目標電力量の合計を5億7、954万3、000キロワットアワーと定めようとするものであります。
 54ページをお開き願います。第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。
 まず、収入の第1款電気事業収益は51億510万9、000円で、その内訳でありますが、第1項の営業収益47億104万4、000円は、水力発電所分の電力料収入等であります。
 第2項の財務収益1億5、854万7、000円は、株式配当金や預金利息等であり、第3項の附帯事業収益1億5、687万4、000円は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所の電力料収入等であります。
 第4項の事業外収益8、864万4、000円は、松川発電所及び早池峰発電所の建設費利子補給金等であります。
 次に、支出の第1款電気事業費用は45億4、431万9、000円で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用38億6、588万7、000円は、水力発電所分の職員給与費、修繕費、減価償却費等であります。
 第2項の財務費用4億1、302万円は、企業債の支払い利息であり、第3項の附帯事業費用1億6、520万8、000円は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所の運転管理費用であります。
 第4項の事業外費用9、520万4、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額であります。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資金運用に係る投資10億100万円を除く資本的支出額に対し不足する金額17億1、723万円を過年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものであります。
 収入の第1款資本的収入は2億3、461万3、000円であります。その内訳でありますが、第1項の補助金882万円は、胆沢第三発電所の建設事業に対する国庫補助金であります。
 第2項の負担金2、579万3、000円は、岩洞ダムの河川維持放流施設整備事業費の共有者負担金であります。
 第3項の長期貸付金償還金2億円は、一般会計からの償還金であります。
 支出の第1款資本的支出は29億5、284万3、000円であります。その主な内訳でありますが、第1項の改良費11億5、263万7、000円は、各発電所の設備の改良・更新に要する経費であります。
 第2項の電源開発費5、582万1、000円は、新規開発地点の調査等に要する経費であり、第3項は、企業債元金の償還金であります。
 第4項の長期貸付金1億5、642万6、000円は、経営健全化のため、工業用水道事業会計へ貸し付けを行うものであります。
 第5項の投資10億100万円は、いわゆるペイオフ対策としての資金運用に係る国債購入に要する経費であります。
 次に、第5条の債務負担行為でありますが、これは、岩洞第一発電所の機器更新工事及び松川発電所の取水設備法面崩壊対策工事について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
 第6条は、一時借入金の借入限度額を5、000万円と定めようとするものであります。
 次に、第7条は、予定支出の、営業費用と附帯事業費用との各項間で金額を流用することができる経費として定めようとするものであります。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を定めようとするものであります。
 56ページをお開き願います。第9条は、たな卸資産の購入限度額を定めようとするものであります。
 以上で電気事業関係の予算の説明を終わります。
 次に、議案第15号平成15年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
 まず、第2条業務の予定量についてでありますが、第1号は、北上工業団地地内及び岩手中部工業団地に立地する19の事業所に対する給水量を年間総給水量で1、538万5、908立方メートルに、1日平均給水量で4万2、038立方メートルにそれぞれ定めようとするものであります。
 第2号の主要建設事業につきましては、第二北上中部工業用水道建設事業で、沈殿池増設の浄水工事等を実施するものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。
 まず、収入の第1款工業用水道事業収益は11億7、746万9、000円で、その主なものですが、58ページをお開き願います。第1項営業収益の11億7、720万8、000円は、給水収益等であります。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は11億5、205万5、000円で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用8億4、268万4、000円は、職員給与費、業務委託費及び動力費等であります。
 第2項の財務費用2億9、006万8、000円は、企業債の支払利息等であり、第3項の事業外費用1、880万3、000円は、消費税及び地方消費税の納付予定額であります。
 次に、第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。
 まず、本文中の括弧書きは、資本的収入額が資本的支出額に対し不足する金額3億5、033万5、000円を、当年度分損益勘定留保資金等で補てんしようとするものであります。
 収入の第1款資本的収入は6億3、955万3、000円で、その内訳でありますが、第1項の企業債3億5、300万円は、第二及び第三北上中部工業用水道の建設資金及び各施設の改良資金を借り入れしようとするものであり、第2項の出資金1億3、012万7、000円は、経営健全化のため一般会計から出資を受けようとするものであります。
 第3項の他会計からの長期借入金1億5、642万6、000円は、電気事業会計から借り入れしようとするものであります。
 次に、支出の第1款資本的支出は9億8、988万8、000円で、その内訳でありますが、第1項の建設費2億2、030万円は、第二北上中部工業用水道の建設費であります。
 第2項の改良費2億623万円は、各施設の改良・更新に要する経費であり、第3項は、企業債元金の償還金であります。
 第4項の他会計からの長期借入金償還金1億8、792万7、000円は、一般会計への償還金であります。
 第5条の企業債でありますが、これは、第二北上中部工業用水道建設事業と施設の改良事業に充てる企業債の借入限度額等を定めようとするものであります。
 第6条は、一時借入金の借入限度額を3億5、300万円と定めようとするものであります。
 第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費の金額を定めようとするものであります。
 第8条は、たな卸資産の購入限度額を定めようとするものであります。
 以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わります。
 なお、これらの予算に係る実施計画、資金計画、給与費明細書、継続費に関する調書、債務負担行為に関する調書及び財務諸表につきましては、予算に関する説明書の456ページから505ページに掲載しておりますが、説明は省略させていただきます。
 以上で企業局関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇水上信宏委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
   午後3時13分 再 開

〇水上信宏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほどの企業局長の説明に対し質疑はありませんか。

〇樋下正信委員 私からは、電力自由化等への企業局の取り組みについてお伺いします。
 今国会では、電力自由化範囲の拡大等を意図した電気事業法の改正法案が提出されると聞いております。このことにより、電力会社間及び新規参入者との間で顧客の獲得競争が活発になり、電気料金の引き下げに一層拍車がかかるものと思われます。一方で、地球温暖化防止の観点からは、京都議定書を取りまとめた我が国としては官民挙げて温暖化ガスの排出削減に努めていかなければならないわけで、クリーンエネルギーへの取り組みに一層努めていかなければなりません。
 このように、エネルギーコストの低減と地球環境の保全は時代の要請となっておりますが、一つ目として、企業局として電力自由化の影響をどのようにとらえ、今後どのように対応していくのかお聞きしたいと思います。
 また、二つ目でございますけれども、クリーンで再生可能エネルギーである中小水力発電の開発に今後どのように取り組んでいくのか、この二つについてお伺いしたいと思います。

〇船越企業局長 2点お尋ねがございましたけれども、まず、電力自由化の影響と対応についてでありますけれども、3月7日に電気事業法の改正案が閣議決定されたところでございまして、電力自由化の範囲が特定規模需要――これは、例えば規模で申しますと、中規模の工場あるいはスーパーなどといったところ――から高圧需要――これは、その次の段階の小規模の工場あるいは小規模のビル等に供給するところになりますけれども――にまで拡大されることがほぼ確実になりました。このことによりまして、御指摘のように電力市場での競争が活発になりまして、電力会社の経営環境が今以上に厳しくなりますことから、企業局の電気事業にも一層のコストダウンが求められてくるものと考えております。
 そのほか、新たに創設されることになります卸電力取引所、これは従来、相対取引でやっておったわけでありますけれども、これを自由化するということで、いろいろな方々がそこに参画して取引が自由にできることになるわけですけれども、これへの企業局の参加は自由でございますけれども、こういったところでの取引価格が一定の価格の指標として企業局の売電価格に影響することも考えられると思っております。
 したがいまして、企業局としては、今後とも事業効率の向上や経費の節減に取り組みまして、また、施設維持のための工事を計画的に進めるなど、一層の経営効率化と安定経営に努めなければならないと考えているところでございます。
 次に、中小水力の開発についてでありますけれども、電力の自由化の進展に伴いまして、電力会社は経営の効率化に取り組んでおり、総じて新規の開発につきましては、こういった情勢から慎重な姿勢をとっている状況にございます。
 しかしながら、二酸化炭素を排出しない水力発電は、クリーンで再生可能なエネルギーでございまして、地球温暖化防止に貢献することから、国のエネルギー政策や環境政策の動向に注視しながら、今後とも東北電力への卸供給を基本としながらも、自由化時代に対応した新しい供給形態として、例えば公的な機関への供給等につきましても調査・研究を進めてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 簗川ダムの発電所建設事業について、総事業費とダム負担金、これまでの負担額はどうなっているか。
 東北電力の開発同意が得られないということですけれども、私は、見通しがかなり厳しいのではないかと思います。もしできないとすれば、来年度予算で負担金を払うことになるわけですから、早く結論を出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一つ、風力発電について、稲庭高原風力発電の運転実績はどうなっているんでしょうか。落雷の事故もあったようですが、採算はとれる実績になっているんでしょうか。
 県内の風況調査の状況と見通しについて示していただきたい。

〇船越企業局長 簗川ダムと風力につきましての御質問がございましたけれども、簗川ダムの総事業費、ダム負担金につきましては業務課長の方から、風力につきましては風力電力開発室長の方から御説明させます。その他につきましては私の方から答弁を申し上げたいと思います。
 まず、簗川ダムについてでございますが、開発同意の見通しについてというお尋ねがございました。現在、東北電力は、電力の自由化の急速な進展、電力需要の低迷等によりまして経営の先行きが見えない中では開発同意に係る判断が困難であるとしておるところでございます。ただ、私自身、昨年11月に出かけてまいりまして交渉してまいりましたけれども、こうした中では、東北電力としても、再生可能エネルギーとしての水力発電の重要性は認識するという御説明もございましたし、今後とも、コストの縮減など何か新たな提案があれば協議に応じるというお話でございまして、私としましては、本年、自由化の範囲拡大など電気事業法が改正される見込みでございますけれども、今後、制度設計が詳しくこれからわかってくるという状況もございますので、その内容を踏まえながら、引き続き交渉することとしたところでございます。
 それから、一つには、1年延ばしたということでございますが、これにつきましては、ダムの実施設計のスケジュールから年末に何らかの結論を出さないとということもあったわけでございますが、こういった事情から、私としては何とか今後とも東北電力と交渉したいということで、県土整備部の方とも協議をいたしまして、本来、この簗川ダムの発電というものは維持放流量を利用して発電するものですから、本体の堤体には影響がないということで、実施設計の段階では少し発電の部分についてはおくらせてもいいという県土整備部の判断もあったものですから、そういったことで継続して交渉することとさせていただきました。
 負担金についてでございますけれども、こういったようなことから、企業局としては、発電事業を継続するという考えのもとにこれからも協議をするわけでございますので、ダム建設事業に係る基本協定に基づきまして負担金については支出してまいりたいと考えております。

〇杉下業務課長 簗川発電所の総事業費並びに負担金についてお答えいたします。
 簗川発電所建設事業は、簗川ダムの事業費が670億円とした場合には、総事業費が17億円、そのうち企業局のダム負担金は2億100万円であります。これまでの負担額は、平成14年度末で4、841万4、000円の見込みとなります。

〇池内風力発電開発室長 稲庭高原風力発電所の運転実績についてでありますが、今年度の2月末までの売電電力量は237万2、000キロワットアワー、売電料金は2、728万2、000円となっており、計画値に対する達成率は48.0%になっております。
 達成率が低かった理由は、4月から6月まで1号機がメーンベアリングの故障により停止したこと、機器故障の抜本的な対策として一部の機器を国産製に取りかえる工事を8月末から11月末まで実施したこと、12月には2号機が落雷により風車羽根が損傷しまして長期間の停止を余儀なくされたことによるものであります。
 機器故障の抜本的な対策として実施した一部の機器を国産製に取りかえる工事が完了した後は故障はほとんど発生しておりませんで順調に稼動しており、11月の達成率は77%になるなど、機器取りかえ前に比べ、安定性及び信頼性において格段の改善が図られたと考えております。
 ただ、残念なことに、2号機が12月から落雷による風車羽根の損傷によりまして停止しております。実は、平成13年の夏にも落雷がありましたけれども、設計どおり雷対策機能が働きまして損傷はありませんでした。今回の雷は、この地域ではめったにない冬の雷で、かなり強かったため、羽根が損傷したものと考えております。
 現地での除雪あるいは風速、外気温などの作業条件が満たされる5月以降にできるだけ早く復旧させ、少しでも稼働率を上げるように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 本年度の採算はとれるかとの御質問ですけれども、本年度は、年度末で大体1、900万円ほどの未達になる見込みとなっております。この1、900万円の未達の内訳としては、大体その半分が2号機の停止分、残りの半分が風況が悪かったこと等によるものでございます。
 なお、未達になった分、赤字になるわけですけれども、その分については、来年度以降、稼働率を少しでも上げるように努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、県内における風況調査等の状況と見通しについてでございますけれども、完成している稲庭を除きましてこれまで11カ所で風況観測を実施してきておりますが、この中で、年間平均風速が6メートルを超えている室根高原、寺沢高原及び高森高原が有望であると考えてまいりました。
 室根高原につきましては、平成12年10月から22カ月間実施した猛禽類調査の結果、非常に高い頻度でイヌワシの出現が確認されております。このため、本年1月24日に猛禽類の専門家や地元町村の出席を得て開催しました室根高原風力発電計画検討会議におきましてこのような状況を説明したところ、猛禽類の専門家から、計画地点の出現率は営巣地と同等レベルであり、風車の設置はイヌワシの生息環境に重大な影響を与えることになり、非常に好ましくないとの見解が示されております。また、地元の町村からは、開発を見合わせることはいたし方ない旨の意見をいただきました。このような意見を踏まえ、企業局内で検討した結果、室根高原につきましては、事業化に向けた取り組みを見合わせることとしております。
 また、寺沢高原についても近くにイヌワシの営巣地がありまして、高い頻度でイヌワシの出現が確認されております。また、冬期間の除雪の区間が約8キロメートルと非常に長く、除雪に多額の費用を要しますのて、採算性を確保することが困難になっております。このような状況について地元の村に説明をいたしまして、事業化を断念することについて了解が得られております。
 なお、高森高原につきましては、昨年11月から猛禽類調査を開始し、1年間実施することとしておりまして、この調査結果が得られた段階で事業化の可能性についてさらに詳細に検討したいと考えております。
 また、平成15年度は、盛岡市の飛鳥地区及び一戸町の宇別地区におきまして昨年12月から開始した風況調査を継続することとしておりまして、今後においても多くの有望地点を確保し、新規開発に備えることとしております。

〇斉藤信委員 簗川発電所については、来年度中には結論を出すと受けとめてよろしいわけですね。
 それと、風力の話で1、900万円未達ということで、半分は2号機の故障、半分は風況が悪かったと。風況が悪かったというのは、どういうことでしょうか。これは、来年度もあり得ることじゃないんでしょうかね、風況が悪いというのは。もう少しここを示していただきたい。

〇池内風力発電開発室長 風況が悪かったということにつきましては、稲庭高原風力発電所の計画段階で1年間の風況調査を実施しまして、それを一応計画値としているものなんですけれども、たまたまことしは1年間の観測データに比べて低い平均風速であったということで、こういった風速のデータにつきましては、4年とか5年のデータの蓄積がないと評価できないのではないかと考えているところです。

〇村上惠三委員 局長にお伺いしたいと思います。企業局の経営について一つは提案、一つは御所見をお伺いしたいと思います。
 企業局が経営する事業につきましては、特に昨年来新たな事業の経営について議会でも質疑が交わされてまいりまして、関心が持たれているところであります。毎回企業局長からは研究する旨の答弁があるわけでありますが、果たして真に研究がなされているのか疑問に思います。恐らく、文献調査や他県の例の情報収集などにとどまっているのではないかと思うわけであります。
 この際、御提案を申し上げますが、しっかりとした財源をもって、大学や国、さらには民間の研究機関等と本格的な研究をしてはいかがでしょうか。幸いにも電気事業は、毎年度収支は黒字を計上しております。民間企業であれば、黒字のおおむね60%は税金として――国税以外の税金も含めてでありますが――納めるわけでありまして、残り40%が社内に留保される。普通は民間会社ではそうなるわけであります。しかし、企業局は税金を納める必要がありませんので、100%内部留保ができるわけであります。そこで、企業局も税金を納めたつもりで、黒字額の一定額を新たな企業の研究開発などに振り向ける予算を組んではいかがかということであります。こうして自由な研究に使える財源を局長のもとで予算化して新しい企業の発掘をしていただきたいと思うわけでありますが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 さらには、企業局長の任期についてでありますが、一昨年の石川局長には熱心に、かつ真摯に取り組んでいただき、その成果を期待しておったわけでありますけれども、1年で退任ということになりました。昨年は、相原局長はおよそ半年で退任。局長の席が暖まる暇がないわけであります。局長というのは公営企業の管理者でありまして、私から言わせますと、企業の代表者でありますから、責任の一切を負うということになっているわけでありますから、いわば知事のようなものなわけであります。また、その任期も知事と同じく4年と定まっているわけであります。それを半年や1年で、腰を据えた仕事をしないうちにおやめになる。新たな取り組みも、またそういうことでは不可能であろうと思うわけであります。私は以前から医療局長についても同様の質問をしてまいりましたが、局長は4年間の任期を全うして、やはり後世に残るような仕事をしてはいかがかと思うわけでありますが、御所見をお伺いしたいと思います。

〇船越企業局長 企業局の経営についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、新規事業の研究開発についてでございますけれども、これまでの一連の規制緩和あるいは行政改革等地方公営企業を取り巻く環境は大変大きく変化しております。こういった中での委員からの御提言だと思いますが、これまでの企業局でのこういった事業に対する取り組みにつきまして少し御説明をさせていただきたいと思いますが、企業局では、平成9年に新規事業検討委員会を設置いたしまして、未利用エネルギー発電や駐車場事業などさまざまな事業について検討してまいりました。その中から、企業局の人的あるいは技術的な資源を十分に生かすことができる新エネルギー分野である風力、木質バイオマス、そして廃棄物発電などについて具体的に調査・検討を行ってまいりまして、その結果、実現に至ったのが風力発電ということでございます。
 風力発電につきましては、先ほど来お話がございましたようにいろいろトラブルもありましたけれども、稲庭高原風力発電所の経験を生かしながら、そしてまた、さらに学識経験者など専門家の御意見もこれからいただきながら、新規の開発にもつなげてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、木質バイオマス発電事業につきましても、これまで木質燃料の燃焼特性等の調査――これは平成10年度に行ってまいりました――、それから、木質バイオマスによる発電事業を可能にするための制度調査――これは平成13年度に行っております――などにつきましては、民間の研究機関に委託して調査を実施してまいりました。また、木質バイオマスエネルギーの利用につきましては、小規模コージェネレーションシステムの可能性調査、これは平成14年度に実施しておりまして、産学官との情報交換等も行ってきたところでございます。
 新エネルギー発電を初めとするこれらの新規の事業につきましては、御提言の趣旨を踏まえ、今後とも一層各研究機関や関係団体等と連携を図りながら、積極的に公営企業としての役割を担ってまいりたいと考えております。
 また、財源についてでございますが、電気事業会計の剰余金の活用につきましては、国の指導もございまして、その使途につきましては、電気事業の新たな展開や維持発展に充てることとされてはおりますけれども、本体事業の健全な運営を保ちながら、これら新規事業の研究開発にも取り組んでまいりたいと考えております。
 また、局長の任期についてのお尋ねでございますけれども、企業局長の任務の責任というのは極めて大きいと私自身も認識しております。ただ、局長の任期4年を全うしてはどうかということにつきましては、私自身からは何とも申し上げにくいところでございますけれども、企業局の業務の重要性をよく認識して立派な仕事をやれという激励のお言葉と受けとめまして、今後とも職員と一丸となってさらに努力してまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇伊沢昌弘委員 1点だけお伺いします。
 本定例会に、多分明日の常任委員会に係ると思うんですが、新エネルギーの導入の促進及び省エネルギーの促進に関する条例というのが提案されているわけであります。今まで御答弁いただいたように、新エネルギーについては企業局がいろいろ研究を重ね、産学官等もやってきたということを考えれば、この条例とのかかわりで、企業局が持っているノウハウ、県の責務等々を含めてあるわけであります。所管課は違うと思うんですけれども、この条例が出るに当たって、企業局との連携といいますか、これらについてはどのようなことがあったのか。また、今後この条例が制定されれば、企業局としてこの条例に即した形で参画していくことになろうと思うんですけれども、御所見があればお伺いしておきたいと思います。

〇船越企業局長 委員御指摘のとおり、この条例につきましては、私どもも同じような仕事をしているということで、当然その中の一員となって一生懸命取り組んでまいらなければならないと思っておりますし、この条例の作業に当たりましても、私どもも参加させていただきながら検討した経緯がございます。したがいまして、この条例に盛られている内容につきましては私どもも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上信宏委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
 企業局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案35件についての意見の取りまとめ方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上信宏委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後3時41分 休 憩
   午後4時21分 再 開

〇水上信宏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案35件について、各会派の代表の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 議案第1号については、次の意見、すなわち、我が国の経済情勢は、景気の一部に持ち直しの動きが見られるものの、弱含みの状況にあるが、このような中にあって、平成15年度における本県財政は、昨年度に引き続き県税収入が大きく減少するとともに、地方交付税や国庫支出金が国の構造改革の影響等により大幅な減収が見込まれるなど、財源の確保が極めて難しい状況にある。
 一方、歳出においては、公債費の大幅な増嵩に加え大規模プロジェクトの整備に係る事業費が増大するなど、これまでになく厳しい状況に置かれている。
 このようなことから、今後の財政運営に当たっては、自主財源の確保と政策評価の一層の徹底を図り、新たに導入された政策形成・予算編成システムの運用による限られた財源の重点的かつ効果的な活用を図るとともに、いわゆるプライマリーバランスの均衡の早期実現など、引き続き財政運営の健全化に努められたい。
 また、食の安全安心対策や産業廃棄物不法投棄対策、雇用対策など、新たな行政課題に機動的に対応するとともに、岩手県総合計画に掲げる諸施策を着実に推進し、県民が豊かさとゆとりを実感できる魅力ある地域社会の形成と、地域の特性を生かした県土の均衡ある発展が実現できるよう、さらに努力せられたい。旨の意見を付し、原案を可とすることといたしました。
 また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 これより、討論を省略し、採決を行います。
 まず、議案第1号について採決いたします。
 本案は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇水上信宏委員長 起立多数であります。よって、議案第1号は、ただいまの意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第23号、議案第33号、議案第35号、議案第36号、議案第45号及び議案第49号の以上15件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇水上信宏委員長 起立多数であります。よって、議案第11号から議案第13号まで、議案第16号から議案第21号まで、議案第23号、議案第33号、議案第35号、議案第36号、議案第45号及び議案第49号は、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第27号、議案第28号、議案第30号から議案第32号まで、議案第34号、議案第44号及び議案第47号の以上19件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇水上信宏委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第10号まで、議案第14号、議案第15号、議案第27号、議案第28号、議案第30号から議案第32号まで、議案第34号、議案第44号及び議案第47号は、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって、当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして、深く感謝を申し上げます。
 これをもって予算特別委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。(拍手)
   午後4時27分 閉 会


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